説明

帯電装置、画像形成装置及び像担持体の帯電方法

【課題】像担持体表面の転写残りトナーを電気的吸着により除去すると共に像担持体を帯電させる手段を有し、プロセススピードが上がっても転写残りトナーのクリーニング効率が低下しない帯電装置を提供する。
【解決手段】帯電装置が、感光層塗布部と感光層非塗布部を有し、かつトナー像が感光層塗布部に形成される像担持体に接触し、かつ転写残りトナーの帯電電位と同極性のバイアスが印加される第1帯電ブラシと、前記第1帯電ブラシより前記像担持体の移動方向に配置され、かつ前記像担持体の感光層塗布部と感光層非塗布部に接触する第2帯電ブラシと、前記転写残りトナーの帯電電位と逆極性のバイアスが印加され、かつ前記第2帯電ブラシに付着するトナーを回収する回収ローラを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転写後に像担持体に残留する転写残りトナーを第1帯電ブラシで帯電させ、帯電された転写残りトナーを、像担持体を帯電させる第2帯電ブラシと回収ローラで回収する帯電装置、当該帯電装置を備えた画像形成装置および当該画像形成装置における像担持体の帯電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
静電複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置であって、転写残りトナーを像担持体表面から除去するトナー除去手段と、前記トナー除去手段からトナーを回収する金属製トナー回収ローラと、前記トナー回収ローラからトナーを除去する弾性クリーニングブレードを備える画像形成装置が知られていた。前記弾性クリーニングブレードは前記金属製トナー回収ローラより軟質であり、前記弾性クリーニングブレードが前記金属製トナー回収ローラに食い込めない。従って、平均円径度が0.96以上の球形トナーは前記弾性クリーニングブレードをすり抜け、前記画像形成装置のトナー回収ローラからトナーを除去する効率は低い。
【0003】
そこで、像担持体表面の移動方向に沿って配置された2つのトナー除去手段と、各トナー除去手段からそれぞれトナーを回収する2つのトナー回収ローラと、各トナー回収ローラからそれぞれトナーを除去する2つのクリーニングブレードとを有していて、各クリーニングブレードが、各トナー回収ローラに食い込んだ状態で各トナー回収ローラの表面に圧接し、像担持体表面の転写残りトナーを各トナー除去手段に静電的に吸着させ、かつ各トナー除去手段に付着したトナーを各トナー回収ローラに静電的に吸着させるように、各トナー回収ローラに異なった極性の電圧をそれぞれ印加するクリーニング装置を備える画像形成装置が検討された(例えば、特許文献1参照)。帯電した転写残りトナーが2番目のトナー除去手段で除去される際、転写残りトナーの電荷が、2番目のトナー除去手段からトナー回収ローラを経て電源へ流れている。当該画像形成装置のプロセススピードが上がると、帯電した転写残りトナーが2番目のトナー除去手段で除去される際の電気抵抗が大きくなり、転写残りトナーのクリーニング効率が低下する。
【特許文献1】特開2004−101659号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、像担持体表面の転写残りトナーを電気的吸着により除去すると共に像担持体を帯電させる手段を有し、プロセススピードが上がっても転写残りトナーのクリーニング効率が低下しない帯電装置及び像担持体の帯電方法の提供である。本発明が解決しようとする別の課題は、当該装置を備える画像形成装置の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の帯電装置は、感光層塗布部と感光層非塗布部を有し、かつトナー像が感光層塗布部に形成される像担持体に接触し、かつ転写残りトナーの帯電電位と同極性のバイアスが印加される第1帯電ブラシと、前記第1帯電ブラシより前記像担持体の移動方向に配置され、かつ前記像担持体の感光層塗布部と感光層非塗布部に接触する第2帯電ブラシと、前記転写残りトナーの帯電電位と逆極性のバイアスが印加され、かつ前記第2帯電ブラシに付着するトナーを回収する回収ローラを備える。
【0006】
本発明の像担持体の帯電方法は、トナー像が、感光層塗布部と感光層非塗布部を有する像担持体の感光層塗布部上に形成される工程、トナー像が形成された像担持体が、転写残りトナーの帯電電位と同極性のバイアスが印加される第1帯電ブラシと接触する工程、前記第1帯電ブラシに接触した像担持体の感光層塗布部が第2帯電ブラシと対向し、感光層塗布部と感光層非塗布部が、第2帯電ブラシと接触する工程、前記第2帯電ブラシに付着するトナーが、前記転写残りトナーの帯電電位と逆極性のバイアスが印加される回収ローラにより回収される工程を行う。
【0007】
本発明の画像形成装置は、感光層塗布部と感光層非塗布部を有し、静電潜像およびトナー像が感光層塗布部に形成される像担持体と、前記特定の帯電装置と、前記像担持体に露光により静電潜像を書き込む露光装置と、前記像担持体上の静電潜像を、トナーで現像して前記像担持体にトナー像を形成する現像装置と、前記像担持体上のトナー像を転写媒体に転写する転写装置を備える。
【0008】
