説明

小規模製造工場で製造される発熱性ケイ酸

体積が1m〜10mであり、高さが1m〜10mである反応器チャンバと、反応物質を供給するための反応器ノズルとを有することを特徴とするフレーム反応器を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒュームドシリカを製造するための方法及び装置を提供する。
【背景技術】
【0002】
発熱性金属酸化物、例えばヒュームドシリカは、例えば非特許文献1に記載されているように、水素−酸素炎中でハロケイ素化合物を高温加水分解することにより得られる。多くの用途では、固有の品質だけではなく、特にシリカの純度も非常に重要である。これは、表面コーティング産業における用途、例えば水分の影響下において室温で架橋するシリコーンシーリング材及びポリウレタンシーリング材等のシーリング材用途、並びにプロセッサ、メモリ、コントローラ、及び集積コンポーネント等の電子半導体部品の製造において消耗品として用いるためのヒュームドシリカの使用に特に当てはまる。
【0003】
既知の問題の一例は、シリコーンシーリング材等のシリコーン材料、及びポリウレタン等のポリアルキレン酸化物含有シーリング材に対するヒュームドシリカの分散性が不十分であることである。
【0004】
頻繁に報告されている別の問題は、半導体表面及びウェハー上の電子部品に対する化学機械的研磨及び平坦化用途でシリカを用いるときに引っ掻き傷がついた結果生じる欠陥の問題である。
【0005】
大規模製造工場におけるシリカの製造では、所望の製品品質を得るには制約がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry(Wiley−VCH Verlag GmbH&Co. KGaA,20oxygen)
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、先行技術の問題点を克服することであり、より具体的には、ヒュームドシリカを製造するための方法及び装置と、高品質のヒュームドシリカとを提供することである。
【0008】
本発明は、体積1m〜10m、高さ1m〜10mの反応器チャンバと、反応物質を供給するための反応器ノズルとを有することを特徴とするフレーム反応器を提供する。
【0009】
ヒュームドシリカを製造するための本発明の装置は、反応器と、反応ガスの供給装置と、反応ガスの混合装置と、反応器ノズルと、空気を供給するための更なる供給装置とを含む。
【0010】
ヒュームドシリカを製造するための本発明の装置は、以下のユニットを有することが好ましい:(a)シラン供給機、シラン蒸発機、任意でガス混合システム、任意で空気処理システム、(b)反応器、(c)エネルギー回収及び冷却機、(d)任意で、好ましくは1つのサイクロン又は複数のサイクロンによるシリカSiOの予備除去機、(e)好ましくはフィルタ、好ましくはメッシュフィルタ、より好ましくは表層フィルタによるSiOの除去機、(f)乾燥機(好ましくは回転ドラム式乾燥機、好ましくは内部で径方向運動と垂直運動を組み合わせた運動を行う乾燥機、又は好ましくは流動床若しくは移動床)において、好ましくは温度100℃超、より好ましくは300℃超、最も好ましくは500℃超、表面ガス速度0.1cm/秒〜100cm/秒、好ましくは1cm/秒〜10cm/秒の空気、窒素、又は不活性ガス等のガスを供給して、塩化水素HClの最後の痕跡を除去するためのシリカの精製機、(g)好ましくは、例えば、特定の既定量のシリカをサイロ内で混合及び流動化させて、例えば1トン(to)〜20トン(to)、好ましくは5トン(to)〜15トン(to)の均質なバッチにすることによる均質化装置、(h)サイロ内における保管器、(i)任意で、圧縮機、例えばロール圧縮機、スクリュー圧縮機、ピストン圧縮機、好ましくはロール圧縮機、(j)コンテナ(例えば、5kg〜20kgの袋、50kg〜500kgの大袋、又は500kg〜5,000kgの容量のサイロトラック、サイロコンテナ等の大きなコンテナ等)への輸送機。
【0011】
反応器チャンバ内の反応器ノズル以外の少なくとも1つの部位に燃焼ガスの供給装置を有する、ヒュームドシリカを製造するための装置が好ましい。
【0012】
フレーム反応器の高さは、1m〜10mであり、3m〜6mが好ましく、4m〜5mがより好ましく、反応空間の長さは、0.7m〜9mであり、2m〜5mが好ましく、3.5m〜4.5mがより好ましい。
【0013】
フレーム反応器の断面積は、0.1m〜1mであり、0.2m〜0.9mがより好ましく、0.35m〜0.75mがより好ましい。
【0014】
フレーム反応器の体積は、1m〜10mであり、0.5m〜7mがより好ましく、1.5m〜4mがより好ましい。
【0015】
フレーム反応器の高さに対する体積の比は、0.1m〜1mであり、0.2m〜0.9mがより好ましく、0.35m〜0.75mがより好ましい。
【0016】
炎の方向は、水平であっても垂直であってもよく、又は垂直に対して如何なる角度も想定することができる。炎の方向は、底部から上方へであっても、上部から下方へであってもよい。上部から下方への方向が好ましい。
【0017】
好ましい実施形態では、反応器チャンバは、開放され、且つ大気圧による交換は制限されない。これは、反応器が屋外に存在するか、又は大気に対して開放されている穴の中に存在することを意味し得る。
【0018】
反応器チャンバの上端における直径は、好ましくは0.1m〜1.0m、より好ましくは0.2m〜0.5mである。反応器ノズルは、円形断面を有することが好ましい。
【0019】
反応器チャンバは、円形断面を有することが好ましい。
【0020】
反応器チャンバの直径は、反応器の上端における反応器チャンバの直径よりも、好ましくは1%、より好ましくは10%、特に好ましくは50%大きい。
【0021】
反応器ノズルの直径は、好ましくは0.05m〜0.25m、より好ましくは0.05m〜0.15m、最も好ましくは0.1m〜0.15mである。
【0022】
反応器ノズルの出口領域の大きさは、好ましくは0.001m〜0.1m、より好ましくは0.002m〜0.05m、最も好ましくは0.0075m〜0.015mである。
【0023】
本発明は、更に、反応器内の炎中でケイ素含有反応ガスを反応させることによりヒュームドシリカを製造する方法であって、前記反応ガス中の有機非ケイ素化合物含量が5モル%未満であることを特徴とする方法を提供する。
【0024】
ヒュームドシリカを製造するための本発明の方法において、反応器内で、二酸化ケイ素に変換されるケイ素含有反応ガスの量は、好ましくは10kg/時間〜500kg/時間、好ましくは50kg/時間〜350kg/時間、より好ましくは100kg/時間〜300kg/時間であり、これは100トン/暦年〜5,000トン/暦年、好ましくは250トン/暦年〜4,000トン/暦年、より好ましくは500トン/暦年〜3,000トン/暦年、最も好ましくは500トン/暦年〜1,000トン/暦年に相当する。この目的のために、供給される反応ガスは、以下の構成を含む:ノズル出口のガス速度又は反応器ノズルで用いられるガスのガス速度が、標準体積に基づいて、10m/秒〜100m/秒、好ましくは200m/秒〜80m/秒、より好ましくは40m/秒〜70m/秒であり、且つ前記ガス速度が、ノズル断面全体に亘って放射状に、好ましくは均質に分布し、且つ反応器断面全体に亘って放射状に、好ましくは均質に分布する場合、炎中で反応する蒸気状又は気体状ケイ素化合物の量は、1,000モル/時間〜10,000モル/時間、好ましくは2,000モル/時間〜8,000モル/時間、より好ましくは3,000モル/時間〜6,000モル/時間、即ち、100kg/時間〜2,000kg/時間、好ましくは20kg/時間〜1,000kg/時間、より好ましくは100kg/時間〜500kg/時間である。
【0025】
本発明の方法における製造工場の製造力は、暦年に基づいて、好ましくは5,000トン未満、より好ましくは4,000トン未満、更により好ましくは3,000トン未満、特に好ましくは1,000トン未満のヒュームドシリカである。暦年とは、時間の85%が利用可能であるとして、7,884時間の製造時間に基づくものとする。
365日×24時間/日×0.85=7,884時間
【0026】
好ましい実施形態では、ヒュームドシリカは、製造力500kg/時間未満、より好ましくは400kg/時間未満、特に好ましくは250kg/時間未満、最も好ましくは100kg/時間未満で、1つの反応器内で製造される。
【0027】
反応ガスは、好ましくは酸素、即ち、例えば新鮮空気又は乾燥空気であってもよい空気;燃焼ガス、例えば、水素や、メタン、エタン、イソプロパン、n−プロパン、イソブタン、n−ブタン、エテン、エチン、プロペン、イソブテン、及びn−ブテン等、並びに他の高級イソ−、n−若しくはネオ−アルカン、−アルケン、及び−アルキン、低級アルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール等)等の蒸気状炭化水素(飽和又は不飽和、即ち、二重及び/又は三重結合を含む)である。前記反応ガスは、好ましくはメタン又はその混合物であり、好ましくは90体積%超の水素を含有する燃焼ガスであり、好ましくは1体積%超の天然ガスと、90体積%超のメタンと、少なくとも1つの蒸気状ケイ素含有化合物、例えばRSi(式中、Rは1個〜8個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはメチル基であり、Hは水素であり、Xはハロゲン又はアルコキシ基OR、好ましくはOCHであり、Yは酸素であり、aは>0且つ整数である。a=1、b=0、且つx+y+z=4であるとき、好ましい例は、Xは塩素、且つx=1又はy=1及びz=3であり、より好ましくはXは塩素、且つz=4である。a=2、x+y+z=6、且つb=0又は1であるとき、aは好ましくは1〜5、より好ましくは1である)等を含むシランとを含有する第2の更なる燃焼ガスである。
【0028】
更に、N、Ar、He、CO等の反応を乱すことのない更なる蒸気又はガスが、好ましくは10体積%未満存在してもよい。
