説明

帝王切開のための導管クランプ

本発明は動脈内の血流を減しまたは止めるのに有効でありかつ、帝王切開分娩に続く出血の制御に使用され得る動脈クランプのための器具、システム、および方法を提供する。本発明の特徴を具体化したクランプ器具は対向した圧力適用面を有する対向圧力適用部材付きの1対のクランプ部材を備え、上記面の少なくとも一つが撓み得る圧力適用面である。撓み得る圧力適用面は好ましくは弾性的である。このクランプ部材は圧力適用面間の間隔を調整するように構成され、かつ血流センサーが圧力適用部材の少なくとも一つの上に配置されて目標動脈の探索を助けかつまた動脈を通る血流の監視を可能としている。このクランプ器具は広い靱帯を圧縮することによる子宮動脈の閉塞に好適であり、上記靱帯は子宮動脈を収容しかつ動脈クランプで患者の子宮と接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に血管内の血流調整による病気および状態の治療の分野に関する。特に、本発明は子宮動脈内の血流低減により子宮出血の治療に指向されている。
【背景技術】
【0002】
子供の出産には子宮壁からの胎盤の分離が続き、通常は顕著な血液の損失を来す。幸運にも、子宮は低減された血流による低酸素障害に抵抗性を有する。例えば、子宮の筋肉は労力萎縮中に典型的に僅かにまき散らされ、むしろ典型的にはこの状態から継続した病的な効果を受けない。しかしながら、分娩後の子宮からの出血はそれが速やかに止められなければ母体の血液の顕著な損失を招き得る。分娩後の長引く出血からの血液ロスは母の寿命および健康に深刻な脅威をもたらす。
【0003】
膣分娩に伴う筋肉の収縮およびホルモンの変更は分娩後の出血の迅速な停止を促す。しかしながら、帝王切開は一般的にはそのような収縮やホルモン変更を伴わず、かつまた胎盤分離により起こされる損傷に加えて身体上の損傷をもたらす。帝王切開による分娩はしばしば胎盤固定部分からの出血および幼児分娩に要する子宮切目からの出血を伴う。帝王切開後には一般的に血液損失を減すための医療的介入が求められる。
【0004】
妊娠していないおよび妊娠している子宮の双方への主な血液の供給は子宮動脈からである。各卵巣動脈から発している小さい連絡用動脈は子宮へ達しているが妊娠および非妊娠状態では子宮血流の10%未満の供給である。子宮動脈は内側恥骨動脈から発しかつスペース内の広い靱帯の基部を通して子宮へ達するので、それは腹腔内から子宮上へ外科的斜視または膣から子宮頸で婦人科学的な斜視によっても見ることはできない。子宮動脈は従って見ることはできない。
【0005】
子宮動脈がひとたび子宮に達すると、それらは子宮へ供給する大きい上昇ブランチを起こしかつ子宮頸へ供給するより小さい下降ブランチを起こす。これらのブランチは、順に、前方および後方の湾曲動脈を起こす。右および左の前方湾曲動脈は子宮の前方サジタル中線内を網状につなぎ;後方湾曲動脈は後方サジタル子宮中線内を網状につなぐ。その結果として、子宮摘出場所からの帝王切開分娩に続くかつ胎盤固着場所からの血液損失を減すためには、右および左の子宮動脈は共に閉塞されなければならない。
【0006】
帝王切開分娩の血液損失を減す試みがなされてきた。一つの方法は帝王切開分娩後のオキシトシンまたはオキシトシン状薬物の管理により子宮の収縮を開始することであった。別の方法はゴム被覆された動脈クランプを使用して子宮および卵巣動脈を盲目的にクランプすることであり、これは1922年のように早くから提案されていた。同様に、腸管のクランプが、帝王切開分娩の血液損失を最小化するために、子宮に対してその右および左の横境界に沿い広い靱帯全体を横切って適用されてきた。別の方法は帝王切開分娩に続く出血を減すために内側恥骨動脈の相互の外科的結紮を含んでいる。出血を減すための子宮動脈、または子宮動脈の上昇ブランチの相互的な外科結紮は腹腔からおよび膣横断接近から実施されてきた。また大動脈の導管内バルーンによる閉塞および子宮動脈の塞栓による閉塞は帝王出血処置に使用されてきた。しかしながら、これらの方法は全て各種の理由のために限られた用途のみに適用されてきた。
【0007】
例えば、多くの医者はカテーテルベースの子宮動脈結紮を放射線法のもとで実施するのに必要な技術または装置を所有していない。更に、そのような処置は帝王出血の場合には適当ではなく、その場合は素速い処置が決定的でありかつ動脈のカテーテル法は実際的ではないからである。
【0008】
帝王切開分娩直後の患者内の子宮動脈の探索は困難であり得る;更に子宮を支持している広い靱帯内に配置されているため、子宮動脈は帝王外科領域内またはその近傍にあり、かつ一般的には血液、羊膜液、および同種のものにより覆われ、これらは帝王切開部分に続く視認および医療接近を妨げ得る。子宮動脈の素速い同定および探索はチェックされない出血の阻止のために求められている。
【0009】
従って、子宮動脈のような血管内の血流を、訓練のされていない医者により簡単な医学的セッテイングまたは環境下で、制御する器具および方法が求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明はクランプ器具での目標導管の閉塞を含む医療処置を指向しており、上記クランプ器具は患者の組織を掴むように構成された対向圧力適用面付きの1対の対向圧力適用部材を備えている。圧力適用部材の少なくとも一つは撓み得るかつ好ましくは弾性的な圧力適用面を備え、この面は組織に接触する。ここで使われているように用語“撓み得る”および“弾性的な”または同様に意味する用語は使用状態において撓み得るまたは弾性的であることを述べている。本発明は特に帝王分娩後の患者の子宮動脈の閉塞のために適している。
【課題を解決するための手段】
