説明

広い電圧範囲と温度範囲で振幅が制御可能な水晶発振器

【課題】本発明は、入力端末と出力端末と共振器と発振器回路とを有する発振器を提供する。
【解決手段】本発明の発振器回路は、第1電力供給端子と第2の電力供給端子と、前記第1電力供給端子と入力端末との間に接続される2個のキャパシタと、第1電力供給端子と出力端末との間に接続される第1活性トランジスタと、前記第1活性トランジスタを極性化する第1手段と、前記第1活性トランジスタに対し相補型の第2活性トランジスタと、その電流パスは、第1活性トランジスタ(N1)と直列に接続され、それと共に反転増幅器を形成し、前記第2活性トランジスタを極性化する第2極性化手段と、第2活性トランジスタと同型のトランジスタであり、前記第2電源端末と第2活性トランジスタとの間に配置される第1電流源と、前記第2極性化手段用の電流制御手段とを有し、安定動作状態において、前記第2極性化手段は、前記第1電流源のトランジスタ・ゲート電圧に対応する第2活性トランジスタのゲートに、所定の変動範囲内の極性化電圧を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子時計、携帯電話あるいは他の電子機器用に時間基準を生成するのに用いられる発振器回路に関し、特に振幅が制御可能な発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1で振幅が制御可能な公知の発振器を図6に示す。このような振幅が制御可能な発振器は、発振器の振幅が所定値に達した時に供給電流を減らすために、使用される。この発振器は、水晶結晶をフィードバックとして具備する反転増幅器と負荷キャパシタンスC1、C2からなり、必要な位相差を提供する。増幅段に必要なトランスコンダクタンス即ち発振器の電流消費は、ある周波数においては、水晶結晶の直列抵抗と発振振幅と容量性ファクタに比例する。これはキャパシタC2に直列に接続されたキャパシタC1により決定される負荷の関数である。利得段に対応する発振器のコアは、1個の活性トランジスタN1から形成される。この負荷は、電流源Iであり、これは振幅調整器により制御される。活性トランジスタN1を極性化するのに必要なフィードバック抵抗Rfは、非常に高い。これは共振器回路に負荷を与えないようにするためである。相補的トランジスタである第2活性トランジスタP1は、活性トランジスタN1用の極性化(ON)電流源として、トランジスタP2と共に形成する電流ミラーを介して、機能する。この利得段により振幅は、容易に調整され低い電源を必要とするだけである。しかし、最適に選択されたトランスコンダクタンスを得るためには、供給電流は、特許文献2(これを図7に示す)の2個の活性トランジスタからなる解決方法よりも2倍でなければならない。
【特許文献1】スイス特許第580358号明細書
【特許文献2】スイス特許第623495号明細書
【非特許文献3】"IEEE Journal of Solid-States Circuits, vol. SC 12, No3", dated June 1977 and entitled "CMOS Analog Integrated Circuits Based On Weak Inversion Operation"
【0003】
図7に示す従来技術においては、利得段は、2個の活性トランジスタ即ち相補的トランジスタである第2活性トランジスタP1と直列に接続されたトランジスタN1により形成される。トランスコンダクタンスがこの場合追加される。同一の連続電流が両方のトランジスタを流れると、この電流の半分が、電流源の負荷において同一のトランスコンダクタンスを得るために必要である。しかしこの解決方法は、かなり高い供給電圧を必要とし、且つトランジスタP2と並列に接続される高いキャパシタンスCを用いることが必要であり、これにより回路上で広い表面積を占有する2個の活性トランジスタに電力を供給し、その結果、コストを上昇させ、電力供給拒絶率を大幅に悪化させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上記の欠点を解決することである。本発明は、電力供給拒絶率を悪化させるような素子を導入する必要なく、高いトランスコンダクタンス・レベルを有する発振器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、本発明は、入力端末と出力端末と共振器と発振器回路とを有する発振器に関し、
前記発振器回路は、
(A) 第1電力供給端子と第2の電力供給端子と、
