説明

小型自動演奏装置およびその被駆動体の駆動構造

【課題】鍵盤を駆動するための駆動源を効率良く配置し、装置の小型化を図ること。
【解決手段】列上に配置された鍵盤16と、鍵盤16を駆動するための複数のアクチュエータ18と、アクチュエータ18の動作を鍵盤16に伝達するリンク体20を備え、アクチュエータ18は4列に分かれて配置され、各列のアクチュエータ18は互いにずれて配置され、リンク体20を構成する鍵盤リンク52a〜52dのうち相隣接するもの同士は互いに上下に分かれて配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピアノ等鍵盤を備えた楽器の外観を模した小型自動演奏装置に係わり、特に該装置の筐体の一辺に配置された鍵盤を模した個々の鍵(演奏用キー)の動きを演奏される音楽に合わせて個別に駆動する駆動構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子楽器として、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)等の、電子楽器の演奏データを機器間でデジタル伝送するための規格の情報を基に自動演奏を行う自動演奏ピアノが提案されている(特許文献1、2参照)。自動演奏ピアノは鍵盤の数が多いので、鍵盤の構成を簡素化することが必要とされている。このため、従来技術においては、鍵盤装置を構成する全ての鍵に対して共通な構造を備えた駆動手段を配設することで、製造コストの低減を図るように成されている。
【0003】
尚、MIDIは、複数の電子楽器を、それらが異なるメーカーの製品であっても連動または互換性をもって動作させることができるように作られた規格である。MIDIによって送られる情報は実際の音声情報(オーディオデータ)ではなく、発音タイミング、音の種類、音の高さ、音の大きさ、といった楽器や音源へのメッセージとなる制御情報の連なりであり、そのデータのサイズはオーディオデータ、即ちマイクなどで録音された実際の音の波形をデジタル化(サンプリング)したものに比べて非常に小さいことが特徴となっている。
【特許文献1】特開平6−27935号公報
【特許文献2】特開2001−184054号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、フロアなどに設置される、通常の自動演奏ピアノに対して、小型遊戯ピアノでも自動演奏を行うことができるものがある。この種の小型遊戯ピアノにおいても、通常の自動演奏ピアノと同様な鍵盤が配列されている。このため、小型遊戯ピアノにおいて、多数の鍵盤を互いに近づけて配列するに際して、各鍵盤を動作させるための駆動源、例えば、ソレノイドを鍵盤の数だけ設けようとすると、駆動源を設置するために、広いスペースを確保しなければならず、小型遊戯ピアノが大型化することになる。
【0005】
また、小型化によって各駆動部分が接触しないように設けたスペースも小さくなり、駆動による部品の変形等によって各駆動部分同士が接触してしまい、正しく鍵盤を駆動させることが出来なくなってしまう恐れもある。
【0006】
そこで、本発明は、鍵盤を駆動するための駆動機構を効率良く配置し、装置の小型化を図るとともに、充分な駆動スペースを用意して鍵盤を確実に駆動させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明は、列状に隣接して配置された複数の被駆動体と前記複数の被駆動体に対応してそれぞれを駆動する複数の駆動機構を備えた電子装置であって、前記複数の駆動機構のそれぞれは、アクチュエータと、リンク体とを備え、前記リンク体はその一端で対応する前記被駆動体と可動的に係合し、他端で前記アクチュエータと可動的に係合し、前記アクチュエータが作動したとき前記被駆動体を駆動する力が前記リンク体を介して前記被駆動体に伝達されるように構成されており、前記駆動機構は隣接する複数個を一組として駆動ユニットを構成し、前記駆動ユニットのそれぞれは互いに略同一構成と同一サイズに形成され、前記駆動ユニットの複数個が前記複数の被駆動体の配列に対応して並置配列されており、前記駆動ユニットのそれぞれにおいて、隣接するアクチュエータは前記リンク体の延長方向において互いにずらして配置され、隣接するリンク体はリンク体の延長方向に対し直交する方向において互いにずらして配置されており、前記アクチュエータのいずれかが作動したとき対応する前記リンク体を介して対応する前記被駆動体が駆動される構成とした。
【0008】
また、筐体の一辺に配置された鍵盤と、前記鍵盤を構成する鍵のそれぞれに対応して前記筐体内に配置された複数の駆動機構と、電子回路からの音楽信号に応じて音楽を出力するスピーカと、を備えた小型演奏装置であって、前記駆動機構のそれぞれは、一端部で対応する鍵と可動的に係合する細長のリンク部と、前記リンク部の他端部と可動的に係合するアクチュエータと、を備え、前記アクチュエータのそれぞれは、前記電子回路からの信号を受けたとき作動して対応する前記鍵の先端部を押し下げる力を前記細長リンク部を介して伝達する構成となっており、隣接するアクチュエータは前記細長リンク部の延長方向において互いにずらして配置され、隣接する前記細長リンク部は互いに上下方向においてずらして配置されており、前記スピーカから出力される音楽演奏に合わせて対応する鍵が押し下げられる構成とした。
【0009】
また、グランドピアノを模した筐体と、前記筐体の一辺に配置されたピアノ鍵盤を模した鍵盤と、前記筐体内に配置された、互いに独立して駆動可能に構成された駆動機構の複数を一組とする複数の駆動ユニットと、前記筐体内に配置された電子回路を搭載した回路基板と、前記電子回路からの音楽信号に応じて音楽を出力するスピーカと、を備え、前記複数の駆動ユニットは互いに略同一構成と同一サイズに形成され、前記駆動機構はそれぞれ前記鍵盤に対応して互いに並置して配列されており、前記回路基板は、前記複数の駆動部の配列を挟んで前記鍵盤とは反対側に位置する前記筐体内空間に配置されており、前記駆動機構のそれぞれは、一端部で対応する鍵は可動的に係合する細長のリンク部と、前記リンク部の他端部と可動的に係合するアクチュエータと、を備え、前記駆動ユニットのそれぞれにおいて、隣接する前記アクチュエータは前記細長リンク部の延長方向において互いにずらして配置されており、隣接する前記細長リンク部は互いに上下方向においてずらして配置されており、前記アクチュエータのそれぞれは前記電子回路に電気的に接続されており、前記電子回路からの信号を受けたとき作動して前記細長リンク部を介して対応する前記鍵の先端部を押し下げる力を伝達する構成となっており、前記スピーカから出力される音楽演奏に合わせて対応する鍵が押し下げられるように構成された小型演奏装置を構成した。
