広域通信網電話システムへの局所領域電話システムの拡張
【課題】無線PBX音声サービスを構内情報通信網(WLAN)に対して提供するソフトスイッチを使用して、PBX機能をセルラー分野に拡大する。
【解決手段】二重モード遠隔ユニットは、セルラーシステムおよびWLANの両方において信号を受信することが可能である。セルラーシステムは、データ搬送パスと、音声搬送パスとからなる。二重モード遠隔ユニットは、WLAN内にある場合には、WLAN上でのIP上での音声通信(VoIP)信号伝達およびセッション開始プロトコル(SIP)制御信号伝達の両方を行う。WLAN外にある場合には、遠隔ユニットは、標準的なセルラー音声チャンネルを使用して、セルラーネットワークの音声搬送パス上で音声信号伝達を行う。並行して、遠隔ユニットは、セルラーネットワークのデータ搬送パスを使用して、SIP制御信号伝達を行う。
【解決手段】二重モード遠隔ユニットは、セルラーシステムおよびWLANの両方において信号を受信することが可能である。セルラーシステムは、データ搬送パスと、音声搬送パスとからなる。二重モード遠隔ユニットは、WLAN内にある場合には、WLAN上でのIP上での音声通信(VoIP)信号伝達およびセッション開始プロトコル(SIP)制御信号伝達の両方を行う。WLAN外にある場合には、遠隔ユニットは、標準的なセルラー音声チャンネルを使用して、セルラーネットワークの音声搬送パス上で音声信号伝達を行う。並行して、遠隔ユニットは、セルラーネットワークのデータ搬送パスを使用して、SIP制御信号伝達を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
関連出願
本出願は、2003年3月12日に出願された米国特許仮出願第60/454877号の利益を主張する。
【0002】
関連出願の説明
本発明の局面は、通信ネットワークに関し、移動可能な無線音声およびデータ通信ネットワークに関する。
【背景技術】
【0003】
関連出願の説明
平均的なビジネスの専門家は、卓上電話で使用可能な広範にわたる機能に慣れ親しんでいる。しかしながら、仕事場から離れているときには、たとえ携帯電話を所持しているとしても、これらの機能を使用することができない。単純な電話転送を使用して、卓上電話にかかった電話を、代わりに携帯電話で受信するように別ルートで送出することができる。しかしながら、この単純な転送機構は、ユーザに対して、卓上で慣れ親しんだ機能を提供するものではない。
【発明の概要】
【0004】
概要
本発明のシステムおよび方法は、いくつかの特徴を有し、そのいずれもが、単独でその属性の要因となるものではない。後述の請求項に表された本発明の範囲を限定することなく、そのより顕著な特徴をこれから簡単に説明する。この開設を検討した後、特に「詳細な説明」という表題の節を読んだ後には、本システムおよび方法の特徴が従来の通信システムに対していくつかの利点をいかに提供かを読者は理解するであろう。
【0005】
局面の1つは、音声搬送パスおよびデータ搬送パスを有するセルラーネットワークを含む通信システムと協同してソフトスイッチである。ソフトスイッチは、セルラーネットワークの音声搬送パスに結合されるように構成された第1のゲートウェイと、第1のゲートウェイと協同し、構内交換機(PBX)サービスを無線構内情報通信網に対して提供するように構成され、かつ第1のゲートウェイを使用してセルラーネットワークの音声搬送パス上で音声呼び出しを切り換えるように構成されたゲートウェイコントローラモジュールとを備える。ゲートウェイコントローラモジュールは、無線構内情報通信網と、セルラーネットワークのデータ搬送パスとに結合されるように構成されて、音声呼び出しに関するメッセージ伝達を作成してセルラーネットワークのデータ搬送パス上で送信する呼び出し制御機能モジュールを含む。
【0006】
他の局面は、呼び出し接続に関する装置であって、呼び出し確立試行を示す第1のSIP開始要求メッセージを遠隔ユニットに対してセルラーネットワークのデータ搬送パス上で送出するための手段と、対応する開始メッセージを遠隔ユニットに対してセルラーネットワークの音声搬送パス上で送出するための手段とを備える装置である。
【0007】
他の局面は、遠隔ユニットと通信するためのデータ搬送パスおよび音声搬送パスの両方を有するセルラーネットワークを含む通信システムにおいて使用される呼び出し接続の方法である。本方法は、呼び出し試行を示す第1のSIP開始要求メッセージを遠隔ユニットに対してセルラーネットワークのデータ搬送パス上で送出することと、対応する開始メッセージを遠隔ユニットに対してセルラーネットワークの音声搬送パス上で送出することとを含む。
【0008】
さらに他の局面は、電話スイッチであって、セッション開始プロトコル(SIP)開始要求メッセージをセルラーネットワークのデータ搬送パス上で受信するための手段と、代理被呼者を特定する公衆交換電話網(PSTN)呼び出し開始をセルラーネットワークの音声搬送パス上で発呼者から受信するための手段と、発呼者に対応するコールレッグを被呼者に対応するコールレッグに切り換えて、それらの間の音声呼び出しを確立するための手段とを備える電話スイッチである。
【0009】
さらに他の局面は、電話呼び出しを切り換える方法であって、セルラーネットワークのデータ搬送パス上で発呼者によって当初送信された、被呼者と発呼者とを特定するSIP開始要求メッセージを受信することと、代理被呼者を特定するPSTN呼び出し開始を発呼者からセルラーネットワークの音声搬送パス上で受信することと、発呼者に対応するコールレッグを被呼者に対応するコールレッグに切り換えて、それらの間の音声呼び出しを確立することとを含む方法である。
【0010】
さらなる局面は、電話接続を確立する方法であって、代理被呼番号を特定するPTSN呼び出し開始メッセージをセルラー加入者装置から送出することと、実際の被呼番号を特定する開始要求メッセージをセルラー加入者装置からセルラーネットワークのデータ搬送パス上で送出することとを含む。
【0011】
他の局面は、電話接続を確立するための装置であって、代理被呼番号を特定するPTSN呼び出し開始メッセージを送出するための手段と、実際の被呼番号を特定する開始要求メッセージをセルラーネットワークのデータ搬送パス上で送出するための手段とを備える。
【0012】
さらに他の局面は、電話接続を確立するための装置であって、識別子によって遠隔ユニットを特定する呼び出し開始メッセージを受信するための手段と、識別子とは異なるセルラー電話番号によって特定された遠隔ユニットに対してPSTN呼び出し開始メッセージを送出するための手段と、SIP開始要求メッセージをセルラーネットワークのデータ搬送パス上で遠隔ユニットに対して送出するための手段とを備える。
【0013】
さらに他の局面は、電話接続を確立するための方法であって、識別子によって遠隔ユニットを特定する呼び出し開始メッセージを受信することと、識別子とは異なるセルラー電話番号によって特定された遠隔ユニットに対して呼び出し開始メッセージを送出することと、SIP開始要求メッセージをセルラーネットワークのデータ搬送パス上で遠隔ユニットに対して送出することを含む。
【0014】
さらに他の局面は、電話をかける方法であって、ソフトスイッチに関連する電話番号を被呼者として特定する呼び出し開始メッセージをセルラーネットワークの音声搬送パス上で送出することと、実際の被呼者を特定するSIP開始要求メッセージをセルラーのデータ搬送パス上でソフトスイッチに対して送出することとを含む。
【0015】
他の局面は、電話をかけるための装置であって、ソフトスイッチに関連する電話番号を被呼者として特定する呼び出し開始メッセージをセルラーネットワークの音声搬送パス上で送出するための手段と、実際の被呼者を特定するSIP開始要求メッセージをセルラーのデータ搬送パス上でソフトスイッチに対して送出するための手段とを含む。
【0016】
SIP信号伝達をセルラーのデータ搬送パス上で行うように構成され、かつセルラーシステムに関連した媒体ゲートウェイに対してIP形式のPSTN信号伝達を行うように構成されたソフトスイッチを備える、通信システムである。
【0017】
他の局面は、通信システムであって、SIP信号伝達をセルラーのデータ搬送パス上で行い、かつIP形式のPSTN信号伝達をIPネットワークおよびIPネットワークに結合された媒体ゲートウェイ上で行い、かつIP形式のPSTN信号伝達を受信して、IP形式のPSTN信号伝達を標準的なPSTN信号伝達に変換するように構成された電話スイッチを備える。
【0018】
さらに他の局面は、遠隔ユニットまたは電話スイッチなどの装置であって、被呼者と発呼者とを特定するSIP開始要求メッセージをセルラーネットワークのデータ搬送パス上で受信するための手段と、呼び出し開始メッセージをセルラーネットワークの音声搬送パス上で受信するための手段と、SIP開始要求メッセージを呼び出し開始メッセージに相関させるための手段とを備える。
【0019】
他の局面は、遠隔ユニットまたは電話スイッチなどの装置であって、被呼者と発呼者とを特定するSIP開始要求メッセージをセルラーネットワークのデータ搬送パス上で受信するための手段と、それに応答して、呼び出し開始メッセージをセルラーネットワークの音声搬送パス上で受信するための手段とを備える。
【0020】
さらなる局面は、呼び出し処理の方法であって、被呼者と発呼者とを特定するSIP開始要求メッセージをセルラーネットワークのデータ搬送パス上で受信することと、呼び出し開始メッセージをセルラーネットワークの音声搬送パス上で受信することと、SIP開始要求メッセージを呼び出し開始メッセージに相関させることとを含む。
【0021】
他の局面は、呼び出し処理の方法であって、被呼者と発呼者とを特定するSIP開始要求メッセージをセルラーネットワークのデータ搬送パス上で受信することと、第1の応答呼び出し開始メッセージをセルラーネットワークの音声搬送パス上で発呼者に送信することと、第2の応答呼び出し開始メッセージを発呼者へ送出することとを含む。
【0022】
さらに他の局面は、呼び出し処理の方法であって、発呼者を特定するSIP開始要求メッセージをセルラーネットワークのデータ搬送パス上で受信することと、応答呼び出し開始メッセージをセルラーネットワークの音声搬送パス上で自動的に送出することと、ユーザに対して通知を与えるようにユーザインターフェイスに対して命令することと、ユーザの受け入れの明示を待つこととを備える。
【0023】
他の局面は、電話呼び出しを切り換える方法であって、被呼者と発呼者とを特定するSIP開始要求メッセージをセルラーネットワークのデータ搬送パス上で受信することと、被呼者に対して音声呼び出しの第1のレッグを開始することと、発呼者に対して音声呼び出しの第2のレッグを開始することと、第1のレッグを第2のレッグに切り換えて、その間の音声呼び出しを確立することとを含む。
【0024】
局面の1つは、電話呼び出しを切り換える装置であって、被呼者と発呼者とを特定するSIP開始要求メッセージをセルラーネットワークのデータ搬送パス上で受信するための手段と、被呼者に対して音声呼び出しの第1のレッグを開始するための手段と、発呼者に対して音声呼び出しの第2のレッグを開始するための手段と、第1のレッグを第2のレッグに切り換えて、その間の音声呼び出しを確立するための手段とを備える。
【0025】
さらに他の局面は、遠隔ユニットであって、情報をセルラーネットワークのデータ搬送パスおよび音声搬送パス上で受信するように構成されたセルラーフロントエンドと、携帯電話フロントエンドに結合され、データ搬送パス上で受信されたSIPメッセージ伝達を処理するように構成されたSIPプロセッサモジュールと、データ搬送パス上で受信されたSIPメッセージ伝達を音声搬送パス上で受信された音声呼び出しに相関させるためのコントローラとを備える。
【0026】
さらに他の局面は、登録の方法であって、無線構内情報通信網の受信可能領域からの離脱を検出することと、離脱に応答して、登録メッセージをセルラーネットワークのデータ搬送パス上で送出することとを含む。
【0027】
さらに他の局面は、ソフトスイッチであって、インターネットプロトコルポートと、PSTNポートと、インターネットポートとPSTNポートとに結合され、IP上での音声通信と、従来の音声形式の信号伝達との間で変換するように構成された中継ゲートウェイと、インターネットポートとPSTNポートとに結合され、IP形式のPSTN制御信号伝達と、従来のPSTN制御信号伝達との間で変換するように構成された信号伝達ゲートウェイとを備える。
【0028】
さらなる局面は、セルラー加入者装置からの呼び出し開始の方法であって、電話をかけようというユーザの意思の明示を受信することと、所定の代理番号に対してセルラー呼び出しを開始することと、その結果、ユーザから電話番号の明示を受信することとを含む。
【0029】
いっそうさらなる局面は、セルラー加入者装置からの呼び出し開始の方法であって、電話をかけようというユーザの意思の明示を受信することと、セルラー加入者装置に対して呼び出しが開始することを信号で知らせるIPメッセージを、受信スイッチに対してセルラーネットワークのデータ搬送パス上で送出することと、その結果、電話番号の明示を受信することとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0030】
これらの図面を通して、同様の参照番号は、同様の構成要素を指定するために使用される。
【図1】図1は、無線の音声をIPに載せる機能を実装するネットワークの実施形態を示すネットワーク図である。
【図2】図2は、ネットワークの実施形態をセルラーシステムにおけるSIP機能と共に示すネットワーク図である。
【図3】図3は、無線構内情報通信網を前提としてソフトスイッチが設置されているネットワークの実施形態を示すネットワーク図である。
【図4】図4は、ソフトスイッチがセルラーネットワーク設備に関連付けられているネットワーク図である。
【図5】図5は、ソフトスイッチの実施形態のブロック図である。
【図6】図6は、ソフトスイッチと、移動体切り換えセンターとの間に媒体ゲートウェイを実装するネットワークの実施形態を示すネットワーク図である。
【図7】図7は、二重モード加入者装置の実施形態の図である。
【図8】図8は、二重モード加入者装置の実施形態のブロック図である。
【図9】図9は、二重モード加入者装置がその位置を登録する処理の実施形態のフローチャートである。
【図10】図10は、IP装置が二重モード加入者装置に対して呼び出しを開始する呼び出しフローの実施形態例を示す呼び出しフロー図である。
【図11】図11は、PSTN装置が二重モード加入者装置に対して呼び出しを開始する呼び出しフローの実施形態例を示す呼び出しフロー図である。
【図12】図12は、遠隔ユニットによって開始された呼び出しについてのソフトスイッチの実施形態の動作のフローチャートである。
【図13A】図13Aおよび13Bは、呼び出しが進行中の場合に呼び出しを制御するためにSIP信号伝達を使用する実施形態例を示す呼び出しフロー図である。
【図13B】図13Aおよび13Bは、呼び出しが進行中の場合に呼び出しを制御するためにSIP信号伝達を使用する実施形態例を示す呼び出しフロー図である。
【図14】図14は、媒体ゲートウェイを使用するシステムにおいてIP装置が呼び出しを開始する場合の呼び出しフロー実施形態例を示す呼び出しフロー図である。
【図15】図15は、媒体ゲートウェイを使用するシステムにおいてPSTN装置が呼び出しを開始する場合の呼び出しフロー実施形態例を示す呼び出しフロー図である。
【図16】図16は、応答ソフトスイッチ開始手法を使用するシステムの実施形態における加入者装置動作のフローチャートである。
【図17】図17は、媒体ゲートウェイ実施形態のブロック図である。
【図18】図18は、補助ソフトスイッチを実装するネットワークの実施形態を示すネットワーク図である。
【図19】図19は、二重モード加入者装置の実施形態のアイドルハンドオフについての状態図である。
【図20】図20は、WLANからセルラーネットワークへのハンドオフの実施形態を示す呼び出しフロー図である。
【図21】図21は、セルラーネットワークからWLANへのハンドオフの実施形態を示す呼び出しフロー図である。
【図22】図22は、セルラーネットワークと、WLANとの間のハンドオフ処理の実施形態を示すフローチャートである。
【図23】図23は、セルラーネットワークと、WLANとの間のハンドオフ処理の代替実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
詳細な説明
典型的な職場環境においては、各ユーザには、高性能の卓上電話が提供されている。これらの電話は、ユーザに対して無数の機能を提供するものであり、例えば、内線番号についての短縮ダイヤルの使用機能、通話を他の内線番号、外線番号、またはボイスメールに転送すること、邪魔をしないでくださいという機能を呼び出すこと、未応答の通話のロールオーバをプログラムすること、ボタン一発でボイスメールを取り出すこと、電話会議を確立することなどがある。これらの機能は、卓上電話からは簡単にアクセスされるが、ユーザが旅行中、ランチで外出、または事務所のドアからほんの数ブロック離れたところにいるというように、卓上電話から離れたところにいる場合には、使用できない。
【0032】
いくつかの無線システムは、音声をIPに載せる技術(VoIP)などの構内インターネットプロトコル(IP)サービスを有するように開発されてきた。たとえば、IEEEによって広められている規格802.11bは、室内無線IP対応の受信可能範囲を提供するネットワークの多くの局面を規定する一般的な企画である。単一の802.11bのアクセスポイントは、直径約100メートルの受信可能領域を提供する。これらのアクセスポイントを格子状に互いにネットワーク接続することにより、シームレスな受信可能範囲を局地的な地域上に提供して、無線構内情報通信網(WLAN)を作成することができる。
【0033】
米国ニューヨーク州ホルツビルのシンボルテクノロジーズ社、米国コロラド州ボールダーのスペクトラリンク社、およびその他数社は、無線音声トラフィックをそのようなシステム上で搬送するために使用することができる無線送受話器を開発している。例えば、シンボルテクノロジーズ社は、ネットビジョンホンを開発している。ネットビジョンホンは、ITU規格H.323を使用して802.11bのLAN設備上でVoIP通信を提供する。ネットビジョンホンは、アナログ音声を、TCP/IPプロトコルを介して標準データネットワーク上を送られる圧縮されたデジタルパケットに変換する。
【0034】
図1は、ネットワークに実装される無線のIP上での音声通信機能を示す。VoIP無線電話100は、符号化されたIPパケットをアクセスポイント102A〜102Nのうちの1つに通信する。アクセスポイント102A〜102Nは、WLAN102の物理的な直接受信可能区域を提供し、IPパケットを構内交換機(PBX)電話スイッチ104に対しておよびそこから渡す。PBXスイッチ104がIP対応装置である場合には、IPパケットを直接受け入れる。PBXスイッチ104が従来の機械である場合には、VoIPゲートウェイ(図示せず)を使用して、アクセスポイント102A〜102NをPBXスイッチ104に対してインターフェイス接続することができる。PBXスイッチ104は、呼び出し制御およびルーティング機能を提供する。PBXスイッチは、公衆交換電話網(PSTN)106に対してまたはIPバックボーン108上で呼び出しをルーティングすることができる。典型的には、そのようなシステムは、卓上電話112などの有線の卓上電話に対してサービスを提供する有線構内情報通信網110をも含む。有線構内情報通信網110は、IP対応あってもよく、従来のシステムであってもよく、または、それらの組み合わせであってもよい。
【0035】
PBXスイッチ104がIP対応電話システムの一部である場合には、PBXスイッチ104は、セッション開始プロトコル(SIP)などの制御信号を使用して、呼び出し制御処理を提供してもよい。SIPは、呼び出し確立、呼び出し自動転送、発呼および被呼番号配信(発呼者IDを提供するためによく使用される)、遠隔ユニット機能交渉、発呼者および被呼者認証、発呼および被呼装置認証、呼び出し転送、会議電話、および他の呼び出し機能を提供するために必要なプロトコル機能を規定する。しかしながら、シスコ社が開発して具体化したH.323IP電話モデルである、スキニーステーションプロトコルのような他の信号伝達機構を使用することもできる。そのようなシステムを使用して、無線電話100は、ユーザがWLAN102の受信可能全領域を動き回る際に卓上電話112で使用可能なのと同一の機能のうちのいくつかを提供することができる。しかしながら、いったんユーザがWLAN102の受信可能領域を出てしまうと、ユーザの無線電話100は、もはや呼び出しを受信することはできなくなる。ユーザがセルラーを持っている場合には、PBXスイッチ104に対して、着信呼をセルラーに自動転送するようにプログラムすることができる。しかしながら、単純な転送では、ユーザが慣れ親しんできた卓上の機能は提供されない。加えて、ユーザは、2つの異なる装置を携帯する必要がある。
【0036】
図2は、PSTN106と、IPバックボーン108とを含む、関連付けられ、かつ相互接続されたネットワークの集合体を示すネットワーク図である。構内ネットワーク139は、アクセスポイント132A〜132Nを有するWLAN132を含んでもよい。WLAN132は、IP対応システムであってもよい。以下の例では、WLAN132は、802.11b準拠のシステムである。しかしながら、他の実施形態においては、他のIP対応無線システムを使用してもよい。例えば、他の適切な無線構内ネットワーク規格には、802.11g、802.11a1、家庭用無線通信(HomeRF)、ブルートゥース、およびハイパーLANが含まれる。加えて、将来市場に出回るであろう新たなIP対応システムを使用することもできる。
【0037】
ルータ148は、WLAN132と、IPバックボーン108と、無線ではない構内情報通信網(LAN)138とに結合されている。例えば、LAN138は、そのネットワーク上に卓上電話136などの卓上電話を含んでもよく、従来の有線のIP対応PBXネットワークであってもよい。
【0038】
IP対応のPBXソフトスイッチ134は、IPバックボーン108からルータ148を介して、構内ネットワーク139に結合される。ソフトスイッチは、PSTN106にも結合される。ソフトスイッチ134は、VoIPサービスをWLAN132と、例えばIP卓上電話136を含む有線構内情報通信網138とに対して提供できる。ソフトスイッチ134は、PBXサービスを卓上電話136のようなユーザ装置に対して提供できる。
【0039】
1つまたはそれ以上の広域通信網を、図2のセルラーネットワーク141によって代表的に表す。広域通信網は、セルラーネットワークとも称され、より特定的には、汎用パケット無線サービス(GPRS)を取り入れた移動通信のためのグローバルシステム(GSM)のシステムであってもよい。しかしながら、他の広域ネットワークを使用してもよい。例えば、IPデータ通信機能(例えば、CDMA 1XRTTなどの)IPデータ通信機能を有するCDMAセルラーネットワーク、日本のNTTドコモ社のIモードIP対応サービスおよび同社の簡易型セルラーシステム上での音声サービス、モトローラ社のIDENシステム上でのネクステル社の音声およびデータサービスを使用することができる。加えて、他の既存のまたは今後開発される、制御信号および音声情報をエンドユーザ装置に送信するための広域無線通信網を使用することもできる。
【0040】
セルラーネットワーク141は、セルラーネットワーク141を制御する1つまたはそれ以上の従来の移動体切り換えセンター(MSC)140を含み、PSTN108に対する接続を提供する。1つまたはそれ以上の基地局を、無線セルラー通信信号をユーザ装置へ送受信する基地局144によって代表的に表す。基地局は、レッグ152CによってMSC140に対してリンクされている。IPバックボーン108は、ゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)と、さらにはサービングGPRSサポートノード(SGSN)とによって、セルラーネットワーク141に結合されており、これらのノードは、組み合わされたSGSN/GGSN142として図2には示されている。図2に示すシステムの特徴の1つとして、一実施形態において、本システムは、セルラーのインフラストラクチャに対してなんら変化を要求せずに動作可能である。よって、MSC140およびSGSN/GGSN142は、技術上周知の標準的なやり方で動作する。このように、他の特徴に加えて、SGSN/GGSN142は、セルラーの基地局144の群と、IPバックボーン108との間のゲートウェイとしての役割を果たす。
【0041】
遠隔ユニットを、二重モード加入者装置130として図2に示す。加入者装置130は、WLAN132および広域セルラーネットワーク141上で通信することができる。二重モード加入者装置130がWLAN132の受信可能領域内にある場合には、二重モード加入者装置130は、WLAN132に対してまたはそこからVoIPパケットを通信する。二重モード加入者装置130については、図7および8に関連して以下に詳細に説明する。
【0042】
一実施形態において、各二重モード加入者装置130は、特定の卓上電話136に関連付けられる。各二重モード加入者装置130は、特定のユーザに関連付けることもできる。一実施形態において、ユーザは、二重モード加入者装置130の動作に関連付けられた設定を、二重モード加入者装置130、卓上電話136、またはコンピュータを通じて入力する。一実施形態において、卓上電話136は、ウェブブラウザを通じて制御されるSIP電話である。コンピュータに基づく制御を使用して、ユーザは、連絡リストの一連の記載をいくつかのカテゴリのうちの1つに当てはまるとして指定する。加えて、ユーザは、例えば、発呼者、呼び出し時間および/または日付、ユーザが現在使用しているのが現在卓上電話かまたは加入者装置か、およびユーザがいるのはWLAN内かまたはセルラーネットワークかに基づいて、呼び出しの処理または対処のための規則を入力および/または選択することができる。ソフトスイッチ134は、連絡リストにアクセスして、呼び出し処理についてのカテゴリおよび規則を使用することができる。例えば、ソフトスイッチ134は、連絡リストおよびカテゴリを使用して、時間、発呼者が誰であるか、二重モード遠隔ユニットの位置、ユーザの位置などに基づいて、呼び出しを二重モード加入者装置130へルーティングすることができる。卓上電話136は、二重モード加入者装置130のためのドッキング局、バッテリ充電差込口などを含んでもよい。加えて、卓上電話136は、WLAN132の一部分となるように、アクセスポイント機能を実装してもよい。動作の一モードにおいて、ソフトスイッチ134は、二重モード加入者装置130を鳴らすかどうかに関わらず、すべての着信呼について卓上電話136を鳴らす。
【0043】
二重モード加入者装置130がWLAN132の受信可能領域内にある場合、着信呼は、WLAN132上で、二重モード加入者装置130へまたはそこからルーティングされうる。例えば、ソフトスイッチ134は、VoIP電話156からの着信VoIP呼び出しを二重モード加入者装置130に切り換えることができる。加えて、ソフトスイッチ134は、PSTN106にも結合されて、VoIPゲートウェイとしての役割を果たして、従来の電話158などからの(典型的にはパルス符号変調(PCM)された)従来のPSTN音声形式の呼び出しを、IP対応二重モード加入者装置130に切り換える。
【0044】
二重モード加入者装置130がWLAN132の受信可能領域を離れる場合には、二重モード加入者装置130は、GPRSが使用可能なGSMしすてむのようなこういきセルラーネットワークを使用してソフトスイッチ134の管理の下、通信を開始する。セルラーネットワークを通じてのソフトスイッチ134と二重モード加入者装置130との接続は、2つの種類の双方向パスによって形成可能である。パス150A〜150Dは、標準的なセルラーデータパスである。パス152A〜152Dは、標準的なセルラー音声パスである。これらのパス150および152は、共に、一連のレッグによって構成される。
【0045】
直感的に、音声搬送IPパケット(VoIP搬送機構)は、標準的なセルラーデータ搬送パス(パス150など)上を送信可能であると考えるであろう。しかしながら、標準的なセルラーデータパスは、音声搬送IPパケットを伝達するのに必要なサービス品質を提供するものではなく、他方で、従来のセルラー音声パス(パス152など)は、音声の効率的な送信のために最適化されてきたことは明白である。例えば、データ搬送パスの容量、遅延、およびジッタ特性は、エンドユーザが期待する品質での音声搬送IPパケットの送信に向いていない。加えて、セルラーネットワークのデータ搬送パス上のVoIPデータの送信は、高度に最適化された音声搬送パスにおけるのと同程度には効率的ではなく、よって、貴重な無線リンク資源を効率的に使用するものではない。
【0046】
ソフトスイッチ134は、レッグ150AによってIPバックボーン108に結合される。そして次に、IPバックボーン108は、レッグ150BによってゲートウェイGPRSサポートノードに、さらにはサービングGPRSサポートノード(SGSN/GGSN)142に結合される。図2に示すシステムの特徴の一つは、一実施形態において、本システムが、セルラーのインフラストラクチャに対してなんら変化を要求せずに動作可能なことである。よって、SGSN/GGSN142は、技術上周知の標準的なやり方で動作する。このように、他の特徴に加えて、SGSN/GGSN142は、セルラー基地局144の群と、IPバックボーン108との間のゲートウェイとしての役割を果たす。基地局144は、大きなセルラー直接受信可能区域に渡って分散されていてもよい。SGSN/GGSN142は、レッグ150Cによって基地局144に結合される。基地局144は、レッグ150Dによって二重モード加入者装置130を含むセルラー遠隔ユニットに無線結合され、一局面において、IPパケットにおけるデータ情報を通信するために使用される。よって、双方向パス150は、IP要素から遠隔ユニットへの標準的なセルラーデータパスである。双方向パス150は、ソフトスイッチ134を、レッグ150AによってIPバックボーン108に接続し、レッグ150BによってSGSN/GGSN142に接続し、レッグ150Cによって基地局144に接続し、レッグ150Dによって二重モード加入者装置130に接続する。
【0047】
ユーザは、他のセルラーを可能にするデータ装置を所持してもよい。例えば、ユーザは、パームパイロット型装置、ブラックベリー型装置、ポケットPC型装置、またはページャなどを所持してもよい。図2において、データ装置154は、SIPメッセージ伝達を、セルラーシステムのデータ搬送パス上などで送受信もできる。
【0048】
ソフトスイッチ134は、レッグ152AによってPSTN106に結合される。そして次に、PSTN106は、レッグ152Bによって従来の移動体切り換えセンター(MSC)140に結合される。上記のように、図2のシステムの特徴の1つは、一実施形態において、本システムが、従来のMSC140を含むセルラーのインフラストラクチャに対してなんら変化を要求せずに動作可能なことである。よって、SGSN/GGSN142は、技術上周知の標準的なやり方で動作する。このように、他の特徴に加えて、従来のMSC140は、基地局144の群と、PSTN106との間の音声ゲートウェイとしての役割を果たす。従来のMSC140は、レッグ152Cによって基地局144に結合される。基地局144は、無線音声情報を、レッグ152D上で二重モード加入者装置130と通信する(図2においては、レッグ150Dおよびレッグ152Dは、共通の「雷」アイコンで示されているが、パス自体は、符号化、アクセス手法、データ形式などの関連から互いに異なることがある)。
【0049】
図2に示す実施形態において、ソフトスイッチ134は、セントレックスモデルにおいて実施可能であり、それによって、設備のソフトスイッチ機能を実行する重要な部分が、サービスが提供される構内から外れることになる。セントレックスモデルは、IP対応および従来の音声システムにおいて共通して使用されて、顧客に対してPBX機能を提供する。IPセントレックスモデルにおいて、2人のVoIP当事者間の通話について、音声搬送IPパケットは、2人の当事者間の効率的なパス上にルーティングされる。よって、音声搬送トラフィックストリームは、ソフトスイッチ134にルーティングされることはあまりない。音声通話に関するWLAN132および有線構内情報通信網138の信号伝達パケット(SIPパケットなど)は、周知に機構に従い、常駐していないソフトスイッチ134を通じかつ構内ルータ148を介してルーティングできる。実施の仕方によっては、周知の手法に従い、ソフトスイッチ134は分散され、設備は1箇所以上に設置される。
【0050】
他の実施形態においては、ソフトスイッチ機能は、コロケーション施設に設けられ、電話局に設置され、またはセルラーのインフラストラクチャにより密接に統合される。さらに他の実施形態においては、ソフトスイッチ機能は、セルラー事業者に焦点がより当てられたものであってもよく、例えば、事業者が設けたモデルに属していてもよい。
【0051】
図3は、オンサイトモデルにおいて動作するネットワークを示し、オンサイトのソフトスイッチ310が、WLAN132および有線構内情報通信網138の構内に設置される。図3によれば、双方向パス314A〜314Dは、IP要素から遠隔ユニットへの標準的なセルラーデータパスであって、ソフトスイッチ310からIPバックボーン108へはレッグ314Aにより、SGSN/GGSN142へは314Bにより、基地局144へはレッグ314Cにより、314A〜314Dは、二重モード加入者装置130へはレッグ314Dにより結ばれる。双方向パス316A〜316Dは、PSTN要素から遠隔ユニットへの標準的なセルラー音声パスであって、ソフトスイッチ310からPSTN106へはレッグ316Aにより、従来のMSC140へはレッグ316Bにより、基地局144へはレッグ316Cにより、二重モード加入者装置130へはレッグ316Dにより結ばれる。
【0052】
図4は、事業者が設けたモデルにおいて動作するネットワークを示す。図4において、事業者が設けたソフトスイッチ320は、レッグ322AによってSGSN/GGSN142に対して、およびレッグ324Aによって従来のMSC140に対して直接結合される。この場合、双方向パス322は、IP要素から遠隔ユニットへの標準的なセルラーデータパスであって、ソフトスイッチ320からSGSN/GGSN142へはレッグ322Aにより、基地局144へはレッグ322Bにより、二重モード加入者装置130へはレッグ322Cにより結ばれる。双方向パス324は、PSTN要素から遠隔ユニットへの標準的なセルラー音声パスであって、ソフトスイッチ320から従来のMSC140へはレッグ324Aにより、基地局144へはレッグ322Bにより、二重モード加入者装置130へはレッグ324Cにより結ばれる。一実施形態において、ソフトスイッチ320は、IPバックボーン108がSGSN/GGSN142に結合されるのと同様のやり方で、標準的なIP接続ポートによってSGSN/GGSN142に結合される。一実施形態において、ソフトスイッチ320は、標準的なPSTN接続ポートによって従来のMSC140に結合される。
【0053】
以下の情報は特に図2を参照するが、同様の動作は、以下に述べる図3および4、ならびに図6および18にも直接適用することができる。図2を再び参照して、二重モード加入者装置130についての着信呼開始要求がソフトスイッチ134においてPSTN106、IPバックボーン108、または内部ネットワークから受信されると、ソフトスイッチ134は、呼び出しを二重モード加入者装置130に切り換える。二重モード加入者装置130がWLAN132の受信可能領域内にある場合には、ソフトスイッチ134は、呼び出しを二重モード加入者装置130に対してWLAN132上でルーティングする。上記のように、呼び出しは、音声搬送トラフィックストリームと、SIP信号伝達メッセージとからなり、両方共、WLAN132上を周知の手法にしたがってルーティングされる。
【0054】
二重モード加入者装置130が基地局144の受信可能領域内にあり、かつWLAN132の受信可能領域外にある場合には、ソフトスイッチ134は、呼び出しを双方向パス150および152によって二重モード加入者装置130に切り換える。音声搬送トラフィックストリームは、パス152上で切り換えられる。SIP信号伝達メッセージは、パス150上でルーティングされる。パス152上のこのSIP信号伝達は、強化された機能を遠隔ユニットがWLANの受信可能領域外にある場合に可能にする要因の1つである。
【0055】
簡単に述べると、二重モード加入者装置130についての着信呼がソフトスイッチ134に受信されると仮定する。以下により詳細に説明するように、ソフトスイッチ134は、呼び出しをWLAN132、有線構内情報通信網138、セルラーシステム、またはそれらの組み合わせ(呼び出しは、様々なシステムを通じて同時に切り換えられてもよいので)のいずれに切り換えるかを決定する。呼び出しをセルラーシステム内の二重モード加入者装置130に切り換えるべきだと決定した場合には、ソフトスイッチ134は、二重モード加入者装置130に知らせるSIP信号伝達メッセージを作成する。この知らせには、ソフトスイッチ134が受信した情報に基づく着信呼または発呼者についての情報と、ユーザが記憶させた設定内の情報と、その両方とが含まれる。また、ソフトスイッチ134は、標準的な呼び出し開始処理を開始して、パス152によるセルラーネットワーク上の音声通話を確立する。二重モード加入者装置130は、SIP信号伝達メッセージを音声搬送パス上で受信した呼び出し開始要求に相関させ、典型的には、この情報をユーザに提示する。
【0056】
図5は、ソフトスイッチ134の機能ブロック図である。ソフトスイッチ134は、常駐していないIP対応PBXとして配置することができる。また、ソフトスイッチ134は、ゲートウェイによって支援されたソフトスイッチ344(以下で説明)、事業者が設けたソフトスイッチ320、およびオンサイトのソフトスイッチ310としてとして配置することもできる。ソフトスイッチアーキテクチャの主な相違点は、典型的には、外部接続の構成である。
【0057】
