説明

広告印刷システム、複合機、及び複合機のプログラム

【課題】既に印刷された広告がスキャナによって読み取られ、印刷された場合は、ユーザ毎の特典ポイントにならない。
【解決手段】スキャナにより読み取られた画像は特典付与対象となる広告に形成された特典画像か否かが判定される。判定によって特典画像であると判定された画像がカラーインクジェットプリンタによって、被記録媒体に印刷された印刷回数がカウントされる。カウカウントされた印刷回数に基づき、ユーザに付与される特典ポイントを決定する。決定された特典ポイントをユーザに対応して記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告印刷システム、複合機、及び複合機のプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ユーザがプリンタで広告を印刷すると、その印刷回数に応じてプリンタの消耗品の価格が割引される消耗品割引システムが知られている。例えば、特許文献1に記載された消耗品割引システムでは、広告データがスポンサ企業のコンピュータからユーザ側のホストコンピュータにインターネット経由で配信される。ユーザが、この配信された広告データをプリンタで印刷した場合、次回購入時のプリンタの消耗品の価格が印刷回数に応じて割り引かれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−373281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載された消耗品割引システムでは、既に印刷された広告がスキャナによって読み取られ、印刷される場合がある。この場合、読み取られた広告の印刷回数に応じて、消耗品の価格が割り引かれない。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、その目的はスキャナによって読み取られた広告が印刷された場合に、その読み取られた広告の印刷が消耗品の価格を割り引きなどの特典を与えるための特典ポイントとなるシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1記載の本発明は、広告に形成された画像を読み取る読取手段と、前記画像を被記録媒体に印刷する印刷手段と、前記読取手段により読み取られた画像が特典付与対象となる広告に形成された特典画像か否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって前記特典画像であると判定された画像が前記印刷手段によって、被記録媒体に印刷された印刷回数をカウントする印刷回数カウント手段と、前記印刷回数カウント手段によりカウントされた印刷回数に基づき、ユーザに付与される特典ポイントを決定する特典ポイント決定手段と、前記特典ポイント決定手段により決定された特典ポイントをユーザに対応して記憶する特典ポイント記憶手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0007】
上記目的を達成するために、請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の広告印刷システムにおいて、前記読取手段と、前記印刷手段と、を含む複合機と、前記複合機とネットワークを介して接続されたサーバとを備え、前記複合機は、前記読取手段により読み取られた画像に対応する画像データを前記サーバに送信する画像送信手段を含み、前記サーバは、前記画像送信手段により送信された画像データを受信する画像受信手段と、前記判定手段とを含み、前記判定手段は、前記画像受信手段により受信された画像データに対応する画像が前記特典画像か否かを判定することを特徴とするものである。
【0008】
上記目的を達成するために、請求項3記載の本発明は、請求項2に記載の広告印刷システムにおいて、前記サーバは、前記特典ポイント決定手段と、前記特典ポイント記憶手段
とを含むことを特徴とするものである。
【0009】
上記目的を達成するために、請求項4記載の本発明は、請求項2または3に記載の広告印刷システムにおいて、前記複合機は、前記読取手段により読み取られた画像を判定する判定モードと、前記読取手段により読み取られた画像を判定しない非判定モードと、を選択するために、ユーザにより操作可能なモード選択手段を含み、前記画像送信手段は、前記モード選択手段により判定モードで読み取られた画像に対応する画像データを前記サーバに送信することを特徴とするものである。
【0010】
上記目的を達成するために、請求項5記載の本発明は、請求項2〜4のいずれかに記載の広告印刷システムにおいて、前記サーバは、前記判定手段による判定結果を送信する判定結果送信手段を含み、前記複合機は、前記判定結果送信手段により送信された判定結果を受信する判定結果受信手段と、前記判定結果受信手段により受信された判定結果が前記特典画像ではないと判定された内容である場合に、判定結果が前記特典画像ではないことを表すメッセージを表示する表示部と、前記表示部にメッセージが表示された後に、前記読取手段により読み取られた画像を前記印刷手段により印刷するか否かを選択するためにユーザにより操作可能な印刷選択手段と、を備え、前記印刷手段は、印刷を選択するための前記印刷選択手段の操作に従って前記画像を印刷することを特徴とするものである。
【0011】
上記目的を達成するために、請求項6記載の本発明は、請求項2〜4のいずれかに記載の広告印刷システムにおいて、前記印刷手段と前記画像送信手段とは、前記読取手段により読み取りが開始されてから前記印刷手段による印刷処理と前記画像送信手段による送信処理とを開始することを特徴とするものである。
【0012】
上記目的を達成するために、請求項7記載の本発明は、請求項2〜6のいずれかに記載の広告印刷システムにおいて、前記サーバは、前記特典画像が形成された広告を複合機に送信する広告送信手段を含み、前記特典ポイント決定手段は、前記広告送信手段により送信された広告に基づき、ユーザに付与される特典ポイントを決定することを特徴とするものである。
【0013】
上記目的を達成するために、請求項8記載の本発明は、広告に形成された画像を読み取る読取手段と、前記画像を被記録媒体に印刷する印刷手段と、を含む複合機と、前記複合機とネットワークを介して接続されたサーバとを備える広告印刷システムに含まれる前記複合機であって、前記読取手段により読み取られた画像に対応する画像データを前記サーバに送信する画像送信手段と、前記画像送信手段により送信された画像データに対応する画像が特典付与対象となる広告に形成された特典画像か否かを表す判定結果を前記サーバから受信する判定結果受信手段と、前記判定結果受信手段により受信された判定結果が前記特典画像と判定された内容である場合に、前記画像送信手段により送信された画像データに対応する画像が前記印刷手段によって、被記録媒体に印刷された印刷回数をカウントする印刷回数カウント手段と、ユーザに付与される特典ポイントを決定するために、前記印刷回数カウント手段によりカウントされた前記印刷回数を前記サーバに送信する印刷回数送信手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0014】
上記目的を達成するために、請求項9記載の本発明は、広告に形成された画像を読み取る読取手段と、前記画像を被記録媒体に印刷する印刷手段と、を含む複合機と、前記複合機とネットワークを介して接続されたサーバとを備える広告印刷システムに含まれる前記複合機のコンピュータに、前記読取手段により読み取られた画像に対応する画像データを前記サーバに送信する画像送信ステップと、前記画像送信ステップにより送信された画像データに対応する画像が特典付与対象となる広告に形成された特典画像か否かを表す判定結果を前記サーバから受信する判定結果受信ステップと、前記判定結果受信ステップによ
り受信された判定結果が前記特典画像と判定された内容である場合に、前記画像送信ステップにより送信された画像データに対応する画像が前記印刷手段によって、被記録媒体に印刷された印刷回数をカウントする印刷回数カウントステップと、ユーザに付与される特典ポイントを決定するために、前記印刷回数カウントステップによりカウントされた前記印刷回数を前記サーバに送信する印刷回数送信ステップと、を行わせることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の広告印刷システムによれば、読取手段により読み取られた画像が判定手段により特典画像であると判定されれば、特典ポイント記憶手段に特典ポイントが記憶される。従って、ユーザが読取手段に画像を読み取らせた場合にも、その読み取らせた画像の印刷を特典ポイントとすることが出来る。