【0029】
反応ガスは、反応前に予め混合されることが好ましい。
【0030】
この目的のために、連続ガスミキサ、例えば、好ましくは静的ミキサを用いることが好ましい。
【0031】
反応器に供給される反応ガス中のガス状、蒸気状又は揮発性のケイ素含有化合物の比率は、好ましくは1モル%〜20モル%、より好ましくは1モル%〜10モル%、特に好ましくは4モル%〜6モル%である。
【0032】
反応ガス中の有機非ケイ素化合物の含量は、好ましくは5モル%未満、より好ましくは3モル%未満、特に好ましくは2モル%未満、最も好ましくは1モル%未満である。
【0033】
反応ガス中の無機非ケイ素化合物の含量は、好ましくは1重量%未満、より好ましくは10ppm未満、特に好ましくは500ppb未満、最も好ましくは5ppb未満である。
【0034】
反応ガス中のホウ素化合物の含量は、ホウ素に基づいて、好ましくは100ppm未満、より好ましくは50ppm未満、特に好ましくは10ppm未満である。
【0035】
反応ガス中のゲルマニウム化合物の含量は、ゲルマニウムに基づいて、好ましくは100ppm未満、より好ましくは50ppm未満、特に好ましくは10ppm未満である。
【0036】
反応ガス中のチタン化合物の含量は、チタンに基づいて、好ましくは100ppm未満、より好ましくは50ppm未満、特に好ましくは10ppm未満である。
【0037】
反応ガス中の鉄化合物の含量は、鉄に基づいて、好ましくは100ppm未満、より好ましくは50ppm未満、特に好ましくは10ppm未満である。
【0038】
反応ガス中のアルミニウム化合物の含量は、アルミニウムに基づいて、好ましくは100ppm未満、より好ましくは50ppm未満、特に好ましくは10ppm未満である。
【0039】
反応ガス中のスズ化合物の含量は、スズに基づいて、好ましくは100ppm未満、より好ましくは50ppm未満、特に好ましくは10ppm未満である。
【0040】
反応ガス中のヒ素化合物の含量は、ヒ素に基づいて、好ましくは100ppm未満、より好ましくは50ppm未満、特に好ましくは10ppm未満である。
【0041】
反応ガス中の硫黄化合物の含量は、硫黄に基づいて、好ましくは1,000ppm未満、より好ましくは500ppm未満、特に好ましくは100ppm未満である。
【0042】
反応ガス中のリン化合物の含量は、リンに基づいて、好ましくは1,000ppm未満、より好ましくは500ppm未満、特に好ましくは100ppm未満である。
【0043】
反応に供給される反応ガス中の酸素の比率は、好ましくは10モル%〜50モル%、好ましくは15モル%〜30モル%、より好ましくは16モル%〜21モル%である。
【0044】
反応に供給される反応ガス中の燃焼ガスの比率は、好ましくは1モル%〜25モル%、より好ましくは5モル%〜15モル%、特に好ましくは4モル%〜13モル%、最も好ましくは5モル%〜8モル%である。
【0045】
少なくとも1つの好ましくはガス状若しくは蒸気状のケイ素化合物、又はケイ素化合物の混合物を含む反応ガスが、反応器チャンバ又は炎中に導入される量は、好ましくは100m(STP)/時間〜5,000m(STP)/時間、より好ましくは500m(STP)/時間〜4,000m(STP)/時間、特に好ましくは1,000m(STP)/時間〜3,000m(STP)/時間である。
【0046】
反応ガスは、燃焼ガスとして、好ましくは4モル%〜15モル%、好ましくは4モル%〜10モル%の水素を含有することが好ましい。
【0047】
反応器チャンバにおいて、反応ガスの逆流は、ガス全体の50体積%未満、より好ましくは10体積%未満、更により好ましくは1体積%未満、特に好ましくは0.1体積%未満であることが好ましい。測定可能な逆流が生じないことが非常に好ましい。
【0048】
ノズルにおけるガス流出速度は、最低限であることが好ましい。
【0049】
反応器チャンバにおけるガス流出速度は、最低限であることが好ましい。
【0050】
反応ガスは、蒸気の形態で、又はガスの形態で添加されることが好ましい。
【0051】
反応ガスは、反応器に入る前に予め混合されることが好ましく、予め均質に混合されることが好ましい。反応ガスは、ノズル内の反応器に導入されるガス流において、予め混合されることが好ましく、予め激しく混合されることが特に好ましい。
【0052】
好ましい実施形態では、熱蒸気を添加することにより、熱プロセスガスが反応器内でクエンチされる、即ち、水によって反応が穏やかになる、又は停止する。前記熱蒸気は、好ましくは僅かに過熱され、空気(好ましくは熱気)で希釈されていることが好ましい。
【0053】
ケイ素化合物の例としては、四塩化ケイ素、三塩化シラン(ハイドロジェンシリコントリクロリド)、メチルシリコントリクロリド、及びこれらの混合物が好適に挙げられる。経済的実行可能性及び品質上の理由により、主成分として四塩化ケイ素を含む混合物が好ましい。
【0054】
シランは、非晶質、多結晶質又は単結晶質のケイ素金属、例えば、電子産業、半導体産業又は光電池産業用のケイ素の調製に役立つプロセスから得られることが好ましい。
【0055】
更に好ましい実施形態では、シランは、例えば、建設産業、コーティング材料産業、又は自動車産業等で、ポリジメチルシロキサン等のシリコーンオイル、架橋ポリジメチルシロキサン等のシリコーンゴム、又はシリコーン樹脂等のシリコーンを調製するための原材料として、メチルクロロシランの調製に役立つプロセスから得られることが好ましい。
【0056】
したがって、前記調製プロセスのために、ケイ素化合物又はその混合物は、メタン、エタン、イソプロパン、n−プロパン、イソブタン、n−ブタン、エテン、エチン、プロペン、イソブテン、及びn−ブテン等のガス状、蒸気状、又は蒸発性且つ揮発性の不純物、並びに他の高級イソ−、n−若しくはネオ−アルカン、−アルケン、及び−アルキン、低級アルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール)、若しくはこれらの混合物等、又はアルキル置換、任意でハロアルキル置換、例えばクロロアルキル置換されたガス状、蒸気状、又は蒸発性の有機ケイ素化合物、又は水素、又は窒素、又はアルゴン、又は天然ガス、又は一酸化炭素若しくは二酸化炭素等の炭素酸化物を含んでもよい。
【0057】
好ましい実施形態では、これは、四塩化ケイ素、ケイ素金属、及び水素を形成するための、温度500℃超、好ましくは700℃超、より好ましくは850℃超における三塩化シランの不均化及び変換から得られる四塩化ケイ素であってもよい。四塩化ケイ素は、蒸留により除去及び精製することができる。
【0058】
技術的及び経済的理由により、又は製品の品質上の理由によって好ましい実施形態では、ケイ素含有化合物、又はこれらの混合物、又はシランの四塩化ケイ素含量は、10体積%超、より好ましくは90体積%超、更により好ましくは95体積%超、最も好ましくは99体積%超であり、この場合、混合物中の残りの比率は、三塩化シラン及びジクロロシラン(ジハイドロジェンケイ素二塩化物)であってもよい。
【0059】
経済的理由によって好ましい、及び多量のメチルシリコントリクロリドが存在し得る別の実施形態では、メチルシリコントリクロリドが好ましく、濃度10モル%超のメチルシリコントリクロリドが特に好ましい。
【0060】
経済的理由によって好ましい、及び多量の三塩化シランが存在し得る別の実施形態では、三塩化シランが好ましい。
【0061】
経済的理由によって好ましい別の実施形態では、四塩化ケイ素と三塩化シランとの混合物が好ましい。
【0062】
経済的理由によって好ましい別の実施形態では、四塩化ケイ素とメチルシリコントリクロリドと三塩化シランとの混合物が好ましい。
【0063】
特に好ましい実施形態では、好ましくは80モル%以下の三塩化シラン、更により好ましくは20モル%以下の三塩化シラン、特に好ましくは10モル%以下の三塩化シランを含有する混合物が用いられる。
【0064】
別の好ましい実施形態では、30モル%の三塩化シランを含有する混合物が用いられる。
【0065】
別の特に好ましい実施形態では、10モル%超のメチルシリコントリクロリド、更により好ましくは20モル%超のメチルシリコントリクロリド、特に好ましくは50モル%超のメチルシリコントリクロリドを含有する混合物が用いられる。
【0066】
別の好ましい実施形態では、40モル%超のメチルシリコントリクロリド、最も好ましくは45モル%のメチルシリコントリクロリドを含有する混合物が用いられる。次いで、これら混合物は、メチルシリコントリクロリド以外の炭素含有ケイ素化合物を好ましくは20モル%未満、好ましくは10モル%未満、より好ましくは5モル%未満、水素含有ケイ素化合物を20モル%未満、好ましくは10モル%未満、より好ましくは5モル%未満、及び任意で置換されている非ケイ素含有炭化水素を5モル%未満含有する。
【0067】
別の好ましい実施形態では、40モル%超の四塩化ケイ素、最も好ましくは45モル%の四塩化ケイ素を含有する混合物が用いられる。次いで、これら混合物は、炭素含有ケイ素化合物を好ましくは20モル%未満、好ましくは10モル%未満、より好ましくは5モル%未満、水素含有ケイ素化合物を20モル%未満、好ましくは10モル%未満、より好ましくは5モル%未満、及び任意で置換されている非ケイ素含有炭化水素を5モル%未満含有する。
【0068】
