説明

局所処方物

本発明は、経皮投与のために処方された少なくとも1つの抗甲状腺薬物を含む組成物および関連する治療方法に関する。この処方物は経皮投与に向くように処方されるので、動物に経口投与する既存の処方物よりも、投与が容易である。経口投与の場合に生じる問題は、経皮投与によって解決され、これにより薬剤は安定なまま保存され、高い効力を維持させることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の記載)
本出願は、ニュージーランド国特許出願番号第552816号に関連して出願された仮出願明細書に基づくものであり、その内容全体は、本明細書に参考として組み込まれる。
【0002】
本発明は、局所処方物に関する。より特定的には、本発明は、抗甲状腺薬物を投与するための、局所的に適用される処方物に関する。
【背景技術】
【0003】
甲状腺の良性過形成の結果生じる、甲状腺機能高進症、高齢のネコではきわめて一般的な状態であり(Feldman and Nelson、1996)、ネコの最も一般的な内分泌障害であるとされている(Buijtelsら、2006)。
【0004】
甲状腺機能高進症を患うネコの平均年齢は、12歳から13歳である。甲状腺機能高進症の最も一般的な現象は、食欲が増すにもかかわらず、体重が大きく減少していくことである。
【0005】
甲状腺機能高進症のネコは、異なる3種類の方法で治療することができ、治療法は以下のとおりである。
(1)放射性ヨウ素を投与することによって、過機能性腺組織を破壊すること、
(2)異常な腺組織を外科的に除去すること(甲状腺摘出術)、
(3)腺ホルモンの合成阻害薬(抗甲状腺薬物)で治療すること。
【0006】
従来、手術が主要な治療法であったが、望ましくない悪影響が顕著に発生し、異所性甲状腺組織を有するネコのうち9%には適用できない(Naanら、2006)。放射性ヨウ素によって生存時間が延びることがわかっているため、放射線ヨウ素を用いた治療法がよいと思われる(Milnerら、2006)が、放射性物質の安全な取扱いにかかわる、考えられるあらゆる欠点が存在する。
【0007】
このため、医薬による治療が魅力的な選択肢となる(Trepanier、2006)が、死ぬまでずっと、抗甲状腺薬物を1日に1〜3回投与し続けなければならない。特にネコは、錠剤または液体であっても、経口投与を嫌うことが知られているため、上記の投与が困難な場合がある。
【0008】
この理由で、世界中の多くの配合薬局は、ゲルに薬物を配合することを始めており、これをネコの耳の内側に適用し、皮膚から全身に吸収させるようにしている。
【0009】
全ての薬物が経皮からの浸透に適しているわけではなく、経皮経路で吸収させた後に、治療に有効な濃度に到達するか否かを決定する研究は、数えるほどしかない。この薬物は、きわめて脂溶性があり、経皮から吸収させるのに適正なビヒクルに配合する必要がある(Riviereら、2001)。
【0010】
米国において、メチマゾールは、ネコの甲状腺機能高進症を治療するために、錠剤で使用されている。薬物動態がよくないため、錠剤を繰り返し投与する必要がある。
【0011】
カルビマゾールは、より高い脂溶性を有する、メマチゾールのプロドラッグであり、ニュージーランドで、ネコの甲状腺機能高進症を治療するために錠剤で使用される。カルビマゾールもメチマゾールも、ニュージーランドでは動物用途で登録されていないが、獣医師は、ヒト用医薬を、動物の任意の用途で甲状腺機能高進症の治療時に処方することができる。
【0012】
メチマゾールは、プルロニックレシチンオルガノゲル(PLO)の経皮処方に使用されている。しかし、薬物動態試験で経皮吸収率は悪いとされたが、ネコに繰り返し投与すれば、臨床的に有効性が見られる場合もあった(Lecuyerら、2006;Sartorら、2004;Hoffmannら、2003、2002)。この臨床的な有効性は、ゲルを同じ場所に繰り返し塗布することによって皮膚刺激が生じ、皮膚の保護障壁を破壊することによって薬物の吸収性が高まることによる可能性がある。PLOを数日間塗布した後の大幅なな皮膚刺激が報告されている。この臨床的な効果は、毛づくろい中にPLOが経口摂取されることが原因であるという別の可能性からの説明もされている(Murdan、2005)。
【0013】
これらの研究において、ネコの飼い主の3分の1が、薬物の沈殿によってPLOゲルの外観が不均一になったと指摘したと報告されている(Lecuyerら、2006)。この現象により、各投薬時の薬物濃度が変化する可能性があると考えられた。
【0014】
