説明

平海苔束表だし装置

【課題】平海苔を重ねて平海苔束の上面及び下面のいずれもが平海苔の表となるようにするための平海苔束表出し装置を提供する。
【解決手段】平海苔束の上面及び下面のいずれも平海苔の表となす平海苔束表出し装置において、平海苔の搬送装置1と、搬送装置で搬送されてきた平海苔を180度反転させて平海苔の下側を表にする反転装置2と、平海苔の反転装置2への送りと整列装置3への送りを切り替える送り方向切替シャッター4と、反転装置で反転された後に落下して形成された平海苔束と、次いで搬送装置1で搬送されてきた平海苔を反転させることなく、反転された平海苔束の上に落下して形成された平海苔束を整列する整列装置3と、整列装置3で整列された平海苔束搬出する搬出装置5を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平海苔のままで束ねた平海苔束の上面と下面がいずれも平海苔の表(つるつるした面)となるように表だしする平海苔束表だし装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
海苔乾燥装置から1枚づつ搬出される平海苔は、反転装置で裏(ざらざらした面)から表(つるつるした面)へ反転させた後、検査装置で良否を検査して選別し、整列装置で複数枚(通常10枚)の平海苔を重ねて集束し整列させて平海苔束にし、折曲装置で乾海苔束を折り曲げて二つ折りし、二つ折りした10帖分を1束(計100枚)にして結束装置により紙テープで結束し、複数の束を箱詰めして出荷している。
【0003】
乾海苔の需要が、二つ折りした形態だけではなく、伸ばしたままの平海苔の形態でも増加しつつあり、海苔生産者では平海苔の形態での出荷対応が必要となっている。平海苔束に関しては、平面に積み重ねられたままで平海苔束を紙テープで結束できる平海苔束の結束方法及び装置(特許文献1参照)、表が上面になるように平海苔束を反転させる装置(特許文献2,3参照)などが提案されている。
【特許文献1】特開平6−179417号公報
【特許文献2】実開昭60−74595号公報
【特許文献3】特開平6−255757号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、平海苔束の見映えを良くしたりあるいは、外観検査をし易くしたりするために、図4に示すように、平海苔束の上面と下面がいずれも平海苔の表となるように、上半分の平海苔束L1を平海苔の表が上面になるように重ねた平海苔束と、下半分の平海苔束L2を平海苔の表が下面になるように重ねた平海苔束とをそれぞれ、例えば50枚づつを背中合わせに重ねて結束した平海苔束(100枚)の要求が出始めている。
【0005】
そこで、本発明は、平海苔を重ねて平海苔束の上面及び下面のいずれもが平海苔の表となるようにするための平海苔束表出し装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の平海苔束表出し装置は、平海苔束の上面及び下面のいずれも平海苔の表となす平海苔束表出し装置において、平海苔を搬送する搬送装置と、搬送装置で搬送されてきた平海苔を180度反転させて平海苔の下側を表にする反転装置と、平海苔搬送装置と反転装置との間に配置された、平海苔の反転装置への送りと整列装置への送りを切り替える上下方向に回転する送り方向切替シャッターと、反転装置で反転された後に落下した平海苔を所定数枚重ねて形成した平海苔束を揃え板で整列させるとともに、次いで搬送装置で搬送されてきた平海苔を反転させることなく、前記反転された平海苔束の上に落下した平海苔を所定数枚重ねて形成した平海苔束を揃え板で整列する整列装置と、整列装置で整列された平海苔束を搬出する搬出装置を備えたことを特徴とする。
【0007】
反転装置は、反転ドラムと反転ドラムのほぼ半周に接するとともに、送り方向切替シャッターから送り込まれる平海苔を反転ドラムとの間で押さえて搬送する押さえベルトからなる反転装置、あるいは送り方向切替シャッターから平海苔が送り込まれて反転する湾曲した筒状の反転シュータで構成してもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の平海苔束表出し装置により平海苔から平海苔束をきれいに揃えて表だしした平海苔束を得ることができる。
【0009】
また、本発明の平海苔束表出し装置は、既存の海苔製造ラインに平海苔束反転装置及び整列装置を接続することにより簡単に平海苔束の上面及び下面のいずれも平海苔の表にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施例を図面により説明する。
【実施例1】
【0011】
図1(a)本発明の平海苔束表出し装置の第1実施例を示す概略斜視図、(b)は同概略側面図である。
【0012】
本実施例の平海苔束表だし装置は、平海苔を搬送する平海苔搬送装置1、搬送されてきた平海苔を受けて反転させる反転装置2、反転させた所定枚数の平海苔と反転させない所定枚数の平海苔を背中合わせに重ね、整列させる整列装置3、整列装置で整列された平海苔束を搬出する搬出装置5から構成される。平海苔搬送装置1と反転装置2との間には、平海苔の反転装置2への送りと整列装置3への送りを切り替える上下方向に回転する送り方向切替シャッター4が配置される。
【0013】
