説明

布片検査装置および検査方法

【課題】汚れと破れを確実に判別でき、かつ汚れの検出精度が高い布片検査装置および検査方法を提供する。
【解決手段】暗色部21と透光部22とを有する検査台20と、暗色部21を通過する布片Tの反射光を撮影する第1検査カメラ41と、透光部22を通過する布片Tの透過光を撮影する第2検査カメラ42とを備える。反射光と透過光が共に周囲よりも暗い部分を汚れと判断し、反射光は周囲よりも暗く透過光は周囲よりも明るい部分を破れと判断することで、汚れと破れを確実に判別することができる。布片内部の汚れが強調され汚れの検出精度が高い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布片検査装置および検査方法に関する。さらに詳しくは、洗濯・乾燥済みのタオル等の布片に汚れや破れ等の欠陥がないか検査する布片検査装置および検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ホテルや病院等では大量にタオル等の布片が使用され、その使用済みの布片はランドリー工場で洗濯・乾燥され、再度ホテルや病院等で使用されることが一般的である。
ランドリー工場においては布片を洗濯・乾燥した後、汚れや破れ等の欠陥がないか検査した後に、欠陥がない布片のみを折畳み機で折畳む作業が行なわれる。
布片の検査を作業員が目視で行う場合、作業員によって良否の判定が異なる場合があるので、近年ではこの作業は布片検査装置によって行われている。
【0003】
布片検査装置の一例として、特許文献1の装置がある。
図7に示すように、本装置は一連の搬送コンベア101と、一連の搬送コンベア101における表向き搬送部101Aを搬送される布片の表面を検査するカメラ104と、裏向き搬送部101Bを搬送される布片の裏面を検査するカメラ105とを備えている。
布片を表向き搬送部101Aおよび裏向き搬送部101Bに搬送し、カメラ104,105で撮影することで、表裏両面の検査が可能となっている。
【0004】
しかるに、検査の結果汚れのある布片は再度洗濯に回され、破れのある布片は破棄されるが、従来の布片検査装置では汚れと破れの区別が困難であるため破れのある布片も洗濯に回されることがあり、その場合破れのある布片は何度も洗濯されることになる。そのため、汚れと破れを確実に判別し、破れのある布片を廃棄することで、処理効率の向上を図ることが望まれていた。
また、例えばタオル表面のパイル地は汚れていないが下地が汚れているような場合には汚れの検出が難しいため、このような汚れの検出精度の向上が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−177143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記事情に鑑み、汚れと破れを確実に判別でき、かつ汚れの検出精度が高い布片検査装置および検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明の布片検査装置は、布片の反射光を撮影する第1検査カメラと、前記布片の透過光を撮影する第2検査カメラとを備えることを特徴とする。
第2発明の布片検査装置は、第1発明において、前記第1検査カメラは前記布片表面の反射光を撮影し、前記第2検査カメラは前記布片裏面の反射光も撮影するものであることを特徴とする。
第3発明の布片検査装置は、第1または第2発明において、前記布片が通過する検査台を備え、該検査台は暗色部と透光部とを有し、前記第1検査カメラは前記暗色部を通過する布片を撮影し、前記第2検査カメラは前記透光部を通過する布片を撮影するものであることを特徴とする。
第4発明の布片検査装置は、第3発明において、前記布片が供給される第1コンベアと、該第1コンベアに接続する第2コンベアとを備え、前記検査台は前記第1コンベアと前記第2コンベアとの間に位置し、前記検査台の前記第2コンベア側の縁部が、前記第1コンベアの後端と前記第2コンベアの前端とを結ぶ線より突出しており、前記第1コンベアに比べて前記第2コンベアの方が速度が速いことを特徴とする。
第5発明の布片検査方法は、布片の反射光を撮影し、前記布片の透過光を撮影し、前記布片の同位置において反射光と透過光が共に周囲よりも暗い部分を汚れと判断し、前記布片の同位置において反射光は周囲よりも暗く、透過光は周囲よりも明るい部分を破れと判断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
第1発明によれば、布片の同位置において反射光と透過光が共に周囲よりも暗い部分を汚れと判断し、布片の同位置において反射光は周囲よりも暗く、透過光は周囲よりも明るい部分を破れと判断することで、汚れと破れを確実に判別することができる。そのため、汚れのある布片は再度洗濯に回し、破れのある布片は破棄することができ、破れのある布片を何度も洗濯することがなく、処理効率が良い。また、透過光を撮影するので、反射光では分からない布片内部の汚れが強調され、汚れの検出精度が高い。