図5において、ソフトウェアスイッチの様々な局面を、モジュールおよび/または機能と称する。本明細書において使用される「モジュール」および「機能」という用語は、所定のタスクを行うソフトウェアまたはハードウェア要素を意味するが、それに限定されるものではない。モジュールは、アドレス指定可能な記憶媒体上に常駐するように都合よく構成されてもよく、1つまたはそれ以上のプロセッサを実行するように構成されてもよい。モジュールは、汎用集積回路(IC)、書き込み可能ゲートアレイ(FPGA)、または特定用途向け集積回路(ASIC)と共に全部または一部が実施されてもよい。よって、モジュールには、例えば、ソフトウェア要素、オブジェクト指向のソフトウェア要素、クラス要素、タスク要素などの要素、処理、機能、属性、手順、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバ、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイ、および変数を含んでもよい。要素およびモジュールに用意された機能は、組み合わされてより少数の要素およびモジュールとなってもよく、またはさらに分割されてさらなる要素およびモジュールとなってもよい。加えて、要素およびモジュールは、コンピュータ、コンピュータサーバ、アプリケーションを可能とするスイッチまたはルータなどのデータ通信インフラストラクチャ設備、もしくは公用または私用の電話スイッチまたは構内交換機(PBX)などの電気通信設備を含む、数多くの様々なプラットフォームにおいて都合よく実施されてもよい。これらのいずれの場合においても、選択されたプラットフォームに固有のアプリケーションを書くことによって、もしくはプラットフォームを1つまたはそれ以上の外部アプリケーションエンジンにインターフェイス接続することによって、実施されてもよい。
【0058】
ソフトスイッチ134内において、中継ゲートウェイモジュール162は、通話を物理的に終了させ、PSTN106およびIPバックボーン108上の音声搬送トラフィックストリームの送受信に関連する他の物理層サービスを提供する。例えば、中継ゲートウェイ162は、PSTN106からの音声通話を終了させ、音声データを圧縮およびパケット化して、圧縮された音声パケットをIPバックボーン108に配信する。同様に、中継ゲートウェイ162は、IPバックボーン108から受信された音声搬送トラフィックストリームについて逆の機能を行う。中継ゲートウェイ162は、媒体ゲートウェイコントローラモジュール164の管理下で動作する。
【0059】
信号伝達ゲートウェイモジュール160は、切り換えられた回路PSTN106と、パケット切り換えされたIPバックボーン108との間の網間接続を提供する。また、信号伝達ゲートウェイ160は、媒体ゲートウェイコントローラ164を、従来のPSTNスイッチの呼び出し制御機能またはサービス処理機能で支援する。また、信号伝達ゲートウェイ160は、媒体ゲートウェイコントローラ164の制御下で動作する。
【0060】
一実施形態において、信号伝達ゲートウェイ160および中継ゲートウェイ162は、単一の要素として実施され、共通のデジタル信号処理器脳によって実施される。他の実施形態において、これらは互いにより分離される。
【0061】
媒体ゲートウェイコントローラモジュール164は、ソフトスイッチ134における資源の登録および管理を扱う。媒体ゲートウェイコントローラ164は、PBXサービスをWLAN132と、有線の構内情報通信網138とに提供する。また、媒体ゲートウェイコントローラ164は、図5に要素170〜178として示す追加のモジュール上の管理を提供し、またそれらのモジュールを含む。媒体ゲートウェイコントローラ164内において、呼び出し制御および信号伝達機能モジュール170は、呼び出し状態を維持して、IPバックボーン108に対しておよびそこから媒体ゲートウェイコントローラ164によって直接受信および出力できるSIPメッセージを処理する。接続セッション管理器モジュール172は、中継ゲートウェイ162によって終了された各物理的な中継線の管理を含むPSTN信号伝達の状態と、PCM対応トラフィックストリームと、IP対応トラフィックストリームとの間の相関とを維持する。アクセスセッションおよび移動管理器モジュール174は、ユーザおよび加入者装置の位置を追跡する。動作支援システム(OSS)エージェントモジュール176は、ソフトスイッチ管理者によって使用される制御および監視インターフェイスを提供する。例えば、OSSエージェント176は、課金システム、加入者提供システムなどとインターフェイス接続する。第3者アプリケーションゲートウェイモジュール178はコンテンツ配信サービス、ボイスメールサービス、および典型的にはこの領域外に設けられたユーザ情報データベース(上述の連絡リスト情報および対応のカテゴリなど)などのアプリケーションとインターフェイス接続する。
【0062】
信号伝達ゲートウェイ160、中継ゲートウェイ162、および媒体ゲートウェイコントローラ164は、ソフトスイッチ134内において互いに結合される。一実施形態において、これら3つの要素は、SIP,SIGTRAN、媒体ゲートウェイ制御プロトコル(MGCP)、メガコ、またはそれらの組み合わせを使用して、互いに通信する。SIGTRAN(信号伝達転送)は、インターネットプロトコルに基づく次世代ネットワーク(NGN)の一部である。これは、ISDN、SS7、およびV5などの信号伝達トラフィックをIPネットワーク上で転送するために設計されている。また、SIGTRANは、VoIPアプリケーションにも使用される。メガコは、媒体ゲートウェイコントローラなどの呼び出し制御要素と、欧州電気通信標準化機構(ETSI)のタイフォン(TIPHON)によって提案され、かつインターネット技術標準化委員会(IETF)によって採用されたた分解されたH.323ゲートウェイアーキテクチャにおける媒体ゲートウェイなどの媒体処理要素との間のインターフェイスを規格化する。テルコーディア社によって開発されたレベル3通信であるMGCPは、電話回線(PSTN)上で搬送される信号をインターネットまたは他のパケットネットワーク上で搬送されるデータパケットに変換するための旧来のH.322規格と競い合ういくつかの制御および信号伝達規格のうちの1つである。
【0063】
典型的には、PSTN106は、従来のPCM上の音声接続で中継ゲートウェイ162に結合される。PSTN106は、典型的には、ISUPまたQ.931などの共通チャンネル信号伝達プロトコルを使用して、信号伝達ゲートウェイ160に結合される。ISDNユーザ部(ISUP)は、PSTN上で音声およびデータ呼び出しを搬送する中継回路を設定、管理、および解放するために使用されるプロトコルおよび手順を規定する。Q.931/32は、OSI/ISO参照モデルにおける層であり、信号伝達を制御するために設計されたものである。ユーザとPSTNネットワークとの間の接続を確立、維持、および解放するために使用される。
【0064】
中継ゲートウェイ162は、VoIP(RTP)などのVoIPプロトコルを使用してIPバックボーン108と通信する。RTP(リアルタイムん転送制御プロトコル)は、媒体通信の統計情報を提供する。媒体ゲートウェイコントローラ164は、SIPまたはH.323を使用してIPバックボーン108と通信する。H.323は、国際電気通信連合(ITU)が承認した勧告であって、音声および映像データがどのようにインターネットなどのパケット対応ネットワークに渡って通信されるのかを規定する。
【0065】
図6は、ソフトスイッチと移動体切り換えセンターとの間に媒体ゲートウェイを搭載するネットワークのネットワーク図である。図6において、媒体ゲートウェイ340は、ソフトスイッチ344と、従来のMSC140との間のゲートウェイとしての役割を果たして、拡張された機能を提供する。媒体ゲートウェイ340は、新たなパス342A〜342Eを導入する。ソフトスイッチ344は、レッグ342によってIPバックボーン108に結合され、IPバックボーン108は、さらにレッグ342Bによって媒体ゲートウェイ340に結合され、媒体ゲートウェイ340は、レッグ342Cによって従来のMSC140に結合され、従来のMSC140は、レッグ342Dによって基地局144に結合され、さらに基地局144は、レッグ342Eによって二重モード加入者装置130に結合される。レッグ342Dおよび152Cと、レッグ342Eおよび152Dは、パス152および342の両方に共通であって、各パスにおいて同様の機能を行う。
【0066】
図17は、媒体ゲートウェイ340のブロック図である。図5と同様に、媒体ゲートウェイの様々な局面は、モジュールと称され、当該用語について意図されたのと同様の意味を有する。中継ゲートウェイモジュール380は、VoIPパケットと、従来の音声形式の信号伝達との間の変換などの図5の中継ゲートウェイモジュール162と同様の機能を行う。信号伝達ゲートウェイモジュール384は、信号伝達ゲートウェイ160と同様の機能を行う。加えて、信号伝達ゲートウェイ384は、媒体ゲートウェイ340から受信したIP形式のPSTN制御信号伝達を標準的なPSTN信号伝達に変換して、従来のMSC140に出力する。一実施形態において、信号伝達ゲートウェイ384は、ソフトスイッチ344からIPポートを渡って受信した命令に応答して、PSTNポート上の疑似発呼者ID識別子を送信するようにも構成される。中継ゲートウェイ380および信号伝達ゲートウェイ384は、図6に示すレッグ342Cによって従来のMSC140に結合される。同様に、中継ゲートウェイ380および信号伝達ゲートウェイ384は、両方共、図6に示すレッグ342BによってIPバックボーン108に結合される。
【0067】
ソフトスイッチ344が、呼び出しを二重モード加入者装置130へ切り換える場合に、セルラーシステムの受信可能領域内にある場合に、遠端装置がPSTN106に結合されている場合には、ソフトスイッチ344は、従来の音声搬送信号をVoIPパケットに変換して、レッグ342Aおよび342B(図6参照)によって媒体ゲートウェイ340へ転送する。媒体ゲートウェイ340(特に、図17に示す実施形態においては、中継ゲートウェイモジュール380)は、VoIPパケットを従来の信号に変換して、レッグ342Cによって従来のMSC140に提供する。加えて、ソフトスイッチ344は、標準的なPSTN呼び出し制御信号伝達を、レッグ342Aおよび342Bによって媒体ゲートウェイ340に対してIP形式で送出することもできる。媒体ゲートウェイ340(特に、図17に示す実施形態においては、信号伝達ゲートウェイモジュール384)は、標準的なPSTN信号伝送に変換して、従来のMSC140に対してレッグ342Cによって提供することができる。
【0068】
遠端装置がVoIP電話である場合には、ソフトスイッチ344は、IP形式の制御信号伝達をレッグ342Aおよび342Bに沿って媒体ゲートウェイ340送出する。また、遠端装置は、標準的なIPルーティング機構を離床して、IPバックボーン108によって、媒体ゲートウェイ340へまたはそこから、直接制御信号伝達をルーティングすることもできる。VoIPパケットを媒体ゲートウェイ340に対して直接ルーティングして、従来の音声搬送信号に変換することもできる。例えば、音声搬送VoIPパケットを、卓上電話136から構内ルータ148を通じてレッグ342によって媒体ゲートウェイ340にルーティングすることもできる。媒体ゲートウェイ340は、典型的には、標準的なPSTN接続ポートによって従来のMSC140に結合される。
【0069】
図6に示すネットワークと、図4に示す事業者が設けたネットワークの利点は、それぞれレッグ342Cおよびレッグ342Aによって従来のMSC140に対して直接接続するので、PSTN106を回避することにより、よりおおきな柔軟性が得られることである。従来のMSC140は、レッグ342Cおよび324A上の信号をPSTN信号伝達とみなすように構成できる。事業者のソフトスイッチ320および媒体ゲートウェイ340は、データを呼び出しストリームに挿入、疑似発呼者ID情報などの挿入などの標準的なPSTN信号伝達に代えて、カスタマイズされた信号伝達を生じさせるように構成できる。このようなカスタマイズの例を以下に示す。
【0070】
図7は、二重モード加入者装置130の例の代表図である。図示の実施形態において、二重モード加入者装置130は電子メールおよびカレンダーなどの他の機能も搭載している。二重モード加入者装置130は、スピーカ200と、マイクロフォン202とを有する。二重モード加入者装置130は、ディスプレイ204も有する。数個のソフトキー206A〜206Nが、ディスプレイ204と関連付けられる。選択肢を有するスクロールホイール212を使用して、様々なメニューおよび選択オプションをスクロールすることもできる。加えて、二重モード加入者装置130は、キーパッド208と、規定された機能キー210A〜210Nとを有する。この図は、極めて代表的なものであり、加入者装置についての数多くの他の構成および形成要素が、当該技術において周知である。
【0071】
図8は、二重モード加入者装置130の機能ブロック図である。二重モード加入者装置130は、無線リンク信号をWLAN132上で送受信するWLANフロントエンドモジュール400を有する。WLANフロントエンド400は、信号のアップコンバートおよびダウンコンバートと、ベースバンドおよび媒体アクセス制御(MAC)層機能とを提供する。例えば、WLANフロントエンド400は、米国カリフォルニア州アーバインのインターシル社から提供されたPRISM3チップセットのような市販のWiFi集積回路およびソフトウェアを使用して実施できる。WLANフロントエンド400は、加入者装置制御モジュール410に結合され、かつそれによって制御される。WLANフロントエンド400は、WLAN上で受信された情報を加入者装置制御モジュール410へ出力し、かつ、WLAN上で送信する情報を加入者装置制御モジュール410から受信する。
【0072】
セルラーフロントエンドモジュール402は、セルラーネットワーク上での送受信のためのセルラー加入者装置またはセルホンの機能を提供する。また、セルラーフロントエンドモジュール402は、加入者装置制御モジュール410から情報を受信して、当該情報をデータ搬送および音声搬送チャンネル上で基地局144に対して送出する。米国ニュージャージー州マリーヒルのルーセントテクノロジー社は、GSM参照設計パッケージを販売しており、このパッケージは、製造業者がルーセント社の第1およびそれ以降のGSM送受話器を開発するのに必要なソフトウェアツール、教育およびサポートのすべてを含むデジタル信号プロセッサ(DSP)技術周辺を基礎としており、このパッケージを使用してセルラーフロントエンドモジュール402を製作することができる。同様に、米国カリフォルニア州サンディエゴのクアルコム社は、CDMA対応のセルラーネットワークについての同様の設計、チップ、および情報を提供しており、これらを使用してセルラーフロントエンドモジュール402を製作することができる。セルラーフロントエンドモジュール402は、データ搬送および音声搬送チャンネルの両方上で基地局144から無線リンク信号を受信し(図2、3、4、および6参照)、それに含まれる情報を抽出して、加入者装置制御モジュール410へ渡す。
【0073】
加入者装置制御モジュール410は、二重モード加入者装置130に対して制御機能を提供する。加入者装置制御モジュール410は、ユーザインターフェイス412(図7のディスプレイ204、ソフトキー206A〜206N、キーパッド208など)、マイクロフォン202、およびスピーカ200への入力を提供し、かつそれらからの出力を受け入れる。
【0074】
また、加入者装置制御モジュール410は、音声およびデータ通信制御も提供する。コントローラモジュール420は、図8に示す加入者装置制御モジュール410の要素を含む様々な加入者装置要素に対して制御を提供する。また、加入者装置制御モジュール410は、二重モード加入者装置130によって使用されるアプリケーションソフトウェアなどを実行することもできる。メモリモジュール422は、コントローラ420および他の加入者装置制御モジュール410の要素が使用する情報を記憶する。
【0075】
加入者装置制御モジュール410は、WLANフロントエンド400と、セルラーフロントエンド402との両方上でSIPメッセージ伝達を作成および受信するためのSIPプロセッサモジュール424を含む。よって、SIPプロセッサモジュール424は、WLANフロントエンド404と、セルラーフロントエンド402との両方に結合される。
【0076】
また、加入者装置制御モジュール410は、VoIPパケットを作成および受信するためのVoIPプロセッサモジュール428をも含む。例えば、二重モード加入者装置130がWLAN132の受信可能領域内にある場合などに、VoIPプロセッサ428は、音声信号をスピーカ200に提供し、マイクロフォン202から音声信号を受信する。よって、VoIPプロセッサ428は、スピーカ200、マイクロフォン202、WLANフロントエンド400、および他の要素に結合される。VoIPプロセッサは、当該技術において周知である。
【0077】
加入者装置制御モジュール410は、セルラーネットワークの音声搬送パスから受信および当該パス上を送信された音声情報などのセルラー情報を作成および受信するためのセルラープロセッサモジュール426を含む。セルラープロセッサ426は、セルラーフロントエンド402に結合されると共に、スピーカ200およびマイクロフォン202にも結合される。一実施形態において、セルラープロセッサ426は、SIPプロセッサ424をセルラーフロントエンド402に結合する。
【0078】
上記のように、ソフトスイッチ134内のアクセスセッションおよび移動管理器174は、二重モード加入者装置130の位置を追跡する。そのような追跡を実施するのに使用できる機構はいくつかある。ソフトスイッチ310は、WLAN132を介して、加入者装置に対して「ピング」(応答を要求するメッセージを送信)して、応答が受信されなければ二重モード加入者装置130がないとみなすことができる。二重モード加入者装置130は、WLAN132からの信号をもはや受信できないと検出して、応答して、SIP対応メッセージをパス150(図6参照)上で送って、WLAN132の受信可能領域からの離脱を登録してもよい。同様に、二重モード加入者装置130がWLAN132の受信可能領域に再び入った場合には、SIP対応メッセージをWLAN132上で送って、その再入場を登録してもよい。加えて、ユーザが、キーを押すか、もしくは二重モード加入者装置130をドックに入れて卓上電話または加入装置がソフトスイッチに対してメッセージを送信するようにするなどして、卓上電話136を介して手動で二重モード加入者装置130の復帰を信号で知らせてもよい。
【0079】
図9は、二重モード加入者装置130によって実施される位置登録のための方法または処理を示す。ブロック438において、二重モード加入者装置130は、標準的なWLAN検索技術を使用して、新たなWLANの受信可能領域に入ったかどうかを決定する。もし入ったならば、ブロック440において、二重モード加入者装置130は、新たなWLANを検出して、フローはブロック442へ続く。ブロック442において、二重モード加入者装置130は、SIP登録メッセージをWLAN上で送出する。サービスを提供したいソフトスイッチにうまく辿り着けたならば、二重モード加入者装置130は、ブロック444において受領確認を受信し、フローはブロック446へと続く。新たなWLANが検出される否か、または受領確認が受信されなければ、二重モード加入者装置130は、ブロック438において新たなWLANのスキャンを継続する。WLANに登録されている間、ブロック446において、加入者装置は、WLANサービスが使用可能かどうかの監視を継続する。二重モード加入者装置130がWLANの受信可能領域を去ったことをブロック448において検出した場合には、二重モード加入者装置は、ブロック450において、SIP登録メッセージを携帯電話システム上で送出する。二重モード加入者装置130は、ブロック438において新たなWLANの監視を再び開始する。
【0080】
図9に関して説明した加入者装置に関連して、ソフトスイッチ134は、補完的な機能を行う。ブロック442において送られたSIP登録メッセージに応答して、ソフトスイッチ134は、加入者装置の存在をメモリに登録する。また、ソフトスイッチは、ブロック444において加入者装置が受信した受領確認を作成かつ送出する。同様に、ソフトスイッチ134は、ブロック450において送出されたSIPメッセージ伝達を受信して、加入者装置を登録する。一実施形態において、ソフトスイッチ134は加入者装置をポーリングして、現在の位置を決定する。
【0081】
一実施形態において、システムは、加入者装置からそのセルラーとしての独自性を奪うことなく実施される。例えば、セルラー事業者がセルラー電話番号を加入者装置に対して割り当てたと仮定する。さらに、ソフトスイッチは、異なるPBX電話番号を加入者装置に対して割り当てたと仮定する。よって、加入者装置は、セルラー番号と、PBX番号とが関連付けられている。たとえソフトスイッチの管理下にあっても、セルラー番号を使用して、加入者装置と直接接触することができる。一実施形態において、ソフトスイッチが加入者装置についての有効な位置データを有していない場合には、ソフトスイッチは、加入者装置に対して、セルラー電話番号を使用して標準的なセルラーシステム上で着信呼を転送すればよい。そのような場合に、加入者装置は、標準のセルラー呼び出しでは使用できないような呼び出し特徴を使用可能にするために、SIP信号伝達メッセージをソフトスイッチに送出してもよい。例えば、第1の発呼者が、二重モード加入者装置130に対してセルラー番号を使用して呼び出しを行うと仮定する。呼び出しを受信すると、二重モード加入者装置130は、発呼者IDを使用して発呼者を識別できる。二重モード加入者装置130は、SIPメッセージ伝送をソフトスイッチ134に送り返して、発呼者を識別してもよい。
【0082】
図10は、SIPが使用されるシステム内のWLANの外部に現在存在している二重モード加入者装置に対してIP電話が呼び出しを開始した場合の呼び出しフロー例を示す。呼び出しフローまたは処理を、図5に示すソフトスイッチの実施形態および図2に示すネットワーク例をも参照して説明する。説明する方法の特定の順序は、システム要件および呼び出しフローに対する影響を考慮して、様々なものとなりうる。
【0083】
ブロック500において、呼び出しを行うVoIP電話156または卓上電話136(図2参照)などのIP電話は、SIP INVITEのような、二重モード加入者装置130をそのPBX電話番号、SIP URL(統一資源ロケータ)、またはIPアドレスによって特定する標準的なSIP開始要求メッセージを送出する。ブロック502において、ソフトスイッチ134は、当該開始要求を受信して、SIP 100 TryingなどのSIP試行中メッセージで応答して、呼び出し開始装置に対して、ソフトスイッチが呼び出しの設定を試行中である旨を示す。ブロック504において、ソフトスイッチ134は、ユーザが規定した設定および登録情報などの二重モード加入者装置130に関連した呼び出し処理情報を再検討する。ソフトスイッチ134は、例えば図9に関連して説明した処理に基づいて、加入者装置130の予測位置に基づき、セルラーネットワークにある二重モード加入者装置130と接触することを決定する。
【0084】
図5に戻って参照して、一実施形態において、SIP開始要求メッセージ(ブロック500)をソフトスイッチ134内の媒体ゲートウェイコントローラ164で受信する。媒体ゲートウェイコントローラ164内では、呼び出し制御および信号伝達機能170が、SIP開始要求メッセージを処理して、SIP試行中メッセージの送信を命令する(ブロック502)。第3者アプリケーションゲートウェイ178は、ブロック504で使用されるユーザの設定についての情報にアクセスする。アクセスセッションおよび移動管理器174は、ブロック504で使用される二重モード加入者装置130の位置についての情報を提供する。
【0085】
ブロック506において、ソフトスイッチ134は、標準的なSIP開始要求メッセージを、IPバックボーン108を通るパス150などのセルラーネットワークのデータ搬送パス上で、二重モード加入者装置130に対して送出することにより、PSTN106を迂回する。ソフトスイッチ134は、SIP開始要求メッセージ内の二重モード加入者装置130を、IPデータアクセスによるなどの標準的なIP方法を使用して識別する。ブロック508において、二重モード加入者装置130は、ソフトスイッチ134に対して、SIP 180 RINGINGなどのSIP呼び出し中指示を送出することによって応答する。ブロック510において、二重モード加入者装置130は、呼び出しを受け入れる。別の場合には、この応答は自動的に行われ、呼び出しは、呼び出しフロー内のブロック520などの他のある時点において二重モード加入者装置130によって受け入れられる。いずれの場合においても、二重モード加入者装置130は、呼び出し受け入れメッセージ(SIP 200 OKなど)を送出することによって応答する。図5を再び参照して、ブロック506,508,および512ならびに以下に説明するブロック524および530において説明するソフトスイッチ134内のSIP処理は、呼び出し制御および信号伝達機能モジュール170によって行うことができる。
【0086】
ブロック514において、ソフトスイッチ134は、PSTN106に対する呼び出しを、様々な標準的なPSTN信号伝達プロトコルのうちの1つを使用して開始する。一実施形態において、ソフトスイッチ134は、ISUPを使用するので、ISUP開始アドレスメッセージ(IAM)を、レッグ152A上などでPSTN106へ送出する。ISUP IAMは、送出元のスイッチから送出先のスイッチへのアイドル中継回路を確保して、二重モード加入者装置130をそのセルラー電話番号などによって識別する。ブロック516において、PSTN106は、アドレス完了メッセージ(ACM)で応答する。ACMは、すべてのアドレス信号が受信され、呼び出し設定が進行中であることを示す。ブロック514に応答して、PSTN106は、ブロック518において、セルラー呼び出し開始メッセージを既知の手法に従って送出する。ブロック514,516,および528PSTN信号伝達は、媒体ゲートウェイコントローラ164内の呼び出し制御および信号伝達機能170と、接続セッション管理器モジュール172とによって管理可能であり、信号伝送ゲートウェイ160によって実施可能である。
【0087】
ブロック520において、二重モード加入者装置130は、ブロック510において呼び出しが既に受け入れられている場合には、呼び出しを自動的に受け入れる。二重モード加入者装置130は、ブロック522において、セルラー呼び出し受け入れで応答する。これらのPSTNブロックは、上述のSIPブロックの前、後、またはそれと並行して生じてもよい。
【0088】
ところで、ソフトスイッチ134は、ブロック524において、VoIP電話156に対してSIP呼び出し中指示(SIP 180 RINGING)で応答し、論理的な意味で、ソフトスイッチ134からVoIP電話156への一方向のVoIP音声搬送パスをブロック526において確立する。VoIPを使用して、回路切り換えチャンネルが確立または確保されることは実際にはないが、代わりに、音声搬送パケットが、一方の当事者から他方へ流れ始める。この場合、呼び出しを示すものを搬送するパケットが、中継ゲートウェイ162からVoIP電話156へ流れ出す。
【0089】
ブロック528において、PSTN106は、セルラー呼び出し受け入れに対して、ISUP応答(ANM)で応答する。ANMは、被呼者が呼び出しに応答した旨を示す。応答して、ブロック530において、ソフトスイッチ134は、SIP OKメッセージをVoIP電話156に対して送出する。ブロック532において、電話チャンネルが割り当てられ、ソフトスイッチ134内の中継ゲートウェイ162からPSTN106を通って二重モード加入者装置130への双方向音声パスが、パス152を使用するなどして確立される。ソフトスイッチ134内の中継ゲートウェイ162からVoIP電話156への双方向VoIP音声搬送パスが、ブロック534において確立され、ソフトスイッチ134は、それを確立されたPCM音声パスに接続して、VoIP電話156から二重モード加入者装置130への音声リンクを完成させる。
【0090】
別の場合には、セルラー音声チャンネルは、ソフトスイッチ134というよりも、二重モード加入者装置130からの呼び出し元によって確立される。例えば、図10を再び参照して、SIP開始要求メッセージ(ブロック506において送出されたものなど)または他のSIPメッセージは、着信呼がソフトスイッチに到着した旨を示す。このメッセージに応答して、二重モード加入者装置130は、ソフトスイッチ134に対する呼び出しを、当該メッセージ内で指定された番号または所定の番号などの代理番号を使用して開始する。ブロック514において呼び出しを開始するよりも、ソフトスイッチ134は、二重モード加入者装置130からの着信呼を待つ。一実施形態において、ソフトスイッチ134は、被呼代理番号を使用して、二重モード加入者装置130からの着信呼を、呼び出し確立中であることと相関させる。その後、ソフトスイッチ134は、着信セルラー呼を切り換えて、確立されたVoIP音声パスに接続して、呼び出しフローは、図10に示すようなやり方で継続する。この応答加入者発呼手法は、以下のいくつかの呼び出しフローと共に使用することができる。
【0091】
図11は、現在WLAN外にある二重モード加入者装置に対する呼び出しをPSTN電話が開始する場合の呼び出しフロー例を示す。この呼び出しフローを、図5および2をも参照して説明する。説明するブロックの特定の順序は、システム要件および呼び出しフローに対する影響を考慮して、様々なものとなりうる。
【0092】
ブロック536において、従来の電話158などの呼び出しを行う電話は、二重モード加入者装置130のPBX電話番号を指定する普通の従来の電話システム(POTS)呼び出し開始メッセージをPSTN106へ送出する。ブロック538において、PSTN106(従来の電話158の代わりとなる)は、二重モード加入者装置130をそのPBX電話番号で特定するISUP IAMを、ソフトスイッチへ送出する。ブロック540において、ソフトスイッチ134は、ISUP ACMで応答する。ブロック542において、PSTN106は、POTS呼びだし呼び出し中メッセージを従来の電話158へ送出する。
【0093】
ブロック544において、ソフトスイッチ134は、ユーザが規定した設定および登録情報などの二重モード加入者装置130に関連した呼び出し処理情報を再検討する。この場合、ソフトスイッチ134は、セルラーネットワーク内の二重モード加入者装置130と接触することを決定する。ブロック546において、ソフトスイッチ134は、SIP開始要求メッセージを、パス150などのセルラーネットワークのデータ搬送パス上で二重モード加入者装置130へ送出する。ブロック548において、二重モード加入者装置130は、SIP呼び出し中指示を送出することによって応答する。ブロック550において、二重モード加入者装置130は、呼び出しを受け入れる。別の場合には、この応答は自動的に行われ、呼び出しは、後に、ブロック560などにおいて、二重モード加入者装置130によって受け入れられる。いずれの場合においても、二重モード加入者装置130は、ブロック552において、SIP OKメッセージをソフトスイッチ134へ送り返すことによって応答する。
【0094】
図8の加入者装置のブロック図に戻って参照して、ブロック546の着信SIP開始要求メッセージは、セルラーフロントエンド402を通じて二重モード加入者装置130で受信される。セルラーフロントエンド402は、無線リンク上で受信された情報をSIPプロセッサ424へ渡して、SIPプロセッサ424は、当該メッセージを解析する。一実施形態において、SIPプロセッサ424は、コントローラ420に対して指示を送り、その指示の結果、ユーザの通知を命令する。例えば、コントローラ420は、ユーザインターフェイス412と、マイクロフォン202とを使用して、着信音、カスタマイズされたマイクロフォンメッセージ(「マリーが呼んでいます」など)、表示メッセージ、一連のソフトキーオプションなどを命令する。また、コントローラ420は、SIPプロセッサ424に対して、SIP呼び出し中指示を作成するように命令して、ブロック548においてセルラーフロントエンド402によって無線リンク上で送信させる。一実施形態において、ユーザが呼び出しを受け入れる場合には、コントローラ420は、SIPプロセッサ424に対して、対応する応答メッセージを作成するように命令して、ブロック552においてセルラーフロントエンド402によって無線リンク上で送信させる。一実施形態において、ユーザは、後に、例えばセルラーおよびSIP呼び出し情報が受信された後などに、通知されてもよい。
【0095】
図11を再び参照して、ブロック554において、ソフトスイッチ134は、二重モード加入者装置130をそのセルラー電話番号で特定するISUP IAMをPSTN106送出する。ブロック556において、二重モード加入者装置130の代わりとなるPSTN106は、ACMで応答する。ブロック554に応答して、PSTN106は、ブロック558において、セルラー呼び出し開始を送出する。ブロック560において、呼び出しがブロック550においてすでに受け入れられている場合には、二重モード加入者装置130は、当該呼び出しを受け入れる。また、ブロック560において、二重モード加入者装置130は、着信セルラー音声呼び出しを以前受信されたSIP開始要求に相関させる。二重モード加入者装置130は、ブロック562において、セルラー呼び出し受け入れで応答する。ブロック564において、PSTN106は、セルラー呼び出し受け入れに対してISUP ANMで応答する。これらのPSTNブロックは、上述のSIPブロックの前、後、またはそれと並行して生じてもよい。また、上述の応答加入者発呼手法は、呼び出し接続を確立するために使用されてもよい。
【0096】
図8に戻って参照して、ブロック558の着信セルラー呼び出し開始は、セルラーフロントエンド402を通じて二重モード加入者装置130で受信される。セルラーフロントエンド402は、無線リンク上で受信された情報を、メッセージを解析するセルラープロセッサ426へ渡す。セルラープロセッサ426は、メッセージをコントローラ420へ送出する。コントローラ420は、着信セルラー呼び出しを、発呼者ID情報などを使用するなどしてSIP処理情報に相関させる。ユーザが呼び出しを受け入れる場合には、コントローラ420は、セルラープロセッサ426に対して、対応する応答メッセージを作成するように命じて、ブロック562において送られたように、セルラーフロントエンド402によって無線リンク上を送信される。
【0097】
図11を再び参照して、ブロック566において、ソフトスイッチ134は、ISUP
【0098】
ANMメッセージPSTN106を送出する。ブロック568において、PSTN106は、POTS呼び出し確立メッセージを従来の電話158へ送出する。ブロック570において、従来の電話158からソフトスイッチ134へのPCM音声パスが確立される。ブロック572において、回路切り換え音声チャンネルが割り当てられ、PCM音声パスが、PSTN106を通って二重モード加入者装置130へ、パス152を使用するなどして確立され、ソフトスイッチ134は、それをブロック570において確立されたPCM音声パスに接続する。よって、従来の電話158から二重モード加入者装置130への音声搬送トラフィックチャンネルが完成する。
【0099】
図8を再び参照して、音声搬送トラフィックチャンネル情報が、二重モード加入者装置130において、セルラーフロントエンド402、セルラープロセッサ426、ならびにマイクロフォン202およびスピーカ200を使用して送受信される。
【0100】
加入者装置が開始した呼び出しについての呼び出しフローは、二重モード加入者装置130によって受信された呼び出しについての図10および11において説明した呼び出しフローと同様である。二重モード加入者装置130が発呼者である場合には、二重モード加入者装置130は、標準的なセルラー呼び出し開始メッセージを作成する。メッセージは、実際の被呼者というよりも、代理の電話番号を特定する。二重モード加入者装置130は、加入者装置と同一のPBXの外部または内部にある、PSTN装置またはVoIP装置などの実際の被呼者を特定するSIPメッセージを作成する。ソフトスイッチ134は、2つのメッセージを相関させて、上述の逆処理と同様のやり方で、適切な音声パスを確立する。
【0101】
二重モード加入者装置130が発呼者であろうと被呼者であろうと、音声搬送セルラーパスと、並列SIP信号伝達セルラーパスとが、二重モード加入者装置130で確立される。並列SIP信号伝達パスにより、二重モード加入者装置130のユーザは、標準的な職場の卓上電話上で使用可能な機能のようなSIP機能に対してアクセスすることができる。
【0102】
ちょうど上記のように、二重モード加入者装置130がセルラー直接受信可能領域内にあり、かつWLAN外にある場合の二重モード加入者装置130による標準的な呼び出しは、実際の被呼者というよりも、ソフトスイッチ134に関連付けられた代理番号を指定する。したがって、電話番号の最初の数字をダイヤルすることなどによって、ユーザが呼び出しを行うつもりであることを示すやいなや、二重モード加入者装置130は、代理番号を使用して、音声搬送トラフィックストリームをパス152上で開始する処理を開始できる。加えて、ユーザが呼び出しを行うつもりであることを示すやいなや、システムが応答ソフトスイッチ開始手法(図16を参照して以下に説明する)を使用する場合には、二重モード加入者装置130は、データ搬送パス150上でメッセージを送出して、ソフトスイッチ134に対して、二重モード加入者装置130に対する呼び出しを開始する旨を通知することができる。このように、セルラー音声呼び出しの確立に伴う遅延は遮断され、システムの応答は、人間であるユーザが知覚するよりもはるかに速くなる。
【0103】
図12は、加入者装置が開始した呼び出しに対する、ソフトスイッチ134によって実施される処理または方法のフローチャートである。処理を、図5および2をも参照して説明する。図12から、対応する遠隔ユニットの動作を、当業者は容易に理解できる。説明するブロックの特定の順序は、システム要件および呼び出しフローに対する影響を考慮して、様々なものとなりうる。
【0104】
