説明

巻返し機の作業箇所及び該作業箇所を運転する方法

【課題】消費エネルギを僅かにすると同時に、糸掴みノズルの確実な機能を保証する。
【解決手段】巻返し機1の作業箇所2であって、糸走路31に隣接配置されている負圧供給可能な糸掴みノズル23が設けられていて、該糸掴みノズル23の開口42が糸走路31に向けられている形式のものにおいて、吹付け流を生ぜしめるインジェクタ48が、糸走路31に隣接配置されていて、インジェクタ48の開口51は、糸走路31に位置している糸30に向かって、かつ糸掴みノズル23の開口42に向かって方向付けられており、必要に応じて吹付け流を噴射させる手段47,40が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻返し機の作業箇所であって、糸走路に隣接配置されている負圧供給可能な糸掴みノズルが設けられていて、該糸掴みノズルの開口が糸走路に向けられている形式のものに関する。本発明はさらに、作業箇所を運転する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
巻返し機は、糸を、例えば精紡コップである繰出しボビンから、多くの場合綾巻きパッケージである巻上げパッケージに巻き返すために働く。巻返し過程を実施するために、このような巻返し機の作業箇所は、糸走路の領域に、種々様々な糸監視装置、糸処理装置及び糸取扱い装置を有している。一般的に各巻返し箇所には、糸走路に糸掴みノズルが配置されている。この糸掴みノズルは、吸込み空気を供給される管であり、糸切れの発生時に一方の糸端部を吸い込んで保持するために働く。糸掴みノズルによっては、いわば浮遊する糸も吸い込まれる。このような浮遊する糸は例えば、糸が巻上げパッケージの近傍において糸走路の上側領域で切れて、糸が次いで、糸切れ箇所の下に配置されたクリアラによって切断された場合に、発生する。さらにこのような糸掴みノズルによって、繰出しボビンからの糸の繰出し時に発生する塵埃粒子や汚染粒子も吸い込まれる。塵埃及び汚染粒子の吸込みには、巻上げパッケージの品質にとって特別な意味がある。糸端部の吸込みは、巻返し箇所の構成部材に糸が絡み付くことを阻止し、そして巻返し箇所の規定されたスイッチオフを保証し、ひいては巻返し機の作業箇所における自動化された糸継ぎ及び再始動を可能にする。糸掴みノズルには、該糸掴みノズルの働きを果たすために、通常の巻返し過程中に常に負圧が供給されねばならない。糸継ぎ過程中、糸掴みノズルは通常、吸込み作業を実施しない。さもないと、糸取扱い装置によって糸継ぎ装置の領域に引き戻されたなお張力の弱い糸が、うっかりと糸掴みノズル内に吸いこまれてしまうからである。さらにまた、糸掴みノズルが持続的に吸込み作用を継続することも可能である。このような場合には糸継ぎ過程中又は糸継ぎ過程後に糸が吸い込まれると、吸い込まれた糸ループは、巻返し箇所の始動と共に再び糸掴みノズルから引き出されて、解繊されねばならない。
【0003】
冒頭に述べた形式の、糸掴みノズルを備えた作業箇所は、例えばDE102005001093に開示されている。
【0004】
上に述べたように、糸掴みノズルの作用にとって、常に十分な負圧を利用できることは大きな意味がある。しかしながらこのような負圧を維持するためには、大きなエネルギを消費することが必要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】DE102005001093
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ゆえに本発明の課題は、消費エネルギを僅かにすると同時に、糸掴みノズルの確実な機能を保証することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するために、本発明による作業箇所では、請求項1の特徴部記載のように、すなわち吹付け流を生ぜしめるインジェクタが、糸走路に隣接配置されていて、インジェクタの開口は、糸走路に位置している糸に向かって、かつ糸掴みノズルの開口に向かって方向付けられており、必要に応じて吹付け流を噴射させる手段が設けられているようにした。
【0008】
また前記課題を解決する本発明による方法では、請求項6記載のように、糸走路に隣接配置されている糸掴みノズルに、負圧を供給して、該糸掴みノズルの開口の前に延在する糸に対して吸込み作用を加える、巻返し機の作業箇所を運転する方法において、糸走路に隣接配置されたインジェクタが、必要に応じて、糸走路に位置している糸に向かって、かつ糸掴みノズルの開口に向かって方向付けられた吹付け流を噴射するようにした。