経皮用カルビマゾール処方物は、ネコのtT4濃度を下げることが近年示された(Buijtelsら、2006)。カルビマゾール送達に使用する処方物は、眼用軟膏溶液およびレシチンであると記載されている。本発明者らは、眼用軟膏から直接的に吸収されるのではなく、活性薬剤を軟膏から涙管に移動させるために軟膏を使用することを見出した。本発明では、発明者らは、活性薬剤を経皮で送達するだけではなく、処方物全体を経皮で送達し、完全に吸収させ、効力を完全に発揮させることが望ましいことを見出した。さらに、発明者らは、レシチンの使用が望ましくないことも発見している。レシチンは、処方物のテクスチャを粘度の高いゲルにしてしまい、粘着性で取扱いしにくく、吸収特性も悪くなるからである。
【0015】
さらに、Buijtelsらが示したように、所与の浸透性をもつ浸透促進剤を選択することは困難である。浸透促進剤の効能は、薬物特異性があるか、または少なくとも同様の物理化学特性を有する一連の浸透剤に対してのみ予測可能な傾向がある。したがって、Buijtelsらの発見は、あらゆる経皮処方物で同様の効力が得られることを示しているわけではない。
【0016】
上述の観点から、いくつかの特許について記載する。
【0017】
US5,871,950およびUS5,556,754には、自己免疫疾患の治療において、MHC Class1分子の発現を抑制するためにメマチゾールを使用することが記載している。第18欄の第28〜32行(US5,871,950)および第18欄の第50〜54行(US5,556,754)には、「MHC class1を抑制する薬物(一例としてメチマゾールが含まれている)を、生体担体(限定されないが、食塩水、バッファ、デキストロース、エタノールおよび水)をさらに含む滅菌医薬組成物として投与することができる。」と記載されている。エタノールが記載されているものの、エタノールが浸透促進剤として作用するという示唆も教示もない。エタノールおよび列挙された他の生体担体は、注射用組成物で一般的に使用されるものであり、これらの特許においての暗示されてる使用法である。さらに、US5,871,950およびUS5,556,754には、MHCクラス1を抑制する薬物を、「局所適用」によって投与し得ることが記載されているが、局所適用を達成する手段の教示はなされていない。上述のように、浸透促進剤の効能は、薬物特異性があるか、または少なくとも同様の物理化学特性を有する一連の浸透剤に対してのみ予測可能な傾向があるため、US5,871,950およびUS5,556,754の教示は、効果があるとしても、抗甲状腺機能高進症薬を経皮送達する処方物を得るという目的を達成する特定の処方物に関しては明確ではない。
【0018】
US2005/0209295は、細胞接着および細胞接着による病変を阻害し、予防するための、メチマゾールおよびその誘導体の使用について記載している。その明細書には、上述の化合物を医薬組成物に配合し、局所投与し得るとの教示がある(他の経路の中で特に)。その明細書では、「局所用経皮パッチを使用してもよい」と記載されており、第36段落には、可能な医薬担体が列挙されている。しかし、経皮処方物の例も、薬物が皮膚障壁を実際に越えるデータもなんら示されていない。
【0019】
US2006/0240087、US2003/0170195、US2006/0233870およびUS2002/0058068には、異なる機能を有する2つ以上のアクリル酸系ポリマーのブレンドを含む組成物を投与し、薬物の溶解度を調節し、送達速度を調節することによる、薬物の経皮投与について記載されている。この明細書には、その発明で使用するのに好ましい薬物としてメチマゾールが列挙されているが、それ以前の段落には、「経皮投与に適して」いるものとして、Merckインデックスを参照して、薬物を列挙している。この明細書には、本発明で使用する「浸透促進剤」の広範囲にわたるリストが記載されている。しかし、これらの列挙された化合物のうち、実施例で有効であることが示されているものは一部であり、メチマゾールまたは他の抗甲状腺薬物を用いた例は記載されていない。上述のように、浸透促進剤の効能は、薬物特異性があるか、または少なくとも同様の物理化学特性を有する一連の浸透剤に対してのみ予測可能な傾向があるため、例がなければ、US2006/0240087、US2003/0170195、US2006/0233870およびUS2002/0058068に教示がある化合物は、単なる推測にすぎないと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】US5,871,950
【特許文献2】US5,556,754
【特許文献3】US2005/0209295
【特許文献4】US2006/0240087
【特許文献5】US2003/0170195
【特許文献6】US2006/0233870
【特許文献7】US2002/0058068
【非特許文献】
【0021】
【非特許文献1】Feldman and Nelson、1996
【非特許文献2】Buijtelsら、2006
【非特許文献3】Naanら、2006
