説明

展示用の包装箱または裏台紙とその開封方法

【課題】包装箱やプラスタ−の裏台紙の切込部の先端部分が、切断時に摘みやすいようにした包装箱及び裏台紙を有する包装箱を課題とする。
【解決手段】展開した状態で裏台紙2と中央穴3を有する表台紙4を含む一枚の紙製シート5からなり、両台紙2,4の内面同士を糊着して一体に包装した包装箱1や包装物を収納するプリスターを糊着して一体に包装した裏台紙とその開封方法において、被包装物18を収納した包装箱1を表裏台紙2,4や裏台紙の直線状横折目線20,21の位置で表側に折り曲げるRと、裏台紙2内の開口用切込部22の先端部分21が飛び出し、該先端部分21を持って引っ張ると切込部22が順次切断して開封され、包装箱1や裏台紙のプリスターから被包装物18を容易に取り出せるようにした包装箱1や裏台紙とその開封方法を構成するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、展示用の包装箱、プリスター用裏台紙を有する包装箱とその開封方法に係るものであり、更に詳しくは、紙製の裏台紙に表台紙またはプリスターを糊着した展示用包装箱または裏台紙と、その開封を容易にした開封方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
吊り下げ展示用の包装箱としては、従来厚紙の台紙を裏にし、表は包装物の凹型形状に真空成型した塩化ビニール等の合成樹脂製シートからなるプリスターにて被覆していたが、焼却の際ダイオキシンが発生し、環境面から好ましいものとはいえない。そのために、紙製のみからなる包装箱が使用されている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−240820号公報。
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載のものは、開口用の破線状切込部が、一列の帯状に設定されているので、開口部が小さく、また先端の摘み部分も飛び出してないので、開封が容易ではない。
【0004】
この点、先端の摘み部分が折線より外側に突出した先行技術もある(例えば特許文献2)。しかし、特許文献2に記載のものは、切妻屋根型カ−トンの容器に関するものであり、折線もハ−フカットで繋がった摘み領域に関するもので、切断して開封させるための摘みではなかった。
【特許文献2】特開平9−301354号公報。
【0005】
一方、折り曲げて先端部を飛び出させる先行技術もある(例えば特許文献3)。しかし、特許文献3に記載のものは、プリスターの成型シートの鍔片を表出させるものであって、紙製の台紙切込の先端部を飛び出させるものではない。
【特許文献3】特開2005−247358号公報
【0006】
即ち、台紙切込の先端部が通常は邪魔にならず、切断時に摘みやすくするというものは、従来見当らなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の事情に鑑み、本発明は、包装箱または裏台紙の切込の先端部が、切断時に摘みやすいようにした包装箱または裏台紙を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、展開した状態で裏台紙と中央穴を有する表台紙を含む一枚の紙製シートからなり、両台紙の内面同士を糊着して一体に包装した包装箱において、被包装物を収納した包装箱の表裏台紙に直線状横折目線を付設し、該折目線の外側で前記裏台紙内の開口用切込部の先端部分が切目線からなる包装箱を構成するものである。
【0009】
また本発明は、上記目的を達成するために、包装物を収納するプリスターを糊着して一体に包装した裏台紙において、該裏台紙に直線状横折目線を付設し、該折目線の外側で前記台紙内の開口用切込部の先端部分が切目線からなる裏台紙を構成するものである。
【0010】
さらに本発明は、上記目的を達成するために、展開した状態で裏台紙と中央穴を有する表台紙を含む一枚の紙製シートからなり、両台紙の内面同士を糊着して一体に包装した包装箱の開封方法において、被包装物を収納した包装箱の表裏台紙に直線状横折目線を付設し、該折目線の外側で前記裏台紙内の開口用切込部の先端部分に切目線を形成し、前記包装箱を表裏台紙の直線状横折目線の位置で表側に折り曲げると前記裏台紙内の開口用切込部の先端部分が飛び出し、該先端部分を持って引っ張ると切込部が順次切断して開封され、包装箱から被包装物を容易に取り出せるようにした包装箱の開封方法を構成するものである。
【0011】
さらにまた本発明は、上記目的を達成するために、包装物を収納するプリスターを糊着して一体に包装した裏台紙の開封方法において、該裏台紙に直線状横折目線を付設し、該折目線の外側で前記裏台紙内の開口用切込部の先端部分に切目線を形成し、前記裏台紙を直線状横折目線の位置で表側に折り曲げると前記裏台紙内の開口用切込部の先端部分が飛び出し、該先端部分を持って引っ張ると切込部が順次切断して開封され、裏台紙から被包装物を容易に取り出せるようにした裏台紙の開封方法を構成するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の包装箱と裏台紙とその開封方法によると、被包装物が容易に取り出せるようになった。
