説明

平板状被検査体の検査装置

【課題】パネル受けを交換することなく、及び被検査体が偏光板を備えるか否かに関わりなく、被検査体を正しく検査可能にすることにある。
【解決手段】平板状被検査体の検査装置は、第1の開口を有する第1のベースと、第1の開口に対向する第2の開口を共同して形成する4つの第2のベースと、少なくとも1つの第2のベースに対応されて、対応する第2のベースを昇降させる少なくとも1つの昇降装置を含む。昇降装置は、上下方向に貫通した第1の開口を有する第1のベースと、第1の開口に対向する第2の開口を共同して形成するように枠状に、第1のベースの上方に配置された4つの長い第2のベースと間に配置されて、対応する第2のベースを第1のベースに昇降可能に支持させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示パネルのような平板状被検査体を検査する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示パネルのような矩形の平板状被検査体を点灯検査する検査装置は、被検査体が装着されるパネル受けを備える。このパネル受けは、被検査体を受ける受け面を共同して形成する4つのパネル受け部を含む。これらのパネル受け部は、被検査体を安定して支持しつつ、検査用の光の通路となる矩形の開口を形成すべく、被検査体の外周の4つの辺の縁部において被検査体を受けるように配置されている。
【0003】
ところで、そのような被検査体には、最終製品の画面寸法の種類に応じて、4つの辺の寸法、すなわち外周寸法が異なる様々な種類の被検査体がある。そのような複数種類の被検査体を1つのパネル受けで検査できる検査装置として、例えば、特許文献1に記載の検査装置がある。
【0004】
特許文献1に記載の検査装置は、第1の開口を有する板状のテーブルベースと、該テーブルベースの上方に間隔をおいて配置されて、被検査体を受けるパネル受けと、前記テーブルベース及び前記パネル受け間に配置されて、前記テーブルベース及び前記パネル受けを結合する結合装置とを含む。
【0005】
前記パネル受けは、卍型状に組み合わせることで前記第1の開口に対向する矩形の第2の開口を共同して形成する4つの移動片であって、被検査体を受けるパネル受け部をそれぞれが有する4つの移動片を含み、前記結合装置は、各移動片が前記テーブルベースに平行な面内で二次元的に移動可能に前記移動片と前記テーブルベースとを結合する。
【0006】
この検査装置によれば、各移動片が前記テーブルベースに平行な面内において移動可能であるから、前記4つの移動片により形成される第2の開口の大きさ、すなわち4つのパネル受け部の配置位置を、被検査体の外周寸法に応じて変更することができる。これにより、様々な種類の被検査体を1つのパネル受けで検査することができる。
【0007】
しかし、点灯検査される被検査体には、その外周寸法の異なる被検査体の他に、2枚のガラス基板内に液晶を封入したアレイ基板のみの被検査体と、該アレイ基板に通過させる光の偏光を揃える偏光板を、前記アレイ基板の片面又は両面に設けた被検査体とがある。
【0008】
前記偏光板は、アレイ基板のほぼ全面を覆うように設けられるが、設計上、アレイ基板の通電用の複数の端子を配置した端子部及び該端子部の裏側の部分には設けられない。この端子部は、アレイ基板の外周の4つのいずれかの辺、一般には隣り合う2つの辺に沿った縁部に設けられる。
【0009】
したがって、パネル受けに対向する面に偏光板を有する被検査体の場合、端子部又はその裏側に偏光板を備えない縁部の厚さ寸法とそれ以外の偏光板を備える縁部の厚さ寸法とが異なる。その結果、パネル受けに対する被検査体の被支持部の高さ位置が異なる。
【0010】
例えば、偏光板を備えないアレイ基板のみの平坦な被検査体を前記テーブルベースに対して平行に受けるべく、4つのパネル受け部の受け面の高さ位置を同一にしたパネル受けにおいて、偏光板を備える被検査体をパネル受けに載置すると、その被検査体は、偏光板の厚さ寸法に対応した角度だけテーブルベースに対し傾いてパネル受けに受けられる。この被検査体の傾きは、検査時に、検査用の接触子が前記端子に正確に接触できない恐れを生じさせる。
【0011】
したがって、被検査体が偏光板を備える場合と備えない場合との場合において、パネル受けが被検査体を前記テーブルベースに対して平行に受けるには、アレイ基板のみの被検査体用として4つのパネル受け部の受け面の高さ位置を揃えたパネル受けと、アレイ基板に偏光板が取り付けられた被検査体用に、端子部に対応する縁部を受けるパネル受け部の受け面の高さを偏光板の厚さ寸法分だけ、他の縁部を受けるパネル受け部の受け面に対して高くしたパネル受けとを準備し、被検査体が偏光板を備えるか否かに応じて、パネル受けを交換する必要があった。しかし、パネル受けの交換作業は繁雑で、さらに近年の液晶パネルの大型化により、パネル受けも大型化しており、交換作業の繁雑さ及び危険性が増している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2007−40747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、パネル受けを交換することなく、及び被検査体が偏光板を備えるか否かに関わりなく、被検査体を正しく検査可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の平板状被検査体の検査装置は、上下方向に貫通した第1の開口を有する第1のベースと、前記第1の開口に対向する矩形の第2の開口を共同して形成するように、前記第1のベースの上方に配置された4つの長い第2のベースであって、それぞれが平板状被検査体を共同して受ける受け面を有する4つの第2のベースと、少なくとも1つの前記第2のベースに対応されて、対応する第2のベースを昇降させる少なくとも1つの昇降装置であって、対応する第2のベースと前記第1のベースとの間に配置されて、対応する第2のベースを前記第1のベースに昇降可能に支持させる少なくとも1つの昇降装置とを含む。
【0015】
前記昇降装置は、対応する第2のベースと前記第1のベースとの間に配置されていてもよく、また前記第2のベースを前記第1のベースに対し昇降させる少なくとも1つの昇降機構と、該昇降機構を駆動させる駆動機構であって、前記第1又は第2のベースに取り付けられた駆動機構とを含むことができる。
【0016】