【0010】
上述において、前記駆動ユニットのそれぞれは例えば前記駆動機構の4個を一組として構成し、略同一の構造でかつ同一サイズの前記駆動ユニットを多数製作し鍵盤配列に対応させて複数個の駆動ユニットを並置配列する構成とすることができる。
【0011】
さらに、列状に隣接して配置された複数の被駆動体を備えた電子装置に組み込んで使用される駆動ユニットであって、前記駆動ユニットは、前記被駆動体のそれぞれに対応して配列された複数のリンク体と、前記リンク体のそれぞれに対応して配列された複数のアクチュエータと、を備え、前記リンク体はその一端部で対応する前記アクチュエータと可動的に係合しており、前記駆動ユニットが前記小型演奏装置に組み込まれたとき前記リンク体はその他端部で対応する前記被駆動体と可動的に係合し、前記アクチュエータの動作を前記リンク体を介して対応する前記被駆動体に伝達する構成となっており、前記複数の被駆動体のうち隣接する二つの前記被駆動体を第1の被駆動体と第2の被駆動体としたときに、前記第1の被駆動体を動作させる第1のアクチュエータに対して、前記第2の被駆動体を動作させる第2のアクチュエータをずらして配置した構成とした。
【0012】
上記駆動構造によれば、隣接するアクチュエータを互いにずらして配置し、各アクチュエータの動作をリンク体を介して被駆動体(鍵)に伝達するようにしているため、駆動源としてのアクチュエータをスペース効率良く配置することができ、装置の小型化を図ることができる。
【0013】
また、上述駆動ユニットの構成によれば、隣接するリンク部を互いに上下方向(リンク部の延長方向と直交する方向)にずらし互いに重ならないように配置にすることでアクチュエータの作動に応答してリンク部がその延長方向に動くときリンク部相互の接触を防ぎあるいは最小にすることができ、使用中のリンク部の磨耗防止を図ることができる。
【0014】
さらに、駆動ユニットを同一構成でかつ同一サイズとすることで、自動演奏装置としての部品の種類の増加を抑制することができる。また、グランドピアノ外観の小型自動演奏装置において筐体内に同一構成でかつ同一サイズの駆動ユニットを鍵盤上の鍵の配列に対応して複数個並置配置することで、筐体内に空間を確保しこのなかに電子回路やスピーカ等の部品を収容することでコンパクトに小型自動演奏装置を構成することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、駆動源としてのアクチュエータを効率良く配置することができ、装置の小型化を図るとともに、鍵盤を確実に駆動させることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1、図2、図3は本発明に係る被駆動体の駆動構造が適用された小型遊戯ピアノの上部を切欠き表示した斜視概略図、図4は小型遊戯ピアノの主要な電気的構成を示すブロック図である。
【0017】
図1乃至図3に示される如く、小型遊戯ピアノ10は、グランドピアの外観形状を模して作られた樹脂製の本体12を備えており、本体12は2層構造であって、下層部12Aの底部には脚14が3本取り付けられている(図1においては3本の内の2本を図示し、図2、図3においては全てを図示省略)。
【0018】
また、下層部12Aの前面側には、鍵が88個の鍵が列状に互いに隣接して配列されて構成された鍵盤16が設けられている。
【0019】
本体12は、例えば、縦(鍵盤全体を縦向きで見た場合)約250mm、横:約340mm、高さ(上蓋を閉めた場合):約173mmで構成されている。鍵盤16は、白鍵16aが7個と、黒鍵16bが5個が一組となって1オクターブの鍵盤列を構成するようになっている。なお、本実施の形態では、7オクターブ前後の音階に対応する鍵数となっている。この鍵盤16を含み、鍵盤16を可動とするための駆動ユニット20とは、メカハウジング30によって覆われた状態で本体12へ収容されている。
【0020】
本体12の下層部12Aは、その内部空間に構成部品を収容する箱形状(筐体)である。筐体内には、例えば図9に図示されるように、4個の駆動機構を一組とする駆動ユニット20が例えば22個(鍵が88個の場合)鍵盤配列に対応して配置されている。
【0021】
鍵盤16の背面側(鍵盤のあるピアノ前面から見た本体筐体内)には、鍵盤16の各鍵を被駆動体として、鍵盤16の各鍵の配置に対応して、鍵の動きを互いに独立に駆動するためのアクチュエータ18(図9参照)が複数個配置されている。
【0022】
アクチュエータ18は4列に分かれて鍵盤16と平行に配置されており、各アクチュエータ18はリンク体(リンク機構)52a〜52dを介してそれぞれ鍵盤16の白鍵16aまたは黒鍵16bに連結されている。
【0023】
本体12内には、前記駆動ユニット20の配列を挟んで鍵盤16側と反対側の空間(図9に図示されるアクチュエータ18とグランドピアノ形状の丸みを帯びた先端部の間の筐体内領域)には、図4に示される制御回路系(メイン基板100を中心とする制御構成部品)が収容されている。
【0024】
図2に示される如く、メイン基板100は、周縁の形状(外形)が本体12の内周に沿って形成されているが、その一部には、円弧状の切欠部100Aが形成されている。この円弧状の切欠部100Aは、前記本体12の底部に設けられた円孔12Cの一部と平面視で一致している。この円孔12Cには、スピーカ26が取り付けられている。前記メイン基板100の円弧状の切欠部100Aは、当該スピーカ26との干渉を防止するために形成されている。
【0025】
円孔12Cには、防塵シート26Aを介してスピーカカバー26Bが取り付けられ、このスピーカカバー26Bから音が外部に出力されるとともに、外部からの塵埃の侵入を防止している。
【0026】
