説明

帆布の供給方法、配合物付き帆布の製造方法、および動力伝達ベルトの製造方法

【課題】 帆布の伸び特性を損なうことなく、ゴム付き帆布を製造する。
【解決手段】 帆布17の下面に低伸縮性シート47を接合したシート付き帆布40を、1対の圧着ロール32,33間に供給する。シート付き帆布40には、張力が供給方向Yに作用する。1対の圧着ロール32,33間において、未加硫ゴム層45を帆布17の上面に圧着し、これにより未加硫ゴム付き帆布48を得る。ここで、供給方向Yにおいて、低伸縮性シート47の伸縮性は、帆布17の伸縮性より低い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力伝達ベルト等に使用される帆布の供給方法、配合物付き帆布の製造方法、および動力伝達ベルトの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動力伝達ベルトには、伝動性能および耐久性を向上させるために、帆布を使用することが知られている。動力伝達ベルトに使用される帆布は、一般的にベルトの加硫成型工程において、ベルト本体に加硫接着されて成形される。帆布は通常、ベルト本体に加硫接着しやすいように、加硫前に未加硫ゴムが予めトッピングされている。
【0003】
未加硫ゴムのトッピング方法は、例えば特許文献1、または特許文献2に記載されように、1対のカレンダーロールを用いて行う方法が知られている。この方法によれば帆布は、帆布供給ロールから1対のカレンダーロールの間に供給され、これら1対のカレンダーロール間で未加硫ゴムが圧着されて、未加硫ゴムがトッピングされている。
【特許文献1】特開2003−127160号公報
【特許文献2】特開平9−277400号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような方法によれば、帆布はカレンダーロールに供給されるとき、供給方向(すなわち、帆布の長手方向)に張力が作用される。この張力の作用は、帆布の長手方向の伸び特性を損なうこととなる。伸び特性が損なわれた帆布が使用される動力伝動ベルトは、耐屈曲性が悪化し、その伝動性能および寿命が低下してしまうこととなる。
【0005】
また、動力伝動ベルトが例えば歯付きベルトであると、帆布は歯布として使用されるので、その伸び特性が充分でないと、帆布は歯形に沿って成型されなくなり、動力伝達ベルトの成型性を悪化させることとなる。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みて成されたものであり、例えばカレンダーロールに供給される際にその伸び特性が失われずに、帆布が供給される方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る帆布の供給方法は、帆布を、張力を供給方向に作用させつつ供給する帆布の供給方法において、帆布の一方の面において、張力が作用している領域のうち、少なくとも一部の領域に低伸縮性部材が接着されており、低伸縮性部材は張力の少なくとも一部が作用し、帆布に作用する張力を低減させることを特徴とする。この構成によれば、帆布に低伸縮性部材を接着したことにより、張力による帆布の伸びが抑制されるので、帆布の伸び特性を維持したまま帆布を供給することができる。
【0008】
低伸縮性部材は、張力が作用されている領域において、少なくとも供給方向に延びている低伸縮性帯状シートであることが好ましい。
【0009】
また、低伸縮性部材は、供給方向において、帆布の伸縮性よりも低い。さらに例えば低伸縮性部材は一方の面全体に広がる低伸縮性シートである。これにより、帆布に作用される張力の大部分が、低伸縮性シートに作用されるので、帆布の伸び特性を顕著に保持することができる。また、低伸縮性シートは、低伸縮性織物であることが好ましい。
【0010】
本発明の帆布の供給方法は、例えば低伸縮性シートが接着された帆布が、処理剤に含浸処理され、その後、張力が作用されつつ第1ロールから第2ロールに供給されて、例えば第1ロールおよび第2ロール間で、乾燥装置に供給され乾燥される。
【0011】
例えば帆布は、伸縮性織物であり、伸縮性織物は、例えば供給方向に伸縮性がある。帆布は、供給方向および供給方向に直交する方向に、それぞれ延在する糸により構成され、少なくともいずれかの方向に延在する糸が伸縮性糸であることが好ましく、また伸縮性糸は、捲縮糸であることが好ましく、伸縮性糸は、例えばナイロン糸である。そして伸縮性糸は、例えば供給方向に延在する。
【0012】
本発明に係る配合物付き帆布の製造方法は、帆布を、張力を供給方向に作用させつつ供給し、配合物を帆布の一方の面に付着させ、または配合物を含浸させ、配合物付き帆布を得る配合物付き帆布の製造方法において、帆布の他方の面において、張力が作用している領域のうち、少なくとも一部の領域に低伸縮性部材が接着されており、低伸縮性部材は張力の少なくとも一部が作用し、帆布に作用する張力を低減させることを特徴とする。このような構成によれば、帆布に低伸縮性部材を接合したことにより、張力による帆布の伸びが抑制されるので、帆布の伸び特性を維持したまま帆布に配合物を付着させることができる。