(B) 前記第1電力供給端子と入力端末との間に接続される2個のキャパシタと、
(C) 第1電力供給端子と出力端末との間に接続される第1活性トランジスタと、
(D) 前記第1活性トランジスタを極性化する第1手段と、
(E) 前記第1活性トランジスタに対し相補型の第2活性トランジスタと、
その電流パスは、第1活性トランジスタ(N1)と直列に接続され、それと共に反転増幅器を形成し、
(F) 前記第2活性トランジスタを極性化する第2極性化手段と、
(G) 第2活性トランジスタと同型のトランジスタであり、前記第2電源端末と第2活性トランジスタとの間に配置される第1電流源と、
(H) 前記第2極性化手段用の電流制御手段と
を有し、
安定動作状態において、前記第2極性化手段は、前記第1電流源のトランジスタ・ゲート電圧に対応する第2活性トランジスタのゲートに、所定の変動範囲内の極性化電圧を提供する。
【0006】
本発明の発振器により、活性動作状態に極性化される2個の相補型トランジスタを使用することにより高いトランスコンダクタンスが得られる。第2の活性トランジスタ用に集積された極性化手段を使用することにより、電力供給拒絶率を悪化させることはなく、必要とする搭載面積を減らすことができる。
【0007】
様々な携帯機器に搭載されるこの種の発振器に様々な方法で電力が与えられあらゆる制約特に温度制限を受ける限り、この種の発振器に対し広い電圧幅と動作温度幅を確保することが重要である。このため、独立し且つ電圧が安定した電流源がさらに具備され、これは、供給電圧が高すぎることに起因する過電圧からの保護手段を含む。
【0008】
発振器の目的は、出力点にクロック信号を所定の周波数で提供することであり、交互信号の増幅器が、発振器のコアを形成する回路の入力点に配置され、出力点で観測される歪みの問題を解決する。好ましくは、反転増幅器は、インバータを含む発振器の入力端末に具備される。このインバータは、2個の相補型のトランジスタから形成され、2個の集積された容量性入力反転増幅器の手段により制御される。各増幅器はそれぞれ他の容量性入力反転増幅器と電力供給端末と他の電力供給端末により電力が加えられ、出力が切り替えられる時に、電力のピーク需要を制限する。
【0009】
発振器の動作温度範囲を広げるために、温度検出器が、増幅レギュレータの伝達関数に適合するために容量性デバイダに関連して具備される。
【実施例】
【0010】
図1は本発明の一実施例の発振器のコアを示す。この発振器は、入力端末(osc in)と、出力端末(osc out)と、共振器1と、発振器回路(発振器のコアと称する)とを有する。この発振器回路は、2つの電力端末Vss、Vddを介して電力が与えられる。2個のキャパシタC1、C2は、それぞれ電力供給端末Vssと発振器の入力端末(osc in)との間と、電力供給端末Vssと出力端末(osc out)の間に接続されている。これら必須のキャパシタは、図示したように接続された要素(キャパシタ)、あるいは浮遊キャパシタ(特に活性トランジスタN1の浮遊キャパシタンスと電力供給端末Vssと出力端末(osc out)との間の浮遊キャパシタンス)により形成される。極性化(スイッチ)手段が、活性トランジスタN1のゲートと出力端末(osc out)との間に接続されるダイオード2により形成され、活性トランジスタN1を極性化する。活性トランジスタN1の相補型の第2活性トランジスタP1が、活性トランジスタN1と直列接続電流パスで(即ち、活性トランジスタN1と直列に)配置される。第2活性トランジスタP1と同一の型のトランジスタP2により形成される極性化電流源が、電源端末Vddと第2活性トランジスタP1のソースとの間に接続される。キャパシタC3、C4が、それぞれ入力端末(osc in)と活性トランジスタN1のゲートとの間と、入力端末(osc in)と活性トランジスタP1、P3のゲートとの間に接続される。これらの発振器の入力キャパシタンスにより、発振信号は、連続する独立した極性化を維持しながら、ゲートにかかる。これにより性能に影響を及ぼすことなく、発振器の電流消費を低減する。
【0011】
