説明

導光シート及び導光シートを備えるキーシート

【課題】電子機器に組み込み易く、しかも光の導入効率が低下し難く、導光効率が高い技術の提供。さらに回路基板上の他の電子素子の仕様にも対応できる技術の提供。
【解決手段】収容枠13とLED4とを係合させれば簡単に位置決めすることができ、導光シート11を電子機器1の内部に組み込み易くすることができる。さらに収容枠13とLED4との係合によって両者の位置ずれを起こし難くすることができ、高い導光効率を維持し易くすることができる。また、収容枠13がベース12と回路基板3との隙間を形成することができ、回路基板3上の皿バネ5に必要な押圧ストロークを確保することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に搭載されて押釦スイッチや外装部品などの照光に用いられ、内部光源から照射される光を受光部で受光し導光部で導光して照射部で光を散乱させる導光シート、及び押釦スイッチに用いられる導光シートを備えるキーシートに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の照光用に搭載される導光シートは、回路基板上に配置され、回路基板上の内部光源から照射される光を受光部で受光し導光部で照射部まで導光してその照射部で光を散乱させ、回路基板と実質的に対向する押釦スイッチや外装部品などの文字、記号、図柄等を電子機器の内部から照光するように用いられている。
【0003】
例えば、特開2008−130506号公報(特許文献1)には、導光フィルムを用いて照光されるキーユニットが記載されている。具体的には、導光フィルムを備えるキーシートがトップカバー部材に接着してあり、回路基板上に設けた側面発光のLED(光源)からの光をその導光フィルムの側面で受光して、キーシートのキートップを照光している。
【0004】
特許文献1に記載のキーユニットは、導光フィルムが受光した光を効率よくキートップに伝えることができる。しかしながら、回路基板には接点スイッチなど種々の電子素子が取付られており回路基板とキーシートの間にはこれら電子素子の仕様に対応して隙間が形成される。例えば回路基板上に押圧入力タイプの接点スイッチが設けられている場合には、回路基板とキーシートの間に押圧ストロークを形成する隙間が必要となる。このため、回路基板とキーシートの間に隙間を形成しながら導光フィルムの側面をLEDの光軸上に整合して固定することが難しく、導光フィルムにおける光の導入効率を高めることが難しい。さらに導光フィルムとLEDが別々の部材に固定されているため、押圧入力操作によって両者間に僅かな位置ずれが生じ易く、位置ずれを起こすと導光フィルムの受光量が低下してキートップの照光輝度が低くなる問題やキートップの輝度むらを生ずる問題がある。
【0005】
導光部材への光の導入効率を高め、光源と導光部材の位置ずれを起こし難くする構成として、以下の2つの技術が知られている。
そのうち1つは、例えば、特開2007−27115号公報(特許文献2)に記載されているように、回路基板にLEDと光導波路を固定して両者の位置ずれを起こし難くしている。そして光導波路の受光側端部を回路基板側に屈曲させ、光導波路の受光側端部を回路基板上のLEDの光軸に合わせて光導波路における光の導入効率を高めつつ、光導波路と回路基板との間に隙間を形成して回路基板上の電子素子の仕様に対応している。
もう1つは、例えば、特開2006−324240号公報(特許文献3)に記載されているように、接点スイッチなどを有する回路基板とは別に第2の基板を用意し、この第2の基板にLEDと導光板を固定して両者の位置ずれを起こし難くしている。そして導光板の側面をLEDの光軸に合わせるように固定して導光板における光の導入効率を高め、第2の基板を回路基板から離間してキーパッドと回路基板の間に隙間を形成して回路基板上の電子素子の仕様に対応している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−130506号公報
【特許文献2】特開2007−27115号公報
【特許文献3】特開2006−324240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献2に記載される構成では、LEDと光導波路を位置ずれし難くして光導波路における光の導入効率を高めているが、光導波路が屈曲しているため導光時に光漏れが生じ易く、キートップの照光輝度が低くなるおそれがある。また、特許文献3に記載される構成でも、LEDと導光板を位置ずれし難くして導光板における光の導入効率を高めているが、第2の基板という新たな別部材が必要であり、組立が面倒でコストが高くなるおそれがある。
【0008】
以上のような従来技術を背景としてなされたのが本発明である。すなわち、本発明の目的は、電子機器に組み込み易く、しかも光の導入効率が低下し難くて導光効率が高い技術を提供することにある。さらに、回路基板上の他の電子素子の仕様にも対応できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成すべく本発明は以下のように構成される。
すなわち、電子機器の内部に備える回路基板上に設けた内部光源からの光を導入する受光部と、導入された光を照射部に向けて導光する導光部と、導光された光を照光部材へ散乱する照射部と、を備える導光シートであって、導光部となる平板状のベースにおける内部光源側の一方面に、該一方面から中空の枠形状に突出して先端に開口を有しその開口から中空内に内部光源を進入させて受光部となる収容枠を設け、この収容枠における外側面の少なくとも一部が、先端側からベース側に向かって収容枠の肉厚を薄肉にするように傾斜して入射光を導光部へ反射させる傾斜面である導光シートを提供する。
【0010】
本発明では、中空内に内部光源を進入させて受光部となる収容枠を設けている。このため収容枠で内部光源を覆うことができ、光が外部へ逃げることを抑制して受光効率を高めることができる。そして内部光源に光軸があってもその光軸上で受光することができる。また、この収容枠と内部光源とを係合させれば簡単に位置決めすることができ、導光シートを電子機器の内部に組み込み易くすることができる。さらに収容枠と内部光源との係合によって両者の位置ずれを起こし難くすることができ、高い導光効率を維持し易くすることができる。なお、受光部となる収容枠は、全体で受光する場合と一部分で受光する場合がある。例えば、内部光源が全周方向に発光するものであれば収容枠は内面の全体で受光して受光効率を高めることができる。また内部光源が指向性を有して発光するものであれば収容枠は内面の一部分で受光し特定方向の照光部材を効率的に照光することができる。
収容枠における外側面の少なくとも一部が入射光を導光部へ反射させる傾斜面である。この傾斜面によって光を導光部となるベースへ伝え易くすることができ、導光効率を高めることができる。
このような収容枠をベースにおける内部光源側の一方面に設けるため、収容枠をベースと回路基板との間に設けるスペーサーのようにしてベースと回路基板との間に隙間を形成することができ、回路基板上の電子素子の仕様に対応することができる。
導光部となるベースが平板状であるため、光漏れを生じ難くすることができ、高い導光効率を発揮することができる。
このように受光効率を高めた収容枠と、導光効率を高めた収容枠及びベースと、で効率的に光を導光し、照射部で照光部材に向けて光を散乱するため、照光部材の照光輝度を高める導光シートを実現することができる。
【0011】
収容枠の屈折率がベースの屈折率よりも高いものとすることができる。屈折率の高い媒質から屈折率の低い媒質に光が入射する場合、屈折光の屈折角は入射光の入射角より大きくなる。このため収容枠をベースより屈折率の高いものとすれば、収容枠からベースへ入射する光の屈折角をその入射角より大きくすることができ、ベースの屈折光をベースの面方向へ向けることができる。よってベースでの光漏れを起き難くすることができ、導光効率を高めることができる。
【0012】
収容枠が底を有する有底枠形状のものとすることができる。このような形状とすれば、底の無い収容枠に比べて導光シートに対する固着面積を増やすことができ、導光シートと収容枠の固着力を高めることができる。よって回路基板に対する導光シートの位置決めとして収容枠を利用する場合に、収容枠を内部光源と接触させても、収容枠が導光シートから剥がれ難くいため、正確な位置決めをすることができる。
また、底の無い収容枠は側壁のみで構成されているため、内部光源の高さが収容枠の高さより小さい場合には、内部光源と導光シートとの間に余分な空間が形成されることがある。このように余分な空間が在ると、内部光源から放射され側壁で反射した光が余分な空間を通して導光シートに入射し導光方向とは異なる方向に散逸するおそれがある。しかし本発明のように有底枠形状とすれば、底の厚さを調製して内部光源と導光シートとの間に形成される空間を無くすことができ、さらに底を内部光源の高さ方向における受光部とすることができる。よって導光効率と受光効率を高めることができる。
【0013】
収容枠の先端面を、内部光源を実装する回路基板と当接する当接面とすることができる。このようにすれば、ベースと回路基板との隙間寸法を収容枠の厚み寸法(ベースからの突出寸法)とすることができ、ベースと回路基板との隙間寸法を高い精度で形成することができる。
【0014】
傾斜面のベース側端部に、ベースの一方面に沿って伸長する延長部を設けることができる。このようにすれば、収容枠に入射した光を延長部でも導光させることができ、導光効率を高めて照光部材の照光輝度を高めることができる。
【0015】
収容枠の中空内に、内部光源と収容枠との隙間を埋めるすき間充填材を備えることができる。このようにすれば、内部光源と収容枠との間に空隙を無くすことができ、収容枠の受光効率を高めることができる。
【0016】