【0013】
上記配合物には、例えば所定の薬剤、ゴム糊、ゴム、RFL等が含まれ、帆布への配合物の付着は、例えば薬剤等の配合物の吹き付け、またはゴム等のトッピング、ゴム等のコーティングが含まれ、配合物の含浸にはRFL処理、ゴム糊処理等が含まれる。
【0014】
例えば、帆布は2つの圧着ロール間に供給され、これら圧着ロール間で配合物が付着される。ここで配合物は例えば未加硫ゴムである。また例えば、帆布を、張力を供給方向に作用させつつ、RFL溶液やゴム糊溶液等の内部に供給しても良い。
【0015】
さらに詳説すると、本発明の製造方法は、好ましくは、帆布の他方の面に低伸縮性シートを接着したシート付き帆布を、張力を供給方向に作用しつつ、例えば2つの圧着ロール間に供給し、これら2つの圧着ロール間において、配合物を帆布の一方の面に圧着させる。ここで、低伸縮性シートの伸縮性は、供給方向において、帆布の伸縮性よりも低いことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の製造方法は、好ましくは、帆布の他方の面に供給方向に延びる低伸縮性帯状シートを接合したシート付き帆布を、張力を供給方向に作用しつつ、例えば2つの圧着ロール間に供給し、これら2つの圧着ロール間において、配合物を帆布の一方の面に圧着させる。ここで、低伸縮性帯状シートの伸縮性は、供給方向において、帆布の伸縮性よりも低いことを特徴とする。
【0017】
また、帆布は、帆布供給ロールに予め巻き付けられ、この帆布供給ロールから供給されることが好ましい。帆布に配合物が付着され、また配合物が含浸された後、低伸縮性部材を剥離させることが好ましい。
【0018】
本発明に係る動力伝達ベルトの製造方法は、帆布の少なくとも一方の面に配合物を付着させ、または配合物を含浸させ、配合物付き帆布を得る第1の工程と、配合物付き帆布が、ベルト本体内に埋設され、またはベルト本体に貼り付けられるように、伝動ベルトを製造する第2の工程とを備える。そして、第1の工程において、帆布を、張力を供給方向に作用しつつ供給し、帆布の他方の面において、張力が作用されている領域のうち、少なくとも一部の領域に低伸縮性部材が接着されており、低伸縮性部材は張力の少なくとも一部が作用され、帆布に作用される張力を低減させることを特徴とする。
【0019】
また、動力伝達ベルトの製造方法においては、配合物付き帆布に接着された低伸縮性部材を剥離させた後、第2の工程を実施することが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、帆布の初期の伸び特性を損なうことなく、配合物付き帆布を製造することができるので、その配合物付き帆布を用いて屈曲性等に優れた動力伝達ベルトを製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1はVリブドベルト10の断面図を示す。図1において、Vリブドベルト10は、ベルト本体を備え、ベルト本体は、底面側に設けられた下ゴム層12と、背面側に設けられた接着ゴム層16から成る。下ゴム層12には、短繊維19が混入されている。下ゴム層12には、ベルトの長手方向に延びる複数のVリブ15がベルトの幅方向に設けられる。下ゴム層12と接着ゴム層16の境界面には、ベルトの長手方向に延びる心線13が埋設される。接着ゴム層16の上面には、その全体に亘って接着される帆布17が設けられる。下ゴム層12、および接着ゴム層16は、エラストマーから形成される。
【0022】
図2は、Vリブドベルト10に使用される未加硫ゴム付き帆布48の製造方法を示す。図3は、未加硫ゴム付き帆布48の断面図を模式的に示す。未加硫ゴム付き帆布48は、カレンダーロール機30を用いて製造される。カレンダーロール機30は、帆布供給ロール31、1対の圧着ロール32、33、1対のゴム供給ロール34、35、および帆布巻き付けロール36から成る。一対の圧着ロール32、33は、帆布供給ロール31と所定の間隔を有して設けられる。ここで一方の圧着ロール32は、僅かに間隙を有しつつ、他方の圧着ロール33の上側に設けられる。その圧着ロール32のさらに上側には、その間に僅かに間隙を有して一方のゴム供給ロール34がさらに設けられる。そのゴム供給ロール34の略水平方向には、その間にわずかに間隙が空けられて他方のゴム供給ロール35が設けられる。
【0023】