前記メイン基板100には、矩形状の切欠部100Bが形成されている。この矩形状の切欠部100Bと本体12の縦壁との間に収容されるように、本体12の底部には、外部接続ユニット102が取り付けられている。外部接続ユニット102には、主電源スイッチ105、ACアダプタ端子107、LINE入力端子109、LINE出力端子111が取り付けられている。なお、図2図示は省略したが、MIDI入出力端子112(図4参照)を設けてもよい。
【0027】
また、このメイン基板100の近傍には、カードスロット114が設けられている。
【0028】
図4に示される如く、メイン基板100にはICチップ等で構成されるコントローラ24を主として形成されている。
【0029】
図4は、コントローラ24であるICチップでの制御を機能的に分類したブロック図で示している。
【0030】
コントローラ24は、データバスやコントロールバス等のバス103を介して、CPU104、RAM106、ROM108及びI/Oインターフェースコントローラ110が互いに接続されている。
【0031】
I/Oインターフェースコントローラ110には、MIDI入出力端子112、例えば、SDメモリ等の半導体メモリカード114Aを装填するカードスロット114、A/D変換器116を介してLINE入力端子118、LINE出力端子122、スイッチ素子125を介してアンプ126がそれぞれ接続されている。また、バス103にはサウンドIC124が接続され、アンプ126を介してスピーカ26が接続されている。
【0032】
サウンドIC124は、様々な楽器に応じた音の種類を記憶する音源であり、前記I/Oインターフェースコントローラ110から出力される音データ(音符データ)に対して、例えばピアノ音源を用いて音を作成し、アンプ126を介してスピーカ26から出力させる構成である。
【0033】
なお、スイッチ素子125には、前記LINE入力端子118が接続されており、LINE入力から入力される所謂アナログ音をアンプ126で増幅して、スピーカ26から出力させることも可能となっている。
【0034】
また、バス103には、ディスプレイコントローラ128を介して、ユーザインターフェースユニット130に設けられた、ディスプレイ134に接続されている。ユーザインターフェースユニット130のスイッチパネル132の出力はI/Oインターフェースコントローラ110に接続されている。
【0035】
なお、ユーザインターフェースユニット130は、前記本体12の上層部12Bにおける上部開口の一部を遮蔽する蓋部材136(図3参照)に隠蔽されるように取り付けられている。
【0036】
蓋部材136は、本体12の上層部12Bに取り付けられる部品である。この蓋部材136は譜面台を模しており、この譜面台を回動させることで、ユーザインターフェースユニット130が露出、隠蔽される構造である。
【0037】
図3に示される如く、ユーザインターフェースユニット130は、鍵盤16に沿って横長帯状に形成されており、その最左端に矩形状のディスプレイ134が配置され、その右側がスイッチパネル132が配置されている。
【0038】
スイッチパネル132には、図3の左から3個の丸型スイッチ、上下左右方向をそれぞれ示す4個で一体となった方向指示スイッチ、1個の丸型スイッチ、上下方向をそれぞれ示す2個で一体となった方向指示スイッチで構成され、選曲、曲順アップ、曲順ダウン、ジャンル変更等の各指示操作が可能となっている。
【0039】
なお、本体12の上層部12Bにおける上部開口の他の一部は、装飾カバー137によって覆われるようになっており、通常は、前記メイン基板100は完全に掩蔽されるようになっている。なお、この装飾カバー137の上部には、さらに、遮蔽カバー(図示省略)が開閉可能に取り付けられている。
【0040】
また、前述した鍵盤16にも、鍵盤カバー138が取り付けられている。この鍵盤カバー138が回転軸を中心に略90°の範囲で回転する構成となっており、当該回転範囲の一端(図3の反時計回り方向端部であり、図3で図示した状態)では鍵盤16を隠蔽し、回転範囲の他端(図3の時計回り方向端部)では鍵盤16が露出される。
【0041】
図4に示される如く、I/Oインターフェースコントローラ110には、鍵盤16のそれぞれの鍵に設けられた鍵盤が操作者によって機械的に走査されたときに操作検出信号を出力する鍵盤スイッチ138(構造的には、後述するラバーコンタクト38、40を示す)が接続されると共に、前述した各アクチュエータ18が接続され、当該アクチュエータ18に対して、鍵を叩く動作をさせるための動作信号を出力する。
【0042】
MIDI入出力端子22は、他の電子楽器やパーソナルコンピュータ等からMIDI信号をやりとりする。カードスロット114は、SDカード等の半導体メモリが装填されると、この半導体メモリに記憶された音楽データ(演奏データ)が読み出される。
【0043】
コントローラ24のROM108には、入出力インターフェースコントローラ110から音楽データ(演奏データ)が入力されたときに、CPUの演算処理を基に演奏データが解析され、発生する音の種類、音程、強弱、長さ、等の演奏指示信号を生成するプログラムが記憶されている。
【0044】
サウンドICでは、演奏指示信号に基づいて、指示された音源に基づく音信号を生成し、音データ(音符データ)に基づいて、アンプ126を介してスピーカ26に音信号を出力する。
【0045】
CPU104では、演奏データの解析結果に基づいて、その音階に対応するアクチュエータ18への駆動指示信号を生成して、I/Oインターフェースコントローラ110から駆動指示信号を出力する。アクチュエータ18が駆動信号を受けると、当該駆動信号を受けたアクチュエータ18の駆動によって、指定の鍵盤16を動作させる。これにより、本実施の形態における小形遊戯ピアノ10による自動演奏を視覚的に認識できるようになっている。
【0046】
前記ROM108には、予め幾つかの演奏データ(MIDIデータ)が記憶されている。このROM108に記憶された演奏データを特定する識別符号(例えば、楽曲の名称等)は、CPU104が演奏データに付加された曲目等のテキスト情報を抽出して、操作入力・情報表示コントローラ128を介して、ユーザインターフェースユニット130のディスプレイ28に表示出力するようになっている。
【0047】
また、操作入力スイッチ132による操作者の操作入力指示に応じて、CPU104では、ディスプレイ28に表示されている演奏データの表示を変更したり、選択された演奏データによる演奏開始の指示を行うように構成されている。
【0048】
