床暖房パネル及び床暖房パネル用周辺パネル
【課題】 床仕上げ材を剥がすときの床暖房パネルの損傷を抑制しながら低廉化を図り得る床暖房パネルを提供する。
【解決手段】 加熱用長尺体2が装備され且つ表面にシート状のパネル形成体用均熱体3Pが止着されたパネル形成体4に、複数の小根太5がその小根太5の幅方向に間隔を隔てて並設された床暖房パネルであって、帯状の接着性シート状体10が、複数の小根太5の夫々に対して、小根太5の表面部及びパネル形成体用均熱体3Pにおける小根太5に隣接する小根太隣接部分を一連に覆う状態で、それらに貼着されて設けられ、接着性シート状体10が、小根太5の表面部における幅方向の中間に対応する部分を露出させる開口部11を備える状態に、且つ、パネル形成体用均熱体3Pにおける小根太隣接部分に貼着される部分の接着力を、パネル形成体用均熱体3Pがパネル形成体4に止着される止着力よりも弱くする状態に構成されている。
【解決手段】 加熱用長尺体2が装備され且つ表面にシート状のパネル形成体用均熱体3Pが止着されたパネル形成体4に、複数の小根太5がその小根太5の幅方向に間隔を隔てて並設された床暖房パネルであって、帯状の接着性シート状体10が、複数の小根太5の夫々に対して、小根太5の表面部及びパネル形成体用均熱体3Pにおける小根太5に隣接する小根太隣接部分を一連に覆う状態で、それらに貼着されて設けられ、接着性シート状体10が、小根太5の表面部における幅方向の中間に対応する部分を露出させる開口部11を備える状態に、且つ、パネル形成体用均熱体3Pにおける小根太隣接部分に貼着される部分の接着力を、パネル形成体用均熱体3Pがパネル形成体4に止着される止着力よりも弱くする状態に構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱用長尺体が装備され且つ表面にシート状のパネル形成体用均熱体が止着されたパネル形成体に、複数の小根太がその小根太の幅方向に間隔を隔てて並設された床暖房パネル、その床暖房パネルにおける前記小根太の長手方向の側方に配置される小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部を備える床暖房パネル用周辺パネル、及び、その床暖房パネルにおける前記複数の小根太の並び方向の側方に配置される小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部を備える床暖房パネル用周辺パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
かかる床暖房パネルは、床下地材上に配置して小根太にビスを捩じ込んだり、釘を打ちつけることにより、床下地材上に敷設するものであり、更に、そのように敷設した床暖房パネルの小根太の表面部に接着剤を塗布して、木質材等で形成された床仕上げ材を床暖房パネルの表面に配置することにより、床仕上げ材を接着剤にて小根太に固定した状態で床暖房パネルの表面に敷設するようにしてある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
又、床暖房パネル用周辺パネル(以下、単に周辺パネルと記載する場合がある)としては、床暖房パネルにおける小根太の長手方向の側方に配置される小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部を備える小根太長手方向側方用のもの、及び、床暖房パネルにおける複数の小根太の並び方向の側方に配置される小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部を備える小根太並び方向側方用のものがある。
そして、小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部を床暖房パネルにおける小根太の長手方向側方の床下地材上に接着剤等により固定することにより、小根太長手方向側方用の周辺パネルを敷設することになり、小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部を床暖房パネルにおける複数の小根太の並び方向側方の床下地材上に接着剤等により固定することにより、小根太並び方向側方用の周辺パネルを敷設することになる(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
前記特許文献2には明確には記載されていないが、小根太長手方向側方用の周辺パネルについては、上述のように固定した小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部の表面において、床暖房パネルの複数の小根太夫々の仮想延長線上に沿ってその床暖房パネルの小根太の幅と同等の幅で延びる帯状の範囲夫々を床仕上げ材接着範囲とする。そして、その床仕上げ材接着範囲の夫々に接着剤を塗布して、床仕上げ材を周辺パネル本体部の表面に配置することにより、床仕上げ材を接着剤にて固定した状態で小根太長手方向側方用の周辺パネルの表面に敷設するようになっている。
例えば、小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部に、それが床暖房パネルの小根太長手方向側方に配置された状態で、床暖房パネルの複数の小根太夫々の仮想延長線上に位置する状態となるように、複数の長手方向側方用小根太を設ける場合があり、その場合、複数の長手方向側方用小根太の表面部が床仕上げ材接着範囲となる。
【0005】
又、前記特許文献2には明確には記載されていないが、小根太並び方向側方用の周辺パネルについては、上述のように固定した小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部の表面において、床暖房パネルの小根太の長手方向に沿ってその床暖房パネルの小根太の幅と同等の幅で延びる帯状の範囲を床仕上げ材接着範囲とする。そして、その床仕上げ材接着範囲に接着剤を塗布して、床仕上げ材を周辺パネル本体部の表面に配置することにより、床仕上げ材を接着剤にて固定した状態で小根太長手方向側方用の周辺パネルの表面に敷設するようになっている。
例えば、小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部に、それが床暖房パネルの小根太並び方向側方に配置された状態で、床暖房パネルの小根太の長手方向に沿う状態となるように、並び方向側方用小根太を設ける場合があり、その場合、並び方向側方用小根太の表面部が床仕上げ材接着範囲となる。
【0006】
ところで、床仕上げ材に傷がつく等により、床暖房パネルの表面や周辺パネルの表面に敷設した床仕上げ材を張り替える場合がある。
一方、上述のように床暖房パネルの表面に床仕上げ材を敷設する際には、小根太の表面部に塗布された接着剤が床仕上げ材により押し広げられて、パネル形成体用均熱体の表面に広がって、床仕上げ材がパネル形成体用均熱体の表面にも接着される場合がある。
従って、床仕上げ材を床暖房パネルから剥がすときに、パネル形成体用均熱体も一緒に剥がれて、そのパネル形成体用均熱体に損傷を与えるのは勿論のこと、パネル形成体にも損傷を与える虞がある。
【0007】
そこで、従来の床暖房パネルでは、床仕上げ材を剥がすときに、パネル形成体用均熱体やパネル形成体に損傷を与えるのを抑制するために、前記特許文献1に記載されているように、パネル形成体に止着されているパネル形成体用均熱体の表面に全面にわたって、接着剤が接着しない非接着層を設けていた。
そして、床暖房パネルの表面に床仕上げ材を敷設する際に接着剤がパネル形成体用均熱体の表面に広がったとしても、非接着層により接着剤がパネル形成体用均熱体に接着しないようにして、床仕上げ材を剥がすときに、パネル形成体用均熱体やパネル形成体に損傷を与えるのを抑制するようにしていた。
【0008】
又、上述のように小根太長手方向側方用の周辺パネルの表面に床仕上げ材を敷設する際に、小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部の床仕上げ材接着範囲に塗布された接着剤が、床仕上げ材により押し広げられて周辺パネル本体部における床仕上げ材接着範囲の外側に広がることにより、床仕上げ材が周辺パネル本体部における床仕上げ材接着範囲の外側にも接着される場合がある。
又、上述のように小根太並び方向側方用の周辺パネルの表面に床仕上げ材を敷設する際に、小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部の床仕上げ材接着範囲に塗布された接着剤が、床仕上げ材により押し広げられて周辺パネル本体部における床仕上げ材接着範囲の外側に広がることにより、床仕上げ材が周辺パネル本体部における床仕上げ材接着範囲の外側にも接着される場合がある。
【0009】
従って、床仕上げ材を小根太長手方向側方用や小根太並び方向側方用の周辺パネルから剥がすときに、小根太長手方向側方用や小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部における床仕上げ材接着範囲の外側に損傷を与える虞がある。
【0010】
そこで、前記特許文献2には記載されていないが、小根太長手方向側方用の周辺パネルにおいては、床仕上げ材を剥がすときに小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部に損傷を与えるのを抑制するために、小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部の表面における床仕上げ材接着範囲以外の全面にわたって接着剤が接着しない非接着層を設けることが考えられる。
又、小根太並び方向側方用の周辺パネルにおいては、床仕上げ材を剥がすときに小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部に損傷を与えるのを抑制するために、小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部の表面における床仕上げ材接着範囲以外の全面にわたって接着剤が接着しない非接着層を設けることが考えられる。
【0011】
つまり、小根太長手方向側方用や小根太並び方向側方用の周辺パネルの表面に床仕上げ材を敷設する際に、接着剤が小根太長手方向側方用や小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部における床仕上げ材接着範囲の外側に広がったとしても、非接着層により接着剤が小根太長手方向側方用や小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部における床仕上げ材接着範囲の外側には接着しないようにして、床仕上げ材を剥がすときに、小根太長手方向側方用や小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部における床仕上げ材接着範囲の外側に損傷を与えるのを抑制するのである。
【0012】
【特許文献1】特開2002−276968号公報
【特許文献2】特開2000−283480号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、従来の床暖房パネルでは、床仕上げ材を剥がすときに床暖房パネルが損傷するのを抑制するために、パネル形成体用均熱体の表面の全面にわたって非接着層を設けることから、非接着層を設ける範囲が広くなり、高価になるという問題があった。
【0014】
又、従来の小根太長手方向側方用や小根太並び方向側方用の周辺パネルでは、床仕上げ材を剥がすときに小根太長手方向側方用や小根太並び方向側方用の周辺パネルが損傷するのを抑制するために、小根太長手方向側方用や小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部の表面における床仕上げ材接着範囲以外の全面にわたって非接着層を設けることから、非接着層を設ける範囲が広くなり、高価になるという問題があった。
【0015】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、床仕上げ材を剥がすときの床暖房パネルの損傷を抑制しながら低廉化を図り得る床暖房パネル、及び、床仕上げ材を剥がすときの床暖房パネル用周辺パネルの損傷を抑制しながら低廉化を図り得る床暖房パネル用周辺パネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の床暖房パネルは、加熱用長尺体が装備され且つ表面にシート状のパネル形成体用均熱体が止着されたパネル形成体に、複数の小根太がその小根太の幅方向に間隔を隔てて並設されたものであって、
その第1特徴構成は、帯状の接着性シート状体が、前記複数の小根太の夫々に対して、前記小根太の表面部及び前記パネル形成体用均熱体における前記小根太に隣接する小根太隣接部分を一連に覆う状態で、それらに貼着されて設けられ、
前記接着性シート状体が、前記小根太の表面部における幅方向の中間に対応する部分を露出させる開口部を備える状態に、且つ、前記パネル形成体用均熱体における前記小根太隣接部分に貼着される部分の接着力を、前記パネル形成体用均熱体が前記パネル形成体に止着される止着力よりも弱くする状態に構成されている点を特徴とする。
【0017】
即ち、床暖房パネルの表面に床仕上げ材を敷設するときに、小根太の表面部に塗布した接着剤が広がっても、その広がった接着剤を接着性シート状体の表面上に止めてパネル形成体用均熱体の表面には付着しないようにしながら、床仕上げ材を、接着性シート状体の開口部を通して接着剤にて小根太の表面部に接着させる状態で、床暖房パネルの表面に敷設するようにすることが可能となる。
床仕上げ材を床暖房パネルから剥がすときには、その床仕上げ材と一緒に、接着性シート状体におけるパネル形成体用均熱体の小根太隣接部分に貼着されていた部分がパネル形成体用均熱体から剥がれるようにして、パネル形成体用均熱体が剥がれるのを防止することが可能となるので、パネル形成体用均熱体やパネル形成体に損傷を与えるのを抑制することが可能となる。
【0018】
又、接着性シート状体を設ける範囲としては、床暖房パネルの表面に床仕上げ材を敷設するときに小根太の表面部に塗布した接着剤が広がる範囲をカバーできる範囲であれば十分であるので、接着性シート状体を設ける範囲を狭くすることが可能となり、床暖房パネルの低廉化を図ることが可能となる。
要するに、床仕上げ材を剥がすときの床暖房パネルの損傷を抑制しながら低廉化を図り得る床暖房パネルを提供することができるようになった。
【0019】
床暖房パネルの第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記接着性シート状体が、熱伝導性の高い材料にて構成されている点を特徴とする。
【0020】
即ち、接着性シート状体が熱伝導性の高い材料にて構成されているので、加熱用長尺体から発生してパネル形成体用均熱体に伝導する熱を、接着性シート状体を通して小根太の表面部に良好に伝導させることが可能となる。
そして、加熱用長尺体から発生した熱を小根太の表面部に良好に伝導させることができるので、小根太の表面部も良好に加熱することができるようになり、床暖房パネルの表面の温度のバラツキを抑制することができる。
従って、床暖房時の床面の温度のバラツキを抑制することができるようになった。
【0021】
床暖房パネルの第3特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成に加えて、
前記小根太の表面部が、前記パネル形成体用均熱体とは分離された小根太用均熱体を前記小根太の表面に止着する状態に構成されている点を特徴とする。
【0022】
即ち、小根太の表面部が、パネル形成体用均熱体とは分離された小根太用均熱体を小根太の表面に止着する状態に構成されているので、接着性シート状体が小根太の表面部の小根太用均熱体とパネル形成体用均熱体における小根太隣接部分とを一連に覆う状態で、それらに貼着される。
【0023】
そして、加熱用長尺体から発生してパネル形成体用均熱体に伝導する熱を、接着性シート状体を介して小根太用均熱体に伝導させることができるので、小根太の表面部も良好に加熱することができるようになり、床暖房パネルの表面の温度のバラツキを抑制することができる。
特に、接着性シート状体を熱伝導性の高い材料にて構成する場合には、加熱用長尺体から発生した熱を、熱伝導性の高い接着性シート状体を介して良好に小根太用均熱体に伝導させることが可能となるので、床暖房パネルの表面の温度のバラツキをより一層抑制することができる。
【0024】
又、床仕上げ材を床暖房パネルから剥がすときに、その床仕上げ材に接着されている接着性シート状体と一緒に、小根太用均熱体が小根太から剥がれたとしても、その小根太用均熱体はパネル形成体用均熱体と分離されていてパネル形成体用均熱体と縁が切れているので、パネル形成体用均熱体まで剥がれるのを防止することができる。
【0025】
ちなみに、小根太を分離自在な状態でパネル形成体に設けた状態で、上述のように小根太の表面部にパネル形成体用均熱体と分離された小根太用均熱体を止着するようにすると、床仕上げ材を床暖房パネルから剥がすときに小根太が損傷しても、その損傷した小根太の交換が容易なようにすることができる。
そして、そのように小根太をパネル形成体と分離自在な状態でパネル形成体に設けても、接着性シート状体によりパネル形成体と小根太とが接続されているので、床暖房パネルの搬送作業や敷設作業を行い易いようにすることができる。
【0026】
要するに、床仕上げ材を剥がすときの床暖房パネルの損傷をより一層抑制することができ、しかも、床暖房時の床面の温度のバラツキを抑制することができるようになった。
【0027】
床暖房パネルの第4特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成に加えて、
