説明

層状フィルム組成物、それらから調製した包装および使用方法

本発明は、少なくとも3つの層を含む穿孔フィルム組成物であって、少なくとも1つの層が内層であり、該内層は、該内層の反対の表面に位置する、少なくとも2つの外層のそれぞれの軟化および/もしくは溶融温度よりも低い軟化および/もしくは溶融温度を有し、並びに高温に露出することで、該内層が、圧縮力への露出で、増加した湿気障壁を該フィルム組成物全体に付与するのに十分な数の穿孔が該内層において密封されるような程度まで軟化もしくは溶融する穿孔フィルム組成物に関する。本発明はそのような穿孔フィルム組成物の形成方法、それらから調製される包装および穿孔フィルム組成物から調製される包装の充填方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は2005年7月8日出願の仮出願第60/697,915号の利益を主張し、この仮出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は穿孔処理された(perforated)層状フィルム組成物に関し、これは、高温および圧縮力に晒された際、例えば、主として液体形態でのフィルムの穿孔(perforations)を介する水の輸送の観点から、湿気に対する障壁を形成する。このフィルム組成物は様々な包装、特には、柔軟な包装に用いることができる。このフィルム組成物から形成される包装には、加圧条件下で、粉末状物質を効率的に充填することができる。本発明は、そのようなフィルム組成物から調製される包装、そのようなフィルム組成物の形成方法およびそのような包装、並びにそのような包装に粉末性物品を充填する方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
粉末包装事業においては、粉末粒子を流動させる加圧空気をバッグに充填するため、通気性バッグを有することが重要である。伴入された空気はバッグから除去しなければならず、さもなければバッグ内圧が増加してバッグが破裂する。現在、伴入された空気はプラスチックバッグの穿孔によって除去している。あいにく、穿孔処理されたバッグは、多湿環境において長期間にわたって輸送し、もしくは、雨もしくは高い湿度に晒される可能性のある、屋外に保存することはできない。充填プロセスの最中に空気を効率的に放出することができ、かつ、後に、その中に収容される物品に湿気が接触することを防止することができる、低コストの通気性包装に対する必要性が存在する。加えて、そのような包装は、追加処理工程もしくは元の処理工程の代替を必要とすることなしに、標準包装ラインで容易に使用可能でなければならない。
【0004】
粉末状物品用の包装を設計するとき、大量の隙間の空気、内部製品負荷および処理熱が取り組まねばならない重要な要素である。充填プロセスの最中、粉末の搬送に用いられる空気(それが包装を満たすとき)および粉末中に残留する隙間の空気を除去しなければならない。粉末物品、例えば、セメントの現在の包装においては、粉末物品を柔軟な包装内に粉末粒子を流動化する加圧空気を用いて詰め込んでいる。伴入された空気は、流動化粉末の最大の捕捉を可能にするため、制御された方式で包装から除去しなければならない。
【0005】
最適な包装は粉末を漏出させないようにしなければならない、しかしながら、粉末の保持は充填プロセスの最中に空気を逃がす必要性とバランスを取らなければならない。上述のように、空気を逃がす方法の1つは包装に穿孔処理を施すことである。しかしながら、包装の穿孔のサイズおよび数はそのバッグから漏出し得る粉末の量に影響する。粉末ダストを減少させ、かつ空気が逃げることを可能にするのに用いられる他の方法には、各々のバッグに異なる穿孔の配置を有するバッグ内バッグ・設計が含まれる。これらの設計は湿気が包装内に収容される物品に侵入することを妨げない。
【0006】
粉末状物品用の包装は、比較的少ない1kg包装から周知の50kgセメントバッグまで変化し得る、収容される物品の負荷に耐えることができなければならない。50kgのセメントに伴う負荷は軸方向応力の計算を用いてシミュレートすることができる。これらの計算は、比較的薄いフィルム(約75ミクロン)でさえ50kgに伴う軸方向応力に耐えるのに十分な降伏力を有することを示す。その上、包装の外側もしくはスキン層のポリマーは充填温度での実質的な溶融を回避するのに十分な高さの融点を有さなければならない。耐熱性の問題はそのフィルム構造の個々の樹脂の選択に多大な影響を及ぼす。
【0007】
上記要素に加えて、さらなる重要な要素は、製造プラントにおける工程段階に起因する、外部から印加される力に関連する。例えば、充填された包装はその製造プラントを通して一連のコンベアを用いて輸送される。これらのコンベアは、傾斜した表面(傾斜および下り勾配(inclining and declining)、様々な角度の多くの屈曲部および多くの異なる表面材質(金属ローラー、ゴムコンベア、布コンベア等)を含み得る。充填された包装は滑ったり、滑り落ちることなしにこれらのコンベアに沿って移動しなければならない。コンベアライン上での包装の安定性は、その包装の表面構造(潜在的な摩擦係数を含む)に加えてバッグ内圧に関係する。
【0008】
さらに、包装のパレットへの積載およびパレットの積み重ねの間、典型的には、パレットあたり45のバッグが自動パレット積載機によって積み重ねられる。これらのパレットは、次に、パレット3つもの高さにまで積み重ねられ、スタックの底部近くの包装は頂部積載品から相当の圧力を受ける。この状況において、耐クリープ性の潜在能力はスタックの底部近くの包装の変形を生じ、物品の放出を生じることがある。
【0009】
GB 1 265 547は、粒状もしくは微粉状物品をプラスチックシート材で製造された包装手段内に包装するための方法を開示する。この参考文献は、配向性プラスチックシート材で製造され、製品の平均粒子径よりも小さい直径を有する穿孔を備えた、包装手段として用いるための容器を開示する。この容器に製品を充填し、充填後に洗浄した後、穿孔が閉じるまで加熱する。プラスチックシート材を製品によって加えられる圧力から開放するため、シート材を加熱しながら、穿孔が閉じる前に、充填された容器に外圧を印加して穿孔の閉鎖を確実なものとすることができる。この力はプラスチックシート材の穿孔部分によって形成される平面と平行な方向に印加され、製品の圧力によって穿孔処理されたシート材に加えられる張力に対して作用する。米国特許第4,332,845号にはバッグが記載され、酸素吸収剤が密封される、そのバッグを構成する材料の少なくとも一部は積層シートで構成され、その積層シートにおいては気体透過性シートがマイクロポーラスフィルムの片側もしくは両側に積層されて積層体を提供する。この積層体の2つの外層は異なる軟化点を有し、より低い軟化点を有する層がバッグの内面を構成する。このバッグは通常のヒートシール装置を用いることによって高速に製造することができる。
【0010】
米国特許第4,743,123号は、50μm未満の粒子を含む材料を包装するための、ポリオレフィン材料、例えば、ポリエチレンのプラスチックバッグを開示する。本特許はそのような材料を収容する密閉バッグおよびそのようなバッグ用のホイル材料も開示する。このバッグのホイル壁は、レーザ照射によって得られ、かつ50〜100μmの最大サイズを有する、端面が滑らかな通気口を備える。これらの通気口の間の距離は、ホイルの張力が類似の非穿孔ホイルの張力と実質的に同じとなるようなものである。この特許は、低密度ポリエチレンホイルを含有するバッグおよび交互に穿孔された2つの穿孔ホイル層を含有するバッグも開示する。米国特許第4,672,684号は、熱可塑性内層を有する熱可塑性輸送用バッグであって、充填の最中もしくはその後に許容し得ないレベルの粉末を雰囲気に放出することなしに微粉末化材料の包装を可能にするメッシュを含むバッグを開示する。このバッグの壁は多数の層を含有することができ、層およびメッシュ裏層は異なる材料で製造することができる。これらのバッグは、著しい修正なしに、既存の包装システムで、多壁紙輸送用バッグの充填および加工に用いることができる。
【0011】
米国特許第3,085,608号は、空気に対しては透過性であり、かつ水に対しては実質的に不透性であるプラスチックシートもしくはバッグであって、複数の通気口を、その材料を穿孔から除去することなしに、穿孔することによって生じる、微小フラット弁の形態で含有するバッグの材料を、プラスチックシートもしくはバッグを開示する。バッグのいずれかの側での圧力は複数の微小弁を開放させてそれらを介する空気の通過を可能とし、それらの穿孔は、例えばバッグの外部の、水が表面張力作用のためにそれらの小穿孔を介して通過できないような小規模のものである。この特許は、所定の距離で間隔を置く無数の穿孔を有する、多かれ少なかれ規定されたパターンで穿孔処理されたポリエチレンシートもしくはバッグも開示する。米国特許第5,888,597号は熱可塑性フィルムを含む包装を開示し、このフィルムはポリアミドブロックおよびポリエーテルブロックを含有するポリマーに基づく。このポリマーは水蒸気、エチレン、CO2および酸素に対して透過性であり、CO2に対するその透過性は酸素に対するその透過性よりもかなり大きい。
【0012】
米国特許第5,891,376号は、透過性が制御されたフィルムおよびその製造方法を開示し、そのフィルムは、フィルム形成性ポリオレフィンポリマー、および不活性多孔性充填を、そのフィルムの二酸化炭素透過性および水透過性の酸素透過性に対する比を低下させるのに有効な量で含む。この特許は、フィルムに、圧力処理、加熱処理、伸長処理もしくはそれらの組み合わせを含み得る、「透過性改質工程」を施すことを開示する。さらなるフィルムがEP 0 500 931A1、EP 0 391 661A、U.S.5,807,630、WO 2004/106392、EP 0 060 599、EP 0 368 632、およびGB 1 248 731に記載される。参考文献DE 38 32 673A1は、不織型の管を粉末状物品の充填に用いることを開示する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、上に論じられる参考文献には、コアおよび外層が異なる熱的特性を有し、かつ堅牢なバッグを形成するように設計される多層(少なくとも3層)穿孔フィルム(perforated film)であって、充填プロセスの最中に空気を逃がし、かつ、バッグの構造的一体性を損なうことなしに、加熱および圧縮処理をして収容される物品への大量の湿気の侵入を防止する改善された湿気障壁を形成することができるフィルムを開示するものはない。
【0014】
したがって、穿孔処理された耐湿性包装であって、充填プロセスの最中に空気を逃がし、かつ、その後に、穿孔を介する水の輸送に対する改善された湿気障壁を形成する包装に対する要求が存在する。加えて、包装プロセスの最中および貯蔵の最中に、高温および印加された応力の下で構造的一体性を維持することができる包装に対する要求が存在する。これらの問題および他の問題点が以下の本発明によって満たされている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、通気性(穿孔処理された)層状包装であって、加圧条件下で粉末状物質を効率的に充填することができ、かつ、高温および圧縮力への露出で、湿気に対する障壁を形成する包装に対して提供する。この包装は、粉末状物質の充填の最中に通気性であり、かつ、充填の最中および充填後に、少なくとも1つの内層を溶融するのに十分であるが、その内層の反対の表面に位置する、少なくとも2つの外層の構造的一体性を損なうには不十分である高温まで加熱することができる、穿孔処理された多層フィルム組成物から形成される。圧縮力の印加で、増加した湿気障壁をフィルム組成物に付与するのに十分な数の穿孔が内層において密封される。
【0016】
