説明

平面型整流子ならびに平面型整流子用の導体素材を製造する方法

炭素材滑走面を有する平面型整流子(23)の製造に際して環形状に閉鎖された導体セグメント(3)とそれを相互に結合するブリッジ部材(4)を有していてリップル形状にされた導体素材(1)を縦方向に平行な階段状にプロファイリングされ、接触スタッド(7)と接続フック(6)を形成するために縁部側が打ち抜かれた細長片セクションをロール化することによって形成する。縁部セクションを打ち抜いた後導体セグメントの接触スタッド(7)を軸(2)の方向に向かって内側に曲折させ、両方の軸方向端面上において剪断プロセスによって軸方向にプロファイリングする。導体素材は炭素材環状盤と共に1つの複合体に接合され、その上に支持部材が射出成形される。その後炭素材環状盤を個別の炭素材セグメントに分割し、ブリッジ部材を除去あるいは切断する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
この発明は、圧縮成形材料製の支持部材と、軸周りで均等に配置され前記支持部材に固定された多数の導体セグメントと、前記導体セグメントと導電的に結合されブラシ滑走面を定義している同様に多数の炭素材セグメントとからなる平面型整流子の製造方法であり:
導体セグメントおよびいずれも隣接する2つの導体セグメントを互いに結合するブリッジ部材からなり、導体セグメントが実質的に軸方向に指向している接続領域内にそれぞれ1つの接続フックと実質的に放射方向に指向した接触スタッドとを有している環形状の閉じられた導体素材を形成し;
炭素材環状盤を形成し;
導体セグメントの接触スタッドと炭素材環状盤との間に導電性の接続を形成しながら炭素材環状盤と導体素材を接合して複合体を形成し;
前記の結合部材を開口している射出成形器具内に挿入し;
前記の射出成形器具を閉鎖し;
前記射出成形器具内に可塑化した成形材を噴射することによって支持部材を成形し;
整流子素材を射出成形器具から取り出し;
炭素材環状盤を個別セグメントに分割しまたブリッジ部材を除去あるいは切断する、
各ステップからなる方法に関する。
【0002】
この種の方法は、例えばドイツ国特許出願公開第19956844号A1明細書ならびにドイツ国特許出願公開第19752626号A1明細書によって知られている平面型整流子を製造するために使用されている。さらにドイツ国特許出願第10359473.6号明細書においても、炭素材滑走面を有する平面型整流子が同種の方法で製造される。ここで、導体素材は金属板(特に銅板)から打ち抜かれた板材を押出成形によって変形加工することによって形成され、その際板材の中心部から後の導体セグメントの接触スタッドが形成され、板材の縁部セクションから後の接続フックが形成され、その間に延在する環状領域から後の導体セグメントの接続領域が形成される。
【0003】
この種の押出成形によって予加工された導体素材は、その他の方式による平面型整流子の製造においても使用され、ここで例えばブリッジ部材は導体素材が炭素材環状盤と共に1つの複合体に結合された後支持部材を射出成形する前に既に除去されるか(ドイツ国特許出願公開第4028420号A1明細書参照)、あるいは支持体を導体セグメント上に射出成形してブリッジ部材を除去した後炭素材環状盤が既に分離されている各導体セグメント上に着合される(国際公開第97/03486号A1パンフレット参照)。
【0004】
特にドイツ国特許出願公開第19956844号A1明細書による冒頭に述べた種類の平面型整流子は高い性能要求を満たすものとなる。一方で、コスト低下圧力の観点から、同等な品質(長寿命および高い信頼性)を有する平面型整流子をより低コストに製造することが望まれている。
【0005】
前記の課題は、本発明に従って冒頭に述べた種類の平面型整流子の製造方法において、
第1の縁部とそれに対して平行な第2の縁部によって仕切られ縦方向に平行な階段状になった金属製の細長片を形成し、この細長片は、この細長片の第1の面上で第1の縁部に近接して配置された第1の段とこの細長片の第2の面上で第2の縁部に近接して配置された別の段によって仕切られた主セクションと、前記第1の縁部と第1の段との間に配置された第1の縁部セクションと、前記第2の縁部と第2の段との間に配置された第2の縁部セクションとを備え、細長片の材料厚は前記第1および第2の段上においていずれも主セクションからそれぞれ縁部セクションに向かって縮小し、細長片はさらに第1の面上で第2の縁部セクション内に第3の段を備え、その上において第2の縁部の方向に向かって材料厚が拡大するものとし;
