屋内照明集中制御システム
【課題】太陽光を有効に活用しつつ、光の過不足を補うことが可能で、生物の育成状況に合わせて効率のよい電力管理を実現可能な屋内照明集中制御システムを提供する。
【解決手段】屋外からの光を取り込む採光装置21と電気的に発光する発光装置22とを備えた光集積センタ20と、光集積センタ20の光を屋内の複数の箇所である被照明部60−1〜60−4に生物の照明として導く光伝達部30と、屋内の複数の箇所の照明の少なくとも点灯、消灯、照度、および波長を制御可能とする照明制御部50と、を有し、照明制御部50は、屋外からの光を取り込む前記採光装置のよる光を照明として優先的に用い、屋外からの光の光量および波長の少なくともいずれかに応じて発光装置22の発光量および発光波長の少なくともいずれかを制御して発光装置22にて発光される光により照明状態を調整することで複数の箇所の照明を管理する。
【解決手段】屋外からの光を取り込む採光装置21と電気的に発光する発光装置22とを備えた光集積センタ20と、光集積センタ20の光を屋内の複数の箇所である被照明部60−1〜60−4に生物の照明として導く光伝達部30と、屋内の複数の箇所の照明の少なくとも点灯、消灯、照度、および波長を制御可能とする照明制御部50と、を有し、照明制御部50は、屋外からの光を取り込む前記採光装置のよる光を照明として優先的に用い、屋外からの光の光量および波長の少なくともいずれかに応じて発光装置22の発光量および発光波長の少なくともいずれかを制御して発光装置22にて発光される光により照明状態を調整することで複数の箇所の照明を管理する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィスや工場等の大規模施設の照明に適用可能な屋内照明集中制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
施設照明のシステムとして太陽光を取り入れる技術として、特許文献1に開示された技術が知られている。
この先行技術には、光ファイバを用いて少なくとも2つの異なる照明位置に半導体発光素子の光を送る光配給ユニットに関する技術が開示されている。
【0003】
近年、地球温暖化対策の一環として温室効果ガスの排出削減が要望されており、先行技術には太陽電池を用いて蓄電池を充電する技術も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4207061号明細書、図面
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、太陽電池にて電気エネルギーに変換して蓄電池に蓄積し、その電気エネルギーを半導体発光素子にて再び光に変換するのでは、それぞれの変換における損失や、蓄電池の自然放電による損失によって、折角の太陽の光エネルギーを無駄にしていると言える。
【0006】
また、太陽光を光ファイバによって各部屋へ伝搬させることも行われているが、この場合、天候に左右されることが多く、補助光源としてしか作用しない。
さらに、主たる照明と連動されていないため、ユーザーに操作を依存することになる。
植物等の生物は一定の条件で育成することが好ましいため、光を管理する事が必要となる。
【0007】
また、植物等の生物育成において人工光源を用いて、日没後に光照射して成長を促進したり、直接太陽光の届かない屋内での栽培を可能にしたりすることが行われている。
しかしながら、植物等の生物の成長には必ずしも全波長域の光が必要というわけではなく、ある特定の波長域の光のみが大きく寄与することが分かっており、さらにはその波長域も育成状況等に応じて変化する場合がある。
【0008】
本発明は、太陽光を有効に活用しつつ、光の過不足を補うことが可能で、生物の育成状況に合わせて効率のよい電力管理を実現可能な屋内照明集中制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の観点の屋内照明集中制御システムは、屋外からの光を取り込む採光装置と電気的に発光する発光装置とを備えた光集積センタと、前記光集積センタの光を屋内の複数の箇所へ生物の照明として導く光伝達部と、前記屋内の複数の箇所の前記照明の少なくとも点灯、消灯、照度、および波長のいずれかを制御可能とする照明制御部と、を有し、前記照明制御部は、前記屋外からの光を取り込む前記採光装置による光を照明として優先的に用い、屋外からの光の光量および波長の少なくともいずれかに応じて前記発光装置の発光量および発光波長の少なくともいずれかを制御して前記発光装置にて発光される光により照明状態を調整することで前記複数の箇所の照明を管理する。
【0010】
好適には、前記発光装置は、複数種類の半導体発光素子を含み、前記照明制御部は、前記色の種類毎に点灯、消灯および発光量の調節を行うように前記発光装置を制御する。
【0011】
好適には、前記発光装置は、複数種類の前記蛍光体を変更して適用することを可能とした励起式のLEDを含み、前記照明制御部は、前記蛍光体の変更、前記LEDの点灯・消灯および発光量の調節を行うように前記発光装置を制御する。
【0012】
好適には、前記照明制御部は、前記生物の種類、育成状況、治療状況の少なくともいずれか一つに応じて必要な波長に対応するように前記発光装置を制御する。
【0013】
好適には、前記照明制御部は、前記生物の種類、育成状況、治療状況の少なくともいずれか一つに応じて前記発光装置の照射時間を制御する。
【0014】
好適には、前記採光装置は、所定波長の光を透過させる光学フィルタを含み、前記屋外から取り込んだ光を光学フィルタに透過させることで、前記生物の種類、育成状況、治療状況の少なくともいずれか一つに応じて必要な波長の光を取り出す。
【0015】
好適には、前記光集積センタから発生する廃熱を用いて発電、給湯、暖房の少なくともいずれかを行う。
【0016】
