帯電器、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
【課題】 感光体の小型化に対応しやすい構成を実現しつつ、その一方で、放電によって発生するイオンを効率よく感光体に供給し得る構成を提供する。
【解決手段】 帯電器30は、感光体29と対向するように配置され、放電ワイヤ37と、放電ワイヤ37と距離を隔てて配置される対向電極38a、38aとによりコロナ放電を生じさせて、回転する感光体29を帯電させる構成をなしている。対向電極38a、38aは、放電ワイヤ37を挟むように、放電ワイヤ37における感光体29の回転方向Rの両側に配置されており、これら対向電極38a、38aは、放電ワイヤ37と感光体29とが対向する対向方向において、放電ワイヤ37に対して感光体29側を下方とし、それとは反対側を上方とした場合、当該対向方向において放電ワイヤ37の放電部よりも上方位置から下方側に向かうにつれて間隔が次第に狭くなるように構成されている。
【解決手段】 帯電器30は、感光体29と対向するように配置され、放電ワイヤ37と、放電ワイヤ37と距離を隔てて配置される対向電極38a、38aとによりコロナ放電を生じさせて、回転する感光体29を帯電させる構成をなしている。対向電極38a、38aは、放電ワイヤ37を挟むように、放電ワイヤ37における感光体29の回転方向Rの両側に配置されており、これら対向電極38a、38aは、放電ワイヤ37と感光体29とが対向する対向方向において、放電ワイヤ37に対して感光体29側を下方とし、それとは反対側を上方とした場合、当該対向方向において放電ワイヤ37の放電部よりも上方位置から下方側に向かうにつれて間隔が次第に狭くなるように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯電器、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、レーザプリンタに用いられる帯電器として、放電ワイヤとグリッドとを有してなるスコロトロン型の帯電器が知られている。例えば、特許文献1にて示されるスコロトロン型の帯電器では、放電電極に対向するグリッド部と左右両側板とを有しており、グリッド部は、感光体ドラムと対向する表面板とグリッドワイヤとを備えた構成をなしている。一方、対向電極として構成される左右両側板はグリッド部の表面板から略直角に折り曲げられた構成をなしている。
【特許文献1】特開2003−140438公報(第5図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、現在では、画像形成装置を小型化しようとする試みがなされている。このように画像形成装置の小型化を図るための有効な方法としては、例えば、感光体ドラムの径を縮小し、その径の縮小に対応させて感光体ドラムの周囲に配置すべき帯電器、現像手段、転写手段、クリーニング手段、及び、除電手段等の各部材をより密に配置することが考えられる。
【0004】
しかしながら、感光体ドラムの径を縮小した場合、それに伴い周の長さも短くなるため、感光体ドラムの周囲において、帯電器をそれ以外の各部材と周方向に並べて配置しようとした場合、帯電器と各部材とが干渉しやすくなってしまう。従って、感光体ドラムの周囲において他部材と干渉しにくく、スペース的な制約を効果的に低減し得る帯電器構成が望まれる。
【0005】
一方、帯電器は、コロナ放電によって生じたイオンを感光体に供給する構成をなしているが、発生したイオンがあまり感光体に供給されにくい非効率な構成では、感光体に対する適切なイオン供給量を確保するために放電量をより大きくしなければならず、その結果、装置負担が大きくなってしまう。このような事情から、発生したイオンが感光体に供給されやすく、放電を効率的に行うことができる構成も望まれている。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいてなされたものであって、感光体の小型化に対応しやすい構成を実現しつつ、その一方で、放電によって発生するイオンを効率よく感光体に供給し得る構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、被帯電部材と対向するように配置され、放電電極と、前記放電電極と距離を隔てて配置される一対の対向電極とによりコロナ放電を生じさせて、前記被帯電部材を帯電させる帯電器であって、前記対向電極は、前記放電電極を挟むように対向配置され、前記対向電極の間隔が、前記被帯電部材に近づくにつれ次第に狭くなるように構成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の帯電器において、前記被帯電部材は、回転する感光体であり、前記対向電極は、前記放電電極を挟むように当該放電電極における前記感光体の回転方向の両側に対向配置され、前記放電電極と前記感光体とが対向する対向方向において、前記放電電極に対して感光体側を下方とし、それとは反対側を上方とした場合、前記対向電極は、前記対向方向において前記放電電極の放電部よりも上方位置から下方側に向かうにつれて間隔が次第に狭くなるように構成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2に記載の帯電器において、前記対向電極の間隔が次第に狭くなる間隔縮小領域の全体に亘り、前記対向電極の前記放電電極に向く内面が共に平面とされていることを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3に記載の帯電器において、前記対向方向における前記対向電極の上端から下端に亘り、前記対向電極の間隔が次第に狭くなることを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の帯電器において、前記放電電極と前記感光体の回転中心とを結ぶ面と、前記前記対向電極における前記放電電極に向く内面とのなす角度が、両対向電極において互いに等しくなるように構成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項2ないし請求項5のいずれか記載の帯電器において、前記対向方向における前記対向電極の上端部間に、当該対向電極の外部から空気を導く開口部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、請求項6に記載の帯電器において、前記対向電極の外側には、前記開口部から前記感光体へと向かう空気を、前記開口部と前記感光体との間に構成される流路とは異なる経路で導く通気路が設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項8の発明は、請求項2ないし請求項7のいずれかに記載の帯電器において、前記対向方向における前記対向電極の下端部間にグリッドが設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項9の発明は、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の帯電器において、前記放電電極はワイヤであることを特徴とする。
【0016】
請求項10の発明は、プロセスカートリッジにおいて、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の帯電器が設けられていることを特徴とする。
請求項11の発明は、画像形成装置において、請求項10に記載のプロセスカートリッジが設けられていることを特徴とする。
請求項12の発明は、画像形成装置において、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の帯電器が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
<請求項1、2、10、11、12の発明>
請求項1、2、10、11、12の発明によれば、対向電極を平行に構成した場合と比べて放電をより被帯電部材側に集中させることができ、放電によって発生するイオンを効率よく被帯電部材に供給できる。また、被帯電部材側に近づくにつれ対向電極の間隔が次第に狭くなるため、被帯電部材近傍において対向電極の設置スペースを削減でき、被帯電部材の小型化に対応しやすい構成となる。特に、被帯電部材が、回転する回転体である場合には、画像形成装置の小型化に伴い、その径が縮小される。そのような場合であっても、本発明の帯電器構成を有することで、感光体の周囲におけるスペースを有効利用できる。
【0018】
<請求項3の発明>
請求項3の発明によれば、間隔縮小領域の特定箇所に放電が集中しにくい構成となり、安定した放電が可能となる。
【0019】
<請求項4の発明>
請求項4の発明によれば、対向電極の上端から下端に亘り間隔が次第に狭くなるため、小型化を一層図りやすい構成となる。
【0020】
<請求項5の発明>
請求項5の発明によれば、放電電極と各内面との位置関係が両対向電極において同様となるため、一方の対向電極に放電が集中せず、安定した放電を実現できることとなる。
【0021】
<請求項6の発明>
請求項6の発明によれば、放電が下端側(即ち感光体側)に集中するため、対向電極間で対流が生じにくい。また、開口部から導かれた空気が、放電の集中する方向に沿って感光体側にスムーズに流れ、その結果、放電電極の汚染を効果的に防止できることとなる。
【0022】
<請求項7の発明>
請求項7の発明によれば、開口部から感光体へと向かう空気の流れを阻害することなく感光体付近の空気をスムーズに排出することができる。
【0023】
<請求項8の発明>
請求項8の発明によれば、感光体に供給するイオンの量を好適に制御できる構成となる。
【0024】
<請求項9の発明>
請求項9の発明によれば、より小型化を図りやすい構成となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
<実施形態1>
次に本発明の実施形態1について説明する。
(1.全体構成)
図1および図2は、本発明の画像形成装置としてのレーザプリンタの一実施形態を示す要部側断面図である。図3は、プロセスカートリッジの平面図であり、図4は、プロセスカートリッジの側面図である。また、図5は、上フレームの内部構成を示すものであり、放電ワイヤの懸架構成を例示する斜視図である。
【0026】
このレーザプリンタ1は、本体ケーシング2と、その本体ケーシング2内に収容される、被記録媒体としての用紙3を給紙するためのフィーダ部4や、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成部5などを備えている。
【0027】
本体ケーシング2の一方側の側壁には、後述するプロセスカートリッジ20を着脱するための着脱口6が形成されており、その着脱口6を開閉するためのフロントカバー7が設けられている。このフロントカバー7は、その下端部に挿通されたカバー軸(図示せず)に回動自在に支持されている。これによって、フロントカバー7をカバー軸を中心として閉じると、図1に示すように、フロントカバー7によって着脱口6が閉鎖され、フロントカバー7をカバー軸を支点として開くと(傾倒させると)、図2に示すように、着脱口6が開放され、この着脱口6を介して、プロセスカートリッジ20を本体ケーシング2に対して着脱させることができる。なお、レーザプリンタ1においてプロセスカートリッジ20以外の本体部分が装置本体1aである。
【0028】
なお、本実施形態では、図1におけるフロントカバー7が設けられる側を「前側」とし、その反対側を「後側」とする。また、以下の説明では、レーザプリンタ1の前後方向をX軸方向、レーザプリンタ1の高さ方向をY軸方向とし、さらに放電電極の長手方向をZ軸方向とする。
【0029】
フィーダ部4は、本体ケーシング2内の底部に、着脱可能に装着される給紙トレイ9と、給紙トレイ9の前端部の上方に設けられる給紙ローラ10および分離パッド11と、給紙ローラ10の後側に設けられるピックアップローラ12と、給紙ローラ10の前側下方において対向配置されるピンチローラ13と、給紙ローラ10の前側上方において対向配置される紙粉取りローラ8と、給紙ローラ10の後側上方に設けられるレジストローラ14とを備えている。
【0030】
給紙トレイ9の内部には、用紙3を積層状に載置可能な用紙押圧板15が備えられている。この用紙押圧板15は、後端部において揺動可能に支持されることによって、前端部が下方に配置され、給紙トレイ9の底板16に沿う載置位置と、前端部が上方に配置され、傾斜する搬送位置とに揺動可能とされている。
【0031】
また、給紙トレイ9の前端部には、用紙押圧板15の前端部を上方に持ち上げるためのレバー17が設けられている。このレバー17は、用紙押圧板15の前側から下側へ回り込むように断面略L字状に形成されており、その上端部が、給紙トレイ9の前端部に設けられたレバー軸18に取り付けられ、その後端部が、用紙押圧板15の前端部の下面に当接している。これによって、レバー軸18に図中時計回りの回転駆動力が入力されると、レバー17がレバー軸18を支点として回転し、レバー17の後端部が用紙押圧板15の前端部を持ち上げ、用紙押圧板15を搬送位置に位置させる。
【0032】
用紙押圧板15が搬送位置に位置されると、用紙押圧板15上の用紙3は、ピックアップローラ12に押圧され、ピックアップローラ12の回転によって、給紙ローラ10と分離パッド11との間に向けて搬送開始される。