本発明の好ましい実施形態では、ガス混合物は、500m(STP)/時間〜5,000m(STP)/時間、好ましくは750m(STP)/時間〜3,000m(STP)/時間、より好ましくは1,000m(STP)/時間〜2,500m(STP)/時間の投入速度のノズルから、10m/秒〜100m/秒、好ましくは30m/秒〜70m/秒のガス速度で、燃焼チャンバの上端においてノズルを介してバーナーチャンバに入り、前記ガス混合物は、好ましくは0.1モル%〜100モル%、より好ましくは1モル%〜50モル%、更により好ましくは1モル%〜5モル%の四塩化ケイ素、0モル%〜100モル%、より好ましくは1モル%〜5モル%のメチルトリクロロシラン、1モル%〜20モル%、好ましくは2.5モル%〜15モル%の水素、0.001モル%〜15モル%、好ましくは1モル%〜10モル%の二酸化炭素、10モル%〜30モル%、好ましくは15モル%〜25モル%の酸素、50モル%〜100モル%、好ましくは65モル%〜75モル%の窒素、0モル%〜50モル%、より好ましくは0.1モル%〜10モル%、最も好ましくは0.5モル%〜5モル%のハイドロジェンメチルジクロロシラン、0.001モル%〜100モル%、より好ましくは0.1モル%〜10モル%の三塩化シラン、0モル%〜50モル%、より好ましくは0.1モル%〜10モル%のテトラメチルシラン、0モル%〜50モル%、より好ましくは0.1モル%〜10モル%のトリメチルクロロシラン、及び0モル%〜20モル%、より好ましくは0.5モル%〜10モル%の、アルカン、アルケン、又はハロアルキルの混合物、即ち、例えばプロパンとブタンとペンタンとの混合物、プロペンとブテンとペンテンとの混合物、及びクロロプロパンとクロロブタンとクロロペンタンとの混合物等を含み、前記燃焼チャンバの体積は、1m〜10m、より好ましくは2.5m〜5mであり、高さに対する体積の比は0.1m〜1m、より好ましくは0.25m〜0.75mであり、断面積は0.1m〜1m、より好ましくは0.25m〜0.75mであり、前記ガス混合物は、1,000℃〜2,000℃の燃焼チャンバ内で反応する。
【0069】
反応器内で用いるための酸素は、周囲雰囲気の空気から得られることが好ましい。これは、空気が反応器に供給されることが好ましいことを意味する。例えば、純酸素Oを添加することにより、又は20体積%超の酸素Oを含有する空気を添加することにより、反応器中の空気中の酸素Oを20体積%超に濃縮することができる。
【0070】
空気は、そのまま用いてもよく、温度0℃未満、好ましくは−10℃未満、より好ましくは−20℃未満で水を凝結及び/又は吸収させることにより予め乾燥させてもよい。
【0071】
ヒュームドシリカを製造する方法の好ましい実施形態では、反応ガスを吐出する反応器ノズルを環状に取り囲む更なる反応器ノズルを用いて、純酸素、空気若しくは空気−酸素混合物を更に供給するか、又は窒素、空気若しくは空気−窒素混合物を更に供給する。
【0072】
ヒュームドシリカを製造する方法の好ましい実施形態では、燃焼チャンバの上端のノズルで外側の燃焼チャンバに更に空気を導入してもよい。
【0073】
反応器チャンバは、好ましくは開放され、且つ大気圧による交換は制限されない。
【0074】
好ましい実施形態では、反応で形成される塩化水素HClは、吸収及び脱離により回収され、精製、乾燥、及び再利用される。
【0075】
更なる好ましい実施形態では、上記のように得られた乾燥塩化水素HClを用いて、ケイ素金属から、好ましくは四塩化ケイ素、三塩化シラン、ジクロロシラン、及びモノクロルシラン、特に好ましくは三塩化シラン等のクロロシランを調製する。
【0076】
好ましい使用例は、一般的に単純化された経験式
Si+3HCl→HSiCl+H
(四塩化ケイ素、三塩化シラン及び他のもの等の反応副生成物を形成する場合がある)によるメチルクロロシランの反応及び生成、又は一般的に単純化された経験式
HCl+CHOH→CHCl+H
によるメチルクロロシランの反応及び生成が挙げられ、塩化メチル及び水の分離後、任意で乾燥させた塩化メチルは、金属ケイ素との反応に用いられ、任意で触媒及び促進剤、例えば銅化合物又はスズ化合物を添加してもよい
Si+2CHCl→(CHSiCl
(メチルシリコントリクロリドCHSiCl、トリメチルケイ素塩化物(CHSiCl、及び他のもの等の反応副生成物を形成する場合がある)。
【0077】
本発明のヒュームドシリカの本発明の製造のための本発明の化学反応の例は、反応領域の温度が1,000℃〜2,000℃に達する大気酸素による燃焼ガスの酸化、a=1、X=Cl、且つz=4のとき、形成される水による高温加水分解、又はシランの酸化、並びにa、b、x、y、及びzが他の値であるとき、形成される水によるSi−X結合の高温加水分解である。
【0078】
反応の好ましい例は、以下の通りである。
水の形成
+2H→2H
高温加水分解
SiCl+2HO→4HCl+SiO(ヒュームドシリカ)
酸化及び高温加水分解
HSiCl+O+H→3HCl+SiO(ヒュームドシリカ)
酸化、二酸化炭素の形成、及び高温加水分酸
CHSiCl+2O→3HCl+CO+SiO(ヒュームドシリカ)。
【0079】
好ましい実施形態では、反応領域の大きさは、燃焼ガスの量を変化させることにより変動し得る。
【0080】
本発明の更なる好ましい実施形態では、反応混合物を、好ましくは燃焼チャンバの下端の領域において、燃焼チャンバの外に導き、好ましくは吸引し、次いで、前記反応混合物を、好ましくは冷却し、より好ましくはエネルギーを回収しながら冷却し、好ましくは300℃未満、最も好ましくは200℃未満の温度に冷却し、次いで、形成される塩化水素の大部分を含有するガスを、好ましくは形成されたヒュームドシリカから除去し、より好ましくはメッシュフィルタを用いることにより除去し、更なる並列プロセス、好ましくは乾燥塩化水素ガスの回収を、より好ましくは環境上の理由により多段階吸収及び脱離プロセスで実施し、その後、同様に環境上の理由により、形成される過剰の塩素ガスClを還元させ、更にCl及びHClを除去するためのオフガスクリーニングを実施する。
【0081】
本発明の更なる実施形態では、好ましくは400℃〜800℃、より好ましくは500℃〜700℃の温度で、好ましくは流動床において、ガスを吹き込むことにより、本発明に従って製造されるヒュームドシリカの精製を実施することが好ましい。
【0082】
BET比表面積が100m/g〜300m/gであり、10kgの紙袋に袋詰めした後のタップ密度が30g/L〜90g/Lであり、4重量%の水分散液のpHが3.6〜4.6であり、40μm超のMocker法による篩残分が0重量%〜0.01重量%であり、シリコーンオイル中の増粘作用η/η0が1〜10であり、未架橋不飽和ポリエステル樹脂の増粘作用η/η0が1〜10であり、0.3重量%、25℃、pH約9.5〜10.5で超音波分散させた後、173°の後方散乱角でMalvern Zetasizer Nano ZS(登録商標)を用いて測定したときの平均流体力学的球相当径が100nm〜500nmであるヒュームドシリカが、10kg/時間〜1,000kg/時間の量、7,884時間、即ち、時間の85%が利用可能であるとした場合の年間製造力100トン/年〜10,000トン/年で、本発明に従って得られる方法が好ましい。
【0083】
反応器チャンバ内の反応器ノズル以外の少なくとも1つの部位において炎に燃焼ガスを添加することにより、残りの酸素及び塩素ガスを更に継続して燃焼させることが好ましい。更なる燃焼ガス、例えば水素を反応器チャンバ内の異なる位置における反応領域に添加し得ることが好ましい。この追加の水素を用いて、反応器内で形成される塩素ClをHClに還元することが好ましい。
別の好ましい実施形態では、反応器チャンバ以外の少なくとも1つの部位において炎温度を下回る温度の燃焼ガスを添加することにより、残りの酸素及び塩素ガスを更に継続して燃焼させる。
この追加の水素を用いて、反応器内で形成される塩素ClをHClに還元することが好ましい。
塩素の減少が、好ましくは10重量%未満、より好ましくは5重量%未満、更により好ましくは1重量%未満であるシリカの製造プロセスが好ましい。
【0084】
この追加的に添加される水素は、窒素を含有し得ることが好ましく、該窒素は、0.001体積%〜90体積%が好ましく、30体積%〜70体積%がより好ましい。
【0085】
別の好ましい実施形態では、水素は、窒素Nを全く含有しない。
【0086】
好ましくは、水素が燃焼ガスとして反応器に供給される。
【0087】
水素のみを用い、更なる燃焼ガスを用いないことが好ましい。これは、一酸化炭素CO等の炭素酸化物の形成、及び例えば塩素化ジベンゾジオキシン等の塩素化芳香族炭化水素の形成を防ぐことが好ましい。
【0088】
可能な一実施形態では、この水素は、例えばメタノールを二酸化炭素CO及び水素に、触媒を用いて熱変換することから得られる。
【0089】
更に好ましい可能な実施形態では、この水素は、炭化水素及び水を二酸化炭素CO及び水素に、触媒を用いて熱変換することから得られる。二酸化炭素COは、吸収及び吸着により除去することができ、それによって、水素を精製することができる。
【0090】
別の好ましい実施形態では、この水素は、温度500℃超、好ましくは700℃超、より好ましくは850℃超で三塩化シランを不均化及び反応させて、好ましくは四塩化ケイ素、ケイ素金属、及び水素を形成することから得られる。
【0091】
また、水素は、他の成分の低温凝結により精製され得ることが好ましい。
【0092】
別の好ましい実施形態では、三塩化シランを形成するための、ケイ素金属と塩化水素HClとの反応で形成される水素が用いられる。
【0093】