ブロック800において、ソフトスイッチ134は、二重モード加入者装置130によって生成および送出されたSIP開始要求を、パス150などで受信する。SIP信号伝達は、媒体ゲートウェイコントローラ164によって、より特定的には呼び出し制御および信号伝達機能170によって、処理される。二重モード加入者装置130によって作成されたSIP開始要求メッセージは、被呼者を指定し、この場合では、PSTN電話番号によって指定されるPSTN装置を仮定する。ソフトスイッチ134内の呼び出し制御および信号伝達機能170は、応答SIP試行中メッセージを生成して、ブロック802において、それを二重モード加入者装置130へ送出する。
【0105】
ブロック804において、信号ゲートウェイ160は、IAMメッセージをPSTN106から受信する。PSTNからのIAMメッセージは、従来のセルラーネットワーク上での二重モード加入者装置130からPSTN106への呼び出し開始メッセージに応答して生成されたものである。IAMメッセージ(および呼び出し開始メッセージ)は、通信を意図したユーザが使おうとした実際の被呼者番号というよりはむしろ、代理の被呼者番号を指定する。(実際の被呼者番号は、ブロック800で受信されたSIPメッセージ伝達において指定される。)一実施形態において、代理の被呼者番号は、二重モード加入者装置によって開始された着信呼のために確保された、ソフトスイッチ134に関連したダミーの電話番号であって、よって、ソフトスイッチ134に対して、対応SIPメッセージが送出されて実際の被呼者が指定される旨を通知する。他の実施形態において、代理番号は、ソフトスイッチに関連付けられ、加入者装置に固有である。一実施形態において、代理の被呼者番号は、開始加入者装置のPBXが割り当てられた番号である。一実施形態において、二重モード加入者装置からのSIP信号伝達は、代理番号を指定して、相関関係を促進する。ブロック806において、ソフトスイッチ134は、代理被呼者番号を参照するなどして、ブロック800において受信されたSIPメッセージをブロック804において受信されたPSTN信号伝達に相関させ、二重モード加入者装置130を、確立中のセルラー音声搬送トラフィックパス上で、SIP開始要求において指定された要素に対して結合する。典型的には、媒体ゲートウェイコントローラ164は、SIPメッセージのセルラー音声呼び出しに対する相関を行う。
【0106】
ブロック808において、信号伝達ゲートウェイ160は、接続セッション管理器172の制御の下、ブロック804で受信されたIAMに応答して、ACMメッセージをPSTN106へ送出する。また、同じ要素は、ブロック810において、IAMを作成およびPSTN106へ送出して、SIP開始要求で指定された相手への呼び出しを確立しようと試みる。ブロック812および814において、ACMおよびANMメッセージは、被呼装置の代わりにソフトスイッチ134によって受信される。ブロック816において、ソフトスイッチ134(特定的には、中継ゲートウェイ162)は、双方向音声パス同士を結合させ、図10のブロック534および532ならびに図11のブロック570および572において示すのと同様なやり方で、被呼者が二重モード加入者装置130に接続するようにする。呼び出しが確立された後でさえ、ユーザは、SIP信号伝達をセルラーシステムのデータ搬送パス上で使用することにより、卓上電話において使用可能な機能などの広範囲の機能を自由に使用可能である。
【0107】
図13Aおよび13Bは、呼び出しが進行中である場合に呼び出しを制御するためにSIP信号伝達を使用する例を示す呼び出しフロー図である。これらの図面に関連して説明される特定の例は、保留転送であるが、図面は、呼び出し制御のための並列SIPチャンネルの使用を寄り一般的に示している。他のコールフロー機能(電話会議、インターコム機能、プッシュトーク動作など)および他の種類の遠端末装置のためにSIP信号伝達を使用することは、図13Aおよび13Bを再検討した後には当業者にとって容易に明らかであろう。説明するブロックの特定の順序は、システム要件および呼び出しフローに対する影響を考慮して、様々なものとなりうる。図13Aおよび13Bに関連して、ユーザは現在職場から離れており、かつセルラー受信可能範囲内ではあるが、WLAN受信可能範囲外であると仮定する。役員であるユーザは、そのPBX電話番号をダイヤルした元の発呼者からの呼び出しを受信しており、同番号で職場の卓上電話も鳴っている。フローが開始すると、役員は現在、加入者装置130を介して、元の発呼者と音声通話を行っている。現在、彼は、アシスタントであるマリーと手短に話をしたいと思っており、その後、マリーが後日のミーティングの予定を立てることができるように、元の発呼者をマリーにつなぎたいと思っている。彼は、元の発呼者にそのまま待ってもらって、第2の被呼者であるマリーに対して、マリーの3桁のPBX内線を使用してダイヤルする。彼はマリーと少し話した後、元の発呼者をマリーにつなぐ。
【0108】
図13Aおよび13Bは、元の発呼者が一般的なVoIP電話であり、第2の被呼者は二重モード加入者装置130と同じPBXに関連付けられたVoIP電話であると仮定する。フローが開始すると、VoIP電話156(元の発呼者)と、二重モード加入者装置130との間で呼び出しが確立する(図2参照)。VoIP電話156と、ソフトスイッチ134との間の呼び出しのレッグが、図10を参照して説明した方法を使用するなどにより、ブロック580によって確立されている。ソフトスイッチ134と、二重モード加入者装置130との間のPSTN106を通じての呼び出しのレッグは、ブロック582によって確立されている。ブロック584において、二重モード加入者装置130は、現在の通話を保留にするためのユーザからのコマンドを受信する。ブロック586において、二重モード加入者装置130は、SIP INVITE(HOLD)などのSIP保留メッセージをソフトスイッチ134へ送出する。その結果、ブロック588において、ソフトスイッチ134は、SIP保留メッセージをVoIP電話156へ送出する。VoIP電話156は、ブロック590において、SIP OKメッセージで応答し、その後、ソフトスイッチ134は、ブロック592において、二重モード加入者装置130へ同様に応答する。二重モード加入者装置130は、ブロック594において、SIP受領確認メッセージを送出し、その後、ソフトスイッチ134は、SIP受領確認メッセージをVoIP電話156へ送出する。ブロック598および600において、それぞれ、VoIP電話156と、ソフトスイッチ134との間、およびソフトスイッチ134と、二重モード加入者装置130との間で、音声が一時停止される。この時点で、ソフトスイッチ134と、二重モード加入者装置130との間の音声搬送送信が一時停止される。ソフトスイッチ134と、二重モード加入者装置130との間の従来の音声チャンネルは割り当てられたままであり、一実施形態において、切断されていない。例えば、パス152上で確立された音声チャンネルは、音声搬送トラフィックが渡されなくても割り当てられたままである。場合によっては、音声が一時中断している間、安心のための発信音または保留音などがリンク上で送信されてもよい。
【0109】
ブロック602において、まだそうしていない場合には、二重モード加入者装置130は、二重モード加入者装置130のユーザによって示されたとおりの第2の被呼者(上記の例では、マリー)についての識別子を受信する。ブロック604において、二重モード加入者装置130は、卓上電話136のような第2の被呼者を特定するSIP開始要求メッセージを送出する。ブロック606において、ソフトスイッチ134は、対応のSIP開始要求メッセージを卓上電話136へ送出する。ブロック608において、卓上電話136は、SIP呼び出し中メッセージで応答し、その後、ソフトスイッチ134は、ブロック610において、SIP呼び出し中メッセージで応答する。ブロック612において、卓上電話136は、呼び出しを受け入れ、ブロック614において、その旨を示すものをソフトスイッチ134へ送出する。ブロック616において、ソフトスイッチ134は、SIP OKメッセージを二重モード加入者装置130へ送出する。ブロック618において、標準的なVoIP音声搬送パスが、ソフトスイッチ134と、卓上電話136との間で確立される。ブロック620において、先に割り当てられたセルラーチャンネルを再使用して、第2の被呼者(この例では、卓上電話136)との音声パスを確立する。このようにして、セルラー音声チャンネルの割り当ておよび確立に伴う遅延を回避する。音声トラフィックの一時中断および再確立は、セルラーシステムの介入なしに行われる。代わりに、第2のセルラー音声チャンネルを確立してもよい。
【0110】
これで、本例の移動中の役員は、最初の通話を保留にしている間に、確立された音声パス上でアシスタントと少し話をすることができる。話し終わると、フローの続きは図13Bとなる。
【0111】
図13Bは、図13Aの呼び出しフローの続きである。ブロック628において、ユーザは、第2の被呼者との通話を終了させる。最初の命令でまだそのようにしていない場合には、ユーザは、元の発呼者を第2の被呼者につなぐよう、例えばソフトキー206(図7参照)を介して信号で伝える。ブロック630において、二重モード加入者装置130は、SIPメッセージを送出して、卓上電話136との通話を保留にするための、SIP
【0112】
INVITE(HOLD)などのSIPメッセージを送出する。ブロック632において、ソフトスイッチ134は、同様のメッセージを卓上電話136に送出する。卓上電話136は、受領確認のための、SIP 200 OKなどのSIPメッセージをブロック634において送出する。ブロック636において、ソフトスイッチ134は、同様のメッセージを二重モード加入者装置130へ送出する。ブロック638において、二重モード加入者装置130は、SIP ACKなどのSIP受領確認をソフトスイッチ134へ送出する。ブロック640において、ソフトスイッチ134は、同様のメッセージを卓上電話136へ送出する。セルラー音声搬送トラフィックパスおよびVoIP音声搬送トラフィックパス上の音声通信は、それぞれブロック644および642において、一時中断される。
【0113】
ブロック646において、二重モード加入者装置130は、SIP REFERなどの、元の発呼者を第2の被呼者へつなぐことを識別するSIPメッセージを送出する。ブロック648において、ソフトスイッチ134は、同様のメッセージをVoIP電話156へ送出する。ブロック650において、VoIP電話156は、照会を受け入れて、SIP 202 ACCEPTEDなどのSIP受け入れメッセージを送出する。ブロック652において、ソフトスイッチ134は、同様のメッセージを二重モード加入者装置130へ送出する。ブロック654において、VoIP電話156は、SIP INVITE(REPLACES)などのSIP開始要求メッセージを卓上電話136へ送出する。卓上電話136は、呼び出しを受け入れ、ブロック656において、その旨を示すものをVoIP電話156へ送出する。そして、ブロック658において、卓上電話136と、VoIP電話156との間のVoIP音声パスが、ソフトスイッチ134によって確立される。
【0114】
元の発呼者、第2の被呼者、またはその両者が従来の古い電話である場合には、同様のPSTN対応呼び出しフローが上述のSIP処理に取って代わることは、図13Aおよび13Bに示す呼び出しフローを参照すれば、当業者にとって容易に明らかであろう。
【0115】
ブロック660において、卓上電話136は、SIP BYEなどのSIP呼び出し解放メッセージをソフトスイッチ134へ送出する。ブロック662において、ソフトスイッチ134は、同様のメッセージを二重モード加入者装置130へ送出する。二重モード加入者装置130は、ブロック664において、SIP OKメッセージで応答する。ブロック666において、ソフトスイッチ134は、同様のメッセージを卓上電話136へ送出する。ブロック668において、VoIP電話156は、SIP NOTIFYなどの、呼び出し転送が成功したことを示すSIPメッセージを送出する。ブロック670において、ソフトスイッチ134は、同様のメッセージを二重モード加入者装置130へ送出する。二重モード加入者装置130は、ブロック672において、SIP OKメッセージで応答する。ブロック674において、ソフトスイッチ134は、同様のメッセージをVoIP電話156へ送出する。ブロック676において、二重モード加入者装置130は、SIP BYEなどのSIP呼び出し解放メッセージを送出する。ブロック678において、ソフトスイッチ134は、同様のメッセージを卓上電話136へ送出する。ブロック680において、VoIP電話156は、SIP BYEなどのSIP呼び出し解放メッセージをソフトスイッチ134へ送出する。ブロック682において、ソフトスイッチ134は、同様のメッセージを二重モード加入者装置130へ送出する。二重モード加入者装置130は、ブロック684において、呼び出しから解放され、割り当てられたセルラーチャンネルが解放される。二重モード加入者装置130が別の呼び出しを行いたい場合には、ソフトスイッチ134は、割り当てられたセルラーチャンネルを維持して、二重モード加入者装置130が使用することにより、第3者への呼び出しまたはそこへ発呼者たる第3者を接続できるようにしてもよい。
【0116】
ソフトスイッチ134は、複数の装置に対する単一の呼び出しに関連したSIP信号伝達を送出することができる。例えば、ユーザは、職場から離れている間に自分の二重モード加入者装置130に呼び出しが回される場合には、発呼者を識別して二重モード加入者装置130についての大まかな位置を示すメッセージをアシスタントがアシスタントの装置で受信するように、自身のシステムを構築してもよい。例えば、図10を再び参照して、ブロック504において、ソフトスイッチ134は、ユーザが規定した設定および登録情報をなどの、二重モード加入者装置130に関連した呼び出し処理情報を再検討する。これらの設定に応答して、ソフトスイッチ134は、ブロック506と同様のやり方で、SIPメッセージ伝達を指定された第2の装置へ送出する。当該情報に基づいて、第2の装置は、元の意図された受信者に代わって、呼び出しを受け入れる。
【0117】
この機能を実際の場合に当てはめて、先の例に戻って、移動中の役員がマリーとの通話を終えて、重要な会議を始めた場合を考える。ソフトスイッチ134は、役員の家庭用電話からの呼び出し開始をPSTN上で受信する。ソフトスイッチ134は、ユーザが規定した設定および登録情報などの、二重モード加入者装置130に関連した呼び出し処理情報をチェックする。ユーザは、システムに対して、通常の営業時間中に家の電話番号からの呼び出しを受信した場合およびユーザがWLANの受信可能領域外にいる場合にはいつでも、メッセージをマリーにルーティングするように命令してある。マリーは、無線装置を携帯して休憩室にいてもよいが、当該装置でWLAN上においてメッセージを受信する。メッセージには、「ボブの家からの役員ボブへの着信です。ボブは職場にいません。この通話を傍受したいですか?」と書いてある。マリーは、重要な会議であることがわかっているので、肯定する旨を信号で伝え、呼び出しはマリーにルーティングされる。メッセージが役員さんの装置へ送出され、役員さんのための対応するメッセージが、「午後3時09分にボブの家から電話がありました。電話はマリーが応答しました」というように表示される。
【0118】
第2の例として、二重モード加入者装置130のユーザがデータ装置154をも携帯していると仮定する。呼び出しに伴うSIP信号伝達がデータ装置154へも送信可能である。データ装置154は、SIP信号伝達をソフトスイッチ134へ送り戻すこともできるので、二重モード加入者装置130と同一の種類の機能を実行できる。
【0119】
例えば、ユーザがスケジューリングおよび電子メール機能を提供するデータ装置154を所持しており、かつ二重モード加入者装置130を使用して通話に参加していると仮定する。着信呼が二重モード加入者装置130によって受信されると、ソフトスイッチ134は、着信呼を示すSIP信号伝達メッセージをデータ装置154へ送出する。データ装置154は、ユーザに対して着信呼を通知して、ユーザオプションを提示できる。例えば、「マーティン・スチュワートからの着信を受信中です。この呼び出しを受け入れて、現在の通話を保留したいですか?」というような表示がなされてもよい。一連のソフトキーによって、ユーザが第2の呼び出しを受け入れて、第1の呼び出しを保留にして、第1または第2の呼び出しをボイスメールまたは他の内線などに転送できるようにしてもよい。ユーザは、自分の二重モード加入者装置130を自分のデータ装置154で制御するなどして、自分の意図をデータ装置154へ信号で直接伝えることができる。また、データ装置154は、第2の発呼者とのやり取りされた電子メールを見つけたり、第2の発呼者との今後または過去の面会予約を表示することもできる。このように、第2の装置を使用して、二重モード加入者装置130についての呼び出し制御を提供することができる。代わりに、これらの同一の機能を加入者装置130において実施してもよい。
【0120】
他の新規の呼び出し機能には、呼び出しへの割り込み機能が含まれる。例えば、図11のブロック540〜548に示すような呼び出しがユーザに来たと仮定する。しかしながら、即座に呼び出しを受け入れるのではなく、ユーザは発呼者に対してボイスメールを送って、残されている最中のメッセージを監視したいと思う。ユーザは、この命令を二重モード加入者装置130に対して信号で伝える。この内容は、二重モード加入者装置130からソフトスイッチ134へのSIPメッセージ伝達により、信号伝達される。フローは継続して、PCMセルラー音声パスと、図11のブロック554〜570において示すのと同様のPCM陸上通信線パスとを確立する。ソフトスイッチ134は、ブロック570において作成したような音声パスを、ボイスメールアプリケーションへルーティングする。ソフトスイッチ134は、並行して、発呼者からの音声搬送トラフィックストリームを、ブロック572において確立したパス152などで二重モード加入者装置130へルーティングする。残されている最中のメッセージをユーザが聞くことができるように、加入者装置130から音声が出力される。二重モード加入者装置130のユーザが呼び出しに割り込むことを選択する場合にはいつでも、二重モード加入者装置130は、SIP信号伝達メッセージをソフトスイッチ134へ送出する。応答して、ソフトスイッチ134は、また、二重モード加入者装置130からの音声搬送データストリームを発呼者へルーティングして、双方向通話が確立される。この場合、ソフトスイッチ134は、ボイスメールシステムに対して、録音を中止するように信号で伝えてもよい。
【0121】
図14は、ソフトスイッチと、従来のMSCとの間の媒体ゲートウェイを使用する、図6に示すようなシステムにおけるWLANの外に現在存在する二重モード加入者装置への呼び出しをVoIP電話156などのIP電話が開始する場合の呼び出しフロー例を示す。説明するブロックの特定の順序は、システム要件および呼び出しフローに対する影響を考慮して、様々なものとなりうる。
【0122】
ブロック700において、VoIP電話156は、二重モード加入者装置130のPBX電話番号、もしくはSIP URLまたはIPアドレスなどの他の識別子を特定するSIP開始要求メッセージを送出する。ソフトスイッチ344は、開始要求を受信して、ブロック702において、SIP試行中メッセージで応答する。ブロック704において、ソフトスイッチ344は、ユーザが規定した設定および登録情報などの二重モード加入者装置130に関連した呼び出し処理情報を再検討する。ソフトスイッチ344は、セルラーネットワーク内の二重モード加入者装置130と接触することを決定する。ブロック706において、ソフトスイッチ344は、SIP開始要求メッセージを二重モード加入者装置130へ、図6のパス150のような、セルラーネットワークのデータ搬送パス上で送出する。ソフトスイッチ344は、標準的なIPアドレス指定手法を使用して、二重モード加入者装置130を識別する。ブロック708において、加入者装置は、SIP呼び出し中指示メッセージを送出することによって応答する。ブロック710において、二重モード加入者装置130は、呼び出しを受け入れる。別の場合には、この応答は自動的に行われ、呼び出しは、呼び出しフロー内のブロック730などの他のある時点において二重モード加入者装置130によって受け入れられる。いずれの場合においても、二重モード加入者装置130は、ブロック712において、SIP OKメッセージをソフトスイッチ344へ送出することによって応答する。
【0123】
媒体ゲートウェイ340に対して、音声搬送トラフィックチャンネルを開始するように命令するために、ソフトスイッチ344は、IPメッセージを作成して、レッグ342Aおよび342Bなどにより、IPネットワーク上で媒体ゲートウェイ340へ送信する。メッセージは、セルラー電話番号によって指定された二重モード加入者装置130へのセルラーネットワーク上での呼び出し開始を示す。このように、ブロック714において、ソフトスイッチ344は、二重モード加入者装置130をそのセルラー電話番号によって指定するIAMメッセージまたは同様のIP形式の呼び出し開始メッセージを、IPバックボーン108上で媒体ゲートウェイ340へ送出する。
【0124】
ブロック716において、媒体ゲートウェイ340は、IP形式のメッセージを受信し、それに応答して、レッグ340Cなどによって、様々な標準的なPSTN信号伝達プロトコルのうちの1つを使用して、呼び出し確立試行を従来のMSC140へ信号で伝える。ブロック718において、従来のMSC140は、ACMで応答する。メッセージは、媒体ゲートウェイ340によって受信され、ブロック720において、媒体ゲートウェイ340は、対応するIP形式のメッセージを作成して、それをソフトスイッチ344へIPバックボーン108上で送出する。
【0125】
ブロック716に応答して、従来のMSC140は、ブロック722において、周知の手法に従って、セルラー呼び出しを開始する。ブロック730において、二重モード加入者装置130は、ブロック710において既に受け入れられていれば、その呼び出しを自動的に受け入れる。また、ブロック730において、二重モード加入者装置130は、着信セルラー音声呼び出しを以前受信したSIP開始要求に相関させる。二重モード加入者装置130は、ブロック732において、セルラー呼び出し受け入れで応答する。その次に、従来のMSC140は、ブロック734において、媒体ゲートウェイ340に対してANMで応答する。媒体ゲートウェイ340は、ブロック736において、ANMメッセージ情報を有するIPメッセージで、ソフトスイッチ344に応答する。これらのPSTNブロックは、上述のSIPブロックの前、後、またはそれと並行して生じてもよい。
【0126】
ところで、ソフトスイッチ344は、ブロック724において、VoIP電話156に対してSIP呼び出し指示メッセージで応答する。ソフトスイッチ344は、ブロック726において、第1の接続作成メッセージを媒体ゲートウェイ340へ送出する。第1の接続作成メッセージは、媒体ゲートウェイ340に対して、ブロック728およびその後のブロック742において使用されるVoIP音声パスに資源を割り当てるように命令する。本例では、MGCPを使用しているが、メガコまたは他の媒体ゲートウェイ制御プロトコルのような他のプロトコルも使用できる。論理的な意味で、媒体ゲートウェイ340は、ブロック728において、媒体ゲートウェイ340からVoIP電話156への一方向のVoIP音声搬送パスを確立し、パケットが媒体ゲートウェイ340からVoIP電話156へと流れ始める。
【0127】
ブロック736において送出されたIP ANM メッセージに応答して、ソフトスイッチ334は、ブロック738において、SIP OKメッセージをVoIP電話156へ送出する。ソフトスイッチ344は、ブロック740において、第2の接続作成メッセージを媒体ゲートウェイ340へ送出する。第2の接続作成メッセージは、媒体ゲートウェイ340に対して、使用するPCMに資源を割り当てて、音声接続を確立するように命令する。ブロック744において、電話チャンネルが割り当てられ、レッグ342C,342D,および342Eを使用するなどして、媒体ゲートウェイ340からPSTN106を通って二重モード加入者装置130への双方向音声パスが確立される。ブロック741において、ソフトスイッチ344は、接続修正メッセージを媒体ゲートウェイ340へ送出して、以前に作成された2つの終点を接続することと、例えばIP符号化およびPCM符号化音声信号伝達間での変換などといった、媒体変換を必要に応じて行うこととを命令する。ブロック742において、媒体ゲートウェイ340からVoIP電話156への双方向VoIP音声搬送パスが確立されており、よって、VoIP電話156から二重モード加入者装置130への音声リンクが完成する。注意すべきなのは、媒体ゲートウェイ340からVoIP電話156へのVoIPパスは、効率的なパス上でパケットを搬送でき、これらのパケットは、ソフトスイッチ344へ入力される必要がない。
【0128】
図15は、ソフトスイッチと、従来のMSCとの間の媒体ゲートウェイを使用する、図6に示すようなシステムにおけるWLANの外に現在存在する二重モード加入者装置への呼び出しを従来の電話が開始する場合の呼び出しフロー例を示す。説明するブロックの特定の順序は、システム要件および呼び出しフローに対する影響を考慮して、様々なものとなりうる。
【0129】
ブロック746において、従来の電話158などのPSTN装置は、二重モード加入者装置130のPBX電話番号を指定するPOTS呼び出し開始をPSTN106へ送出する。ブロック748において、PSTN106(従来の電話158の代わりとなる)は、二重モード加入者装置130をそのPBX電話番号で特定するISUP IAM(または、使用するプロトコルによっては他の呼び出し開始メッセージ)を送出する。ブロック750において、ソフトスイッチ344は、ISUP ACMで応答する。ブロック752において、PSTN106は、POTS呼び出し中指示を従来の電話158へ送出する。
【0130】
ブロック754において、ソフトスイッチ344は、ユーザが規定した設定および登録情報などの二重モード加入者装置130に関連した呼び出し処理情報を再検討する。ソフトスイッチ344は、セルラーネットワーク内の二重モード加入者装置130と接触することを決定する。ブロック756において、ソフトスイッチ344は、SIP開始要求メッセージを、図6のパス150などのセルラーネットワークのデータ搬送パス上で二重モード加入者装置130へ送出する。ブロック758において、加入者装置は、SIP 180 RINGINGなどのSIP呼び出し中指示メッセージを送出することによって応答する。ブロック760において、二重モード加入者装置130は、呼び出しを受け入れる。別の場合には、この応答は自動的に行われ、呼び出しは、呼び出しフロー内の他のある時点において二重モード加入者装置130によって受け入れられる。いずれの場合においても、二重モード加入者装置130は、ブロック762においてSIP OKメッセージ(SIP 200 OKなど)をソフトスイッチ344へ送出することによって応答する。
【0131】
媒体ゲートウェイ340に対して、音声搬送トラフィックチャンネルを開始するように命令するために、ソフトスイッチ344は、IPメッセージを作成して、レッグ342Aおよび342Bなどにより、IPネットワーク上で媒体ゲートウェイ340へ送信する。メッセージは、セルラー電話番号によって指定された二重モード加入者装置130へのセルラーネットワーク上での呼び出し開始を示す。このように、ブロック764において、ソフトスイッチ344は、二重モード加入者装置130をそのセルラー電話番号によって指定するIP形式のIAMメッセージを、IPバックボーン108上で媒体ゲートウェイ340へ送出する。
【0132】
ブロック766において、媒体ゲートウェイ340は、IPメッセージおよび信号を、呼び出し確立試行に変換して、レッグ342Cなどにより、標準的なPSTN信号伝達を使用して、従来のMSC140へ送出する。ブロック768において、従来のMSC140は、ISUP ACMで応答する。メッセージは、媒体ゲートウェイ340によって受信され、ブロック770において、媒体ゲートウェイ340は、対応するIP上のACMメッセージをソフトスイッチ344へ送信する。
【0133】
ブロック766に応答して、従来のMSC140は、ブロック772において、セルラー呼び出しを周知の手法に従って開始する。ブロック774において、二重モード加入者装置130は、呼び出しフローにおいて以前に既に受け入れられていれば、その呼び出しを自動的に受け入れる。また、ブロック774において、二重モード加入者装置130は、着信セルラー音声呼び出しをSIP開始要求に相関させる。二重モード加入者装置130は、ブロック776において、セルラー呼び出し受け入れで応答する。その次に、従来のMSC140は、ブロック778において、媒体ゲートウェイ340に対してISUP
【0134】
ANMで応答する。媒体ゲートウェイ340は、ブロック780において、ANMメッセージ情報を有するIPメッセージで、ソフトスイッチ344に応答する。応答して、ソフトスイッチ344は、ブロック782において、ISUP ANMをPSTN106へ送出する。これらのPSTNブロックは、上述のSIPブロックの前、後、またはそれと並行して生じてもよい。
【0135】
ソフトスイッチ344は、ブロック784において、媒体ゲートウェイ340に対して、各PCM呼び出しレッグの終点について資源を割り当てるように指示する接続作成メッセージを送出する。ブロック782に応答して、PSTN106は、ブロック782において、POTS呼び出しレッグが確立されたことを示す。ブロック788において、ソフトスイッチ344は、媒体ゲートウェイ340に対して、2つの以前割り当てられたPCM音声パス終点を互いに接続するように命令する接続修正コマンドを送出する。ブロック790において、電話チャンネルが割り当てられ、レッグ342C,342D,および342Dを使用するなどして、媒体ゲートウェイ340からPSTNを通って二重モード加入者装置130への双方向音声パスが確立されることにより、従来の電話158から二重モード加入者装置130への音声リンクが完成する。
【0136】
上記のように、パス152上の着信音声呼び出しを示すSIP信号伝達メッセージをパス150上で受信した場合に、二重モード加入者装置130は、上述のブロック520,560,730,および774に関して説明したようなメッセージ情報を着信音声呼び出しに相関させる。この相関を促進させるには、いくつかの機構を使用することが可能である。一実施形態において、ソフトスイッチ134は、標準的なPSTN機構に従って、一連の発信番号を割り当てる。ソフトスイッチ134からパス152を通って呼び出しが確立される場合、割り当てられた発信番号群から1つの番号が呼び出しに対して割り当てられ、標準的な発呼者ID手法に従ってパス152上を送信される。二重モード加入者装置130は、当該番号を、ソフトスイッチ134から生じたものであると認識し、よって、この呼び出しを最近受信されたまたはその次に受信されたSIP信号伝達メッセージに相関させる。一実施形態において、加入者装置は、呼び出しが受信されるときに送信されるSIP信号伝達メッセージから、番号群に関する情報を受信する。他の実施形態において、番号は、それ以前のある時に二重モード加入者装置130へ転送されて、二重モード加入者装置130内に記憶される。
【0137】
システム設計によっては、この手法は、呼び出しを誤認する可能性がある。例えば、2つの呼び出しがソフトスイッチから立て続けにルーティングされる場合、呼び出しの識別が二重モード加入者装置内で入れ替わる可能性がある。
【0138】
一実施形態において、ソフトスイッチは、この入れ替えエラーに対する対処を、2つの呼び出しのうちの1つの送信に遅延を挿入することによって行う。例えば、1つの呼び出しを加入者装置へ転送した後で、ソフトスイッチは、選択された保護帯域内で2つの呼び出しが転送されないように、次の呼び出しの送信を遅延させる。
【0139】
他の実施形態において、図4に示す事業者が設けたモデルまたは図6に示す事業者ゲートウェイモデルにおいて、発呼者ID(典型的には、第1および第2の着信音の間に挿入された音として搬送)を、特定の識別子に置き換えることができる。特定の識別子を加入者装置によって使用して、呼び出し開始要求を対応するSIP信号伝達メッセージに正確に相関させることができる。特に、図4および6のアーキテクチャは、PSTN上での送信を回避するという取り組みに向いており、よって、カスタマイズされた動作に対する操作を寄り柔軟に行うことができる。
【0140】
例えば、典型的には、発呼者ID情報は、PSTNと、従来のMSCとの間で、ISUPメッセージ内のフィールドを使用して送信される。ISUPメッセージは媒体ゲートウェイ340または事業者のソフトスイッチ320から生じるので、固有の発呼者ID識別子が挿入できる。二重モード加入者装置130は、この疑似発呼者ID識別子を、二重モード加入者装置へ送出されたSIP信号伝達メッセージ内の識別子に相関させる。このように、従来のセルラー音声レッグと、セッションを開始したSIPメッセージとの間の相関を、より正確に識別することができる。
【0141】
上記のように、応答加入者開始の取り組みを使用することによって、加入者装置に自身の着信呼がソフトスイッチで受信された旨をデータパスを介して通知することができ、応答して、加入者装置は、ソフトスイッチへの再呼び出しを開始する。そのような場合、相関処理は、ソフトスイッチが主に行う。同様に、応答ソフトスイッチ開始手法(図16を参照して後述)を使用すると、相関処理は、加入者装置が主に行う。
【0142】
図16は、応答ソフトスイッチ開始手法を使用するシステムにおける加入者装置130によって実施されるブロックまたは処理のフローチャートである。応答ソフトスイッチ開始手法において、呼び出しがセルラーネットワーク上で二重モード加入者装置130から開始される場合に、二重モード加入者装置130は、セルラーネットワークのデータ搬送パス上で呼び出し開始メッセージを送出する。応答して、ソフトスイッチ134は、被呼者および二重モード加入者装置130へ呼び出しを開始する。その後、ソフトスイッチ134は、2つのレッグを切り換えて、上記と同様に呼び出しフロー手法を使用して音声呼び出しを完了する。
【0143】
図16を再び参照して、呼び出し開始要求がユーザから受信されると、ブロック348においてフローが開始する。例えば、図8に戻って参照して、ユーザは、ユーザインターフェイス412を使用して、キーパッドに電話番号を入力できる。ブロック350において、要求に応答して、コントローラ420は、SIPプロセッサ424に対して、セルラーネットワークのデータ搬送パス上を送出される呼び出し開始メッセージを作成するように命令する。例えば、SIPプロセッサ424は、被呼者および二重モード加入者装置130がどれであるかを特定するSIP開始要求メッセージを作成する。このメッセージは、セルラープロセッサ426によって、セルラーフロントエンド402を使用して、セルラーネットワークのデータ搬送パス上を送出される。
【0144】
ソフトスイッチ134がSIP開始要求メッセージを受信した場合には、ソフトスイッチ134は、二重モード加入者装置130への呼び出しを、二重モード加入者装置130をそのセルラー電話番号によって被呼者であると示すPSTN呼び出し開始メッセージをPSTNへ送出することなどによって開始する。代わりに、ソフトスイッチ134は、媒体ゲートウェイ340のような媒体ゲートウェイへIP符号化メッセージを送出することもできる。また、ソフトスイッチ134は、実際の被呼者への呼び出しを開始して、これらの2つの呼び出しレッグを切り換えて、音声呼び出しを完成させる。その間、二重モード加入者装置130は、ブロック352において、セルラー呼び出し開始メッセージを待つ。
【0145】
セルラー呼び出し開始がセルラーフロントエンド402上で受信されると、セルラープロセッサ426は、コントローラ420へ知らせる。ブロック354において、コントローラ420は、着信呼を以前送出された開始要求と相関させる。一実施形態において、ソフトスイッチ134は、二重モード加入者装置130を発呼者として識別する。例えば、ソフトスイッチ134は、発呼者IDを使用して、発信番号を二重モード加入者装置130へ割り当てられたPBX電話番号として特定し、コントローラ420は、この認識を使用して、相関処理を促進する。相関がうまくいった場合には、コントローラ420は、セルラープロセッサ426に対して、呼び出しを自動的に受け入れるように命令する。コントローラ420は、ユーザインターフェイス412に対して、ユーザが呼び出し開始者である旨をユーザに知らせるように命令する必要はない。実際、多くの場合、応答ソフトスイッチ開始手法が使用されていることにユーザは気づかない。この点で、ソフトスイッチ134は、二重モード加入者装置130と被呼者との間で音声呼び出しが確立されるまで、呼び出しフローを継続する。
【0146】
上記のように、一旦音声呼び出しが確立されると、二重モード加入者装置130は、音声呼び出しを、ソフトスイッチ134へ送出されたSIP信号伝達で制御できる。例えば、ブロック358において、コントローラ420は、電話会議が確立されるように別の発呼者を既存の通話に加える要求をユーザインターフェイス412から受信する。ブロック360において、コントローラ420は、SIPプロセッサ424に対して、SIPメッセージを作成するように命令して、それをセルラーフロントエンド402へ転送して、ソフトスイッチ134へ送信するように命令する。
【0147】
上記のように、インターコムサービスを提供できる。移動中の役員の例に再び戻って、役員は職場内にいる間に自身への電話をマリーに選別してもらう習慣になっており、着信呼が役員のPBX電話番号にある場合はいつでも、役員の居場所に関係なく、まずマリーの電話が鳴るようにシステムを構成していると仮定する。一旦マリーが発呼者と話をすれば、マリーは役員のボブと連絡を取りたいと思うことが多い。マリーは、自身の送受話器上のインターコムボタンを押す(またはそうでなければ、有線または無線装置を使用して、自身の意図をソフトスイッチ134へ信号で知らせる)。ソフトスイッチ134は、二重モード加入者装置130への通常のセルラー呼び出しを開始する(応答加入者発呼手法が使用されていないと仮定する)。また、ソフトスイッチ134は、着信呼がマリーからであり、二重モード加入者装置130はとうがい呼び出しを自動的に受け入れるべきであることを示す並列SIPメッセージを送出する。このように、インターコム機能が始動する。二重モード加入者装置130が自動返答して、音声搬送チャンネルが確立されると、マリーは口頭でボブに対して着信呼を知らせることができる。ボブは、転送を受け入れるかまたは拒絶するかの意思を高等で知らせることができる。代わりに、ボブは、手動で自身の意図を知らせることもできる。マリーは、確立された音声搬送チャンネルを使用して、転送を実現することができる。