【0033】
一方、給紙トレイ9を本体ケーシング2から離脱させると、用紙押圧板15は、その自重によって、前端部が下方に移動し、用紙押圧板15が載置位置に位置される。用紙押圧板15が載置位置に位置されると、用紙押圧板15上に用紙3を積層状に載置することができる。
【0034】
ピックアップローラ12によって給紙ローラ10と分離パッド11との間に向けて送り出された用紙3は、給紙ローラ10の回転によって、給紙ローラ10と分離パッド11との間に挟まれたときに、確実に1枚ごとに捌かれて給紙される。給紙された用紙3は、給紙ローラ10とピンチローラ13との間を通り、紙粉取りローラ8によって、紙粉が取り除かれた後、レジストローラ14に搬送される。
【0035】
レジストローラ14は、1対のローラから構成され、用紙3を、レジスト後に、後述する感光体29と転写ローラ32との間であって、感光体29上のトナー像を用紙3に転写する転写位置に搬送する。感光体29は、特許請求の範囲でいう被帯電部材に相当する。
【0036】
画像形成部5は、スキャナ部19、プロセスカートリッジ20、定着器21などを備えている。
【0037】
スキャナ部19は、本体ケーシング2内の上部に設けられ、図示しないレーザ光源、回転駆動されるポリゴンミラー22、fθレンズ23、反射鏡24、レンズ25および反射鏡26などを備えている。レーザ光源から発光される画像データに基づくレーザビームは、鎖線で示すように、ポリゴンミラー22で偏向されて、fθレンズ23を通過した後、反射鏡24によって光路が折り返され、さらにレンズ25を通過した後、反射鏡26によってさらに光路が下方に屈曲されることにより、プロセスカートリッジ20の後述する感光体29のドラム本体34の表面上に照射される。
【0038】
プロセスカートリッジ20は、スキャナ部19の下方において、本体ケーシング2に対して着脱自在に装着されている。このプロセスカートリッジ20は、筐体として、上フレーム27と、上フレーム27と別体に形成されて、上フレーム27と組み合わされる下フレーム28とを備えている。また、プロセスカートリッジ20は、図6に示すように、筐体内に、感光体29、帯電器としてのスコロトロン型帯電器30(以下、単に帯電器30ともいう)、現像カートリッジ31、転写ローラ32、およびクリーニングブラシ33を備えている。
【0039】
感光体29は、円筒形状をなし、最表層がポリカーボネートなどからなる正帯電性の感光層により形成されるドラム本体34と、このドラム本体34の軸心において、ドラム本体34の長手方向に沿って延びる金属製のドラム軸35とを備えている。ドラム軸35が上フレーム27に支持され、このドラム軸35に対してドラム本体34が回転自在に支持されることにより、感光体29は、上フレーム27において、ドラム軸35を中心に回転自在に設けられている。
【0040】
スコロトロン型帯電器30は、上フレーム27に支持されており、感光体29の後側斜め上方において、感光体29と接触しないように所定間隔を隔てて、感光体29と対向配置されている。このスコロトロン型帯電器30は、放電ワイヤ37と、感光体29の軸方向に所定間隔を隔てて対向配置された対向電極38a、38a(図6)と、放電ワイヤ37と感光体29との間に設けられ、放電ワイヤ37から感光体29への放電量を制御するための後述のグリッド電極38bとを備えている。このスコロトロン型帯電器30では、対向電極38a、38a、及びグリッド電極38bにバイアス電圧を印加すると同時に、放電ワイヤ37に高電圧を印加して、放電ワイヤ37をコロナ放電させることにより、感光体29の表面を一様に正極性に帯電させることができる。放電ワイヤ37が特許請求の範囲でいうワイヤに相当する。
【0041】
なお、このスコロトロン型帯電器30には、放電ワイヤ37をクリーニングするための後述するワイパ36が、放電ワイヤ37を挟持するように設けられている。
【0042】
現像カートリッジ31は、後側が解放されるボックス状に形成され、下フレーム28に対して着脱自在に装着されている。この現像カートリッジ31内には、トナー収容室39、供給ローラ40、現像ローラ41および層厚規制ブレード42が設けられている。
【0043】
トナー収容室39は、仕切板43によって仕切られる現像カートリッジ31の前側の内部空間として形成されている。トナー収容室39内には、現像剤として、正帯電性の非磁性1成分のトナーが充填されている。このトナーとしては、重合性単量体、たとえば、スチレンなどのスチレン系単量体や、アクリル酸、アルキル(C1〜C4)アクリレート、アルキル(C1〜C4)メタアクリレートなどのアクリル系単量体を、懸濁重合などによって共重合させることにより得られる重合トナーが用いられている。このような重合トナーは、略球状をなし、流動性が極めて良好であり、高画質の画像形成を達成することができる。
【0044】
なお、このようなトナーには、カーボンブラックなどの着色剤やワックスなどが配合され、また、流動性を向上させるために、シリカなどの外添剤が添加されている。トナーの平均粒径は、約6〜10μmである。
【0045】
また、トナー収容室39内には、アジテータ44が設けられている。トナー収容室39内のトナーは、アジテータ44により攪拌されて、仕切板43の下方において前後方向に連通する開口部45から供給ローラ40に向かって放出される。
【0046】
供給ローラ40は、開口部45の後側に配置されて、現像カートリッジ31に回転可能に支持されている。この供給ローラ40は、金属製のローラ軸を、導電性の発泡材料からなるローラで被覆することにより構成されている。この供給ローラ40は、図示しないモータからの動力の入力により回転駆動される。
【0047】
現像ローラ41は、供給ローラ40の後側において、供給ローラ40と互いに圧縮されるように接触した状態で、現像カートリッジ31に回転可能に支持されている。また、現像ローラ41は、現像カートリッジ31が下フレーム28に装着された状態で、感光体29に対向して接触する。この現像ローラ41は、金属製のローラ軸96を、導電性のゴム材料からなるローラで被覆することにより構成されている。ローラ軸96は、現像カートリッジ31の後端部において、その両端部が現像カートリッジ31の側面から前後方向と直交する幅方向外方に突出している(図3および図4参照)。現像ローラ41のローラは、カーボン微粒子などを含む導電性のウレタンゴムまたはシリコーンゴムからなるローラ本体の表面に、フッ素が含有されているウレタンゴムまたはシリコーンゴムのコート層が被覆されている。現像ローラ41には、現像時に現像バイアスが印加される。また、現像ローラ41は、図示しないモータからの動力の入力により、供給ローラ40と同じ方向に回転駆動される。
【0048】
層厚規制ブレード42は、金属の板ばね材からなるブレード本体46の先端部に、絶縁性のシリコーンゴムからなる断面半円形状の押圧部47を備えている。この層厚規制ブレード42は、現像ローラ41の上方において現像カートリッジ31に支持されて、押圧部47がブレード本体46の弾性力によって現像ローラ41上に圧接されている。
【0049】
開口部45から放出されたトナーは、供給ローラ40の回転により、現像ローラ41に供給され、このとき、供給ローラ40と現像ローラ41との間で正に摩擦帯電される。現像ローラ41上に供給されたトナーは、現像ローラ41の回転に伴って、層厚規制ブレード42の押圧部47と現像ローラ41との間に進入し、ここでさらに帯電されて一定厚さの薄層として現像ローラ41上に担持される。
【0050】
転写ローラ32は、下フレーム28に回転自在に支持されており、上フレーム27と下フレーム28とが組み合わされた状態において、感光体29と上下方向において対向して接触し、感光体29との間にニップを形成するように配置されている。この転写ローラ32は、金属製のローラ軸108を、導電性のゴム材料からなるローラで被覆することにより構成されている。転写ローラ32には、転写時に転写バイアスが印加される。また、転写ローラ32は、図示しないモータからの動力の入力により、感光体29と反対方向に回転駆動される。
【0051】
クリーニングブラシ33は、下フレーム28に取り付けられており、上フレーム27と下フレーム28とが組み合わされた状態において、感光体29の後側において、感光体29と対向して接触するように配置されている。
【0052】
感光体29の表面は、その感光体29の回転に伴って、まず、スコロトロン型帯電器30により一様に正帯電された後、スキャナ部19からのレーザビームの高速走査により露光され、用紙3に形成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。
【0053】
次いで、現像ローラ41の回転により、現像ローラ41上に担持されかつ正帯電されているトナーが、感光体29に対向して接触するときに、感光体29の表面上に形成されている静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光体29の表面のうち、レーザビームによって露光され電位が下がっている露光部分に供給される。これにより、感光体29の静電潜像は、可視像化され、感光体29の表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
【0054】
その後、感光体29の表面上に担持されたトナー像は、図1に示すように、レジストローラ14によって搬送されてくる用紙3が、感光体29と転写ローラ32との間の転写位置を通る間に、転写ローラ32に印加される転写バイアスによって、用紙3に転写される。トナー像が転写された用紙3は、定着器21に搬送される。
【0055】
なお、転写後に感光体29上に残存する転写残トナーは、現像ローラ41に回収される。また、転写後に感光体29上に付着する用紙3からの紙粉は、クリーニングブラシ33によって回収される。
【0056】
定着器21は、プロセスカートリッジ20の後側に設けられ、定着フレーム48と、その定着フレーム48内に、加熱ローラ49および加圧ローラ50とを備えている。
【0057】
加熱ローラ49は、表面がフッ素樹脂によってコーティングされた金属管と、その金属管内に加熱のためのハロゲンランプとを備え、図示しないモータからの動力の入力により回転駆動される。
【0058】
加圧ローラ50は、加熱ローラ49の下方において、加熱ローラ49を押圧するように対向配置されている。この加圧ローラ50は、金属製のローラ軸を、ゴム材料からなるローラで被覆することにより構成されており、加熱ローラ49の回転駆動に従って従動される。
【0059】
定着器21では、転写位置において用紙3上に転写されたトナーを、用紙3が加熱ローラ49と加圧ローラ50との間を通過する間に熱定着させる。トナーが定着した用紙3は、本体ケーシング2の上面に向かって上下方向に延びた排紙パス51に搬送される。排紙パス51に搬送された用紙3は、その上側に設けられる排紙ローラ52によって、本体ケーシング2の上面に形成された排紙トレイ53上に排紙される。
【0060】
2.プロセスカートリッジの構成
(フレーム構成)
図3に示すように、プロセスカートリッジ20に設けられた上フレーム27は、左側壁54、右側壁55および上壁56を一体的に備えている。
左側壁54は、図3、図4に示すように、ドラム本体34に幅方向(感光体29の軸方向)一方側(以下、この幅方向一方側を左側、幅方向他方側を右側とする。)から対向する左下側板部57と、左下側板部57の上端縁から右側に向かって延び、後述するドラムギア81を上側から被覆する延設板部58と、延設板部58の右側端縁から上方に延びた左上側板部59とを備えている。
【0061】
左下側板部57には、このドラム軸35を支持する軸受部材66が嵌め込まれており、軸受部材66に形成されら図示しない孔にドラム軸35が挿通されている。
【0062】
左上側板部59には、図4に示すように、その前側に、スコロトロン型帯電器30の放電ワイヤ37への給電のためのワイヤ用端子61が設けられており、その後側には、スコロトロン型帯電器30の対向電極38への給電のための対向電極用端子62が設けられている。また、左上側板部59の上端縁は、前後方向において、略水平に延びた水平部分と、この水平部分の後端から、斜め下方に向けて延びた傾斜部分とで形成されている。
【0063】
右側壁55は、図3に示すように、平板状に形成され、ドラム本体34と右側から対向している。右側壁55の上端縁は、左上側板部59の上端縁に対応して、前後方向において、略水平に延び、左上側板部59の上端縁の水平部分と互いに対向する水平部分と、この水平部分の後端から、斜め下方に向けて延び、左上側板部59の上端縁の傾斜部分と互いに対向する傾斜部分とで形成されている。また、右側壁55には、軸受部材67が嵌め込まれており、この軸受部材67に形成された図示しない孔にドラム軸35が挿通されている。
【0064】
上述したように、左右に配置されている各軸受部材66,67を介して、感光体29のドラム軸35が支持されており、ドラム軸35の両端部は、各軸受部材66,67から左右方向外方に突出し、その両端部には、止め部材78が外嵌されている。そして、この止め部材78によりドラム軸35の抜け止めがなされている。左側の軸受部材66から突出したドラム軸35の端部には、プロセスカートリッジ20が本体ケーシング2に装着された状態で、ドラム軸35を接地するための本体ケーシング2に設けられる図示しないアースが接続される。