第2発明によれば、第1検査カメラで布片表面の反射光を撮影するとともに、第2検査カメラで布片裏面の反射光を撮影することにより、片方の面にのみ汚れがある布片であっても検出することができ、汚れの検出精度が高い。
第3発明によれば、第1検査カメラは暗色部を通過する布片の反射光を撮影するので、布片の汚れを周囲よりも暗く撮影できると共に、破れを暗色部の色として周囲よりも暗く撮影することができる。また、第2検査カメラは透光部を通過する布片の透過光を撮影するので、破れを周囲よりも明るく撮影することができると共に、反射光では分からない布片内部の汚れを強調して周囲よりも暗く撮影できる。
第4発明によれば、第1コンベアに比べて第2コンベアの方が速度が速いので、布片に縦方向に引っ張る力が加わり、布片のシワを伸ばすことができる。検査台が突出しているので、布片は第1コンベアと第2コンベアとの間を通過する際に検査台で擦られる。布片を第1コンベアと第2コンベアで引っ張りながら検査台で擦ることにより、布片のシワを伸ばすことができる。すなわち、布片のシワ伸ばしと欠陥の検査を同時に行うことができるので、装置全体が小さく、処理速度が速い。
第5発明によれば、布片の同位置において反射光と透過光が共に周囲よりも暗い部分を汚れと判断し、布片の同位置において反射光は周囲よりも暗く、透過光は周囲よりも明るい部分を破れと判断することで、汚れと破れを確実に判別することができる。そのため、汚れのある布片は再度洗濯に回し、破れのある布片は破棄することができ、破れのある布片を何度も洗濯することがなく、処理効率が良い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1実施形態に係る布片検査装置の側面図である。
【図2】同布片検査装置の側面部分拡大図である。
【図3】同布片検査装置により得られる(A)布片表面の画像と、(B)布片裏面の画像の説明図である。
【図4】布片に汚れと破れがある場合の(A)布片表面の画像と、(B)布片裏面の画像の説明図である。
【図5】布片の内部に汚れがある場合の(A)布片表面の画像と、(B)布片裏面の画像の説明図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る布片検査装置の側面図である。
【図7】従来の布片監査装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る布片検査装置は、布片シワ伸ばし装置と一体となっており、第1コンベア11、第2コンベア12、第3コンベア13を備え、それぞれ図示しないフレームに固定されている。
第1コンベア11は、作業員が洗濯・乾燥済みのタオル等の布片Tを積載するコンベアであり、作業員が布片Tを載せやすいように前端(図1における右端)が腰程度の高さとなっており、傾斜を有すことにより積載面が作業員に対面するようになっている。第1コンベア11の後端(図1における左端)には第2コンベア12が接続されており、第2コンベア12の後端には第3コンベア13が接続されている。そして、第3コンベア13の後端には次工程の処理装置、例えば折畳み装置のコンベアCに接続されている。
これら第1,第2,第3コンベア11,12,13の横幅は、布片Tの横幅が十分に収まるような寸法になっている。
【0011】
また、第1コンベア11に比べて第2コンベア12の方が速度が速く、第2コンベア12に比べて第3コンベア13の方が速度が速く設定されている。例えば、第1コンベア11の速度が15m/分、第2コンベア12の速度が25〜30m/分、第3コンベア13の速度が50m/分に設定される。
【0012】
第2コンベア12の後端と第3コンベア13の前端との間には検査台20が固定されている。検査台20は第1,第2,第3コンベア11,12,13と同寸法の幅を有する平面視長方形の板である。検査台20の前縁部(第2コンベア12側の縁部)は第2コンベア12の後端と同程度の高さか、それより少し低い高さとなっており、布片Tが第2コンベア12から検査台20にスムーズに流れるようになっている。また、検査台20の後縁部(第3コンベア13側の縁部)は第3コンベア13の前端よりも高く設定されている。すなわち、検査台20の後縁部は第2コンベア12の後端と第3コンベア13の前端とを結ぶ線より突出している。
【0013】