金属製細長片の1セクションを裁断しまた細長片の両方の縁部セクションを打ち抜いて第1の縁部セクション内に接続フックを形成するとともに第2の縁部セクション内に接触スタッドを形成し;
閉鎖した環状構造を形成するために細長片セクションをロール化し、ブリッジ部材の領域内で突出している波状部を有するリップルを主セクション内に形成し、ここで環状構造体は波状部の領域において波状部間の領域と実質的に等しい壁厚を有するものとし;
接触スタッドを軸の方向に向かって内側に曲折させ;
接触スタッドを両方の軸方向端面上で剪断工程によって軸方向にプロファイリングする、
特徴からなる導体素材の予加工を行うことによって解決される。
【0006】
前記の特徴の組み合わせからなる方法を使用することによって、実質的に同等な性能を有する平面型整流子を従来の方法によって製造した場合に比べてより低コストに炭素材滑走面を有する平面型整流子を製造することができる。この点に関して特に2つの要素の影響が重要である。まず第1に、本発明に係る方法を適用するために原材料の利用効率が従来の技術に比べてより高レベルとなり;それに従った裁断屑の削減がコスト低減をもたらすように作用する。さらに、本発明に係る方法は、縦方向に平行な階段状に予めプロファイリングされた細長片原材料を導体素材の製造に使用し、ブリッジ部材の壁厚が導体セグメントの接続領域の壁厚と同等であり、また炭素材セグメントおよび支持部材に対しての最適な接続を保証するために接触スタッドの軸方向の端面が軸方向剪断によってのみプロファイリングされるため、押出成形による変形加工を全く必要としない。押出成形による変形加工を省略することができるため、本発明に係る方法の技術的コストを低減することができ;従って本発明に係る方法を適用することによって製造工程の枠内における材料の焼鈍しを省略することができる。それに従って従来の技術のものより高められたブリッジ部材の壁厚は軸方向の支持力に対しても効果的であることが示されており、従って、内包された導体素材が損傷する危険性を高めることなく、互いに隣接する各2つのブリッジ部材間の密封面が比較的小さい場合においても、支持部材の射出成形のために使用される射出成形器具に適宜に高い型締め圧力を付加することができる。この点に関して、導体素材上の接触スタッドと反対側の面上の軸方向に指向している接続フックの領域内において射出成形器具を密封するために第1の段(のみ)が作用することが効果的であり、従って型締め圧力の大半はブリッジ部材を介して支えられる。
【0007】
本発明に従った接触スタッドの適宜なプロファイリングの観点において、それが実質的に半径方向内側に指向する状態に曲折されるため、互いに対応している上方および下方工具内における純粋な軸方向の剪断の点から本件出願人によるドイツ国特許出願第10359473.6号明細書を参照することができ、これを本発明の開示の対象とする。本発明に従って細長片の第1の面上の第2の縁部セクション内に形成された第3の段は、接触スタッドがその末端側において接続領域と結合するための移行領域側よりも大きな壁厚を有するように作用する。このことは炭素材セグメントと導体セグメントの接触領域の間の長期間の接続の観点から好適であり;また末端側で拡大されている接触スタッドの材料厚によってその中に前述した剪断によって顕著なプロファイリングを形成することが可能になる。
【0008】
本発明に係る方法の第1の好適な追加実施形態によれば、ブリッジ部材は単一の作業工程における裁断によって完全に除去することができる。このことは、整流子素材の接続フックが軸方向に指向していることによって可能になり、従ってブリッジ部材の裁断が妨害されることはない。これに対して従来の技術においては、曲折によって半径方向に指向している接続フックのため単一の工程によるブリッジ部材の完全な裁断は不可能であった。
【0009】
金属製の細長片のセクションの裁断の順序と細長片の両方の縁部セクションの打ち抜きに関しては、本発明は幾つもの可能性を提供するものである。第1の実施方式によれば、第1の縁部セクション内に接続フックを形成し第2の縁部セクション内に接触スタッドを形成するために細長片から両方の縁部セクションを打ち抜く前に、まず在庫材料から金属製細長片のセクションが裁断される。第2の実施方式によれば、第1の縁部セクション内に接続フックを形成し第2の縁部セクション内に接触スタッドを形成するために細長片から両方の縁部セクションを打ち抜いた後に、在庫材料から金属製細長片のセクションが裁断される。第3の実施方式によれば、1つの工程において第1の縁部セクション内に接続フックを形成し第2の縁部セクション内に接触スタッドを形成するために細長片から両方の縁部セクションを打ち抜くと同時に、在庫材料から金属製細長片のセクションが裁断される。