【0065】
また、ドラム軸35は、各軸受部材66,67の間において、ドラム本体34を相対回転可能に支持している。ドラム本体34の軸方向左側端部にはギア部材(図示略)が装着されており、このギア部材に対し図示しないメインモータからの動力を伝達されることによりドラム本体34(図1、図2参照)が回転するように構成されている。
【0066】
また、上壁56は、図3に示すように、上水平部64および上傾斜部65を備えている。上水平部64は、左上側板部59の上端縁の水平部分と右側壁55の上端縁の水平部分との間に架設されている。
【0067】
上水平部64は、感光体29の上方に配置されている(図6参照)。また、この上水平部64には、スキャナ部19からの高速走査されるレーザビームを入射させるためのレーザ入射窓641が、平面視において略矩形状に開口されている。また、レーザ入射窓641に隣接して後述する複数の通気路162が設けられている。
【0068】
上傾斜部65は、左上側板部59の上端縁の傾斜部分と右側壁55の上端縁の傾斜部分との間に架設されている。この上傾斜部65は、前後方向において上水平部64と所定間隔を隔てて、感光体29の後側斜め上方に配置されている。この上傾斜部65には、後述するスコロトロン型帯電器30が設けられている(図6参照)。図5に示すように、放電ワイヤ37は、上傾斜部65において、左上側板部59と右側壁55の間に張設されており、また、対向電極38a、38a、及びグリッド電極38bは、上傾斜部65において、左上側板部59と右側壁55との間に架設されている。
【0069】
また、図3に示すように、下フレーム28は、1対の側壁92が設けられており、図4のように、左側の側壁92には、転写電極113を露出させるための開口部111が形成されている。また、左側の側壁92には、クリーニングブラシ33にクリーニングバイアスを印加するためのクリーニング電極104が設けられている。
(帯電器の構成)
次に、スコロトロン型帯電器30について詳しく説明する。
図6は、図3に示す切断線B−Bにおける断面図をダクトの断面図と対応させて示すものである。図7は、帯電器と感光体との関係を説明する説明図である。図8は、対向電極及びグリッド電極を例示する斜視図である。また、図9は、図6の一部を拡大して説明する説明図である。なお、本発明に係る帯電器では、放電ワイヤ37と感光体29とが対向する対向方向D2(図7参照)において、放電ワイヤ37に対して感光体29側を下方とし、それとは反対側を上方する。
【0070】
図6に示すように、スコロトロン型帯電器30は、感光体29と対向するように配置されており、放電電極に相当する放電ワイヤ37と、放電ワイヤ37と距離を隔てて配置される対向電極38a、38a、及びグリッド電極38bとを備えた構成をなしている。そして、これら放電ワイヤ37と対向電極38a、38a、及びグリッド電極ととによりコロナ放電を生じさせ、回転する感光体29を帯電させるように構成されている。
【0071】
対向電極38a、38aは、放電ワイヤ37を挟むように当該放電ワイヤ37における感光体29の回転方向Rの両側に配置される一対の壁部として構成されている。図7に示すように、この対向電極38a、38aは、対向方向D2において放電ワイヤ37の放電部(本実施形態では、放電ワイヤ37における架設領域C1(図5)内の部分が放電部に相当する)よりも上方位置から下方側に向かうにつれ、対向電極38a、38aの間隔が次第に狭くなるように構成されている。なお、対向方向D2は、架設領域C1(図5)における放電ワイヤ37の軸心と感光体の回転中心J(即ちドラム軸35の軸心)とを、それぞれに直交するように結ぶ方向である。
【0072】
図7に示すように、対向電極38a、38aはそれぞれ、対向方向D2において上端部38d、38dの位置がほぼ同位置とされ、かつ対向方向D2における下端部38e、38eの位置がほぼ同位置とされている。そして、対向方向D2において上端部38d、38dが設けられた上端位置から下端部38e、38eが設けられた下端位置に亘り、対向電極38a、38aの間隔が次第に狭くなるように構成されている。即ち、対向電極38a、38aの間隔が次第に狭くなる間隔縮小領域C2は、対向方向D2における両対向電極38a、38aが互いに向かい合う領域の上端から下端に亘って構成されている。
【0073】
図7、図8に示すように、対向電極38a、38aの間隔が次第に狭くなる間隔縮小領域C2の全体に亘り、対向電極38a、38aの放電ワイヤ37に向く内面38c、38cが共に平面とされている。対向電極38a、38aは、板状のグリッド電極38bからそれぞれ折り曲げられた構成をなしており、両対向電極38a、38aは共に全体的に平坦に構成されている。図7に示すように、対向電極38a、38aの折り曲げ位置が間隔縮小領域C2の下端位置とされている。
【0074】
また、図7に示すように、放電ワイヤ37と感光体29の回転中心Jとを結ぶ面D1と、対向電極38a、38aにおける放電ワイヤ37に向くの内面38c、38cとのなす角度θ1、θ2が、両対向電極38a、38aにおいて互いに等しくなるように構成されている。ここでの面D1は、架設領域C1(図5参照)における放電ワイヤ37の軸心と、回転中心J(ドラム軸35の軸心)とを結ぶ面である。
【0075】
また、図8では、対向電極38a、38aと放電ワイヤ37(破線)とを対応させて示しているが、本実施形態では、放電ワイヤ37と各対向電極38a、38aの長手方向とが平行とされており、図7に示すように、放電ワイヤ37と、各対向電極38a、38aとの距離L1、L2が互いに等しくなるように帯電器30が構成されている。また、帯電器30は、これら距離L1、L2が、放電ワイヤ37とグリッド電極38bとの距離L3と等しくなるように構成されている。距離L1は、感光体29の軸方向における断面(即ち、感光体29の軸方向と直交する方向に切断する切断面)において、放電ワイヤ37から、当該放電ワイヤ37に対して感光体29の回転方向上流側(図7では左側)に位置する一方の対向電極38aに下ろした垂線の長さに相当する。また、距離L2は、感光体29の軸方向における断面(感光体29の軸方向と直交する方向に切断する切断面)において、放電ワイヤ37から、当該放電ワイヤ37に対して感光体29の回転方向下流側(図7では右側)に位置する一方の対向電極38aに下ろした垂線の長さに相当する。距離L3は、感光体29の軸方向における断面(感光体29の軸方向と直交する方向に切断する切断面)において、放電ワイヤ37からグリッド電極38bに下ろした垂線の長さに相当する。
【0076】
図7及び図9に示すように、対向方向D2における対向電極38a、38aの上端部38d、38dの間に、当該対向電極38a、38aの外部から空気を導く開口部123(開口部123は、特許請求の範囲でいう「開口部」に相当する)が設けられている。上フレーム27における開口部123の上方において上端部38d、38dの間の領域には、開口部123に空気を導くスリット125(図5参照)が形成されている。一方、対向方向D2における対向電極38a、38aの下端部38e、38e間に設けられたグリッド電極38bには、所定領域に亘って複数のスリットが設けられている。
【0077】
このように、対向電極38a、38aの間隔が、感光体29に近づくにつれ次第に狭くなるように構成されていることにより放電が感光体29側に集中しやすくなる。図10は、このような放電の集中について概念的に説明する説明図であり、放電の際の帯電器30における電界について電気力線Eを用いて概念的に示している。本実施形態の構成では、図10のように、対向電極38a、38aは、放電ワイヤ37の放電部よりも上方位置から下方側に向かうにつれて間隔が次第に狭くなるように構成されており、対向電極38a、38aにおいて放電ワイヤ37から最短距離となる位置(即ち、感光体29の軸方向における断面において、放電ワイヤ37から各対向電極38a、38aに垂線を下ろした位置(図7のL1,L2参照))が、放電ワイヤ37の真横位置(即ち、図10において対向方向D2と直交する方向を横方向とした場合の真横位置P4,P5)よりも感光体29寄りの位置となるため、放電の際に対向電極38a、38aと放電ワイヤ37との間に構成される電界の電気力線Eは、図10のように感光体29側の密度が高くなる。他方、帯電器30は、放電ワイヤ37の上方が開放され、下方側にはグリッド電極38bが設けられているため、放電の際の電界は、放電ワイヤ37の上方側に電気力線が構成されず、下方側のグリッド電極38b付近の電気力線の密度が高くなる。このように電界が構成されることにより、対向電極38a、38aにおける放電ワイヤ37の真横位置P4、P5よりも感光体29寄りの位置に放電が生じやすくなる。
【0078】
図9に示すように、感光体29の回転方向下流側の対向電極38aの外側には、開口部123から感光体29へと向かう空気を、開口部123と感光体29との間に構成される流路とは異なる経路で導く通気路162が設けられている。なお、通気路162については後述する。
【0079】
3.空気流路構成
次に、空気の流路について説明する。
なお、図11は、プロセスカートリッジ20、ダクト150、及び両フレーム172,173の配置を説明する平面図であり、図12は、プロセスカートリッジ20、ダクト150、及び一方のフレーム172の配置関係を説明する斜視図である。また、図13は、図12を側方から見た図である。
【0080】
図6及び図9に示すように、帯電器30の周囲には、帯電器側空間131が構成されている。この帯電器側空間131は、図1、図2に示すように、プロセスカートリッジ20を収容するカートリッジ収容部130の内面と帯電器30の外面とによって囲まれる空間として構成されるものである。一方、カートリッジ収容部130の後側には、定着器側空間141が構成されている。この定着器側空間141は、定着器21の周囲に構成される空間であり、開口部135を介してカートリッジ収容部130と連通する定着器収容部140により構成されている。定着器収容部140は、定着器21の周囲を囲む部分(底部140a(図1)、天井部140b(図2)、側部フレーム172、173(図11参照)によって構成されるものである。
【0081】
図9に示すように、プロセスカートリッジ20における帯電器30よりも定着器21(図1)側の外面には、開口部135の閉塞面積を大きくする閉塞リブ160が設けられている。閉塞リブ160は、帯電器側空間131と定着器側空間141とを仕切り、かつ定着器側空間141からの空気が帯電器側空間131に流入するのを抑制するように機能する。図1に示すように、開口部135は、プロセスカートリッジ20の外面によって閉塞される構成をなしており、閉塞リブ160の存在により、開口部135の閉塞面積が大きくされている。図3に示すように、閉塞リブ160は、放電ワイヤ37の長手方向(感光体29の軸方向、即ち図3のZ軸方向)に沿って形成されている。そして、閉塞リブ160は、長手方向(Z軸方向)において少なくとも放電ワイヤ37が架設される架設領域C1全体に渡って設けられている。
【0082】
放電ワイヤ37は、図5に示すように、上フレーム27に一端が係止され、他端が付勢手段としてのねじりコイルばね121により引っ張られる構成をなしており、適度な張力にて架設されている。上フレーム27には、放電ワイヤ37を支持する一対の支持壁27a、27bが設けられており、この一対の支持壁27a、27bによって支持される位置が支持位置P2,P3とされ、長手方向におけるP2,P3の間の領域が架設領域C1(図3も参照)とされている。
【0083】
レーザプリンタ1には、図11に示すように、放電ワイヤ37の長手方向両側において、壁状に構成されたフレーム172、173が対向配置されている。そして、図9に示す帯電器側空間131は、フレーム172に形成された通気孔174を介してレーザプリンタ1の外部と連通している。この帯電器側空間131は、開口部リブ151、後述する仕切部153、閉塞リブ160、及び帯電器30によって上下前後を囲まれ、放電ワイヤ37の長手方向(Z軸方向(図3))に沿う長手状の空間として構成されており、側部はフレーム172、173によって囲まれる構成をなしている。そして、その一端側のフレーム172において、図6、図9にて示す通気孔174が構成されている。
【0084】
また、図12、図13に示すように、フレーム172には、帯電器側空間131から空気を引き込み、帯電器30から感光体29へと向かう気流を発生させるファン170が、通気孔174から所定距離離れた別位置に設けられている。ファン170は、後述するダクト150、通気路162、帯電器30を介して帯電器側空間131と連通しており、帯電器側空間131の空気を引き込み、帯電器30から感光体29へと向かう気流を発生させるように機能する。
【0085】
また、図9に示すように、感光体29のドラム本体34の外周面34aにおける、帯電器30が対向する帯電位置P0と、露光手段による露光位置P1(即ち、レーザビームLBの照射位置)との間に、帯電器30から感光体29へ向かって流れた気流を、感光体29から離れる向きに導出する通気路162が設けられている。帯電器30には、放電ワイヤ37の長手方向に沿って、対向して配置される一対の支持壁163、164が設けられており、この支持壁163、164の内側を帯電器側空間131から感光体29に向けて空気が流れ、さらにその空気が外周面34a付近でUターン状に流れて通気路162にて導出される。ここでは、支持壁164の一方面に、対向電極38a、38aのうちの片方が支持され、他方面が通気路162の内面とされている。なお、図9では、帯電器側空間131からの空気の流れを矢印F1,F2,F3にて概念的に示している。このように通気路162が構成されることにより、感光体29側にスムーズにイオンを供給しつつ、その一方で、感光体29の露光部にコロナ放電によって発生したイオンが当たりにくい構成とすることができ、露光部を再度帯電してしまうことを防止できる構成が実現されることとなる。その結果、再度帯電してしまうことに起因する画像品質の劣化を効果的に防止できることとなる。