好適には、前記光伝達部は光ファイバを含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、太陽光を有効に活用しつつ、光の過不足を補うことが可能で、生物の育成状況に合わせて効率のよい電力管理を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る屋内照明集中制御システムの構成例を示す図である。
【図2】本実施形態に係る光集積センタの構成例を示す図である。
【図3】本実施形態に係る光集積センタの採光装置の第1の構成例を示す図である。
【図4】本実施携帯に係る光集積センタの採光装置の第2の構成例を示す図である。
【図5】本実施形態に係る被照明部の照明監視部の監視対象例を示す図である。
【図6】本実施形態に係る照明制御部の照明制御情報について説明するための図である。
【図7】植物の育成状態に最も適した波長の例を示す図である。
【図8】植物の状態によって波長を変化させる制御を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に関連付けて説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係る屋内照明集中制御システムの構成例を示す図である。
【0021】
本屋内照明集中制御システム10は、HLMS(Home Lighting management System)として構成される。
HLMSとは、施設内の光を最適化するシステムで、主たるユニットとして、光集積センタ、照明制御部としてのライトコントローラ、光伝達部としての光ファイバ等によって構成される。
【0022】
本屋内照明集中制御システム10は、光集積センタ20、光伝達部30、情報伝達部40、照明制御部50、被照明部60−1〜60−n(本実施形態ではn=4)、水冷ユニット70、および貯湯タンク80を主構成要素として含んで構成されている。
【0023】
本屋内照明集中制御システム10は、太陽光を最大限有効に活かすために、光集積センタ20において屋外光(太陽光等)の取り込みと発光装置とを光源として併用して複数の箇所に照明光として伝達する。
そして、屋外光では照明光の照度が不足する場合に発光装置を働かせて補うことで高効率な照明制御を行う。
また、生物(ここでは植物)を育成する箇所である被照明部60−1〜60−4の照明を、情報伝達部40を通して照明を集中管理している照明制御部50にフィードバックする構成とすることで、常に最適且つ高効率の照明制御を行うことが可能となっている。
さらに、屋内照明集中制御システム10は、光集積センタ20に光源を集中させることで、これまで各部屋に設置されていた発光装置の電源を一つにすることができるためコストやスペース的にも有利となっている。
【0024】
本屋内照明集中制御システム10は、屋外からの光を取り込む採光装置による光を照明として優先的に用いて光伝達部30で被照明部60−1〜60−4に伝達する。
そして、屋内照明集中制御システム10は、屋外からの光の光量および波長の少なくともいずれかに応じて発光装置の発光量および発光波長の少なくともいずれかを制御して(本実施形態では両方)、発光装置にて発光される光により照明状態を調整するあるいは照度を補うことで複数の箇所被照明部60−1〜60−4の照明を管理する。
【0025】
本屋内照明集中制御システム10においては、任意の波長域の光を重点的に照射してやることで、対象の植物等の生物の特定の特徴を意図的に強調して引き出すことができるように構成される。
本実施形態においては、光集積センタ20の発光装置の波長や照度・点灯、消灯時間をコントロールして配給することによって、植物等の生物の育成目的に応じて最適な照明環境を作り出すことを可能としている。
また、本実施形態においては、発光装置で特定の波長域の光のみを発光させ、不要な波長域の光を発光させないことは、エネルギーの利用効率を高めることにもつながる。
【0026】
以下、各部の構成および機能について説明する。
【0027】
光集積センタ20は、屋外からの光を取り込む採光装置と電気的に発光する発光装置とを含んで構成される。
光集積センタ20は、施設内の光を提供する唯一の光源となる。光源には、採光装置による太陽光SLと人工光源LSとしての発光装置が含まれる。
太陽光は、たとえば光ダクト、もしくは光ファイバによって光集積センタ20まで誘導され、人工光源には、たとえば発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)が用いられる。
光集積センタ20は、照明制御部50の制御の下、基本的に、太陽光SLを最大限有効に活かすために、光集積センタ20において屋外光(太陽光等)の取り込みと発光装置とを光源として併用して複数の箇所に照明光として伝達する。
そして、光集積センタ20は、照明制御部50の指示に応じて、屋外光では照明光の照度が不足する場合に発光装置を働かせて補うことで高効率な集中照明を行う。
【0028】
図2は、本実施形態に係る光集積センタの構成例を示す図である。
【0029】
光集積センタ20は、採光装置21、および発光装置22を有する。
【0030】
採光装置21は、屋外からの光、主として太陽光を取り込む。
【0031】
図3は、本実施形態に係る光集積センタの採光装置の第1の構成例を示す図である。
図3の採光装置21Aは、太陽光SLを採光するための採光部(採光口)211、採光部211から採り入れられた外部光を光集積センタ20の光伝達部30との接続領域に導光する導光部212を含んで構成される。
導光部212は、反射率の高い面をもつ金属や蒸着ミラー等により形成される。
導光部212は、採光した光を、たとえば光ファイバにより形成される光伝達部30の一端部に光を導光する。
図3の例の場合には、たとえば図2に示すように、光伝達部30を形成する光ファイバの一端部に集光レンズ213を介して結合されて導波させる。
