説明

小型サーモパイル型赤外線検出装置

【課題】従来の一般的なサーモパイル型赤外線検出装置では、一般的に多く消費されているTO−5型パッケージ、及び、モジュールとしての周辺回路を搭載する為の回路基板構成を多く用いる事から、形状面に於いて小型化に限界が発生し、更なる小型化が困難であると云う課題がある。
【解決手段】搭載するサーモパイル型赤外線検出器のパッケージをTO−18型とし、モジュールとしての周辺回路部品、及び、回路基板についても小型化する事により、横:10.9mm、縦:6.4mm、高さ:5.3mmのサイズ内(容積:369.728mm)に納める事で、サーモパイル型赤外線検出装置としての容積を小型化した事を特徴とする小型サーモパイル型赤外線検出装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、形状を小型化としたサーモパイル型赤外線検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来用いられている一般的なサーモパイル型赤外線検出装置は、TO−5型ハーメチックパッケージのサーモパイル型赤外線検出装置を搭載したモジュール形態となっており、TO−5型パッケージ、及び、モジュールとしての周辺回路を搭載する為の回路基板の構成であり、搭載スペースについても前記モジュールが格納可能な設置スペースが確保されている。
【特許文献1】特願2004−1387号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の一般的なサーモパイル型赤外線検出装置では、コスト面より、一般的に多く消費されているTO−5型パッケージ、及び、モジュールとしての周辺回路を搭載する為の回路基板構成を多く用いる事から、形状面に於いて小型化に限界が発生し、更なる小型化が困難であると云う課題がある。図2に従来のサーモパイル型赤外線検出装置の斜視概要構成図を示す。信号結線、信号取り出し用パッド、ワイヤリング配線等の回路接続用結線が存在するが、図が煩雑となる為に割愛とする。
【0004】
しかし、非接触にて対象物の温度を検出したいと云う市場ニーズは、家電等のアプリケーションへの搭載拡大により、他の市場に於いても波及しており、引き合いも多くなっている。この様な新アプリケーションへの波及は、現行機への追加機能として搭載される事から、現有機能を損なわず、非接触温度計測を行う必要があり、搭載スペースについても、従来の様にTO−5型パッケージの様なスペースを確保する事が困難であり、小型化の要望が多くなっている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を顧みてなされたものであり、小型サーモパイル型赤外線検出装置を実現するにあたり、搭載するサーモパイル型赤外線検出器のパッケージをTO−18型とし、モジュールとしての周辺回路部品、及び、回路基板についても小型化する事により、横:10.9mm、縦:6.4mm、高さ:5.3mmのサイズ内(容積:369.728mm)に納める事で、サーモパイル型赤外線検出装置としての形状・容積を小型化した事を特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、従来のサーモパイル型赤外線検出装置の性能を維持したまま、形状・容積の小型化を行う事が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、サーモパイル型赤外線検出装置に於いて、小型を行うにあたり、サーモパイル型赤外線検出器のパッケージをTO−18型とし、モジュールとしての周辺回路部品、及び、回路基板についても横:10.9mm、縦:6.4mm、高さ:5.3mm(容積:369.728mm)とし、小型化した形状にて提供される。本発明の小型サーモパイル型赤外線検出装置として図1に斜視概要構成図を示す。信号結線、信号取り出し用パッド、ワイヤリング配線等の回路接続用結線が存在するが、図が煩雑となる為に割愛とする。
【実施例1】
【0008】
以下実施例により本発明を詳細に説明する。図1は、本発明の小型サーモパイル型赤外線検出装置を示すものである。
本実施例では、赤外線を受光する事により対象物の放射赤外線量を測定し対象物の温度を検出する事を可能にするサーモパイルチップへ放射赤外線を入射させる赤外線透過窓を有する金属製缶ケース、サーモパイルチップを電気的接続したリード端子を備えたヘッダーと共に外来からの環境的変化や電磁障害を防止するためにハーメチックシールとした一般的な構造であるサーモパイルセンサの赤外線透過窓部へ赤外線透過領域の選択性を有した蒸着コーティング平面フィルターをエポキシ系接着剤により金属製缶ケースへ接着固定した構造となっている。
【0009】
サーモパイル型赤外線検出器のパッケージは、小型化とする為、TO−18型としている。
又、モジュールとしての周辺回路部品についても、チップ抵抗、チップコンデンサ等についても、1005サイズとする事で、小型化を行った構成としている。
【0010】
又、本実施例では赤外線透過領域の選択性を有する5μmカットオン蒸着コーティング平面フィルターとして赤外線透過領域を選択させているが、例えば、5.5μmカットオン蒸着コーティング平面フィルター、6.5μmカットオン蒸着コーティング平面フィルター、8〜14μmバンドパス蒸着コーティング平面フィルターでもかまわない。
又、本実施例に於いては、赤外線透過領域の選択性を有する5μmカットオン蒸着コーティング平面フィルターの形状は正方形となっているが、円形、長方形、六角形でもかまわない。
【0011】
前記の様な構成とする事で、従来の一般的なサーモパイル型赤外線検出装置の形状サイズを横:29.0mm、縦18.0mm、高さ:13.0mm(容積:6,786mm)に対し、本発明の小型サーモパイル型赤外線検出装置は、横:10.9mm、縦6.4mm、高さ:5.3mm(容積:369.728mm)と約1/18程度の容積となり、大幅に小型化とする事が可能となった。図3に本発明の小型サーモパイル型赤外線検出装置、従来のサーモパイル型赤外線検出装置の各寸法(横、縦、高さ、容積)の一覧表を示す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明によるTO−18型パッケージのサーモパイル型赤外線検出器を搭載した小型サーモパイル赤外線検出装置の斜視概要図である。
【図2】従来の一般的なTO−5型パッケージのサーモパイル型赤外線検出器を搭載したサーモパイル型赤外線検出装置の斜視概要図である。
【図3】本発明の小型サーモパイル型赤外線検出装置、従来のサーモパイル型赤外線検出装置の各寸法(横、縦、高さ、容積)の一覧表である。
【符号の説明】
【0013】
1 TO−18型パッケージサーモパイル型赤外線検出器
2 金属缶ケース
3 赤外線透過窓部
4 赤外線透過フィルター
5 ヘッダー
6a、6b 回路構成用電子部品
7 回路基板
8 コネクタ端子
9 TO−5型パッケージサーモパイル型赤外線検出器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーモパイル型赤外線検出装置に於いて、サーモパイル型赤外線検出器、及び、モジュールとしての周辺回路部品、回路基板を含めた形状を、横:10.9mm、縦:6.4mm、高さ:5.3mmサイズ内に納め、容積を369.728mmとした事を特徴とするサーモパイル型赤外線検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−145344(P2010−145344A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−325671(P2008−325671)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(000229081)日本セラミック株式会社 (129)
【Fターム(参考)】