【0086】
通気路162から導出される空気は、プロセスカートリッジ20の外部における、帯電器側空間131とは仕切られた空間166に送られ、ダクト150、及びファン170の設けられる排出孔171を介して外部に排出されることとなる。帯電器側空間131と、空間166とは、長手方向に沿って帯電器側空間131の上方を閉塞するように構成された仕切部153によって仕切られている。仕切部153は、通気路162から空間166に向かって流れた気流が、帯電器側空間131に再流入することを防止している。
【0087】
また、図12、図13に示すように、レーザプリンタ1における一方のフレーム172には、帯電器側空間131から感光体29側に流れた空気をレーザプリンタ1の外部へと排出する排出孔171が設けられており、ダクト150は、図9に示すように、通気路162からの導出された仕切部153の上方の空間166の空気を、複数の経由孔155を介して取り込み、図12のように排出孔171側に誘導する流路として構成されている。
【0088】
通気孔174と排出孔171は、対向配置されたフレーム172、173のうちのフレーム172のみに形成されている。そして、長手方向において通気孔174及び排出孔171が形成されていないフレーム173寄りの位置に、帯電器側空間131から感光体29側に流れた空気を経由させるようにダクト150の経由孔155が設けられている(図12)。図9に示すように、ダクト150は、内部流路156を有し、通気孔174から流入して経由孔155を経由した空気を、帯電器側空間131とは異なる経路で排出孔171に導くように構成されている。また、図12に示すように、ダクト150における経由孔155と排出孔171の間にはオゾンフィルタ157が設けられている。オゾンフィルタ157は、空気の流れる方向に対してフィルタ外面が傾斜(本実施形態では、帯電ワイヤ37の長手方向に対して傾斜)して配置されており、コロナ放電によって生じたオゾンを除去するように機能する。なお、図12では、ダクト150の内部構成を示すように上方のカバー部158(図9参照)を省略している。また、図12では、空間166(図9)の空気が複数の経由孔155に取り込まれる流れを矢印E1〜E5にて概念的に示しており、複数の経由孔155によって取り込まれた空気がオゾンフィルタ157を介して排出孔171から抜ける流れを矢印G1〜G5にて示している。
【0089】
また、図11、図12に示すレーザプリンタ1おいて、通気孔174及び排出孔171が設けられていない側(即ち、フレーム173側(図11))には、感光体29(図1等)を駆動する駆動機構が設けられている。また、プロセスカートリッジ20において、フレーム173側には、放電ワイヤ37に電力を供給するためのワイヤ用端子61、対向電極用電極62が設けられている(図9も参照)。これらワイヤ用端子61、対向電極用電極62と電気的に接続するように、フレーム173には、高電圧を印加可能な高圧電源基板(図示略)が取り付けられている。高圧電源基板には、高電圧を印加可能な電源回路(図示略)が設けられており、この電源回路と電気的に接続され、導電性及び弾性を有する線材で形成された複数本の図示しない給電部材が、フレーム173の内面に設けられている。これら給電部材が、プロセスカートリッジ20の装着時に、ワイヤ用端子61、対向電極用電極62にそれぞれ接触し、各給電部材を介して電源回路の電圧を印加する構成となっている。このように、フレーム173側には、上述のモータや高圧電源基板などが設けられ、それに関連する各種部品が密度高く配置されているため、上述したような通気孔174や排出孔171を設けにくい。しかしながら、本構成では、通気孔174や排出孔171をフレーム172側に集中して配置し、逆のフレーム173側には上述の駆動機構や供給機構を設けるようにしているため効率的な配置がなされている。
【0090】
なお、本発明では、図7に示すように、対向方向D2に関し放電をより感光体29側に集中させることができ、放電によって発生するイオンを効率よく感光体29に供給できる。また、感光体29側に向かうにつれ対向電極38a、38aの間隔が次第に狭くなるため、特に感光体29近傍において対向電極38a、38aの設置スペースを削減でき、感光体29の小型化に対応しやすい構成となる。特に、対向電極38a、38aは、放電ワイヤ37の放電部よりも上方位置から下方側に向かうにつれて間隔が次第に狭くなるように構成されているため、対向電極38a、38aの設置スペース削減効果が大きく、感光体の小型化を図る上でより一層対応しやすい構成となる。
【0091】
また、図7、図8のように、対向電極38a、38aの間隔が次第に狭くなる間隔縮小領域C2の全体に亘り、両対向電極38a、38aの内面38c、38cが共に平面とされているので、凹凸が存在せず、間隔縮小領域C2の特定箇所に放電が集中しにくい構成となり、安定した放電が可能となる。
【0092】
さらに、対向方向における対向電極38a、38aの上端から下端に亘り、対向電極38a、38aの間隔が次第に狭くなっているので、スペース削減効果が大きく、小型化を一層図りやすい。
【0093】
また、図7のように、放電ワイヤ37と感光体29の回転中心とを結ぶ面D1と、対向電極38a、38aにおける各内面38c、38cとのなす角度θ1、θ2が、両対向電極において互いに等しくなるように構成されているので、放電ワイヤ37と各内面38c、38cとの位置関係が両対向電極において同様となるため、一方の対向電極に放電が集中せず、安定した放電を実現できることとなる。
【0094】
上述したように、対向電極38a、38aは、放電が下端側(即ち感光体29側)に集中しやすい構成をなし、かつ、図7のように、対向方向D2における対向電極38a、38aの上端部38d、38dの間に、外部から空気を導く開口部123が設けられているので、放電の集中により、下端側(放電の集中する方向)に空気の流れが発生し、開口部123から導かれた空気が感光体29側にスムーズに流れ、その結果、放電ワイヤ37の汚染を効果的に防止できることとなる。
【0095】
さらに、図9のように、対向電極38a、38aの外側には、開口部123から感光体29へと向かう空気を、開口部123と感光体29との間に構成される流路とは異なる経路で導く通気路162が設けられているので、開口部123から感光体29へと向かう空気の流れを阻害することなく感光体29付近の空気をスムーズに排出することができる。
【0096】
また、図7に示すように、対向方向D2における対向電極38a、38aの下端部38e、38eの間にグリッド電極38bが設けられているので、感光体29に供給するイオンを好適に制御できることとなる。
【0097】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、帯電器としてスコロトロン型帯電器30を例示したが、本発明はグリッド電極を有さないコロトロン型の帯電器によって実現されてもよい。
(2)上記実施形態では、プロセスカートリッジ20に帯電器30が設けられる構成を示したが、画像形成装置においてプロセスカートリッジ以外の部分を本体部分とした場合、帯電器は、その本体部分に設けられるような構成であってもよい。
(3)上記実施形態では、放電電極がワイヤとして構成される例を示したが、放電電極は、先鋭に構成される複数の先鋭部が一体的に形成されてなる金属板であってもよい。例えば、金属板において先鋭部が感光体の軸方向において複数並んで配置され、これら先鋭部と、上記実施形態と同様の対向電極とが対向する構成であってもよい。この場合、先鋭部が放電電極の放電部に相当する。また、この場合、金属板に形成された複数の先鋭部の先端を結ぶ線が対向電極の長手方向及び感光体の軸方向と平行となるように構成できる。
(4)上記実施形態では、ファン170によって気流を発生するように構成されていたが、ファン170を省略し、スコロトロン型帯電器30のみによって気流が発生する構成であってもよい。即ち、コロナ放電によって生じたイオンが自発的に生じる流れ(イオン風)によって気流が発生するように構成されていてもよい。
(5)上記実施形態では、図7のように対向方向D2において対向電極38a、38aの上端から下端に亘り間隔縮小領域C2が設けられていたが、間隔縮小領域の上端は放電電極の放電部よりも上方位置(即ちC3の領域)であれば、対向電極の上端にまで至っていなくてもよい。図7を参照して一例を説明すると、例えば、対向方向D2において、領域C3内の所定位置から対向電極の下端に亘って間隔縮小領域が構成されるようなものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の画像形成装置としてのレーザプリンタの一実施形態を示す要部側断面図であり、フロントカバーを閉じた状態を示す図
【図2】図1に示すレーザプリンタの要部側断面図であり、フロントカバーを開いた状態を示す図
【図3】図1に示すプロセスカートリッジの平面図
【図4】図1に示すプロセスカートリッジの側面図
【図5】上フレームの内部構成を示すものであり、放電ワイヤの懸架構成を例示する斜視図
【図6】図3に示す切断線B−Bにおける断面図
【図7】帯電器と感光体との関係を説明する説明図
【図8】対向電極を例示する斜視図
【図9】図6の一部を拡大して説明する説明図
【図10】帯電器での放電について説明する説明図
【図11】プロセスカートリッジ、ダクト、及び両フレームの配置を説明する平面図
【図12】プロセスカートリッジ、ダクト、及び一方のフレームの配置関係を説明する斜視図
【図13】プロセスカートリッジ、ダクト、及び一方のフレームの配置関係を説明する図であり、図11を側方から見た図
【符号の説明】
【0099】
1…レーザプリンタ(画像形成装置)
20…プロセスカートリッジ
29…感光体(被帯電部材)
30…スコロトロン型帯電器(帯電器)
37…放電ワイヤ(放電電極)
38a…対向電極
38b…グリッド電極
38c…内面
38d…上端部
38e…下端部
123…開口部
162…通気路
C2…間隔縮小領域
D1…放電電極と感光体の回転中心とを結ぶ面
D2…対向方向
J…感光体の回転中心
R…回転方向
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯電器、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、レーザプリンタに用いられる帯電器として、放電ワイヤとグリッドとを有してなるスコロトロン型の帯電器が知られている。例えば、特許文献1にて示されるスコロトロン型の帯電器では、放電電極に対向するグリッド部と左右両側板とを有しており、グリッド部は、感光体ドラムと対向する表面板とグリッドワイヤとを備えた構成をなしている。一方、対向電極として構成される左右両側板はグリッド部の表面板から略直角に折り曲げられた構成をなしている。
【特許文献1】特開2003−140438公報(第5図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、現在では、画像形成装置を小型化しようとする試みがなされている。このように画像形成装置の小型化を図るための有効な方法としては、例えば、感光体ドラムの径を縮小し、その径の縮小に対応させて感光体ドラムの周囲に配置すべき帯電器、現像手段、転写手段、クリーニング手段、及び、除電手段等の各部材をより密に配置することが考えられる。
【0004】
しかしながら、感光体ドラムの径を縮小した場合、それに伴い周の長さも短くなるため、感光体ドラムの周囲において、帯電器をそれ以外の各部材と周方向に並べて配置しようとした場合、帯電器と各部材とが干渉しやすくなってしまう。従って、感光体ドラムの周囲において他部材と干渉しにくく、スペース的な制約を効果的に低減し得る帯電器構成が望まれる。
【0005】