ヒュームドシリカを製造する方法は、好ましくは連続工程である以下の工程を含むことが好ましい:(1)シラン供給、シラン蒸発、任意で空気処理、(2)反応、(3)エネルギー回収及び冷却、(4)任意で、好ましくは1つのサイクロン又は複数のサイクロンによるシリカSiOの予備除去、好ましくはフィルタ、好ましくはメッシュフィルタ、より好ましくは表層フィルタによるシリカSiOの除去、(5)乾燥機(好ましくは回転ドラム式乾燥機、好ましくは内部で径方向運動と垂直運動を組み合わせた運動を行う乾燥機、又は好ましくは流動床若しくは移動床)において、好ましくは温度100℃超、より好ましくは300℃超、最も好ましくは400℃超、表面ガス速度0.1cm/秒〜100cm/秒、より好ましくは1cm/秒〜10cm/秒の空気、窒素、又は不活性ガス等のガスを供給して、好ましくは塩化水素HClの最後の痕跡を除去するためのシリカの精製、例えば、水100mL中にシリカ4gを懸濁させることにより、pH測定によって分析的に、塩化水素HClの痕跡を測定することが好ましい、(6)好ましくは、例えば、特定の既定量のシリカをサイロ内で混合及び流動化させて、例えば1トン(to)〜20トン(to)、好ましくは5トン(to)〜15トン(to)の均質なバッチにすることによる均質化、(7)サイロ内における保管、(8)任意で、例えばロール圧縮機、スクリュー圧縮機、ピストン圧縮機、好ましくはロール圧縮機を用いる圧縮、(9)コンテナ(例えば、5kg〜20kgの袋、好ましくは多層紙からなる袋であって、任意で1以上の層でコーティングされ、好ましくはポリエチレンコーティングされ、好ましくは小さな穴の開いた袋、又は50kg〜500kgの大袋、好ましくはポリエチレン若しくはポリプロピレンで作製され、好ましくは2プライ若しくは多プライであり、例えば欧州特許第773159B1号明細書に記載されている大袋、又は大きなコンテナ、例えば500kg〜5,000kgの容量の、例えばポリエチレン若しくはポリプロピレンで作製された、不純物からシリカを保護するための内容器、内袋若しくはインライナを含むサイロトラック、サイロコンテナ、好ましくはサイロコンテナ等)への輸送。
【0094】
好ましくは空気、窒素又は不活性ガス等のガスを供給して、ヒュームドシリカを精製するために、例えば塩化水素HClを除去するために、シリカを精製してHClを除去するために、ガスの電気加熱により、又は経済的実行可能性及びエネルギー源の保護の理由によって、水素、メタン、エタン、プロパン、ブタン等の燃焼ガスと、空気又は酸素性ガスを燃焼させることにより、流動床又は移動床においてガス温度を生成させることができ、この目的のために水素を用いることが好ましい。
【0095】
好ましい実施形態では、反応ガスの反応により形成される水を除いて、プロセス全体において追加の水を添加しない。
【0096】
別の好ましい実施形態では、ヒュームドシリカの精製前、好ましくは精製中、又は精製後、好ましくはシリカからのHClの脱離を改善するために、蒸気を更に添加する。
【0097】
別の好ましい実施形態では、蒸気を添加して標準化し、シリカ表面から残りの反応基を排除して、シリカを安定化させる;これは、同時に、好ましくは大気湿度と反応する方向に、シリカ表面をコンディショニングすることができる。
【0098】
高密度化プロセス
更に好ましい実施形態では、液体で湿潤させ、次いで乾燥させることにより、シリカを高密度化することができる。
【0099】
湿潤は、撹拌又は液体への分散により行うことができる。
【0100】
更なる特に好ましい実施形態では、湿潤は、噴霧により実施することができる。これは、液体を噴霧し、次いで乾燥させることにより、シリカが高密度化されることを意味する。
【0101】
ヒュームドシリカを用いることが好ましい。
ヒュームドシリカは、親水性シリカの形態、又は有機ケイ素化合物でシリル化されたシリカの形態のいずれかで用いることができる。
親水性シリカを用いることが好ましい。
【0102】
高密度化前の、DINに基づくシリカのタップ密度は、好ましくは20g/L〜120g/L、より好ましくは25g/L〜45g/Lである。
高密度化後の、DINに基づくシリカのタップ密度は、好ましくは60g/L〜300g/L、より好ましくは70g/L〜150g/Lである。
【0103】
液体の噴霧は、独国特許第4419234号明細書に記載されているエアロゾル技術により行われる。
【0104】
シリカは、独国特許第4419234号明細書、米国特許第5,686,054号明細書、又は独国特許第10145162号明細書、米国特許第6,800,413号明細書に記載されているような乾燥技術により乾燥させることが好ましい。
【0105】
シリカの高密度化に好ましい液体は、ヘキサメチルジシロキサン等の低粘度且つ低揮発性シロキサン、n−ヘキサン若しくはトルエン等の低粘度且つ低揮発性炭化水素、添加剤により変性されているものを含む低粘度且つ低揮発性アルキルアルコール(例えばメタナール、エタノール、若しくはイソプロパノール等)、アセトン等のケトン、又はテトラヒドロフラン等のエーテル、又は水等のプロトン性溶媒、及びこれらの混合物である。
【0106】
好ましい液体は、高誘電率、より好ましくは20超の誘電率を有する液体である。
【0107】
好ましい液体は、高密度、より好ましくは0.9g/cm超の密度を有する液体である。
【0108】
好ましい液体は、高表面張力、より好ましくは40mN/m超の表面張力を有する液体である。
【0109】
本発明に従って製造されるヒュームドシリカは、好ましくはBETに従って測定したときの比表面積が、好ましくは30m/g〜500m/g、より好ましくは70m/g〜330m/g、更により好ましくは80m/g〜230m/g、特に好ましくは130m/g〜170m/gであり、好ましくは流体力学的球相当径として測定したときの平均凝集粒径が、好ましくは50nm〜500nm、より好ましくは120nm〜350nm、特に好ましくは130nm〜200nmであり、液体中の相対増粘作用η/η0が、好ましくは2.0超、より好ましくは4.0超、特に好ましくは6.0超、最も好ましくは7.5超であり、ヒュームドシリカに基づいて、直径が好ましくは10μm超、より好ましくは40μm超である粗粒子の比率が、0.3重量%未満、好ましくは0.015重量%未満、より好ましくは0.008重量%未満であり、シリカ1gを含有する水分散液1ミリリットル(mL又はcm)当たりの、10μm超、より好ましくは2μm超の粗粒子が、100,000個未満、好ましくは20,000個未満、より好ましくは10,000個未満、更により好ましくは5,000個未満、特に好ましくは1,000個未満である。
【0110】
本発明は、更に、最適に分散したシリコーンオイル中の相対増粘作用η/η0として記載したときの増粘作用が好ましくは2.0超であり、pH9超における水中流体力学的球相当径が150nm〜300nmであり、ホウ素含量が1ppm未満であり、チタン含量が1ppm未満であり、鉄含量が1ppm未満であり、アルミニウム含量が10ppm未満であり、ニッケル含量が1ppm未満であり、銅含量が1ppm未満であり、ゲルマニウム含量が1ppm未満であるヒュームドシリカを提供する。
【0111】
本発明の方法により製造されるシリカは、好ましくはBETに従って測定したときの比表面積が、好ましくは30m/g〜500m/g、より好ましくは70m/g〜330m/g、更により好ましくは80m/g〜230m/g、特に好ましくは80m/g〜170m/gであるヒュームドシリカであり、好ましくは流体力学的球相当径として測定したときの平均凝集粒径が、100nm〜500nm、好ましくは150nm〜350nm、より好ましくは150nm〜250nmであるヒュームドシリカであり、好ましくは上記のように測定したときの液体中の相対増粘作用η/η0が、好ましくは2.0超、より好ましくは4.0超、特に好ましくは6.0超、最も好ましくは7.5超であるヒュームドシリカであり、ヒュームドシリカに基づいて、直径が好ましくは10μm超、より好ましくは40μm超である粗粒子の比率が、0.03重量%未満、好ましくは0.015重量%未満、より好ましくは0.005重量%未満であるヒュームドシリカであり、好ましくは1重量%〜50重量%、より好ましくは10重量%のシリカ水分散液に基づいて、1ミリリットル(mL又はcm)当たりの10μm超、より好ましくは1.5μm超、更により好ましくは1.0μm超、特に好ましくは0.56μm超の粗粒子が、100,000個未満、好ましくは20,000個未満、より好ましくは10,000個未満、更により好ましくは5,000個未満、特に好ましくは1,000個未満であるヒュームドシリカである。
【0112】
更に、本発明に従って製造されるヒュームドシリカは、粗焼結粒子の比率が、好ましくは0.05重量%未満、より好ましくは0.03重量%未満、特に好ましくは0.015重量%未満、最も好ましくは0.008重量%未満であることが好ましい。好適な試験方法の一例は、例えば、Mocker法による篩残分(40μm超の大きさ)の重量測定である。
【0113】
本発明に従って製造されるヒュームドシリカは、密度が200g/L〜2,500g/Lであり、直径が0.5μm〜500μmである粗焼結粒子を、好ましくは0.05重量%未満、より好ましくは0.03重量%未満、更により好ましくは0.015重量%未満、最も好ましくは0.008重量%未満含有する。好適な試験方法の一例は、例えばLUMifuge(登録商標)機器等の光学遠心分離機の使用である。
【0114】
本発明に従って製造されるヒュームドシリカ、及びそれから製造される水分散液、又はかかる分散液に基づく化学配合に、例えば超音波チップ、超音波変換機又は超音波ホモジナイザを用いて、好ましくは1分間超、より好ましくは2分間〜5分間、最適に分散させ、且つpH9〜11、好ましくはpH9.9〜10.2で、好ましくはアルカリ安定化により最適に安定化させた後、また微細ヒュームドシリカ、非シリカ粒子、並びに密度が200g/L〜2,500g/Lであり、直径が0.5μm〜500μmである粗焼結粒子及び/又は高密度焼結粒子等のシリカ粗粒子を除去した後、大きな粒子を測定するための市販の計数プロセスにより、例えば、白色光又はレーザー光等の消光プロセスに基づいて、分散液の調製に用いられる水の粒子のブランク値を減じた後、1mL当たり10μm超、より好ましくは1.5μm超、更により好ましくは1.0μm超、特に好ましくは0.56μm超の粒子は、好ましくは10,000個未満、より好ましくは2,000個未満、特に好ましくは1,000個未満、更により好ましくは500個未満、非常に好ましくは100個未満が存在する。
【0115】
ヒュームドシリカは、10g/L〜200g/Lの密度及び1μm〜500μmの直径を有する凝集塊及びフレークを含有することが好ましい。
【0116】
シリカ凝集塊の大きさは、好ましくは、水分散液中のシリカに対する、又は乾燥エアロゾル若しくは粉末としてのシリカに対するフラウンホーファー光回折によるか、又は篩分け法により測定することができる。好適な機器は、例えば、Malvern(登録商標)、Sympatec(登録商標)、Coulter(登録商標)、Zilas(登録商標)、又はHoriba(登録商標)等により供給されている。