前記昇降機構は、互いに対向された第1及び第2の固定部材であって、それぞれ前記第1のベースの上側及び第2のベースの下側に取り付けられた第1及び第2の固定部材と、前記第2のベースの長手方向へ移動可能に前記第1及び第2の固定部材に結合されていると共に、前記駆動機構により前記第2のベースの長手方向へ移動される可動部材とを含むことができ、前記第1の固定部材及び前記可動部材の結合部又は第2の固定部材及び前記可動部材の結合部は、前記第2のベースの長手方向に対し傾斜した方向に前記可動部材に対して相対的に移動可能に結合されていてもよく、前記昇降装置は、さらに、前記第2のベースが前記第1のベースに対し昇降することは許すが、少なくとも前記第2のベースの長手方向へ移動することは阻止する複数の移動規制機構を含むことができる。
【0017】
前記第1及び第2の固定部材のいずれか一方は、前記第2のベースの長手方向へ延びる第1のレールであって、前記第1及び第2のベースのいずれか一方に取り付けられた第1のレールを含むことができ、前記可動部材は、前記第1のレールに沿って移動可能に該第1のレールに結合された第1のガイドと、該第1のガイドに取り付けられた第1の楔形部材であって、前記第2のベースの長手方向に対して傾斜した第1の傾斜部を有する第1の楔形部材と、前記第1の傾斜部に取り付けられてその傾斜方向へ延びる第2のレールとを含むことができ、前記第1及び第2の固定部材の他方は、前記第2のレールに沿って移動可能に前記第2のレールに結合された第2のガイドと、前記第1の傾斜部に平行に対向した第2の傾斜部を備えていてもよく、該第2の傾斜部に前記第2のガイドが取り付けられた第2の楔形部材であって、前記第1及び第2のベースの他方に取り付けられた第2の楔形部材とを含むことができる。
【0018】
前記検査装置には、2つ、3つ又は4つの前記第2のベースのそれぞれに前記昇降装置が配置されていてもよい。
【0019】
前記第1の開口は、下側の第3の開口及び上側の第4の開口を含んでいてもよく、前記第1のベースは、第3の開口及び上面を有するテーブルベースと、該テーブルベースの上方において矩形の前記第4の開口を形成するように配置された長い4つの移動片と、前記テーブルベース及び各移動片の間に配置されて前記第4の開口の大きさを変更するように各移動片を前記テーブルベースの上面に平行な面内で二次元的に移動可能に結合している結合装置とを含むことができ、各第2のベースは、前記移動片に対応されて、対応する移動片の上側に配置されていていてもよい。
【0020】
前記移動規制機構は、前記第1及び第2のベースのいずれか一方に取り付けられたリニアブッシュであって、前記昇降機構の昇降方向に貫通した穴を有するリニアブッシュと、前記第1及び第2のベースの他方に固定されたシャフトであって、前記穴に通されたシャフトとを含むことができる。
【0021】
前記検査装置は、さらに、前記受け面に受けられた平板状被検査体を位置決めるアライメント装置を含むことができ、各第2のベースは、前記受け面を有するパネル受け部を含み、前記アライメント装置は、対向する一対の前記第2のベースの一方及び他方にあって前記受け面の外側にそれぞれ配置された第1のプッシャー機構及び第1の位置決め機構と、対向する他の一対の前記第2のベースの一方及び他方にそれぞれ配置された第2のプッシャー機構及び第2の位置決め機構とを備え、前記プッシャー機構及び前記位置決め機構のそれぞれは、前記パネル受け部に受けられた平板状被検査体を対向する位置決め機構又はプッシャー機構に押圧する少なくとも1つの押圧部材と、該押圧部材を対応する第2のベースの長手方向及び幅方向に変位させる少なくとも1つのアライメント駆動機構とを有し、各位置決め機構の前記アライメント駆動機構は、対応する押圧部材の進退方向における前記押圧部材の位置を対向するプッシャー機構の押圧力に抗して解除可能に維持することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明においては、少なくとも1つの第2のベースをこれに対応する昇降装置により他の第2のベースに対して昇降させることができる。このため、被検査体が受け面に受けられる被支持部に偏光板を備えているか否かに応じて、少なくとも1つの第2のベースの高さ位置を他の第2のベースの高さ位置に対して調整することにより、被検査体を正しい姿勢に受け面に受けることができる。その結果、パネル受けを交換することなく、偏光板の有無に応じて被検査体を正しく検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る検査装置の第1の実施例を示す斜視図である。
【図2】第1の実施例における移動機構を示す概略図である。
【図3】第1の実施例における昇降装置を示す側面図である。
【図4】第1の実施例における昇降装置を示す斜視図である。
【図5】図3におけるAの部分を拡大した側面図である。
【図6】図3におけるBの部分を拡大した断面図である。
【図7】図5におけるAの部分の昇降装置の降下状態を示す側面図である。
【図8】アライメント装置を示す側面図である。
【図9】アライメント装置のプッシャー機構を示す斜視図である。
【図10】アライメント装置の位置決め機構を示す斜視図である。
【図11】アライメント装置の動作の概略図である。
【図12】本発明に係る検査装置の第2の実施例を示す概略図である。
【図13】第2の実施例における移動機構を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[用語の説明]
【0025】
本発明においては、図3において、上下方向をZ方向又は上下方向といい、左右方向をX方向又は左右方向といい、紙背方向をY方向又は前後方向という。しかし、それらの方向は検査時の被検査体の姿勢に応じて異なる。
【0026】
それゆえに、本発明に係る検査装置は、X方向及びY方向により規定されるXY面が、水平面となる状態、水平面に対し傾斜した状態となる状態等、いずれの状態で使用してもよい。
【0027】
[第1の実施例]
【0028】
図1〜3を参照するに、検査装置10は、液晶表示パネルのような平板状被検査体12とし、その被検査体12を所定の電気回路に接続して、点灯検査のような検査をする装置として用いられる。
【0029】