前記小根太の表面部が、小根太用均熱体を前記小根太の表面に止着する状態に構成され、
前記小根太用均熱体と前記パネル形成体用均熱体とが、分離用の脆弱接続部にて接続されている点を特徴とする。
【0028】
即ち、小根太の表面部が小根太用均熱体を小根太の表面に止着する状態に構成され、その小根太用均熱体とパネル形成体用均熱体とが、分離用の脆弱接続部にて接続されているので、接着性シート状体が小根太の表面部の小根太用均熱体とパネル形成体用均熱体における小根太隣接部分とを一連に覆う状態で、それらに貼着される。
そして、加熱用長尺体から発生してパネル形成体用均熱体に伝導する熱を、そのパネル形成体用均熱体から脆弱接続部を介して小根太用均熱体に良好に伝導させることができるので、小根太の表面部も良好に加熱することができるようになり、床暖房パネルの表面の温度のバラツキを抑制することができる。
特に、接着性シート状体を熱伝導性の高い材料にて構成する場合には、加熱用長尺体から発生した熱を、接着性シート状体を介して良好に小根太用均熱体に伝導させることが可能となるので、床暖房パネルの表面の温度のバラツキをより一層抑制することができる。
【0029】
又、床仕上げ材を床暖房パネルから剥がすときに、その床仕上げ材に接着されている接着性シート状体と一緒に、小根太用均熱体が小根太から剥がれたとしても、その小根太用均熱体が分離用の脆弱接続部にてパネル形成体用均熱体と分離されるようにすることが可能となるので、パネル形成体用均熱体まで剥がれるのを防止することができる。
従って、床仕上げ材を剥がすときの床暖房パネルの損傷をより一層抑制することができ、しかも、床暖房時の床面の温度のバラツキを抑制することができるようになった。
【0030】
床暖房パネルの第5特徴構成は、上記第1〜第3特徴構成のいずれかに加えて、
前記パネル形成体用均熱体が、前記パネル形成体と前記小根太との間に延びる状態で、前記パネル形成体の表面に止着されている点を特徴とする。
【0031】
即ち、パネル形成体用均熱体が、パネル形成体と小根太との間に延びる状態で、パネル形成体の表面に止着されているので、そのパネル形成体用均熱体の端部がパネル形成体と小根太との間に保持されると共に接着性シート状体に接着されない状態となる。
従って、床仕上げ材を床暖房パネルから剥がすときに、その床仕上げ材に接着されている接着性シート状体が剥がれても、パネル形成体用均熱体がその端からめくれるのを防止することが可能となり、パネル形成体用均熱体やパネル形成体に損傷を与えるのをより一層抑制することが可能となる。
【0032】
又、小根太を設けるための小根太嵌入部をパネル形成体に形成して、その小根太嵌入部に小根太を設けない状態で、その小根太嵌入部をも覆う状態で、パネル形成体の表面にパネル形成体用均熱体を止着する。
又、小根太をパネル形成体用均熱体の上から小根太嵌入部に嵌入するのに伴って、パネル形成体用均熱体における小根太嵌入部を覆う部分を小根太嵌入部に押し込むことが可能なように、そのパネル形成体用均熱体における小根太嵌入部を覆う部分に、切れ目を形成する。
そして、パネル形成体用均熱体の上から小根太をパネル形成体用均熱体に嵌入すると、その嵌入に伴って、パネル形成体用均熱体における小根太嵌入部を覆っていた部分が、小根太嵌入部に押し込められることになって、パネル形成体用均熱体が、パネル形成体と小根太との間に延びる状態でパネル形成体の表面に止着される状態となる。
その状態で、小根太は分離自在な状態でパネル形成体に設けられるので、床仕上げ材を床暖房パネルから剥がすときに小根太が損傷しても、その損傷した小根太の交換が容易なようにすることができる。
【0033】
つまり、単に、上述のようにパネル形成体用均熱体における小根太嵌入部を覆う部分に切れ目を形成して、パネル形成体用均熱体の上から小根太をパネル形成体用均熱体に嵌入するといった簡単な方法で、小根太を分離自在な状態でパネル形成体に設けることができるようになり、床暖房パネルの低廉化を図ることができる。
そして、そのように小根太をパネル形成体と分離自在な状態でパネル形成体に設けても、接着性シート状体によりパネル形成体と小根太とが接続されているので、床暖房パネルの搬送作業や敷設作業が行い易いものであることは勿論である。
要するに、床仕上げ材を剥がすときの床暖房パネルの損傷をより一層抑制することができ、しかも、小根太を分離自在に設けながら床暖房パネルの低廉化を図ることができるようになった。
【0034】
本発明の床暖房パネル用周辺パネルは、上記第1〜第5特徴構成のいずれかの床暖房パネルにおける前記小根太の長手方向の側方に配置される小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部を備えるものであって、
前記小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部の表面に、前記接着性シート状体の幅と同一又は略同一の幅に形成された小根太長手方向側方用の接着性帯状体が、前記複数の小根太夫々の仮想延長線上に位置する状態で貼着されている点を特徴とする。
【0035】
即ち、小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部の表面に、接着性シート状体の幅と同一又は略同一の幅に形成された小根太長手方向側方用の接着性帯状体が、床暖房パネルの複数の小根太夫々の仮想延長線上に位置する状態で貼着されているので、複数の小根太長手方向側方用の接着性帯状体の夫々に接着剤を塗布して、床仕上げ材を小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部の表面に配置することにより、床仕上げ材を、小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部の表面に貼着された接着性帯状体に対して接着剤にて接着させた状態で、小根太長手方向側方用の周辺パネルの表面に敷設することができる。
そして、このようにして床仕上げ材を小根太長手方向側方用の周辺パネルの表面に敷設するときに、小根太長手方向側方用の接着性帯状体の表面部に塗布した接着剤が広がっても、その接着性帯状体の外側に広がらないようにすることが可能となる。
【0036】
床仕上げ材を小根太長手方向側方用の周辺パネルから剥がすときには、その床仕上げ材と一緒に、小根太長手方向側方用の接着性帯状体が小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部から剥がれるようにして、その周辺パネル本体部に損傷を与えるのを抑制することが可能となる。
【0037】
そして、小根太長手方向側方用の接着性帯状体を貼着する範囲としては、小根太長手方向側方用の周辺パネルの表面に床仕上げ材を敷設するときに、その接着性帯状体の表面部に塗布した接着剤が広がる範囲をカバーできる範囲であれば十分であるので、小根太長手方向側方用の接着性帯状体を貼着する範囲を狭くすることが可能となり、床暖房パネルの低廉化を図ることが可能となる。
従って、床仕上げ材を剥がすときの床暖房パネル用周辺パネルの損傷を抑制しながら低廉化を図り得る床暖房パネル用周辺パネルを提供することができるようになった。
【0038】
本発明の床暖房パネル用周辺パネルは、上記第1〜第5特徴構成のいずれかの床暖房パネルにおける前記複数の小根太の並び方向の側方に配置される小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部を備えるものであって、
前記小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部の表面に、前記接着性シート状体の幅と同一又は略同一の幅に形成された小根太並び方向側方用の接着性帯状体が、前記小根太の長手方向に沿わせて貼着されている点を特徴とする。
【0039】
即ち、小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部の表面に、接着性シート状体の幅と同一又は略同一の幅に形成された小根太並び方向側方用の接着性帯状体が、床暖房パネルの複数の小根太夫々の仮想延長線上に位置する状態で貼着されているので、複数の小根太並び方向側方用の接着性帯状体の夫々に接着剤を塗布して、床仕上げ材を小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部の表面に配置することにより、床仕上げ材を、小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部の表面に貼着された接着性帯状体に対して接着剤にて接着させた状態で、小根太並び方向側方用の周辺パネルの表面に敷設することができる。
そして、このようにして床仕上げ材を小根太並び方向側方用の周辺パネルの表面に敷設するときに、小根太並び方向側方用の接着性帯状体の表面部に塗布した接着剤が広がっても、その接着性帯状体の外側に広がらないようにすることが可能となる。
【0040】
床仕上げ材を小根太並び方向側方用の周辺パネルから剥がすときには、その床仕上げ材と一緒に、小根太並び方向側方用の接着性帯状体が小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部から剥がれるようにして、その周辺パネル本体部に損傷を与えるのを抑制することが可能となる。
【0041】
そして、小根太並び方向側方用の接着性帯状体を貼着する範囲としては、小根太並び方向側方用の周辺パネルの表面に床仕上げ材を敷設するときに、その接着性帯状体の表面部に塗布した接着剤が広がる範囲をカバーできる範囲であれば十分であるので、小根太並び方向側方用の接着性帯状体を貼着する範囲を狭くすることが可能となり、低廉化を図ることが可能となる。
従って、床仕上げ材を剥がすときの床暖房パネル用周辺パネルの損傷を抑制しながら低廉化を図り得る床暖房パネル用周辺パネルを提供することができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
〔第1実施形態〕
以下、図面に基づいて、本発明の第1実施形態を説明する。
図1に示すように、床暖房パネルPHは、暖房対象の床の略中央に敷き、床暖房パネル用周辺パネル(以下、単に周辺パネルを記載する場合がある)PAは、床暖房パネルPHと暖房対象の床を区画する壁等の床区画材(図示省略)との間に敷き込み、それら床暖房パネルPHの表面及び周辺パネルPAの表面の全面にわたって、木質材等から形成された床仕上げ材1を敷設して、床暖房パネルPHの加熱作用により床仕上げ材1を昇温させて、床暖房するように構成してある。
【0043】
図2に示すように、前記床暖房パネルPHは、加熱用長尺体としての熱媒流通管2が装備され且つ表面にシート状のパネル形成体用均熱体3Pが貼着されたパネル形成体4に、複数(この実施形態では8本)の小根太5をその小根太5の幅方向に間隔を隔てて並設して構成してある。
【0044】
図1に示すように、前記周辺パネルPAには、前記床暖房パネルPHにおける前記小根太5の長手方向の側方に配置する小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部31を備えた小根太長手方向側方用の周辺パネルPAmと、前記床暖房パネルPHにおける前記複数の小根太5の並び方向の側方に配置する小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部32を備えた小根太並び方向側方用の周辺パネルPAnとがある。
【0045】
前記床暖房パネルPHについて、説明を加える。
図1及び図2に示すように、前記パネル形成体4は、外径形状が矩形状になるように並べた複数の矩形状のパネル単位体6にて構成してある。
その矩形状のパネル形成体4に、前記複数の小根太5を、その長手方向の一部分に小根太5が存在しない小根太不存在部分7を形成する状態で、前記パネル形成体4の一辺方向に所定の小根太ピッチ(例えば、303mm)で並設してある。
具体的には、図3及び図4に示すように、パネル形成体4に、小根太5を嵌入するための小根太嵌入部4kを、上述の如き複数の小根太5の配置パターンに対応させて、パネル形成体4の側端縁から内方側に入り込む凹入状や、パネル形成体4の厚さ方向に貫通する開口状にて形成してある。
そして、前記パネル形成体4の厚さと同じ厚さの小根太5を各小根太嵌入部4kに嵌入することにより、パネル形成体4に前記複数の小根太5を、夫々が着脱自在な状態で、上述の如き配置パターンにて並設する構成としてある。
【0046】
図2に示すように、前記熱媒流通管2は、パネル形成体4の表面側に、前記小根太不存在部分7を通過させる状態で、パネル形成体4の略全面にわたって蛇行状に装備し、その熱媒流通管2の両端部を、パネル形成体4の角部に配設した熱媒給排用のヘッダ8に接続してある。
具体的には、図3ないし図5に示すように、パネル形成体4の表面側に、図2に示す如き熱媒流通管2の配設パターンに対応させて、熱媒流通管2を収納するための溝部4mを形成し、この溝部4mに前記熱媒流通管2を収納してある。
【0047】
そして、前記ヘッダ8を熱媒往き路及び熱媒戻し路(図示省略)にて熱源機(図示省略)に接続して、その熱源機により、熱媒流通管2を通して熱媒を循環させるように構成してある。
【0048】
図2及び図3に示すように、この第1実施形態では、上述のように熱媒流通管2を装備し且つ複数の小根太5を並設したパネル形成体4の表面の全面にわたって、熱伝導率の高いアルミ箔等のシート状体の裏面に接着剤層を備えさせて接着自在なように構成した均熱用シート状体3を貼着する。
更に、前記均熱用シート状体3における各小根太不存在部分7の上部に対応する部分には、釘打ちを禁止する領域であることを示す釘打ち禁止シール9を貼付する。
【0049】
そして、図2ないし図4に示すように、前記均熱用シート状体3に、小根太5とパネル形成体4との境界に沿って、その境界の全長にわたるように切れ目3sを形成してある。
【0050】
つまり、前記均熱用シート状体3を、前記切れ目3sにより、パネル形成体4の表面に貼着された部分と小根太5の表面に貼着された部分とに分離して、前記均熱用シート状体3におけるパネル形成体4の表面に貼着された部分を前記パネル形成体用均熱体3Pとし、前記均熱用シート状体3における小根太5の表面に貼着された部分を小根太用均熱体3Kとするようにして、小根太5の表面部を、パネル形成体用均熱体3Pとは分離された小根太用均熱体3Kを小根太5の表面に止着する状態に構成してある。
このように小根太5の表面部にパネル形成体用均熱体3Pと分離された小根太用均熱体3Kを止着することにより、小根太5が分離自在な状態でパネル形成体4に設けられることになる。
【0051】
詳細な説明及び図示を省略するが、前記パネル形成体4は、隣接するパネル単位体6同士を山折り又は谷折り状に折り曲げ自在に接続して、前記パネル形成体4を、複数のパネル単位体6を重ねる状態で、所定の形態に折り畳み可能なように構成してある。
【0052】
ちなみに、前記パネル形成体4は、熱伝導率が低い発泡ポリスチレン等の発泡樹脂製であり、断熱性を有すると共に軽量化が可能となり、前記熱媒流通管2は、架橋ポリエチレン、ポリブテン等の樹脂製で可撓性を有している。
又、前記小根太5は、ビスの螺入が可能な木製又は樹脂製である。
【0053】
図2ないし図4に示すように、本発明では、帯状の接着性シート状体10を、前記複数の小根太5の夫々に対して、前記小根太5の表面部及び前記パネル形成体用均熱体3Pにおける前記小根太5に隣接する小根太隣接部分を一連に覆う状態で、それらに貼着して設け、その接着性シート状体10を、前記小根太5の表面部における幅方向の中間に対応する部分を露出させる開口部11を備える状態に、且つ、前記パネル形成体用均熱体3Pにおける前記小根太隣接部分に貼着される部分の接着力を、前記パネル形成体用均熱体3Pが前記パネル形成体4に貼着される貼着力よりも弱くする状態に構成してある。
【0054】
以下、前記接着性シート状体10について、説明を加える。
図2ないし図4に示すように、前記複数の小根太5の夫々に対して、2本の弱接着性テープ21を、小根太5の幅方向に振り分けた状態で、且つ、夫々が小根太5の長手方向に沿う側縁の略全長にわたって小根太5の表面部とパネル形成体用均熱体3Pの小根太隣接部分とに跨る状態で、それら小根太5の表面部とパネル形成体用均熱体3Pの小根太隣接部分とに貼着して設けてある。
小根太5の表面部及びパネル形成体用均熱体3P夫々に対する前記弱接着性テープ21の接着力は、パネル形成体4に対するパネル形成体用均熱体3Pの接着力、及び、後述する床仕上げ材用接着剤16(図8参照)により床仕上げ材1を弱接着性テープ21に接着させる接着力よりも弱くしてある。
【0055】
つまり、この第1実施形態では、前記2本の弱接着性テープ21により、前記接着性シート状体10を構成してある。
小根太5の幅方向に振り分け配置した前記2本の弱接着性テープ21の間において、前記小根太5の表面部における幅方向の中間に対応する部分を露出させることになり、それら2本の弱接着性テープ21の間が、前記開口部11に相当する。
つまり、前記開口部11を、前記小根太5の表面部における幅方向の中間に対応する部分に、小根太5の長手方向の略全長にわたって連続させて形成してある。
【0056】
又、この第1実施形態では、前記小根太5の表面部は、パネル形成体用均熱体3Pとは分離された小根太用均熱体3Kを小根太5の表面に止着する状態に構成してあるので、前記接着性シート状体10は、前記小根太5の表面部である小根太用均熱体3Kとパネル形成体用均熱体3Pの小根太隣接部分とに跨る状態で貼着してある。
【0057】
更に、図2、図3及び図5に示すように、前記釘打ち禁止シール9を相似的に拡大した形状の禁止シール覆い用弱接着性テープ12を、釘打ち禁止シール9上に、その全周からはみ出させる状態で貼着してある。