すき間充填材を、使用温度で変形可能な軟質樹脂部材か、または、前記ベースと収容枠の軟化温度より低い融点の樹脂でなる低融樹脂部材と、することができる。
すき間充填材を軟質樹脂部材とすれば、収容枠の中空内に内部光源を収容する際に、軟質樹脂部材の変形により両者間の隙間を埋めて内部光源からの光を空気層を介さずに受光部で受光することができ、受光効率を高めることができる。また、軟質樹脂部材は中空の内部で拘束されて変形するため、内部光源の外形形状に対して追従するように変形することができ、軟質樹脂部材を内部光源に対して確実に密着させることができる。さらに、軟質樹脂部材によって内部光源と収容枠との隙間を埋めれば、両者の係合保持性を高めることができ、両者を位置ずれし難くすることができる。
また、すき間充填材を低融樹脂部材とすれば、収容枠の中空内に内部光源を収容する際に、収容枠やベースを変形させない低温の加熱によって低融樹脂部材を変形させることで、この低融樹脂部材により両者間の隙間を埋めて内部光源からの光を空気層を介さずに受光部で受光することができ、受光効率を高めることができる。また、低融樹脂部材においても中空の内部で拘束されて変形するため、内部光源の外形形状に対して追従するように変形することができ、低融樹脂部材を内部光源に対して確実に密着させることができる。さらに、低融樹脂部材によって内部光源と収容枠との隙間を埋めれば低融樹脂部材は使用温度で固体のため、両者の係合保持性を強固にすることができ、両者を位置ずれし難くすることができる。なお、本発明では、ベースと収容枠の軟化温度より低い融点の樹脂を「低融樹脂」という。
【0017】
ベースの一方面側に、該ベースと屈折率の異なる透明樹脂層を設けることができる。このようにすれば、透明樹脂層を設けたベースの一方面側の反射率を高めることができ、ベースの一方面側から光を漏れ難くすることができる。よって導光効率を高めることができ、照光部材の照光輝度を高めることができる。透明樹脂層におけるベースとの好ましい屈折率の差は0.06以上であり、このように0.06以上であれば充分な反射効率を得ることができる。また、ベースと透明樹脂層の界面を平滑面とすれば、乱反射を起こし難くすることができ、反射率を高めることができる。
【0018】
また、本発明では、前記何れかの本発明による導光シートと、該導光シートの一方面側に形成される押圧突起と、該押圧突起に対応して導光シートの他方面側に固着する照光部材としてのキートップと、を備えるキーシートを提供する。
【0019】
本発明のキーシートでは、受光効率や導光効率が高い導光シートを備えている。このため、キートップの照光輝度を高めることができる。また、導光シートにおける収容枠と内部光源とを係合させれば簡単に位置決めすることができ、キーシートを電子機器の内部に組み込み易くすることができる。さらに収容枠と内部光源とが位置ずれを起こし難くいため、高い導光効率を維持し易くすることができる。
さらに、キーシートと回路基板との間に回路基板上の電子素子の仕様に対応する隙間を形成することができる。例えば、回路基板上の接点スイッチに対して、回路基板とキーシートの間に押圧ストロークを形成することができ、押圧突起による確実な入力操作を行うことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の導光シートによれば、収容枠で内部光源を覆うことができ、光が外部へ逃げることを抑制して受光効率を高めることができる。また、収容枠で内部光源を覆っているため、収容枠の中空内で内部光源が位置ずれしてもそれによる受光効率は下がり難く、収容枠と内部光源との位置ずれの許容範囲を大きくすることができる。そして内部光源に光軸があってもその光軸上を受光部とすることができる。
また、この収容枠と内部光源とを係合させれば簡単に位置決めすることができ、導光シートを電子機器の内部に組み込み易くすることができる。さらに両者の位置ずれを起こし難くすることができ、高い導光効率を維持し易くすることができる。
収容枠における外側面の傾斜面によって光を導光部となるベースへ伝え易くすることができ、導光効率を高めることができる。
このような収容枠によってベースと回路基板との間に隙間を形成することができ、回路基板上の電子素子の仕様に対応することができる。
ベースが平板状であるため、光漏れを生じ難くすることができ、高い導光効率を発揮することができる。
このように導光効率を高めた収容枠及びベースと、照射部とによって、照光部材の照光輝度を高めることができる導光シートを実現することができる。
【0021】
本発明の導光シートを備えるキーシートによれば、キートップの照光輝度を高めることができる。さらに高い導光効率を維持し易くすることができる。
また、キーシートと回路基板との間に回路基板上の電子素子の仕様に対応する隙間を形成しながら、キーシートを電子機器の内部に組み込み易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1実施形態の導光シートを示す平面図。
【図2】第1実施形態の導光シートを示す裏面図。
【図3】図2のSA−SA線断面図。
【図4】第1実施形態の導光シートを備えるキーシートを電子機器に組み込む際の部分拡大説明図。
【図5】第1実施形態の導光シートを備えるキーシートを電子機器に組み込んだ際の部分拡大説明図。
【図6】第1実施形態における導光シートの第1変形例を示す説明図であり、分図(A)は裏面図、分図(B)は分図(A)のSB−SB線断面図、分図(C)は分図(A)のSC−SC線断面図。
【図7】第1実施形態における導光シートの第2変形例を示す説明図であり、分図(A)は裏面図、分図(B)は分図(A)のSD−SD線断面図、分図(C)は分図(A)のSE−SE線断面図。
【図8】第1実施形態における導光シートの第3変形例を示す説明図であり、分図(A)は裏面図、分図(B)は分図(A)のSF−SF線断面図、分図(C)は分図(A)のSG−SG線断面図。
【図9】第1実施形態における導光シートの第4変形例を示す説明図であり、分図(A)は裏面図、分図(B)は分図(A)のSH−SH線断面図。
【図10】第2実施形態の導光シートを示す裏面図。
【図11】図10のSI−SI線断面図。
【図12】第2実施形態の導光シートを備えるキーシートを電子機器に組み込む際の部分拡大説明図。
【図13】第2実施形態の導光シートを備えるキーシートを電子機器に組み込んだ際の部分拡大説明図。
【図14】第2実施形態における導光シートの変形例を示す図11相当断面図。
【図15】第3実施形態の導光シートを示す裏面図。
【図16】図15のSJ−SJ線断面図。
【図17】第3実施形態の導光シートを備えるキーシートを電子機器に組み込む際の部分拡大説明図。
【図18】第3実施形態の導光シートを備えるキーシートを電子機器に組み込んだ際の部分拡大説明図。
【図19】第4実施形態の導光シートを備えるキーシート示す平面図。
【図20】第4実施形態の導光シートを備えるキーシート示す裏面図。
【図21】図20のSK−SK線断面図。
【図22】第4実施形態の導光シートを備えるキーシートを電子機器に組み込む際の部分拡大説明図。
【図23】第4実施形態の導光シートを備えるキーシートを電子機器に組み込んだ際の部分拡大説明図。
【図24】第4実施形態の導光シートを備えるキーシートの第1変形例を備えるキーシートを示す図21相当断面図。
【図25】第4実施形態の導光シートを備えるキーシートの第2変形例を備えるキーシートを示す図21相当断面図。
【図26】第4実施形態の導光シートを備えるキーシートの第3変形例を備えるキーシートを示す図21相当断面図。
【図27】第4実施形態の導光シートを備えるキーシートの第4変形例を備えるキーシートを示す図21相当断面図。
【図28】第5実施形態の導光シートを備えるキーシート示す平面図。
【図29】第5実施形態の導光シートを備えるキーシート示す裏面図。
【図30】図29のSL−SL線断面図。
【図31】図29のSM−SM線断面図。
【図32】第6実施形態の導光シートを示す平面図。
【図33】第6実施形態の導光シートを示す図2相当断面図。
【図34】第6実施形態の導光シートを備えるキーシートを電子機器に組み込む際の部分拡大説明図。
【図35】第6実施形態の導光シートを備えるキーシートを電子機器に組み込んだ際の部分拡大説明図。
【図36】各実施形態の導光シートに共通の第1変形例を示す部分拡大断面図。
【図37】各実施形態の導光シートに共通の第1変形例を備えるキーシートを電子機器に組み込む際の部分拡大説明図。
【図38】各実施形態の導光シートに共通の第1変形例を備えるキーシートを電子機器に組み込んだ際の部分拡大説明図。
【図39】各実施形態の導光シートに共通の第2変形例を示す部分拡大断面図。
【図40】各実施形態の導光シートに共通の第3変形例を示す平面図。
【図41】各実施形態の導光シートに共通の第3変形例を示す裏面図。
【図42】図41のSN−SN線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明について図面を参照してさらに詳しく説明する。なお、本実施形態では電子機器の押釦スイッチに用いるキーシートに備えられる導光シートを例に挙げて示す。また、各実施形態で共通する構成については同一の符号を付して重複説明を省略し、さらに共通する材質、作用、効果、製造方法などについても重複説明を省略する。
【0024】
第1実施形態〔図1〜図5〕
第1実施形態の導光シート11を図1〜図3に示し、導光シート11を組み込む電子機器1を図4、図5に示す。図1は導光シート11の平面図であり、図2は導光シート11の裏面図、図3は導光シート11のSA−SA線断面図、図4は導光シート11を組み込む際の電子機器1の部分拡大説明図、図5は導光シート11を組み込んだ電子機器1の部分拡大説明図である。本実施形態の導光シート11は、ベース12と収容枠13と照射部14とを備えている。
【0025】