【0016】
請求項2に記載の広告印刷システムによれば、判定手段がサーバに含まれる。従って、判定手段による判定処理が、比較的処理能力の高いサーバで実行されるので、負荷が複合機にかかることを防ぐことが出来る。
【0017】
請求項3に記載の広告印刷システムによれば、サーバは、特典ポイント決定手段と特典ポイント記憶手段とを含む。従って、特典ポイント決定手段による特典ポイントの決定処理がサーバで実行されるので、負荷が複合機にかかることを防ぐことが出来る。さらに特典ポイント記憶手段がサーバに含まれるので、特典ポイントの管理が容易になる。
【0018】
請求項4に記載の広告印刷システムによれば、複合機は、ユーザが前記判定モードと前記非判定モードとを選択するためのモード選択手段を備える。従って、モード選択手段により非判定モードが選択された場合は、読取手段で読み取られた画像が、判定手段で判定されないので、判定手段による判定処理の負荷を軽減することが出来る。
【0019】
請求項5に記載の広告印刷システムによれば、サーバは、判定手段による判定結果を送信する判定結果送信手段を含む。複合機は、判定結果送信手段により送信された判定結果を受信する判定結果受信手段と、判定結果受信手段により受信された判定結果が前記特典画像ではないと判定された内容である場合に、判定結果が前記特典画像ではないことを表すメッセージを表示する表示部と、前記表示部にメッセージが表示された後に、前記読取手段により読み取られた画像を前記印刷手段により印刷するかを選択するためにユーザにより操作可能な印刷選択手段と、を備える。印刷手段は前記印刷選択手段の操作に従って前記画像を印刷する。従って、ユーザは、判定結果が前記特典画像ではないとのメッセージを確認してから印刷するか否かを印刷選択手段により選択することが出来る。これにより、画像送信手段により送信した画像データに対応する画像が特典画像でない場合には、特典ポイントにならないので印刷手段により印刷しない、とユーザが考えた場合にも対応できる。
【0020】
請求項6に記載の広告印刷システムによれば、印刷手段と画像送信手段とは、読取手段により読み取りが開始されてから、前記印刷手段による印刷処理と前記画像送信手段による送信処理を開始する。従って、印刷手段による印刷処理と画像送信手段による画像データの送信処理が並行して実行されるので処理時間を短くすることが出来る。
【0021】
請求項7に記載の広告印刷システムによれば、広告送信手段により複合機に送信される広告に基づき、特典ポイント決定手段はユーザに付与される特典ポイントを決定する。従って、広告送信手段により複合機に送信される広告についても、ユーザに付与される特典ポイントとすることが出来る。
【0022】
請求項8に記載の複合機によれば、読取手段により読み取られた画像が特典画像であるとの判定結果をサーバから受信した場合に、特典ポイントを決定するために、印刷回数送信手段が印刷回数をサーバに送信する。従って、ユーザが読取手段に画像を読み取らせた場合にも、その読み取らせた画像の印刷を特典ポイントとすることが出来る。
【0023】
請求項9に記載の複合機のプログラムによれば、読取手段により読み取られた画像が特典画像であるとの判定結果をサーバから受信した場合に、特典ポイントを決定するために、印刷回数送信ステップが印刷回数をサーバに送信する。従って、ユーザが読取手段に画像を読み取らせた場合にも、その読み取らせた画像の印刷を特典ポイントとすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態に係る広告印刷システムSの概要構成を示す図である。
【図2】広告印刷システムSにおける複合機1Aのハードウェア図である。
【図3】広告印刷システムSにおけるサーバ2のハードウェア図である。
【図4】広告データ40の内容を表す模式図である。
【図5】ユーザデータ41の内容を表す模式図である。
【図6】広告主データ42の内容を表す模式図である。
【図7】マッチングデータ43の内容を表す模式図である。
【図8】印刷データ44の内容を表す模式図である。
【図9】第1の実施形態における複合機1A及びサーバ2の全体処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】サーバ2のマッチ率判定処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】正逆判定処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】正逆判定処理の説明図
【図13】図10に示す対応点距離算出処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図14】図10に示すマッチ率算出処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図15】第2の実施形態における複合機1A及びサーバ2の全体処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】第3の実施形態における複合機1A及びサーバ2の全体処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
〈第1の実施形態〉
始めに、図1を参照して本発明の第1の実施形態に係る広告印刷システムについて説明する。
【0026】
[1.広告印刷システムの構成]
図1は、本実施形態に係る広告印刷システムSの概要構成を示す図である。
【0027】
広告印刷システムSは、複数の複合機1(1A〜1C)と、サーバ2と、複数の広告主のパーソナルコンピュータ3(3A〜3C)と、複数のユーザのパーソナルコンピュータ4(4A〜4C)と、を備える。図1では、複数の複合機1を複合機1A〜1Cとし、複数の、広告主のパーソナルコンピュータ3をパーソナルコンピュータ3A〜3Cとし、複数の、ユーザのパーソナルコンピュータ4をパーソナルコンピュータ4A〜4Cとして図示した。以降の記載では、複合機1A〜1Cの代表例として、複合機1Aについて説明し、広告主のパーソナルコンピュータ3A〜3Cの代表例として、パーソナルコンピュータ3Aについて説明し、ユーザのパーソナルコンピュータ4A〜4Cの代表例として、パー
ソナルコンピュータ4Aについて説明する。複合機1Aとサーバ2と広告主のパーソナルコンピュータ3Aとユーザのパーソナルコンピュータ4AとはネットーワークNWを介して接続される。ネットワークNWは、外部ネットワークの一例である。ネットワークNWは、例えば、インターネットやWAN(Wide Area Network)等のパブリックネットワークである。図示していないが、広告印刷システムSは、ファイアウォールやルータを備える。
【0028】
[2.複合機のハードウェア構成]
図2を参照して、広告印刷システムSに備えられる複合機1Aのハードウェアの構成について説明する。
【0029】
複合機1Aは、CPU10と、HDD11と、RAM12と、入力部13と、ディスプレイ14と、通信インターフェース15と、LANポート16と、スキャナ20と、カラーインクジェットプリンタ30と、を含む。CPU10が本発明のコンピュータの一例である。
【0030】
HDD11に記憶されたプログラムに従うCPU10の処理が、後述の各処理を実現する。
【0031】
HDD11は不揮発性の記憶装置である。プログラム記憶領域111とユーザID記憶領域112とがHDD11に設けられる。複合機1Aが行う処理に関するプログラムはプログラム記憶領域111に記憶される。
【0032】
RAM12は揮発性の記憶装置である。RAM12は、CPU10がHDD11の記憶領域に記憶されたプログラム及びプログラムに従う各処理を実行する際に必要なデータを一時的に記憶する記憶領域を含む。
【0033】
入力部13は、各種入力ボタンを備える。広告スキャンボタン131と、通常スキャンボタン132と、数字ボタン133と、印刷ボタン134と、キャンセルボタン135が各種入力ボタンに含まれる。各種入力ボタンが押下されると、各種入力ボタンに応じた処理が実行される。広告スキャンボタン131と、通常スキャンボタン132と、が、本発明のモード選択手段の一例である。印刷ボタン134とキャンセルボタン135とが本発明の印刷選択手段の一例である。
【0034】
ディスプレイ14は、メッセージ等の画像を表示する。ディスプレイ14が本発明の表示部の一例である。
【0035】
