説明

布地ケア組成物及びその使用方法

a)親油性流体、b)洗浄性界面活性剤、c)所望により、極性溶媒、d)所望により、少なくとも1種類の洗浄補助剤を含む、布地物品から汚れを除去できる組成物。ドライクリーニング用途における本組成物の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布地物品を処理する組成物に関する。本組成物は、ドライクリーニング用途において改善された洗浄性能(例えば、洗濯物の汚れの除去)を提供する、新規な洗浄性界面活性剤類を含む。ドライクリーニング用途に本組成物を使用する方法も提供する。
【背景技術】
【0002】
洗浄用途は、通常は表面から異物を除去することを伴う。洗濯用途では、これは、綿、ポリエステル、シルク、レーヨン、ウール、及びこれらの素材の様々なブレンドを包含する様々な布地から、疎水性汚れ及び親水性汚れ(食品の染み、血液、草、土、グリース、油など)の両方を除去することを伴う。
【0003】
洗濯用途に関して、消費者には、汚れを除去するのに、従来の水ベースの洗浄とドライクリーニング(非水性ベースの洗浄)の2つの選択肢がある。従来の水ベースの布地洗浄システムで使用するのに好適な組成物は、長年にわたって最適化されてきた。具体的には、界面活性剤類、酵素類、ビルダー類、漂白剤類、キレート剤類、ポリマー類及び他の添加剤類を包含する洗濯洗剤類は、水ベースの布地洗浄システムで、親水性汚れ及び疎水性汚れの両方を効果的に除去することが示されてきた。より具体的には、綿、ポリエステル、及び様々なブレンドは、従来の水ベースのシステムを使用して効果的に洗浄できるが、シルク、ウール、及びレーヨンのようなより繊細な他の布地類は、水ベースの洗浄方法に起因する布地の損傷又は縮みを起こしやすく、一般にドライクリーニング方法に頼っている。
【0004】
ドライクリーニング方法は、洗浄システムに水が少量使用される、又は水が使用されない方法を指し;ハロカーボン類、炭化水素類、高密度二酸化炭素、グリコールエーテル類及びシリコーン類のような、様々な非水性有機溶媒類を使用する。一般に、シルク、ウール、及びレーヨン等のような水に敏感な布地類は、このように洗浄される。
【0005】
従来の洗剤組成物及び添加剤類は、水ベースの洗浄用に設計されている。陰イオン性界面活性剤類(例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホネート類、アルキルエトキシサルフェート類)、漂白剤類及びポリマー類(例えば、エトキシル化ポリアミン類)を包含するこれらの従来の洗剤添加剤類は、ドライクリーニング溶媒類との相容性が低いため、ドライクリーニング溶媒類中で有効な洗浄剤類ではない。
【0006】
洗浄性界面活性剤類のような幾つかの添加剤類は、ドライクリーニング用途に開発されてきた。これらの添加剤類の重要な設計特徴は、ドライクリーニング溶媒類との相容性の向上である。理論に限定されないが、これらの洗浄性界面活性剤類は、標的の汚れを可容化することにより;低濃度の水を使用する場合、水をドライクリーニング溶媒類又は系の中に懸濁させることにより;汚れを捕捉し系から除去することに役立つ逆ミセルを形成することにより、洗浄性を促進できると考えられる。界面活性剤の洗浄性については、「特殊な界面活性剤類の洗浄性(Detergency of Specialty Surfactants)」、F.E.フリードリ(F.E.Friedli)、マーセル・デッカー社(Marcel Dekker,Inc.)、ニューヨーク(1988年)で論じられている。ドライクリーニング用途における界面活性剤類の使用については、米国特許第5,944,996号;米国特許第6,548,466号;米国特許第6,461,387号;米国特許第6,148,644号;及び米国特許第6,114,295号に開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、引き続き、非水系洗浄用途において、綿、ポリコットン(polycotton)、ポリエステル、シルク、レーヨン、ウール、及び様々なブレンドを包含する様々な布地類からの汚れ除去を向上させる洗浄剤類を開発する必要がある。
【0008】
また、ドライクリーニング溶媒類中に洗濯物の汚れを溶解させる能力が向上した洗浄性界面活性剤類などの、洗剤添加剤類又は洗浄剤類を開発する必要もある。ドライクリーニング系に水を使用するとき、このような洗剤添加剤類又は洗浄剤類が、溶媒類又はドライクリーニング溶媒類若しくはドライクリーニング系中に水を懸濁させる能力を有することが更に必要である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様では、改善された汚れ除去能力を有する組成物を提供する。組成物は、
(a)親油性流体、
(b)次の一般式を有する洗浄性界面活性剤、
−(L−X−Y’
式中、Lは、次から選択される、溶媒相容化(又は親油性)部分であり:
(1)C1〜C22アルキル、C2〜C22アルケニル、C6〜C22アルカリール、又はC4〜C12アルコキシの、直鎖若しくは分岐鎖、環式若しくは非環式、飽和若しくは不飽和、置換若しくは非置換のもの;
(2)次式を有するシロキサン類:
D’D’’
式中、aは0〜2であり;bは0〜1000であり;cは0〜50であり;dは0〜50であり、但しa+c+dは少なくとも1であり;
MはR3−eSiO1/2であり、式中、Rは独立してH又はアルキル基であり、Xはヒドロキシル基であり、eは0又は1であり;
DはRSiO2/2であり、式中、Rは独立してH又はアルキル基であり;
D’はRSiO2/2であり、式中、Rは独立して、H、アルキル基、又は(CH−(CO−(CO)−(CO)−(C2kO)−Rであり、但し少なくとも1つのRが(CH−(CO−(CO)−(CO)−(C2kO)−Rでり、式中、Rは独立して、H、アルキル基、又はアルコキシ基であり、fは1〜10であり、gは0又は1であり、hは1〜50であり、iは0〜50であり、jは0〜50であり、kは4〜8であり;及び
D’’はRSiO2/2であり、式中、Rは独立して、H、アルキル基、又は(CH(C(A)−[(T)−(A’)−]−(T’)Z(G)であり、式中、lは1〜10であり;mは0又は1であり;nは0〜5であり;oは0〜3であり;pは0又は1であり;qは0〜10であり;rは0〜3であり;sは0〜3であり;Cは、非置換又はC1〜10アルキル若しくはC1〜10アルケニルで置換されており;Qは独立して、H、C1〜10アルキル、C1〜10アルケニル、又はこれらの混合物であり;A及びA’はそれぞれ独立して、エステル、ケト、エーテル、チオ、アミド、アミノ、C1〜4フルオロアルキル、C1〜4フルオロアルケニル、分岐鎖又は直鎖ポリアルキレンオキシド、ホスフェート、スルホニル、サルフェート、アンモニウム、及びこれらの混合物を表す結合部分であり;L及びL’はそれぞれ独立して、C1〜30直鎖若しくは分岐鎖アルキル若しくはアルケニル、又はアリールで、非置換又は置換であり;Zは、水素、カルボン酸、ヒドロキシ、ホスフェート(phosphato)、リン酸エステル、スルホニル、スルホネート、サルフェート、分岐鎖若しくは直鎖ポリアルキレンオキシド、ニトリル、グリセリル、非置換又はC1〜30アルキル若しくはアルケニルで置換されたアリール、非置換又はC1〜10アルキル若しくはアルケニルで置換された炭水化物、又はアンモニウムであり;Gは、H、Na、Li、K、NH、Ca+2、Mg+2、Cl、Br、I、メシラート又はトシラートのような、陰イオン又は陽イオンであり;D’’は、C1〜C4アルキル又はヒドロキシ基で末端処理されたものとすることができ;
Y及びY’は親水性部分であり、ヒドロキシ;ポリヒドロキシ;C1〜C3アルコキシ;モノアルカノールアミン又はジアルカノールアミン;C1〜C4アルキル置換アルカノールアミン;O、S、Nを含有する置換複素環;サルフェート類;カルボキシレート;カーボネートから独立して選択され;Hがエトキシ(EO)又はプロポキシ(PO)であるとき、次からなる群から選択されるRで末端処理されていなければならない:
(i)1〜3個のヘテロ原子を含有する、4〜8員環の置換又は非置換の複素環;及び
(ii)炭素数約1〜約30個の直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和、置換又は非置換、環式又は非環式、脂肪族又は芳香族の炭化水素ラジカル;
Xは、O;S;N;P;C1〜C22アルキル直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和、置換又は非置換、環式又は非環式、脂肪族又は芳香族で、O、S、N、Pが入り込んだ(interrupted)ものであり;グリシジル、エステル、アミド、アミノ、PO2−、HPO、PO2−、HPOから選択される架橋結合であり、これらは、プロトン化、又は非プロトン化しており;
u及びwは、0〜20から独立して選択される整数であり、但しu+w≧1であり;
tは1〜10の整数であり;
vは0〜10の整数であり;
xは1〜20の整数である。
【0010】
(c)所望により、極性溶媒;及び
(d)所望により、少なくとも1種類の洗浄補助剤
を含む。
【0011】
本発明の別の態様では、親油性流体で希釈する前の、非希釈布地ケア組成物も提供する。本布地ケア組成物は、
(a)前述の洗浄性界面活性剤、
(b)補助界面活性剤、
(c)所望により、極性溶媒、
(d)所望により、他の洗浄補助剤類、及び
(e)所望により、親油性流体、を含む。
【0012】
本発明の更に別の態様では、布地物品を処理する組成物を使用する方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本明細書で使用される用語「布地物品」とは、従来の洗濯方法又はドライクリーニング方法で通例洗浄されるあらゆる物品を意味するものとする。したがって、このような用語は、衣類、リネン、カーテン及び衣類付属品類の物品を包含する。この用語はまた、手提げバッグ類、家具カバー類、及び防水布類等のような、全体又は一部が布地で作製された他の品目も包含する。
【0014】
本明細書で使用される用語「親油性流体」とは、以下でより詳細に記載されるように、皮脂を除去できるあらゆる非水性流体を意味するものとする。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「洗浄組成物」とは、洗浄される布地物品と直接接触するあらゆるドライクリーニング溶媒含有組成物を意味する。組成物は、コンディショニング、糊付け、及びその他の布地ケア処理などの、洗浄以外の用途を有してもよいことを理解されたい。このため、それを用語「処理組成物」又は「布地ケア組成物」と互換的に使用してもよい。更に、追加の洗浄性界面活性剤類、漂白剤類、及び香料類等のような任意の洗浄補助剤類を「洗浄組成物」に添加してもよい。即ち、洗浄補助剤類を所望によりドライクリーニング溶媒と組み合わせてもよい。これら任意の洗浄補助剤類について、以下で更に詳細に説明する。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「ドライクリーニング」又は「非水系洗浄」とは、布地物品を洗浄するためのドライクリーニング溶媒として使用される非水性流体を意味する。しかし、補助洗浄剤として、水を「ドライクリーニング」法に加えることができる。「ドライクリーニング」方法では、水の量は、ドライクリーニング溶媒又は洗浄組成物の最大約25重量%まで構成することができる。非水性流体は、「親油性流体」又は「ドライクリーニング溶媒」と呼ばれる。
【0017】
用語「汚れ」とは、除去が望まれる、布地物品上の好ましくないあらゆる物質を意味する。用語「水ベース」又は「親水性」の汚れは、汚れが最初に布地物品と接触したときに汚れが水を含んでいること、汚れが水に対する高い溶解性若しくは親和性を有すること、又は汚れが布地物品上でかなりの水分を保持することを意味する。水ベースの汚れの例としては、飲物、多くの食品汚れ、水溶性染料、体液(汗、尿又は血液など)、戸外の汚れ(草の染み及び泥など)が挙げられるが、これらに限定されない。一方、本明細書で使用するとき、用語「親油性」の汚れは、汚れが親油性流体に高い溶解性又は親和性を有することを意味する。親油性の汚れの例としては、モノグリセリド、ジグリセリド、及びトリグリセリド、飽和及び不飽和脂肪酸類、非極性炭化水素類、ワックス類及びワックスエステル類、脂質類、他の身体汚れ、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
用語「親油性流体中に水を懸濁させることができる」とは、ある物質が、最初に成分を混合した後少なくとも5分間静置したときに、水が目で見て懸濁、溶媒和、又は乳化した状態を保つような方式で、親油性流体と不混和性である水を懸濁、溶媒和、又は乳化させることができることを意味する。
【0019】
用語「親油性流体に不溶性」とは、親油性流体に添加されたときに、物質が、添加後5分以内に親油性流体から物理的に分離(即ち、沈降、凝集、浮遊)することを意味し、一方、「親油性流体に可溶性」である物質は、添加後5分以内に親油性流体から物理的に分離しない。
【0020】
(親油性流体)
本明細書で使用するとき、「親油性流体」とは、水の20重量%までにおいては水と混和しない、あらゆる液体又は液体の混合物を意味する。一般に、好適な親油性流体は、周囲温度及び周囲圧力で完全に液体の状態で存在することができ、容易に融解する固体、例えば、約0℃〜約60℃の範囲内の温度で液体になるものとすることができるか、又は周囲温度及び周囲圧力、例えば、25℃、1気圧の圧力で液相と蒸気相との混合物を含むことができる。
【0021】
本明細書の親油性流体は、不燃性であるか、又は既知の従来のドライクリーニング流体類の特性に等しい、又は好ましくはそれを上回る、比較的高い引火点及び/若しくは低いVOC特性を有することが好ましく、ここでこれらの用語は、ドライクリーニング業界で使用される従来の意味を有する。
【0022】
好適な親油性流体物質の非限定例としては、シロキサン類、他のシリコーン類、炭化水素類、グリコールエーテル類、グリセリンエーテル類のようなグリセリン誘導体類、過フッ素化アミン類、過フッ素化及びハイドロフルオロエーテル溶媒類、低揮発性非フッ素化有機溶媒類、ジオール溶媒類、環境に優しいその他の溶媒類、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0023】
本明細書で使用するとき、「シロキサン」とは、非極性で、水又は低級アルコール類に不溶性のシリコーン流体類を意味する。直鎖シロキサン類(例えば、米国特許第5,443,747号及び同第5,977,040号参照)並びに環状シロキサン類は、本明細書で有用であり、それには、オクタメチルシクロテトラシロキサン(テトラマー)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(ヘキサマー)、好ましくはデカメチルシクロペンタシロキサン(ペンタマー、一般に「D5」と呼ばれる)からなる群から選択される環状シロキサン類が挙げられる。好ましいシロキサンは、約50%を超える環状シロキサンペンタマー、より好ましくは約75%を超える環状シロキサンペンタマー、最も好ましくは少なくとも約90%の環状シロキサンペンタマーを含む。また、少なくとも約90%(好ましくは少なくとも約95%)のペンタマー及び約10%未満(好ましくは約5%未満)のテトラマー及び/又はヘキサマーを有する環状シロキサン類の混合物であるシロキサン類も、本明細書で使用するのに好ましい。
【0024】
親油性流体は、あらゆる分率のドライクリーニング溶媒類、とりわけフッ素化溶媒又は過フッ素化アミン類を包含するより新しい種類を包含することができる。ペルフルオロトリブチルアミン類のような一部の過フッ素化アミン類は、親油性流体として使用するには適していないが、親油性流体を含有する組成物中に存在し得る多くの補助剤類の1つとして存在してもよい。
【0025】
他の好適な親油性流体類としては、ジオール溶媒系、例えば、C又はC又はより高級なジオール類などの高級ジオール、環式及び非環式の両方の種類を包含するオルガノシリコーン溶媒類等、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
低揮発性非フッ素化有機溶媒の非限定例としては、例えば、オレアン(OLEAN)(登録商標)及び他のポリオールエステル類、又は特定の比較的非揮発性の生分解性中鎖分岐鎖石油留分が挙げられる。
【0027】
グリコールエーテル類の非限定例としては、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールt−ブチルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールt−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールn−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールt−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテルが挙げられる。
【0028】
シロキサン類に加えて、他のシリコーン溶媒類の非限定例が文献で周知であり(例えば、カーク・オスマーの化学工学百科事典(Kirk Othmer's Encyclopedia of Chemical Technology)参照)、GEシリコーンズ(GE Silicones)、東芝シリコーン(Toshiba Silicone)、バイエル(Bayer)、及びダウ・コーニング(Dow Corning)を包含する多数の市販の供給源から入手可能である。例えば、好適なシリコーン溶媒の1つは、GEシリコーンズ(GE Silicones)から入手可能なSF−1528である。
【0029】
グリセリン誘導体溶媒類の非限定例としては、次の構造を有する物質が挙げられる:
本発明の方法及び/又は装置で使用するのに好適なグリセリン誘導体溶媒類の非限定例としては、次の構造を有するグリセリン(glyercine)誘導体が挙げられる:
【化1】