釘打ち禁止シール9及びパネル形成体用均熱体3Pに対する禁止シール覆い用弱接着性テープ12の接着力は、パネル形成体4に対するパネル形成体用均熱体3Pの接着力、及び、後述する床仕上げ材用接着剤16(図8参照)により床仕上げ材1を禁止シール覆い用弱接着性テープ12に接着させる接着力よりも弱くしてある。
【0058】
そして、上述のように弱接着性テープ21を小根太5の表面部とパネル形成体用均熱体3Pの小根太隣接部分とに跨る状態でそれらに貼着するに当たって、パネル形成体用均熱体3P側への弱接着性テープ21のはみ出し量は、床仕上げ材1を小根太5の表面に固定する際の小根太5からの床仕上げ材用接着剤16(図8参照)のはみ出し範囲(以下、単に床仕上げ材用接着剤はみ出し範囲と記載する場合がある)をカバーできる量に設定してある。
つまり、前記接着性シート状体10の幅、即ち、前述のように小根太5の幅方向に振り分け配置した前記2本の弱接着性テープ21夫々の外側の側縁部間の幅は、床仕上げ材1を小根太5の表面に固定する際の床仕上げ材用接着剤16(図8参照)の広がり範囲(以下、単に床仕上げ材用接着剤広がり範囲と記載する場合がある)をカバーできる幅に設定してある。
【0059】
又、前記禁止シール覆い用弱接着性テープ12を釘打ち禁止シール9からはみ出させる量も、床仕上げ材用接着剤はみ出し範囲をカバーできる量に設定してある。
つまり、前記禁止シール覆い用弱接着性テープ12の幅も、床仕上げ材用接着剤広がり範囲をカバーできる幅に設定してある
【0060】
前記弱接着性テープ21(即ち、接着性シート状体10)、及び、前記禁止シール覆い用弱接着性テープ12夫々は、熱伝導率が高く且つ床仕上げ材用接着剤16を浸透させないアルミ箔等のシート状体の裏面に接着剤層を備えさせることにより形成して、接着自在で且つ床仕上げ材接着用の接着剤を浸透させないように構成してある。
【0061】
上述のように、均熱用シート状体3に切れ目3を形成することにより、パネル形成体用均熱体3Pと小根太用均熱体3Kとに分離してあるが、それらパネル形成体用均熱体3Pと小根太用均熱体3Kとに跨って接着される接着性シート状体10を、アルミ箔等の熱伝導率の高いシート状体にて構成してあるので、熱媒流通管2からパネル形成体用均熱体3Pに伝導する熱を、熱伝導性の高い接着性シート状体10を介して良好に小根太用均熱体3Kに伝導させて、小根太5の表面部も良好に加熱することができる。
【0062】
次に、前記周辺パネルPAについて説明を加える。
先ず、図1及び図6に基づいて、前記小根太長手方向側方用の周辺パネルPAmについて説明を加える。尚、図6において、(イ)は小根太長手方向側方用の周辺パネルPAmの平面図であり、(ロ)は側面図である。
前記小根太長手方向側方用の周辺パネルPAmに備えさせる前記小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部31は、前記床暖房パネルPHと同厚さの細長矩形板状に形成してあり、前記床暖房パネルPHにおける前記小根太5の長手方向の側方に、その長手方向を床暖房パネルPHにおける複数の小根太5の並び方向に沿わせた姿勢で配置するように構成してある。
そして、その小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部31には、複数(この実施形態では6本)の長手方向側方用小根太33を、前記床暖房パネルPHにおける複数の小根太5の並びピッチである小根太ピッチと同一の並びピッチにて並設してある。
つまり、前記複数の長手方向側方用小根太33夫々の表面部を、床仕上げ材用接着剤16(図10参照)にて床仕上げ材1を周辺パネル本体部31に接着するための床仕上げ材接着範囲とするように構成してある。
【0063】
具体的には、前記小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部31は、前記複数の長手方向側方用小根太33と、その長手方向側方用小根太33と同長さの複数の矩形板状の長手方向側方用パネル単位体34とを互い違いに並べた状態で接着剤にて固定して形成してある。
【0064】
前記長手方向側方用パネル単位体34は、前記パネル形成体4と同様に発泡樹脂製であり、前記長手方向側方用小根太33は、前記床暖房パネルPHの小根太5と同幅であり、又、その床暖房パネルPHの小根太5と同様に、ビスの螺入が可能な木製又は樹脂製である。
【0065】
そして、本発明では、小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部31の表面に、前記接着性シート状体10の幅と同一の幅に形成した小根太長手方向側方用の接着性帯状体35を、前記床暖房パネルPHにおける複数の小根太5夫々の仮想延長線上に位置する状態で貼着してある。
【0066】
説明を加えると、小根太長手方向側方用の接着性帯状体35を、前記複数の長手方向側方用小根太33の夫々に対して、その長手方向側方用小根太33の長手方向の全長にわたって、その長手方向側方用小根太33及び長手方向側方用パネル単位体34における長手方向側方用小根太33に隣接する部分を一連に覆う状態で、それらに貼着して設けてある。
【0067】
前記小根太長手方向側方用の接着性帯状体35は、床仕上げ材用接着剤(図10参照)を浸透させないアルミ箔等のシート状体の裏面に接着剤層を備えさせることにより形成して、接着自在で且つ床仕上げ材接着用接着剤16を浸透させないようにしてある。
そして、その小根太長手方向側方用の接着性帯状体35を長手方向側方用小根太33及び長手方向側方用パネル単位体34に接着させる接着力を、パネル形成体4に対するパネル形成体用均熱体3Pの接着力、及び、床仕上げ材用接着剤16により床仕上げ材1を接着性帯状体35に接着させる接着力よりも弱くしてある。
又、前記小根太長手方向側方用の接着性帯状体35の幅を前記接着性シート状体10の幅と同一の幅に形成することにより、その接着性帯状体35により、床仕上げ材用接着剤広がり範囲をカバーできるように構成してある。
【0068】
次に、図1及び図7に基づいて、前記小根太並び方向側方用の周辺パネルPAnについて説明を加える。尚、図7において、(イ)は小根太並び方向側方用の周辺パネルPAnの平面図であり、(ロ)は側面図である。
前記小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部32は、前記床暖房パネルPHと同厚さの細長矩形板状に形成してあり、前記床暖房パネルPHにおける前記複数の小根太5の並び方向の側方に、その長手方向を床暖房パネルPHの小根太5の長手方向に沿わせた姿勢で配置するように構成してある。
そして、その小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部32には、複数(この実施形態では2本)の並び方向側方用小根太36を、その周辺パネル本体部32が前記床暖房パネルPHにおける前記複数の小根太5の並び方向の側方に配置された状態において、その床暖房パネルPHにおいて前記小根太ピッチで並ぶ複数の小根太5に連なって前記小根太ピッチで並ぶ状態となるように設けてある。
つまり、前記複数の並び方向側方用小根太36夫々の表面部を、床仕上げ材用接着剤16(図10参照)にて床仕上げ材1を周辺パネル本体部32に接着するための床仕上げ材接着範囲とするように構成してある。
【0069】
具体的には、前記小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部32は、複数の並び方向側方用小根太36と、その並び方向側方用小根太36と同長さの複数の矩形板状の並び方向側方用パネル単位体37とを互い違いに並べた状態で接着剤にて固定して形成してある。
【0070】
前記並び方向側方用パネル単位体37は、前記パネル形成体4と同様に発泡樹脂製であり、前記並び方向側方用小根太36は、前記床暖房パネルPHの小根太5と同幅であり、又、その床暖房パネルPHの小根太5と同様に、ビスの螺入が可能な木製又は樹脂製である
【0071】
そして、本発明では、小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部32の表面に、前記接着性シート状体10の幅と同一の幅に形成した小根太並び方向側方用の接着性帯状体38を、前記床暖房パネルPHにおける小根太5の長手方向に沿わせて貼着してある。
【0072】
説明を加えると、小根太並び方向側方用の接着性帯状体38を、前記複数の並び方向側方用小根太36の夫々に対して、その並び方向側方用小根太36の長手方向の全長にわたって、その並び方向側方用小根太36及び並び方向側方用パネル単位体37における並び方向側方用小根太36に隣接する部分を一連に覆う状態で、それらに貼着して設けてある。
【0073】
前記小根太並び方向側方用の接着性帯状体38は、床仕上げ材用接着剤16(図10参照)を浸透させないアルミ箔等のシート状体の裏面に接着剤層を備えさせることにより形成して、接着自在で且つ床仕上げ材接着用接着剤16を浸透させないようにしてある。
そして、その小根太並び方向側方用の接着性帯状体38を並び方向側方用小根太36及び並び方向側方用パネル単位体37に接着させる接着力を、パネル形成体4に対するパネル形成体用均熱体3Pの接着力、及び、床仕上げ材用接着剤16により床仕上げ材1を接着性帯状体38に接着させる接着力よりも弱くしてある。
又、前記小根太並び方向側方用の接着性帯状体38の幅を前記接着性シート状体10の幅と同一の幅に形成することにより、その接着性帯状体38により、床仕上げ材用接着剤広がり範囲をカバーできるように構成してある。
【0074】
つまり、小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部32の表面に、その周辺パネル本体部32が前記床暖房パネルPHにおける前記複数の小根太5の並び方向の側方に配置された状態において、その床暖房パネルPHにおいて前記小根太ピッチで並ぶ複数の小根太5に連なって前記小根太ピッチで並ぶ状態となるように、小根太並び方向側方用の接着性帯状体38を並べて貼着してある。
【0075】
次に、図8ないし図10に基づいて、上述のように構成した床暖房パネルPH及び周辺パネルPAを暖房対象の床に敷設する敷設作業について説明する。尚、小根太長手方向側方用の周辺パネルPAm及び小根太並び方向側方用の周辺パネルPAn夫々の敷設作業を、同一の図10を用いて示している。
尚、この実施形態では、床暖房パネルPHについては前記接着性シート状体10を貼着した状態まで、小根太長手方向側方用の周辺パネルPAmについては小根太長手方向側方用の接着性帯状体35を貼着した状態まで、小根太並び方向側方用の周辺パネルPAnについては小根太並び方向側方用の接着性帯状体38を貼着した状態まで、夫々メーカーにて加工して、出荷するようにしてある。
【0076】
図1及び図8の(イ)に示すように、床下地材13の表面に接着剤(図示省略)を塗布して、床暖房パネルPHを暖房対象の床における所定の位置に敷き、ビス14を、各小根太5における幅方向の中間部分から、床下地材13に達するように捩じ込んで、床暖房パネルPHを接着剤とビス14とにより、床下地材13に固定する。
【0077】
又、前記小根太5に捩じ込んだ各ビス14の頭には、ビス用接着性シート15を貼着する。このビス用接着性シート15は、アルミ箔等のシート状体の裏面に、ビス14の頭に対する接着力が前記パネル形成体4に対する均熱体3の接着剤層の接着力よりも弱い接着剤層を備えて形成してある。
【0078】
又、図1及び図10の(イ)に示すように、床下地材13の表面に接着剤(図示省略)を塗布して、前記床暖房パネルPHにおける前記小根太5の長手方向の側縁と床区画材との間に、小根太長手方向側方用の周辺パネルPAmを敷き込み、前記床暖房パネルPHにおける前記複数の小根太4の並び方向の側方の側縁と床区画材との間に、小根太並び方向側方用の周辺パネルPAnを敷き込んで、それら小根太長手方向側方用の周辺パネルPAm及び小根太並び方向側方用の周辺パネルPAnを接着剤により、床下地材13に固定する。
尚、小根太長手方向側方用の周辺パネルPAmは、複数の長手方向側方用小根太33が床暖房パネルPHの複数の小根太5と同位相で並ぶように配置する。
【0079】
そして、上述のように敷設した床暖房パネルPH、小根太長手方向側方用の周辺パネルPAm及び小根太並び方向側方用の周辺パネルPAnの表面に床仕上げ材1を敷設することになり、図8の(ロ)及び図9の(ハ)に示すように、床仕上げ材1は、隣接する床仕上げ材1同士を、一方の側面に形成された溝1mに他方の側面に形成された突条部1rを嵌め込んで接合する、所謂、実接ぎにて接合する構成となっている。
【0080】
図8の(イ)に示すように、前記床暖房パネルPHの小根太5の夫々の表面部における幅方向の中央にその長手方向に沿って床仕上げ材用接着剤16を塗布する。
又、図10の(イ)に示すように、小根太長手方向側方用の周辺パネルPAmの小根太長手方向側方用の接着性帯状体35の表面、及び、小根太並び方向側方用の周辺パネルPAnの小根太並び方向側方用の接着性帯状体38の表面に、夫々の長手方向に沿って床仕上げ材用接着剤16を塗布する。
【0081】
そして、図8の(ロ)及び図9の(ハ)に示すように、床仕上げ材1をその端部が小根太5の幅方向中央部に位置するように配置して、突条部1rの根元に釘17を打ち込み、他の床仕上げ材1を、その溝1mに前記釘17を打ち込んだ床仕上げ材1の突条部1rを嵌め込む状態で配置することを繰り返して、床暖房パネルPHの表面に、床仕上げ材1を釘17と床仕上げ材用接着剤16にて固定する状態で敷設する。
又、図10の(ロ)に示すように、小根太長手方向側方用の周辺パネルPAm及び小根太並び方向側方用の周辺パネルPAnの表面には、床仕上げ材1を床仕上げ材用接着剤16にて固定する状態で敷設する。
【0082】
そのように、床暖房パネルPH、小根太長手方向側方用の周辺パネルPAm及び小根太並び方向側方用の周辺パネルPAnの表面に床仕上げ材1を敷設すると、床仕上げ材用接着剤16が床仕上げ材1に押し付けられて広がることになるが、その広がりが、前記接着性シート状体10の表面、小根太長手方向側方用の接着性帯状体35の表面、小根太並び方向側方用の接着性帯状体38の表面に止まるように構成してある。
【0083】
図9の(ニ)に示すように、床仕上げ材1の張り替えのために、床仕上げ材1を床暖房パネルPHから剥がすと、それと一緒に、その床仕上げ材1に床仕上げ材用接着剤16にて接着されている接着性シート状体10、ビス用接着シート15及び禁止シール覆い用弱接着性テープ12も剥がれる。
【0084】
そして、床仕上げ材1を剥がすときに、接着性シート状体10も一緒に剥がれことにより、前記パネル形成体用均熱体3Pや前記パネル形成体4の損傷を防止することができる。
しかも、床仕上げ材1に接着されている接着性シート状体10と一緒に、小根太用均熱体3Kが小根太5から剥がれたとしても、その小根太用均熱体3Kはパネル形成体用均熱体3Pと別体となっていて、パネル形成体用均熱体3Pと縁が切れているので、パネル形成体用均熱体3Pまで剥がれるのを防止することができる。
【0085】
又、釘打ち禁止シール9を覆っている禁止シール覆い用弱接着性テープ12も剥がれることにより、釘打ち禁止シール9が損傷するのを防止することができる。
又、床仕上げ材1を剥がすときに、ビス14を覆っているビス用接着シート15も一緒に剥がれることにより、ビス14の頭のドライバー係合用の凹溝を床仕上げ材用接着剤16が入り込まない状態で露出させることができる。
従って、床仕上げ材1を床暖房パネルPHから剥がすときに小根太5が損傷して、その損傷した小根太5を取り替えるときには、ビス14のドライバー係合用の凹溝が露出しているので、ビス14を容易に抜くことができて、小根太5を容易に取り替えることができる。
【0086】
図10の(ハ)に示すように、床仕上げ材1を小根太長手方向側方用の周辺パネルPAmから剥がすときには、その床仕上げ材1と一緒に、それに床仕上げ材用接着剤16にて接着されている小根太長手方向側方用の接着性帯状体35も剥がれるので、前記長手方向側方用小根太33及び前記長手方向側方用パネル単位体34が損傷するのを抑制することができる。
つまり、小根太長手方向側方用の接着性帯状体35は床仕上げ材用接着剤16を浸透させないようにし、又、小根太長手方向側方用の接着性帯状体35を長手方向側方用小根太33及び長手方向側方用パネル単位体34に接着させる接着力を、パネル形成体4に対するパネル形成体用均熱体3Pの接着力、及び、床仕上げ材用接着剤16により床仕上げ材1を接着性帯状体35に接着させる接着力よりも弱くしてあるので、床仕上げ材1を小根太長手方向側方用の周辺パネルPAmから剥がすときに、長手方向側方用小根太33及び長手方向側方用パネル単位体34が損傷するのを抑制しながら、それらから小根太長手方向側方用の接着性帯状体35が剥がれるようにすることが可能となる。
【0087】
又、床仕上げ材1を小根太並び方向側方用の周辺パネルPAnから剥がすときには、その床仕上げ材1と一緒に、それに床仕上げ材用接着剤16にて接着されている小根太並び方向側方用の接着性帯状体38も剥がれるので、前記並び方向側方用小根太36及び前記並び方向側方用パネル単位体37が損傷するのを抑制することができる。
つまり、小根太並び方向側方用の接着性帯状体38は床仕上げ材用接着剤16を浸透させないようにし、又、小根太並び方向側方用の接着性帯状体38を並び方向側方用小根太36及び並び方向側方用パネル単位体37に接着させる接着力を、パネル形成体4に対するパネル形成体用均熱体3Pの接着力、及び、床仕上げ材用接着剤16により床仕上げ材1を接着性帯状体38に接着させる接着力よりも弱くしてあるので、床仕上げ材1を小根太並び方向側方用の周辺パネルPAnから剥がすときに、並び方向側方用小根太36及び並び方向側方用パネル単位体37が損傷するのを抑制しながら、それらから小根太並び方向側方用の接着性帯状体38が剥がれるようにすることが可能となる。
