説明

導電ペースト及び導電性粉末

【課題】比抵抗値の小さい(低い)導電性膜の製造を可能にする導電ペースト及び導電性ペースト用粉末を提供する。
【解決手段】平均粒子径が0.1〜0.6μmの導電性小粒子と平均粒子径が0.5〜1.0μmの導電性大粒子(小粒子の平均粒子径は、大粒子の平均粒子径よりも小さい)とを、小粒子と大粒子との質量比で表して、20:80乃至80:20の範囲の比(特に、20:80乃至45:55の範囲もしくは80:20乃至55:45の範囲の比)にて混合してなる導電性粒子混合物、およびこの導電性粒子混合物を含有する導電ペースト。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電ペースト及び導電ペーストの導電性材料として有利に用いられる導電性粉末に関する。本発明は特に、比抵抗値の小さい(すなわち、低い)導電性膜の製造を可能にする導電ペースト及び導電ペースト用粉末に関する。
【背景技術】
【0002】
パラジウム、パラジウム・銀合金、白金、あるいは銀などの導電性粉末を含む導電ペーストを基板上に塗布あるいは印刷し、焼成することにより、コンデンサの電極、センサの電極、あるいはIC回路の電極などの電子部品の電極を形成する技術は一般的に利用されている。
【0003】
近年、上記のような各種の電極は、電子部品の小型化と高性能化の要求を受けて、ますます薄膜化する傾向があり、より微粒子化し、かつ粒子径の揃った導電性粉末が求められている。また、電子部品の高性能化に対する要求の高まりにつれ、小さい比抵抗値を示す薄膜電極への要求はますます高くなっている。
【0004】
特許文献1には、互いに酸化還元電位の異なる二種の金属の塩を含む水溶液を用意する工程;該水溶液に還元剤を保護コロイドの存在下に接触させることにより、先ず酸化還元電位の低い金属の微細粒子を析出させ、次いでその金属の微粒子の周囲に酸化還元電位の高い金属を析出させて、酸化還元電位の低い金属の微細粒子の周囲が酸化還元電位の高い金属の層で被覆された二重層粒子を生成させる工程;そして、該二重層粒子を含むコロイド溶液に第三の金属の塩と還元剤とを接触させる工程を順次実施することによって、粒子径が揃った金属微粉末を製造する方法、および酸化還元電位の低い金属の微細粒子の周囲が酸化還元電位の高い金属の層で被覆された二重層粒子を含むコロイド溶液に第三の金属の塩と還元剤とを接触させる工程を順次実施することによって、粒子径が揃った金属微粉末を製造する方法の開示がある。特許文献1には、これらの方法によって、粒子径が揃ったパラジウム微粉末および白金微粉末などの貴金属微粉末も製造することができることが明らかにされている。
【0005】
特許文献2には、粒径が0.5〜5μmの範囲の球形状白金粉末30〜98質量%と粒径2μm以下のかさ密度が0.5〜1.5g/cm3の不定形状白金粉末2〜70質量%とからなる白金粉末と無機酸化物とが有機ビヒクルに均一分散状態にされている焼き付け用白金導電ペーストが記載されている。特許文献2によると、この白金導電ペーストは、導電ペーストとして好ましい粘度特性を有するため、この導電ペーストを用いて形成される電子部品の回路は、安定な導電特性を示すとされている。
【0006】
特許文献3には、平均粒径3μm未満、比表面積0.7m2/g以上の略球形状の金属粉末である球形粉末と、平均粒径3μm以上、比表面積0.7m2/g未満の扁平粉末とを、球形粉末:扁平粉末=100:0〜50:50の質量比で配合した導電成分を含有する導電ペーストが記載されている。特許文献3によると、この導電ペーストでは、球形粉末と扁平粉末とが互いにからみあうため、塗布、乾燥時における形状性が向上し、形成される電極の膜厚の均一化が図れるとされている。
【0007】