【0032】
図4は、本実施形態に係る光集積センタの採光装置の第2の構成例を示す図である。
図4の採光装置21Bは、太陽光SLを集光レンズ214で集光して導光部として光ファイバ215に一端部に結合させて導波させる。
この場合、光ファイバ215の他端部は、光集積センタ20の光伝達部30との接続領域に配置され、たとえば光伝達部30を形成する光ファイバに連結するように構成される。
【0033】
また、採光装置21は、たとえば図2中に破線で示すように、所定波長の光を透過させる光学フィルタFLTを配置し、屋外から取り込んだ光を光学フィルタに透過させることで、植物等の生物の種類、育成状況、治療状況の少なくともいずれか一つに応じて必要な波長の光を取り出すように構成することも可能である。
【0034】
光集積センタ20の発光装置22は、基板221にアレイ状に配列された複数のLED222を有する。
発光装置22は、LED222の発光を、照明制御部50による光分配情報IODに応じて、全体的に、あるいは個別に、あるいは所定のグループごとに発光駆動制御する電源ユニット223を有する。
また、発光装置22は、各LED222の光出射部に対向して配置され、LED222の出射光を光伝達部30の形成する光ファイバFBの端面に結合させて導光する複数の集光レンズ224を有する。
さらに、発光装置22は、光伝達部30の光ファイバFBの光入射端面近傍に、複数の蛍光体を変更可能な可変蛍光体ユニット225を有する。
発光装置22は、複数種類の蛍光体を変更して適用することを可能とした励起式のLEDとして機能させることが可能で、照明制御部50によって、蛍光体の変更、LEDの点灯・消灯および発光量の調節を行うように制御される。
【0035】
なお、発光装置22は、複数種類の単色発光ダイオード222を含むように構成し、照明制御部50によって、色の種類毎にLED222の点灯、消灯および発光量の調節を行うように制御することも可能である。
【0036】
光集積センタ20は、発光装置22の電源ユニット223や各LED222の駆動に伴って発生する熱を廃熱として、排出口23から水冷ユニット70に供給する。
本実施形態においては、光集積センタ20から発生する廃熱を水冷ユニット70に供給し、その水冷ユニット70は貯湯タンク80に利用され、給湯や給水、発電、暖房等が行われる。
【0037】
光伝達部30は、光集積センタ20による光を屋内の複数の箇所である被照明部60−1〜60−4に照明光として導波する。
光伝達部30は、たとえば図1および図2に示すように、光ファイバ30−1〜30−4により形成される。
図1の例では、光ファイバ30−1は被照明部60−1に光集積センタ20による照明光を導く。
光ファイバ30−2は被照明部60−2に光集積センタ20による照明光を導く。
光ファイバ30−3は被照明部60−3に光集積センタ20による照明光を導く。
光ファイバ30−4は被照明部60−4に光集積センタ20による照明光を導く。
【0038】
このように照明光により照明される被照明部60−1〜60−4は、それぞれ照明監視部61−1〜61−4(n)を含んで構成される。
照明監視部61−1〜61−4は、屋内の被照明部60−1〜60−4の照明の要否に関する情報および照度調節に関する情報のうちの少なくとも一方の情報(本実施形態においては両情報)を、情報伝達部40を介して照明制御部50に伝達する機能を有している。
照明の要否および照度調節に関する情報とは、たとえば植物の種類、育成状況、治療状況、照明スイッチの状態、照度コントローラの状態、照度センサの出力、時刻、映像情報のいずれかを含む。
【0039】
図5は、本実施形態に係る被照明部の照明監視部の監視対象例を示す図である。
被照明部60−1〜60−4の照明監視部61−1〜61−4には、図5に示すように、照明スイッチSW、照度センサSNS、監視カメラCM、植物育成況を管理するコントローラCNT等が接続されている。
【0040】
情報伝達部40は、各被照明部60−1〜60−4の照明監視部61−1〜61−4による照明の要否に関する情報および照度調節に関する情報を照明制御部50に伝達する。
情報伝達部40は、たとえば図1に示すように、信号線40−1〜40−4により形成される。
図1の例では、信号線40−1は被照明部60−1の情報光を照明制御部50に導く。
信号線40−2は被照明部60−2の情報光を照明制御部50に導く。
信号線40−3は被照明部60−3の情報光を照明制御部50に導く。
信号線40−4は被照明部60−4の情報光を照明制御部50に導く。
【0041】
照明制御部50は、情報伝達部40による照明の要否に関する情報および照度調節に関する情報、並びに、太陽光量に関する情報に基づいて、光集積センタ20の照明光の駆動制御を行う。
照明制御部50は、屋外からの光を取り込む採光装置21による光を照明として優先的に用い、屋外からの光の光量および波長の少なくともいずれかに応じて発光装置22の発光量および発光波長の少なくともいずれかを制御して発光装置22にて発光される光により照明状態を調整するあるいは照度を補うことで複数の箇所の照明を管理する。
照明制御部50は、人工光源である発光装置22の発光量や発光波長を指示する情報を、光分配情報IODに含めて光集積センタ20の電源ユニット223に供給する。
【0042】
図6は、本実施形態に係る照明制御部の照明制御情報について説明するための図である。
この場合、照明制御部50は、上述したように、光情報処理部51が、情報伝達部40による照明の要否に関する情報および照度調節に関する情報、並びに、太陽光量に関する情報に基づいて、光集積センタ20の照明光の駆動制御を行う。
情報伝達部40による照明の要否に関する情報および照度調節に関する情報には、植物育成状況、照度センサ情報、監視カメラの監視情報等のいずれかが含まれる。
【0043】