【0148】
図2は単一のWLANを含むシステムの実施例を示すが、システムは、複数の有線または無線LANを容易に含むことが可能である。例えば、ある企業が2つの互いに異なる敷地を有し、それぞれが独自のWLANを有する場合、またはユーザが家庭に設置された有線または無線LANを有する場合がある。ソフトスイッチは、2つの場所のうちの1つにあるか、もしくはセントレックスモデルまたは事業者中心モデル内にあるかに関わらず、加入者装置が第1のWLANの受信可能領域を離れて、その後第2のWLANの受信可能領域へ入るにつれて、上述したのと同一のやり方で呼び出しルーティングを提供できる。同一のやり方で、事業者中心モデルは、異種のネットワークからのユーザを受け入れるのに向いている。例えば、場所Aにある会社Aに対するWLANサービスと、場所Bにある会社Bに対するWLANサービスとを事業者が提供している場合、場所BにあるWLANの受信可能領域内にある会社Aに関連付けられた加入者装置は、WLAN上でサービスの提供を受けてもよい。
【0149】
二重モード加入者装置がセルラー受信可能領域にあるとき、IP搬送セルラーデータパス(図2のパス150など)が使用可能でない場合は、SIPメッセージを、従来のセルラー音声搬送パス(図2のパス152など)上で送信される簡易メッセージサービス(SMS)を使用して、音声搬送パス(図2のパス152など)上で送出してもよい。加えて、帯域内デュアルトーンタ周波数(DTMF)信号伝達またはコンピュータモデムトーンを使用して、SIP信号伝達を、音声搬送パス上でセルラーネットワークを通じて行うこともできる。
【0150】
一実施形態において、セルラー事業者は、IP搬送セルラーデータパス(図2のパス150など)に沿った任意の箇所において、例えばSGSNまたはGGSNノードにおいて、SIPメッセージを復号化することを選択してもよい。一旦識別されると、これらのメッセージは、所望どおりに優先することも遅延させることもできる。
【0151】
代わりに、遠隔ユニットをWLAN内で動作するように構成しない。SIP機能は、WLANまたは無線構内情報通信網さえも実装することなく、上述のようにセルラーシステムに渡って拡張することができる。
【0152】
従来の基地局に比べてはるかに限定的な受信可能領域を提供するマイクロセルラー基地局を構築するための民間の試みが数多くなされてきている。これらのマイクロセルラー基地局は、室内における解決策として販売されている。本明細書において説明したシステムおよび方法をそのようなマイクロセルラーシステムに組み込んで、SIP機能をマイクロセルラーシステムに対して提供することができる。
【0153】
セルラーネットワークを拡張して802.11ネットワークのようにみえるものを構築する民間の試みがいくつかなされてきている。これらのアーキテクチャでは、セルラーネットワークをコアとして指定し、各WLANを他の単なる基地局として扱う。これらのアーキテクチャにおいては、典型的には、MSCを全領域についての中央情報機関として指定する。多くのMSCおよびSGSNは、典型的には約100個といった限られた数の基地局を処理するように設計されているので、アーキテクチャは、実際のシステムにおいて収容する必要がある数千のWLANサイトを収容するように拡大することができない。これらのアーキテクチャは、802.11のインフラストラクチャからSIP機能を奪い、機能の低い従来のセルラーインフラストラクチャのように見えるように構成している。これらのアーキテクチャでは、ファイバ、DSL、ケーブル、または固定無線などの扱いにくいラストマイルの搬送手段を使用してWLANをコアに接続する必要があることが多い。対照的に、上述のアーキテクチャによれば、セルラーシステムは、VoIPネットワークのラストマイルとしての役割を果たし、SIP機能を提供する。
【0154】
数多くの代替実施形態が、当業者には容易に明らかであろう。例えば、図18は、補助ソフトスイッチを実装するネットワークを示すネットワーク図である。図18の機能を理解するために、図6と対照してみる。図6において、ソフトスイッチ344は、図14および15の呼び出しフローに示すような媒体ゲートウェイ340を直接制御する。図18によれば、補助ソフトスイッチ346は、ソフトスイッチ344を従来のMSC140へ結合させる。補助ソフトスイッチ346には、図5に示す媒体ゲートウェイコントローラ164と同様の媒体ゲートウェイコントローラが含まれる。よって、ソフトスイッチ344は、標準のVoIP信号伝達および伝送を使用して、補助ソフトスイッチ346を使用してセルラー音声搬送呼び出しを開始することができる。補助ソフトスイッチ346は、IPからPSTNへの音声ゲートウェイとして機能するのに自己充足しており、IP信号伝達および伝送をパス342C上で従来のMSC140と通信を行うのに必要な従来のプロトコルに変換する。本実施形態の利点と思われることの1つは、そうでなければソフトスイッチ344と、媒体ゲートウェイ340との間で生じるであろう追加の媒体ゲートウェイ制御メッセージ伝達を回避することによって、従来のセルラー音声チャンネル呼び出し設定時間が削減されることである。他の利点は、同一の追加のメッセージ伝達を回避することによる、ソフトスイッチ344への負担が軽減されることである。さらに他の利点は、補助ソフトスイッチ346によって処理される接続の呼び出し状態および資源状態を維持する必要がないので、ソフトスイッチ344における資源の使用が軽減されることである。さらに他の利点は、補助ソフトスイッチ346を実施するのに特に使用される設備およびソフトウェアの選択が、ソフトスイッチ344を実施するのに使用される設備およびソフトウェアの選択とは独立していることである。補助ソフトスイッチ346は、ソフトスイッチ344と、従来のMSC140と共に、単独で相互使用できるので、より成熟した、ベンダーを問わない標準的なVoIPおよびPSTNプロトコルを補助ソフトスイッチ346において使用できる。
【0155】
図19は、アイドルハンドオフに関する二重モード加入者装置の動作を示す状態図である。アイドルハンドオフは、二重モード加入者装置がアイドルモード(例えば、進行中の有効な呼び出しがない場合)である場合に、主要な制御チャンネルと、二重モード加入者装置の動作の1つのモードを決定する機構である。図19は、登録処理を示すフローチャートである図9を補完するものである。
【0156】
二重モード加入者装置130のような二重モード加入者装置に電力が投入されると、初期状態900となる。一実施形態において、二重モード加入者装置130は、まず、WLANからの信号を取得しようとして、WLAN上での動作が動作の1つのモードとなる。二重モード加入者装置130がWLAN信号を取得した場合には、二重モード加入者装置130は、状態902へ遷移して、例えばSIP登録メッセージまたは登録更新メッセージを使用して、WLAN132によってソフトスイッチ134に登録する。一実施形態において、登録は、二重モード加入者装置130に関連したIPアドレスに基づいて行われる。ソフトスイッチ134は、二重モード加入者装置130に関連したホーム局であってもよいし、またはホストスイッチ支援ローミングであってもよい。ソフトスイッチがホストソフトスイッチである場合には、その結果として、登録メッセージを転送または作成して、加入者装置のホームソフトスイッチへ送信してもよい。ホームソフトスイッチは、その後、単純な登録確認を示すメッセージでホストソフトスイッチへ応答するか、または、他の実施形態においては、加入者装置に対応する性能および許可された機能に関する追加の情報と共に応答してもよい。
【0157】
上記のように、一実施形態において、WLAN上での動作の方が、セルラーネットワークにおける動作よりも好都合である。この場合に、登録によって、0.9などの高いQパラメータのコンタクトヘッダを指定する。Qパラメータは、標準的なSIPシステムにおいて優先度を確立する随意の機構である。ソフトスイッチは、優先度を示す何らかの値またはパラメータを記憶してもよい。代替実施形態において、ネットワークがWLANよりも好都合であってもよい。
【0158】
二重モード加入者装置130は、セルラーネットワーク141などの広域ネットワークを取得するか、電源が切られるか、WLANとの接続を失うか、ドックに入るか、または登録取り消しが要求されるまでは、状態902のままでいる。図19に示すように、二重モード加入者装置がセルラーネットワーク141を検出した場合には、二重モード加入者装置130は、状態904へ遷移して、例えばSIP登録メッセージまたは登録更新メッセージを使用して、セルラーネットワーク141によって、データ搬送パスにより、ソフトスイッチ134に登録する。代わりに、登録は、WLAN上で送出されることも可能である。二重モード加入者装置130は、そのセルラー電話番号、そのIPアドレス、または他の識別子を指定することによって登録してもよい。WLAN上での動作が好都合である場合には、セルラーシステム上での動作のQパラメータをWLANの動作のQパラメータより低く設定する。例えば、セルラーシステム上での動作のQパラメータを0.1に設定する。典型的には、この登録は、通常のセルラー動作に従って二重モード加入者装置が直接セルラーネットワークに行う任意の登録に追加されるものである。セルラーネットワークインフラストラクチャへの登録は、音声搬送パスに関連したオーバヘッドチャンネルを介して、または別個の制御チャンネルを介して生じてもよい。二重モード加入者装置がセルラーシステムの受信可能領域外に移動した場合には、状態902へ遷移する。二重モード加入者装置は、ソフトスイッチおよびセルラーネットワークインフラストラクチャへの登録取り消しを行ってもよい。そのようなことが生じやすいのは、WLANサービスは提供されているがセルラーサービスは浸透できない大きなビルにユーザが入る場合である。
【0159】
二重モード加入者装置がWLANの受信可能領域外へ移動した場合には、状態904から状態906へ遷移する。この場合、二重モード加入者装置は、セルラーネットワークのデータ搬送パス上でのWLAN登録を取り消すか、または現在装置が存在するWLAN上での登録を取り消してもよい。初期状態900から、二重モード加入者装置130がまずセルラーネットワークを取得したバアには、状態906へ遷移する。状態904から状態908への単一の接続が図19には示してあるが、状態902,904,または906のいずれの状態から電源が切られると、二重モード加入者装置は、状態908に入って、セルラー登録およびWLAN登録の両方を取り消す。これらの登録取り消し処理は、セルラーネットワークのデータ搬送パス、WLAN、またはこれらの組み合わせ上で実行されてもよい。一旦登録されると、二重モード加入者装置は、断続的にそのセルラーネットワークとWLAN登録を更新して、ソフトスイッチ内で常に最新であるようにする。
【0160】
二重モード加入者は、有効な呼び出し中に、WLANの受信可能領域内からWLANの受信可能領域外へ移動することがある。呼び出しの中断を回避するために、ハンドオフ機構をシステムに搭載可能である。システムの一実施形態においては、WLANからセルラーネットワークへのハンドオフが提供され、セルラーネットワークからWLANへのハンドオフは提供されない。他の実施形態においては、WLANと、セルラーネットワークとの間のハンドオフが、各方向において提供される。
【0161】
図20は、WLANからセルラーネットワークへのハンドオフを示す呼び出しフローである。そのようなハンドオフは、ユーザがWLANによってカバーされたホーム構内を退出する場合に使用されうる。図20において、図面の効率性のために、遠端接続は示していない。なぜなら、遠端ユーザに関する動作に対して変更は生じないからである。
【0162】
図20において、音声接続が二重モード加入者装置130との間でWLAN132上で生じる。図20において、点線矢印は、WLAN上を送信される信号伝達を示す。実線矢印は、セルラーネットワーク上を送出される信号伝達を示す。
【0163】
図20のブロック910〜916を介して、呼び出しが二重モード加入者装置130に対して行われるが、二重モード加入者装置130が呼び出しを確立すれば、ハンドオフ機構も等しく適用される。ブロック910において、ソフトスイッチ134は、例えばSIP開始要求メッセージを、WLAN132上で二重モード加入者装置130へ送出する。ブロック912において、二重モード加入者装置130は、SIP呼び出し中指示を送出することによって応答する。二重モード加入者装置130は、呼び出しを受け入れて、ブロック914においてSIP OKメッセージをソフトスイッチ134へ送り返すことによって応答する。ブロック916において、双方向VoIP音声チャンネルが、二重モード加入者装置130と、ソフトスイッチ134との間でWLAN132上で確立される。
【0164】
ブロック918において、二重モード加入者装置130は、セルラーシステムへのハンドオフが保証されると決定する。この決定は、いくつかのやり方のうちの1つで行われうる。一実施形態において、二重モード加入者装置130は、自動利得制御(AGC)値または受信信号強度指標(RSSI)などのWLAN信号強度パラメータを監視する。他の実施形態において、二重モード加入者装置130は、パケット誤り率、信号対雑音比、または他のリンク品質指標を監視してもよい。さらに他の実施形態において、二重モード加入者装置130は、最大許容データ速度、現在のデータ転送速度、または他のリンク動作パラメータを監視してもよい。さらに他の実施形態において、二重モード加入者装置130は、これらのパラメータのうちのいくつかを使用して、適切なハンドオフトリガを決定する。
【0165】
代わりに、ソフトスイッチ134が適切なハンドオフトリガを決定する。例えば、ソフトスイッチは、性能パラメータを直接またはアクセスポイントから情報を収集することによって監視できる。この場合に、ソフトスイッチ134は、セルラー接続を自身からの誘因で開始し、例えばSIP開始要求または登録要求メッセージを送出して、二重モード加入者装置130に対してハンドオフを通知する。
【0166】
さらに他の代替実施形態において、WLANアクセスポイントがハンドオフトリガを監視して、ハンドオフ要求指示を関連するソフトスイッチに生じさせる。アクセスポイントは、信号強度、リンク品質、またはリンク動作パラメータを含む加入者装置と同じ種類のパラメータを監視できる。
【0167】
特定のアクセスポイント(またはアクセスポイントの特定のセクタ)を通じての通信を使用して、ハンドオフをトリガできる。例えば、特定のアクセスポイントの受信可能領域は、出入口周辺、受け付け場所内、または駐車場内などの構内の出口ポイントにあってもよい。通信がこれらの出口領域のアクセスポイントに転送された場合に、二重モード加入者装置130またはソフトスイッチ134がセルラーシステムへのハンドオフを開始する。
【0168】
いずれの場合にも、図20において、ブロック918において、二重モード加入者装置130は、セルラーネットワークへのハンドオフが適切であると決定する。応答して、二重モード加入者装置130は、ブロック920において、SIP登録を送出する。図20において、ブロック920についての信号伝達は点線で示されており、信号伝達がWLAN132上で送出されることを示す。しかしながら、信号伝達は、セルラーネットワーク141のデータ搬送パス上でも同様の効果を有して送出可能である。
【0169】
WLAN132からの音声ストリームをセルラーネットワーク141の音声搬送パスへ遷移させるために、PCM音声接続が、セルラーネットワーク141の音声搬送パス上で確立される。セルラー音声接続は、音声搬送トラフィックのハンドオフが生じる前に、開始可能であり、かつ、さらには完全に確立可能である。SIPメッセージは、セルラー音声接続の開始より前、後、またはそれと同時に生じてもよい。
【0170】
これらの順序付けオプション間の選択は、二重モード加入者装置130のアーキテクチャに左右されてもよい。図8を再び参照して、WLANフロントエンド400と、セルラーフロントエンド402は、アンテナなどのいくつかの共通の要素を共有してもよい。そうであれば、2つのパスが、スイッチまたはカプラを使用して結合されてもよい。スイッチが、RF電力をWLANフロントエンド400またはセルラーフロントエンド402のいずれかに接続するが、一般的には、両方のフロントエンド要素をアンテナに同時に接続することはできない。カプラ、ダイプレクサ、デュプレクサ、または他の電力共有機構を使用する場合は、同時動作が可能であり、システム設計者は、音声性能の最大の利点をブロックに指示することが寄り自由にできる。一般的に、カプラを使用すると、直流電力要件が増加し、加入者装置の感度が低下するので、この理由で、スイッチが好都合かもしれない。図20において、加入者装置は、同時動作が完全に可能である。
【0171】
SIP登録に応答して、ブロック922において、ソフトスイッチ134は、SIP開始要求メッセージ(SIP re−INVITEなど)を二重モード加入者装置130へ送出する。図20において、ブロック922および924についての信号伝達は、点線で示されており、信号伝達がWLAN132上で送出されることを示す。しかしながら、信号伝達は、セルラーネットワーク141のデータ搬送パス上でも同一の効果で送出できる。また、ソフトスイッチ134は、ブロック926において、セルラーネットワークの音声搬送パス上での音声接続を確立するために、二重モード加入者装置130をそのセルラー電話番号によって特定するISUP IAMをPSTN106へ送出する。ブロック928において、二重モード加入者装置130の代わりとなるPSTN106は、ACMで応答する。ブロック928に応答して、PSTN106は、ブロック930において、セルラー呼び出し開始を送出する。ブロック932において、二重モード加入者装置130は、呼び出しを自動的に受け入れる。また、ブロック932において、二重モード加入者装置130は、着信セルラー音声呼び出しを、進行中のWLAN音声呼び出しと相関させる。二重モード加入者装置130は、ブロック934において、セルラー呼び出し受け入れで応答する。ブロック936において、PSTN106は、セルラー呼び出し受け入れに対して、ISUP ANMで応答する。上述のように、これらのPSTNブロックは、SIP関連ブロックの前、後、またはそれと並行して生じてもよい。
【0172】
ブロック938において、標準の音声チャンネルがソフトスイッチ134から二重モード加入者装置130へ、セルラーネットワーク141の音声搬送パス上で確立される。まだそうなっていない場合には、ブロック940および942において、ソフトスイッチ134と、二重モード加入者装置130とは、それぞれ、セルラーネットワーク141上で音声信号の送受信を開始する。一実施形態において、ブロック940および942は、ソフトスイッチ134がPCMフレームをセルラーネットワーク141上で受信開始すると生じる。ソフトスイッチ134は、WLAN132またはセルラーネットワーク141上で、スイッチ指示を二重モード加入者装置130へ送出することができる。代わりに、二重モード加入者装置130は、PCMフレームの受信またはVoIPパケットの譲与を利用して、スイッチをトリガすることができる。
【0173】
代わりに、応答加入者発呼手法(上述)を使用して、呼び出し接続を確立することもできる。一実施形態において、応答加入者発呼手法を使用すれば、ブロック920におけるSIP登録の送信は必要ない。ブロック918のハンドオフ決定に応答して、二重モード加入者装置130は、ソフトスイッチ134への呼び出しを、セルラーネットワーク141の音声搬送パス上で開始する。ソフトスイッチ134は、有効な音声呼び出しに参加している二重モード加入者装置からのWLAN132上での着信セルラー呼び出しの受信を、ハンドオフを開始するためのトリガとして使用する。ソフトスイッチ134は、並列SIP信号伝達の使用の有無を問わず、呼び出し接続を切り換え可能である。
【0174】
図21は、セルラーネットワークからWLANへのハンドオフを示す呼び出し麩ローズである。そのようなハンドオフは、セルラーネットワークの音声搬送パス上の音声呼び出しが確立している間に、ユーザがWLANによってカバーされた自身のホームに入る際に使用できる。図21において、点線矢印は、WLAN上を送信された信号伝達を示す。直線矢印は、セルラーネットワーク上を送出された信号伝達を示す。
【0175】
図21において、遠端接続は示していない。なぜなら、遠端ユーザに関する動作に対して変更は生じないからである。セルラー受信可能領域がWLANの受信可能領域内で充分であれば、セルラーシステムからWLANへのハンドオフは、厳密には必要ない。
【0176】
図21におけるブロック950において、セルラーネットワークの音声搬送パス上で標準的なセルラー音声チャンネルが確立されている。その後、二重モード加入者装置130が、WLAN132の受信可能領域に入った。一旦二重モード加入者装置130がWLAN信号を取得すると、二重モード加入者装置130は、1つまたはそれ以上のパラメータ(図20に関して先に説明したようなものなど)を監視して、ハンドオフが生じるべきかを決定する。これらのパラメータは、セルラーネットワークと、WLANとの間の急速で連続的なハンドオフを避けるようにして選ばれるべきである。例えば、二重モード加入者装置130は、出口領域のアクセスポイントの受信可能領域への遷移を使用して、セルラーシステムへのハンドオフをトリガする場合には、WLANへのハンドオフを生じさせる前に、出口領域でないアクセスポイントを取得するまでは待つようにしてもよい。代わりに、二重モード加入者装置130またはソフトスイッチ134は、トリガ用のパラメータがヒステリシスレベルを超えるまで待つようにしてもよく、ヒステリシスレベルは、登録中に取り決めてもよい。ソフトスイッチ134がハンドオフの適切な時間を決定した場合には、SIP re−INVITEまたは登録要求メッセージなどを送出して、二重モード加入者装置130に知らせる。
【0177】
この場合、図21のブロック952において、二重モード加入者装置130がWLAN132へのハンドオフが保証されると決定したと仮定する。ブロック954において、二重モード加入者装置130は、SIP登録メッセージをソフトスイッチ134へ送出する。応答して、ソフトスイッチ134は、ブロック956において、SIP re−INVITEを二重モード加入者装置130へ送出する。ブロック958において、二重モード加入者装置130は、SIP OKメッセージで応答する。SIP OKメッセージまたは他の取り決められたまたはあらかじめ規定されたトリガに応答して、ソフトスイッチ134および二重モード加入者装置130は両方共、ブロック960において、WLAN132上で音声の送出を開始する。ブロック962において、ソフトスイッチ134および二重モード加入者装置130は両方共、セルラーネットワーク141の音声搬送パス上の音声パスを解放する。
【0178】
図20および21に関して説明したSIPメッセージ伝達は、他の図面のうちのいくつかに対してもそうであるが、SIPプロトコル規格とは異なっていてもよいし、それを拡大したものであってもよい。標準的な動作に対する変更も可能である。なぜならば、ソフトスイッチ134および二重モード加入者装置130は両方共、本発明の実施形態に係る動作を提供するために特に設計されたものであり、カスタマイズされたメッセージ伝送を扱うように設計可能である。標準的なSIPシステムへ転送される標準的でないメッセージも、ソフトスイッチ134によって変換可能である。
【0179】
特に、標準的なSIP INVITEまたはre−INVITEメッセージは、セッション記述プロトコル(SDP)を含む。SDPは、ストリーミングされた媒体の形式、タイミング、および発信元を指定する。SDPは、SIPメッセージ伝達を使用して確立すべき対話を記述する手段である。SDP内では、「c」フィールドを使用して、ネットワークの種類、接続の種類、および接続アドレスが確立される。現在、IPアドレスのようなインターネット接続型のみがサポートされている。一実施形態において、値の新たな組がPOTSシステムに対応して確立されて、セルラー電話を指定する。
【0180】
図22は、ハンドオフ処理2200のフローチャートであって、無線二重モード加入者装置130を無線システム100内の無線ホスト装置10へ登録するハンドオフ機構の一実施形態であって、本発明の一実施形態に従って構成および動作可能である。ハンドオフ処理2200は、WLANアクセスをパーソナル移動通信システム(PCS)ネットワークよりも好都合なものとして示す。セルラーおよびPCSシステムは、本実施形態例においては、交換可能に使用されてもよいことが当業者に理解される。ブロック2202において、二重モード加入者装置130は、WLANを検索する。判断ブロック2204においてWLANを検出した場合には、SIPプロセッサ424は、ブロック2206において、SIP INVITEなどのSIP登録メッセージをWLAN上でソフトスイッチ134へ送出して、フローはブロック2214へ続く。
【0181】
判断ブロック2204において新たなWLANが見つからなかった場合には、二重モード加入者装置130は、ブロック2208において、セルラーまたはPCSネットワークを検索する。新たなセルラーまたはPCSネットワークが検出された場合には、二重モード加入者装置130がブロック2212においてセルラーネットワークに登録するには、互いに異なる多数のやり方がある。一実施形態において、セルラープロセッサ426は、ソフトスイッチ134への呼び出しを開始して、SIP INVITEなどのSIP登録メッセージを送出する。ソフトスイッチ134は、SIP登録メッセージをセルラーネットワークから受信して、ハンドオフが生じたことを認識し、WLAN接続を切断する。他の実施形態において、一実施形態において、二重モード加入者装置130は、SIP INVITEなどのSIP登録メッセージを既存のWLAN接続上で送出して、ソフトスイッチ134に対して、二重モード加入者装置130への呼び出しを開始したことを伝える。その後、ソフトスイッチ134は、二重モード加入者装置130を呼び出し、二重モード加入者装置130は呼び出しに応えて、以前の既存のWLAN接続を切断する。本実施形態において、ソフトスイッチ134は、ハンドオフが生じたことを知る必要はなく、新たな呼び出しが開始されたことだけを知る。フローはブロック2214へ継続する。ネットワークが検出されなければ、フローはブロック2202へ戻る。
【0182】
ブロック2214において、二重モード加入者装置130は、ソフトスイッチ134が、SIP 100 TRYINGなどの、ソフトスイッチ134が呼び出しを生じさせようと試行していることを示す受領確認メッセージで応答することによって登録メッセージを受信したかどうかを決定する。受領確認が受信されなければ、フローはブロック2202へ戻る。そうでなければ、フローはブロック2216へ続き、二重モード加入者装置130は、WLANまたはセルラーネットワークの監視を継続する。装置130は、ブロック2218において、WLANまたはセルラーネットワークの受信可能領域に留まっている間、上述のように、ブロック2216において、ネットワークの品質を監視する。ネットワークの品質が低下した場合(例えば、装置130が受信可能領域を離れた場合、またはそうでなければ信号品質が低下した場合)、装置130は、ブロック2202において、新たなWLANの検索を開始する。
【0183】
図23は、代替ハンドオフ処理2300のフローチャートであって、無線二重モード加入者装置130を無線システム100内の無線ホスト装置10へ登録するハンドオフ機構の一実施形態であって、本発明の一実施形態に従って構成および動作可能である。ハンドオフ処理2300は、セルラーまたはパーソナル移動通信システム(PCS)ネットワークをWLANよりも好都合なものとして示す。上述したように、セルラーおよびPCSシステムは、本実施形態例においては、交換可能に使用されてもよいことが当業者に理解される。
【0184】
ブロック2302において、二重モード加入者装置130は、セルラーまたはパーソナル移動通信システム(PCS)ネットワークを検索する。判断ブロック2304においてそのようなネットワークを検出した場合には、セルラープロセッサ426は、ブロック2306において、セルラーネットワークに登録する。二重モード加入者装置130がセルラーネットワークに登録するには、互いに異なる多数のやり方がある。一実施形態において、二重モード加入者装置130は、ソフトスイッチ134への呼び出しを開始して、SIP INVITEなどのSIP登録メッセージを送出する。ソフトスイッチ134は、SIP登録メッセージをセルラーネットワークから受信して、ハンドオフが生じたことを認識し、WLAN接続を切断する。他の実施形態において、一実施形態において、SIPプロセッサ424は、SIP INVITEなどのSIP登録メッセージを既存のWLAN接続上で送出して、ソフトスイッチ134に対して、二重モード加入者装置130への呼び出しを開始したことを伝える。その後、ソフトスイッチ134は、二重モード加入者装置130を呼び出し、二重モード加入者装置130は呼び出しに応えて、以前の既存のWLAN接続を切断する。本実施形態において、ソフトスイッチ134は、ハンドオフが生じたことを知る必要はなく、新たな呼び出しが開始されたことだけを知る。フローはブロック2314へ継続する。
【0185】
ブロック2304において新たなネットワークが検出されなければ、二重モード加入者装置130は、ブロック2308において、WLANを検索する。WLANが検出されると、二重モード加入者装置130は、WLANとの接続を確立する。ブロック2312において、SIP INVITEなどのSIP登録メッセージが、WLAN上をソフトスイッチ134へ送出され、フロー張ブ2314へ続く。ネットワークが検出されなければ、フローはブロック2302へ戻る。
【0186】
ブロック2314において、二重モード加入者装置130は、ソフトスイッチ134が、SIP 100 TRYINGなどの、ソフトスイッチ134が呼び出しを生じさせようと試行していることを示す受領確認メッセージで応答することによって登録メッセージを受信したかどうかを決定する。受領確認が受信されなければ、フローはブロック2302へ戻る。そうでなければ、フローはブロック2316へ続き、二重モード加入者装置130は、WLANまたはセルラーネットワークの監視を継続する。装置130は、ブロック2318において、WLANまたはセルラーネットワークの受信可能領域に留まっている間、上述のように、ブロック2316において、ネットワークの品質を監視する。ネットワークの品質が低下した場合装置130は、ブロック2302において、新たなセルラーネットワークの検索を開始する。
【0187】
開示された実施形態の上記説明は、当業者が本発明を作成または使用できるように提供されている。これらの実施形態に対する様々な修正が、当業者には容易に明らかであり、本明細書において規定された原理は、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施形態に適用可能である。よって、本発明は、本明細書に示す実施形態に限定されることが意図されてはおらず、本明細書において開示された原理および新規の特徴と整合性のある最も広い範囲が与えられるべきものである。
【技術分野】
【0001】
背景
関連出願
本出願は、2003年3月12日に出願された米国特許仮出願第60/454877号の利益を主張する。
【0002】
関連出願の説明
本発明の局面は、通信ネットワークに関し、移動可能な無線音声およびデータ通信ネットワークに関する。
【背景技術】
【0003】
関連出願の説明
平均的なビジネスの専門家は、卓上電話で使用可能な広範にわたる機能に慣れ親しんでいる。しかしながら、仕事場から離れているときには、たとえ携帯電話を所持しているとしても、これらの機能を使用することができない。単純な電話転送を使用して、卓上電話にかかった電話を、代わりに携帯電話で受信するように別ルートで送出することができる。しかしながら、この単純な転送機構は、ユーザに対して、卓上で慣れ親しんだ機能を提供するものではない。
【発明の概要】
【0004】
概要
本発明のシステムおよび方法は、いくつかの特徴を有し、そのいずれもが、単独でその属性の要因となるものではない。後述の請求項に表された本発明の範囲を限定することなく、そのより顕著な特徴をこれから簡単に説明する。この開設を検討した後、特に「詳細な説明」という表題の節を読んだ後には、本システムおよび方法の特徴が従来の通信システムに対していくつかの利点をいかに提供かを読者は理解するであろう。
【0005】
局面の1つは、音声搬送パスおよびデータ搬送パスを有するセルラーネットワークを含む通信システムと協同してソフトスイッチである。ソフトスイッチは、セルラーネットワークの音声搬送パスに結合されるように構成された第1のゲートウェイと、第1のゲートウェイと協同し、構内交換機(PBX)サービスを無線構内情報通信網に対して提供するように構成され、かつ第1のゲートウェイを使用してセルラーネットワークの音声搬送パス上で音声呼び出しを切り換えるように構成されたゲートウェイコントローラモジュールとを備える。ゲートウェイコントローラモジュールは、無線構内情報通信網と、セルラーネットワークのデータ搬送パスとに結合されるように構成されて、音声呼び出しに関するメッセージ伝達を作成してセルラーネットワークのデータ搬送パス上で送信する呼び出し制御機能モジュールを含む。
【0006】
他の局面は、呼び出し接続に関する装置であって、呼び出し確立試行を示す第1のSIP開始要求メッセージを遠隔ユニットに対してセルラーネットワークのデータ搬送パス上で送出するための手段と、対応する開始メッセージを遠隔ユニットに対してセルラーネットワークの音声搬送パス上で送出するための手段とを備える装置である。
【0007】
他の局面は、遠隔ユニットと通信するためのデータ搬送パスおよび音声搬送パスの両方を有するセルラーネットワークを含む通信システムにおいて使用される呼び出し接続の方法である。本方法は、呼び出し試行を示す第1のSIP開始要求メッセージを遠隔ユニットに対してセルラーネットワークのデータ搬送パス上で送出することと、対応する開始メッセージを遠隔ユニットに対してセルラーネットワークの音声搬送パス上で送出することとを含む。
【0008】
さらに他の局面は、電話スイッチであって、セッション開始プロトコル(SIP)開始要求メッセージをセルラーネットワークのデータ搬送パス上で受信するための手段と、代理被呼者を特定する公衆交換電話網(PSTN)呼び出し開始をセルラーネットワークの音声搬送パス上で発呼者から受信するための手段と、発呼者に対応するコールレッグを被呼者に対応するコールレッグに切り換えて、それらの間の音声呼び出しを確立するための手段とを備える電話スイッチである。
【0009】
さらに他の局面は、電話呼び出しを切り換える方法であって、セルラーネットワークのデータ搬送パス上で発呼者によって当初送信された、被呼者と発呼者とを特定するSIP開始要求メッセージを受信することと、代理被呼者を特定するPSTN呼び出し開始を発呼者からセルラーネットワークの音声搬送パス上で受信することと、発呼者に対応するコールレッグを被呼者に対応するコールレッグに切り換えて、それらの間の音声呼び出しを確立することとを含む方法である。
【0010】
さらなる局面は、電話接続を確立する方法であって、代理被呼番号を特定するPTSN呼び出し開始メッセージをセルラー加入者装置から送出することと、実際の被呼番号を特定する開始要求メッセージをセルラー加入者装置からセルラーネットワークのデータ搬送パス上で送出することとを含む。
【0011】
他の局面は、電話接続を確立するための装置であって、代理被呼番号を特定するPTSN呼び出し開始メッセージを送出するための手段と、実際の被呼番号を特定する開始要求メッセージをセルラーネットワークのデータ搬送パス上で送出するための手段とを備える。
【0012】
さらに他の局面は、電話接続を確立するための装置であって、識別子によって遠隔ユニットを特定する呼び出し開始メッセージを受信するための手段と、識別子とは異なるセルラー電話番号によって特定された遠隔ユニットに対してPSTN呼び出し開始メッセージを送出するための手段と、SIP開始要求メッセージをセルラーネットワークのデータ搬送パス上で遠隔ユニットに対して送出するための手段とを備える。
【0013】
さらに他の局面は、電話接続を確立するための方法であって、識別子によって遠隔ユニットを特定する呼び出し開始メッセージを受信することと、識別子とは異なるセルラー電話番号によって特定された遠隔ユニットに対して呼び出し開始メッセージを送出することと、SIP開始要求メッセージをセルラーネットワークのデータ搬送パス上で遠隔ユニットに対して送出することを含む。
【0014】
さらに他の局面は、電話をかける方法であって、ソフトスイッチに関連する電話番号を被呼者として特定する呼び出し開始メッセージをセルラーネットワークの音声搬送パス上で送出することと、実際の被呼者を特定するSIP開始要求メッセージをセルラーのデータ搬送パス上でソフトスイッチに対して送出することとを含む。
【0015】
他の局面は、電話をかけるための装置であって、ソフトスイッチに関連する電話番号を被呼者として特定する呼び出し開始メッセージをセルラーネットワークの音声搬送パス上で送出するための手段と、実際の被呼者を特定するSIP開始要求メッセージをセルラーのデータ搬送パス上でソフトスイッチに対して送出するための手段とを含む。
【0016】
SIP信号伝達をセルラーのデータ搬送パス上で行うように構成され、かつセルラーシステムに関連した媒体ゲートウェイに対してIP形式のPSTN信号伝達を行うように構成されたソフトスイッチを備える、通信システムである。
【0017】
他の局面は、通信システムであって、SIP信号伝達をセルラーのデータ搬送パス上で行い、かつIP形式のPSTN信号伝達をIPネットワークおよびIPネットワークに結合された媒体ゲートウェイ上で行い、かつIP形式のPSTN信号伝達を受信して、IP形式のPSTN信号伝達を標準的なPSTN信号伝達に変換するように構成された電話スイッチを備える。
【0018】