【0011】
圧力適用面は組織と接触する時の圧力で撓み、従って面は動き、または組織との接触および組織への圧力の適用時に変形されまたは圧縮される。そのような面は弾性的であり、何故ならばそれらは圧力の解放に続き少なくとも部分的にそれらの元の輪郭または位置を取り返す。クランプ器具の圧力適用部材に装着された圧力適用面または複数面は閉塞されるべき子宮動脈のような目標導管に向かい、または閉塞されるべき目標導管を収容した目標束に向かい、目標導管を通しての血流を部分的にまたは完全に停止させるように圧縮され得る。この処置およびそのような処置のための装置は外科処置の間における血液損失を阻止しまたは少なくとも最小化するために子宮動脈のような動脈を閉塞するのに適している。この処置は特に女性患者の子宮または卵巣動脈を帝王分娩中に部分的にまたは完全に閉塞するのに適している。
【0012】
本発明の一つの実施例においては、少なくとも一つの圧力適用面がセンサーを備えており、このセンサーが血管を探索しかつ処置中に閉塞されまたは部分的に閉塞された血管を通る血流の減少または停止の検知のために使用され得る。圧力適用部材に装着された撓み得る圧力適用面上に搭載された特に好適なセンサーは超音波ベースのドップラーセンサーであり、約5ないし約20MHz、好ましくは約6ないし約10MHzの周波数で作動する。
【0013】
撓み得る(例えば、動き得る、圧縮し得る、または圧力に対応して他形態を与える)かつ好ましくは弾性的に装着された圧力適用面は組織に対して適用されて閉塞されるべき血管の探索を容易化し、その際血管を通る血流に顕著な影響を与え得る血管上への顕著なクランプ力を与えることがない。ひとたび血管が1または2以上の圧力適用面上のセンサーにより探索されると、より大きい圧力が1または2以上の圧力適用面に対して適用されて血管を部分的にまたは全体的に閉塞する。対向した圧力適用部材の間の間隔は調整可能であり、それは例えば、圧力適用部材がピボットにより連結されかつその周りで回転可能とされて適当な圧力を組織に適用する。
【0014】
圧力適用面はそれ自体が撓み得るまたは弾性的な面であり得る。更に、または代わりに、圧力適用面は圧力適用部材と撓み得る連接部により結合され、その連接部は好ましくは圧力適用面のそれを支持している圧力適用部材に関連して横方向の動きを許容するように構成されている。好ましい実施例においては、圧力適用面を圧力適用部材に結合する撓み得る連接部は弾性的連接部を包含している。このようにして、圧力適用面は撓み得る、かつ好ましくは弾性的な連接部により圧力適用部材に装着された浮きあごを提供している。そのような浮きあごは組織に係合し、かつ血管探索のために最低限の圧力で組織に軽く接触し、かつ、より大きい量の力を適用した時撓み得るまたは弾性的な連接部がより充分に圧縮されて、接触組織内のまたはその近傍の血管の閉塞に充分な圧力を組織に加える。
【0015】
本発明のクランプ器具での使用に好適なセンサーは好ましくは血流センサーであり、より好ましくはドップラー超音波血流センサー、およびセンサー/トランスデユーサーであり得る。ドップラーセンサーは動脈の可聴自己認識を提供し;例えば、センサーコントローラー付きのスピーカーを有するドップラーセンサーが広い靱帯を通しての子宮動脈の可聴自己認識を提供し、その際広い靱帯内に組織の切目および血管の可視自己認識を要しない。センサーはエネルギー源を有するセンサー/トランスデユーサーであるか、またはセンサーの外から供給されるエネルギーに反応する受動センサーであり得る。
【0016】
本発明の特徴を具体化したクランプ器具の各圧力適用部材は好ましくはピボット結合されたハンドルを備えている。ハンドルの基端はロック機構を備えており、このロック機構は圧力適用部材を閉塞したまたは部分的に閉塞した状態にロックするためのラチェット機構を含み得る。好ましくは、ロック機構は解放可能であり、従って処置が完了した時にはクランプ器具は患者から取り外され得る。
【0017】
本発明の特徴を具体化した動脈クランプは子宮に固着された広い靱帯内または近傍の子宮動脈の探索に有効であり、かつ広い靱帯内の子宮動脈の圧縮および閉塞に有用である。
【0018】
動脈閉塞の一つの方法はそれを圧縮するのに有効な動脈のクランプが包含され、従って導管内を通る血流は減され、または止められる。動脈の閉塞は一時的であり、器具の取り外し後に解放され、かつ閉塞は部分的または完全であり得る。
【0019】
コントローラーが血流センサーのために備えられて子宮動脈の位置の検知を助け、それはセンサーの出力に関連した信号を発生させてオペレーターにより容易に使用可能とされている。センサーコントローラーは血流センサーのための動力源を備えることができ、その動力源は超音波エネルギー、電気エネルギー、または電磁エネルギーの源のようなものである。このエネルギーはエネルギー源から直接に供給されるかまたはエネルギー源の助けを有するセンサーにより提供され得る。
【0020】
帝王分娩に続く子宮動脈閉塞のために本発明の特徴を有するクランプ器具を使用すると過剰な血液の損失を阻止しかつ重要なことにはそのような血液損失の阻止が子宮の改良された縫合のための充分な時間を許容する。例えば、2または3重の外科閉塞層が過剰な出血の心配なく実施され得る。これは子宮の少ない切目または傷の複雑さでの閉塞の完成に影響し、これらの傷は未来の妊娠時の流産や子宮破損に導き得るものである。
【0021】
