説明

少なくとも2つの隣接するガラス要素から成る複合仕切りガラス、および前記複合仕切りガラスを製造するための方法

本発明は、少なくとも1つの縁部セクション(11;21)に従って隣接し、かつ隙間2によって互いに分離されている少なくとも2つのガラス要素(10;20)から成る複合仕切りガラス1に関する。前記仕切りガラスは、第1のガラス要素(10)が、縁部(12)を過ぎて突き出している剛性の輪郭要素(13)の少なくとも一部画の前記縁部の下方に設けられ、第2のガラス要素のための支持を提供していることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縁部の少なくとも一部分に沿って連続的であり、かつ空間によって互いに分離されている少なくとも2つのガラス張り要素から成る、複合グレージングに関する。
【0002】
本発明はまた、開口内および特に車体開口内でのこのような複合グレージングの固定にも関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術において、特に仏国特許出願公開第1227870号から、単体での横方向にパノラマのグレージング、および特に湾曲面の第1の軸の周りに大きな凸度を有し、第1の軸と実質上垂直である湾曲面の第2の軸の周りに極めて小さな凸度を有する横方向にパノラマのフロントガラスを製造することで知られている。この種のグレージングは、円筒形のタイプであり、これらのグレージングは、車両のルーフに向かう湾曲面を実際には備えない。
【0004】
現在、ガラス産業で使用されている凸面作成方法のため、2つの実質上垂直な方向に、2つの凸度を有するグレージングの産業上の実現可能性は、製造を開始する前に特別な研究がなされている。
【0005】
特に、鉛直方向での凸度は、従来型の形成方法が使用されるとき、および他の方向での凸度(内反)が顕著であるとき、30mmを過ぎると困難になる。
【0006】
プレス法では、(30°を超えて)凸度を増加させること、および特に擬球形の形状を作成することが可能であるが、凸度がより顕著になると、光学的品質に関するリスクが大きくなる。したがって、たとえば自動車グレージングの製造など、極めて厳しい基準に適合しなければならないグレージングを、高速で製造するためにこのような方法を実施することは、特に困難である。
【0007】
この複合グレージングを通してパノラマ視界を与えるために、考えられる限り最も薄い横方向車体部材を使用して、主グレージング(フロントガラス)を第2のグレージング(固定されたフロントサイドグレージング)と結合することによって、横方向にパノラマのグレージング、および特に横方向にパノラマのフロントガラスを製造することもまた、従来技術で知られている。
【0008】
しかし、これらの横方向部材は見苦しく、横方向のパノラマ視界を妨げる。
【0009】
長手方向または横断方向車体部材を使用して、主グレージング(フロントガラス)を第2のグレージング(固定されたルーフグレージング)と結合することによって、長手方向にパノラマのグレージングおよび特に特に長手方向にパノラマのフロントガラスを製造することも従来技術で知られている。この点では、仏国特許出願公開第2373432号が、従来技術で知られている。
【0010】
しかし、この長手方向部材もまた見苦しく、フロントガラスと透明なルーフの間で、フロントガラスの上部でのパノラマ視界を妨げる。さらに、2つのグレージングをそれらの接合点で支持するこの横断部材は、前席乗客の頭の高さに位置されており、その大きな幅のため、たくさんの光を吸収し、そのため客室の内部に対する明るさの点での利益は、このような大きなガラス領域に対して期待されることができるほど大きくはない。
【0011】
そのそれぞれのガラス張り要素が、剛性の輪郭材を備え、これらの輪郭材が互いに協働するように意図された、少なくとも2つのガラス張り要素から成る複合グレージングが、米国特許第5784982号からも従来技術で知られている。
【0012】
同様に、これらの輪郭材は、見苦しく、かつパノラマ視界を妨げる。
【0013】
所望の光のすべてを得、客室の内部に増加した空間の印象を与え、直立または横断部材によって与えられる遮りを回避するためには、いくつかの側面、特に少なくとも3つの側面上に同時に折返し、およびしたがって顕著な屈曲部を有する、グレージング、特にフロントガラスを有することが、したがって望ましいように見える。
【0014】
また、凸状のグレージングの作成は、所望の凸度が大きい(特に30°を超える)とき、および特にこの凸度が2つの対向する側面上で望まれるとき、大きな困難を生じさせる。
【0015】
特に、グレージングの光学的品質に関する自動車の基準を遵守するために、横方向パノラマ形状および球形(横方向および長手方向にパノラマ)形状が主に、フロントガラスの高さの減少をもたらし、したがって、ルーフを覆う折返しを防止する。また、逆に、ルーフを覆う折返しを有する長手方向パノラマ形状は、横方向パノラマ折返しに適合しない。
【0016】
現在では、したがって、3つの側面で大いに凸状であり、グレージングの光学的品質に関する自動車基準の要求に適合するグレージングを製造することは、可能ではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、その主面およびその側面および/またはそのルーフを通して極めて高い全体視界を提供する複合グレージングを提案することによって、従来技術の欠点を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
したがって、本発明による複合グレージングは、それぞれの横方向および/または長手方向車体部材のない、横方向におよび/または長手方向にパノラマのフロントガラスを作成することを可能にする。