特許文献4には、平均粒径が0.5μm以上、20μm以下の範囲にあり、異なる平均粒径をもつ複数の導電性粉を混合した導電性粉を液状エポキシ樹脂に分散したビアホール充填用導体ペースト組成物が記載されており、導電性粉の組合わせとして、平均粒径が0.5μm以上、2.0μm以下の範囲の導電性粉と平均粒径が2.0μmをこえ20μm以下の範囲の導電性粉との組合わせが示されている。特許文献4によると、このような導電性ペーストをビアホール充填用導電性ペーストとして使用すると、ビアホールへの充填時のへこみが生じにくいとされている。
【0008】
【特許文献1】WO 2005/053885 A1
【特許文献2】特開平5−334911号公報
【特許文献3】特開平8−96623号公報
【特許文献4】特開2003−92024号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、比抵抗値の小さい薄膜の貴金属電極層の製造に有用な導電ペーストと導電性粉末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
導電性粉末を用いて導電ペーストを得る場合に、導電ペーストの塗布特性や形成される電極層の均一性などの向上のために、粒径あるいは形状の異なる複数の導電性粉末を混合した導電性粉末が有用であることは、前記の特許文献2乃至4に記載されている。しかしながら、そのような粒径あるいは形状の異なる複数の導電性粉末を混合した導電性粉末が、混合前の単一の導電性粉末の比抵抗値に比べて如何なる比抵抗値を示すかについては、これまでに明らかにされていない。
【0011】
本発明の発明者は、平均粒子径が1μm以下の導電性粉末について、そのような極微小の導電性粉末を二種もしくはそれ以上混合して得られる導電性混合粉末が如何なる比抵抗値を示すかを研究した。そして、その研究の結果、平均粒子径が0.1〜0.6μmの範囲にある導電性小粒子と平均粒子径が0.5〜1.0μmの範囲にある導電性大粒子(但し、小粒子の平均粒子径は、大粒子の平均粒子径よりも小さい)とを、小粒子と大粒子との質量比で表して、20:80乃至80:20の範囲の比にて混合して得た導電性粒子混合物は、これに公知の結合剤と無機酸化物を混合して導電ペーストとして、電極層を形成すると、その電極層は、上記の小粒子あるいは大粒子のみを導電性粉末として用いて形成した電極層に比べて顕著に小さい比抵抗値を示すことを見出した。また更に、小粒子と大粒子とを質量比で表して20:80乃至45:55の範囲もしくは80:20乃至55:45の範囲の比にて混合して得た導電性粒子混合物は、これに公知の結合剤と無機酸化物を混合して導電ペーストとして、電極層を形成すると、その電極層は、特に小さい比抵抗値を示すことを見出し、本発明に到達した。
【0012】
従って、本発明は、平均粒子径が0.1〜0.6μmの範囲にある導電性小粒子と平均粒子径が0.5〜1.0μmの範囲にある導電性大粒子(但し、導電性小粒子の平均粒子径は、導電性大粒子の平均粒子径よりも小さい)とを、導電性小粒子と導電性大粒子との質量比で表して、20:80乃至80:20の範囲の比にて混合した導電性粒子混合物を含有することを特徴とする導電ペーストにある。
【0013】
本発明はまた、平均粒子径が0.1〜0.6μmの範囲にある導電性小粒子と平均粒子径が0.5〜1.0μmの範囲にある導電性大粒子(但し、導電性小粒子の平均粒子径は、導電性大粒子の平均粒子径よりも小さい)とを、導電性小粒子と導電性大粒子との質量比で表して、20:80乃至80:20の範囲の比にて混合してなる導電性粉末にもある。
【発明の効果】
【0014】
本発明の導電性粉末を含む導電ペーストを用いることにより薄層で、かつ比抵抗値が小さい電極層を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明で用いる導電性粉末の好ましい態様を次に列記する。
(1)導電性粒子混合物における導電性小粒子と導電性大粒子との質量比が、20:80乃至45:55の範囲もしくは80:20乃至55:45の範囲の比である。