本発明の特徴を具体化した器具、システムおよび方法は僅かのまたはゼロの訓練で効果的に使用され得る。本発明のこれらおよび他の利点は添付の例示図面を参照した以下の詳細な記述により明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1−4は本発明の特徴を具体化した子宮動脈閉塞システム10を示しており、これはクランプ部材14、指グリップ17付きのハンドル16、圧力適用部材18および圧力適用部材上の浮きあご20を有するクランプ器具12を備えている。浮きあご20は浮きあご20が患者身体組織内に押し付けられた時組織上に噛合しかつ保持するように構成された鋸歯付き圧力適用面22を備えている。クランプ部材14はピボット点24において枢支されている。クランプ部材14は好ましくは圧力適用部材18と一体のハンドル16で形成されている。オペレーターはクランプ部材14上の両指グリップ17を絞り圧力適用部材18の間の間隔が減少するように圧力適用面22を互いに接近させる。各ハンドル16は解放可能ロック機構26を備えており、これは2個の相互補完的なラチェット部分27を備え、これらのラチェット部分は互いに係合しかつクランプ部材14を閉塞しまたは部分的に閉塞した位置にロックして、ロック機構26が噛み合わされている間に圧力適用面22間の圧力または力を保持する。
【0023】
浮きあご20は圧力適用部材18に対して連接部28により可動に結合されている。連接部28は撓み得る連接部であり、従って圧力が圧力適用部材18により圧力が掛けられている間における圧力適用面22上の圧力、または圧力適用面22による面の接触は、矢印19により示されているように、圧力適用面18に関する浮きあご20の動きを起こす。このようにして、圧力適用面22を圧力適用アーム18の動きにより影響される面上へ閉じると圧力適用部材18に関する浮きあご20の動きを生じて、圧力適用面22と圧力適用部材18の間の隔たりが減少される。撓み得る連接部28は浮きあご20に圧力適用部材18に関して数段階の動きを提供し、その動きは組織上に当初の殆どないまたはゼロの圧力から浮きあご20が圧力適用部材18上に潰された時の増加した圧力にわたる。
【0024】
撓み得る連接部28は好ましくは弾性的な接続であり、従って圧縮はそのような圧縮に対応する或る抵抗に遭遇して連接部28が圧縮の解放時に少なくとも部分的にその元の形状に復帰する。例えば、連接部28が弾性的であると、圧力適用部材18に関する浮きあご20の動きは圧力適用アーム18の動きが圧力適用面22を組織上に押し付けると抵抗に遭遇させられる。弾性的な連接部は圧力適用部材18と浮きあご20の間に配置されるばね、ゴム、弾性ゴム、または他の弾性材料または部材により提供される。弾性的な撓み得る連接部28上の圧力を解放すると、圧力適用面22と圧力適用部材18の間の間隔は減少する。
【0025】
動脈閉塞システム10はまたセンサー30および電気導線32のようなエネルギー伝達部材を備えている。導線32はセンサーコントローラー36と作動可能に構成された基端コネクター34を備えている。センサー30は子宮動脈を探索しかつ位置表示信号を発するように構成され、上記信号はセンサーから受領される信号を表示する出力を提供する。好ましくは、センサー30はまた器具を動脈または動脈を収容している組織上にクランプした後に子宮動脈の閉塞度合を決定しかつそのような閉塞状態を表示する信号を発し、これはコントローラー36もその出力表示へ変換する。好ましくはドップラー超音波センサーであるセンサー30は電気導線32およびコネクター34を介して接続され、コネクターはドップラー超音波コントローラー36と容易に係合離脱できるように構成されている。代わりに、ケーブル32の基端はコネクター34を持つことなく、センサー制御器具36に対して直接にかつ永久的に係合しまたは固着され得る。
【0026】
センサーコントローラー36はセンサー30により求められている動力を供給するように構成されており、この動力はセンサー30からの信号を受領し、かつオペレーターによる解釈のためにセンサー信号出力を提供するためである。更に、センサーコントローラー36は検知のために使用される信号または信号エネルギー(例えば、超音波または紫外線信号またはエネルギー)を作り出し、またはセンサー30に対してエネルギーを提供してセンサー30が信号または信号エネルギーを製造することを助ける。
【0027】
図2A−2Dは本発明の特徴を具体化したシステム10の末端部を図示しており、各種の弾性部材29を示している。撓み得る連接部28は圧力適用面22を圧力適用部材18につないでおり、かつ好ましくは矢印19により表示されているように、圧力適用面22のそれを支持している圧力適用部材18に対する所定範囲の動きを許容するように構成されている。圧力適用面22と子宮動脈または子宮動脈近傍またはそれを取り囲んでいる組織のような身体組織の間の軽い圧力は、圧力適用部材18が圧力適用面22を身体組織側へ押し付ける時に圧力適用面22を圧力適用部材18側へ動かすのに効果的である。しかしながら、撓み得る連接部28がそのような低い圧力で圧縮し、少なくとも軽い圧力を適用する初期においては、圧力適用面22が圧力適用部材18に対して実質的に組織を圧縮することなく組織に接触するように動くことが許容される。この撓み得る、好ましくは弾性的な連接部28はこのようにして圧力適用面22および圧力適用部材18からの軽い圧力の影響下の組織の間の接触を実質的に動脈を圧縮することなくかつそれを閉塞することなく保持するのに有効である。これは血管の探索にセンサーを血管を通る血流と干渉することなく使用することを許容する。
【0028】
図2A−2D内に図示されている実施例においては、撓み得る連接部28は圧力適用部材18と浮きあご20の間で圧縮されている弾性部材29を備えている。好ましい実施例においては、例えば、図2A内に図示されているように、弾性部材29は圧力適用部材18と浮きあご20の間で圧縮されているOリングを包含している。浮きあご20はピン31により実質的に単一方向にのみ動くように規制されており、上記ピンは圧力適用部材18に装着されかつ浮きあご20の横側部35内のスロット33内に配置されている。代わりに、圧力適用部材18がスロットを備えて浮きあご20に装着されたピンを受領するように構成してもよい。
