床構造
【解決手段】本発明は、スラブS上に設置される、受台と脚部材とからなる下地パネル載置部材及び該下地パネル載置部材の受台に載置される下地パネルとからなる床構造において、前記下地パネル載置部材Hを構成する受台を、長尺受台20として形成するとともに、前記長尺受台に載置される下地パネル30に、木質系セメント板からなる騒音低減用下地パネル40を載置したものである。
【効果】長尺受台を使用した構成と相まって、長尺受台に載置される下地パネルに、木質系セメント板からなる騒音低減用下地パネルを載置したことにより、スラブの厚さを厚くすることなく、床構造の床衝撃音遮断性能を高めることができ、従って、マンション等の重量の増加を抑制することができ、よって、マンション等の強度を高める必要がなく、マンション等の建設費が増加を抑制することができる。
【効果】長尺受台を使用した構成と相まって、長尺受台に載置される下地パネルに、木質系セメント板からなる騒音低減用下地パネルを載置したことにより、スラブの厚さを厚くすることなく、床構造の床衝撃音遮断性能を高めることができ、従って、マンション等の重量の増加を抑制することができ、よって、マンション等の強度を高める必要がなく、マンション等の建設費が増加を抑制することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、コンクリート製のスラブ上に施工される床構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
先ず最初に、図10〜図13を用いて、従来の床構造について説明する。
【0003】
1は、脚部材であり、脚部材1は、上端に、工具挿入用溝1a1が形成されている棒状のボルト1aと、ボルト1aの下端に取着された防振ゴム部1bと、ボルト1aの上端部に螺合されるナット1cとから構成されている。ナット1cは、内周にネジ溝が刻設された円筒部1c1と、円筒部1c1の下端外周面に形成された鍔部1c2とを有している。また、ボルト1aの上端部に螺合されたナット1cには、一辺が、略10数cmセンチ程度の略平方形状の受台2の中心部に穿設された縦孔2aが嵌着されている。このようにして、脚部材1と受台2とにより、下地パネル3が載置される下地パネル載置部材H’が構成されている。なお、4は、下地パネル3に載置される床パネルである。
【0004】
床構造を施工する際には、床構造が施工されるスラブS上に、上述した下地パネル載置部材H’を、縦横に所定の間隔を置いて、多数、配置する。その後、下地パネル載置部材H’を構成する受台2に、下地パネル3を載置することになるが、複数の下地パネル3の角部3aを、下地パネル載置部材H’を構成する1辺が、略10数cm程度の略平方形状の受台2に載置しなければならず、しかも、下地パネル3を、下地パネル載置部材H’を構成する受台2に載置した後、下地パネル3の水平出しを行うために、ボルト1aの工具挿入用溝1a1に工具を挿入しなければならないために、受台2に形成された縦孔2aが、下地パネル3により塞がれないように、受台2に、下地パネル3を載置する必要があり、従って、下地パネル3の角部3aの角部3aの受台2への載置面積が、更に少なくなることになる。
【0005】
また、従来の床構造においては、上述したように、下地パネル3の4つの角部3aが、下地パネル載置部材H’を構成する略平方形状の受台2に載置されるように、床構造が施工されるスラブS上に、下地パネル載置部材H’を配置することになる。
【0006】
上述した従来の床構造は、一例として、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−81196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した従来の床構造においては、複数の床下地パネルの角部が、略正方形状の受台に載置されているために、床構造の施工時に脚部材が移動した際に、床下地パネルが、受台から外れたり、或いは、床下地パネルが、受台から外れることがなくても、床下地パネルの角部の受台への載置面積が異なることにより、受台への載置面積が小さい床下地パネルの強度や剛性が低下するという問題があった。
【0009】
また、略正方形状の受台に、床下地パネルの角部を載置しなければならず、従って、受台への床下地パネルの角部の載置作業の作業性が悪いという問題があった。
【0010】
更に、近年、マンション等においては、床構造の騒音対策が不十分であるために、騒音が問題となっているが、従来の床構造においては、スラブS上に配置された下地パネル載置部材H’を構成する、一辺が、略10数cmセンチ程度の略平方形状の受台2に、下地パネル3が載置されているために、床構造の剛性を確保するためには、脚部材1を構成する防振ゴム部1bとして、硬度65°程度以上の防振ゴムを使用する必要があり、従って、防振ゴム部1bとして、硬度65°程度以上の防振ゴムしたために、床構造の床衝撃音遮断性能が低下することになる。そのために、従来、厚さが、150mm〜200mmであったスラブSの厚さを、300mmとするような対策が施されているが、スラブSの厚さを厚くすると、マンション等の重量が増加し、マンション等の強度を高めなければならず、マンション等の建設費が増加するとともに、マンション等の全体階数が減少するという問題があった。