【0117】
ヒュームドシリカは、好ましくは非二酸化ケイ素成分の混入が少ないことが好ましい。
【0118】
ヒュームドシリカは、シリカ全体に基づいて、任意の非ケイ素元素を1重量%未満、好ましくは0.1重量%未満、より好ましくは0.01重量%未満、更により好ましくは10重量ppm未満、特に好ましくは1重量ppm未満含有する。
【0119】
更に、本発明に従って製造されるシリカのアルミニウム含量は、シリカ全体に基づいて10重量ppm未満、好ましくは1ppm未満であり、ホウ素含量は、10重量ppm未満、好ましくは1ppm未満であり、チタン含量は、1重量ppm未満、好ましくは200ppb未満であり、鉄、コバルト、ニッケル、及び銅含量は、1重量ppm未満、好ましくは200ppb未満である。
【0120】
製造されるシリカは、好ましくは、BETに従って測定された比表面積SO及び物質密度ρ2,200g/Lから、d=6/(ρ×SO)に従って計算される一次粒径d又はザウター(Sauter)粒径dが5〜100nmであり、BETにより測定される比表面積が30m/g〜500m/gであり、上記のように測定される、又は5mPas未満の粘度を有する純粋な形態の液体懸濁液、例えば懸濁水溶液若しくはアルコール懸濁液中で測定される動的光散乱法、光相関分光法若しくは準弾性光散乱法により測定される、一次粒子から形成される好ましくは安定に焼結された凝集塊の流体力学的粒径が100nm〜500nmであるか、又は空気又はガス中で測定される空気力学的直径が100nm〜1,000nmであるか、又はレオロジーを介して測定される直径が100nm超であり、フラウンホーファー光回折により測定したとき凝集体から形成される凝集塊の幾何学的直径が、水、アルコール又は油等の流体中では500nm〜100μmであり、空気又はガス中で測定したときは1μm〜1mmである。
【0121】
製造されるシリカは、表面積のフラクタル次元が、3未満、好ましくは1.9〜2.7、より好ましくは2.0〜2.1であることが好ましい。
【0122】
製造されるシリカは、質量のフラクタル次元が、3未満、好ましくは1.5〜2.8、より好ましくは1.8〜2.3、特に好ましくは1.9〜2.1であることが好ましい。
【0123】
製造されるシリカの表面シラノール基SiOH含量は、1.5〜2.0、好ましくは1.7〜1.9であり、これは、BETによって測定される比表面積1nm当たりのSiOHであるか、又はSears法に基づく滴定方法を用いて酸性SiOHとして測定される。
【0124】
シリカは、好ましくは塩素化多環式芳香族炭化水素を全く含有せず、より好ましくは酸素原子を含むものを含有しない。
【0125】
より好ましくは、塩素化芳香族ジオキシン及びフランの含量は、1重量ppb未満である。
【0126】
性質の分析
好ましくは、ヒュームドシリカの相対増粘作用η/η0は、25℃の温度で測定されるヒュームドシリカを含む液体媒体の粘度ηと、25℃の温度で測定されるヒュームドシリカを含まない液体媒体の粘度η0との比率として測定される。液体媒体の例は、例えば約65重量%のポリエステル樹脂、例えば無水オルトフタル酸及び無水マレイン酸、及び例えば1,2−プロパンジオール等のジオールの縮合生成物等と、一方、例えば約35重量%の溶媒、例えば、例えばモノスチレン等の反応性モノマー、又は例えば好ましくはポリジメチルシロキサン、好ましくはトリメチルシロキシ基で末端保護されているもの等のシリコーンオイル、好ましくは25℃における粘度が0.5Pas〜5.0Pas、より好ましくは0.9Pas〜2.1Pas、更により好ましくは約1.0Pasである溶媒等との混合物である。液体媒体中のヒュームドシリカの量は、好ましくは1重量%〜5重量%、より好ましくは1.8重量%〜3.4重量%、最も好ましくは2重量%である。
【0127】
粘度は、25℃の温度で、同じ一定の剪断速度、好ましくは0.5l/秒〜200l/秒、より好ましくは0.9l/秒〜20l/秒、更により好ましくは10l/秒の一定の剪断速度で測定されることが好ましい。
【0128】
ヒュームドシリカは、好ましくは最適な分散で、例えば周速が4m/秒〜20m/秒、好ましくは11m/秒である鋸歯状ディスク溶解機を用いて、好ましくは最適な期間、より好ましくは3分間〜10分間、最も好ましくは5分間、液体媒体に分散させる。
【0129】
平均凝集粒径は、好ましくは平均流体力学的球相当径として測定され、好ましくは光相関分光法、動的光散乱法又は準弾性光散乱法により、角度1°〜179°、好ましくは約90°で測定され、又は別の好ましい実施形態では、後方散乱角度170°〜179°、好ましくは173°で、例えば、Malvern Zetasizer(登録商標)又はMalvern Nanosizer(登録商標)機器を用いて、例えば、キュムラント解析又は標準的なアルゴリズムによりZ−平均値が読み取られるか、又は平均凝集体粒径として測定され、好ましくはアンモニアを用いて、好ましくはpH9超、より好ましくは約pH10超に調整されているアルカリ性水に0.001重量%〜5重量%、好ましくは約0.3重量%で分散させた後、好ましくは100毎分回転数〜500毎分回転数、より好ましくは300毎分回転数であるマグネチックスターラを用い、超音波、好ましくは出力が75%〜95%、より好ましくは90%である超音波チップ、例えばBandelin UM60超音波チップ等を用いて、1分間〜15分間、好ましくは5分間〜10分間、より好ましくは5分間分散させた後、25℃の温度で測定される。
【0130】
粗粒子の比率、例えば焼結粒子の比率は、重量測定により決定されることが好ましい。本明細書において好適な試験方法の例は、メッシュサイズが100μm以下、好ましくは40μm以下、より好ましくは10μm以下である篩を用いて、水でスラリー化したシリカを篩分けした後の篩残分を重量測定することである。この方法の特に好ましい例は、Mocker法であり、例えば噴流水を用いて、40μmの篩で粗粒子を篩分けする(計量後、40μm超の篩残分が重量測定により得られる)。
【0131】
粗粒子の比率は、密度が100g/L〜250g/L、好ましくは200g/L〜2,500g/Lであり、直径が0.5μm〜500μm、好ましくは2μm〜100μmである焼結粗粒子として決定されることが好ましい。
好適な分析方法の例は、光学遠心分離機、例えばLUMifuge(登録商標)機器の使用である。
【0132】
好ましくは、本発明のプロセスにより製造されるヒュームドシリカ中の粗粒子の比率は、水分散液、即ち、例えば超音波チップを用いて、分散時間1分間超、好ましくは2.5分間超分散させる等最適に分散させ、且つ例えばpH9〜11、好ましくはpH9.2〜10.2でアルカリ安定化させる等最適に安定化させることによりシリカから作製されるかかる分散液に基づく化学配合に対して測定され、大きな粒子を測定するための商業的計数法、例えば白色光又はレーザー光等の例えば消光プロセス又は光散乱プロセスに基づいて、例えばPSM社(米国オレゴン州)製のAccusizer(登録商標)680若しくは780機器、又はLiquilaz(登録商標)機器、又はTopas社(ドイツ)製のFAS(登録商標)815機器を用いて測定される。
【0133】
シリカ生成物の品質は、好ましくは、シリカにとって典型的な方法でこれらサンプルをサンプリング及び分析することにより、一定間隔で検査され、分析されるのは、例えばBET法によって測定されるか、又は例えばSearsらに記載されているように例えば酸−塩基滴定法等により測定される比表面積;例えば動的光散乱法又は以下に記載する方法等により測定される、例えば流体力学的直径等としての例えば粒径、例えば平均凝集体粒径等;例えば4重量%のシリカ−水分散液のpHとして測定されるpH;例えば噴流水及び40μmの篩を用いてMocker法により測定されるか、又は粗粒子の分析のための計数法として、例えば、上記のように白色光又はレーザー光の消光及び計数法を用い測定される、粗粒子成分の篩残分;例えば上記のように、好ましくは所定のプロトコルに従って測定される、例えば液体媒体等における増粘作用等である。
【0134】
サンプルは、特定のサンプリング装置で採取されることが好ましい。
【0135】
微量のHClは、例えばシリカ4gを水100mLに懸濁させることにより、pH測定により分析的に測定されることが好ましい。
【0136】
好ましくは、ヒュームドシリカは、非二酸化ケイ素成分の混入が少ないことが好ましい。
【0137】
これは、Mocker法によって篩残分(40μm超)を評価することにより可視的に評価することができ、好ましくは拡大鏡、より好ましくは、10μm超、好ましくは1μm超まで黒色、白色、及び色を可視化する光学顕微鏡を用いて、又は例えば走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡等により、又は四塩化炭素にシリカを懸濁させることにより(ヒュームドシリカ又はヒュームドシリカ分散液は、屈折率が等しいため透明であるように見えるので、例えば肉眼でも見える程、非二酸化ケイ素画分がよりはっきりと見えるようになる)評価するが、拡大鏡又は光学顕微鏡を用いることが好ましい。
【0138】
非ケイ素元素は、二酸化ケイ素をフッ化水素酸で発煙させた後、スペクトル分析を用いて質的且つ半定量的に検出されるか、又は誘導結合プラズマ及び光学発光分析又は質量分析を用いて定量的に分析されることが好ましい。
【0139】
本発明のプロセスにより製造される本発明のヒュームドシリカは、好ましくは、増粘剤、レオロジー添加剤、チキソトロープ剤、補強充填剤(例えば表面コーティング、塗料及びインク等におけるエラストマー、プラストマー、及び熱硬化性物用)、接着剤、シーリング材、グラスファイバー補強プラスチック、複合材料、ゴム及び他のプラスチックとして;半導体産業における化学機械的平坦化で研磨粒子として;光沢剤として;断熱材として;印刷媒体を製造するための断熱材の原材料として;不浸透性又は多孔性であり得る層及び成形品を製造するための流動助剤として;例えばタイヤ及び靴底等用の、シリコーン、合成ゴム、又は天然ゴムからなる、塗料、コーティング、インク、接着剤、シーリング材、及びゴム用添加剤及び充填剤として使用される。