【非特許文献4】Milnerら、2006
【非特許文献5】Trepanier、2006
【非特許文献6】Riviereら、2001
【非特許文献7】Lecuyerら、2006
【非特許文献8】Sartorら、2004
【非特許文献9】Hoffmannら、2002
【非特許文献10】Hoffmannら、2003
【非特許文献11】Murdan、2005
【非特許文献12】Lecuyerら、2006
【非特許文献13】Buijtelsら、2006
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
まとめると、甲状腺機能高進症の代替的な治療法は、ネコにとっては潜在的に危険である(手術)か、または取扱いが危険であり(放射性ヨウ素)、ストレスなく投与可能な抗甲状腺薬物の処方物は、小さな動物での実施に大きな利点がある。
【0023】
本発明の目的は、上述の問題に対処するか、または少なくとも一般公共に有用な選択を与えることである。
【0024】
本明細書に引用する任意の特許または特許明細書を含むあらゆる参考文献は、本明細書に参考として組み込まれる。いかなる参考文献も、従来技術を構築すると認めることはない。参考文献の記載は、著者の主張を述べたものであり、引用した文書の正確性および適切性に出願人が異論を唱える権利は保持されている。従来技術を記載した多くの刊行物が本明細書で参照されているが、この参照によって、これらの文書のいずれかが、ニュージーランド国または任意の他の国において、当該技術分野の共通の一般常識の一部分を形成すると認めるものではないことは明らかに理解されるであろう。
【0025】
用語「含む(comprise)」は、異なる裁判管轄によって、排他的な意味、あるいは、包括的な意味でも解釈されることが理解される。本明細書の目的のためには、他の意味であると言及されない限り、用語「含む(comprise)」は、包括的な意味を有する。すなわち、直接参照されている列挙された成分だけではなく、他の特定的な成分または要素を含むことを意味すると解釈される。この原則は、用語「含まれる(comprised)」または「含む(comprising)」を、ある方法またはプロセスの1つ以上の過程に関連して使用する場合にもあてはまる。
【0026】
本発明のさらなる態様および利点は、単なる一例として挙げた以下の記載から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明は、広義には、抗甲状腺薬物を送達するための経皮処方物に関する。
【0028】
本発明の第1の局面によれば、少なくとも1つの抗甲状腺薬物を含み、
組成物に、脂肪酸、テルペン、ピロリドン、C〜Cアルコール、グリコールエーテル、アセチン、トリグリセリドおよびこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの浸透促進剤も含むことを特徴とする、経皮投与のために処方された組成物が提供される。
【0029】
本発明のさらなる局面によれば、少なくとも1つの抗甲状腺薬物を含み、
組成物に、脂肪酸、テルペン、ピロリドン、C〜Cアルコール、グリコールエーテル、アセチン、トリグリセリドおよびこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの浸透促進剤も含むことを特徴とする組成物を経皮投与することによって、治療の必要な動物の甲状腺機能高進症を治療する方法が提供される。
【0030】
本発明のさらなる局面によれば、治療の必要な動物の甲状腺機能高進症を治療する医薬の製造において、
少なくとも1つの抗甲状腺薬物を含み、
組成物に、脂肪酸、テルペン、ピロリドン、C〜Cアルコール、グリコールエーテル、アセチン、トリグリセリドおよびこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの浸透促進剤も含むことを特徴とする、経皮投与のために処方された組成物の使用が提供される。
【0031】
本明細書の目的のために、用語「抗甲状腺薬物」は、甲状腺ホルモンの産生を阻害する任意の薬物であると定義される。好ましくは、抗甲状腺薬物はチオアミドである。より好ましくは、チオアミドはイミダゾールである。最も好ましくは、抗甲状腺薬物は、カルビマゾール、メチマゾールおよびこれらの組み合わせである。または、チオアミドは、プロピルチオウラシル、メチルチオウラシル、ベンジルチオウラシルのようなウラシルおよびこれらの組み合わせである。好ましい実施形態では、組成物は、1回の投薬量あたり、抗甲状腺薬物を約5〜10mg含有するが、使用する薬物の量は、対象となる動物、使用薬物、甲状腺機能高進症の程度などによって変わるため、この量に限られるわけではない。
【0032】
