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帯電防止樹脂組成物、及び帯電防止層を有するフィルム又は成型品
説明

帯電防止樹脂組成物、及び帯電防止層を有するフィルム又は成型品

【課題】滑り性に優れた塗膜を形成する帯電防止樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(メタ)アクリロイル基を有する化合物(A)、ポリテトラメチレングリコール骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(B)、及び4級アンモニウム塩基含有ポリマー(C)を含有する帯電防止樹脂組成物。ポリテトラメチレングリコール骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(B)の含有量が(A)〜(C)の合計中0.5〜40重量%である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯電防止樹脂組成物、及び帯電防止層を有するフィルム又は成型品に関し、詳しくは、滑り性に優れた塗膜を形成する帯電防止樹脂組成物、及び滑り性に優れた帯電防止層を有するフィルム又は成型品に関する。
【背景技術】
【0002】
電気製品のハウジング、ディスプレイ等の表示装置、光ディスク等の光情報記録媒体、精密電子部品には、成形性や透明性の観点からトリアセチルセルロース樹脂や、ポリカーボネート樹脂或いはポリメチルメタクリレート樹脂などのプラスチック材料が多く使用されている。ところが、これらの材料は、高い電気絶縁性を示すために帯電が起き易く、表面にゴミが付着し易いと言った問題がある。また、更に、表面の滑り性が悪いため、他の素材との接触時にブロッキングや動作不良を起こすと言った問題がある。
【0003】
このため、帯電防止性、滑り性を兼ね備えたコート膜を設ける検討が行われている。例えば、帯電防止性の付与については、4級アンモニウム塩基含有ポリマーを添加した帯電防止樹脂組成物を使用した帯電防止ハードコート層を形成する試みがなされている(特許文献1、2、3)。しかしながら、滑り性と帯電防止性を両立した組成物は未だ報告されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−268316号公報
【特許文献2】WO2003/055950号公報
【特許文献3】特開2008−255301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、滑り性に優れた塗膜を形成する帯電防止樹脂組成物を提供することを課題とする。また、本発明は、滑り性に優れた帯電防止層を有するフィルム又は成型品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明の第1の要旨は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物(A)、ポリテトラメチレングリコール骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(B)、及び4級アンモニウム塩基含有ポリマー(C)を含有することを特徴とする帯電防止樹脂組成物に存する。
【0007】
そして、本発明の第2の要旨は、基材上に上記の帯電防止樹脂組成物を塗布して成ることを特徴とするフィルム又は成型品に存する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば前記の課題が解決される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】
本発明の帯電防止樹脂組成物は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物(A)、ポリテトラメチレングリコール骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(B)、及び4級アンモニウム塩基含有ポリマー(C)を含有することを特徴とする。
【0011】
(メタ)アクリロイル基を有する化合物(A)は、分子内に(メタ)アクリロイル基を1以上有する化合物を意味し、モノマーであっても、オリゴマーであってもよい。本発明では、アクリロイル基とメタアクリロイル基を総称して、(メタ)アクリロイル基という。すなわち、(メタ)アクリロイル基を有する化合物とは、アクリロイル基のみを有する化合物であってもよく、メタアクリロイル基のみを有する化合物であってもよく、アクリロイル基とメタアクリロイル基とを有する化合物であってもよい。また、以下に記載する(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸エステルについても同様である。
【0012】
(メタ)アクリロイル基を有する化合物(A)としては、例えば、以下に記載する多官能(メタ)アクリレート、単官能(メタ)アクリレートのモノマーやオリゴマー又はポリマーが挙げられる。
【0013】
多官能(メタ)アクリレートの具体例としては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールフプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,2,2−トリス(メタ)アクリロイロキシメチルエチルコハク酸、2,2,2−トリス(メタ)アクリロイロキシメチルエチルフタル酸、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート、1分子中に(メタ)アクリレートが2個以上のエポキシ(メタ)アクリレート、1分子中に(メタ)アクリレートが2個以上のウレタン(メタ)アクリレート、1分子中に(メタ)アクリレートが2個以上のポリエステルアクリレート、グリシジルメタアクリレートの単独または共重合体の(メタ)アクリル酸付加物、(メタ)アクリル酸の単独または共重合体のグリシジルメタアクリレート付加物、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテルの単独または共重合体の(メタ)アクリル酸付加物、(メタ)アクリル酸の単独または共重合体の4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル付加物、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートの単独または共重合体の水酸基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物の付加物、水酸基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物の単独または共重合体の2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート付加物が挙げられる。ここで、水酸基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
【0014】
単官能(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールプロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル化o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート等のフタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートモノエステル等が挙げられる。
【0015】
これらの(メタ)アクリロイル基を有する化合物(A)は、2種以上を混合して使用してもよい。また、ポリテトラメチレングリコール骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(B)が滑り性に寄与するメカニズムとしては、ポリテトラメチレングリコール骨格の疎水性が高いために塗膜表面に濃縮されることによるものと推定されることから、(メタ)アクリロイル基を有する化合物(A)は、ポリテトラメチレングリコール骨格よりも極性が高い構造を有するものがより好ましい。
【0016】
(メタ)アクリロイル基を有する化合物(A)の含有量は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物(A)、ポリテトラメチレングリコール骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(B)、及び4級アンモニウム塩基含有ポリマー(C)の合計中、通常30〜99重量%、好ましくは50〜98重量%である。(メタ)アクリロイル基を有する化合物(A)の含有量が少な過ぎると塗膜の耐擦傷性が悪くなり、多過ぎると4級アンモニウム塩基含有ポリマー(C)の濃度が低下し帯電防止性が低下する。
【0017】