【0011】
本発明の目的は、上述した従来の床構造及び該床構造の施工方法が有する課題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上述した目的を達成するために、スラブ上に設置される、受台と脚部材とからなる下地パネル載置部材及び該下地パネル載置部材の受台に載置される下地パネルとからなる床構造において、前記下地パネル載置部材を構成する受台を、長尺受台として形成するとともに、前記長尺受台に載置される下地パネルに、木質系セメント板からなる騒音低減用下地パネルを載置したものである。
【発明の効果】
【0013】
スラブ上に載置される、受台と脚部材とからなる下地パネル載置部材及び該下地パネル載置部材に載置される下地パネルとからなる床構造において、前記下地パネル載置部材を構成する受台を、長尺受台として形成したので、従来の下地パネル載置部材のように、下地パネルの角部を、必ずしも、略平方形状の受台に載置する必要がないので、下地パネルの角部が、長尺受台のどの位置にあってもよく、しかも、下地パネルの短辺同士が、互いに、当接するように、下地パネルを、下地パネル載置部材を構成する長尺受台に載置すればよく、従って、従来の下地パネル載置部材のように、下地パネルの短辺間に、受台の中心部に穿設された縦孔が塞がれないような間隙を形成する必要がない。従って、下地パネル載置部材への下地パネルの布設作業の作業性が向上する。
【0014】
また、上述したように構成することにより、下地パネル載置部材を構成する長尺受台が、根太として機能するので、従来の略平方形状の受台に比べて、床構造の強度や剛性が増加する。
【0015】
更に、長尺受台を使用した構成と相まって、長尺受台に載置される下地パネルに、騒音低減用下地パネルを載置したことにより、スラブの厚さを厚くすることなく、床構造の床衝撃音遮断性能を高めることができ、従って、マンション等の重量の増加を抑制することができ、よって、マンション等の強度を高める必要がなく、マンション等の建設費が増加を抑制することができる。
【0016】
なお更に、上述したように、下地パネル30の上面に、騒音低減用下地パネル40を敷き詰めたことにより、従来のスラブSの厚さを厚くすることなく、床構造の床衝撃音遮断性能を、維持、或いは、向上することができ、従って、スラブSの厚を厚くした場合に比べて、全体階数を増加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明の床構造を構成する下地パネル長尺載置部材の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の床構造を構成する下地パネル長尺載置部材の分解斜視図である。
【図3】図3は、本発明の床構造を構成する下地パネル長尺載置部材に下地パネルが載置された状態の拡大斜視図である。
【図4】図4は、本発明の床構造を構成する下地パネル長尺載置部材に、下地パネルが載置された状態の平面図である。
【図5】図5は、図4のFーFに沿った部分拡大垂直断面図である。
【図6】図6は、本発明の床構造の側面図である。
【図7】図7は、本発明の床構造を構成する下地パネル長尺載置部材に、下地パネル及び騒音低減用下地パネルが載置された状態の平面図である。
【図8】図8は、本発明の床構造の部分拡大側面図である。
【図9】図9は、従来の床構造の図8と同様の部分拡大側面図である。
【図10】図10は、従来の下地パネル載置部材の分解斜視図である。
【図11】図11は、図10に示されている下地パネル載置部材に、下地パネルが載置されている状態の拡大垂直断面図である。
【図12】図12は、図10に示されている下地パネル載置部材に、下地パネル及び床パネルが載置されている状態の垂直断面図である。
【図13】図13は、従来の下地パネル載置部材を構成する受台に、下地パネルが載置された状態の平面図である。
【図14】図14は、重量床衝撃レベル予測値である。
【図15】図15は、軽重量床衝撃レベル予測値である。
【図16】図16は、床衝撃レベル低減量実測値である。
【図17】図17は、重量床衝撃音試験の試験結果である。
【図18】図18は、軽量床衝撃音試験の試験結果である。
【図19】図19は、床衝撃レベル低減量値下限である。
【図20】図20は、予測床遮音性能(重量床衝撃レベル)である。
【図21】図21は、予測床遮音性能(軽量床衝撃レベル)である。
【実施例】
【0018】
以下に、本発明の床構造について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り、何ら、本実施例に何ら限定されるものではない。なお、上述した従来の発明の構成部材と同じ構成部材については、同じ符号が使用されている。
【0019】
図1及び図2において、1は、上述した従来の脚部材と同様の脚部材である。即ち、脚部材1は、上端に、工具挿入用溝1a1が形成された棒状のボルト1aと、ボルト1aの下端に取着された防振ゴム部1bと、ボルト1aの上端部に螺合されるナット1cとから構成されているとともに、ナット1cは、内周にネジ溝が刻設された円筒部1c1と、円筒部1c1の下端外周面に形成された鍔部1c2とから構成されている。