【0009】
本発明の有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載のように構成されていると、糸掴みノズルは僅かな負圧を供給するだけでよい。つまりインジェクタが、糸掴みノズルの働きを助成する。吹付け流によって、直接的には糸掴みノズルによって吸い付けられない汚れや残留糸は、糸掴みノズルに向かって運ばれて、糸掴みノズルによって吸い込まれる。これによって申し分のない機能が保証される。吹付け流は必要に応じて、つまり必要な場合にだけ、噴射され、糸掴みノズルにおいては常に小さな負圧だけを準備すればよいので、全体として必要となるエネルギは僅かになる。
【0011】
本発明による作業箇所の1実施形態では、インジェクタは圧力空気管路に接続されていて、インジェクタに、前記手段として、吹付け流の噴射を可能にする弁が配属されている。圧力茎管路は、巻返し機の作業箇所に、例えばクリアリングのためのブロー装置のためにいずれにせよ存在している。従って、インジェクタや弁に対してかかる本発明による作業箇所のためのコスト増大は僅かである。また、既に存在している圧力空気管路の出力を高める必要もない。それというのは、インジェクタのため及びその他の使用のための圧力空気は、通常、同時に使用される必要がないからである。
【0012】
また前記手段として、前記弁を必要に応じて制御する制御ユニットが設けられていると有利である。この構成に対しては、既に存在している作業箇所制御装置を相応に適合させることができる。
【0013】
本発明による作業箇所の別の実施形態では、糸掴みノズルの開口とインジェクタの開口とは、該両方の開口の間に糸走路が位置するように、互いに向かい合って配置されている。糸掴みノズルは糸走路の後ろにおける通常のポジションを維持することができる。そしてインジェクタは、糸掴みノズルのポジションに合わせて、糸走路の前に配置され、これによりインジェクタはその機能を保証することができる。
【0014】
本発明による作業箇所のさらに別の実施形態では、インジェクタはフレキシブルな管として形成されていて、該フレキシブルな管の開口は、管ホルダを用いて糸走路の前に位置決めされていて、管ホルダは、フレキシブルな管が挿入されている湾曲したガイド部を備えている。このように構成されていると、インジェクタの単純かつ確実な構成が得られる。
【0015】
また前記課題を解決する本発明による方法では、既に述べたように、糸走路に隣接配置されている糸掴みノズルに、負圧を供給して、該糸掴みノズルの開口の前に延在する糸に対して吸込み作用を加える、巻返し機の作業箇所を運転する方法において、糸走路に隣接配置されたインジェクタが、必要に応じて、糸走路に位置している糸に向かって、かつ糸掴みノズルの開口に向かって方向付けられた吹付け流を噴射するようにした。つまり吹付け流は、糸掴みノズルの吸込み作用が十分でない場合にだけ、噴射される。
【0016】
本発明による方法の第1の実施形態では、インジェクタは、吹付け流を糸切れもしくは糸切断中に噴射するようにした。この場合糸切れもしくは糸切断というのは、自然に起きる通常の糸切れと、糸欠陥を除去するための故意のクリアリング切断のことを意味する。もちろん、吹付け流の噴射は、糸掴みノズルに負圧が供給されている場合にしか、意味がない。糸継ぎの実施中には糸掴みノズルへの負圧供給はしばしば中断されるので、吹付け流が相応に先に噴射されることを、考慮する必要がある。
【0017】
糸切れ時には、自由な糸端部が発生し、このような糸端部は、作業箇所における巻付き、ひいては製造停止を回避するために、必ず吸い込まれねばならない。規定された適正な状態を得るためには、糸切れの認識時にしばしばクリアラ切断が実施される。この際に生じる残留糸は確実に除去する必要がある。糸欠陥を除去するためのクリアラ切断時には、多くの場合、綾巻きパッケージに接続された糸端部は、クリアラの上に配置された糸掴みノズル内に吸い込まれ、これにより巻上げが阻止される。上記のような場合に糸掴みノズルを助成することには、特別な意味がある。本発明のようにインジェクタを使用することによって、糸が吸い込まれる確実性を高めることができる。
【0018】