【0029】
図2B内に図示されているように、弾性部材29はばねであり、これはコイルばね、リーフばね、または他のばねであり得る。図3Cにおいて、示されている弾性部材29は可撓性嚢であり、ガスのような圧縮可能流体で満たされている。図2Dにおいて、図示の弾性部材29は圧力適用部材18と浮きあご20の間に配置された弾性材料の形成層である。弾性材料29は弾性材料(例えば、シリコンラバー、ラテックス、または他のゴムまたは重合体、スポンジまたはスポンジ状材料)で形成され得る。
【0030】
図2A−2D内に示されている実施例においては、浮きあご20は圧力適用部材18と或る角度で合い、図1内に示されている実施例と異なり、そこでは浮きあご20が圧力適用部材18と遭遇して概ね平角を形成している。浮きあご20が圧力適用部材18と好適な角度で配置されて各種の解剖学的状態に適合されることは理解されるであろう。
【0031】
センサー30は圧力適用部材18、浮きあご20、またはクランプ器具12の他の末端部分上に装着され得る。血流計測のためのセンサーを含む子宮動脈探索用センサー30は、好ましくは圧力適用部材18内または上に配置され、かつ好ましくはクランプ器具12の浮きあご20の面のような、圧力適用面22の面に対して装着される。本発明の特徴を具体化したクランプ器具12は1以上の血流センサー30を備え得る。
【0032】
血流センサーを少なくとも撓み得る、および弾性的な圧力適用部材の少なくとも一つの上に備えることにより、それらが患者の子宮動脈の近くに配置されて動脈を閉塞することなく組織との接触を保ち、かつそれによりその中の血流を容易に検知しかつ、それにより子宮動脈を探索し得る。圧力適用面22上への圧力を増すとセンサー30と組織の間により良い接触を提供するが、撓み得る連接部28の動きの圧縮可能範囲内では、器具の部分的クランプは血管を閉塞しない。撓み得る連接部28を動きの限界またはその近くへ圧縮するために圧力適用面22上への圧力を更に増すことは、圧力を組織へ直接加えて接触組織内または近傍の動脈の閉塞に有効である。センサー30は動脈を通る血流の監視とそれによる後続の動脈閉塞に採用され得る。
【0033】
クランプ部材14は好ましくは圧力適用部材18の操作のために構成されている。本発明の特徴を有する器具12の或る実施例においては、圧力適用部材18は連結部分に対して装着され、その場所はハンドル16が末端側に配置されかつオペレーターにより使用可能とされている際に圧力適用部材18または圧力適用面22が動脈上または近傍位置を占めるように構成されている。
【0034】
クランプ部材14を互いに合わせることは圧力適用面22を互いに近接並置する上で有効である。このようにして、クランプ器具12を組織近傍に配置した状態では、圧力適用面22は子宮動脈の部分のような浮きあご20間に配置された組織と接触状態とされ得る。浮きあご20の部分的または完全な閉塞は圧力適用面22が圧力または力を組織へ適用して子宮動脈または子宮動脈周りの組織を圧縮するのに有効となり;圧力または力の適用は組織を圧縮しかつ子宮動脈を閉塞するのに有効であり、少なくとも子宮動脈を通る血流を減しまたは阻止する。
【0035】
浮きあご20上に配置されたセンサー30はまた図2A−2D内に示されており、示されている導線32の一部は圧力適用部材18に沿って配置されている。センサー30は圧力適用面22の近傍の組織内の動脈の位置の検知に有効である。例えば、圧力適用面22内または上に配置されているセンサー30を子宮動脈を収容している広い靱帯上に位置決めすることは子宮動脈内の血流検出に有効である。そのような検出はシステム10の位置を指示して閉塞されるべき子宮動脈の部分を含む身体組織がクランプ器具12の浮きあご20間にあることを確認する上で有益である。好ましい使用方法において、子宮動脈および取り囲む組織は浮きあご20間に配置されかつ圧力または力が圧力適用面22により組織へ加えられ、圧力が組織へ適用され、子宮動脈の部分の圧縮と少なくとも子宮動脈の部分的な閉塞に効果的である。子宮動脈のそのような圧縮およびその結果としての閉塞は血管内の血流の低減または停止に有効である。浮きあご20上に配置されているセンサー30は圧縮された子宮動脈内の血流の減少または停止の検知に有効である。
【0036】
図3はクランプ器具12の末端部分の詳細を図示しており、圧力適用面22を有する浮きあご20付きの圧力適用部材18を備えている。センサー30はあご20の圧力適用面22上に配置されているように示されており、ケーブル32の末端部分が圧力適用面22の反対側に配置されている。
【0037】
図4はあご20の断面図で、センサー30を通して図3の4−4線に沿い取られており、浮きあご20の圧力適用面22に対する動きを図示している。そのような動きは浮きあご20の横側部35のスロット33内にスライド可能に受領されているピン31により許容されている。しかしながら、浮きあご20の他方向への動きは浮きあご20の横側部35のスロット33内にスライド可能に受領されているピン31により規制されている。図4内に示されている弾性部材29はOリングである。
【0038】