【0020】
20は、上述した略平方形状の受台2に代えて使用される長尺受台であり、長尺受台20には、長尺受台20の長手方向に沿って、複数の縦孔20aが穿設されている。なお、本実施例においては、長尺受台20の長手方向の両端部に、それぞれ、1個の縦孔20aが穿設されており、両端部に穿設された一対の縦孔20a間に、2個の縦孔20aが穿設されている例が示されている。また、縦孔20aに、上述した従来の略平方形状の受台2の中心部に穿設された縦孔2aと同様に、脚部材1を構成するナット1cの円筒部1c1を嵌着することにより、長尺受台20には、図1に示されているように、複数の脚部材1が取り付けられることになる。このように、脚部材1と長尺受台20とにより、下地パネル3が載置される下地パネル長尺載置部材Hが構成されることになる。なお、図1には、長尺受台20に、4個の脚部材1が取り付けられている例が示されているが、脚部材1の数は、この実施例に限定されるものではない。
【0021】
また、30は、上述した下地パネル3と同様の下地パネルであり、下地パネル30は、短辺30’長さが、400mm〜1000mm程度であり、また、長辺30”長さが、900mm〜2000mm程度に形成された平面形状が、長方形に形成されている。下地パネル30を、短辺30’に平行に、及び/又は、長辺30”に平行に、適宜、切断することにより、切断されていない、製造された状態のままの下地パネル(切断されていない、製造された状態のままの下地パネルを、以下、単に、製造時下地パネルと称し、符号30Aを付す。)より、平面形状が小さな下地パネル30を使用することもできる。なお、切断された状態の下地パネルを、以下、単に、切断下地パネルと称し、符号30Bを付す。なお、製造時下地パネル30A及び切断下地パネル30Bに、特に、限定されない場合には、単に、下地パネルと称し、符号30を付す。
【0022】
上述した長尺受台20は、長手方向に対して垂直に切断することにより、短くして使用することもできる。また、切断されていない長尺受台20の長手方向に沿った長さは、製造時下地パネル30Aの長辺の長さより、長く形成されている。
【0023】
床構造を施工する際には、先ず最初に、所望の壁Wに対して、下地パネル長尺載置部材Hを構成する長尺受台20が垂直となるように、複数の下地パネル長尺載置部材Hを、スラブS上に配置する。図4には、長尺受台20が、互いに平行となるように、4列イ〜ニに亘たって、下地パネル長尺載置部材Hが配置されている例が示されており、各列イ〜ニは、各列の隣接する下地パネル長尺載置部材Hを構成する長尺受台20の短辺20’同士を当接させることにより、複数の下地パネル長尺載置部材Hから構成されている。なお、所望の壁Wと相対する壁と、各列イ〜ニの下地パネル長尺載置部材Hを構成する長尺受台20のうち、図4において、右端に位置する長尺受台20との間に、1本の長尺受台20の長さより短い間隔が残っている場合には、この間隔を埋めるように、適宜、長尺受台20が切断されることになる。
【0024】
次いで、隣接する列間(例えば、イ列とロ列)を構成する長尺受台20を跨ぐように、且つ、長尺受台20の長辺(長尺受台20の長さ方向の辺)20”側と下地パネル30の長辺30”側とが一致するように、長尺受台20の長辺20”に沿った長尺受台20の長辺側縁部に、下地パネル30の長辺30”に沿った長辺側縁部を載置する。同様に、隣接する列間(例えば、ロ列とハ列)を構成する長尺受台20を跨ぐように、且つ、長尺受台20の長辺20”側と下地パネル30の長辺30”側とが一致するように、長尺受台20の長辺20”に沿った長尺受台20の長辺側縁部に、下地パネル30の長辺30”に沿った長辺側縁部を載置する。この際、隣接する列(例えば、イ列とロ列)を構成する下地パネル長尺載置部材Hの長尺受台20を跨ぐように、長尺受台20に載置された下地パネル30の長辺30”と、隣接する列(例えば、ロ列とハ列)を構成する下地パネル長尺載置部材Hの長尺受台20を跨ぐように、長尺受台20に載置された下地パネル30の長辺30”との間には、工具挿入用間隙Dが形成されるように構成されており、且つ、この工具挿入用間隙Dに、長尺受台20に穿設された縦孔20aが位置するように構成されている。
【0025】
また、上述したように、隣接する列(例えば、イ列とロ列、ロ列とハ列)を構成する下地パネル長尺載置部材Hの長尺受台20を跨ぐように、長尺受台20に載置される複数の下地パネル30の短辺30’同士は、互いに、当接するように構成されている。
【0026】
その後、公知のように、所定の下地パネル30の上面に、水準器を載置するとともに、工具挿入用間隙D及び長尺受台20に穿設されている縦孔20aに、工具を挿入し、且つ、脚部材1を構成するボルト1aの上端に形成された工具挿入用溝1a1に、工具の先端を嵌合させて、工具を、適宜、回動させて、脚部材1を構成するナット1cを上下動させることにより、下地パネル30の水平出しを行う。このような下地パネル30の水平出し作業を、各下地パネル30について行うことにより、全ての下地パネル30について、水平出しを行う。
【0027】