したがって、本発明は、少なくとも3つの層を含む穿孔フィルム組成物(a perforated film composition)であって、少なくとも1つの層が内層であり、その内層は、その内層の反対の表面に位置する、少なくとも2つの外層のそれぞれの軟化および/もしくは溶融温度と比較してより低い軟化および/もしくは溶融温度を有し、かつ、そのフィルム組成物が高温に晒されたとき、その少なくとも1つの内層が、圧縮力への露出で、増加した湿気障壁(moisture barrier)をそのフィルム組成物に付与するのに十分な数の穿孔がその内層において密封されるような程度まで軟化もしくは溶融するフィルム組成物も提供する。フィルムの各層を貫く穿孔は共通の中心を有する。このフィルム組成物の湿気障壁は高温および圧縮力に晒される前のフィルム組成物の湿気障壁よりも大きい。この湿気障壁の増加は穿孔の密封によるものであり、これは、次に、水が通過できるフィルム表面積の量を減少させる。湿気障壁の増加は水圧試験、例えば、ハイドロヘッド水圧試験(hydrohead water pressure test)を用いて測定することができる。一態様において、湿気障壁の相異はハイドロヘッド水圧試験(Hydrohead Water Pressure Test)ISO 1420 A1を用いて決定する。本発明の別の態様において、高温への露出および圧縮力への露出は同時に行う。別の態様において、穿孔は、個別に、100ミクロン以上のサイズのものである。別の態様においては、穿孔は、個別に、1000ミクロン以下のサイズのものである。
【0017】
本発明の別の態様において、少なくとも1つの内層は20℃〜150℃のビカット(Vicat)軟化点を有する熱可塑性樹脂を含む。別の態様において、この熱可塑性樹脂は、プロピレン/α−オレフィンインターポリマー、エチレン/α−オレフィンインターポリマーおよびそれらの配合物(blends thereof)からなる群より選択される。さらなる態様において、この熱可塑性樹脂はエチレン/α−オレフィンインターポリマーもしくはそれらの配合物である。さらに別の態様において、このエチレン/α−オレフィンインターポリマーもしくはそれらの配合物は、エチレンおよび1−オクテン、エチレンおよび1−ブテン、エチレンおよび1−ヘキセン、エチレンおよび1−ペンテン、エチレンおよび1−ヘプテン、エチレンおよびプロピレン、エチレンおよび4−メチルペンテン−1並びにそれらの混合物(mixtures thereof)からなる群より選択されるモノマーから形成されるコポリマーを含む。さらに別の態様において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーもしくはそれらの配合物は1g/10分〜100g/10分のメルトインデックス(I2)を有する。別のさらなる態様において、エチレン/α−オレフィンインターポリマーは1〜50グラム/10分のメルトインデックス、0.86〜0.920グラム/cm3の密度および2〜10の分子量分布、Mw/Mnを有する。
【0018】
本発明の別の態様において、少なくとも1つの外層は、プロピレンホモポリマー、プロピレンインターポリマー、エチレンホモポリマー、エチレンインターポリマーおよびそれらの配合物からなる群より選択される熱可塑性樹脂である。15。さらなる態様において、この熱可塑性樹脂はエチレン/α−オレフィンインターポリマーもしくはそれらの配合物である。さらなる態様において、このエチレン/α−オレフィンインターポリマーもしくはそれらの配合物は、エチレンおよび1−オクテン、エチレンおよび1−ブテン、エチレンおよび1−ヘキセン、エチレンおよび1−ペンテン、エチレンおよび1−ヘプテン、エチレンおよびプロピレン、エチレンおよび4−メチルペンテン−1並びにそれらの混合物からなる群より選択されるモノマーから形成されるコポリマーを含む。さらに別の態様において、このエチレン/α−オレフィンインターポリマーもしくはそれらの配合物は、0.1g/10分〜100g/10分のメルトインデックス(I2)を有する。さらなる態様において、このエチレン/α−オレフィンインターポリマーは0.2〜50グラム/10分のメルトインデックス、0.900〜0.940グラム/ccの密度および1.5〜5の分子量分布、Mw/Mnを有する。
【0019】
本発明の別の態様において、フィルム組成物はGPPS、HIPS、ABS、SAN、ナイロン、スチレンブロックコポリマーもしくはそれらの混合物を含む層をさらに含む。別の態様においては、内層が熱伝達剤(heat transfer agent)を含む。
【0020】
本発明の一態様において、フィルム組成物の外層の各々は内層の表面に隣接する。別の態様においては、外層の一方もしくは両方が1つ以上の介在層によって内層から分離される。別の実施形態においては、フィルム組成物が3つの層のみを含有する。別の実施形態においては、フィルム組成物が5つの層のみを含有する。さらに別の実施形態においては、フィルム組成物が5つを超える層を含有する。
【0021】
別の態様において、内層は少なくとも2つの外層のそれぞれの軟化点よりも少なくとも20℃低いVicat軟化点を有する。別の態様においては、内層は少なくとも2つの外層のそれぞれの軟化点よりも少なくとも30℃低いVicat軟化点を有する。さらに別の態様においては、湿気障壁が、ハイドロヘッド水圧試験(ISO 1420 A1)によって決定される、10〜21.5mbarの圧力で維持される。
【0022】
本発明は、指定された領域で穿孔処理され、並びに/または穿孔勾配および/もしくは特定の穿孔配置を含有するフィルム組成物および包装に対して提供される。一態様において、この包装は2つ以上の継ぎ目を含有し、かつその包装の表面内の1つ以上の指定された領域に穿孔を含有する。別の態様において、穿孔は、その包装の表面上に圧縮力を及ぼす装置から受ける圧縮力が最大である、1つ以上の指定された領域内に局在する。さらなる態様において、その装置は垂直に位置されたローラーの対である。さらに別の態様において、その装置は垂直に位置されたローラーの一連の2つ以上の対である。
【0023】
別の態様において、包装のフィルム組成物は少なくとも約20m3/時の空気透過率を有する。別の態様において、フィルム組成物は50ミクロン〜250ミクロンの厚みを有する。別の態様において、包装は1kg〜100kgの最大収容力(capacity)を有する。
【0024】
別の態様において、包装は、その包装の1つ以上の水平に平坦な表面内に位置する、1つ以上の指定された領域を含む。さらなる態様において、穿孔は1つ以上の指定された領域内で均等に間隔を置く。別の態様において、穿孔は1つ以上の指定された領域の各々の長軸方向中点に沿ってより高密度である。別の態様において、1つ以上の指定された領域は、各々、その包装の表面の長軸方向中点に沿って位置し、かつ各々の領域はその包装の幅の1/2未満である幅を有する。
【0025】
本発明は、少なくとも3つの層を含む穿孔フィルム組成物の形成方法であって、
(a)各層に適する熱可塑性ポリマーもしくはポリマー配合物を選択し、
(b)該熱可塑性ポリマーもしくは配合物からブローンもしくはキャストフィルムを形成し、該ブローンもしくはキャストフィルムは少なくとも3つの層を含み、
(c)該ブローンもしくはキャストフィルムを穿孔処理して穿孔フィルム組成物を形成する
ことを含み、
該フィルムの少なくとも1つの層は内層であり、該内層は、該内層の反対の表面に位置する少なくとも2つの外層のそれぞれの軟化および/もしくは溶融温度と比較して、より低い軟化および/もしくは溶融温度を有し、かつ該フィルムの層は共通の中心を有する穿孔を有し、並びに
該フィルムが高温に晒されるとき、該少なくとも1つの内層は、圧縮力への露出で、増加した湿気障壁を該フィルム組成物に付与するのに十分な数の穿孔が該内層において密封されるような程度まで軟化もしくは溶融する方法に対して提供される。
【0026】
さらに、本発明は、包装に粉末状物品を充填する方法であって、
a)粉末状物品を適切な最大収容力の包装に加えて充填された包装を形成し、該包装は少なくとも3つの層を含む穿孔フィルム組成物から形成され、該少なくとも3つの層の少なくとも1つの層は内層であり、該内層は、該内層の反対の表面に位置する少なくとも2つの外層のそれぞれの軟化および/もしくは溶融温度と比較して、より低い軟化および/もしくは溶融温度を有し、かつ該フィルム組成物の層は共通の中心を有する穿孔を有し、
b)該包装に、該少なくとも1つの内層を軟化もしくは部分的に溶融させるのに十分な温度を施し、
c)該充填された包装に圧縮力を施す
ことを含む方法に対して提供する。
【0027】
別の態様において、穿孔は包装の1つ以上の指定された領域に局在し、それらの1つ以上の指定された領域は、包装の表面上に圧縮力を及ぼす装置からの最大圧縮力を受ける。
【0028】
別の態様において、充填された包装は、その包装に圧縮力が施された後、さらに密封される。
【0029】
さらなる態様において、充填方法は、本発明のバッグを充填スパウトに固定することを含む。さらなる態様においては、充填プロセスの最中の空気の除去を容易にするのに、DE3832673A1(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるような、不織布で製造された管を用いることができる。
【0030】
本発明は、本明細書で説明される2つ以上の態様もしくは実施形態の組み合わせを含むフィルムに対して提供される。
【0031】
本発明は、本明細書で説明される2つ以上の態様もしくは実施形態の組み合わせを含む包装に対して提供される。
【0032】
本発明は、本明細書で説明される2つ以上の態様もしくは実施形態の組み合わせを含む、フィルムもしくは包装の形成方法に対して提供される。
【0033】
本発明は、本明細書で説明される2つ以上の態様もしくは実施形態の組み合わせを含む、包装の充填方法に対して提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
本発明は、通気性層状フィルム組成物であって、加圧条件下で粉末状物質を効率的に充填することができ、かつ、高温および印加された圧縮力への露出で、湿気障壁を形成する通気性層状フィルム組成物に対して提供する。本発明の包装は穿孔フィルム組成物に基づき、この穿孔フィルム組成物は少なくとも3つの層(もしくはパイル)を含有し、かつ少なくとも1つの内層は、その内層の反対の表面に位置する、少なくとも2つの外層のそれぞれの軟化および/もしくは溶融温度との比較で、より低い軟化および/もしくは溶融温度を有する。このフィルム組成物の層は共通の中心を有する穿孔を有する。一実施形態において、これらの外層の各々は内層のそれぞれの表面に隣接する。
【0035】
高温に対しての露出で、この内層は、圧縮力への露出で、フィルム組成物全体に湿気障壁の増加を付与するのに十分な数の穿孔が内層において密封される程度まで軟化する。フィルム構造におけるこの変化を図1に示す。穿孔の密封による湿気障壁の増加は、主として液体形態の、水がフィルム組成物の外部からフィルム組成物の内部へ、およびその逆に、通過することを防止する手助けをする。湿気障壁の増加は水圧試験、例えば、ハイドロヘッド水圧試験を用いて測定することができる。一実施形態においては、湿気障壁における相異をハイドロヘッド水圧試験ISO 1420 A1を用いて決定する。
【0036】
熱的に処理された内層は圧縮力の印加で流動し、開放された穿孔を密封する。物質のこの「流動性」は、部分的には、適用される温度、印加される圧力、内層の厚み、内層の軟化および/もしくは溶融温度、並びに/または内層の流動特性に依存する。一実施形態において、フィルム組成物はその湿気障壁および構造一体性を、熱処理および圧縮力が施された後、ハイドロヘッド水圧試験(ISO 1420 A1)による、10mbar〜21.5mbarで維持することができる。
【0037】
高温への露出および圧縮力への露出は、同時であっても、温度露出を圧縮力に先んじて、連続的であってもよい。好ましい実施形態においては、フィルム組成物を90℃以上の温度および30−60kPaの圧縮力に露出する。別の実施形態においては、内層は少なくとも2つの外層のそれぞれの軟化点よりも少なくとも20℃低いVicat軟化点を有する。別の実施形態においては、内層は少なくとも2つの外層のそれぞれの軟化点よりも少なくとも30℃低いVicat軟化点を有する。
【0038】
本発明は、その用途において必要な剛性および最大負荷に依存して、異なるフィルム組成物を用いて適用することができる。INSPIRE(商標)実用ポリマー(Performance Polymers)(The DOW Chemical Company)の外層としての使用は剛性がより高い最終フィルムをもたらし、それに対してDOWLEX(商標)ポリエチレンポリマー、ELITE(商標)ポリエチレンポリマーおよびINSPIRE(商標)ポリプロピレンポリマー(全てThe DOW Chemical Company製)の外層としての使用は最終フィルムにおいてより高い柔軟性をもたらす。
【0039】
本発明のフィルム組成物から形成される包装は様々なサイズの粉末状物品を保持することができる。一実施形態において、そのような物品の粒径は1μm〜100μmの範囲であり得る。粒子はあらゆる形状、例えば、球状もしくは不規則形状および不均一であり得る。