帆布供給ロール31には、シート付き帆布40が巻き付けられている。シート付き帆布40は、帆布17と、帆布17の下面全体に亘って接着された低伸縮性シート47とから成る。低伸縮性シート47は、帆布17から剥がしやすいように、接着力の比較的弱い接着剤により、帆布17に貼り合わせられている。シート付き帆布40は、帆布供給ロール31から、圧着ロール32、33の間に供給される。一方、ゴム供給ロール34、35の間には、未加硫ゴムXが供給され、この未加硫ゴムXはゴム供給ロール34,35間、およびロール34,32間によって圧延され、所定厚みを有する未加硫ゴム層45として圧着ロール32、33の間に供給される。
【0024】
帆布17は、伸縮性織物であり、好ましくはその長手方向(帆布17の供給方向Y)に伸縮性があることが好ましい。帆布17は、その長手方向に沿って延在する経糸と、その幅方向に沿って延在する緯糸が織られて構成された織物であり、例えば、平織、綾織、朱子織等により織られる。経糸及び緯糸は、天然繊維、合成繊維等から構成され、例えば、ナイロン、アラミド、カーボン、ポリエステル、ポリエチレン、綿、またはこれらの混合繊維から構成されるが、好ましくはそれぞれナイロンである。緯糸は、経糸と同一の種類の繊維から構成されても良いし、異なる種類の繊維から構成されても良い。経糸、緯糸は、いずれか一方が、伸縮性のある伸縮性糸であることが好ましい。帆布17がその長手方向に伸縮性がある場合、経糸は伸縮性糸であることが好ましい。伸縮性糸は、例えば捲縮加工されることにより、その糸の長手方向に伸縮性のある糸であり、例えばウーリーナイロン糸である。
【0025】
低伸縮性シート47は、織物等の布、剛性が高く伸縮性の低い樹脂製のシート、または金属製のシート等である。織物は経糸と、緯糸が織られて構成され、例えば、平織、綾織、朱子織等により織られる。経糸及び緯糸は、天然繊維、合成繊維等から構成され、例えば、ナイロン、アラミド、カーボン、ポリエステル、ポリエチレン、綿、またはこれらの混合繊維から構成されるが、好ましくはそれぞれナイロンである。緯糸は、経糸と同一の種類の繊維から構成されても良いし、異なる種類の繊維から構成されても良い。ここで低伸縮性シート47は、その長手方向(すなわち供給方向Y)の伸縮性が、帆布17の長手方向の伸縮性より低い。すなわち、低伸縮性シート47は、その長手方向に元の長さに対して所定の伸び率で伸びるように引っ張られた場合、そのときの単位幅当たりの引張力が、帆布17が同様にして引っ張られた場合の長手方向の単位幅当たりの引張力より強くなる。
【0026】
低伸縮性シート47が織物である場合、低伸縮性織物であることが好ましい。すなわち、織物の経糸および緯糸は、捲縮加工等されない低伸縮性糸であることが好ましく、その伸縮性が上述の伸縮性糸よりも低いことが好ましい。また、織物の経糸および緯糸は、それぞれ低伸縮性シート47の長手方向、幅方向に延在することが好ましく、この場合、少なくとも経糸の伸縮性は、帆布17の長手方向に延在する経糸の伸縮性より低くなる。さらに、織物の経糸および緯糸は、モノフィラメント糸であることが好ましい。また、低伸縮性シート47は、帆布17に接合される前に、予め上述のRFL処理が施されていても良い。一方、低伸縮性シート47が樹脂製のシートである場合、その樹脂は例えばナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等である。また、低伸縮性シート47が金属製である場合には、例えば金属製のメッシュ、金属製のシート等が使用される。
【0027】
未加硫ゴムXは、未加硫ゴムを主成分とし、公知の加硫剤、加硫助剤、老化防止剤、カーボンブラック等の各種添加剤が適宜添加されて構成される。未加硫ゴムは、例えば、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アルキル化クロロスルフォン化ポリエチレン、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体配合物(EPDM)、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、ニトリルゴム、水素添加ニトリルゴム、フッ素ゴム等の単体、またはこれらの混合物であるが、好ましくは下ゴム層12を構成するゴムと同種のゴムで構成される。
【0028】
未加硫ゴム層45は、圧着ロール32、33の間において、帆布17の上面に圧着され、これにより未加硫ゴム付き帆布48が形成される。未加硫ゴム付き帆布48は、圧着ロール33に掛け回された後、帆布巻き付けロール36に送られ、帆布巻き付けロール36に巻き取られる。したがって、シート付き帆布40は、供給方向Y(帆布17の長手方向)に、所定の張力が作用されつつ、圧着ロール32,33の間に供給される。これにより、帆布17には皺等が発生せず、充分に張られた状態で、未加硫ゴム層45がその上面に圧着される。すなわち、未加硫ゴム層45は、帆布17の上面に均等、かつ充分な圧着力をもって被覆される。
【0029】