ポリテトラメチレングリコール骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(B)としては、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコール骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコール骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのポリテトラメチレングリコール骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(B)は、2種以上を混合して使用してもよい。
【0018】
ポリテトラメチレングリコール骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(B)の含有量は、所望する滑り性、帯電防止性によっても異なるが、(メタ)アクリロイル基を有する化合物(A)、ポリテトラメチレングリコール骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(B)、及び4級アンモニウム塩基含有ポリマー(C)の合計中、通常0.5〜40重量%、好ましくは〜30重量%である。
【0019】
4級アンモニウム塩基含有ポリマー(C)は、4級アンモニウム塩基を1以上有するポリマーである。4級アンモニウム塩基含有ポリマー(C)は、例えば、4級アンモニウム塩基を含有する不飽和基を有するモノマーと、他の不飽和基を有する化合物(例えば、モノマー、オリゴマー)との共重合によって得ることが出来る。このような4級アンモニウム塩基含有ポリマー(C)の具体例としては、以下の(i)〜(v)が挙げられる。
【0020】
(i)4級アンモニウム塩基を含有した重合性基を有するモノマーと、(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体
(ii)4級アンモニウム塩基を含有した重合性基を有するオリゴマーと、(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体
(iii)4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリル酸エステルと、他の(メタ)アクリル酸エステル及び/又はスチレン系モノマーとの共重合体
(iv)4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリル酸エステルと、他の(メタ)アクリル酸エステル及び/又はスチレン系オリゴマーとの共重合体
(v)4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリル酸エステルと、他の(メタ)アクリル酸エステル及び/又は他の(メタ)アクリル酸エステルオリゴマーとの共重合体
【0021】
4級アンモニウム塩基を含有した重合性基を有するモノマーの具体例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの4級塩の如きエステル結合を有する化合物、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドの4級塩の如きアミド結合を有する化合物などが挙げられる。
【0022】
4級アンモニウム塩基含有ポリマー(C)の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を使用したポリスチレン標準により求められる数平均重量分子量として、通常5000〜500000、好ましくは7000〜300000である。4級アンモニウム塩基含有ポリマー(C)の数平均重量分子量がこの下限を下回ると、硬化塗膜表面へのブリードが起こり易くなる恐れがあり、また、上限を上回ると、滑り性に優れた塗膜を形成する帯電防止樹脂組成物における相溶性が低下する恐れがある。
【0023】
上記の4級アンモニウム塩基含有ポリマー(C)は2種以上を混合して使用してもよい。
【0024】
4級アンモニウム塩基含有ポリマー(C)の含有量は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物(A)、ポリテトラメチレングリコール骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(B)、及び4級アンモニウム塩基含有ポリマー(C)の合計中、通常0.5〜30重量%、好ましくは1〜20重量%である。4級アンモニウム塩基含有ポリマー(C)の含有量が少な過ぎると4級アンモニウム塩基含有ポリマーによる十分な帯電防止性能を得ることが出来ず、多過ぎると硬化塗膜の透明性が低下する恐れがある。
【0025】
本発明の帯電防止樹脂組成物は、通常、ガンマ線、電子線、紫外線などの活性エネルギー線や熱よって硬化することが出来る。紫外線で硬化させる場合、本発明の帯電防止樹脂組成物には光重合開始剤を添加することが好ましい。光重合開始剤としては、ベンゾフェノン系開始剤、ジケトン系開始剤、アセトフェノン系開始剤、ベンゾイン系開始剤、チオキサントン系開始剤、キノン系開始剤などの公知の重合開始剤を使用してもよい。熱で硬化する場合、本発明の帯電防止樹脂組成物には有機過酸化物を添加することが好ましい。有機過酸化物としては、ケトンパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル等が挙げられる。
【0026】
通常、重合開始剤の使用量は、帯電防止樹脂組成物中の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(A)、ポリテトラメチレングリコール骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(B)、及び4級アンモニウム塩基含有ポリマー(C)の合計100重量部に対して0.1〜20.0重量部の範囲である。
【0027】
本発明の帯電防止樹脂組成物は溶剤を含有させて使用することが出来る。硬化後に得られる帯電防止層が所望の厚さとなるよう任意の量の溶剤を含有させることが出来る。
【0028】
溶剤としては、例えば、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、t−ブタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤などが挙げられる。これらの溶剤は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0029】
溶剤の含有量は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物(A)、ポリテトラメチレングリコール骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(B)、及び4級アンモニウム塩基含有ポリマー(C)の合計100重量部に対し、通常1〜10,000重量部、好ましくは20〜5000重量部、更に好ましくは40〜1000重量部の範囲である。
【0030】
本発明の帯電防止樹脂組成物には、シリコーン系、フッ素系のレベリング剤、N−ビニルホルムアミドのようなアミド結合を有する重合性モノマー等を添加することも可能である。また、本発明の帯電防止樹脂組成物に微粒子を添加することにより、ハードコート層の表面に微細な凸凹が形成されるため、防眩性も付与することが出来る。この場合、微粒子としては、シリカ等の無機系微粒子や、ポリメチル(メタ)アクリレート等の有機系微粒子などが挙げられる。また、本発明の帯電防止樹脂組成物には、上記以外にも必要に応じてその他の添加剤を含有させてもよい。
【0031】
本発明の帯電防止樹脂組成物は、通常、公知の塗工装置を使用して基材上に塗布した後、溶剤を含有させた場合は溶剤を除去して乾燥し、活性エネルギー線を照射して硬化させることにより、滑り性に優れた帯電防止層を形成する用途に使用される。滑り性に優れた帯電防止層は、基材上に他の層を介して形成してもよい。
【0032】
公知の塗工装置としては、マイクログラビアコーター、グラビアコーター、マイヤーバーコーター、ダイコーター、スプレー塗装などの塗工装置を使用することが出来る。また、基材としては、特に制限されるものではないが、例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ノルボルネン系樹脂などの樹脂フィルムや樹脂基板を挙げることが出来る。
【0033】
本発明の帯電防止樹脂組成物を使用することにより形成された滑り性に優れた帯電防止層は、指紋などによる汚染が目立ち難く、付着した指紋が拭き取り易いことから、耐指紋性帯電防止層として利用することも可能である。
【0034】
本発明のフィルムまたは成型品は、滑り性に優れた帯電防止層を有するため、電機製品の筐体、ディスプレイ等の表示素子のハードコート層などの保護用フィルム、精密電子部品、床材、各種フィルム、シート、成型品などとして有用である。
【実施例】
【0035】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
【0036】
実施例1〜3及び比較例1:
各構成成分を表1に示す割合で配合した組成物を、トリアセチルセルロースフィルム(80μm)上に#10バーコーターにて塗布し、約60℃で1分間乾燥後、80W/cmの高圧水銀ランプを使用し、積算光量400mJ/cm、ピーク強度140mW/cmの条件で硬化させた。
【0037】
【表1】