【0088】
〔第2実施形態〕
以下、図面に基づいて第2実施形態を説明するが、この第2実施形態では、床暖房パネルPHについては、主としてパネル形成体用均熱体3Pの貼着形態が異なる以外は、上記の第1実施形態と同様に構成してあるので、主として、パネル形成体用均熱体3Pの貼着形態について説明し、周辺パネルPAについては、第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0089】
図11及び図12に示すように、第1実施形態と同様に小根太嵌入部4k及び溝部4mを形成すると共に熱媒流通管2及びヘッダ8を装備したパネル形成体4の表面の全面にわたって、第1実施形態と同様の均熱用シート状体3を貼着する。
その均熱用シート状体3における各小根太嵌入部4kを覆う箇所に、小根太嵌入部4kの幅方向の中央を通りその長手方向の全長にわたる状態と、小根太嵌入部4kの長手方向端部の縁部に沿う状態の切れ目3tを形成する。
【0090】
そして、図12の(イ)及び(ロ)に示すように、各小根太嵌入部4kに、各小根太嵌入部4kに対応する小根太5を、均熱用シート状体3の上方からその均熱用シート状体3における小根太嵌入部4kを覆う部分を小根太嵌入部4kに押し込みながら、小根太嵌入部4kに嵌入すると、均熱用シート状体3の小根太嵌入部4kを覆っていた部分が、パネル形成体4と小根太5との間に挟まれて保持される状態となり、又、小根太5が分離自在な状態でパネル形成体4に設けられることになる。
【0091】
つまり、この第2実施形態では、均熱用シート状体3の全体を前記パネル形成体用均熱体3Pとしてあり、そのパネル形成体用均熱体3Pを、前記パネル形成体4と前記小根太5との間に延びる状態で、前記パネル形成体4の表面に貼着する構成にしてある。
【0092】
更に、図12の(ハ)に示すように、上記の第1実施形態と同様に、前記複数の小根太5の夫々に対して、2本の弱接着性テープ21を、小根太5の幅方向に振り分けた状態で、且つ、夫々が小根太5の長手方向に沿う側縁の略全長にわたって小根太5の表面部とパネル形成体用均熱体3Pの小根太隣接部分とに跨る状態で、それら小根太5の表面部とパネル形成体用均熱体3Pの小根太隣接部分とに貼着して設けてある。
【0093】
つまり、第1実施形態と同様に、前記2本の弱接着性テープ21により、前記接着性シート状体10を構成してある。
そして、2本の弱接着性テープ21の間が前記開口部11に相当するので、第1実施形態と同様に、前記開口部11を、前記小根太5の表面部における幅方向の中間に対応する部分に、小根太5の長手方向の略全長にわたって連続させて形成してある。
【0094】
又、この第2実施形態では、前記小根太5の表面部は、小根太5の表面そのものにて構成してあるので、前記接着性シート状体10は、前記小根太5の表面そのものとパネル形成体用均熱体3Pの小根太隣接部分とに跨る状態で貼着してある。
従って、この第2実施形態では、前記小根太5の表面には、第1実施形態の如き小根太用均熱体3Kが貼着されていないことから、小根太5の表面部での伝熱性が第1実施形態よりも劣るので、前記開口部11の幅、即ち、2本の弱接着性テープ21の間隔を狭くして(たとえば20mm程度)、接着性シート状体10により伝熱性を促進させるのが好ましい。
【0095】
更に、第1実施形態と同様に、禁止シール覆い用弱接着性テープ12を、釘打ち禁止シール9上に、その全周からはみ出させる状態で貼着してある。
【0096】
上述のように構成した床暖房パネルPHの敷設作業は第1実施形態と同様であるので、以下、その敷設作業について、図13及び図14に基づいて簡単に説明する。尚、周辺パネルPAの敷設作業については、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0097】
図13の(イ)に示すように、床下地材13の表面に接着剤(図示省略)を塗布して、床暖房パネルPHを暖房対象の床の所定の位置に敷き、ビス14を、各小根太5における幅方向の中間部分から、床下地材13に達するように捩じ込み、各ビス14の頭に、ビス用接着性シート15を貼着する。
続いて、前記床暖房パネルPHの小根太5の表面部における幅方向の中央にその長手方向に沿って床仕上げ材用接着剤16を塗布する。
【0098】
そして、図13の(ロ)及び図14の(ハ)に示すように、床仕上げ材1をその端部が小根太5の幅方向中央部に位置するように配置して、突条部1rの根元に釘17を打ち込み、他の床仕上げ材1を、その溝1mに前記釘17を打ち込んだ床仕上げ材1の突条部1rを嵌め込む状態で配置することを繰り返して、床暖房パネルPHの表面に、床仕上げ材1を釘17と床仕上げ材用接着剤16にて固定する状態で敷設する。
【0099】
そのように、床暖房パネルPHの表面に床仕上げ材1を敷設すると、床仕上げ材用接着剤16が床仕上げ材1に押し付けられて広がることになるが、その広がりが、前記接着性シート状体10の表面に止まるように構成してある。
【0100】
図14の(ニ)に示すように、床仕上げ材1の張り替えのために、床仕上げ材1を床暖房パネルPHから剥がすと、それと一緒に、その床仕上げ材1に床仕上げ材用接着剤16にて接着されている接着性シート状体10、ビス用接着シート15及び禁止シール覆い用弱接着性テープ12も剥がれる。
【0101】
そして、床仕上げ材1を剥がすときに、接着性シート状体10も一緒に剥がれことにより、前記パネル形成体用均熱体3Pや前記パネル形成体4の損傷を防止することができる。
しかも、パネル形成体用均熱体3Pの端部が、パネル形成体4と小根太5との間に保持されると共に接着性シート状体10に接着されていないので、パネル形成体用均熱体3Pが端からめくれるのを防止することができ、パネル形成体用均熱体3Pが剥がれるのをより確実に防止することができる。
【0102】
又、釘打ち禁止シール9を覆っている禁止シール覆い用弱接着性テープ12も剥がれることにより、釘打ち禁止シール9が損傷するのを防止することができる。
又、床仕上げ材1を剥がすときに、ビス14を覆っているビス用接着シート15も一緒に剥がれることにより、ビス14の頭のドライバー係合用の凹溝を、接着剤が入り込まない状態で露出させることができる。
従って、床仕上げ材1を床暖房パネルPHから剥がすときに小根太5が損傷して、その損傷した小根太5を取り替えるときには、ビス14のドライバー係合用の凹溝が露出しているので、ビス14を容易に抜くことができて、小根太5を容易に取り替えることができる。
【0103】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 帯状の接着性シート状体10の具体構成としては、上記の各実施形態において例示した構成、即ち、開口部11を形成すべく小根太5の幅方向に振り分けて配置した2本の弱接着テープ21にて構成する場合に限定されるものではない。
例えば、図15及び図16に示すように、小根太5の幅よりも広い幅を有し且つ開口部11を形成するための複数の開口部22wを幅方向の中間部に長手方向の略全長にわたって分散状態で備えた開口付接着テープ22にて構成しても良い。
この場合は、その開口付接着テープ22を、前記複数の小根太5の夫々に対して、小根太5の両側縁からはみ出させ且つ小根太5の長手方向に沿わせた状態で、小根太5の表面部及び前記パネル形成体用均熱体3Pにおける前記小根太に隣接する小根太隣接部分に貼着することになる。
【0104】
又、この場合、開口付接着テープ22は、アルミ箔のシート状体の裏面の全面に、パネル形成体4に対するパネル形成体用均熱体3Pの接着力よりも接着力が弱い接着剤層を備えさせて構成することにより、接着性シート状体10を、その全面の接着力をパネル形成体4に対するパネル形成体用均熱体3Pの接着力よりも弱くする状態に構成しても良い。
【0105】
又、図16に示すように、開口付接着テープ22は、アルミ箔のシート状体の裏面における幅方向の両側に、パネル形成体4に対するパネル形成体用均熱体3Pの接着力よりも弱い接着力の弱接着剤層22pを備えさせ、且つ、幅方向の中間部に、パネル形成体4に対するパネル形成体用均熱体3Pの接着力と同等の接着力の強接着剤層22sを備えさせて構成しても良い。
つまり、開口付接着テープ22における弱接着剤層22pを備えた部分をパネル形成体用均熱体3Pにおける小根太隣接部分に貼着させるように構成することにより、その開口付接着テープ22にて構成する接着性シート状体10を、前記パネル形成体用均熱体3Pにおける小根太隣接部分に貼着される部分の接着力を、パネル形成体用均熱体3Pがパネル形成体4に止着される止着力よりも弱くする状態に構成することになる。
【0106】
又、図17に示すように、開口付接着テープ22は、パネル形成体4に対するパネル形成体用均熱体3Pの接着力と同等の接着力を有する強接着テープ部分22hの両側夫々に、パネル形成体4に対するパネル形成体用均熱体3Pの接着力よりも弱い接着力を有する弱接着テープ部分22cを備えさせて形成しても良い。
つまり、開口付接着テープ22における弱接着テープ部分22cをパネル形成体用均熱体3Pにおける小根太隣接部分に貼着させるように構成することにより、その開口付接着テープ22にて構成する接着性シート状体10を、前記パネル形成体用均熱体3Pにおける小根太隣接部分に貼着される部分の接着力を、パネル形成体用均熱体3Pがパネル形成体4に止着される止着力よりも弱くする状態に構成することになる。
【0107】
(ロ) 図18に示すように、小根太5の表面部を、小根太用均熱体3Kを小根太5の表面に止着する状態に構成し、小根太用均熱体3Kとパネル形成体用均熱体3Pとを、分離用の脆弱接続部3Cにて接続しても良い。
この場合、前記分離用の脆弱接続部3Cは、図18に示すように、ミシン目にて構成することができ、又、図示は省略するが、他の部分よりも厚さの薄い薄肉部にて構成することができる。
【0108】
(ハ) 上記の実施形態においては、接着性シート状体10を、熱伝導性が高いアルミ箔等のシート状体の裏面に接着剤層を備えさせて形成することにより、その接着性シート状体10を熱伝導性の高い材料にて構成したが、樹脂製のシート状体等、熱伝導率がアルミ箔よりも低いシート状体の裏面に接着剤層を備えさせることにより形成しても良い。但し、接着性シート状体10により、パネル形成体用均熱体3Pから小根太5の表面部への熱伝導を良好に行わせるようにするには、接着性シート状体10を熱伝導性の高い材料にて構成するのが好ましい。
【0109】
(ニ) 上記の実施形態では、ビス14の頭にビス用接着性シート15を貼着したが、このビス用接着性シート15に代えて、ビス14の頭に、床仕上げ材用接着剤16が接着しないようなコーティング材(例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂)を塗布しても良い。
この場合も、床仕上げ材1を床暖房パネルPHから剥がしたときに、ビス14のドライバー係合用の凹溝を床仕上げ材用接着剤16が入り込まない状態にて露出させることができるので、ビス14を容易に抜くことができて、小根太5を容易に取り替えることができる。
【0110】
(ホ) 上記の各実施形態では、複数の小根太5を、その長手方向の一部分に小根太5が存在しない小根太不存在部分7を形成する状態で、その小根太5の幅方向の間隔を隔てて並設する場合について例示したが、複数の小根太5をその長手方向の一部分に前述のような小根太不存在部分7を形成することなく、その小根太5の幅方向の間隔を隔てて並設しても良い。
【0111】
(ヘ) 上記の各実施形態においては、小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部31を複数の長手方向側方用小根太33と複数の長手方向側方用パネル単位体34とを互い違いに並べた状態で接着剤にて固定して板状に形成し、小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部32を、複数の並び方向側方用小根太36と複数の並び方向側方用パネル単位体37とを互い違いに並べた状態で接着剤にて固定して板状に形成する場合について例示したが、小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部31や小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部32は、合板等の単一の板状体にて形成しても良い。
【0112】
(ト) 上記の実施形態においては、床暖房パネルPHについては前記接着性シート状体10を貼着した状態まで、小根太長手方向側方用の周辺パネルPAmについては小根太長手方向側方用の接着性帯状体35を貼着した状態まで、小根太並び方向側方用の周辺パネルPAnについては小根太並び方向側方用の接着性帯状体38を貼着した状態まで、夫々メーカーにて加工するようにしたが、床暖房パネルPHの設置箇所において、床暖房パネルPHに前記接着性シート状体10を貼着し、小根太長手方向側方用の周辺パネルPAmに小根太長手方向側方用の接着性帯状体35を貼着し、小根太並び方向側方用の周辺パネルPAnに小根太並び方向側方用の接着性帯状体38を貼着するようにしても良い。
【0113】
(チ) 加熱用長尺体の具体構成としては、上記の各実施形態において例示した如き、熱媒を通流させる熱媒流通管2に限定されるものではなく、例えば、電気ヒータでも良い。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】第1実施形態に係る床暖房パネル及び床暖房パネル用周辺パネルの敷設状態を示す一部切り欠き平面図
【図2】第1実施形態に係る床暖房パネルの一部切り欠き全体平面図
【図3】第1実施形態に係る床暖房パネルの要部の一部切り欠き斜視図
【図4】図3におけるイ−イ矢視図
【図5】図3におけるロ−ロ矢視図
【図6】第1実施形態に係る床暖房パネル用周辺パネルを示す図
【図7】第1実施形態に係る床暖房パネル用周辺パネルを示す図
【図8】第1実施形態に係る床暖房パネルの敷設作業を説明する要部の縦断面図
【図9】第1実施形態に係る床暖房パネルの敷設作業を説明する要部の縦断面図
【図10】第1実施形態に係る床暖房パネル用周辺パネルの敷設作業を説明する要部の縦断面図
【図11】第2実施形態に係る床暖房パネルの製作手順を説明する要部の一部切り欠き斜視図
【図12】第2実施形態に係る床暖房パネルの製作手順を説明する要部の縦断面図
【図13】第2実施形態に係る床暖房パネルの敷設作業を説明する要部の縦断面図
【図14】第2実施形態に係る床暖房パネルの敷設作業を説明する要部の縦断面図
【図15】別実施形態に係る床暖房パネルの要部の一部切り欠き斜視図
【図16】別実施形態に係る床暖房パネルの要部の縦断面図
【図17】別実施形態に係る床暖房パネルの要部の縦断面図
【図18】別実施形態に係る床暖房パネルの要部の一部切り欠き斜視図
【符号の説明】
【0115】
2 加熱用長尺体
3z 脆弱接続部
3K 小根太用均熱体
3P パネル形成体用均熱体
4 パネル形成体
5 小根太
10 帯状の接着性シート状体
11 開口部
31 小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部
32 小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部
35 小根太長手方向側方用の接着性帯状体
38 小根太並び方向側方用の接着性帯状体
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱用長尺体が装備され且つ表面にシート状のパネル形成体用均熱体が止着されたパネル形成体に、複数の小根太がその小根太の幅方向に間隔を隔てて並設された床暖房パネル、その床暖房パネルにおける前記小根太の長手方向の側方に配置される小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部を備える床暖房パネル用周辺パネル、及び、その床暖房パネルにおける前記複数の小根太の並び方向の側方に配置される小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部を備える床暖房パネル用周辺パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
かかる床暖房パネルは、床下地材上に配置して小根太にビスを捩じ込んだり、釘を打ちつけることにより、床下地材上に敷設するものであり、更に、そのように敷設した床暖房パネルの小根太の表面部に接着剤を塗布して、木質材等で形成された床仕上げ材を床暖房パネルの表面に配置することにより、床仕上げ材を接着剤にて小根太に固定した状態で床暖房パネルの表面に敷設するようにしてある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
又、床暖房パネル用周辺パネル(以下、単に周辺パネルと記載する場合がある)としては、床暖房パネルにおける小根太の長手方向の側方に配置される小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部を備える小根太長手方向側方用のもの、及び、床暖房パネルにおける複数の小根太の並び方向の側方に配置される小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部を備える小根太並び方向側方用のものがある。
そして、小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部を床暖房パネルにおける小根太の長手方向側方の床下地材上に接着剤等により固定することにより、小根太長手方向側方用の周辺パネルを敷設することになり、小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部を床暖房パネルにおける複数の小根太の並び方向側方の床下地材上に接着剤等により固定することにより、小根太並び方向側方用の周辺パネルを敷設することになる(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
