説明

少なくとも1つの単結晶の測定、配向および固定のための方法および装置

【課題】単結晶の外部幾何構成に関係なく、結晶配向の決定および配向固定における精度の向上を確実にする。
【解決手段】単結晶1の固定はサファイアまたは炭化ケイ素などのきわめて硬い材料を用いて正確におこなう。結晶格子の配向を決定するために単結晶が回転テーブル2上に調整可能に位置決めされ、回転テーブルの少なくとも1回転中に、複数のx線反射Rに基づき、結晶格子の配向が決定される。単結晶の固定および基準方向に向けられた支持材における固締を行う前に、基準方向としての回転テーブルの軸(X−X)に対する格子面NEの法線の決定された角度を参照して、結晶格子の配向が実現される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの単結晶の測定、配向および固定のための方法およびそれに関連する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体業界および光学業界の用途では、単結晶は結晶格子の座標軸に対して所与の配向を有する切断面に沿って切断される必要があることは周知である。
【0003】
この目的のために必要とされる結晶配向の決定、すなわち、幾何的軸と結晶軸との関係と、切断デバイス、たとえばこのデバイスの外側のワイヤソーの切断面に対する単結晶の所与の位置決めは、相当の利点を提供することはすでに認識されている。
【0004】
たとえば、特許文献1から、切断デバイスによって結晶格子に対する所定の方向において単結晶を同時に切断するように、回転および並進方向に調整可能な収容デバイスによって、切断デバイスの外側の切断支持材の上に互いに連続的に整列された複数の円柱形の単結晶を固定して配置することが知られている。
【0005】
しかし、たとえばサファイアまたは炭化ケイ素などのきわめて硬い単結晶がマルチプルワイヤソーにおいて同時に切断するためのデバイスによって準備されることになっている場合には、切断支持材に固定される単結晶間に残る自由空間を切断ワイヤが通過するときに、個別の切断ワイヤにおいて生じる張力のために切断不良を生じる可能性があることから、この種のデバイスはあまり適していない。
【0006】
さらに、提案された方法およびデバイスは、実際に必要な精度で切断支持材に配置される測定対象の単結晶に左右されることが不利である。支持材に固定された後、内部にある単結晶が単結晶で行われる端面測定のために接近することができないことから、少なくとも次の検査が不可能である。
【0007】
別の問題点は、結晶配向を決定するために通常用いられ、たとえば、特許文献2によれば、2つの格子面の配向が交互にθ走査によって決定されるx線回折計が一定の用途に必要な精度で機能することができないことにある。この理由の1つは、2回の測定間で必要な絶対的な関係が十分な精度で生成されることができないためである。
【0008】
必要な切断精度が、シリコンチップの作製に必要な精度より著しく高い用途には、たとえば、白色発光ダイオードの製造がある。白色発光ダイオードは、自動車のヘッドライトに既に用いられており、そのうち白熱灯および蛍光灯、青色スペクトルおよび紫外スペクトルで放射されるデータ記憶用の発光ダイオードの製造に取って代わりうるだろう。サファイアまたは炭化ケイ素がこのように構成要素を作成するための基板として用いられることになっている場合には、必要なヘテロエピタキシャル成長のために、面配向の精度の向上が一般に窒化ガリウムに基づく機能層の成長品質に関して非常に重要である。
【0009】
【特許文献1】欧州特許第0 802 029 B1号明細書
【特許文献2】特開平9−33456号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の主な目的は、単結晶の外部幾何構成に関係なく、結晶配向の決定および整列される固定に精度の向上を確実にすることであり、この固定はサファイアまたは炭化ケイ素などのきわめて硬い材料を用いてきわめて正確な切断を保証する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、この目的は、少なくとも1つの単結晶の測定、配向および固定のための方法によって達成され、結晶格子の配向を決定するために単結晶が回転テーブル上に調整可能に位置決めされ、x線反射に基づいて、回転テーブルの少なくとも1回転中に、回転テーブルの軸に対する格子面の法線の角度が決定され、単結晶の固定および基準方向に配向された支持材における固締を行う前に、基準方向として機能する回転テーブルの軸に対して決定された角度に基づいて、単結晶の配向が実現される。