この照明制御部50の照明制御についてさらに詳述する。
【0044】
照明制御部50には、各部屋である被照明部60−1〜60−4をモニタリングする機能と光源の発光量および発光波長を指示する機能を有する。
たとえば、上述したように、タイマや、各被照明部60−1〜60−4に配置される、監視カメラCM、植物の育成状況CTL、照度センサSNSを用いることが可能である。
【0045】
タイマを用いることにより、植物を気温から湿度にいたるまで管理された状況においては、育成期間を見積もる事ができる。タイマで時間を管理することで植物の育成状態に応じて光の波長や量をコントロールすることができる。
このように、各被照射部(区画)60−1〜60−4の欲する照明状況をモニタリングすることで、最適な光を提供するように光集積センタ20に指示を出すことが可能となる。
【0046】
図7は、植物の育成状態に最も適した波長の例を示す図である。
図7から分かるように、植物は常に一定の波長の光を欲するわけではなく、状況に応じて変化する。さらに植物の種類が変わっても波長は変化する。よって施設に汎用性を持たせるには、波長の制御を容易にすることが求められる。
波長700nm以上の赤外放射では、特別伸長効果を与える波長作用がある。
波長400nm〜700nmの可視放射では、長波長側は発芽等に影響し、緑は光合成に寄与しない。
波長400nm以下の紫外放射では、葉が厚くなる作用がある。
【0047】
図8は、植物の状態によって波長を変化させる制御を模式的に示す図である。
まず、部屋である被照明部60−1〜60−4の状態を照明制御部50が監視し、植物の最も欲しがる波長を光集積センタ20に指示を出す。
光集積センタ20からは、各部屋および区画へ照明制御部50から発行された指示を元に最適な波長の光を分配する。
【0048】
このように、各区画の欲する照明状況をモニタリングすることで、最適な光を提供するように光集積センタ20に的確な指示を出すことが可能となる。
【0049】
以上説明したように、本実施形態によれば、屋外から取り込む光と電気的に発光する灯とを光源として併用し、建物内の複数の部屋の照明として光ファイバで導く照明制御システムにおいて、屋外光を優先的に用いて、照度が不足する場合に発光装置の光にて補う。
照明の要否や照度は各部屋からの情報のフィードバックによって個別に制御可能とする。光源から発生する熱は廃熱利用する。
より具体的には、本実施形態においては、太陽光を最大限有効に活かすために、光集積センタにおいて屋外光(太陽光等)の取り込みと発光装置とを光源として併用して複数の箇所に照明光として伝達し、屋外光では照明光の照度が不足する場合に発光装置を駆動させて補うことで高効率な照明制御を行う。
また、照明を行う箇所の照明の要否や照度調節に関する情報を照明を集中管理している照明制御部50にフィードバックする。
これにより、常に最適かつ高効率の照明制御を行うことが可能となる。
さらに、光集積センタ20に光源を集中させることで、これまで各部屋に設置されていた発光装置の電源を一つにすることができるためコストやスペース的にも有利となる。
【0050】
そして、本実施形態においては、光集積センタ20の発光装置の波長や照度・点灯、消灯時間をコントロールして配給することによって、植物等の生物の育成目的に応じて最適な照明環境を作り出すことをできる。
また、本実施形態においては、発光装置で特定の波長域の光のみを発光させ、不要な波長域の光を発光させないことで、エネルギーの利用効率を高めることができる。
【符号の説明】
【0051】
10・・・屋内照明集中制御システム、20・・・光集積センタ、21・・・採光装置、22・・・発光装置、221・・・基板、222・・・LED,223・・・電源ユニット、225・・・可変蛍光体ユニット、30・・・光伝達部、30−1〜30−4・・・光ファイバ、40・・・情報伝達部、40−1〜40−4・・・信号線、50・・・照明制御部、60−1〜60−n・・・被照明部、61−1〜61−4・・・照明監視部、70・・・水冷ユニット、80・・・貯湯タンク。
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィスや工場等の大規模施設の照明に適用可能な屋内照明集中制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
施設照明のシステムとして太陽光を取り入れる技術として、特許文献1に開示された技術が知られている。
この先行技術には、光ファイバを用いて少なくとも2つの異なる照明位置に半導体発光素子の光を送る光配給ユニットに関する技術が開示されている。
【0003】
近年、地球温暖化対策の一環として温室効果ガスの排出削減が要望されており、先行技術には太陽電池を用いて蓄電池を充電する技術も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4207061号明細書、図面
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、太陽電池にて電気エネルギーに変換して蓄電池に蓄積し、その電気エネルギーを半導体発光素子にて再び光に変換するのでは、それぞれの変換における損失や、蓄電池の自然放電による損失によって、折角の太陽の光エネルギーを無駄にしていると言える。
【0006】
また、太陽光を光ファイバによって各部屋へ伝搬させることも行われているが、この場合、天候に左右されることが多く、補助光源としてしか作用しない。
さらに、主たる照明と連動されていないため、ユーザーに操作を依存することになる。
植物等の生物は一定の条件で育成することが好ましいため、光を管理する事が必要となる。
【0007】
また、植物等の生物育成において人工光源を用いて、日没後に光照射して成長を促進したり、直接太陽光の届かない屋内での栽培を可能にしたりすることが行われている。