このように、シート付き帆布40は、圧着ロール32、33に供給される際に、その供給方向Yに張力が作用されている。したがって、帆布17が単独で(低伸縮性シート47が接合されず)、圧着ロール32、33に供給される場合、帆布17の長手方向には大きな張力が作用され、帆布17は顕著に伸長される。帆布17は顕著に伸長されると、その帆布の長手方向に延在する経糸が塑性変形し、その長手方向の伸縮性が失われる。これにより、帆布17はその長手方向に伸縮できなくなり、その伸び特性が失われる。
【0030】
しかし、本実施形態では、帆布17の下面には、その長手方向の伸縮性が帆布17よりも低い低伸縮性シート47が接合されている。したがって、長手方向に張力が作用されたとしても、低伸縮性シート47はほとんど伸長されず、そのシートに接合される帆布17もほとんど伸長しない。すなわち、帆布17の長手方向の伸び特性はほとんど失われない。これにより、本実施形態においては、初期の伸び特性を有した帆布17を有する未加硫ゴム付き帆布48を製造することができる。
【0031】
未加硫ゴム付き帆布48は、巻き取られた後、再び、ロール36から引き出され、所定の長さに切断され、低伸縮性シート47が剥がされる。なお、帆布17の下面には低伸縮性シート47が貼り付けられているので、未加硫ゴム付き帆布48が帆布巻き付けロール36に巻き取られる際、RFL処理された帆布17の下面と、未加硫ゴム層45の上面が貼り付くことが防止される。したがって、未加硫ゴム付き帆布48は、ロール36から容易に引き出すことができる。さらに、低伸縮性シート47は、帆布17に比較的弱い接着力で接着されているので、比較的容易に帆布17から引き剥がされる。
【0032】
なお、帆布17の下面には、低伸縮性シート47がその下面全体に亘って接着されているが、下面全体に亘って接着されていなくても良い。すなわち低伸縮性シート47は、張力が作用される帆布17の下面の一部のみに接着されていても良い。帆布17の下面の一部のみに低伸縮性シート47が接着されていても、その低伸縮性シート47が接着される帆布17の領域は、その低伸縮性シート47により張力が作用されにくくなり、その領域の伸び特性は損失されないからである。
【0033】
また、帆布17の下面の一部に低伸縮性シート47が接着される場合、図4に示すように、低伸縮性シート47は、帆布17の長手方向に沿って延びる帯状のシートであることが好ましい。このように、低伸縮性シート47が帯状に帆布17の長手方向(供給方向)に沿って延びると、その低伸縮性シートが接着された領域のみならず、その他の領域にも帆布17には張力が作用されにくくなる。一部の帆布の領域が、長手方向に伸ばされないと、その他の領域も長手方向に伸びにくくなるからである。
【0034】
そして、帯状のシートは、図4に示すように2つ設けられ、幅方向における両端部の下面に接着されることが好ましい。帯状シートが帆布17の下面に接着されると、シート付き帆布40(図2参照)は、帯状シートが接着された部分と、接着されない部分で、その厚みが異なり、これにより圧着ロール32、33間において、圧着される未加硫ゴムXの厚みが部分的に異なることになる。しかし、幅方向における両端部に帯状のシートを設けると、その両端部以外は、圧着される未加硫ゴムXの厚みは均一になるので、例えばその両端部を切り取ることにより、均一に未加硫ゴムXが圧着された未加硫ゴム付きシート48を得ることができる。
【0035】
また、本変形例においては、幅方向における両端部に加えて、幅方向における中央部にも、帆布17の長手方向に延びる帯状シートが設けられてもよい。ただし、中央部に設けられる帯状シートは、シート付き帆布40において厚みが異なる部分ができるだけ少なくなるように、両端部に設けられる帯状シートよりその幅が短いことが好ましい。なお、低伸縮性シート47が下面の一部のみに接着される場合でも、低伸縮性シート47は、供給方向(帆布17の長手方向)Yにおいて、伸縮性が帆布17よりも低くなる。
【0036】
帆布17は、低伸縮性シート47が接着される前に、予めRFL(レゾルシンホルムアルデヒドラテックス)処理されている。すなわち、帆布17は、RFL溶液に、浸漬された後加熱乾燥され、帆布17内にはRFLが含浸される。RFL溶液は、レゾルシンとホルムアルデヒドとの初期縮合物であるRF樹脂と、ラテックスとを混合した水溶液である。ラテックスは、例えばスチレンブタジエンラテックス、ビニルピリジン・スチレン・ブタジエン共重合ラテックス、クロロプレンラテックス等の単体またはこれらの混合物である。
【0037】
RFL処理の具体例を図5に示す。RFL処理においては、RFL溶液が内部に入った容器61と、帆布17を熱により乾燥するための乾燥オーブン62が用意される。容器の上方には、供給ロール63、および引き上げロール64が設けられ、引き上げロール64の上には、僅かな所定距離が空けられて絞りロール65が設けられる。
【0038】