【0140】
本発明のプロセスにより製造される本発明のヒュームドシリカは、塗料及びコーティングの艶消し剤として、並びに接着剤及びシーリング材系に用いられる。
【0141】
同時に、驚くべきことに、これら本発明の工場は、より細かく且つより容易に分散可能な三次元構造のヒュームドシリカ粒子を得ることができる、即ち、より細かい凝集体のシリカ粒子が生じ、それによってレオロジー添加剤として、エラストマー、プラストマー、及び樹脂用の補強充填材として、断熱基材として、印刷媒体用コーティング材料としての性質が改善されることが見出されている。
【0142】
レオロジー添加剤として及びシーリング材の充填剤としては、5重量%〜15重量%のシリカが用いられることが好ましく、衛生及び台所区域、窓及び建造物の前面、建造物及び土木技術、機械、並びに用具製造において接合のためのシーリング材として用いられることが好ましい。
【0143】
シリカは、光学機器、半導体産業、電気工学、及び電子産業における化学機械的研磨において、金属、セラミック、及びガラスの表面処理において、研磨剤又は光沢剤として用いられることが好ましい。
【0144】
本発明は、更に、本発明のシリカを含む成形品、コーティング、又は含浸物を提供する。
【0145】
シリカは、コーティング材料、表面層、布地、ポリマー接着剤、シーリング材、ゴム、及び複合材料で用いられることが好ましく、コーティング材料、接着剤、シーリング材、ゴム、及び複合材料では、レオロジー若しくは機械的性質を制御するため、又はレオロジー及び補強を制御するために用いられる。
【0146】
本発明は、更に、本発明のシリカを含む粉末又はトナーを提供する。
【0147】
シリカは、粉末、トナー、電子写真、消火用粉末で用いられることが好ましく、粉末、トナー、電子写真、消火用粉末では、乾燥自由流若しくは電荷を制御するため、又は乾燥自由流及び電荷を制御するために用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0148】
【図1】図1は、炎の方向が上端から下方である本発明のフレーム反応器の長手方向断面を示し、ここで1は反応器チャンバを意味し、1.1は反応器の上端部における直径を意味し、1.2は反応器の長さの半分における直径を意味する。1.3は高さを意味し、これは反応器チャンバの長さと等しく、1.4は反応器チャンバの直径を意味する。2はノズル、2.1はノズルの直径を示す。
【実施例】
【0149】
(実施例1)
ガス混合物は、ガス速度58m/秒のノズルから燃焼チャンバの上端のノズルを介してバーナーチャンバに入り、前記燃焼チャンバの長さは4,650mmであり、断面積は0.71mであり、圧力は外気圧と同程度であり、ガス混合物の温度は100℃〜200℃のであり、反応領域の長さは3,875mmであり、ガス混合物が燃焼チャンバに導入される速度は2,085m(STP)/時間であり、ガス混合物(メチルトリクロロシラン0.049モル%、水素0.019モル%、酸素0.17モル%、及び窒素0.70モル%を含む)は、1,000℃〜2,000℃で前記燃焼チャンバの入り口にて反応する。生成物を前記燃焼チャンバから吸引し、200℃未満に冷却し、形成されたヒュームドシリカからメッシュフィルタを通して形成された塩化水素ガスを除去し、多段階吸収及び脱離プロセスにおいて乾燥塩化水素ガスを回収し、過剰の塩素ガスを還元させ、オフガスをクリーニングし、400℃〜800℃の熱ガスを用いて流動床において残留塩化水素及び他の揮発性化合物を除去した後、以下のヒュームドシリカが得られる:BET比表面積が150m/gであり、10kgの紙袋に袋詰めした後のタップ密度が43g/Lであり、4重量%の水分散液のpHが4.2であり、40μm超のMocker法による篩残分が0.003重量%であり、シリコーンオイル中の増粘作用η/η0が3.5であり、0.3重量%、温度25℃、pH10で超音波分散させた後、173°の後方散乱角でMalvern Zetasizer Nano ZS(登録商標)を用いて測定したときの平均流体力学的球相当径が220nmである。
【0150】
(実施例2)
予め混合されているガス混合物は、ガス速度73m/秒のノズルから燃焼チャンバの上端のノズルを介してバーナーチャンバに入り、前記燃焼チャンバは、その時点の外気圧に対して50mbar未満のゲージ圧を有し、温度が100℃〜200℃である前記ガス混合物は、1,000℃〜2,000℃で燃焼チャンバ内にて反応し、前記燃焼チャンバ内の反応物質は、90体積%超がメチルトリクロロシランであるシラン6体積%と、環境由来の空気88体積%と(空気の94体積%程度はノズルから供給され、6体積%程度は、燃焼チャンバの上端においてノズルの外側に存在する更なる供給装置から供給される)、燃焼ガス5体積%(燃焼ガスは、90体積%超の水素ガスを含有する)とを含む。生成物を前記燃焼チャンバから吸引し、200℃未満に冷却し、形成されたヒュームドシリカからメッシュフィルタを通して形成された塩化水素ガスを除去し、多段階吸収及び脱離プロセスにおいて乾燥塩化水素ガスを回収し、過剰の塩素ガスを還元させ、オフガスをクリーニングし、400℃〜800℃の熱ガスを用いて流動床においてヒュームドシリカを精製した後、以下のヒュームドシリカが得られる:BET比表面積が150m/gであり、10kgの紙袋に袋詰めした後のタップ密度が40g/Lであり、4重量%の水分散液のpHが4.1であり、40μm超のMocker法による篩残分が0.005重量%であり、シリコーンオイル中の増粘作用η/η0が4.0であり、0.3重量%、温度25℃、pH10で超音波分散させた後、173°の後方散乱角でMalvern Zetasizer Nano ZS(登録商標)を用いて測定したときの平均流体力学的球相当径が220nmである。
【0151】
(実施例3)
ガス混合物は、投入速度1,630m(STP)/時間で、ガス速度34m/秒のノズルから燃焼チャンバの上端のノズルを介してバーナーチャンバに入り、前記ガス混合物は、メチルトリクロロシラン4.9モル%、水素5.8モル%、二酸化炭素1.9モル%、酸素17モル%、及び窒素70モル%をガスとして含み、前記燃焼チャンバの体積は1.7mであり、高さに対する体積の比は0.38mであり、断面積は0.38mであり、前記ガス混合物は、1,000℃〜2,000℃で燃焼チャンバ内にて反応する。生成物を前記燃焼チャンバから吸引し、200℃未満に冷却し、形成されたヒュームドシリカからメッシュフィルタを用いて形成された塩化水素ガスを除去し、多段階吸収及び脱離プロセスにおいて乾燥塩化水素ガスを回収し、過剰の塩素ガスを還元させ、オフガスをクリーニングし、400℃〜800℃の熱ガスを用いて流動床においてヒュームドシリカを精製した後、以下のヒュームドシリカが217kg/時間(年間製造力8,864時間で1年間当たり1,920トンに相当)得られる:BET比表面積が150m/gであり、10kgの紙袋に袋詰めした後のタップ密度が40g/Lであり、4重量%の水分散液のpHが4.1であり、40μm超のMocker法による篩残分が0.005重量%であり、シリコーンオイル中の増粘作用η/η0が6.5であり、未架橋不飽和ポリエステル樹脂中の増粘作用η/η0が4.5であり、0.3重量%、温度25℃、pH10で超音波分散させた後、173°の後方散乱角でMalvern Zetasizer Nano ZS(登録商標)を用いて測定したときの平均流体力学的球相当径が220nmである。
【0152】
(実施例4)
ガス混合物は、投入速度1,630m(STP)/時間で、ガス速度34m/秒のノズルから燃焼チャンバの上端のノズルを介してバーナーチャンバに入り、前記ガス混合物は、メチルトリクロロシラン4.9モル%、水素5.8モル%、酸素17モル%、及び窒素71.9モル%をガスとして含み、前記燃焼チャンバの体積は1.7mであり、高さに対する体積の比は0.38mであり、断面積は0.38mであり、前記ガス混合物は、1,000℃〜2,000℃で燃焼チャンバ内にて反応する。生成物を前記燃焼チャンバから吸引し、200℃未満に冷却し、形成されたヒュームドシリカからメッシュフィルタを用いて形成された塩化水素ガスを除去し、多段階吸収及び脱離プロセスにおいて乾燥塩化水素ガスを回収し、過剰の塩素ガスを還元させ、オフガスをクリーニングし、400℃〜800℃の熱ガスを用いて流動床においてヒュームドシリカを精製した後、以下のヒュームドシリカが217kg/時間(年間製造力8,864時間で1年間当たり1,920トンに相当)得られる:BET比表面積が150m/gであり、10kgの紙袋に袋詰めした後のタップ密度が40g/Lであり、4重量%の水分散液のpHが4.1であり、40μm超のMocker法による篩残分が0.005重量%であり、シリコーンオイル中の増粘作用η/η0が6.5であり、未架橋不飽和ポリエステル樹脂中の増粘作用η/η0が4.5であり、0.3重量%、温度25℃、pH10で超音波分散させた後、173°の後方散乱角でMalvern Zetasizer Nano ZS(登録商標)を用いて測定したときの平均流体力学的球相当径が220nmである。
【0153】
(実施例5)
ガス混合物は、投入速度1,405m(STP)/時間で、ガス速度34m/秒のノズルから燃焼チャンバの上端のノズルを介してバーナーチャンバに入り、前記ガス混合物は、四塩化ケイ素4.3モル%、水素12モル%、二酸化炭素4モル%、酸素16モル%、及び窒素64モル%をガスとして含み、前記燃焼チャンバの体積は1.7m、高さに対する体積の比は0.38m、断面積は0.38mであり、1,000℃〜2,000℃で燃焼チャンバ内にて反応する。生成物を前記燃焼チャンバから吸引し、200℃未満に冷却し、形成されたヒュームドシリカからメッシュフィルタを用いて形成された塩化水素ガスを除去し、多段階吸収及び脱離プロセスにおいて乾燥塩化水素ガスを回収し、過剰の塩素ガスを還元させ、オフガスをクリーニングし、400℃〜800℃の熱ガスを用いて流動床においてヒュームドシリカを精製した後、以下のヒュームドシリカが161kg/時間(年間製造力8,864時間で1年間当たり1,420トンに相当)得られる:BET比表面積が150m/gであり、10kgの紙袋に袋詰めした後のタップ密度が40g/Lであり、4重量%の水分散液のpHが4.1であり、40μm超のMocker法による篩残分が0.005重量%であり、シリコーンオイル中の増粘作用η/η0が6.5であり、未架橋不飽和ポリエステル樹脂中の増粘作用η/η0が4.5であり、0.3重量%、温度25℃、pH10で超音波分散させた後、173°の後方散乱角でMalvern Zetasizer Nano ZS(登録商標)を用いて測定したときの平均流体力学的球相当径が220nmである。