一方、帯電器は、コロナ放電によって生じたイオンを感光体に供給する構成をなしているが、発生したイオンがあまり感光体に供給されにくい非効率な構成では、感光体に対する適切なイオン供給量を確保するために放電量をより大きくしなければならず、その結果、装置負担が大きくなってしまう。このような事情から、発生したイオンが感光体に供給されやすく、放電を効率的に行うことができる構成も望まれている。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいてなされたものであって、感光体の小型化に対応しやすい構成を実現しつつ、その一方で、放電によって発生するイオンを効率よく感光体に供給し得る構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、被帯電部材と対向するように配置され、放電電極と、前記放電電極と距離を隔てて配置される一対の対向電極とによりコロナ放電を生じさせて、前記被帯電部材を帯電させる帯電器であって、前記対向電極は、前記放電電極を挟むように対向配置され、前記対向電極の間隔が、前記被帯電部材に近づくにつれ次第に狭くなるように構成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の帯電器において、前記被帯電部材は、回転する感光体であり、前記対向電極は、前記放電電極を挟むように当該放電電極における前記感光体の回転方向の両側に対向配置され、前記放電電極と前記感光体とが対向する対向方向において、前記放電電極に対して感光体側を下方とし、それとは反対側を上方とした場合、前記対向電極は、前記対向方向において前記放電電極の放電部よりも上方位置から下方側に向かうにつれて間隔が次第に狭くなるように構成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2に記載の帯電器において、前記対向電極の間隔が次第に狭くなる間隔縮小領域の全体に亘り、前記対向電極の前記放電電極に向く内面が共に平面とされていることを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3に記載の帯電器において、前記対向方向における前記対向電極の上端から下端に亘り、前記対向電極の間隔が次第に狭くなることを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の帯電器において、前記放電電極と前記感光体の回転中心とを結ぶ面と、前記前記対向電極における前記放電電極に向く内面とのなす角度が、両対向電極において互いに等しくなるように構成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項2ないし請求項5のいずれか記載の帯電器において、前記対向方向における前記対向電極の上端部間に、当該対向電極の外部から空気を導く開口部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、請求項6に記載の帯電器において、前記対向電極の外側には、前記開口部から前記感光体へと向かう空気を、前記開口部と前記感光体との間に構成される流路とは異なる経路で導く通気路が設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項8の発明は、請求項2ないし請求項7のいずれかに記載の帯電器において、前記対向方向における前記対向電極の下端部間にグリッドが設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項9の発明は、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の帯電器において、前記放電電極はワイヤであることを特徴とする。
【0016】
請求項10の発明は、プロセスカートリッジにおいて、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の帯電器が設けられていることを特徴とする。
請求項11の発明は、画像形成装置において、請求項10に記載のプロセスカートリッジが設けられていることを特徴とする。
請求項12の発明は、画像形成装置において、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の帯電器が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
<請求項1、2、10、11、12の発明>
請求項1、2、10、11、12の発明によれば、対向電極を平行に構成した場合と比べて放電をより被帯電部材側に集中させることができ、放電によって発生するイオンを効率よく被帯電部材に供給できる。また、被帯電部材側に近づくにつれ対向電極の間隔が次第に狭くなるため、被帯電部材近傍において対向電極の設置スペースを削減でき、被帯電部材の小型化に対応しやすい構成となる。特に、被帯電部材が、回転する回転体である場合には、画像形成装置の小型化に伴い、その径が縮小される。そのような場合であっても、本発明の帯電器構成を有することで、感光体の周囲におけるスペースを有効利用できる。
【0018】
<請求項3の発明>
請求項3の発明によれば、間隔縮小領域の特定箇所に放電が集中しにくい構成となり、安定した放電が可能となる。
【0019】
<請求項4の発明>
請求項4の発明によれば、対向電極の上端から下端に亘り間隔が次第に狭くなるため、小型化を一層図りやすい構成となる。
【0020】
<請求項5の発明>
請求項5の発明によれば、放電電極と各内面との位置関係が両対向電極において同様となるため、一方の対向電極に放電が集中せず、安定した放電を実現できることとなる。
【0021】
<請求項6の発明>
請求項6の発明によれば、放電が下端側(即ち感光体側)に集中するため、対向電極間で対流が生じにくい。また、開口部から導かれた空気が、放電の集中する方向に沿って感光体側にスムーズに流れ、その結果、放電電極の汚染を効果的に防止できることとなる。
【0022】
<請求項7の発明>
請求項7の発明によれば、開口部から感光体へと向かう空気の流れを阻害することなく感光体付近の空気をスムーズに排出することができる。
【0023】
<請求項8の発明>
請求項8の発明によれば、感光体に供給するイオンの量を好適に制御できる構成となる。
【0024】
<請求項9の発明>
請求項9の発明によれば、より小型化を図りやすい構成となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
<実施形態1>
次に本発明の実施形態1について説明する。
(1.全体構成)
図1および図2は、本発明の画像形成装置としてのレーザプリンタの一実施形態を示す要部側断面図である。図3は、プロセスカートリッジの平面図であり、図4は、プロセスカートリッジの側面図である。また、図5は、上フレームの内部構成を示すものであり、放電ワイヤの懸架構成を例示する斜視図である。
【0026】
このレーザプリンタ1は、本体ケーシング2と、その本体ケーシング2内に収容される、被記録媒体としての用紙3を給紙するためのフィーダ部4や、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成部5などを備えている。
【0027】
本体ケーシング2の一方側の側壁には、後述するプロセスカートリッジ20を着脱するための着脱口6が形成されており、その着脱口6を開閉するためのフロントカバー7が設けられている。このフロントカバー7は、その下端部に挿通されたカバー軸(図示せず)に回動自在に支持されている。これによって、フロントカバー7をカバー軸を中心として閉じると、図1に示すように、フロントカバー7によって着脱口6が閉鎖され、フロントカバー7をカバー軸を支点として開くと(傾倒させると)、図2に示すように、着脱口6が開放され、この着脱口6を介して、プロセスカートリッジ20を本体ケーシング2に対して着脱させることができる。なお、レーザプリンタ1においてプロセスカートリッジ20以外の本体部分が装置本体1aである。
【0028】
なお、本実施形態では、図1におけるフロントカバー7が設けられる側を「前側」とし、その反対側を「後側」とする。また、以下の説明では、レーザプリンタ1の前後方向をX軸方向、レーザプリンタ1の高さ方向をY軸方向とし、さらに放電電極の長手方向をZ軸方向とする。
【0029】
フィーダ部4は、本体ケーシング2内の底部に、着脱可能に装着される給紙トレイ9と、給紙トレイ9の前端部の上方に設けられる給紙ローラ10および分離パッド11と、給紙ローラ10の後側に設けられるピックアップローラ12と、給紙ローラ10の前側下方において対向配置されるピンチローラ13と、給紙ローラ10の前側上方において対向配置される紙粉取りローラ8と、給紙ローラ10の後側上方に設けられるレジストローラ14とを備えている。
【0030】
給紙トレイ9の内部には、用紙3を積層状に載置可能な用紙押圧板15が備えられている。この用紙押圧板15は、後端部において揺動可能に支持されることによって、前端部が下方に配置され、給紙トレイ9の底板16に沿う載置位置と、前端部が上方に配置され、傾斜する搬送位置とに揺動可能とされている。
【0031】
また、給紙トレイ9の前端部には、用紙押圧板15の前端部を上方に持ち上げるためのレバー17が設けられている。このレバー17は、用紙押圧板15の前側から下側へ回り込むように断面略L字状に形成されており、その上端部が、給紙トレイ9の前端部に設けられたレバー軸18に取り付けられ、その後端部が、用紙押圧板15の前端部の下面に当接している。これによって、レバー軸18に図中時計回りの回転駆動力が入力されると、レバー17がレバー軸18を支点として回転し、レバー17の後端部が用紙押圧板15の前端部を持ち上げ、用紙押圧板15を搬送位置に位置させる。
【0032】
用紙押圧板15が搬送位置に位置されると、用紙押圧板15上の用紙3は、ピックアップローラ12に押圧され、ピックアップローラ12の回転によって、給紙ローラ10と分離パッド11との間に向けて搬送開始される。
【0033】
一方、給紙トレイ9を本体ケーシング2から離脱させると、用紙押圧板15は、その自重によって、前端部が下方に移動し、用紙押圧板15が載置位置に位置される。用紙押圧板15が載置位置に位置されると、用紙押圧板15上に用紙3を積層状に載置することができる。
【0034】
ピックアップローラ12によって給紙ローラ10と分離パッド11との間に向けて送り出された用紙3は、給紙ローラ10の回転によって、給紙ローラ10と分離パッド11との間に挟まれたときに、確実に1枚ごとに捌かれて給紙される。給紙された用紙3は、給紙ローラ10とピンチローラ13との間を通り、紙粉取りローラ8によって、紙粉が取り除かれた後、レジストローラ14に搬送される。
【0035】
レジストローラ14は、1対のローラから構成され、用紙3を、レジスト後に、後述する感光体29と転写ローラ32との間であって、感光体29上のトナー像を用紙3に転写する転写位置に搬送する。感光体29は、特許請求の範囲でいう被帯電部材に相当する。
【0036】
画像形成部5は、スキャナ部19、プロセスカートリッジ20、定着器21などを備えている。
【0037】
スキャナ部19は、本体ケーシング2内の上部に設けられ、図示しないレーザ光源、回転駆動されるポリゴンミラー22、fθレンズ23、反射鏡24、レンズ25および反射鏡26などを備えている。レーザ光源から発光される画像データに基づくレーザビームは、鎖線で示すように、ポリゴンミラー22で偏向されて、fθレンズ23を通過した後、反射鏡24によって光路が折り返され、さらにレンズ25を通過した後、反射鏡26によってさらに光路が下方に屈曲されることにより、プロセスカートリッジ20の後述する感光体29のドラム本体34の表面上に照射される。
【0038】
プロセスカートリッジ20は、スキャナ部19の下方において、本体ケーシング2に対して着脱自在に装着されている。このプロセスカートリッジ20は、筐体として、上フレーム27と、上フレーム27と別体に形成されて、上フレーム27と組み合わされる下フレーム28とを備えている。また、プロセスカートリッジ20は、図6に示すように、筐体内に、感光体29、帯電器としてのスコロトロン型帯電器30(以下、単に帯電器30ともいう)、現像カートリッジ31、転写ローラ32、およびクリーニングブラシ33を備えている。
【0039】
感光体29は、円筒形状をなし、最表層がポリカーボネートなどからなる正帯電性の感光層により形成されるドラム本体34と、このドラム本体34の軸心において、ドラム本体34の長手方向に沿って延びる金属製のドラム軸35とを備えている。ドラム軸35が上フレーム27に支持され、このドラム軸35に対してドラム本体34が回転自在に支持されることにより、感光体29は、上フレーム27において、ドラム軸35を中心に回転自在に設けられている。
【0040】
スコロトロン型帯電器30は、上フレーム27に支持されており、感光体29の後側斜め上方において、感光体29と接触しないように所定間隔を隔てて、感光体29と対向配置されている。このスコロトロン型帯電器30は、放電ワイヤ37と、感光体29の軸方向に所定間隔を隔てて対向配置された対向電極38a、38a(図6)と、放電ワイヤ37と感光体29との間に設けられ、放電ワイヤ37から感光体29への放電量を制御するための後述のグリッド電極38bとを備えている。このスコロトロン型帯電器30では、対向電極38a、38a、及びグリッド電極38bにバイアス電圧を印加すると同時に、放電ワイヤ37に高電圧を印加して、放電ワイヤ37をコロナ放電させることにより、感光体29の表面を一様に正極性に帯電させることができる。放電ワイヤ37が特許請求の範囲でいうワイヤに相当する。
【0041】
なお、このスコロトロン型帯電器30には、放電ワイヤ37をクリーニングするための後述するワイパ36が、放電ワイヤ37を挟持するように設けられている。
【0042】
現像カートリッジ31は、後側が解放されるボックス状に形成され、下フレーム28に対して着脱自在に装着されている。この現像カートリッジ31内には、トナー収容室39、供給ローラ40、現像ローラ41および層厚規制ブレード42が設けられている。
【0043】