本明細書の目的のために、用語「浸透促進剤」は、皮膚への浸透性を高めるか、または少なくとも角質層への浸透性を高める1つ以上の化合物を指す。好ましい実施形態では、経皮の促進剤は、皮膚への薬剤の送達速度を高め、投与後10分以内に、皮膚の外側で組成物の痕跡が消える。
【0033】
好ましくは、脂肪酸を浸透促進剤として使用する場合、脂肪酸は、オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸およびこれらの組み合わせから選択される。
【0034】
好ましくは、テルペンを浸透促進剤として使用する場合、テルペンは、d−リモネンである。
【0035】
好ましくは、ピロリドン化合物を浸透促進剤として使用する場合、ピロリドン化合物は、n−メチル−ピロリドン(NMPまたはPharmasolveとしても知られる)、2−ピロリドンおよびこれらの組み合わせから選択される。
【0036】
好ましくは、C〜Cアルコールを浸透促進剤として使用する場合、C〜Cアルコールは、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコールおよびこれらの組み合わせから選択される。
【0037】
好ましくは、グリコールエーテルを浸透促進剤として使用する場合、グリコールエーテルは、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルおよびこれらの組み合わせから選択される。
【0038】
好ましくは、アセチンを浸透促進剤として使用する場合、アセチンは、トリアセチン、ジアセチンおよびこれらの組み合わせから選択される。
【0039】
好ましくは、トリグリセリドを浸透促進剤として使用する場合、トリグリセリドは、中鎖トリグリセリドである。
【0040】
一実施形態では、浸透促進剤は、担体および乳化剤としても作用する。
【0041】
本願発明者らによって見出された1つの利点は、本発明の処方物が、経口による錠剤治療よりも長期間にわたって、血漿薬物濃度を維持するということである。本発明の治療は、1日にたった1回の投与であるのに対し、カルビマゾールは経口で1日に2回投与するのが標準的な実施内容であるため、この発見は、意外なものであった。持続時間が長くなれば、動物に1日に2回錠剤を投与する必要がなく、この2回の投与が動物にストレスを与えることが多いため、動物の快適な生活にとってかなりの利点である。動物および飼い主のストレスを減らし、治療の簡便性を高めることによって、飼い主が治療計画を実行しやすく、一貫して行い得るため、より有効な治療方法となる。
【0042】
本発明のさらなる利点は、貯蔵時に長期間安定な本発明の処方物を製造することが可能なことである。本明細書の目的のために、用語「安定な」は、少なくとも3ヶ月(好ましくは、9ヶ月以上)、温度25℃以下、周囲湿度で活性化合物が化学的に安定であり(例えば、上述の組成物のうち、活性化合物が±10%(w/w)以内)、適度の物理的安定性を有し、組成物が、実質的に均質であり、処方物の分離、結晶化または濁りが最小限しか観察されないことを指す。
【0043】
代替的な実施形態では、上述の組成物は、実質的に、少なくとも1つの担体化合物を含む。好ましくは、担体化合物は、少なくとも1つの脂溶性担体を含む。
【0044】
本明細書の目的のために、用語「経皮用担体」は、薬物を可溶化する化合物を含む。好ましくは、担体は、水(細胞外液および/または細胞液に混和性のものを含む)にも混和性である。好ましい実施形態では、担体化合物は、プロピレングリコール、PEG4000を含むポリエチレングリコール(PEG)、ジメチルホルムアミド(DMF)、シクロデキストリン化合物およびこれらの組み合わせを含む。なお、プロピレングリコールは、浸透促進剤としても担体としても作用し得る。
【0045】
本願発明者らの経験によると、組成物は、粘性ゲルまたは軟膏であり得る。本願発明者らの経験から得た知識から、粘度の高いゲルまたは軟膏が好ましく、これにより、動物に投与した際に、動物がゲルまたは軟膏を振り落とすことを防ぐ。さらに、粘性ゲルまたは軟膏であれば、ゲルまたは軟膏が投与領域に保持され、他の領域に垂れたり落ちたりしない。
【0046】
一実施形態では、組成物は管に入れられ、管から組成物の一部分を分注し、治療対象の動物の皮膚にこすり付けることによって投与されることが想定される。
【0047】
ネコの場合、組成物を耳の内側の皮膚に投与することが好ましい。ネコの耳の内側に投与することは、ネコが耳の内側を舐めることが容易ではないため、異なる場所に組成物が付着したり、組成物が除去されたりしてしまうことが難しい場所であることから、好ましい。投与する他の部位としては、動物の身体の他の露出した皮膚領域が挙げられる。
【0048】
好ましくは、組成物を投与される動物はネコである。上述の組成物を用い、他の動物(ヒトを含む)を治療してもよいことが理解されるべきである。
【0049】