転写残りトナーの帯電電位と同極性のバイアスが印加される第1帯電ブラシにより帯電された像担持体の感光層塗布部上の転写残りトナーは、電位差により第2帯電ブラシのブラシ毛に吸着する。第2帯電ブラシのブラシ毛に吸着した転写残りトナーは、転写残りトナーの帯電電位と逆極性のバイアスが印加される回収ローラに電位差により吸着する。転写残りトナーの電荷は、上記過程で、第2帯電ブラシ−回収ローラ−回収ローラに接続された電源を結ぶ経路を流れている。一般的な像担持体は、感光層が円筒状の導電性支持体の外周面に形成される構造を有しており、導電性支持体の電気抵抗は小さいから、プロセススピードが上がっても、電流が像担持体の感光層非塗布部である導電性支持体−第2帯電ブラシ−回収ローラ−回収ローラに接続された電源を結ぶ経路を流れ続け、像担持体の感光層塗布部上の転写残りトナーと第2帯電ブラシのブラシ毛の電位差、第2帯電ブラシのブラシ毛に吸着した転写残りトナーと回収ローラの電位差は維持される。従って、プロセススピードが上がっても、本発明の帯電装置、像担持体の帯電方法及び画像形成装置のクリーニング効率は低下しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面により本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明にかかる画像形成装置の実施の形態の一例を模式的にかつ部分的に示す図である。
【0010】
図1に示されるように、本実施形態の画像形成装置1は静電潜像およびトナー像が形成される像担持体である感光体2を備えている。感光体2を帯電する帯電装置3が、感光体2の外周近傍に配設されている。更に、この帯電装置3から感光体2の回転方向α(図1では、時計回り)に、順次、転写残りトナーの帯電電位と逆極性の電荷を付与するコロトロン帯電器、感光体2に静電潜像を書き込む露光装置4、感光体2の静電潜像をトナーで現像する現像装置5、および感光体2のトナー像を転写紙や中間転写媒体等の転写媒体6に転写する転写装置7が、感光体2の外周近傍に、それぞれ配設されている。本実施形態の画像形成装置1は、転写後の感光体2上に付着する残留トナー等の異物を回収する専用の感光体クリーニング装置は備えていない。本実施形態の画像形成装置1は、図示されないが、従来一般的な画像形成装置と同様に定着装置、転写紙搬送装置、転写紙収容カセットを備えている。転写媒体6が中間転写媒体である場合、本実施形態の画像形成装置1は、中間転写媒体のトナー像を転写紙に転写する転写装置を備える。
【0011】
感光体2は感光体ドラムからなり、従来公知の感光体ドラムと同様に、所定膜厚の感光層が円筒状の導電性支持体の外周面に形成されている。導電性支持体の具体例は、(1)アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス、鉄、真鍮などの金属材料からなる支持体、(2)ポリエステル、ポリイミド、ポリカーボネート、ガラス等の絶縁性基板上に、上記金属、金属酸化物等の導電性材料が蒸着等により蒸着された支持体である。
【0012】
感光層の具体例は、従来公知の有機感光体である。もちろん、感光体ドラム以外の他の感光体が感光体2として用いられ得る。有機感光層の具体例は、(1)電荷発生層と電荷輸送層が順次積層されている機能分離型の積層感光層、(2)単層型の感光層である。以下、単層型の有機感光層について説明する。導電性支持体上に電荷発生剤、電荷輸送剤、増感剤等の添加剤とバインダー樹脂からなる塗布液が塗工される。電荷発生剤の具体例は、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、キノン系顔料、ペリレン系顔料、キノシアトン系顔料、インジゴ系顔料、ビスベンゾイミダゾール系顔料、キナクリドン系顔料である。好ましい電荷発生剤は、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料である。電荷輸送剤の具体例は、ヒドラゾン系、スチルベン系、フェニルアミン系、アリールアミン系、ジフェニルブタジエン系、オキサゾール系等の有機正孔輸送化合物である。増感剤の具体例は、パラジフェキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、クロラニル等の電子吸引性有機化合物である。バインダー樹脂の具体例は、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂である。好ましいバインダー樹脂は、ポリカーボネート樹脂である。
【0013】
各成分の組成比は、バインダー樹脂40〜75質量%、電荷発生剤0.5〜20質量%、電荷輸送剤10〜50質量%、増感剤0.5〜30質量%である。好ましい組成比は、バインダー樹脂45〜65質量%、電荷発生剤1〜20質量%、電荷輸送剤20〜40質量%、増感剤2〜25質量%である。各成分はトルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤と共にホモミキサー、ボールミル、サンドミル、アトライター、ペイントコンディショナー等の攪拌装置で粉砕され、分散混合され、塗布液が作製される。塗布液は、導電性支持体上に塗布され、次いで乾燥される。塗布方法の具体例は、ディップコート、リングコート、スプレーコートである。乾燥後の有機感光層の厚さは15〜40μmであり、好ましい厚さは20〜35μmである。
【0014】