式中、R、R、及びRはそれぞれ:H;分岐鎖又は直鎖、置換又は非置換、C〜C30アルキル、C〜C30アルケニル、C〜C30アルコキシカルボニル、C〜C30アルキレンオキシアルキル、C〜C30アシルオキシ、C〜C30アルキレンアリール;C〜C30シクロアルキル;C〜C30アリール、及びこれらの混合物から独立して選択される。R、R及びRの2つ以上は一緒に、C〜C芳香族又は非芳香族、複素環又は非複素環を形成することができる。
【0030】
好適なグリセリン誘導体溶媒類の非限定例としては、2,3−ビス(1,1−ジメチルエトキシ)−1−プロパノール;2,3−ジメトキシ−1−プロパノール;3−メトキシ−2−シクロペントキシ−1−プロパノール;3−メトキシ−1−シクロペントキシ−2−プロパノール;炭酸(2−ヒドロキシ−1−メトキシメチル)エチルエステルメチルエステル;グリセロールカーボネート、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0031】
環境に優しい他の溶媒類の非限定例としては、約0〜約0.31のオゾン形成能を有する親油性流体類、約0〜約13Pa(0〜約0.1mmHg)の蒸気圧を有する親油性流体類、及び/又は13Pa(0.1mmHg)より高い蒸気圧を有するが、約0〜約0.31のオゾン生成能を有する親油性流体類が挙げられる。上述されていないこのような親油性流体類の非限定例としては、カーボネート溶媒類(即ち、メチルカーボネート類、エチルカーボネート類、エチレンカーボネート類、プロピレンカーボネート類、グリセリンカーボネート類)、及び/又はサクシネート溶媒類(即ち、ジメチルサクシネート類)が挙げられる。
【0032】
本明細書で使用するとき、「オゾン反応性」は、VOCが大気中でオゾンを形成する能力の尺度である。それは、揮発性有機物1グラム当り形成されるオゾンのグラム数として測定される。オゾン反応性を決定する方法論は、W.P.L.カーター「揮発性有機化合物類のオゾン反応性スケールの開発」、空気及び廃棄物管理協会誌、44巻、881〜899頁、1994年(W.P.L.Carter,“Development of Ozone Reactivity Scales of Volatile Organic Compounds”,Journal of the Air & Waste Management Association,Vol.44,Page 881-899,1994)に更に検討されている。使用される「蒸気圧」は、カリフォルニア大気資源局(California Air Resources Board)の方法310で定義される技法で測定できる。
【0033】
好ましくは、親油性流体は、シクロペンタシロキサン(D5など)、及び/又はほぼ同様の揮発性を有し、所望により他のシリコーン溶媒類によって補完された直鎖類似体を親油性流体の50重量%超過、含む。
【0034】
親油性流体の濃度は、本発明による処理組成物中に存在するとき、好ましくは処理組成物の約70重量%〜約99.99重量%、より好ましくは約90重量%〜約99.9重量%、更により好ましくは約95重量%〜約99.8重量%である。
【0035】
(布地ケア組成物)
本発明の布地ケア組成物は、親油性流体、洗浄性界面活性剤、並びに所望により水及び/又は洗浄補助剤類を含む。
【0036】
洗浄性界面活性剤成分は、本発明の布地ケア組成物中に存在するとき、好ましくは組成物の約1重量%〜約99重量%、より好ましくは2重量%〜約75重量%、更により好ましくは約5重量%〜約60重量%を構成する。
【0037】
組成物は、所望により、組成物の約99重量%〜約1重量%、好ましくは約5重量%〜約40重量%の範囲の極性溶媒(例えば水)と、組成物の約0.01重量%〜約50重量%、好ましくは約5重量%〜約30重量%の範囲の洗浄補助剤類とを含んでもよい。
【0038】
組成物を親油性流体で希釈して洗い液を調製するとき、布地ケア組成物は、洗い液の約0.1重量%〜約50重量%、より好ましくは約1重量%〜約30重量%、更により好ましくは約2重量%〜約10重量%を構成する。更に、洗い液中の前記洗浄性界面活性剤の量は、洗い液の約0.001重量%〜約50重量%、好ましくは約1重量%〜約40重量%、更に好ましくは約2重量%〜約30重量%の範囲である。
【0039】
幾つかの実施形態では、所望により水も同様に洗い液に組み込んでもよい。布地ケア組成物の一成分として、又は親油性流体の補助溶媒として水を添加してもよい。
【0040】
(洗浄補助剤類)
本明細書で有用な布地ケア組成物類は、洗浄補助剤類を含んでもよい。本明細書で使用するとき、「洗浄補助剤類」とは、親油性流体ベースの洗浄系に有用な添加剤類を意味し、これは、環境運命及び毒性(例えば、生分解性、水毒性、pHなど)に対する全ての制約範囲内で安全に排水処理できる物質から選択される。水又は親油性流体に対する溶解性は必ずしも必要ではないが、好ましい物質は、水及び親油性流体の両方に同時に可溶性である。
【0041】
好適な洗浄補助剤類の一部には、ビルダー類、酵素類、漂白剤活性化剤類、漂白剤触媒類、漂白促進剤類、漂白剤類、アルカリ性供給源類、抗菌剤類、着色剤類、香料類、香料前駆体類(pro-perfumes)、仕上げ助剤類、石灰石鹸分散剤類、臭気制御剤類、臭気中和剤類、ポリマー移染防止剤類、結晶成長抑制剤類、光漂白剤類、重金属イオン封鎖剤類、変色防止剤類、抗微生物剤類、酸化防止剤類、再付着防止剤類、汚れ放出ポリマー類、電解質類、pH調整剤類、増粘剤類、研磨材類、二価又は三価イオン類、金属イオン塩類、酵素安定化剤類、腐食防止剤類、ジアミン類又はポリアミン類及び/又はそれらのアルコキシレート類、泡安定化ポリマー類、溶媒類、加工助剤類、布地柔軟化剤類、蛍光増白剤類、ヒドロトロープ剤類、泡又は発泡抑制剤類、泡又は発泡促進剤類、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
これらの洗浄補助剤類は様々であり、典型的には、特定の洗浄補助剤が設計されている所望の効果を送達するのに十分な有効量で組成物に組み込まれる。存在する場合、各洗浄補助剤は、組成物の約0.01重量%〜約20重量%、好ましくは約0.1重量%〜約10重量%、更に好ましくは約1重量%〜約5重量%を構成するが、必ずしもその必要はない。
【0043】
(洗浄性界面活性剤類)
本発明で使用するのに好適な洗浄性界面活性剤は、次の一般式を有する:
−(L−X−Y’
式中、Lは、次から選択される溶媒相容化(又は親油性)部分である:
1.C1〜C22アルキル、C2〜C22アルケニル、C6〜C22アルカリール、又はC4〜C12アルコキシの、直鎖又は分岐鎖、環式又は非環式、飽和又は不飽和、置換又は非置換のもの;
2.次式を有するシロキサン類:
D’D’’d
式中、aは0〜2であり;bは0〜1000であり;cは0〜50であり;dは0〜50であり、但しa+c+dは少なくとも1であり;
MはR3−eSiO1/2であり、式中、Rは独立してH又はアルキル基であり、Xはヒドロキシル基であり、eは0又は1であり;
DはRSiO2/2であり、式中、Rは独立してH又はアルキル基であり;
D’はRSiO2/2であり、式中、Rは独立して、H、アルキル基、又は(CH−(CO−(CO)−(CO)−(C2kO)−Rであり、但し少なくとも1つのRが(CH−(CO−(CO)−(CO)−(C2kO)−Rであり、式中、Rは独立して、H、アルキル基、又はアルコキシ基であり、fは1〜10であり、gは0又は1であり、hは1〜50であり、iは0〜50であり、jは0〜50であり、kは4〜8であり;及び
D’’はRSiO2/2であり、式中、Rは独立して、H、アルキル基、又は(CH(C(A)−[(T)−(A’)−]−(T’)Z(G)であり、式中、lは1〜10であり;mは0又は1であり;nは0〜5であり;oは0〜3であり;pは0又は1であり;qは0〜10であり;rは0〜3であり;sは0〜3であり;Cは、非置換又はC1〜10アルキル若しくはC1〜10アルケニルで置換されており;Qは独立して、H、C1〜10アルキル、C1〜10アルケニル、又はこれらの混合物であり;A及びA’はそれぞれ独立して、エステル、ケト、エーテル、チオ、アミド、アミノ、C1〜4フルオロアルキル、C1〜4フルオロアルケニル、分岐鎖又は直鎖ポリアルキレンオキシド、ホスフェート、スルホニル、サルフェート、アンモニウム、及びこれらの混合物を表す結合部分であり;T及びT’はそれぞれ独立して、C1〜30直鎖若しくは分岐鎖アルキル若しくはアルケニル、又はアリールで、非置換又は置換であり;Zは、水素、カルボン酸、ヒドロキシ、ホスフェート(phosphato)、リン酸エステル、スルホニル、スルホネート、サルフェート、分岐鎖若しくは直鎖ポリアルキレンオキシド、ニトリル、グリセリル、非置換又はC1〜30アルキル若しくはアルケニルで置換されたアリール、非置換又はC1〜10アルキル若しくはアルケニルで置換された炭水化物、又はアンモニウムであり;Gは、H、Na、Li、K、NH、Ca+2、Mg+2、Cl、Br、I、メシラート又はトシラートのような、陰イオン又は陽イオンであり;D’’は、C1〜C4アルキル又はヒドロキシ基で末端処理されたものとすることができ;
Y及びY’は親水性部分であり、ヒドロキシ;ポリヒドロキシ;C1〜C3アルコキシ;モノアルカノールアミン又はジアルカノールアミン;C1〜C4アルキル置換アルカノールアミン;O、S、Nを含有する置換複素環;サルフェート類;カルボキシレート;カーボネートから独立して選択され;Y及び/又はY’がエトキシ(EO)又はプロポキシ(PO)であるとき、次からなる群から選択されるRで末端処理されていなければならない:
(i)1〜3個のヘテロ原子を含有する、4〜8員環の置換又は非置換複素環;及び
(ii)炭素数約1〜約30個の直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和、置換又は非置換、環式又は非環式、脂肪族又は芳香族の炭化水素ラジカル;
Xは、O;S;N;P;O、S、N、Pによって中断された(interrupted)、C1〜C22アルキルの、直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和、置換又は非置換、環式又は非環式、脂肪族又は芳香族のもの;グリシジル、エステル、アミド、アミノ、PO2−、HPO、PO2−、HPOから選択される架橋結合であり、これらは、プロトン化、又は非プロトン化しており;
u及びwは、0〜20から独立して選択される整数であり、但しu+w≧1であり;
tは1〜10の整数であり;
vは0〜10の整数であり;
xは1〜20の整数である。
【0044】
親油性流体中で布地類からの改善された汚れ除去を提供する洗浄性界面活性剤類の非限定例には、次のものが挙げられる
(1)アルカノールアミン類、
(2)リン酸/ホスホン酸エステル類、
(3)これらに限定されないが、ジェミニジオール類、ジェミニアミド類、ジェミニアミドアルコキシレート類、ジェミニアミノアルコキシレート類を包含するジェミニ界面活性剤類、
(4)末端保護された非イオン性界面活性剤類、
(5)アミド類、
(6)非イオン性シリコーンエトキシレート類、シリコーンアミン誘導体類などのシリコーン界面活性剤類、
(7)アルキルアルコキシレート類、及び
これらの混合物。
【0045】
本発明の典型的な布地ケア組成物は、約1重量%〜約50重量%の前記に開示されている少なくとも1種類の洗浄性界面活性剤、約1重量%〜約20重量%の水、洗約0.1重量%〜約20重量%の浄補助剤類を含んでもよい。このような組成物は、前記洗浄性界面活性剤類を含有しない組成物類と比較して、総合的な洗浄、及び汚れ/染み除去性能力を向上させることが示されてきた。更に、特定の洗浄性界面活性剤類は、特定の汚れ又は染みを除去するのに特に有効であることが分かった。
【0046】
アルカノールアミン含有界面活性剤類:
アルカノールアミン界面活性剤類は、水溶性の汚れ及び水ベースの汚れの洗浄を助ける能力を有する。しかし、アルカノールアミン部分単独では、デカメチルシクロペンタシロキサンなどの親油性流体に良好な相容性を有しない場合がある。アルカノールアミン部分を好適な親油性部分に結合させると、界面活性剤/溶媒相容性を向上させることができる。
【0047】
好適なアルカノールアミン界面活性剤類は一般式(I)を有し、式中、Y部分は次式を有するアルカノールアミン部分を含んでもよく:
【化2】