ベース12は、導光シート11の基部であり、主に光を導光する導光部である。そして透明な樹脂で矩形の平板状に形成されている。このベース12の表面は平坦な平滑面であり、このように平滑面ではあればベース12の外へ光を漏れ難くすることができ、ベース12内の導光効率を高めて内部光源から遠い位置の照光部材も明るく照光させることができる。こうした平滑面は、見た目にはシボ加工などが何らされておらず透明に見えている。ベース12の厚みは、30μm〜500μmが好ましい。30μm未満ではベース12が薄いため内部に伝わる光量が小さくなり、照光輝度が低くなってしまう。500μmを超えても内部光源から入射する光量を殆ど増やすことができないため不経済であり、また高い剛性を有することでキーシートとして用いる場合に押圧荷重が増えて操作性が悪くなってしまう。このようなことから本実施形態のベース12には、樹脂フィルムを用いている。
【0026】
収容枠13は、内部光源を進入させて少なくとも内部光源の発光部を覆う受光部である。そして透明な樹脂で形成されている。この収容枠13はベース12の内部光源側となる一方面に設けられ、その一方面から2つの矩形状の中空13hを形成して突出しており、その先端には中空13hによる2つの開口13bを有している。このような収容枠13の先端面は回路基板と当接する当接面13aであり、中空13hのベース12側には底13iが設けられている。つまり収容枠13は有底枠形状である。そして収容枠13で受光した光の導光方向(図3の矢示方向)に向く外側面は、先端側からベース12側に向かって収容枠13の肉厚を薄肉にするように傾斜する傾斜面13cとなっている。この傾斜面13cは、収容枠13への入射光をベース12へ反射させるもので、導光方向ではない外側面は傾斜面になっていない。なお、後に変形例として記述するが、傾斜面の形状や位置は導光シートに求められる仕様を具現化するための適切な作用、効果を発揮できるように構成される。
【0027】
収容枠13の中空13hは、平面視で内部光源よりやや大きく形成されている。具体的には、内部光源と0.2mm程度の隙間を形成できるように形成すれば、高い位置精度で内部光源を容易に進入させることができる。なお、この隙間は0.2mmに限定されるものではなく、電子機器に組み込む際の工程能力や位置ずれの公差に合せて適宜設定する。このような中空13hに内部光源を進入させれば、電子機器に導光シート11を組み込んだ際に、導光シート11の位置ずれをこの隙間より小さくすることができる。中空13hの深さは、内部光源の発光面を埋没させる深さである。具体的には、内部光源の厚みと同等または内部光源の厚みより深くすれば、確実に内部光源の発光面を埋没させることができる。さらに内部光源の発光面がその側面の全面ではないため、内部光源の厚みに対し僅かに浅い程度の深さとしても充分に埋没させることができる。
【0028】
収容枠13を形成する樹脂とベース12を形成する樹脂は共に高い透明性を有するが、両樹脂の屈折率について説明する。
ベース12を形成する樹脂の屈折率n1と収容枠13を形成する樹脂の屈折率n2は、式1の関係を満たすことが好ましい。
n1<n2 ・・・ (式1)
このように屈折率の高い収容枠13から屈折率の低いベース12に光が入射する場合、屈折光の屈折角を入射光の入射角より大きくすることができ、ベース12の屈折光をベース12の面方向へ向けることができる。しかしこの条件とは逆に、屈折率の低い収容枠13から屈折率の高いベース12に光が入射すると、屈折角が入射角より小さくなり、ベース12の面方向へ導光し難くなってしまう。
【0029】
傾斜面13cは、ベース12の一方面からの角度が、2°〜10°の鋭角とすることが好ましい。2°以下では、比較的厚みの薄い内部光源を用いた場合であっても大きな傾斜面となってベース12の長辺側へ延びてしまい押圧操作部分に達して押圧操作を傾斜面で不正確にするおそれがある。10°より急な傾斜面とすると、傾斜面で反射した光のベース12へ入射する角度が鈍角になってしまい、ベース12へ入射した後にベース12の内部で全反射し難くなり、ベース12の外へ漏れる光が増加して内部光源から遠い位置の照光輝度が低下してしまうおそれがある。ベース12を伝わる光量を高めるためには2°〜5°とすることがより好ましい。
【0030】
照射部14はベース12に伝わる光の反射方向を変えて光の進路を変更する部分であり、照光部材に向けて光を散乱する。そして高屈折率の充填材や光反射率の高い充填材などが添加された樹脂塗膜で形成されている。本実施形態の照射部14は、ベース12の一方面とは反対の他方面に対して平面視で照光部材と重なる略同等の領域にドット状に分散して形成されている。この照射部14の厚みは5μm〜30μmが好ましい。
【0031】
次に導光シート11を構成する各部材の材質について説明する。
ベース12の材質は、透明性の高い樹脂を使用する。特にフィルム化が容易な熱可塑性樹脂が好ましい。例えば、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、アセテート系樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。なかでも可視光領域に波長の吸収領域がなく高透明性のポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ウレタン系熱可塑性エラストマーが好ましい。
【0032】
収容枠13の材質は、透明性の高いゴム状弾性体や樹脂を使用する。例えば、ゴム状弾性体としては、アクリルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブタジエンゴムなどが挙げられる。樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、アセテート系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これらの樹脂の中でも、前述したベース12への固着力が高いアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。また、ベース12と回路基板との隙間を高精度で維持し易くするためには、JIS K 6253に準ずる硬度がD70以上の樹脂からなることがより好ましい。
【0033】
照射部14の材質は、ベース12に印刷形成が可能な樹脂に高屈折率の充填材や光反射率の高い充填材を添加したものを使用する。例えば、樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、アセテート系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、アルキド樹脂などが挙げられる。これらの樹脂の中でも、インキ化が容易なビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、アルキド樹脂を用いることが好ましい。樹脂の内部に添加されている高屈折率の充填材や光反射率の高い充填材には、例えば、酸化チタンが挙げられる。
【0034】
次に導光シート11の製造方法について説明する。
先ず、樹脂フィルムでなるベース12の一方面とは反対の他方面に、照射部14を印刷により形成する。
次に、収容枠13を形成する型を用意し、その型に収容枠13を形成する液状樹脂を注入する。そしてベース12の一方面を液状樹脂と接するように型にセットし、液状樹脂を硬化して収容枠13とベース12を一体化する。
最後に、型を取り除いて導光シート11を得る。
【0035】
このような導光シート11を備えるキーシート10が組み込まれる電子機器1について説明する。
図4で示すように、電子機器1はその筐体2の内側に、導光シート11とカバーシート15からなるキーシート10と、回路基板3と、を備えている。
カバーシート15は、薄肉の樹脂フィルムでなるベースシート15aの表面に「照光部材」としての透明樹脂でなるキートップ15bが固着され、そのベースシート15aの裏面にはキートップ15bごとに対応して樹脂又はゴム状弾性体でなる押圧突起15cが設けられている。
回路基板3には、「内部光源」としてのLED4と接点スイッチとしての皿バネ5が配置されている。
筐体2には、キーシート10のキートップ15bを露出する操作開口2aが形成されており、さらに筐体2の内側にはキーシート10を回路基板3に押しつけて固定する押圧突起2bが設けられている。
図5で示すように、筐体2の押圧突起2bでキーシート10を回路基板2に押しつけ、収容枠13の中空13h内にLED4を進入させ、収容枠13の当接面13aが回路基板3に当接して、キートップ15bが皿バネ5に対応するようにキーシート10が固定される。収容枠13によってキーシート10のベース12と回路基板3との間に皿バネ5の押圧ストロークに必要な隙間を形成している。
【0036】
導光シート11の作用、効果について説明する。
導光シート11によれば、収容枠13でLED4を覆うことができ、光が収容枠13の外部へ逃げることを抑制して受光効率を高めることができる。そしてLED4に光軸があってもその光軸上で受光することができる。また、この収容枠13とLED4とを係合させれば簡単に位置決めすることができ、導光シート11を電子機器1の内部に組み込み易くすることができる。さらに収容枠13とLED4との係合によって両者の位置ずれを起こし難くすることができ、高い導光効率を維持し易くすることができる。
収容枠13における導光方向の外側面が傾斜面13cであるため、光を傾斜面13cで反射させてベース12へ伝え易くすることができ、導光効率を高めることができる。
このような収容枠13をベース12と回路基板3との間に設けるスペーサーのようにしてベース21と回路基板3との間に隙間を形成することができ、回路基板3上の皿バネ5に必要な押圧ストロークを確保することができる。
ベース12が平板状であるため、光漏れを生じ難くすることができ、高い導光効率を発揮することができる。