【0040】
本発明のフィルム組成物は、粒子、粉末、顆粒およびバルク物品を含むあらゆるタイプの物品の包装、特には、感湿性物品および感湿性粉末状物品の包装に用いることができる。本発明のフィルム組成物から形成される包装は、粉末状物品、例えば、セメント、石灰、タルク、滑石粉、ポリビニルクロライド、石膏、カカオ、トウモロコシ粉、微粉および粉末状糖の包装において特に有用である。
【0041】
本発明のフィルム組成物から調製される包装は、特定の包装の要求に必要とされる場合、さらなる加工工程で熱的もしくは機械的に処理することができる。しかしながら、本発明は、日常的な粉末包装加工工程の最中に、さらなる加工工程もしくは加工工程の代替を必要とすることなしに、加熱および応力で変形することができるフィルム組成物を提供する。典型的な粉末充填プロセスにおいては、バッグの充填の最中に生じる熱はバッグの温度を100℃も上昇させ得る。加えて、典型的な充填プロセスにおいては、充填されたバッグは、空気を放出するため、一連のロール内で直ちに圧迫される。その上、包装は、指定された温度に加熱された空気除去ロールにより、高温および圧縮力の両方を同時に施され得る。これらの加工工程は、図1に示されるように、フィルム構造の所望の変化を生じ得る。
【0042】
その結果、フィルム組成物は充填プロセスの最中に通気性であり、困難な粉末充填用の柔軟な包装として用いることができる。充填後、フィルム組成物を、少なくとも1つの内層を軟化および/もしくは溶融するには十分であるが、内層の反対の表面に各々位置する少なくとも2つの外層の構造的一体性を損なうには不十分である温度まで加熱することができる。
【0043】
フィルム組成物の温度の上昇は様々な加熱機構によって達成することができ、この加熱機構には、これらに限定されるものではないが、接触加熱、例えば、加熱ローラー、対流加熱、例えば、熱気、並びに代わりの加熱源、例えば、赤外(IR)、マイクロ波(MW)、高周波(RF)および衝撃加熱が含まれる。これらの加熱機構のうちの幾つかは、1つ以上の層、好ましくは、内層に1つ以上の受容成分を必要とすることがある。これらの受容体もしくは熱伝達剤は、熱を吸収して周囲のポリマーマトリックスに伝達する役目を果たす。そのような物質には、極性物質もしくはポリマー(ビニルポリマー、ECOポリマー、シロキサン)もしくは他の物質/粒子(金属、カーボンブラック)もしくはそれらの組み合わせが含まれ得る。
【0044】
フィルム組成物には、内層を軟化もしくは部分的に溶融するのに十分な高温を施した後、続く圧縮力を施して軟化した樹脂を開放された穿孔上に押しやらなければならない。この圧縮力は、そのフィルムを一対のローラーもしくは一連のローラーを通して搬送することによって印加することができる(図4を参照)。このローラーは、用途に依存して、室温に維持するか、もしくは特定の温度に加熱することができる。そのようなプロセスの最後に、内層内の穿孔の相当の部分もしくは全てが密封され、増加した湿気耐性障壁をフィルム組成物に付与する。
【0045】
本発明の一実施形態においては、圧縮力を印加して包装体積を減少させた後、包装にさらなる熱処理を施すことができる。
【0046】
本発明の別の実施形態においては、フィルム組成物を、例えば、外部引張り応力もしくは配向コア材料の緩和で、密封された穿孔の再開放を許容するように設計することができる。
【0047】
さらに別の実施形態においては、水吸収剤材料を内層に添加し、湿気に対する露出で、内層を膨潤させることができる。内層の膨潤は内層内の穿孔をさらに密封する。
【0048】
本発明のさらに別の実施形態においては、内層は架橋性基、例えば、シラン剤もしくはシラングラフト化ポリマーを含有することができ、加えて、硬化促進剤を含有することができる。湿気に対する露出で、内層が架橋して内層内の穿孔をさらに密封する。
【0049】
フィルム層内の穿孔はあらゆるサイズもしくは形状のものであり得、これには、これらに限定されるものではないが、様々な円形度の孔、様々な三角形状、様々な矩形形状および他の多角形状、不規則形状およびスリットが含まれる。本発明の一実施形態においては、層(もしくはパイル)は同じサイズの、もしくはサイズ勾配がある穿孔を有する。
【0050】
フィルム組成物は、ポリオレフィン(例えば、RAFFIAポリプロピレン)から製造される織られた(編まれたものを含む)フィルムリボンを含む、少なくとも1つの他のフィルム層を含有することもでき、もしくは少なくとも1つの空洞化フィルム構造を含有することもできる。フィルム組成物は、充填プロセスの最中の空気の放出を促進するフィルタとして役立つ、ポリマー外層を含むこともできる。
【0051】
一実施例において、フィルム組成物は、好ましくは、少なくとも20m3/時の空気透過率を有し、かつ、好ましくは、35秒未満のGurley透過数(Gurley permeability number)(「Paper and Board - Determination of Air Permeance (medium range) - Part 5: Gurley Method」と題するISO試験法5636/5)を有する。フィルムは、少なくとも350,000ミクロン2/インチ2、好ましくは、少なくとも500,000ミクロン2/インチ2の穿孔密度を有することができる。
【0052】
フィルム組成物は、6〜50孔/インチ2の穿孔もしくは孔の平均数密度および、好ましくは、10,000ミクロン2〜70,000ミクロン2の平均個別孔面積を有することができる。この穿孔のサイズは収容される物品のサイズに依存して変化する。穿孔サイズは、10μm〜100μm、50μm〜1000μm以上の範囲であり得る。10μm〜1000μmの全ての個別の値および下位範囲が本明細書に含まれ、本明細書に特定して開示される。
【0053】
本発明のフィルム組成物は、典型的には、25μm(ミクロン)〜1000μm、好ましくは、40μm〜300μm、より好ましくは、50μm〜250μmの厚みを有することができる。25μm〜1000μmの全ての個別の値および下位範囲が本明細書に含まれ、本明細書に特定して開示される。フィルム組成物は1000μmを上回る厚みを有することもできる。
【0054】
一実施形態において、本発明のフィルム組成物から調製される包装は1kg〜100kg、好ましくは、1kg〜50kg、もしくは1〜25kgの重量を保持することができる。
【0055】
典型的には、フィルム組成物は熱可塑性ポリマーを含有する。フィルム組成物中の熱可塑性ポリマーの量は、所望の特性、例えば、フィルム強度特性に、他のフィルム成分に、および用いられるポリマーのタイプに依存して変化する。一般には、フィルム中のポリオレフィンの量は、その組成物の総重量を基準にして、少なくとも40パーセント、好ましくは、少なくとも50パーセント、より好ましくは、少なくとも60パーセントである。
【0056】
本発明のフィルム組成物は、粉末状物品の収容に加えて、他の用途において用いることができる。例えば、フィルム組成物は、空気が容易に逃げることを許容し、次いで、加熱および圧力処理の後、保護されたフィルム層をもたらす、表面もしくは部分保護フィルムとして用いることができる。本発明のフィルム組成物は、コア層が穿孔構築箇所を通過するため、穿刺封着(punctual sealing)をも可能とし得る。これは、フィルムの片側を穿孔し、もしくはそのようなフィルムを非穿孔処理フィルムに積層することにより、2平坦域密封強度組成物(2-plateau seal strength composition)の設計に用いることができる。本発明のフィルムは、不織構造との積層体として、温度に依存する通気性プラス湿度遮断の達成にも用いることができる。フィルム組成物は、温度勾配組成物用に、異なる融点を有する多層フィルムを含有することもできる。
【0057】
安定化剤および酸化防止剤を樹脂配合物に添加し、熱、光もしくは原料由来の残留触媒のような事物から誘導される、酸素との反応によって生じる劣化から樹脂を保護することができる。酸化防止剤はニューヨーク州Hawthornに位置するCiba−Geigyから商業的に入手可能であって、Irganox(登録商標)565、1010および1076が含まれ、これらはヒンダードフェノール酸化防止剤である。これらはフリーラジカルスカベンジャーとして作用する一次酸化防止剤であり、単独で、もしくは他の酸化防止剤、例えば、亜リン酸酸化防止剤、例えば、Ciba−Geigyから入手可能なIrgafos(登録商標)168と組み合わせて用いることができる。亜リン酸酸化防止剤は二次酸化防止剤と考えられ、一般には単独では用いられず、主として過酸化物分解剤として用いられる。他の利用可能な酸化防止剤には、これらに限定されるものではないが、コネチカット州StamfordのCytec Industriesから入手可能なCyanox(登録商標)LTDPおよびルイジアナ州Baton RougeのAlbemarle Corp.から入手可能なEthanox(登録商標)1330が含まれる。他の多くの酸化防止剤が、それら自体での、もしくは他のそのような酸化防止剤との組み合わせでの使用に利用可能である。他の樹脂添加物には、これらに限定されるものではないが、紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料、染料、成核剤、充填剤、潤滑剤(slip agent)、難燃剤、可塑剤、処理助剤、潤滑剤(lubricant)、安定化剤、煙抑制剤、粘度制御剤および粘着防止剤が含まれる。
【0058】
内層および外層用の材料
内層および外層は様々な熱可塑性ポリマーから調製することができる。各層の樹脂の選択は、その層の位置、樹脂の軟化および/もしくは溶融温度並びに連続する層間の接着力に依存する。
【0059】
あらゆる熱可塑性ポリマーもしくは熱可塑性ポリマー配合物を本発明の実施において用いることができ、代表的なポリマーには、天然もしくは合成樹脂、例えば、これらに限定されるものではないが、スチレンブロックコポリマー、ゴム、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリブテン、エチレン/ビニルアセテート(EVA)コポリマー、エチレンアクリル酸コポリマー(EAA)、エチレンアクリレートコポリマー(EMA、EEA、EBA)、ポリブチレン、ポリブタジエン、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレン−プロピレンインターポリマー、例えば、エチレン−プロピレンゴムおよびエチレン−プロピレン−ジエンモノマーゴム、塩素化ポリエチレン、熱可塑性バルカネート、エチレンエチルアクリレートポリマー(EEA)、エチレンスチレンインターポリマー(ESI)、ポリウレタン、それらに加えて、官能性修飾ポリオレフィン、例えば、シラン−グラフトもしくは無水マレイン酸グラフト−修飾オレフィンポリマー、並びに2種類以上のこれらのポリマーの組み合わせが含まれる。
【0060】
開放もしくは閉鎖セルのいずれか、または両方の組み合わせを有する発泡熱可塑性ポリマーを用いることもできる。
【0061】
熱可塑性ポリマーもしくは熱可塑性ポリマー配合物は1種類以上のエチレンホモポリマーもしくはインターポリマーを単独のポリマー成分として、もしくは主要ポリマー成分として含むことができる。そのようなポリマーには、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超超低密度ポリエチレン(ULDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、均一分岐直鎖エチレンポリマー、均一分岐実質直鎖エチレンポリマーおよび不均一直鎖エチレンポリマーが含まれる。フィルム組成物中の1種類以上のこれらのポリマーの量は、存在するとしても、所望の特性、他の成分およびポリエチレンのタイプに依存して変化する。
【0062】