【0010】
細長片のセクションのロール化およびリップルの形成の順序に関しても、本発明は幾つかの可能性を提供するものである。第1の実施方式によれば、細長片のセクション内にリップルを形成する前に閉鎖した環状構造を形成するためにまず細長片のセクションがロール化され;この場合既に環形状に閉鎖した細長片のセクション内にリップルを形成するためにこれを特にブリッジ部材の領域内で半径方向内側に支持し、一方導体セグメントは適宜な放射方向プランジャによって適宜にプロファイリングされた内部工具に接合するまで半径方向内側に推動される。第2の実施方式によれば、まず特に型打ち機内において細長片のセクション内にリップルを形成した後に閉鎖した環状構造を形成するために細長片のセクションがロール化される。ここでも、第3の実施方式において、まず輪郭を打ち抜いた後に単一の工程によって、閉鎖した環状構造を形成するために細長片のセクションがロール化すると同時にリップルを形成することも考えられる。全ての実施方式においてリップルの形成に際してリップル間の領域、すなわち最初は平坦な導体セグメントの接続領域の緩やかな変形が行われ従ってこれが緩やかに湾曲することが好適であり;このことによって、必要な整流子素材の切削最終加工が最小化される。
【0011】
本発明に係る方法の別の好適な追加実施形態によれば、接触スタッドが2つの工程によって軸方向に向かって内側に曲折され、ここでその2番目の工程は較正工程である。このことは、確実な導電接続を形成しながら炭素材環状盤に対して接合することを可能にするために極めて小さな許容誤差をもって導体素材を加工する観点から好適である。このことは特に、プロファイリングされた導体セグメントの接触スタッドがこれに対応してプロファイリングされた炭素材環状盤の受容部内にインタロック式に嵌合する際に該当する。
【0012】
導体セグメントの半径方向内側面上に配置されているように、電機子部材は、支持部材の射出成形に際して成形材内に埋め込まれそこで導体セグメントを固定するために、本発明に係る方法の枠内において導体セグメントの接続領域の半径方向内側面の軸方向の切り出しによって形成することが好適である。ここで、特にリップルを形成した後に、導体セグメント毎に2つの電機子部材が該当する接続領域から切り出されることが好適である。
【0013】
本発明のさらに別の好適な追加実施形態によれば、接触スタッドの打ち抜きは細長片の第2の縁部セクション内にのみ延在する。この場合、導体素材において第2の段が周回してつながっていて射出成形工具を密封する密封面として作用する。
【0014】
一方、反対側の面上すなわち接続フックの領域内には、好適には第1の縁部から第1の段を介して細長片の主セクションまで打ち抜きが延在する。ここで、対応する接続フックの打ち抜きが主セクションの領域内において特に好適には錐形状の境界部によって仕切られ、その上に射出成形工具が気密に着合する。
【0015】
本発明は前記の説明から派生して、平面型整流子の製造において使用可能な極めて好適な環形状に閉鎖した導体素材は軸周りで均等に配置された複数の導体セグメントと隣接する各2つの導体セグメントを相互に結合するブリッジ部材を含んでおり、ここで導体セグメントはそれぞれ接続フックを有する実質的に軸方向に向いた接続領域と実質的に半径方向内側に向いた接触スタッドとを備えており、ここで導体素材は縦方向に平行な階段状にプロファイリングされた金属製の細長片から形成され、ブリッジ部材の領域内に当接面が設けられ、ブリッジ部材はリップルの形式で形成され、これは導体セグメントに対して外側に突出するとともに実質的に導体セグメントと等しい壁厚を有している。この種の導体素材は、前述した方法に際してのみ利点を有するものではない。むしろ、変更された製造工程の順序を有する別の方法においても同様な利点をもって使用することができる。
【0016】
本発明の好適な追加実施形態によれば、導体セグメントと炭素材セグメントの間の電気接触を改善するために、導体素材の表面全体、あるいは少なくとも(後に炭素材環状盤から突出する)炭素材セグメントとの接触のために設けられた接触スタッドの領域が銀メッキあるいは錫メッキされる。
【0017】
本発明の枠内において、多数の同一の導体素材を製造するために縦方向に平行に延在する階段状に予めプロファイリングされた金属製の細長片材料を使用し、その幅は実質的に単一の導体素材を製造するために必要な金属製細長片の幅の数倍に相当する。ここで、互いに近接して配置された2つの削り出し部分が後の接続フックの領域内で相互に係合することができ、それによって材料の利用効率がさらに向上する。本願の枠内において“縁部”と言う概念は、並行して存在している複数の細長片セクションを打ち抜くことができないような幅を有する金属製の細長片材料が原材料として使用される場合にのみにおいて、帯形状の細長片の物理的な縁部を定義すると理解される。一方、並行して存在している複数の細長片セクションを打ち抜くことができる場合は、“縁部”と言う概念は、細長片セクションを製造するために使用される原材料からの該当するセクションの仮想的な仕切りを示すものとなる。