【0019】
したがって、本発明は、請求項1に記載の複合グレージングに、その最も広い意味で関する。
【0020】
このグレージングは、縁部の少なくとも一部分に沿って連続し、かつ空間によって互いに分離されている少なくとも2つのガラス張り要素から成り、第1のガラス張り要素は、前記縁部を越えて突き出し、かつ第2のガラス張り要素のための支持部を形成している剛性の輪郭材の少なくとも一部分を一方の側面の下に備える。
【0021】
本発明の文脈では、「縁部の部分」という用語は、縁部の長さおよび/または高さに沿った部分を称する。実際には、グレージングが連続的であることが重要である。
【0022】
本発明の文脈では、「ガラス張り要素」という用語は、いずれかの無機物(特にガラス)または有機物(プラスチック)のモノリシックグレージング、または互いに組立てられたいくつかの無機物および/または有機物のシートから成るいずれかのグレージングを称する。これらのガラス張り要素は、平坦であっても、または2つの実質上垂直な軸の周りの二重凸部を含む凸状であってもよい。これらのガラス張り要素は、少なくとも部分的に透明であり、熱および/または遮音特性および/または熱的または電気的に可変である透明性機能を有することができる、および/または加熱されることができる、および/または装飾、特にエナメル加工されたものを担持することができる、および/または機能性または装飾性の層を有することができる。
【0023】
自動車分野での本発明の適用例について、各ガラス張り要素は、車両に対するその位置に応じてそれに適用可能な基準に対応している。
【0024】
本発明による複合グレージングの内部では、ガラス張り要素が異なる性質であってよいことを理解することはここでは重要である。第1のガラス張り要素は、たとえば、たとえば凸状でありかつ熱強化されたモノリシックガラスのシートであってよく、第2のガラス張り要素は、たとえば、プラスチック、たとえばポリビニルブチラール(PVB)製の中間シートによって互いに組立てられた、たとえば凸状(二重凸を含む)の、2つのガラスのシートから成る積層グレージングであってよい。
【0025】
第1のガラス張り要素および第2のガラス張り要素が同じ厚さを有する必要はないことを、理解することも重要である。
【0026】
2つの連続するガラス張り要素の間の空間が、ガラス張り要素の起こり得る寸法偏差、およびガラス張り要素の隣接する縁部の異なる向きを補償することを可能にするために必要である。
【0027】
この空間は、連続するガラス張り要素の縁部の間の距離に応じて、三角形の、または平行六面体形状でさえもある断面を有してもよい。
【0028】
剛性の輪郭材の一部分と結合された面に対向するガラス張り要素の外面は、特に美観および水密の理由で、好ましくは同じ湾曲面全体に沿って位置合わせされるが、このことは本質的ではない。
【0029】
さらに、ガラス張り要素が平坦ではなく、輪郭材の一部分に備えられた縁部に沿って凸状である場合、輪郭材のこの部分は好ましくは、第1または第2のガラス張り要素であっても、ガラス張り要素の側面と同じ曲率を有する実質上凸状である。
【0030】
本発明によると、一方での第1のガラス張り要素と、他方での第2のガラス張り要素の間の横方向接合点が、剛性の輪郭材の単一の部分を使用して作成される。この輪郭材の剛性は、この輪郭材が手によって変形可能でないようにされている。
【0031】
また、本発明によると、剛性の輪郭材上の第2のガラス張り要素の支持部は、第1のガラス張り要素または輪郭材を損傷するというリスクなしで、第2のガラス張り要素の輪郭材への脱着可能な固定を可能にするが、一方、第1のガラス張り要素への輪郭材の固定は、第1のガラス張り要素に、または輪郭材に対する損傷のリスクなしで脱着されることができない。
【0032】
ガラス張り要素の輪郭材への糊着は、複合グレージングの様々な構成要素の間での接続部の必要な水密性を確実にすることを可能にする。
【0033】
第2のガラス張り要素の輪郭材への固定が脱着可能であるとき、第2のガラス張り要素が損傷された場合、他のガラス張り要素または複数のガラス張り要素を交換する必要なしで交換されることができる。逆に、第2のガラス張り要素の輪郭材への固定が脱着可能でないとき、第2のガラス張り要素が損傷されたとき、複合グレージング全体が交換されなければならない。
【0034】
しかし、作成される支持部は、必ずしもすべてがガラス張り要素の連続する側面に沿って存在しなくてよい。輪郭材は、ガラス張り要素の連続する側面に沿って1回または複数回、部分的にまたは全体的に遮られてもよい。
【0035】
前記輪郭材は好ましくは、T字またはY字形状の、またはh字の断面を有する。この輪郭材はしかし、輪郭材の美観を改善するために曲げられた、平坦でない面、および特に自由な面(ガラス張り要素の表面と接触していない面)を有する。
【0036】
輪郭材はまた、単純なストリップ形状の、すなわち、2つのフランジから成る断面を有する。これは、第2のガラス張り要素の固定に関連する屈曲力を吸収することが可能でなければならず、かつ接続機能に関連する他の機械的応力を吸収することが可能でなければならない。
【0037】
本発明の複合グレージングの変形形態では、したがって、T字またはY字の枝部が好ましくはガラス張り要素の側面の下に配置され、T字またはY字の幹部が、ガラス張り要素の間の空間内に配置される。
【0038】
T字またはY字の一方の枝部は、他方よりも厚くてもよく、この厚いほうの枝部が、好ましくは前記第1のガラス張り要素の側面の下に配置される。
【0039】
本発明による複合グレージングの別の変形形態では、h字の平行な枝部が、第1のガラス張り要素の側面の下に配置され、h字の幹部が第2のガラス張り要素の側面の下に配置される。