オレフィン、例えば、エチレンもしくはプロピレンとの重合に有用である適切なコモノマーには、これらに限定されるものではないが、エチレン性不飽和モノマー、共役もしくは非共役ジエンもしくはポリエンが含まれる。そのようなコモノマーの例には、エチレンおよびC3−C20α−オレフィン、例えば、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネンおよび1−デセンが含まれる。好ましいコモノマーには、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンおよび1−オクテンが含まれ、後者が特に好ましい。他の適切なモノマーには、スチレン、ハロ−もしくはアルキル−置換スチレン、テトラフルオロエチレン、ビニルベンゾシクロブタン、ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、ヘキサジエン、オクタジエンおよびシクロアルケン、例えば、シクロペンテン、シクロヘキセンおよびシクロオクテンが含まれる。典型的には、エチレンを1種類のC3−C20α−オレフィンと共重合させる。好ましいコモノマーには、C3−C8α−オレフィン、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテンおよび1−オクテンが含まれる。
【0063】
一実施形態において、フィルム層もしくはフィルム層の成分として有用なオレフィン系インターポリマーは、そのインターポリマーの20重量パーセント以下、好ましくは15重量パーセント未満、より好ましくは10重量パーセント未満、最も好ましくは5重量パーセント未満を含むコモノマー含有率を有する。5〜20重量パーセントの全ての個別の重量パーセンテージおよび下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。
【0064】
別の実施形態において、フィルム層もしくはフィルム層の成分として有用なオレフィン系インターポリマーは、そのインターポリマーの7重量パーセント以下、好ましくは5重量パーセント未満、より好ましくは3重量パーセント未満、最も好ましくは2重量パーセント未満を含むコモノマー含有率を有する。2〜7重量パーセントの全ての個別の重量パーセンテージおよび下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。
【0065】
別の実施形態において、フィルム層もしくはフィルム層の成分として有用なオレフィン系インターポリマーは、そのインターポリマーの50重量パーセント以下、好ましくは40重量パーセント未満、より好ましくは30重量パーセント未満、最も好ましくは20重量パーセント未満を含むコモノマー含有率を有する。20〜50重量パーセントの全ての個別の重量パーセンテージおよび下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。
【0066】
別の実施形態において、フィルム層もしくはフィルム層の成分として有用なオレフィン系インターポリマーは、そのインターポリマーの20重量パーセント以下、好ましくは10重量パーセント未満、より好ましくは7重量パーセント未満、最も好ましくは5重量パーセント未満を含むコモノマー含有率を有する。5〜20重量パーセントの全ての個別の重量パーセンテージおよび下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。
【0067】
本発明のインターポリマー中のコモノマー含有量は50重量パーセントを上回っていてもよく、もしくは2重量パーセント未満であってもよい。
【0068】
有用なオレフィン系インターポリマーには、これらに限定されるものではないが、エチレン系インターポリマーおよびプロピレン系インターポリマーが含まれる。
【0069】
「均一」および「均一分岐」という用語は、α−オレフィンコモノマーが所与のポリマー分子内に無作為に分布し、かつ実質的に全てのポリマー分子が同じエチレン対コモノマー比を有するエチレン/α−オレフィンインターポリマーを参照する上で用いられる。
【0070】
本発明の実施において用いることができる均一分岐エチレンインターポリマーには、均一分岐直鎖エチレンインターポリマーおよび均一分岐実質直鎖エチレンインターポリマーが含まれる。
【0071】
均一分岐直鎖エチレンインターポリマーのうちに含まれるものは、長鎖分岐を欠くものの、インターポリマーに重合したコモノマーから誘導され、かつ同じポリマー鎖内および異なるポリマー鎖間の両方に均一に分布する短鎖分岐を有するエチレンポリマーである。すなわち、均一分岐直鎖エチレンインターポリマーは、直鎖低密度ポリエチレンポリマーもしくは直鎖高密度ポリエチレンポリマーの場合と全く同様に、長鎖分岐を欠き、例えば、Elstonによって米国特許第3,645,992号に記載されるように、均一分岐分布重合法を用いて製造される。均一分岐直鎖エチレン/α−オレフィンインターポリマーの商業的な例には、Mitsui Chemical Companyによって供給されるTAFMER(商標)ポリマーおよびExxon Chemical Companyによって供給されるEXACT(商標)ポリマーが含まれる。
【0072】
均一分岐実質直鎖エチレンインターポリマーは米国特許第5,272,236号、第5,278,272号、第6,054,544号、第6,335,410号および第6,723,810号に記載され、各々の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0073】
加えて、実質直鎖エチレンインターポリマーは長鎖分岐を有する均一分岐エチレンポリマーである。長鎖分岐はポリマー主鎖と同じコモノマー分布を有し、かつポリマー主鎖の長さとほぼ同じ長さを有することができる。典型的には、「実質直鎖」は、大部分のポリマーが、平均で、1000合計炭素(主鎖および分岐炭素の両方を含む)あたり0.01長鎖分岐〜1000合計炭素あたり3長鎖分岐で置換されていることを意味する。好ましいポリマーは、1000合計炭素あたり0.01長鎖分岐〜1000合計炭素あたり1長鎖分岐、より好ましくは、1000合計炭素あたり0.05長鎖分岐〜1000合計炭素あたり1長鎖分岐、特には、1000合計炭素あたり0.3長鎖分岐〜1000合計炭素あたり1長鎖分岐で置換される。
【0074】
実質直鎖ポリマーの商業的な例には、ENGAGE(商標)ポリマーおよびAFFINITY(商標)ポリマー(両方ともThe Dow Chemical Companyから入手可能)が含まれる。
【0075】
実質直鎖エチレンインターポリマーは独自クラスの均一分岐エチレンポリマーを形成する。それらは、Elstonによって米国特許第3,645,992に記載される、従来の均一分岐直鎖エチレンインターポリマーの周知クラスとは異なり、さらに、それらは従来の不均一チーグラー・ナッタ触媒重合直鎖エチレンポリマー(例えば、Andersonらによって米国特許第4,076,698号に開示される技術を用いて、製造される、例えば超超低密度ポリエチレン(ULDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)もしくは高密度ポリエチレン(HDPE))と同じクラスにも、高圧フリーラジカル開始高度分岐ポリエチレン、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン−アクリル酸(EAA)コポリマーおよびエチレンビニルアセテート(EVA)コポリマーと同じクラスにもない。
【0076】
本発明において有用な均一分岐実質直鎖エチレンインターポリマーは、それらが比較的狭い分子量分布を有するとしても、優れた処理性を有する。驚くべきことに、実質直鎖エチレンインターポリマーのASTM D 1238(I10/I2)によるメルトフロー比は広範に変化することができ、分子量分布、Mw/Mn、もしくはMWDとは本質的に無関係である。この驚くべき挙動は、従来の均一分岐直鎖エチレンインターポリマー、例えば、Elstonによって米国特許第3,645,992号に記載されるもの、および不均一に分岐した従来のチーグラー・ナッタ重合直鎖ポリエチレンインターポリマー、例えば、Andersonらによって米国特許第4,076,698号に記載されるものとは対照的である。均一分岐実質直鎖エチレンインターポリマーとは異なり、直鎖エチレンインターポリマーは(均一に分岐していようと、不均一に分岐していようと)分子量分布によってより影響されるレオロジー特性を有する。
【0077】
均一分岐直鎖もしくは実質直鎖エチレンポリマーは狭い分子量分布(Mw/Mn)を有するものと特徴付けられる。直鎖もしくは実質直鎖エチレンポリマーについては、分子量分布Mw/Mnは、例えば、5以下、好ましくは4以下、より好ましくは1.5〜4、さらにより好ましくは1.5〜3、最も好ましくは2.5〜3.5である。1〜5の全ての個別の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。
【0078】
均一直鎖および実質直鎖エチレンポリマーのコモノマー分岐の分布はそのSCBDI(短鎖分岐分布指数(Short Chain Branch Distribution Index))もしくはCDBI(組成分布分岐指数(Composition Distribution Branch Index))によって特徴付けられ、半合計コモノマーモル含有率(median total molar comonomer content)の50パーセント以内のコモノマー含有率を有するポリマー分子の重量パーセントと定義される。ポリマーのCDBIは、当分野において公知の技術、例えば、Wild et al., Journal of Polymer Science, Poly. Phys. Ed., Vol. 20, p. 441 (1982)により、もしくは米国特許第4,798,081号および第5,008,204号に、例えば、記載される、昇温溶離分別法(ここでは「TREF」と略す)から得られるデータから算出される。本発明の組成物において有用な実質直鎖ポリマーのSCBDIもしくはCDBIは、好ましくは50パーセントを上回り、特には70パーセントを上回り、より好ましくは90パーセントを上回る。
【0079】
本発明のフィルム組成物において用いられる均一分岐実質直鎖エチレンポリマーは公知であり、それらおよびそれらの調製方法は、例えば、米国特許第5,272,236号、第5,278,272号および第5,703,187号に記載され、それらは、各々、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0080】
均一直鎖もしくは実質直鎖エチレンポリマーはシングルサイト触媒を用いて適切に調製することができる。これらの触媒、特には、拘束幾何触媒の幾つかの例がEP−A−416,815、U.S.5,703,187、5,872,201、U.S.EP−A−514,828、U.S.6,118,013、U.S.5,470,993、U.S.5,374,696、U.S.5,231,106、U.S.5,055,438、U.S.5,057,475、U.S.5,096,867、U.S.5,064,802およびU.S.5,132,380に開示される。1991年6月24日出願の米国出願第720,041号において、前記拘束幾何触媒の特定のボラン誘導体が開示され、それらの調製方法が教示および主張された。U.S.−A−5,453,410においては、カチオン性拘束幾何触媒とアルモキサンとの組み合わせが適切なオレフィン重合触媒として開示される。
【0081】
不均一直鎖エチレンポリマーも本発明において用いることができる。不均一直鎖エチレンポリマーにはエチレンおよび1種類以上のC3〜C8α−オレフィンのコポリマーが含まれる。エチレンのホモポリマーは不均一系の調製に用いられるものと同じ触媒、例えば、チーグラー・ナッタ触媒を用いて調製することもできる。α−オレフィン共重合に起因する分子量分布および短鎖分岐分布の両方は、均一直鎖エチレンポリマーと比較して、比較的広い。不均一直鎖エチレンポリマーは溶液、スラリーもしくは気相法においてチーグラー・ナッタ触媒を用いて製造することができ、当業者に公知である。例えば、米国特許第4,339,507号(その全内容は参照により本明細書に組み込まれる)を参照のこと。
【0082】
不均一および均一エチレンポリマーの混合物(「複合ポリエチレン」)、例えば、Kolthammerらによって米国特許第5,844,045号、第5,869,575号、および第6,448,341号(各々の全内容は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるものも本発明のフィルム組成物に用いることができる。
【0083】
内層