第2活性トランジスタP1の極性化手段P3、P4a、P4bは、確立されたすなわち安定した発振器動作状態の間、トランジスタP2のゲート電圧に類似する、あるいは第2活性トランジスタP1の電圧±1V対応する極性化電圧を与える。本発明の一実施例によれば、この極性化手段は、第2活性トランジスタP1と同一導電型の3個のトランジスタを有する。すなわち、第2活性トランジスタP1のゲートに極性化電圧を提供する第1トランジスタP3と、直列に接続されトランジスタP2と電流ミラーを形成する第2トランジスタP4aと第3トランジスタP4bである。これらの極性化手段は、抵抗RとトランジスタN2、N3により電流が制御される。トランジスタN2、N3は、それぞれ電源端末VssとトランジスタP4bのドレインとの間、電源端末Vssと第1トランジスタP3のドレインとの間にそれぞれ接続される。トランジスタN2、N3は、それらのゲートが従来の振幅レギュレータ4に接続され、振幅レギュレータ4の出力制御は、発振器の振動信号振幅の関数である。発振器の立ち上がり期間の間、極性化手段P3、P4a、P4bとトランジスタP2と第2活性トランジスタP1が電流ミラーを形成し、これにより発振器の開始電流を保証する。かくしてトランジスタP2の極性化手段が形成され、これにより極性化用の高抵抗の使用を回避でき、しかも電力供給拒絶率を悪化させることはない。
【0012】
図1の実施例においては、N型の第1活性トランジスタとP型の第2活性トランジスタを例に説明した。これら2つのトランジスタの導電型は反転することができ、これにより発振器回路全体を反転できる。このことは当業者は容易に実行できる。
【0013】
図2は、発振器装置の動作電圧範囲と動作温度範囲を広げるための発振器の回路図である。発振器の共振器1と、キャパシタC1、C2と、発振器コア3と、振幅レギュレータ4とが示されている(図1にその詳細が示されている)。この振幅レギュレータ4は、発振器コア3の入力点において、振幅の関数loscとして発振器電流(OSC−OUT)を制御する。この振幅レギュレータ4は、非特許文献1の図10に開示されている。ここに示されたブロックは、ある種類の導電型(N型又はP型)を使用する。しかし、相補的な導電型(P型又はN型)を使用した等価回路も全体回路の要件に応じて使用することができる。
【0014】
この発振器回路の目的は、出力点Voutに所定の周波数(例32KHz)のクロック信号を提供することである。かくして、交互に変わる信号用の後置増幅器5が発振器のコア3の入力端末(osc in)に配置されて、出力端末(osc out)で観測される歪みの問題を解決する。交互信号のこの増幅器5の詳細を図3に示す。
【0015】
本発明の1つの目的は、発振器の動作電圧範囲と動作温度範囲を広げることである。この種の回路を製造するのに用いられるMOSトランジスタで起こる問題は、飽和動作状態で許容される最大ゲート電圧とドレイン電圧が原因で発生する。これは使用される技術に限定され、3.6Vのオーダーである。しかし、多くのアプリケーションにおいて、例えば5.5ボルトの遙かに高い供給電圧を与える電源を具備した発振回路を使用するのが有益である。3.6ボルトから5.5ボルトに電圧動作範囲を広げるために、基準温度安定電流装置6が極性化分配電流装置に接続される。その詳細を図4に示す。電流基準である基準温度安定電流装置6は、連続電圧用極性化回路7に結合され、この連続電圧用極性化回路7が、発振器入力(osc in)の連続成分レベルを固定する。
【0016】
ある温度範囲における発振器の動作限界は、特に振幅レギュレータ4のために制限される。この理由は、動作温度範囲を広げるために、振幅レギュレータ4の伝達関数は、容量性デバイダ8により適合される。この容量性デバイダ8は振幅レギュレータ4の入力点に配置され、そのキャパシタンス(容量)は温度センサ9により検出された温度に依存する。検出された温度の関数としての伝達関数(図2aのボックス)を適合する容量性デバイダ8の一例を図5a−5cに示す。
【0017】
図3は、発振器の入力端末(osc in)に接続される交互信号の増幅段を示す、この増幅段が、発振器が組み込まれる携帯電子機器により使用される出力電圧Voutを供給する。この増幅段は、入力端末(osc in)に配置され、出力端末(osc out)に現れる歪みを回避することはない。
【0018】
この交互信号増幅段は、2個の相補的なトランジスタ10、11から形成される反転増幅器(図3)を有し、出力信号を整形し、入力反転増幅器12、13からなる集積された容量性入力手段により制御される。入力反転増幅器12には、容量性入力反転増幅器13の出力と電源端末Vddの間の電力が、入力反転増幅器13には、容量性入力反転増幅器12の出力と電源端末Vssの間の電力が供給される。入力反転増幅器12、13の電力供給は、出力信号が変わる間、トランジスタ10、11が同時に導電するのを回避するよう接続される。トランジスタ10、11がオーバーラップしない(同時に導通しない)ことによるこの制御の利点は、広い供給電圧に対し電力消費の大幅な増加を抑えることができる点にある。従来のCMOSインバータ(2個のトランジスタのゲートの制御が共通となる)を使用すると、供給電圧が2つのトランジスタのしきい値電圧の和を超えると、遷移電流が現れて、かくして供給電圧(例3Vと5Vの間)の増加により遷移電流が大幅に増加し、好ましくはない。このインバータに電圧低減レギュレータで電力を与えることによる解決方法は、好ましくはない。その理由は、供給電圧を減らすために構成が複雑となるからである。