複合機1Aの通信インターフェース15は、サーバ2に対してデータの送信及び受信を行う際に信号変換及びプロトコル変換などのインターフェース処理を実行する。
【0036】
複合機1AのLANポート16は、LAN(Local Area Network)に接続するために、LANケーブルと接続する接続端子である。サーバ2に対するデータの送信及び受信は、LANを介して行われる。以降の記載において、複合機1Aにおけるデータの送信及び受信は、通信インタフェース15及びLANポート16を介して行われる。
【0037】
スキャナ20は、CCDなどを利用したスキャナであり、被記録媒体に形成された画像を読み取る。スキャナ20は、読み取った画像をデジタルデータに変換する。変換されたデジタルデータは、画像データとして出力される。スキャナ20で読み取られた画像は画像データとしてRAM12に記憶される。スキャナ20が本発明の読取手段の一例である

【0038】
カラーインクジェットプリンタ30は、HDD11またはRAM12に記憶された画像データと、スキャナ20で読み取られた画像を表す画像データと、を印刷する。カラーインクジェットプリンタ30が本発明の印刷手段の一例である。
【0039】
[3.サーバのハードウェア構成]
図3を参照して、サーバ2のハードウェアの構成を説明する。
【0040】
サーバ2は、CPU60と、HDD61と、RAM62と、通信インターフェース63とLANポート64とを含む。HDD61に記憶されたプログラムに従うCPU60の処理が、後述の各処理を実現する。HDD61が本発明の特典ポイント記憶手段の一例である。
【0041】
HDD61は不揮発性の記憶装置である。プログラム記憶領域611と、広告データテーブル記憶領域612と、ユーザデータテーブル記憶領域613と、広告主データテーブル記憶領域614と、マッチングデータテーブル記憶領域615と、印刷データテーブル記憶領域616と、がHDD61に設けられる。
【0042】
サーバ2が行う処理に関するプログラムはプログラム記憶領域611に記憶される。
【0043】
広告データ40が広告データテーブル記憶領域612に記憶される。ユーザデータ41がユーザデータテーブル記憶領域613に記憶される。広告主データ42が広告主データテーブル記憶領域614に記憶される。マッチングデータ43がマッチングデータテーブル記憶領域615に記憶される。印刷データ44が印刷データテーブル記憶領域616に記憶される。
【0044】
図4を参照して、広告データ40について説明する。図4は広告データ40の内容を示す模式図である。広告データIDと、画像データと、広告主IDと、有効開始日と、有効終了日と、特典ポイントと、配信地域と、タグと、が列方向に広告データ40の各項目として設定される。広告主が、パーソナルコンピュータ3Aで各項目を設定する。広告データ40はネットワークNWを介してパーソナルコンピュータ3Aからサーバ2に送信され、サーバ2の広告データテーブル記憶領域612に記憶される。
【0045】
広告データIDは広告データ40を特定するIDである。画像データは、広告データIDで関連付けられた広告に形成された画像を表すデータである。広告主IDは、広告データIDで関連付けられた広告の広告主を特定するIDである。有効開始日時と有効終了日時とは、広告が、複合機1Aに配信される開始日と、その配信の終了日とを表すデータである。特典ポイントは、複合機1Aのカラーインクジェットプリンタ30により1回印刷されるごとに付与されるポイントである。配信地域は、広告を配信する地域を表したデータである。本実施形態では、配信地域の一例として、「東京都」、「東京都品川区」、「愛知県名古屋市」、「愛知県名古屋市南区」、「愛知県名古屋市北区」、「大阪府」が一列に図示されている。タグは広告のジャンルである。本実施形態では、タグの一例として「家電」、「野菜」、「野菜」、「焼肉」、「土地」、「デパート」が一列に図示されている。
【0046】
図5を参照して、ユーザデータ41について説明する。図5はユーザデータ41の内容を示す模式図である。ユーザデータ41は、ユーザIDと、ユーザ名と、パスワードと、氏名と、メールアドレスと、プリンタMACアドレスと、累積特典ポイントと、希望配信時間と、配信希望地域と、希望タグと、が列方向にユーザデータ41の各項目として設定
される。ユーザが、複合機1Aの入力部13の各種入力ボタンを押下して、ユーザ名と、パスワードと、氏名と、メールアドレスと、プリンタMACアドレスと、希望配信時間と、希望配信希望地域と、希望タグと、を設定する。複合機1Aで設定されたユーザデータ41がネットワークNWを介して複合機1Aからサーバ2に送信される。
【0047】
複合機1Aからサーバ2に送信されたユーザデータ41を受信したサーバ2は、ユーザIDと、「0」を設定した累積特典ポイントと、を自動で設定し、サーバ2のユーザデータテーブル記憶領域613にユーザデータ41を記憶する。
【0048】
ユーザIDはユーザを特定するためのIDである。ユーザIDは複合機1AのHDD11のユーザID記憶領域112にも記憶される。ユーザ名は、ユーザが設定した名前である。パスワードは、ユーザがユーザデータを確認するときに使用されるパスワードである。氏名は、複合機1Aの所有者の名前である。メールアドレスは、複合機1Aの所有者の電子メールアドレスである。プリンタMACアドレスは、ネットワークNWに接続された際の複合機1Aのアドレスである。累積特典ポイントは累積した特典ポイントである。希望配信時間は、複合機1Aに広告を配信する時間である。希望配信地域は、配信を希望する地域である。希望タグは、配信を希望するタグである。
【0049】
サーバ2は、ユーザデータ41に設定された希望配信時間になると、ユーザデータ41の希望配信地域及び希望タグと、広告データ40の配信地域及びタグと、が合致する広告を複合機1Aに送信する。例えば、配信地域が「東京都」に設定され、タグが「家電」に設定されている広告データIDが「ADV00001」に設定されている広告データは、希望配信地域が「東京都品川区」に設定され、希望タグが「家電」または「野菜」に設定されているユーザIDが「USER00001」に設定されている複合機1Aに送信される。複合機1Aは、サーバ2が送信した広告を受信すると、カラーインクジェットプリンタ30で印刷する。サーバ2は、複合機1Aに広告を送信した際に、送信した広告の広告データIDに対応する特典ポイントを、ユーザデータ41の累積特典ポイントに加算する。CPU60の処理である、ユーザデータ41の希望配信地域及び希望タグと、広告データ40の配信地域及びタグと、が合致する広告を複合機1Aに送信する処理が、本発明の広告送信手段の一例である。
【0050】
累積特典ポイントを確認する方法を説明する。まず、ユーザが、サーバ2に設けられたWEBページに、パーソナルコンピュータ4Aからアクセスする。次に、ユーザは、パーソナルコンピュータ4Aに設けられた入力部からパスワードを入力する。すると、ユーザは、累積特典ポイントをパーソナルコンピュータ4Aに設けられたディスプレイを介して確認することが出来る。この累積特典ポイントの使用方法として、例えば、以下の方法が考えられる。ユーザは、サーバ2のWEBページにアクセスし、累積特典ポイントで消耗品を購入することができる。
【0051】
図6を参照して、広告主データ42について説明する。図6は広告主データ42の内容を示す模式図である。広告主データ42は、広告主IDと、会社名と、責任者名と、電話番号と、FAX番号と、メールアドレスと、クレジットカード番号と、クレジットカードの有効期限と、が広告主データ42の各項目として設定される。
【0052】
広告主IDは広告主を特定するためのIDである。会社名は広告主の会社の名前である。責任社名は広告主の責任者の名前である。電話番号は広告主の電話番号である。FAX番号は広告主のFAX番号である。メールアドレスは広告主の電子メールアドレスである。クレジットカード番号は広告の配信料金を請求する際に用いられるクレジットカードの番号である。有効期限はクレジットカードの有効期限である。
【0053】
サーバ2の所有者は、クレジットカード番号から広告の配信料金を広告主に請求する。この請求方法は公知の方法であるので、詳細な説明を省く。
【0054】
広告主が、パーソナルコンピュータ3Aで各項目を設定する。広告主データ42はネットワークNWを介してパーソナルコンピュータ3Aからサーバ2に送信され、サーバ2の広告主データテーブル記憶領域614に記憶される。
【0055】