本発明による方法の第2の実施形態では、インジェクタは、巻返し過程中に確認された、走行する糸の汚れに関連して、吹付け流を噴射する。通常の塵埃除去は、糸掴みノズルによって通常、僅かな負圧でも確実に達成される。しかしながら大きな塊の場合や、本来の糸に付着した残留糸の場合には、インジェクタによる助成により確実性を高めることができる。このような汚れは、公知のクリアラの適合により容易に認識すること及びクラス分けすることができ、つまり切断除去する必要のある糸欠陥から区別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】糸掴みノズルとインジェクタとを備えた本発明による作業箇所を示す図である。
【図2】図1のA−A線に沿って断面して糸掴みノズルとインジェクタとを示す図である。
【0020】
次に図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
図1には、巻返し過程中における糸巻返し機1(図示の実施形態では自動綾巻きワインダ)の1つの作業箇所2が、側面図で示されている。このような自動綾巻きワインダ1は、その両端部箇所(図示せず)の間に、同一形式の多数の作業箇所2、つまり糸巻返し箇所を有している。
【0022】
これらの作業箇所2においては、公知のようにゆえにここでは詳説しないが、通常、リング精紡機(図示せず)において製造された僅かな糸材料しか有していない精紡コップ9が、大容積の綾巻きパッケージ11に巻き返される。完成した綾巻きパッケージ11は、次いで、自動作動式のサービスユニット、例えば綾巻きパッケージ交換装置を用いて、機械長さにわたって延在する綾巻きパッケージ搬送装置21に引き渡され、機械端部に配置されたパッケージ積込みステーション又はこれに類したものに搬送される。
【0023】
このような自動綾巻きワインダは、さらに精紡コップを貯えておけるロータリマガジン(Rundmagazin)を備えているか、又は自動綾巻きワインダは、コップ・巻管搬送システム3として形成された補給装置(Logistikeinrichtung)を有している。このようなコップ・巻管搬送システム3においては、搬送皿8に鉛直方向に起立した状態で配置された精紡コップ9又は空管が循環する。図1にはこのコップ・巻管搬送システム3のうち、コップ供給区間4、可逆式に駆動可能な貯え区間5、巻返し箇所2に通じる横方向搬送区間6及び巻管戻し区間7だけが示されている。図示のように、供給された精紡コップ9は、それぞれ横方向搬送区間6の領域において作業箇所2に位置している繰出し箇所10に位置決めされ、次いで巻き返される。
【0024】
個々の作業箇所2はそのために、公知のように、ゆえにここでは詳しい説明は省くが、種々様々な糸監視及び糸処理装置を有しており、これらの糸監視及び糸処理装置は、精紡コップ9が大容量の綾巻きパッケージ11に巻き返されることを保証するのにならず、糸が巻返し過程中に糸欠陥に関して監視され、かつ検出された糸欠陥がクリアリングされることをも保証する。各作業箇所は制御装置40を有しており、この制御装置40は、略示された制御ラインを介して、糸監視及び糸処理装置に接続されている。
【0025】
作業箇所2は例えばそれぞれ巻返し装置24を有していて、この巻返し装置24はパッケージフレーム18を有しており、このパッケージフレーム18は、旋回軸19を中心にして可動に支承されており、巻返し装置24はさらにパッケージ駆動装置26と糸綾振り装置28とを備えて構成されている。
【0026】
図示の実施形態では綾巻きパッケージ11は、巻返し過程中、その表面で駆動ローラ26に接触しており、この駆動ローラ26によって摩擦により連行される。駆動ローラ26はこの場合回転数調整可能でかつ可逆式の駆動装置(図示せず)によって駆動される。綾巻きパッケージ11への巻付け時における糸の綾振りは、図示の実施形態ではフィンガ糸ガイド29を有する糸綾振り装置28を用いて行われる。
【0027】
作業箇所2はさらに糸継ぎ装置、有利には空気力式に働くスプライシング装置13、下糸センサ22、糸把持体14、糸切断装置17を備えた糸クリアラ15、糸引張り力センサ20、上糸センサ39及びパラフィン塗布装置16を有している。
【0028】
さらに作業箇所2は、サクションノズル12及びグリッパ管25を備えて構成されており、サクションノズル12及びグリッパ管25にはそれぞれ規定されて負圧が供給されるようになっている。サクションノズル12及びグリッパ管25は図示の実施形態では、機械長さにわたって延在する、自動綾巻きワインダ1の負圧管路32に接続されており、この負圧管路32は負圧源33に接続されている。