【0013】
本発明の包装箱と裏台紙とその開封方法は、直線状横折目線の位置で表側に折り曲げない限り、開口用切込部の先端部分が飛び出すことはないので、通常は邪魔にならない。
【0014】
裏台紙内の開口用切込部の先端部分の切目線以外の切込部は鋸歯状に形成してなるようにすれば、被包装物が一層取り出しやすくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。
【実施例1】
【0016】
図1は、本発明の包装箱とその開封方法を示し、(a)は表台紙側からみた斜視図、(b)は裏台紙側からみた斜視図、(c)は開封時に表側へ折り曲げた状態を示す裏台紙側からみた斜視図である。図2は、本発明の包装箱用の一枚の紙製シートからなる表裏台紙の展開平面図である。
【0017】
本発明の包装箱1は、展開した状態では、図2に示すように、裏台紙2と中央穴3を有する表台紙4を含む一枚の紙製シート5からなっている。裏台紙2と表台紙4は、折目6,7を介して底面8で連結されている。表台紙4の中央穴3には、必要に応じて透明なプリスターが嵌合される。また裏台紙2の左右には、折目9,10を介して糊代部11,12が連結され、糊代部11,12の左右には、折目13,14を介して側面部15,16を連結している。側面部15,16の左右には、折目23,24を介して糊代部25,26が連結されている。なお裏台紙2と表台紙4の上端には、吊り下げ孔17a,17bを穿設している。
【0018】
シート5を組み立てるには、折目6,7を内側に折り返し、折目9,10を内側に折り返し、折目13,14を外側に折り返し、折目23,24を外側に折り返し、糊代部11,12と、糊代部25,26と、裏台紙2と表台紙4の上半分の内面同士を、吊り下げ孔17a,17bが合致するようにして糊着し、一体に包装される。このようにして組み立てられた図1(a)に示す凸状空間内には、本実施例の場合には、真空包装された乾電池が包装物18として収納される。
【0019】
包装物18を収納した包装箱1の表裏台紙2,4には、図2に示すような直線状横折目線19,20を付設している。この直線状横折目線19,20の位置は、裏台紙2と表台紙4の上半分の内面同士を糊着した夫々の下端に相当する。即ち、直線状横折目線19,20より上半分は糊着され、直線状横折目線19,20より下半分は糊着されず、直線状横折目線19と直線状横折目線20は同じ位置で糊着されている。そして図1に示す裏台紙2には、上部に先端部分21を有し、左右に大きく付設した開口用切込部22が鋸歯状に刻設されている。ここで直線状横折目線というのは、本実施例の場合に横に折り曲げるからであって、本発明の直線状横折目線は、横方向のみに限定されるものではない。また、鋸歯状に刻設した開口用切込部22は、鋸歯状に刻設されるものに限らず、切目線に形成された開口用切込部22の先端部分21から順次切断する際に、先端部分21よりやや強い力で切断できるように形成されていればよく、直線状破断線や鎖線であってもよい。
【0020】
図1(b)に示す裏台紙2を、直線状横折目線19の位置で、矢印Rの方向の表側に折り曲げると、図1(c)に示すようなる。即ち、開口用切込部22の先端部分21が、切目線によって、飛び出るようになる。従って、この先端部分21を持って引っ張ると、切込部22が順次切断して開封される。そのため包装箱1から被包装物18を、容易に取り出すことができる。
【実施例2】
【0021】
図3は、本発明の別の例を示す裏台紙の裏面図である。図4は図3の裏台紙の表に糊着するプリスターで、(a)は平面図、(b)は(a)をI−I´線で切断した断面図である。図5は、本発明の裏台紙とその開封方法を示し、(a)は表側からみた斜視図、(b)は開封時に表側へ折り曲げた状態を示す裏台紙側からみた斜視図である。
【0022】
本発明の包装物を収納する透明なプリスター104には、裏面に裏台紙102を糊着して一体に包装している。そして裏台紙102には、直線状横折目線119を付設している。この直線状横折目線119の位置は、プリスター104の上部鍔片104aの位置であり、即ちプリスター104は、直線状横折目線119の位置より下方の裏台紙102だけに糊着されている。なお裏台紙102の上端には、吊り下げ孔117を穿設している。
【0023】
そして裏台紙102には、上部に先端部分121を有し、左右に大きく付設した開口用切込部122が鋸歯状に刻設されている。ここで直線状横折目線というのは、本実施例の場合に横に折り曲げるからであって、本発明の直線状横折目線は、横方向のみに限定されるものではない。また、鋸歯状に刻設した開口用切込部122は、鋸歯状に刻設されるものに限らず、切目線に形成された開口用切込部122の先端部分121から順次切断する際に、先端部分121よりやや強い力で切断できるように形成されていればよく、直線状破断線や鎖線であってもよい。