図7を参照して、マッチングデータ43について説明する。図7はマッチングデータ43の内容を示す模式図である。マッチングデータ43は、広告データIDと、大きさと、重心ベクトルと、特徴点と、がマッチングデータ43の各項目として設定される。大きさとは画像のサイズである。本実施形態では、大きさの一例として「A4縦」と、「A4横」と、が図示されている。重心ベクトルは、画像がm×nの画素ブロックに分割された際の、画像領域における中心から公知の画像重心へのベクトルで表される。重心ベクトルの算出方法は後述する。特徴点はその画像の特徴を表す点の座標である。特徴点は画像の中心を原点としたときの座標で表される。画像の特徴は、点の特徴、局所的特徴、領域の特徴、全体的特徴などがある。より詳しくは、オーム社発行、田村秀行編著、「コンピュータ画像処理」に記載されている。例えば、大きさが「A4縦」または「A4横」の場合は、特徴点は1000個以上あることが望ましい。
【0056】
広告データ40がパーソナルコンピュータ3Aからサーバ2に送信され、サーバ2の広告データテーブル記憶領域612に記憶された際に、CPU60は、画像の大きさと、画像の重心ベクトルと、画像の特徴点と、を算出する。そして、画像の大きさと画像の重心ベクトルと画像の特徴点とが、広告データ40の広告データIDと関連付けられて、マッチングデータ43がマッチングデータテーブル記憶領域615に記憶される。
【0057】
図8を参照して、印刷データ44について説明する。図8は印刷データ44の内容を示す模式図である。印刷データ44は、印刷IDと、ユーザIDと、広告データIDと、印刷回数と、印刷日と、が印刷データ44の各項目として設定される。広告データ40がサーバ2から複合機1Aへ配信されたときに、各項目が印刷データ44に追加される。詳細は後述するが、複合機1Aにて被記録媒体に印刷された広告が、複合機1Aのスキャナ20にて読み取られたときに、各項目が印刷データ44に追加される。追加された印刷データ44は印刷データテーブル記憶領域に616に記憶される。
【0058】
印刷IDは、複合機1Aで印刷された情報を特定IDである。印刷回数は印刷された回数を示す。印刷日は印刷された日を示す。
【0059】
RAM62は揮発性の記憶装置である。RAM62は、CPU60がHDD61の記憶領域に記憶されたプログラム及びプログラムに従う各処理を実行する際に必要なデータを一時的に記憶する記憶領域を含む。
【0060】
サーバ2の通信インターフェース63は、データの送信及び受信を複合機1Aとする際に信号変換及びプロトコル変換などのインターフェース処理を実行する。
【0061】
サーバ2のLANポート64は、LANに接続するために、LANケーブルを接続する接続端子である。以降の記載において、複合機1Aに対するデータの送信及び受信は、通信インターフェース63及びLANポート64を介して行われる。
【0062】
[4.広告印刷システムの動作]
(複合機1A及びサーバ2の全体処理)
以上のような構成を備える広告印刷システムSの動作を図9に示したフローチャートを
参照して説明する。以降の記載において、広告データテーブル記憶領域612に記憶されている画像データを特典画像データとして説明する。スキャナ20によって読み取られた画像に対応する画像データを入力画像データとして説明する。特典画像データに対応する画像を特典画像データの画像として記載する。入力画像データに対応する画像を入力画像データの画像として記載する。
【0063】
図9は複合機1Aとサーバ2との全体処理を示したフローチャートである。複合機1A及びサーバ2には電力が常時供給されているものとする。以降の記載において、CPU10の処理を記号SFで表し、CPU60の処理を記号SSで表す。
【0064】
SF1では、複合機1Aに備えられた広告スキャンボタン131が押下されたか否かを検知する。広告スキャンボタン131が押下されたと判断すると、スキャナ20で画像を読み取る指示を出す。そして、SF2に処理を移行する。広告スキャンボタン131が押下されていないと判断すると、SF13に処理を移行する。具体的には、広告スキャンボタン131が押下されていないと判断するとは、ボタン131の押下がない状態で一定時間経過したか否かを判断することである。一定時間経過したと判断すると、SF13に処理を移行する。
【0065】
SF2では、S1で行われた読み取り指示に従って読み取られた画像データを受け取り、その画像データを表す入力画像データと、ユーザIDと、をサーバ2に送信する。そして、サーバ2のCPU60の処理であるSS3に処理が移行する。CPU10のSF2が本発明の画像送信手段の一例である。
【0066】
SS3では、SF2で複合機1Aから送信された入力画像データとユーザIDとを受信する。そして、SS4に処理を移行する。
【0067】
SS4では、SS3で受信した入力画像データが複合機1Aに過去に配信された特典画像データであるか否かを、マッチ率を基に判定する。複合機1Aに過去に配信された特典画像データは、SS3で受信したユーザIDに対応する広告データIDを印刷データ44においてCPU60が検索することにより特定される。この判定では、入力画像データと特典画像データとの類似度であるマッチ率を基に判定する。このマッチ率を基にした判定については後述する。入力画像データが特典画像データであるかの判定が終了すると、SS5に処理を移行する。CPU60のSS4が本発明の判定手段の一例である。
【0068】
SS5では、SS4における判定結果と、判定結果が特典画像データと判定された内容である場合には特典画像データに対応する広告データIDと、を複合機1Aに送信する。送信が終了すると、複合機1AのCPU10の処理であるSF6に処理が移行する。CPU60の処理であるSS5が本発明の判定結果送信手段の一例である。
【0069】
SF6では、SS5でサーバ2が送信した判定結果を受信したことを検知する。判定結果を受信したことを検知すると、SF7に処理を移行する。CPU10の処理であるSF6が本発明の判定結果受信手段の一例である。
【0070】
SF7では、SF6で受信した判定結果が、入力画像データが特典画像データであるか否かを判断する。入力画像データが特典画像データであるとの判定結果だった場合には、SF8に処理を移行する。入力画像データが特典画像データでないとの判定結果だった場合には、SF14に処理を移行する。
【0071】
SF8では、SF1でスキャナ20が読み取った画像を、カラーインクジェットプリンタ30にて印刷する指示を出す。この際、画像は、入力部13の数字ボタン133で入力
された印刷回数だけカラーインクジェットプリンタ30にて印刷される。そして、SF9に処理を移行する。
【0072】
SF9では、カラーインクジェットプリンタ30にて印刷した印刷回数をカウントする。印刷回数のカウントが終了すると、SF10に処理を移行する。CPU10の処理であるSF9が本発明の印刷回数カウント手段の一例である。
【0073】
SF10では、SF9にてカウントした印刷回数と、印刷した画像に対応する広告データIDと、ユーザIDと、をサーバ2に送信する。送信が終了すると、サーバ2のCPU60の処理であるSS11に処理が移行する。複合機1AのCPU10は、SF1に処理を移行する。CPU10の処理であるSF10が本発明の印刷回数送信手段の一例である。
【0074】
SS11では、SF10で複合機1Aが送信した印刷回数と、広告データIDと、ユーザIDと、を受信したことを検知する。印刷回数と、広告データIDと、ユーザIDと、を受信したことを検知すると、SS12に処理を移行する。
【0075】
SS12では、受信した印刷回数と、広告データIDと、ユーザIDと、を印刷データテーブル記憶領域616に記憶する。次に、広告データテーブル記憶領域612に記憶されている広告データ40の特典ポイントを読み出す。読み出した特典ポイントと印刷データテーブル記憶領域616に記憶した印刷回数とを乗じて特典ポイントを算出する。算出した特典ポイントを、ユーザデータテーブル記憶領域613に記憶されているユーザデータ41の累積特典ポイントに加算する。そして、加算した累積特典ポイントを改めて累積特典ポイントとしてユーザデータテーブル記憶領域613に記憶する。この累積特典ポイントの記憶後に処理を終了する。CPU60のSS12が本発明の特典ポイント決定手段の一例である。
【0076】
SS3〜SS5の処理と、SS11及びSS12の処理は、割り込みなどの処理として行い、この割り込み処理が終了すれば、広告の配信などの別処理に戻る。
【0077】