(2)導電性粒子混合物における導電性小粒子と導電性大粒子との質量比が特に、80:20乃至55:45の範囲の比である。
(3)導電性小粒子および導電性大粒子のいずれもが貴金属粒子である。
(4)貴金属粒子が白金粒子もしくはパラジウム粒子である。
(5)いずれの貴金属粒子も、表面層が貴金属からなり、内側層が表面層の貴金属とは異なる成分もしくは組成の貴金属からなる。
(6)貴金属粒子の表面層が白金もしくはパラジウムからなる。
(7)導電性小粒子および導電性大粒子のいずれの粒子の粒子径の正規分布σgも2.0以下(さらに好ましくは、1.9以下)である。
(8)表面層が貴金属からなり、内側層が表面層の貴金属とは異なる組成の貴金属からなる貴金属粒子が、互いに酸化還元電位の異なる二種の貴金属の塩を含む水溶液を用意する工程;該水溶液に還元剤を保護コロイドの存在下に接触させることにより、先ず酸化還元電位の低い貴金属の微細粒子を析出させ、次いでその貴金属の微粒子の周囲に酸化還元電位の高い貴金属を析出させて、酸化還元電位の低い貴金属の微細粒子の周囲が酸化還元電位の高い貴金属の層で被覆された二重層粒子を生成させる工程;そして、該二重層粒子を含むコロイド溶液に第三の貴金属の塩と還元剤とを接触させる工程を順次実施することにより製造された貴金属粒子である。
【0016】
次に、まず本発明の導電性粉末について説明する。
【0017】
本発明の導電性粉末は、相対的に小さい平均粒子径を有する導電性小粒子と相対的に大きい平均粒子径を有する導電性大粒子とを特定割合にて混合してなる混合物である。相対的に少ない量(全体量の半分未満、特に1/3未満)であれば、さらに、大粒子と小粒子との間の平均粒子径を持つ導電性粒子、大粒子よりも大きい平均粒子径を持つ導電性粒子、そして小粒子よりも小さい粒子径を持つ導電性粒子を混合してもよい。
【0018】
導電性小粒子は、0.1〜0.6μmの範囲にある平均粒子径を持ち、導電性大粒子は0.5〜1.0μmの範囲にある平均粒子径を持つ。但し、小粒子の平均粒子径は、大粒子の平均粒子径よりも小さい。導電性小粒子の平均粒子径と導電性大粒子の平均粒子径とは、その差が、0.1〜0.5μmの範囲にあることが好ましい。小粒子と大粒子との混合割合は、前者:後者の質量比で表して、20:80乃至80:20の範囲(特に好ましくは、20:80乃至45:55の範囲もしくは80:20乃至55:45の範囲)の比とする。小粒子と大粒子との混合割合は、前者:後者の質量比で表して、80:20乃至55:45の範囲内にあることが特に好ましい。
【0019】
導電性小粒子と導電性大粒子はいずれも、貴金属粒子であることが好ましく、貴金属粒子の材料としては、白金、パラジウム、銀、金、これらの貴金属の混合物(合金も含む)を挙げることができる。貴金属粒子のそれぞれは、単一の貴金属からなる粒子(いわゆる無垢の粒子)であってもよいが、前記特許文献1に記載されている製造方法により得られる、表面層が貴金属からなり、内側層が表面層の貴金属とは異なる成分もしくは組成の貴金属からなる、粒子径の揃った(特に、粒子径の正規分布σgが2.0以下、さらに好ましくは、1.9以下の)貴金属粒子であることが好ましい。
【0020】
本発明の導電ペーストは、上記の本発明の導電性粉末を用い、公知のバインダ(例、有機ポリマー)や金属酸化物(例、アルミナ)などの副材料を混合して製造される。
【実施例】
【0021】
[参考例1]表面層が白金の金属微粉末(平均粒子径:0.4μm)の製造
(1)パラジウム/銀二重層粒子分散液の製造
イ)パラジウム塩水溶液の調製
容量500mLのビーカーにジクロロジアンミンパラジウム(II)[cis-[PdCl2(NH3)2](II)]をパラジウム量換算で50gと水300mLとを入れ、マグネチックスターラーで攪拌した。次に、濃アンモニア水(NH4OH)100mLを加えた後、ビーカーをラッピングフィルムにより密閉し、攪拌を1時間続けた。内容物の大部分が溶解したので、溶液を濾過し、次いで水で希釈して、500mLのパラジウム塩水溶液を得た。