しかしながら、植物等の生物の成長には必ずしも全波長域の光が必要というわけではなく、ある特定の波長域の光のみが大きく寄与することが分かっており、さらにはその波長域も育成状況等に応じて変化する場合がある。
【0008】
本発明は、太陽光を有効に活用しつつ、光の過不足を補うことが可能で、生物の育成状況に合わせて効率のよい電力管理を実現可能な屋内照明集中制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の観点の屋内照明集中制御システムは、屋外からの光を取り込む採光装置と電気的に発光する発光装置とを備えた光集積センタと、前記光集積センタの光を屋内の複数の箇所へ生物の照明として導く光伝達部と、前記屋内の複数の箇所の前記照明の少なくとも点灯、消灯、照度、および波長のいずれかを制御可能とする照明制御部と、を有し、前記照明制御部は、前記屋外からの光を取り込む前記採光装置による光を照明として優先的に用い、屋外からの光の光量および波長の少なくともいずれかに応じて前記発光装置の発光量および発光波長の少なくともいずれかを制御して前記発光装置にて発光される光により照明状態を調整することで前記複数の箇所の照明を管理する。
【0010】
好適には、前記発光装置は、複数種類の半導体発光素子を含み、前記照明制御部は、前記色の種類毎に点灯、消灯および発光量の調節を行うように前記発光装置を制御する。
【0011】
好適には、前記発光装置は、複数種類の前記蛍光体を変更して適用することを可能とした励起式のLEDを含み、前記照明制御部は、前記蛍光体の変更、前記LEDの点灯・消灯および発光量の調節を行うように前記発光装置を制御する。
【0012】
好適には、前記照明制御部は、前記生物の種類、育成状況、治療状況の少なくともいずれか一つに応じて必要な波長に対応するように前記発光装置を制御する。
【0013】
好適には、前記照明制御部は、前記生物の種類、育成状況、治療状況の少なくともいずれか一つに応じて前記発光装置の照射時間を制御する。
【0014】
好適には、前記採光装置は、所定波長の光を透過させる光学フィルタを含み、前記屋外から取り込んだ光を光学フィルタに透過させることで、前記生物の種類、育成状況、治療状況の少なくともいずれか一つに応じて必要な波長の光を取り出す。
【0015】
好適には、前記光集積センタから発生する廃熱を用いて発電、給湯、暖房の少なくともいずれかを行う。
【0016】
好適には、前記光伝達部は光ファイバを含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、太陽光を有効に活用しつつ、光の過不足を補うことが可能で、生物の育成状況に合わせて効率のよい電力管理を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る屋内照明集中制御システムの構成例を示す図である。
【図2】本実施形態に係る光集積センタの構成例を示す図である。
【図3】本実施形態に係る光集積センタの採光装置の第1の構成例を示す図である。
【図4】本実施携帯に係る光集積センタの採光装置の第2の構成例を示す図である。
【図5】本実施形態に係る被照明部の照明監視部の監視対象例を示す図である。
【図6】本実施形態に係る照明制御部の照明制御情報について説明するための図である。
【図7】植物の育成状態に最も適した波長の例を示す図である。
【図8】植物の状態によって波長を変化させる制御を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に関連付けて説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係る屋内照明集中制御システムの構成例を示す図である。
【0021】
本屋内照明集中制御システム10は、HLMS(Home Lighting management System)として構成される。
HLMSとは、施設内の光を最適化するシステムで、主たるユニットとして、光集積センタ、照明制御部としてのライトコントローラ、光伝達部としての光ファイバ等によって構成される。
【0022】
本屋内照明集中制御システム10は、光集積センタ20、光伝達部30、情報伝達部40、照明制御部50、被照明部60−1〜60−n(本実施形態ではn=4)、水冷ユニット70、および貯湯タンク80を主構成要素として含んで構成されている。
【0023】
本屋内照明集中制御システム10は、太陽光を最大限有効に活かすために、光集積センタ20において屋外光(太陽光等)の取り込みと発光装置とを光源として併用して複数の箇所に照明光として伝達する。
そして、屋外光では照明光の照度が不足する場合に発光装置を働かせて補うことで高効率な照明制御を行う。
また、生物(ここでは植物)を育成する箇所である被照明部60−1〜60−4の照明を、情報伝達部40を通して照明を集中管理している照明制御部50にフィードバックする構成とすることで、常に最適且つ高効率の照明制御を行うことが可能となっている。
さらに、屋内照明集中制御システム10は、光集積センタ20に光源を集中させることで、これまで各部屋に設置されていた発光装置の電源を一つにすることができるためコストやスペース的にも有利となっている。
【0024】
本屋内照明集中制御システム10は、屋外からの光を取り込む採光装置による光を照明として優先的に用いて光伝達部30で被照明部60−1〜60−4に伝達する。
そして、屋内照明集中制御システム10は、屋外からの光の光量および波長の少なくともいずれかに応じて発光装置の発光量および発光波長の少なくともいずれかを制御して(本実施形態では両方)、発光装置にて発光される光により照明状態を調整するあるいは照度を補うことで複数の箇所被照明部60−1〜60−4の照明を管理する。
【0025】
本屋内照明集中制御システム10においては、任意の波長域の光を重点的に照射してやることで、対象の植物等の生物の特定の特徴を意図的に強調して引き出すことができるように構成される。