帯電装置3は、転写装置7より感光体2の回転方向αに感光体2に接触して配置された第1帯電ブラシ8と、この第1帯電ブラシ8より感光体2の回転方向αに感光体2に接触して配置された第2帯電ブラシ9と、この第2帯電ブラシ9に接触して所定量のトナーを回収する回収部材である回収ローラ10と、この回収ローラ10の回収トナーを除去する回収ローラクリーニングブレード11を備えている。図1では、第1帯電ブラシ8及び第2帯電ブラシ9は、回転するブラシローラであるが、第1帯電ブラシ8は、固定ブラシであり得る。コロトロン帯電器の具体例は、スコロトロン帯電器15である。
【0015】
転写残りトナーの帯電電位と同極性で放電開始電圧(Vth)以上のバイアス(直流電圧)が第1帯電ブラシ8に印加され、感光体2上に残留する転写残りトナーがブラシ毛8aで帯電されると共に、第1帯電ブラシ8に対向する感光体2の表面が第1の電位に帯電される。第1帯電ブラシ8で帯電された感光体2上の転写残りトナーのほとんどが、ブラシ毛9aで捕集されると共に、第2帯電ブラシ9に対向する感光体2の表面が第2の電位に帯電される。第1の電位の絶対値は、第2の電位の絶対値以上である。ブラシ毛9aで捕集されずに感光体2上に残った僅かな外添剤は、転写残りトナーの帯電電位と逆極性に弱く帯電されている。
【0016】
ブラシ毛8a及び9aは、導電性カーボンを含有するレーヨン繊維、導電性カーボンを含有するナイロン繊維等の導電性繊維からなる。導電性の繊維が植え付けられた導電性布が円筒形ローラであるシャフトの外周面に固着され、第1帯電ブラシ8及び第2帯電ブラシ9が得られる。第1帯電ブラシ8及び第2帯電ブラシ9のブラシ繊度は2d以下である。
【0017】
転写残りトナーの帯電電位と逆極性のバイアス(直流電圧)が回収ローラ10に印加される。そして、回収ローラ10に印加されるバイアスが制御され、回収ローラ10は、第2帯電ブラシ9のブラシ毛9aに捕集され、かつこれに付着した転写残りトナーのトナー母粒子および外添剤の一部を回収する。外添剤が、回収ローラ10を通過した第2帯電ブラシ9のブラシ毛9aに付着する。そして、回収ローラ10のバイアスの制御により、ある一定量の外添剤が第2帯電ブラシ9のブラシ毛9aに付着されるように、第2帯電ブラシ9に付着する外添剤の量が制御される。回収ローラ10に印加されるバイアスの制御により、一定量の外添剤が、回収ローラ10通過後の第2帯電ブラシ9に付着する。
【0018】
図2(a)は、感光体2及び第2帯電ブラシ9の端部の1実施形態を示す図であり、図2(b)は、図2(a)の破線部cにおける断面を示す図である。感光層塗布部24が導電性支持体23の端部を除く外周面に形成されている。従って、導電性支持体23の端部は感光層非塗布部である。図示されない動力源からの動力がギアフランジ22に伝達され、感光体2はシャフト21を中心にして回転する。第2帯電ブラシ9もシャフト91を中心にして回転する。感光体2の感光層非塗布部は第2帯電ブラシ9のブラシ毛9aと接触している。転写残りトナーの電荷は、上記過程で、第2帯電ブラシ9のブラシ毛9a−回収ローラ10−回収ローラ10に接続された図示されない電源を結ぶ経路を流れている。更に、プロセススピードが上がっても、導電性支持体23の電気抵抗は小さいから、電流が感光体2の感光層非塗布部である導電性支持体23−第2帯電ブラシ9−回収ローラ10−回収ローラ10に接続された図示されない電源を結ぶ経路を流れ続け、感光体2の感光層塗布部上の転写残りトナーと第2帯電ブラシ9のブラシ毛9aの電位差、第2帯電ブラシ9のブラシ毛9aに吸着した転写残りトナーと回収ローラ10の電位差は維持され、転写残りトナーの電荷は、第2帯電ブラシ9のブラシ毛9aから回収ローラ10を経て、回収ローラ10に接続された図示されない電源へ流れ続ける。従って、プロセススピードが上がっても、画像形成装置1のクリーニング効率は低下しない。
【0019】
図3(a)は、感光体2及び第2帯電ブラシ9の端部の別の実施形態を示す図であり、図3(b)は、図3(a)の破線部cにおける断面を示す図である。感光体2の感光層非塗布部は、第2帯電ブラシ9の端部に設置された導電性コロ92と接触している。導電性コロ92の素材の具体例は、導電性カーボンを含む弾性物質である。弾性物質の具体例は、ウレタンゴム、発泡ウレタン、シリコーンゴム、フッ素ゴムである。プロセススピードが上がっても、導電性支持体23の電気抵抗は小さいから、電流が感光体2の感光層非塗布部である導電性支持体23−第2帯電ブラシ9−回収ローラ10−回収ローラ10に接続された図示されない電源を結ぶ経路流れ続け、感光体2の感光層塗布部上の転写残りトナーと第2帯電ブラシ9のブラシ毛9aの電位差、第2帯電ブラシ9のブラシ毛9aに吸着した転写残りトナーと回収ローラ10の電位差は維持され、転写残りトナーの電荷は、第2帯電ブラシ9のブラシ毛9a−回収ローラ10−回収ローラ10に接続された図示されない電源を結ぶ経路を流れ続ける。従って、プロセススピードが上がっても、画像形成装置1のクリーニング効率は低下しない。
【0020】
回収ローラ10に印加されるバイアスは、回収部材バイアス制御装置である回収ローラバイアス制御装置によって画像形成ユニット寿命情報または画像形成条件情報に基づいて制御される。
【0021】