本発明のさらなる局面によれば、
(a)メチマゾール、カルビマゾールおよびこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの抗甲状腺薬物と、
(b)脂肪酸、テルペン、ピロリドン、C〜Cアルコール、グリコールエーテル、アセチン、トリグリセリドおよびこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの化合物と、
(c)プロピレングリコールと、
(d)PEG4000とを含む、経皮投与のために処方された動物用組成物が提供される。
【0050】
本発明のさらなる局面によれば、
(a)メチマゾールと、
(b)オレイン酸と、
(c)N−メチル−ピロリドンと、
(d)プロピレングリコールと、
(e)PEG4000とを含む、経皮投与のために処方された動物用組成物が提供される。
【0051】
本発明のさらなる局面によれば、
(a)プロピレングリコールを50〜60℃の温度まで加熱する工程と、
(b)PEG4000をプロピレングリコールに溶解する工程と、
(c)d−リモネン、N−メチル−ピロリドン、エタノール、トリアセチンおよびこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの化合物を混合する工程と、
(d)少なくとも抗甲状腺薬物を溶解する工程と、
(e)オレイン酸を混合し、冷却する工程とを含む、経皮投与のために処方された組成物を製造する方法が提供される。
【0052】
上の説明から、動物(ネコを含む)の甲状腺機能高進症を治療するのに使用するための、抗甲状腺薬を含む組成物が提供されることが理解されるべきである。
【0053】
この組成物は、錠剤ではなく、経皮組成物の形態で抗甲状腺薬物を含むため、特に有益である。ほとんどのネコおよび他の動物は、錠剤を飲み込むことがきわめて苦手であり、経皮処方物は、抗甲状腺薬物を投与する際の問題を大幅に軽減する。
【0054】
さらなる利点は、本発明の組成物が、皮膚を通して動物へ薬剤を首尾よく送達することである。
【0055】
さらなる利点は、組成物の効力が、既存の錠剤処方物と匹敵するものであるか、またはそれを超える結果を与えるものであることである。
【0056】
本発明のさらなる局面は、単なる一例として挙げた以下の記載および添付の図面を参照して明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】図1は、実施例1で使用した試験動物における、時間経過に伴う血漿カルビマゾール濃度を比較したグラフを示す。
【図2】図2は、経皮用メチマゾールおよびカルビマゾール錠剤の使用について試験する実験において、時間経過に伴う甲状腺酵素濃度を比較したグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0058】
処方物の効力を示す実施例を参照し、本発明の範囲内において、得られる、処方物の変形例を示す実施例を参照し、本発明をさらに説明する。
【実施例】
【0059】
(実施例1)
この第1の試験の目的は、2種類の経皮処方物の抗甲状腺薬物(カルビマゾール)がネコに吸収されるか否かを決定し、通常の経口投与経路の場合と効果を比較することであった。
【0060】
(材料および方法)
4匹の実験用ネコを用い、1匹が中程度の甲状腺機能高進症を有することが見出された。ネコに標準的な経口用カルビマゾール(Neomercazole、AFT Pharmaceuticals Ltd)錠剤5mgを1日2回、1週間投与し、その後、経皮用カルビマゾールの試験処方物(以下の試験処方物1、表1、実施例2)10mgを1日2回、1週間投与し、Hoffman(2002)の経皮用カルビマゾール処方物をポロキソマーレシチンオルガノゲル(PLO)で作成し、10mgを1日2回、1週間投与した。それぞれの治療の間は、少なくとも2週間あけた。
【0061】
各週の治療前および治療後に、全チロキシン(tT4)アッセイのためにネコの血を採取し、薬物アッセイのために、1回目の治療前および治療12時間後にネコの血を採取し、その週の治療終了時にネコの血を採取した。カルビマゾールは、投与されると迅速にメチマゾールに変換されるため、血液のメチマゾールを評価した(PetersonおよびAucoin、1993)。
【0062】
(結果)
結果を図1にまとめる。
【0063】
カルビマゾールを経口投与すると、メチマゾールの場合の公開済の結果(0.51±0.15μg/ml)(Hoffmanら、2002)よりも、血漿濃度がわずかに低く(0.43±0.08μg/mL)、同様の半減期で濃度が下がっていった。tT4濃度は、試験期間の7日間で、ほぼ半分になった。