本実施形態においては、光集積センタ20の発光装置の波長や照度・点灯、消灯時間をコントロールして配給することによって、植物等の生物の育成目的に応じて最適な照明環境を作り出すことを可能としている。
また、本実施形態においては、発光装置で特定の波長域の光のみを発光させ、不要な波長域の光を発光させないことは、エネルギーの利用効率を高めることにもつながる。
【0026】
以下、各部の構成および機能について説明する。
【0027】
光集積センタ20は、屋外からの光を取り込む採光装置と電気的に発光する発光装置とを含んで構成される。
光集積センタ20は、施設内の光を提供する唯一の光源となる。光源には、採光装置による太陽光SLと人工光源LSとしての発光装置が含まれる。
太陽光は、たとえば光ダクト、もしくは光ファイバによって光集積センタ20まで誘導され、人工光源には、たとえば発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)が用いられる。
光集積センタ20は、照明制御部50の制御の下、基本的に、太陽光SLを最大限有効に活かすために、光集積センタ20において屋外光(太陽光等)の取り込みと発光装置とを光源として併用して複数の箇所に照明光として伝達する。
そして、光集積センタ20は、照明制御部50の指示に応じて、屋外光では照明光の照度が不足する場合に発光装置を働かせて補うことで高効率な集中照明を行う。
【0028】
図2は、本実施形態に係る光集積センタの構成例を示す図である。
【0029】
光集積センタ20は、採光装置21、および発光装置22を有する。
【0030】
採光装置21は、屋外からの光、主として太陽光を取り込む。
【0031】
図3は、本実施形態に係る光集積センタの採光装置の第1の構成例を示す図である。
図3の採光装置21Aは、太陽光SLを採光するための採光部(採光口)211、採光部211から採り入れられた外部光を光集積センタ20の光伝達部30との接続領域に導光する導光部212を含んで構成される。
導光部212は、反射率の高い面をもつ金属や蒸着ミラー等により形成される。
導光部212は、採光した光を、たとえば光ファイバにより形成される光伝達部30の一端部に光を導光する。
図3の例の場合には、たとえば図2に示すように、光伝達部30を形成する光ファイバの一端部に集光レンズ213を介して結合されて導波させる。
【0032】
図4は、本実施形態に係る光集積センタの採光装置の第2の構成例を示す図である。
図4の採光装置21Bは、太陽光SLを集光レンズ214で集光して導光部として光ファイバ215に一端部に結合させて導波させる。
この場合、光ファイバ215の他端部は、光集積センタ20の光伝達部30との接続領域に配置され、たとえば光伝達部30を形成する光ファイバに連結するように構成される。
【0033】
また、採光装置21は、たとえば図2中に破線で示すように、所定波長の光を透過させる光学フィルタFLTを配置し、屋外から取り込んだ光を光学フィルタに透過させることで、植物等の生物の種類、育成状況、治療状況の少なくともいずれか一つに応じて必要な波長の光を取り出すように構成することも可能である。
【0034】
光集積センタ20の発光装置22は、基板221にアレイ状に配列された複数のLED222を有する。
発光装置22は、LED222の発光を、照明制御部50による光分配情報IODに応じて、全体的に、あるいは個別に、あるいは所定のグループごとに発光駆動制御する電源ユニット223を有する。
また、発光装置22は、各LED222の光出射部に対向して配置され、LED222の出射光を光伝達部30の形成する光ファイバFBの端面に結合させて導光する複数の集光レンズ224を有する。
さらに、発光装置22は、光伝達部30の光ファイバFBの光入射端面近傍に、複数の蛍光体を変更可能な可変蛍光体ユニット225を有する。
発光装置22は、複数種類の蛍光体を変更して適用することを可能とした励起式のLEDとして機能させることが可能で、照明制御部50によって、蛍光体の変更、LEDの点灯・消灯および発光量の調節を行うように制御される。
【0035】
なお、発光装置22は、複数種類の単色発光ダイオード222を含むように構成し、照明制御部50によって、色の種類毎にLED222の点灯、消灯および発光量の調節を行うように制御することも可能である。
【0036】
光集積センタ20は、発光装置22の電源ユニット223や各LED222の駆動に伴って発生する熱を廃熱として、排出口23から水冷ユニット70に供給する。
本実施形態においては、光集積センタ20から発生する廃熱を水冷ユニット70に供給し、その水冷ユニット70は貯湯タンク80に利用され、給湯や給水、発電、暖房等が行われる。
【0037】
光伝達部30は、光集積センタ20による光を屋内の複数の箇所である被照明部60−1〜60−4に照明光として導波する。
光伝達部30は、たとえば図1および図2に示すように、光ファイバ30−1〜30−4により形成される。
図1の例では、光ファイバ30−1は被照明部60−1に光集積センタ20による照明光を導く。
光ファイバ30−2は被照明部60−2に光集積センタ20による照明光を導く。
光ファイバ30−3は被照明部60−3に光集積センタ20による照明光を導く。
光ファイバ30−4は被照明部60−4に光集積センタ20による照明光を導く。
【0038】
このように照明光により照明される被照明部60−1〜60−4は、それぞれ照明監視部61−1〜61−4(n)を含んで構成される。
照明監視部61−1〜61−4は、屋内の被照明部60−1〜60−4の照明の要否に関する情報および照度調節に関する情報のうちの少なくとも一方の情報(本実施形態においては両情報)を、情報伝達部40を介して照明制御部50に伝達する機能を有している。