さらに他の局面は、遠隔ユニットまたは電話スイッチなどの装置であって、被呼者と発呼者とを特定するSIP開始要求メッセージをセルラーネットワークのデータ搬送パス上で受信するための手段と、呼び出し開始メッセージをセルラーネットワークの音声搬送パス上で受信するための手段と、SIP開始要求メッセージを呼び出し開始メッセージに相関させるための手段とを備える。
【0019】
他の局面は、遠隔ユニットまたは電話スイッチなどの装置であって、被呼者と発呼者とを特定するSIP開始要求メッセージをセルラーネットワークのデータ搬送パス上で受信するための手段と、それに応答して、呼び出し開始メッセージをセルラーネットワークの音声搬送パス上で受信するための手段とを備える。
【0020】
さらなる局面は、呼び出し処理の方法であって、被呼者と発呼者とを特定するSIP開始要求メッセージをセルラーネットワークのデータ搬送パス上で受信することと、呼び出し開始メッセージをセルラーネットワークの音声搬送パス上で受信することと、SIP開始要求メッセージを呼び出し開始メッセージに相関させることとを含む。
【0021】
他の局面は、呼び出し処理の方法であって、被呼者と発呼者とを特定するSIP開始要求メッセージをセルラーネットワークのデータ搬送パス上で受信することと、第1の応答呼び出し開始メッセージをセルラーネットワークの音声搬送パス上で発呼者に送信することと、第2の応答呼び出し開始メッセージを発呼者へ送出することとを含む。
【0022】
さらに他の局面は、呼び出し処理の方法であって、発呼者を特定するSIP開始要求メッセージをセルラーネットワークのデータ搬送パス上で受信することと、応答呼び出し開始メッセージをセルラーネットワークの音声搬送パス上で自動的に送出することと、ユーザに対して通知を与えるようにユーザインターフェイスに対して命令することと、ユーザの受け入れの明示を待つこととを備える。
【0023】
他の局面は、電話呼び出しを切り換える方法であって、被呼者と発呼者とを特定するSIP開始要求メッセージをセルラーネットワークのデータ搬送パス上で受信することと、被呼者に対して音声呼び出しの第1のレッグを開始することと、発呼者に対して音声呼び出しの第2のレッグを開始することと、第1のレッグを第2のレッグに切り換えて、その間の音声呼び出しを確立することとを含む。
【0024】
局面の1つは、電話呼び出しを切り換える装置であって、被呼者と発呼者とを特定するSIP開始要求メッセージをセルラーネットワークのデータ搬送パス上で受信するための手段と、被呼者に対して音声呼び出しの第1のレッグを開始するための手段と、発呼者に対して音声呼び出しの第2のレッグを開始するための手段と、第1のレッグを第2のレッグに切り換えて、その間の音声呼び出しを確立するための手段とを備える。
【0025】
さらに他の局面は、遠隔ユニットであって、情報をセルラーネットワークのデータ搬送パスおよび音声搬送パス上で受信するように構成されたセルラーフロントエンドと、携帯電話フロントエンドに結合され、データ搬送パス上で受信されたSIPメッセージ伝達を処理するように構成されたSIPプロセッサモジュールと、データ搬送パス上で受信されたSIPメッセージ伝達を音声搬送パス上で受信された音声呼び出しに相関させるためのコントローラとを備える。
【0026】
さらに他の局面は、登録の方法であって、無線構内情報通信網の受信可能領域からの離脱を検出することと、離脱に応答して、登録メッセージをセルラーネットワークのデータ搬送パス上で送出することとを含む。
【0027】
さらに他の局面は、ソフトスイッチであって、インターネットプロトコルポートと、PSTNポートと、インターネットポートとPSTNポートとに結合され、IP上での音声通信と、従来の音声形式の信号伝達との間で変換するように構成された中継ゲートウェイと、インターネットポートとPSTNポートとに結合され、IP形式のPSTN制御信号伝達と、従来のPSTN制御信号伝達との間で変換するように構成された信号伝達ゲートウェイとを備える。
【0028】
さらなる局面は、セルラー加入者装置からの呼び出し開始の方法であって、電話をかけようというユーザの意思の明示を受信することと、所定の代理番号に対してセルラー呼び出しを開始することと、その結果、ユーザから電話番号の明示を受信することとを含む。
【0029】
いっそうさらなる局面は、セルラー加入者装置からの呼び出し開始の方法であって、電話をかけようというユーザの意思の明示を受信することと、セルラー加入者装置に対して呼び出しが開始することを信号で知らせるIPメッセージを、受信スイッチに対してセルラーネットワークのデータ搬送パス上で送出することと、その結果、電話番号の明示を受信することとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0030】
これらの図面を通して、同様の参照番号は、同様の構成要素を指定するために使用される。
【図1】図1は、無線の音声をIPに載せる機能を実装するネットワークの実施形態を示すネットワーク図である。
【図2】図2は、ネットワークの実施形態をセルラーシステムにおけるSIP機能と共に示すネットワーク図である。
【図3】図3は、無線構内情報通信網を前提としてソフトスイッチが設置されているネットワークの実施形態を示すネットワーク図である。
【図4】図4は、ソフトスイッチがセルラーネットワーク設備に関連付けられているネットワーク図である。
【図5】図5は、ソフトスイッチの実施形態のブロック図である。
【図6】図6は、ソフトスイッチと、移動体切り換えセンターとの間に媒体ゲートウェイを実装するネットワークの実施形態を示すネットワーク図である。
【図7】図7は、二重モード加入者装置の実施形態の図である。
【図8】図8は、二重モード加入者装置の実施形態のブロック図である。
【図9】図9は、二重モード加入者装置がその位置を登録する処理の実施形態のフローチャートである。
【図10】図10は、IP装置が二重モード加入者装置に対して呼び出しを開始する呼び出しフローの実施形態例を示す呼び出しフロー図である。
【図11】図11は、PSTN装置が二重モード加入者装置に対して呼び出しを開始する呼び出しフローの実施形態例を示す呼び出しフロー図である。
【図12】図12は、遠隔ユニットによって開始された呼び出しについてのソフトスイッチの実施形態の動作のフローチャートである。
【図13A】図13Aおよび13Bは、呼び出しが進行中の場合に呼び出しを制御するためにSIP信号伝達を使用する実施形態例を示す呼び出しフロー図である。
【図13B】図13Aおよび13Bは、呼び出しが進行中の場合に呼び出しを制御するためにSIP信号伝達を使用する実施形態例を示す呼び出しフロー図である。
【図14】図14は、媒体ゲートウェイを使用するシステムにおいてIP装置が呼び出しを開始する場合の呼び出しフロー実施形態例を示す呼び出しフロー図である。
【図15】図15は、媒体ゲートウェイを使用するシステムにおいてPSTN装置が呼び出しを開始する場合の呼び出しフロー実施形態例を示す呼び出しフロー図である。
【図16】図16は、応答ソフトスイッチ開始手法を使用するシステムの実施形態における加入者装置動作のフローチャートである。
【図17】図17は、媒体ゲートウェイ実施形態のブロック図である。
【図18】図18は、補助ソフトスイッチを実装するネットワークの実施形態を示すネットワーク図である。
【図19】図19は、二重モード加入者装置の実施形態のアイドルハンドオフについての状態図である。
【図20】図20は、WLANからセルラーネットワークへのハンドオフの実施形態を示す呼び出しフロー図である。
【図21】図21は、セルラーネットワークからWLANへのハンドオフの実施形態を示す呼び出しフロー図である。
【図22】図22は、セルラーネットワークと、WLANとの間のハンドオフ処理の実施形態を示すフローチャートである。
【図23】図23は、セルラーネットワークと、WLANとの間のハンドオフ処理の代替実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
詳細な説明
典型的な職場環境においては、各ユーザには、高性能の卓上電話が提供されている。これらの電話は、ユーザに対して無数の機能を提供するものであり、例えば、内線番号についての短縮ダイヤルの使用機能、通話を他の内線番号、外線番号、またはボイスメールに転送すること、邪魔をしないでくださいという機能を呼び出すこと、未応答の通話のロールオーバをプログラムすること、ボタン一発でボイスメールを取り出すこと、電話会議を確立することなどがある。これらの機能は、卓上電話からは簡単にアクセスされるが、ユーザが旅行中、ランチで外出、または事務所のドアからほんの数ブロック離れたところにいるというように、卓上電話から離れたところにいる場合には、使用できない。
【0032】
いくつかの無線システムは、音声をIPに載せる技術(VoIP)などの構内インターネットプロトコル(IP)サービスを有するように開発されてきた。たとえば、IEEEによって広められている規格802.11bは、室内無線IP対応の受信可能範囲を提供するネットワークの多くの局面を規定する一般的な企画である。単一の802.11bのアクセスポイントは、直径約100メートルの受信可能領域を提供する。これらのアクセスポイントを格子状に互いにネットワーク接続することにより、シームレスな受信可能範囲を局地的な地域上に提供して、無線構内情報通信網(WLAN)を作成することができる。
【0033】
米国ニューヨーク州ホルツビルのシンボルテクノロジーズ社、米国コロラド州ボールダーのスペクトラリンク社、およびその他数社は、無線音声トラフィックをそのようなシステム上で搬送するために使用することができる無線送受話器を開発している。例えば、シンボルテクノロジーズ社は、ネットビジョンホンを開発している。ネットビジョンホンは、ITU規格H.323を使用して802.11bのLAN設備上でVoIP通信を提供する。ネットビジョンホンは、アナログ音声を、TCP/IPプロトコルを介して標準データネットワーク上を送られる圧縮されたデジタルパケットに変換する。
【0034】
図1は、ネットワークに実装される無線のIP上での音声通信機能を示す。VoIP無線電話100は、符号化されたIPパケットをアクセスポイント102A〜102Nのうちの1つに通信する。アクセスポイント102A〜102Nは、WLAN102の物理的な直接受信可能区域を提供し、IPパケットを構内交換機(PBX)電話スイッチ104に対しておよびそこから渡す。PBXスイッチ104がIP対応装置である場合には、IPパケットを直接受け入れる。PBXスイッチ104が従来の機械である場合には、VoIPゲートウェイ(図示せず)を使用して、アクセスポイント102A〜102NをPBXスイッチ104に対してインターフェイス接続することができる。PBXスイッチ104は、呼び出し制御およびルーティング機能を提供する。PBXスイッチは、公衆交換電話網(PSTN)106に対してまたはIPバックボーン108上で呼び出しをルーティングすることができる。典型的には、そのようなシステムは、卓上電話112などの有線の卓上電話に対してサービスを提供する有線構内情報通信網110をも含む。有線構内情報通信網110は、IP対応あってもよく、従来のシステムであってもよく、または、それらの組み合わせであってもよい。
【0035】
PBXスイッチ104がIP対応電話システムの一部である場合には、PBXスイッチ104は、セッション開始プロトコル(SIP)などの制御信号を使用して、呼び出し制御処理を提供してもよい。SIPは、呼び出し確立、呼び出し自動転送、発呼および被呼番号配信(発呼者IDを提供するためによく使用される)、遠隔ユニット機能交渉、発呼者および被呼者認証、発呼および被呼装置認証、呼び出し転送、会議電話、および他の呼び出し機能を提供するために必要なプロトコル機能を規定する。しかしながら、シスコ社が開発して具体化したH.323IP電話モデルである、スキニーステーションプロトコルのような他の信号伝達機構を使用することもできる。そのようなシステムを使用して、無線電話100は、ユーザがWLAN102の受信可能全領域を動き回る際に卓上電話112で使用可能なのと同一の機能のうちのいくつかを提供することができる。しかしながら、いったんユーザがWLAN102の受信可能領域を出てしまうと、ユーザの無線電話100は、もはや呼び出しを受信することはできなくなる。ユーザがセルラーを持っている場合には、PBXスイッチ104に対して、着信呼をセルラーに自動転送するようにプログラムすることができる。しかしながら、単純な転送では、ユーザが慣れ親しんできた卓上の機能は提供されない。加えて、ユーザは、2つの異なる装置を携帯する必要がある。
【0036】
図2は、PSTN106と、IPバックボーン108とを含む、関連付けられ、かつ相互接続されたネットワークの集合体を示すネットワーク図である。構内ネットワーク139は、アクセスポイント132A〜132Nを有するWLAN132を含んでもよい。WLAN132は、IP対応システムであってもよい。以下の例では、WLAN132は、802.11b準拠のシステムである。しかしながら、他の実施形態においては、他のIP対応無線システムを使用してもよい。例えば、他の適切な無線構内ネットワーク規格には、802.11g、802.11a1、家庭用無線通信(HomeRF)、ブルートゥース、およびハイパーLANが含まれる。加えて、将来市場に出回るであろう新たなIP対応システムを使用することもできる。
【0037】
ルータ148は、WLAN132と、IPバックボーン108と、無線ではない構内情報通信網(LAN)138とに結合されている。例えば、LAN138は、そのネットワーク上に卓上電話136などの卓上電話を含んでもよく、従来の有線のIP対応PBXネットワークであってもよい。
【0038】
IP対応のPBXソフトスイッチ134は、IPバックボーン108からルータ148を介して、構内ネットワーク139に結合される。ソフトスイッチは、PSTN106にも結合される。ソフトスイッチ134は、VoIPサービスをWLAN132と、例えばIP卓上電話136を含む有線構内情報通信網138とに対して提供できる。ソフトスイッチ134は、PBXサービスを卓上電話136のようなユーザ装置に対して提供できる。
【0039】
1つまたはそれ以上の広域通信網を、図2のセルラーネットワーク141によって代表的に表す。広域通信網は、セルラーネットワークとも称され、より特定的には、汎用パケット無線サービス(GPRS)を取り入れた移動通信のためのグローバルシステム(GSM)のシステムであってもよい。しかしながら、他の広域ネットワークを使用してもよい。例えば、IPデータ通信機能(例えば、CDMA 1XRTTなどの)IPデータ通信機能を有するCDMAセルラーネットワーク、日本のNTTドコモ社のIモードIP対応サービスおよび同社の簡易型セルラーシステム上での音声サービス、モトローラ社のIDENシステム上でのネクステル社の音声およびデータサービスを使用することができる。加えて、他の既存のまたは今後開発される、制御信号および音声情報をエンドユーザ装置に送信するための広域無線通信網を使用することもできる。
【0040】
セルラーネットワーク141は、セルラーネットワーク141を制御する1つまたはそれ以上の従来の移動体切り換えセンター(MSC)140を含み、PSTN108に対する接続を提供する。1つまたはそれ以上の基地局を、無線セルラー通信信号をユーザ装置へ送受信する基地局144によって代表的に表す。基地局は、レッグ152CによってMSC140に対してリンクされている。IPバックボーン108は、ゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)と、さらにはサービングGPRSサポートノード(SGSN)とによって、セルラーネットワーク141に結合されており、これらのノードは、組み合わされたSGSN/GGSN142として図2には示されている。図2に示すシステムの特徴の1つとして、一実施形態において、本システムは、セルラーのインフラストラクチャに対してなんら変化を要求せずに動作可能である。よって、MSC140およびSGSN/GGSN142は、技術上周知の標準的なやり方で動作する。このように、他の特徴に加えて、SGSN/GGSN142は、セルラーの基地局144の群と、IPバックボーン108との間のゲートウェイとしての役割を果たす。
【0041】
遠隔ユニットを、二重モード加入者装置130として図2に示す。加入者装置130は、WLAN132および広域セルラーネットワーク141上で通信することができる。二重モード加入者装置130がWLAN132の受信可能領域内にある場合には、二重モード加入者装置130は、WLAN132に対してまたはそこからVoIPパケットを通信する。二重モード加入者装置130については、図7および8に関連して以下に詳細に説明する。
【0042】
一実施形態において、各二重モード加入者装置130は、特定の卓上電話136に関連付けられる。各二重モード加入者装置130は、特定のユーザに関連付けることもできる。一実施形態において、ユーザは、二重モード加入者装置130の動作に関連付けられた設定を、二重モード加入者装置130、卓上電話136、またはコンピュータを通じて入力する。一実施形態において、卓上電話136は、ウェブブラウザを通じて制御されるSIP電話である。コンピュータに基づく制御を使用して、ユーザは、連絡リストの一連の記載をいくつかのカテゴリのうちの1つに当てはまるとして指定する。加えて、ユーザは、例えば、発呼者、呼び出し時間および/または日付、ユーザが現在使用しているのが現在卓上電話かまたは加入者装置か、およびユーザがいるのはWLAN内かまたはセルラーネットワークかに基づいて、呼び出しの処理または対処のための規則を入力および/または選択することができる。ソフトスイッチ134は、連絡リストにアクセスして、呼び出し処理についてのカテゴリおよび規則を使用することができる。例えば、ソフトスイッチ134は、連絡リストおよびカテゴリを使用して、時間、発呼者が誰であるか、二重モード遠隔ユニットの位置、ユーザの位置などに基づいて、呼び出しを二重モード加入者装置130へルーティングすることができる。卓上電話136は、二重モード加入者装置130のためのドッキング局、バッテリ充電差込口などを含んでもよい。加えて、卓上電話136は、WLAN132の一部分となるように、アクセスポイント機能を実装してもよい。動作の一モードにおいて、ソフトスイッチ134は、二重モード加入者装置130を鳴らすかどうかに関わらず、すべての着信呼について卓上電話136を鳴らす。
【0043】
二重モード加入者装置130がWLAN132の受信可能領域内にある場合、着信呼は、WLAN132上で、二重モード加入者装置130へまたはそこからルーティングされうる。例えば、ソフトスイッチ134は、VoIP電話156からの着信VoIP呼び出しを二重モード加入者装置130に切り換えることができる。加えて、ソフトスイッチ134は、PSTN106にも結合されて、VoIPゲートウェイとしての役割を果たして、従来の電話158などからの(典型的にはパルス符号変調(PCM)された)従来のPSTN音声形式の呼び出しを、IP対応二重モード加入者装置130に切り換える。
【0044】
二重モード加入者装置130がWLAN132の受信可能領域を離れる場合には、二重モード加入者装置130は、GPRSが使用可能なGSMしすてむのようなこういきセルラーネットワークを使用してソフトスイッチ134の管理の下、通信を開始する。セルラーネットワークを通じてのソフトスイッチ134と二重モード加入者装置130との接続は、2つの種類の双方向パスによって形成可能である。パス150A〜150Dは、標準的なセルラーデータパスである。パス152A〜152Dは、標準的なセルラー音声パスである。これらのパス150および152は、共に、一連のレッグによって構成される。
【0045】
直感的に、音声搬送IPパケット(VoIP搬送機構)は、標準的なセルラーデータ搬送パス(パス150など)上を送信可能であると考えるであろう。しかしながら、標準的なセルラーデータパスは、音声搬送IPパケットを伝達するのに必要なサービス品質を提供するものではなく、他方で、従来のセルラー音声パス(パス152など)は、音声の効率的な送信のために最適化されてきたことは明白である。例えば、データ搬送パスの容量、遅延、およびジッタ特性は、エンドユーザが期待する品質での音声搬送IPパケットの送信に向いていない。加えて、セルラーネットワークのデータ搬送パス上のVoIPデータの送信は、高度に最適化された音声搬送パスにおけるのと同程度には効率的ではなく、よって、貴重な無線リンク資源を効率的に使用するものではない。
【0046】
ソフトスイッチ134は、レッグ150AによってIPバックボーン108に結合される。そして次に、IPバックボーン108は、レッグ150BによってゲートウェイGPRSサポートノードに、さらにはサービングGPRSサポートノード(SGSN/GGSN)142に結合される。図2に示すシステムの特徴の一つは、一実施形態において、本システムが、セルラーのインフラストラクチャに対してなんら変化を要求せずに動作可能なことである。よって、SGSN/GGSN142は、技術上周知の標準的なやり方で動作する。このように、他の特徴に加えて、SGSN/GGSN142は、セルラー基地局144の群と、IPバックボーン108との間のゲートウェイとしての役割を果たす。基地局144は、大きなセルラー直接受信可能区域に渡って分散されていてもよい。SGSN/GGSN142は、レッグ150Cによって基地局144に結合される。基地局144は、レッグ150Dによって二重モード加入者装置130を含むセルラー遠隔ユニットに無線結合され、一局面において、IPパケットにおけるデータ情報を通信するために使用される。よって、双方向パス150は、IP要素から遠隔ユニットへの標準的なセルラーデータパスである。双方向パス150は、ソフトスイッチ134を、レッグ150AによってIPバックボーン108に接続し、レッグ150BによってSGSN/GGSN142に接続し、レッグ150Cによって基地局144に接続し、レッグ150Dによって二重モード加入者装置130に接続する。
【0047】
ユーザは、他のセルラーを可能にするデータ装置を所持してもよい。例えば、ユーザは、パームパイロット型装置、ブラックベリー型装置、ポケットPC型装置、またはページャなどを所持してもよい。図2において、データ装置154は、SIPメッセージ伝達を、セルラーシステムのデータ搬送パス上などで送受信もできる。
【0048】
ソフトスイッチ134は、レッグ152AによってPSTN106に結合される。そして次に、PSTN106は、レッグ152Bによって従来の移動体切り換えセンター(MSC)140に結合される。上記のように、図2のシステムの特徴の1つは、一実施形態において、本システムが、従来のMSC140を含むセルラーのインフラストラクチャに対してなんら変化を要求せずに動作可能なことである。よって、SGSN/GGSN142は、技術上周知の標準的なやり方で動作する。このように、他の特徴に加えて、従来のMSC140は、基地局144の群と、PSTN106との間の音声ゲートウェイとしての役割を果たす。従来のMSC140は、レッグ152Cによって基地局144に結合される。基地局144は、無線音声情報を、レッグ152D上で二重モード加入者装置130と通信する(図2においては、レッグ150Dおよびレッグ152Dは、共通の「雷」アイコンで示されているが、パス自体は、符号化、アクセス手法、データ形式などの関連から互いに異なることがある)。
【0049】
図2に示す実施形態において、ソフトスイッチ134は、セントレックスモデルにおいて実施可能であり、それによって、設備のソフトスイッチ機能を実行する重要な部分が、サービスが提供される構内から外れることになる。セントレックスモデルは、IP対応および従来の音声システムにおいて共通して使用されて、顧客に対してPBX機能を提供する。IPセントレックスモデルにおいて、2人のVoIP当事者間の通話について、音声搬送IPパケットは、2人の当事者間の効率的なパス上にルーティングされる。よって、音声搬送トラフィックストリームは、ソフトスイッチ134にルーティングされることはあまりない。音声通話に関するWLAN132および有線構内情報通信網138の信号伝達パケット(SIPパケットなど)は、周知に機構に従い、常駐していないソフトスイッチ134を通じかつ構内ルータ148を介してルーティングできる。実施の仕方によっては、周知の手法に従い、ソフトスイッチ134は分散され、設備は1箇所以上に設置される。
【0050】
他の実施形態においては、ソフトスイッチ機能は、コロケーション施設に設けられ、電話局に設置され、またはセルラーのインフラストラクチャにより密接に統合される。さらに他の実施形態においては、ソフトスイッチ機能は、セルラー事業者に焦点がより当てられたものであってもよく、例えば、事業者が設けたモデルに属していてもよい。
【0051】
図3は、オンサイトモデルにおいて動作するネットワークを示し、オンサイトのソフトスイッチ310が、WLAN132および有線構内情報通信網138の構内に設置される。図3によれば、双方向パス314A〜314Dは、IP要素から遠隔ユニットへの標準的なセルラーデータパスであって、ソフトスイッチ310からIPバックボーン108へはレッグ314Aにより、SGSN/GGSN142へは314Bにより、基地局144へはレッグ314Cにより、314A〜314Dは、二重モード加入者装置130へはレッグ314Dにより結ばれる。双方向パス316A〜316Dは、PSTN要素から遠隔ユニットへの標準的なセルラー音声パスであって、ソフトスイッチ310からPSTN106へはレッグ316Aにより、従来のMSC140へはレッグ316Bにより、基地局144へはレッグ316Cにより、二重モード加入者装置130へはレッグ316Dにより結ばれる。
【0052】
図4は、事業者が設けたモデルにおいて動作するネットワークを示す。図4において、事業者が設けたソフトスイッチ320は、レッグ322AによってSGSN/GGSN142に対して、およびレッグ324Aによって従来のMSC140に対して直接結合される。この場合、双方向パス322は、IP要素から遠隔ユニットへの標準的なセルラーデータパスであって、ソフトスイッチ320からSGSN/GGSN142へはレッグ322Aにより、基地局144へはレッグ322Bにより、二重モード加入者装置130へはレッグ322Cにより結ばれる。双方向パス324は、PSTN要素から遠隔ユニットへの標準的なセルラー音声パスであって、ソフトスイッチ320から従来のMSC140へはレッグ324Aにより、基地局144へはレッグ322Bにより、二重モード加入者装置130へはレッグ324Cにより結ばれる。一実施形態において、ソフトスイッチ320は、IPバックボーン108がSGSN/GGSN142に結合されるのと同様のやり方で、標準的なIP接続ポートによってSGSN/GGSN142に結合される。一実施形態において、ソフトスイッチ320は、標準的なPSTN接続ポートによって従来のMSC140に結合される。
【0053】
以下の情報は特に図2を参照するが、同様の動作は、以下に述べる図3および4、ならびに図6および18にも直接適用することができる。図2を再び参照して、二重モード加入者装置130についての着信呼開始要求がソフトスイッチ134においてPSTN106、IPバックボーン108、または内部ネットワークから受信されると、ソフトスイッチ134は、呼び出しを二重モード加入者装置130に切り換える。二重モード加入者装置130がWLAN132の受信可能領域内にある場合には、ソフトスイッチ134は、呼び出しを二重モード加入者装置130に対してWLAN132上でルーティングする。上記のように、呼び出しは、音声搬送トラフィックストリームと、SIP信号伝達メッセージとからなり、両方共、WLAN132上を周知の手法にしたがってルーティングされる。
【0054】
二重モード加入者装置130が基地局144の受信可能領域内にあり、かつWLAN132の受信可能領域外にある場合には、ソフトスイッチ134は、呼び出しを双方向パス150および152によって二重モード加入者装置130に切り換える。音声搬送トラフィックストリームは、パス152上で切り換えられる。SIP信号伝達メッセージは、パス150上でルーティングされる。パス152上のこのSIP信号伝達は、強化された機能を遠隔ユニットがWLANの受信可能領域外にある場合に可能にする要因の1つである。
【0055】
簡単に述べると、二重モード加入者装置130についての着信呼がソフトスイッチ134に受信されると仮定する。以下により詳細に説明するように、ソフトスイッチ134は、呼び出しをWLAN132、有線構内情報通信網138、セルラーシステム、またはそれらの組み合わせ(呼び出しは、様々なシステムを通じて同時に切り換えられてもよいので)のいずれに切り換えるかを決定する。呼び出しをセルラーシステム内の二重モード加入者装置130に切り換えるべきだと決定した場合には、ソフトスイッチ134は、二重モード加入者装置130に知らせるSIP信号伝達メッセージを作成する。この知らせには、ソフトスイッチ134が受信した情報に基づく着信呼または発呼者についての情報と、ユーザが記憶させた設定内の情報と、その両方とが含まれる。また、ソフトスイッチ134は、標準的な呼び出し開始処理を開始して、パス152によるセルラーネットワーク上の音声通話を確立する。二重モード加入者装置130は、SIP信号伝達メッセージを音声搬送パス上で受信した呼び出し開始要求に相関させ、典型的には、この情報をユーザに提示する。
【0056】
図5は、ソフトスイッチ134の機能ブロック図である。ソフトスイッチ134は、常駐していないIP対応PBXとして配置することができる。また、ソフトスイッチ134は、ゲートウェイによって支援されたソフトスイッチ344(以下で説明)、事業者が設けたソフトスイッチ320、およびオンサイトのソフトスイッチ310としてとして配置することもできる。ソフトスイッチアーキテクチャの主な相違点は、典型的には、外部接続の構成である。
【0057】
図5において、ソフトウェアスイッチの様々な局面を、モジュールおよび/または機能と称する。本明細書において使用される「モジュール」および「機能」という用語は、所定のタスクを行うソフトウェアまたはハードウェア要素を意味するが、それに限定されるものではない。モジュールは、アドレス指定可能な記憶媒体上に常駐するように都合よく構成されてもよく、1つまたはそれ以上のプロセッサを実行するように構成されてもよい。モジュールは、汎用集積回路(IC)、書き込み可能ゲートアレイ(FPGA)、または特定用途向け集積回路(ASIC)と共に全部または一部が実施されてもよい。よって、モジュールには、例えば、ソフトウェア要素、オブジェクト指向のソフトウェア要素、クラス要素、タスク要素などの要素、処理、機能、属性、手順、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバ、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイ、および変数を含んでもよい。要素およびモジュールに用意された機能は、組み合わされてより少数の要素およびモジュールとなってもよく、またはさらに分割されてさらなる要素およびモジュールとなってもよい。加えて、要素およびモジュールは、コンピュータ、コンピュータサーバ、アプリケーションを可能とするスイッチまたはルータなどのデータ通信インフラストラクチャ設備、もしくは公用または私用の電話スイッチまたは構内交換機(PBX)などの電気通信設備を含む、数多くの様々なプラットフォームにおいて都合よく実施されてもよい。これらのいずれの場合においても、選択されたプラットフォームに固有のアプリケーションを書くことによって、もしくはプラットフォームを1つまたはそれ以上の外部アプリケーションエンジンにインターフェイス接続することによって、実施されてもよい。
【0058】
ソフトスイッチ134内において、中継ゲートウェイモジュール162は、通話を物理的に終了させ、PSTN106およびIPバックボーン108上の音声搬送トラフィックストリームの送受信に関連する他の物理層サービスを提供する。例えば、中継ゲートウェイ162は、PSTN106からの音声通話を終了させ、音声データを圧縮およびパケット化して、圧縮された音声パケットをIPバックボーン108に配信する。同様に、中継ゲートウェイ162は、IPバックボーン108から受信された音声搬送トラフィックストリームについて逆の機能を行う。中継ゲートウェイ162は、媒体ゲートウェイコントローラモジュール164の管理下で動作する。
【0059】
信号伝達ゲートウェイモジュール160は、切り換えられた回路PSTN106と、パケット切り換えされたIPバックボーン108との間の網間接続を提供する。また、信号伝達ゲートウェイ160は、媒体ゲートウェイコントローラ164を、従来のPSTNスイッチの呼び出し制御機能またはサービス処理機能で支援する。また、信号伝達ゲートウェイ160は、媒体ゲートウェイコントローラ164の制御下で動作する。
【0060】
一実施形態において、信号伝達ゲートウェイ160および中継ゲートウェイ162は、単一の要素として実施され、共通のデジタル信号処理器脳によって実施される。他の実施形態において、これらは互いにより分離される。
【0061】
媒体ゲートウェイコントローラモジュール164は、ソフトスイッチ134における資源の登録および管理を扱う。媒体ゲートウェイコントローラ164は、PBXサービスをWLAN132と、有線の構内情報通信網138とに提供する。また、媒体ゲートウェイコントローラ164は、図5に要素170〜178として示す追加のモジュール上の管理を提供し、またそれらのモジュールを含む。媒体ゲートウェイコントローラ164内において、呼び出し制御および信号伝達機能モジュール170は、呼び出し状態を維持して、IPバックボーン108に対しておよびそこから媒体ゲートウェイコントローラ164によって直接受信および出力できるSIPメッセージを処理する。接続セッション管理器モジュール172は、中継ゲートウェイ162によって終了された各物理的な中継線の管理を含むPSTN信号伝達の状態と、PCM対応トラフィックストリームと、IP対応トラフィックストリームとの間の相関とを維持する。アクセスセッションおよび移動管理器モジュール174は、ユーザおよび加入者装置の位置を追跡する。動作支援システム(OSS)エージェントモジュール176は、ソフトスイッチ管理者によって使用される制御および監視インターフェイスを提供する。例えば、OSSエージェント176は、課金システム、加入者提供システムなどとインターフェイス接続する。第3者アプリケーションゲートウェイモジュール178はコンテンツ配信サービス、ボイスメールサービス、および典型的にはこの領域外に設けられたユーザ情報データベース(上述の連絡リスト情報および対応のカテゴリなど)などのアプリケーションとインターフェイス接続する。
【0062】
信号伝達ゲートウェイ160、中継ゲートウェイ162、および媒体ゲートウェイコントローラ164は、ソフトスイッチ134内において互いに結合される。一実施形態において、これら3つの要素は、SIP,SIGTRAN、媒体ゲートウェイ制御プロトコル(MGCP)、メガコ、またはそれらの組み合わせを使用して、互いに通信する。SIGTRAN(信号伝達転送)は、インターネットプロトコルに基づく次世代ネットワーク(NGN)の一部である。これは、ISDN、SS7、およびV5などの信号伝達トラフィックをIPネットワーク上で転送するために設計されている。また、SIGTRANは、VoIPアプリケーションにも使用される。メガコは、媒体ゲートウェイコントローラなどの呼び出し制御要素と、欧州電気通信標準化機構(ETSI)のタイフォン(TIPHON)によって提案され、かつインターネット技術標準化委員会(IETF)によって採用されたた分解されたH.323ゲートウェイアーキテクチャにおける媒体ゲートウェイなどの媒体処理要素との間のインターフェイスを規格化する。テルコーディア社によって開発されたレベル3通信であるMGCPは、電話回線(PSTN)上で搬送される信号をインターネットまたは他のパケットネットワーク上で搬送されるデータパケットに変換するための旧来のH.322規格と競い合ういくつかの制御および信号伝達規格のうちの1つである。
【0063】
典型的には、PSTN106は、従来のPCM上の音声接続で中継ゲートウェイ162に結合される。PSTN106は、典型的には、ISUPまたQ.931などの共通チャンネル信号伝達プロトコルを使用して、信号伝達ゲートウェイ160に結合される。ISDNユーザ部(ISUP)は、PSTN上で音声およびデータ呼び出しを搬送する中継回路を設定、管理、および解放するために使用されるプロトコルおよび手順を規定する。Q.931/32は、OSI/ISO参照モデルにおける層であり、信号伝達を制御するために設計されたものである。ユーザとPSTNネットワークとの間の接続を確立、維持、および解放するために使用される。
【0064】
中継ゲートウェイ162は、VoIP(RTP)などのVoIPプロトコルを使用してIPバックボーン108と通信する。RTP(リアルタイムん転送制御プロトコル)は、媒体通信の統計情報を提供する。媒体ゲートウェイコントローラ164は、SIPまたはH.323を使用してIPバックボーン108と通信する。H.323は、国際電気通信連合(ITU)が承認した勧告であって、音声および映像データがどのようにインターネットなどのパケット対応ネットワークに渡って通信されるのかを規定する。
【0065】
図6は、ソフトスイッチと移動体切り換えセンターとの間に媒体ゲートウェイを搭載するネットワークのネットワーク図である。図6において、媒体ゲートウェイ340は、ソフトスイッチ344と、従来のMSC140との間のゲートウェイとしての役割を果たして、拡張された機能を提供する。媒体ゲートウェイ340は、新たなパス342A〜342Eを導入する。ソフトスイッチ344は、レッグ342によってIPバックボーン108に結合され、IPバックボーン108は、さらにレッグ342Bによって媒体ゲートウェイ340に結合され、媒体ゲートウェイ340は、レッグ342Cによって従来のMSC140に結合され、従来のMSC140は、レッグ342Dによって基地局144に結合され、さらに基地局144は、レッグ342Eによって二重モード加入者装置130に結合される。レッグ342Dおよび152Cと、レッグ342Eおよび152Dは、パス152および342の両方に共通であって、各パスにおいて同様の機能を行う。
【0066】