内層の材料は、外層のそのような温度と比較して、比較的低い軟化温度もしくはVicat軟化および/または比較的低い溶融温度を有さなければならない。内層の材料は、典型的には、外層の材料よりも弾性である。この層に適するポリマーの例には、これらに限定されるものではないが、ポリエチレン系ポリマー、例えば、AFFINITY(商標)およびFLEXOMER(商標)、並びにポリプロピレン系ポリマー、例えば、VERSIFY(商標)ポリマーが含まれる(全てThe DOW Chemical Company製)。ポリオレフィン系以外のポリマー系を内層に用いることもできる。内層は1種類のポリマーもしくは2種類以上のポリマー、例えば、ポリマー配合物を含有することができる。
【0084】
内層の具体的な特性は用いられるポリマーもしくはポリマー配合物に依存する。以下に示される特性はポリオレフィン樹脂および注記される特性のうちに入る他のポリマー樹脂の代表的なものである。以下に示される特性は、本発明における使用に適するポリオレフィンおよび他のポリマー並びに配合物の範囲の観点から、本発明の範囲を限定しようとするものではない。
【0085】
一実施形態において、以下に記載されるポリマーの各々は内層において単独のポリマー成分として用いられる。別の実施形態においては、以下に記載されるポリマーの各々は内層においてポリマー配合物成分として用いられる。そのようなポリマーはここに記載される2つ以上の実施形態によって特徴付けることができる。
【0086】
一実施形態においては、内層において単一成分として、もしくは配合物成分として用いられるポリマーは、典型的には、20℃〜150℃、好ましくは、30℃〜120℃、より好ましくは、40℃〜110℃、最も好ましくは、45℃〜100℃のVicat軟化点によって特徴付けられる。20℃〜150℃の全ての個別の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。別の実施形態において、配合物が、典型的には、20℃〜150℃、好ましくは、30℃〜120℃、より好ましくは、40℃〜110℃、最も好ましくは、45℃〜100℃のVicat軟化点によって特徴付けられる。20℃〜150℃の全ての個別の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。
【0087】
別の実施形態においては、内層において単一成分として、もしくは配合物成分として用いられるポリマーは、典型的には、30℃〜150℃、好ましくは、40℃〜120℃、より好ましくは、50℃〜110℃、最も好ましくは、60℃〜100℃のDSC融点もしくは溶融範囲によって特徴付けられる。30℃〜150℃の全ての個別の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。
【0088】
別の実施形態においては、内層において単一成分として、もしくは配合物成分として用いられるポリマーは、典型的には、1〜1000g/10分、好ましくは、1〜100g/10分、より好ましくは、1〜50g/10分、さらにより好ましくは、1〜30g/10分、最も好ましくは、1〜10g/10分の、190℃および2.16kg荷重(ASTM D−1238)での、メルトインデックス(I2)によって特徴付けられる。1〜1000g/10分の全ての個別の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。別の実施形態においては、配合物が、典型的には、1〜1000g/10分、好ましくは、1〜100g/10分、より好ましくは、1〜50g/10分、さらにより好ましくは1〜30g/10分、最も好ましくは、1〜10g/10分の、190℃および2.16kg荷重(ASTM D−1238)での、メルトインデックス(I2)によって特徴付けられる。
【0089】
別の実施形態においては、内層において単一成分として、もしくは配合物成分として用いられるポリマーは、典型的には、1〜1000g/10分、好ましくは、1〜100g/10分、より好ましくは、1〜50g/10分、さらにより好ましくは、1〜30g/10分、最も好ましくは、1〜10g/10分の、230℃および2.16kg荷重(ASTM D−1238)での、メルトフローレート(MFR)によって特徴付けられる。1〜1000g/10分の全ての個別の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。別の実施形態においては、配合物が、典型的には、1〜1000g/10分、好ましくは、1〜100g/10分、より好ましくは、1〜50g/10分、さらにより好ましくは、1〜30g/10分、最も好ましくは、1〜10g/10分の、230℃および2.16kg荷重(ASTM D−1238)での、メルトフローレート(MFR)によって特徴付けられる。1〜1000g/10分の全ての個別の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。
【0090】
別の実施形態においては、内層において単一成分として、もしくは配合物成分として用いられるポリマーは、典型的には、実質的に非晶質であり、かつ、DSCによる測定で、50パーセント未満、好ましくは、30パーセント未満の総結晶化度パーセントを有する。
【0091】
別の実施形態においては、内層において単一成分として、もしくは配合物成分として用いられるポリマーは、典型的には、0.840g/cm3〜0.940g/cm3、好ましくは、0.860g/cm3〜0.920g/cm3、より好ましくは、0.860g/cm3〜0.910g/cm3の密度を有する。0.840g/cm3〜0.940g/cm3の全ての個別の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。
【0092】
別の実施形態においては、内層において単一成分として、もしくは配合物成分として用いられるポリマーは、典型的には、10,000〜200,000g/molの重量平均分子量(Mw)を有し、それらの間の全ての個別の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。
【0093】
別の実施形態においては、内層において単一成分として、もしくは配合物成分として用いられるポリマーは、典型的には、1〜20、好ましくは、1〜10、より好ましくは、1〜5、さらにより好ましくは、1.5〜3.5の分子量分布、Mw/Mnを有する。1〜20の全ての個別の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。
【0094】
内層において単一成分として、もしくは配合物成分として用いられるポリマーは、典型的には、その内層の成分の総重量を基準にして、50重量パーセント〜100重量パーセントの量で存在する。50重量パーセント〜100重量パーセントの全ての個別の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。
【0095】
内層において単一成分として、もしくは配合物成分として用いられるポリマーは、上記実施形態の2つ以上の特性の組み合わせを有することができる。
【0096】
外層
外層の材料は、高温および圧力への露出の際、フィルム組成物の構造的一体性を維持しなければならない。適切な材料にはポリエチレンホモポリマーおよびインターポリマーが含まれる。典型的には、外層の材料は内層の材料よりも高い剛性を有する。そのようなポリマーの例には、これらに限定されるものではないが、ポリエチレン系ポリマー、例えば、DOWLEX(商標)およびELITE(商標)並びにポリプロピレン系ポリマー、例えば、INSPIRE(商標)が含まれる(全てThe DOW Chemical Company製)。各々の外層は1種類のポリマーもしくは2種類以上のポリマー、例えば、ポリマー配合物を含有することができる。
【0097】
外層の具体的な特性は用いられるポリマーもしくはポリマー配合物に依存する。以下に示される特性はポリオレフィン樹脂および注記される特性のうちに入る他のポリマー樹脂の代表的なものである。以下に示される特性は、本発明における使用に適するポリオレフィンおよび他のポリマー並びに配合物の範囲の観点から、本発明の範囲を限定しようとするものではない。
【0098】
一実施形態において、以下に記載されるポリマーの各々は内層において単独のポリマー成分として用いられる。別の実施形態においては、以下に記載されるポリマーの各々は外層においてポリマー配合物成分として用いられる。そのようなポリマーはここに記載される2つ以上の実施形態によって特徴付けることができる。
【0099】
一実施形態においては、外層において単一成分として、もしくは配合物成分として用いられるポリマーは、典型的には、50℃〜230℃、好ましくは、70℃〜200℃、より好ましくは、100℃〜150℃のVicat軟化点によって特徴付けられる。50℃〜230℃の全ての個別の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。別の実施形態においては、配合物が、典型的には、50℃〜230℃、好ましくは、70℃〜200℃、より好ましくは、100℃〜150℃のVicat軟化点によって特徴付けられる。50℃〜230℃の全ての個別の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。
【0100】
別の実施形態においては、外層において単一成分として、もしくは配合物成分として用いられるポリマーは、典型的には、50℃〜250℃、好ましくは、70℃〜200℃、より好ましくは、100℃〜180℃、さらにより好ましくは、120℃〜170℃のDSC融点によって特徴付けられる。50℃〜250℃の全ての個別の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。
【0101】
別の実施形態においては、外層において単一成分として、もしくは配合物成分として用いられるポリマーは、典型的には、0.1〜100g/10分、好ましくは、0.2〜50g/10分、より好ましくは、0.3〜10g/10分、さらにより好ましくは、0.4〜5g/10分の、190℃および2.16kg荷重(ASTM D−1238)での、メルトインデックス(I2)によって特徴付けられる。0.1〜100g/10分の全ての個別の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。別の実施形態においては、配合物が、典型的には、0.1〜100g/10分、好ましくは、0.2〜50g/10分、より好ましくは、0.3〜10g/10分、さらにより好ましくは、0.4〜5g/10分の、190℃および2.16kg荷重(ASTM D−1238)での、メルトインデックス(I2)によって特徴付けられる。0.1〜100g/10分の全ての個別の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。
【0102】
別の実施形態においては、外層において単一成分として、もしくは配合物成分として用いられるポリマーは、典型的には、0.1〜100g/10分、好ましくは、0.2〜50g/10分、より好ましくは、0.3〜10g/10分、さらにより好ましくは、0.4〜5g/10分の、230℃および2.16kg荷重(ASTM D−1238)での、メルトフローレートによって特徴付けられる。0.1〜100g/10分の全ての個別の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。別の実施形態においては、配合物が、典型的には、0.1〜100g/10分、好ましくは、0.2〜50g/10分、より好ましくは、0.3〜10g/10分、さらにより好ましくは、0.4〜5g/10分の、230℃および2.16kg荷重(ASTM D−1238)での、メルトフローレートによって特徴付けられる。0.1〜100g/10分の全ての個別の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。
【0103】
別の実施形態においては、外層において単一成分として、もしくは配合物成分として用いられるポリマーは、20,000〜1,000,000の重量平均分子量(Mw)によって特徴付けられ、それらの間の全ての個別の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。
【0104】
別の実施形態においては、外層において単一成分として、もしくは配合物成分として用いられるポリマーは、典型的には、DSCによる測定で、60パーセント未満、好ましくは、50パーセント未満の総結晶化度パーセントを有する。
【0105】