SF13では、通常スキャンボタン132が押下されたか否かを判断する。通常スキャンボタン132が押下されていると判断すると、SF15に処理を移行する。通常スキャンボタン132が押下されていないと判断すると、SF1に処理を移行する。具体的には、通常スキャンボタン132が押下されていないと判断するとは、ボタン132の押下がない状態で一定時間経過したか否かを判断することである。一定時間経過したと判断すると、SF1に処理を移行する。
【0078】
SF14では、入力画像データが特典画像データでないことを表すメッセージをディスプレイ14に表示させる。次に、印刷ボタン134又はキャンセルボタン135が押下されたか否かを検知する。印刷ボタン134が押下されたと検知すると、SF15に処理を移行する。キャンセルボタン135が押下されたと検知すると、SF1に処理を移行する。
【0079】
SF15では、SF1でスキャナ20が読み取った画像を、カラーインクジェットプリンタ30にて印刷する指示を出す。この際、数字ボタン133で入力された印刷回数だけカラーインクジェットプリンタ30にて印刷される。そして、SF1に処理を移行する。
【0080】
(マッチ率判定)
SS4におけるマッチ率判定について、図10に示したフローチャートを参照して説明する。このマッチ率判定はサーバ2のCPU60の処理である。
【0081】
SS100では、複合機1Aから送信されてきた入力画像データの画像の正逆を判定する。そして、SS101に処理を移行する。この正逆判定処理については後述する。
【0082】
SS101では、SS100において正逆を判定した入力画像データの画像が正相であるかを判定する。入力画像データの画像が正相であれば、SS103に処理を移行する。入力画像データの画像が正相でない、つまり入力画像データの画像が逆相と判定すれば、SS102に処理を移行する。
【0083】
SS102では、入力画像データの画像を180度回転させる。そして、SS103に処理を移行する。
【0084】
SS103では、入力画像データの画像の特徴点を抽出する。抽出した入力画像データの画像の特徴点はRAM62に記憶される。この特徴点の算出は公知の如何なる方法であってもよい。より詳しくは、オーム社発行、田村秀行編著、「コンピュータ画像処理」に記載されている。そして、SS104に処理を移行する。
【0085】
SS104では、HDD61のマッチングデータテーブル記憶領域615に記憶されている特徴点を読み出す。SS103で抽出した入力画像データの画像の特徴点と、特典画像データの画像の特徴点と、を対応させる。この対応関係は、入力画像データの画像の各特徴点と、特典画像データの画像の各特徴点と、の距離の差の合計が最も小さくなるように対応付けられる。以下の記載において、特典画像データの画像の特徴点に対応する入力画像データの画像の特徴点を対応点とする。特典画像データの画像の特徴点と、対応付けられた対応点とをRAM62に記憶させる。そして、SS105に処理を移行する。
【0086】
SS105では、特典画像データの画像の特徴点と、対応点との距離を算出する。そして、SS106に処理を移行する。この対応点距離の算出については後述する。
【0087】
SS106では、マッチ率を算出する。マッチ率の算出が終了すると、SS107に処理を移行する。このマッチ率の計算の詳細な説明は後述する。
【0088】
SS107では、SS106で計算したマッチ率が80%より小さいか否かを判定する。マッチ率が80%より小さいと判定すると、SS108に処理を移行する。マッチ率が80%以上と判定すると、SS109に処理を移行する。
【0089】
SS108では、マッチ率を0%とし、SS114に処理を移行する。
【0090】
SS109では、対応点からアフィン行列を算出する。このアフィン行列の算出はアフィン変換を行うために算出される。アフィン変換は、入力画像データの画像の平行移動、回転、拡大縮小、剪断の組み合わせとして表現できる。アフィン変換及びアフィン行列は、オーム社発行、田村秀行編著、「コンピュータ画像処理」に具体的に記載されている。そして、SS110に処理を移行する。
【0091】
SS110では、特典画像データの画像の各特徴点と、入力画像データの画像の各特徴点との距離の差の合計が最も小さくなるようにS109で算出したアフィン行列から入力画像データの画像を、アフィン変換する。そして、SS111に処理を移行する。
【0092】
SS111では、特典画像データの画像の特徴点に対応するアフィン変換後の入力画像データの画像の対応点を算出する。この対応点の算出はSS104の処理と同様である。そして、SS112に処理を移行する。
【0093】
SS112では、SS105の処理と同様に、対応点の距離を算出する。そして、SS113に処理を移行する。
【0094】
SS113では、SS106の処理と同様に、マッチ率を算出する。次に、算出したマッチ率と広告データIDとを関連付けて、RAM62に記憶させる。そして、SS114に処理を移行する。
【0095】
SS114では、SS3で受信した入力画像データが、複合機1Aに過去に配信された特典画像データの全てについて判定されたかを判断する。SS3で受信した入力画像データが、複合機1Aに過去に配信された特典画像データの全てについて判定されたと判断すると、SS115に処理を移行する。SS3で受信した入力画像データが、複合機1Aに過去に配信された特典画像データの全てについて判定されていないと判断すると、SS100に処理を移行する。
【0096】
SS115では、入力画像データが特典画像データか否かを判定する。具体的には、SS113でRAM62に記憶されたマッチ率において、最も高いマッチ率と関連付けられた広告データIDに対応する画像データが、SS3で受信した入力画像データに対応する特典画像データであると判定する。RAM62にマッチ率と広告データIDとが記憶されていない場合は、SS3で受信した入力画像データは特典画像データでないと判定する。入力画像データが特典画像データか否かを判定すると、SS5に処理を移行する。
【0097】
(正逆判定処理)
図11に示したフローチャートと図12に示した正逆判定処理の説明図とを参照して、正逆判定処理を説明する。この正逆判定処理はサーバ2のCPU60の処理である。この正逆判定処理は、入力画像データの画像と特典画像データの画像との類似度を算出するために、入力画像データの画像と特典画像データの画像とを同一方向に並べるための処理である。
【0098】
SS200では、受信した入力画像データにより表される画像の形成領域の中心の座標を算出する。図12では、入力画像の形成領域の中心が原点である。図12に示したように、X軸とY軸とは、入力画像データの画像の形成領域の1辺に平行である。X軸方向の画像の長さとY軸方向の画像の長さとから画像の中心の位置(Ox、Oy)を算出してRAM62に記憶する。このX座標OxとY座標Oyとは、Ox=X軸方向の画像の長さ/2、Oy=Y軸方向の画像の長さ/2、である。そして、SS201に処理を移行する。
【0099】
SS201では、入力画像データの画像の重心ベクトルを算出する。この際、入力画像データの画像はデジタル画像なので、入力画像データの画像はm×nの画素ブロックに分割されている。画素ブロックとは、画像が、ある領域に規則的に分割された際の1領域である。本実施形態では、一例として、m×nは6px×8pxとした。実際には、画像の大きさが「A4縦」であれば、72dpiの場合は、m×nは842px×595pxであり、150dpiの場合は、m×nは1754px×1240pxであり、300dpiの場合は、m×nは3508px×2480pxである。まず、公知の画像重心を算出する。次に、原点から算出した画像重心へのベクトルで表される重心ベクトルを算出する。そして、SS202に処理を移行する。SS200とSS201とで処理される重心ベクトルの算出は、広告データ40がパーソナルコンピュータ3Aからサーバ2に送信され、サーバ2の広告データテーブル記憶領域612に記憶された際にも行われる。
【0100】
SS202では、マッチングデータテーブル記憶領域615に記憶されている重心ベクトルを読み出す。以下の記載において、マッチングデータテーブル記憶領域615に記憶
されている重心ベクトルをD1(p、q)とし、SS201で算出された、重心ベクトルをD2(u,v)として説明する。次に、D1(p、q)とD2(u,v)との内積の値を算出する。そして、SS203に処理を移行する。
【0101】