入出力インターフェースコントローラ110は、更に、MIDI入出力端子112から入力されたMIDIデータをスルーで出力する出力ポートを設けてもよい。これにより、この出力ポートに他の電子楽器や音源のMIDI入力端子を接続することで、複数の電子楽器を同時に制御することが可能となり、ピアノやギター、ベースやドラムセット等の楽器を模した電子楽器(自動演奏裝置)をディージーチェーン方式に接続して同時演奏させることで、1つの演奏曲の各パートを個々の電子楽器に演奏させることが可能となる。
【0049】
上記コントローラ24では、大きく分類した以下の4つの演奏モードが可能となる。
【0050】
(1) 鍵盤16を操作者がピアノを弾くように操作することで直接該当する音階の音を出力する。
【0051】
(2) ROM108に予め記憶されたMIDIデータに基づく楽曲を演奏すると共に、当該演奏に合わせて鍵盤16を動作させる。
【0052】
(3) MIDI外部入出力端子112に接続された他のMIDI楽器やMIDI音源から出力されるMIDIデータに基づく楽曲を演奏すると共に、当該演奏に合わせて鍵盤16を動作させる。
【0053】
(4) LINE入力端子118から例えば、操作者が楽器(ここでは、ギター、フルート、トランペット、ピアノ等々のアナログ楽器を示す)を演奏し、これをマイクで集音したアナログ音データをA/D変換した後、当該小型遊戯ピアノ10の音源に基づく音種に変換して出力すると共に、当該演奏に合わせて鍵盤16を動作させる。
【0054】
図5乃至図7に示される如く、本体12の下層部12Aは、メカハウジング30が配置されており、メカハウジング30の前面側にはブラケット32が設けられている。ブラケット32の溝34には鍵回転中心軸36が回動自在に配置されている。
【0055】
鍵回転中心軸36には、鍵盤16の鍵のそれぞれが回動自在に連結されており、鍵盤16の先端側には白鍵用操作部16cまたは黒鍵用操作部16dが配置され、後端側には白鍵用錘部16eまたは黒鍵用錘部が配置され、中央部には突起16fが設けられている。操作部16c、16dに対応して、各鍵の下方には鍵盤ラバーコンタクト(導電ゴム接点)38、40が設けられており、各鍵盤ラバーコンタクト38、40は鍵盤基板42上に固定されている。鍵盤基板42は本体12の下層部12Bに固定されている。
【0056】
ラバーコンタクト38下部の鍵盤基盤42上にはラバーコンタクトのそれぞれに対応してスイッチの接点がプリント配線されており、この配線はコントローラ24の入出力インターフェースコントローラ110(図4参照)に接続されている。鍵盤16のいずれかの鍵を押下したとき対応するラバーコンタクト38が押圧され、ラバーコンタクト38内側の導体部が接点に接触し、鍵盤入力信号が入出力インターフェースコントローラ110に入力される。
【0057】
CPUは、入力された鍵盤入力信号に基づいて、発生する音の種類、音程、強弱、長さ、等の演奏指示信号を生成してコントローラ24内の信号発生回路に出力する。信号発生回路は、演奏指示信号に基づいて音声信号を生成し、スピーカ26に音声信号を出力する。
【0058】
ラバーコンタクト38による演奏は、小型遊戯ピアノ10が自動演奏モードでないとき、シャープペンシル等で鍵盤の鍵を押すことで操作することができ、当該操作によって押下げられた鍵に対応するコンタクトがオンとなりコントローラに信号を送ることで手動演奏が可能である。なお、自動演奏時は演奏される曲に合わせ対応する鍵がそれぞれ自動的に押下動をするが、この場合接点が接触してもコントローラにスイッチ信号が行かないようスイッチ信号を無効とする設定となっている。
【0059】
一方、小型遊戯ピアノ10が自動演奏のときは、演奏する曲に合わせて鍵が押下作動されるが、これはコントローラからの信号に応答して対応するシクチュエータ18を作動させることで行われる。
【0060】
メカハウジング30の背面側には、アクチュエータ18が4列(一組の駆動ユニット20に対応)に分かれて各列ともに鍵盤16の並びと平行に配置されている。
【0061】
上述したように同一形状で同一サイズの駆動ユニット20を一組として、鍵盤を構成する鍵の数と同じ数のアクチュエータ18となる数の駆動ユニット20を、鍵盤から奥行き方向に向かって、横方向に並んだ鍵盤の横幅と略同一幅の筐体部分に格納するようにしている。このため、図1乃至図3の実施の形態のようにグランドピアノの形状を模した形状の筐体の奥側にはスピーカ、回路基板等の電子部品を収容するスペースを設けることができる。
【0062】
アクチュエータ18は、例えばソレノイド44aで構成されている。ソレノイドとは、電磁力によって鉄心が駆動するアクチュエータで、コイル内に可動鉄心を設置し、コイルに電流を流すことで発生した磁力により可動鉄心に直進運動を与えることができるものである。本発明においては、ソレノイドに限らず、入力されたエネルギーを物理運動量に変換するアクチュエータであれば油圧式等であってもよい。
【0063】
ソレノイド44aには、ソレノイドの動作により突出するソレノイドピン48a、ソレノイドの動作を鍵盤に伝達するソレノイドリンク50a、および鍵盤リンク52aが連結して駆動リンク部を構成しており、ソレノイド44a、44b、44c、44d、ソレノイドピン48a、48b、48c、48f、ソレノイドリンク50a、50b、50c、50d、鍵盤リンク52a、52b、52c、52dを含む4つの駆動リンク部を1セットとし、これを22セット配置することで88鍵の鍵盤が構成されている。
【0064】
これにより、略同一形状と同一サイズの1セットの駆動リンク部を複数並べるだけでよくなり、部品を共通化でき、組立工程やコストの軽減が可能となる。
【0065】
尚、ソレノイドは、各列毎に4つのソレノイドベース46a、46b、46c、46dに固定されており、また、ソレノイドリンク50a〜50dはソレノイドベースに回動自在に取り付けられている。
【0066】
ソレノイド44a〜44dは、ソレノイドピン48a〜48fを上側にして配置されるが、本発明においては、実際の楽器を模した、実際の楽器よりも小型の電子楽器であるため、筐体の厚みを抑えることでその厚みに応じたスケールでの電子楽器を作製する必要がある。
【0067】
このため、最も機構的にかさばるソレノイドを、その上部を鍵盤側に傾斜させてソレノイドベース46a〜46dに固定するようにしている。
【0068】