別の実施形態においては、外層において単一成分として、もしくは配合物成分として用いられるポリマーは、典型的には、0.880g/cm3〜0.960g/cm3、好ましくは、0.900g/cm3〜0.940g/cm3、もしくは0.900g/cm3〜0.950g/cm3の密度を有する。0.880g/cm3〜0.960g/cm3の全ての個別の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。
【0106】
別の実施形態においては、外層において単一成分として、もしくは配合物成分として用いられるポリマーは、典型的には、1〜20、好ましくは、1〜10、より好ましくは、1〜5、さらにより好ましくは、1.5〜3.5の分子量分布、Mw/Mnを有する。1〜20の全ての個別の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。
【0107】
外層において単一成分として、もしくは配合物成分として用いられるポリマーは、典型的には、その外層の成分の総重量を基準にして、50重量パーセント〜100重量パーセントの量で存在する。50重量パーセント〜100重量パーセントの全ての個別の値および下位範囲が本明細書に含まれ、かつ本明細書に開示される。
【0108】
外層において単一成分として、もしくは配合物成分として用いられるポリマーは、上記実施形態の2つ以上の特性の組み合わせを有することができる。
【0109】
本発明のフィルム組成物の形成方法
本発明のフィルム組成物は、各層を製造するのに適する熱可塑性ポリマーを選択し、各層のフィルムを形成し、およびそれらの層を接合するか、または1つ以上の層を共押出もしくは流し込み成形することによって調製することができる。最終フィルム組成物を穿孔処理して通気性フィルムを形成する。望ましくは、フィルム層は、フィルム間の界面領域全体にわたって連続的に接合する。穿孔処理機構には、これらに限定されるものではないが、ピン付きローラー(pinned roller)、平板化ピン(plated pin)およびレーザ技術が含まれる。
【0110】
各々の層については、典型的には、成分およびあらゆる追加添加物、例えば、スリップ、粘着防止剤およびポリマー処理助剤を押出配合することが適切である。押出配合は適度の分散度が達成されるような方法で行うべきである。押出配合のパラメータは成分に依存して必然的に変化する。しかしながら、典型的には、全体的なポリマー変形、すなわち、混合度が重要であり、例えば、スクリューの設計および溶融温度によって制御することができる。フィルム形成の最中の溶融温度はフィルムの成分に依存する。
【0111】
押出配合の後、フィルム構造を形成する。フィルム構造は、通常の組立技術、例えば、バブル押出、二軸配向法(例えば、張り枠もしくは二重バブル法)、キャスト/シート押出、共押出および積層によって製造することができる。通常のバブル押出法(別名、ホットブローンフィルム法)は、例えば、The Encyclopedia of Chemical Technology, Kirk-Othmer, Third Edition, John Wiley & Sons, New York, 1981, Vol. 16, pp. 416-417およびVol. 18, pp. 191-192に記載される。二軸配向フィルム製造法、例えば、米国特許第3,456,044号(Pahike)の「二重バブル」法に記載されるもの、並びに米国特許第4,352,849号(Mueller)、米国特許第4,820,557号および第4,837,084号(両方ともWarren)、米国特許第4,865,902号(Golikeら)、米国特許第4,927,708号(Herraneら)、米国特許第4.952,451号(Mueller)並びに米国特許第4,963,419号および第5,059,481号(両方ともLustigら)に記載される方法を用いて本発明の新規フィルム構造を製造することもできる。これらの特許の全ては参照により本明細書に組み込まれる。
【0112】
本発明の構造を製造するための製造技術には、垂直形成−充填−密封技術、例えば、Packaging Machinery Operation, Chapter 8:C. Glenn Davis (Packaging Machinery Manufacturers Institute, 2000 K Street, N.W., Washington, D.C. 20006)、The Wiley Encyclopedia of Packaging Technology, Marilyn Bakker, Editor-in-chief, pp. 364-369 (John Wiley & Sons)、U.S.5,288,531(Fallaら)、U.S.5,721,025(Fallaら)、U.S.5,360,648(Fallaら)およびU.S.6,117,465(Fallaら)による形成−充填−密封(Form-Fill-Sealing)、他のフィルム製造技術、例えば、Plastic Films, Technology and Packaging Applications (Technomic Publishing Co., Inc. (1992)), by Kenton R. Osborn and Winner A Jenkens, pp. 39-105において考察されるものが含まれる。これらの特許および参考文献の全ては参照により本明細書に組み込まれる。
【0113】
他のフィルム製造技術はU.S.6,723,398(Chumら)に開示されている。特には印刷用途の、後処理技術、例えば、放射線処理およびコロナ処理も本発明の材料で達成することができる。本発明から製造されるフィルムはシラン硬化することもでき、もしくは本発明の物品の製造に用いられるポリマーを製造後にグラフト化することができる(例えば、無水マレイン酸グラフト化ポリマー、U.S.4,927,888(Straitら)、U.S.4,950,541(Taborら)、U.S.4,762,890(Straitら)、U.S.5,346,963(Hughesら)、U.S.4,684,576(Taborら)に開示される技術を含む)。これらの特許の全ては参照により本明細書に組み込まれる。
【0114】
フィルム組成物が形成された後、それを伸長させることができる。伸長は当分野において通常用いられるあらゆる方法で達成することができる。フィルム組成物は穿孔処理することができ、フィルムシートはバッグ製造のために変換器に送ることができる。フィルムシートは当分野の公知法を用いて穿孔処理することができる。穿孔の形状およびサイズ並びに穿孔の量はそのフィルム組成物の最終用途に依存する。
【0115】
フィルム組成物のシートは熱封着もしくは接着剤の使用によって接合することができる。熱封着は通常の技術を用いて達成することができ、この技術には、これらに限定されるものではないが、ホットバー、インパルス加熱、側部溶接、超音波溶接もしくは、上で考察されるような、他の代替加熱機構が含まれる。
【0116】
前記プロセスのフィルム組成物は、用途に依存して、いかなる厚みにも製造することができる。典型的には、フィルム組成物は5〜300ミクロン、好ましくは、50〜250ミクロン、より好ましくは、75〜200ミクロンの総厚みを有する。透過率も用途に依存して調整することができる。
【0117】
穿孔の構造
フィルム組成物内の穿孔の配置は変化し、そのフィルム組成物の最終用途に依存する。フィルム組成物のシートはそのシート内の指定された領域に穿孔を有し得る。指定される領域はいかなるサイズおよび形状であってもよい。これらの指定された領域内で、穿孔は様々な形状で存在することができ、その形状には、これらに限定されるものではないが、ある領域の特定の軸に沿った穿孔サイズ勾配、ある領域の特定の軸に沿った穿孔密度勾配、並びに異なる形状および/もしくはサイズの穿孔勾配が含まれる。
【0118】
好ましい実施形態においては、フィルム組成物を指定された領域内で穿孔処理する。別の好ましい実施形態においては、フィルム組成物を、そのような組成物から形成される包装が1つ以上の水平方向に平坦な表面内にのみ穿孔を含有するように穿孔処理する。そのような包装は、典型的には、2つ以上の継ぎ目を含有する。そのような設計においては、穿孔は、例えば図3に示されるように(包装1a、1bおよび1cを参照)、その包装の特定された領域に局在することができる。図3Aに示されるように、穿孔(3a)は指定された領域(2a)と均一に間隔をとっていてもよく、もしくは、図3Bに示されるように、穿孔(3b)は指定された表面領域(2b)の長軸方向中点に沿ってより高密度であってもよい。別の実施形態においては、図3Cに示されるように、穿孔(3c)は、包装表面の長軸方向中点に沿って位置するより狭い領域(2c)内に整列する。本実施形態において、指定された領域の幅は容器の幅(w)よりも相当小さく、好ましくは、容器の幅の半分未満である。これらの実施形態の各々において、穿孔のサイズおよび形状は変化し得る。典型的には、穿孔のサイズは穿孔の数が減少するに従って増加する。
【0119】
図3に示される配置は、装置、例えば、図4に示されるような垂直に位置するローラーによって与えられる、最大圧縮力に晒される穿孔の数を増加させる。図4に示されるように、充填された包装の最高表面に沿って位置する穿孔はより多くの量の圧縮力を受ける。
【0120】
定義
本明細書に列挙されるいかなる数値範囲も下方値から上方値までの全ての値を、いずれの下方値といずれの上方値との間にも少なくとも2単位の隔たりが存在するという条件で、1単位の増分で含む。例として、成分の量、または組成上の、もしくは物理的な特性の値、例えば、配合成分の量、軟化温度、メルトインデックス等が1〜100であると記載される場合、全ての個別の値、例えば、1、2、3等、および全ての下位範囲、例えば、1〜20、55〜70、197〜100等が本明細書において明示的に列挙されることが意図される。1未満の値については、1単位を、適宜、0.0001、0.001、0.01もしくは0.1とみなす。これらは明確に意図されていることの例であり、列挙される下方値および上方値の間の数値の全てのあり得る組み合わせが本出願において明示的に記載されるものとみなされる。本明細書で考察されるように、Vicat軟化点、DSC溶融温度、細孔もしくは穿孔サイズ、フィルム厚、メルトインデックス、メルトフローレート、重量平均分子量、分子量分布、結晶化度パーセント、密度、成分の重量パーセント、圧力および他の特性を参照する上で数値範囲が列挙されている。
【0121】
本明細書で用いられる「フィルム組成物」という用語は層状フィルム構造を意味する。「フィルム組成物」という用語は、「フィルム」という用語が層状フィルム構造を参照するとき、「フィルム」という用語と等価である。
【0122】
本明細書で用いられる「組成物」という用語は、その組成物を含む物質に加えて、その組成物の物質から形成される反応生成物および分解生成物の混合物を含む。
【0123】
本明細書で用いられる「穿孔」という用語は、フィルム組成物内に、衝撃機構、レーザもしくは他の装置を用いて作製された孔を指す。穿孔は様々なサイズおよび様々な形状のものであり得る。
【0124】
ここで用いられる「共通の中心を有する穿孔」という言い回しは、全てのフィルム層を通して孔を形成する、同じ衝撃機構、レーザもしくは他の装置を用いてフィルム組成物に形成された穿孔の共通の中心を指し、フィルム層内の穿孔の中心の僅かな誤整列をも含む。フィルム組成物の層内の穿孔が、典型的には、他のフィルム層に対して所定位置に留まることに注意されたい、しかしながら、フィルム層内の1つ以上の穿孔の位置の僅かな移動が生じることがあり、それはこれらの穿孔の中心をそれらの元の位置から移動させ、フィルム層の穿孔の整列を破壊する。そのような移動した中心も「共通の中心を有する穿孔」という言い回しに含まれる。
【0125】
本明細書で用いられる「ポリマー」という用語は、同じタイプであろうと異なるタイプであろうと、モノマーの重合によって調製されるポリマー化合物を指す。したがって、一般用語であるポリマーは、通常はただ1つのタイプのモノマーから調製されるポリマーを指すのに用いられるホモポリマーという用語および以下で定義されるインターポリマーという用語を包含する。
【0126】
本明細書で用いられる「インターポリマー」という用語は、少なくとも2つの異なるタイプのモノマーの重合によって調製されるポリマーを指す。したがって、一般用語であるインターポリマーは、通常は2つの異なるタイプのモノマーから調製されるポリマーを指すのに用いられるコポリマーおよび3つ以上の異なるタイプのモノマーから調製されるポリマーを含む。