上述したように、下地パネル長尺載置部材Hを構成する、下地パネル30が載置される受台を、長尺受台20としたので、従来の下地パネル載置部材H’のように、下地パネル3の角部3aを、略平方形状の受台2に載置する必要がないので、下地パネル30の角部30aが、長尺受台20のどの位置にあってもよく、しかも、下地パネル30の短辺30’同士が、互いに、当接するように、下地パネル30を、下地パネル長尺載置部材Hを構成する長尺受台20に載置すればよく、従って、従来の下地パネル載置部材H’のように、下地パネル3の短辺間に、受台2の中心部に穿設された縦孔2aが塞がれないような間隙を形成する必要がない。このように構成されているので、下地パネル長尺載置部材Hへの下地パネル3の布設作業の作業性が向上する。
【0028】
また、上述したように構成することにより、下地パネル長尺載置部材Hを構成する長尺受台20が、根太として機能するので、従来の略平方形状の受台2に比べて、床構造の強度や剛性が増加するとともに、隣り合う脚部材1間に位置する長尺受台20の弾性変形により、床構造の床衝撃音遮断性能が向上することになる。
【0029】
なお、上述した実施例には、下地パネル長尺載置部材Hに、下地パネル3を載置した後、下地パネル3の水平出しを行うようにした構成が示されているが、下地パネル長尺載置部材Hに、下地パネル3を載置する前に、下地パネル長尺載置部材Hを構成する長尺受台20の上面に、水準器を載置するとともに、長尺受台20に穿設されている縦孔20aに、工具を挿入し、且つ、脚部材1を構成するボルト1aの上端に形成された工具挿入用溝1a1に、工具の先端を嵌合させて、工具を、適宜、回動させて、脚部材1を構成するナット1cを上下動させることにより、長尺受台20の水平出しを行うように構成することもできる。その後、水平出しされた長尺受台20に、下地パネル30を載置することにより、床構造が施工することができる。
【0030】
上述したように、下地パネル長尺載置部材Hに載置された下地パネル30の水平出し作業が終了した後、図6及び図7に示されているように、下地パネル30の上面に、下地パネル30と同様のパネル40を敷き詰める。このように、下地パネル30の上面に敷き詰められたパネル40を、以下、騒音低減用下地パネルと称する。
【0031】
上述したように、下地パネル30の上面に、騒音低減用下地パネル40を敷き詰めることにより、床構造の床衝撃音遮断性能を、格段に向上することができるとともに、床構造の強度や剛性を高めることができる。
【0032】
上述した、下地パネル30の上面に、騒音低減用下地パネル40を敷き詰めた後に、周知のように、フローリング材等の床仕上げ部材が施工されることになる。
【0033】
上述した長尺受台20、下地パネル30及び騒音低減用下地パネル40は、木毛や木片や木材チップ等の木質材料とセメントとからなる木質系セメント板(木毛セメント板や木片セメント板)を使用することが好ましい。特に、幅が、1mm〜10mmで、厚さが、0.1mm〜2mmの木毛を使用した木毛セメント板で、且つ、嵩比重が、0.8〜1.5を有する木毛セメント板を使用することが好ましい。このような木毛セメント板を使用することにより、長尺受台20の強度や剛性が向上し、隣り合う脚部材1間に位置する長尺受台20の弾性変形による床構造の床衝撃音遮断性能が、更に向上するとともに、下地パネル30や騒音低減用下地パネル40に打ち込まれる固定具の保釘力が高まることになる。
【0034】
上述したように、下地パネル30の上面に、木質系セメント板からなる騒音低減用下地パネル40を敷き詰めたことにより、従来の床構造のように、床構造の強度や剛性を向上させるために、防振ゴム1bのゴムとして、硬度65°程度以上の硬度を有するゴムを使用する必要がなく、防振ゴム部1bのゴムとして、硬度40〜50°程度の硬度の小さなゴムを使用することができる。従って、床構造の床衝撃音遮断性能が、更に向上する。
【0035】
上述したように、下地パネル30の上面に、騒音低減用下地パネル40を敷き詰めたことにより、従来のスラブSの厚さ150mm〜200mmより厚くすることなく、床構造の床衝撃音遮断性能を、維持、或いは、向上することができるので、従って、マンション等の全体階数を減少することない。よって、マンション等の建設コストが低減化されることになる。
【0036】
次に、本発明の床構造が示されている図8と従来の床構造が示されている図9を用いて、上述した従来の床構造と本発明の床構造との具体的な作用効果上の差異について説明する。なお、図8と図9において、50は、本発明の床構造に配設される周知の床仕上げ部材と、従来の床構造に配設される周知の床仕上げ部材と同じで床仕上げ部材であり、その厚さは、共に、12mmである。また、従来の床構造の下地パネル載置部材H’と本発明の床構造の下地パネル載置部材Hとは、同一である。更に、本発明の床構造における長尺受台20及び下地パネル30の厚さは、共に、23mmであり、騒音低減用下地パネル40の厚さは、18mmであり。従来の床構造における受台2及び下地パネル3の厚さは、共に、20mmである。本発明の床構造において使用されている長尺受台20、下地パネル30及び騒音低減用下地パネル40は、共に、幅が、1mm〜10mmで、厚さが、0.1mm〜2mmの木毛を使用した木毛セメント板で、且つ、嵩比重が、0.8〜1.5を有する木毛セメント板が使用されている。