前記特許文献2には明確には記載されていないが、小根太長手方向側方用の周辺パネルについては、上述のように固定した小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部の表面において、床暖房パネルの複数の小根太夫々の仮想延長線上に沿ってその床暖房パネルの小根太の幅と同等の幅で延びる帯状の範囲夫々を床仕上げ材接着範囲とする。そして、その床仕上げ材接着範囲の夫々に接着剤を塗布して、床仕上げ材を周辺パネル本体部の表面に配置することにより、床仕上げ材を接着剤にて固定した状態で小根太長手方向側方用の周辺パネルの表面に敷設するようになっている。
例えば、小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部に、それが床暖房パネルの小根太長手方向側方に配置された状態で、床暖房パネルの複数の小根太夫々の仮想延長線上に位置する状態となるように、複数の長手方向側方用小根太を設ける場合があり、その場合、複数の長手方向側方用小根太の表面部が床仕上げ材接着範囲となる。
【0005】
又、前記特許文献2には明確には記載されていないが、小根太並び方向側方用の周辺パネルについては、上述のように固定した小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部の表面において、床暖房パネルの小根太の長手方向に沿ってその床暖房パネルの小根太の幅と同等の幅で延びる帯状の範囲を床仕上げ材接着範囲とする。そして、その床仕上げ材接着範囲に接着剤を塗布して、床仕上げ材を周辺パネル本体部の表面に配置することにより、床仕上げ材を接着剤にて固定した状態で小根太長手方向側方用の周辺パネルの表面に敷設するようになっている。
例えば、小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部に、それが床暖房パネルの小根太並び方向側方に配置された状態で、床暖房パネルの小根太の長手方向に沿う状態となるように、並び方向側方用小根太を設ける場合があり、その場合、並び方向側方用小根太の表面部が床仕上げ材接着範囲となる。
【0006】
ところで、床仕上げ材に傷がつく等により、床暖房パネルの表面や周辺パネルの表面に敷設した床仕上げ材を張り替える場合がある。
一方、上述のように床暖房パネルの表面に床仕上げ材を敷設する際には、小根太の表面部に塗布された接着剤が床仕上げ材により押し広げられて、パネル形成体用均熱体の表面に広がって、床仕上げ材がパネル形成体用均熱体の表面にも接着される場合がある。
従って、床仕上げ材を床暖房パネルから剥がすときに、パネル形成体用均熱体も一緒に剥がれて、そのパネル形成体用均熱体に損傷を与えるのは勿論のこと、パネル形成体にも損傷を与える虞がある。
【0007】
そこで、従来の床暖房パネルでは、床仕上げ材を剥がすときに、パネル形成体用均熱体やパネル形成体に損傷を与えるのを抑制するために、前記特許文献1に記載されているように、パネル形成体に止着されているパネル形成体用均熱体の表面に全面にわたって、接着剤が接着しない非接着層を設けていた。
そして、床暖房パネルの表面に床仕上げ材を敷設する際に接着剤がパネル形成体用均熱体の表面に広がったとしても、非接着層により接着剤がパネル形成体用均熱体に接着しないようにして、床仕上げ材を剥がすときに、パネル形成体用均熱体やパネル形成体に損傷を与えるのを抑制するようにしていた。
【0008】
又、上述のように小根太長手方向側方用の周辺パネルの表面に床仕上げ材を敷設する際に、小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部の床仕上げ材接着範囲に塗布された接着剤が、床仕上げ材により押し広げられて周辺パネル本体部における床仕上げ材接着範囲の外側に広がることにより、床仕上げ材が周辺パネル本体部における床仕上げ材接着範囲の外側にも接着される場合がある。
又、上述のように小根太並び方向側方用の周辺パネルの表面に床仕上げ材を敷設する際に、小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部の床仕上げ材接着範囲に塗布された接着剤が、床仕上げ材により押し広げられて周辺パネル本体部における床仕上げ材接着範囲の外側に広がることにより、床仕上げ材が周辺パネル本体部における床仕上げ材接着範囲の外側にも接着される場合がある。
【0009】
従って、床仕上げ材を小根太長手方向側方用や小根太並び方向側方用の周辺パネルから剥がすときに、小根太長手方向側方用や小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部における床仕上げ材接着範囲の外側に損傷を与える虞がある。
【0010】
そこで、前記特許文献2には記載されていないが、小根太長手方向側方用の周辺パネルにおいては、床仕上げ材を剥がすときに小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部に損傷を与えるのを抑制するために、小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部の表面における床仕上げ材接着範囲以外の全面にわたって接着剤が接着しない非接着層を設けることが考えられる。
又、小根太並び方向側方用の周辺パネルにおいては、床仕上げ材を剥がすときに小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部に損傷を与えるのを抑制するために、小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部の表面における床仕上げ材接着範囲以外の全面にわたって接着剤が接着しない非接着層を設けることが考えられる。
【0011】
つまり、小根太長手方向側方用や小根太並び方向側方用の周辺パネルの表面に床仕上げ材を敷設する際に、接着剤が小根太長手方向側方用や小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部における床仕上げ材接着範囲の外側に広がったとしても、非接着層により接着剤が小根太長手方向側方用や小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部における床仕上げ材接着範囲の外側には接着しないようにして、床仕上げ材を剥がすときに、小根太長手方向側方用や小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部における床仕上げ材接着範囲の外側に損傷を与えるのを抑制するのである。
【0012】
【特許文献1】特開2002−276968号公報
【特許文献2】特開2000−283480号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、従来の床暖房パネルでは、床仕上げ材を剥がすときに床暖房パネルが損傷するのを抑制するために、パネル形成体用均熱体の表面の全面にわたって非接着層を設けることから、非接着層を設ける範囲が広くなり、高価になるという問題があった。
【0014】
又、従来の小根太長手方向側方用や小根太並び方向側方用の周辺パネルでは、床仕上げ材を剥がすときに小根太長手方向側方用や小根太並び方向側方用の周辺パネルが損傷するのを抑制するために、小根太長手方向側方用や小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部の表面における床仕上げ材接着範囲以外の全面にわたって非接着層を設けることから、非接着層を設ける範囲が広くなり、高価になるという問題があった。
【0015】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、床仕上げ材を剥がすときの床暖房パネルの損傷を抑制しながら低廉化を図り得る床暖房パネル、及び、床仕上げ材を剥がすときの床暖房パネル用周辺パネルの損傷を抑制しながら低廉化を図り得る床暖房パネル用周辺パネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の床暖房パネルは、加熱用長尺体が装備され且つ表面にシート状のパネル形成体用均熱体が止着されたパネル形成体に、複数の小根太がその小根太の幅方向に間隔を隔てて並設されたものであって、
その第1特徴構成は、帯状の接着性シート状体が、前記複数の小根太の夫々に対して、前記小根太の表面部及び前記パネル形成体用均熱体における前記小根太に隣接する小根太隣接部分を一連に覆う状態で、それらに貼着されて設けられ、
前記接着性シート状体が、前記小根太の表面部における幅方向の中間に対応する部分を露出させる開口部を備える状態に、且つ、前記パネル形成体用均熱体における前記小根太隣接部分に貼着される部分の接着力を、前記パネル形成体用均熱体が前記パネル形成体に止着される止着力よりも弱くする状態に構成されている点を特徴とする。
【0017】
即ち、床暖房パネルの表面に床仕上げ材を敷設するときに、小根太の表面部に塗布した接着剤が広がっても、その広がった接着剤を接着性シート状体の表面上に止めてパネル形成体用均熱体の表面には付着しないようにしながら、床仕上げ材を、接着性シート状体の開口部を通して接着剤にて小根太の表面部に接着させる状態で、床暖房パネルの表面に敷設するようにすることが可能となる。
床仕上げ材を床暖房パネルから剥がすときには、その床仕上げ材と一緒に、接着性シート状体におけるパネル形成体用均熱体の小根太隣接部分に貼着されていた部分がパネル形成体用均熱体から剥がれるようにして、パネル形成体用均熱体が剥がれるのを防止することが可能となるので、パネル形成体用均熱体やパネル形成体に損傷を与えるのを抑制することが可能となる。
【0018】
又、接着性シート状体を設ける範囲としては、床暖房パネルの表面に床仕上げ材を敷設するときに小根太の表面部に塗布した接着剤が広がる範囲をカバーできる範囲であれば十分であるので、接着性シート状体を設ける範囲を狭くすることが可能となり、床暖房パネルの低廉化を図ることが可能となる。
要するに、床仕上げ材を剥がすときの床暖房パネルの損傷を抑制しながら低廉化を図り得る床暖房パネルを提供することができるようになった。
【0019】
床暖房パネルの第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記接着性シート状体が、熱伝導性の高い材料にて構成されている点を特徴とする。
【0020】
即ち、接着性シート状体が熱伝導性の高い材料にて構成されているので、加熱用長尺体から発生してパネル形成体用均熱体に伝導する熱を、接着性シート状体を通して小根太の表面部に良好に伝導させることが可能となる。
そして、加熱用長尺体から発生した熱を小根太の表面部に良好に伝導させることができるので、小根太の表面部も良好に加熱することができるようになり、床暖房パネルの表面の温度のバラツキを抑制することができる。
従って、床暖房時の床面の温度のバラツキを抑制することができるようになった。
【0021】
床暖房パネルの第3特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成に加えて、
前記小根太の表面部が、前記パネル形成体用均熱体とは分離された小根太用均熱体を前記小根太の表面に止着する状態に構成されている点を特徴とする。
【0022】
即ち、小根太の表面部が、パネル形成体用均熱体とは分離された小根太用均熱体を小根太の表面に止着する状態に構成されているので、接着性シート状体が小根太の表面部の小根太用均熱体とパネル形成体用均熱体における小根太隣接部分とを一連に覆う状態で、それらに貼着される。
【0023】
そして、加熱用長尺体から発生してパネル形成体用均熱体に伝導する熱を、接着性シート状体を介して小根太用均熱体に伝導させることができるので、小根太の表面部も良好に加熱することができるようになり、床暖房パネルの表面の温度のバラツキを抑制することができる。
特に、接着性シート状体を熱伝導性の高い材料にて構成する場合には、加熱用長尺体から発生した熱を、熱伝導性の高い接着性シート状体を介して良好に小根太用均熱体に伝導させることが可能となるので、床暖房パネルの表面の温度のバラツキをより一層抑制することができる。
【0024】
又、床仕上げ材を床暖房パネルから剥がすときに、その床仕上げ材に接着されている接着性シート状体と一緒に、小根太用均熱体が小根太から剥がれたとしても、その小根太用均熱体はパネル形成体用均熱体と分離されていてパネル形成体用均熱体と縁が切れているので、パネル形成体用均熱体まで剥がれるのを防止することができる。
【0025】
ちなみに、小根太を分離自在な状態でパネル形成体に設けた状態で、上述のように小根太の表面部にパネル形成体用均熱体と分離された小根太用均熱体を止着するようにすると、床仕上げ材を床暖房パネルから剥がすときに小根太が損傷しても、その損傷した小根太の交換が容易なようにすることができる。
そして、そのように小根太をパネル形成体と分離自在な状態でパネル形成体に設けても、接着性シート状体によりパネル形成体と小根太とが接続されているので、床暖房パネルの搬送作業や敷設作業を行い易いようにすることができる。
【0026】
要するに、床仕上げ材を剥がすときの床暖房パネルの損傷をより一層抑制することができ、しかも、床暖房時の床面の温度のバラツキを抑制することができるようになった。
【0027】
床暖房パネルの第4特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成に加えて、
前記小根太の表面部が、小根太用均熱体を前記小根太の表面に止着する状態に構成され、
前記小根太用均熱体と前記パネル形成体用均熱体とが、分離用の脆弱接続部にて接続されている点を特徴とする。
【0028】
即ち、小根太の表面部が小根太用均熱体を小根太の表面に止着する状態に構成され、その小根太用均熱体とパネル形成体用均熱体とが、分離用の脆弱接続部にて接続されているので、接着性シート状体が小根太の表面部の小根太用均熱体とパネル形成体用均熱体における小根太隣接部分とを一連に覆う状態で、それらに貼着される。
そして、加熱用長尺体から発生してパネル形成体用均熱体に伝導する熱を、そのパネル形成体用均熱体から脆弱接続部を介して小根太用均熱体に良好に伝導させることができるので、小根太の表面部も良好に加熱することができるようになり、床暖房パネルの表面の温度のバラツキを抑制することができる。
特に、接着性シート状体を熱伝導性の高い材料にて構成する場合には、加熱用長尺体から発生した熱を、接着性シート状体を介して良好に小根太用均熱体に伝導させることが可能となるので、床暖房パネルの表面の温度のバラツキをより一層抑制することができる。
【0029】
又、床仕上げ材を床暖房パネルから剥がすときに、その床仕上げ材に接着されている接着性シート状体と一緒に、小根太用均熱体が小根太から剥がれたとしても、その小根太用均熱体が分離用の脆弱接続部にてパネル形成体用均熱体と分離されるようにすることが可能となるので、パネル形成体用均熱体まで剥がれるのを防止することができる。
従って、床仕上げ材を剥がすときの床暖房パネルの損傷をより一層抑制することができ、しかも、床暖房時の床面の温度のバラツキを抑制することができるようになった。
【0030】
床暖房パネルの第5特徴構成は、上記第1〜第3特徴構成のいずれかに加えて、
前記パネル形成体用均熱体が、前記パネル形成体と前記小根太との間に延びる状態で、前記パネル形成体の表面に止着されている点を特徴とする。
【0031】
即ち、パネル形成体用均熱体が、パネル形成体と小根太との間に延びる状態で、パネル形成体の表面に止着されているので、そのパネル形成体用均熱体の端部がパネル形成体と小根太との間に保持されると共に接着性シート状体に接着されない状態となる。
従って、床仕上げ材を床暖房パネルから剥がすときに、その床仕上げ材に接着されている接着性シート状体が剥がれても、パネル形成体用均熱体がその端からめくれるのを防止することが可能となり、パネル形成体用均熱体やパネル形成体に損傷を与えるのをより一層抑制することが可能となる。
【0032】
又、小根太を設けるための小根太嵌入部をパネル形成体に形成して、その小根太嵌入部に小根太を設けない状態で、その小根太嵌入部をも覆う状態で、パネル形成体の表面にパネル形成体用均熱体を止着する。
又、小根太をパネル形成体用均熱体の上から小根太嵌入部に嵌入するのに伴って、パネル形成体用均熱体における小根太嵌入部を覆う部分を小根太嵌入部に押し込むことが可能なように、そのパネル形成体用均熱体における小根太嵌入部を覆う部分に、切れ目を形成する。
そして、パネル形成体用均熱体の上から小根太をパネル形成体用均熱体に嵌入すると、その嵌入に伴って、パネル形成体用均熱体における小根太嵌入部を覆っていた部分が、小根太嵌入部に押し込められることになって、パネル形成体用均熱体が、パネル形成体と小根太との間に延びる状態でパネル形成体の表面に止着される状態となる。
その状態で、小根太は分離自在な状態でパネル形成体に設けられるので、床仕上げ材を床暖房パネルから剥がすときに小根太が損傷しても、その損傷した小根太の交換が容易なようにすることができる。
【0033】
つまり、単に、上述のようにパネル形成体用均熱体における小根太嵌入部を覆う部分に切れ目を形成して、パネル形成体用均熱体の上から小根太をパネル形成体用均熱体に嵌入するといった簡単な方法で、小根太を分離自在な状態でパネル形成体に設けることができるようになり、床暖房パネルの低廉化を図ることができる。
そして、そのように小根太をパネル形成体と分離自在な状態でパネル形成体に設けても、接着性シート状体によりパネル形成体と小根太とが接続されているので、床暖房パネルの搬送作業や敷設作業が行い易いものであることは勿論である。