【0040】
内部と外部の両方からの光透過性を増加させるために、前記輪郭材が、あるバージョンでは、少なくとも部分的に透明である。このバージョンでは、たとえば、これはプラスチック製またはガラス製であってもよい。ガラス張り要素の縁部を少なくとも部分的に隠しながら、それを通るある光透過性を保持するために、ガラス張り要素よりも透明でない材料から、輪郭材を作製することが可能である。
【0041】
プラスチック材料はまた、ガラス繊維および樹脂をベースにした、複合材料であってもよい。輪郭材がガラス製またはプラスチック製であるとき、透明、半透明または不透明でさえあってもよい。
【0042】
別のバージョンでは、前記輪郭材は、金属製または金属合金製であり、その後第1のガラス張り要素に糊着される。そのときこれは、できる限り小さい幅および厚さを有する。
【0043】
第1のガラス張り要素が、プラスチック製、またはガラス製でさえもあるとき、第1のガラス張り要素の成形中に直接輪郭材を成形することが可能である。
【0044】
しかし、これがガラス製であるとき、輪郭材が金属または金属合金製であるときのように、輪郭材を第1のガラス張り要素に糊着することがむしろ好ましいであろう。
【0045】
本発明の変形形態、横方向パノラマの変形形態では、前記第1のガラス張り要素が、少なくとも車両の部分的なルーフ要素であり、かつ前記第2のガラス張り要素が、フロントガラス、特に横方向および/または長手方向に曲げられたフロントガラスである。
【0046】
本発明の文脈では、「横方向および/または長手方向に曲げられたフロントガラス」という用語は、従来技術で使用される凸度作成方法で製造されたものなど、二重の凸度を有するフロントガラスを称する。
【0047】
この変形形態では、前記第1のガラス張り要素は、第2のガラス張り要素と平らではない角度で、輪郭材の近傍で好ましくは方向付けられており、および好ましくは、170°未満、または160°未満でさえもある角度で方向付けられてさえもいる。
【0048】
本発明の別の変形形態、長手方向にパノラマのバージョンでは、前記第1のガラス張り要素が、少なくとも車体の部分的なサイドグレージング要素であり、前記第2のガラス張り要素が、フロントガラス、特に横方向および/または長手方向に曲げられたフロントガラスである。
【0049】
この変形形態では、複合グレージングが、フロントガラス、特に横方向および/または長手方向に曲げられたフロントガラスから成る少なくとも1つの第2のガラス張り要素と、車両の少なくとも部分的なサイドグレージング要素、左側のものおよび右側のものをそれぞれ構成する2つの第1のガラス張り要素とを備える。
【0050】
本発明の別の変形形態、横方向および長手方向にパノラマのバージョンでは、複合グレージングが、フロントガラス、特に横方向および/または長手方向に曲げられたフロントガラスから成る少なくとも1つの第2のガラス張り要素と、車両の少なくとも部分的なサイドグレージング要素をそれぞれ構成する2つの第1のガラス張り要素と、車両の少なくとも部分的なルーフ要素とを構成する第1のガラス張り要素とを備える。
【0051】
単に横方向にパノラマの変形形態では、または横方向および長手方向にパノラマの変形形態では、前記第1のガラス張り要素が、前記第2のガラス張り要素と平らではない角度α、α’で輪郭材の近傍に好ましくは方向付けられ、かつ120°に近い角度α、α’で好ましくは方向付けられている。
【0052】
さらに、本発明のよる複合グレージングは、第2のガラス張り要素と前記第1のガラス張り要素の間に配置されたシールを好ましくは備え、このシールは、前記輪郭材と少なくとも部分的に重なり、かつ少なくとも部分的に透明であることができる。
【0053】
本発明による剛性の輪郭材は、75mm未満の、または50mm未満でさえもある、特に40から40mmオーダー、またはそれ未満でさえもある、たとえば30mmのオーダーの全幅を好ましくは有する。この幅はまた、ガラス張り要素または複数のガラス張り要素の厚さの2または3倍のオーダーであってもよい。
【0054】
本発明はまた、本発明による複合グレージングのためにこのガラス張り要素の縁部を越えて突き出している剛性の輪郭材の一部分を1つの縁部上に備える第1のガラス張り要素に関する。
【0055】
変形形態では、この輪郭材は、実質上T字またはY字の形状の断面を好ましくは有し、T字またはY字の一方の枝部は、第1のガラス張り要素の側面の下に配置され、かつT字またはY字の幹部は、T字またはY字の幹部がしたがって、第1のガラス張り要素の縁部を越えて突き出し、第2のガラス張り要素を受けるための支持表面を作成することを可能にするようにして、第1のガラス張り要素の縁部に隣接して配置される。
【0056】
本発明の一バージョンでは、T字の枝部の間の角度は平らではなく、好ましくは170°未満、または160°未満でさえもある。
【0057】
本発明の別のバージョンでは、Y字の枝部の間の角度は平らではなく、好ましくは120°に近い。
【0058】
別の変形形態では、輪郭材は、実質上h字の形状の断面を有し、h字の平行な枝部が、この第1のガラス張り要素の側部の下にかつそれを覆って配置されている。
【0059】
本発明はまた、複合グレージングを作成する方法に関し、このグレージングは、縁部の少なくとも一部分に沿って連続し、かつ空間によって互いに分離されている少なくとも2つのガラス張り要素によって構成されており、第1のガラス張り要素が、前記縁部を越えて突き出して、第2のガラス張り要素のための支持部を形成している剛性の輪郭材の一部分を一方の縁部上に備え、第2のガラス張り要素のための支持を形成していること、および第2のガラス張り要素がそのとき前記輪郭材上に配置される、すなわちこの輪郭材を支持することを特徴とする。