【0019】
反転増幅器12a、13aの入力は、それぞれ極性化手段14、15により極性化される。これにより、大きなレジスタ(抵抗)の使用を回避でき、供給電圧低減調整回路を用意する必要もなく、発振器回路の残りの部分の供給電圧を直接用いることができる。これらの極性化手段は、出力反転増幅器のトランジスタ10、11と同一の導電型の3個のトランジスタを有する。すなわち、反転増幅器12a、13aに極性化電圧を提供する第1トランジスタ14a、15aと、電流パスが直列になる第2と第3のトランジスタ14b、14cと、電流パスが直列になる第2と第3のトランジスタ15b、15cとである。トランジスタ14a、15aのドレインは、それぞれトランジスタ14bと14cの間と、トランジスタ15bと15cの間に接続される。トランジスタ14a、14bは、電流源16a、16bを介して電源端末Vssに接続される。同様に、トランジスタ15a、15bは、電流源17a、17bを介して電源端末Vddに接続される。
【0020】
図4は、発振器の動作電圧範囲を広げるために、電圧と温度が安定した電流源の一実施例を示す。この電流源は、P型のトランジスタ21、22を有し、これらがトランジスタの特徴により規定されるゲインを有する第1の電流ミラーを形成する。さらに、電流源は、反転動作状態で動作するN型のトランジスタ23、24を有する。抵抗30が、トランジスタ23、24の2個のゲートの間に配置される。
【0021】
トランジスタ23のドレイン端末とソース端末の間に大きな電圧差がかかかるのを阻止するために、電源端末VddとVssの間の供給電圧が5Vの場合には、高電圧トランジスタ25が、トランジスタ21、22により形成されるブランチに挿入される。このトランジスタ21、23は、トランジスタ21のしきい値電圧よりも低い供給電圧Vddからトランジスタ23のドレインを切り離すソース・フォロア・モードで搭載される。高電圧トランジスタ25は、電流源Iと別の高電圧トランジスタ26により制御される。このトランジスタ26は、トランジスタ25と共に電流ミラーモードで搭載される。かくして、トランジスタ23のドレイン電圧は、高電圧トランジスタ25のゲート電圧に等しくなり、その固有のしきい値電圧よりも低いしきい値電圧にほぼ等しい。
【0022】
トランジスタ22のドレイン端末とソース端末との間に大きな電位差がかかるのを防止するために、これはトランジスタ23ほど深刻ではないが、抵抗30の間の電圧ドロップ故に、保護が、トランジスタ23に細長いチャネルトランジスタを用いることにより提供される。
【0023】
かくしてこの電流源は、広い電圧範囲にわたっての解決法を提供する利点がある。
【0024】
極性化電流分散はこの電流源を基準として用いているために、発振器回路の残りの部分は、電流ミラー構造により形成される。この電流ミラー構造は、トランジスタ27を介してトランジスタ28a、28bにより形成される電流ミラーに関連するトランジスタ22と共に電流ミラーを形成する。トランジスタ23のように、より高い電源を使用することに起因する回路全体を過大な電位差から保護するために、トランジスタ28bは高電圧トランジスタ29により保護される。この高電圧トランジスタ29は、ソース・フォロア・モードで接続され、高電圧のトランジスタ26の電位と同一の電位にそのゲートは接続される。これにより、電流ミラー・トランジスタ用の同一のドレイン電圧を確保することにより、極性化電流の制御が改善される。
【0025】
図5aは、温度センサと振幅レギュレータ4との間に配置された容量性デバイダの第1回路図を表す。この容量性デバイダは、振幅レギュレータ4の伝達関数を調整するために減衰ファクタを導入する。この実施例によれば、容量性デバイダは、所定のキャパシタンスの第1キャパシタ31と、検出された温度に依存する可変キャパシタンス値を有する第2キャパシタ32とを有する。第2キャパシタ32のキャパシタンス値は、温度が下がると上昇して、キャパシタンス比C31/C32から得られる減衰係数を減らし、逆に第2キャパシタ32のキャパシタンス値は、温度が上がると減少し、減衰ファクタを増加させる。その結果、振幅レギュレータ4の伝達関数は、発振器の動作ポイントが、それ以下では振幅が鋭く減少するような臨界電流Icritより高い電流loscに対応するよう調整される。