【0018】
次に、本発明の実施例につき添付図面を参照しながら、以下詳細に説明する。
【0019】
図1に示された環形状に閉鎖された導体素材1は、軸2周りに均等に配置された8個の導体セグメント3といずれも隣接する2つの導体セグメント3を互いに結合している8個のブリッジ部材4を含んでいる。各導体セグメントは、一方で軸方向に指向する接続フック6を備えた実質的に軸方向に指向する接続領域5と、他方で実質的に半径方向内側に指向する接触スタッド7を有している。ブリッジ部材4は、導体セグメント3の接続領域5を超えてリップル形状に半径方向外側に突出している。その壁厚Dは導体セグメント3の接続領域5の壁厚Dに相当する。ここでリップルは、軸2からその内壁への最大距離が軸2から接続領域5の外壁への距離よりも大きくなる程度まで突出している。
【0020】
導体素材は、図2に示された断面を有する縦方向に平行に延在する階段状に形成された金属製の細長片8を一連の単純な変形加工ステップによって加工することによって生成される。細長片8は、後に半径方向内側面を形成するその第1の面9上に第1の段10を備えており、そこを境にしてこの段に隣接した細長片8の第1の11の部分に比べて材料厚が大きくなっている。細長片8は、後に半径方向外側面を形成する、前記の第1の面9と反対側の面12上に第2の段13を備えており、そこを境にしてそれに隣接する細長片8の第2の縁部14の部分に比べて材料厚が拡大している。第1の段10および第2の段13は相互の間に距離Aを保持している。細長片8の第1の段10と第2の段13の間に延在する領域がその主セクションHを形成している。第1の縁部11と第1の段10の間に延在する細長片8の領域はその第1の縁部セクション11を形成している。第2の縁部14と第2の段13の間に延在する細長片8の領域はその第2の縁部セクション18を形成している。
【0021】
細長片8はさらに第2の縁部領域18内の第1の面9上に第3の段15を備えている。この第3の段15上で材料厚が第2の縁部14に向かって拡大している。
【0022】
導体素材1を製造するために、第1の工程においてまず縦方向に平行な階段状にプロファイリングされた金属製細長片の在庫材料から1つのセクション16が打ち抜かれる(図3)。ここで同時に、第1の縁部セクション17内において接続フック6、第2の縁部領域18および部分的に主セクションH内において接触スタッド7、ならびにツバメの尾形状のロック部材21の互いに対応している2つの係合部19および20を有する末端領域が打ち抜かれる。その後、閉鎖した環形状構造を形成するために細長片セクション16をロール化し、ここで当接面を固定するロック部材21が嵌合する。後続の作業工程において、(適宜な工具内で)導体セグメント3を適宜な放射方向の型押しによって半径方向内側に押圧し、一方プロファイリングされた内側工具によってブリッジ部材4を半径方向内側から支持することによって、環形状に閉鎖された細長片セクション16内にリップルが形成される。続いて、2つの作業工程によって接触スタッド7が軸2の方向に向かって内側に曲折される。次に、最終的に切り出し工程によって導体セグメント3の接続領域5の半径方向内側面上に電機子部材22が形成される前に、互いに対応する上方および下方工具内における軸方向剪断によって接触領域がプロファイリングされる。
【0023】
そのように製造された導体素材1は、実質的に既知である炭素材ブラシ滑走面24を備えた平面型整流子23を製造するための方法においてさらに加工される(ドイツ国特許出願公開第19956844号A1明細書参照)。このため、導体セグメント3の接触スタッド7と炭素材環状盤との間に導電性の接続を形成しながら、炭素材環状盤を導体素材1と共に1つの複合体に接合する。続いて開放された射出成形工具内にこの複合体を挿入する。続いてこの射出成形工具を閉鎖する。ここで第1の部分工具は第1の段10と接続フック6の錐形脚部26の側面25と対応するブリッジ部材4の端面27によって形成された第1の密封面に着合し;第2の部分工具は第2の段13と対応するブリッジ部材4の端面によって形成された第2の密封面に着合する。その後、可塑化された成形材料を射出成形器具内に噴射することによって支持部材28が成形される。