【0012】
単結晶は、傾斜軸の交差がx線ビームに関する反射点として機能するように、2つの傾斜軸の周囲に傾斜可能であるように、回転テーブル上に位置決めされることが好ましく、それによって、回転テーブル上に位置決めされる単結晶が回転されるとき、角度を決定するために、反射が複数の格子面で生成される。
【0013】
同一の配向または異なる配向の2つ以上の結晶がさらなる処理のために設けられる機械または設備において同時に機械加工されることになっている場合、本発明の特定の実施形態は、複数の単結晶が積層を形成するために連続して上下に位置決めされ、測定され、所定の態様に向けられ、固定され、積層された単結晶が基準方向に向けられる支持材に続いて同時に固定するように連結されることにある。
【0014】
個別の単結晶の固定された配向を検査することができ、基準配向から偏差がある場合には、新たな配向および固定を行うことができる。
【0015】
必要であれば、単結晶間の間隙を充填し、次の機械加工ステップのために安定した積層を可能にするために、最終的な固定の前に、適切な接着剤が隣接する単結晶の間に挿入される。
【0016】
この目的のために、すでに配向された態様で固定される単結晶に接着剤層を塗布することができ、測定、配向および固定の前に積層を形成するために設けられる別の単結晶を接着剤層の上に配置することができる。接着剤の硬化時間は、さらなる単結晶の測定、配向および固定の時間周期を超える必要がある。
【0017】
さらに、本発明は、共通の支持材に連結するために機能する補助支持材が位置決めの前に各単結晶で結晶配向に配置されるように構成されることができる。
【0018】
周知の解決策に比べて、本発明は、単結晶が支持材に接着されるとき、著しく向上される配向精度を実現する。
【0019】
本発明は、共通の支持材に連結される単結晶が、測定面として機能する元の結晶面に略垂直である結晶面で適切なx線反射によって実際に実現される結晶格子の配向に対して検査されるという点で、接着の結果を有利に監視することができる。この目的のために、支持材上に固定される単結晶の積層は、回転テーブルの軸に対して垂直である積層方向によって移動可能であるように位置決めされるため、反射点を測定される単結晶上に位置決めすることができる。
【0020】
本発明による方法によって、単結晶が装置内にあり、測定および配向が単に結晶変数のみに左右されることから、任意の幾何的位置から異なる適切な格子面で測定することができ、任意の形状および種類の単結晶を配向して固定することができるようになる。
【0021】
したがって、単結晶はウェーハ形状であるか、円柱または角柱(インゴット)の形状であるかどうか、または幾何的軸を画定することができるかどうかは重要ではない。(外側に)完全に不規則な単結晶もまた、測定、配向および固定することができる。
【0022】
測定データは、測定周期全体を通じて(たとえば、単結晶の連続的または段階的な360°の回転の間)記録される。測定中の回転速度または測定ステップごとの測定時間のいずれかを選択することによって、または複数の測定期間にわたる測定データを累積することによって、必要な測定精度を実現することができる。
【0023】
さらに、本発明によれば、上記の目的は、少なくとも1つの単結晶の測定、配向および固定のための装置によって達成され、基準方向としての回転テーブルの軸に対する単結晶の結晶格子を配向し、単結晶を配向固定するための調整および固定のためのデバイスを有する少なくとも1つの結晶ホルダ用のレセプタクルを備えた回転テーブルと、x線源および検出器からなる設備と、を備え、この設備は回転テーブルに対して垂直に調整可能であり、それによって回転テーブルの軸に対する単結晶の格子面の法線の角度が回転テーブルの少なくとも1回転中に決定され、決定される角度を用いて、単結晶の結晶格子の配向のための調整および固定のためのデバイスの調整値を計算し、配向された態様で固定される少なくとも1つの単結晶を収容するように機能する支持材用の調整デバイスと、を備え、調整デバイスが回転テーブルの軸に対して垂直に向けられるように機能する。
【0024】