帆布17は供給ロール63に送られ、供給ロール63に掛け回された後、容器61内に送られ、容器61内においてRFL溶液に浸漬される。浸漬された帆布17は、引き上げロール64によってRFL溶液から引き上げられ、引き上げロール64と絞りロール65の僅かな所定距離の間を通過させられ、これらロール間において、帆布17に余分に付着したRFL溶液が除去される。帆布17は引き上げロール64と絞りロール65の間から、乾燥オーブン62の中に供給され、乾燥オーブンから出された帆布17は巻き取りロール66に巻き取られる。
【0039】
RFL処理においては、図5に示すように、帆布17が供給ロール63から引き上げロール64に送られる間、その長手方向に張力が作用されておらず、帆布17は弛んでおり、弛んで垂れ下がった状態で、RFL溶液に浸漬される。したがって、供給ロール63と引き上げロール64の間において、帆布がその長手方向に顕著に伸長されることはない。
【0040】
また、引き上げロール64から巻き取りロール66の間において、帆布17の下面側には、その帆布17の移動に合わせて移動する針山から成るテンター(図示せず)が設けられる。したがって、帆布17は引き上げロール64から巻き取りロール66に、テンターの針の先に引っ掛けられつつ供給される。このような構成により、引き上げロール64と巻き取りロール66の間において、帆布がその長手方向に顕著に伸長されることはない。さらに、RFL溶液が付着された帆布17は、乾燥オーブン62内で熱によって、収縮される方向に力が作用されるが、テンターに保持されているので、収縮されることはない。
【0041】
以上のように、本実施形態のRFL処理において、帆布17はその長手方向にほとんど伸長しないので、帆布17の長手方向の伸び特性はほとんど失われない。
【0042】
RFL処理の変形例について説明する。RFL処理の変形例についても図5を用いて説明する。先述した実施形態においては、帆布17は低伸縮性シート47が接着されずにRFL処理が施されたが、本変形例においては、低伸縮性シート47が接着されたシート付き帆布40がRFL処理される。
【0043】
すなわち、シート付き帆布40は、先述した実施形態と同様にRFL溶液に浸漬され、引き上げロール64と絞りロール65の間において、シート付き帆布40に余分に付着したRFL溶液が除去される。シート付き帆布40は引き上げロール64と絞りロール65の間から、乾燥オーブン62の中に供給され、乾燥オーブン62から出されたシート付き帆布40は巻き取りロール66に巻き取られる。
【0044】
先述した実施形態においては、引き上げロール64から巻き取りロール66の間において、帆布17の下面側には、テンター(図示せず)が設けられたが、本変形例においてはテンターが設けられない。したがって、シート付き帆布40は、引き上げロール64から巻き取りロール66に供給される際に、その長手方向(供給方向)に張力が作用されている。すなわち、帆布17は、単独で(低伸縮性シート47が接合されず)供給されると、その長手方向に伸長され、伸び特性が失われる。
【0045】
しかし、本変形例では、帆布17の下面には、その長手方向の伸縮性が帆布17よりも低い低伸縮性シート47が接合されている。したがって、長手方向に張力が作用されたとしても、低伸縮性シート47はほとんど伸長されず、そのシートに接合される帆布17もほとんど伸長しない。すなわち、帆布17の長手方向の伸び特性はほとんど失われない。
【0046】
また、シート付き帆布40は、乾燥オーブン62内の熱によって、収縮される方向に力が作用される。しかし、本変形例では、その長手方向において、収縮される方向に力が作用されたとしても、低伸縮性シート47はほとんど収縮されず、そのシートに接合される帆布17もほとんど収縮しない。また、低伸縮性シート47は、帆布17の下面全体に亘って接着されている。したがって、低伸縮性シート47の作用により、幅方向に作用される熱による収縮も低減させることができる。なお。幅方向においても、熱による収縮を低減させるためには、幅方向の低伸縮性シート47の伸縮性が、幅方向の帆布の伸縮性よりも低いほうが好ましい。
【0047】
以上のように変形例のRFL処理においても、帆布17はその長手方向にほとんど伸長しないので、帆布17の長手方向の伸び特性はほとんど失われない。また、乾燥工程においても、帆布17は熱収縮されにくい。なお、本変形例においても、シート付き帆布40は、巻き取りロール66に巻き取られた後、再びロールから引き出され、低伸縮性シート47は剥がされる。
【0048】
実施形態および変形例においては、帆布17はRFL処理が施されたが、RFL処理の代わりに帆布17はいかなる浸漬・加熱処理が施されても良く、例えばゴム糊処理が施されて良い。
【0049】