【0022】
ロ)銀塩水溶液の調製
容量500mLの褐色びんに塩化銀(AgCl)6.67g(銀量換算で5g)とアンモニア水(濃アンモニア水100mLを水で希釈して400mLとしたもの)とを入れ、褐色びんを樹脂フィルムとアルミニウムフォイルとを用いて遮光的に密閉し、マグネチックスターラーで攪拌した。次いで、水を加えて500mLの銀塩水溶液を得た。
【0023】
ハ)保護コロイド液の調製
容量5Lのビーカーに水4Lを入れ、この水を激しく攪拌しながら、カルボキシメチルセルロース(CMC)40gを少しずつ加えて、CMC水溶液を得た。ついで、さらに攪拌を1時間続け、保護コロイド液を得た。
【0024】
ニ)パラジウム/銀二重層粒子分散液の製造
上記で得た保護コロイド液の全量を攪拌しながら、これにパラジウム塩水溶液を全量(パラジウム量として50g)加え、次に、銀塩水溶液2.5mL(銀量として25mg)を少しずつ加えた。攪拌しながら、攪拌液をゆっくりと加温し、30℃になった時点でこれに、ヒドラジンヒドラート水溶液(15mL/75mL)を加えた。次いで、水溶液混合物を30〜40℃に保温しながら、1時間攪拌した。この操作により、銀微細粒子の周囲にパラジウム層が析出積層したパラジウム/銀二重層粒子分散液が得られた。この分散液は、次いで、樹脂フィルムで密閉して保存した。
【0025】
(2)白金塩水溶液の調製
ジクロロテトラアンミン白金(II)に水を加えて、金属白金換算量200gを含む2.2Lの白金塩水溶液を得た。
【0026】
(3)ヒドラジンヒドラート水溶液の調製
ヒドラジンヒドラート225mLに水を加えて500mLのヒドラジンヒドラート水溶液を得た。
【0027】
(4)表面層が白金の金属微粉末の製造
1%CMC水溶液890mLに上記(1)で得たパラジウム/銀二重層粒子分散液340mLを加え、充分に攪拌し、30℃に温度調節した。
得られたコロイド液(反応母液)を攪拌しながら、この攪拌液に、上記(2)で得た白金塩水溶液と上記(3)で得たヒドラジンヒドラート水溶液を同時に加えた。添加終了後、液温を30〜40℃に調整しながら、さらに攪拌を1.5時間継続した。
CMCを洗浄除去し、生成した金属微粉末を濾過により集め、乾燥した。この金属微粉末の平均粒子径は0.4μmであり、粒子径が非常に揃っていた(粒子径の正規分布σg:1.9以下)。そして、この金属微粉末の各微粒子の表面層は、白金金属からなっていた。
【0028】
[参考例2]表面層が白金の金属微粉末(平均粒子径:0.6μm)の製造
(4)の工程において、パラジウム/銀二重層粒子分散液の添加量を90mLに替えた以外は、参考例1と同じ操作を行ない、金属微粉末を得た。得られた金属微粉末の平均粒子径は0.6μmで、粒子径が非常に揃っていた(粒子径の正規分布σg:1.9以下)。そして、この金属微粉末の各微粒子の表面層は、白金金属からなっていた。
【0029】
[参考例3]表面層が白金の金属微粉末(平均粒子径:0.8μm)の製造
(4)の工程において、パラジウム/銀二重層粒子分散液の添加量を50mLに替えた以外は、参考例1と同じ操作を行ない、金属微粉末を得た。得られた金属微粉末の平均粒子径は0.8μmで、粒子径が非常に揃っていた(粒子径の正規分布σg:1.9以下)。そして、この金属微粉末の各微粒子の表面層は、白金金属からなっていた。
【0030】
[実施例]導電ペーストの調製及び電極の製造と評価
参考例1乃至3のそれぞれで得られた表面層が白金の金属微粉末(白金被覆金属微粉末)を用いて下記の条件で導電ペーストを調製した。
【0031】
1)導電ペーストの基本配合
白金被覆微粉末:無機成分(アルミナ微粉末):バインダ(エチルセルロース/テルピネオール:2/13)=20/1/4.5(重量比)
【0032】
2)調製した導電ペースト
ペースト試料1:参考例1で調製した白金被覆金属微粉末(平均粒子径0.4μm)を使用。