センサー30は図面内ではワイヤーとして示されている連接部38により導線32と連結されている。代わりの実施例においては、連接部38は複数のワイヤー、光学的ファイバーまたはファイバー群、ウエーブガイド、または他の連接部を包含し、これらは信号および/またはエネルギーまたは動力をセンサー30、導線32、およびセンサーコントローラー36の間で搬送するのに有効である。好ましくは、連接部38は少なくとも導線32の部分の延長部である。連接部38は好ましくは浮きあご20内に配置されているセンサー30の横移動を吸収するように構成されており、かつこのようにして好ましくは可撓性のあるまたはスライド可能な連接部である。代わりに、センサー30は圧力適用部材18上に配置されており、かつ浮きあご20は圧力適用面22周りまたはそれを通してのセンサー30の動作を許容するように構成されている。例えば、浮きあご20は感知用エネルギー、通路、窓、またはセンサー30の動作を許容する他の特徴部分に対して透明な部分を備え得る。
【0039】
センサー30は受動センサーと呼ばれ、そこでは子宮動脈の存在を表示する固有の信号を検知するように構成されている(即ち、音センサー、圧力センサー、動きセンサー、pHセンサー、または子宮動脈の位置の物理的、化学的、電気的、または生理学的な表示を検知するように構成された他のセンサー)。センサー30は反応性センサーであり、それは信号を発し、かつ放射信号に対応する、またはそれから引き出される信号を検知するように構成されている。放射信号は脈動的または連続的なものであり得る。代わりの実施例においては、例えば、センサー30が光学的または電磁的な信号を検知し、導線32は光学的ファイバー、ウエーブガイド、エネルギーまたは信号伝達のための他の導管、またはそれらの組合せを備え得る。センサー30は好ましくは反応性センサーである。
【0040】
センサーにより検知された信号を作るために使用されるエネルギーを少なくとも部分的に製造するセンサー30(即ち、反応性センサー)はセンサー/トランスデユーサーと呼ばれ得る。センサー/トランスデユーサーは超音波源および超音波センサーまたは赤外線源および赤外線検出器を備え得る。例えば、赤外線血流センサーは約500ナノメーター(nm)および約2000nmの間、好ましくは約700nmおよび約1000nmの間の波長を有する電磁エネルギーに対して感受性を有する。
【0041】
センサー30は好ましくはドップラー超音波センサーである。約5MHzおよび約20MHzの間、好ましくは約6MHzおよび約10MHzの間、典型的には約8Hzの周波数のような、約20MHzに等しいかまたはそれ未満の周波数の超音波で作動するドップラー超音波センサーが本発明の特徴を具体化した装置で動脈内の血流を検知するのに好適である。
【0042】
センサーの作業はエネルギー源(例えば、センサーコントローラーにより提供される)により助けられ、これはセンサーにより検知されたエネルギーを直接提供するか、または検知されるべきエネルギーを提供してセンサーを助け得る。例えば、エネルギー源は電気エネルギーを提供し、これは超音波エネルギーを検出しかつ製造して超音波センサーを助ける(例えば、メダソニックス(登録商標) カルデイオビート(登録商標) ブラッド フロー ドップラー ウイズ インテグレーテド スピーカー(クーパー サージカル 社、トランブル CT 06611)のような)。本発明での使用に好適な他の市場で入手可能なドップラー超音波センサーはコーブン モデル ES 100X ミニドップ VRP−8 プローブ(セント ルイス、MO)およびDWL/ニューロ スカン メデイカル システムズ マルチ−ドップ B+システム(スターリング、VA)を含んでいる。
【0043】
帝王切開後の子宮出血低減に使用される時は、本発明の特徴を有するクランプ器具12は広い靱帯内の子宮動脈を閉じかつ血管の閉塞を維持するために所定位置に留まらなければならない。好ましい実施例においては、本発明の特徴を有するクランプ器具12はオペレーターに子宮動脈を不完全に閉塞させることなく、配置中にドップラーチップによる接触を許容して広い整列の“感知”を許容するように構成される。広い靱帯のような組織上への圧力適用面22の軽い圧力は、動脈(例えば、子宮動脈)内の血流の検知を動脈を閉塞させることなく許容する。弾性的連接部28は組織との軽い圧力を保持し、かつ目標動脈検知中にオペレーターに複数箇所の容易な検査を許容する。弾性的連接部28は広い靱帯内の子宮動脈の音響的識別を助け、これはオペレーターがクランプ器具12を血流を止めることなく血流を検知するのに充分なだけ組織内に押し込むことを許容することにより行われる。
【0044】
子宮動脈の閉塞は部分的または全体的であり得る。組織に対して加えられる充分な圧力または力は圧力をその組織およびその下側の組織に適用するのに有効であり、かつ子宮動脈を圧縮しかつ少なくとも部分的に閉塞する。子宮動脈の閉塞達成のために加えられる圧力の量は平方インチ当たり約1ポンド(psi)および約60psiの間、かつ好ましくは約3psiおよび約30psiの間であり得る。例えば、圧力適用面が約0.16平方インチの面積(例えば、約0.2インチ掛ける約0.8インチ)を備えており、本発明の特徴を具体化した動脈閉塞器具により適用される力の量が好ましくは約2ポンドおよび約10ポンドの間、かつより好ましくは約0.6ポンドおよび約5ポンドの間である。
【0045】
センサー30は子宮動脈、または血流、または子宮動脈の位置または特定方向における血流に関する信号を検出し得る。例えば、浮きあご20の圧力適用面22上に配置されているセンサー30は面に対して直角方向からの信号を検知し、従って子宮動脈の探索または浮きあご20と対向する血流の検出に有効である。そのような方向は閉塞されるべき子宮動脈が浮きあご20と対向配置されており、かつ1対の浮きあご20の間にあり、かつ閉塞のために好適に配置されていることを確認するのに有効である。センサー30はまた圧力適用面22に対して平行な方向、または圧力適用面22に対して或る他の角度からの信号を検出するように構成されており;そのような構成は、例えば、クランプ器具12を子宮動脈に向けて動かす方向付けのために有効である。