式中、R、R、Rは同じであるか又は異なり、独立して、H、アルキル類、ポリオキシアルキレン類、シロキサン類、又はフッ素化された基から選択され;少なくとも1つのヒドロキシル基がアルカノールアミン部分に存在して、1つ以上のR基を終端させるか、又はR基の1つ以上の中に存在する。アルキル基は、直鎖又は分岐鎖、環式又は非環式、飽和又は不飽和であってよく、炭素数約1〜30個、好ましくは炭素数約6〜30個、更に好ましくは炭素数約8〜18個であってよい。シリコーン及びフッ素化された基は、1〜50個の繰り返し単位からなってもよい。
【0048】
アルカノールアミン部分を官能化する方法は、アルキル化、エステル化、エーテル化、アミド化、アミノ化、及び他の結合化学であってよいが、これらに限定されない。このため、対応する架橋基Bは、アルキル、エステル、エーテル、アミド、及びアミノ結合基とすることができる。
【0049】
所与のアルカノールアミン基と結合する親油性部分Tの数及び大きさは、界面活性剤の性能を最適化するのに重要である。洗浄性界面活性剤の含有する親油性部分が多すぎると、及び/又は大きすぎると、洗浄性界面活性剤の示す溶媒中での溶解度特性が高すぎるか、又は分子量が大きすぎる場合があり、これらは両方とも、有効でない洗浄能力及び/又は汚れ除去能力を結果として導く。場合によっては、洗浄性界面活性剤は固体になることがあり、それによって溶媒への溶解及び配合が困難になる。他方、洗浄性界面活性剤の含有する親油性部分が少なすぎると、及び/又は小さすぎると、洗浄性界面活性剤の示す、溶媒中での溶解度が低く、洗浄及び/又は汚れ除去におけるアルカノールアミン部分の有効性が低下することがある。
【0050】
好適なアルカノールアミン界面活性剤類は、1種類以上のアルキレンオキシド(アルコキシ)若しくはポリアルキレンオキシド単位、又は溶媒相容化(即ち、親油性)部分Tを界面活性剤構造内に含んでもよい。アルコキシ部分は、エトキシ(EO);プロポキシ(PO);ブトキシ(BO);より高級なアルコキシ部分;混合されたアルコキシ部分(混合されたEO/PO、EO/B、PO/BO、EO/PO/BOなど)等;及びこれらの混合物から選択され;ここで、アルコキシル化の量(m)は、1〜50アルコキシ単位であってよい。アルカノールアミン界面活性剤類のアルコキシル化の量は、平均値mを有する分布であっても、又はある程度のアルコキシル化を有する単分散であってもよいことが認識される。
【0051】
本発明の一実施形態では、官能化されたアルカノールアミン部分は、界面活性剤1分子当り、平均少なくとも1つのT部分を有する。好ましくは、界面活性剤分子は、溶媒の相容性を提供するのに十分な数のT部分を含有する。本発明の別の実施形態では、アルカノール部分は、アルカノールアミン一部分当り、平均少なくとも2つの溶媒相容化T部分(即ち、「双尾(twin tail)」構造を有する部分)を有する。T部分は、OH、アルコキシ、及びこれらの混合物から選択することができる。
【0052】
以下は、官能化されたアルカノールアミンを含有する、本発明で有用な界面活性剤類の非限定例である:
【化3】