これにより、ソレノイドピン48a〜48fが真上方向ではなく斜め上方向に突出するため、突出する上側のスペースを少なくすることが出来るようになる。
【0069】
尚、ソレノイド44a〜44dは、上記の配置のほか、ソレノイドピン48a〜48fが真横を向くように配置してもよく、更にはソレノイドピン48a〜48fが斜め下方向を向くように配置しても良い。
【0070】
ソレノイドリンク50a〜50dは、ソレノイドベース46a〜46dに挿通された回動軸に回動自在に配置され、その一端側がソレノイドピン48a〜48dと接触可能に配置され、他端側が、鍵盤リンク52a〜52dのソレノイド側の係合爪54a〜54dの係合溝に係合されている。ソレノイドピン48a〜48dは、ソレノイド44a〜44dが非通電状態にあるときには非突出状態またはソレノイドリンク50a〜50dと非接触状態にあるが、ソレノイド44a〜44dが通電されたときには、ソレノイドピン48a〜48dが突出しソレノイドリンク50a〜50dと接触するようになっている。ソレノイド44a〜44dが通電されたときには、ソレノイドピン48a〜48dの上昇移動によってソレノイドリンク50a〜50dが回動軸を中心に回動し、これに係合している鍵盤リンク52a〜52dを前面側(鍵盤側)へ移動させるようになっている。
【0071】
ソレノイド44a〜44dが非通電状態にあるときには、白鍵用錘部16eまたは黒鍵用錘部が下に移動することによって、これに係合している鍵盤リンク52a〜52dをソレノイド側へ移動させ、更にこれに係合しているソレノイドリンク50a〜50dを回動させてもとの位置に戻るようになっている。
【0072】
鍵盤リンク52a〜52dは、mそれぞれ板状または軸状に形成され、その一端側にソレノイド側の係合爪54a〜54dが形成され、他端側には各鍵盤16の突起16fと係合する鍵盤側の係合爪56a〜56dが形成されている。各アクチュエータ18の駆動力を各鍵盤16に伝達するための鍵盤リンク52a〜52dは、各列のアクチュエータ18が互いに千鳥足状にずれて配列されているのに合わせて、隣接するもの同士が上下にずれて配置されている。
【0073】
図8に示されるように、鍵盤に対して奥行き方向に並んだソレノイド44a〜44dは、横方向に並んだ鍵盤の鍵16a〜16dに対してそれぞれ鍵盤リンク52a〜52dによって係合されており、その並びは、鍵盤が右から左方向に向かう並びに対して、対応するソレノイドは、例えば最も鍵盤に近い列、3番目に鍵盤に近い列、2番目に鍵盤に近い列、最も鍵盤から遠い列といった、隣り合う2つの鍵盤の組に対して1列飛びの順番にソレノイドが係合されている。
【0074】
これにより、鍵盤リンク52a〜52dは、その側面が隣り合う(両隣りの)鍵盤リンクの側面のうち、対向する面の面積(の和)を略均一にすることが出来、鍵盤リンクが長手方向に押されて移動する際に、たわむ等の変形によって隣の鍵盤リンクと接触して摩擦により正しく動作できなくなることを、全ての鍵盤に対して略均一に抑えることができるようになる。
【0075】
また、鍵盤リンクの側面が、隣り合う鍵盤リンクの側面と対向しないよう、対向面が高さ方向にずれるよう鍵盤リンクを曲げてもよい。
【0076】
すなわち、鍵盤16の鍵をそれぞれ1つのアクチュエータ18で駆動するに際して、図8乃至図10に示すように、各鍵盤リンク52a〜52d相互の干渉を防止するとともに、下部スペースを節約するために、各鍵盤リンク52a〜52dは、隣接する鍵盤リンクに対し側面視方向から見てずれているとともに、階段状に上下方向にずれて配置されている。
【0077】
このため、例えば、白鍵16a2個と、黒鍵16bを2個、4個のアクチュエータ18で駆動するに際して、ソレノイド44a〜44dを互いに千鳥足状にずらして配置するとともに、鍵盤リンク52a〜52dを相隣接するもの同士上下にずらして配置することで、各鍵盤16をそれぞれアクチュエータ18で駆動する場合でも、アクチュエータ18を効率良く配置することができ、装置の小型化が可能になる。
【0078】
言い換えれば、被駆動体である鍵のうち隣接する二つの鍵を第1の被駆動体(白鍵16a)と第2の被駆動体1(黒鍵6b)としたときに、第1の被駆動体(白鍵16a)を動作させる第1のアクチュエータ18(例えば、ソレノイド44a)に対して、第2の被駆動体(黒鍵6b)を動作させる第2のアクチュエータ18(例えば、ソレノイド44b)をずらして配置することで、アクチュエータ18を効率良く配置することができる。
【0079】
ソレノイド44a〜44dが非通電状態にあるときには、図6に示すように、操作部16c、16dは鍵盤ラバーコンタクト38、40と非接触状態にある。これに対して、ソレノイド44a〜44dが通電されると、図7に示すように、ソレノイドピン48a〜48dが、ソレノイド44a〜44dから押し出されてソレノイドリンク50a〜50dを押し上げ、ソレノイドリンク50a〜50dを回動させる。ソレノイドリンク50a〜50dが回動すると、鍵盤リンク52a〜52dが前面側(鍵盤側)に移動し、鍵盤16が鍵盤回転中心軸16を中心として回動し、操作部16c、16dがそれぞれ鍵盤ラバーコンタクト38、40と接触することになる。すなわち、各鍵盤16に対応したソレノイド44a〜44dをコントローラ24からの信号を基に通電することで、各鍵盤16を動作させることができるようになっている。
【0080】
尚、自動演奏時は、ラバーコンタクトの接触により導通しても電気的には無効設定となっているが、ソレノイドの動作により鍵盤を回動させる場合は、利用者に対して鍵盤が押下されていることが目視できればよいので、鍵盤ラバーコンタクトが接触するまで鍵を押下させる必要はない。従って、ソレノイドの動作は、自動演奏時の鍵16a、16bの押下量を小さくし押下してもラバーコンタクトが接触しない程度とし、必要以上にソレノイドピンを突出させる必要はなく、そのぶん小型のソレノイドを利用しても良い。
【0081】
また図11と図12に示すように、ソレノイドリンク50a〜50dには、左右はずれ防止用溝51が形成されており、鍵盤リンク52a〜52dには左右はずれ防止用リブ53が形成されている。このリブ53は補強を兼ねており、リブ53が左右はずれ防止用溝51内に挿入されることで、鍵盤リンク52a〜52dの一端側が左右にずれる(鍵盤リンク52a〜52dの長手方向と直交する方向にずれる)のを防止することができる。