SS203では、D1とD2との内積の値が0以上であるかを判定する。D1とD2との内積の値が0以上であれば、重心ベクトルD1と重心ベクトルD2とのなす角が、0度以上、且つ180度以下である。従って、入力画像データの画像と特典画像データの画像とは同一方向に並べられている。これより、入力画像データの画像は180度反転されずに、後述する処理において、入力画像データが特典画像データか否かが判定される。一方、D1とD2との内積の値が0未満であれば、重心ベクトルD1と重心ベクトルD2とのなす角が、180度より大きく、且つ360度未満ある。従って、入力画像データの画像と特典画像データの画像と逆方向に並べられている。これより、入力画像データの画像は180度反転されて、後述する処理において、入力画像データが特典画像データか否かが判定される。以降の記載において、入力画像データの画像と特典画像データの画像とは同一方向に並べられている場合を、入力画像データの画像が正相であると記載し、入力画像データの画像と特典画像データの画像とは逆方向に並べられている場合を、入力画像データの画像が逆相であると記載する。D1とD2との内積の値が0以上である場合は、SS204に処理を移行する。D1とD2との内積の値が0未満である場合は、SS205に処理を移行する。
【0102】
SS204では、入力画像データの画像が正相であると判定する。そして、正逆判定処理を終了し、SS101に処理を移行する。
【0103】
SS205では、入力画像データの画像が逆相であると判定する。そして、正逆判定処理を終了し、SS101に処理を移行する。
【0104】
(対応点距離算出処理)
図13に示したフローチャートを参照して、対応点距離算出処理を説明する。
【0105】
SS300では、特典画像の特徴点と対応点との距離Lを算出する。まず、マッチングデータテーブル記憶領域615に記憶されている特典画像データの画像の特徴点を読み出す。次に、SS104でRAM62に記憶された、特典画像データの画像の特徴点とこれに対応付けられた対応点と、を読み出す。読み出した特典画像データの画像の特徴点とこれに対応付けられた対応点との距離Lを、以下のように算出する。特典画像データの画像の特徴点の位置を(p1、q1)とし、対応点の位置を(p2、q2)とする。距離Lは、
【数1】


で表される。距離Lを算出すると、距離LをRAM62に記憶して、SS301に処理を移行する。
【0106】
SS301では、距離Lが、全ての特典画像データの画像の特徴点とこれに対応付けられた対応点とについて算出されたか否かを判定する。距離Lが全ての特徴点と対応点とについて算出されたと判定されると、対応点距離算出処理を終了し、SS106、またはSS113に処理を移行する。距離Lが全ての特徴点と対応点とについて算出されていないと、SS300に処理を移行する。
【0107】
(マッチ率算出処理)
図14に示したフローチャートを参照して、マッチ率算出処理を説明する。このマッチ
率算出処理では、対応点距離算出処理において算出された全ての距離Lを用いてマッチ率を判定する。
【0108】
SS400では、全ての距離Lを用いてマッチ率を判定するために、2つの変数を設定する。一例として、2つの変数を変数aCountと変数mCountとし、以下のとおり設定する。
(数2)
aCount=0
mCount=0
上記の設定後に、SS401に処理を移行する。
【0109】
SS401では、SS300でRAM62に記憶された距離Lを読み出す。次に、距離Lが10ピクセル未満か否かを判定する。距離Lが10ピクセル未満ならば、SS402に処理を移行する。距離Lが10ピクセル以上ならば、SS403に処理を移行する。
【0110】
SS402では、変数mCountを「1」だけ増加し、SS403に処理を移行する。
【0111】
SS403では、変数aCountを「1」だけ増加し、SS404に処理を移行する。
【0112】
SS404では、距離Lが10ピクセル未満か否かの判定を全ての距離Lについて終えたか否かを判定する。全ての距離Lについて判定を終えたと判断すると、SS405に処理を移行する。全ての距離Lについて判定を終えていないと判断すると、SS401に処理を移行する。
【0113】
SS405では、マッチ率を算出する。このマッチ率は、マッチ率=mCount/aCountで表される。そして、マッチ率計算処理を終了し、SS107、またはSS114に処理を移行する。
【0114】
〈第2の実施形態〉
本発明の第2の実施形態について、図15のフローチャートを参照して説明する。第1の実施形態では、図2に示したように、広告スキャンボタン131と通常スキャンボタン132とが入力部13に設けられた。スキャナ20は広告スキャンボタン131または通常スキャンボタン132が押下されることによって制御される。これに対し、第2の実施形態では、広告スキャンボタン131と通常スキャンボタン132とが、1つのスキャンボタン136として入力部13に設けられる。スキャナ20は、スキャンボタン136が押下されることによって制御される。以下、第1の実施形態と重複するところは省略して第2の実施形態について説明する。
【0115】
SF501では、スキャンボタン136が押下されたか否かを判断する。スキャンボタン136が押下されたと判断すると、SF2に処理を移行する。スキャンボタン136が押下されていないと判断すると、SF501に処理を移行する。具体的には、スキャンボタン136が押下されていないと判断するとは、一定時間経過したか否かを判断することである。一定時間経過したと判断すると、SF501に処理を移行する。
【0116】
SF2〜SF6では、処理が第1の実施形態と同じなので説明を省略する。SF6の処理が終了すると、SF507に処理を移行する。
【0117】
SF507では、SF14と同様の処理である。印刷ボタン134が押下されたと検知
すると、SF8に処理を移行する。キャンセルボタン135が押下されたと検知すると、SF501に処理を移行する。
【0118】
SF8〜SS12では、処理が第1の実施形態と同じなので説明を省略する。
【0119】
〈第3の実施形態〉
第3の実施形態について、図16のフローチャートを参照して説明する。第3の実施形態では、1つのスキャンボタン136が複合機1Aに設けられる。第1及び第2の実施形態では、図9及び図15に示したように、複合機1Aが判定結果を受信してから、印刷が行われる。これに対し、第3の実施形態では、スキャンボタン136が押下されてから、カラーインクジェットプリンタ30の印刷処理と、スキャナ20で読み取った画像に対応する画像データの送信処理と、が開始される。以下、第1及び第2の実施形態と重複するところは省略して第3の実施形態について説明する。
【0120】
SF601では、スキャンボタン136が押下されたか否かを判断する。スキャンボタン136が押下されたと判断すると、スキャナ20で画像を読み取る指示を出す。そして、SF2とSF8とに処理を移行する。スキャンボタン136が押下されていないと判断すると、SF601に処理を移行する。具体的には、スキャンボタン136が押下されていないと判断するとは、一定時間経過したか否かを判断することである。一定時間経過したと判断すると、SF601に処理を移行する。
【0121】
SF2〜SF6、SF8及びSF9では、処理が第1の実施形態と同じなので説明を省略する。SF6の処理が終了すると、SF605に処理を移行する。SF9の処理が終了すると、SF602に処理を移行する。
【0122】
SF602では、SF9にてカウントされた印刷回数と、ユーザIDと、をサーバ2に送信する。送信が終了すると、サーバ2のCPU60の処理であるSS603と、複合機1AのCPU10の処理であるSF605と、に処理を移行する。以降の記載では、印刷回数を暫定印刷回数として記載する。第1及び第2の実施形態において、印刷回数は、特典画像データと判定された画像データに対応する画像が印刷された回数であるためである。これに対し、第3の実施形態では、SF602において、カラーインクジェットプリンタ30で印刷された画像について、入力画像データが特典画像データであるか否かが判定されていないので、印刷回数と区別するために暫定印刷回数と記載する。
【0123】
SS603では、SF602で複合機1Aが送信した暫定印刷回数と、ユーザIDと、を受信したことを検知する。暫定印刷回数と、ユーザIDと、を受信したことを検知すると、SS604に処理を移行する。
【0124】
SS604では、SS5の処理と、SS603の処理と、を終えてから処理を始める。SS5で送信された判定結果と、SS603で受信された暫定印刷回数と、を基に、特典ポイントとなる画像が、カラーインクジェットプリンタ30で印刷された印刷回数を算出する。具体的には、SS3で受信された入力画像データが特典画像データであると判定された場合は、印刷回数は、SS603で受信された暫定印刷回数として処理される。SS3で受信された入力画像データが特典画像データでないと判定された場合は、印刷回数は「0」として処理される。印刷回数の算出が終了すると、SS605に処理を移行する。