このように受光効率を高めた収容枠13と、導光効率を高めた収容枠13及びベース12と、で効率的に光を導光し、照射部14でキートップ15bに向けて光を散乱するため、キートップ15bの照光輝度を高める導光シート11を実現することができる。
【0037】
収容枠13の屈折率をベース12の屈折率より高めたため、収容枠13からベース12へ入射する光の屈折角をその入射角より大きくすることができ、ベース12の屈折光をベース12の面方向へ向けることができる。よってベース12での光漏れを起き難くすることができ、導光効率を高めることができる。
【0038】
収容枠13が底13iを有する有底枠形状であるため、底の無い収容枠に比べて導光シート11に対する固着面積を増やすことができ、導光シート11と収容枠13の固着力を高めることができる。よって回路基板3に対して収容枠13で位置決めする際に、収容枠13をLED4と接触させても、収容枠13を導光シート11から剥がれ難くすることができ、キーシート10を正確に位置決めすることができる。
また、底13iの厚さを調製してLED4と導光シート11との間の空間を略無くすことができ、空間が在る場合に起こり易い光の散逸を防いで、導光方向へ光を伝え易くすることができる。さらに底13iをLED4の高さ方向における受光部とすることができる。よって導光効率と受光効率を高めることができ、キートップ15bの照光輝度を高めることができる。
【0039】
収容枠13に当接面13aを設けたため、ベース12と回路基板3との隙間寸法を収容枠13で設定することができ、ベース12と回路基板3との隙間寸法を高い精度で形成することができる。
【0040】
導光シート11を備えるキーシート10によれば、受光効率や導光効率が高い導光シート11を備えているため、キートップ15bの照光輝度を高めることができる。また、導光シート11における収容枠13とLED4とを係合させれば簡単にキーシート10を位置決めすることができ、キーシート10を電子機器1の内部に組み込み易くすることができる。さらに収容枠13とLED4とが位置ずれを起こし難くいため、高い導光効率を維持し易くすることができる。
さらに、キーシート10と回路基板3との間に回路基板3上の皿バネ5に必要な押圧ストロークの隙間を形成することができ、押圧突起15cによる確実な入力操作を行うことができる。
【0041】
収容枠13の構成を変更することで、以下のような導光シート11の変形例を得ることができる。
【0042】
導光シート11の第1変形例〔図6〕
導光シート11の収容枠13は1つであって、2つの開口13bと1方向側の傾斜面13cが形成されているが、第1変形例における導光シート111の収容枠131はLEDごとに分割して形成され、それぞれの収容枠131に当接面131aと1つの開口131bと異なる方向に向く3つの傾斜面131cとを形成することができる。
このようにすれば、ベース12の面方向に光軸を持つLED4を用いた際に、3方向を導光方向とすることができ、広角に導光することができる。
【0043】
導光シート11の第2変形例〔図7〕
導光シート11の収容枠13は1つであって、2つの開口13bと1方向側の傾斜面13cが形成されているが、第2変形例における導光シート112の収容枠132はLEDごとに分割して形成され、それぞれの収容枠132に当接面132aと1つの開口132bと3方向に連続する傾斜面132cとを形成することができる。
このようにすれば、ベース12の面方向に光軸を持つLED4を用いた際に、3方向を導光方向とすることができ、広角に導光することができる。第1変形例の導光シート111では傾斜面131cどうしが形成する角部において反射光に偏りを生じることがあるが、第2変形例の導光シート112では傾斜面132cが3方向に連続することから、反射光に偏りが生じ難く照光ムラを少なくすることができる。
【0044】
導光シート11の第3変形例〔図8〕
導光シート11の収容枠13は1つであって、2つの開口13bと1方向側の傾斜面13cが形成されているが、第3変形例における導光シート113の収容枠133はLEDごとに分割して形成され、それぞれの収容枠133に1つの開口133bと異なる方向に向く4つの傾斜面133cとを形成することができる。さらに収容枠133どうしの間を繋ぐ中間桟16aとそれぞれの収容枠133から外側に延びる外桟16bを直線上に形成し、中間桟16aと外桟16bに収容枠133と同様に突出する凸部16cを設けて、これら凸部16cの先端面を当接面16dとして形成することができる。
このようにすれば、収容枠133以外の部分に当接面16dを形成するため、回路基板に多くの電子素子が載置されていても、これら電子素子を避けて当接面16dを設けることができ、回路基板とベース12の隙間を正確に維持しつつ、回路基板へも多くの電子素子を設置することができる。
【0045】
導光シート11の第4変形例〔図9〕
導光シート11の収容枠13は、内側面がベース12の一方面に対して垂直に形成されているが、第4変形例における導光シート114の収容枠134は中空134hの傾斜面134c側の内側面を開口134b側を広げるように傾斜して形成することができる。なお、当接面134aに繋がる他の内側面はベース12の一方面に対して垂直に形成されている。
このようにすれば、中空134hの開口134bを広くすることができ、LEDとの係合を容易にすることができる。さらに中空134hにおける導光方向の内側面が開口134b側を広げるように傾斜しているため、この内側面で受光する光をベース12側へ屈折させることができ、傾斜面134cに対する入射角と反射角を大きくして光をベース12へ伝え易くすることができる。そしてベース12に対する入射角を大きくできれば、ベース12の屈折角も大きくすることができ、ベース12の屈折光をベース12の面方向へ向けて導光効率を高めることができる。
【0046】
第2実施形態〔図10〜図13〕
第2実施形態の導光シート21を図10、図11に示し、導光シート21を組み込む電子機器1を図12、図13に示す。図10は導光シート21の裏面図であり、図11は導光シート21のSI−SI線断面図、図12は導光シート21を組み込む際の電子機器1の部分拡大説明図、図13は導光シート21を組み込んだ電子機器1の部分拡大説明図である。本実施形態の導光シート21は第1実施形態の導光シート11と異なり、透明樹脂層26を備えている。その他の構成は、導光シート11と同じである。
【0047】
透明樹脂層26はベース12の導光効率を高めるものである。この透明樹脂層26は透明な樹脂で薄膜状に形成されており、収容枠13における傾斜面13cの端部と、ベース12の内部光源側となる一方面の収容枠13が固着していない残余の部分を覆っている。このような透明樹脂層26の厚みは1μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましい。厚みが1μm未満であると他の層を積層したときに溶剤の浸透などで平滑面を維持できないおそれがある。厚みの上限は特に限定しないが実用的な範囲としては50μm程度である。50μmより厚くしても導光効率を高めることができずに、導光シートの厚みが厚くなる。
このような透明樹脂層26では、ベースとの界面又はその反対面の界面のうち少なくとも一方の界面が平滑面であることが好ましく、両界面が平滑面であることがより好ましい。界面が平滑であれば、乱反射を起こし難く反射して、ベースの導光効率を高めることができる。
さらに透明樹脂層26におけるベース12との屈折率の差は0.06以上が好ましく、このように0.06以上であれば充分なベース12を伝わる光の反射効率を高めることができる。透明樹脂層26の屈折率n3とベース12の屈折率n1の関係は式2を満たすことが好ましい。
n3<n1 ・・・ (式2)
屈折率の関係が式2を満たす場合には、両者の界面で光の全反射が起こり易く、ベースの導光効率を高めることができる。ここに収容枠13の屈折率n2の関係を加えると、式3を満たすことが好ましい。
n3<n1<n2 ・・・ (式3)
【0048】
透明樹脂層26の材質は、透明性が高く平滑性を維持し易いように非浸食性樹脂液で形成されている。具体的には、無溶剤型の架橋または硬化型の樹脂が用いられ、無溶剤型の紫外線硬化型やEB硬化型などの活性エネルギー線硬化型インキや、水系やアルコール系などの非浸食性の溶剤を含む2液硬化型インキ、熱硬化型インキが用いられる。こうした樹脂インキには、紫外線硬化型ウレタンアクリレート系インキや、熱硬化型のウレタン系インキが挙げられる。透明樹脂層26を架橋又は硬化型のインキで形成すれば、他の部材によって浸食され難い層とすることができる。
【0049】
導光シート21の製造方法は、先ず、樹脂フィルムでなるベース12の他方面に照射部14を印刷形成する。
次に、ベース12の露出する一方面に透明樹脂層26を印刷形成してから、収容枠13を型形成して導光シート21を得る。
【0050】
このような導光シート21を備えるキーシート20が組み込まれる電子機器1は、図12で示すように、その筐体2の内側に、導光シート21とカバーシート15からなるキーシート20と、回路基板3と、を備えている。
図13で示すように、筐体2の押圧突起2bでキーシート20を回路基板2に押しつけ、収容枠13の中空13h内にLED4を進入させ、収容枠13の当接面13aが回路基板3に当接して、キートップ15bが皿バネ5に対応するようにキーシート20が固定される。収容枠13によってキーシート20のベース12と回路基板3との間に皿バネ5の押圧ストロークに必要な隙間を形成している。
【0051】
導光シート21及び導光シート21を備えるキーシート20によれば、ベース12の一方面側に透明樹脂層26を設けるため、ベース12の一方面側の反射率を高めることができ、ベース12の一方面側から光を漏れ難くすることができる。よって導光効率を高めることができ、キートップ15bの照光輝度を高めることができる。
【0052】
導光シート21の変形例〔図14〕