【0029】
図示の実施形態では、パラフィン塗布装置16の領域に、糸走路に対して幾分後方にずらされて配置された糸掴みノズル23が設けられており、この糸掴みノズル23は図2に詳しく示されているように、糸30が巻返し過程中に糸掴みノズル23の開口42の前を通るように、位置決めされている。糸掴みノズル23は空気分岐器27を介して同様に負圧管路32に接続されている。この場合空気分岐器27は、糸掴みノズル23用の接続管片35と、該接続管片35に比べて大容量の放圧管片36とを有しており、この放圧管片36の開口は、通常の巻返し運転中に、待機位置Pに位置決めされたサクションノズル12によって気密に閉鎖されている。サクションノズル12の上方旋回による放圧管片36の開口の開放によって、糸掴みノズル23における負圧は消滅する。このようにして糸掴みノズル23は糸継ぎ過程中に運転外となり、なお張力の乏しい糸が不都合に糸掴みノズル23によって吸い込まれることを、確実に阻止することができる。空気分岐器27の機能についての詳しい説明は、DE102005001093A1に記載されている。しかしながらまた、このような空気分岐器27を省いて、糸掴みノズル23に持続的に負圧を供給することも可能である。このような構成では、場合によっては糸継ぎ過程中又は糸継ぎ過程後に吸い込まれる糸ループは、巻返し箇所である作業箇所2の始動と共に、再び糸掴みノズル23から引き出されて解繊されねばならない。
【0030】
本発明によれば、図2に詳しく示されているように、糸掴みノズル23の領域において糸走路31に隣接して、インジェクタ48が配置されている。図示の実施形態では、糸掴みノズル23の開口42は、操作員の視線方向で見て、糸走路31の後ろ、つまり糸走路31に沿って延びる糸30の後ろに配置されている。インジェクタ48の開口51は糸走路31の前に配置されている。このように配置されていることによって、インジェクタ48の開口51を、糸走路31の方向に、かつ糸掴みノズル23の開口42の方向に向かせることができる。インジェクタ48はフレキシブルな管49と、湾曲したガイド部を備えた管ホルダ50とを有している。フレキシブルな管49は、湾曲したガイド部内に挿入されているので、インジェクタ48もしくは管49の開口51は、上に記載のように位置決めされている。
【0031】
図1から分かるように、インジェクタ48は弁47を介して、機械長さにわたって延びる圧力空気管路45に接続されており、この圧力空気管路45には、中央の圧力空気源46から圧力空気が供給される。弁47は、略示された制御ラインを介して、他の糸監視及び糸処理装置のように、制御装置40に接続されている。
【0032】
作業箇所2の上側領域において糸切れが発生すると、これは上糸センサ39又は糸引張り力センサ20によって検知される。上糸センサ39はそのために糸30の運動を検出し、糸引張り力センサ20は糸の張りを検出する。新たな糸継ぎのための規定の状態をえるために、このような糸切れの認識によって、切断装置17による切断、いわゆるクリアラ切断が導入される。切断部の上における糸端部は、綾巻きパッケージ11に巻き上げられ、さらなる経過においてサクションノズル12を用いて掴まれる。糸の下側部分は、切断時に最初に切断装置17においてクランプされる。その間に位置する残留糸は、必ずしも糸掴みノズル23によって吸い込まれる必要はない。従って制御装置40によって、クリアラ切断の開始と同時に、弁47にインパルスが伝えられる。これにより弁47は開放し、残留糸に対して吹付け流(Blasimplus)を加え、残留糸を糸掴みノズル23に向かって移動させ、その結果残留糸は糸掴みノズル23によって容易に吸い込まれることができる。次いで、糸継ぎ過程は公知のように続けられる。
【0033】
通常の巻返し過程中に、糸は糸クリアラ15によって糸欠陥を監視され、検知された糸欠陥は、クリアリング、つまり切除される。このようなクリアラ切断時においても、弁47は制御装置40によって制御されて、インジェクタ48から吹付け流が噴射される。上糸、つまり綾巻きパッケージ11からの糸端部は、これにより糸掴みノズル23によって確実に把持される。
【0034】
クリアリングによって除去されねばならない糸欠陥を検知する他に、糸クリアラ15は、汚れを検知することもできる。そして汚れの形式、つまり程度もしくは種類が制御装置40によって評価され、汚れの程度もしくは種類に応じて、吹付け流が加えられる。
【符号の説明】