結晶ホルダは、単結晶用のジンバル懸架式内部ホルダフレームおよび内部ホルダフレームに固締される単結晶を調整および固定するための調整手段を備えた外部フレームを備える。さらに、水平ガイドが、外部フレームにおける調整手段に設けられる。
【0025】
特に好都合な態様において、この装置は、回転テーブルの軸に垂直に延在する案内方向を有する直線ガイドが、配向される態様に固定される少なくとも1つの単結晶に関して回転テーブルにおける支持材を収容するように設けられるという点で、配向固定に実現される精度を検査するのに適している。
【0026】
本発明は、概略図を参照して以下にさらに詳細に記載される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1および図2に示される装置は、単結晶1の個別の測定または特に上下に積層されることになっている連続的に測定する複数の単結晶1(この場合には、たとえば円柱形インゴット)に用いられ、高い同期実行値および低い軸方向の揺れを特徴とする回転テーブル2を有する。結晶ホルダ3が、形成される切断面に略平行に既に切断されるすべての単結晶1に設けられる。図3による結晶ホルダ3は、単結晶1のためのジンバル懸架式内部ホルダフレーム5と、内部ホルダフレーム5に取付けられる単結晶1を整列および固定するための調整可能な調整デバイスとしてカウンタスプリング7を備えた調整ねじ6と、を有する外部フレーム4を備える。
【0028】
結晶ホルダ3の内部ホルダフレーム5は、回転テーブル2上のレセプタクル8によって、外部フレーム4に一番下で固定して連結され、第1の単結晶1用の支持材としてのベース9を有する。挿入可能な中間ベース10が単結晶1の高さを適合可能にして、単結晶1が2つの傾斜軸11、12(12は、図面の平面に対して垂直に延在する)の周囲に回転可能であるように位置決めされるようにする。傾斜軸11、12の交差が測定のために設けられることが好ましいx線ビーム13のための反射点として機能するように、2つの傾斜軸11、12は互いに垂直に向けられることが好ましい。
【0029】
したがって、結晶ホルダ3の構成は、反射点を変更するためにその面におけるx線13の入射点を変更することなく、単結晶1を何らかの方法で調整することができることを保証する。
【0030】
x線ビーム13を生成するためのx線源14および回転テーブル2の少なくとも1回転中に単結晶1の複数の格子面からの一連のx線反射を受光するための検出器15は、測定対象の格子面のブラッグ角および結晶面に対する格子面の傾きを考慮して互いに対して固定するように配向され、反射点の高さを適合させるために、垂直に向けられた直線ガイド16に支持される。検出器窓17(図4)は、所望の反射Rのみが測定されるように設計される鉛マスクを備える。光学系は、回転テーブル2に対する必要な高さを自動的に調整するように機能する。
【0031】
本発明による方法において、図4に示されているように、格子面の角度、すなわち、回転テーブル2の軸X−Xに対する格子面NEにおける法線の位置の偏差の決定が、一定速度または段階的に回転している回転テーブル2に関して、その法線が回転テーブル2の軸に対して角度εで傾斜される格子面NEで測定することによって行われ、x線ビーム13は角度Θ+εから逸脱する角度δで、すなわち角度Θ+ε−δ(Θはブラッグ角)で放射される。その結果、測定用に用いられる格子面NEは、揺動のために回転テーブル2の回転中に入射するx線ビーム13に対する傾きを変化させ、一定の回転角+Ωおよび−Ωで生じる反射の角度距離2Ωから回転テーブル2の軸X−Xに対する格子面の法線の角度偏差εを数秒〜数角度秒の測定時間内に正確に決定することができる。切断面の法線がほぼ結晶の対称軸、たとえば、サファイアの(0001)面における三方晶系軸であるとき、120°に関する反射条件を満たすために、この実施例ではほぼ同一の特性があることから、3組の反射が完全な回転にわたって生じる。
【0032】
回転テーブル2の反復回転によって定期的に反復する態様で反射位置を測定することができるため、有利なことに平均を取ることができ、θ走査などの静的な測定方法に比べて、精度が向上する結果となる。
【0033】
調整デバイスによって基準法方向としての装置の座標系に対する配向、具体的には回転テーブル2の軸X−Xに対する配向を実現することができるように、ジンバル懸架の傾斜軸11、12の周囲の傾斜角は特定のソフトウェアによって決定された格子面の角度から計算される。装置の座標系は、さらに切断デバイスの座標系に対する所定の配向を有する。いずれも、同一方向に向けられることが好ましい。