ペースト試料2:参考例2で調製した白金被覆金属微粉末(平均粒子径0.6μm)を使用。
ペースト試料3:参考例3で調製した白金被覆金属微粉末(平均粒子径0.8μm)を使用。
ペースト試料4:参考例1で調製した白金被覆金属微粉末(平均粒子径0.4μm)と参考例2で調製した白金被覆金属微粉末(平均粒子径0.6μm)とを質量比7:3で混合。
ペースト試料5:参考例1で調製した白金被覆金属微粉末(平均粒子径0.4μm)と参考例2で調製した白金被覆金属微粉末(平均粒子径0.6μm)とを質量比6:4で混合。
ペースト試料6:参考例1で調製した白金被覆金属微粉末(平均粒子径0.4μm)と参考例2で調製した白金被覆金属微粉末(平均粒子径0.6μm)とを質量比5:5で混合。
ペースト試料7:参考例1で調製した白金被覆金属微粉末(平均粒子径0.4μm)と参考例3で調製した白金被覆金属微粉末(平均粒子径0.8μm)とを質量比6:4で混合。
ペースト試料8:参考例1で調製した白金被覆金属微粉末(平均粒子径0.4μm)と参考例3で調製した白金被覆金属微粉末(平均粒子径0.8μm)とを質量比5:5で混合。
ペースト試料9:参考例1で調製した白金被覆金属微粉末(平均粒子径0.4μm)と参考例3で調製した白金被覆金属微粉末(平均粒子径0.8μm)とを質量比4:6で混合。
【0033】
3)電極層の形成
導電ペーストをスクリーン印刷にてセラミック基板に印刷し、これを1550℃、2時間で焼成して厚さ約15μmの電極層を得た。
【0034】
4)電極層の比抵抗値
第1表
────────────────────────────────────
導電ペースト 小粒子/大粒子(混合割合) 比抵抗値(μmΩ・cm)
────────────────────────────────────
ペースト試料1 小粒子(平均粒子径:0.4μm)のみ 24.58
ペースト試料2 大粒子(平均粒子径:0.6μm)のみ 33.59
ペースト試料3 大粒子(平均粒子径:0.8μm)のみ 31.66
────────────────────────────────────
ペースト試料4 (0.4μm)/(0.6μm)=7/3 21.63
ペースト試料5 (0.4μm)/(0.6μm)=6/4 21.52
ペースト試料6 (0.4μm)/(0.6μm)=5/5 22.10
────────────────────────────────────
ペースト試料7 (0.4μm)/(0.8μm)=6/4 22.53
ペースト試料8 (0.4μm)/(0.8μm)=5/5 22.92
ペースト試料9 (0.4μm)/(0.8μm)=4/6 22.81
────────────────────────────────────
【0035】
上記の第1表の結果から本発明に従うペースト試料4乃至9を用いて製造した電極層の比抵抗値が、大粒子のみからなる導電性粒子を含むペースト試料あるいは小粒子のみからなる導電性粒子を含むペースト試料を用いて製造した電極層の比抵抗値に比べて顕著に小さくなっていることが分る。そして、さらに、小粒子あるいは大粒子の一方の比率が高いペースト試料4、5、7、9を用いて製造した電極層の比抵抗値がさらに小さくなっていることが分る。





【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均粒子径が0.1〜0.6μmの範囲にある導電性小粒子と平均粒子径が0.5〜1.0μmの範囲にある導電性大粒子(但し、導電性小粒子の平均粒子径は、導電性大粒子の平均粒子径よりも小さい)とを、導電性小粒子と導電性大粒子との質量比で表して、20:80乃至80:20の範囲の比にて混合してなる導電性粒子混合物を含有することを特徴とする導電ペースト。
【請求項2】
導電性粒子混合物における導電性小粒子と導電性大粒子との質量比が、20:80乃至45:55の範囲もしくは80:20乃至55:45の範囲の比である請求項1に記載の導電ペースト。