試験用の経皮処方物(以下の試験処方物1、表1、実施例2)は、吸収性が悪いと予想されたため、投薬量を2倍にしたが、錠剤よりも50%大きいCmaxが得られ、AUCは、経口投与された錠剤のほぼ2倍であった。7日間の血漿濃度は、経口投与された錠剤と比べ、2倍を超える値であった。tT4濃度は、試験期間の7日間をかけて、ほぼ半分になった。
【0064】
PLO処方物(経口の投薬量の2倍)は、12時間にわたって、血漿濃度はかろうじて検出できるレベルであったが、7日間の血漿濃度は、最初の12時間のCmaxの2倍であり、錠剤によって得られる結果とほぼ同じであった。
【0065】
試験用経皮処方物は、投与してから最初の2時間は、錠剤に匹敵する血漿濃度が得られ、4時間後には、錠剤の場合よりも血漿濃度が高まった。この結果は、投与6時間後(かろうじて検出可能であった)までには、血漿濃度を示さなかったPLO処方物とは対照的である。この結果は、PLO処方物と比較して、経皮吸収速度が驚くべき速度であることを示す。
【0066】
いずれの治療に対しても、ネコになんら副作用は見られなかった(但し、1週間の間に、経皮用製剤を塗布した部位がわずかに赤くなり、皮膚がわずかに剥げ落ちた)。
【0067】
(考察)
この試験によって、カルビマゾールを経口投与することによって、公開された治療範囲にある血漿メチマゾール濃度が得られ、PLOの場合、経皮では、カルビマゾールは、治療濃度に達しなかったことを確認した(少なくとも短期間は)。本発明の処方物によって、経口投与後の血漿メチマゾール濃度に匹敵する濃度が得られ、tT4を同レベルで下げる。
【0068】
(実施例2)
さらなる処方物(処方物2〜4)を、同じ活性薬剤(カルビマゾール)を用いて製造した。
【0069】
これらの処方物において、カルビマゾールを抗甲状腺薬物として使用し、経皮薬剤を変えた。D−リモネンを、ピロリドン溶媒(n−メチル−ピロリドン、NMP)、エタノールまたはトリアセチンのいずれかに変えた。
【0070】
より具体的には、製造した処方物は、ほぼ以下の表1に示すとおりであった。
【0071】
表1−試験処方物1〜4
【表1】

【0072】
以下の工程によって、処方物を製造した。
1.プロピレングリコールを50〜60℃の温度まで加熱する。
2.混合しながらPEG4000を加え、溶解する(温度は約50〜55℃に維持する)。
3.調製する処方物に応じて、D−リモネン、NMP、エタノールまたはトリアセチンを混合する。
4.混合しながらカルビマゾールを加え、溶解する。
5.オレイン酸を加え、混合する。
6.混合物を20℃未満まで冷却し(一晩)、黄色ペーストを得る。
【0073】
(実施例3)
さらなる実施例で、代替的な抗甲状腺薬物であるメチマゾールを含む処方物5を製造した。メチマゾールは、カルビマゾールの関連物質であり、カルビマゾールの代謝物である。
【0074】
より具体的には、処方物5は、以下の表2に示す成分(%(w/v))を含む。
【0075】
表2−試験処方物5
【表2】

【0076】
(実施例4)
さらなる例では、以下の表3に示す成分(%(w/v))を含む処方物6を製造した。
【0077】
表3−試験処方物6
【表3】

【0078】
以下の工程によって、処方物を製造した。
1.プロピレングリコールを50〜60℃の温度まで加熱する。
2.混合しながらPEG4000を加え、溶解する(温度を約50〜55℃に維持する)。
3.Pharmasolveを加え、混合する。
4.混合しながらメチマゾールを加え、溶解する。
5.オレイン酸を加え、混合する。
6.混合物を2〜8℃未満に冷却する。
7.温度を15〜20℃未満に維持し、低速で1〜2時間混合する。
【0079】
(実施例5)
ブチルジオキシトール(ジエチレングリコールモノブチルエーテルとしても知られる)を浸透促進剤として使用し、さらなる試験処方物を製造した。
【0080】
表4−試験処方物7
【表4】

【0081】
以下の工程によって、処方物を製造した。
1.プロピレングリコールを50〜60℃の温度まで加熱する。
2.混合しながらPEG4000を加え、溶解する。
3.ブチルジオキシトールを混合する。
4.混合しながらメチマゾールを加え、溶解する。
5.オレイン酸を加え、混合する。
6.混合物を2〜8℃未満に冷却し、淡黄色ペーストを得る。
【0082】
(実施例6)
本発明の1.8kgのパイロットスケールのバッチ(処方物6)を実施例4の方法によって調製し、ガラスバイアルまたは高密度ポリエチレン(HDPE)シリンジに入れた。本発明の包装済サンプルを制御条件下(25℃、湿度60%)に保存し、見かけ密度、シリンジ通過性およびメチマゾール含有量について3ヵ月毎に試験し、処方物の安定性を評価した。
【0083】
測定結果を表5および表6にまとめる。
測定値が上述の規格の範囲内にある場合、「適合」と記載している。
【0084】
表5−25℃および相対湿度60%で保存した処方物6
【表5】

【0085】
表6−25℃および相対湿度60%で保存した処方物6