【0046】
本発明の特徴を具体化したクランプ器具12はクランプ位置内にロックするように構成され得る。そのようなロック状態は一時的かつ解放可能、または永久的であり得る。本発明の特徴を具体化したクランプ器具12はロック機構26を備えることができ、そのロック機構は少なくとも一つの圧力適用部材18を圧力適用位置内へ保持するように構成されたラチェットのようなものである。そのようなロック機構26は所望時に圧力または力の適用停止を許容するのに有効な解放機構を備えるべきである。
【0047】
本発明の装置およびシステムは患者の体腔内での使用のために構成されている。本発明の特徴を具体化したクランプ器具12の寸法は帝王切開後の外科領域内での使用を容易にするように選択されており、従ってクランプ器具12はオペレーターの手または両手により操作された時、子宮動脈へ容易に到達し、検出し、かつ閉塞し得る。クランプ器具12はそのような好ましい使用に矛盾しない好適なサイズであり、かつまた閉塞されるべき動脈の位置および寸法により部分的には決定され得る。例えば、子宮動脈に隣接した組織への接近が許容され、かつ子宮動脈内の血流を減しまたは止めるのに充分な圧力または力を掛けるように構成されたクランプ器具12は長さが約1インチおよび約12インチの間、好ましくは約3インチおよび約8インチの間であり得る。
【0048】
センサーは好ましくは浮きあご20の圧力適用面22に対してかつそれと直角に装着されている。例えば、血流センサーは浮きあご20の末端から約0.1インチおよび約1インチの間に装着され、かつ浮きあご20の末端チップから好ましくは約0.1インチないし約0.6インチ、より好ましくは約0.3インチないし約0.5インチに装着されている。浮きあご20は組織と緊密に噛合するように構成され、即ち、組織接触面22を備え、その接触面は鋸歯付き、目盛り付き、荒らされ、サンドペーパーまたは組織を掴むように他様式に構成されたラフ材料で被覆され得る。
【0049】
本発明の特徴を具体化した方法および器具が各種動脈の閉塞に使用されるが;特に子宮動脈閉塞に有効であることは理解されるであろう。図5は典型的な女性生殖システムを図示しており、子宮40、膣42、右卵巣44、および左卵巣46を含んでいる。血液は子宮40へ第1に右子宮動脈48および左子宮動脈50を介して、かつ第2には右卵巣動脈52および左卵巣動脈50を介して供給され、これらの全ては大動脈56により供給される。子宮動脈48および50は子宮40に接触しかつ膣円蓋58および子宮頸60の近くを通る。
【0050】
帝王切開中には少なくとも子宮40の一部が医者に対して露出されかつ接近可能とされる。子宮動脈48および50も帝王切開実施のために必要な外科手術により接近可能とされ得る。しかしながら、これが通常の手術の手順中に起こらなくとも、子宮動脈48および50は幼児および胎盤の放出中またはそれに続いて医者により容易に接近可能とされ得る。広い靱帯組織のような子宮動脈近くの組織、または子宮動脈の少なくとも一部の上方の広い靱帯が切開された部分で、子宮動脈組織は、本発明の特徴を有するクランプ器具により、医者が1または双方の子宮動脈の閉塞が指示された時に、接触され得る。典型的には、これは出産およびへその緒のクランプまで起こらず、かつ、多くの場合、へその緒の切断後および子宮から胎盤の分離後である。
【0051】
センサー30を有する圧力適用面22で、ドップラー超音波センサーのようなセンサー30付きの浮きあご20の圧力適用面22を組織に対向配置することは医者に子宮動脈48または50の探索を許容し、これは血液、羊膜液、組織および帝王切開患者における動脈探索の他の障害のような可視障害物にも拘わらない。浮きあご20を圧力適用部材18につなぐ撓み得る連接部28(好ましくは弾性的な撓み得る連接部28)は器具12と組織との間の当初の軽い接触を許容する。撓み得る連接部28はセンサー30と組織の間の効果的な接触を許容して血流を実質的に止めることなく血流の検知を提供する。このようにして、圧力適用部材18により加えられる圧力は圧力適用面22とセンサー30とを探索工程中に子宮動脈48または50を閉塞する程の圧力を適用することなく接触状態に保つ。子宮動脈48または50内の血流をそれらの閉塞前に観測することは望ましい。例えば、子宮動脈48または50内の血流はセンサー30で異なる場所で観測されて閉塞のために最適な位置が決定され;更に、時間を隔てたそのような血流の観測は医者に何時子宮動脈48または50の閉塞圧力を加え始めるかの決定を許容し、またはそのような閉塞が状況下において指示されるかどうかの決定を許容する。増加された圧力付加は子宮動脈48または50の閉塞に有効である。圧力適用部材18により加えられる増加された圧力は撓み得る連接部28を運動範囲の限界またはその近傍で圧縮しかつ圧力適用面22と接触している組織の圧縮に有効である。
【0052】
このようにして、血管の閉塞方法は組織を器具12の圧力適用面22に当てかつ組織内またはその近傍の血管をその中の血流を閉塞することなく探索し、かつ組織を器具12で圧縮して血管内の血流を閉塞する工程を含んでいる。
【0053】
患者の動脈を閉塞する方法は動脈近傍の組織を、動脈を実質的に圧縮することなく、本発明の特徴を有するクランプ器具の圧力適用面に接触させる工程を備えている。圧力適用面上に配置されたセンサーは動脈の探索に有効である。少なくとも一部の動脈が動脈近傍の組織にクランプ器具で圧力を適用することにより圧縮され得る。動脈の圧縮は動脈近傍の組織を掴むことを含み、かつ動脈を効果的に圧縮するために動脈を取り囲む組織の圧縮を含み得る。動脈閉塞器具での組織の圧縮により動脈を通る血流が減され、または止められるので、動脈圧縮のためには有効である。子宮動脈の閉塞方法はこのようにしてこの方法を包含し、そこにおいて動脈は子宮動脈であり得る。