【0082】
また、鍵盤16の突起16fの両側には、左右はずれ防止用板55、57が設けられており、鍵盤リンク52a〜52dの係合爪56aを突起16fと係合させると、係合爪56aが板55と板57とで挟まれ、係合爪56a〜56dの左右の移動(鍵盤リンク52a〜52dの長手方向と直交する方向への移動)が板55、57によって阻止されるようになっている。
【0083】
さらに、図13に示すように、各鍵盤リンク52a〜52dの上方には、鍵盤リンク浮き上がり防止用リブ59が配置されて本体12に固定されている。リブ59は鍵盤リンク52a〜52dの上部側と接触するように配置されているので、鍵盤リンク52a〜52dが浮き上がるのを防止することができる。
【0084】
本実施例によれば、白鍵16aまたは黒鍵16bを構成する鍵盤16をそれぞれ各アクチュエータ18で駆動するに際して、各アクチュエータ18を構成するソレノイド44a〜44dを互いにずらして配置するとともに、リンク体12を構成する鍵盤リンク52a〜52dを相隣接するもの同士上下にずらして配置するようにしたため、各鍵盤16をそれぞれアクチュエータ18で駆動する場合でも、アクチュエータ18を効率良く配置することができ、装置の小型化が可能になる。さらに、本実施例によれば、隣接する鍵盤リンク52a〜52d同士の摩擦の回避ないし低減を図ることができるとともに、静電気発生の回避ないし低減を図ることができる。
【0085】
次に、図14以降に本発明に係わる遊戯ピアノの他の実施形態について説明する。
図14はソレノイドを含むユニットの組み立て分解斜視図である。既述の実施形態では、4つのソレノイドを一つのユニットとし、これに鍵盤(複数の鍵操作部)とリンク部のセットもそれぞれ1対1に対応していたが、図14においては、既述の実施形態よりソレノイド数が多い、11個のソレノイド44を一つのユニットとし、これに複数のセットに係る鍵盤とリンクを対応させている。これにより、狭いスペースにより効率的に複数のアクチュエータ、リンク、及び被駆動部である鍵盤を配置できるようにしている。
【0086】
一つのユニットは11個のソレノイドを列状に並べこれをピン71によってソレノイドベース46に固定する。ソレノイドベース46には、ソレノイドの数と同数のソレノイドリンク50をピン72によって回動自在に固定する。ピン72は各ソレノイドリンク50の回動軸90に挿通される。符号70はソレノイドベース46に装着されるカバーである。
【0087】
図15は、図14に示すソレノイドを含むユニットを利用したリンク機構を組み立て分解斜視図である。符号80はソレノイドのユニットの集合体81を収容するシャーシである。ソレノイドのユニットの集合体81は、図14に示すソレノイドのユニットを4行2列に組み合わせて構成される。ソレノイドのユニットの集合体は合計で88個のソレノイドを有している。これにより、88の鍵盤の各々がソレノイドによって駆動される。符号44Aに示すソレノイドが対応する白鍵操作部を駆動する。符号44Bに示すソレノイドがこれに隣接する黒鍵操作部を駆動する。符号44Cがさらに隣接する白鍵操作部を駆動する。符号44Dがさらに隣接する黒鍵操作部を駆動する。さらに、鍵盤側の行の隣接する列のソレノイドがさらに隣接する鍵盤の操作部を駆動する。図面左下方が鍵盤側である。
【0088】
複数のソレノイドの各々から対応する鍵盤16の操作部に対して設けられた複数の鍵盤リンク52が互いに干渉しないように、4行ある各行のユニットを互いずらして配置している。第1の行に係るソレノイドのユニット100に対して、第2の行に係る行に係るソレノイドのユニット102を、ユニットの長さ方向に“h”ずらしており、第3の行に係るソレノイドのユニット104、及び第4の行に係るソレノイドのユニット106についても同様にそれぞれ“h”ずらしている。“h”は隣接する鍵操作部の幅に対応して適宜選択される。“h”は同一列の隣接するソレノイドピン48間の距離の1/4に相当する。
【0089】
符号82は、ソレノイドのユニットを被覆するシャーシカバーである。鍵盤リンク52の先端のシャーシ80側の凸部84がカバー82の穴部86を介して鍵盤16の各操作部に係合している。符号88は複数の鍵盤リンク52のカバーである。
【0090】
図4において、複数の鍵操作部からなる鍵盤16の複数の鍵操作部A(左端)の斜視図を図16に示す。110は鍵盤リンク先端の凸部84(図15)が係合する凹部である。鍵盤リンク先端はこの凹部110に係合して鍵盤リンクの動きを鍵操作部に伝達することができる。なお、図17は図15においてBとして示される複数の鍵操作部の斜視図であり、図18は図15においてCとして示される複数の鍵操作部の斜視図であり、図19は図15においてDとして示される複数の鍵操作部の斜視図である。
【0091】
図14以降に示される実施形態では、列状に隣接して配置された複数の被駆動体(鍵操作部)と複数の被駆動体に対応してそれぞれを駆動する駆動機構を備え、駆動機構のそれぞれは、被駆動体のそれぞれに対応して、アクチュエータ(44)と、リンク体(50,52)とを備え、リンク体はその一端で対応する被駆動体と可動的に係合し、他端でアクチュエータと可動的に係合し、アクチュエータが作動したとき被駆動体を駆動する力がリンク体を介して被駆動体に伝達されるように構成されている。A,B,C,及びDがそれぞれ、ソレノイドがリンク体を介して操作する被駆動部としての鍵操作部のセットに相当する。図16乃至19に示すように、鍵操作部の複数の1つのセットとなっている。これに合わせてリンクも複数個をセットとしている。
【0092】
さらに、アクチュエータは複数個を一組として並置配置し個々のアクチュエータは独立して上下動可能に互いに機械的に一体的に接続されたアクチュエータ群部材(81)を構成している。複数のリンク体は被駆動体の配列に対応して配置され個々のリンク体は独立して回動可能に互いに機械的に一体的に接続されたリンク体群部材(50,52)を構成している。
【0093】
アクチュエータ群部材は、被駆動体の配列に対し並列に、かつ被駆動体の配列から奥行き方向に向かって並置して複数個配置されている。リンク体群部材は、被駆動体の配列とアクチュエータ群部材の配列上に、各リンク体が一端で対応する被駆動体と可動的に係合し、他端で対応するアクチュエータと可動的に係合するように配置されている。
【0094】