【0038】
※1:東亞合成社製ジペンタエリスリトールペンタアクリレート/ヘキサアクリレート混合物
※2:新中村化学工業社製ポリテトラメチレングリコールジアクリレート
※3:日本化成社製4級アンモニウム塩基含有ポリマー(数平均分子量28000)
※4:チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
【0039】
実施例1〜3及び比較例1で得られた帯電防止層を有するフィルムについて下記項目を評価し、評価結果を表2に示した。
【0040】
(1)表面抵抗:
23℃、50%RHの環境下、三菱化学アナリテック社製ハイレスタUP/URSプローブを使用し、印加電圧500Vで測定した。
【0041】
(2)静摩擦係数:
NBC社製ポリエステル製スクリーンメッシュ(305メッシュ/inch)を使用して塗膜表面との静摩擦係数を測定した。測定にはHEIDON社製「Static Friction TESTER HEIDON−10」を使用した。
【0042】
【表2】

【0043】
表2の結果から、本発明の帯電防止樹脂組成物を使用することにより、滑り性と帯電防止性能の向上が可能であることが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(メタ)アクリロイル基を有する化合物(A)、ポリテトラメチレングリコール骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(B)、及び4級アンモニウム塩基含有ポリマー(C)を含有することを特徴とする帯電防止樹脂組成物。
【請求項2】
ポリテトラメチレングリコール骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(B)の含有量が(メタ)アクリロイル基を有する化合物(A)、ポリテトラメチレングリコール骨格を有する(メタ)アクリレート化合物(B)、及び4級アンモニウム塩基含有ポリマー(C)の合計中0.5〜40重量%である、請求項1に記載の滑り性に優れた塗膜を形成する帯電防止樹脂組成物。
【請求項3】
基材上に請求項1又は2に記載の帯電防止樹脂組成物を塗布して成ることを特徴とするフィルム又は成型品。

【公開番号】特開2012−177050(P2012−177050A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−41582(P2011−41582)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000230652)日本化成株式会社 (85)
【Fターム(参考)】