トナー収容室39は、仕切板43によって仕切られる現像カートリッジ31の前側の内部空間として形成されている。トナー収容室39内には、現像剤として、正帯電性の非磁性1成分のトナーが充填されている。このトナーとしては、重合性単量体、たとえば、スチレンなどのスチレン系単量体や、アクリル酸、アルキル(C1〜C4)アクリレート、アルキル(C1〜C4)メタアクリレートなどのアクリル系単量体を、懸濁重合などによって共重合させることにより得られる重合トナーが用いられている。このような重合トナーは、略球状をなし、流動性が極めて良好であり、高画質の画像形成を達成することができる。
【0044】
なお、このようなトナーには、カーボンブラックなどの着色剤やワックスなどが配合され、また、流動性を向上させるために、シリカなどの外添剤が添加されている。トナーの平均粒径は、約6〜10μmである。
【0045】
また、トナー収容室39内には、アジテータ44が設けられている。トナー収容室39内のトナーは、アジテータ44により攪拌されて、仕切板43の下方において前後方向に連通する開口部45から供給ローラ40に向かって放出される。
【0046】
供給ローラ40は、開口部45の後側に配置されて、現像カートリッジ31に回転可能に支持されている。この供給ローラ40は、金属製のローラ軸を、導電性の発泡材料からなるローラで被覆することにより構成されている。この供給ローラ40は、図示しないモータからの動力の入力により回転駆動される。
【0047】
現像ローラ41は、供給ローラ40の後側において、供給ローラ40と互いに圧縮されるように接触した状態で、現像カートリッジ31に回転可能に支持されている。また、現像ローラ41は、現像カートリッジ31が下フレーム28に装着された状態で、感光体29に対向して接触する。この現像ローラ41は、金属製のローラ軸96を、導電性のゴム材料からなるローラで被覆することにより構成されている。ローラ軸96は、現像カートリッジ31の後端部において、その両端部が現像カートリッジ31の側面から前後方向と直交する幅方向外方に突出している(図3および図4参照)。現像ローラ41のローラは、カーボン微粒子などを含む導電性のウレタンゴムまたはシリコーンゴムからなるローラ本体の表面に、フッ素が含有されているウレタンゴムまたはシリコーンゴムのコート層が被覆されている。現像ローラ41には、現像時に現像バイアスが印加される。また、現像ローラ41は、図示しないモータからの動力の入力により、供給ローラ40と同じ方向に回転駆動される。
【0048】
層厚規制ブレード42は、金属の板ばね材からなるブレード本体46の先端部に、絶縁性のシリコーンゴムからなる断面半円形状の押圧部47を備えている。この層厚規制ブレード42は、現像ローラ41の上方において現像カートリッジ31に支持されて、押圧部47がブレード本体46の弾性力によって現像ローラ41上に圧接されている。
【0049】
開口部45から放出されたトナーは、供給ローラ40の回転により、現像ローラ41に供給され、このとき、供給ローラ40と現像ローラ41との間で正に摩擦帯電される。現像ローラ41上に供給されたトナーは、現像ローラ41の回転に伴って、層厚規制ブレード42の押圧部47と現像ローラ41との間に進入し、ここでさらに帯電されて一定厚さの薄層として現像ローラ41上に担持される。
【0050】
転写ローラ32は、下フレーム28に回転自在に支持されており、上フレーム27と下フレーム28とが組み合わされた状態において、感光体29と上下方向において対向して接触し、感光体29との間にニップを形成するように配置されている。この転写ローラ32は、金属製のローラ軸108を、導電性のゴム材料からなるローラで被覆することにより構成されている。転写ローラ32には、転写時に転写バイアスが印加される。また、転写ローラ32は、図示しないモータからの動力の入力により、感光体29と反対方向に回転駆動される。
【0051】
クリーニングブラシ33は、下フレーム28に取り付けられており、上フレーム27と下フレーム28とが組み合わされた状態において、感光体29の後側において、感光体29と対向して接触するように配置されている。
【0052】
感光体29の表面は、その感光体29の回転に伴って、まず、スコロトロン型帯電器30により一様に正帯電された後、スキャナ部19からのレーザビームの高速走査により露光され、用紙3に形成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。
【0053】
次いで、現像ローラ41の回転により、現像ローラ41上に担持されかつ正帯電されているトナーが、感光体29に対向して接触するときに、感光体29の表面上に形成されている静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光体29の表面のうち、レーザビームによって露光され電位が下がっている露光部分に供給される。これにより、感光体29の静電潜像は、可視像化され、感光体29の表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
【0054】
その後、感光体29の表面上に担持されたトナー像は、図1に示すように、レジストローラ14によって搬送されてくる用紙3が、感光体29と転写ローラ32との間の転写位置を通る間に、転写ローラ32に印加される転写バイアスによって、用紙3に転写される。トナー像が転写された用紙3は、定着器21に搬送される。
【0055】
なお、転写後に感光体29上に残存する転写残トナーは、現像ローラ41に回収される。また、転写後に感光体29上に付着する用紙3からの紙粉は、クリーニングブラシ33によって回収される。
【0056】
定着器21は、プロセスカートリッジ20の後側に設けられ、定着フレーム48と、その定着フレーム48内に、加熱ローラ49および加圧ローラ50とを備えている。
【0057】
加熱ローラ49は、表面がフッ素樹脂によってコーティングされた金属管と、その金属管内に加熱のためのハロゲンランプとを備え、図示しないモータからの動力の入力により回転駆動される。
【0058】
加圧ローラ50は、加熱ローラ49の下方において、加熱ローラ49を押圧するように対向配置されている。この加圧ローラ50は、金属製のローラ軸を、ゴム材料からなるローラで被覆することにより構成されており、加熱ローラ49の回転駆動に従って従動される。
【0059】
定着器21では、転写位置において用紙3上に転写されたトナーを、用紙3が加熱ローラ49と加圧ローラ50との間を通過する間に熱定着させる。トナーが定着した用紙3は、本体ケーシング2の上面に向かって上下方向に延びた排紙パス51に搬送される。排紙パス51に搬送された用紙3は、その上側に設けられる排紙ローラ52によって、本体ケーシング2の上面に形成された排紙トレイ53上に排紙される。
【0060】
2.プロセスカートリッジの構成
(フレーム構成)
図3に示すように、プロセスカートリッジ20に設けられた上フレーム27は、左側壁54、右側壁55および上壁56を一体的に備えている。
左側壁54は、図3、図4に示すように、ドラム本体34に幅方向(感光体29の軸方向)一方側(以下、この幅方向一方側を左側、幅方向他方側を右側とする。)から対向する左下側板部57と、左下側板部57の上端縁から右側に向かって延び、後述するドラムギア81を上側から被覆する延設板部58と、延設板部58の右側端縁から上方に延びた左上側板部59とを備えている。
【0061】
左下側板部57には、このドラム軸35を支持する軸受部材66が嵌め込まれており、軸受部材66に形成されら図示しない孔にドラム軸35が挿通されている。
【0062】
左上側板部59には、図4に示すように、その前側に、スコロトロン型帯電器30の放電ワイヤ37への給電のためのワイヤ用端子61が設けられており、その後側には、スコロトロン型帯電器30の対向電極38への給電のための対向電極用端子62が設けられている。また、左上側板部59の上端縁は、前後方向において、略水平に延びた水平部分と、この水平部分の後端から、斜め下方に向けて延びた傾斜部分とで形成されている。
【0063】
右側壁55は、図3に示すように、平板状に形成され、ドラム本体34と右側から対向している。右側壁55の上端縁は、左上側板部59の上端縁に対応して、前後方向において、略水平に延び、左上側板部59の上端縁の水平部分と互いに対向する水平部分と、この水平部分の後端から、斜め下方に向けて延び、左上側板部59の上端縁の傾斜部分と互いに対向する傾斜部分とで形成されている。また、右側壁55には、軸受部材67が嵌め込まれており、この軸受部材67に形成された図示しない孔にドラム軸35が挿通されている。
【0064】
上述したように、左右に配置されている各軸受部材66,67を介して、感光体29のドラム軸35が支持されており、ドラム軸35の両端部は、各軸受部材66,67から左右方向外方に突出し、その両端部には、止め部材78が外嵌されている。そして、この止め部材78によりドラム軸35の抜け止めがなされている。左側の軸受部材66から突出したドラム軸35の端部には、プロセスカートリッジ20が本体ケーシング2に装着された状態で、ドラム軸35を接地するための本体ケーシング2に設けられる図示しないアースが接続される。
【0065】
また、ドラム軸35は、各軸受部材66,67の間において、ドラム本体34を相対回転可能に支持している。ドラム本体34の軸方向左側端部にはギア部材(図示略)が装着されており、このギア部材に対し図示しないメインモータからの動力を伝達されることによりドラム本体34(図1、図2参照)が回転するように構成されている。
【0066】
また、上壁56は、図3に示すように、上水平部64および上傾斜部65を備えている。上水平部64は、左上側板部59の上端縁の水平部分と右側壁55の上端縁の水平部分との間に架設されている。
【0067】
上水平部64は、感光体29の上方に配置されている(図6参照)。また、この上水平部64には、スキャナ部19からの高速走査されるレーザビームを入射させるためのレーザ入射窓641が、平面視において略矩形状に開口されている。また、レーザ入射窓641に隣接して後述する複数の通気路162が設けられている。
【0068】
上傾斜部65は、左上側板部59の上端縁の傾斜部分と右側壁55の上端縁の傾斜部分との間に架設されている。この上傾斜部65は、前後方向において上水平部64と所定間隔を隔てて、感光体29の後側斜め上方に配置されている。この上傾斜部65には、後述するスコロトロン型帯電器30が設けられている(図6参照)。図5に示すように、放電ワイヤ37は、上傾斜部65において、左上側板部59と右側壁55の間に張設されており、また、対向電極38a、38a、及びグリッド電極38bは、上傾斜部65において、左上側板部59と右側壁55との間に架設されている。
【0069】
また、図3に示すように、下フレーム28は、1対の側壁92が設けられており、図4のように、左側の側壁92には、転写電極113を露出させるための開口部111が形成されている。また、左側の側壁92には、クリーニングブラシ33にクリーニングバイアスを印加するためのクリーニング電極104が設けられている。
(帯電器の構成)
次に、スコロトロン型帯電器30について詳しく説明する。
図6は、図3に示す切断線B−Bにおける断面図をダクトの断面図と対応させて示すものである。図7は、帯電器と感光体との関係を説明する説明図である。図8は、対向電極及びグリッド電極を例示する斜視図である。また、図9は、図6の一部を拡大して説明する説明図である。なお、本発明に係る帯電器では、放電ワイヤ37と感光体29とが対向する対向方向D2(図7参照)において、放電ワイヤ37に対して感光体29側を下方とし、それとは反対側を上方する。
【0070】
図6に示すように、スコロトロン型帯電器30は、感光体29と対向するように配置されており、放電電極に相当する放電ワイヤ37と、放電ワイヤ37と距離を隔てて配置される対向電極38a、38a、及びグリッド電極38bとを備えた構成をなしている。そして、これら放電ワイヤ37と対向電極38a、38a、及びグリッド電極ととによりコロナ放電を生じさせ、回転する感光体29を帯電させるように構成されている。
【0071】
対向電極38a、38aは、放電ワイヤ37を挟むように当該放電ワイヤ37における感光体29の回転方向Rの両側に配置される一対の壁部として構成されている。図7に示すように、この対向電極38a、38aは、対向方向D2において放電ワイヤ37の放電部(本実施形態では、放電ワイヤ37における架設領域C1(図5)内の部分が放電部に相当する)よりも上方位置から下方側に向かうにつれ、対向電極38a、38aの間隔が次第に狭くなるように構成されている。なお、対向方向D2は、架設領域C1(図5)における放電ワイヤ37の軸心と感光体の回転中心J(即ちドラム軸35の軸心)とを、それぞれに直交するように結ぶ方向である。
【0072】
図7に示すように、対向電極38a、38aはそれぞれ、対向方向D2において上端部38d、38dの位置がほぼ同位置とされ、かつ対向方向D2における下端部38e、38eの位置がほぼ同位置とされている。そして、対向方向D2において上端部38d、38dが設けられた上端位置から下端部38e、38eが設けられた下端位置に亘り、対向電極38a、38aの間隔が次第に狭くなるように構成されている。即ち、対向電極38a、38aの間隔が次第に狭くなる間隔縮小領域C2は、対向方向D2における両対向電極38a、38aが互いに向かい合う領域の上端から下端に亘って構成されている。
【0073】