【0127】
「熱可塑性ポリマー」もしくは「熱可塑性組成物」という用語および類似の用語は、比較的活発な条件が必要となり得るものの、実質的に熱的に押出可能もしくは変形可能であるポリマーもしくはポリマー組成物を意味する。
【0128】
本明細書で用いられる「配合物」もしくは「ポリマー配合物」という用語は、2種類以上のポリマーの配合物を意味する。そのような配合物は混和性であってもなくてもよい。そのような配合物は相分離していてもいなくてもよい。そのような配合物は、透過型電子顕微鏡から決定で、1つ以上のドメイン配置を含有してもいなくてもよい。
【0129】
内層における穿孔を参照して本明細書で用いられる「密封」、「密封された」もしくは「密封すること」という用語は、内層内の穿孔の完全な、もしくは部分的な閉鎖であって、その数が、そのような閉鎖のない同じフィルム組成物の湿気障壁との比較で、増加した湿気障壁をフィルム組成物に付与するのに十分なものである閉鎖を指す。
【0130】
試験手順
各試験内の具体的な試験パラメータは用いられるポリマーもしくはポリマー配合物に依存する。以下の試験の幾つかでは、ポリオレフィン樹脂を代表するものとして示される試験パラメータが記述される。ある試験の特定のパラメータは本発明の範囲を限定しようとするものではない。当業者は試験パラメータの特定の組の限度を理解し、他のタイプのポリマーおよび配合物に適するパラメータを決定することができる。
【0131】
Vicat軟化温度はASTM D1525に従って測定する。
【0132】
エチレンホモポリマーおよびインターポリマー並びに他のポリオレフィンの密度はASTM D−792に従って測定する。幾つかの試料を周囲条件で24時間アニールした後に測定を行う。ASTM D−792は、この試験において注記されるように、他のポリマーの密度の測定にも用いることができる。
【0133】
エチレンホモポリマーもしくはインターポリマーのメルトフローレート(MFR)もしくはメルトインデックス(I2)は、ASTM D−1238、条件190℃/2.16kgに従って測定する。幾つかの高メルトフロー樹脂については、米国特許第6,335,410号、第6,723,810号、第6,054,544号に記載されるように、見かけのメルトインデックスを溶融粘度から決定できることに注意されたい。ASTM D−1238は、この試験において注記されるように、他のポリマーのメルトインデックスの測定にも用いることができる。プロピレンホモポリマーおよびインターポリマーのメルトフローレートはASTM D−1238、条件230℃/2.16kgに従って測定する。
【0134】
ポリエチレン系樹脂の分子量分布は、Polymer Laboratories Model PL−210もしくはPolymer Laboratories Model PL−220のいずれかからなるクロマトグラフィーシステムで決定することができる。カラムおよびカルーセル区画は140℃で稼働させる。カラムは3本のPolymer Laboratories10ミクロンMixed−Bカラムである。溶媒は1,2,4トリクロロベンゼンである。試料は50ミリリットルの溶媒中に0.1グラムのポリマーの濃度で調製する。試料の調製に用いられる溶媒は200ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有する。試料は、160℃で2時間、軽く攪拌することによって調製する。注入体積は100マイクロリットルであり、流速は1.0ミリリットル/分である。
【0135】
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)カラムセットの較正の5次多項式フィッティングを、580〜8,400,000の範囲の分子量を有し、個々の分子量の間に少なくとも10(decade)の隔たりがある6つの「カクテル」混合物として用意された、21のナロー分子量分布ポリスチレン標準を用いて行う。これらの標準はPolymer Laboratories(UK)から購入する。ポリスチレン標準は、1,000,000以上の分子量については50ミリリットルの溶媒中に0.025グラムで、1,000,000未満の分子量については50ミリリットルの溶媒中に0.05グラムで調製する。ポリスチレン標準は80℃で、穏やかに攪拌しながら、30分間溶解する。減成を最小限にするため、ナロー標準混合物をまず最初に、最高分子量成分が減少する順番に流す。ポリスチレン標準ピーク分子量を、(Williams and Ward, J. Polym. Sci., Polym. Let., 6, 621 (1968)に記載される)以下の式を用いて、ポリエチレン分子量に変換する、
M(ポリエチレン)=A×[M(ポリスチレン)]B
(式中、Mは分子量であり、Aは0.4315の値を有し、かつBは1.0に等しい)。
【0136】
ポリエチレン相当分子量(polyethylene equivalent molecular weight)の計算はViscotek TriSECソフトウェア・バージョン3.0を用いて行う。ポリプロピレン系ポリマーの分子量はASTM D6474.9714−1によるMark−Houwink比を用いて決定することができ、ここで、ポリスチレンについてはa=0.702およびlogK=−3.9であり、ポリプロピレンについてはa=0.725およびlogK=−3.721である。ポリプロピレン系試料については、カラムおよびカルーセル区画を160℃で稼働させた。
【0137】
ポリマーの数平均分子量、Mnは、分子量に対する各分子量範囲における分子数のプロットの第1モーメントとしての表される。要するに、これは全ての分子の合計分子量を分子の数で割ったものであり、以下の式による通常の方法で算出される。
Mn=ΣniMi/Σni=w/Σ(wi/Mi)
(式中、
ni=分子量Miの分子の数
w=物質の総重量、および
Σni=分子の合計数)
【0138】
重量平均分子量、Mwは以下の式による通常の方法で算出する。Mw=Σwi*Mi(式中、wi*およびMiは、それぞれ、GPCカラムから溶離する第i画分の重量分率および分子量である)。
【0139】
これら2つの分子量平均(MwおよびMn)の比、分子量分布(MWDもしくはMw/Mn)を、ここでは、分子量分布の幅を定義するのに用いる。
【0140】
ポリエチレン系およびポリプロピレン系ポリマーの結晶化度パーセントは、TA Instruments Model Q1000 Differential Scanning Calorimeterを用いる示差走査熱量測定(DSC)によって決定することができる。約5〜8mgサイズの試料を試験しようとする物質から切断し、分析用DSCパンに直接入れる。高分子量物質については、通常、試料から薄膜をプレスするが、幾つかの低分子量試料については、それらが非常に粘着性であるか、もしくはプレスの最中に非常に容易に流動することがある。しかしながら、密度試験用に調製され、かつ用いられるプラークからは試験用の試料を切断することができる。まず、試料を、ポリエチレンポリマーについては約10℃/分の速度で180℃(ポリプロピレンポリマーについては230℃)まで加熱し、その温度で3分間等温的に保持して完全な溶融を確実なものとする(第1加熱)。次に、試料を、ポリエチレンポリマーについては毎分10℃の速度で−60℃(ポリプロピレンポリマーについては−40℃)まで冷却し、そこで3分間等温的に保持した後、完全に溶融するまで毎分10℃の速度で再度加熱する(第2加熱)。この第2加熱からの温度記録を「第2加熱曲線」と呼ぶ。温度記録をワット/グラム対温度としてプロットする。
【0141】
ポリエチレン系ポリマーにおける結晶化度パーセントはこの第2加熱曲線において生成される融解熱データを用いて算出することができる(融解熱は、通常、典型的な市販DSC機器により、加熱曲線下の関連面積を積分することによって自動的に計算される)。エチレン系試料の等式は、%Cryst.=(Hf÷292J/g)×100であり、プロピレン系試料の等式は、%Cryst.=(Hf÷165J/g)×100である。「%Cryst.」は結晶化度パーセントを表し、「Hf」はポリマーの融解熱をグラムあたりのジュール(J/g)で表す。
【0142】
ポリマーの融点(Tm)は、上述のように、DSCから得られる第2加熱曲線から決定することができる。結晶化温度(Tc)は第1冷却曲線から決定することができる。
【0143】
本発明のフィルムおよび方法並びにそれらの使用を以下の例でより完全に説明する。以下の例は本発明を説明する目的で示されるものであり、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0144】
実験
概観
3層フィルム組成物を、内層としての低密度ポリマーおよび異なる外(スキン)層ポリマーを用いて調製した。内層に適するポリマーには、これらに限定されるものではないが、AFFINITY(商標)もしくはVERSIFY(商標)ポリマーが含まれる。外層に適するポリマーには、これらに限定されるものではないが、INSPIRE(商標)、DOWLEX(商標)およびELITE(商標)ポリマーが含まれる。これらのフィルム組成物はブローンもしくはキャスト製造手順によって調製した。これらのフィルムを、通気性にするため、小孔で穿孔処理し、その後、それらのフィルムをオーブン内で、異なる時間、指定された温度で加熱した。特定のフィルムに、金属ロールもしくはロールミルの使用により、圧縮力を施した。そのような力は各々のフィルムを熱的に処理した直後に印加した。各フィルムの耐圧性を、水圧試験を用いて、フィルムに上記力のうちの1つを施した後に試験した。
【0145】
フィルム組成物、オーブン時間およびオーブン温度に加えてロール圧は、粉末包装製造プロセスにおいて適用されるパラメータを模倣するように選択した。異なる包装プロセスにおいては、それぞれのパラメータをそれに従って決定する。
【0146】
材料
この研究において用いたポリマー樹脂を表1に示す。列挙される樹脂の全てが1種類以上の処理添加物および1種類以上の安定化剤を含有した。A18樹脂はスリップおよび粘着防止添加物も含有した。
【0147】
【表1】

【0148】
フィルムの組立
代表的なブローンおよびキャストフィルム組成物を、それぞれ表2および3に列挙される、以下の溶融処理条件を用いて形成した。
【0149】
【表2】

【0150】
【表3】

【0151】
ブローンおよびキャストフィルムの組成を表4に列挙する。成分割合は、各個の層における組成物の総重量を基準にした重量パーセント表示である。
【0152】
【表4】

【0153】
代表的な調製−ブローンフィルム(Alpine)試行については、樹脂をAlpine laboratoryラインにおいて40/60/40mmスクリューの押出機配置A/B/Cで押し出した。ダイは200mmの直径および1.5mmのギャップを有した。BURは、典型的には、2.5であった。
【0154】
押出機の条件は変化し、最終フィルム組成物に依存する。
【0155】
フィルムの穿孔処理
各フィルムの20cm×20cm試料を、2cm毎の距離内に10の針穿刺のラインが作製された20cm×20cm木材プラークを用いて、100個の孔で穿孔処理した。
【0156】
各孔の直径は、実験Aについては0.6mm、実験Bについては0.8mmであった。
【0157】
熱処理および印加力(圧縮)
【0158】
実験A:オーブン+4.3kg金属ローラー
ブローンおよびキャストフィルム試料(20cm×20cm)を、オーブン内、120℃で、異なる時間:5、10、15分間熱処理した。各時間間隔の最後に、フィルムを4.3kg重金属ローラーでプレスした。各試料をローラーで10回を上回ってロール掛けした。熱処理はされたがローラーによるプレスはされていない試料が参照として役割を果たした。試料に印加されたロールあたりの推定圧力は約43kPaであった。
【0159】
実験B:ロールミル
包装ラインの圧縮挙動をシミュレートするため、フィルム試料に適切な温度および圧縮力を施すのにロールミルを用いた。ブローンおよびキャストフィルム試料を2つの断片に切断し、これらの断片を隣接する表面を着けて積み重ね、ロールミルに入れた。厚みが100μm未満の試料ではロールミルを完全に閉鎖することができなかった。ロールミルは(平均で)約110μmのギャップを有した。ロールミルの温度は90℃〜120℃の範囲であり、5℃の増分で上昇させた。ロールミルはフィルムの熱処理に用い、それに対して圧縮力の印加はフィルム組成物内の穿孔の閉鎖に用いた。ロールミルによって生成される推定圧力は50kPaであった。