第1,第2,第3コンベア11,12,13の上方には布片Tをコンベア11,12,13の積載面に押える押えローラ31,・・・,35が設けられている。第1押えローラ31は第1コンベア11の前方(図1における右方)に位置しており、作業員が積載した布片Tが落下しないように押えるようになっている。第2押えローラ32は第1コンベア11の後端に位置し、第3押えローラ33は第2コンベア12の中央付近に位置しており、それぞれ布片Tが第1コンベア11、第2コンベア12の速度に従って移動するように押えるようになっている。第4押えローラ34は第2コンベア12の後端に位置し、第5押えローラ35は第3コンベア13の前端に位置しており、それぞれ布片Tが第2コンベア12、第3コンベア13の速度に従って移動するように押え、かつ布片Tが検査台20に擦れるように押えるようになっている。
【0014】
なお、特許請求の範囲に記載の第1コンベア、第2コンベアは便宜的に採番したものであり、その前後にさらに別のコンベアが付加されてもよい。本実施形態では第2コンベア12が特許請求の範囲に記載の第1コンベアに相当し、第3コンベア13が特許請求の範囲に記載の第2コンベアに相当する。
また、押えローラ31,・・・,35に代えて、他の押え機構を設ける実施形態としてもよい。例えば、コンベア11,12,13の下方にバキュームボックスを設けてもよいし、コンベア11,12,13の積載面に対面し接触する圧迫コンベアを設けてもよい。
【0015】
以上の様な構成であるので、作業員が洗濯・乾燥済みの布片Tの一辺を辺出し、その一辺を横に伸ばして第1コンベア11に積載すると、第1コンベア11の動作により布片Tが図1における矢印方向に移動する。布片Tの前部分が第2コンベア12に渡れば、第1コンベア11と第2コンベア12の速度差により布片Tに縦方向(図1における左右方向)に引っ張る力が加わり、布片Tのシワを伸ばすことができる。さらに、布片Tの前部分が検査台20の上を流れ第3コンベア13に渡れば、第2コンベア12と第3コンベア13の速度差により布片Tに縦方向に引っ張る力が加わると共に、布片Tは検査台20の後縁部から第5押えローラ35に向かって斜め下向きに引っ張られ、検査台20の後縁部で擦られるようになるので、布片Tのシワを完全に伸ばすことができる。
このように、布片のシワ伸ばしと、後述の欠陥の検査を同時に行うことができるので、装置全体が小さく、処理速度が速い。
【0016】
図2に示すように、検査台20の表側(図2における上側)には検査台20を通過する布片Tを表面から撮影する第1検査カメラ41が設けられており、検査台20の裏側(図2における下側)には検査台20を通過する布片Tを裏面から撮影する第2検査カメラ42が設けられている。第1,第2検査カメラ41,42はそれぞれ図示しない画像処理装置に接続されており、撮影した画像を電気信号として出力できるようになっている。
第1,第2検査カメラ41,42としては、例えば布片Tをその幅方向(図2における紙面に対して垂直方向)に直線状に撮影するラインカメラが用いられる。
なお、説明の便宜のため布片Tの検査台20に接しない方の面を表面とし、接する方の面を裏面とする。したがって、布片T固有の表面、裏面とは必ずしも一致しない。特許請求の範囲に記載の表面、裏面も、布片固有の表面、裏面とは必ずしも一致しない。
【0017】
検査台20は黒色の黒色部21と、透明な透明部22から構成されている。黒色部21は検査台20の第2コンベア12側に、幅方向(図2における紙面に対して垂直方向)に帯状に形成されており、透明部22は検査台20の第3コンベア13側に、幅方向に帯状に形成されている。
第1検査カメラ41は黒色部21上に撮像位置があり、黒色部21を通過する布片Tを表面から撮影する。一方、第2検査カメラ42は透明部22上に撮像位置があり、透明部22を通過する布片Tを透明部22を介して裏面から撮影する。
なお、黒色部21は特許請求の範囲に記載の暗色部に相当する。黒色部21は黒色に代えて灰色など他の色としてもよく、後述の欠陥の判断に最適な色を選択すればよい。また、透明部22は特許請求の範囲に記載の透光部に相当する。透明部22は透明に代えて乳白色など光が透過する材質であればよく、これも後述の欠陥の判断に最適な色を選択すればよい。
【0018】
検査台20の周りには、蛍光灯等の照明用の光源51,52,53,54が4つ設けられている。第1光源51と第2光源52は検査台20の表側に設けられており、第1検査カメラ41の撮像位置を照らしている。第3光源53と第4光源54は検査台20の裏側に設けられており、第2検査カメラ42の撮像位置を照らしている。このため、第1検査カメラ41は布片表面の反射光を撮影し、第2検査カメラ42は布片裏面の反射光を撮影することができるようになっている。
【0019】
さらに、第2光源52の近傍には鏡60が設けられており、第2光源52からの光を反射し、第2検査カメラ42の撮像位置を表側から照らすようになっている。このため、第2光源52からの光は、通過する布片Tを表面側から裏面側に透過し、その透過光を第2検査カメラ42で撮影できるようになっている。