図4は、回収ローラのバイアス制御を行う装置の一例を模式的に示す図である。図4に示されるように、画像形成装置1は、回収ローラ10のバイアス制御を行う回収ローラバイアス制御装置12を備えている。この回収ローラバイアス制御装置12は、印字濃度の判定装置13からの、これまでの印字において累積した印字濃度の判定データ(画像形成条件情報)に基づいて回収ローラ10へのバイアスを設定する。そして、回収ローラバイアス制御装置12は、設定したバイアスとなるように回収ローラ10へバイアスを印加するバイアス印加装置14を制御する。バイアス印加装置14は、回収ローラバイアス制御装置12が設定したバイアスを回収ローラ10に印加する。
【0022】
図5は、回収ローラのバイアス制御の一例のフローを示す図である。一定量の外添剤が第2帯電ブラシ9に付着するための、回収ローラ10のバイアス制御の一例について説明する。
【0023】
印字濃度(Duty)に応じて設定された高低2つのバイアスが、本実施形態の回収ローラ10のバイアス制御で用いられる。図3に示されるように、ステップS1で画像データが画像形成装置1に転送され、次いで、ステップS2で今までの印字における累積した印字濃度(Duty)が判定される。次に、ステップS3で判定された今までの印字により累積した印字濃度(Duty)が予め設定された設定印字濃度より大きいか否かが判断される。判定印字濃度(Duty)が設定印字濃度より大きいと判断されると、ステップS4で回収ローラ10のバイアスが、高く設定される。累積した印字濃度(Duty)が設定印字濃度より大きいと、トナーの量が多くなってきているので、回収ローラ10のバイアスが高く設定され、回収ローラ10によって回収される外添剤の量が多くなる。従って、回収ローラ10通過後の第2帯電ブラシ9のブラシ毛9aに付着する外添剤の量が少なくなる。その後、ステップS5で転送されてきた画像データの印字がスタートする。
【0024】
一方、ステップS3で累積した印字濃度(Duty)が設定印字濃度以下であると判断されると、ステップS6で回収ローラ10のバイアスが、低く設定される。累積した印字濃度(Duty)が設定印字濃度以下であると、トナーの量が少なくなってきているので、回収ローラ10のバイアスが低く設定され、回収ローラ10によって回収される外添剤の量が少なくなる。従って、回収ローラ10通過後の第2帯電部材9のブラシ毛9aに付着する外添剤の量が多くなる。その後、ステップS5に移行して、転送されてきた画像データの印字がスタートする。
【0025】
画像データの印字濃度(Duty)に応じて回収ローラ10に印加するバアイスが制御され、外添剤が回収ローラ10の通過後の第2帯電ブラシ9に常時一定量またはほぼ一定量付着するようになる。回収ローラ10のバイアス制御方法は、図5に示される例に限定されず、種々の方法が採用され得る。
【0026】
画像形成ユニット寿命情報の具体例は、感光体2の寿命情報およびトナーカートリッジ情報である。感光体2の寿命情報の具体例は、画像形成ユニットである感光体ユニットにおける印字枚数の情報である。印字枚数が多くなってくると、ブラシ毛のへたり等の第2帯電ブラシ9の経年劣化によりクリーニング性および帯電性が劣ってくる。従って、印字枚数が予め設定された設定印字枚数以上多くなってきたときは、回収ローラ10のバイアスは、予め設定された設定回収ローラバイアスより高めに設定される。逆に、印字枚数が設定印字枚数より少ないときは、回収ローラ10のバイアスは設定回収ローラバイアスより低く設定される。上記されるように、回収ローラ10のバイアスが、感光体ユニットにおける印字枚数の情報に基づいて制御され、一定量の外添剤が第2帯電ブラシ9に付着する。
【0027】
トナーカートリッジ情報の具体例は、トナー残量の情報である。トナー満タン等のトナー残量が、予め設定された設定トナー量より多いときは、トナー母粒子から遊離したあるいは遊離しやすい外添剤が多く存在するため、回収ローラ10のバイアスは予め設定された設定回収ローラバイアスより高く設定される。逆に、トナー消耗により、トナー残量が設定トナー量以下になったときは、外添剤量が少なくなるため、回収ローラ10のバイアスは設定回収ローラバイアスより低めに設定される。上記されるように、トナー残量の情報に基づいて回収ローラ10のバイアスが制御され、一定量の外添剤が第2帯電ブラシ9に付着する。
【0028】
画像形成条件情報の具体例は、パッチ動作による現像バイアスの情報および印字濃度情報である。画像形成装置1のパッチ動作により現像バイアスが決定される。パッチ動作による現像バイアスの情報は、決定された当該現像バイアスの情報である。現像バイアスが予め設定された設定現像バイアスより高く設定されると、外添剤は感光体2へ移動しやすくなるので、回収ローラ10のバイアスは予め設定された設定回収ローラバイアスより高く設定される。逆に、現像バイアスが設定現像バイアスより低く設定されると、外添剤は感光体2へ移動し難くなるので、回収ローラ10のバイアスは設定回収ローラバイアスより低く設定される。上記されるように、パッチ動作による現像バイアスの情報に基づいて回収ローラ10のバイアスが制御され、一定量の外添剤が第2帯電ブラシ9に付着する。
【0029】
回収ローラクリーニングブレード11は、回収された回収ローラ10上の転写残りトナーを回収ローラ10から除去して回収ローラ10をクリーニングする。
【0030】