導光シート21の透明樹脂層26はベース12の一方面に形成されているが、変形例における導光シート211はベース12の一方面とは反対の他方面に透明樹脂層26を形成することができる。
このようにすれば、ベース12の他方面側の反射率を高めることができ、照射部14が設けられていないベース12の他方面側から光を漏れ難くすることができる。
また、ベース12の一方面と他方面の両面に透明樹脂層26を形成すれば、導光効率をさらに高めることができる。
【0053】
第3実施形態〔図15〜図18〕
第3実施形態の導光シート31を図15、図16に示し、導光シート31を組み込む電子機器1を図17、図18に示す。図15は導光シート31の裏面図であり、図16は導光シート31のSJ−SJ線断面図、図17は導光シート31を組み込む際の電子機器1の部分拡大説明図、図18は導光シート31を組み込んだ電子機器1の部分拡大説明図である。本実施形態の導光シート31は第1実施形態の導光シート11と異なり、収容枠33を備えている。その他の構成は、導光シート11と同じである。
【0054】
収容枠33は収容枠13と同様に、内部光源を進入させて少なくとも内部光源の発光部を覆う受光部である。この収容枠33はベース12の内部光源側となる一方面の一方の短辺側に固着しており、一方面から2つの矩形状の中空33hを形成して突出して、その先端には中空33hによる2つの開口33bを有している。収容枠33の先端面は回路基板と当接する当接面33aであり、中空33hのベース12側には底33iが設けられている。つまり収容枠33も有底枠形状である。そして収容枠33における光の導光方向(図16の矢示方向)に向く外側面は、先端側からベース12側に向かって収容枠33の肉厚を薄肉にするように傾斜する傾斜面33cとなっている。収容枠13と異なるのは、収容枠33が、傾斜面33cのベース12側端部からベース12の一方面に沿って広がる延長部33dを有する点である。つまり、ベース12の一方面の全面を収容枠33の延長部33dが覆っている。さらにこの延長部33dにおける回路基板との対向面には、回路基板上の皿バネを押圧する押圧突起33eが設けられている。
【0055】
導光シート31の製造方法は、先ず、樹脂フィルムでなるベース12の他方面に照射部14を印刷形成する。
次に、収容枠33を形成する型を用意し、その型に収容枠33を形成する液状樹脂を注入して、ベース12の一方面を液状樹脂と接するように型にセットし、液状樹脂を硬化して収容枠33とベース12を一体化する。
最後に、型を取り除いて導光シート31を得る。
【0056】
このような導光シート31を備えるキーシート30が組み込まれる電子機器1は、図17で示すように、その筐体2の内側に、導光シート31とカバーシート35からなるキーシート30と、回路基板3と、を備えている。
カバーシート35は、薄肉の樹脂フィルムでなるベースシート35aの表面に「照光部材」としての透明樹脂でなるキートップ35bが固着されている。
図18で示すように、筐体2の押圧突起2bでキーシート30を回路基板2に押しつけ、収容枠33の中空33h内にLED4を進入させ、収容枠33の当接面33aが回路基板3に当接して、キートップ35bが皿バネ5に対応するようにキーシート30が固定される。収容枠33によってキーシート30の押圧突起33eと回路基板3との間に皿バネ5の押圧ストロークに必要な隙間を形成している。
【0057】
導光シート31及び導光シート31を備えるキーシート30によれば、収容枠33が延長部33dを有するため、収容枠33に入射した光をベース12と延長部33dで導光させることができ、ベース12のみで導光するよりも導光効率を高めてキートップ35bの照光輝度を高めることができる。
【0058】
第4実施形態〔図19〜図23〕
第4実施形態の導光シート41はキートップ45bを有する透明成形体45と一体であり、導光シート41と透明成形体45とを備えるキーシート40を図19〜図21に示し、キーシート40を組み込む電子機器1を図22、図23に示す。図19はキーシート40の平面図であり、図20はキーシート40の裏面図であり、図21はキーシート40のSK−SK線断面図、図22はキーシート40を組み込む際の電子機器1の部分拡大説明図、図23はキーシート40を組み込んだ電子機器1の部分拡大説明図である。本実施形態の導光シート41は第1実施形態の導光シート11と異なり、ベース12の内部光源側となる一方面側に収容枠33を備え、一方面側とは反対の他方面側に透明樹脂層26と透光性印刷層47を順次備えている。その他の構成は、導光シート11と同じである。
【0059】
透光性印刷層47はキートップ45bの背景となる層である。
この透光性印刷層47は透明樹脂層26に対する非浸食性塗料から形成されることが好ましい。これは、透明樹脂層26に浸食して透明樹脂層26の表面を粗してしまうと、透明樹脂層26と透光性印刷層47の界面が平滑面でなくなってしまい、反射効率を高める効果が低くなってしまうためである。例えば、透明樹脂層26が強固に架橋したタイプであれば材料の制約は少なく、透明樹脂層26が溶剤型インキの塗布層であればアルコール系や水溶性インキを用いることができる。なお、浸食とは、例えば溶剤を塗布したときに被着部材を溶かして被着部材の表面が粗いことを指すが、ソルベントクラックや樹脂の劣化を引き起こす状態を指すものではない。また、樹脂を含む塗液を塗布したときには、溶剤を乾燥させても樹脂が被着部材の表面を覆うため、被着部材の表面が粗いかどうか見た目にはわからない。このような場合には、塗液を塗布して、乾燥する前に被着部材から拭き取り、被着部材の表面が溶けるか膨潤するなどして、平滑でなくなっていた場合に、前記塗液を浸食性塗液とする。一方、塗液を拭き取ったときに、被着部材の表面が平滑な状態を維持していた場合には、前記塗液を非浸食性塗液とする。
【0060】
透明成形体45はキーシート40の外装部分である。そして透明な樹脂やゴム状弾性体でなり、複数のキートップ45bをその下端で一体に繋ぐように形成されている。そしてキートップ45bごとに表示要素を表す表示印刷層45dと、キートップ45bどうしの間に光漏れを防止する遮光印刷層45eが設けられている。
透明成形体45の材質は、JIS K 6253に準ずる硬度がA50以上のゴム状弾性体、又は樹脂を用いる。例えば、ゴム状弾性体としては、アクリルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、アセテート系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、アルキド樹脂などが挙げられる。
【0061】
キーシート40の製造方法は、先ず、樹脂フィルムでなるベース12の他方面に、照射部14、透明樹脂層26、透光性印刷層47、表示印刷層45d、遮光印刷層45eを順次印刷形成した後、透明成形体45を形成する型を用意し、その型に透明成形体45を形成する液状樹脂を注入して、ベース12の他方面側を型にセットし、液状樹脂を硬化してベース12と透明成形体45を一体化する。
次に、ベース12の一方面に収容枠33を一体化する。
最後に、型を取り除いてキーシート40を得る。
なお、その他の製造方法としては、導光シート41とは別に表示印刷層45dと遮光印刷層45eとを有する透明成形体45を作製し、その透明成形体45を接着剤で透光性印刷層47の上に貼合せることもできる。
【0062】
このような導光シート41を備えるキーシート40が組み込まれる電子機器1は、図22で示すように、その筐体2の内側に、キーシート40と、回路基板3と、を備えている。
図23で示すように、筐体2の押圧突起2bでキーシート40を回路基板2に押しつけ、収容枠33の中空33h内にLED4を進入させ、収容枠33の当接面33aが回路基板3に当接して、キートップ45bが皿バネ5に対応するようにキーシート40が固定される。収容枠33によってキーシート40の押圧突起33eと回路基板3との間に皿バネ5の押圧ストロークに必要な隙間を形成している。
【0063】
導光シート41及び導光シート41を備えるキーシート40によれば、キーシート40が一体物であるため、電子機器1に容易に組み込むことができる。
また、導光シート41によって、キートップ45bの照光輝度を高めることができ、さらに高い導光効率を維持し易くすることができる。
【0064】
キーシート40の第1変形例〔図24〕
第1変形例のキーシート401がキーシート40と異なるのは、照射部14をベース12の他方面ではなく一方面に形成し、この照射部14を覆うようにベース12と収容枠33の延長部33dとの間に透明樹脂層26を新たに形成し、表示印刷層45dと遮光印刷層45eに替わって表示要素以外を表す抜き文字印刷層45fを形成した点である。
このようにすれば、表示要素が明るく光るキーシート401を実現することができる。
【0065】
キーシート40の第2変形例〔図25〕
第2変形例のキーシート402がキーシート40と異なるのは、照射部14をベース12の他方面ではなく一方面に表示要素形状で形成し、この照射部14を覆うようにベース12と収容枠33の延長部33dとの間に透明樹脂層26と暗色印刷層48を順次形成し、ベース12における他方面側の透明樹脂層26、透光性印刷層47、表示印刷層45d、遮光印刷層45eを削除した点である。
このようにすれば、積層する層数を少なくすることできるため、低コストで薄型のキーシート402を製造することができる。また、透明樹脂層26を介して暗色印刷層48を形成しているため、輝度の低下を抑えつつ、押圧突起33eの側面で発生し易い乱反射光や回路基板からの乱反射光をキートップ45b側から漏れることを抑止し易くすることができる。
【0066】
キーシート40の第3変形例〔図26〕
第3変形例のキーシート403がキーシート40と異なるのは、収容枠33における延長部33dの回路基板との対向面に形成した押圧突起33eを削除して透明樹脂層46を設け、さらに透明樹脂層46の回路基板との対向面に押圧突起46aを形成した点である。