【0060】
本発明によると、第1のガラス張り要素は、組立てジグ内で第2のガラス張り要素の前に配置される、かつ/または第1のガラス張り要素は、開口内、特に車体開口内に第2のガラス張り要素の前に配置される。
【0061】
剛性の輪郭材のこの部分は、前記第1のガラス張り要素に対する押出し成形によって、または前記第1のガラス張り要素に対する封入によって、事前に好ましくは製造される。これはまた、糊のストリップによって前記第1のガラス張り要素に事前に糊着されてもよい。
【0062】
第2のガラス張り要素は、糊のストリップによって前記輪郭材に好ましくは糊着される。
【0063】
さらに、シールが、第2のガラス張り要素と前記第1のガラス張り要素の間に好ましくは配置され、このシールが前記輪郭材に少なくとも部分的に重なる。
【0064】
有利には、本発明はしたがって、単体で作成されることができないガラス構造、特に、少なくとも光学的品質を劣化させることなく凸度を作成する現在の方法によって得られることができない、グレージングおよび特に自動車グレージングを作成することを可能にする。
【0065】
また、これも有利なことに、本発明は、従来技術の複合グレージングと実質上同じくらい良好な機械的強度を有するが、ガラス張り要素の間のその接合部が、より目立たず、かつより低い光度損失を生じさせる複合グレージングを作成することを可能にする。
【0066】
本発明は、車両用、および特に自動車用のグレージングの作成にもちろん適用可能であるが、それに限定されない。
【0067】
本発明の横方向パノラマの変形形態はしたがって、好ましくは鋭角であるが、直角または鈍角でさえもある角度で、しかし横方向車体部材の存在を必要としない、車両前部座席に向かって戻るガラス張りの側部要素と結合された、おそらくすでに凸状または二重凸状であるフロントガラスを作成することを可能にする。
【0068】
したがって、本発明の長手方向にパノラマのバージョンは、その上側ガラス張り要素が、車両のルーフを覆って少なくとも部分的にまたは完全に延びるが、しかし少なくとも部分的なルーフ要素とガラス張りのフロントガラス要素自体との間の接合点で横断方向車体部材の存在を必要としない、おそらくすでに凸状または二重凸状であるフロントガラスを作成することを可能にする。
【0069】
したがって、本発明の横方向および長手方向にパノラマの変形形態は、前の2つの変形形態の利点を組み合わせたフロントガラスを作成することを可能にする。
【0070】
本発明は、実施形態の限定されない例についての以下の詳細な説明および添付の図面を読めばより良く理解されよう。
【0071】
図示された様々な要素の間の比率は、それらを読むことをより容易にするために厳密にこれらの図面で遵守されていないことが、述べられる。特に、図5では、ガラス張り要素と第2のガラス張り要素の湾曲面の間の空間が、本発明を理解することをより容易にするために、意図的に増加されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0072】
本発明は、たとえば図1から3に示されているような2つのガラス張り要素(10、20)から、またはたとえば図4に示されているような3つのガラス張り要素(30、30’、20)、またはたとえば図6に示されているような4つのガラス張り要素(10、30、30’、20)からさえも成る複合グレージング(1)を作成することに基づいている。
【0073】
図1から3に示されている変形形態では、前記第1のガラス張り要素(10)は、少なくとも部分的な車両ルーフ要素であり、かつ第2のガラス張り要素(20)は、フロントガラスである。
【0074】
これらの変形形態では、第1のガラス張り要素(10)および第2のガラス張り要素(20)は、縁部(11、21)の少なくとも一部分の沿ってそれぞれ連続しており、かつ平行六面体の断面形状を有する2、3ミリメートルから約10ミリメートルのオーダーの空間(2)によって、互いから分離されている。
【0075】
ガラス張り要素(10、20)は、同じ厚さを有し、かつ第2のガラス張り要素(20)の外面(25)が、第1のガラス張り要素(10)の外面(15)と連続するようにして、および第2のガラス張り要素(20)の内面(26)が、第1のガラス張り要素(10)の内面(16)と連続するようにして複合グレージング(1)内にここでは配置されている。
【0076】
本発明によると、第1のガラス張り要素(10)は、側面(12)の下に設けられ、剛性の輪郭材(13)の少なくとも一部分が、前記縁部を越えて突き出して、第2のガラス張り要素(20)のための、およびより正確には、第2のガラス張り要素(20)の側面(22)のための支持部を形成している。
【0077】
第2のガラス張り要素(20)が第1のガラス張り要素(10)のと連続的であり、かつ側面(22、12)の近傍にあるガラス張り要素の曲率が極めて低いため、第1のガラス張り要素(10)が、輪郭材(13)の近傍で、前記第2のガラス張り要素(20)に対して実質上平らな角度で方向付けられる、すなわち、側面(22、12)の近傍で、ガラス張り要素(20、10)の平均平面が融合する。
【0078】
図1に示されている変形形態では、輪郭材(13)が、第1のガラス張り要素の内面(16)上だけに、強力な糊(5)の極めて薄いストリップを用いて、第1のガラス張り要素(10)に糊着されるが、縁部(11)に糊着されることも可能である。
【0079】
図2に示されている変形形態では、糊のストリップを使用せず、グレージング上のプラスチック材料の押出し成形で常にそうであるように、グレージングの表面を必要に応じて事前に調製することによって、輪郭材(13)が第1のガラス張り要素(10)の内面(16)および縁部(11)に対して押出し成形される。