図17は、媒体ゲートウェイ340のブロック図である。図5と同様に、媒体ゲートウェイの様々な局面は、モジュールと称され、当該用語について意図されたのと同様の意味を有する。中継ゲートウェイモジュール380は、VoIPパケットと、従来の音声形式の信号伝達との間の変換などの図5の中継ゲートウェイモジュール162と同様の機能を行う。信号伝達ゲートウェイモジュール384は、信号伝達ゲートウェイ160と同様の機能を行う。加えて、信号伝達ゲートウェイ384は、媒体ゲートウェイ340から受信したIP形式のPSTN制御信号伝達を標準的なPSTN信号伝達に変換して、従来のMSC140に出力する。一実施形態において、信号伝達ゲートウェイ384は、ソフトスイッチ344からIPポートを渡って受信した命令に応答して、PSTNポート上の疑似発呼者ID識別子を送信するようにも構成される。中継ゲートウェイ380および信号伝達ゲートウェイ384は、図6に示すレッグ342Cによって従来のMSC140に結合される。同様に、中継ゲートウェイ380および信号伝達ゲートウェイ384は、両方共、図6に示すレッグ342BによってIPバックボーン108に結合される。
【0067】
ソフトスイッチ344が、呼び出しを二重モード加入者装置130へ切り換える場合に、セルラーシステムの受信可能領域内にある場合に、遠端装置がPSTN106に結合されている場合には、ソフトスイッチ344は、従来の音声搬送信号をVoIPパケットに変換して、レッグ342Aおよび342B(図6参照)によって媒体ゲートウェイ340へ転送する。媒体ゲートウェイ340(特に、図17に示す実施形態においては、中継ゲートウェイモジュール380)は、VoIPパケットを従来の信号に変換して、レッグ342Cによって従来のMSC140に提供する。加えて、ソフトスイッチ344は、標準的なPSTN呼び出し制御信号伝達を、レッグ342Aおよび342Bによって媒体ゲートウェイ340に対してIP形式で送出することもできる。媒体ゲートウェイ340(特に、図17に示す実施形態においては、信号伝達ゲートウェイモジュール384)は、標準的なPSTN信号伝送に変換して、従来のMSC140に対してレッグ342Cによって提供することができる。
【0068】
遠端装置がVoIP電話である場合には、ソフトスイッチ344は、IP形式の制御信号伝達をレッグ342Aおよび342Bに沿って媒体ゲートウェイ340送出する。また、遠端装置は、標準的なIPルーティング機構を離床して、IPバックボーン108によって、媒体ゲートウェイ340へまたはそこから、直接制御信号伝達をルーティングすることもできる。VoIPパケットを媒体ゲートウェイ340に対して直接ルーティングして、従来の音声搬送信号に変換することもできる。例えば、音声搬送VoIPパケットを、卓上電話136から構内ルータ148を通じてレッグ342によって媒体ゲートウェイ340にルーティングすることもできる。媒体ゲートウェイ340は、典型的には、標準的なPSTN接続ポートによって従来のMSC140に結合される。
【0069】
図6に示すネットワークと、図4に示す事業者が設けたネットワークの利点は、それぞれレッグ342Cおよびレッグ342Aによって従来のMSC140に対して直接接続するので、PSTN106を回避することにより、よりおおきな柔軟性が得られることである。従来のMSC140は、レッグ342Cおよび324A上の信号をPSTN信号伝達とみなすように構成できる。事業者のソフトスイッチ320および媒体ゲートウェイ340は、データを呼び出しストリームに挿入、疑似発呼者ID情報などの挿入などの標準的なPSTN信号伝達に代えて、カスタマイズされた信号伝達を生じさせるように構成できる。このようなカスタマイズの例を以下に示す。
【0070】
図7は、二重モード加入者装置130の例の代表図である。図示の実施形態において、二重モード加入者装置130は電子メールおよびカレンダーなどの他の機能も搭載している。二重モード加入者装置130は、スピーカ200と、マイクロフォン202とを有する。二重モード加入者装置130は、ディスプレイ204も有する。数個のソフトキー206A〜206Nが、ディスプレイ204と関連付けられる。選択肢を有するスクロールホイール212を使用して、様々なメニューおよび選択オプションをスクロールすることもできる。加えて、二重モード加入者装置130は、キーパッド208と、規定された機能キー210A〜210Nとを有する。この図は、極めて代表的なものであり、加入者装置についての数多くの他の構成および形成要素が、当該技術において周知である。
【0071】
図8は、二重モード加入者装置130の機能ブロック図である。二重モード加入者装置130は、無線リンク信号をWLAN132上で送受信するWLANフロントエンドモジュール400を有する。WLANフロントエンド400は、信号のアップコンバートおよびダウンコンバートと、ベースバンドおよび媒体アクセス制御(MAC)層機能とを提供する。例えば、WLANフロントエンド400は、米国カリフォルニア州アーバインのインターシル社から提供されたPRISM3チップセットのような市販のWiFi集積回路およびソフトウェアを使用して実施できる。WLANフロントエンド400は、加入者装置制御モジュール410に結合され、かつそれによって制御される。WLANフロントエンド400は、WLAN上で受信された情報を加入者装置制御モジュール410へ出力し、かつ、WLAN上で送信する情報を加入者装置制御モジュール410から受信する。
【0072】
セルラーフロントエンドモジュール402は、セルラーネットワーク上での送受信のためのセルラー加入者装置またはセルホンの機能を提供する。また、セルラーフロントエンドモジュール402は、加入者装置制御モジュール410から情報を受信して、当該情報をデータ搬送および音声搬送チャンネル上で基地局144に対して送出する。米国ニュージャージー州マリーヒルのルーセントテクノロジー社は、GSM参照設計パッケージを販売しており、このパッケージは、製造業者がルーセント社の第1およびそれ以降のGSM送受話器を開発するのに必要なソフトウェアツール、教育およびサポートのすべてを含むデジタル信号プロセッサ(DSP)技術周辺を基礎としており、このパッケージを使用してセルラーフロントエンドモジュール402を製作することができる。同様に、米国カリフォルニア州サンディエゴのクアルコム社は、CDMA対応のセルラーネットワークについての同様の設計、チップ、および情報を提供しており、これらを使用してセルラーフロントエンドモジュール402を製作することができる。セルラーフロントエンドモジュール402は、データ搬送および音声搬送チャンネルの両方上で基地局144から無線リンク信号を受信し(図2、3、4、および6参照)、それに含まれる情報を抽出して、加入者装置制御モジュール410へ渡す。
【0073】
加入者装置制御モジュール410は、二重モード加入者装置130に対して制御機能を提供する。加入者装置制御モジュール410は、ユーザインターフェイス412(図7のディスプレイ204、ソフトキー206A〜206N、キーパッド208など)、マイクロフォン202、およびスピーカ200への入力を提供し、かつそれらからの出力を受け入れる。
【0074】
また、加入者装置制御モジュール410は、音声およびデータ通信制御も提供する。コントローラモジュール420は、図8に示す加入者装置制御モジュール410の要素を含む様々な加入者装置要素に対して制御を提供する。また、加入者装置制御モジュール410は、二重モード加入者装置130によって使用されるアプリケーションソフトウェアなどを実行することもできる。メモリモジュール422は、コントローラ420および他の加入者装置制御モジュール410の要素が使用する情報を記憶する。
【0075】
加入者装置制御モジュール410は、WLANフロントエンド400と、セルラーフロントエンド402との両方上でSIPメッセージ伝達を作成および受信するためのSIPプロセッサモジュール424を含む。よって、SIPプロセッサモジュール424は、WLANフロントエンド404と、セルラーフロントエンド402との両方に結合される。
【0076】
また、加入者装置制御モジュール410は、VoIPパケットを作成および受信するためのVoIPプロセッサモジュール428をも含む。例えば、二重モード加入者装置130がWLAN132の受信可能領域内にある場合などに、VoIPプロセッサ428は、音声信号をスピーカ200に提供し、マイクロフォン202から音声信号を受信する。よって、VoIPプロセッサ428は、スピーカ200、マイクロフォン202、WLANフロントエンド400、および他の要素に結合される。VoIPプロセッサは、当該技術において周知である。
【0077】
加入者装置制御モジュール410は、セルラーネットワークの音声搬送パスから受信および当該パス上を送信された音声情報などのセルラー情報を作成および受信するためのセルラープロセッサモジュール426を含む。セルラープロセッサ426は、セルラーフロントエンド402に結合されると共に、スピーカ200およびマイクロフォン202にも結合される。一実施形態において、セルラープロセッサ426は、SIPプロセッサ424をセルラーフロントエンド402に結合する。
【0078】
上記のように、ソフトスイッチ134内のアクセスセッションおよび移動管理器174は、二重モード加入者装置130の位置を追跡する。そのような追跡を実施するのに使用できる機構はいくつかある。ソフトスイッチ310は、WLAN132を介して、加入者装置に対して「ピング」(応答を要求するメッセージを送信)して、応答が受信されなければ二重モード加入者装置130がないとみなすことができる。二重モード加入者装置130は、WLAN132からの信号をもはや受信できないと検出して、応答して、SIP対応メッセージをパス150(図6参照)上で送って、WLAN132の受信可能領域からの離脱を登録してもよい。同様に、二重モード加入者装置130がWLAN132の受信可能領域に再び入った場合には、SIP対応メッセージをWLAN132上で送って、その再入場を登録してもよい。加えて、ユーザが、キーを押すか、もしくは二重モード加入者装置130をドックに入れて卓上電話または加入装置がソフトスイッチに対してメッセージを送信するようにするなどして、卓上電話136を介して手動で二重モード加入者装置130の復帰を信号で知らせてもよい。
【0079】
図9は、二重モード加入者装置130によって実施される位置登録のための方法または処理を示す。ブロック438において、二重モード加入者装置130は、標準的なWLAN検索技術を使用して、新たなWLANの受信可能領域に入ったかどうかを決定する。もし入ったならば、ブロック440において、二重モード加入者装置130は、新たなWLANを検出して、フローはブロック442へ続く。ブロック442において、二重モード加入者装置130は、SIP登録メッセージをWLAN上で送出する。サービスを提供したいソフトスイッチにうまく辿り着けたならば、二重モード加入者装置130は、ブロック444において受領確認を受信し、フローはブロック446へと続く。新たなWLANが検出される否か、または受領確認が受信されなければ、二重モード加入者装置130は、ブロック438において新たなWLANのスキャンを継続する。WLANに登録されている間、ブロック446において、加入者装置は、WLANサービスが使用可能かどうかの監視を継続する。二重モード加入者装置130がWLANの受信可能領域を去ったことをブロック448において検出した場合には、二重モード加入者装置は、ブロック450において、SIP登録メッセージを携帯電話システム上で送出する。二重モード加入者装置130は、ブロック438において新たなWLANの監視を再び開始する。
【0080】
図9に関して説明した加入者装置に関連して、ソフトスイッチ134は、補完的な機能を行う。ブロック442において送られたSIP登録メッセージに応答して、ソフトスイッチ134は、加入者装置の存在をメモリに登録する。また、ソフトスイッチは、ブロック444において加入者装置が受信した受領確認を作成かつ送出する。同様に、ソフトスイッチ134は、ブロック450において送出されたSIPメッセージ伝達を受信して、加入者装置を登録する。一実施形態において、ソフトスイッチ134は加入者装置をポーリングして、現在の位置を決定する。
【0081】
一実施形態において、システムは、加入者装置からそのセルラーとしての独自性を奪うことなく実施される。例えば、セルラー事業者がセルラー電話番号を加入者装置に対して割り当てたと仮定する。さらに、ソフトスイッチは、異なるPBX電話番号を加入者装置に対して割り当てたと仮定する。よって、加入者装置は、セルラー番号と、PBX番号とが関連付けられている。たとえソフトスイッチの管理下にあっても、セルラー番号を使用して、加入者装置と直接接触することができる。一実施形態において、ソフトスイッチが加入者装置についての有効な位置データを有していない場合には、ソフトスイッチは、加入者装置に対して、セルラー電話番号を使用して標準的なセルラーシステム上で着信呼を転送すればよい。そのような場合に、加入者装置は、標準のセルラー呼び出しでは使用できないような呼び出し特徴を使用可能にするために、SIP信号伝達メッセージをソフトスイッチに送出してもよい。例えば、第1の発呼者が、二重モード加入者装置130に対してセルラー番号を使用して呼び出しを行うと仮定する。呼び出しを受信すると、二重モード加入者装置130は、発呼者IDを使用して発呼者を識別できる。二重モード加入者装置130は、SIPメッセージ伝送をソフトスイッチ134に送り返して、発呼者を識別してもよい。
【0082】
図10は、SIPが使用されるシステム内のWLANの外部に現在存在している二重モード加入者装置に対してIP電話が呼び出しを開始した場合の呼び出しフロー例を示す。呼び出しフローまたは処理を、図5に示すソフトスイッチの実施形態および図2に示すネットワーク例をも参照して説明する。説明する方法の特定の順序は、システム要件および呼び出しフローに対する影響を考慮して、様々なものとなりうる。
【0083】
ブロック500において、呼び出しを行うVoIP電話156または卓上電話136(図2参照)などのIP電話は、SIP INVITEのような、二重モード加入者装置130をそのPBX電話番号、SIP URL(統一資源ロケータ)、またはIPアドレスによって特定する標準的なSIP開始要求メッセージを送出する。ブロック502において、ソフトスイッチ134は、当該開始要求を受信して、SIP 100 TryingなどのSIP試行中メッセージで応答して、呼び出し開始装置に対して、ソフトスイッチが呼び出しの設定を試行中である旨を示す。ブロック504において、ソフトスイッチ134は、ユーザが規定した設定および登録情報などの二重モード加入者装置130に関連した呼び出し処理情報を再検討する。ソフトスイッチ134は、例えば図9に関連して説明した処理に基づいて、加入者装置130の予測位置に基づき、セルラーネットワークにある二重モード加入者装置130と接触することを決定する。
【0084】
図5に戻って参照して、一実施形態において、SIP開始要求メッセージ(ブロック500)をソフトスイッチ134内の媒体ゲートウェイコントローラ164で受信する。媒体ゲートウェイコントローラ164内では、呼び出し制御および信号伝達機能170が、SIP開始要求メッセージを処理して、SIP試行中メッセージの送信を命令する(ブロック502)。第3者アプリケーションゲートウェイ178は、ブロック504で使用されるユーザの設定についての情報にアクセスする。アクセスセッションおよび移動管理器174は、ブロック504で使用される二重モード加入者装置130の位置についての情報を提供する。
【0085】
ブロック506において、ソフトスイッチ134は、標準的なSIP開始要求メッセージを、IPバックボーン108を通るパス150などのセルラーネットワークのデータ搬送パス上で、二重モード加入者装置130に対して送出することにより、PSTN106を迂回する。ソフトスイッチ134は、SIP開始要求メッセージ内の二重モード加入者装置130を、IPデータアクセスによるなどの標準的なIP方法を使用して識別する。ブロック508において、二重モード加入者装置130は、ソフトスイッチ134に対して、SIP 180 RINGINGなどのSIP呼び出し中指示を送出することによって応答する。ブロック510において、二重モード加入者装置130は、呼び出しを受け入れる。別の場合には、この応答は自動的に行われ、呼び出しは、呼び出しフロー内のブロック520などの他のある時点において二重モード加入者装置130によって受け入れられる。いずれの場合においても、二重モード加入者装置130は、呼び出し受け入れメッセージ(SIP 200 OKなど)を送出することによって応答する。図5を再び参照して、ブロック506,508,および512ならびに以下に説明するブロック524および530において説明するソフトスイッチ134内のSIP処理は、呼び出し制御および信号伝達機能モジュール170によって行うことができる。
【0086】
ブロック514において、ソフトスイッチ134は、PSTN106に対する呼び出しを、様々な標準的なPSTN信号伝達プロトコルのうちの1つを使用して開始する。一実施形態において、ソフトスイッチ134は、ISUPを使用するので、ISUP開始アドレスメッセージ(IAM)を、レッグ152A上などでPSTN106へ送出する。ISUP IAMは、送出元のスイッチから送出先のスイッチへのアイドル中継回路を確保して、二重モード加入者装置130をそのセルラー電話番号などによって識別する。ブロック516において、PSTN106は、アドレス完了メッセージ(ACM)で応答する。ACMは、すべてのアドレス信号が受信され、呼び出し設定が進行中であることを示す。ブロック514に応答して、PSTN106は、ブロック518において、セルラー呼び出し開始メッセージを既知の手法に従って送出する。ブロック514,516,および528PSTN信号伝達は、媒体ゲートウェイコントローラ164内の呼び出し制御および信号伝達機能170と、接続セッション管理器モジュール172とによって管理可能であり、信号伝送ゲートウェイ160によって実施可能である。
【0087】
ブロック520において、二重モード加入者装置130は、ブロック510において呼び出しが既に受け入れられている場合には、呼び出しを自動的に受け入れる。二重モード加入者装置130は、ブロック522において、セルラー呼び出し受け入れで応答する。これらのPSTNブロックは、上述のSIPブロックの前、後、またはそれと並行して生じてもよい。
【0088】
ところで、ソフトスイッチ134は、ブロック524において、VoIP電話156に対してSIP呼び出し中指示(SIP 180 RINGING)で応答し、論理的な意味で、ソフトスイッチ134からVoIP電話156への一方向のVoIP音声搬送パスをブロック526において確立する。VoIPを使用して、回路切り換えチャンネルが確立または確保されることは実際にはないが、代わりに、音声搬送パケットが、一方の当事者から他方へ流れ始める。この場合、呼び出しを示すものを搬送するパケットが、中継ゲートウェイ162からVoIP電話156へ流れ出す。
【0089】
ブロック528において、PSTN106は、セルラー呼び出し受け入れに対して、ISUP応答(ANM)で応答する。ANMは、被呼者が呼び出しに応答した旨を示す。応答して、ブロック530において、ソフトスイッチ134は、SIP OKメッセージをVoIP電話156に対して送出する。ブロック532において、電話チャンネルが割り当てられ、ソフトスイッチ134内の中継ゲートウェイ162からPSTN106を通って二重モード加入者装置130への双方向音声パスが、パス152を使用するなどして確立される。ソフトスイッチ134内の中継ゲートウェイ162からVoIP電話156への双方向VoIP音声搬送パスが、ブロック534において確立され、ソフトスイッチ134は、それを確立されたPCM音声パスに接続して、VoIP電話156から二重モード加入者装置130への音声リンクを完成させる。
【0090】
別の場合には、セルラー音声チャンネルは、ソフトスイッチ134というよりも、二重モード加入者装置130からの呼び出し元によって確立される。例えば、図10を再び参照して、SIP開始要求メッセージ(ブロック506において送出されたものなど)または他のSIPメッセージは、着信呼がソフトスイッチに到着した旨を示す。このメッセージに応答して、二重モード加入者装置130は、ソフトスイッチ134に対する呼び出しを、当該メッセージ内で指定された番号または所定の番号などの代理番号を使用して開始する。ブロック514において呼び出しを開始するよりも、ソフトスイッチ134は、二重モード加入者装置130からの着信呼を待つ。一実施形態において、ソフトスイッチ134は、被呼代理番号を使用して、二重モード加入者装置130からの着信呼を、呼び出し確立中であることと相関させる。その後、ソフトスイッチ134は、着信セルラー呼を切り換えて、確立されたVoIP音声パスに接続して、呼び出しフローは、図10に示すようなやり方で継続する。この応答加入者発呼手法は、以下のいくつかの呼び出しフローと共に使用することができる。
【0091】
図11は、現在WLAN外にある二重モード加入者装置に対する呼び出しをPSTN電話が開始する場合の呼び出しフロー例を示す。この呼び出しフローを、図5および2をも参照して説明する。説明するブロックの特定の順序は、システム要件および呼び出しフローに対する影響を考慮して、様々なものとなりうる。
【0092】
ブロック536において、従来の電話158などの呼び出しを行う電話は、二重モード加入者装置130のPBX電話番号を指定する普通の従来の電話システム(POTS)呼び出し開始メッセージをPSTN106へ送出する。ブロック538において、PSTN106(従来の電話158の代わりとなる)は、二重モード加入者装置130をそのPBX電話番号で特定するISUP IAMを、ソフトスイッチへ送出する。ブロック540において、ソフトスイッチ134は、ISUP ACMで応答する。ブロック542において、PSTN106は、POTS呼びだし呼び出し中メッセージを従来の電話158へ送出する。
【0093】
ブロック544において、ソフトスイッチ134は、ユーザが規定した設定および登録情報などの二重モード加入者装置130に関連した呼び出し処理情報を再検討する。この場合、ソフトスイッチ134は、セルラーネットワーク内の二重モード加入者装置130と接触することを決定する。ブロック546において、ソフトスイッチ134は、SIP開始要求メッセージを、パス150などのセルラーネットワークのデータ搬送パス上で二重モード加入者装置130へ送出する。ブロック548において、二重モード加入者装置130は、SIP呼び出し中指示を送出することによって応答する。ブロック550において、二重モード加入者装置130は、呼び出しを受け入れる。別の場合には、この応答は自動的に行われ、呼び出しは、後に、ブロック560などにおいて、二重モード加入者装置130によって受け入れられる。いずれの場合においても、二重モード加入者装置130は、ブロック552において、SIP OKメッセージをソフトスイッチ134へ送り返すことによって応答する。
【0094】
図8の加入者装置のブロック図に戻って参照して、ブロック546の着信SIP開始要求メッセージは、セルラーフロントエンド402を通じて二重モード加入者装置130で受信される。セルラーフロントエンド402は、無線リンク上で受信された情報をSIPプロセッサ424へ渡して、SIPプロセッサ424は、当該メッセージを解析する。一実施形態において、SIPプロセッサ424は、コントローラ420に対して指示を送り、その指示の結果、ユーザの通知を命令する。例えば、コントローラ420は、ユーザインターフェイス412と、マイクロフォン202とを使用して、着信音、カスタマイズされたマイクロフォンメッセージ(「マリーが呼んでいます」など)、表示メッセージ、一連のソフトキーオプションなどを命令する。また、コントローラ420は、SIPプロセッサ424に対して、SIP呼び出し中指示を作成するように命令して、ブロック548においてセルラーフロントエンド402によって無線リンク上で送信させる。一実施形態において、ユーザが呼び出しを受け入れる場合には、コントローラ420は、SIPプロセッサ424に対して、対応する応答メッセージを作成するように命令して、ブロック552においてセルラーフロントエンド402によって無線リンク上で送信させる。一実施形態において、ユーザは、後に、例えばセルラーおよびSIP呼び出し情報が受信された後などに、通知されてもよい。
【0095】
図11を再び参照して、ブロック554において、ソフトスイッチ134は、二重モード加入者装置130をそのセルラー電話番号で特定するISUP IAMをPSTN106送出する。ブロック556において、二重モード加入者装置130の代わりとなるPSTN106は、ACMで応答する。ブロック554に応答して、PSTN106は、ブロック558において、セルラー呼び出し開始を送出する。ブロック560において、呼び出しがブロック550においてすでに受け入れられている場合には、二重モード加入者装置130は、当該呼び出しを受け入れる。また、ブロック560において、二重モード加入者装置130は、着信セルラー音声呼び出しを以前受信されたSIP開始要求に相関させる。二重モード加入者装置130は、ブロック562において、セルラー呼び出し受け入れで応答する。ブロック564において、PSTN106は、セルラー呼び出し受け入れに対してISUP ANMで応答する。これらのPSTNブロックは、上述のSIPブロックの前、後、またはそれと並行して生じてもよい。また、上述の応答加入者発呼手法は、呼び出し接続を確立するために使用されてもよい。
【0096】
図8に戻って参照して、ブロック558の着信セルラー呼び出し開始は、セルラーフロントエンド402を通じて二重モード加入者装置130で受信される。セルラーフロントエンド402は、無線リンク上で受信された情報を、メッセージを解析するセルラープロセッサ426へ渡す。セルラープロセッサ426は、メッセージをコントローラ420へ送出する。コントローラ420は、着信セルラー呼び出しを、発呼者ID情報などを使用するなどしてSIP処理情報に相関させる。ユーザが呼び出しを受け入れる場合には、コントローラ420は、セルラープロセッサ426に対して、対応する応答メッセージを作成するように命じて、ブロック562において送られたように、セルラーフロントエンド402によって無線リンク上を送信される。
【0097】
図11を再び参照して、ブロック566において、ソフトスイッチ134は、ISUP
【0098】
ANMメッセージPSTN106を送出する。ブロック568において、PSTN106は、POTS呼び出し確立メッセージを従来の電話158へ送出する。ブロック570において、従来の電話158からソフトスイッチ134へのPCM音声パスが確立される。ブロック572において、回路切り換え音声チャンネルが割り当てられ、PCM音声パスが、PSTN106を通って二重モード加入者装置130へ、パス152を使用するなどして確立され、ソフトスイッチ134は、それをブロック570において確立されたPCM音声パスに接続する。よって、従来の電話158から二重モード加入者装置130への音声搬送トラフィックチャンネルが完成する。
【0099】
図8を再び参照して、音声搬送トラフィックチャンネル情報が、二重モード加入者装置130において、セルラーフロントエンド402、セルラープロセッサ426、ならびにマイクロフォン202およびスピーカ200を使用して送受信される。
【0100】
加入者装置が開始した呼び出しについての呼び出しフローは、二重モード加入者装置130によって受信された呼び出しについての図10および11において説明した呼び出しフローと同様である。二重モード加入者装置130が発呼者である場合には、二重モード加入者装置130は、標準的なセルラー呼び出し開始メッセージを作成する。メッセージは、実際の被呼者というよりも、代理の電話番号を特定する。二重モード加入者装置130は、加入者装置と同一のPBXの外部または内部にある、PSTN装置またはVoIP装置などの実際の被呼者を特定するSIPメッセージを作成する。ソフトスイッチ134は、2つのメッセージを相関させて、上述の逆処理と同様のやり方で、適切な音声パスを確立する。
【0101】
二重モード加入者装置130が発呼者であろうと被呼者であろうと、音声搬送セルラーパスと、並列SIP信号伝達セルラーパスとが、二重モード加入者装置130で確立される。並列SIP信号伝達パスにより、二重モード加入者装置130のユーザは、標準的な職場の卓上電話上で使用可能な機能のようなSIP機能に対してアクセスすることができる。
【0102】
ちょうど上記のように、二重モード加入者装置130がセルラー直接受信可能領域内にあり、かつWLAN外にある場合の二重モード加入者装置130による標準的な呼び出しは、実際の被呼者というよりも、ソフトスイッチ134に関連付けられた代理番号を指定する。したがって、電話番号の最初の数字をダイヤルすることなどによって、ユーザが呼び出しを行うつもりであることを示すやいなや、二重モード加入者装置130は、代理番号を使用して、音声搬送トラフィックストリームをパス152上で開始する処理を開始できる。加えて、ユーザが呼び出しを行うつもりであることを示すやいなや、システムが応答ソフトスイッチ開始手法(図16を参照して以下に説明する)を使用する場合には、二重モード加入者装置130は、データ搬送パス150上でメッセージを送出して、ソフトスイッチ134に対して、二重モード加入者装置130に対する呼び出しを開始する旨を通知することができる。このように、セルラー音声呼び出しの確立に伴う遅延は遮断され、システムの応答は、人間であるユーザが知覚するよりもはるかに速くなる。
【0103】
図12は、加入者装置が開始した呼び出しに対する、ソフトスイッチ134によって実施される処理または方法のフローチャートである。処理を、図5および2をも参照して説明する。図12から、対応する遠隔ユニットの動作を、当業者は容易に理解できる。説明するブロックの特定の順序は、システム要件および呼び出しフローに対する影響を考慮して、様々なものとなりうる。
【0104】
ブロック800において、ソフトスイッチ134は、二重モード加入者装置130によって生成および送出されたSIP開始要求を、パス150などで受信する。SIP信号伝達は、媒体ゲートウェイコントローラ164によって、より特定的には呼び出し制御および信号伝達機能170によって、処理される。二重モード加入者装置130によって作成されたSIP開始要求メッセージは、被呼者を指定し、この場合では、PSTN電話番号によって指定されるPSTN装置を仮定する。ソフトスイッチ134内の呼び出し制御および信号伝達機能170は、応答SIP試行中メッセージを生成して、ブロック802において、それを二重モード加入者装置130へ送出する。
【0105】
ブロック804において、信号ゲートウェイ160は、IAMメッセージをPSTN106から受信する。PSTNからのIAMメッセージは、従来のセルラーネットワーク上での二重モード加入者装置130からPSTN106への呼び出し開始メッセージに応答して生成されたものである。IAMメッセージ(および呼び出し開始メッセージ)は、通信を意図したユーザが使おうとした実際の被呼者番号というよりはむしろ、代理の被呼者番号を指定する。(実際の被呼者番号は、ブロック800で受信されたSIPメッセージ伝達において指定される。)一実施形態において、代理の被呼者番号は、二重モード加入者装置によって開始された着信呼のために確保された、ソフトスイッチ134に関連したダミーの電話番号であって、よって、ソフトスイッチ134に対して、対応SIPメッセージが送出されて実際の被呼者が指定される旨を通知する。他の実施形態において、代理番号は、ソフトスイッチに関連付けられ、加入者装置に固有である。一実施形態において、代理の被呼者番号は、開始加入者装置のPBXが割り当てられた番号である。一実施形態において、二重モード加入者装置からのSIP信号伝達は、代理番号を指定して、相関関係を促進する。ブロック806において、ソフトスイッチ134は、代理被呼者番号を参照するなどして、ブロック800において受信されたSIPメッセージをブロック804において受信されたPSTN信号伝達に相関させ、二重モード加入者装置130を、確立中のセルラー音声搬送トラフィックパス上で、SIP開始要求において指定された要素に対して結合する。典型的には、媒体ゲートウェイコントローラ164は、SIPメッセージのセルラー音声呼び出しに対する相関を行う。
【0106】
ブロック808において、信号伝達ゲートウェイ160は、接続セッション管理器172の制御の下、ブロック804で受信されたIAMに応答して、ACMメッセージをPSTN106へ送出する。また、同じ要素は、ブロック810において、IAMを作成およびPSTN106へ送出して、SIP開始要求で指定された相手への呼び出しを確立しようと試みる。ブロック812および814において、ACMおよびANMメッセージは、被呼装置の代わりにソフトスイッチ134によって受信される。ブロック816において、ソフトスイッチ134(特定的には、中継ゲートウェイ162)は、双方向音声パス同士を結合させ、図10のブロック534および532ならびに図11のブロック570および572において示すのと同様なやり方で、被呼者が二重モード加入者装置130に接続するようにする。呼び出しが確立された後でさえ、ユーザは、SIP信号伝達をセルラーシステムのデータ搬送パス上で使用することにより、卓上電話において使用可能な機能などの広範囲の機能を自由に使用可能である。
【0107】
図13Aおよび13Bは、呼び出しが進行中である場合に呼び出しを制御するためにSIP信号伝達を使用する例を示す呼び出しフロー図である。これらの図面に関連して説明される特定の例は、保留転送であるが、図面は、呼び出し制御のための並列SIPチャンネルの使用を寄り一般的に示している。他のコールフロー機能(電話会議、インターコム機能、プッシュトーク動作など)および他の種類の遠端末装置のためにSIP信号伝達を使用することは、図13Aおよび13Bを再検討した後には当業者にとって容易に明らかであろう。説明するブロックの特定の順序は、システム要件および呼び出しフローに対する影響を考慮して、様々なものとなりうる。図13Aおよび13Bに関連して、ユーザは現在職場から離れており、かつセルラー受信可能範囲内ではあるが、WLAN受信可能範囲外であると仮定する。役員であるユーザは、そのPBX電話番号をダイヤルした元の発呼者からの呼び出しを受信しており、同番号で職場の卓上電話も鳴っている。フローが開始すると、役員は現在、加入者装置130を介して、元の発呼者と音声通話を行っている。現在、彼は、アシスタントであるマリーと手短に話をしたいと思っており、その後、マリーが後日のミーティングの予定を立てることができるように、元の発呼者をマリーにつなぎたいと思っている。彼は、元の発呼者にそのまま待ってもらって、第2の被呼者であるマリーに対して、マリーの3桁のPBX内線を使用してダイヤルする。彼はマリーと少し話した後、元の発呼者をマリーにつなぐ。
【0108】
図13Aおよび13Bは、元の発呼者が一般的なVoIP電話であり、第2の被呼者は二重モード加入者装置130と同じPBXに関連付けられたVoIP電話であると仮定する。フローが開始すると、VoIP電話156(元の発呼者)と、二重モード加入者装置130との間で呼び出しが確立する(図2参照)。VoIP電話156と、ソフトスイッチ134との間の呼び出しのレッグが、図10を参照して説明した方法を使用するなどにより、ブロック580によって確立されている。ソフトスイッチ134と、二重モード加入者装置130との間のPSTN106を通じての呼び出しのレッグは、ブロック582によって確立されている。ブロック584において、二重モード加入者装置130は、現在の通話を保留にするためのユーザからのコマンドを受信する。ブロック586において、二重モード加入者装置130は、SIP INVITE(HOLD)などのSIP保留メッセージをソフトスイッチ134へ送出する。その結果、ブロック588において、ソフトスイッチ134は、SIP保留メッセージをVoIP電話156へ送出する。VoIP電話156は、ブロック590において、SIP OKメッセージで応答し、その後、ソフトスイッチ134は、ブロック592において、二重モード加入者装置130へ同様に応答する。二重モード加入者装置130は、ブロック594において、SIP受領確認メッセージを送出し、その後、ソフトスイッチ134は、SIP受領確認メッセージをVoIP電話156へ送出する。ブロック598および600において、それぞれ、VoIP電話156と、ソフトスイッチ134との間、およびソフトスイッチ134と、二重モード加入者装置130との間で、音声が一時停止される。この時点で、ソフトスイッチ134と、二重モード加入者装置130との間の音声搬送送信が一時停止される。ソフトスイッチ134と、二重モード加入者装置130との間の従来の音声チャンネルは割り当てられたままであり、一実施形態において、切断されていない。例えば、パス152上で確立された音声チャンネルは、音声搬送トラフィックが渡されなくても割り当てられたままである。場合によっては、音声が一時中断している間、安心のための発信音または保留音などがリンク上で送信されてもよい。
【0109】
ブロック602において、まだそうしていない場合には、二重モード加入者装置130は、二重モード加入者装置130のユーザによって示されたとおりの第2の被呼者(上記の例では、マリー)についての識別子を受信する。ブロック604において、二重モード加入者装置130は、卓上電話136のような第2の被呼者を特定するSIP開始要求メッセージを送出する。ブロック606において、ソフトスイッチ134は、対応のSIP開始要求メッセージを卓上電話136へ送出する。ブロック608において、卓上電話136は、SIP呼び出し中メッセージで応答し、その後、ソフトスイッチ134は、ブロック610において、SIP呼び出し中メッセージで応答する。ブロック612において、卓上電話136は、呼び出しを受け入れ、ブロック614において、その旨を示すものをソフトスイッチ134へ送出する。ブロック616において、ソフトスイッチ134は、SIP OKメッセージを二重モード加入者装置130へ送出する。ブロック618において、標準的なVoIP音声搬送パスが、ソフトスイッチ134と、卓上電話136との間で確立される。ブロック620において、先に割り当てられたセルラーチャンネルを再使用して、第2の被呼者(この例では、卓上電話136)との音声パスを確立する。このようにして、セルラー音声チャンネルの割り当ておよび確立に伴う遅延を回避する。音声トラフィックの一時中断および再確立は、セルラーシステムの介入なしに行われる。代わりに、第2のセルラー音声チャンネルを確立してもよい。
【0110】