前述の式3で示したように、ベース12の屈折率n1、収容枠33の屈折率n2、透明樹脂層26,46の屈折率n3の好ましい関係は、「n3<n1<n2」である。このようにベース12と収容枠部33の延長部33dを屈折率の低い透明樹脂層26,46で挟めば、ベース12と延長部33dを伝わる光が全反射を繰り返し易くなり、導光効率を高めることができる。よってキートップ45bを明るく照光することできる。また、延長部33dにおける透明樹脂層46との界面で反射効率を高めることで、押し子への光の入射も少なくすることができ、押し子の側面での乱反射を少なくすることができる。
【0067】
キーシート40の第4変形例〔図27〕
第4変形例のキーシート404がキーシート40と異なるのは、ベース12と収容枠33の延長部33dとの間に透明樹脂層26を形成した点である。
このようにベース12を屈折率の低い透明樹脂層26で挟めば、ベース12を伝わる光が全反射を繰り返し易くなり、導光効率を高めることができる。よってキートップ45bを明るく照光することできる。
【0068】
第5実施形態〔図28〜図31〕
第5実施形態の導光シート51はキートップ55と一体であり、導光シート51とキートップ55とを備えるキーシート50を図28〜図31に示す。図28はキーシート50の平面図であり、図29はキーシート50の裏面図であり、図30はキーシート50のSL−SL線断面図、図31はキーシート50のSM−SM線断面図である。本実施形態の導光シート51は第1実施形態の導光シート11と異なり、ベース12の内部光源側となる一方面側に照射部14と収容枠53を備え、その収容枠53の延長部53dとベース12の間に照射部14を覆うように透明樹脂層26と暗色印刷層48を順次形成してある。そしてベース12の一方面側とは反対の他方面側に第1接着層56aを介して軟質樹脂フィルム56を固着し、その軟質樹脂フィルム56の表面に装飾印刷層55gを設けたキートップ55を第2接着層55hで固着している。さらに導光シート51におけるベース12の他方面側の第1接着層56aからベース12の一方面側の暗色印刷層48にかけてスリット59が形成され、そのスリット59内を収容枠53の立部53fが埋めている。
【0069】
収容枠53は収容枠33と同様に、内部光源を進入させて覆う受光部である。この収容枠53はベース12の内部光源側となる一方面の一方の短辺側に固着しており、一方面から2つの矩形状の中空53hを形成して突出して、その先端には中空53hによる2つの開口53bを有している。収容枠53の先端面は回路基板と当接する当接面53aであり、中空53hのベース12側には底53iが設けられている。つまり収容枠53も有底枠形状である。そして収容枠53における光の導光方向(図30の矢示方向)に向く外側面は、先端側からベース12側に向かって収容枠53の肉厚を薄肉にするように傾斜する傾斜面53cとなっている。さらに傾斜面53cのベース12側端部からベース12の一方面に沿って広がる延長部53dを有しており、この延長部53dにおける回路基板との対向面には、回路基板上の皿バネを押圧する押圧突起53eが設けられている。収容枠33と異なるのは、前述したようにスリット59を埋める立部53fが形成されている点である。
【0070】
スリット59はベース12の導光を遮らないように、キートップ55どうしの間に形成され、導光方向(図面の矢示方向)に延びている。
【0071】
軟質樹脂フィルム56はベース12を保護すると共に、キートップ55とベース12の間に介在して導光特性を調整し、且つ導光シート51に対するキートップ55の固着強度を高める部材である。軟質樹脂フィルム56によるベース12の導光特性を調整するとは、例えば、軟質樹脂フィルム56の屈折率とベース12の屈折率の差を大きくしてベース12の導光効率を高めたり、軟質樹脂フィルム56の屈折率をベース12の屈折率と同等にしてキートップ55側へ放射される光の量を増やしたりすることができる。
軟質樹脂フィルム56の材質は、薄くて柔軟な透明性樹脂が好ましい。例えば、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これらのうち薄くて柔軟で破断し難く、接着剤の選択も容易なポリウレタン系樹脂またはウレタン系熱可塑性エラストマーが好適である。また熱可塑性樹脂であれば、加熱により軟化又は溶融して他部材との固着を強固にできるので接着層を省略できる場合もある。
【0072】
第1接着層56a、第2接着層55hは、軟質樹脂フィルム56を他部材と固着する層である。層厚は5μm〜30μm程度が好ましく、5μmより薄いと接着力が低下するおそれがあり、30μmを超えてもほとんど接着力は変わらない。
第1接着層56a、第2接着層55hの材質は、例えば、熱圧着されたホットメルト接着剤や、紫外線硬化型接着剤が挙げられる。
【0073】
キーシート50の製造方法は、先ず、樹脂フィルムでなるベース12の一方面に、照射部14、透明樹脂層26、暗色印刷層48を順次印刷形成した後、抜き型でスリット59を形成する。次に、ベース12の他方面に第1接着剤56aを介して軟質樹脂フィルム56を固着する。次に、収容枠53を形成する型を用意し、その型に収容枠53を形成する液状樹脂を注入して、軟質樹脂フィルム56を固着したベース12の他方面側を型にセットし、スリット59内に液状樹脂を侵入させた後に液状樹脂を硬化して収容枠53を一体化する。最後に、装飾印刷層55gと第2接着層55hを順次設けたキートップ55を第2接着剤55hを介して軟質樹脂フィルム56上に固着してキーシート50を得る。
【0074】
このような導光シート51を備えるキーシート50は、筐体2の押圧突起2bでキーシート50を回路基板2に押しつけ、収容枠53の収容凹部53bがLED4を収容し、収容枠53の当接面53aが回路基板3に当接して、キートップ55が皿バネ5に対応するように電子機器1が固定される(図23参照)。収容枠53によってキーシート50の押圧突起53eと回路基板3との間に皿バネ5の押圧ストロークに必要な隙間が形成される。
【0075】
導光シート51及び導光シート51を備えるキーシート50によれば、キーシート50が一体物であるため、電子機器1に容易に組み込むことができる。また、導光シート51によって、キートップ55の照光輝度を高めることができ、さらに高い導光効率を維持し易くすることができる。
【0076】
スリット59を有するため、スリット59を介して導光シート51の変形応力を緩和することができ、押圧操作の際に押圧荷重を小さくすることができる。
【0077】
第5実施形態のキーシート50についても、第4実施形態のキーシート40と同様の変形例とすることができる。例えば、照射部14は、ベース12の他方面に設けてもよく、さらに表示要素の形状に形成してもよい。また、装飾印刷層をベース12に形成してもよい。
【0078】
各実施形態に共通する変形例について説明する。なお、以下では、導光シート11の変形例として説明するが、導光シート21、31,41,51、111〜114,211も同様に説明することができる。
【0079】
第6実施形態〔図32〜図35〕
第6実施形態の導光シート61を図32、図33に示し、導光シート61を組み込む電子機器1を図34、図35に示す。図32は導光シート61の平面図であり、図33は導光シート61の断面図、図34は導光シート61を組み込む際の電子機器1の部分拡大説明図、図35は導光シート61を組み込んだ電子機器1の部分拡大説明図である。本実施形態の導光シート61は第1実施形態の導光シート11と異なり、ベース62と収容枠63を備えている。その他の構成は、導光シート11と同じである。
【0080】
ベース62はベース12と同様に、導光シート61の基部であり、主に光を導光する導光部である。そして透明な樹脂で矩形の平板状に形成されており、表面は平坦な平滑面である。ベース12と異なるのは、矩形状に形成された2つの透孔62aを有している点である。この透孔62aには、後述する収容枠63の一部が貫入している。
【0081】
収容枠63は収容枠13と同様に、内部光源を進入させて少なくとも内部光源の発光部を覆う受光部である。そして透明な樹脂で有底枠形状に形成されている。しかし収容枠13と異なり、2つの中空63hがそれぞれベース62の透孔62a内に入って、底63iの他方面側の面がベース62の他方面と面一面を形成している。さらにベース62の一方面から突出している先端面は回路基板と当接する当接面63aであり、また先端側からベース62側に向かって傾斜する傾斜面63cも形成されている。しかし中空63hをベース62の透孔62a内にも形成しているため、当接面63aの突出寸法は当接面13aの突出寸法より小さく、傾斜面63cも傾斜面13cより小さい。
【0082】
導光シート61の製造方法は、先ず、樹脂フィルムでなるベース62に透孔62aを形成した後に、そのベース62の他方面に照射部14を印刷形成する。
次に、ベース62に対して、収容枠63を型形成して導光シート61を得る。
【0083】
このような導光シート61を備えるキーシート60が組み込まれる電子機器1は、図34で示すように、その筐体2の内側に、導光シート61とカバーシート15からなるキーシート60と、回路基板3と、を備えている。
図35で示すように、筐体2の押圧突起2bでキーシート60を回路基板2に押しつけ、収容枠63の中空63h内にLED4を進入させ、収容枠63の当接面63aが回路基板3に当接して、キートップ15bが皿バネ5に対応するようにキーシート60が固定される。収容枠63によってキーシート60のベース62と回路基板3との間に皿バネ5の押圧ストロークに必要な隙間を形成している。
【0084】
導光シート61及び導光シート61を備えるキーシート60によれば、中空63hをベース62の透孔62a内にも形成しているため、当接面63aの突出寸法を小さくすることができ、ベース62と回路基板3との間の隙間を小さくすることができる。よって薄型の皿バネ5を搭載することができ、電子機器1を薄型化することができる。さらに傾斜面63cを小さくすることができ、キーシート60を小さくすることができる。