【0080】
これら2つの変形形態では、輪郭材(13)は実質上、ここでは逆位置に、より正確には上下逆位置に配置されたT字の形状の断面を有する。
【0081】
複合グレージングの製造中、第2のガラス張り要素(20)が第1のガラス張り要素(10)を支持しようとする前に、輪郭材(13)が、T字の幹部が空間(2)内に、すなわちガラス張り要素(10、20)の間に次に配置されるように、縁部(11)と連続して配置され、かつTの一方の枝部が、第1のガラス張り要素(10)の側面(12)の下に、およびこの場合より正確には、縁部(11)の内側面の下に配置され、ガラス張り要素(10)の内面(16)に対して延びる。
【0082】
複合グレージング(1)が製造されるとき、第2のガラス張り要素(20)の側面(22)が次に、T字の第2の枝部上に配置され、かつT字の第2の枝部が次に、縁部(21)の下側側面の下に、第2のガラス張り要素(20)の内面(26)から2、3ミリメートルの距離に配置される。
【0083】
T字の第2の枝部と内面(26)の間のこの距離は、本発明による複合グレージングを形成するための2つのガラス張り要素の組立て中、第2のガラス張り要素(20)の輪郭材(13)への、およびしたがって第1のガラス張り要素(10)への糊着のための糊のストリップ(4)の位置決めを可能にする。この第2の枝部の自由端はさらに、糊のストリップ(4)の位置決めを容易にするために、第2のガラス張り要素へ向かって戻るようにわずかに曲げられてもよい。
【0084】
図1および2に示されている変形形態では、T字の一方の枝部が他方よりも厚い、これは、T字の第1の枝部であり、第1のガラス張り要素(10)の側面(12)の下に配置されているものである。この厚さは、一方では、T字の第2の枝部と内面(26)の間の距離を補償して、糊のストリップ(4)の位置決めを可能にし、かつ他方では、T字の第1の枝部を補強する。
【0085】
図1に示されている変形形態では、輪郭材(13)は鋼製であり、かつたとえば成形、共有押出し成形などによって作成されたプラスチックで被覆されている。
【0086】
図2に示されている変形形態では、輪郭材(13)は、たとえば熱可塑性エラストマー(TPE)または熱可塑性オレフィン(TPO)などの押出し成形で使用されることができるプラスチック製である。
【0087】
図3に示されている変形形態では、輪郭材(13)は、たとえば、熱可塑化、PU−RIM(ポリウレタン反応射出成形)またはEPDMなどの封入成形によって使用されることができるプラスチック製である。
【0088】
この変形形態では、輪郭材(13)は、その幹部に沿って横たわるようにこの場合配置された、h型の形状の断面を実質上有する。
【0089】
h字の平行な枝部が、グレージングの側面の組立体を装着するようにして、すなわち、第1のガラス張り要素の内側面、縁部および外側面との両方と接触するようにして、第1のガラス張り要素(10)の側面の下にかつそれを覆って配置される。
【0090】
補強要素(18)が、剛性を増加させるために、封入された輪郭材の内部に設けられることができる。
【0091】
第2のガラス張り要素(20)の内側面(22)がこのようにして、h字の自由な幹部上に配置される。
【0092】
これらの変形形態のすべてにおいて、グレージング上への異常な圧力が、輪郭材の塑性変形(力の中断の後その初期位置に戻る弾性変形に対抗して)を生じさせない。
【0093】
輪郭材(13)は、40から45mmのオーダーの全幅Lを有する。
【0094】
図1に示されている変形形態では、この輪郭材(13)が、成形、押出し成形によって製造された、または組立てによって単純に追加されたシール(17)で覆われている。このシール(17)は、縁部(11、21)の部分の間の、または輪郭材の面と縁部の隣接する部分の間でさえもある、残存空間を充填する。
【0095】
図1に示されている変形形態は様々な方式で製造されることができる。すなわち、
単一の位置決め動作で車体開口内に全体として配置されることができる複合グレージング(1)を得るために、輪郭材(13)と嵌合された第1のガラス張り要素(10)を第2のガラス張り要素(20)を固定するためのジグ内に配置し、次に、第2のガラス張り要素(20)をジグ内に配置し、次に、第2のガラス張り要素(20)をジグ内の、輪郭材(13)に固定すること、
または、車体開口を完全に充填する複合グレージング(1)を得るために、輪郭材(13)と嵌合された第1のガラス張り要素(10)を車体開口内に配置し固定し、次に、第2のガラス張り要素(20)を車体開口内に配置し、次に、第2のガラス張り要素(20)を輪郭材(13)に、および車体に固定することのいずれかによって、
様々な方式で製造されることができる。
【0096】
図4に示されている変形形態では、2つのガラス張り要素(30、30’)が、縁部(31、31’)の一部分に沿って別のガラス張り要素(20)と、それぞれその縁部(21、21’)の一部分に沿って、それぞれ連続している。
【0097】
この変形形態では、前記第1のガラス張り要素(30、30’)がそれぞれ、車両のフロントサイドグレージング要素を構成し、かつ第2のガラス張り要素(20)が、二重の凸状フロントガラスである。
【0098】
2つのガラス張り要素(30、30’)はもちろん、好ましくは同一であり、かつフロントガラス(20)の両側に位置され、かつ、車両の前方への運動の方向に対して右側および左側の、フロントサイドグレージングをそれぞれ構成している。これらのガラス張り要素(30、30’)は、フロントガラスの中心軸に対して対称的に配置され、かつもちろん、車両の開口を閉鎖するために対称的に配置されるように意図されている。ガラス張り要素(30、30’)はこの場合、フロントガラスの高さと実質上の同一の高さを有する。