成形材料が硬化した後、射出成形工具が開放され、形成された導体素材が射出成形工具から取り出される。その後ブリッジ部材4が裁断によって除去され、炭素材環状盤を切断して個々の炭素材セグメント29に分割する。この種の方法は従来の技術において充分に知られているため、その詳細な説明は省略することができる。特筆すべきことは、前述したブリッジ部材4の裁断を容易にするために細長片8がその第2の面12上の主セクションHの領域内に第4の段30を有することであり、その上で第1の縁部11の方向に向かって材料厚が縮小している。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図4に示された平面型整流子を製造するために使用される、本発明に従って予加工された導体素材を示した透視図である。
【図2】図1に示された導体素材を製造するために使用される縦方向に平行な階段形状の細長片を示した断面図である。
【図3】図1に示された導体素材を製造するために使用される細長片セクションの縁部セクションを打ち抜いた後の半径方向内側を示した側面図である。
【図4】本発明に従って製造された平面型整流子を示した軸方向断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体セグメント(3)およびいずれも隣接する2つの導体セグメントを互いに結合するブリッジ部材(4)からなり、ここで前記導体セグメントが実質的に軸方向に指向している接続領域(5)内にそれぞれ1つの接続フック(6)と実質的に放射方向に指向した接触スタッド(7)とを有している、環形状の閉じられた導体素材(1)を形成し;
炭素材環状盤を形成し;
導体セグメント(3)の接触スタッド(7)と炭素材環状盤との間に導電性の接続を形成しながら炭素材環状盤と導体素材(1)を接合して複合体を形成し;
前記の結合部材を開口している射出成形器具内に挿入し;
前記の射出成形器具を閉鎖し;
前記射出成形器具内に可塑化した成形材を噴射することによって支持部材(28)を成形し;
整流子素材を射出成形器具から取り出し;
炭素材環状盤を個別セグメント(29)に分割しまたブリッジ部材(4)を除去あるいは切断する:
各ステップからなる、圧縮成形材料製の支持部材(28)と、軸(2)周りで均等に配置され前記支持部材に固定された多数の導体セグメント(3)と、前記導体セグメントと導電的に結合されブラシ滑走面(24)を定義している同様に多数の炭素材セグメント(29)とからなる平面型整流子(23)の製造方法であり:
第1の縁部(11)とそれに対して平行な第2の縁部(14)によって仕切られ縦方向に平行な階段状になった金属製の細長片(8)を形成し、この細長片は、この細長片の第1の面上(9)で第1の縁部に近接して配置された第1の段(10)とこの細長片の第2の面(12)上で第2の縁部に近接して配置された別の段(13)によって仕切られた主セクション(H)と、前記第1の縁部と第1の段との間に配置された第1の縁部セクション(17)と、前記第2の縁部と第2の段との間に配置された第2の縁部セクション(18)とを備え、細長片の材料厚は前記第1および第2の段上においていずれも主セクションからそれぞれ縁部セクションに向かって縮小し、細長片はさらに第1の面(9)上の第2の縁部セクション(18)内に第3の段(15)を備え、その上において第2の縁部の方向に向かって材料厚が拡大するものとし;
金属製細長片(8)の1セクション(16)を裁断しまた細長片の両方の縁部セクション(17,18)を打ち抜いて第1の縁部セクション(17)内に接続フック(6)を形成するとともに第2の縁部セクション(18)内に接触スタッド(7)を形成し;
閉鎖した環状構造を形成するために細長片セクション(16)をロール化し、ブリッジ部材(4)の領域内で突出している波状部を有するリップルを主セクション内に形成し、ここで環状構造体は波状部の領域において波状部間の領域と実質的に等しい壁厚(D1)を有するものとし;
接触スタッド(7)を軸(2)の方向に向かって内側に曲折させ;
接触スタッド(7)を両方の軸方向端面上で剪断プロセスによって軸方向にプロファイリングする、
ことからなる導体素材の予加工を行うことを特徴とする方法。
【請求項2】
金属製細長片(8)のセクション(16)を裁断すると同時に細長片の両方の縁部セクション(17,18)を打ち抜くことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
まず金属製細長片(8)のセクション(16)を裁断した後に細長片の両方の縁部セクション(17,18)を打ち抜くことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