被検査体12は、透明な2枚の基板間に液晶を封入したアレイ基板16と、アレイ基板16の両面に張り付けられて、通過する光の偏光を揃える偏光板18とを含む。しかし、被検査体12には、偏光板18を含まないものや、アレイ基板16の上面及び下面のいずれか一方にのみ貼り付けられた偏光板18を備えたものがある。
【0030】
アレイ基板16は、矩形の形状を有しており、また矩形の辺に沿ったいくつかの縁部が複数の端子を設けた端子部20とし、端子部20以外の領域を表示部22としている。偏光板18は、表示部22にのみ設けられ、端子部20及びその裏側には、偏光板18は設けられていない。すなわち偏光板18が設けられた表示部22と、偏光板18が設けられていない端子部20とでは、被検査体12の厚さ寸法が異なる。図1において、アレイ基板16は、矩形の隣り合う2つ辺に端子部20を備える。
【0031】
図1を参照するに、検査装置10は、上下方向に貫通した第1の開口を中央領域に有する第1のベース24と、前記第1の開口に対向する矩形の第2の開口を共同して形成するように第1のベース24の上方に間隔をおいて配置された4つの第2のベース26を備えるパネル受け14と、各第2のベース26及び第1のベース24の間に配置されて、各第2のベース26を第1のベース24に昇降可能に支持させる昇降装置28とを含む。
【0032】
パネル受け14に受けられた被検査体12を下方から照明するバックライトユニット(図示せず)は、第1のベース24の下方に間隔をおいて配置されている。前記第1及び第2の開口は、そのバックライト(図示しない)の光をパネル受け14に配置された被検査体12の表示部22へ導く通路として作用する。
【0033】
各第2のベース26は、長い板状のパネル受け部26aと、長い板状部材26bとを含み、またパネル受け部26aが板状部材26bの幅方向における一方の縁部から立ち上がるように、及び板状部材26bがXY面内に位置する(水平となる)ように、パネル受け部26aと板状部材26bとをL字状に結合している。各第2のベース26の、パネル受け部26aの長手方向に延びる上端面は、被検査体12を共同して受ける受け面26cとされている。
【0034】
図2を参照するに、第1のベース24は、前記第1の開口の下側部分として作用する第3の開口を有する板状のテーブルベース30と、前記第1の開口の上側部分をとして作用する第4の開口を形成するように卍型状に組み合わされた長い板状の4つの移動片32a〜32dと、移動片32a〜32d及びテーブルベース30の間に配置されて、移動片32a〜32dをX方向及びY方向に二次元的に移動可能にテーブルベース30に結合している結合装置34とを含む。
【0035】
[移動片について]
【0036】
対向する一対の移動片32a及び32bはXY平面内をY方向に間隔をおいてX方向に平行に延びており、また対向する他の一対の移動片32c及び32bはXY平面内をX方向に間隔をおいてY方向に平行に延びている。それらの移動片32a〜32dは、結合装置34により、第4の開口の大きさを変更するようにXY平面内を二次元的に移動可能にテーブルベース30に結合されている。
【0037】
隣り合う2つの移動片32は、X方向(又は、Y方向)に一体となって移動可能に、またY方向(又はX方向)に個々に移動可能に適宜な結合手段により結合されている。これにより、隣り合う移動片32は、相手の移動片32が独立してY方向(又は、X方向)へ移動することを妨げることなく、結合されている。
【0038】
そのような結合手段として、例えば、X方向(又は、Y方向)に延びて第4の開口側に開放する、台形の断面形状を有する蟻溝と、該蟻溝に滑動可能に嵌合された蟻柄との組合せを用いることができる。蟻溝は、隣り合う2つの移動片32の一方の幅方向における第4の開口の側に形成され、蟻柄は隣り合う2つの移動片32の他方の長手方向における一端縁部に形成される。また、蟻溝と蟻柄との組合せに代えて、レールと、該レールに滑動可能に及び離脱不能に結合されたガイドとの組み合わせのような、他の結合手段を用いてもよい。
【0039】
[結合装置について]
【0040】
図2を参照するに、結合装置34は、X方向に間隔をおいてY方向に伸びかつX方向へ移動可能にテーブルベース30に取付けられた、長い板状の一対の第1のスライダ36と、第1のスライダ36の上方でY方向に間隔をおいてX方向に平行に延びかつY方向へ移動可能にテーブルベース30に取付けられた、長い板状の一対の第2のスライダ38とを備える。
【0041】
第1及び第2のスライダ36及び38は、テーブルベース30の上面に井桁状に配置されている。各第1のスライダ36は、X方向へ延びるレール42に移動可能に、一端部及び他端部において結合されている。各第2のスライダ38は、Y方向へ延びるレール44に移動可能に、一端部及び他端部において結合されている。各第2のスライダ38は、第1及び第2の結合部材40a及び40bにより、Y方向へ移動可能に両第1のスライダ36に結合されている。
【0042】
結合部材40a及び40bのそれぞれは、対応する第1のスライダ36に設けられかつその第1のスライダ36の長手方向へ延びる一対のレール46a(又は、46b)にY方向に移動可能に結合されていると共に、対応する第2のスライダ38に設けられかつその第2のスライダ38の長手方向へ延びる一対のレール48a(又は、48b)にX方向に移動可能に結合されている。これにより、結合部材40a及び40bは、テーブルベース30に対し、XY面内を二次元的に移動可能である。
【0043】
図示の例では、X方向へ延びる移動片32a及び32bは、それぞれ、下側に設けられてX方向へ延びるレール41a及び41bを有する。レール41a及び41bは、それぞれ、結合部材40b及び40bに設けられた一対のガイド43b及び43bに相対的に移動可能に結合されている。これにより、移動片32a及び32bは、それぞれ、X方向へ移動可能に及びY方向へ移動不能に、第2のスライダ38及び38に結合さている。
【0044】
同様に、Y方向へ延びる移動片32c及び32dは、それぞれ、下側に設けられてY方向へ延びるレール41c及び41dを有する。レール41c及び41dは、それぞれ、結合部材40a及び40aに設けられた一対のガイド43a及び43aに相対的に移動可能に結合されている。これにより、移動片32c及び32dは、それぞれ、Y方向へ移動可能に及びX方向へ移動不能に、第1のスライダ36及び36に結合さている。
【0045】
第1及び第2のスライダ36及び38のそれぞれは、移動片駆動機構50により、X方向(又は、Y方向)に移動されて、そのような移動方向における適宜位置に解除可能に維持される。