【0099】
図5では、第1のガラス張り要素(30)および第2のガラス張り要素(20)がそれぞれ、縁部(31、21)の一部分に沿って連続しており、かつ断面が平行六面体であり、2、3ミリメートルの幅である空間(3)によって互いに分離されており、かつ第1のガラス張り要素(30’)および第2のガラス張り要素(20)がそれぞれ、縁部(31’、21’)の一部分に沿って連続しており、かつこれも断面が平行六面体であり、2、3ミリメートルの幅である空間(3’)によって互いに分離されていることを見ることができる。
【0100】
ガラス張り要素(30、30’)の両方は同じ厚さを有し、両方とも第2のガラス張り要素(20)よりも厚い。
【0101】
複合グレージング(1)内で、第2のガラス張り要素(20)の外面(25)が、第1のガラス張り要素(30、30’)の外面(35、35’)と厳密には連続していないこと、および第2のガラス張り要素(20)の内面(26)が、第1のガラス張り要素(30、30’)の内面(36、36’)と厳密には連続していないことが、図5で見ることができる。
【0102】
本発明によると、2つの第1のガラス張り要素(30、30’)はそれぞれ、図3で見ることができるように、ガラス張り要素の縁部を越えて突き出しており、第2のガラス張り要素(20)のための支持部を形成している剛性の輪郭材(33、33’)の少なくとも一部分を、側面(32、32’)の下に備える。
【0103】
輪郭材(33、33’)はまた、ガラス張り要素の製造公差を吸収することを可能にする。
【0104】
これらの輪郭材(33、33’)は、第1のガラス張り要素(30、30’)の縁部(31、31’)および内側面(32、32’)に対するプラスチックの封入によって作成されている。
【0105】
輪郭材(33、33’)のそれぞれは、Y字型の断面形状を実質上有する。これらの輪郭材は、同一であるが、いったん複合グレージングが車体開口内に設置されたあと、フロントガラス(20)の、および車両の長手方向の対称平面に対して対称的に配置される。
【0106】
Y字の幹部が、空間(3、3’)内に配置され、かつY字の第1の枝部が、第1のガラス張り要素(30、30’)の側面(32、32’)の下に、およびより正確にはこの場合、縁部(31、31’)の内側面の下に配置され、ガラス張り要素(30、30’)の内面(36、36’)に対して延びている。
【0107】
Y字の第2の枝部が、第2のガラス張り要素(20)の側面の下に、およびより正確には、ガラス張り要素(20)の縁部(21、21’)の内側面の下にそれぞれ配置される。
【0108】
この変形形態では、ガラス張り要素間の協働は、Yの第2の枝部の自由端が、第2のガラス張り要素の支持部に対する止めを構成するために、第2のガラス張り要素へ向かって戻るように強く曲げられていることを除いて、前に説明されたものと同一である。
【0109】
特に、第2のガラス張り要素(20)が、糊のストリップ(4、4’)を使用して輪郭材(30、30’)にそれぞれ糊着される。
【0110】
各輪郭材(33、33’)の近傍で、第1のガラス張り要素(30、30’)が、前記第2のガラス張り要素(20)に対して平らではない角度α、α’で方向付けられている。角度α、α’はこの場合、120°に近い。
【0111】
図4および5に示されている変形形態は、
単一の位置決め動作で車体開口内に全体として配置されることができる複合グレージング(1)を得るために、輪郭材(33、33’)とそれぞれ嵌合された第1のガラス張り要素(30、30’)を第2のガラス張り要素(20)を固定するためのジグ内に配置し、次に、第2のガラス張り要素(20)をジグ内に配置し、第2のガラス張り要素(20)をジグ内の輪郭材(33、33’)に固定すること、
または、車体開口を完全に充填する複合グレージング(1)を得るために、輪郭材(33、33’)とそれぞれ嵌合された第1のガラス張り要素(30、30’)を車体開口内に配置し固定し、次に、第2のガラス張り要素(20)を車体開口内に配置し、次に、第2のガラス張り要素(20)を輪郭材(33、33’)とおよび車体と固定することのいずれかによって、
様々な方式で製造されることができる。
【0112】
図6に示されている変形形態は、図1および4にそれぞれ示されている変形形態を組み合わせた実施形態に対応する。
【0113】
この図6では、2つのフロントサイドガラス張り要素(30、30’)が両方、フロントガラス(20)、および少なくとも部分的なガラス張りのルーフ要素(10)と連続している。グレージング(10、20)は、図1に示されているように空間(2)によって互いに分離されている。図3に示されているように、ガラス張り要素(30、20)は空間(3)によって互いに分離され、かつガラス張り要素(30’、20)は空間(3’)によって互いに分離されている。
【0114】
この変形形態では、フロントサイドガラス張り要素(30、30’)および少なくとも部分的なガラス張りのルーフ要素(10)の接続部もまた、本発明による接続部である。しかし、このことは厳密に必須ではなく、フロントサイドガラス張り要素(30、30’)と少なくとも部分的なガラス張りのルーフ要素(10)との間に従来型の車体部材を設けることが可能である。
【0115】
図6に示されている変形形態は、前の変形形態の製造方法を組み合わせることによっても製造される。これらの前の変形形態に関して、ジグ内での複合グレージングの完全な作成およびその後でのこのグレージングの開口内への配置、または第1のガラス張り要素の開口内への固定およびその後での第2のガラス張り要素の開口内への固定の間で選択することが可能である。
【0116】