【0034】
対応する駆動部(図示せず)、たとえば、作動モータまたは圧電アクチュエータなどによって、調整値を手動または自動で調整デバイスに送信することができる。
【0035】
回転テーブル2の軸X−Xに対する単結晶1の配向が実行された後、この配向は調整デバイスによって固定される。
【0036】
必要であれば、記載された測定方法によって固定された配向を再検査し、場合によっては変更することができる。
【0037】
本発明によるデバイスは、特にマルチプルワイヤソーなどの切断デバイスにおける同時切断のために複数の単結晶1を準備するのに適している。単結晶1は製造に関する技術的な理由に関してワイヤソーを最適に満たすのに必要な寸法に通常達していないため、複数の単結晶を共にワイヤソーに入れてワイヤソーの座標系に対して配向するために、互いに対して配向されるように固定することが一般的である。
【0038】
したがって、本発明によれば、複数の単結晶1は積層を形成するために、上下に個別に連続的に位置決めされ、測定され、固定され、続いて必要な積層の高さを実現した後、切断デバイスにおける配向を実現する共通の支持材18に同時に固定するように連結される。
【0039】
回転テーブル2上に位置決めされる一番下の単結晶1のように、さらなる単結晶1のそれぞれは結晶ホルダ3に取付けられ、第1の単結晶1の結晶ホルダ3とは対照的に、底のない内部ホルダフレーム51を有するため、すべてのさらなる単結晶1は既に配向された態様で固定された単結晶1に直に隣接する。
【0040】
単結晶1の積層は、回転テーブル2の軸X−Xに対する基準を形成するために、外部フレーム4を備えた結晶ホルダ3が上下に配置され、互いに固定するように連結されるように行われる。別の結晶ホルダ3が既に配向された態様で固定された単結晶1を有する結晶ホルダ3に配置された後、x線ビーム13が別の単結晶1に向けられるようにx線源14および検出器15がより高い位置に引き上げられてから、格子面の角度、他の単結晶1の配向および固定の決定が、上述した態様で行われる。
【0041】
単結晶1がサファイアまたは炭化ケイ素などの特に硬い結晶材料である場合には、単結晶1間の間隙を充填し、安定した積層を形成にするために、接着剤層19が隣接する単結晶1の間に塗布される。間隙を貫通する切断ワイヤに隣接して走る切断ワイヤのワイヤ張力を変更し、鋸引き中にこのために生じる切断不良をこのようにして防止することができる。
【0042】
必要な接着剤は、配向された態様で既に固定される単結晶1に塗布され、配向された態様でまだ測定または固定されていないさらなる単結晶1は一定の所定の方向でこの接着剤層に配置される。接着剤の硬化時間は、さらなる単結晶1の測定、配向および固定に必要な時間を超えるように選択される。
【0043】
さらなる単結晶1が測定され、配向され、固定された後、接着剤が硬化することができる。しかし、単結晶1のそれぞれがその結晶ホルダ3に固定されるため、さらなる単結晶1の配置、測定、配向および固定中に、硬化もまた行うことができる。
【0044】
共通の支持材18に対する単結晶1の同時連結のために、補助支持材20が、結晶ホルダ3に固締される前に、すべての単結晶でたとえば接着剤によって結晶配向態様に配置される場合が好都合である。その長手方向の伸張部が単結晶1の伸張部を越えないような補助支持材20は単結晶1の外面領域に対応して成形され、成形された部分と反対側のその側面は、支持材に対して十分に広い接着部分を形成する。
【0045】
補助支持材20の適切な構成によって鋸引きを行うことができるとき、前送り方向に決定された結晶軸の配向が望ましいことが多い。接着位置を決定し、印をつけるために、同種のx線測定が回転テーブル2上に単に置かれているだけの単結晶1で行われる。接着は、装置の外側で行われる。
【0046】
さらに、適切なガイド21および接着横材22が外部フレーム4における共通の支持材18に対する単結晶1の同時連結のために設けられる。調整デバイス23は、回転テーブル2の軸X−Xに対して垂直に機能するガイド21によって支持され、列に配置される補助支持材20に対して磁気ストリップ24によって固定される支持材18を軽く押し付ける。内部ホルダフレーム5は、互いに整列し、支持材18もまた補助支持材20に達することができるように、支持材18が貫通するカットアウト(図示せず)を有する。