【0037】
上述した条件のもとにおいて、スラブSの厚さが、200mmと300mmの場合のスラブSのみのインピーダンス法によるスラブ素面理論値の重量床衝撃レベルの各周波数(Hz)における予測値が、図14に記載されており、また、スラブSが、200mmと300mmの場合のスラブSのみのインピーダンス法によるスラブ素面理論値の軽量床衝撃レベルの各周波数(Hz)における予測値が、図15に記載されている。なお、なお、図14において、Aは、スラブSの厚さが、200mmの場合における、スラブ素面理論値の重量床衝撃レベルの予測値を表し、Bは、スラブSの厚さが、300mmの場合における、スラブ素面理論値の重量床衝撃レベルの予測値を表わす。また、図15において、Cは、スラブSの厚さが、200mmの場合における、スラブ素面理論値の軽量床衝撃レベルの予測値を表し、Dは、スラブSの厚さが、300mmの場合における、スラブ素面理論値の軽量床衝撃レベルの予測値を表わす。
【0038】
また、図16には、本発明の床構造における重量床衝撃レベルと軽量床衝撃レベルの各周波数(Hz)における床衝撃音レベル低減量実測値が記載されている。なお、図16のEは、重量床衝撃音の床衝撃音レベル低減量を表し、Fは、図16のFは、軽量床衝撃音の床衝撃音レベル低減量を表わす。
【0039】
この床衝撃音レベル低減量の算出について、以下に説明する。
【0040】
先ず最初に、厚さが、200mmのスラブSのみに対して、各周波数(Hz)における重量床衝撃音試験を行い、素面状態規準化床衝撃音レベルを測定した。各周波数について、5回(s1〜s5)行い、その試験結果が、図17のイに記載されており、その平均値が、図17のハに記載されている。また、200mmのスラブSに、上述した本発明の床構造を設置し、各周波数(Hz)について、5回(s1〜s5)の重量床衝撃音試験を行い、その結果が、試料施工状態規準化床衝撃音レベルとして、図17のロに記載されており、その平均値が、図17のニに記載されている。そして、図17のホには、素面状態規準化床衝撃音レベルの平均値と試料施工状態規準化床衝撃音レベルの平均値との差が、床衝撃音レベル低減量として記載されている。
【0041】
同様に、厚さが、200mmのスラブSのみに対して、各周波数(Hz)における軽量床衝撃音試験を行い、素面状態規準化床衝撃音レベルを測定した。各周波数(Hz)、5回(s1〜s5)行い、その試験結果が、図18のイに記載されており、その平均値が、図18のハに記載されている。また、200mmのスラブSに、上述した本発明の床構造を設置し、各周波数(Hz)について、5回(s1〜s5)の軽量床衝撃音試験を行い、その結果が、試料施工状態規準化床衝撃音レベルとして、図18のロに記載されており、その平均値が、図18のニに記載されている。そして、図18のホには、素面状態規準化床衝撃音レベルの平均値と試料施工状態規準化床衝撃音レベルの平均値との差が、床衝撃音レベル低減量として記載されている。
【0042】
図19のイには、重量床衝撃音低減性能の等級であるΔLHー3の場合の各周波数における重量床衝撃音レベル低減量の下限値が示されており、また、図19のロには、軽量床衝撃音低減性能の等級であるΔLLー4の場合の各周波数における軽量床衝撃音レベル低減量の下限値が示されている。このような下限値は、財団法人日本建築総合試験所の「床材の床衝撃音低減性能の表現方法に関する検討委員会の報告書」(平成20年3月)に記載されている。なお、Gは、ΔLHー3の場合における重量床衝撃音の下限値を表し、Hは、ΔLLー4の場合における軽量床衝撃音の下限値を表わす。
【0043】
図20には、重量床衝撃音レベルにおける予測床遮音性能が記載されている。図20のイは、厚さ300mmのスラブSに、ΔLHー3を満たす上述した従来の床構造を設置した場合の各周波数(Hz)における予測床遮音性能値が記載されており、また、図20のロは、厚さ200mmのスラブSに、上述した本発明の床構造を設置した場合の各周波数(Hz)における予測床遮音性能値が記載されている。図20のイの予測床遮音性能値(I)は、上述した図14のBから、図19のGを引いたものであり、図20のロの予測床遮音性能値(J)は、上述した図14のAから、図16のEを引いたものである。更に、図20のハには、図20のイの予測床遮音性能値(I)と図20のロの予測床遮音性能値(J)との差(I−J)が記載されている。(I−J)の値が、マイナスの場合には、従来の床構造に比べて、本発明の床構造の床衝撃音レベルが大きいこと、換言すれば、従来の床構造の場合の方が、騒音性能が良いことを表し、また、(I−J)の値が、プラスの場合には、従来の床構造に比べて、本発明の床構造の床衝撃音レベルが小さく、換言すれば、本発明の床構造の方が、騒音性能が良いことを表わしている。
【0044】