【0085】
収容枠63の中空63hがベース62の透孔62a内に入っているため、LED4の光をベース62における透孔62aの端面に入射し易くすることができ、ベース62の導光効率を高めることができる。
【0086】
各実施形態に共通の変形例1〔図36〜図38〕
導光シート71は、収容枠13の中空13h内に、LED4と収容枠13との隙間を埋めるように変形する軟質樹脂部材76、又は使用温度では固体であってベース12及び収容枠13の軟化温度より低い融点の樹脂でなる低融樹脂部材77を備えることができる。
【0087】
軟質樹脂部材76は、LED4の発光面に密着し、LED4の照射光を、より効率良く受光する部材である。そのため第1に透明性を有し、透過率が高いほど好ましい。透過率が高ければ、光量の減衰が少なくベース12へ光を導くことができる。
軟質樹脂部材76の容量は中空13hを埋めるように設けても良いし、中空13hを完全に埋めなくてもよい。LED4を埋没させたときに、LED4(の側面)の発光面に密着し、LED4に押しのけられた軟質樹脂部材76を受容する程度の容量を要していることが好ましい。
導光シート11をLED4に対して押圧して組み込む際に、軟質樹脂部材76は収容枠13にその変形を規制されてLED4に密着する。そのために軟質樹脂部材76は、少なくとも収容枠13より軟質の樹脂やゴム状弾性体からなることを要する。そして、押圧して密着させた際に、容易にLED4の外形形状に柔軟に追従して、空気層を介さずにLED4の発光面と密着するためには、ゴム状弾性体であることが好ましい。LED4の発光面と軟質樹脂部材76との間に空気層が介在すると、照射光の一部が反射してしまい、ベース12に導くことのできる光量が減少してしまうためである。軟質樹脂部材76がゴム状弾性体であれば、空気層を介さずに低荷重で容易に変形してLED4の発光面に密着されることができるため、組み込み易くできると共に、高荷重で押え付けることが難しい薄型の筐体2を用いることもできる。
さらに、最近では側面発光するサイドビュータイプのチップLEDが使用されることが多いことから、上面から押圧して密着させたときに側面の発光面に密着できることが好ましい。このような場合に軟質樹脂部材76に用いる材料は、JIS K 6253のゴム硬度が常温でE0以下のゴム状弾性体であることが好ましく、さらにJIS K 2207の針入度が常温で180以上であることがより好ましい。軟質樹脂部材76がゴム硬度E0以下のゴム状弾性体であれば、上面からの応力で軟質樹脂部材76が変形して、LED4の側面にも容易に密着させることができる。また、軟質樹脂部材76が針入度180以上であれば、より弱い応力で軟質樹脂部材76を変形させることができ、LED4の側面にも容易に密着させることができる。また、軟質樹脂部材76は、粘着性を備えていることが好ましい。粘着性を備えていれば、より確実に空気層を介さずに密着でき、衝撃や振動が与えられても、空気層が出来てしまうおそれが低いためである。
このような軟質樹脂部材76の材質としては、例えば、ゴム硬度E0以下のゴム状弾性体としては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴムなどが挙げられるが、このなかでも透明性に優れるシリコーンゴムを用いることが好ましい。さらに、前記ゴム状弾性体は架橋密度の調整や可塑剤の添加で針入度180以上とすることがより好ましい。
【0088】
軟質樹脂部材76を備える際の収容枠13は、軟質樹脂部材76を保持し、その変形を規制する役割があるため、少なくとも軟質樹脂部材76より硬質の材料であることを要する。さらに、電子機器1に組み込んだ際にも軟質樹脂部材76を確実に保持するために、ゴム硬度でA50以上の硬さであることが好ましい。このような材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂などが挙げられる。
ここで、軟質樹脂部材76を「保持する」必要が生じるのは、軟質樹脂部材76が特に柔軟な場合には、容易に変形あるいは破壊されてしまうためである。
また、変形を「規制する」とは、柔軟な軟質樹脂部材76が、LED4に押圧されて、電子機器1に組み込まれたときに、収容枠13が軟質樹脂部材76の外側への変形を防ぎ、よりLED4に密着するように作用することを示す。収容枠13内で規制しない場合は、LED4に軟質樹脂部材76が押付けられると、軟質樹脂部材76は外側に広がるように変形し易く、LED4の側面に充分に密着し難くなってしまう。
開口の形状は、少なくとも上面視でLED4より大きく形成される。また、LED4の発光面と収容枠13の内側面との距離は、軟質樹脂部材76が充分に変形可能な程度の空間を備える必要がある。例えば、LED4の高さが0.5mmの場合には、発光面から収容枠13の内側面までの距離を0.5mm〜5mm程度空ければ、軟質樹脂部材76は充分に変形が可能となる。この隙間が0.5mmより少ないと、狭い隙間の軟質樹脂部材76が過大な変形を強いられて破壊されてしまったり、変形に伴い収容枠13から剥離してしまったりするおそれがある。この隙間が5mm大きいと、組み込む際に軟質樹脂部材76の変形を規制する効果が低下するおそれがあり、確実に規制するためには0.5mm〜2mmとすることがより好ましい。
また、軟質樹脂部材76を備える際の収容枠13では、軟質樹脂部材76によってベース12と回路基板3の隙間を設定できるため、当接面13aを省くことができる。
収容枠13の屈折率n2と軟質樹脂部材76の屈折率n4は式4の関係を満たすことが好ましい。
n2≒n3 ・・・ (式4)
LED4から照射された光は、軟質樹脂部材76と収容枠13の界面に、略垂直で入射する光の成分が最大となる。このとき、式4の関係を満たせば、界面で反射する光量を最少にすることができるため、より多くの光をベース12に導くことができるようになる。
【0089】
低融樹脂部材77は、軟質樹脂部材76と同じくLED4に密着する部材であり、LED4と密着した外観は軟質樹脂部材76を密着させた状態と同じで、光学的にも同じ機能を有する。一方で、低融樹脂部材77とLED4との密着方法が、軟質樹脂部材76とLED4の密着方法と異なるため、低融樹脂部材77に求められる熱的特性などの一部の特性が異なる。
低融樹脂部材77は、透明性を有し、透過率が高いほど好ましいことは、軟質樹脂部材76と同様であるが、常温で軟質である必要はない。その代わりに、ベース12および収容枠13や必要に応じて設けられたその他の導光シート61を構成する各部材の耐熱温度より低い融点を備える樹脂を用いる必要がある。ここで、「耐熱温度」とは、特に短時間の加熱処理で劣化や変形を引き起こさない温度であり、各材料の荷重たわみ温度を目安とすることができる。しかし、本発明では少なくともLED4に低融樹脂部材77を圧接して密着させる際の比較的小さい荷重において前記各材料が劣化したり変形するなどの支障がなければ良いため、JIS K 7191に規定される1.82MPaまたは0.45MPaの荷重をかけたときに変形する荷重たわみ温度よりも若干高温であってもよい。例えば、ポリカーボネート樹脂のベースに対しては、130度〜140度以下の融点を有する樹脂を用いることができる。他方、前記融点は、例えば実際に使用する際に流れ出てしまうなどの問題が生じない温度である必要もある。このような観点からは、低融樹脂部材77の融点は少なくとも60度以上である必要があり、85度以上であることが好ましい。このような樹脂としては、例えばパラフィンやカプロラクトン系樹脂が挙げられる。
また、前記低融樹脂部材77は、LED4と密着する工程において、溶融状態にできれば良いため、加熱や溶融で反応を開始する硬化剤を含有させ、LED4と密着させながら樹脂を硬化して溶融し難くすることで、導光シート61の耐熱性を高めることもできる。
低融樹脂部材77とLED4の密着は加熱状態で行われる。すなわち、ベース12や収容枠13の耐熱温度よりも低い温度で加熱して、低融樹脂部材77を溶融させる。このときLED4の上に収容枠13を弱く圧接した状態で部分的に加熱することが好ましい。そして加熱して溶融すると同時にLED4は収容枠13に進入して、低融樹脂部材77に覆われる。そのまま冷却することで、LED4は収容枠13内に空気層を介さずに固定される。このようにすると、低融樹脂部材77は収容枠13に拘束されて変形するため、LED4の外形形状に対して追従するように変形することができ、低融樹脂部材77をLED4に対して確実に密着させることができる。さらに、低融樹脂部材77は使用状態では固体であるため、低融樹脂部材77とLED4との係合保持性を強固にすることができ、両者を位置ずれし難くすることができる。
【0090】
各実施形態に共通の変形例2〔図39〕
導光シート81では、収容枠13における中空13hに備える軟質樹脂部材76又は低融樹脂部材77を、導光方法よりに偏らすことができる。
このようにすれば、側面発光のLED4を用いる場合に、LED4の発光面と、軟質樹脂部材76や低融樹脂部材77を、密着し易くすることができる。
【0091】
各実施形態に共通の変形例3〔図40〜図42〕
導光シート91では、収容枠93にベース12の外縁に沿う平面視でコ字形状のリブ93gが設けられている。このリブ93gの回路基板と対向する面も回路基板と当接する当接面93aの一部である。つまり、収容枠93は、回路基板に当接する枠形状の当接面93aと、内部光源を収容する2つの中空93hによる開口93bと、光の導光方向にベース12側へ傾斜する傾斜面93cとを有している。
このようにすれば、回路基板に対しベース12の外縁でベース12を支持することができ、大きく広がるベース12であってもそのベース12と回路基板との間に確実に隙間を形成することができる。さらに収容枠93が枠形状であることから、収容枠93におけるリブ93gの内側を密閉構造とすることができ、防塵、防水効果を発現して電子機器の信頼性を高めることができる。また、当接面93aに粘着性を持たせたり、粘着材を塗布したりしても良い。そうすることで、他の部材を用いずに回路基板と容易に固定することができ、防塵、防水効果を高めることができる。