【0026】
図5bは、ディスクリートのコンポーネントから形成される容量性デバイダの第2回路図である。第1キャパシタ31は所定のキャパシタンス値を有する。図5aの可変キャパシタンスの第2キャパシタ32は、図5bでは3個のキャパシタ33、34、35で置換されている。このキャパシタ33、34、35は、互いに並列に接続され、そのキャパシタンス値は加算される。スイッチ36、37がキャパシタ34、35を含むブランチ上に配置される。その結果、少なくとも3個の減衰ファクタが、3つの温度範囲に対応して、スイッチの開閉状態に応じて、決められる。
【0027】
かくして、スイッチ36が閉じてスイッチ37が開いた状態では、第1減衰ファクタFA=C31/(C33+C34)が得られる。これは、0℃から70℃の間の温度に対し用いられる。スイッチ36、37が両方とも閉じている時には、第2減衰ファクタFA_BT=C31/(C33+C34+C35)が得られる。これは0℃以下の温度に用いられる。スイッチ36、37の両方が開いている時には、第3減衰ファクタFA_HT=C31/C33が得られる。これは70℃以上の高温に対し用いられる。
【0028】
図5Cは、検出された温度によって適用される減衰ファクタ(FA、FA_BT、FA_HT)の発振器の入力電圧Vosc_inの関数と発振器の電流カーブloscとの関係を示す。
【0029】
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施例の発振器のコアの回路図。
【図2】本発明の発振器の全体ブロック図。 (図2a) 電圧と振幅との関係を表すグラフ。
【図3】発振器の出力点における反転増幅段の回路図。
【図4】電圧と温度の安定した電流源の回路図。
【図5a】振幅レギュレータの入力点に配置される容量性デバイダ回路の第1実施例を表す図。
【図5b】振幅レギュレータの入力点に配置される容量性デバイダ回路の第2実施例を表す図。
【図5c】温度依存性のある発振器電圧と発振器の電流カーブの関係を表す図。
【図6】従来の発振器コアを表す回路図。
【図7】従来の発振器コアを表す回路図。
【符号の説明】
【0031】
C1 キャパシタ
C2 キャパシタ
C3,C4 キャパシタ
N1 活性トランジスタ
N2,N3 トランジスタ
P1 第2活性トランジスタ
P2 トランジスタ
P3 第1トランジスタ
P3,P4,P5 極性化手段
P3 第1トランジスタ
P4a 第2トランジスタ
P4b 第3トランジスタ
1 共振器
3 発振器コア
4 振幅レギュレータ
7 連続電圧用極性回路
8 容量性デバイダー
9 温度センサー
10,11 トランジスタ
12,13 入力反転増幅器
12a,12b 反転増幅器
14,15 極性化手段
23,24 トランジスタ
30 抵抗
21,23 トランジスタ
25 高電圧トランジスタ
26 高電圧トランジスタ
27 トランジスタ
28a,28b トランジスタ
29 高電圧トランジスタ
31 第1キャパシタ
32 第2キャパシタ
33,34,35 キャパシタ
36,37 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力端末(osc in)と出力端末(osc out)と共振器(1)と発振器回路とを有する発振器において、
前記発振器回路は、
(A) 第1電力供給端子(Vss)と第2の電力供給端子(Vdd)と、
(B) 前記第1電力供給端子(Vss)と入力端末(osc in)との間に接続されるキャパシタ(C1)と、前記第1電力供給端子(Vss)と前記出力端末(osc out)との間に接続されるキャパシタ(C2)と、
(C) 第1電力供給端子(Vss)と出力端末(osc out)との間に接続される第1活性トランジスタ(N1)と、
(D) 前記第1活性トランジスタ(N1)を極性化する第1手段(2)と、
(E) 前記第1活性トランジスタ(N1)に対し相補型の第2活性トランジスタ(P1)と、
その電流パスは、第1活性トランジスタ(N1)と直列に接続され、それと共に反転増幅器を形成し、
(F) 前記第2活性トランジスタ(P1)を極性化する第2極性化手段(P3,P4a,P4b)と、
(G) 第2活性トランジスタ(P1)と同型のトランジスタであり、前記第2電源端末(Vdd)と第2活性トランジスタ(P1)との間に配置される第1電流源(P2)と、