【表6】

【0086】
(実施例7)
自然に発生したネコの甲状腺機能高進症の治療において、試験処方物6を1日に1回投与することが、安全であり有効であるか否かを決定するために、試験を実施した。
【0087】
自然に発生した甲状腺機能高進症であると新しく診断され、医薬による治療が適していると判断された16匹のネコのうち、13匹を処方物6(10mgを1日に1回、飼い主によって、耳介の内側に塗布)で治療し、3匹をカルビマゾールの経口錠剤(Neomercazole、AFT Pharmaceuticals Ltd)で治療した(5mgを1日に2回)。治療方法は、ランダムに割り当てた。この試験で扱うネコは、甲状腺機能高進症に関係のない他の顕著な疾患を発症していなかった。
【0088】
身体状態、体重、血液学、血清生化学、検尿およびtT4濃度について、0週目、1週目、4週目、8週目および12週目にネコを検査した。治療の効率は、臨床状態の向上およびtT4濃度の低下によって評価した。
【0089】
試験結果を図2にまとめる。
【0090】
(考察)
本発明の処方物は、カルビマゾールを経口投与した場合の低下速度および効率に匹敵するレベルで、最初にtT4濃度を低下させ、低下した濃度を維持した。本発明の治療は、1日にたった1回の適用であるのに対し、カルビマゾールは経口で1日に2回投与するのが標準的な実施内容であるため、この結果は驚くべき結果である。この方法は、動物に1日に2回錠剤を投与する必要がなく、この2回投与が動物にストレスを与えることが多いため、動物の快適な生活にとってかなりの利点を与える。動物および飼い主のストレスを減らし、治療の簡便性を高めることによって、飼い主が治療計画を実行しやすく、一貫して行い得るため、より有効な治療方法である。
【0091】
上述の効力および送達に関する利点に加え、処方物5および処方物6は、長期間保存しても良好な安定性を示した。
【0092】
上述の実施例は、処方物に経皮活性を与えつつ、種々の活性薬剤および経皮薬剤を使用することができることを示している。
【0093】
本発明の局面を、単なる例によって説明した。添付の特許請求の範囲に定義されるような本発明の範囲を逸脱することなく、改変および付け加えが可能であることを理解すべきである。
【0094】
(参考文献)
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Trepanier LA.Medical management of hyperthyroidism.Clinical Techniques in Small Animal Practice.21(1):22−28,2006。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの抗甲状腺薬物を含み、
組成物に、脂肪酸、テルペン、ピロリドン、C〜Cアルコール、グリコールエーテル、アセチン、トリグリセリドおよびこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの浸透促進剤も含むことを特徴とする、経皮投与のために処方された組成物。
【請求項2】
前記脂肪酸が、オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸およびこれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記テルペンがd−リモネンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記ピロリドンが、n−メチル−ピロリドン(NMP)、2−ピロリドンおよびこれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記C〜Cアルコールが、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコールおよびこれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記グリコールエーテルが、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルおよびこれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記アセチンが、トリアセチン、ジアセチンおよびこれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記抗甲状腺薬物がチオアミドである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記抗甲状腺薬物が、カルビマゾール、メチマゾールおよびこれらの組み合わせから選択される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が、1回の投薬量あたり、抗甲状腺薬物を約5〜10mg含有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、少なくとも1つの担体化合物を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