【0053】
幾つかの実施形態では、布地ケア組成物は、約0.01重量%〜約10重量%のアルカノールアミン界面活性剤、約0重量%〜約20重量%の水、約0.1重量%〜約20重量%の他の洗剤補助剤類、及び親油性流体類の残部を含む。これらの洗浄組成物は、組成物の総合的な洗浄及び染み除去性能を向上させることが示されてきた。これらの組成物は、血液、草、及び粘土の染みを洗浄及び除去するのに特に有効であることが示されている。
【0054】
(リン酸/ホスホン酸エステル界面活性剤類)
これらの界面活性剤類は、一般式(I)を有し、式中、X部分は次式を有するリン酸ベースの部分とすることができ:
【化4】

式中、R、R、Rが独立して、H、OR、C〜C22アルキルから選択され、これらは直鎖又は分岐鎖、置換又は非置換、環式又は非環式で、所望によりO、N、S又はPが入り込んでおり;Rが、
【化5】

H、Na、K、Li、トリアルキルアンモニウム、C〜C22アルキルから選択され、これらは直鎖又は分岐鎖、置換又は非置換、環式又は非環式であり、所望によりO、N、S又はPが入り込んでおり;Rが、H、CH、C、C、Cから選択され;nが0〜10の整数である。
【0055】
以下は、官能化されたリン酸エステルを含有する、本発明で有用な界面活性剤類の非限定例である:
【化6】

【0056】
幾つかの実施形態では、布地ケア組成物は、約0.01重量%〜約10重量%のリン酸ベースの界面活性剤、約0重量%〜約20重量%の水、約0.1重量%〜約20重量%の他の洗浄補助剤類、及び親油性流体類の残部を含む。これらの洗浄組成物は、組成物の総合的な洗浄及び染み除去性能を向上させることが示されてきた。これらの組成物は、血液、草、及びお茶の染みを洗浄及び除去するのに特に有効である。
【0057】
(ジェミニ界面活性剤類)
従来の界面活性剤類は、一般に、1つの親水性基と1つの疎水性基を有するが、ジェミニ界面活性剤類は、少なくとも2つの疎水性基と少なくとも2つの親水性基を有する化合物である。米国化学会誌、115号、10083〜10090頁(1993年)(J.American Chemical Soc.,115,10083-10090(1993));ケムテック、1993年3月、30〜33頁(Chemtech,March 1993,pp 30-33)を参照されたい。ジェミニ界面活性剤類は、従来の界面活性剤類と比較して、非常に低濃度で使用されるときに非常に有効な乳化剤類であることが分かっている。この特性により、非常に低濃度で優れた洗浄性が更に得られる。
【0058】
以下は、本発明に使用するのに好適なジェミニ界面活性剤類の非限定例である:
【化7】

【0059】
幾つかの実施形態では、布地ケア組成物は、約0.01重量%〜約10重量%のジェミニ界面活性剤、約0重量%〜約20重量%の水、約0.1重量%〜約20重量%の他の洗浄補助剤類、及び親油性流体類の残部を含む。これらの洗浄組成物は、組成物の総合的な洗浄及び染み除去性能を向上させることが示されてきた。これらの組成物は、粘土及び化粧の染みを洗浄及び除去するのに特に有効である。
【0060】
(末端保護された非イオン性界面活性剤類)
本発明の一実施形態では、式(i)による末端保護された非イオン性界面活性剤は、次の一般式を有することができ:
O[CHCH(R)O][CHCH(OH)[CH
式中、R及びRは、炭素数約1〜約30個の直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和、脂肪族又は芳香族炭化水素ラジカルであり;Rは、H、又は炭素数約1〜約4個の直鎖脂肪族炭化水素ラジカルであり;xは、平均値1〜約40の整数であり、ここでxが2以上のとき、Rは同じであっても又は異なってもよく、且つk及びjは、平均値約1〜約12、更に好ましくは1〜約5の整数であり、nは0〜1の整数であり;更に、xが15以上でRがH及びメチルのとき、Rの少なくとも4つがメチルであり、更にxが15以上でRがH及び1〜3個のメチル基を包含するとき、少なくとも1つのRが、エチル、プロピル、又はブチルであり、更にここで、Rは、所望により、アルコキシル化されたものとすることができ、ここで、前記アルコキシは、エトキシ、プロポキシ、ブチルオキシ、及びこれらの混合物から選択される。
【0061】
上記一般式を有する末端保護された非イオン性界面活性剤の別の実施形態では、R及びRは、好ましくは、炭素数約6〜約22個の直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和、脂肪族又は芳香族炭化水素ラジカルであり、炭素数約8〜約18個が最も好ましい。Rは、所望によりアルコキシル化されたものとすることができ、ここで、アルコキシは、エトキシ、プロポキシ、ブチルオキシ、及びこれらの混合物から選択される。Rについては、H、又は炭素数約1〜約2個の直鎖脂肪族炭化水素ラジカルが最も好ましい。好ましくは、xは、平均値約1〜約20、より好ましくは約6〜約15の整数である。
【0062】
本発明の別の実施形態では、式(i)による末端保護された非イオン性界面活性剤は、エーテルで末端保護されたポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤、とりわけ、次式を有するものとすることができ:
RO(RO)CH(CH)OR
式中、Rは、炭素数約1〜約30個の直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和、置換又は非置換、脂肪族又は芳香族炭化水素ラジカルからなる群から選択され;Rは、同じであっても又は異なってもよく、いずれかの所与の分子中の分岐鎖又は直鎖のC〜Cアルキレンからなる群から独立して選択され;xは1〜約30の数であり;Rは、以下からなる群から選択され:
(iii)1〜3個のヘテロ原子を含有する4〜8員環の置換又は非置換複素環;及び
(iv)炭素数約1〜約30個の直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和、置換又は非置換、環式又は非環式、脂肪族又は芳香族炭化水素ラジカル;
但し、Rが(ii)であるとき、(A)Rの少なくとも1つがC〜Cアルキレン以外であるか、又は(B)Rが炭素数6〜30個であり、更に、Rが炭素数8〜18個のとき、RはC〜Cアルキル以外である。
【0063】
本発明の更に別の実施形態では、式(i)による末端保護された非イオン性界面活性剤は、次式を有する、エーテルで末端保護されたポリ(オキシアルキル化)アルコール類とすることができる:
RO(RO)
本発明の一態様では、Rは、炭素数約1〜約20個の直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和、置換又は非置換の脂肪族炭化水素ラジカルであり、更により好ましくは、Rは、炭素数約4〜約18個の直鎖又は分岐鎖の飽和脂肪族炭化水素ラジカルである。
【0064】
本発明の別の態様では、R、R及びRは、エーテルで末端保護されたポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤が1つ以上のキラルの炭素原子を含有するように選択される。
【0065】
本発明の一態様では、Rは次式の炭化水素ラジカルであり:
【化8】

式中、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、及びC〜Cアルキル、より好ましくは、水素、C〜Cアルキル、更により好ましくは水素、及びメチルから選択されるが、但し、R、R、及びRは全部が水素ではなく、tが0のとき、少なくともR又はRは水素ではなく;q、r、s、tはそれぞれ独立して0〜13の整数である。この態様の1つのより好ましい形態では、Rは次式から選択される:
【化9】