第2の電位に帯電した感光体表面が、スコロトロン帯電器15に対向すると、感光体表面は第3の電位に一様に帯電される。第3の電位の絶対値は、第2の電位の絶対値より小さい。トナーの帯電位と逆極性のバイアスが、スコロトロン帯電器15のチャージ・ワイヤ151に印加され、トナーの帯電電位と同極性のバイアスが、スコロトロン帯電器15のグリッド152に印加される。グリッド152に印加されるバイアスの絶対値は、第1帯電ブラシ8に印加されるバイアスの絶対値より小さい。感光体2が有機感光体である場合、スコロトロン帯電器15は正極性のコロナ放電を行うから、オゾンと窒素酸化物は発生しない。
【0031】
露光装置4は、レーザ光等の光を感光体2に照射し、感光体2に静電潜像を書き込む。
現像装置5は、トナー母粒子に外添剤が添加されたトナーを用いている。トナー母粒子を構成する結着樹脂は、ポリエステル、スチレン−アクリル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性樹脂、ポリエチレン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピリジン、ポリビニルピロリドン、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の従来公知のトナー母粒子用結着樹脂である。
【0032】
結着樹脂の製造法の具体例は、乳化重合、分散重合、懸濁重合などの重合法、混錬・粉砕・分級工程を含む粉砕法である。最終的に得られるトナー粒子の均一性あるいは流動性などを考慮すると、結着樹脂の好ましい製造法は重合法である。
1種又は2種以上の結着樹脂が使用される。上記樹脂は例示であり、これらに限定されないことはいうまでもない。
【0033】
本発明で使用されるトナーは着色剤を含有し得る。着色剤の具体例は、有機顔料、無機顔料、および染料である。有機顔料および無機顔料の黒色顔料の具体例は、カーボンブラック、酸化銅、四三酸化鉄、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭である。
【0034】
黄色顔料の具体例は、亜鉛黄、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスエロー、ナフトールエローS、バンザエロー、ベンジジンエローG、ベンジジンエローGR、キノリンエローレーキ、パーマネントエローNCG、タートラジンレーキである。
【0035】
橙色顔料の具体例は、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGKMである。
【0036】
赤色系顔料の具体例は、ベンガラ、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピロゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bである。
【0037】
紫色顔料の具体例は、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキである。青色顔料の具体例は、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBCである。
【0038】
緑色顔料の具体例は、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGである。
白色顔料の具体例は、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛である。
体質顔料の具体例は、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイトである。
染料の具体例は、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルーである。
【0039】
本発明で使用されるトナーが透光性カラートナーである場合、以下に示す種々の顔料、染料が着色剤として用いられる。
黄色顔料の具体例は、C.I.10316(ナフトールイエローS)、C.I.11710(ハンザエロー10G)、C.I.11660(ハンザエロー5G)、C.I.11670(ハンザエロー3G)、C.I.11680(ハンザエローG)、C.I.11730(ハンザエローGR)、C.I.11735(ハンザエローA)、C.I.11740(ハンザエローNR)、C.I.12710(ハンザエローR)、C.I.12720(ピグメントイエローL)、C.I.21090(ベンジジンエロー)、C.I.21095(ベンジジンエローG)、C.I.21100(ベンジジンエローGR)、C.I.20040(パーマネントエローNCG)、C.I.21220(バルカンファストエロー5)、C.I.21135(バルカンファストエローR)である。
【0040】
赤色顔料の具体例は、C.I.12055(スターリンI)、C.I.12075(パーマネントオレンジ)、C.I.12175(リソールファストオレンジ3GL)、C.I.12305(パーマネントオレンジGTR)、C.I.11725(ハンザエロー3R)、C.I.21165(バルカンファストオレンジGG)、C.I.21110(ベンジジンオレンジG)、C.I.12120(パーマネントレッド4R)、C.I.1270(パラレッド)、C.I.12085(ファイヤーレッド)、C.I.12315(ブリリアントファストスカーレット)、C.I.12310(パーマネントレッドF2R)、C.I.12335(パーマネントレッドF4R)、C.I.12440(パーマネントレッドFRL)、C.I.12460(パーマネントレッドFRLL)、C.I.12420(パーマネントレッドF4RH)、C.I.12450(ライトファストレッドトーナーB)、C.I.12490(パーマネントカーミンFB)、C.I.15850(ブリリアントカーミン6B)である。