前記少なくとも1つの担体化合物が、脂質可溶性の担体である、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記担体化合物が、細胞外液および細胞液に混和性である、請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
前記担体化合物が、プロピレングリコール、PEG4000を含むポリエチレングリコール(PEG)、ジメチルホルムアミド(DMF)、シクロデキストリン化合物およびこれらの組み合わせから選択される、請求項11〜13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物が、粘性ゲルまたは軟膏として製剤化される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
(a)メチマゾール、カルビマゾールおよびこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの抗甲状腺薬物と、
(b)脂肪酸、テルペン、ピロリドン、C〜Cアルコール、グリコールエーテル、アセチン、トリグリセリドおよびこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの化合物と、
(c)プロピレングリコールと、
(d)PEG4000とを含む、経皮投与のために処方される動物用組成物。
【請求項17】
(a)メチマゾールと、
(b)オレイン酸と、
(c)N−メチル−ピロリドンと、
(d)プロピレングリコールと、
(e)PEG4000とを含む、経皮投与のために処方される動物用組成物。
【請求項18】
少なくとも1つの抗甲状腺薬物を含み、
組成物に、脂肪酸、テルペン、ピロリドン、C〜Cアルコール、グリコールエーテル、アセチン、トリグリセリドおよびこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの浸透促進剤も含むことを特徴とする組成物を経皮投与することによって、治療の必要な動物の甲状腺機能高進症を治療する方法。
【請求項19】
前記組成物を動物の耳の内側の皮膚に投与する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記組成物を投与される動物がネコである、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
治療の必要な動物の甲状腺機能高進症を治療する医薬の製造における、
少なくとも1つの抗甲状腺薬物を含み、
組成物に、脂肪酸、テルペン、ピロリドン、C〜Cアルコール、グリコールエーテル、アセチン、トリグリセリドおよびこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの浸透促進剤も含むことを特徴とする、経皮投与のために処方された組成物の使用。
【請求項22】
前記組成物を動物の耳の内側の皮膚に投与する、請求項21に記載の使用。
【請求項23】
前記組成物を投与される動物がネコである、請求項21または22に記載の使用。
【請求項24】
(a)プロピレングリコールを50〜60℃の温度まで加熱する工程と、
(b)PEG4000をプロピレングリコールに溶解する工程と、
(c)d−リモネン、N−メチル−ピロリドン、エタノール、トリアセチンおよびこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの化合物を混合する工程と、
(d)少なくとも1つの抗甲状腺薬物を溶解する工程と、
(e)オレイン酸を混合し、冷却する工程とを含む、経皮投与のために処方される組成物を製造する方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−516761(P2010−516761A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−547189(P2009−547189)
【出願日】平成20年1月22日(2008.1.22)
【国際出願番号】PCT/NZ2008/000011
【国際公開番号】WO2008/091167
【国際公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(500146370)ボーマック リサーチ リミテッド (3)
【Fターム(参考)】