混合された固定を作成すること、すなわち、1つまたは複数の第1のガラス張り要素をジグ内の第2のガラス張り要素に固定し、さらに第2のガラス張り要素の開口内への固定の前に1つまたは複数の第1のガラス張り要素の開口内へ固定することも可能である。
【0117】
本発明は、一例として上記で説明されている。当業者が特許請求の範囲によって定義されるような本発明の範囲から逸脱してそれを行うことによってではなく、本発明の様々な変形形態を作成することができることが、理解される。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の変形形態によって作成された長手方向パノラマフロントガラスのための、フロントガラスと車両ルーフの一部分との間の接続部の鉛直長手方向断面図である。
【図2】本発明の変形形態によって作成された長手方向パノラマフロントガラスのための、フロントガラスと車両ルーフの一部分との間の接続部の鉛直長手方向断面図である。
【図3】本発明の変形形態によって作成された長手方向パノラマフロントガラスのための、フロントガラスと車両ルーフの一部分との間の接続部の鉛直長手方向断面図である。
【図4】本発明によって作成された横方向パノラマフロントガラスの正面図である。
【図5】図4の水平方向断面図AA’を示す図である。
【図6】本発明によって作成された横方向および長手方向パノラマフロントガラスの正面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縁部(11、31、31’;21)の少なくとも一部分に沿って連続し、かつ空間(2、3、3’)によって互いに離隔されている少なくとも2つのガラス張り要素(10、30、30’;20)を備える複合グレージング(1)であって、第1のガラス張り要素(10、30、30’)が、前記縁部を越えて突き出し、かつ第2のガラス張り要素(20)のための支持部を形成している剛性の輪郭材(13、33、33’)の少なくとも一部分を、側面(12、32、32’)の下に備えることを特徴とする、複合グレージング(1)。
【請求項2】
前記輪郭材(13、33、33’)が、T字のまたはY字のまたはh字の形状の断面を実質上有することを特徴とする、請求項1に記載の複合グレージング(1)。
【請求項3】
T字またはY字の枝部が、ガラス張り要素(10、20、30、30’)の側面(12、22、32、32’)の下に配置され、かつT字またはY字の幹部が、空間(2、3、3’)内に配置されることを特徴とする、請求項2に記載の複合グレージング(1)。
【請求項4】
T字またはY字の一方の枝部が、他方よりも厚く、この枝部が、前記第1のガラス張り要素(10、30、30’)の側面(12、32、32’)の下に配置されることを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の複合グレージング(1)。
【請求項5】
h字の平行な枝部が、第1のガラス張り要素(10、30、30’)の側面の下にかつそれを覆って配置され、h字の幹部が第2のガラス張り要素(20)の側面(22)の下に配置されることを特徴とする、請求項2に記載の複合グレージング(1)。
【請求項6】
前記輪郭材(13、33、33’)が、少なくとも部分的に透明であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の複合グレージング(1)。
【請求項7】
前記輪郭材(13、33、33’)が、プラスチック製またはガラス製であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の複合グレージング(1)。
【請求項8】
前記輪郭材(13、33、33’)が、金属製または金属合金製であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の複合グレージング(1)。
【請求項9】
前記第1のガラス張り要素(10)が、少なくとも部分的なルーフ要素であり、かつ第2のガラス張り要素(20)が、フロントガラス、特に横方向および/または長手方向に曲げられたフロントガラスであることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の複合グレージング(1)。
【請求項10】
前記第1のガラス張り要素(10)が、前記第2のガラス張り要素(20)と平らではない角度で、輪郭材(13)の近傍で方向付けられ、かつ170°未満、または160°未満でさえもある角度で好ましくは方向付けられていることを特徴とする、請求項9に記載の複合グレージング(1)。
【請求項11】
前記第1のガラス張り要素(30、30’)が、車両の少なくとも部分的なサイドグレージングであり、かつ第2のガラス張り要素(20)が、フロントガラス、特に横方向および/または長手方向に曲げられたフロントガラスであることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の複合グレージング(1)。
【請求項12】
フロントガラス、特に横方向および/または長手方向に曲げられたフロントガラスから成る少なくとも1つの第2のガラス張り要素(20)と、車両の少なくとも部分的なサイドグレージングをそれぞれ構成する2つの第1のガラス張り要素(30、30’)とを備える、請求項11に記載の複合グレージング(1)。
【請求項13】
フロントガラス、特に横方向および/または長手方向に曲げられたフロントガラスから成る少なくとも1つの第2のガラス張り要素(20)と、車両の少なくとも部分的なサイドグレージングをそれぞれ構成する2つの第1のガラス張り要素(30、30’)と、車両の少なくとも部分的なルーフ要素を構成する第1のガラス張り要素(10)とを備える、請求項12に記載の複合グレージング(1)。
【請求項14】