要するに、床仕上げ材を剥がすときの床暖房パネルの損傷をより一層抑制することができ、しかも、小根太を分離自在に設けながら床暖房パネルの低廉化を図ることができるようになった。
【0034】
本発明の床暖房パネル用周辺パネルは、上記第1〜第5特徴構成のいずれかの床暖房パネルにおける前記小根太の長手方向の側方に配置される小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部を備えるものであって、
前記小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部の表面に、前記接着性シート状体の幅と同一又は略同一の幅に形成された小根太長手方向側方用の接着性帯状体が、前記複数の小根太夫々の仮想延長線上に位置する状態で貼着されている点を特徴とする。
【0035】
即ち、小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部の表面に、接着性シート状体の幅と同一又は略同一の幅に形成された小根太長手方向側方用の接着性帯状体が、床暖房パネルの複数の小根太夫々の仮想延長線上に位置する状態で貼着されているので、複数の小根太長手方向側方用の接着性帯状体の夫々に接着剤を塗布して、床仕上げ材を小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部の表面に配置することにより、床仕上げ材を、小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部の表面に貼着された接着性帯状体に対して接着剤にて接着させた状態で、小根太長手方向側方用の周辺パネルの表面に敷設することができる。
そして、このようにして床仕上げ材を小根太長手方向側方用の周辺パネルの表面に敷設するときに、小根太長手方向側方用の接着性帯状体の表面部に塗布した接着剤が広がっても、その接着性帯状体の外側に広がらないようにすることが可能となる。
【0036】
床仕上げ材を小根太長手方向側方用の周辺パネルから剥がすときには、その床仕上げ材と一緒に、小根太長手方向側方用の接着性帯状体が小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部から剥がれるようにして、その周辺パネル本体部に損傷を与えるのを抑制することが可能となる。
【0037】
そして、小根太長手方向側方用の接着性帯状体を貼着する範囲としては、小根太長手方向側方用の周辺パネルの表面に床仕上げ材を敷設するときに、その接着性帯状体の表面部に塗布した接着剤が広がる範囲をカバーできる範囲であれば十分であるので、小根太長手方向側方用の接着性帯状体を貼着する範囲を狭くすることが可能となり、床暖房パネルの低廉化を図ることが可能となる。
従って、床仕上げ材を剥がすときの床暖房パネル用周辺パネルの損傷を抑制しながら低廉化を図り得る床暖房パネル用周辺パネルを提供することができるようになった。
【0038】
本発明の床暖房パネル用周辺パネルは、上記第1〜第5特徴構成のいずれかの床暖房パネルにおける前記複数の小根太の並び方向の側方に配置される小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部を備えるものであって、
前記小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部の表面に、前記接着性シート状体の幅と同一又は略同一の幅に形成された小根太並び方向側方用の接着性帯状体が、前記小根太の長手方向に沿わせて貼着されている点を特徴とする。
【0039】
即ち、小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部の表面に、接着性シート状体の幅と同一又は略同一の幅に形成された小根太並び方向側方用の接着性帯状体が、床暖房パネルの複数の小根太夫々の仮想延長線上に位置する状態で貼着されているので、複数の小根太並び方向側方用の接着性帯状体の夫々に接着剤を塗布して、床仕上げ材を小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部の表面に配置することにより、床仕上げ材を、小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部の表面に貼着された接着性帯状体に対して接着剤にて接着させた状態で、小根太並び方向側方用の周辺パネルの表面に敷設することができる。
そして、このようにして床仕上げ材を小根太並び方向側方用の周辺パネルの表面に敷設するときに、小根太並び方向側方用の接着性帯状体の表面部に塗布した接着剤が広がっても、その接着性帯状体の外側に広がらないようにすることが可能となる。
【0040】
床仕上げ材を小根太並び方向側方用の周辺パネルから剥がすときには、その床仕上げ材と一緒に、小根太並び方向側方用の接着性帯状体が小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部から剥がれるようにして、その周辺パネル本体部に損傷を与えるのを抑制することが可能となる。
【0041】
そして、小根太並び方向側方用の接着性帯状体を貼着する範囲としては、小根太並び方向側方用の周辺パネルの表面に床仕上げ材を敷設するときに、その接着性帯状体の表面部に塗布した接着剤が広がる範囲をカバーできる範囲であれば十分であるので、小根太並び方向側方用の接着性帯状体を貼着する範囲を狭くすることが可能となり、低廉化を図ることが可能となる。
従って、床仕上げ材を剥がすときの床暖房パネル用周辺パネルの損傷を抑制しながら低廉化を図り得る床暖房パネル用周辺パネルを提供することができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
〔第1実施形態〕
以下、図面に基づいて、本発明の第1実施形態を説明する。
図1に示すように、床暖房パネルPHは、暖房対象の床の略中央に敷き、床暖房パネル用周辺パネル(以下、単に周辺パネルを記載する場合がある)PAは、床暖房パネルPHと暖房対象の床を区画する壁等の床区画材(図示省略)との間に敷き込み、それら床暖房パネルPHの表面及び周辺パネルPAの表面の全面にわたって、木質材等から形成された床仕上げ材1を敷設して、床暖房パネルPHの加熱作用により床仕上げ材1を昇温させて、床暖房するように構成してある。
【0043】
図2に示すように、前記床暖房パネルPHは、加熱用長尺体としての熱媒流通管2が装備され且つ表面にシート状のパネル形成体用均熱体3Pが貼着されたパネル形成体4に、複数(この実施形態では8本)の小根太5をその小根太5の幅方向に間隔を隔てて並設して構成してある。
【0044】
図1に示すように、前記周辺パネルPAには、前記床暖房パネルPHにおける前記小根太5の長手方向の側方に配置する小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部31を備えた小根太長手方向側方用の周辺パネルPAmと、前記床暖房パネルPHにおける前記複数の小根太5の並び方向の側方に配置する小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部32を備えた小根太並び方向側方用の周辺パネルPAnとがある。
【0045】
前記床暖房パネルPHについて、説明を加える。
図1及び図2に示すように、前記パネル形成体4は、外径形状が矩形状になるように並べた複数の矩形状のパネル単位体6にて構成してある。
その矩形状のパネル形成体4に、前記複数の小根太5を、その長手方向の一部分に小根太5が存在しない小根太不存在部分7を形成する状態で、前記パネル形成体4の一辺方向に所定の小根太ピッチ(例えば、303mm)で並設してある。
具体的には、図3及び図4に示すように、パネル形成体4に、小根太5を嵌入するための小根太嵌入部4kを、上述の如き複数の小根太5の配置パターンに対応させて、パネル形成体4の側端縁から内方側に入り込む凹入状や、パネル形成体4の厚さ方向に貫通する開口状にて形成してある。
そして、前記パネル形成体4の厚さと同じ厚さの小根太5を各小根太嵌入部4kに嵌入することにより、パネル形成体4に前記複数の小根太5を、夫々が着脱自在な状態で、上述の如き配置パターンにて並設する構成としてある。
【0046】
図2に示すように、前記熱媒流通管2は、パネル形成体4の表面側に、前記小根太不存在部分7を通過させる状態で、パネル形成体4の略全面にわたって蛇行状に装備し、その熱媒流通管2の両端部を、パネル形成体4の角部に配設した熱媒給排用のヘッダ8に接続してある。
具体的には、図3ないし図5に示すように、パネル形成体4の表面側に、図2に示す如き熱媒流通管2の配設パターンに対応させて、熱媒流通管2を収納するための溝部4mを形成し、この溝部4mに前記熱媒流通管2を収納してある。
【0047】
そして、前記ヘッダ8を熱媒往き路及び熱媒戻し路(図示省略)にて熱源機(図示省略)に接続して、その熱源機により、熱媒流通管2を通して熱媒を循環させるように構成してある。
【0048】
図2及び図3に示すように、この第1実施形態では、上述のように熱媒流通管2を装備し且つ複数の小根太5を並設したパネル形成体4の表面の全面にわたって、熱伝導率の高いアルミ箔等のシート状体の裏面に接着剤層を備えさせて接着自在なように構成した均熱用シート状体3を貼着する。
更に、前記均熱用シート状体3における各小根太不存在部分7の上部に対応する部分には、釘打ちを禁止する領域であることを示す釘打ち禁止シール9を貼付する。
【0049】
そして、図2ないし図4に示すように、前記均熱用シート状体3に、小根太5とパネル形成体4との境界に沿って、その境界の全長にわたるように切れ目3sを形成してある。
【0050】
つまり、前記均熱用シート状体3を、前記切れ目3sにより、パネル形成体4の表面に貼着された部分と小根太5の表面に貼着された部分とに分離して、前記均熱用シート状体3におけるパネル形成体4の表面に貼着された部分を前記パネル形成体用均熱体3Pとし、前記均熱用シート状体3における小根太5の表面に貼着された部分を小根太用均熱体3Kとするようにして、小根太5の表面部を、パネル形成体用均熱体3Pとは分離された小根太用均熱体3Kを小根太5の表面に止着する状態に構成してある。
このように小根太5の表面部にパネル形成体用均熱体3Pと分離された小根太用均熱体3Kを止着することにより、小根太5が分離自在な状態でパネル形成体4に設けられることになる。
【0051】
詳細な説明及び図示を省略するが、前記パネル形成体4は、隣接するパネル単位体6同士を山折り又は谷折り状に折り曲げ自在に接続して、前記パネル形成体4を、複数のパネル単位体6を重ねる状態で、所定の形態に折り畳み可能なように構成してある。
【0052】
ちなみに、前記パネル形成体4は、熱伝導率が低い発泡ポリスチレン等の発泡樹脂製であり、断熱性を有すると共に軽量化が可能となり、前記熱媒流通管2は、架橋ポリエチレン、ポリブテン等の樹脂製で可撓性を有している。
又、前記小根太5は、ビスの螺入が可能な木製又は樹脂製である。
【0053】
図2ないし図4に示すように、本発明では、帯状の接着性シート状体10を、前記複数の小根太5の夫々に対して、前記小根太5の表面部及び前記パネル形成体用均熱体3Pにおける前記小根太5に隣接する小根太隣接部分を一連に覆う状態で、それらに貼着して設け、その接着性シート状体10を、前記小根太5の表面部における幅方向の中間に対応する部分を露出させる開口部11を備える状態に、且つ、前記パネル形成体用均熱体3Pにおける前記小根太隣接部分に貼着される部分の接着力を、前記パネル形成体用均熱体3Pが前記パネル形成体4に貼着される貼着力よりも弱くする状態に構成してある。
【0054】
以下、前記接着性シート状体10について、説明を加える。
図2ないし図4に示すように、前記複数の小根太5の夫々に対して、2本の弱接着性テープ21を、小根太5の幅方向に振り分けた状態で、且つ、夫々が小根太5の長手方向に沿う側縁の略全長にわたって小根太5の表面部とパネル形成体用均熱体3Pの小根太隣接部分とに跨る状態で、それら小根太5の表面部とパネル形成体用均熱体3Pの小根太隣接部分とに貼着して設けてある。
小根太5の表面部及びパネル形成体用均熱体3P夫々に対する前記弱接着性テープ21の接着力は、パネル形成体4に対するパネル形成体用均熱体3Pの接着力、及び、後述する床仕上げ材用接着剤16(図8参照)により床仕上げ材1を弱接着性テープ21に接着させる接着力よりも弱くしてある。
【0055】
つまり、この第1実施形態では、前記2本の弱接着性テープ21により、前記接着性シート状体10を構成してある。
小根太5の幅方向に振り分け配置した前記2本の弱接着性テープ21の間において、前記小根太5の表面部における幅方向の中間に対応する部分を露出させることになり、それら2本の弱接着性テープ21の間が、前記開口部11に相当する。
つまり、前記開口部11を、前記小根太5の表面部における幅方向の中間に対応する部分に、小根太5の長手方向の略全長にわたって連続させて形成してある。
【0056】
又、この第1実施形態では、前記小根太5の表面部は、パネル形成体用均熱体3Pとは分離された小根太用均熱体3Kを小根太5の表面に止着する状態に構成してあるので、前記接着性シート状体10は、前記小根太5の表面部である小根太用均熱体3Kとパネル形成体用均熱体3Pの小根太隣接部分とに跨る状態で貼着してある。
【0057】
更に、図2、図3及び図5に示すように、前記釘打ち禁止シール9を相似的に拡大した形状の禁止シール覆い用弱接着性テープ12を、釘打ち禁止シール9上に、その全周からはみ出させる状態で貼着してある。
釘打ち禁止シール9及びパネル形成体用均熱体3Pに対する禁止シール覆い用弱接着性テープ12の接着力は、パネル形成体4に対するパネル形成体用均熱体3Pの接着力、及び、後述する床仕上げ材用接着剤16(図8参照)により床仕上げ材1を禁止シール覆い用弱接着性テープ12に接着させる接着力よりも弱くしてある。
【0058】
そして、上述のように弱接着性テープ21を小根太5の表面部とパネル形成体用均熱体3Pの小根太隣接部分とに跨る状態でそれらに貼着するに当たって、パネル形成体用均熱体3P側への弱接着性テープ21のはみ出し量は、床仕上げ材1を小根太5の表面に固定する際の小根太5からの床仕上げ材用接着剤16(図8参照)のはみ出し範囲(以下、単に床仕上げ材用接着剤はみ出し範囲と記載する場合がある)をカバーできる量に設定してある。
つまり、前記接着性シート状体10の幅、即ち、前述のように小根太5の幅方向に振り分け配置した前記2本の弱接着性テープ21夫々の外側の側縁部間の幅は、床仕上げ材1を小根太5の表面に固定する際の床仕上げ材用接着剤16(図8参照)の広がり範囲(以下、単に床仕上げ材用接着剤広がり範囲と記載する場合がある)をカバーできる幅に設定してある。
【0059】
又、前記禁止シール覆い用弱接着性テープ12を釘打ち禁止シール9からはみ出させる量も、床仕上げ材用接着剤はみ出し範囲をカバーできる量に設定してある。
つまり、前記禁止シール覆い用弱接着性テープ12の幅も、床仕上げ材用接着剤広がり範囲をカバーできる幅に設定してある
【0060】
前記弱接着性テープ21(即ち、接着性シート状体10)、及び、前記禁止シール覆い用弱接着性テープ12夫々は、熱伝導率が高く且つ床仕上げ材用接着剤16を浸透させないアルミ箔等のシート状体の裏面に接着剤層を備えさせることにより形成して、接着自在で且つ床仕上げ材接着用の接着剤を浸透させないように構成してある。
【0061】
上述のように、均熱用シート状体3に切れ目3を形成することにより、パネル形成体用均熱体3Pと小根太用均熱体3Kとに分離してあるが、それらパネル形成体用均熱体3Pと小根太用均熱体3Kとに跨って接着される接着性シート状体10を、アルミ箔等の熱伝導率の高いシート状体にて構成してあるので、熱媒流通管2からパネル形成体用均熱体3Pに伝導する熱を、熱伝導性の高い接着性シート状体10を介して良好に小根太用均熱体3Kに伝導させて、小根太5の表面部も良好に加熱することができる。
【0062】
次に、前記周辺パネルPAについて説明を加える。
先ず、図1及び図6に基づいて、前記小根太長手方向側方用の周辺パネルPAmについて説明を加える。尚、図6において、(イ)は小根太長手方向側方用の周辺パネルPAmの平面図であり、(ロ)は側面図である。
前記小根太長手方向側方用の周辺パネルPAmに備えさせる前記小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部31は、前記床暖房パネルPHと同厚さの細長矩形板状に形成してあり、前記床暖房パネルPHにおける前記小根太5の長手方向の側方に、その長手方向を床暖房パネルPHにおける複数の小根太5の並び方向に沿わせた姿勢で配置するように構成してある。
そして、その小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部31には、複数(この実施形態では6本)の長手方向側方用小根太33を、前記床暖房パネルPHにおける複数の小根太5の並びピッチである小根太ピッチと同一の並びピッチにて並設してある。
つまり、前記複数の長手方向側方用小根太33夫々の表面部を、床仕上げ材用接着剤16(図10参照)にて床仕上げ材1を周辺パネル本体部31に接着するための床仕上げ材接着範囲とするように構成してある。
【0063】
具体的には、前記小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部31は、前記複数の長手方向側方用小根太33と、その長手方向側方用小根太33と同長さの複数の矩形板状の長手方向側方用パネル単位体34とを互い違いに並べた状態で接着剤にて固定して形成してある。
【0064】