反転装置2は反転ドラム2aと反転ドラム2aのほぼ半周に接するとともに、平海苔を反転ドラム2aとの間で押さえて反転ドラム2aと同一速度で動くベルト2bで構成され、反転ドラム2aと押さえベルト2bに挟まれてほぼ半回転した平海苔は反転されて整列装置3へ落下する。整列装置3では揃え板3aを振動させて平海苔束を整列させる。整列した平海苔束は搬出コンベヤ5で搬出する。
【0014】
次ぎに、本実施例の平海苔束表だし装置の動作について説明する。
【0015】
図2は第1実施例の平海苔束表だし装置の動作を示す図である。
【0016】
図2(a)に示すように、搬送コンベヤ1で搬送されてきた上側が表の平海苔Lを送り方向切替シャッター4を水平位置で反転ドラム側にして反転ドラム2aと押さえベルト2bの間に送り込み、反転ドラム2aと押さえベルト2bの回転により平海苔Lの下側が表となるように反転させて整列装置3に落とす。
【0017】
この動作を繰り返して必要枚数(50枚)の平海苔Lを反転させて整列装置3に落下させた後、図2(b)に示すように、揃え板3aを振動させて整列させる。
【0018】
次に、図2(c)に示すように、搬送されてくる平海苔Lは搬送コンベヤ1の先端の送り方向切替シャッター4を下向きにして反転ドラム2aに送り込まずに整列装置3の中へそのまま落下させて下側が表の平海苔束L2の上に重ねる。この動作を繰り返して所定枚数(50枚)重ねた後、図2(d)に示すように、揃え板3aの振動により揃え下部の平海苔束L2(50枚)と上部の平海苔束L1(50枚)からなる平海苔束を得る。その後、揃え板3aを下げて搬出コンベヤ5で搬出する。
【実施例2】
【0019】
図3(a)本発明の平海苔束表出し装置の第2実施例を示す概略斜視図、(b)は同概略側面図である。
【0020】
本実施例は、実施例1の反転ドラムに代えて湾曲した反転シュータ6を配置した点で異なるだけであり、図1と同一部材は同一符号を付してその説明は省略する。反転シュート6は湾曲した筒状であり、送り方向切替シャッター4から送り込まれた平海苔は反転シュータ6内を通過することにより反転されて整列装置3に落下する。
【0021】
本実施例の平海苔束表だし装置の動作は、実施例3と同じく、上側が表の平海苔の場合、送り方向切替シャッター4を反転シュータ6側にして平海苔を反転シュータ6内に送り込み、平海苔は反転シュータ6を通過させる間に下側が表となるように反転して整列装置3に落ちる。必要枚数の平海苔束を反転させて整列装置3に落下させた後、整列装置3で揃え板3aを振動させて整列させる。
【0022】
次に搬送されてくる平海苔は送り方向切替シャッター4を下向きにして反転シュータ6を通さずに整列装置3へそのまま落下させて下側が表の平海苔束の上に重ねる。所定枚数重ねた後、揃え板3aの振動により揃える。その後、搬出コンベヤ5で搬出する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】(a)本発明の平海苔束表出し装置の第1実施例を示す概略斜視図、(b)は同概略側面図である。
【図2】第1実施例の平海苔束表だし装置の動作を示す図である。
【図3】(a)本発明の平海苔束表出し装置の第2実施例を示す概略斜視図、(b)は同概略側面図である。
【図4】上面及び下面を平海苔の表にした平海苔束の斜視図である。
【符号の説明】
【0024】
1:搬送コンベヤ
2:反転装置
2a:反転ドラム
2b:押さえベルト
3:整列装置
3a:揃え板
4:送り方向切替シャッター
5:搬出装置
6:反転シュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平海苔束の上面及び下面のいずれも平海苔の表となす平海苔束表出し装置において、
平海苔を搬送する搬送装置と、
搬送装置で搬送されてきた平海苔を180度反転させて平海苔の下側を表にする反転装置と、
平海苔搬送装置と反転装置との間に配置された、平海苔の反転装置への送りと整列装置への送りを切り替える上下方向に回転する送り方向切替シャッターと、
反転装置で反転された後に落下した平海苔を所定数枚重ねて形成した平海苔束を揃え板で整列させるとともに、次いで搬送装置で搬送されてきた平海苔を反転させることなく、前記反転された平海苔束の上に落下した平海苔を所定数枚重ねて形成した平海苔束を揃え板で整列する整列装置と、
整列装置で整列された平海苔束を搬出する搬出装置を備えたことを特徴とする平海苔束表出し装置。
【請求項2】
反転装置が、反転ドラムと反転ドラムのほぼ半周に接するとともに、送り方向切替シャッターから送り込まれる平海苔を反転ドラムとの間で押さえて搬送する押さえベルトからなることを特徴とする請求項1記載の平海苔束表出し装置。
【請求項3】
反転装置が、送り方向切替シャッターから平海苔が送り込まれて反転する湾曲した筒状の反転シュータであることを特徴とする請求項1記載の平海苔束表出し装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−68484(P2007−68484A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−260837(P2005−260837)
【出願日】平成17年9月8日(2005.9.8)
【出願人】(593146268)ニシハツ産業株式会社 (11)
【Fターム(参考)】