【0020】
以上の様な構成であるから、第2コンベア12および第3コンベア13の動作により、布片Tが図2における矢印方向に移動し、検査台20の上を通過すれば、第1検査カメラ41で布片表面の反射光を、第2検査カメラ42で布片裏面の反射光および透過光をそれぞれ撮影することができる。
【0021】
第1,第2検査カメラ41,42で撮影される画像を画像処理装置で平面状に構成すると図3に示すような画像になる。すなわち、背景が黒色(黒色部21)である布片表面の画像(A)と、背景が白色(透明部22を透過した光)である布片裏面の画像(B)が得られる。
【0022】
布片Tに汚れと破れがある場合は図4に示すような画像が得られる。
布片表面画像(A)においては汚れと破れは共に周囲(布片の色)よりも暗く表示される。これは、汚れている部分は汚れそのものの色により暗くなり、破れている部分は破れた穴から見える黒色部21の色により暗くなるためである。一方、布片裏面画像(B)においては汚れは周囲よりも暗く表示され、破れは周囲よりも明るく表示される。これは、汚れている部分は汚れそのものの色により暗くなり、破れている部分は破れた穴から第2光源52の光が直接届くので明るくなるためである。
【0023】
したがって、布片表面画像(A)と布片裏面画像(B)とを比較し、布片Tの同位置において表面と裏面が共に周囲よりも暗い部分を汚れと判断することができる。また、布片Tの同位置において表面は周囲よりも暗く、裏面は周囲よりも明るい部分を破れと判断することができる。
このように、汚れと破れを確実に判別することで、汚れのある布片Tは再度洗濯に回し、破れのある布片Tは破棄することができるので、破れのある布片Tを何度も洗濯することがなく、処理効率が良い。
【0024】
なお、第3コンベア13より後ろに接続されるコンベア等を画像処理装置による検査結果に従って動作させることにより、欠陥のない布片Tと、汚れのある布片Tと、破れのある布片Tをそれぞれ自動で分別することができる。
【0025】
布片Tの内部に汚れがある場合は図5に示すような画像が得られる。
これは、例えばタオル表面のパイル地は汚れていないが下地が汚れているような場合であって、このような汚れは表面に現れないので反射光の撮影では検出が困難である。
図5に示すように、布片表面画像(A)においては布片内部の汚れは周囲よりもうす暗く表示される。一方、布片裏面画像(B)においては、透過光を撮影するので布片内部の汚れが強調され、周囲よりも暗く表示される。
そのため、反射光では分からない布片内部の汚れも検出することができ、検出精度が高い。
【0026】
また、第1検査カメラで布片表面の反射光を撮影するとともに、第2検査カメラで布片裏面の反射光を撮影するので、片方の面にのみ汚れがある布片であっても検出することができる。
具体的には、布片Tの同位置において表面か裏面の一方は周囲よりも暗く、他方は周囲と同程度の明るさの部分も汚れと判断することができる。これにより、片方の面にのみ汚れがある布片であっても検出することができ、汚れの検出精度が高い。
【0027】
さらに、平常時(布片Tが検査台20を通過していない時)は第2検査カメラ42で第2光源52の光を直接撮影することができる。そのため平常時の第2光源52の光量レベルを監視することができ、これにより光源51,52,53,54の劣化判断を行うことができる。
【0028】
(第2実施形態)
図6に示すように、本発明の第2実施形態に係る布片検査装置は、第1実施形態と異なり布片シワ伸ばし装置と一体となっていない。このように、布片検査装置を単独の装置とできるのは言うまでもない。また、布片Tの反射光と透過光を撮影するように構成できれば、布片シワ伸ばし装置以外の他の装置と一体とすることも可能である。装置全体の大きさや処理効率等から最適な布片検査装置の配置を選択することができる。
【0029】
本実施形態に係る布片検査装置は、第1コンベア11、第2コンベア12、第3コンベア13を備え、それぞれ図示しないフレームに固定されている。また、第1コンベア11の後端と第2コンベア12の前端との間には黒色部21のみを有する第1検査台20が、第2コンベア12の後端と第3コンベア13の前端との間には透明部22のみを有する第2検査台20´が固定されている。
特許請求の範囲に記載の検査台とは単一のものに限られず、暗色部と透明部とで複数に分離したものも含む概念である。
なお、黒色部21は黒色に代えて灰色など他の色としてもよく、透明部22は透明に代えて乳白色などの光が透過する材質としてもよい。
【0030】
第1検査台20の表側には黒色部21を通過する布片Tを表面から撮影する第1検査カメラ41が設けられており、第2検査台20´の表側には透明部22を通過する布片Tを表面から撮影する第2検査カメラ42が設けられている。