式中、n、m、j及びkは、それぞれ独立して、0〜13の整数である。
【0066】
本発明の更に別の態様では、Rは、次式の炭化水素ラジカルであり:
【化10】

は、炭素数約1〜約30個、より好ましくは1〜20個、更により好ましくは1〜15個の直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和、置換又は非置換、脂肪族又は芳香族の炭化水素ラジカルからなる群から選択されるが、但し、R3がメチルのとき、Rは分岐鎖である。本発明のこの態様の一実施形態では、Rはエチルである。
【0067】
本発明の他の態様では、Rは、1〜3個のヘテロ原子を含有する4〜8員環の置換又は非置換複素環である。本発明のこの態様の一実施形態では、ヘテロ原子は、酸素、窒素、イオウ、及びこれらの混合物を含む群から選択される。本発明のこの態様の一実施形態では、Rは、5員環又は6員環の複素環である。本発明のこの態様の別の実施形態では、Rは、次からなる群から選択され:
【化11】

式中、各Rは、独立して、水素、炭素数約1〜約10個の直鎖又は分岐鎖、飽和若しくは不飽和、置換若しくは非置換の脂肪族炭化水素若しくはアルコキシラジカルからなる群から選択されるか、又はRは、複素環に結合している炭素数約1〜約10個の飽和若しくは不飽和、置換若しくは非置換、脂環式若しくは芳香族炭化水素ラジカルであり;各Aは、独立して、O、及びN(Rからなる群から選択され、式中、Rは、独立して、水素、炭素数約1〜約10個の直鎖若しくは分岐鎖、飽和若しくは不飽和、置換若しくは非置換の脂肪族炭化水素ラジカルからなる群から選択され、且つaは0又は1であり;zは1〜3の整数である。
【0068】
本発明のこの態様の別の実施形態では、Rは、次からなる群から選択され:
【化12】

式中、Rは、前記のように定義される。
【0069】
以下は、本発明に使用するのに好適な末端保護された非イオン性界面活性剤類の非限定例である:
【化13】

【0070】
幾つかの実施形態では、布地ケア組成物は、約0.01重量%〜約10重量%の末端保護された非イオン性界面活性剤、約0重量%〜約20重量%の水、約0.1重量%〜約20重量%の他の洗剤補助剤類、及び親油性流体類の残部を含む。
【0071】
好適な非イオン性界面活性剤類は、約12以下、好ましくは約10以下、より好ましくは約8以下のHLB(親水性油性バランス)値を有することができる。
【0072】
これらの洗浄組成物は、組成物の総合的な洗浄及び染み除去性能を向上させることが示されてきた。これらの組成物は、草及び粘土の染みを洗浄及び除去するのに特に有効であることが示されている。
【0073】
(シリコーン非イオン性界面活性剤類)
本明細書で使用するのに好適なシリコーン界面活性剤類は一般式(I)を有し、式中、シリコーン含有部分は親水性部分で末端保護されている。このような界面活性剤の一実施形態は、次式を有し:
【化14】

式中、R及びRは同じであっても又は異なってもよく、独立して、H、−(RO)−Rから選択され、式中、RはC2〜C4アルキレンであり;RはH、OSOO−、炭素数1〜30個の直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和、脂肪族又は芳香族炭化水素ラジカルであり;mは1〜200の整数である。
【0074】
(アミド類)
本発明の一実施形態では、式(I)によるアミド含有界面活性剤は、次の一般式を有することができ:
【化15】

式中、RはC1〜C22直鎖アルキル、アルキル置換芳香族、C3〜C22分岐鎖アルキル、直鎖アルケニル、分岐鎖アルケニル、C5〜C22環式アルキル、環式アルケニル、アリールから選択され、
Aは、
【化16】

H、Na、K、Li、C〜C22アルキルから選択され、これらは直鎖又は分岐鎖、置換又は非置換、環式又は非環式であり、所望によりO、N、S又はPが入り込んでおり;Rは、H、CH、C、C、Cから選択され;nは0〜20の整数である。
【0075】
以下は、本発明で有用なアミド界面活性剤類の非限定例である:
【化17】

【0076】
幾つかの実施形態では、布地ケア組成物は、約0.01重量%〜約10重量%のアミド界面活性剤、約0重量%〜約20重量%の水、約0.1重量%〜約20重量%の他の洗剤補助剤類、及び親油性流体類の残部を含む。これらの洗浄組成物は、組成物の総合的な洗浄及び染み除去性能を向上させることが示されてきた。これらの組成物は、草の染みを洗浄及び除去するのに特に有効である。
【0077】
(補助界面活性剤類)
本組成物は、所望により、組成物の洗浄又は汚れ除去能力を更に向上させる補助界面活性剤類を含んでもよい。
【0078】
好適な補助界面活性剤類の一部類には、シロキサンベースの界面活性剤類が挙げられ、これは、次式を有するポリエーテルシロキサンを含み:
D’D’’M’2−a
式中、aは0〜2であり;bは0〜1000であり;cは0〜50であり;dは0〜50であり、但しa+c+dは少なくとも1であり;
MはR3−eSiO1/2であり、式中、Rは独立してH又はアルキル基であり、Xはヒドロキシル基であり、eは0又は1であり;
M’はRSiO1/2であり、式中、Rは独立して、H、アルキル基、又は(CH(CO−(CO)−(CO)(C2k−Rであり、但し、少なくとも1つのRが(CH(CO−(CO)−(CO)(C2k−Rであり、式中、Rは独立して、H、アルキル基、又はアルコキシ基であり、fは1〜10であり、gは0又は1であり、hは1〜50であり、iは0〜50であり、jは0〜50であり、kは4〜8であり;Cは非置換又は置換であり;Qは独立して、H、C1〜10アルキル、C1〜10アルケニル、及びこれらの混合物から選択され;
DはRSiO2/2であり、式中、Rは独立してH又はアルキル基であり;
D’は、RSiO2/2であり、式中、Rは独立して、H、アルキル基、又は(CH−(CO−(CO)−(CO)−(C2kO)−Rであり、但し、少なくとも1つのRが(CH(CO−(CO)−(CO)(C2k−Rであり、式中、Rは独立して、H、アルキル基、又はアルコキシ基であり、fは1〜10であり、gは0又は1であり、hは1〜50であり、iは0〜50であり、jは0〜50であり、kは4〜8であり;Cは、非置換又は置換であり;Qは独立して、H、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、及びこれらの混合物から選択され;及び
D’’はRSiO2/2であり、式中、Rは独立して、H、アルキル基、又は(CH(C(A)−[(L)−(A’)−]−(L’)Z(G)であり、式中、lは1〜10であり;mは0又は1であり;nは0〜5であり;oは0〜3であり;pは0又は1であり;qは0〜10であり;rは0〜3であり;sは0〜3であり;Cは、非置換又は置換であり;Qは独立して、H、C1〜10アルキル、C1〜10アルケニル、及びこれらの混合物から選択され;A及びA’はそれぞれ独立して、エステル、ケト、エーテル、チオ、アミド、アミノ、C1〜4フルオロアルキル、C1〜4フルオロアルケニル、分岐鎖又は直鎖ポリアルキレンオキシド、ホスフェート、スルホニル、サルフェート、アンモニウム、及びこれらの混合物を表す結合部分であり;L及びL’はそれぞれ独立して、C1〜30直鎖若しくは分岐鎖アルキル若しくはアルケニル、又はアリールで、非置換又は置換であり;Zは、水素、カルボン酸、ヒドロキシ、ホスフェート(phosphato)、リン酸エステル、スルホニル、スルホネート、サルフェート、分岐鎖若しくは直鎖ポリアルキレンオキシド、ニトリル、グリセリル、非置換又はC1〜30アルキル若しくはアルケニルで置換されたアリール、非置換又はC1〜10アルキル若しくはアルケニルで置換された炭水化物、又はアンモニウムであり;Gは、H、Na、Li、K、NH、Ca+2、Mg+2、Cl、Br、I、メシラート又はトシラートのような、陰イオン又は陽イオンである。
【0079】
前述のシロキサンベースの界面活性剤類の種類の例は、EP−1,043,443A1、EP−1,041,189、及び国際公開第01/34,706号(全てGEシリコーンズ(GE Silicones))、並びに米国特許第5,676,705号、米国特許第5,683,977号、米国特許第5,683,473号、及びEP−1,092,803A1(全てリーバー・ブラザーズ(Lever Brothers)に譲渡)に見出すことができる。
【0080】
ポリエーテルシロキサン界面活性剤類は、典型的には、0.0008〜0.03ag(500〜20,000ダルトン)の重量平均分子量を有する。ポリ(ジメチルシロキサン)から誘導されるこのような物質は、当該技術分野において周知である。本発明では、このようなシロキサンベースの界面活性剤類全てが好適であるとは限らないが、これは、そのような界面活性剤類は、親油性流体自体が提供する洗浄レベルと比較して、改善された汚れの洗浄を提供しないからである。
【0081】
シロキサンベースの好適な界面活性剤類の非限定的な市販の例は、TSF4446(ゼネラル・エレクトリック・シリコーンズ(General Electric Silicones)製)、XS69−B5476(ゼネラル・エレクトリック・シリコーンズ(General Electric Silicones)製);ジェナミン(Jenamine)HSX(デルコン(DelCon)製)及びY12147(OSiスペシャルティ(OSi Specialties)製)である。
【0082】
補助界面活性剤成分として使用するのに好適な別の部類の物質は、本質的に有機物である。好ましい物質は、炭素原子数約6〜約20個の炭素鎖を有するオルガノスルホサクシネート界面活性剤類である。それぞれ炭素数約6〜約20個の炭素鎖を有する、ジアルキル鎖を含有するオルガノスルホサクシネート類が最も好ましい。また、アリール又はアルキルアリール、置換又は非置換、分岐鎖又は直鎖、飽和又は不飽和の基を含有する鎖も好ましい。好適なオルガノスルホスクシネート界面活性剤類の市販の非限定例は、エアゾール(Aerosol)OT及びエアゾール(Aerosol)TR−70(サイテック(Cytec)製)の商品名で入手可能である。
【0083】
存在する場合、補助界面活性剤は、洗い液の約0.01重量%〜約50重量%、好ましくは約1重量%〜約40重量%、より好ましくは約2重量%〜約30重量%を構成してもよいが、必ずしもその必要はない。補助界面活性剤は、布地ケア組成物中に存在するとき、組成物の約1重量%〜約99重量%、好ましくは2重量%〜約80重量%、より好ましくは約5重量%〜約60重量%を構成してもよい。
【0084】
(洗浄方法及び装置)
本発明の組成物を使用する洗浄方法には、従来の浸漬洗浄方法、並びに米国特許出願US20020133886A1及びUS20020133885A1に開示されている非浸漬洗浄方法が挙げられる。
【0085】
ドライクリーニングシステム及び/又は装置は、布地物品処理容器、ドライクリーニング溶媒リザーバ、所望により、ドライクリーニング溶媒中の汚染物質濃度を監視するセンサを含む。汚染物質濃度がある所定の値を超えると、ドライクリーニング溶媒が最大汚染物質保持許容度に達しており、浄化が必要であることが示される。更にまた、溶媒浄化回収ユニットが、システム/装置の一体部分として提供されてもよい。しかし、溶媒回収ユニットはまた、ドライクリーニングシステム/装置とは別々の独立型デバイスであってもよい。
【0086】
当業者に既知のあらゆる好適な布地物品処理容器を使用することができる。布地物品処理容器は、洗浄システムの動作中、処理される布地物品を収容し、保持する。換言すれば、布地物品処理容器は、布地物品がドライクリーニング溶媒と接触している間、布地物品を保持する。好適な布地物品処理容器の非限定例としては、商業用洗浄機類、家事用、家庭用洗濯機類、及び衣類乾燥機類が挙げられる。
【0087】
本発明の方法及びシステムは、クリーニングサービス、おむつサービス、制服クリーニングサービスのようなサービス、又はコインランドリー、ドライクリーナー、ホテル、レストラン、コンベンションセンター、空港、観光船、港湾施設、カジノの一部であるリネンサービスのような営利事業で使用されてもよく、又は家庭で使用されてもよい。
【0088】
本発明の方法を、改良された既存装置であって、且つ関連方法に加えて本発明の方法を実施するような方式で改装された装置で実施してもよい。
【0089】
本発明の方法はまた、本発明及び関連方法を実施するために特別に作られた装置で実施されてもよい。
【0090】
更に、本発明の方法は、ドライクリーニング溶媒処理システムの一部として別の装置に追加されてもよい。これには、化学物質及び水の供給源、並びに廃棄洗浄流体用の下水設備への接続のような、関連する配管全てが包含される。
【0091】
本発明の方法はまた、「デュアルモード」機能が可能な装置で実施されてもよい。「デュアルモード」装置は、同じ容器(即ち、ドラム)内で布地の洗浄と乾燥の両方を実施できるものである。これらの装置は、特にヨーロッパで市販されている。
【0092】
更に、本発明の方法はまた、「二方式」洗浄機能を実施できる装置で実施されてもよい。「二方式」装置は、同じ容器で非水系洗浄及び水系洗浄の両方を実施できるものであり、2つの洗浄モードを、順次洗浄サイクル又は複合洗浄サイクルで実施することができる。更に、二方式機械はまた、衣類を別個の機械に移動させなくても衣類を完全に乾燥させることができる。本発明で使用するのに好適な装置は、通常は「スマートコントロールシステム」のような電気的システム、並びにより従来的な電気機械的システムを包含する、何らかのタイプの制御システムを含む。制御システムによって、ユーザーは、洗浄される布地投入物の大きさ、汚れの種類、汚れの程度、洗浄サイクルの時間を選択することができる。あるいは、制御システムは、ユーザーが装置にプログラムしたあらゆる数の確認可能なパラメータに基づいて、予め設定された洗浄及び/若しくはリフレッシュサイクル、又はサイクル長の制御を提供する。例えば、ドライクリーニング溶媒の捕集速度が安定した速度に達したときに、装置は、一定期間後に自動的に停止するか、又はドライクリーニング溶媒に関わる別のサイクルを開始することができる。
【0093】
電気的制御システムの場合、1つの選択肢は、制御デバイスを、自己診断;投入物の種類及びサイクル選択;ユーザーが装置を遠隔操作で始動できるようにし、装置が布地物品を洗浄し終えたときにユーザーに通知するか、又は装置が正常に機能しない場合に供給元が遠隔操作で問題を診断できるようにするインターネットリンクなどのスマート機能を提供する、いわゆる「スマートデバイス」にすることである。更に、本発明のシステムが単に洗浄システムの一部にすぎない場合、いわゆる「スマートシステム」は、洗濯機や乾燥機のような、洗浄の残りの部分を完了するために使用される他の洗浄デバイスと通信することができる。
【実施例】
【0094】
(実施例1)
例示的な洗浄性界面活性剤類の調製を以下に開示する:
(i)1−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−3−[(2−エチルへキシル)オキシ]−2−プロパノール
【化18】