前記長手方向側方用パネル単位体34は、前記パネル形成体4と同様に発泡樹脂製であり、前記長手方向側方用小根太33は、前記床暖房パネルPHの小根太5と同幅であり、又、その床暖房パネルPHの小根太5と同様に、ビスの螺入が可能な木製又は樹脂製である。
【0065】
そして、本発明では、小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部31の表面に、前記接着性シート状体10の幅と同一の幅に形成した小根太長手方向側方用の接着性帯状体35を、前記床暖房パネルPHにおける複数の小根太5夫々の仮想延長線上に位置する状態で貼着してある。
【0066】
説明を加えると、小根太長手方向側方用の接着性帯状体35を、前記複数の長手方向側方用小根太33の夫々に対して、その長手方向側方用小根太33の長手方向の全長にわたって、その長手方向側方用小根太33及び長手方向側方用パネル単位体34における長手方向側方用小根太33に隣接する部分を一連に覆う状態で、それらに貼着して設けてある。
【0067】
前記小根太長手方向側方用の接着性帯状体35は、床仕上げ材用接着剤(図10参照)を浸透させないアルミ箔等のシート状体の裏面に接着剤層を備えさせることにより形成して、接着自在で且つ床仕上げ材接着用接着剤16を浸透させないようにしてある。
そして、その小根太長手方向側方用の接着性帯状体35を長手方向側方用小根太33及び長手方向側方用パネル単位体34に接着させる接着力を、パネル形成体4に対するパネル形成体用均熱体3Pの接着力、及び、床仕上げ材用接着剤16により床仕上げ材1を接着性帯状体35に接着させる接着力よりも弱くしてある。
又、前記小根太長手方向側方用の接着性帯状体35の幅を前記接着性シート状体10の幅と同一の幅に形成することにより、その接着性帯状体35により、床仕上げ材用接着剤広がり範囲をカバーできるように構成してある。
【0068】
次に、図1及び図7に基づいて、前記小根太並び方向側方用の周辺パネルPAnについて説明を加える。尚、図7において、(イ)は小根太並び方向側方用の周辺パネルPAnの平面図であり、(ロ)は側面図である。
前記小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部32は、前記床暖房パネルPHと同厚さの細長矩形板状に形成してあり、前記床暖房パネルPHにおける前記複数の小根太5の並び方向の側方に、その長手方向を床暖房パネルPHの小根太5の長手方向に沿わせた姿勢で配置するように構成してある。
そして、その小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部32には、複数(この実施形態では2本)の並び方向側方用小根太36を、その周辺パネル本体部32が前記床暖房パネルPHにおける前記複数の小根太5の並び方向の側方に配置された状態において、その床暖房パネルPHにおいて前記小根太ピッチで並ぶ複数の小根太5に連なって前記小根太ピッチで並ぶ状態となるように設けてある。
つまり、前記複数の並び方向側方用小根太36夫々の表面部を、床仕上げ材用接着剤16(図10参照)にて床仕上げ材1を周辺パネル本体部32に接着するための床仕上げ材接着範囲とするように構成してある。
【0069】
具体的には、前記小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部32は、複数の並び方向側方用小根太36と、その並び方向側方用小根太36と同長さの複数の矩形板状の並び方向側方用パネル単位体37とを互い違いに並べた状態で接着剤にて固定して形成してある。
【0070】
前記並び方向側方用パネル単位体37は、前記パネル形成体4と同様に発泡樹脂製であり、前記並び方向側方用小根太36は、前記床暖房パネルPHの小根太5と同幅であり、又、その床暖房パネルPHの小根太5と同様に、ビスの螺入が可能な木製又は樹脂製である
【0071】
そして、本発明では、小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部32の表面に、前記接着性シート状体10の幅と同一の幅に形成した小根太並び方向側方用の接着性帯状体38を、前記床暖房パネルPHにおける小根太5の長手方向に沿わせて貼着してある。
【0072】
説明を加えると、小根太並び方向側方用の接着性帯状体38を、前記複数の並び方向側方用小根太36の夫々に対して、その並び方向側方用小根太36の長手方向の全長にわたって、その並び方向側方用小根太36及び並び方向側方用パネル単位体37における並び方向側方用小根太36に隣接する部分を一連に覆う状態で、それらに貼着して設けてある。
【0073】
前記小根太並び方向側方用の接着性帯状体38は、床仕上げ材用接着剤16(図10参照)を浸透させないアルミ箔等のシート状体の裏面に接着剤層を備えさせることにより形成して、接着自在で且つ床仕上げ材接着用接着剤16を浸透させないようにしてある。
そして、その小根太並び方向側方用の接着性帯状体38を並び方向側方用小根太36及び並び方向側方用パネル単位体37に接着させる接着力を、パネル形成体4に対するパネル形成体用均熱体3Pの接着力、及び、床仕上げ材用接着剤16により床仕上げ材1を接着性帯状体38に接着させる接着力よりも弱くしてある。
又、前記小根太並び方向側方用の接着性帯状体38の幅を前記接着性シート状体10の幅と同一の幅に形成することにより、その接着性帯状体38により、床仕上げ材用接着剤広がり範囲をカバーできるように構成してある。
【0074】
つまり、小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部32の表面に、その周辺パネル本体部32が前記床暖房パネルPHにおける前記複数の小根太5の並び方向の側方に配置された状態において、その床暖房パネルPHにおいて前記小根太ピッチで並ぶ複数の小根太5に連なって前記小根太ピッチで並ぶ状態となるように、小根太並び方向側方用の接着性帯状体38を並べて貼着してある。
【0075】
次に、図8ないし図10に基づいて、上述のように構成した床暖房パネルPH及び周辺パネルPAを暖房対象の床に敷設する敷設作業について説明する。尚、小根太長手方向側方用の周辺パネルPAm及び小根太並び方向側方用の周辺パネルPAn夫々の敷設作業を、同一の図10を用いて示している。
尚、この実施形態では、床暖房パネルPHについては前記接着性シート状体10を貼着した状態まで、小根太長手方向側方用の周辺パネルPAmについては小根太長手方向側方用の接着性帯状体35を貼着した状態まで、小根太並び方向側方用の周辺パネルPAnについては小根太並び方向側方用の接着性帯状体38を貼着した状態まで、夫々メーカーにて加工して、出荷するようにしてある。
【0076】
図1及び図8の(イ)に示すように、床下地材13の表面に接着剤(図示省略)を塗布して、床暖房パネルPHを暖房対象の床における所定の位置に敷き、ビス14を、各小根太5における幅方向の中間部分から、床下地材13に達するように捩じ込んで、床暖房パネルPHを接着剤とビス14とにより、床下地材13に固定する。
【0077】
又、前記小根太5に捩じ込んだ各ビス14の頭には、ビス用接着性シート15を貼着する。このビス用接着性シート15は、アルミ箔等のシート状体の裏面に、ビス14の頭に対する接着力が前記パネル形成体4に対する均熱体3の接着剤層の接着力よりも弱い接着剤層を備えて形成してある。
【0078】
又、図1及び図10の(イ)に示すように、床下地材13の表面に接着剤(図示省略)を塗布して、前記床暖房パネルPHにおける前記小根太5の長手方向の側縁と床区画材との間に、小根太長手方向側方用の周辺パネルPAmを敷き込み、前記床暖房パネルPHにおける前記複数の小根太4の並び方向の側方の側縁と床区画材との間に、小根太並び方向側方用の周辺パネルPAnを敷き込んで、それら小根太長手方向側方用の周辺パネルPAm及び小根太並び方向側方用の周辺パネルPAnを接着剤により、床下地材13に固定する。
尚、小根太長手方向側方用の周辺パネルPAmは、複数の長手方向側方用小根太33が床暖房パネルPHの複数の小根太5と同位相で並ぶように配置する。
【0079】
そして、上述のように敷設した床暖房パネルPH、小根太長手方向側方用の周辺パネルPAm及び小根太並び方向側方用の周辺パネルPAnの表面に床仕上げ材1を敷設することになり、図8の(ロ)及び図9の(ハ)に示すように、床仕上げ材1は、隣接する床仕上げ材1同士を、一方の側面に形成された溝1mに他方の側面に形成された突条部1rを嵌め込んで接合する、所謂、実接ぎにて接合する構成となっている。
【0080】
図8の(イ)に示すように、前記床暖房パネルPHの小根太5の夫々の表面部における幅方向の中央にその長手方向に沿って床仕上げ材用接着剤16を塗布する。
又、図10の(イ)に示すように、小根太長手方向側方用の周辺パネルPAmの小根太長手方向側方用の接着性帯状体35の表面、及び、小根太並び方向側方用の周辺パネルPAnの小根太並び方向側方用の接着性帯状体38の表面に、夫々の長手方向に沿って床仕上げ材用接着剤16を塗布する。
【0081】
そして、図8の(ロ)及び図9の(ハ)に示すように、床仕上げ材1をその端部が小根太5の幅方向中央部に位置するように配置して、突条部1rの根元に釘17を打ち込み、他の床仕上げ材1を、その溝1mに前記釘17を打ち込んだ床仕上げ材1の突条部1rを嵌め込む状態で配置することを繰り返して、床暖房パネルPHの表面に、床仕上げ材1を釘17と床仕上げ材用接着剤16にて固定する状態で敷設する。
又、図10の(ロ)に示すように、小根太長手方向側方用の周辺パネルPAm及び小根太並び方向側方用の周辺パネルPAnの表面には、床仕上げ材1を床仕上げ材用接着剤16にて固定する状態で敷設する。
【0082】
そのように、床暖房パネルPH、小根太長手方向側方用の周辺パネルPAm及び小根太並び方向側方用の周辺パネルPAnの表面に床仕上げ材1を敷設すると、床仕上げ材用接着剤16が床仕上げ材1に押し付けられて広がることになるが、その広がりが、前記接着性シート状体10の表面、小根太長手方向側方用の接着性帯状体35の表面、小根太並び方向側方用の接着性帯状体38の表面に止まるように構成してある。
【0083】
図9の(ニ)に示すように、床仕上げ材1の張り替えのために、床仕上げ材1を床暖房パネルPHから剥がすと、それと一緒に、その床仕上げ材1に床仕上げ材用接着剤16にて接着されている接着性シート状体10、ビス用接着シート15及び禁止シール覆い用弱接着性テープ12も剥がれる。
【0084】
そして、床仕上げ材1を剥がすときに、接着性シート状体10も一緒に剥がれことにより、前記パネル形成体用均熱体3Pや前記パネル形成体4の損傷を防止することができる。
しかも、床仕上げ材1に接着されている接着性シート状体10と一緒に、小根太用均熱体3Kが小根太5から剥がれたとしても、その小根太用均熱体3Kはパネル形成体用均熱体3Pと別体となっていて、パネル形成体用均熱体3Pと縁が切れているので、パネル形成体用均熱体3Pまで剥がれるのを防止することができる。
【0085】
又、釘打ち禁止シール9を覆っている禁止シール覆い用弱接着性テープ12も剥がれることにより、釘打ち禁止シール9が損傷するのを防止することができる。
又、床仕上げ材1を剥がすときに、ビス14を覆っているビス用接着シート15も一緒に剥がれることにより、ビス14の頭のドライバー係合用の凹溝を床仕上げ材用接着剤16が入り込まない状態で露出させることができる。
従って、床仕上げ材1を床暖房パネルPHから剥がすときに小根太5が損傷して、その損傷した小根太5を取り替えるときには、ビス14のドライバー係合用の凹溝が露出しているので、ビス14を容易に抜くことができて、小根太5を容易に取り替えることができる。
【0086】
図10の(ハ)に示すように、床仕上げ材1を小根太長手方向側方用の周辺パネルPAmから剥がすときには、その床仕上げ材1と一緒に、それに床仕上げ材用接着剤16にて接着されている小根太長手方向側方用の接着性帯状体35も剥がれるので、前記長手方向側方用小根太33及び前記長手方向側方用パネル単位体34が損傷するのを抑制することができる。
つまり、小根太長手方向側方用の接着性帯状体35は床仕上げ材用接着剤16を浸透させないようにし、又、小根太長手方向側方用の接着性帯状体35を長手方向側方用小根太33及び長手方向側方用パネル単位体34に接着させる接着力を、パネル形成体4に対するパネル形成体用均熱体3Pの接着力、及び、床仕上げ材用接着剤16により床仕上げ材1を接着性帯状体35に接着させる接着力よりも弱くしてあるので、床仕上げ材1を小根太長手方向側方用の周辺パネルPAmから剥がすときに、長手方向側方用小根太33及び長手方向側方用パネル単位体34が損傷するのを抑制しながら、それらから小根太長手方向側方用の接着性帯状体35が剥がれるようにすることが可能となる。
【0087】
又、床仕上げ材1を小根太並び方向側方用の周辺パネルPAnから剥がすときには、その床仕上げ材1と一緒に、それに床仕上げ材用接着剤16にて接着されている小根太並び方向側方用の接着性帯状体38も剥がれるので、前記並び方向側方用小根太36及び前記並び方向側方用パネル単位体37が損傷するのを抑制することができる。
つまり、小根太並び方向側方用の接着性帯状体38は床仕上げ材用接着剤16を浸透させないようにし、又、小根太並び方向側方用の接着性帯状体38を並び方向側方用小根太36及び並び方向側方用パネル単位体37に接着させる接着力を、パネル形成体4に対するパネル形成体用均熱体3Pの接着力、及び、床仕上げ材用接着剤16により床仕上げ材1を接着性帯状体38に接着させる接着力よりも弱くしてあるので、床仕上げ材1を小根太並び方向側方用の周辺パネルPAnから剥がすときに、並び方向側方用小根太36及び並び方向側方用パネル単位体37が損傷するのを抑制しながら、それらから小根太並び方向側方用の接着性帯状体38が剥がれるようにすることが可能となる。
【0088】
〔第2実施形態〕
以下、図面に基づいて第2実施形態を説明するが、この第2実施形態では、床暖房パネルPHについては、主としてパネル形成体用均熱体3Pの貼着形態が異なる以外は、上記の第1実施形態と同様に構成してあるので、主として、パネル形成体用均熱体3Pの貼着形態について説明し、周辺パネルPAについては、第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0089】
図11及び図12に示すように、第1実施形態と同様に小根太嵌入部4k及び溝部4mを形成すると共に熱媒流通管2及びヘッダ8を装備したパネル形成体4の表面の全面にわたって、第1実施形態と同様の均熱用シート状体3を貼着する。
その均熱用シート状体3における各小根太嵌入部4kを覆う箇所に、小根太嵌入部4kの幅方向の中央を通りその長手方向の全長にわたる状態と、小根太嵌入部4kの長手方向端部の縁部に沿う状態の切れ目3tを形成する。
【0090】
そして、図12の(イ)及び(ロ)に示すように、各小根太嵌入部4kに、各小根太嵌入部4kに対応する小根太5を、均熱用シート状体3の上方からその均熱用シート状体3における小根太嵌入部4kを覆う部分を小根太嵌入部4kに押し込みながら、小根太嵌入部4kに嵌入すると、均熱用シート状体3の小根太嵌入部4kを覆っていた部分が、パネル形成体4と小根太5との間に挟まれて保持される状態となり、又、小根太5が分離自在な状態でパネル形成体4に設けられることになる。
【0091】
つまり、この第2実施形態では、均熱用シート状体3の全体を前記パネル形成体用均熱体3Pとしてあり、そのパネル形成体用均熱体3Pを、前記パネル形成体4と前記小根太5との間に延びる状態で、前記パネル形成体4の表面に貼着する構成にしてある。
【0092】
更に、図12の(ハ)に示すように、上記の第1実施形態と同様に、前記複数の小根太5の夫々に対して、2本の弱接着性テープ21を、小根太5の幅方向に振り分けた状態で、且つ、夫々が小根太5の長手方向に沿う側縁の略全長にわたって小根太5の表面部とパネル形成体用均熱体3Pの小根太隣接部分とに跨る状態で、それら小根太5の表面部とパネル形成体用均熱体3Pの小根太隣接部分とに貼着して設けてある。
【0093】
つまり、第1実施形態と同様に、前記2本の弱接着性テープ21により、前記接着性シート状体10を構成してある。
そして、2本の弱接着性テープ21の間が前記開口部11に相当するので、第1実施形態と同様に、前記開口部11を、前記小根太5の表面部における幅方向の中間に対応する部分に、小根太5の長手方向の略全長にわたって連続させて形成してある。
【0094】
又、この第2実施形態では、前記小根太5の表面部は、小根太5の表面そのものにて構成してあるので、前記接着性シート状体10は、前記小根太5の表面そのものとパネル形成体用均熱体3Pの小根太隣接部分とに跨る状態で貼着してある。
従って、この第2実施形態では、前記小根太5の表面には、第1実施形態の如き小根太用均熱体3Kが貼着されていないことから、小根太5の表面部での伝熱性が第1実施形態よりも劣るので、前記開口部11の幅、即ち、2本の弱接着性テープ21の間隔を狭くして(たとえば20mm程度)、接着性シート状体10により伝熱性を促進させるのが好ましい。
【0095】
更に、第1実施形態と同様に、禁止シール覆い用弱接着性テープ12を、釘打ち禁止シール9上に、その全周からはみ出させる状態で貼着してある。
【0096】
上述のように構成した床暖房パネルPHの敷設作業は第1実施形態と同様であるので、以下、その敷設作業について、図13及び図14に基づいて簡単に説明する。尚、周辺パネルPAの敷設作業については、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0097】
図13の(イ)に示すように、床下地材13の表面に接着剤(図示省略)を塗布して、床暖房パネルPHを暖房対象の床の所定の位置に敷き、ビス14を、各小根太5における幅方向の中間部分から、床下地材13に達するように捩じ込み、各ビス14の頭に、ビス用接着性シート15を貼着する。