細長片の両方の縁部セクション(17,18)を打ち抜いた後に金属製細長片(8)のセクション(16)を裁断することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
まず細長片セクション(16)をロール化し、その後リップルを形成することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
リップルを形成した後に細長片セクション(16)をロール化することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
閉鎖された環形状構造を形成するために単一の作業工程によって細長片セクション(16)をロール化すると同時にリップルを形成することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
細長片セクション(16)のロール化に際して、主セクション(H)の末端側に設けられた、ツバメの尾形状のロック部材(21)の互いに対応する2つの嵌合部(19,20)を相互に結合することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
軸(2)の方向に向かった内側への接触スタッド(7)曲折は2つのステップによって実施されることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
切り出しプロセスによって導体セグメントの接続領域(5)半径方向内側面上に電機子部材(22)を形成することを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
接触スタッド(7)の打ち抜きは第2の縁部セクション(18)内のみに延在することを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
接続フック(6)の打ち抜きが主セクション(H)内に延在することを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
接続フック(6)の打ち抜きは主セクション(H)内において錐形の境界部によって仕切られることを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
ブリッジ部材(4)が単一の作業工程において裁断によって完全に除去されることを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
軸(2)周りで均等に配置された複数の導体セグメント(3)と隣接する各2つの導体セグメントを相互に結合するブリッジ部材(4)を含んでおり、ここで導体セグメントはそれぞれ接続フック(6)を有する実質的に軸方向に向いた接続領域(5)と実質的に半径方向内側に向いた接触スタッド(7)とを備えている、平面型整流子(23)の製造において使用される環形状に閉鎖した導体素材(1)であり、
前記導体素材(1)は縦方向に平行な階段形状を有する金属製の細長片(8)から形成され、ブリッジ部材(4)の領域内に当接面が設けられ、ブリッジ部材はリップルの形式で形成され、これは導体セグメント(3)に対して外側に突出するとともに実質的に導体セグメントと等しい壁厚(D2)を有していることを特徴とする導体素材。
【請求項16】
細長片(8)の末端側に配置され互いに対応していて相互に嵌合する係合部(19,20)を備えたロック部材(21)を当接面の領域内に設けることを特徴とする請求項15記載の導体素材。
【請求項17】
少なくとも炭素材セグメント(29)との接触のために設けられた接触スタッド(7)の領域において表面を銀メッキあるいは錫メッキすることを特徴とする請求項15または16記載の導体素材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−507246(P2008−507246A)
【公表日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−520702(P2007−520702)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【国際出願番号】PCT/EP2005/007084
【国際公開番号】WO2006/007952
【国際公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(505039424)コレクトール グループ デー.オー.オー. (8)
【Fターム(参考)】