これで、本例の移動中の役員は、最初の通話を保留にしている間に、確立された音声パス上でアシスタントと少し話をすることができる。話し終わると、フローの続きは図13Bとなる。
【0111】
図13Bは、図13Aの呼び出しフローの続きである。ブロック628において、ユーザは、第2の被呼者との通話を終了させる。最初の命令でまだそのようにしていない場合には、ユーザは、元の発呼者を第2の被呼者につなぐよう、例えばソフトキー206(図7参照)を介して信号で伝える。ブロック630において、二重モード加入者装置130は、SIPメッセージを送出して、卓上電話136との通話を保留にするための、SIP
【0112】
INVITE(HOLD)などのSIPメッセージを送出する。ブロック632において、ソフトスイッチ134は、同様のメッセージを卓上電話136に送出する。卓上電話136は、受領確認のための、SIP 200 OKなどのSIPメッセージをブロック634において送出する。ブロック636において、ソフトスイッチ134は、同様のメッセージを二重モード加入者装置130へ送出する。ブロック638において、二重モード加入者装置130は、SIP ACKなどのSIP受領確認をソフトスイッチ134へ送出する。ブロック640において、ソフトスイッチ134は、同様のメッセージを卓上電話136へ送出する。セルラー音声搬送トラフィックパスおよびVoIP音声搬送トラフィックパス上の音声通信は、それぞれブロック644および642において、一時中断される。
【0113】
ブロック646において、二重モード加入者装置130は、SIP REFERなどの、元の発呼者を第2の被呼者へつなぐことを識別するSIPメッセージを送出する。ブロック648において、ソフトスイッチ134は、同様のメッセージをVoIP電話156へ送出する。ブロック650において、VoIP電話156は、照会を受け入れて、SIP 202 ACCEPTEDなどのSIP受け入れメッセージを送出する。ブロック652において、ソフトスイッチ134は、同様のメッセージを二重モード加入者装置130へ送出する。ブロック654において、VoIP電話156は、SIP INVITE(REPLACES)などのSIP開始要求メッセージを卓上電話136へ送出する。卓上電話136は、呼び出しを受け入れ、ブロック656において、その旨を示すものをVoIP電話156へ送出する。そして、ブロック658において、卓上電話136と、VoIP電話156との間のVoIP音声パスが、ソフトスイッチ134によって確立される。
【0114】
元の発呼者、第2の被呼者、またはその両者が従来の古い電話である場合には、同様のPSTN対応呼び出しフローが上述のSIP処理に取って代わることは、図13Aおよび13Bに示す呼び出しフローを参照すれば、当業者にとって容易に明らかであろう。
【0115】
ブロック660において、卓上電話136は、SIP BYEなどのSIP呼び出し解放メッセージをソフトスイッチ134へ送出する。ブロック662において、ソフトスイッチ134は、同様のメッセージを二重モード加入者装置130へ送出する。二重モード加入者装置130は、ブロック664において、SIP OKメッセージで応答する。ブロック666において、ソフトスイッチ134は、同様のメッセージを卓上電話136へ送出する。ブロック668において、VoIP電話156は、SIP NOTIFYなどの、呼び出し転送が成功したことを示すSIPメッセージを送出する。ブロック670において、ソフトスイッチ134は、同様のメッセージを二重モード加入者装置130へ送出する。二重モード加入者装置130は、ブロック672において、SIP OKメッセージで応答する。ブロック674において、ソフトスイッチ134は、同様のメッセージをVoIP電話156へ送出する。ブロック676において、二重モード加入者装置130は、SIP BYEなどのSIP呼び出し解放メッセージを送出する。ブロック678において、ソフトスイッチ134は、同様のメッセージを卓上電話136へ送出する。ブロック680において、VoIP電話156は、SIP BYEなどのSIP呼び出し解放メッセージをソフトスイッチ134へ送出する。ブロック682において、ソフトスイッチ134は、同様のメッセージを二重モード加入者装置130へ送出する。二重モード加入者装置130は、ブロック684において、呼び出しから解放され、割り当てられたセルラーチャンネルが解放される。二重モード加入者装置130が別の呼び出しを行いたい場合には、ソフトスイッチ134は、割り当てられたセルラーチャンネルを維持して、二重モード加入者装置130が使用することにより、第3者への呼び出しまたはそこへ発呼者たる第3者を接続できるようにしてもよい。
【0116】
ソフトスイッチ134は、複数の装置に対する単一の呼び出しに関連したSIP信号伝達を送出することができる。例えば、ユーザは、職場から離れている間に自分の二重モード加入者装置130に呼び出しが回される場合には、発呼者を識別して二重モード加入者装置130についての大まかな位置を示すメッセージをアシスタントがアシスタントの装置で受信するように、自身のシステムを構築してもよい。例えば、図10を再び参照して、ブロック504において、ソフトスイッチ134は、ユーザが規定した設定および登録情報をなどの、二重モード加入者装置130に関連した呼び出し処理情報を再検討する。これらの設定に応答して、ソフトスイッチ134は、ブロック506と同様のやり方で、SIPメッセージ伝達を指定された第2の装置へ送出する。当該情報に基づいて、第2の装置は、元の意図された受信者に代わって、呼び出しを受け入れる。
【0117】
この機能を実際の場合に当てはめて、先の例に戻って、移動中の役員がマリーとの通話を終えて、重要な会議を始めた場合を考える。ソフトスイッチ134は、役員の家庭用電話からの呼び出し開始をPSTN上で受信する。ソフトスイッチ134は、ユーザが規定した設定および登録情報などの、二重モード加入者装置130に関連した呼び出し処理情報をチェックする。ユーザは、システムに対して、通常の営業時間中に家の電話番号からの呼び出しを受信した場合およびユーザがWLANの受信可能領域外にいる場合にはいつでも、メッセージをマリーにルーティングするように命令してある。マリーは、無線装置を携帯して休憩室にいてもよいが、当該装置でWLAN上においてメッセージを受信する。メッセージには、「ボブの家からの役員ボブへの着信です。ボブは職場にいません。この通話を傍受したいですか?」と書いてある。マリーは、重要な会議であることがわかっているので、肯定する旨を信号で伝え、呼び出しはマリーにルーティングされる。メッセージが役員さんの装置へ送出され、役員さんのための対応するメッセージが、「午後3時09分にボブの家から電話がありました。電話はマリーが応答しました」というように表示される。
【0118】
第2の例として、二重モード加入者装置130のユーザがデータ装置154をも携帯していると仮定する。呼び出しに伴うSIP信号伝達がデータ装置154へも送信可能である。データ装置154は、SIP信号伝達をソフトスイッチ134へ送り戻すこともできるので、二重モード加入者装置130と同一の種類の機能を実行できる。
【0119】
例えば、ユーザがスケジューリングおよび電子メール機能を提供するデータ装置154を所持しており、かつ二重モード加入者装置130を使用して通話に参加していると仮定する。着信呼が二重モード加入者装置130によって受信されると、ソフトスイッチ134は、着信呼を示すSIP信号伝達メッセージをデータ装置154へ送出する。データ装置154は、ユーザに対して着信呼を通知して、ユーザオプションを提示できる。例えば、「マーティン・スチュワートからの着信を受信中です。この呼び出しを受け入れて、現在の通話を保留したいですか?」というような表示がなされてもよい。一連のソフトキーによって、ユーザが第2の呼び出しを受け入れて、第1の呼び出しを保留にして、第1または第2の呼び出しをボイスメールまたは他の内線などに転送できるようにしてもよい。ユーザは、自分の二重モード加入者装置130を自分のデータ装置154で制御するなどして、自分の意図をデータ装置154へ信号で直接伝えることができる。また、データ装置154は、第2の発呼者とのやり取りされた電子メールを見つけたり、第2の発呼者との今後または過去の面会予約を表示することもできる。このように、第2の装置を使用して、二重モード加入者装置130についての呼び出し制御を提供することができる。代わりに、これらの同一の機能を加入者装置130において実施してもよい。
【0120】
他の新規の呼び出し機能には、呼び出しへの割り込み機能が含まれる。例えば、図11のブロック540〜548に示すような呼び出しがユーザに来たと仮定する。しかしながら、即座に呼び出しを受け入れるのではなく、ユーザは発呼者に対してボイスメールを送って、残されている最中のメッセージを監視したいと思う。ユーザは、この命令を二重モード加入者装置130に対して信号で伝える。この内容は、二重モード加入者装置130からソフトスイッチ134へのSIPメッセージ伝達により、信号伝達される。フローは継続して、PCMセルラー音声パスと、図11のブロック554〜570において示すのと同様のPCM陸上通信線パスとを確立する。ソフトスイッチ134は、ブロック570において作成したような音声パスを、ボイスメールアプリケーションへルーティングする。ソフトスイッチ134は、並行して、発呼者からの音声搬送トラフィックストリームを、ブロック572において確立したパス152などで二重モード加入者装置130へルーティングする。残されている最中のメッセージをユーザが聞くことができるように、加入者装置130から音声が出力される。二重モード加入者装置130のユーザが呼び出しに割り込むことを選択する場合にはいつでも、二重モード加入者装置130は、SIP信号伝達メッセージをソフトスイッチ134へ送出する。応答して、ソフトスイッチ134は、また、二重モード加入者装置130からの音声搬送データストリームを発呼者へルーティングして、双方向通話が確立される。この場合、ソフトスイッチ134は、ボイスメールシステムに対して、録音を中止するように信号で伝えてもよい。
【0121】
図14は、ソフトスイッチと、従来のMSCとの間の媒体ゲートウェイを使用する、図6に示すようなシステムにおけるWLANの外に現在存在する二重モード加入者装置への呼び出しをVoIP電話156などのIP電話が開始する場合の呼び出しフロー例を示す。説明するブロックの特定の順序は、システム要件および呼び出しフローに対する影響を考慮して、様々なものとなりうる。
【0122】
ブロック700において、VoIP電話156は、二重モード加入者装置130のPBX電話番号、もしくはSIP URLまたはIPアドレスなどの他の識別子を特定するSIP開始要求メッセージを送出する。ソフトスイッチ344は、開始要求を受信して、ブロック702において、SIP試行中メッセージで応答する。ブロック704において、ソフトスイッチ344は、ユーザが規定した設定および登録情報などの二重モード加入者装置130に関連した呼び出し処理情報を再検討する。ソフトスイッチ344は、セルラーネットワーク内の二重モード加入者装置130と接触することを決定する。ブロック706において、ソフトスイッチ344は、SIP開始要求メッセージを二重モード加入者装置130へ、図6のパス150のような、セルラーネットワークのデータ搬送パス上で送出する。ソフトスイッチ344は、標準的なIPアドレス指定手法を使用して、二重モード加入者装置130を識別する。ブロック708において、加入者装置は、SIP呼び出し中指示メッセージを送出することによって応答する。ブロック710において、二重モード加入者装置130は、呼び出しを受け入れる。別の場合には、この応答は自動的に行われ、呼び出しは、呼び出しフロー内のブロック730などの他のある時点において二重モード加入者装置130によって受け入れられる。いずれの場合においても、二重モード加入者装置130は、ブロック712において、SIP OKメッセージをソフトスイッチ344へ送出することによって応答する。
【0123】
媒体ゲートウェイ340に対して、音声搬送トラフィックチャンネルを開始するように命令するために、ソフトスイッチ344は、IPメッセージを作成して、レッグ342Aおよび342Bなどにより、IPネットワーク上で媒体ゲートウェイ340へ送信する。メッセージは、セルラー電話番号によって指定された二重モード加入者装置130へのセルラーネットワーク上での呼び出し開始を示す。このように、ブロック714において、ソフトスイッチ344は、二重モード加入者装置130をそのセルラー電話番号によって指定するIAMメッセージまたは同様のIP形式の呼び出し開始メッセージを、IPバックボーン108上で媒体ゲートウェイ340へ送出する。
【0124】
ブロック716において、媒体ゲートウェイ340は、IP形式のメッセージを受信し、それに応答して、レッグ340Cなどによって、様々な標準的なPSTN信号伝達プロトコルのうちの1つを使用して、呼び出し確立試行を従来のMSC140へ信号で伝える。ブロック718において、従来のMSC140は、ACMで応答する。メッセージは、媒体ゲートウェイ340によって受信され、ブロック720において、媒体ゲートウェイ340は、対応するIP形式のメッセージを作成して、それをソフトスイッチ344へIPバックボーン108上で送出する。
【0125】
ブロック716に応答して、従来のMSC140は、ブロック722において、周知の手法に従って、セルラー呼び出しを開始する。ブロック730において、二重モード加入者装置130は、ブロック710において既に受け入れられていれば、その呼び出しを自動的に受け入れる。また、ブロック730において、二重モード加入者装置130は、着信セルラー音声呼び出しを以前受信したSIP開始要求に相関させる。二重モード加入者装置130は、ブロック732において、セルラー呼び出し受け入れで応答する。その次に、従来のMSC140は、ブロック734において、媒体ゲートウェイ340に対してANMで応答する。媒体ゲートウェイ340は、ブロック736において、ANMメッセージ情報を有するIPメッセージで、ソフトスイッチ344に応答する。これらのPSTNブロックは、上述のSIPブロックの前、後、またはそれと並行して生じてもよい。
【0126】
ところで、ソフトスイッチ344は、ブロック724において、VoIP電話156に対してSIP呼び出し指示メッセージで応答する。ソフトスイッチ344は、ブロック726において、第1の接続作成メッセージを媒体ゲートウェイ340へ送出する。第1の接続作成メッセージは、媒体ゲートウェイ340に対して、ブロック728およびその後のブロック742において使用されるVoIP音声パスに資源を割り当てるように命令する。本例では、MGCPを使用しているが、メガコまたは他の媒体ゲートウェイ制御プロトコルのような他のプロトコルも使用できる。論理的な意味で、媒体ゲートウェイ340は、ブロック728において、媒体ゲートウェイ340からVoIP電話156への一方向のVoIP音声搬送パスを確立し、パケットが媒体ゲートウェイ340からVoIP電話156へと流れ始める。
【0127】
ブロック736において送出されたIP ANM メッセージに応答して、ソフトスイッチ334は、ブロック738において、SIP OKメッセージをVoIP電話156へ送出する。ソフトスイッチ344は、ブロック740において、第2の接続作成メッセージを媒体ゲートウェイ340へ送出する。第2の接続作成メッセージは、媒体ゲートウェイ340に対して、使用するPCMに資源を割り当てて、音声接続を確立するように命令する。ブロック744において、電話チャンネルが割り当てられ、レッグ342C,342D,および342Eを使用するなどして、媒体ゲートウェイ340からPSTN106を通って二重モード加入者装置130への双方向音声パスが確立される。ブロック741において、ソフトスイッチ344は、接続修正メッセージを媒体ゲートウェイ340へ送出して、以前に作成された2つの終点を接続することと、例えばIP符号化およびPCM符号化音声信号伝達間での変換などといった、媒体変換を必要に応じて行うこととを命令する。ブロック742において、媒体ゲートウェイ340からVoIP電話156への双方向VoIP音声搬送パスが確立されており、よって、VoIP電話156から二重モード加入者装置130への音声リンクが完成する。注意すべきなのは、媒体ゲートウェイ340からVoIP電話156へのVoIPパスは、効率的なパス上でパケットを搬送でき、これらのパケットは、ソフトスイッチ344へ入力される必要がない。
【0128】
図15は、ソフトスイッチと、従来のMSCとの間の媒体ゲートウェイを使用する、図6に示すようなシステムにおけるWLANの外に現在存在する二重モード加入者装置への呼び出しを従来の電話が開始する場合の呼び出しフロー例を示す。説明するブロックの特定の順序は、システム要件および呼び出しフローに対する影響を考慮して、様々なものとなりうる。
【0129】
ブロック746において、従来の電話158などのPSTN装置は、二重モード加入者装置130のPBX電話番号を指定するPOTS呼び出し開始をPSTN106へ送出する。ブロック748において、PSTN106(従来の電話158の代わりとなる)は、二重モード加入者装置130をそのPBX電話番号で特定するISUP IAM(または、使用するプロトコルによっては他の呼び出し開始メッセージ)を送出する。ブロック750において、ソフトスイッチ344は、ISUP ACMで応答する。ブロック752において、PSTN106は、POTS呼び出し中指示を従来の電話158へ送出する。
【0130】
ブロック754において、ソフトスイッチ344は、ユーザが規定した設定および登録情報などの二重モード加入者装置130に関連した呼び出し処理情報を再検討する。ソフトスイッチ344は、セルラーネットワーク内の二重モード加入者装置130と接触することを決定する。ブロック756において、ソフトスイッチ344は、SIP開始要求メッセージを、図6のパス150などのセルラーネットワークのデータ搬送パス上で二重モード加入者装置130へ送出する。ブロック758において、加入者装置は、SIP 180 RINGINGなどのSIP呼び出し中指示メッセージを送出することによって応答する。ブロック760において、二重モード加入者装置130は、呼び出しを受け入れる。別の場合には、この応答は自動的に行われ、呼び出しは、呼び出しフロー内の他のある時点において二重モード加入者装置130によって受け入れられる。いずれの場合においても、二重モード加入者装置130は、ブロック762においてSIP OKメッセージ(SIP 200 OKなど)をソフトスイッチ344へ送出することによって応答する。
【0131】
媒体ゲートウェイ340に対して、音声搬送トラフィックチャンネルを開始するように命令するために、ソフトスイッチ344は、IPメッセージを作成して、レッグ342Aおよび342Bなどにより、IPネットワーク上で媒体ゲートウェイ340へ送信する。メッセージは、セルラー電話番号によって指定された二重モード加入者装置130へのセルラーネットワーク上での呼び出し開始を示す。このように、ブロック764において、ソフトスイッチ344は、二重モード加入者装置130をそのセルラー電話番号によって指定するIP形式のIAMメッセージを、IPバックボーン108上で媒体ゲートウェイ340へ送出する。
【0132】
ブロック766において、媒体ゲートウェイ340は、IPメッセージおよび信号を、呼び出し確立試行に変換して、レッグ342Cなどにより、標準的なPSTN信号伝達を使用して、従来のMSC140へ送出する。ブロック768において、従来のMSC140は、ISUP ACMで応答する。メッセージは、媒体ゲートウェイ340によって受信され、ブロック770において、媒体ゲートウェイ340は、対応するIP上のACMメッセージをソフトスイッチ344へ送信する。
【0133】
ブロック766に応答して、従来のMSC140は、ブロック772において、セルラー呼び出しを周知の手法に従って開始する。ブロック774において、二重モード加入者装置130は、呼び出しフローにおいて以前に既に受け入れられていれば、その呼び出しを自動的に受け入れる。また、ブロック774において、二重モード加入者装置130は、着信セルラー音声呼び出しをSIP開始要求に相関させる。二重モード加入者装置130は、ブロック776において、セルラー呼び出し受け入れで応答する。その次に、従来のMSC140は、ブロック778において、媒体ゲートウェイ340に対してISUP
【0134】
ANMで応答する。媒体ゲートウェイ340は、ブロック780において、ANMメッセージ情報を有するIPメッセージで、ソフトスイッチ344に応答する。応答して、ソフトスイッチ344は、ブロック782において、ISUP ANMをPSTN106へ送出する。これらのPSTNブロックは、上述のSIPブロックの前、後、またはそれと並行して生じてもよい。
【0135】
ソフトスイッチ344は、ブロック784において、媒体ゲートウェイ340に対して、各PCM呼び出しレッグの終点について資源を割り当てるように指示する接続作成メッセージを送出する。ブロック782に応答して、PSTN106は、ブロック782において、POTS呼び出しレッグが確立されたことを示す。ブロック788において、ソフトスイッチ344は、媒体ゲートウェイ340に対して、2つの以前割り当てられたPCM音声パス終点を互いに接続するように命令する接続修正コマンドを送出する。ブロック790において、電話チャンネルが割り当てられ、レッグ342C,342D,および342Dを使用するなどして、媒体ゲートウェイ340からPSTNを通って二重モード加入者装置130への双方向音声パスが確立されることにより、従来の電話158から二重モード加入者装置130への音声リンクが完成する。
【0136】
上記のように、パス152上の着信音声呼び出しを示すSIP信号伝達メッセージをパス150上で受信した場合に、二重モード加入者装置130は、上述のブロック520,560,730,および774に関して説明したようなメッセージ情報を着信音声呼び出しに相関させる。この相関を促進させるには、いくつかの機構を使用することが可能である。一実施形態において、ソフトスイッチ134は、標準的なPSTN機構に従って、一連の発信番号を割り当てる。ソフトスイッチ134からパス152を通って呼び出しが確立される場合、割り当てられた発信番号群から1つの番号が呼び出しに対して割り当てられ、標準的な発呼者ID手法に従ってパス152上を送信される。二重モード加入者装置130は、当該番号を、ソフトスイッチ134から生じたものであると認識し、よって、この呼び出しを最近受信されたまたはその次に受信されたSIP信号伝達メッセージに相関させる。一実施形態において、加入者装置は、呼び出しが受信されるときに送信されるSIP信号伝達メッセージから、番号群に関する情報を受信する。他の実施形態において、番号は、それ以前のある時に二重モード加入者装置130へ転送されて、二重モード加入者装置130内に記憶される。
【0137】
システム設計によっては、この手法は、呼び出しを誤認する可能性がある。例えば、2つの呼び出しがソフトスイッチから立て続けにルーティングされる場合、呼び出しの識別が二重モード加入者装置内で入れ替わる可能性がある。
【0138】
一実施形態において、ソフトスイッチは、この入れ替えエラーに対する対処を、2つの呼び出しのうちの1つの送信に遅延を挿入することによって行う。例えば、1つの呼び出しを加入者装置へ転送した後で、ソフトスイッチは、選択された保護帯域内で2つの呼び出しが転送されないように、次の呼び出しの送信を遅延させる。
【0139】
他の実施形態において、図4に示す事業者が設けたモデルまたは図6に示す事業者ゲートウェイモデルにおいて、発呼者ID(典型的には、第1および第2の着信音の間に挿入された音として搬送)を、特定の識別子に置き換えることができる。特定の識別子を加入者装置によって使用して、呼び出し開始要求を対応するSIP信号伝達メッセージに正確に相関させることができる。特に、図4および6のアーキテクチャは、PSTN上での送信を回避するという取り組みに向いており、よって、カスタマイズされた動作に対する操作を寄り柔軟に行うことができる。
【0140】
例えば、典型的には、発呼者ID情報は、PSTNと、従来のMSCとの間で、ISUPメッセージ内のフィールドを使用して送信される。ISUPメッセージは媒体ゲートウェイ340または事業者のソフトスイッチ320から生じるので、固有の発呼者ID識別子が挿入できる。二重モード加入者装置130は、この疑似発呼者ID識別子を、二重モード加入者装置へ送出されたSIP信号伝達メッセージ内の識別子に相関させる。このように、従来のセルラー音声レッグと、セッションを開始したSIPメッセージとの間の相関を、より正確に識別することができる。
【0141】
上記のように、応答加入者開始の取り組みを使用することによって、加入者装置に自身の着信呼がソフトスイッチで受信された旨をデータパスを介して通知することができ、応答して、加入者装置は、ソフトスイッチへの再呼び出しを開始する。そのような場合、相関処理は、ソフトスイッチが主に行う。同様に、応答ソフトスイッチ開始手法(図16を参照して後述)を使用すると、相関処理は、加入者装置が主に行う。
【0142】
図16は、応答ソフトスイッチ開始手法を使用するシステムにおける加入者装置130によって実施されるブロックまたは処理のフローチャートである。応答ソフトスイッチ開始手法において、呼び出しがセルラーネットワーク上で二重モード加入者装置130から開始される場合に、二重モード加入者装置130は、セルラーネットワークのデータ搬送パス上で呼び出し開始メッセージを送出する。応答して、ソフトスイッチ134は、被呼者および二重モード加入者装置130へ呼び出しを開始する。その後、ソフトスイッチ134は、2つのレッグを切り換えて、上記と同様に呼び出しフロー手法を使用して音声呼び出しを完了する。
【0143】
図16を再び参照して、呼び出し開始要求がユーザから受信されると、ブロック348においてフローが開始する。例えば、図8に戻って参照して、ユーザは、ユーザインターフェイス412を使用して、キーパッドに電話番号を入力できる。ブロック350において、要求に応答して、コントローラ420は、SIPプロセッサ424に対して、セルラーネットワークのデータ搬送パス上を送出される呼び出し開始メッセージを作成するように命令する。例えば、SIPプロセッサ424は、被呼者および二重モード加入者装置130がどれであるかを特定するSIP開始要求メッセージを作成する。このメッセージは、セルラープロセッサ426によって、セルラーフロントエンド402を使用して、セルラーネットワークのデータ搬送パス上を送出される。
【0144】
ソフトスイッチ134がSIP開始要求メッセージを受信した場合には、ソフトスイッチ134は、二重モード加入者装置130への呼び出しを、二重モード加入者装置130をそのセルラー電話番号によって被呼者であると示すPSTN呼び出し開始メッセージをPSTNへ送出することなどによって開始する。代わりに、ソフトスイッチ134は、媒体ゲートウェイ340のような媒体ゲートウェイへIP符号化メッセージを送出することもできる。また、ソフトスイッチ134は、実際の被呼者への呼び出しを開始して、これらの2つの呼び出しレッグを切り換えて、音声呼び出しを完成させる。その間、二重モード加入者装置130は、ブロック352において、セルラー呼び出し開始メッセージを待つ。
【0145】
セルラー呼び出し開始がセルラーフロントエンド402上で受信されると、セルラープロセッサ426は、コントローラ420へ知らせる。ブロック354において、コントローラ420は、着信呼を以前送出された開始要求と相関させる。一実施形態において、ソフトスイッチ134は、二重モード加入者装置130を発呼者として識別する。例えば、ソフトスイッチ134は、発呼者IDを使用して、発信番号を二重モード加入者装置130へ割り当てられたPBX電話番号として特定し、コントローラ420は、この認識を使用して、相関処理を促進する。相関がうまくいった場合には、コントローラ420は、セルラープロセッサ426に対して、呼び出しを自動的に受け入れるように命令する。コントローラ420は、ユーザインターフェイス412に対して、ユーザが呼び出し開始者である旨をユーザに知らせるように命令する必要はない。実際、多くの場合、応答ソフトスイッチ開始手法が使用されていることにユーザは気づかない。この点で、ソフトスイッチ134は、二重モード加入者装置130と被呼者との間で音声呼び出しが確立されるまで、呼び出しフローを継続する。
【0146】
上記のように、一旦音声呼び出しが確立されると、二重モード加入者装置130は、音声呼び出しを、ソフトスイッチ134へ送出されたSIP信号伝達で制御できる。例えば、ブロック358において、コントローラ420は、電話会議が確立されるように別の発呼者を既存の通話に加える要求をユーザインターフェイス412から受信する。ブロック360において、コントローラ420は、SIPプロセッサ424に対して、SIPメッセージを作成するように命令して、それをセルラーフロントエンド402へ転送して、ソフトスイッチ134へ送信するように命令する。
【0147】
上記のように、インターコムサービスを提供できる。移動中の役員の例に再び戻って、役員は職場内にいる間に自身への電話をマリーに選別してもらう習慣になっており、着信呼が役員のPBX電話番号にある場合はいつでも、役員の居場所に関係なく、まずマリーの電話が鳴るようにシステムを構成していると仮定する。一旦マリーが発呼者と話をすれば、マリーは役員のボブと連絡を取りたいと思うことが多い。マリーは、自身の送受話器上のインターコムボタンを押す(またはそうでなければ、有線または無線装置を使用して、自身の意図をソフトスイッチ134へ信号で知らせる)。ソフトスイッチ134は、二重モード加入者装置130への通常のセルラー呼び出しを開始する(応答加入者発呼手法が使用されていないと仮定する)。また、ソフトスイッチ134は、着信呼がマリーからであり、二重モード加入者装置130はとうがい呼び出しを自動的に受け入れるべきであることを示す並列SIPメッセージを送出する。このように、インターコム機能が始動する。二重モード加入者装置130が自動返答して、音声搬送チャンネルが確立されると、マリーは口頭でボブに対して着信呼を知らせることができる。ボブは、転送を受け入れるかまたは拒絶するかの意思を高等で知らせることができる。代わりに、ボブは、手動で自身の意図を知らせることもできる。マリーは、確立された音声搬送チャンネルを使用して、転送を実現することができる。
【0148】
図2は単一のWLANを含むシステムの実施例を示すが、システムは、複数の有線または無線LANを容易に含むことが可能である。例えば、ある企業が2つの互いに異なる敷地を有し、それぞれが独自のWLANを有する場合、またはユーザが家庭に設置された有線または無線LANを有する場合がある。ソフトスイッチは、2つの場所のうちの1つにあるか、もしくはセントレックスモデルまたは事業者中心モデル内にあるかに関わらず、加入者装置が第1のWLANの受信可能領域を離れて、その後第2のWLANの受信可能領域へ入るにつれて、上述したのと同一のやり方で呼び出しルーティングを提供できる。同一のやり方で、事業者中心モデルは、異種のネットワークからのユーザを受け入れるのに向いている。例えば、場所Aにある会社Aに対するWLANサービスと、場所Bにある会社Bに対するWLANサービスとを事業者が提供している場合、場所BにあるWLANの受信可能領域内にある会社Aに関連付けられた加入者装置は、WLAN上でサービスの提供を受けてもよい。
【0149】
二重モード加入者装置がセルラー受信可能領域にあるとき、IP搬送セルラーデータパス(図2のパス150など)が使用可能でない場合は、SIPメッセージを、従来のセルラー音声搬送パス(図2のパス152など)上で送信される簡易メッセージサービス(SMS)を使用して、音声搬送パス(図2のパス152など)上で送出してもよい。加えて、帯域内デュアルトーンタ周波数(DTMF)信号伝達またはコンピュータモデムトーンを使用して、SIP信号伝達を、音声搬送パス上でセルラーネットワークを通じて行うこともできる。
【0150】
一実施形態において、セルラー事業者は、IP搬送セルラーデータパス(図2のパス150など)に沿った任意の箇所において、例えばSGSNまたはGGSNノードにおいて、SIPメッセージを復号化することを選択してもよい。一旦識別されると、これらのメッセージは、所望どおりに優先することも遅延させることもできる。
【0151】
代わりに、遠隔ユニットをWLAN内で動作するように構成しない。SIP機能は、WLANまたは無線構内情報通信網さえも実装することなく、上述のようにセルラーシステムに渡って拡張することができる。
【0152】
従来の基地局に比べてはるかに限定的な受信可能領域を提供するマイクロセルラー基地局を構築するための民間の試みが数多くなされてきている。これらのマイクロセルラー基地局は、室内における解決策として販売されている。本明細書において説明したシステムおよび方法をそのようなマイクロセルラーシステムに組み込んで、SIP機能をマイクロセルラーシステムに対して提供することができる。
【0153】
セルラーネットワークを拡張して802.11ネットワークのようにみえるものを構築する民間の試みがいくつかなされてきている。これらのアーキテクチャでは、セルラーネットワークをコアとして指定し、各WLANを他の単なる基地局として扱う。これらのアーキテクチャにおいては、典型的には、MSCを全領域についての中央情報機関として指定する。多くのMSCおよびSGSNは、典型的には約100個といった限られた数の基地局を処理するように設計されているので、アーキテクチャは、実際のシステムにおいて収容する必要がある数千のWLANサイトを収容するように拡大することができない。これらのアーキテクチャは、802.11のインフラストラクチャからSIP機能を奪い、機能の低い従来のセルラーインフラストラクチャのように見えるように構成している。これらのアーキテクチャでは、ファイバ、DSL、ケーブル、または固定無線などの扱いにくいラストマイルの搬送手段を使用してWLANをコアに接続する必要があることが多い。対照的に、上述のアーキテクチャによれば、セルラーシステムは、VoIPネットワークのラストマイルとしての役割を果たし、SIP機能を提供する。
【0154】
数多くの代替実施形態が、当業者には容易に明らかであろう。例えば、図18は、補助ソフトスイッチを実装するネットワークを示すネットワーク図である。図18の機能を理解するために、図6と対照してみる。図6において、ソフトスイッチ344は、図14および15の呼び出しフローに示すような媒体ゲートウェイ340を直接制御する。図18によれば、補助ソフトスイッチ346は、ソフトスイッチ344を従来のMSC140へ結合させる。補助ソフトスイッチ346には、図5に示す媒体ゲートウェイコントローラ164と同様の媒体ゲートウェイコントローラが含まれる。よって、ソフトスイッチ344は、標準のVoIP信号伝達および伝送を使用して、補助ソフトスイッチ346を使用してセルラー音声搬送呼び出しを開始することができる。補助ソフトスイッチ346は、IPからPSTNへの音声ゲートウェイとして機能するのに自己充足しており、IP信号伝達および伝送をパス342C上で従来のMSC140と通信を行うのに必要な従来のプロトコルに変換する。本実施形態の利点と思われることの1つは、そうでなければソフトスイッチ344と、媒体ゲートウェイ340との間で生じるであろう追加の媒体ゲートウェイ制御メッセージ伝達を回避することによって、従来のセルラー音声チャンネル呼び出し設定時間が削減されることである。他の利点は、同一の追加のメッセージ伝達を回避することによる、ソフトスイッチ344への負担が軽減されることである。さらに他の利点は、補助ソフトスイッチ346によって処理される接続の呼び出し状態および資源状態を維持する必要がないので、ソフトスイッチ344における資源の使用が軽減されることである。さらに他の利点は、補助ソフトスイッチ346を実施するのに特に使用される設備およびソフトウェアの選択が、ソフトスイッチ344を実施するのに使用される設備およびソフトウェアの選択とは独立していることである。補助ソフトスイッチ346は、ソフトスイッチ344と、従来のMSC140と共に、単独で相互使用できるので、より成熟した、ベンダーを問わない標準的なVoIPおよびPSTNプロトコルを補助ソフトスイッチ346において使用できる。
【0155】
図19は、アイドルハンドオフに関する二重モード加入者装置の動作を示す状態図である。アイドルハンドオフは、二重モード加入者装置がアイドルモード(例えば、進行中の有効な呼び出しがない場合)である場合に、主要な制御チャンネルと、二重モード加入者装置の動作の1つのモードを決定する機構である。図19は、登録処理を示すフローチャートである図9を補完するものである。
【0156】
二重モード加入者装置130のような二重モード加入者装置に電力が投入されると、初期状態900となる。一実施形態において、二重モード加入者装置130は、まず、WLANからの信号を取得しようとして、WLAN上での動作が動作の1つのモードとなる。二重モード加入者装置130がWLAN信号を取得した場合には、二重モード加入者装置130は、状態902へ遷移して、例えばSIP登録メッセージまたは登録更新メッセージを使用して、WLAN132によってソフトスイッチ134に登録する。一実施形態において、登録は、二重モード加入者装置130に関連したIPアドレスに基づいて行われる。ソフトスイッチ134は、二重モード加入者装置130に関連したホーム局であってもよいし、またはホストスイッチ支援ローミングであってもよい。ソフトスイッチがホストソフトスイッチである場合には、その結果として、登録メッセージを転送または作成して、加入者装置のホームソフトスイッチへ送信してもよい。ホームソフトスイッチは、その後、単純な登録確認を示すメッセージでホストソフトスイッチへ応答するか、または、他の実施形態においては、加入者装置に対応する性能および許可された機能に関する追加の情報と共に応答してもよい。
【0157】
上記のように、一実施形態において、WLAN上での動作の方が、セルラーネットワークにおける動作よりも好都合である。この場合に、登録によって、0.9などの高いQパラメータのコンタクトヘッダを指定する。Qパラメータは、標準的なSIPシステムにおいて優先度を確立する随意の機構である。ソフトスイッチは、優先度を示す何らかの値またはパラメータを記憶してもよい。代替実施形態において、ネットワークがWLANよりも好都合であってもよい。
【0158】