【0095】
滴下漏斗を装備し、磁気撹拌子が入っている、隔膜で蓋をした250mLの三口丸底フラスコにアルゴンを通気させ、2−エチルへキシルグリシジルエーテル(66.53g、0.35mol)を投入する。ジエタノールアミン(40.89g、0.38mol)を10分間の間に該グリシジルエーテルに撹拌しながら添加する。フラスコを油浴に入れ、75〜80℃の浴温度で一晩加熱する。反応を冷却し、グリシジルエーテルが完全に消費したことを確認するため、H NMRで調べる。無色の粘稠な液体が得られる。
【0096】
(ii)ブトキシル化2−ヒドロプロピルジエタノールアミン
【化19】

【0097】
ナトリウムブトキシド/1−ブタノール:マグネチックスターラ及びアルゴン入口を装備した、50mLの一口丸底フラスコに1−ブタノール(6.44g、87.0mmol)及び球状の金属ナトリウム(0.20g、8.7mmol)を添加する。ナトリウムが全てアルコールと反応し、無色透明な液体が得られるまで、混合物をアルゴン下で撹拌する。
【0098】
ブトキシル化−1−ブタノール:ステンレス鋼製の4つの7.5mL高圧反応器のそれぞれに、1−ブタノール−水酸化ナトリウム混合物(0.17g、2.30mmol)及び1,2−エポキシブタン(3.97g、55mmol)を添加する。反応器を密封し、130℃で16時間加熱する(1つの反応器は内部熱電対を1つ収容した)。4つの反応器全ての内容物をクーゲルロールに75℃133Pa(1mmHg)で合わせ、残留する揮発性物質類を全て除去する。淡黄色の液体が得られる。
【0099】
ブトキシル化−1−ブタノールグリシジルエーテル:磁気撹拌子及びアルゴン入口を装備した50mLの一口丸底フラスコにエピクロロヒドリン(2.20g、24.0mmol)、水酸化ナトリウム50重量%溶液(3.00g、38.0mmol)及び硫酸水素テトラブチルアンモニウム0.1gを添加する。混合物を十分に撹拌し、ブトキシル化−1−ブタノール(7.00g、4.40mmol)を添加し、アルゴン下で一晩、反応を撹拌する。反応にジエチルエーテル30mLを添加し、十分に混合し、静置して分離させ、エーテル層をデカントする。この手順を3回繰り返す。エーテル抽出物を合わせ、pHが中性になるまで、毎回、脱イオン水20〜30mLで3回洗浄する。無水硫酸マグネシウムでエーテル相を乾燥させ、ろ過する。溶媒を回転蒸発で、残留揮発性物質類をクーゲルロールで50℃、133Pa(1mmHg)で除去する。
【0100】
ブトキシル化2−ヒドロキシプロピルジエタノールアミン:磁気撹拌子及びアルゴン入口を有する冷却器を装備した50mLの一口丸底フラスコにジエタノールアミン(0.56g、5.3mmol)及び2−プロパノール10gを添加する。2−プロパノール7g中にブトキシル化−1−ブタノールグリシジルエーテル(5.00g、2.69mmol)を溶解した溶液を、混合しながら添加する。反応混合物をアルゴン下で十分に撹拌し、一晩、80℃で加熱する。反応混合物を室温まで冷却し、回転蒸発で溶媒を除去する。ヘキサン類50mLで黄色の残留物を溶解させ、10重量%炭酸ナトリウム溶液で有機溶液を洗浄する。ヘキサン層を分離し、溶媒及び他のあらゆる残留揮発性物質類を回転蒸発、続いてクーゲルロールで除去する。黄色の液体が得られる。
【0101】
(iii)リン酸モノオレイル及びジオレイルエステル
機械的撹拌器、温度計、及び滴下漏斗を装備した三口丸底フラスコに五酸化リン(14.15g、100mmol)を入れる。反応をアルゴン下に維持し、シリコーン油浴を使用して丸底フラスコとその内容物を撹拌しながら70℃に加熱する。温度を75℃未満に維持しながら、オレイルアルコール(67.57g、250mmol)を非常にゆっくりと添加する。アルコールを添加し終えると、油浴を90℃に加熱し、滴下漏斗を冷却器に交換する。20時間加熱した後、脱イオン水10gを反応に添加する。撹拌速度を増し、更に3時間加熱する。熱源を取り除き、反応混合物を冷却し、それをヘキサン類150mLで希釈する。ヘキサン混合物を脱イオン水で2回洗浄する。ヘキサン層を分離し、ロータリーエバポレータ、クーゲルロールで80℃で1時間、溶媒を除去する。
【0102】
(iv)C9/11EO8−ピラン
【化20】

【0103】
シェル・ケミカルズ(Shell chemicals)から入手可能なC12〜C18アルキルエトキシレート類であるネオドール(Neodol)(登録商標)91−8(50.00g、97.9mmol)を、加熱マントル、マグネチックスターラ及びアルゴン入口を嵌めた1000mLの三口丸底フラスコに入れ、75℃の真空下で乾燥させる。周囲温度に冷却し、アルゴンで真空を解放した後、3,4−ジヒドロ(dihydrop)−2H−ピラン(24.71g、293.7mmol)、塩化メチレン(500mL)及びp−トルエンスルホン酸ピリジニウム(2.46g、9.8mmol)を添加する。混合物を周囲条件で一晩撹拌し、ジエチルエーテルで2倍の容積に希釈し、半分飽和した食塩水で2回洗浄する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、回転蒸発で濃縮し、真空下で更に乾燥させると、ほぼ無色の液体57.81gが得られる。
【0104】
(v)N,N’−ジ−2,5−ジメチルヘキシルDL−マルアミド
【化21】