【0054】
図5は本発明の特徴を具体化した動脈閉塞器具の使用法を描写しており、子宮動脈48内の血流を閉塞するものである。クランプ部材14付きのクランプ器具12、ハンドル16、および圧力適用面22を有する浮きあご20付きの圧力適用部材18が帝王切開による幼児分娩後の患者の腹腔内の所定位置に示されている。クランプ器具12は圧力適用面22を有する浮きあご20が子宮動脈48周りの組織上に配置されているのが示されている。クランプ器具12はまた患者組織に面した浮きあご20上のセンサー30を備えており、かつこのセンサーはシステム10の他の部分(図5内には示されていない)にケーブル32を介して連通している。
【0055】
子宮動脈の圧縮は子宮動脈48または50の部分周りの広い靱帯の部分の圧縮により、または器具と子宮動脈48または50の間の直接接触を介する圧縮により達成され得る。図5内に図示されているように、センサー30は子宮動脈48の存在を検出しかつ探索し、かつ動脈48内の血流を検出するのに有効である。センサー30は浮きあご20および圧力適用面22が子宮動脈48の最適な取り囲み位置決めを助けるのに使用される。浮きあご20の閉塞は圧力適用面22を組織内により強力に押し付け、子宮動脈48を圧縮して子宮動脈48の閉塞に有効である。センサー30は子宮動脈48内の血流の結果としての減少または停止を検出し、かつ血流の所望減少量を提供するために使用される圧力または力の調整およびもし所望されるならば血流の停止の確認に使用され得る。ロック機構26は組織上への圧力または力の所望量を所望時間保持するために使用される。左子宮動脈50内の血流は同じクランプ器具12により(右子宮動脈48の閉塞解放の後に)、または異なるクランプ器具12により同様に閉塞され得る(このようにして双方の子宮動脈の同時のクランプおよび閉塞が許容される)。
【0056】
本発明の特徴を具体化したクランプ器具12は何らかの好適な材料または材料の組合せにより作られることができ、それらの材料はステンレススチールのような金属およびニッケルチタニウム合金のような形状記憶合金、プラスチックス、セラミックス、および当業界で知られている他の材料を含んでいる。例えば、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリエステル、ポリアセタール、および他のポリマーのような生物学的親和性を有するポリマーが本発明の実施例のためには特に好適である。この器具またはシステムは単一使用(廃棄可能)または殺菌可能でかつ複数使用され得るように設計され得る。
【0057】
本発明の特定の形態が図解されかつ記述されてきたが、本発明の精神および範囲を越えることなく各種の修正がなされ得ることは明らかであろう。それゆえに、本発明が図示された特定の実施例に限定されることは意図されていない。従って本発明は従来技術が許す限り広く、かつ明細書に鑑み、添付請求の範囲により限定されるべきである。更に、当業者は一つの実施例内で示されている特徴は他の実施例にも適用され得ることを認識するであろう。“要素”、“部材”、“器具”、“セクションズ”、“部分”、“セクション”、“工程”およびここで使用される同様な用語は条文35U.S.C.§112(6)によるものと解釈されるべきでなく、それは次の請求項が特定の構造または動作を伴うことなく、用語“手段”または“工程”とそれに続く特定の機能を備えている場合以外である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の特徴を具体化した動脈クランプを含む血管閉塞システムの開放形態における平面図である。
【図2A】本発明の特徴を具体化した動脈クランプの末端部分の部分断面図で、弾性を有するOリング付きの圧力適用部材を備えている。
【図2B】本発明の特徴を具体化した動脈クランプの末端部分の部分断面図で、弾性を有する複数のばね付きの圧力適用部材を備えている。
【図2C】本発明の特徴を具体化した動脈クランプの末端部分の部分断面図で、弾性を与える可撓性嚢付きの圧力適用部材を備えている。
【図2D】本発明の特徴を具体化した動脈クランプの末端部分の部分断面図で、弾性を有する弾性体層付きの圧力適用部材を備えている。
【図3】本発明の特徴を具体化した動脈クランプの傾斜末端部分の開放形態における斜視図である。
【図4】図3のクランプ器具の傾斜末端部分の一つの4−4横断面図である。
【図5】子宮に対して血液を供給している主要子宮動脈を含む女性の生殖システムの概略図で、図1内で示されている動脈クランプを女性患者の体内に展開していることを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の身体内の目標導管を少なくとも部分的に閉塞するためのクランプ器具であって、それに対して圧力を適用することにより目標導管を少なくとも部分的に閉塞するように構成された1対の対向圧力適用部材を包含し、圧力適用部材の少なくとも一つが撓み得る圧力適用面を備えている、クランプ器具。
【請求項2】
目標導管探索のために圧力適用部材の少なくとも一方上にセンサーを備えている、請求項1に記載のクランプ器具。
【請求項3】
器具の圧力適用部材の双方が撓み得る圧力適用面を備えている、請求項1に記載のクランプ器具。
【請求項4】
撓み得る圧力適用面が圧力適用部材上に弾性的に装着されている、請求項1に記載のクランプ器具。
【請求項5】
圧力適用部材の各々が伸長ハンドルを備えている、請求項1に記載のクランプ器具。