上述したように、図20から、周波数が、63Hz以外は、厚さ200mmのスラブSに、上述した本発明の床構造を設置した場合の方が、厚さ300mmのスラブSに、ΔLHー3を満たす上述した従来の床構造を設置した場合より優れていることが分かる。従って、スラブSの厚さを300mmとすることなく、本発明の床構造を使用すれば、スラブSの厚さを、200mmのままで、騒音性能を向上させることができ、従って、マンション等の重量の増加を抑制することができ、よって、マンション等の強度を高める必要がなく、マンション等の建設費の増加を抑えることができる。また、スラブSの厚さ200mmのままで、騒音性能を向上させることができるので、スラブSの厚さを300mmとする必要がなく、従って、マンション等の階数を増加することができる。
【0045】
図21には、軽量床衝撃音レベルにおける予測床遮音性能が記載されており、図21のイは、厚さ300mmのスラブSに、ΔLLー4を満たす上述した従来の床構造を設置した場合の予測床遮音性能値が記載されており、また、図21のロは、厚さ200mmのスラブSに、上述した本発明の床構造を設置した場合の予測床遮音性能値が記載されている。図21のイの予測床遮音性能値(K)は、上述した図15のCから、図19のHを引いたものであり、図21のロの予測床遮音性能値(L)は、上述した図15のDから、図16のFを引いたものであり、図21のハは、図21のイの予測床遮音性能値(K)と図21のロの予測床遮音性能値(L)との差(K−L)が記載されている。(K−L)の値が、マイナスの場合には、従来の床構造に比べて、本発明の床構造の床衝撃音レベルが大きいこと、換言すれば、従来の床構造の場合の方が、騒音性能が良いことを表し、また、(K−L)の値が、プラスの場合には、従来の床構造に比べて、本発明の床構造の床衝撃音レベルが小さく、換言すれば、本発明の床構造の方が、騒音性能が良いことを表わしている。
【0046】
上述したように、図21から、周波数が、250Hz以外は、厚さ200mmのスラブSに、上述した本発明の床構造を設置した場合の方が、厚さ300mmのスラブSに、ΔLLー4を満たす上述した従来の床構造より優れていることが分かり、従って、スラブSの厚さを300mmとすることなく、本発明の床構造を使用すれば、スラブSの厚さを、200mmのままで、騒音性能を向上させることができ、従って、マンション等の重量の増加を抑制することができ、よって、マンション等の強度を高める必要がなく、マンション等の建設費の増加を抑えることができる。また、スラブSの厚さ200mmのままで、騒音性能を向上させることができるので、スラブSの厚さを300mmとする必要がなく、従って、マンション等の階数を増加することができる。
【0047】
上述したように、下地パネル30の上面に、騒音低減用下地パネル40を敷き詰めたことにより、従来のスラブSの厚さを厚くすることなく、床構造の床衝撃音遮断性能を、維持、或いは、向上することができ、従って、従って、スラブSの厚を厚くした場合に比べて、マンション等の全体階数を増加することができる。
【符号の説明】
【0048】
H・・・・・・・・・・・・・・・下地パネル長尺載置部材
H’・・・・・・・・・・・・・・下地パネル載置部材
S・・・・・・・・・・・・・・・スラブ
1・・・・・・・・・・・・・・・脚部材
2・・・・・・・・・・・・・・・受台
20・・・・・・・・・・・・・・長尺受台
3、30・・・・・・・・・・・・下地パネル
40・・・・・・・・・・・・・・騒音低減用下地パネル
【技術分野】
【0001】
本願発明は、コンクリート製のスラブ上に施工される床構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
先ず最初に、図10〜図13を用いて、従来の床構造について説明する。
【0003】
1は、脚部材であり、脚部材1は、上端に、工具挿入用溝1a1が形成されている棒状のボルト1aと、ボルト1aの下端に取着された防振ゴム部1bと、ボルト1aの上端部に螺合されるナット1cとから構成されている。ナット1cは、内周にネジ溝が刻設された円筒部1c1と、円筒部1c1の下端外周面に形成された鍔部1c2とを有している。また、ボルト1aの上端部に螺合されたナット1cには、一辺が、略10数cmセンチ程度の略平方形状の受台2の中心部に穿設された縦孔2aが嵌着されている。このようにして、脚部材1と受台2とにより、下地パネル3が載置される下地パネル載置部材H’が構成されている。なお、4は、下地パネル3に載置される床パネルである。
【0004】
床構造を施工する際には、床構造が施工されるスラブS上に、上述した下地パネル載置部材H’を、縦横に所定の間隔を置いて、多数、配置する。その後、下地パネル載置部材H’を構成する受台2に、下地パネル3を載置することになるが、複数の下地パネル3の角部3aを、下地パネル載置部材H’を構成する1辺が、略10数cm程度の略平方形状の受台2に載置しなければならず、しかも、下地パネル3を、下地パネル載置部材H’を構成する受台2に載置した後、下地パネル3の水平出しを行うために、ボルト1aの工具挿入用溝1a1に工具を挿入しなければならないために、受台2に形成された縦孔2aが、下地パネル3により塞がれないように、受台2に、下地パネル3を載置する必要があり、従って、下地パネル3の角部3aの角部3aの受台2への載置面積が、更に少なくなることになる。
【0005】