【0035】
1 自動綾巻きワインダ(巻返し機)、 2 作業箇所、 3 コップ・巻管搬送システム、 4 コップ供給区間、 5 貯え区間、 6 横方向搬送区間、 7 巻管戻し区間、 9 精紡コップ、 10 繰出し箇所、 11 綾巻きパッケージ、 12 サクションノズル、 13 スプライシング装置、 14 糸把持体、 15 糸クリアラ、 16 パラフィン塗布装置、 17 糸切断装置、 18 パッケージフレーム、 19 旋回軸、 20 糸引張り力センサ、 21 綾巻きパッケージ搬送装置、 22 下糸センサ、 23 糸掴みノズル、 24 巻返し装置、 25 グリッパ管、 26 駆動装置、 27 空気分岐器、 28 糸綾振り装置、 29 フィンガ糸ガイド、 30 糸、 31 糸走路、 32 負圧管路、 33 負圧源、 35 接続管片、 36 放圧管片、 39 上糸センサ、 40 制御装置、 42 開口、 45 圧力空気管路、 47 弁、 48 インジェクタ、 49 フレキシブルな管、 50 管ホルダ、 51 開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻返し機(1)の作業箇所(2)であって、糸走路(31)に隣接配置されている負圧供給可能な糸掴みノズル(23)が設けられていて、該糸掴みノズル(23)の開口(42)が糸走路(31)に向けられている形式のものにおいて、吹付け流を生ぜしめるインジェクタ(48)が、糸走路(31)に隣接配置されていて、インジェクタ(48)の開口(51)は、糸走路(31)に位置している糸(30)に向かって、かつ糸掴みノズル(23)の開口(42)に向かって方向付けられており、必要に応じて吹付け流を噴射させる手段(47,40)が設けられていることを特徴とする、巻返し機の作業箇所。
【請求項2】
インジェクタ(48)は圧力空気管路(45)に接続されていて、インジェクタ(48)に、前記手段として、吹付け流の噴射を可能にする弁(47)が配属されている、請求項1記載の作業箇所。
【請求項3】
前記手段として、前記弁(47)を必要に応じて制御する制御ユニット(40)が設けられている、請求項2記載の作業箇所。
【請求項4】
糸掴みノズル(23)の開口(42)とインジェクタ(48)の開口(51)とは、該両方の開口(42,51)の間に糸走路が位置するように、互いに向かい合って配置されている、請求項1記載の作業箇所。
【請求項5】
インジェクタ(48)はフレキシブルな管(49)として形成されていて、該フレキシブルな管(49)の開口(51)は、管ホルダ(50)を用いて糸走路(31)の前に位置決めされていて、管ホルダ(50)は、フレキシブルな管(49)が挿入されている湾曲したガイド部を備えている、請求項4記載の作業箇所。
【請求項6】
巻返し機(1)の作業箇所(2)を運転する方法であって、糸走路(31)に隣接配置されている糸掴みノズル(23)に、負圧を供給して、該糸掴みノズル(23)の開口(42)の前に延在する糸(30)に対して吸込み作用を加える形式の方法において、
糸走路(31)に隣接配置されたインジェクタ(48)が、必要に応じて、糸走路(31)に位置している糸(30)に向かって、かつ糸掴みノズル(23)の開口(42)に向かって方向付けられた吹付け流を噴射することを特徴とする、巻返し機の作業箇所を運転する方法。
【請求項7】
インジェクタ(48)は、吹付け流を糸切れもしくは糸切断中に噴射する、請求項6記載の方法。
【請求項8】
インジェクタ(48)は、巻返し過程中に確認された、走行する糸の汚れに関連して、吹付け流を噴射する、請求項6記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−46357(P2012−46357A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184815(P2011−184815)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(307031976)エーリコン テクスティル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (105)
【氏名又は名称原語表記】Oerlikon Textile GmbH & CO. KG
【住所又は居所原語表記】Leverkuser Strasse 65, D−42897 Remscheid, Germany
【Fターム(参考)】