【0154】
(実施例6)
ガス混合物は、投入速度1,405m(STP)/時間で、ガス速度34m/秒のノズルから燃焼チャンバの上端のノズルを介してバーナーチャンバに入り、前記ガス混合物は、四塩化ケイ素4.3モル%、水素12モル%、酸素16モル%、及び窒素68モル%をガスとして含み、前記燃焼チャンバの体積は1.7mであり、高さに対する体積の比は0.38mであり、断面積は0.38mであり、前記ガス混合物は、1,000℃〜2,000℃で燃焼チャンバ内にて反応する。生成物を前記燃焼チャンバから吸引し、200℃未満に冷却し、形成されたヒュームドシリカからメッシュフィルタを用いて形成された塩化水素ガスを除去し、多段階吸収及び脱離プロセスにおいて乾燥塩化水素ガスを回収し、過剰の塩素ガスを還元させ、オフガスをクリーニングし、400℃〜800℃の熱ガスを用いて流動床においてヒュームドシリカを精製した後、以下のヒュームドシリカが161kg/時間(年間製造力8,864時間で1年間当たり1,420トンに相当)得られる:BET比表面積が150m/gであり、10kgの紙袋に袋詰めした後のタップ密度が40g/Lであり、4重量%の水分散液のpHが4.1であり、40μm超のMocker法による篩残分が0.005重量%であり、シリコーンオイル中の増粘作用η/η0が6.5であり、未架橋不飽和ポリエステル樹脂中の増粘作用η/η0が4.5であり、0.3重量%、温度25℃、pH10で超音波分散させた後、173°の後方散乱角でMalvern Zetasizer Nano ZS(登録商標)を用いて測定したときの平均流体力学的球相当径が220nmである。
【0155】
(実施例7)
ガス混合物は、投入速度2,600m(STP)/時間で、ガス速度54m/秒のノズルから燃焼チャンバの上端のノズルを介してバーナーチャンバに入り、前記ガス混合物は、メチルトリクロロシラン4.6モル%、水素7.6モル%、二酸化炭素2.5モル%、酸素17モル%、及び窒素68モル%をガスとして含み、前記燃焼チャンバの体積は3.3mであり、高さに対する体積の比は0.71mであり、断面積は0.71mであり、前記ガス混合物は、1,000℃〜2,000℃で燃焼チャンバ内にて反応する。生成物を前記燃焼チャンバから吸引し、200℃未満に冷却し、形成されたヒュームドシリカからメッシュフィルタを用いて形成された塩化水素ガスを除去し、多段階吸収及び脱離プロセスにおいて乾燥塩化水素ガスを回収し、過剰の塩素ガスを還元させ、オフガスをクリーニングし、400℃〜800℃の熱ガスを用いて流動床においてヒュームドシリカを精製した後、以下のヒュームドシリカが321kg/時間(年間製造力8,864時間で1年間当たり2,850トンに相当)得られる:BET比表面積が200m/gであり、10kgの紙袋に袋詰めした後のタップ密度が40g/Lであり、4重量%の水分散液のpHが4.0であり、40μm超のMocker法による篩残分が0.005重量%であり、シリコーンオイル中の増粘作用η/η0が7.5であり、未架橋不飽和ポリエステル樹脂中の増粘作用η/η0が6.7であり、0.3重量%、温度25℃、pH10で超音波分散させた後、173°の後方散乱角でMalvern Zetasizer Nano ZS(登録商標)を用いて測定したときの平均流体力学的球相当径が200nmである。
【0156】
(実施例8)
ガス混合物は、投入速度2,600m(STP)/時間で、ガス速度54m/秒のノズルから燃焼チャンバの上端のノズルを介してバーナーチャンバに入り、前記ガス混合物は、メチルトリクロロシラン4.6モル%、水素7.6モル%、酸素17モル%、及び窒素70.5モル%をガスとして含み、前記燃焼チャンバの体積は3.3mであり、高さに対する体積の比は0.71mであり、断面積は0.71mであり、前記ガス混合物は、1,000℃〜2,000℃で燃焼チャンバ内にて反応する。生成物を前記燃焼チャンバから吸引し、200℃未満に冷却し、形成されたヒュームドシリカからメッシュフィルタを用いて形成された塩化水素ガスを除去し、多段階吸収及び脱離プロセスにおいて乾燥塩化水素ガスを回収し、過剰の塩素ガスを還元させ、オフガスをクリーニングし、400℃〜800℃の熱ガスを用いて流動床においてヒュームドシリカを精製した後、以下のヒュームドシリカが321kg/時間(年間製造力8,864時間で1年間当たり2,850トンに相当)得られる:BET比表面積が200m/gであり、10kgの紙袋に袋詰めした後のタップ密度が40g/Lであり、4重量%の水分散液のpHが4.0であり、40μm超のMocker法による篩残分が0.005重量%であり、シリコーンオイル中の増粘作用η/η0が7.5であり、未架橋不飽和ポリエステル樹脂中の増粘作用η/η0が6.7であり、0.3重量%、温度25℃、pH10で超音波分散させた後、173°の後方散乱角でMalvern Zetasizer Nano ZS(登録商標)を用いて測定したときの平均流体力学的球相当径が200nmである。
【0157】
(実施例9)
ガス混合物は、投入速度3,300m(STP)/時間で、ガス速度63m/秒のノズルから燃焼チャンバの上端のノズルを介してバーナーチャンバに入り、前記ガス混合物は、四塩化ケイ素14モル%、メチルトリクロロシラン0.1モル%、水素6.4モル%、二酸化炭素2.1モル%、酸素17モル%、窒素69モル%、及びハイドロジェンメチルジクロロシラン7.2モル%、三塩化シラン1.3モル%、テトラメチルシラン2モル%、トリメチルクロロシラン1.4モル%、及びアルカン(プロパンとブタンとペンタン、プロペンとブテンとペンテン、及びクロロプロパンとクロロブタンとクロロペンタンとの混合物)1.1モル%をガスとして含み、前記燃焼チャンバの体積は3.3mであり、高さに対する体積の比は0.71mであり、断面積は0.71mであり、前記ガス混合物は、1,000℃〜2,000℃で燃焼チャンバ内にて反応する。生成物を前記燃焼チャンバから吸引し、200℃未満に冷却し、形成されたヒュームドシリカからメッシュフィルタを用いて形成された塩化水素ガスを除去し、多段階吸収及び脱離プロセスにおいて乾燥塩化水素ガスを回収し、過剰の塩素ガスを還元させ、オフガスをクリーニングし、400℃〜800℃の熱ガスを用いて流動床においてヒュームドシリカを精製した後、以下のヒュームドシリカが323kg/時間(年間製造力8,864時間で1年間当たり2,860トンに相当)得られる:BET比表面積が200m/gであり、10kgの紙袋に袋詰めした後のタップ密度が40g/Lであり、4重量%の水分散液のpHが4.0であり、40μm超のMocker法による篩残分が0.005重量%であり、シリコーンオイル中の増粘作用η/η0が7.5であり、未架橋不飽和ポリエステル樹脂中の増粘作用η/η0が6.7であり、0.3重量%、温度25℃、pH10で超音波分散させた後、173°の後方散乱角でMalvern Zetasizer Nano ZS(登録商標)を用いて測定したときの平均流体力学的球相当径が200nmである。
【0158】
(実施例10)
ガス混合物は、投入速度2,450m(STP)/時間で、ガス速度51m/秒のノズルから燃焼チャンバの上端のノズルを介してバーナーチャンバに入り、前記ガス混合物は、四塩化ケイ素0モル%、メチルトリクロロシラン5.2モル%、水素6.2モル%、二酸化炭素2.1モル%、酸素17モル%、窒素69モル%、ハイドロジェンメチルジクロロシラン0モル%、三塩化シラン0モル%、テトラメチルシラン0モル%、トリメチルクロロシラン0モル%、及びアルカン(プロパンとブタンとペンタン、プロペンとブテンとペンテン、及びクロロプロパンとクロロブタンとクロロペンタンとの混合物)0モル%をガスとして含み、前記燃焼チャンバの体積は3.3mであり、高さに対する体積の比は0.71mであり、断面積は0.71mであり、前記ガス混合物は、1,000℃〜2,000℃で燃焼チャンバ内にて反応する。生成物を前記燃焼チャンバから吸引し、200℃未満に冷却し、形成されたヒュームドシリカからメッシュフィルタを用いて形成された塩化水素ガスを除去し、多段階吸収及び脱離プロセスにおいて乾燥塩化水素ガスを回収し、過剰の塩素ガスを還元させ、オフガスをクリーニングし、400℃〜800℃の熱ガスを用いて流動床においてヒュームドシリカを精製した後、以下のヒュームドシリカが341kg/時間(年間製造力8,864時間で1年間当たり3,020トンに相当)得られる:BET比表面積が150m/gであり、10kgの紙袋に袋詰めした後のタップ密度が40g/Lであり、4重量%の水分散液のpHが4.1であり、40μm超のMocker法による篩残分が0.005重量%であり、シリコーンオイル中の増粘作用η/η0が5.5であり、未架橋不飽和ポリエステル樹脂中の増粘作用η/η0が4.5であり、0.3重量%、温度25℃、pH10で超音波分散させた後、173°の後方散乱角でMalvern Zetasizer Nano ZS(登録商標)を用いて測定したときの平均流体力学的球相当径が220nmである。
【0159】
(実施例11)