【0047】
補助支持材20の接着面は一般に互いに対して正確に平行に延在しないため、単結晶1の連結のために用いられる共通の支持材18の面には、接着剤を注入したフォーム状材料が補填されている。接着剤が硬化した後、支持材18の正確な設計のために、単結晶の積層を除去してワイヤソーのレセプタクルの中に入れることができ、その結果結晶格子は切断方向に対して所望の態様で配向される。
【0048】
しかし、また、これまでに、実際に実現される結晶格子の所望の切断方向の配向に関して相互に連結される単結晶1を再検査するために、本発明の実質的な利点を用いることができる。
【0049】
この目的のために、図5によれば、単結晶1を備えた共通の支持材18は、回転テーブル2上に位置し、その案内方向が回転テーブル2の軸X−Xに垂直に延在する直線ガイド25上に配置される。回転軸に対して適切な角度で延在する格子面におけるX線反射が、測定のために選択される。x線ビーム13が、測定対象の単結晶1に向けられ、互いに対するx線源14および検出器15の配向における変化が必要であるような場合には、支持材18が水平方向(矢印方向=積層方向)に移動される。
【0050】
結晶格子に関してすべての単結晶1の調整された切断面が回転テーブル2の軸X−Xに対して平行かつ移動方向に垂直に延在することを測定が示す場合には、結晶を傾斜することなく必要な高い精度で接着が行われる。
【0051】
前述の説明および図面は本発明を説明しているが、本発明の真の精神および範囲を逸脱することなく、種々の変更を行いうることは当業者には明白であろう。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】少なくとも1つの単結晶の配向および配向固定のための本発明による装置を示している。
【図2】複数の単結晶が上下に積層され、共通の支持材に連結される図1による装置を示している。
【図3】支持材を積層された単結晶の複合物中に進める装置を示している。
【図4】格子面の角度を決定するために、本発明において用いられる測定プロセスを示す図である。
【図5】個別の単結晶の配向を検査するために、回転テーブルにおける積層された単結晶の複合物用の設備を示している。
【符号の説明】
【0053】
1 単結晶
2 回転テーブル
3 結晶ホルダ
4 外部フレーム
5 ジンバル懸架式内部ホルダフレーム
6 調整ねじ
7 カウンタスプリング
8 レセプタクル
9 ベース
10 挿入可能な中間ベース
11 傾斜軸
12 傾斜軸
13 x線ビーム
14 x線源
15 検出器
16 垂直に向けられた直線ガイド
17 検出器窓
18 支持材
19 接着剤層
20 補助支持材
21 ガイド
22 接着横材
23 調整デバイス
24 磁気ストリップ
25 直線ガイド
51 内部ホルダフレーム
R 所望の反射
NE 格子面
X−X 回転テーブル2の軸


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの単結晶の測定、配向および固定のための方法であって、
結晶格子の配向を決定するために回転テーブル上で前記単結晶を調整可能に位置決めし、x線反射に基づいて、前記回転テーブルの少なくとも1回転中に前記回転テーブルの軸に対する格子面の法線の角度を決定するステップと、
前記単結晶の固定前に基準方向として機能する前記回転テーブルの軸に対する前記決定された角度に基づいて、前記単結晶の配向を行い、基準方向に配向される支持材における固締を実行するステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記単結晶が、2つの傾斜軸の周りで調整可能であるように前記回転テーブル上に位置決めされ、前記傾斜軸の交差がx線ビームの反射点として機能し、それによって前記回転テーブル上に位置決めされた前記単結晶が回転させられる場合に、その角度を決定するために、反射が前記単結晶の複数の格子面で生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
x線反射が、測定中に前記単結晶の複数の格子面で生成される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記固定された配向が検査され、基準配向から偏差がある場合には配向および固定が再度行われる、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