隣接するリンク体は互いに異なる長さで構成され、他端は互いに異なるアクチュエータ群部材のアクチュータと係合するように、リンク体とアクチュエータのそれぞれが構成されている。
【0095】
したがって、アクチュエータのいずれかが作動したとき対応するリンク体を介して対応する被駆動体が駆動される。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本実施の形態に係る小型遊戯ピアノの全体構成を示す分解斜視図である。
【図2】本実施の形態に係る小型遊戯ピアノの本体下層部の分解斜視図である。
【図3】本実施の形態に係る小型遊戯ピアノの本体上層部の分解斜視図である。
【図4】本実施の形態に係る小型遊戯ピアノの電気的構成を示すブロック構成図である。
【図5】小型遊戯ピアノの要部断面斜視図である。
【図6】小型遊戯ピアノの非通電時における動作を説明するための要部断面側面図である。
【図7】小型遊戯ピアノの通電時における動作を説明するための要部側面断面図である。
【図8】鍵盤とリンク体及びアクチュエータの関係を説明するための斜視図である。
【図9】鍵盤とリンク体及びアクチュエータの関係を説明するための側面図である。
【図10】鍵盤とリンク体及びアクチュエータの関係を説明するための平面図である。
【図11】左右はずれ機構の構成を説明するための分解斜視図である。
【図12】左右はずれ機構の構成を説明するための斜視図である。
【図13】鍵盤リンク浮き上がり防止用リブの構成を説明するための側面図である。
【図14】本発明に係わる他の遊戯ピアノのソレノイドのユニットの組み立て分解斜視図である。
【図15】図14のユニットと、リンク、及び鍵盤との組み立て分解斜視図である。
【図16】鍵盤を構成する複数の鍵操作部からなるユニットの斜視図である。
【図17】同他の鍵操作部からなるユニットの斜視図である。
【図18】同他の鍵操作部からなるユニットの斜視図である。
【図19】同他の鍵操作部からなるユニットの斜視図である。
【符号の説明】
【0097】
10 小型遊戯ピアノ
12 本体
12A 下層部
12B 上層部
12C 円孔
16 鍵盤
18 アクチュエータ
20 リンク体
22 MIDI入力端子
24 コントローラ
26 スピーカ
26A 防塵シート
26B スピーカカバー
44a〜44d ソレノイド
50a〜50d ソレノイドリンク
52a〜52d 鍵盤リンク
54、56 係合爪
100 メイン基板
100A 切欠部
100A 切欠部
100B 切欠部
102 外部接続ユニット
103 バス
104 CPU104
105 主電源スイッチ
106 RAM106
107 ACアダプタ端子
108 ROM108
109 LINE入力端子
110 I/Oインターフェースコントローラ
111 LINE出力端子
112 MIDI入出力端子
114 カードスロット
114A 半導体メモリカード
116 A/D変換器
118 LINE入力端子
120 D/A変換器
122 LINE出力端子
124 サウンドIC
125 スイッチ素子
126 アンプ
128 操作入力/情報出力コントローラ
130 ユーザインターフェースユニット
132 スイッチパネル
134 ディスプレイ
136 蓋部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
列状に隣接して配置された複数の被駆動体と前記複数の被駆動体に対応してそれぞれを駆動する複数の駆動機構を備えた電子装置であって、
前記複数の駆動機構のそれぞれは、アクチュエータと、リンク体とを備え、前記リンク体はその一端で対応する前記被駆動体と可動的に係合し、他端で前記アクチュエータと可動的に係合し、前記アクチュエータが作動したとき前記被駆動体を駆動する力が前記リンク体を介して前記被駆動体に伝達されるように構成されており、
前記駆動機構は隣接する複数個を一組として駆動ユニットを構成し、前記駆動ユニットのそれぞれは互いに略同一構成と同一サイズに形成され、前記駆動ユニットの複数個が前記複数の被駆動体の配列に対応して並置配列されており、
前記駆動ユニットのそれぞれにおいて、隣接するアクチュエータは前記リンク体の延長方向において互いにずらして配置され、隣接するリンク体はリンク体の延長方向に対し直交する方向において互いにずらして配置されており、
前記アクチュエータのいずれかが作動したとき対応する前記リンク体を介して対応する前記被駆動体が駆動されるように構成された電子装置。
【請求項2】
前記駆動ユニットのそれぞれは前記駆動機構の4個を一組として構成されてなる請求項1記載の小型演奏装置。
【請求項3】
筐体の一辺に配置された鍵盤と、前記鍵盤を構成する鍵のそれぞれに対応して前記筐体内に配置された複数の駆動機構と、電子回路からの音楽信号に応じて音楽を出力するスピーカと、を備えた小型演奏装置であって、
前記駆動機構のそれぞれは、一端部で対応する鍵と可動的に係合する細長のリンク部と、前記リンク部の他端部と可動的に係合するアクチュエータと、を備え、
前記アクチュエータのそれぞれは、前記電子回路からの信号を受けたとき作動して対応する前記鍵の先端部を押し下げる力を、前記細長リンク部を介して伝達する構成となっており、
隣接するアクチュエータは前記細長リンク部の延長方向において互いにずらして配置され、隣接する前記細長リンク部は互いに上下方向においてずらして配置されており、
前記スピーカから出力される音楽演奏に合わせて対応する鍵が押し下げられるように構成された小型演奏装置。
【請求項4】
前記駆動機構は隣接する複数個を一組として駆動ユニットを構成し、駆動ユニットは互いに略同一構成と同一サイズに形成されており、前記駆動ユニットの複数個が前記鍵盤の配列に対応して並置されてなる請求項3記載の小型演奏装置。
【請求項5】
前記駆動ユニットのそれぞれは前記駆動機構の4個を一組として構成されてなる請求項4記載の小型演奏装置。
【請求項6】
グランドピアノを模した筐体と、
前記筐体の一辺に配置されたピアノ鍵盤を模した鍵盤と、
前記筐体内に配置された、互いに独立して駆動可能に構成された駆動機構の複数を一組とする複数の駆動ユニットと、
前記筐体内に配置された電子回路を搭載した回路基板と、
前記電子回路からの音楽信号に応じて音楽を出力するスピーカと、を備え、