【0046】
各移動片駆動機構50として、テーブルベース30の上面に配置されたモータと、X方向(又は、Y方向)に延びる状態に前記モータに連結された、該モータにより回転されるボールねじと、該ボールねじに螺合されかつ第1及び第2のスライダ36又は38に連結具により連結されたナットとを含む機構が用いられる。モータはパルスモータのように回転角度位置を解除可能に維持するように、位置制御可能のモータである。
【0047】
例えば、両第1のスライダ36が対応する移動片駆動機構50により相寄り相離れる方向(X方向)へ移動されると、結合部材40a及び40aを介して第1のスライダ36及び36に結合されたY方向へ延びる移動片32c及び32dが相寄り相離れる方向(X方向)へ結合部材40a及び40aと共に移動されると共に、移動片32c及び32dに前記した蟻溝、蟻柄等の結合手段により連結された移動片32a及び32bが移動片32c及び32dの移動にともなってX方向へ移動される。
【0048】
第1のスライダ36がX方向へ移動したとき、第2のスライダ38及び38に対する移動片32a及び32bのX方向への移動は、移動片32a及び32bに設けられてX方向へ延びるレール41a及び41bと、各結合部材に設けられたガイド43b及び43bとの間の相対的な移動により、許される。
【0049】
また、両第2のスライダ38が対応する移動片駆動機構50により相寄り相離れる方向(Y方向)へ移動されると、結合部材40b及び40bを介して第2のスライダ38及び38に連結されたY方向へ延びる移動片32a及び32bが相寄り相離れる方向(Y方向)へ結合部材40b及び44bと共に移動されると共に、移動片32a及び32bに前記した蟻溝、蟻柄等の結合手段により連結された移動片32c及び32dが移動片32a及び32bの移動にともなってY方向へ移動される。
【0050】
第2のスライダ38がY方向へ移動したとき、第1のスライダ36及び36に対する移動片32c及び32dのY方向への移動は、移動片32c及び32dに設けられてY方向へ延びるレール41c及び41dと、結合部材40b及び40bに設けられたガイド43a及び43aとの間の相対的な移動により、許される。
【0051】
これにより、4つの移動片32a〜32dは、第4の開口の大きさを変更するように移動される。その結果、第4の開口、ひいては後に説明する第2の開口の大きさを、検査すべき被検査体12の平面寸法に応じて変更することができる。この作業は、被検査体12の点灯試験に先立って行われる。
【0052】
[昇降装置について]
【0053】
図3〜6を参照するに、各第2のベース26は、対応する移動片32の直上に間隔をおいて配置されており、昇降装置28は、第2のベース26を対応する移動片32に対して昇降可能に支持すべく、第2のベース26と対応する移動片32との間に配置されている。
【0054】
図4を参照するに、昇降装置28は、第2のベース26を昇降可能に支持する4つの昇降機構52と、これら昇降機構52に連結されて昇降機構52を駆動させる駆動機構54と、第2のベース26が上下方向(Z方向)に昇降することは許すが、左右方向及び前後方向(X方向及びY方向)に移動することは阻止する6つの移動規制機構56とを含む。昇降機構52、駆動機構54及び移動規制機構56の数は、被検査体12の寸法、重量、及びパネル受け14の大きさに等に基づいて決定される。
【0055】
駆動機構54は、対応する移動片32の長手方向に間隔をおいて移動片32の長手方向と直交する方向へ延びる2つの第1の駆動力伝達部材79と、両第1の駆動力伝達部材79に連結された第2の駆動力伝達部材80と、第2の駆動力伝達部材80に連結されて、対応する第2の駆動力伝達部材80を対応する移動片32に長手方向へ移動させる駆動源82と、移動片32に取り付けられて第1の駆動力伝達部材79を移動片32の長手方向に移動可能に支持する支持部材84とを含む。
【0056】
各第1の駆動力伝達部材79は、移動片32の幅方向に延びる長い板状(又は、棒状)の形状を有しており、また移動片32の幅方向に間隔をおいて配置された一対の昇降機構52にその一端又は他端で結合されている。第2の駆動力伝達部材80は、移動片32の長手方向に延びる長い板状(又は、棒状)の形状を有しており、また2つの第1の駆動力伝達部材79に連結されて、その一端で駆動源82に連結されている。
【0057】
駆動源82は、第2の駆動力伝達部材80を移動片32の長手方向に移動させ、これにより、第2の駆動力伝達部材80に連結された第1の駆動力伝達部材79を介して昇降機構52を駆動させる。駆動源82は、空気圧シリンダや油圧シリンダのような流体圧シリンダ機構を含むことができる。このシリンダ機構は、そのシリンダが移動片32又は第2のベース26に取り付けられ、ピストンロッドが第2の駆動力伝達部材80に連結される。
【0058】
しかし、駆動源82は、シリンダ機構に代えて、パルスモータのように回転角度位置を制御可能のモータを含むことができる。この場合、第2の駆動力伝達部材80はボールねじ及び該ボールねじに螺合されたナットを有し、第1の駆動力伝達部材79は前記ナットに結合される。これにより、前記モータで前記ボールねじを回転させることにより、前記ナットを移動片32の長手方向に進退させ、ひいては第1の駆動力伝達部材79を介して後に説明する可動部材62を移動片32の長手方向に移動させる。
【0059】
図3、4及び6を参照するに、移動規制機構56は、上下方向に貫通する貫通穴を有するリニアブッシュ86と、リニアブッシュ86の貫通穴に嵌合されたシャフト88とを含む。リニアブッシュ86及びシャフト88は、それぞれ、第2のベース26及び移動片32に取り付けられている。移動規制機構56は、また、リニアブッシュ86の貫通穴に連続して第2のベース26に設けられた穴89を含む。
【0060】
シャフト88は、リニアブッシュ86の穴径よりやや小さいが、概ね同一の直径寸法を有する。これにより、シャフト88は、リニアブッシュ86がシャフト88に対してX方向及びY方向へ移動することを阻止し、ひいては第2のベース26が移動片32に対してX方向及びY方向へ移動することを阻止する。
【0061】
しかし、リニアブッシュ86の貫通穴の内壁には複数の球体が設けられ、シャフト88がリニアブッシュ86に対して上下方向に滑動可能とされているから、第2のベース26が移動片32に対して上下方向へ移動すること、すなわち昇降することは可能である。