【0024】
プリスター104の凸状空間内には、本実施例の場合には、図示してないが、カメラ用のリチウム電池が包装物として収納される。裏台紙102を、直線状横折目線119の位置で、矢印R´の方向の表側に折り曲げると、図5(b)に示すようなる。即ち、開口用切込部122の先端部分121が、切目線によって、飛び出るようになる。従って、この先端部分121を持って引っ張ると、切込部122が順次切断して開封される。そのため裏台紙102から被包装物を、プリスター104から容易に取り出すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明の開封方法は、紙製のみからなる包装箱に限らず、プリスターパックを含む裏台紙に至るまで、広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の包装箱とその開封方法を示し、(a)は表台紙側からみた斜視図、(b)は裏台紙側からみた斜視図、(c)は開封時に表側へ折り曲げた状態を示す裏台紙側からみた斜視図である。
【図2】本発明の包装箱用の一枚の紙製シートからなる表裏台紙の展開平面図である。
【図3】本発明の別の例を示す裏台紙の裏面図である。
【図4】図3の裏台紙の表に糊着するプリスターで、(a)は平面図、(b)は(a)をI−I´線で切断した断面図である。
【図5】本発明の裏台紙とその開封方法を示し、(a)は表側からみた斜視図、(b)は開封時に表側へ折り曲げた状態を示す裏台紙側からみた斜視図である。
【符号の説明】
【0027】
1 包装箱
2 裏台紙
3 中央穴
4 表台紙
5 紙製シート
6,7,9,10,13 折目
14,23,24 折目
8 底面
11,12,25,26 糊代部
15,16 側面部
17a,17b 吊り下げ孔
18 包装物
19,20 直線状横折目線
21 先端部分
22 開口用切込部
R 表側の矢印の方向
102 裏台紙
104 プリスター
104a プリスターの上部鍔片
117 吊り下げ孔
119 直線状横折目線
121 先端部分
122 開口用切込部
R´ 表側の矢印の方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
展開した状態で裏台紙と中央穴を有する表台紙を含む一枚の紙製シートからなり、両台紙の内面同士を糊着して一体に包装した包装箱において、被包装物を収納した包装箱の表裏台紙に直線状横折目線を付設し、該折目線の外側で前記裏台紙内の開口用切込部の先端部分が切目線からなることを特徴とする包装箱。
【請求項2】
前記包装物を収納するプリスターを糊着して一体に包装した裏台紙に直線状横折目線を付設し、該折目線の外側で前記台紙内の開口用切込部の先端部分が切目線からなる請求項1記載の包装箱。
【請求項3】
前記裏台紙内の開口用切込部の先端部分を切目線以外の切込部は鋸歯状に形成してなる請求項1または請求項2記載の包装箱。
【請求項4】
展開した状態で裏台紙と中央穴を有する表台紙を含む一枚の紙製シートからなり、両台紙の内面同士を糊着して一体に包装した包装箱の開封方法において、被包装物を収納した包装箱を表裏台紙の直線状横折目線を付設し、該折目線の外側で前記裏台紙内の開口用切込部の先端部分に切目線を形成し、前記包装箱を表裏台紙の直線状横折目線の位置で表側に折り曲げると前記裏台紙内の開口用切込部の先端部分が飛び出し、該先端部分を持って引っ張ると切込部が順次切断して開封され、包装箱から被包装物を容易に取り出せるようにしたことを特徴とする包装箱の開封方法。
【請求項5】
包装物を収納するプリスターを糊着して一体に包装した裏台紙の開封方法において、該裏台紙に直線状横折目線を付設し、該折目線の外側で前記裏台紙内の開口用切込部の先端部分に切目線を形成し、前記裏台紙を直線状横折目線の位置で表側に折り曲げると前記裏台紙内の開口用切込部の先端部分が飛び出し、該先端部分を持って引っ張ると切込部が順次切断して開封され、裏台紙から被包装物を容易に取り出せるようにしたことを特徴とする裏台紙の開封方法。
【請求項6】
前記裏台紙内の開口用切込部の先端部分の切目線以外の切込部は鋸歯状に形成してなり、前記先端部分を持って引っ張ると前記切込部が順次切断して開封され、包装箱またはプリスターから被包装物を容易に取り出せるようにした請求項4または請求項5記載の包装箱と裏台紙の開封方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−285154(P2010−285154A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−73372(P2009−73372)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(599150137)ハリマ紙器印刷工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】