【請求項6】
圧力適用部材のハンドルがピボット枢支されている、請求項5に記載のクランプ器具。
【請求項7】
目標動脈探索のためのセンサーが血流センサー、音響センサー、圧力センサー、張力センサー、応力センサー、化学センサー、電磁放射センサーおよびそれらの組合せから成る群から選択されている、請求項2に記載のクランプ器具。
【請求項8】
血流センサーがドップラー超音波センサーである、請求項7に記載のクランプ器具。
【請求項9】
ドップラー超音波センサーが約6MHzおよび約10MHzの間の周波数を有する超音波を検知するように構成されている、請求項8に記載のクランプ器具。
【請求項10】
センサーが約500ナノメーター(nm)および約2000nmの間の波長を有する電磁放射を検知するように構成された電磁放射センサーである、請求項7に記載のクランプ器具。
【請求項11】
センサーがセンサー/トランスデユーサーを包含している、請求項2に記載のクランプ器具。
【請求項12】
センサーが末端チップの基端側の約0.1インチおよび約0.6インチの間の位置の圧力適用面上に装着されている、請求項1に記載のクランプ器具。
【請求項13】
撓み得る圧力適用面は組織との接触状態へ加圧された時に横方向へ動くように構成されている、請求項1に記載のクランプ器具。
【請求項14】
横方向への動きは約0.5mmおよび約20mmの間の動きを包含している、請求項13に記載のクランプ器具。
【請求項15】
横方向への動きは約1mmおよび約5mmの間の動きを包含している、請求項13に記載のクランプ器具。
【請求項16】
弾性的な組織接触面はばね連接部、ばね層連接部、Oリング連接部、流体連接部、圧縮ガス連接部、および他の弾性的な連接部から成る弾性的連接部の群から選択された弾性的連接部により圧力適用部材へ接続されている、請求項3に記載のクランプ器具。
【請求項17】
更に約1インチおよび約12インチの間の長さの1対のハンドルを包含している、請求項5に記載のクランプ器具。
【請求項18】
長さが約3インチおよび約8インチの間の長さを包含している、請求項17に記載のクランプ器具。
【請求項19】
更に圧力適用部材を所望位置内に保持するように構成されたロック機構を包含している、請求項1に記載のクランプ器具。
【請求項20】
ロック機構が解放可能である、請求項19に記載のクランプ器具。
【請求項21】
対向した圧力適用部材が圧力適用部材間に露出している組織へ約1ポンドpsiおよび約60psiの間の圧力を適用するように構成されている、請求項1に記載のクランプ器具。
【請求項22】
圧力適用部材が圧力適用部材間に露出している組織へ約3psiおよび約30psiの間の圧力を適用するように構成されている、請求項21に記載のクランプ器具。
【請求項23】
少なくとも一つの圧力適用面が複数のセンサーを備えている、請求項1に記載のクランプ器具。
【請求項24】
動脈クランプシステムであって:
a. 患者の身体内の目標導管を少なくとも部分的に閉塞するためのクランプ器具であって、それらに圧力を適用することによって少なくとも部分的に閉塞するように構成された1対の対向した圧力適用部材を包含し、圧力適用部材の少なくとも一つが撓み得る圧力適用面を備え;かつ目標導管探索のための圧力適用部材の少なくとも一つの上のセンサーを包含している、クランプ器具;および
b. センサーに対して作動可能に連結されかつ動力源を包含しているセンサーコントローラー
を包含している、システム。
【請求項25】
撓み得る圧力適用面が弾性的である、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
センサーがドップラー超音波センサーを包含し、かつセンサーコントローラーがドップラー超音波コントローラーを包含している、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
少なくとも一つのセンサーがセンシング方向に沿い配置されている動脈が検知され易くなるのに有効なセンシング方向を備え、かつ少なくとも一つのセンサーが圧力適用面上に配置されてセンシング方向が圧力適用面に対して直角となるのに有効とされている、請求項1に記載のクランプ器具。
【請求項28】
クランプ器具であって:
a. 組織接触手段;
b. 組織接触手段を介して組織に圧力を適用するための圧力適用手段;
c. 組織接触手段と圧力適用手段を接続するための圧縮可能手段;
d. クランプされるべき動脈を探索するために組織接触手段上に配置されているセンサー手段
を包含している、クランプ器具。
【請求項29】
圧縮可能手段が弾性手段を包含している、請求項40に記載のクランプ器具。
【請求項30】
センサー手段がセンサー/トランスデユーサー手段を包含して信号を提供しかつ子宮動脈探索のための反射信号を感知して閉塞されるべき子宮動脈の探索を容易化するようにした、請求項40に記載のクランプ器具。


【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−516462(P2006−516462A)
【公表日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503276(P2006−503276)
【出願日】平成16年2月3日(2004.2.3)
【国際出願番号】PCT/US2004/003023
【国際公開番号】WO2004/071275
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(501231679)ヴァスキュラー・コントロール・システムズ・インコーポレーテッド (6)
【Fターム(参考)】