複数の単結晶が積層を形成するために連続的に上下に位置決めされ、測定され、所定の態様で配向され、固定され、続いて前記積層された単結晶が前記基準方向に配向される前記支持材に同時に固定して連結される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
積層を形成するために上下に配置される前記単結晶が、接着剤によって互いに連結される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
接着剤層が配向された態様で既に固定された単結晶に塗布され、前記単結晶を連結するために、測定、配向および固定の前に積層を形成するために設けられる別の単結晶が前記接着剤層上に配置される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記接着剤の硬化時間が、別の単結晶の測定、配向および固定に必要な時間を超える、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記共通の支持材に連結するために機能する補助支持材が、位置決めの前に各単結晶で結晶配向された態様に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記共通の支持材に連結された前記単結晶が、測定面として機能する元の結晶面に対して略垂直である結晶面で適切なx線反射によって実際に実現される前記結晶格子の配向に対して検査される、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記結晶格子に対する所望の切断方向の配向を検査するために、前記回転テーブルの軸に対して垂直な積層方向で移動可能であるように単結晶の積層が位置決めされ、測定対象の単結晶上に反射点を位置決めすることができる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つの単結晶の測定、配向および固定のための装置であって、
基準方向としての回転テーブル軸(X−X)に対する単結晶の結晶格子を配向し、前記単結晶を配向固定するための調整・固定デバイスを有する少なくとも1つの結晶ホルダ用のレセプタクルを備えた回転テーブルと、
x線源および検出器からなる設備にして、前記回転テーブルに対して垂直に調整可能であり、それによって前記回転テーブル軸(X−X)に対する前記単結晶の前記格子面の法線の角度が前記回転テーブルの少なくとも1回転中に決定され、前記決定された角度を用いて、前記単結晶の前記結晶格子の配向のための前記調整・固定デバイスの調整値を計算する設備と、
配向された態様で固定される少なくとも1つの単結晶を収容するように機能する支持材用の調整デバイスであって、前記回転テーブル軸に対して垂直に向けられるように機能する調整デバイスと、
を備えて成る装置。
【請求項13】
前記結晶ホルダが、単結晶用のジンバル懸架式内部ホルダフレームと、当該内部ホルダフレームに固締される前記単結晶を調整および固定するための第2の調整デバイスと、を備えた外部フレームを備えて成る、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
水平ガイドが、前記外部フレームにおける前記第1の調整デバイス用に設けられる、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記回転テーブル軸(X−X)に垂直に延在する案内方向を有する直線ガイドが、前記回転テーブル上に配向された態様で固定された前記少なくとも1つの単結晶を備えた前記支持材を収容するために設けられる、請求項12に記載の装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−53141(P2006−53141A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−217342(P2005−217342)
【出願日】平成17年7月27日(2005.7.27)
【出願人】(505283337)エーエフゲー エレクトロテヒニッシェ ファブリカチオンス ウント グロースハンデルスゲゼルシャフト エムベーハー (1)
【Fターム(参考)】