図7、図8に示すように、対向電極38a、38aの間隔が次第に狭くなる間隔縮小領域C2の全体に亘り、対向電極38a、38aの放電ワイヤ37に向く内面38c、38cが共に平面とされている。対向電極38a、38aは、板状のグリッド電極38bからそれぞれ折り曲げられた構成をなしており、両対向電極38a、38aは共に全体的に平坦に構成されている。図7に示すように、対向電極38a、38aの折り曲げ位置が間隔縮小領域C2の下端位置とされている。
【0074】
また、図7に示すように、放電ワイヤ37と感光体29の回転中心Jとを結ぶ面D1と、対向電極38a、38aにおける放電ワイヤ37に向くの内面38c、38cとのなす角度θ1、θ2が、両対向電極38a、38aにおいて互いに等しくなるように構成されている。ここでの面D1は、架設領域C1(図5参照)における放電ワイヤ37の軸心と、回転中心J(ドラム軸35の軸心)とを結ぶ面である。
【0075】
また、図8では、対向電極38a、38aと放電ワイヤ37(破線)とを対応させて示しているが、本実施形態では、放電ワイヤ37と各対向電極38a、38aの長手方向とが平行とされており、図7に示すように、放電ワイヤ37と、各対向電極38a、38aとの距離L1、L2が互いに等しくなるように帯電器30が構成されている。また、帯電器30は、これら距離L1、L2が、放電ワイヤ37とグリッド電極38bとの距離L3と等しくなるように構成されている。距離L1は、感光体29の軸方向における断面(即ち、感光体29の軸方向と直交する方向に切断する切断面)において、放電ワイヤ37から、当該放電ワイヤ37に対して感光体29の回転方向上流側(図7では左側)に位置する一方の対向電極38aに下ろした垂線の長さに相当する。また、距離L2は、感光体29の軸方向における断面(感光体29の軸方向と直交する方向に切断する切断面)において、放電ワイヤ37から、当該放電ワイヤ37に対して感光体29の回転方向下流側(図7では右側)に位置する一方の対向電極38aに下ろした垂線の長さに相当する。距離L3は、感光体29の軸方向における断面(感光体29の軸方向と直交する方向に切断する切断面)において、放電ワイヤ37からグリッド電極38bに下ろした垂線の長さに相当する。
【0076】
図7及び図9に示すように、対向方向D2における対向電極38a、38aの上端部38d、38dの間に、当該対向電極38a、38aの外部から空気を導く開口部123(開口部123は、特許請求の範囲でいう「開口部」に相当する)が設けられている。上フレーム27における開口部123の上方において上端部38d、38dの間の領域には、開口部123に空気を導くスリット125(図5参照)が形成されている。一方、対向方向D2における対向電極38a、38aの下端部38e、38e間に設けられたグリッド電極38bには、所定領域に亘って複数のスリットが設けられている。
【0077】
このように、対向電極38a、38aの間隔が、感光体29に近づくにつれ次第に狭くなるように構成されていることにより放電が感光体29側に集中しやすくなる。図10は、このような放電の集中について概念的に説明する説明図であり、放電の際の帯電器30における電界について電気力線Eを用いて概念的に示している。本実施形態の構成では、図10のように、対向電極38a、38aは、放電ワイヤ37の放電部よりも上方位置から下方側に向かうにつれて間隔が次第に狭くなるように構成されており、対向電極38a、38aにおいて放電ワイヤ37から最短距離となる位置(即ち、感光体29の軸方向における断面において、放電ワイヤ37から各対向電極38a、38aに垂線を下ろした位置(図7のL1,L2参照))が、放電ワイヤ37の真横位置(即ち、図10において対向方向D2と直交する方向を横方向とした場合の真横位置P4,P5)よりも感光体29寄りの位置となるため、放電の際に対向電極38a、38aと放電ワイヤ37との間に構成される電界の電気力線Eは、図10のように感光体29側の密度が高くなる。他方、帯電器30は、放電ワイヤ37の上方が開放され、下方側にはグリッド電極38bが設けられているため、放電の際の電界は、放電ワイヤ37の上方側に電気力線が構成されず、下方側のグリッド電極38b付近の電気力線の密度が高くなる。このように電界が構成されることにより、対向電極38a、38aにおける放電ワイヤ37の真横位置P4、P5よりも感光体29寄りの位置に放電が生じやすくなる。
【0078】
図9に示すように、感光体29の回転方向下流側の対向電極38aの外側には、開口部123から感光体29へと向かう空気を、開口部123と感光体29との間に構成される流路とは異なる経路で導く通気路162が設けられている。なお、通気路162については後述する。
【0079】
3.空気流路構成
次に、空気の流路について説明する。
なお、図11は、プロセスカートリッジ20、ダクト150、及び両フレーム172,173の配置を説明する平面図であり、図12は、プロセスカートリッジ20、ダクト150、及び一方のフレーム172の配置関係を説明する斜視図である。また、図13は、図12を側方から見た図である。
【0080】
図6及び図9に示すように、帯電器30の周囲には、帯電器側空間131が構成されている。この帯電器側空間131は、図1、図2に示すように、プロセスカートリッジ20を収容するカートリッジ収容部130の内面と帯電器30の外面とによって囲まれる空間として構成されるものである。一方、カートリッジ収容部130の後側には、定着器側空間141が構成されている。この定着器側空間141は、定着器21の周囲に構成される空間であり、開口部135を介してカートリッジ収容部130と連通する定着器収容部140により構成されている。定着器収容部140は、定着器21の周囲を囲む部分(底部140a(図1)、天井部140b(図2)、側部フレーム172、173(図11参照)によって構成されるものである。
【0081】
図9に示すように、プロセスカートリッジ20における帯電器30よりも定着器21(図1)側の外面には、開口部135の閉塞面積を大きくする閉塞リブ160が設けられている。閉塞リブ160は、帯電器側空間131と定着器側空間141とを仕切り、かつ定着器側空間141からの空気が帯電器側空間131に流入するのを抑制するように機能する。図1に示すように、開口部135は、プロセスカートリッジ20の外面によって閉塞される構成をなしており、閉塞リブ160の存在により、開口部135の閉塞面積が大きくされている。図3に示すように、閉塞リブ160は、放電ワイヤ37の長手方向(感光体29の軸方向、即ち図3のZ軸方向)に沿って形成されている。そして、閉塞リブ160は、長手方向(Z軸方向)において少なくとも放電ワイヤ37が架設される架設領域C1全体に渡って設けられている。
【0082】
放電ワイヤ37は、図5に示すように、上フレーム27に一端が係止され、他端が付勢手段としてのねじりコイルばね121により引っ張られる構成をなしており、適度な張力にて架設されている。上フレーム27には、放電ワイヤ37を支持する一対の支持壁27a、27bが設けられており、この一対の支持壁27a、27bによって支持される位置が支持位置P2,P3とされ、長手方向におけるP2,P3の間の領域が架設領域C1(図3も参照)とされている。
【0083】
レーザプリンタ1には、図11に示すように、放電ワイヤ37の長手方向両側において、壁状に構成されたフレーム172、173が対向配置されている。そして、図9に示す帯電器側空間131は、フレーム172に形成された通気孔174を介してレーザプリンタ1の外部と連通している。この帯電器側空間131は、開口部リブ151、後述する仕切部153、閉塞リブ160、及び帯電器30によって上下前後を囲まれ、放電ワイヤ37の長手方向(Z軸方向(図3))に沿う長手状の空間として構成されており、側部はフレーム172、173によって囲まれる構成をなしている。そして、その一端側のフレーム172において、図6、図9にて示す通気孔174が構成されている。
【0084】
また、図12、図13に示すように、フレーム172には、帯電器側空間131から空気を引き込み、帯電器30から感光体29へと向かう気流を発生させるファン170が、通気孔174から所定距離離れた別位置に設けられている。ファン170は、後述するダクト150、通気路162、帯電器30を介して帯電器側空間131と連通しており、帯電器側空間131の空気を引き込み、帯電器30から感光体29へと向かう気流を発生させるように機能する。
【0085】
また、図9に示すように、感光体29のドラム本体34の外周面34aにおける、帯電器30が対向する帯電位置P0と、露光手段による露光位置P1(即ち、レーザビームLBの照射位置)との間に、帯電器30から感光体29へ向かって流れた気流を、感光体29から離れる向きに導出する通気路162が設けられている。帯電器30には、放電ワイヤ37の長手方向に沿って、対向して配置される一対の支持壁163、164が設けられており、この支持壁163、164の内側を帯電器側空間131から感光体29に向けて空気が流れ、さらにその空気が外周面34a付近でUターン状に流れて通気路162にて導出される。ここでは、支持壁164の一方面に、対向電極38a、38aのうちの片方が支持され、他方面が通気路162の内面とされている。なお、図9では、帯電器側空間131からの空気の流れを矢印F1,F2,F3にて概念的に示している。このように通気路162が構成されることにより、感光体29側にスムーズにイオンを供給しつつ、その一方で、感光体29の露光部にコロナ放電によって発生したイオンが当たりにくい構成とすることができ、露光部を再度帯電してしまうことを防止できる構成が実現されることとなる。その結果、再度帯電してしまうことに起因する画像品質の劣化を効果的に防止できることとなる。
【0086】
通気路162から導出される空気は、プロセスカートリッジ20の外部における、帯電器側空間131とは仕切られた空間166に送られ、ダクト150、及びファン170の設けられる排出孔171を介して外部に排出されることとなる。帯電器側空間131と、空間166とは、長手方向に沿って帯電器側空間131の上方を閉塞するように構成された仕切部153によって仕切られている。仕切部153は、通気路162から空間166に向かって流れた気流が、帯電器側空間131に再流入することを防止している。
【0087】
また、図12、図13に示すように、レーザプリンタ1における一方のフレーム172には、帯電器側空間131から感光体29側に流れた空気をレーザプリンタ1の外部へと排出する排出孔171が設けられており、ダクト150は、図9に示すように、通気路162からの導出された仕切部153の上方の空間166の空気を、複数の経由孔155を介して取り込み、図12のように排出孔171側に誘導する流路として構成されている。
【0088】
通気孔174と排出孔171は、対向配置されたフレーム172、173のうちのフレーム172のみに形成されている。そして、長手方向において通気孔174及び排出孔171が形成されていないフレーム173寄りの位置に、帯電器側空間131から感光体29側に流れた空気を経由させるようにダクト150の経由孔155が設けられている(図12)。図9に示すように、ダクト150は、内部流路156を有し、通気孔174から流入して経由孔155を経由した空気を、帯電器側空間131とは異なる経路で排出孔171に導くように構成されている。また、図12に示すように、ダクト150における経由孔155と排出孔171の間にはオゾンフィルタ157が設けられている。オゾンフィルタ157は、空気の流れる方向に対してフィルタ外面が傾斜(本実施形態では、帯電ワイヤ37の長手方向に対して傾斜)して配置されており、コロナ放電によって生じたオゾンを除去するように機能する。なお、図12では、ダクト150の内部構成を示すように上方のカバー部158(図9参照)を省略している。また、図12では、空間166(図9)の空気が複数の経由孔155に取り込まれる流れを矢印E1〜E5にて概念的に示しており、複数の経由孔155によって取り込まれた空気がオゾンフィルタ157を介して排出孔171から抜ける流れを矢印G1〜G5にて示している。
【0089】
また、図11、図12に示すレーザプリンタ1おいて、通気孔174及び排出孔171が設けられていない側(即ち、フレーム173側(図11))には、感光体29(図1等)を駆動する駆動機構が設けられている。また、プロセスカートリッジ20において、フレーム173側には、放電ワイヤ37に電力を供給するためのワイヤ用端子61、対向電極用電極62が設けられている(図9も参照)。これらワイヤ用端子61、対向電極用電極62と電気的に接続するように、フレーム173には、高電圧を印加可能な高圧電源基板(図示略)が取り付けられている。高圧電源基板には、高電圧を印加可能な電源回路(図示略)が設けられており、この電源回路と電気的に接続され、導電性及び弾性を有する線材で形成された複数本の図示しない給電部材が、フレーム173の内面に設けられている。これら給電部材が、プロセスカートリッジ20の装着時に、ワイヤ用端子61、対向電極用電極62にそれぞれ接触し、各給電部材を介して電源回路の電圧を印加する構成となっている。このように、フレーム173側には、上述のモータや高圧電源基板などが設けられ、それに関連する各種部品が密度高く配置されているため、上述したような通気孔174や排出孔171を設けにくい。しかしながら、本構成では、通気孔174や排出孔171をフレーム172側に集中して配置し、逆のフレーム173側には上述の駆動機構や供給機構を設けるようにしているため効率的な配置がなされている。