【実施例】
【0092】
以下に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
試験項目は、「内部光源の位置ずれとキーシートの輝度変化」、「収容枠の屈折率とキーシートの輝度」について検討した。
【0093】
1.試料の製造: 試料1〜試料3の導光シートを製造した。
【0094】
試料1: 先ず、ベースとして表面が平滑面で厚み300μmのポリカーボネート樹脂フィルム(屈折率n1=1.59、ユーピロンシート、三菱ガス化学製)の一方面に、白色インキ(SG740、セイコーアドバンス製)をスクリーン印刷してドット状の照射部を形成した。次に、収容枠を形成する型を用意し、その型に紫外線硬化型樹脂(屈折率n2=1.49)を注入する。そしてベース12の一方面を紫外線硬化型樹脂と接するように型にセットし、紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させベースと収容枠を一体化する。このように実施例1として試料1の導光シートを得た。
【0095】
試料2: 試料1と同様に導光シートを製造した後、収容凹部の内部に付加反応型シリコーンを滴下し硬化して、針入度が230でゴム硬度がE0以下の軟質樹脂部材(屈折率1.46)を設ける。このように実施例2として試料2の導光シートを得た。
【0096】
試料3: 試料1と同様にベースの一方面に照射部を形成し、収容枠を備えていない比較例1として試料3の導光シートを得た。
【0097】
試料4: 先ず、ベースとして表面が平滑面で厚み100μmのウレタ樹脂フィルム(屈折率n1=1.51)の一方面に、白色インキをスクリーン印刷してドット状の照射部を形成した。次に、ベース12の一方面に収容枠としてUV硬化樹脂(屈折率1.59)を硬化させベースと収容枠を一体化する。このように実施例3として試料4の導光シートを得た。
【0098】
試料5: 試料4と同様のベースの一方面に、白色インキをスクリーン印刷してドット状の照射部を形成した。次に、ベース12の一方面に収容枠として付加反応型シリコーン樹脂(屈折率1.42)を硬化させベースと収容枠を一体化する。このように実施例4として試料5の導光シートを得た。
【0099】
2.試験方法
【0100】
「内部光源の位置ずれとキーシートの輝度変化」; 試料1〜試料3に対して、2灯の白色LED(側面発光型LED、SWAK08、Seoul Semiconductor製)の光を受光面から入射した時に、照射部における測定箇所の輝度を輝度計(LS−110、ミノルタ製)にて測定し、白色LEDと受光面との隙間寸法による輝度の割合を算出した。その結果を表1に示す。具体的には、白色LEDと受光面との隙間寸法を0mm、0.2mm、0.4mm、0.6mm、0.8mmと設定して、隙間寸法0mmに対する他の隙間寸法の明るさの割合を測定箇所1〜測定箇所4の平均値で表した。測定箇所1〜測定箇所4は、測定箇所1が受光面から23mm離れた位置、測定箇所2が受光面から38mm離れた位置、測定箇所3が受光面から53mm離れた位置、測定箇所4が受光面から66mm離れた位置とした。
【0101】
「収容枠の屈折率とキーシートの輝度」; 試料4、試料5と白色LEDを固定し、上記測定箇所1〜測定箇所4の輝度を輝度計(LS−110、ミノルタ製)にて測定した。その結果を表2に示す。
【0102】
3.測定結果
【0103】
試料1及び試料2は、試料3に比べ、白色LEDと受光面との隙間寸法が広がっても輝度の低下が小さかった。
【0104】
収容枠の屈折率がベースの屈折率より低い試料5は、光源近傍の輝度の高さに比べて、光源から離れるにつれて急激に輝度が低下している。これに対して、収容枠の屈折率がベースの屈折率より高い試料4は、光源から離れたところでも明るく、光源からの遠近の差が無く広い範囲で明るく照光している。このことから、広い範囲でより均一な照光性能を得るためには、試料5よりも試料4の方が優れていることがわかる。
試料4は収容枠の屈折率がベースの屈折率より高いため、収容枠の屈折率がベースの屈折率より低い試料5に比べ、全測定箇所が明るかった。
【0105】
【表1】

【0106】
【表2】

【符号の説明】
【0107】
1 電子機器
2 筐体
3 回路基板
4 LED(内部光源)
5 皿バネ
10 キーシート(第1実施形態)
11 導光シート(第1実施形態)
111 導光シート(第1実施形態の第1変形例)
112 導光シート(第1実施形態の第2変形例)
113 導光シート(第1実施形態の第3変形例)
114 導光シート(第1実施形態の第4変形例)
12 ベース
13 収容枠
13a 当接面
13b 開口
13c 傾斜面
13h 中空
13i 底
131 収容枠(第1実施形態の第1変形例)
131a 当接面
131b 開口
131c 傾斜面
132 収容枠(第1実施形態の第2変形例)
132a 当接面
132b 開口
132c 傾斜面
133 収容枠(第1実施形態の第3変形例)
133a 当接面
133b 開口
133c 傾斜面
134 収容枠(第1実施形態の第4変形例)
134a 当接面
134b 開口
134c 傾斜面
134h 中空
14 照射部
15 カバーシート
15a ベースシート
15b キートップ(照光部材)
15c 押圧突起
16a 中間桟
16b 外桟
16c 凸部
16d 当接面
20 キーシート(第2実施形態)
21 導光シート(第2実施形態)
211 導光シート(第2実施形態の変形例)
26 透明樹脂層
30 キーシート(第3実施形態)
31 導光シート(第3実施形態)
33 収容枠
33a 当接面
33b 開口
33c 傾斜面
33d 延長部
33e 押圧突起
33h 中空
33i 底
35 カバーシート
35a ベースシート
35b キートップ(照光部材)
40 キーシート(第4実施形態)
401 キーシート(第4実施形態の第1変形例)
402 キーシート(第4実施形態の第2変形例)
403 キーシート(第4実施形態の第3変形例)
404 キーシート(第4実施形態の第4変形例)
41 導光シート(第4実施形態)
45 透明成形体
45b キートップ(照光部材)
45d 表示印刷層
45e 遮光印刷層
45f 抜き文字印刷層
46 透明樹脂層
46a 押圧突起
47 透光性印刷層
48 暗色印刷層
50 キーシート(第5実施形態)
51 導光シート(第5実施形態)
53 収容枠
53a 当接面
53b 開口
53c 傾斜面
53d 延長部
53e 押圧突起
53f 立部
53h 中空
53i 底
55 キートップ(照光部材)
55g 装飾印刷層
55h 第2接着層
56 軟質樹脂フィルム
56a 第1接着層
59 スリット
60 キーシート(第6実施形態)
61 導光シート(第6実施形態)
62 ベース
62a 透孔
63 収容枠
63a 当接面
63c 傾斜面
63h 中空
63i 底
71 導光シート(各実施形態に共通の第1変形例)
76 軟質樹脂部材
77 容融樹脂部材
81 導光シート(各実施形態に共通の第2変形例)
91 導光シート(各実施形態に共通の第3変形例)
93 収容枠
93a 当接面
93b 開口
93c 傾斜面
93g リブ
93h 中空
93i 底

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の内部に備える回路基板上に設けた内部光源からの光を導入する受光部と、導入された光を照射部に向けて導光する導光部と、導光された光を照光部材へ散乱する照射部と、を備える導光シートであって、
導光部となる平板状のベースにおける内部光源側の一方面に、該一方面から中空の枠形状に突出して先端に開口を有しその開口から中空内に内部光源を進入させて受光部となる収容枠を設け、
この収容枠における外側面の少なくとも一部が、先端側からベース側に向かって収容枠の肉厚を薄肉にするように傾斜して入射光を導光部へ反射させる傾斜面である導光シート。
【請求項2】
収容枠の屈折率がベースの屈折率よりも高い請求項1記載の導光シート。
【請求項3】
収容枠が底を有する有底枠形状である請求項1または請求項2記載の導光シート。
【請求項4】
収容枠の先端面が、内部光源を実装する回路基板と当接する当接面である請求項1〜請求項3何れか1項記載の導光シート。
【請求項5】
傾斜面のベース側端部に、ベースの一方面に沿って伸長する延長部を設ける請求項1〜請求項4何れか1項記載の導光シート。
【請求項6】
収容枠の中空内に、内部光源と収容枠との隙間を埋めるすき間充填材を備える請求項1〜請求項5何れか1項記載の導光シート。
【請求項7】
すき間充填材が、使用温度で変形可能な軟質樹脂部材であるか、または、前記ベースと収容枠の軟化温度より低い融点の樹脂でなる低融樹脂部材である第6項記載の導光シート。
【請求項8】
ベースの一方面側に、該ベースと屈折率の異なる透明樹脂層を設ける請求項1〜請求項7何れか1項記載の導光シート。
【請求項9】
請求項1〜請求項8何れか1項記載の導光シートと、該導光シートの一方面側に形成される押圧突起と、該押圧突起に対応して導光シートの他方面側に固着する照光部材としてのキートップと、を備えるキーシート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【公開番号】特開2011−113756(P2011−113756A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−267996(P2009−267996)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(000237020)ポリマテック株式会社 (234)
【Fターム(参考)】