【0062】
図5を参照するに、各昇降機構52は、移動片32の上面及び第2のベース26の下面にそれぞれ取り付けられた第1及び第2の固定部材58及び60と、第2のベース26の長手方向へ移動可能に第1及び第2の固定部材58及び60に結合された可動部材62とを含む。
【0063】
第1の固定部材58は、移動片32に取り付けられた第1のレール64を含む。可動部材62は、第1のレール64に沿って滑動可能に第1のレール64に結合された第1のガイド66と、第1のガイド66の上部に取り付けられた第1の楔形部材68と、第1の楔形部材68の上部に取り付けられた第2のレール70とを含む。第2の固定部材60は、第2のレール70に沿って滑動可能に第2のレール70に結合された第2のガイド72と、第2のガイド72の上部及び第2のベース26の下面に取り付けられた第2の楔形部材74とを含む。
【0064】
第1の楔形部材68の上部は、移動片32の長手方向へ傾斜した第1の傾斜部76とされている。第2の楔形部材74の下面は、第1の傾斜部76に平行な第2の傾斜部78とされている。
【0065】
第2のレール70は、第1の傾斜部76にその傾斜方向に延びるように移動不能に取り付けてられている。第2のレール70に滑動可能に結合された第2のガイド72は、第2の傾斜部78に移動不能に取り付けられている。
【0066】
第1のレール64は、移動片32の長手方向に伸びて移動片32の上面に移動不能に取り付けている。第1のレール64に滑動可能に結合された第1のガイド66は、第1の楔形部材68の下部に移動不能に取り付けられている。
【0067】
移動片32に対する第2のベース26の昇降は、駆動源82の動力が第1及び第2の駆動力伝達部材79及び80を介して第1の楔形部材68を移動片32の長手方向に移動させることにより行われる。すなわち、図5及び図7を参照するに、第1の楔形部材68及びこれに取り付けられた第2のレール70が移動片32の長手方向に移動すると、第2の楔形部材74及びこれが取り付けられた第2のベース26が、第1の傾斜部76の傾斜方向に延びる第2のレール70に沿って、第1の楔形部材68に対して滑り降り又は滑り昇るように移動される。
【0068】
このとき、第2のベース26は、移動規制機構56により移動片32の長手方向への移動を阻止されているから、第1の楔形部材68のみが移動片32の長手方向に移動する。これにより、第2のベース26は、移動片32に対し、その長手方向に移動することなく、下降又は上昇する。また、第1のレール64及び第1のガイド66は、第1の楔形部材68が長手方向へのみ移動することを円滑にする。
【0069】
第1のレール64及び第1のガイド66は、それぞれ、第1の楔形部材68及び移動片32の上面に入れ替えて取り付けられていてもよく、また第2のレール70及び第2のガイド72は、それぞれ、第2の楔形部材74の下部及び第1の楔形部材68の上部に入れ替えて取り付けられていてもよい。
【0070】
さらに、レール及びガイドを用いずに、第1の楔形部材68が第2の楔形部材74の第2の傾斜部78及び移動片32の上面に接するように第1の楔形部材68を配置し、また1の楔形部材の上部及び下部並びに第2の傾斜部78の下面及び移動片32の上面に低摩擦物質をシート状に設けて、該低摩擦物質で第1の楔形部材68の移動を円滑にするようにしてもよい。
【0071】
第1及び第2の固定部材58及び60は、移動片32の幅方向へ延びる軸線の周りに回転するローラのような回転部材を含む。また、第1及び第2の固定部材58及び60は、それぞれ、第2のベース26の下面及び移動片32の上面に回転可能に取り付けてもよい。このとき、可動部材62は、前記回転部材の回転方向に沿って円滑に移動できる。また、第1及び第2の固定部材58及び60は、それぞれ、第2のベース26の下面及び移動片32の上面に入れ替えて取り付けてられていてもよい。また、可動部材62は、上部及び下部を入れ替えて配置されていてもよい。
【0072】
昇降機構52は、ねじ式のジャッキのようなジャッキを含むことができる。この場合、駆動機構54は、駆動源としてパルスモータのように回転角度位置を制御可能のモータを含んでいてもよく、該モータによりねじ式のジャッキのねじ部分を回転させて前記ジャッキをZ方向に伸縮させるような昇降手段であってもよい。
【0073】
昇降装置28は、Z方向に伸縮するように配置したシリンダのような駆動機構54を含み、昇降機構52を介さずに直接第2のベース26を移動片32に対して昇降させてもよい。ただし、駆動機構54は一般に、その駆動方向へ大きな寸法を有するから、駆動機構54が移動片32の長手方向に伸縮するように駆動され、昇降機構52を介して第2のベース26が昇降される。
【0074】
昇降装置28は、駆動機構54により直接第2のベース26を昇降させる場合に比較して、第2のベース26と移動片32との間の移動片32の長手方向に大きな空間を有効に活用できる。昇降装置28は、駆動機構54を含まず、昇降作業の作業者により、昇降機構52を動作させてもよい。
【0075】
検査装置10において、前記したテーブルベース30の上面に平行な面内を二次元的に移動する4つの移動片32のそれぞれに、各第2のベース26を昇降可能に支持するように、昇降装置28を配置することで、受け面26cの位置が3次元的に調整されるから、パネル受けを交換することなく、共通のパネル受けで様々な被検査体の検査をすることができる。
【0076】
本実施例においては、4つの第2のベース26のそれぞれに昇降装置28を配置されているが、検査の対象とされる被検査体12の端子部20の数に応じて、1つ、2つ又は3つの第2のベース26のそれぞれに前記のような昇降装置28が配置される。昇降装置28が配置されない第2のベース26については、板状部材26bの幅寸法を大きくし、又は板状部材26bの高さ位置を合わせる部材を第2のベース26及び移動片32間に配置するなどの手段により、4つの受け面26cの高さ位置を揃えておく必要がある。
【0077】
本実施例においては、また、1つの昇降装置28が、1つの第2のベース26を昇降させるように、第2のベース26と第1のベース24間に配置されているが、1つの昇降装置28が、2つ又は3つの第2のベース26を昇降させるように、第2のベース26と第1のベース24との間に配置されてもよい。
【0078】