【0041】
青色顔料の具体例は、C.I.74100(無金属フタロシアニンブルー)、C.I.74160(フタロシアニンブルー)、C.I.74180(ファーストスカイブルー)である。
【0042】
1種又は2種以上の着色剤が使用される。着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して1〜20質量部であり、好ましくは2〜10質量部使用される。着色剤の使用量が、結着樹脂100質量部に対して20質量部より多いとトナーの定着性および透明性が低下する。一方、着色剤の使用量が、結着樹脂100質量部に対して1質量部より少ないと、所望の画像濃度が得られない虞れがある。
【0043】
本発明で使用されるトナーは離型剤を含有し得る。離型剤の具体例は、パラフィン系ワックス、ポリオレフィン系ワックス、芳香族基を有する変性ワックス、脂環基を有する炭化水素化合物、天然ワックス、炭素数12以上の長鎖脂肪酸またはそのエステル、長鎖脂肪酸金属塩(金属石鹸)、脂肪酸アミド、脂肪酸ビスアミドである。好ましい離型剤は、パラフィン系ワックス、ポリオレフィン系ワックスおよび金属石鹸である。
【0044】
パラフィン系ワックスの具体例は、パラフィンワックス(日本石油(株)製あるいは日本精蝋(株)製)、マイクロワックス(日本石油(株)製)、マイクロクリスタリンワックス(日本精蝋(株)製)、硬質パラフィンワックス(日本精蝋(株)製)、PE−130(ヘキスト製)、三井ハイワックス110P(三井化学(株)製)、三井ハイワックス220P(三井化学(株)製)、三井ハイワックス660P(三井化学(株)製)、三井ハイワックス210P(三井化学(株)製)、三井ハイワックス320P(三井化学(株)製)、三井ハイワックス410P(三井化学(株)製)、三井ハイワックス420P(三井化学(株)製)、変性ワックスJC−1141(三井化学(株)製)、変性ワックスJC−2130(三井化学(株)製)、変性ワックスJC−4020(三井化学(株)製)、変性ワックスJC−1142(三井化学(株)製)、変性ワックスJC−5020(三井化学(株)製)、密ロウ、カルナバワックス、モンタンワックスである。
【0045】
ポリオレフィン系ワックスの具体例は、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、酸化型ポリプロピレン、酸化型ポリエチレンである。ポリオレフィン系ワックスの具体例は、Hoechst Wax PE520、Hoechst Wax PE130、Hoechst Wax PE190(ヘキスト製)、三井ハイワックス200、三井ハイワックス210、三井ハイワックス210M、三井ハイワックス220、三井ハイワックス220M(三井化学(株)製)、サンワックス131−P、サンワックス151−P、サンワックス161−P(三洋化成工業(株)製)などの非酸化型ポリエチレンワックス;Hoechst Wax PED121、Hoechst Wax PED153、Hoechst Wax PED521、Hoechst Wax PED522、同Ceridust 3620 、同Ceridust VP130、同Ceridust VP5905、同Ceridust VP9615A、同Ceridust TM9610F、同 Ceridust 3715 (ヘキスト製)、三井ハイワックス420M(三井化学(株)製)、サンワックスE−300、サンワックスE−250P(三洋化成工業(株)製)などの酸化型ポリエチレンワックス;Hoechist Wachs PP230(ヘキスト製)、ビスコール330−P、ビスコール550−P、ビスコール660P(三洋化成工業(株)製)などの非酸化型ポリプロピレンワックス;ビスコールTS−200(三洋化成工業(株)製)などの酸化型ポリプロピレンワックスである。
【0046】
1種又は2種以上の離型剤が使用される。好ましい離型剤は、低軟化点(融点)の化合物である。離型剤の軟化点は40〜130℃であり、離型剤の好ましい軟化点は50〜120℃である。離型剤の軟化点は、セイコーインスツルメント(株)製DSC120で測定されるDSC吸熱曲線における吸熱メインピーク値で表される。
【0047】
脂肪酸金属塩(金属石鹸)の具体例は、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、オレイン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸マグネシウムである。
【0048】
本発明で使用されるトナーは分散剤を含有し得る。分散剤の具体例は、金属石鹸、ポリエチレングリコール等が用いられる。
【0049】
本発明で使用されるトナーは帯電制御剤を含有し得る。有機帯電制御剤あるいは無機帯電制御剤が用いられる。