二重モード加入者装置130は、セルラーネットワーク141などの広域ネットワークを取得するか、電源が切られるか、WLANとの接続を失うか、ドックに入るか、または登録取り消しが要求されるまでは、状態902のままでいる。図19に示すように、二重モード加入者装置がセルラーネットワーク141を検出した場合には、二重モード加入者装置130は、状態904へ遷移して、例えばSIP登録メッセージまたは登録更新メッセージを使用して、セルラーネットワーク141によって、データ搬送パスにより、ソフトスイッチ134に登録する。代わりに、登録は、WLAN上で送出されることも可能である。二重モード加入者装置130は、そのセルラー電話番号、そのIPアドレス、または他の識別子を指定することによって登録してもよい。WLAN上での動作が好都合である場合には、セルラーシステム上での動作のQパラメータをWLANの動作のQパラメータより低く設定する。例えば、セルラーシステム上での動作のQパラメータを0.1に設定する。典型的には、この登録は、通常のセルラー動作に従って二重モード加入者装置が直接セルラーネットワークに行う任意の登録に追加されるものである。セルラーネットワークインフラストラクチャへの登録は、音声搬送パスに関連したオーバヘッドチャンネルを介して、または別個の制御チャンネルを介して生じてもよい。二重モード加入者装置がセルラーシステムの受信可能領域外に移動した場合には、状態902へ遷移する。二重モード加入者装置は、ソフトスイッチおよびセルラーネットワークインフラストラクチャへの登録取り消しを行ってもよい。そのようなことが生じやすいのは、WLANサービスは提供されているがセルラーサービスは浸透できない大きなビルにユーザが入る場合である。
【0159】
二重モード加入者装置がWLANの受信可能領域外へ移動した場合には、状態904から状態906へ遷移する。この場合、二重モード加入者装置は、セルラーネットワークのデータ搬送パス上でのWLAN登録を取り消すか、または現在装置が存在するWLAN上での登録を取り消してもよい。初期状態900から、二重モード加入者装置130がまずセルラーネットワークを取得したバアには、状態906へ遷移する。状態904から状態908への単一の接続が図19には示してあるが、状態902,904,または906のいずれの状態から電源が切られると、二重モード加入者装置は、状態908に入って、セルラー登録およびWLAN登録の両方を取り消す。これらの登録取り消し処理は、セルラーネットワークのデータ搬送パス、WLAN、またはこれらの組み合わせ上で実行されてもよい。一旦登録されると、二重モード加入者装置は、断続的にそのセルラーネットワークとWLAN登録を更新して、ソフトスイッチ内で常に最新であるようにする。
【0160】
二重モード加入者は、有効な呼び出し中に、WLANの受信可能領域内からWLANの受信可能領域外へ移動することがある。呼び出しの中断を回避するために、ハンドオフ機構をシステムに搭載可能である。システムの一実施形態においては、WLANからセルラーネットワークへのハンドオフが提供され、セルラーネットワークからWLANへのハンドオフは提供されない。他の実施形態においては、WLANと、セルラーネットワークとの間のハンドオフが、各方向において提供される。
【0161】
図20は、WLANからセルラーネットワークへのハンドオフを示す呼び出しフローである。そのようなハンドオフは、ユーザがWLANによってカバーされたホーム構内を退出する場合に使用されうる。図20において、図面の効率性のために、遠端接続は示していない。なぜなら、遠端ユーザに関する動作に対して変更は生じないからである。
【0162】
図20において、音声接続が二重モード加入者装置130との間でWLAN132上で生じる。図20において、点線矢印は、WLAN上を送信される信号伝達を示す。実線矢印は、セルラーネットワーク上を送出される信号伝達を示す。
【0163】
図20のブロック910〜916を介して、呼び出しが二重モード加入者装置130に対して行われるが、二重モード加入者装置130が呼び出しを確立すれば、ハンドオフ機構も等しく適用される。ブロック910において、ソフトスイッチ134は、例えばSIP開始要求メッセージを、WLAN132上で二重モード加入者装置130へ送出する。ブロック912において、二重モード加入者装置130は、SIP呼び出し中指示を送出することによって応答する。二重モード加入者装置130は、呼び出しを受け入れて、ブロック914においてSIP OKメッセージをソフトスイッチ134へ送り返すことによって応答する。ブロック916において、双方向VoIP音声チャンネルが、二重モード加入者装置130と、ソフトスイッチ134との間でWLAN132上で確立される。
【0164】
ブロック918において、二重モード加入者装置130は、セルラーシステムへのハンドオフが保証されると決定する。この決定は、いくつかのやり方のうちの1つで行われうる。一実施形態において、二重モード加入者装置130は、自動利得制御(AGC)値または受信信号強度指標(RSSI)などのWLAN信号強度パラメータを監視する。他の実施形態において、二重モード加入者装置130は、パケット誤り率、信号対雑音比、または他のリンク品質指標を監視してもよい。さらに他の実施形態において、二重モード加入者装置130は、最大許容データ速度、現在のデータ転送速度、または他のリンク動作パラメータを監視してもよい。さらに他の実施形態において、二重モード加入者装置130は、これらのパラメータのうちのいくつかを使用して、適切なハンドオフトリガを決定する。
【0165】
代わりに、ソフトスイッチ134が適切なハンドオフトリガを決定する。例えば、ソフトスイッチは、性能パラメータを直接またはアクセスポイントから情報を収集することによって監視できる。この場合に、ソフトスイッチ134は、セルラー接続を自身からの誘因で開始し、例えばSIP開始要求または登録要求メッセージを送出して、二重モード加入者装置130に対してハンドオフを通知する。
【0166】
さらに他の代替実施形態において、WLANアクセスポイントがハンドオフトリガを監視して、ハンドオフ要求指示を関連するソフトスイッチに生じさせる。アクセスポイントは、信号強度、リンク品質、またはリンク動作パラメータを含む加入者装置と同じ種類のパラメータを監視できる。
【0167】
特定のアクセスポイント(またはアクセスポイントの特定のセクタ)を通じての通信を使用して、ハンドオフをトリガできる。例えば、特定のアクセスポイントの受信可能領域は、出入口周辺、受け付け場所内、または駐車場内などの構内の出口ポイントにあってもよい。通信がこれらの出口領域のアクセスポイントに転送された場合に、二重モード加入者装置130またはソフトスイッチ134がセルラーシステムへのハンドオフを開始する。
【0168】
いずれの場合にも、図20において、ブロック918において、二重モード加入者装置130は、セルラーネットワークへのハンドオフが適切であると決定する。応答して、二重モード加入者装置130は、ブロック920において、SIP登録を送出する。図20において、ブロック920についての信号伝達は点線で示されており、信号伝達がWLAN132上で送出されることを示す。しかしながら、信号伝達は、セルラーネットワーク141のデータ搬送パス上でも同様の効果を有して送出可能である。
【0169】
WLAN132からの音声ストリームをセルラーネットワーク141の音声搬送パスへ遷移させるために、PCM音声接続が、セルラーネットワーク141の音声搬送パス上で確立される。セルラー音声接続は、音声搬送トラフィックのハンドオフが生じる前に、開始可能であり、かつ、さらには完全に確立可能である。SIPメッセージは、セルラー音声接続の開始より前、後、またはそれと同時に生じてもよい。
【0170】
これらの順序付けオプション間の選択は、二重モード加入者装置130のアーキテクチャに左右されてもよい。図8を再び参照して、WLANフロントエンド400と、セルラーフロントエンド402は、アンテナなどのいくつかの共通の要素を共有してもよい。そうであれば、2つのパスが、スイッチまたはカプラを使用して結合されてもよい。スイッチが、RF電力をWLANフロントエンド400またはセルラーフロントエンド402のいずれかに接続するが、一般的には、両方のフロントエンド要素をアンテナに同時に接続することはできない。カプラ、ダイプレクサ、デュプレクサ、または他の電力共有機構を使用する場合は、同時動作が可能であり、システム設計者は、音声性能の最大の利点をブロックに指示することが寄り自由にできる。一般的に、カプラを使用すると、直流電力要件が増加し、加入者装置の感度が低下するので、この理由で、スイッチが好都合かもしれない。図20において、加入者装置は、同時動作が完全に可能である。
【0171】
SIP登録に応答して、ブロック922において、ソフトスイッチ134は、SIP開始要求メッセージ(SIP re−INVITEなど)を二重モード加入者装置130へ送出する。図20において、ブロック922および924についての信号伝達は、点線で示されており、信号伝達がWLAN132上で送出されることを示す。しかしながら、信号伝達は、セルラーネットワーク141のデータ搬送パス上でも同一の効果で送出できる。また、ソフトスイッチ134は、ブロック926において、セルラーネットワークの音声搬送パス上での音声接続を確立するために、二重モード加入者装置130をそのセルラー電話番号によって特定するISUP IAMをPSTN106へ送出する。ブロック928において、二重モード加入者装置130の代わりとなるPSTN106は、ACMで応答する。ブロック928に応答して、PSTN106は、ブロック930において、セルラー呼び出し開始を送出する。ブロック932において、二重モード加入者装置130は、呼び出しを自動的に受け入れる。また、ブロック932において、二重モード加入者装置130は、着信セルラー音声呼び出しを、進行中のWLAN音声呼び出しと相関させる。二重モード加入者装置130は、ブロック934において、セルラー呼び出し受け入れで応答する。ブロック936において、PSTN106は、セルラー呼び出し受け入れに対して、ISUP ANMで応答する。上述のように、これらのPSTNブロックは、SIP関連ブロックの前、後、またはそれと並行して生じてもよい。
【0172】
ブロック938において、標準の音声チャンネルがソフトスイッチ134から二重モード加入者装置130へ、セルラーネットワーク141の音声搬送パス上で確立される。まだそうなっていない場合には、ブロック940および942において、ソフトスイッチ134と、二重モード加入者装置130とは、それぞれ、セルラーネットワーク141上で音声信号の送受信を開始する。一実施形態において、ブロック940および942は、ソフトスイッチ134がPCMフレームをセルラーネットワーク141上で受信開始すると生じる。ソフトスイッチ134は、WLAN132またはセルラーネットワーク141上で、スイッチ指示を二重モード加入者装置130へ送出することができる。代わりに、二重モード加入者装置130は、PCMフレームの受信またはVoIPパケットの譲与を利用して、スイッチをトリガすることができる。
【0173】
代わりに、応答加入者発呼手法(上述)を使用して、呼び出し接続を確立することもできる。一実施形態において、応答加入者発呼手法を使用すれば、ブロック920におけるSIP登録の送信は必要ない。ブロック918のハンドオフ決定に応答して、二重モード加入者装置130は、ソフトスイッチ134への呼び出しを、セルラーネットワーク141の音声搬送パス上で開始する。ソフトスイッチ134は、有効な音声呼び出しに参加している二重モード加入者装置からのWLAN132上での着信セルラー呼び出しの受信を、ハンドオフを開始するためのトリガとして使用する。ソフトスイッチ134は、並列SIP信号伝達の使用の有無を問わず、呼び出し接続を切り換え可能である。
【0174】
図21は、セルラーネットワークからWLANへのハンドオフを示す呼び出し麩ローズである。そのようなハンドオフは、セルラーネットワークの音声搬送パス上の音声呼び出しが確立している間に、ユーザがWLANによってカバーされた自身のホームに入る際に使用できる。図21において、点線矢印は、WLAN上を送信された信号伝達を示す。直線矢印は、セルラーネットワーク上を送出された信号伝達を示す。
【0175】
図21において、遠端接続は示していない。なぜなら、遠端ユーザに関する動作に対して変更は生じないからである。セルラー受信可能領域がWLANの受信可能領域内で充分であれば、セルラーシステムからWLANへのハンドオフは、厳密には必要ない。
【0176】
図21におけるブロック950において、セルラーネットワークの音声搬送パス上で標準的なセルラー音声チャンネルが確立されている。その後、二重モード加入者装置130が、WLAN132の受信可能領域に入った。一旦二重モード加入者装置130がWLAN信号を取得すると、二重モード加入者装置130は、1つまたはそれ以上のパラメータ(図20に関して先に説明したようなものなど)を監視して、ハンドオフが生じるべきかを決定する。これらのパラメータは、セルラーネットワークと、WLANとの間の急速で連続的なハンドオフを避けるようにして選ばれるべきである。例えば、二重モード加入者装置130は、出口領域のアクセスポイントの受信可能領域への遷移を使用して、セルラーシステムへのハンドオフをトリガする場合には、WLANへのハンドオフを生じさせる前に、出口領域でないアクセスポイントを取得するまでは待つようにしてもよい。代わりに、二重モード加入者装置130またはソフトスイッチ134は、トリガ用のパラメータがヒステリシスレベルを超えるまで待つようにしてもよく、ヒステリシスレベルは、登録中に取り決めてもよい。ソフトスイッチ134がハンドオフの適切な時間を決定した場合には、SIP re−INVITEまたは登録要求メッセージなどを送出して、二重モード加入者装置130に知らせる。
【0177】
この場合、図21のブロック952において、二重モード加入者装置130がWLAN132へのハンドオフが保証されると決定したと仮定する。ブロック954において、二重モード加入者装置130は、SIP登録メッセージをソフトスイッチ134へ送出する。応答して、ソフトスイッチ134は、ブロック956において、SIP re−INVITEを二重モード加入者装置130へ送出する。ブロック958において、二重モード加入者装置130は、SIP OKメッセージで応答する。SIP OKメッセージまたは他の取り決められたまたはあらかじめ規定されたトリガに応答して、ソフトスイッチ134および二重モード加入者装置130は両方共、ブロック960において、WLAN132上で音声の送出を開始する。ブロック962において、ソフトスイッチ134および二重モード加入者装置130は両方共、セルラーネットワーク141の音声搬送パス上の音声パスを解放する。
【0178】
図20および21に関して説明したSIPメッセージ伝達は、他の図面のうちのいくつかに対してもそうであるが、SIPプロトコル規格とは異なっていてもよいし、それを拡大したものであってもよい。標準的な動作に対する変更も可能である。なぜならば、ソフトスイッチ134および二重モード加入者装置130は両方共、本発明の実施形態に係る動作を提供するために特に設計されたものであり、カスタマイズされたメッセージ伝送を扱うように設計可能である。標準的なSIPシステムへ転送される標準的でないメッセージも、ソフトスイッチ134によって変換可能である。
【0179】
特に、標準的なSIP INVITEまたはre−INVITEメッセージは、セッション記述プロトコル(SDP)を含む。SDPは、ストリーミングされた媒体の形式、タイミング、および発信元を指定する。SDPは、SIPメッセージ伝達を使用して確立すべき対話を記述する手段である。SDP内では、「c」フィールドを使用して、ネットワークの種類、接続の種類、および接続アドレスが確立される。現在、IPアドレスのようなインターネット接続型のみがサポートされている。一実施形態において、値の新たな組がPOTSシステムに対応して確立されて、セルラー電話を指定する。
【0180】
図22は、ハンドオフ処理2200のフローチャートであって、無線二重モード加入者装置130を無線システム100内の無線ホスト装置10へ登録するハンドオフ機構の一実施形態であって、本発明の一実施形態に従って構成および動作可能である。ハンドオフ処理2200は、WLANアクセスをパーソナル移動通信システム(PCS)ネットワークよりも好都合なものとして示す。セルラーおよびPCSシステムは、本実施形態例においては、交換可能に使用されてもよいことが当業者に理解される。ブロック2202において、二重モード加入者装置130は、WLANを検索する。判断ブロック2204においてWLANを検出した場合には、SIPプロセッサ424は、ブロック2206において、SIP INVITEなどのSIP登録メッセージをWLAN上でソフトスイッチ134へ送出して、フローはブロック2214へ続く。
【0181】
判断ブロック2204において新たなWLANが見つからなかった場合には、二重モード加入者装置130は、ブロック2208において、セルラーまたはPCSネットワークを検索する。新たなセルラーまたはPCSネットワークが検出された場合には、二重モード加入者装置130がブロック2212においてセルラーネットワークに登録するには、互いに異なる多数のやり方がある。一実施形態において、セルラープロセッサ426は、ソフトスイッチ134への呼び出しを開始して、SIP INVITEなどのSIP登録メッセージを送出する。ソフトスイッチ134は、SIP登録メッセージをセルラーネットワークから受信して、ハンドオフが生じたことを認識し、WLAN接続を切断する。他の実施形態において、一実施形態において、二重モード加入者装置130は、SIP INVITEなどのSIP登録メッセージを既存のWLAN接続上で送出して、ソフトスイッチ134に対して、二重モード加入者装置130への呼び出しを開始したことを伝える。その後、ソフトスイッチ134は、二重モード加入者装置130を呼び出し、二重モード加入者装置130は呼び出しに応えて、以前の既存のWLAN接続を切断する。本実施形態において、ソフトスイッチ134は、ハンドオフが生じたことを知る必要はなく、新たな呼び出しが開始されたことだけを知る。フローはブロック2214へ継続する。ネットワークが検出されなければ、フローはブロック2202へ戻る。
【0182】
ブロック2214において、二重モード加入者装置130は、ソフトスイッチ134が、SIP 100 TRYINGなどの、ソフトスイッチ134が呼び出しを生じさせようと試行していることを示す受領確認メッセージで応答することによって登録メッセージを受信したかどうかを決定する。受領確認が受信されなければ、フローはブロック2202へ戻る。そうでなければ、フローはブロック2216へ続き、二重モード加入者装置130は、WLANまたはセルラーネットワークの監視を継続する。装置130は、ブロック2218において、WLANまたはセルラーネットワークの受信可能領域に留まっている間、上述のように、ブロック2216において、ネットワークの品質を監視する。ネットワークの品質が低下した場合(例えば、装置130が受信可能領域を離れた場合、またはそうでなければ信号品質が低下した場合)、装置130は、ブロック2202において、新たなWLANの検索を開始する。
【0183】
図23は、代替ハンドオフ処理2300のフローチャートであって、無線二重モード加入者装置130を無線システム100内の無線ホスト装置10へ登録するハンドオフ機構の一実施形態であって、本発明の一実施形態に従って構成および動作可能である。ハンドオフ処理2300は、セルラーまたはパーソナル移動通信システム(PCS)ネットワークをWLANよりも好都合なものとして示す。上述したように、セルラーおよびPCSシステムは、本実施形態例においては、交換可能に使用されてもよいことが当業者に理解される。
【0184】
ブロック2302において、二重モード加入者装置130は、セルラーまたはパーソナル移動通信システム(PCS)ネットワークを検索する。判断ブロック2304においてそのようなネットワークを検出した場合には、セルラープロセッサ426は、ブロック2306において、セルラーネットワークに登録する。二重モード加入者装置130がセルラーネットワークに登録するには、互いに異なる多数のやり方がある。一実施形態において、二重モード加入者装置130は、ソフトスイッチ134への呼び出しを開始して、SIP INVITEなどのSIP登録メッセージを送出する。ソフトスイッチ134は、SIP登録メッセージをセルラーネットワークから受信して、ハンドオフが生じたことを認識し、WLAN接続を切断する。他の実施形態において、一実施形態において、SIPプロセッサ424は、SIP INVITEなどのSIP登録メッセージを既存のWLAN接続上で送出して、ソフトスイッチ134に対して、二重モード加入者装置130への呼び出しを開始したことを伝える。その後、ソフトスイッチ134は、二重モード加入者装置130を呼び出し、二重モード加入者装置130は呼び出しに応えて、以前の既存のWLAN接続を切断する。本実施形態において、ソフトスイッチ134は、ハンドオフが生じたことを知る必要はなく、新たな呼び出しが開始されたことだけを知る。フローはブロック2314へ継続する。
【0185】
ブロック2304において新たなネットワークが検出されなければ、二重モード加入者装置130は、ブロック2308において、WLANを検索する。WLANが検出されると、二重モード加入者装置130は、WLANとの接続を確立する。ブロック2312において、SIP INVITEなどのSIP登録メッセージが、WLAN上をソフトスイッチ134へ送出され、フロー張ブ2314へ続く。ネットワークが検出されなければ、フローはブロック2302へ戻る。
【0186】
ブロック2314において、二重モード加入者装置130は、ソフトスイッチ134が、SIP 100 TRYINGなどの、ソフトスイッチ134が呼び出しを生じさせようと試行していることを示す受領確認メッセージで応答することによって登録メッセージを受信したかどうかを決定する。受領確認が受信されなければ、フローはブロック2302へ戻る。そうでなければ、フローはブロック2316へ続き、二重モード加入者装置130は、WLANまたはセルラーネットワークの監視を継続する。装置130は、ブロック2318において、WLANまたはセルラーネットワークの受信可能領域に留まっている間、上述のように、ブロック2316において、ネットワークの品質を監視する。ネットワークの品質が低下した場合装置130は、ブロック2302において、新たなセルラーネットワークの検索を開始する。
【0187】
開示された実施形態の上記説明は、当業者が本発明を作成または使用できるように提供されている。これらの実施形態に対する様々な修正が、当業者には容易に明らかであり、本明細書において規定された原理は、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施形態に適用可能である。よって、本発明は、本明細書に示す実施形態に限定されることが意図されてはおらず、本明細書において開示された原理および新規の特徴と整合性のある最も広い範囲が与えられるべきものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
WLANスイッチからの呼び出しを無線構内情報通信網(WLAN)上で無線通信システムへハンドオフする方法であって、
該無線通信システムを介した該WLANスイッチから加入者装置への呼び出しを開始することと、
該無線通信システムから該呼び出しを受信することと、
該無線構内情報通信網からの該呼び出しを、該無線通信システムへの接続へ切り換えることと
を含む、方法。
【請求項2】
登録メッセージを前記WLANスイッチへ送出することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
開始要求メッセージを前記WLANスイッチから受信することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記無線通信システムは、セルラーシステムである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記登録メッセージは、前記無線構内情報通信網を介して送出される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記登録メッセージは、前記セルラーシステムを介して送出される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
無線通信へのハンドオフが保証されているかどうかを決定することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記ハンドオフの決定は、無線構内情報通信網信号強度パラメータを監視することを通じて行われる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記無線構内情報通信網信号強度パラメータは、自動利得制御値である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記無線構内情報通信網信号強度パラメータは、受信信号強度指標である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記ハンドオフの決定は、リンク品質指標パラメータを監視することを通じて行われる、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記リンク品質指標パラメータは、パケット誤り率である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記リンク品質指標パラメータは、信号対雑音比である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ハンドオフの決定は、リンク動作パラメータを監視することを通じて行われる、請求項7に記載の方法。
【請求項15】
前記リンク動作パラメータは、最大許容データ率である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記リンク動作パラメータは、現在のデータ転送速度である、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
無線加入者装置であって、
無線通信システムを介したWLANスイッチから加入者装置への呼び出しを開始するためのSIPプロセッサと、
該無線通信システムから該呼び出しを受信するためのセルラープロセッサと、
該無線構内情報通信網からの該呼び出しを、該無線通信システムへの接続へ切り換える
ためのコントローラと
を備える、無線加入者装置。
【請求項18】
前記SIPプロセッサは、登録メッセージを前記WLANスイッチへ送出するためのものでもある、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記SIPプロセッサは、開始要求メッセージを前記WLANスイッチから受信するためのものでもある、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記無線通信システムは、セルラーシステムである、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記登録メッセージは、前記無線構内情報通信網を介して送出される、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記登録メッセージは、前記セルラーシステムを介して送出される、請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記コントローラは、さらに、無線通信へのハンドオフが保証されているかどうかを決定するためのものである、請求項20に記載の装置。
【請求項24】
前記ハンドオフの決定は、無線構内情報通信網信号強度パラメータを監視することを通じて行われる、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記無線構内情報通信網信号強度パラメータは、自動利得制御値である、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記無線構内情報通信網信号強度パラメータは、受信信号強度指標である、請求項24に記載の装置。
【請求項27】
前記ハンドオフの決定は、リンク品質指標パラメータを監視することを通じて行われる、請求項23に記載の装置。
【請求項28】
前記リンク品質指標パラメータは、パケット誤り率である、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記リンク品質指標パラメータは、信号対雑音比である、請求項27に記載の装置。
【請求項30】
前記ハンドオフの決定は、リンク動作パラメータを監視することを通じて行われる、請求項23に記載の装置。
【請求項31】
前記リンク動作パラメータは、最大許容データ率である、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記リンク動作パラメータは、現在のデータ転送速度である、請求項30に記載の装置。
【請求項33】
無線加入者装置であって、
無線通信システムを介したWLANスイッチから加入者装置への呼び出しを開始するための手段と、
該無線通信システムから該呼び出しを受信するための手段と、
無線構内情報通信網からの該呼び出しを、該無線通信システムへの接続へ切り換えるための手段と
を備える、無線加入者装置。
【請求項34】
データおよび命令によって符号化されたコンピュータ読み出し可能な媒体であって、該データおよび命令は、
無線通信システムを介したWLANスイッチから加入者装置への呼び出しを開始するための命令と、
該無線通信システムから該呼び出しを受信するための命令と、
無線構内情報通信網からの該呼び出しを、該無線通信システムへの接続へ切り換えるための命令とを装置に実行させる、媒体。
【請求項1】
WLANスイッチからの呼び出しを無線構内情報通信網(WLAN)上で無線通信システムへハンドオフする方法であって、
該無線通信システムを介した該WLANスイッチから加入者装置への呼び出しを開始することと、
該無線通信システムから該呼び出しを受信することと、
該無線構内情報通信網からの該呼び出しを、該無線通信システムへの接続へ切り換えることと
を含む、方法。
【請求項2】
登録メッセージを前記WLANスイッチへ送出することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
開始要求メッセージを前記WLANスイッチから受信することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記無線通信システムは、セルラーシステムである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記登録メッセージは、前記無線構内情報通信網を介して送出される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記登録メッセージは、前記セルラーシステムを介して送出される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
無線通信へのハンドオフが保証されているかどうかを決定することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記ハンドオフの決定は、無線構内情報通信網信号強度パラメータを監視することを通じて行われる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記無線構内情報通信網信号強度パラメータは、自動利得制御値である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記無線構内情報通信網信号強度パラメータは、受信信号強度指標である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記ハンドオフの決定は、リンク品質指標パラメータを監視することを通じて行われる、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記リンク品質指標パラメータは、パケット誤り率である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記リンク品質指標パラメータは、信号対雑音比である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ハンドオフの決定は、リンク動作パラメータを監視することを通じて行われる、請求項7に記載の方法。
【請求項15】
前記リンク動作パラメータは、最大許容データ率である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記リンク動作パラメータは、現在のデータ転送速度である、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
無線加入者装置であって、
無線通信システムを介したWLANスイッチから加入者装置への呼び出しを開始するためのSIPプロセッサと、
該無線通信システムから該呼び出しを受信するためのセルラープロセッサと、
該無線構内情報通信網からの該呼び出しを、該無線通信システムへの接続へ切り換える
ためのコントローラと
を備える、無線加入者装置。
【請求項18】
前記SIPプロセッサは、登録メッセージを前記WLANスイッチへ送出するためのものでもある、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記SIPプロセッサは、開始要求メッセージを前記WLANスイッチから受信するためのものでもある、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記無線通信システムは、セルラーシステムである、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記登録メッセージは、前記無線構内情報通信網を介して送出される、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記登録メッセージは、前記セルラーシステムを介して送出される、請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記コントローラは、さらに、無線通信へのハンドオフが保証されているかどうかを決定するためのものである、請求項20に記載の装置。
【請求項24】
前記ハンドオフの決定は、無線構内情報通信網信号強度パラメータを監視することを通じて行われる、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記無線構内情報通信網信号強度パラメータは、自動利得制御値である、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記無線構内情報通信網信号強度パラメータは、受信信号強度指標である、請求項24に記載の装置。
【請求項27】
前記ハンドオフの決定は、リンク品質指標パラメータを監視することを通じて行われる、請求項23に記載の装置。
【請求項28】
前記リンク品質指標パラメータは、パケット誤り率である、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記リンク品質指標パラメータは、信号対雑音比である、請求項27に記載の装置。
【請求項30】
前記ハンドオフの決定は、リンク動作パラメータを監視することを通じて行われる、請求項23に記載の装置。
【請求項31】
前記リンク動作パラメータは、最大許容データ率である、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記リンク動作パラメータは、現在のデータ転送速度である、請求項30に記載の装置。
【請求項33】
無線加入者装置であって、
無線通信システムを介したWLANスイッチから加入者装置への呼び出しを開始するための手段と、
該無線通信システムから該呼び出しを受信するための手段と、
無線構内情報通信網からの該呼び出しを、該無線通信システムへの接続へ切り換えるための手段と
を備える、無線加入者装置。
【請求項34】
データおよび命令によって符号化されたコンピュータ読み出し可能な媒体であって、該データおよび命令は、
無線通信システムを介したWLANスイッチから加入者装置への呼び出しを開始するための命令と、
該無線通信システムから該呼び出しを受信するための命令と、
無線構内情報通信網からの該呼び出しを、該無線通信システムへの接続へ切り換えるための命令とを装置に実行させる、媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2012−114486(P2012−114486A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−151213(P2010−151213)
【出願日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【分割の表示】特願2006−507045(P2006−507045)の分割
【原出願日】平成16年3月12日(2004.3.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(510183442)ロン コミュニケーション エムジーエムティー.エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−151213(P2010−151213)
【出願日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【分割の表示】特願2006−507045(P2006−507045)の分割
【原出願日】平成16年3月12日(2004.3.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(510183442)ロン コミュニケーション エムジーエムティー.エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】
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