照明の要否および照度調節に関する情報とは、たとえば植物の種類、育成状況、治療状況、照明スイッチの状態、照度コントローラの状態、照度センサの出力、時刻、映像情報のいずれかを含む。
【0039】
図5は、本実施形態に係る被照明部の照明監視部の監視対象例を示す図である。
被照明部60−1〜60−4の照明監視部61−1〜61−4には、図5に示すように、照明スイッチSW、照度センサSNS、監視カメラCM、植物育成況を管理するコントローラCNT等が接続されている。
【0040】
情報伝達部40は、各被照明部60−1〜60−4の照明監視部61−1〜61−4による照明の要否に関する情報および照度調節に関する情報を照明制御部50に伝達する。
情報伝達部40は、たとえば図1に示すように、信号線40−1〜40−4により形成される。
図1の例では、信号線40−1は被照明部60−1の情報光を照明制御部50に導く。
信号線40−2は被照明部60−2の情報光を照明制御部50に導く。
信号線40−3は被照明部60−3の情報光を照明制御部50に導く。
信号線40−4は被照明部60−4の情報光を照明制御部50に導く。
【0041】
照明制御部50は、情報伝達部40による照明の要否に関する情報および照度調節に関する情報、並びに、太陽光量に関する情報に基づいて、光集積センタ20の照明光の駆動制御を行う。
照明制御部50は、屋外からの光を取り込む採光装置21による光を照明として優先的に用い、屋外からの光の光量および波長の少なくともいずれかに応じて発光装置22の発光量および発光波長の少なくともいずれかを制御して発光装置22にて発光される光により照明状態を調整するあるいは照度を補うことで複数の箇所の照明を管理する。
照明制御部50は、人工光源である発光装置22の発光量や発光波長を指示する情報を、光分配情報IODに含めて光集積センタ20の電源ユニット223に供給する。
【0042】
図6は、本実施形態に係る照明制御部の照明制御情報について説明するための図である。
この場合、照明制御部50は、上述したように、光情報処理部51が、情報伝達部40による照明の要否に関する情報および照度調節に関する情報、並びに、太陽光量に関する情報に基づいて、光集積センタ20の照明光の駆動制御を行う。
情報伝達部40による照明の要否に関する情報および照度調節に関する情報には、植物育成状況、照度センサ情報、監視カメラの監視情報等のいずれかが含まれる。
【0043】
この照明制御部50の照明制御についてさらに詳述する。
【0044】
照明制御部50には、各部屋である被照明部60−1〜60−4をモニタリングする機能と光源の発光量および発光波長を指示する機能を有する。
たとえば、上述したように、タイマや、各被照明部60−1〜60−4に配置される、監視カメラCM、植物の育成状況CTL、照度センサSNSを用いることが可能である。
【0045】
タイマを用いることにより、植物を気温から湿度にいたるまで管理された状況においては、育成期間を見積もる事ができる。タイマで時間を管理することで植物の育成状態に応じて光の波長や量をコントロールすることができる。
このように、各被照射部(区画)60−1〜60−4の欲する照明状況をモニタリングすることで、最適な光を提供するように光集積センタ20に指示を出すことが可能となる。
【0046】
図7は、植物の育成状態に最も適した波長の例を示す図である。
図7から分かるように、植物は常に一定の波長の光を欲するわけではなく、状況に応じて変化する。さらに植物の種類が変わっても波長は変化する。よって施設に汎用性を持たせるには、波長の制御を容易にすることが求められる。
波長700nm以上の赤外放射では、特別伸長効果を与える波長作用がある。
波長400nm〜700nmの可視放射では、長波長側は発芽等に影響し、緑は光合成に寄与しない。
波長400nm以下の紫外放射では、葉が厚くなる作用がある。
【0047】
図8は、植物の状態によって波長を変化させる制御を模式的に示す図である。
まず、部屋である被照明部60−1〜60−4の状態を照明制御部50が監視し、植物の最も欲しがる波長を光集積センタ20に指示を出す。
光集積センタ20からは、各部屋および区画へ照明制御部50から発行された指示を元に最適な波長の光を分配する。
【0048】
このように、各区画の欲する照明状況をモニタリングすることで、最適な光を提供するように光集積センタ20に的確な指示を出すことが可能となる。
【0049】
以上説明したように、本実施形態によれば、屋外から取り込む光と電気的に発光する灯とを光源として併用し、建物内の複数の部屋の照明として光ファイバで導く照明制御システムにおいて、屋外光を優先的に用いて、照度が不足する場合に発光装置の光にて補う。
照明の要否や照度は各部屋からの情報のフィードバックによって個別に制御可能とする。光源から発生する熱は廃熱利用する。
より具体的には、本実施形態においては、太陽光を最大限有効に活かすために、光集積センタにおいて屋外光(太陽光等)の取り込みと発光装置とを光源として併用して複数の箇所に照明光として伝達し、屋外光では照明光の照度が不足する場合に発光装置を駆動させて補うことで高効率な照明制御を行う。
また、照明を行う箇所の照明の要否や照度調節に関する情報を照明を集中管理している照明制御部50にフィードバックする。
これにより、常に最適かつ高効率の照明制御を行うことが可能となる。
さらに、光集積センタ20に光源を集中させることで、これまで各部屋に設置されていた発光装置の電源を一つにすることができるためコストやスペース的にも有利となる。
【0050】
そして、本実施形態においては、光集積センタ20の発光装置の波長や照度・点灯、消灯時間をコントロールして配給することによって、植物等の生物の育成目的に応じて最適な照明環境を作り出すことをできる。
また、本実施形態においては、発光装置で特定の波長域の光のみを発光させ、不要な波長域の光を発光させないことで、エネルギーの利用効率を高めることができる。