また、従来の床構造においては、上述したように、下地パネル3の4つの角部3aが、下地パネル載置部材H’を構成する略平方形状の受台2に載置されるように、床構造が施工されるスラブS上に、下地パネル載置部材H’を配置することになる。
【0006】
上述した従来の床構造は、一例として、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−81196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した従来の床構造においては、複数の床下地パネルの角部が、略正方形状の受台に載置されているために、床構造の施工時に脚部材が移動した際に、床下地パネルが、受台から外れたり、或いは、床下地パネルが、受台から外れることがなくても、床下地パネルの角部の受台への載置面積が異なることにより、受台への載置面積が小さい床下地パネルの強度や剛性が低下するという問題があった。
【0009】
また、略正方形状の受台に、床下地パネルの角部を載置しなければならず、従って、受台への床下地パネルの角部の載置作業の作業性が悪いという問題があった。
【0010】
更に、近年、マンション等においては、床構造の騒音対策が不十分であるために、騒音が問題となっているが、従来の床構造においては、スラブS上に配置された下地パネル載置部材H’を構成する、一辺が、略10数cmセンチ程度の略平方形状の受台2に、下地パネル3が載置されているために、床構造の剛性を確保するためには、脚部材1を構成する防振ゴム部1bとして、硬度65°程度以上の防振ゴムを使用する必要があり、従って、防振ゴム部1bとして、硬度65°程度以上の防振ゴムしたために、床構造の床衝撃音遮断性能が低下することになる。そのために、従来、厚さが、150mm〜200mmであったスラブSの厚さを、300mmとするような対策が施されているが、スラブSの厚さを厚くすると、マンション等の重量が増加し、マンション等の強度を高めなければならず、マンション等の建設費が増加するとともに、マンション等の全体階数が減少するという問題があった。
【0011】
本発明の目的は、上述した従来の床構造及び該床構造の施工方法が有する課題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上述した目的を達成するために、スラブ上に設置される、受台と脚部材とからなる下地パネル載置部材及び該下地パネル載置部材の受台に載置される下地パネルとからなる床構造において、前記下地パネル載置部材を構成する受台を、長尺受台として形成するとともに、前記長尺受台に載置される下地パネルに、木質系セメント板からなる騒音低減用下地パネルを載置したものである。
【発明の効果】
【0013】
スラブ上に載置される、受台と脚部材とからなる下地パネル載置部材及び該下地パネル載置部材に載置される下地パネルとからなる床構造において、前記下地パネル載置部材を構成する受台を、長尺受台として形成したので、従来の下地パネル載置部材のように、下地パネルの角部を、必ずしも、略平方形状の受台に載置する必要がないので、下地パネルの角部が、長尺受台のどの位置にあってもよく、しかも、下地パネルの短辺同士が、互いに、当接するように、下地パネルを、下地パネル載置部材を構成する長尺受台に載置すればよく、従って、従来の下地パネル載置部材のように、下地パネルの短辺間に、受台の中心部に穿設された縦孔が塞がれないような間隙を形成する必要がない。従って、下地パネル載置部材への下地パネルの布設作業の作業性が向上する。
【0014】
また、上述したように構成することにより、下地パネル載置部材を構成する長尺受台が、根太として機能するので、従来の略平方形状の受台に比べて、床構造の強度や剛性が増加する。
【0015】
更に、長尺受台を使用した構成と相まって、長尺受台に載置される下地パネルに、騒音低減用下地パネルを載置したことにより、スラブの厚さを厚くすることなく、床構造の床衝撃音遮断性能を高めることができ、従って、マンション等の重量の増加を抑制することができ、よって、マンション等の強度を高める必要がなく、マンション等の建設費が増加を抑制することができる。
【0016】
なお更に、上述したように、下地パネル30の上面に、騒音低減用下地パネル40を敷き詰めたことにより、従来のスラブSの厚さを厚くすることなく、床構造の床衝撃音遮断性能を、維持、或いは、向上することができ、従って、スラブSの厚を厚くした場合に比べて、全体階数を増加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明の床構造を構成する下地パネル長尺載置部材の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の床構造を構成する下地パネル長尺載置部材の分解斜視図である。
【図3】図3は、本発明の床構造を構成する下地パネル長尺載置部材に下地パネルが載置された状態の拡大斜視図である。
【図4】図4は、本発明の床構造を構成する下地パネル長尺載置部材に、下地パネルが載置された状態の平面図である。
【図5】図5は、図4のFーFに沿った部分拡大垂直断面図である。
【図6】図6は、本発明の床構造の側面図である。