【0160】
実験C:水圧試験−ハイドロヘッド
各々の研究について、フィルム試料(試験表面:100cm2)を、ISO 1420 A1(圧力増加60mbar/分、100cm2の面積、23℃での測定)に従い、ハイドロヘッド設備で試験した。この試験の最大水圧は23℃で60mbar/分であった。各フィルムに水圧の定常的な上昇を施し、フィルム組成物内の3つの穿孔が開放された後、その圧力を記録した。
【0161】
金属ローラー圧力処理−熱処理はされているが金属ローラーによる圧縮力は施されていない穿孔処理されたブローンフィルムは7mbarの最大圧力に耐えることが可能であった。10分間熱処理された後、4.3kgローラーからの圧縮力が施されたブローンフィルムは18−20mbarの最大圧力に耐えることができた(例えば、フィルム#5.b−20mbar、フィルム#10.b−18mbar、フィルム#11.b−19mbar)。したがって、本発明のブローンフィルム組成物から形成され、かつ18−20mbarの範囲内の内圧に耐性であるバッグは、正常な適用の最中に閉鎖した穿孔が再開放されるのを防止するのに十分な強さであるはずである。したがって、そのようなバッグはその元の湿気障壁を保持し、湿気が物品内部に侵入するのを防止する。
【0162】
ロールミル処理からの結果を以下に表5において記述し、フィルム層の推定溶融温度および内層のVicat軟化点を表6に示す。
【0163】
【表5】

【0164】
【表6】

【0165】
実験D:キャストフィルム−水圧試験−ハイドロヘッド
8つのキャストフィルム組成物を120℃(オーブン)で5、10および15分間熱処理した。これらの試料には圧縮力を施さなかった。各々の熱処理の後、フィルム試料を最大水圧耐性について、上で論じられるように、ハイドロヘッド試験を用いて試験した。
【0166】
表7に示される圧力結果は、圧縮力処理がない状態では、試料の穿孔が低圧、7〜9mbarの下で再開放されることを示す。
【0167】
【表7】

【0168】
実験E:キャストフィルム−水圧試験−ハイドロヘッド
キャストフィルム、フィルム#B.c(AT溶融=160℃、BT溶融=100℃、BT vicat=80℃)に、ロールミルを用いて、圧縮力および高温(90℃および120℃)を施した。表8に示される圧力結果は、フィルムにより高い温度を施したとき、試料の穿孔がより高い圧力の下で再開放されることを示す。
【0169】
【表8】

【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】高温および高圧の適用前後の、3つの層を含有するフィルム組成物の断面の模式図。「前」および「後」の各フィルム層の相対厚みは図1に示されるものから変化することがある。
【図2】多孔性紙バッグとの比較における、Gurley透過率(秒)対穿孔ポリオレフィンフィルムの合計孔面積(マイクロメートル2/インチ2)のプロット。
【図3】各々、異なる穿孔の構造(3a、3b、3c)を指定された領域(2b、2b、2c)に含む、3つの包装(1a、1b、1c)の模式図。
【図4】ローラーの対(1、2)を用いる、本発明のフィルム組成物から形成される包装(3)に対する圧縮力の印加を表す模式図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも3つの層を含む穿孔フィルム組成物(a perforated film composition)であって、少なくとも1つの層が内層であり、前記内層は、前記内層の反対の表面に位置する、少なくとも2つの外層のそれぞれの軟化および/もしくは溶融温度と比較してより低い軟化および/もしくは溶融温度を有し、並びに
前記フィルム組成物が高温に晒されたとき、前記少なくとも1つの内層が、圧縮力への露出で、増加した湿気障壁(moisture barrier)を前記フィルム組成物に付与するのに十分な数の穿孔が前記内層において密封されるような程度まで軟化もしくは溶融し、並びに
前記フィルム組成物の前記層が共通の中心を有する穿孔を有するフィルム組成物。
【請求項2】
フィルム組成物の湿気障壁がハイドロヘッド水圧試験ISO 1420A1を用いて決定される、請求項1に記載のフィルム組成物。
【請求項3】
外層の各々が内層の表面に隣接する、請求項1に記載のフィルム組成物。
【請求項4】
少なくとも1つの内層が少なくとも2つの外層のそれぞれの軟化点よりも少なくとも20℃低いビカット(Vicat)軟化点を有する、請求項1に記載のフィルム組成物。
【請求項5】
高温への露出および圧縮力への露出を同時に行う、請求項1に記載のフィルム組成物。
【請求項6】
穿孔が、個々に、100ミクロン以上のサイズのものである、請求項1に記載のフィルム組成物。
【請求項7】
湿気障壁が、ハイドロヘッド水圧試験(ISO 1420 A1)による決定で、10mbar〜21.5mbarの圧力で維持される、請求項6に記載のフィルム組成物。
【請求項8】
少なくとも1つの内層が20℃〜150℃のVicat軟化点を有する熱可塑性樹脂を含む、請求項1に記載のフィルム組成物。
【請求項9】
熱可塑性樹脂がプロピレン/α−オレフィンインターポリマー、エチレン/α−オレフィンインターポリマーおよびそれらの配合物(blends thereof)からなる群より選択される、請求項8に記載のフィルム組成物。
【請求項10】
熱可塑性樹脂がエチレン/α−オレフィンインターポリマーもしくはそれらの配合物である、請求項9に記載のフィルム組成物。
【請求項11】
エチレン/α−オレフィンインターポリマーもしくはそれらの配合物が、エチレンおよび1−オクテン、エチレンおよび1−ブテン、エチレンおよび1−ヘキセン、エチレンおよび1−ペンテン、エチレンおよび1−ヘプテン、エチレンおよびプロピレン、エチレンおよび4−メチルペンテン−1並びにそれらの混合物(mixtures thereof)からなる群より選択されるモノマーから形成されるコポリマーを含む、請求項10に記載のフィルム組成物。
【請求項12】
エチレン/α−オレフィンインターポリマーもしくはそれらの配合物が1g/10分〜100g/10分のメルトインデックス(I2)を有する、請求項11に記載のフィルム組成物。
【請求項13】
エチレン/α−オレフィンインターポリマーが1〜50グラム/10分のメルトインデックス、0.86〜0.920グラム/cm3の密度および2〜10の分子量分布、Mw/Mnを有する、請求項10に記載のフィルム組成物。
【請求項14】
少なくとも1つの外層が、プロピレンホモポリマー、プロピレンインターポリマー、エチレンホモポリマー、エチレンインターポリマーおよびそれらの配合物からなる群より選択される熱可塑性樹脂である、請求項11に記載のフィルム組成物。
【請求項15】
熱可塑性樹脂がエチレン/α−オレフィンインターポリマーもしくはそれらの配合物である、請求項14に記載のフィルム組成物。
【請求項16】
エチレン/α−オレフィンインターポリマーもしくはそれらの配合物が、エチレンおよび1−オクテン、エチレンおよび1−ブテン、エチレンおよび1−ヘキセン、エチレンおよび1−ペンテン、エチレンおよび1−ヘプテン、エチレンおよびプロピレン、エチレンおよび4−メチルペンテン−1並びにそれらの混合物からなる群より選択されるモノマーから形成されるコポリマーを含む、請求項15に記載のフィルム組成物。
【請求項17】
エチレン/α−オレフィンインターポリマーもしくはそれらの配合物が0.1g/10分〜100g/10分のメルトインデックス(I2)を有する、請求項16に記載のフィルム組成物。
【請求項18】
エチレン/α−オレフィンインターポリマーが0.2〜50グラム/10分のメルトインデックス、0.900〜0.940グラム/ccの密度および1.5〜5の分子量分布、Mw/Mnを有する、請求項16に記載のフィルム組成物。
【請求項19】
GPPS、HIPS、ABS、SAN、ナイロン、スチレンブロックコポリマーもしくはそれらの混合物を含む層をさらに含む、請求項1に記載のフィルム組成物。
【請求項20】
内層が熱伝達剤を含む、請求項1に記載のフィルム組成物。
【請求項21】
請求項1に記載のフィルム組成物から調製される包装。
【請求項22】
フィルム組成物が少なくとも20m3/時の空気透過率を有する、請求項21に記載の包装。
【請求項23】
フィルム組成物が50ミクロン〜250ミクロンの厚みを有する、請求項21に記載の包装。
【請求項24】
1kg〜100kgの最大収容力(capacity)を有する、請求項21の包装。
【請求項25】
2つ以上の継ぎ目を含有し、かつ前記包装の表面内の1つ以上の指定された領域に穿孔を含有する、請求項21に記載の包装。
【請求項26】
前記包装の表面上に圧縮力を及ぼす装置から受ける圧縮力が最大である、1つ以上の指定された領域内に穿孔が局在する、請求項25に記載の包装。
【請求項27】
少なくとも3つの層を含む穿孔フィルム組成物の形成方法であって、
(a)各層に適する熱可塑性ポリマーもしくはポリマー配合物を選択し、
(b)前記熱可塑性ポリマーもしくは配合物からブローンもしくはキャストフィルム組成物を形成し、前記ブローンもしくはキャストフィルムは少なくとも3つの層を含み、
(c)前記ブローンもしくはキャストフィルムを穿孔処理して穿孔フィルム組成物を形成する
ことを含み、
前記フィルム組成物の少なくとも1つの層は内層であり、前記内層は、前記内層の反対の表面に位置する少なくとも2つの外層のそれぞれの軟化および/もしくは溶融温度と比較して、より低い軟化および/もしくは溶融温度を有し、かつ前記フィルム組成物の前記層は共通の中心を有する穿孔を有し、並びに
前記フィルム組成物が高温に晒されるとき、前記少なくとも1つの内層は、圧縮力への露出で、増加した湿気障壁を前記フィルム組成物に付与するのに十分な数の穿孔が前記内層において密封されるような程度まで軟化もしくは溶融する方法。
【請求項28】
包装に粉末状物品を充填する方法であって、
a)粉末状物品を適切な最大収容力の包装に加えて、充填された包装を形成し、前記包装は少なくとも3つの層を含む穿孔フィルム組成物から形成され、前記少なくとも3つの層の少なくとも1つの層は内層であり、前記内層は、前記内層の反対の表面に位置する少なくとも2つの外層のそれぞれの軟化および/もしくは溶融温度と比較して、より低い軟化および/もしくは溶融温度を有し、かつ前記フィルム組成物の前記層は共通の中心を有する穿孔を有し、
b)前記包装に、前記少なくとも1つの内層を軟化もしくは部分的に溶融させるのに十分な温度を施し、並びに
c)前記充填された包装に圧縮力を施す
ことを含む方法。
【請求項29】
充填された包装に圧縮力を施した後に充填された包装を密封することをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
穿孔が包装の1つ以上の指定された領域に局在し、かつ前記1つ以上の指定された領域が包装の表面上に圧縮力を及ぼす装置からの最大圧縮力を受ける、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
穿孔が、個々に、1000ミクロン以下のサイズのものである、請求項1に記載のフィルム組成物。
【請求項32】
1つ以上の指定された領域が包装の1つ以上の水平方向に平坦な表面内に位置する、請求項25に記載の包装。
【請求項33】
穿孔が、1つ以上の指定された領域内で均一に間隔を置く、請求項32に記載の包装。
【請求項34】
穿孔が、1つ以上の指定された領域の各々の長軸方向中点に沿ってより高い密度にある、請求項32に記載の包装。
【請求項35】
1つ以上の指定された領域が包装の表面の長軸方向中点に沿って各々位置し、かつ各々の領域が包装の幅の半分未満の幅を有する、請求項32に記載の包装。
【請求項36】
前記装置が一対の垂直に位置するローラーである、請求項26に記載の包装。
【請求項37】
前記装置が一連の2対以上の垂直に位置するローラーである、請求項26に記載の包装。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−500205(P2009−500205A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−520433(P2008−520433)
【出願日】平成18年7月7日(2006.7.7)
【国際出願番号】PCT/US2006/026667
【国際公開番号】WO2007/008753
【国際公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】