前記複数の駆動ユニットは互いに略同一構成と同一サイズに形成され、前記駆動機構はそれぞれ前記鍵盤に対応して互いに並置して配列されており、前記回路基板は、前記複数の駆動部の配列を挟んで前記鍵盤とは反対側に位置する前記筐体内空間に配置されており、
前記駆動機構のそれぞれは、一端部で対応する鍵と可動的に係合する細長のリンク部と、前記リンク部の他端部と可動的に係合するアクチュエータと、を備え、
前記駆動ユニットのそれぞれにおいて、隣接する前記アクチュエータは前記細長リンク部の延長方向において互いにずらして配置されており、隣接する前記細長リンク部は互いに上下方向においてずらして配置されており、前記アクチュエータのそれぞれは前記電子回路に電気的に接続されており、前記電子回路からの信号を受けたとき作動して前記細長リンク部を介して対応する前記鍵の先端部を押し下げる力を伝達する構成となっており、
前記スピーカから出力される音楽演奏に合わせて対応する鍵が押し下げられるように構成された小型演奏装置。
【請求項7】
列状に隣接して配置された複数の被駆動体を備えた電子装置に組み込んで使用される駆動ユニットであって、
前記駆動ユニットは、前記被駆動体のそれぞれに対応して配列された複数のリンク体と、前記リンク体のそれぞれに対応して配列された複数のアクチュエータと、を備え、
前記リンク体はその一端部で対応する前記アクチュエータと可動的に係合しており、前記駆動ユニットが前記小型演奏装置に組み込まれたとき前記リンク体はその他端部で対応する前記被駆動体と可動的に係合し、前記アクチュエータの動作を前記リンク体を介して対応する前記被駆動体に伝達する構成となっており、
前記複数の被駆動体のうち隣接する二つの前記被駆動体を第1の被駆動体と第2の被駆動体としたときに、前記第1の被駆動体を動作させる第1のアクチュエータに対して、前記第2の被駆動体を動作させる第2のアクチュエータをずらして配置してなる、駆動ユニット。
【請求項8】
前記複数のアクチュエータは、複数の列に分かれて配置され、前記各列におけるアクチュエータは、互いにずらして配置されていることを特徴とする請求項7に記載の駆動ユニット。
【請求項9】
隣接する前記複数のリンク体が互いに重ならないように配列されていることを特徴とする請求項7または8に記載の駆動ユニット。
【請求項10】
前記リンク体は、隣接するリンク体の中心線が側面視方向から見てずれていることを特徴とする請求項7、8または9に記載の駆動ユニット。
【請求項11】
前記リンク体は、左右のはずれを防止するずれ防止機構を有することを特徴とする請求項7、8、9または10に記載の駆動ユニット。
【請求項12】
前記アクチュエータが前記リンク体の一端を押すと、前記リンク体が前記被駆動体に向けて移動し、この移動に伴って前記被駆動体の前記リンク体と係合する前記他端部が軸を中心に回転することを特徴とする請求項7、8、9、10または11に記載の駆動ユニット。
【請求項13】
筐体の一辺に配置された鍵盤と、電子回路からの音楽信号に応じて音楽を出力するスピーカと、を備え、前記スピーカから出力される音楽演奏に合わせて対応する鍵が押し下げられるように構成された小型演奏装置の前記筐体内に組み込まれ、前記鍵盤を構成する鍵のそれぞれの動きを個別に制御する駆動ユニットであって、
前記駆動ユニットは複数の駆動機構を備えており、
前記駆動機構のそれぞれは、一端部で対応する鍵と可動的に係合する細長のリンク部と、
前記リンク部の他端部と可動的に係合するアクチュエータと、を備え、
前記アクチュエータのそれぞれは、前記電子回路からの信号を受けたとき作動して対応する前記鍵の先端部を押し下げる力を前記細長リンク部を介して伝達する構成となっており、
隣接するアクチュエータは前記細長リンク部の延長方向において互いにずらして配置され、隣接する前記細長リンク部は互いに上下方向においてずらして配置されており、
前記駆動ユニットは、互いに略同一構造でかつ同一サイズで作られた前記駆動ユニットの複数個が前記鍵盤の配置に対応して前記筐体内に並置配置されるように構成されており、
前記電子回路からの信号を受けた前記アクチュエータが作動し、対応する前記リンク部を介して対応する鍵に力が伝達されるように構成された小型演奏装置用駆動ユニット。
【請求項14】
列状に隣接して配置された複数の被駆動体と前記複数の被駆動体に対応してそれぞれを駆動する駆動機構を備えた電子装置であって、
前記駆動機構のそれぞれは、前記被駆動体のそれぞれに対応して、アクチュエータと、リンク体とを備え、前記リンク体はその一端で対応する前記被駆動体と可動的に係合し、他端で前記アクチュエータと可動的に係合し、前記アクチュエータが作動したとき前記被駆動体を駆動する力が前記リンク体を介して前記被駆動体に伝達されるように構成されており、
前記アクチュエータは複数個を一組として並置配置し個々のアクチュエータは独立して上下動可能に互いに機械的に一体的に接続されたアクチュエータ群部材を構成し、
前記複数のリンク体は前記被駆動体の配列に対応して配置され個々のリンク体は独立して回動可能に互いに機械的に一体的に接続されたリンク体群部材を構成し、
前記アクチュエータ群部材は、前記被駆動体の配列に対し並列に、かつ前記被駆動体の配列から奥行き方向に向かって並置して複数個配置されてなり、
前記リンク体群部材は、前記被駆動体の配列と前記アクチュエータ群部材の配列上に、各リンク体が一端で対応する前記被駆動体と可動的に係合し、他端で対応するアクチュエータと可動的に係合するように配置されてなり、
隣接するリンク体は互いに異なる長さで構成され、前記他端は互いに異なるアクチュエータ群部材のアクチュータと係合するように、前記リンク体と前記アクチュエータのそれぞれが構成されてなり、
前記アクチュエータのいずれかが作動したとき対応する前記リンク体を介して対応する前記被駆動体が駆動されるように構成された電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−40453(P2008−40453A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−321062(P2006−321062)
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(599064214)株式会社セガ トイズ (32)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】