第1検査カメラ41は黒色部21上に撮像位置があり、第2検査カメラ42は透明部22上に撮像位置がある。
【0031】
第1検査台20の表側には第1光源51と第2光源52が設けられており、第1検査カメラ41の撮像位置を照らしている。第2検査台20´の表側には第3光源53と第4光源54が設けられており、第2検査カメラ42の撮像位置を照らしている。このため、第1,第2検査カメラ41,42は共に布片表面の反射光を撮影することができるようになっている。
【0032】
また、第2検査台20´の裏側には第5光源55が設けられており、第2検査カメラ42の撮像位置を裏側から照らすようになっている。このため、第5光源55からの光は、通過する布片Tを裏面側から表面側に透過し、その透過光を第2検査カメラ42で撮影できるようになっている。
【0033】
以上の様な構成であるから、第1,第2,第3コンベア11,12,13の動作により、布片Tが図6における左方向に移動し、第1,第2検査台20,20´の上を通過すれば、第1検査カメラ41で布片表面の反射光を、第2検査カメラ42で布片表面の反射光および透過光をそれぞれ撮影することができる。
【0034】
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、第1検査カメラ41による画像においては汚れと破れは共に周囲よりも暗く表示され、第2検査カメラ42による画像においては汚れは周囲よりも暗く表示され、破れは周囲よりも明るく表示される。そのため、汚れと破れを確実に判別することができ、処理効率が良い。
【0035】
また、第2検査カメラ42による画像においては、透過光を撮影するので布片内部の汚れが強調され、周囲よりも暗く表示される。そのため、反射光では分からない布片内部の汚れも検出することができ、検出精度が高い。
【0036】
さらに、第2検査カメラ42で平常時の第5光源55の光量レベルを監視することができ、これにより光源51,52,53,54の劣化判断を行うことができる。
【0037】
なお、第2検査カメラ42を第2検査台20´の表側に設けるので、布片裏面の反射光を撮影することができない。しかし、裏面にのみ汚れがある布片であっても、透過光によりその汚れを周囲よりも暗く表示できるので、検出することができる。
【0038】
このように、検査台20は1台とする必要はなく、黒色部21と透明部22とで2台に分けて設けてもよい。また、第2検査カメラ42は検査台20の裏側に設ける必要はなく、表側に設けてもよい。これらは、布片検査装置の大きさや形状等の制約から最適な配置を選択することができる。
【符号の説明】
【0039】
11,12,13 コンベア
20 検査台
21 黒色部
22 透明部
41 第1検査カメラ
42 第2検査カメラ
51,52,53,54,55 光源
60 鏡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
布片の反射光を撮影する第1検査カメラと、
前記布片の透過光を撮影する第2検査カメラとを備える
ことを特徴とする布片検査装置。
【請求項2】
前記第1検査カメラは前記布片表面の反射光を撮影し、
前記第2検査カメラは前記布片裏面の反射光も撮影するものである
ことを特徴とする請求項1記載の布片検査装置。
【請求項3】
前記布片が通過する検査台を備え、
該検査台は暗色部と透光部とを有し、
前記第1検査カメラは前記暗色部を通過する布片を撮影し、
前記第2検査カメラは前記透光部を通過する布片を撮影するものである
ことを特徴とする請求項1または2記載の布片検査装置。
【請求項4】
前記布片が供給される第1コンベアと、該第1コンベアに接続する第2コンベアとを備え、
前記検査台は前記第1コンベアと前記第2コンベアとの間に位置し、
前記検査台の前記第2コンベア側の縁部が、前記第1コンベアの後端と前記第2コンベアの前端とを結ぶ線より突出しており、
前記第1コンベアに比べて前記第2コンベアの方が速度が速い
ことを特徴とする請求項3記載の布片検査装置。
【請求項5】
布片の反射光を撮影し、
前記布片の透過光を撮影し、
前記布片の同位置において反射光と透過光が共に周囲よりも暗い部分を汚れと判断し、
前記布片の同位置において反射光は周囲よりも暗く、透過光は周囲よりも明るい部分を破れと判断する
ことを特徴とする布片検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−242330(P2011−242330A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116428(P2010−116428)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(502407130)株式会社プレックス (75)
【Fターム(参考)】