前記第1のガラス張り要素(30、30’)が、前記第2のガラス張り要素(20)と平らではない角度α、α’で輪郭材(33、33’)の近傍に方向付けられ、かつ120°に近い角度α、α’で好ましくは方向付けられていることを特徴とする、請求項11から13の一項に記載の複合グレージング(1)。
【請求項15】
第2のガラス張り要素(20)と前記第1のガラス張り要素(10、30、30’)の間に配置されたシール(17)を備え、このシールが、前記輪郭材(13、33、33’)と少なくとも部分的に重なっていることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の複合グレージング(1)。
【請求項16】
前記剛性の輪郭材(13、33、33’)が、75mm未満の、または50mm未満でさえもある、特に40から45mmオーダー、またはそれ未満でさえもある、たとえば30mmのオーダーの全幅Lを有することを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の複合グレージング(1)。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか一項に記載のような複合グレージング(1)のために縁部(11,31、31’)を越えて突き出している剛性の輪郭材(13、33、33’)の少なくとも一部分を一方の側面(12、32、32’)内に備える第1のガラス張り要素(10、30、30’)。
【請求項18】
前記輪郭材(13、33、33’)が、T字のまたはY字の形状の断面を実質上有し、かつT字またはY字の1つの枝部が、第1のガラス張り要素(10、30、33’)の側面(12、32、32’)の下に配置され、かつT字またはY字の幹部が、その第1のガラス張り要素の縁部(11、31、31’)に隣接して配置されていることを特徴とする、請求項17に記載の第1のガラス張り要素(10、30、33’)。
【請求項19】
T字の枝部の間の角度が、平坦ではなく、好ましくは170°未満、または160°未満でさえもあることを特徴とする、請求項18に記載の第1のガラス張り要素(10)。
【請求項20】
Y字の枝部の間の角度が、平坦ではなく、好ましくは120°に近いことを特徴とする、請求項17に記載の第1のガラス張り要素(30、30’)。
【請求項21】
前記輪郭材(13、33、33’)が、h字の形状の断面を実質上有し、かつhの平行する枝部が、第1のガラス張り要素(10、、30、30’)の側面の下にそれを覆って配置されていることを特徴とする、請求項17に記載の第1のガラス張り要素(10、30、33’)。
【請求項22】
複合グレージング(1)を作成する方法であって、このグレージングが、縁部(11、31、31’;21)の少なくとも一部分に沿って連続し、かつ空間(2、3、3’)によって互いに分離されている2つのガラス張り要素(10、30、30’;20)によって構成されており、第1のガラス張り要素(10、30、30’)が、前記縁部を越えて突き出して、第2のガラス張り要素(20)のための支持部を形成している剛性の輪郭材(13、33、33’)の一部分を一方の側面(12、32、32’)上に備えること、および第2のガラス張り要素(20)が、そのとき前記輪郭材(13、33、33’)上に配置されることを特徴とする、方法。
【請求項23】
第1のガラス張り要素(10、30、30’)が、組立てジグ内で第2のガラス張り要素(20)の前に配置されることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
第1のガラス張り要素(10、30、30’)が、開口内、特に車体開口内に第2のガラス張り要素(20)の前に配置されることを特徴とする、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
第2のガラス張り要素(20)が、糊のストリップ(4、4’)によって前記輪郭材(13、33、33’)に糊着されることを特徴とする、請求項22から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記剛性の輪郭材(13、33、33’)の一部分が、前記第1のガラス張り要素(10、30、30’)に対して押出し成形することによって事前に製造されることを特徴とする、請求項22から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記剛性の輪郭材(13、33、33’)の一部分が、前記第1のガラス張り要素(10、30、30’)に対して封入することによって事前に製造されることを特徴とする、請求項22から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記剛性の輪郭材(13、33、33’)の一部分が、事前に製造され、かつ糊のストリップ(5)によって前記第1のガラス張り要素(10、30、30’)に事前に糊着されることを特徴とする、請求項22から24のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−522901(P2008−522901A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−546137(P2007−546137)
【出願日】平成17年12月9日(2005.12.9)
【国際出願番号】PCT/FR2005/051065
【国際公開番号】WO2006/064153
【国際公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(500374146)サン−ゴバン グラス フランス (388)
【Fターム(参考)】