【0125】
SS605では、印刷回数を複合機1Aに送信する。印刷回数を複合機1Aに送信すると、サーバ2のCPU60の処理であるSS13と、複合機1AのCPU10の処理であるSF606と、に処理を移行する。SS12の処理は第1の実施形態と同様なので説明を省略する。
【0126】
SF606では、SS605でサーバ2が送信した印刷回数を受信する。印刷回数を受信すると、判定結果と、印刷回数と、をディスプレイ14に表示させる。判定結果と、印刷回数と、をディスプレイ14に表示させると、SF601に処理を移行する。
【0127】
第1〜第3の実施形態において、スキャナ20により読み取られた画像がCPU60により特典広告データの画像であると判定されると、特典ポイントがユーザデータ41の累積特典ポイントに加算されてユーザデータテーブル記憶領域613に記憶される。従って、ユーザがスキャナ20に画像を読み取らせた場合にも、その読み取らせた画像の印刷を特典ポイントとすることが出来る。
【0128】
第1〜第3の実施形態において、SS4のマッチ率を基にした判定はサーバ2のCPU60により処理される。従って、マッチ率を基にした判定処理が、比較的処理能力の高いサーバ2で実行されるので、負荷が複合機1Aにかかることを防ぐことが出来る。
【0129】
第1〜第3の実施形態において、サーバ2のCPU60は、SS12の処理を行う。従って、SS12の処理がサーバ2で処理されるので、負荷が複合機1Aにかかることを防ぐことが出来る。さらに累積特典ポイントがHDD61に記憶されるので、特典ポイントの管理が容易になる。
【0130】
第1〜第3の実施形態において、サーバ2は、複合機1Aに広告を送信した際に、送信した広告の広告データIDに対応する特典ポイントを、ユーザデータ41の累積特典ポイントに加算する。従って、サーバ2から複合機1Aに送信される広告データについても、特典ポイントとすることが出来る。
【0131】
第1の実施形態において、複合機1Aは広告スキャンボタン131と、通常スキャンボタン132と、を含む。複合機1Aは、広告スキャンボタン131が押下された場合に、スキャナ20で読み取られた画像に対応する画像データをサーバ2に送信する。従って、通常スキャンボタン132が押下された場合はスキャナ20で読み取られた画像に対応する画像データはサーバ2に送信されないので、サーバ2のマッチ率を基にした判定の負荷を軽減することが出来る。
【0132】
第1の実施形態において、サーバ2は、判定結果を複合機1Aに送信する。複合機1Aは、サーバ2から送信された判定結果を受信する。複合機1Aは、入力画像データが特典画像データでない場合には、入力画像データが特典画像データでないことを表すメッセージをディスプレイ14に表示させる。複合機1Aは印刷ボタン134が押下されたと検知すると、画像の印刷を行う。複合機1Aはキャンセルボタン135押下されたと検知すると画像の印刷を行わない。従って、ユーザが判定結果を知ってから、印刷するか否かを選択することが出来る。これにより、複合機1Aが送信した画像が、特典画像でない場合には、特典ポイントにならないのでカラーインクジェットプリンタ30により印刷しない、とユーザが考えた場合にも対応できる。
【0133】
第3の実施形態において、SF2の処理と、SF8の処理とは、スキャナ20により読み取りが開始されてから処理を開始する。従って、SF2の処理とSF9の処理とが並行して実行されるので処理時間を短くすることが出来る。
【0134】
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0135】
[変形例1]
第1の実施形態〜第3の実施形態では、ディスプレイ14はタッチパネルでもよい。タッチパネルがディスプレイ14として設けられた場合は、ディスプレイ14は本発明のモード選択手段及び印刷選択手段の一例である。
【0136】
[変形例2]
第1の実施形態では、広告スキャンボタン131と通常スキャンボタン132とが設けられたが、以下のような構成を用いてもよい。スキャンボタンと十字キーと決定ボタンとキャンセルボタンとが入力部14として設けられる。スキャナ20で読み取った画像をサーバ2に送信する判定モードと、スキャナ20で読み取った画像をサーバ2に送信しない非判定モードと、をスキャンボタンと十字キーと決定ボタンとキャンセルボタンとでユーザに選択させてもよい。具体的には、判定モードと非判定モードをユーザに選択させる際、CPU10は、操作ガイドとしてのメッセージがディスプレイ14に表示させる。このメッセージが表示されている状態では、判定モードまたは非判定モードが、カーソルの位置によって選択されるようになる。このカーソルの位置は十字キーで移動される。次に、CPU10は、決定ボタンが押下されたのを検知する。次に、CPU10は、決定ボタンが押下された際に、カーソルが位置したモードに従って全体処理を行う。カーソルが位置したモードが、判定モードの場合は、スキャナ20で読み取られた画像に対応する画像データがサーバ2に送信される。送信された画像データは、サーバ2におけるマッチ率判定処理により、特典画像データか否かが判定される。カーソルが位置したモードが、非判定モードの場合は、スキャナ20で読み取られた画像に対応する画像データはサーバ2に送信されない。
【0137】
[変形例3]
第1の実施形態〜第3の実施形態では、SS4のマッチ率判定処理はサーバ2で処理されていたが、複合機1Aで処理されてもよい。
【0138】
[変形例4]
第1の実施形態〜第3の実施形態では、SS12の特典ポイント算出処理はサーバ2で処理されていたが、複合機1Aで処理されてもよい。
【0139】
[変形例5]
第1の実施形態〜第3の実施形態では、累積特典ポイントで消耗品を購入するとしたが、累積特典ポイントに応じて消耗品の価格を割り引いてもよい。累積特典ポイントは、商品、金券に交換されてもよいし、他の特典ポイントに交換されてもよい。
【0140】
[変形例6]
第1の実施形態〜第3の実施形態では、特典画像データであると判定された入力画像データに対応する画像が、カラーインクジェットプリンタ30により印刷された回数に応じて特典ポイントが算出された。そして、累積した特典ポイントに従い、消耗品が購入されるとしたが、これに代えて以下のような方法を採用してもよい。特典画像データであると判定された入力画像データに対応する画像が、カラーインクジェットプリンタ30により印刷された回数に応じて消耗品の割引額を算出してもよい。この場合、消耗品の割引額が本発明の特典ポイントの一例である。HDD61が本発明の特典ポイント記憶手段の一例である。カラーインクジェットプリンタ30により印刷された回数に応じて消耗品の割引額を算出する、CPU60の処理が、本発明の特典ポイント決定手段の一例である。
【0141】
[変形例7]
第1の実施形態〜第3の実施形態では、カラーインクジェットプリンタ30が複合機1Aに含まれたが、これに限られない。カラーレーザプリンタ、モノクロインクジェットプ
リンタ、モノクロレーザプリンタの何れか1つが含まれればよい。
【0142】
[変形例8]
第1の実施形態〜第3の実施形態では、CPU60は、入力画像データの画像の各特徴点と、特典画像データの画像の各特徴点と、の距離の差の合計が最も小さくなるように対応付けられる。入力画像データの画像の各特徴点と、特典画像データの画像の各特徴点との対応点検索手法はこれに限らず、テンプレートマッチングなどの一般的な対応点検索手法が採用されてもよい。
【0143】
[変形例9]
第1の実施形態〜第3の実施形態では、複合機1Aは、LANケーブルを介してネットワークNWと接続されたが、無線LANによってネットワークNWに接続されてもよい。
【0144】
[変形例10]
第1〜第3の実施形態において、CPU10の処理であるSF6が本発明の判定結果受信手段の一例であったが、複合機1Aに接続されたパーソナルコンピュータを介して、判定結果が受信されてもよい。
【0145】
[変形例11]
第1〜第3の実施形態において、CPU10の処理であるSF10が本発明の印刷回数送信手段の一例であったが、複合機1Aに接続されたパーソナルコンピュータを介して、判定結果が送信されてもよい。
【0146】
[変形例12]
第1〜第3の実施形態において、SS4では、SS3で受信した入力画像データが複合機1Aに過去に配信された特典画像データであるか否かを、CPU60がマッチ率を基に判定する。これに限らず、SS3で受信した入力画像データが広告データテーブル記憶領域612に記憶されている広告データ40であるか否かを、CPU60がマッチ率を基に判定してもよい。