なお、ゴム糊処理でも、RFL処理と同様に、帆布17(またはシート付き帆布40)がゴム糊液に浸漬された後加熱乾燥される。ゴム糊液は、未加硫ゴムがMEK(メチルエチルケトン)やトルエン等の溶剤に溶解され、加硫剤、カーボンブラック等の所定の添加剤が添加されて、作成される。未加硫ゴムは、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アルキル化クロロスルフォン化ポリエチレン、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体配合物(EPDM)、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、ニトリルゴム、水素添加ニトリルゴム、カルボキシル化ニトリルゴム、またはフッ素ゴム等の単体またはこれらの混合物である。
【0050】
図6は、Vリブドベルト10の製造方法を示す。低伸縮性シート47が剥がされたゴム付き帆布48は、その長手方向がベルト10の長手方向(輪が形成される方向)となるように、その端部同士が接合され輪状に形成される。輪状に形成されたゴム付き帆布48は、図6に示すように円筒形ドラム50に、未加硫ゴム層45が外側になるように、被せられる。
【0051】
円筒形ドラム50において、ゴム付き帆布48の未加硫ゴム層45上には、心線13、および、短繊維19が混入された下ゴムシート52が順に巻き付けられる。ここで、下ゴムシート52は、未加硫ゴム成分を主成分とし、公知の加硫剤、加硫助剤、老化防止剤、カーボンブラック等が所定重量部配合される。未加硫ゴム成分は、例えば、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アルキル化クロロスルフォン化ポリエチレン、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体配合物(EPDM)、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、ニトリルゴム、水素添加ニトリルゴム、フッ素ゴム等の単体、またはこれらの混合物である。
【0052】
これらゴムシート等が巻き付けられた円筒形ドラム50は、加硫釜(図示せず)内に入れられ、所定の温度、圧力で加圧加熱される。加圧加熱により、心線13は、下ゴムシート52によって内側に押され、下ゴムシート52と未加硫ゴム層45の間に埋設される。そして、加圧加熱により、未加硫ゴム層45および下ゴムシート52は加硫され、下ゴムシート52、未加硫ゴム層45、および帆布17は接着される。これにより、帆布17、未加硫ゴム層45、心線13、および下ゴムシート52は一体的に成形され、平ベルト状の加硫スリーブが得られる。加硫スリーブは、ベルト幅に応じて所定幅に切断される。なお、未加硫ゴム層45、下ゴムシート52は、Vリブドベルト10において、それぞれ接着ゴム層16、下ゴム層12にそれぞれ対応する。所定幅に切断された加硫スリーブは、研削ホイール(図示せず)により、その下ゴム層12にベルトの長手方向に延びるVリブ15が形成され、これにより図1に示すVリブドベルト10が形成される。
【0053】
以上のように帆布17は、その長手方向の伸び特性を損なわずにVリブドベルト10中に使用されるので、本実施形態におけるVリブドベルト10は耐屈曲性に優れ、良好な伝動性能およびベルト寿命を有する。
【0054】
なお、本実施形態においては、動力伝達ベルトがVリブドベルトである場合について述べたが、動力伝達ベルトの種類は特に限定されず、例えば、Vベルト、歯付きベルト、平ベルト、丸ベルト等であっても良い。また、図1に示すように帆布17はベルトの最外面に設けられたが、最外面に設けられていなくても良く、ベルト本体中に埋設されていても良い。
【0055】
さらに本実施形態では、RFL処理(またはゴム糊処理)が施された後、未加硫ゴムが圧着された帆布が用いられて、動力伝達ベルトが製造されたが、動力伝達ベルトの製造に用いられる帆布はこの構成に限定されず、RFL処理(またはゴム糊処理)のみが施され、未加硫ゴムが圧着されていない帆布であっても良い。また、RFL処理等が施されず、未加硫ゴムが圧着された帆布であっても良い。
【実施例】
【0056】
以下、本実施形態について、実施例、比較例を用いて具体的に説明する。本実施例、比較例では、それぞれ、未加硫ゴム付き帆布を製造し、各帆布について伸縮性を測定することにより、本実施形態の効果を確認した。また、低伸縮性シートの伸縮性が、帆布の伸縮性よりも低いことを確認するため、低伸縮性シートおよび帆布ついても伸縮性を測定した。
【0057】
伸縮性の測定においては、未加硫ゴム付き帆布、帆布および低伸縮性シートを切断し、幅25mm、長さ50cmの測定用シートをそれぞれ作製した。このとき、測定用シートの長さ方向は、未加硫ゴム付き帆布等の長手方向に一致するように切断した。伸縮性の測定は、測定用シートを長さ方向に伸び率10%毎に伸ばしていき、各伸び率(10%毎)において、引張力を測定することにより行った。ここで伸縮性の測定は、各測定用シートが破断するまで行った。なお、伸縮性の測定においては、測定用シートの両端をチャックで挟み、引張試験機(島津オートグラフAG−E(商品名、株式会社島津製作所製))により、その両端を引っ張ることにより行った。また、測定用シートの長さ方向における中央部に、長手方向における間隔が10cmとなる2本の標線を引き、その標線間の長さ(すなわち引張力が作用される測定用シートの長さ)10cmに対して、伸び率10%毎に伸ばしていき測定した。