【符号の説明】
【0051】
10・・・屋内照明集中制御システム、20・・・光集積センタ、21・・・採光装置、22・・・発光装置、221・・・基板、222・・・LED,223・・・電源ユニット、225・・・可変蛍光体ユニット、30・・・光伝達部、30−1〜30−4・・・光ファイバ、40・・・情報伝達部、40−1〜40−4・・・信号線、50・・・照明制御部、60−1〜60−n・・・被照明部、61−1〜61−4・・・照明監視部、70・・・水冷ユニット、80・・・貯湯タンク。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外からの光を取り込む採光装置と電気的に発光する発光装置とを備えた光集積センタと、
前記光集積センタの光を屋内の複数の箇所へ生物の照明として導く光伝達部と、
前記屋内の複数の箇所の前記照明の少なくとも点灯、消灯、照度、および波長のいずれかを制御可能とする照明制御部と、を有し、
前記照明制御部は、
前記屋外からの光を取り込む前記採光装置による光を照明として優先的に用い、屋外からの光の光量および波長の少なくともいずれかに応じて前記発光装置の発光量および発光波長の少なくともいずれかを制御して前記発光装置にて発光される光により照明状態を調整することで前記複数の箇所の照明を管理する
屋内照明集中制御システム。
【請求項2】
前記発光装置は、
複数種類の半導体発光素子を含み、
前記照明制御部は、
前記色の種類毎に点灯、消灯および発光量の調節を行うように前記発光装置を制御する
請求項1に記載の屋内照明集中制御システム。
【請求項3】
前記発光装置は、
複数種類の前記蛍光体を変更して適用することを可能とした励起式の発光ダイオード(LED)を含み、
前記照明制御部は、
前記蛍光体の変更、前記LEDの点灯・消灯および発光量の調節を行うように前記発光装置を制御する
請求項1に記載の屋内照明集中制御システム。
【請求項4】
前記照明制御部は、
前記生物の種類、育成状況、治療状況の少なくともいずれか一つに応じて必要な波長に対応するように前記発光装置を制御する
請求項1から3のいずれか一に記載の屋内照明集中制御システム。
【請求項5】
前記照明制御部は、
前記生物の種類、育成状況、治療状況の少なくともいずれか一つに応じて前記発光装置の照射時間を制御する
請求項1から4のいずれか一に記載の屋内照明集中制御システム。
【請求項6】
前記採光装置は、
所定波長の光を透過させる光学フィルタを含み、
前記屋外から取り込んだ光を光学フィルタに透過させることで、前記生物の種類、育成状況、治療状況の少なくともいずれか一つに応じて必要な波長の光を取り出す
請求項1から5のいずれか一に記載の屋内照明集中制御システム。
【請求項7】
前記光集積センタから発生する廃熱を用いて発電、給湯、暖房の少なくともいずれかを行う
請求項1から6のいずれか一に記載の屋内照明集中制御システム。
【請求項8】
前記光伝達部は光ファイバを含む
請求項1から7のいずれか一に記載の屋内照明集中制御システム。
【請求項1】
屋外からの光を取り込む採光装置と電気的に発光する発光装置とを備えた光集積センタと、
前記光集積センタの光を屋内の複数の箇所へ生物の照明として導く光伝達部と、
前記屋内の複数の箇所の前記照明の少なくとも点灯、消灯、照度、および波長のいずれかを制御可能とする照明制御部と、を有し、
前記照明制御部は、
前記屋外からの光を取り込む前記採光装置による光を照明として優先的に用い、屋外からの光の光量および波長の少なくともいずれかに応じて前記発光装置の発光量および発光波長の少なくともいずれかを制御して前記発光装置にて発光される光により照明状態を調整することで前記複数の箇所の照明を管理する
屋内照明集中制御システム。
【請求項2】
前記発光装置は、
複数種類の半導体発光素子を含み、
前記照明制御部は、
前記色の種類毎に点灯、消灯および発光量の調節を行うように前記発光装置を制御する
請求項1に記載の屋内照明集中制御システム。
【請求項3】
前記発光装置は、
複数種類の前記蛍光体を変更して適用することを可能とした励起式の発光ダイオード(LED)を含み、
前記照明制御部は、
前記蛍光体の変更、前記LEDの点灯・消灯および発光量の調節を行うように前記発光装置を制御する
請求項1に記載の屋内照明集中制御システム。
【請求項4】
前記照明制御部は、
前記生物の種類、育成状況、治療状況の少なくともいずれか一つに応じて必要な波長に対応するように前記発光装置を制御する
請求項1から3のいずれか一に記載の屋内照明集中制御システム。
【請求項5】
前記照明制御部は、
前記生物の種類、育成状況、治療状況の少なくともいずれか一つに応じて前記発光装置の照射時間を制御する
請求項1から4のいずれか一に記載の屋内照明集中制御システム。
【請求項6】
前記採光装置は、
所定波長の光を透過させる光学フィルタを含み、
前記屋外から取り込んだ光を光学フィルタに透過させることで、前記生物の種類、育成状況、治療状況の少なくともいずれか一つに応じて必要な波長の光を取り出す
請求項1から5のいずれか一に記載の屋内照明集中制御システム。
【請求項7】
前記光集積センタから発生する廃熱を用いて発電、給湯、暖房の少なくともいずれかを行う
請求項1から6のいずれか一に記載の屋内照明集中制御システム。
【請求項8】
前記光伝達部は光ファイバを含む
請求項1から7のいずれか一に記載の屋内照明集中制御システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2011−175861(P2011−175861A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−39078(P2010−39078)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]