【0147】
特許文献1に記載された従来の消耗品割引システムでは、配信された広告がカラーインクジェットプリンタで再度印刷されても、特典ポイントとならない。これに限られず、配信された広告でなくても、複合機に配信された広告でない広告がスキャナで読み取られた場合も特典ポイントとならない。複合機に配信された広告でない広告とは、例えば、他の複合機に配信された広告である。従って、例えば、ユーザが、知人に配布するために一度印刷された広告を再度印刷する機会が減少することが考えられる。この機会が減少すると、広告主は広告配信による宣伝効果を失うといった課題があった。
【0148】
第1〜第3の実施形態において、入力画像データが特典画像データと判定された画像がカラーインクジェットプリンタ30で印刷されると、特典ポイントが累積特典ポイントに加算される。従って、スキャナ20により読み取られた画像が特典ポイントの加算対象となるので、スキャナ20により読み取られた画像が特典ポイントの加算対象とならない場合よりも、ユーザは、特典ポイントに従う特典をより享受できる。スキャナ20により読み取られた画像が特典ポイントの加算対象となる本実施形態では、スキャナ20により読み取られた画像が特典ポイントの加算対象とならない場合よりも、広告が印刷される機会が増えるので、広告の大きな宣伝効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0149】
1 複合機
2 サーバ
10 CPU
11 HDD
111 プログラム記憶領域
12 RAM
13 入力部
131 広告スキャンボタン
132 通常スキャンボタン
133 数字ボタン
134 印刷ボタン
135 キャンセルボタン
136 スキャンボタン
14 ディスプレイ
20 スキャナ
30 カラーインクジェットプリンタ
40 広告データ
41 ユーザデータ
42 広告主データ
43 マッチングデータ
44 印刷データ
60 CPU
61 HDD
611 プログラム記憶領域
612 広告データテーブル記憶領域
613 ユーザデータテーブル記憶領域
614 広告主データテーブル記憶領域
615 マッチングデータテーブル記憶領域
616 印刷データテーブル記憶領域
NW ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告に形成された画像を読み取る読取手段と、
前記画像を被記録媒体に印刷する印刷手段と、
前記読取手段により読み取られた画像が特典付与対象となる広告に形成された特典画像か否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記特典画像であると判定された画像が前記印刷手段によって、被記録媒体に印刷された印刷回数をカウントする印刷回数カウント手段と、
前記印刷回数カウント手段によりカウントされた印刷回数に基づき、ユーザに付与される特典ポイントを決定する特典ポイント決定手段と、
前記特典ポイント決定手段により決定された特典ポイントをユーザに対応して記憶する特典ポイント記憶手段と、
を備えることを特徴とする広告印刷システム。
【請求項2】
前記読取手段と、前記印刷手段と、を含む複合機と、前記複合機とネットワークを介して接続されたサーバとを備え、
前記複合機は、前記読取手段により読み取られた画像に対応する画像データを前記サーバに送信する画像送信手段を含み、
前記サーバは、前記画像送信手段により送信された画像データを受信する画像受信手段と、前記判定手段とを含み、
前記判定手段は、前記画像受信手段により受信された画像データに対応する画像が前記特典画像か否かを判定すること
を特徴とする請求項1に記載の広告印刷システム。
【請求項3】
前記サーバは、前記特典ポイント決定手段と、前記特典ポイント記憶手段とを含むことを特徴とする請求項2に記載の広告印刷システム。
【請求項4】
前記複合機は、
前記読取手段により読み取られた画像を判定する判定モードと、前記読取手段により読み取られた画像を判定しない非判定モードと、を選択するために、ユーザにより操作可能なモード選択手段を含み、
前記画像送信手段は、前記モード選択手段により判定モードで読み取られた画像に対応する画像データを前記サーバに送信すること
を特徴とする請求項2または3に記載の広告印刷システム。
【請求項5】
前記サーバは、前記判定手段による判定結果を送信する判定結果送信手段を含み、
前記複合機は、
前記判定結果送信手段により送信された判定結果を受信する判定結果受信手段と、
前記判定結果受信手段により受信された判定結果が前記特典画像ではないと判定された内容である場合に、判定結果が前記特典画像ではないことを表すメッセージを表示する表示部と、
前記表示部にメッセージが表示された後に、前記読取手段により読み取られた画像を前記印刷手段により印刷するか否かを選択するためにユーザにより操作可能な印刷選択手段と、
を備え、
前記印刷手段は、印刷を選択するための前記印刷選択手段の操作に従って前記画像を印刷すること
を特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の広告印刷システム。
【請求項6】
前記印刷手段と前記画像送信手段とは、前記読取手段により読み取りが開始されてから
前記印刷手段による印刷処理と前記画像送信手段による送信処理とを開始すること
を特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の広告印刷システム。
【請求項7】
前記サーバは、
前記特典画像が形成された広告を複合機に送信する広告送信手段を含み、
前記特典ポイント決定手段は、前記広告送信手段により送信された広告に基づき、ユーザに付与される特典ポイントを決定すること
を特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の広告印刷システム。
【請求項8】
広告に形成された画像を読み取る読取手段と、前記画像を被記録媒体に印刷する印刷手段と、を含む複合機と、前記複合機とネットワークを介して接続されたサーバとを備える広告印刷システムに含まれる前記複合機であって、
前記読取手段により読み取られた画像に対応する画像データを前記サーバに送信する画像送信手段と、
前記画像送信手段により送信された画像データに対応する画像が特典付与対象となる広告に形成された特典画像か否かを表す判定結果を前記サーバから受信する判定結果受信手段と、
前記判定結果受信手段により受信された判定結果が前記特典画像と判定された内容である場合に、前記画像送信手段により送信された画像データに対応する画像が前記印刷手段によって、被記録媒体に印刷された印刷回数をカウントする印刷回数カウント手段と、
ユーザに付与される特典ポイントを決定するために、前記印刷回数カウント手段によりカウントされた前記印刷回数を前記サーバに送信する印刷回数送信手段と、
を備えること
を特徴とする複合機。
【請求項9】
広告に形成された画像を読み取る読取手段と、前記画像を被記録媒体に印刷する印刷手段と、を含む複合機と、前記複合機とネットワークを介して接続されたサーバとを備える広告印刷システムに含まれる前記複合機のコンピュータに、
前記読取手段により読み取られた画像に対応する画像データを前記サーバに送信する画像送信ステップと、
前記画像送信ステップにより送信された画像データに対応する画像が特典付与対象となる広告に形成された特典画像か否かを表す判定結果を前記サーバから受信する判定結果受信ステップと、
前記判定結果受信ステップにより受信された判定結果が前記特典画像と判定された内容である場合に、前記画像送信ステップにより送信された画像データに対応する画像が前記印刷手段によって、被記録媒体に印刷された印刷回数をカウントする印刷回数カウントステップと、
ユーザに付与される特典ポイントを決定するために、前記印刷回数カウントステップによりカウントされた前記印刷回数を前記サーバに送信する印刷回数送信ステップと、
を行わせること
を特徴とする複合機のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−253248(P2011−253248A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125119(P2010−125119)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】