【0105】
ジエチルDL−マレート(13.78g、71.0mmol)、メタノール(80mL)、及び2,5−ジメチルへキシルアミン(18.54g、142.0mmol)を丸底フラスコに添加する。透明な淡黄色の溶液を一晩、70℃でゆっくり還流させる。減圧下でメタノール及びエタノールを除去すると、透明な黄色の液体が得られる。
【0106】
(実施例2)
次の成分を混合することにより、非イオン性界面活性剤及び1種類以上の洗浄補助剤類を含有する対照の布地ケア組成物を調製する:
【表1】

*ダウ(Dow)製の二級アルコール非イオン性界面活性剤
**ゼネラル・エレクトリック(General Electric)製のシリコーンコポリオール
得られる洗い液(「実施例2」と呼ぶ)中の濃度が1重量%になるように、この洗剤組成物をD5/0.5%水で希釈する。実施例2の染み除去又は布地洗浄能力を、ASTM D4265−98に従って、綿の布切れ及び人為的な染みを使用して試験する。実施例3は、洗浄補助剤類を含有しない純粋な溶媒(D5/0.5%水)と比較して、草、粘土及びワインの染みの除去の改善を示している。
【0107】
(実施例3)
次の成分を混合することにより、分岐鎖アルカノールアミンベースの界面活性剤及び1種類以上の洗浄補助剤類を含有する本発明の洗剤組成物を調製する:
【表2】

*ゼネラル・エレクトリック(General Electric)製のシリコーンコポリオール
得られる洗い液(「実施例3」と呼ぶ)中の濃度が1重量%になるように、この洗剤組成物をD5/0.5%水で希釈する。実施例3の染み除去又は布地洗浄能力を、ASTM D4265−98に従って、綿の布切れ及び人為的な染みを使用して試験する。実施例3は、実施例2と比較して血液の染みの除去の改善を示している。
【0108】
(実施例4)
実施例2の界面活性剤の替わりに、アルカノールアミンベースの界面活性剤(下記に示す)を使用すること以外、実施例2に従って洗剤組成物を調製する。得られる洗い液(実施例4)中の濃度が1重量%になるように、この組成物をD5/0.5%水で希釈する。当該組成物の染み除去又は布地洗浄能力を、ASTM D4265−98に従って、綿の布切れ及び人為的な染みを使用して試験する。実施例4は、実施例2及び3と比較して草の染みの除去能力が劣っている。
【化22】

【0109】
実施例3は、液体でありD5に可溶性の分岐鎖アルカノールアミン界面活性剤を含む。ここでは、化合物19は直鎖アルカノールアミン界面活性剤であり、これはD5に対する溶解度が低い固体である。理論に束縛されるものではないが、親油性流体に可溶性の界面活性剤類は、より優れた洗浄又は染み除去能力を提供すると考えられる。更に、分岐によって、界面活性剤化合物の結晶性が低下し、親油性流体類に対する溶解度が高くなる。
【0110】
(実施例5)
実施例2の界面活性剤の替わりに、別のアルカノールアミンベースの界面活性剤(下記に示す)を使用すること以外、実施例2に従って洗剤組成物を調製する。得られる洗い液(実施例5)中の濃度が1重量%になるように、この組成物をD5/0.5%水で希釈する。当該組成物の染み除去又は布地洗浄能力を、ASTM D4265−98に従って、綿の布切れ及び人為的な染みを使用して試験する。実施例5は、実施例2と比較して草及び粘土の染みの除去の改善を示している。
【化23】

【0111】
(実施例6)
実施例2の界面活性剤の替わりに、界面活性剤、リン酸水素ビス(2−エチルへキシル)(下記に示す)を使用すること以外、実施例2に従って洗剤組成物を調製する。得られる洗い液(実施例6)中の濃度が1重量%になるように、この組成物をD5/0.5%水で希釈する。当該組成物の染み除去又は布地洗浄能力を、ASTM D4265−98に従って、綿の布切れ及び人為的な染みを使用して試験する。実施例6は、実施例2と比較して、血液、草、及び粘土の染みの除去の改善を示している。
【化24】

【0112】
(実施例7)
実施例2の界面活性剤の替わりに、界面活性剤、ジェミニジオール類エビロジェム(Evirogem)(登録商標)AE02(エアー・プロダクツ(Air Products)から入手可能)を使用すること以外、実施例2に従って洗剤組成物を調製する。得られる洗い液(実施例7)中の濃度が1重量%になるように、この組成物をD5/0.5%水で希釈する。当該組成物の染み除去又は布地洗浄能力を、ASTM D4265−98に従って、綿の布切れ及び人為的な染みを使用して試験する。実施例7は、実施例2と比較して粘土の染みの除去の改善を示している。
【0113】
(実施例8)
実施例2の界面活性剤の替わりに、末端保護された非イオン性界面活性剤(下記に示す)を使用すること以外、実施例2に従って洗剤組成物を調製する。得られる洗浄溶液(実施例8)中の濃度が1重量%になるように、この組成物をD5/0.5%水で希釈する。当該組成物の染み除去又は布地洗浄能力を、ASTM D4265−98に従って、綿及びポリエステルの布切れ及び人為的な染みを使用して試験する。実施例8は、実施例2と比較して、草及びワインの染みの除去の改善を示している。
【化25】

【0114】
(実施例9)
実施例2の界面活性剤の替わりに、界面活性剤、ブトキシル化アルカノールアミン(下記に示す)を使用すること以外、実施例2に従って洗剤組成物を調製する。得られる洗い液(実施例9)中の濃度が1重量%になるように、この組成物をD5/0.5%水で希釈する。当該組成物の染み除去又は布地洗浄能力を、ASTM D4265−98に従って、綿の布切れ及び人為的な染みを使用して試験する。実施例9は、実施例2と比較して、草及び粘土の染みの除去の改善を示している。
【化26】

【0115】
(実施例10)
実施例2の界面活性剤の替わりに、界面活性剤、アルキルリン酸、アルキルアミン塩OS29253K(ラブリゾール(Lubrizol)から入手可能)を使用すること以外、実施例2に従って洗剤組成物を調製する。得られる洗い液(実施例10)中の濃度が1重量%になるように、この組成物をD5/0.5%水で希釈する。当該組成物の染み除去又は布地洗浄能力を、ASTM D4265−98に従って、綿の布切れ及び人為的な染みを使用して試験する。実施例10は、実施例2と比較して、化粧、草、及び粘土の染みの除去の改善を示している。
【0116】
(実施例11)
実施例2の界面活性剤の替わりに、界面活性剤、分岐鎖ジアミドアルコール(下記に示す)を使用すること以外、実施例2に従って洗剤組成物を調製する。得られる洗い液(実施例11)中の濃度が1重量%になるように、この組成物をD5/0.5%水で希釈する。当該組成物の染み除去又は布地洗浄能力を、ASTM D4265−98に従って、綿の布切れ及び人為的な染みを使用して試験する。実施例11は、実施例2と比較して草の染みの除去の改善を示している。
【化27】