正帯電制御剤の具体例は、ニグロシンベースEX(オリエント化学工業(株)製)、第4級アンモニウム塩P−51(オリエント化学工業(株)製)、ニグロシン ボントロンN−01(オリエント化学工業(株)製)、スーダンチーフシュバルツBB(ソルベントブラック3:Color Index 26150)、フェットシュバルツHBN(C.I. NO.26150)、ブリリアントスピリッツシュバルツTN(ファルベン・ファブリッケン・バイヤ製)、ザボンシュバルツX(ファルベルケ・ヘキスト製)である。特に第4級アンモニウム塩P−51が好ましく用いられる。上記の他に、アルコキシ化アミン、アルキルアミド、モリブデン酸キレート顔料も正帯電制御剤として用いられる。1種又は2種以上の正帯電制御剤が使用される。
【0050】
負帯電制御剤の具体例は、オイルブラック(Color Index 26150)、オイルブラックBY(オリエント化学工業(株)製)、ボントロンS−22(オリエント化学工業(株)製)、サリチル酸金属錯体E−81(オリエント化学工業(株)製)、チオインジゴ系顔料、銅フタロシアニンのスルホニルアミン誘導体、スピロンブラックTRH(保土谷化学工業(株)製)、ボントロンS−34(オリエント化学工業(株)製)、ニグロシンSO(オリエント化学工業(株)製)、セレスシュバルツ(R)G(ファルベン・ファブリケン・バイヤ製)、クロモーゲンシュバルツETOO(C.I.NO.14645)、アゾオイルブラック(R)(ナショナル・アニリン製)である。特にサリチル酸金属錯体E−81が好ましく用いられる。1種又は2種以上の正帯電制御剤が使用される。
【0051】
本発明で使用されるトナーは磁性剤を含有し得る。磁性剤の具体例は、Fe、Co、Ni、Cr、Mn、Zn等の金属粉;Fe34、Fe23、Cr23、フェライト等の金属酸化物;マンガンと酸を含む合金の熱処理によって強磁性を示す合金である。これらは、予めカップリング剤で処理され得る。
【0052】
外添剤が本発明で使用しされるトナーに外添される。外添剤は、負帯電性シリカ微粒子、正帯電性シリカ微粒子、酸化チタン(チタニア)微粒子等の従来公知の帯電制御剤である。
負帯電性シリカ微粒子の平均粒子径は4〜120nmであり、好ましい平均粒子径は5〜50nmであり、さらに好ましい平均粒子径は10〜40nmである。負帯電性シリカ微粒子の平均粒子径が小さい程、得られるトナーの流動性が高くなる。当該平均粒子径が4nmより小さいと、トナー母粒子に埋没してしまう虞がある。当該平均粒子径が120nmを超えると、トナーの流動性が極端に悪くなる虞がある。本明細書において、負帯電性シリカ、正帯電性シリカ、トナー母粒子、トナー粒子などの微粒子について平均粒子径は、特に断らない限り、体積平均粒子径を意味する。
【0053】
負帯電性シリカ微粒子は好ましくは疎水化処理される。負帯電性シリカ微粒子表面の疎水性ににより、トナーの流動性および帯電性が向上する。負帯電性シリカ微粒子の疎水化は、アミノシラン、ヘキサメチルジシラザン、ジメチルジクロロシランなどのシラン化合物;ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、フッ素変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル等のシリコーンオイルを用いて、例えば、湿式法、乾式法など当業者が通常使用する方法により行われる。
疎水性負帯電性シリカ微粒子の具体例は、市販の日本アエロジル(株)製のRX200、同RX50、キャボット(株)製のTG811F、同TG810G、同TG308Fである。
【0054】
正帯電性シリカ微粒子の体積平均粒子径は、好ましくは、10〜50nmであり、更に好ましくは15〜40nmである。
正帯電性シリカ微粒子は、疎水化処理されていることが好ましい。正帯電性シリカ微粒子表面の疎水性により、トナーの流動性および帯電性が向上する。正帯電性シリカ微粒子の疎水化は、上記負帯電性シリカの疎水化と同じ方法により行われる。
疎水性正帯電性シリカ微粒子の具体例は、市販の日本アエロジル(株)製のNA50H、キャボット(株)製のTG820Fである。
【0055】
比較的電気抵抗率の小さい酸化チタン微粒子が、外添剤として好ましく用いられる。酸化チタン微粒子は、ルチル型、アナターゼ型又はルチル−アナターゼ型の結晶形を取り得る。電荷の調整の容易性、印字枚数の増加に伴うトナー母粒子内への埋没性の観点から、ルチル−アナターゼ型の酸化チタン微粒子が好ましく用いられる。
酸化チタン微粒子の大きさに特に制限はない。酸化チタン微粒子の好ましい粒径又は長軸の大きさは10〜30nmである。ルチル−アナターゼ型の酸化チタンの好ましい長軸長さは20nm程度である。
【0056】
酸化チタン微粒子の帯電性が安定に維持され、酸化チタン微粒子の流動性を向上させるため、好ましくは酸化チタン微粒子の表面が疎水化される。酸化チタン微粒子の疎水化は、上記負帯電性シリカ微粒子の疎水化と同じ方法で行われる。
疎水性酸化チタン微粒子の具体例は、チタン工業(株)製STT−30sである。
【0057】
現像ローラ上に所定の層厚に規制されたトナーは、現像ローラによって感光体2の方向へ搬送される。感光体2上の静電潜像が、搬送されたトナーで現像され、感光体2上にトナー像が形成される。
【0058】
転写装置7は、例えば転写ローラで感光体2上のトナー像を転写紙、中間転写媒体等の転写媒体6に転写する装置である。トナー像が転写媒体6である転写紙に転写される場合、画像形成装置1は、転写紙上のトナー像を図示されない定着装置によって定着し、この転写紙に画像を形成する。トナー像が転写媒体6である中間転写媒体に転写される場合、中間転写媒体上のトナー像は更に転写装置で転写紙に転写された後、転写紙上のトナー像が図示されない定着装置で定着され、転写紙に画像が形成される。