【0090】
なお、本発明では、図7に示すように、対向方向D2に関し放電をより感光体29側に集中させることができ、放電によって発生するイオンを効率よく感光体29に供給できる。また、感光体29側に向かうにつれ対向電極38a、38aの間隔が次第に狭くなるため、特に感光体29近傍において対向電極38a、38aの設置スペースを削減でき、感光体29の小型化に対応しやすい構成となる。特に、対向電極38a、38aは、放電ワイヤ37の放電部よりも上方位置から下方側に向かうにつれて間隔が次第に狭くなるように構成されているため、対向電極38a、38aの設置スペース削減効果が大きく、感光体の小型化を図る上でより一層対応しやすい構成となる。
【0091】
また、図7、図8のように、対向電極38a、38aの間隔が次第に狭くなる間隔縮小領域C2の全体に亘り、両対向電極38a、38aの内面38c、38cが共に平面とされているので、凹凸が存在せず、間隔縮小領域C2の特定箇所に放電が集中しにくい構成となり、安定した放電が可能となる。
【0092】
さらに、対向方向における対向電極38a、38aの上端から下端に亘り、対向電極38a、38aの間隔が次第に狭くなっているので、スペース削減効果が大きく、小型化を一層図りやすい。
【0093】
また、図7のように、放電ワイヤ37と感光体29の回転中心とを結ぶ面D1と、対向電極38a、38aにおける各内面38c、38cとのなす角度θ1、θ2が、両対向電極において互いに等しくなるように構成されているので、放電ワイヤ37と各内面38c、38cとの位置関係が両対向電極において同様となるため、一方の対向電極に放電が集中せず、安定した放電を実現できることとなる。
【0094】
上述したように、対向電極38a、38aは、放電が下端側(即ち感光体29側)に集中しやすい構成をなし、かつ、図7のように、対向方向D2における対向電極38a、38aの上端部38d、38dの間に、外部から空気を導く開口部123が設けられているので、放電の集中により、下端側(放電の集中する方向)に空気の流れが発生し、開口部123から導かれた空気が感光体29側にスムーズに流れ、その結果、放電ワイヤ37の汚染を効果的に防止できることとなる。
【0095】
さらに、図9のように、対向電極38a、38aの外側には、開口部123から感光体29へと向かう空気を、開口部123と感光体29との間に構成される流路とは異なる経路で導く通気路162が設けられているので、開口部123から感光体29へと向かう空気の流れを阻害することなく感光体29付近の空気をスムーズに排出することができる。
【0096】
また、図7に示すように、対向方向D2における対向電極38a、38aの下端部38e、38eの間にグリッド電極38bが設けられているので、感光体29に供給するイオンを好適に制御できることとなる。
【0097】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、帯電器としてスコロトロン型帯電器30を例示したが、本発明はグリッド電極を有さないコロトロン型の帯電器によって実現されてもよい。
(2)上記実施形態では、プロセスカートリッジ20に帯電器30が設けられる構成を示したが、画像形成装置においてプロセスカートリッジ以外の部分を本体部分とした場合、帯電器は、その本体部分に設けられるような構成であってもよい。
(3)上記実施形態では、放電電極がワイヤとして構成される例を示したが、放電電極は、先鋭に構成される複数の先鋭部が一体的に形成されてなる金属板であってもよい。例えば、金属板において先鋭部が感光体の軸方向において複数並んで配置され、これら先鋭部と、上記実施形態と同様の対向電極とが対向する構成であってもよい。この場合、先鋭部が放電電極の放電部に相当する。また、この場合、金属板に形成された複数の先鋭部の先端を結ぶ線が対向電極の長手方向及び感光体の軸方向と平行となるように構成できる。
(4)上記実施形態では、ファン170によって気流を発生するように構成されていたが、ファン170を省略し、スコロトロン型帯電器30のみによって気流が発生する構成であってもよい。即ち、コロナ放電によって生じたイオンが自発的に生じる流れ(イオン風)によって気流が発生するように構成されていてもよい。
(5)上記実施形態では、図7のように対向方向D2において対向電極38a、38aの上端から下端に亘り間隔縮小領域C2が設けられていたが、間隔縮小領域の上端は放電電極の放電部よりも上方位置(即ちC3の領域)であれば、対向電極の上端にまで至っていなくてもよい。図7を参照して一例を説明すると、例えば、対向方向D2において、領域C3内の所定位置から対向電極の下端に亘って間隔縮小領域が構成されるようなものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の画像形成装置としてのレーザプリンタの一実施形態を示す要部側断面図であり、フロントカバーを閉じた状態を示す図
【図2】図1に示すレーザプリンタの要部側断面図であり、フロントカバーを開いた状態を示す図
【図3】図1に示すプロセスカートリッジの平面図
【図4】図1に示すプロセスカートリッジの側面図
【図5】上フレームの内部構成を示すものであり、放電ワイヤの懸架構成を例示する斜視図
【図6】図3に示す切断線B−Bにおける断面図
【図7】帯電器と感光体との関係を説明する説明図
【図8】対向電極を例示する斜視図
【図9】図6の一部を拡大して説明する説明図
【図10】帯電器での放電について説明する説明図
【図11】プロセスカートリッジ、ダクト、及び両フレームの配置を説明する平面図
【図12】プロセスカートリッジ、ダクト、及び一方のフレームの配置関係を説明する斜視図
【図13】プロセスカートリッジ、ダクト、及び一方のフレームの配置関係を説明する図であり、図11を側方から見た図
【符号の説明】
【0099】
1…レーザプリンタ(画像形成装置)
20…プロセスカートリッジ
29…感光体(被帯電部材)
30…スコロトロン型帯電器(帯電器)
37…放電ワイヤ(放電電極)
38a…対向電極
38b…グリッド電極
38c…内面
38d…上端部
38e…下端部
123…開口部
162…通気路
C2…間隔縮小領域
D1…放電電極と感光体の回転中心とを結ぶ面
D2…対向方向
J…感光体の回転中心
R…回転方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被帯電部材と対向するように配置され、放電電極と、前記放電電極と距離を隔てて配置される一対の対向電極とによりコロナ放電を生じさせて、前記被帯電部材を帯電させる帯電器であって、
前記対向電極は、前記放電電極を挟むように対向配置され、
前記対向電極の間隔が、前記被帯電部材に近づくにつれ次第に狭くなるように構成されていることを特徴とする帯電器。
【請求項2】
前記被帯電部材は、回転する感光体であり、
前記対向電極は、前記放電電極を挟むように当該放電電極における前記感光体の回転方向の両側に対向配置され、
前記放電電極と前記感光体とが対向する対向方向において、前記放電電極に対して感光体側を下方とし、それとは反対側を上方とした場合、前記対向電極は、前記対向方向において前記放電電極の放電部よりも上方位置から下方側に向かうにつれて間隔が次第に狭くなるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の帯電器。
【請求項3】
前記対向電極の間隔が次第に狭くなる間隔縮小領域の全体に亘り、前記対向電極の前記放電電極に向く内面が共に平面とされていることを特徴とする請求項2に記載の帯電器。
【請求項4】
前記対向方向における前記対向電極の上端から下端に亘り、前記対向電極の間隔が次第に狭くなることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の帯電器。
【請求項5】
前記放電電極と前記感光体の回転中心とを結ぶ面と、前記前記対向電極における前記放電電極に向く内面とのなす角度が、両対向電極において互いに等しくなるように構成されていることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の帯電器。
【請求項6】
前記対向方向における前記対向電極の上端部間に、当該対向電極の外部から空気を導く開口部が設けられていることを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれか記載の帯電器。
【請求項7】
前記対向電極の外側には、前記開口部から前記感光体へと向かう空気を、前記開口部と前記感光体との間に構成される流路とは異なる経路で導く通気路が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の帯電器。
【請求項8】
前記対向方向における前記対向電極の下端部間にグリッド電極が設けられていることを特徴とする請求項2ないし請求項7のいずれかに記載の帯電器。
【請求項9】
前記放電電極はワイヤであることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の帯電器。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の帯電器を備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項11】
請求項10に記載のプロセスカートリッジを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の帯電器を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
被帯電部材と対向するように配置され、放電電極と、前記放電電極と距離を隔てて配置される一対の対向電極とによりコロナ放電を生じさせて、前記被帯電部材を帯電させる帯電器であって、
前記対向電極は、前記放電電極を挟むように対向配置され、
前記対向電極の間隔が、前記被帯電部材に近づくにつれ次第に狭くなるように構成されていることを特徴とする帯電器。
【請求項2】
前記被帯電部材は、回転する感光体であり、
前記対向電極は、前記放電電極を挟むように当該放電電極における前記感光体の回転方向の両側に対向配置され、
前記放電電極と前記感光体とが対向する対向方向において、前記放電電極に対して感光体側を下方とし、それとは反対側を上方とした場合、前記対向電極は、前記対向方向において前記放電電極の放電部よりも上方位置から下方側に向かうにつれて間隔が次第に狭くなるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の帯電器。
【請求項3】
前記対向電極の間隔が次第に狭くなる間隔縮小領域の全体に亘り、前記対向電極の前記放電電極に向く内面が共に平面とされていることを特徴とする請求項2に記載の帯電器。
【請求項4】
前記対向方向における前記対向電極の上端から下端に亘り、前記対向電極の間隔が次第に狭くなることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の帯電器。
【請求項5】
前記放電電極と前記感光体の回転中心とを結ぶ面と、前記前記対向電極における前記放電電極に向く内面とのなす角度が、両対向電極において互いに等しくなるように構成されていることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の帯電器。
【請求項6】
前記対向方向における前記対向電極の上端部間に、当該対向電極の外部から空気を導く開口部が設けられていることを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれか記載の帯電器。
【請求項7】
前記対向電極の外側には、前記開口部から前記感光体へと向かう空気を、前記開口部と前記感光体との間に構成される流路とは異なる経路で導く通気路が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の帯電器。
【請求項8】
前記対向方向における前記対向電極の下端部間にグリッド電極が設けられていることを特徴とする請求項2ないし請求項7のいずれかに記載の帯電器。
【請求項9】
前記放電電極はワイヤであることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の帯電器。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の帯電器を備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項11】
請求項10に記載のプロセスカートリッジを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の帯電器を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−98746(P2006−98746A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−284848(P2004−284848)
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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