昇降装置28が第2のベース26を無段階に昇降させる場合に、3つの第2のベース26が独立して昇降可能となるように昇降装置28が配置されれば、偏光板18を備える被検査体12のいずれの辺の縁部に端子部20が設けられていても該3つ第2のベース26を昇降させることで、パネル受け14は、被検査体12が傾くことなく、テーブルベース30に平行に被検査体12を受けることができる。
【0079】
[アライメント装置について]
【0080】
図1及び8〜11を参照するに、第1の実施例において、検査装置10は、さらに、受け面26cに平行な面内で二次元的に被検査体12のアライメントを行うアライメント装置90を含む。アライメント装置90は、対向する一対の第2のベース26の一方及び他方にあって受け面26cの外側にそれぞれ配置された第1のプッシャー機構92及び第1の位置決め機構94と、対向する他の一対の第2のベース26の一方及び他方にそれぞれ配置された第2のプッシャー機構96及び第2の位置決め機構98とを含む。
【0081】
プッシャー機構92,96のそれぞれは、被検査体12を、プッシャー機構92,96に対向する位置決め機構94,98に対し進退させる。これに対し、位置決め機構94,98のそれぞれは、X方向(又は、Y方向)における被検査体12の基準位置を決定する。
【0082】
図8〜10を参照するに、プッシャー機構92,96及び位置決め機構94,98のそれぞれは、パネル受け面と概ね同じ高さにあって、平面的に見てパネル受け面の外側に位置された押圧部材100と、押圧部材100が支持された支柱状の移動体102と、移動体102ひいては押圧部100を進退させるアライメント駆動機構104と、それらを支持する支持板106とを備える。
【0083】
図示の例では、移動体102は上下に延びて、支柱状の形状を有する。押圧部100は、取り付けピン108により移動体102の上端部にZ方向へ延びる軸線の周りに回転可能に取り付けられたZ方向に平行な面を有するローラであるが、他の部材であってもよい。
【0084】
支持板106は、板状部材26bの上面に設けられた一対のレール110に板状部材26bの長手方向(X方向又はY方向)へ移動可能に組み付けられている。両レール110は、板状部材26bの幅方向(Y方向又はX方向)に間隔をおいて、長手方向(X方向又はY方向)に平行に延びている。
【0085】
支持板106は、ガイド112により一方のレール110に組み付けられており、また他方のレール110の上面に載置されている。このため、一方のレール110はガイドレールとして作用する。他方のレール110は、上方に開放する雌ねじ穴114を長手方向(X方向又はY方向)の複数箇所のそれぞれに備えている。
【0086】
他方のレール110には、長手方向に延びる長穴116を有する帯状の止め金具118が載置されていると共に、支持板106に相対的移動不能に設けられている。止め金具118は、長穴116に上方から差し込まれて、雌ねじ穴114に螺合されたボルト120により、他方のレール110に解除可能に取り付けられる。これにより、各支持板106は、長手方向における所定の位置に解除可能に固定される。
【0087】
上記の結果、プッシャー機構92,96及び位置決め機構94,98のそれぞれは、長手方向における所定の位置に解除可能に固定される。このため、他方のレール110は、長手方向におけるプッシャー機構92,96及び位置決め機構94,98の位置を解除可能に固定する固定レールとして作用する。しかし、長手方向におけるプッシャー機構92,96及び位置決め機構94,98の位置は、ボルト120を螺合する雌ねじ穴114と、ボルト120に対する止め金具118の位置を変更することにより、被検査体12の種類、大きさ等に応じて選択することができる。
【0088】
各アライメント駆動機構104は、支持板106の幅方向(Y方向又はX方向)に間隔をおいて支持板106の長手方向(X方向又はY方向)に延びる一対のレール122と、各レール122に支持板106の幅方向へ移動可能に嵌合されたスライダ124と、両スライダ124を連結する連結板126と、押圧部材100を支持板106の幅方向へ移動させる駆動源128とを備える。
【0089】
スライダ124は、連結板126の下面に取り付けられている。駆動源128は、支持板106の上面に取り付けられている。移動体102は連結板126の上側に直立状体に取り付けられている。しかし、移動体102と連結板126とを一体的な構造としてもよい。
【0090】
図10に示すように、プッシャー機構92,96の各駆動源128は、空気圧シリンダや油圧シリンダのような流体圧シリンダ機構を用いている。このシリンダ機構は、そのシリンダが支持板106に取り付けられ、ピストンロッドがスライダ124に連結されている。
【0091】
このため、プッシャー機構92,96の各アライメント駆動機構104は、スライダ124を駆動源128により第2のベース26のパネル受け部26aに対し進退させることにより、押圧部材100をパネル受け14に装着された被検査体12に対してX方向又はY方向に進退させる。
【0092】
図9及び11に示すように、位置決め機構94,98の各駆動源128は、パルスモータのように回転角度位置を制御可能のモータを用いている。このため、位置決め機構94,98の各アライメント駆動機構104は、さらに、対応する駆動源128から支持板106の幅方向に延びて、対応する駆動源128により回転されるボールねじ130と、ボールねじ130に螺合されたナット132とを備える。ナット132は、連結板126に取り付けられている。
【0093】
位置決め機構94,98の各アライメント駆動機構104は、ボールねじ130を駆動源128により回転させることにより、ナット132を第2のベース26のパネル受け部26aに対し進退させ、それにより押圧部材100をパネル受け14に装着された被検査体12に対して進退させる。
【0094】
上記のような構造を有するアライメント装置90は、例えば、図11に示すように、X方向用の位置決め機構98の押圧部材100を、X方向に移動させて、X方向における被検査体12の基準位置に維持すると共に、X方向用のプッシャー機構96の押圧部材100により、被検査体12をX方向用の位置決め機構98の押圧部100に対して押す。これにより、被検査体12はX方向のアライメントをされる。
【0095】
Y方向における被検査体のアライメントは、Y方向用の位置決め機構94,94及びY方向用のプッシャー機構92,92を上記のように動作させることにより行われる。
【0096】