【請求項3】
導電性小粒子および導電性大粒子のいずれもが貴金属粒子である請求項1もしくは2に記載の導電ペースト。
【請求項4】
貴金属粒子が白金粒子もしくはパラジウム粒子である請求項3に記載の導電ペースト。
【請求項5】
いずれの貴金属粒子も、表面層が貴金属からなり、内側層が表面層の貴金属とは異なる成分もしくは組成の貴金属からなる請求項3に記載の導電ペースト。
【請求項6】
貴金属粒子の表面層が白金もしくはパラジウムからなる請求項5に記載の導電ペースト。
【請求項7】
導電性小粒子及び導電性大粒子のいずれの粒子の粒子径の正規分布σgも2.0以下である請求項1乃至6のうちのいずれかの項に記載の導電ペースト。
【請求項8】
表面層が貴金属からなり、内側層が表面層の貴金属とは異なる組成の貴金属からなる貴金属粒子が、互いに酸化還元電位の異なる二種の貴金属の塩を含む水溶液を用意する工程;該水溶液に還元剤を保護コロイドの存在下に接触させることにより、先ず酸化還元電位の低い貴金属の微細粒子を析出させ、次いでその貴金属の微粒子の周囲に酸化還元電位の高い貴金属を析出させて、酸化還元電位の低い貴金属の微細粒子の周囲が酸化還元電位の高い貴金属の層で被覆された二重層粒子を生成させる工程;そして、該二重層粒子を含むコロイド溶液に第三の貴金属の塩と還元剤とを接触させる工程を順次実施することにより製造された貴金属粒子である請求項5に記載の導電ペースト。
【請求項9】
平均粒子径が0.1〜0.6μmの範囲にある導電性小粒子と平均粒子径が0.5〜1.0μmの範囲にある導電性大粒子(但し、導電性小粒子の平均粒子径は、導電性大粒子の平均粒子径よりも小さい)とを、導電性小粒子と導電性大粒子との質量比で表して、20:80乃至80:20の比にて混合してなる導電性粉末。
【請求項10】
導電性小粒子と導電性大粒子との質量比が、20:80乃至45:55の範囲もしくは80:20乃至55:45の範囲の比である請求項9に記載の導電性粉末。
【請求項11】
導電性小粒子および導電性大粒子のいずれもが貴金属粒子である請求項9もしくは10に記載の導電性粉末。
【請求項12】
貴金属粒子が白金粒子もしくはパラジウム粒子である請求項11に記載の導電性粉末。
【請求項13】
いずれの貴金属粒子も、表面層が貴金属からなり、内側層が表面層の貴金属とは異なる成分もしくは組成の貴金属からなる請求項11に記載の導電性粉末。
【請求項14】
貴金属粒子の表面層が白金もしくはパラジウムからなる請求項13に記載の導電性粉末。
【請求項15】
導電性小粒子および導電性大粒子のいずれの粒子の粒子径の正規分布σgも2.0以下である請求項9もしくは10に記載の導電性粉末。
【請求項16】
表面層が貴金属からなり、内側層が表面層の貴金属とは異なる組成の貴金属からなる貴金属粒子が、互いに酸化還元電位の異なる二種の貴金属の塩を含む水溶液を用意する工程;該水溶液に還元剤を保護コロイドの存在下に接触させることにより、先ず酸化還元電位の低い貴金属の微細粒子を析出させ、次いでその貴金属の微粒子の周囲に酸化還元電位の高い貴金属を析出させて、酸化還元電位の低い貴金属の微細粒子の周囲が酸化還元電位の高い貴金属の層で被覆された二重層粒子を生成させる工程;そして、該二重層粒子を含むコロイド溶液に第三の貴金属の塩と還元剤とを接触させる工程を順次実施することにより製造された貴金属粒子である請求項13に記載の導電性粉末。

【公開番号】特開2007−134291(P2007−134291A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−328991(P2005−328991)
【出願日】平成17年11月14日(2005.11.14)
【出願人】(503034548)
【出願人】(393017188)小島化学薬品株式会社 (13)
【Fターム(参考)】