(H) 前記第2極性化手段(P3、P4a、P4b)用の電流制御手段(R,N2,N3)と
を有し、
安定動作状態において、前記第2極性化手段(P3、P4a、P4b)は、前記第1電流源(P2)のトランジスタ・ゲート電圧に対応する第2活性トランジスタ(P1)のゲートに、所定の変動範囲内の極性化電圧を提供する
ことを特徴とする発振器。
【請求項2】
前記第2極性化手段(P3、P4a、P4b)は、第2活性トランジスタ(P1)と同一タイプの第1トランジスタ(P3)と第2トランジスタ(P4a)と第3トランジスタ(P4b)とを有し、
前記第1トランジスタ(P3)は、第2活性トランジスタ(P1)のゲートに前記極性化電圧を提供し、
前記第2と第3のトランジスタ(P4a、P4b)は、その電流パスが直列に接続され、前記第1電流源(P2)を形成するトランジスタと共に電流ミラーを形成する
ことを特徴とする請求項1記載の発振器。
【請求項3】
立ち上がり期間において、前記第2の極性化手段(P3、P4a、P4b)と前記第1電流源(P2)と前記第2活性トランジスタ(P1)とが、電流ミラーを形成する
ことを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の発振器。
【請求項4】
前記電流制御手段は、2個の制御用トランジスタ(N2、N3)と抵抗(R)により形成され、
前記2個の制御用トランジスタ(N2、N3)は、それらのゲートは振幅レギュレータ(4)に接続され、
前記抵抗(R)は、前記第2電源端末(Vdd)と前記第2極性化手段の第2トランジスタ(P4a)との間に配置される
ことを特徴とする請求項1−3のいずれかに記載の発振器。
【請求項5】
発振器の入力端末(osc in)に配置される反転増幅器回路をさらに有し、
前記反転増幅器回路は、相補型の2個のトランジスタから形成されるインバータを有し、
前記インバータは、容量性入力を有する2個の集積反転増幅器の手段により制御され、
前記2個の集積反転増幅器は、他の容量型入力反転増幅器の出力と電源とによってそれぞれ電力が与えられ、
これにより、出力切り替えの間、電流ピーク需要を抑える
ことを特徴とする請求項1−4のいずれかに記載の発振器。
【請求項6】
前記反転増幅器回路は、前記容量性入力反転増幅器を極性化する第3と第4の極性化手段を有し、
前記第3と第4の極性化手段は、前記発振器回路の残りの部分で利用される供給電圧を直接利用するよう配置される
ことを特徴とする請求項5記載の発振器。
【請求項7】
前記発振器は、独立し電圧が安定した電流源(6)を有し、
前記電圧安定電流源(6)は、高供給電圧に起因する過電圧に対する保護手段を有する
ことを特徴とする請求項1−6のいずれかに記載の発振器。
【請求項8】
前記電流源は、
第1の導電型の第1と第2のトランジスタ(21、22)と、
相補型の第3と第4のトランジスタ(23、24)と、
前記第3と第4のトランジスタのゲートの間に配置される抵抗(30)と
を有し、
前記第1と第2のトランジスタ(21、22)は、所定のゲインの電流ミラーを形成し、
前記第3と第4のトランジスタ(23、24)は、低い反転モードで動作する
ことを特徴とする請求項7のいずれかに記載の発振器。
【請求項9】
前記過電圧に対する保護手段は、フォロア・モードで搭載される高電圧のトランジスタ(25)を有し、
前記第3トランジスタ(23)のドレインを高電圧から保護する
ことを特徴とする請求項8記載の発振器。
【請求項10】
前記過電圧に対する保護手段は、細長いチャネルを有する第2トランジスタ(22)により形成される
ことを特徴とする請求項9記載の発振器。
【請求項11】
前記発振器は、容量性デバイダ(8)に関連する温度センサ(9)を有し、
温度動作範囲を広げるために振幅レギュレータ(4)の伝達関数に適合する
ことを特徴とする請求項1−10のいずれかに記載の発振器。
【請求項12】
前記容量性デバイダ(8)は、少なくとも3個の適合レベルを有する
ことを特徴とする請求項11記載の発振器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−113435(P2008−113435A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−276198(P2007−276198)
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【出願人】(306034549)イーエム マイクロエレクトロニック−マリン エスエー (2)
【Fターム(参考)】