上記のように位置決め機構94,98及び各アライメント駆動機構104は、X方向又はY方向における押圧部材100の前進位置を変更可能に及び解除可能に維持する。また、位置決め機構94,98の各アライメント駆動機構104は、対応する押圧部材100の進退方向における押圧部材100の位置を対向するプッシャー機構92又は94の押圧力に抗して解除可能に維持する。
【0097】
図12及び13を参照するに、検査装置200において、井桁状に組まれた4つの移動片134は、結合装置142により、第4の開口の大きさを変更するようにXY平面内を二次元的に移動可能にテーブルベース30に結合されている。
【0098】
結合装置142は、X方向に間隔をおいてY方向に延び、かつX方向へ移動可能にテーブルベース30に取付けられた長板状の一対の第1のスライダ144と、第1のスライダ144の上方でY方向に間隔をおいてX方向に平行に延び、かつY方向へ移動可能にテーブルベース30に取付けられた長板状の一対の第2のスライダ146とを備える。
【0099】
移動片134a、134b、134c及び134dは、それぞれ、一方のスライダ146、他方のスライダ146、一方のスライダ144及び他方のスライダ144に対応されて、対応するスライダに支持されている。
【0100】
第1及び第2のスライダ144及び146は、テーブルベース30の上面に設けられている。また、第1及び第2のスライダ144及び146は、それぞれ、X方向に延びるレール148及びY方向に延びるレール150に移動可能に、各スライダの一端部及び他端部において結合されている。
【0101】
第1及び第2のスライダ144及び146は、相互に結合されていないから、独立してXY平面内でX方向又はY方向へ移動可能である。これらスライダに支持された移動片134a〜134dは、対応するスライダの移動にともなって移動する。
【0102】
第1及び第2のスライダ144及び146のそれぞれは、移動片駆動機構152により、X方向(又は、Y方向)に移動されて、そのような移動方向における適宜位置に解除可能に維持される。各移動片駆動機構152は、第1の実施例における移動片駆動機構50と同様の機構とすることができる。
【0103】
[第2の実施例]
【0104】
図12及び13を参照するに、検査装置200は、長板状の4つの移動片134を井桁状に組み合わせた第1のベース24と、各移動片134の上方に間隔をおいて配置された第2のベース136及び138を有するパネル受け14と、各移動片134と対応する第2のベース136又は138との間に配置されて、対応する第2のベース136又は138を昇降可能に移動片134に支持する昇降装置28とを含む。
【0105】
4つの移動片134は、Y方向に間隔をおいてX方向に延びる一対の移動片134a及び134bと、X方向に間隔をおいてY方向へ延びる移動片134c及び134dとを井桁状に組み立てることにより、第1の実施例と同様に、第4の開口を形成している。
【0106】
移動片134a及び移動片134bに対応する第2のベース136及び136は、第1の実施例と同様に、長板状のパネル受け部136aと、長い板状部材136bと含み、パネル受け部136a及び板状部材136bの長手方向を揃え、パネル受け部136aの幅方向がZ方向となり、板状部材136bの幅方向がX方向(又はY方向)となる状態に、パネル受け部136a及び板状部材136bをL字状に結合している。第2のベース136及び136は、移動片134a及び移動片134bの上方に配置されている。
【0107】
移動片134c及び移動片134dに対応する第2のベース138及び138は、パネル受け部138aを構成する交換部品と、板状部材138bとを含む。板状部材138bは、対応する移動片134c及び134dの上方にあって移動片134a及び移動片134bの下方に配置されている。
【0108】
各板状部材138bは、昇降装置28により移動片134c及び134dに対して昇降可能となるように、移動片134a,134bの組みと移動片134c、134dの組みとの間に上下方向に間隔をおいて配置されている。
【0109】
各交換部品は、移動片134c又は移動片134dに対応する第2のベース138又は138の上面に取り付けられる。各交換部品は、後に説明するように移動片134a又は134b、ひいては第2のベース136又は136が移動された後、対向する移動片134a又は134b間の間隔に適した寸法の交換部品が取り付けられる。パネル受け部136a及びパネル受け部138aは、それぞれ、受け面136c及び138cを含み、これら受け面により、被検査体12を受けるパネル受け面が形成される。
【0110】
上記の結果、4つの移動片134a〜134dは、第4の開口の大きさを変更するように移動される。移動片134a〜134dの位置が決められた後、移動片134a及び134bの間隔に適した前記交換部品が移動片134c及び134dに対応した第2のベース138に取り付けられる。
【0111】
検査装置200においても、テーブルベース30の上面に平行な面内を二次元的に移動する4つの移動片134に、第2のベース136及び138を昇降可能に支持させる昇降装置28を配置しているから、第2のベース136及び138の位置が3次元的に調整される.その結果、パネル受けを交換することなく、1つのパネル受けで様々な被検査体の検査ができる。
【0112】
第2の実施例において、検査装置は、第1の実施例と同様にアライメント装置のプッシャー機構92,96と、位置決め機構94,98とを含むことができる。
【産業上の利用可能性】
【0113】
上記実施例においては、いずれも、アライメント装置が位置決め機構を備えているが、各位置決め機構の代わりに位置決めピンを用いてもよい。この場合、例えば、各位置決め機構の押圧部材100、移動体102、アライメント駆動機構104等を除去し、位置決めピンを、移動体102のように板状部材26b又は支持板106からパネル受け部26aの外側を立ち上がるように、板状部材26b又は支持板106に配置すればよい。
【0114】
本発明は、上記実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された趣旨を逸脱しない限り、種々に変更することができる。
【符号の説明】
【0115】
10,200 平板状被検査体の検査装置
12 平板状被検査体
14 パネル受け
24、140 第1のベース
26、136、138 第2のべース