【0058】
実施例は、RFL処理された帆布の下面に低伸縮性シートが貼り付けられ、そのシート付き帆布の上面に、未加硫ゴム層を圧着した場合の例である。帆布は、その長手方向に延在する経糸、およびその幅方向に延在する緯糸が平織により織られる織物であった。経糸は、捲縮加工されることによりその糸の長手方向に伸縮性があるウーリーナイロン糸であった。緯糸は経糸と同一の材質から成り、捲縮加工されていないナイロン糸であった。RFL処理は、RFL液に浸漬された後、160℃で、1分間加熱乾燥して行った。この乾燥工程においては、テンターを用いて帆布を供給した。ここで、RFL液のラテックスは、スチレンブタジエンラテックスとクロロプレンラテックスの混合物とであった。RFL処理された帆布の伸縮性は、図7のグラフ(1)に示す通りであった。また、グラフ(1)に示すように、この帆布は伸び率73%で破断し、そのときの引張力、すなわち引張強度は、330Nであった。
【0059】
RFL処理された帆布の背面には、低伸縮性シートを接着した。低伸縮性シートは、その長手方向に延在する経糸、およびその幅方向に延在する緯糸が平織により織られる低伸縮性織物であり、経糸、および緯糸はそれぞれ撚糸のナイロン糸であり、低伸縮性糸であった。低伸縮性シートの伸縮性は、図7のグラフ(2)に示す通りであった。すなわち、伸び率0〜26%において、低伸縮性シートをその長手方向に伸ばしたとき、同一の伸び率それぞれにおいてRFL処理された帆布を伸ばした場合に比べ、その引張力が高かった(グラフ(1)参照)。換言すると、低伸縮性シートの伸縮性は、RFL処理された帆布よりも低かった。また、グラフ(2)に示す通り、この低伸縮性シートは伸び率26%で破断し、そのときの引張力、すなわち引張強度は、83Nであった。
【0060】
低伸縮性シートが接着されたシート付き帆布は、その長手方向に張力を作用しつつ、1対の圧着ロール間に供給し、それらのロール間において未加硫ゴムを圧着し、これにより未加硫ゴム付き帆布を得た。未加硫ゴムは、EPDMを主成分とするものを使用した。シート付き帆布の幅は、800mmであり、長手方向に作用される張力は、50kg重であった。未加硫ゴム付き帆布は、接着されている低伸縮性シートを剥がした後、伸縮性を測定した。伸縮性の測定結果は、図7のグラフ(3)に示す通りであった。また、グラフ(3)に示す通り、実施例の未加硫ゴム付き帆布は、伸び率75%で破断し、そのときの引張力、すなわち引張強度は、350Nであった
【0061】
比較例は、低伸縮性シートが接合されていないRFL処理された帆布に、未加硫ゴム層を圧着した場合の例である。比較例は、帆布に低伸縮性シートを接着していない点を除くと、実施例と同様であった。比較例の未加硫ゴム付き帆布の伸縮性の測定結果は、図7のグラフ(4)に示す通りであった。また、グラフ(4)に示す通り、比較例の未加硫ゴム付き帆布は、伸び率36%で破断し、そのときの引張力、すなわち引張強度は、370Nであった。
【0062】
グラフ(1)および(4)から、比較例の未加硫ゴム付き帆布の長手方向の伸縮性は、帆布の長手方向の伸縮性に対して大幅に劣化していることが理解できる。すなわち、本比較例では、未加硫ゴムを帆布に圧着するとき、その帆布の長手方向に張力が作用するが、その張力の作用により、帆布の長手方向の伸び特性が大幅に失われたことが理解できる。
【0063】
一方、グラフ(1)および(3)から、本実施例の未加硫ゴム付き帆布の長手方向の伸縮性は、帆布の長手方向の伸縮性と同等であることが理解できる。すなわち、本実施例では、未加硫ゴムを帆布に圧着するとき、その帆布の長手方向に張力が作用するが、その張力により帆布の長手方向の伸び特性は失われなかったことが理解できる。これは、本実施例では低伸縮性シートが帆布に接合されており、その低伸縮性シートが帆布の長手方向の伸びを防止したためである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本実施形態に係るVリブドベルトを示す断面図である。
【図2】未加硫ゴム付き帆布の製造方法を示す模式図である。
【図3】未加硫ゴム付き帆布を示す断面図である。
【図4】RFL処理を模式的に示す模式図である。
【図5】シート付き帆布の変形例を示す模式的な斜視図である。
【図6】Vリブドベルトの製造方法を模式的に示す断面図である。
【図7】未加硫ゴム付き帆布等の長手方向における伸び率と引張力の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0065】
10 Vリブドベルト(動力伝達ベルト)
12 下ゴム層(ベルト本体)
16 接着ゴム層(ベルト本体)
17 帆布
32、33 圧着ロール
40 シート付き帆布