続いて、前記床暖房パネルPHの小根太5の表面部における幅方向の中央にその長手方向に沿って床仕上げ材用接着剤16を塗布する。
【0098】
そして、図13の(ロ)及び図14の(ハ)に示すように、床仕上げ材1をその端部が小根太5の幅方向中央部に位置するように配置して、突条部1rの根元に釘17を打ち込み、他の床仕上げ材1を、その溝1mに前記釘17を打ち込んだ床仕上げ材1の突条部1rを嵌め込む状態で配置することを繰り返して、床暖房パネルPHの表面に、床仕上げ材1を釘17と床仕上げ材用接着剤16にて固定する状態で敷設する。
【0099】
そのように、床暖房パネルPHの表面に床仕上げ材1を敷設すると、床仕上げ材用接着剤16が床仕上げ材1に押し付けられて広がることになるが、その広がりが、前記接着性シート状体10の表面に止まるように構成してある。
【0100】
図14の(ニ)に示すように、床仕上げ材1の張り替えのために、床仕上げ材1を床暖房パネルPHから剥がすと、それと一緒に、その床仕上げ材1に床仕上げ材用接着剤16にて接着されている接着性シート状体10、ビス用接着シート15及び禁止シール覆い用弱接着性テープ12も剥がれる。
【0101】
そして、床仕上げ材1を剥がすときに、接着性シート状体10も一緒に剥がれことにより、前記パネル形成体用均熱体3Pや前記パネル形成体4の損傷を防止することができる。
しかも、パネル形成体用均熱体3Pの端部が、パネル形成体4と小根太5との間に保持されると共に接着性シート状体10に接着されていないので、パネル形成体用均熱体3Pが端からめくれるのを防止することができ、パネル形成体用均熱体3Pが剥がれるのをより確実に防止することができる。
【0102】
又、釘打ち禁止シール9を覆っている禁止シール覆い用弱接着性テープ12も剥がれることにより、釘打ち禁止シール9が損傷するのを防止することができる。
又、床仕上げ材1を剥がすときに、ビス14を覆っているビス用接着シート15も一緒に剥がれることにより、ビス14の頭のドライバー係合用の凹溝を、接着剤が入り込まない状態で露出させることができる。
従って、床仕上げ材1を床暖房パネルPHから剥がすときに小根太5が損傷して、その損傷した小根太5を取り替えるときには、ビス14のドライバー係合用の凹溝が露出しているので、ビス14を容易に抜くことができて、小根太5を容易に取り替えることができる。
【0103】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 帯状の接着性シート状体10の具体構成としては、上記の各実施形態において例示した構成、即ち、開口部11を形成すべく小根太5の幅方向に振り分けて配置した2本の弱接着テープ21にて構成する場合に限定されるものではない。
例えば、図15及び図16に示すように、小根太5の幅よりも広い幅を有し且つ開口部11を形成するための複数の開口部22wを幅方向の中間部に長手方向の略全長にわたって分散状態で備えた開口付接着テープ22にて構成しても良い。
この場合は、その開口付接着テープ22を、前記複数の小根太5の夫々に対して、小根太5の両側縁からはみ出させ且つ小根太5の長手方向に沿わせた状態で、小根太5の表面部及び前記パネル形成体用均熱体3Pにおける前記小根太に隣接する小根太隣接部分に貼着することになる。
【0104】
又、この場合、開口付接着テープ22は、アルミ箔のシート状体の裏面の全面に、パネル形成体4に対するパネル形成体用均熱体3Pの接着力よりも接着力が弱い接着剤層を備えさせて構成することにより、接着性シート状体10を、その全面の接着力をパネル形成体4に対するパネル形成体用均熱体3Pの接着力よりも弱くする状態に構成しても良い。
【0105】
又、図16に示すように、開口付接着テープ22は、アルミ箔のシート状体の裏面における幅方向の両側に、パネル形成体4に対するパネル形成体用均熱体3Pの接着力よりも弱い接着力の弱接着剤層22pを備えさせ、且つ、幅方向の中間部に、パネル形成体4に対するパネル形成体用均熱体3Pの接着力と同等の接着力の強接着剤層22sを備えさせて構成しても良い。
つまり、開口付接着テープ22における弱接着剤層22pを備えた部分をパネル形成体用均熱体3Pにおける小根太隣接部分に貼着させるように構成することにより、その開口付接着テープ22にて構成する接着性シート状体10を、前記パネル形成体用均熱体3Pにおける小根太隣接部分に貼着される部分の接着力を、パネル形成体用均熱体3Pがパネル形成体4に止着される止着力よりも弱くする状態に構成することになる。
【0106】
又、図17に示すように、開口付接着テープ22は、パネル形成体4に対するパネル形成体用均熱体3Pの接着力と同等の接着力を有する強接着テープ部分22hの両側夫々に、パネル形成体4に対するパネル形成体用均熱体3Pの接着力よりも弱い接着力を有する弱接着テープ部分22cを備えさせて形成しても良い。
つまり、開口付接着テープ22における弱接着テープ部分22cをパネル形成体用均熱体3Pにおける小根太隣接部分に貼着させるように構成することにより、その開口付接着テープ22にて構成する接着性シート状体10を、前記パネル形成体用均熱体3Pにおける小根太隣接部分に貼着される部分の接着力を、パネル形成体用均熱体3Pがパネル形成体4に止着される止着力よりも弱くする状態に構成することになる。
【0107】
(ロ) 図18に示すように、小根太5の表面部を、小根太用均熱体3Kを小根太5の表面に止着する状態に構成し、小根太用均熱体3Kとパネル形成体用均熱体3Pとを、分離用の脆弱接続部3Cにて接続しても良い。
この場合、前記分離用の脆弱接続部3Cは、図18に示すように、ミシン目にて構成することができ、又、図示は省略するが、他の部分よりも厚さの薄い薄肉部にて構成することができる。
【0108】
(ハ) 上記の実施形態においては、接着性シート状体10を、熱伝導性が高いアルミ箔等のシート状体の裏面に接着剤層を備えさせて形成することにより、その接着性シート状体10を熱伝導性の高い材料にて構成したが、樹脂製のシート状体等、熱伝導率がアルミ箔よりも低いシート状体の裏面に接着剤層を備えさせることにより形成しても良い。但し、接着性シート状体10により、パネル形成体用均熱体3Pから小根太5の表面部への熱伝導を良好に行わせるようにするには、接着性シート状体10を熱伝導性の高い材料にて構成するのが好ましい。
【0109】
(ニ) 上記の実施形態では、ビス14の頭にビス用接着性シート15を貼着したが、このビス用接着性シート15に代えて、ビス14の頭に、床仕上げ材用接着剤16が接着しないようなコーティング材(例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂)を塗布しても良い。
この場合も、床仕上げ材1を床暖房パネルPHから剥がしたときに、ビス14のドライバー係合用の凹溝を床仕上げ材用接着剤16が入り込まない状態にて露出させることができるので、ビス14を容易に抜くことができて、小根太5を容易に取り替えることができる。
【0110】
(ホ) 上記の各実施形態では、複数の小根太5を、その長手方向の一部分に小根太5が存在しない小根太不存在部分7を形成する状態で、その小根太5の幅方向の間隔を隔てて並設する場合について例示したが、複数の小根太5をその長手方向の一部分に前述のような小根太不存在部分7を形成することなく、その小根太5の幅方向の間隔を隔てて並設しても良い。
【0111】
(ヘ) 上記の各実施形態においては、小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部31を複数の長手方向側方用小根太33と複数の長手方向側方用パネル単位体34とを互い違いに並べた状態で接着剤にて固定して板状に形成し、小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部32を、複数の並び方向側方用小根太36と複数の並び方向側方用パネル単位体37とを互い違いに並べた状態で接着剤にて固定して板状に形成する場合について例示したが、小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部31や小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部32は、合板等の単一の板状体にて形成しても良い。
【0112】
(ト) 上記の実施形態においては、床暖房パネルPHについては前記接着性シート状体10を貼着した状態まで、小根太長手方向側方用の周辺パネルPAmについては小根太長手方向側方用の接着性帯状体35を貼着した状態まで、小根太並び方向側方用の周辺パネルPAnについては小根太並び方向側方用の接着性帯状体38を貼着した状態まで、夫々メーカーにて加工するようにしたが、床暖房パネルPHの設置箇所において、床暖房パネルPHに前記接着性シート状体10を貼着し、小根太長手方向側方用の周辺パネルPAmに小根太長手方向側方用の接着性帯状体35を貼着し、小根太並び方向側方用の周辺パネルPAnに小根太並び方向側方用の接着性帯状体38を貼着するようにしても良い。
【0113】
(チ) 加熱用長尺体の具体構成としては、上記の各実施形態において例示した如き、熱媒を通流させる熱媒流通管2に限定されるものではなく、例えば、電気ヒータでも良い。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】第1実施形態に係る床暖房パネル及び床暖房パネル用周辺パネルの敷設状態を示す一部切り欠き平面図
【図2】第1実施形態に係る床暖房パネルの一部切り欠き全体平面図
【図3】第1実施形態に係る床暖房パネルの要部の一部切り欠き斜視図
【図4】図3におけるイ−イ矢視図
【図5】図3におけるロ−ロ矢視図
【図6】第1実施形態に係る床暖房パネル用周辺パネルを示す図
【図7】第1実施形態に係る床暖房パネル用周辺パネルを示す図
【図8】第1実施形態に係る床暖房パネルの敷設作業を説明する要部の縦断面図
【図9】第1実施形態に係る床暖房パネルの敷設作業を説明する要部の縦断面図
【図10】第1実施形態に係る床暖房パネル用周辺パネルの敷設作業を説明する要部の縦断面図
【図11】第2実施形態に係る床暖房パネルの製作手順を説明する要部の一部切り欠き斜視図
【図12】第2実施形態に係る床暖房パネルの製作手順を説明する要部の縦断面図
【図13】第2実施形態に係る床暖房パネルの敷設作業を説明する要部の縦断面図
【図14】第2実施形態に係る床暖房パネルの敷設作業を説明する要部の縦断面図
【図15】別実施形態に係る床暖房パネルの要部の一部切り欠き斜視図
【図16】別実施形態に係る床暖房パネルの要部の縦断面図
【図17】別実施形態に係る床暖房パネルの要部の縦断面図
【図18】別実施形態に係る床暖房パネルの要部の一部切り欠き斜視図
【符号の説明】
【0115】
2 加熱用長尺体
3z 脆弱接続部
3K 小根太用均熱体
3P パネル形成体用均熱体
4 パネル形成体
5 小根太
10 帯状の接着性シート状体
11 開口部
31 小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部
32 小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部
35 小根太長手方向側方用の接着性帯状体
38 小根太並び方向側方用の接着性帯状体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱用長尺体が装備され且つ表面にシート状のパネル形成体用均熱体が止着されたパネル形成体に、複数の小根太がその小根太の幅方向に間隔を隔てて並設された床暖房パネルであって、
帯状の接着性シート状体が、前記複数の小根太の夫々に対して、前記小根太の表面部及び前記パネル形成体用均熱体における前記小根太に隣接する小根太隣接部分を一連に覆う状態で、それらに貼着されて設けられ、
前記接着性シート状体が、前記小根太の表面部における幅方向の中間に対応する部分を露出させる開口部を備える状態に、且つ、前記パネル形成体用均熱体における前記小根太隣接部分に貼着される部分の接着力を、前記パネル形成体用均熱体が前記パネル形成体に止着される止着力よりも弱くする状態に構成されている床暖房パネル。
【請求項2】
前記接着性シート状体が、熱伝導性の高い材料にて構成されている請求項1記載の床暖房パネル。
【請求項3】
前記小根太の表面部が、前記パネル形成体用均熱体とは分離された小根太用均熱体を前記小根太の表面に止着する状態に構成されている請求項1又は2記載の床暖房パネル。
【請求項4】
前記小根太の表面部が、小根太用均熱体を前記小根太の表面に止着する状態に構成され、
前記小根太用均熱体と前記パネル形成体用均熱体とが、分離用の脆弱接続部にて接続されている請求項1又は2記載の床暖房パネル。
【請求項5】
前記パネル形成体用均熱体が、前記パネル形成体と前記小根太との間に延びる状態で、前記パネル形成体の表面に止着されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の床暖房パネル。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の床暖房パネルにおける前記小根太の長手方向の側方に配置される小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部を備える床暖房パネル用周辺パネルであって、
前記小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部の表面に、前記接着性シート状体の幅と同一又は略同一の幅に形成された小根太長手方向側方用の接着性帯状体が、前記複数の小根太夫々の仮想延長線上に位置する状態で貼着されている床暖房パネル用周辺パネル。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の床暖房パネルにおける前記複数の小根太の並び方向の側方に配置される小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部を備える床暖房パネル用周辺パネルであって、
前記小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部の表面に、前記接着性シート状体の幅と同一又は略同一の幅に形成された小根太並び方向側方用の接着性帯状体が、前記小根太の長手方向に沿わせて貼着されている床暖房パネル用周辺パネル。
【請求項1】
加熱用長尺体が装備され且つ表面にシート状のパネル形成体用均熱体が止着されたパネル形成体に、複数の小根太がその小根太の幅方向に間隔を隔てて並設された床暖房パネルであって、
帯状の接着性シート状体が、前記複数の小根太の夫々に対して、前記小根太の表面部及び前記パネル形成体用均熱体における前記小根太に隣接する小根太隣接部分を一連に覆う状態で、それらに貼着されて設けられ、
前記接着性シート状体が、前記小根太の表面部における幅方向の中間に対応する部分を露出させる開口部を備える状態に、且つ、前記パネル形成体用均熱体における前記小根太隣接部分に貼着される部分の接着力を、前記パネル形成体用均熱体が前記パネル形成体に止着される止着力よりも弱くする状態に構成されている床暖房パネル。
【請求項2】
前記接着性シート状体が、熱伝導性の高い材料にて構成されている請求項1記載の床暖房パネル。
【請求項3】
前記小根太の表面部が、前記パネル形成体用均熱体とは分離された小根太用均熱体を前記小根太の表面に止着する状態に構成されている請求項1又は2記載の床暖房パネル。
【請求項4】
前記小根太の表面部が、小根太用均熱体を前記小根太の表面に止着する状態に構成され、
前記小根太用均熱体と前記パネル形成体用均熱体とが、分離用の脆弱接続部にて接続されている請求項1又は2記載の床暖房パネル。
【請求項5】
前記パネル形成体用均熱体が、前記パネル形成体と前記小根太との間に延びる状態で、前記パネル形成体の表面に止着されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の床暖房パネル。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の床暖房パネルにおける前記小根太の長手方向の側方に配置される小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部を備える床暖房パネル用周辺パネルであって、
前記小根太長手方向側方用の周辺パネル本体部の表面に、前記接着性シート状体の幅と同一又は略同一の幅に形成された小根太長手方向側方用の接着性帯状体が、前記複数の小根太夫々の仮想延長線上に位置する状態で貼着されている床暖房パネル用周辺パネル。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の床暖房パネルにおける前記複数の小根太の並び方向の側方に配置される小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部を備える床暖房パネル用周辺パネルであって、
前記小根太並び方向側方用の周辺パネル本体部の表面に、前記接着性シート状体の幅と同一又は略同一の幅に形成された小根太並び方向側方用の接着性帯状体が、前記小根太の長手方向に沿わせて貼着されている床暖房パネル用周辺パネル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2007−40545(P2007−40545A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−221903(P2005−221903)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】
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