【0059】
感光体2上のトナー像が転写装置7によって転写媒体6に転写された後、感光体2上に転写残りトナーが残留する。この転写残りトナーは、このトナーの帯電電位と同極性の電圧が印加される第1帯電ブラシ8の回転によって帯電される。第1帯電ブラシ8によって帯電された、感光体2上の転写残りトナーは、電位差によって第2帯電ブラシ9のブラシ毛9aに吸着する。第2帯電ブラシ9のブラシ毛9aに吸着した転写残りトナーのトナー母粒子および外添剤の一部は、トナーの帯電電位と逆極性の電圧が制御されて印加される回収ローラ10によって回収され、一定量の外添剤は第2帯電ブラシ9のブラシ毛9aに付着する。従って、第2帯電ブラシ9に対向する感光体2の表面が、一定量の外添剤がブラシ毛9aに常に付着した第2帯電ブラシ9により第2の電位に帯電される。従って、スコロトロン帯電器15に代表されるコロトロン帯電器は設置されていなくもよい。コロトロン帯電器が設置されている場合、感光体2がより均一に帯電される。そして、画像形成装置1は、感光体2のクリーニングブレードを備えていないが、長期にわたって安定した良好な画質を形成できる。
【0060】
回収ローラ10上に付着して回収されたトナー母粒子および外添剤は、回収ローラクリーニングブレード11で除去される。従って、回収ローラ10は長期にわたって第2帯電ブラシ9に付着するトナー母粒子および外添剤の一部を効果的に回収できる。
【0061】
感光体2が有機感光体である場合、ブラシ毛9aで捕集されずに感光体2上に残った僅かな外添剤は弱く正帯電されている。更に、画像形成装置1がスコロトロン帯電器15を有している場合、前記外添剤はスコロトロン帯電器15による正極性のコロナ放電により正帯電される。正帯電された外添剤のトナーを引きつける力は非常に小さく、現像装置から供給されたトナーの正帯電された外添剤への付着はほとんど発生しないから、トナーが現像工程で負極性を有する外添剤に付着し、静電潜像担持体上の本来静電潜像が形成されない部分にも静電潜像が形成されてしまう現象(外添剤メモリ)は発生しない。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の画像形成装置の1実施形態を模式的にかつ部分的に示す図
【図2】感光体及び第2帯電ブラシの端部の1実施形態を示す図
【図3】感光体及び第2帯電ブラシの端部の1実施形態を示す図
【図4】回収ローラのバイアス制御を行う装置の一例を模式的に示す図
【図5】回収ローラのバイアス制御の一例のフローを示す図
【符号の説明】
【0063】
1…画像形成装置、2…感光体、3…帯電装置、4…露光装置、5…現像装置、6…転写媒体、7…転写装置、8…第1帯電ブラシ、9…第2帯電ブラシ、10…回収ローラ、11…回収ローラクリーニングブレード、12…回収ローラのバイアス制御装置、13…印字濃度の判定装置、14…回収ローラへのバイアス印加装置、15…スコロトロン帯電器、151…チャージ・ワイヤ、152…グリッド、21…シャフト、22…ギアフランジ、23…導電性支持体、24…感光層塗布部、91…シャフト、92…導電性コロ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光層塗布部と感光層非塗布部を有し、かつトナー像が感光層塗布部に形成される像担持体に接触し、かつ転写残りトナーの帯電電位と同極性のバイアスが印加される第1帯電ブラシと、
前記第1帯電ブラシより前記像担持体の移動方向に配置され、かつ前記像担持体の感光層塗布部と感光層非塗布部に接触する第2帯電ブラシと、
前記転写残りトナーの帯電電位と逆極性のバイアスが印加され、かつ前記第2帯電ブラシに付着するトナーを回収する回収ローラを備える帯電装置。
【請求項2】
感光層塗布部と感光層非塗布部を有し、静電潜像およびトナー像が感光層塗布部に形成される像担持体と、
前記像担持体を帯電する帯電装置と、
前記像担持体に露光により静電潜像を書き込む露光装置と、
前記像担持体上の静電潜像を、トナーで現像して前記像担持体にトナー像を形成する現像装置と、
前記像担持体上のトナー像を転写媒体に転写する転写装置を備え、
前記帯電装置は、請求項1に記載された帯電装置である画像形成装置。
【請求項3】
トナー像が、感光層塗布部と感光層非塗布部を有する像担持体の感光層塗布部上に形成される工程、
トナー像が形成された像担持体が、転写残りトナーの帯電電位と同極性のバイアスが印加される第1帯電ブラシと接触する工程、
前記第1帯電ブラシに接触した像担持体の感光層塗布部が第2帯電ブラシと対向し、感光層塗布部と感光層非塗布部が、第2帯電ブラシと接触する工程、
前記第2帯電ブラシに付着するトナーが、前記転写残りトナーの帯電電位と逆極性のバイアスが印加される回収ローラにより回収される工程が行われる、像担持体の帯電方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−162858(P2009−162858A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−340072(P2007−340072)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】