45 未加硫ゴム層
47 低伸縮性シート
48 未加硫ゴム付き帆布(ゴム付き帆布)
X 未加硫ゴム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
帆布を、張力を供給方向に作用させつつ供給する帆布の供給方法において、
前記帆布の一方の面において、前記張力が作用している領域のうち、少なくとも一部の領域に低伸縮性部材が接着されており、前記低伸縮性部材は前記張力の少なくとも一部が作用し、前記帆布に作用する張力を低減させることを特徴とする帆布の供給方法。
【請求項2】
前記低伸縮性部材は、前記張力が作用されている領域において、少なくとも供給方向に延びている低伸縮性帯状シートであることを特徴とする請求項1に記載の帆布の供給方法。
【請求項3】
前記低伸縮性部材は、前記供給方向において、前記帆布の伸縮性よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の帆布の供給方法。
【請求項4】
前記低伸縮性部材は一方の面全体に広がる低伸縮性シートであることを特徴とする請求項1に記載の帆布の供給方法。
【請求項5】
前記低伸縮性シートは、低伸縮性織物であることを特徴とする請求項4に記載の帆布の供給方法。
【請求項6】
前記帆布は、配合物が含浸された後、張力が供給方向に作用されつつ、乾燥装置に供給され乾燥されることを特徴とする請求項1に記載の帆布の供給方法。
【請求項7】
前記帆布は、伸縮性織物であることを特徴とする請求項1に記載の帆布の供給方法。
【請求項8】
前記伸縮性織物は、前記供給方向に伸縮性があることを特徴とする請求項7に記載の帆布の供給方法。
【請求項9】
前記帆布は、前記供給方向および前記供給方向に直交する方向に、それぞれ延在する糸により構成され、少なくともいずれかの方向に延在する糸が伸縮性糸であることを特徴とする請求項8に記載の帆布の供給方法。
【請求項10】
前記伸縮性糸は、捲縮糸であることを特徴とする請求項9に記載の帆布の供給方法。
【請求項11】
前記伸縮性糸は、ナイロン糸であることを特徴とする請求項9に記載の帆布の供給方法。
【請求項12】
前記伸縮性糸は、前記供給方向に延在することを特徴とする請求項9に記載の帆布の供給方法。
【請求項13】
帆布を、張力を供給方向に作用させつつ供給し、配合物を前記帆布の一方の面に付着させ、または配合物を含浸させ、配合物付き帆布を得る配合物付き帆布の製造方法において、
前記帆布の他方の面において、前記張力が作用している領域のうち、少なくとも一部の領域に低伸縮性部材が接着されており、前記低伸縮性部材は前記張力の少なくとも一部が作用し、前記帆布に作用する張力を低減させることを特徴とする配合物付き帆布の製造方法。
【請求項14】
前記帆布は2つの圧着ロール間に供給され、これら圧着ロール間で配合物が付着されることを特徴とする請求項13に記載の配合物付き帆布の製造方法。
【請求項15】
前記付着される配合物は、未加硫ゴムであることを特徴とする請求項14に記載の配合物付き帆布の製造方法。
【請求項16】
前記配合物は、RFLまたはゴム糊であることを特徴とする請求項13に記載の配合物付き帆布の製造方法。
【請求項17】
前記帆布は、帆布供給ロールに予め巻き付けられ、この帆布供給ロールから供給されることを特徴とする請求項13に記載の配合物付き帆布の製造方法。
【請求項18】
前記帆布に配合物を付着させ、または配合物を含浸させた後、前記低伸縮性部材を剥離させることを特徴とする請求項13に記載の配合物付き帆布の製造方法。
【請求項19】
帆布の少なくとも一方の面に配合物を付着させ、または配合物を含浸させ、配合物付き帆布を得る第1の工程と、
前記配合物付き帆布が、ベルト本体内に埋設され、またはベルト本体に貼り付けられるように、伝動ベルトを製造する第2の工程とを備え、
前記第1の工程において、帆布を、張力を供給方向に作用しつつ供給し、前記帆布の他方の面において、前記張力が作用されている領域のうち、少なくとも一部の領域に低伸縮性部材が接着されており、前記低伸縮性部材は前記張力の少なくとも一部が作用され、前記帆布に作用される張力を低減させることを特徴とする動力伝達ベルトの製造方法。
【請求項20】
前記配合物付き帆布に接着された低伸縮性部材を剥離させた後、前記第2の工程を実施することを特徴とする請求項19に記載の動力伝達ベルトの製造方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2006−316881(P2006−316881A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−139864(P2005−139864)
【出願日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(000115245)ゲイツ・ユニッタ・アジア株式会社 (101)
【Fターム(参考)】