ガス混合物は、投入速度2,690m(STP)/時間で、ガス速度56m/秒のノズルから燃焼チャンバの上端のノズルを介してバーナーチャンバに入り、前記ガス混合物は、四塩化ケイ素1.6モル%、メチルトリクロロシラン0.1モル%、水素5.7モル%、二酸化炭素1.9モル%、酸素17モル%、窒素69モル%、ハイドロジェンメチルジクロロシラン0.8モル%、三塩化シラン0.15モル%、テトラメチルシラン0.24モル%、トリメチルクロロシラン1.6モル%、及びアルカン(プロパンとブタンとペンタン、プロペンとブテンとペンテン、及びクロロプロパンとクロロブタンとクロロペンタンとの混合物)1.3モル%をガスとして含み、前記燃焼チャンバの体積は3.3mであり、高さに対する体積の比は0.71mであり、断面積は0.71mであり、前記ガス混合物は、1,000℃〜2,000℃で燃焼チャンバ内にて反応する。生成物を前記燃焼チャンバから吸引し、200℃未満に冷却し、形成されたヒュームドシリカからメッシュフィルタを用いて形成された塩化水素ガスを除去し、多段階吸収及び脱離プロセスにおいて乾燥塩化水素ガスを回収し、過剰の塩素ガスを還元させ、オフガスをクリーニングし、400℃〜800℃の熱ガスを用いて流動床においてヒュームドシリカを精製した後、以下のヒュームドシリカが343kg/時間(年間製造力8,864時間で1年間当たり3,040トンに相当)得られる:BET比表面積が150m/gであり、10kgの紙袋に袋詰めした後のタップ密度が40g/Lであり、4重量%の水分散液のpHが4.1であり、40μm超のMocker法による篩残分が0.005重量%であり、シリコーンオイル中の増粘作用η/η0が5.5であり、未架橋不飽和ポリエステル樹脂中の増粘作用η/η0が4.5であり、0.3重量%、温度25℃、pH10で超音波分散させた後、173°の後方散乱角でMalvern Zetasizer Nano ZS(登録商標)を用いて測定したときの平均流体力学的球相当径が220nmである。
【0160】
(実施例12)
合計100gの液体がシリカに塗布され、且つシリカが依然として乾燥コロイド状粉末の外観を有するような方法で、実施例6で得られたBET比表面積150m/gのシリカ100gを、ガラス製の装置内で、窒素雰囲気下にて、パドルスターラで流動化させながら液体の微細エアロゾルと接触させる。次いで、得られたシリカを、ガス循環速度900リットル/分で容量300リットルの乾燥キャビネット内の磁器皿に入れ、不活性窒素雰囲気下で液体を取り除き、シリカ含量が少なくとも99重量%超になるまで乾燥させる。次いで、DINによりタップ密度を測定する。様々な液体を用いて上記のように得られたタップ密度を表1に要約する。
【表1】

【0161】
(実施例13)
実施例1〜11で得られたシリカを、酢酸塩架橋剤系に基づく架橋ブラックシリコーンシーリング材系に、室温で混入する。
【0162】
次いで、スパチュラを用いて少量をポリエチレンフィルムに塗布し、平滑化する。
【0163】
次いで、表面の外観を評価する:
非常に良好−表面上に粒子が存在しない、
良好−表面上にある粒子が僅かである、
満足−表面上に粒子が幾つか存在する、
十分−表面上に粒子が少し存在する、
不十分−表面上に多くの粒子が存在する、
不満足−表面上に非常に多くの粒子が存在する。
【0164】
結果を表2に要約する。
【表2】

【0165】
試験方法:
BET比表面積:DIN 9277/66132
pH:EN ISO787/9
Mocker法による篩残分(40μm超):EN ISO787/18
タップ密度:EN ISO787/11
水分(2時間及び105℃における重量減少):EN ISO787/2
【0166】
(STP)/時間の定義:m(STP)/時間は、1時間当たりに送達されるガス又は蒸気の体積である
【0167】
(STP)の定義:標準立方メートル(略記:m(STP))は、ガスの標準体積について加工技術で用いられる単位である。
【0168】
標準立方メートルは、DIN1343及びISO2533に定義されている。
【0169】
標準立方メートルは、圧力1.01325bar、空気湿度0%(乾燥ガス)、及び温度0℃(DIN1343)又は15℃(ISO2533)におけるガス1立方メートルに相当する量である。
【0170】
これは、1標準立方メートルのガスが、一定条件下では1mの体積を有するが、一般的に、異なる条件下では特定の計算により決定できる別の体積を有することを意味する。
【0171】
圧縮空気産業では、DIN1945に基づく異なる値を適用する。本明細書では、圧力100,000P(1bar)の、温度20℃、及び空気湿度0%における体積を標準体積とする。
【符号の説明】
【0172】
1 反応器チャンバ
1.1 反応器の上端における直径
1.2 反応器の長さの半分における直径
1.3 高さ
1.4 反応器チャンバの直径
2 ノズル
2.1 ノズルの直径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体積が1m〜10mであり、高さが1m〜10mである反応器チャンバと、反応物質を供給するための反応器ノズルとを有することを特徴とするフレーム反応器。
【請求項2】
反応器チャンバの断面積が0.1m〜1mである請求項1に記載のフレーム反応器。
【請求項3】
フレーム反応器の高さに対する体積の比が0.1m〜1mである請求項1及び2のいずれかに記載のフレーム反応器。
【請求項4】
反応器チャンバの上端部における直径が0.1m〜1.0mである請求項1から3のいずれかに記載のフレーム反応器。
【請求項5】
反応器チャンバの長さの半分における直径が反応器の上端における反応器チャンバの直径よりも少なくとも10%広い請求項1から4のいずれかに記載のフレーム反応器。
【請求項6】
反応器チャンバが円形断面を有する請求項1から5のいずれかに記載のフレーム反応器。
【請求項7】
反応器チャンバが開放され、且つ大気圧による交換が制限されない請求項1から6のいずれかに記載のフレーム反応器。
【請求項8】
反応器ノズルの直径が0.05m〜0.25mである請求項1から7のいずれかに記載のフレーム反応器。
【請求項9】
反応器ノズルの出口領域の大きさが0.001m〜0.1mである請求項1から8のいずれかに記載のフレーム反応器。
【請求項10】
反応器ノズルの断面が円形である請求項1から9のいずれかに記載のフレーム反応器。
【請求項11】
直立型反応器チャンバの反応器ノズルが上端に配置され、前記反応器ノズルが下向きである請求項1から10のいずれかに記載のフレーム反応器。
【請求項12】
反応器内の炎中でケイ素含有反応ガスを反応させることによりヒュームドシリカを製造する方法であって、前記反応ガス中の有機非ケイ素化合物の含量が5モル%未満であることを特徴とする方法。
【請求項13】
反応ガス中の無機非ケイ素化合物の含量が1重量%未満である請求項12に記載のヒュームドシリカの製造方法。
【請求項14】
反応ガス中のホウ素化合物、ゲルマニウム化合物、チタン化合物、鉄化合物、アルミニウム化合物、スズ化合物、ヒ素化合物、硫黄化合物、リン化合物の含量が、いずれの場合も特定の元素に基づいて、いずれの場合も100ppm未満である請求項12及び13のいずれかに記載のヒュームドシリカの製造方法。
【請求項15】
10モル%超のメチルシリコントリクロリドを含有する混合物が用いられる請求項12から14のいずれかに記載のヒュームドシリカの製造方法。
【請求項16】
これら混合物が、メチルシリコントリクロリド以外の炭素含有ケイ素化合物を20モル%未満と、水素含有ケイ素化合物を20モル%未満と、ケイ素を含有せず、且つ任意で置換されている炭化水素を5モル%未満とを含有する請求項15に記載のヒュームドシリカの製造方法。
【請求項17】
10モル%超の四塩化ケイ素を含有する混合物が用いられる請求項12から14のいずれかに記載のヒュームドシリカの製造方法。
【請求項18】
混合物が、炭素含有ケイ素化合物を20モル%未満と、水素含有ケイ素化合物の20モル%未満と、ケイ素を含有せず、且つ任意で置換されている炭化水素を5モル%未満とを含有する請求項17に記載のヒュームドシリカの製造方法。
【請求項19】
ガス混合物が、投入速度100m(STP)/時間〜5,000m(STP)/時間で、ガス速度10m/秒〜100m/秒のノズルから燃焼チャンバの上端のノズルを介してバーナーチャンバに入り、前記ガス混合物が、四塩化ケイ素0.1モル%〜100モル%、メチルトリクロロシラン0モル%〜100モル%、水素1モル%〜20モル%、二酸化炭素0.001モル%〜15モル%、酸素10モル%〜30モル%、窒素50モル%〜100モル%、ハイドロジェンメチルジクロロシラン0モル%〜50モル%、三塩化シラン0.001モル%〜100モル%、テトラメチルシラン0モル%〜50モル%、トリメチルクロロシラン0モル%〜50モル%、及びアルカン、アルケン、又はハロアルキルの混合物0モル%〜20モル%を含み、且つ1,000℃〜2,000℃で前記燃焼チャンバ内にて反応する請求項12から18のいずれかに記載のヒュームドシリカの製造方法。
【請求項20】
シリカを湿潤させ、次いで乾燥させることによりシリカの密度を増加させる請求項12から18のいずれかに記載のヒュームドシリカの製造方法。

【図1】
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【公表番号】特表2012−511416(P2012−511416A)
【公表日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−540097(P2011−540097)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際出願番号】PCT/EP2009/066800
【国際公開番号】WO2010/066828
【国際公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(390008969)ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト (417)
【氏名又は名称原語表記】Wacker Chemie AG
【住所又は居所原語表記】Hanns−Seidel−Platz 4, D−81737 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】