26a、136a、138a パネル受け部
26b、136b、138b 板状部材
26c、136c、138c 受け面
28 昇降装置
30 テーブルベース
32、134 移動片
34、142 結合装置
52 昇降機構
54 駆動機構
56 移動規制機構
58 第1の固定部材
60 第2の固定部材
62 可動部材
64 第1のレール
66 第1のガイド
68 第1の楔形部材
70 第2のレール
72 第2のガイド
74 第2の楔形部材
76 第1の傾斜部
78 第2の傾斜部
90 アライメント装置
92、96 プッシャー機構
94、98 位置決め機構
104 アライメント駆動機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に貫通した第1の開口を有する第1のベースと、
前記第1の開口に対向する矩形の第2の開口を共同して形成するように、前記第1のベースの上方に配置された4つの長い第2のベースであって、それぞれが平板状被検査体を共同して受ける受け面を有する4つの第2のベースと、
少なくとも1つの前記第2のベースに対応されて、対応する第2のベースを昇降させる少なくとも1つの昇降装置であって、対応する第2のベースと前記第1のベースとの間に配置されて、対応する第2のベースを前記第1のベースに昇降可能に支持させる少なくとも1つの昇降装置とを含む、平板状被検査体の検査装置。
【請求項2】
前記昇降装置は、対応する第2のベースと前記第1のベースとの間に配置されて、前記第2のベースを前記第1のベースに対し昇降させる少なくとも1つの昇降機構と、該昇降機構を駆動させる駆動機構であって、前記第1又は第2のベースに取り付けられた駆動機構とを含む、請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記昇降機構は、互いに対向された第1及び第2の固定部材であって、それぞれ、前記第1のベースの上側及び第2のベースの下側に取り付けられた第1及び第2の固定部材と、前記第2のベースの長手方向へ移動可能に前記第1及び第2の固定部材に結合されていると共に、前記駆動機構により前記第2のベースの長手方向へ移動される可動部材とを含み、
前記第1の固定部材及び前記可動部材の結合部又は第2の固定部材及び前記可動部材の結合部は、前記第2のベースの長手方向に対し傾斜した方向に前記可動部材に対して相対的に移動可能に結合されており、
前記昇降装置は、さらに、前記第2のベースが前記第1のベースに対し昇降することは許すが、少なくとも前記第2のベースの長手方向へ移動することは阻止する複数の移動規制機構を含む、請求項2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記第1及び第2の固定部材のいずれか一方は、前記第2のベースの長手方向へ伸びる第1のレールであって、前記第1及び第2のベースのいずれか一方に取り付けられた第1のレールを含み、
前記可動部材は、前記第1のレールに沿って移動可能に該第1のレールに結合された第1のガイドと、該第1のガイドに取り付けられた第1の楔形部材であって、前記第2のベースの長手方向に対して傾斜した第1の傾斜部を有する第1の楔形部材と、前記第1の傾斜部に取り付けられてその傾斜方向へ伸びる第2のレールとを含み、
前記第1及び第2の固定部材の他方は、前記第2のレールに沿って移動可能に前記第2のレールに結合された第2のガイドと、前記第1の傾斜部に平行に対向した第2の傾斜部を備え、該第2の傾斜部に前記第2のガイドが取り付けられた第2の楔形部材であって、前記第1及び第2のベースの他方に取り付けられた第2の楔形部材とを含む、請求項3に記載の検査装置。
【請求項5】
2つ、3つ又は4つの前記第2のベースのそれぞれに前記昇降装置が配置されている、請求項1から4のいずれか1つに記載の検査装置。
【請求項6】
前記第1の開口は、下側の第3の開口及び上側の第4の開口を含み、前記第1のベースは、第3の開口及び上面を有するテーブルベースと、該テーブルベースの上方において矩形の前記第4の開口を形成するように配置された長い4つの移動片と、前記テーブルベース及び各移動片の間に配置されて前記第4の開口の大きさを変更するように各移動片を前記テーブルベースの上面に平行な面内で二次元的に移動可能に結合している結合装置とを含み、各第2のベースは、前記移動片に対応されて、対応する移動片の上側に配置されている、請求項1から5のいずれか1つに記載の検査装置。
【請求項7】
前記移動規制機構は、前記第1及び第2のベースのいずれか一方に取り付けられたリニアブッシュであって、前記昇降機構の昇降方向に貫通した穴を有するリニアブッシュと、前記第1及び第2のベースの他方に固定されたシャフトであって、前記穴に通されたシャフトとを含む、請求項2から6のいずれか1に記載の検査装置。
【請求項8】
前記検査装置は、さらに、前記受け面に受けられた平板状被検査体を位置決めるアライメント装置を含み、
各第2のベースは、前記受け面を有するパネル受け部を含み、
前記アライメント装置は、
対向する一対の前記第2のベースの一方及び他方にあって前記受け面の外側にそれぞれ配置された第1のプッシャー機構及び第1の位置決め機構と、対向する他の一対の前記第2のベースの一方及び他方にそれぞれ配置された第2のプッシャー機構及び第2の位置決め機構とを備え、
前記プッシャー機構及び前記位置決め機構のそれぞれは、前記パネル受け部に受けられた平板状被検査体を対向する位置決め機構又はプッシャー機構に押圧する少なくとも1つの押圧部材と、該押圧部材を対応する第2のベースの長手方向及び幅方向に変位させる少なくとも1つのアライメント駆動機構とを有し、
各位置決め機構の前記アライメント駆動機構は、対応する押圧部材の進退方向における前記押圧部材の位置を対向するプッシャー機構の押圧力に抗して解除可能に維持する、請求項1から7のいずれか1項に記載の検査装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2012−47459(P2012−47459A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−186871(P2010−186871)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【出願人】(000153018)株式会社日本マイクロニクス (349)
【Fターム(参考)】