【0117】
(実施例12)
実施例2の界面活性剤の替わりに、界面活性剤、ドデカン酸ビス−(2−ヒドロキシ−エチル)−アミドを使用すること以外、実施例2に従って洗剤組成物を調製する。得られる洗い液(実施例12)中の濃度が1重量%になるように、この組成物をD5/0.5%水で希釈する。当該組成物の染み除去又は布地洗浄能力を、ASTM D4265−98に従って、綿の布切れ及び人為的な染みを使用して試験する。実施例12は、実施例2と比較して血液の染みの除去の改善を示している。
【0118】
引用される全ての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、どの文献の引用も本発明に関する先行技術であることの容認として解釈されるべきではない。
【0119】
本発明の特定の実施形態を例示し説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなくその他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
布地物品から汚れを除去できる組成物であって、
(a)親油性流体;
(b)次の一般式を有する洗浄性界面活性剤:
(I)Y−(L−X−Y’
式中、Lは、次から選択される溶媒相容化(又は親油性)部分であり:
(1)C1〜C22アルキル、C2〜C22アルケニル、C6〜C22アルカリール、又はC4〜C12アルコキシの、直鎖又は分岐鎖、環式又は非環式、飽和又は不飽和、置換又は非置換のもの;
(2)次式を有するシロキサン類:
D’D’’d
式中、aは0〜2であり;bは0〜1000であり;cは0〜50であり;dは0〜50であり、但しa+c+dは少なくとも1であり;
MはR3−eSiO1/2であり、式中、Rは独立してH又はアルキル基であり、Xはヒドロキシル基であり、eは0又は1であり;
DはRSiO2/2であり、式中、Rは独立してH又はアルキル基であり;
D’はRSiO2/2であり、式中、Rは独立して、H、アルキル基、又は(CH−(CO−(CO)−(CO)−(C2kO)−Rであり、但し少なくとも1つのRが(CH−(CO−(CO)−(CO)−(C2kO)−Rであり、式中、Rは独立して、H、アルキル基、又はアルコキシ基であり、fは1〜10であり、gは0又は1であり、hは1〜50であり、iは0〜50であり、jは0〜50であり、kは4〜8であり;及び
D’’はRSiO2/2であり、式中、Rは独立して、H、アルキル基、又は(CH(C(A)−[(T)−(A’)−]−(T’)Z(G)であり、式中、lは1〜10であり;mは0又は1であり;nは0〜5であり;oは0〜3であり;pは0又は1であり;qは0〜10であり;rは0〜3であり;sは0〜3であり;Cは、非置換又はC1〜10アルキル若しくはC1〜10アルケニルで置換されており;Qは独立して、H、C1〜10アルキル、C1〜10アルケニル、又はこれらの混合物であり;A及びA’はそれぞれ独立して、エステル、ケト、エーテル、チオ、アミド、アミノ、C1〜4フルオロアルキル、C1〜4フルオロアルケニル、分岐鎖又は直鎖ポリアルキレンオキシド、ホスフェート、スルホニル、サルフェート、アンモニウム、及びこれらの混合物を表す結合部分であり;L及びL’はそれぞれ独立して、C1〜30直鎖若しくは分岐鎖アルキル若しくはアルケニル、又はアリールで、非置換又は置換であり;Zは、水素、カルボン酸、ヒドロキシ、ホスフェート、リン酸エステル、スルホニル、スルホネート、サルフェート、分岐鎖若しくは直鎖ポリアルキレンオキシド、ニトリル、グリセリル、非置換又はC1〜30アルキル若しくはアルケニルで置換されたアリール、非置換又はC1〜10アルキル若しくはアルケニルで置換された炭水化物、又はアンモニウムであり;Gは、H、Na、Li、K、NH、Ca+2、Mg+2、Cl、Br、I、メシラート又はトシラートのような陰イオン又は陽イオンであり;D’’は、C1〜C4アルキル又はヒドロキシ基で末端処理されたものとすることができ;
Y及びY’は親水性部分であり、ヒドロキシ;ポリヒドロキシ;C1〜C3アルコキシ;モノアルカノールアミン又はジアルカノールアミン;C1〜C4アルキル置換アルカノールアミン;O、S、Nを含有する置換複素環;サルフェート類;カルボキシレート;カーボネートから独立して選択され;Y及び/又はY’がエトキシ(EO)又はプロポキシ(PO)であるとき、次からなる群から選択されるRで末端処理されていなければならず:
(i)1〜3個のヘテロ原子を含有する、4〜8員環の置換又は非置換複素環;及び
(ii)炭素数1〜30の直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和、置換又は非置換、環式又は非環式、脂肪族又は芳香族の炭化水素ラジカル;
Xは、O;S;N;P;C1〜C22アルキル直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和、置換又は非置換、環式又は非環式、脂肪族又は芳香族で、O、S、N、Pが入り込んだもの;グリシジル、エステル、アミド、アミノ、PO2−、HPO、PO2−、HPOから選択される架橋結合であり、これらは、プロトン化、又は非プロトン化しており;
u及びwは、0〜20から独立して選択される整数であり、但しu+w≧1であり;
tは1〜10の整数であり;
vは0〜10の整数であり;
xは1〜20の整数であり;
(c)所望により、極性溶媒;及び
(d)所望により、少なくとも1種類の洗浄補助剤、を含む組成物。
【請求項2】
前記洗浄性界面活性剤が、アルカノールアミン類、リン酸/ホスホン酸エステル類、ジェミニ界面活性剤類、末端保護された非イオン性界面活性剤類、アミド類、非イオン性シリコーンエトキシレート類、シリコーンアミン誘導体類、アルキルアルコキシレート類、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記親油性流体が、前記組成物の70重量%〜99.99重量%を構成する、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記親油性流体が、シリコーン類、グリコールエーテル類、フルオロカーボン類、炭化水素類、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記親油性流体が、環式シリコーン溶媒である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記親油性流体が、デカメチルシクロペンタシロキサンである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記洗浄性界面活性剤成分が、前記組成物の0.01重量%〜50重量%を構成する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記洗浄性界面活性剤が、一般式(I)を有するアルカノールアミン界面活性剤であり、式中、Y部分が次式を有するアルカノールアミン部分を含んでもよく、
【化1】

式中、R、R、Rは同じであるか又は異なり、独立して、H、アルキル類、ポリオキシアルキレン類、シロキサン類、又はフッ素化された基から選択され;少なくとも1つのヒドロキシ基がアルカノールアミン部分に存在する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記洗浄性界面活性剤が、式(I)を有するリン酸エステルであり、式中、X部分は次式を有するリン酸ベースの部分とすることができ、
【化2】

式中、R、R、Rは、独立して、H、OR、C〜C22アルキルから選択され、これらは直鎖又は分岐鎖、置換又は非置換、環式又は非環式であり、所望によりO、N、S又はPが入り込んでおり;Rは、
【化3】

H、Na、K、Li、C〜C22アルキルから選択され、これらは直鎖又は分岐鎖、置換又は非置換、環式又は非環式であり、所望によりO、N、S又はPが入り込んでおり;Rは、H、CH、C、C、Cから選択され;nは0〜10の整数である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記洗浄性界面活性剤が、少なくとも2つの疎水性基及び少なくとも2つの親水性基を有するジェミニ界面活性剤である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記洗浄性界面活性剤が、HLB値12以下の末端保護された非イオン性界面活性剤である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記洗浄性界面活性剤が、次式を有するシリコーン非イオン性界面活性剤であり、
【化4】

式中、R及びRは同じであっても又は異なってもよく、独立して、H、−(RO)−Rから選択され、式中、Rは、C2〜C4アルキレンであり;Rは、H、OSOO−、炭素数1〜30の直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和、脂肪族又は芳香族炭化水素ラジカルであり;mは1〜200の整数である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記洗浄性界面活性剤が、次式を有するアミドであり、
【化5】

式中、RはC1〜C22直鎖アルキル、アルキル置換芳香族、C3〜C22分岐鎖アルキル、直鎖アルケニル、分岐鎖アルケニル、C5〜C22環式アルキル、環式アルケニル、アリールから選択され、
Aは、
【化6】

H、Na、K、Li、C〜C22アルキルから選択され、これらは直鎖又は分岐鎖、置換又は非置換、環式又は非環式であり、所望によりO、N、S又はPが入り込んでおり;Rは、H、CH、C、C、Cから選択され;nは0〜20の整数である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記極性溶媒が水を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
水が、前記組成物の0.01重量%〜50重量%を構成する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物が、ビルダー類、乳化剤類、酵素類、漂白活性化剤類、漂白触媒類、漂白促進剤類、漂白剤類、アルカリ性供給源類、抗菌剤、着色剤類、香料類、石灰石鹸分散剤類、臭気制御剤類、臭気中和剤類、ポリマー移染防止剤類、結晶成長抑制剤類、光漂白剤類、重金属イオン封鎖剤類、変色防止剤類、抗微生物剤類、酸化防止剤類、再付着防止剤類、汚れ放出ポリマー類、電解質類、pH調整剤類、増粘剤類、研磨材類、2価イオン類、金属イオン塩類、酵素安定剤類、腐食防止剤類、ジアミン類及びポリアミン類及びそれらのアルコキシレート類、泡安定化ポリマー類、溶媒類、加工助剤類、布地柔軟化剤類又は活性化剤類、糊剤類、蛍光増白剤類、ヒドロトロープ剤類、及びこれらの混合物類からなる群から選択される洗浄補助剤を更に含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物が、ポリエーテルシロキサン界面活性剤類、オルガノスルホサクシネート界面活性剤類、及びこれらの混合物からなる群から選択される補助界面活性剤を更に含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物が、
(a)親油性流体を前記組成物の70重量%〜99.99重量%、
(b)請求項1に記載の洗浄性界面活性剤を前記組成物の0.01重量%〜50重量%、
(c)所望により、前記組成物の0.01重量%〜50重量%の水、
(d)所望により、前記組成物の0.01重量%〜20重量%の少なくとも1種類の洗浄補助剤、及び
(e)所望により、前記組成物の0.01重量%〜20重量%の補助界面活性剤、
を含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
(a)請求項1に記載の洗浄性界面活性剤を親油性流体と混合し、布地ケア組成物を形成する工程、及び、
(b)布地物品を前記組成物と接触させ、それによって前記布地物品から汚れを除去する工程、を含む、親油性流体の汚れ除去効果を向上させる方法。
【請求項20】
(a)請求項1に記載の洗浄性界面活性剤、
(b)補助界面活性剤、
(c)所望により、極性溶媒、
(d)所望により、他の洗浄補助剤類、及び
(e)所望により、親油性流体、
を含む布地ケア組成物であって、前記布地物品組成物が布地物品から汚れを除去できる、及び/又は前記親油性流体中に水を懸濁できる、布地ケア組成物。
【請求項21】
前記補助界面活性剤が、ポリエーテルシロキサン界面活性剤類、オルガノスルホサクシネート界面活性剤類、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項20に記載の布地ケア組成物。
【請求項22】
前記洗浄補助剤が、ビルダー類、乳化剤類、酵素類、漂白活性化剤類、漂白触媒類、漂白促進剤類、漂白剤類、アルカリ性供給源類、抗菌剤、着色剤類、香料類、石灰石鹸分散剤類、臭気制御剤類、臭気中和剤類、ポリマー移染防止剤類、結晶成長抑制剤類、光漂白剤類、重金属イオン封鎖剤類、変色防止剤類、抗微生物剤類、酸化防止剤類、再付着防止剤類、汚れ放出ポリマー類、電解質類、pH調整剤類、増粘剤類、研磨材類、2価イオン類、金属イオン塩類、酵素安定剤類、腐食防止剤類、ジアミン類及びポリアミン類及びそれらのアルコキシレート類、泡安定化ポリマー類、溶媒類、加工助剤類、布地柔軟化剤類又は活性化剤類、糊剤類、蛍光増白剤類、ヒドロトロープ剤類、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項20又は21に記載の布地ケア組成物。
【請求項23】
前記親油性流体が、シリコーン類、グリコールエーテル類、フルオロカーボン類、炭化水素類、及びこれらの混合物から選択される、請求項20〜22のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
【請求項24】
前記親油性流体が、デカメチルシクロペンタシロキサンである、請求項20〜23のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。
【請求項25】
前記組成物が、
(a)洗浄性界面活性剤を前記組成物の1重量%〜99重量%、
(b)補助界面活性剤を前記組成物の1重量%〜99重量%、
(c)所望により、前記組成物の1重量%〜99重量%の極性溶媒、
(d)所望により、前記組成物の0.01重量%〜20重量%の他の洗浄補助剤類、及び
(e)所望により、前記組成物の1重量%〜99重量%の親油性流体、
を含む、請求項20〜24のいずれか一項に記載の布地ケア組成物。

【公表番号】特表2007−521359(P2007−521359A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515383(P2006−515383)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【国際出願番号】PCT/US2004/020873
【国際公開番号】WO2005/003438
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】