【図7】図7は、本発明の床構造を構成する下地パネル長尺載置部材に、下地パネル及び騒音低減用下地パネルが載置された状態の平面図である。
【図8】図8は、本発明の床構造の部分拡大側面図である。
【図9】図9は、従来の床構造の図8と同様の部分拡大側面図である。
【図10】図10は、従来の下地パネル載置部材の分解斜視図である。
【図11】図11は、図10に示されている下地パネル載置部材に、下地パネルが載置されている状態の拡大垂直断面図である。
【図12】図12は、図10に示されている下地パネル載置部材に、下地パネル及び床パネルが載置されている状態の垂直断面図である。
【図13】図13は、従来の下地パネル載置部材を構成する受台に、下地パネルが載置された状態の平面図である。
【図14】図14は、重量床衝撃レベル予測値である。
【図15】図15は、軽重量床衝撃レベル予測値である。
【図16】図16は、床衝撃レベル低減量実測値である。
【図17】図17は、重量床衝撃音試験の試験結果である。
【図18】図18は、軽量床衝撃音試験の試験結果である。
【図19】図19は、床衝撃レベル低減量値下限である。
【図20】図20は、予測床遮音性能(重量床衝撃レベル)である。
【図21】図21は、予測床遮音性能(軽量床衝撃レベル)である。
【実施例】
【0018】
以下に、本発明の床構造について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り、何ら、本実施例に何ら限定されるものではない。なお、上述した従来の発明の構成部材と同じ構成部材については、同じ符号が使用されている。
【0019】
図1及び図2において、1は、上述した従来の脚部材と同様の脚部材である。即ち、脚部材1は、上端に、工具挿入用溝1a1が形成された棒状のボルト1aと、ボルト1aの下端に取着された防振ゴム部1bと、ボルト1aの上端部に螺合されるナット1cとから構成されているとともに、ナット1cは、内周にネジ溝が刻設された円筒部1c1と、円筒部1c1の下端外周面に形成された鍔部1c2とから構成されている。
【0020】
20は、上述した略平方形状の受台2に代えて使用される長尺受台であり、長尺受台20には、長尺受台20の長手方向に沿って、複数の縦孔20aが穿設されている。なお、本実施例においては、長尺受台20の長手方向の両端部に、それぞれ、1個の縦孔20aが穿設されており、両端部に穿設された一対の縦孔20a間に、2個の縦孔20aが穿設されている例が示されている。また、縦孔20aに、上述した従来の略平方形状の受台2の中心部に穿設された縦孔2aと同様に、脚部材1を構成するナット1cの円筒部1c1を嵌着することにより、長尺受台20には、図1に示されているように、複数の脚部材1が取り付けられることになる。このように、脚部材1と長尺受台20とにより、下地パネル3が載置される下地パネル長尺載置部材Hが構成されることになる。なお、図1には、長尺受台20に、4個の脚部材1が取り付けられている例が示されているが、脚部材1の数は、この実施例に限定されるものではない。
【0021】
また、30は、上述した下地パネル3と同様の下地パネルであり、下地パネル30は、短辺30’長さが、400mm〜1000mm程度であり、また、長辺30”長さが、900mm〜2000mm程度に形成された平面形状が、長方形に形成されている。下地パネル30を、短辺30’に平行に、及び/又は、長辺30”に平行に、適宜、切断することにより、切断されていない、製造された状態のままの下地パネル(切断されていない、製造された状態のままの下地パネルを、以下、単に、製造時下地パネルと称し、符号30Aを付す。)より、平面形状が小さな下地パネル30を使用することもできる。なお、切断された状態の下地パネルを、以下、単に、切断下地パネルと称し、符号30Bを付す。なお、製造時下地パネル30A及び切断下地パネル30Bに、特に、限定されない場合には、単に、下地パネルと称し、符号30を付す。
【0022】
上述した長尺受台20は、長手方向に対して垂直に切断することにより、短くして使用することもできる。また、切断されていない長尺受台20の長手方向に沿った長さは、製造時下地パネル30Aの長辺の長さより、長く形成されている。
【0023】
床構造を施工する際には、先ず最初に、所望の壁Wに対して、下地パネル長尺載置部材Hを構成する長尺受台20が垂直となるように、複数の下地パネル長尺載置部材Hを、スラブS上に配置する。図4には、長尺受台20が、互いに平行となるように、4列イ〜ニに亘たって、下地パネル長尺載置部材Hが配置されている例が示されており、各列イ〜ニは、各列の隣接する下地パネル長尺載置部材Hを構成する長尺受台20の短辺20’同士を当接させることにより、複数の下地パネル長尺載置部材Hから構成されている。なお、所望の壁Wと相対する壁と、各列イ〜ニの下地パネル長尺載置部材Hを構成する長尺受台20のうち、図4において、右端に位置する長尺受台20との間に、1本の長尺受台20の長さより短い間隔が残っている場合には、この間隔を埋めるように、適宜、長尺受台20が切断されることになる。
【0024】
次いで、隣接する列間(例えば、イ列とロ列)を構成する長尺受台20を跨ぐように、且つ、長尺受台20の長辺(長尺受台20の長さ方向の辺)20”側と下地パネル30の長辺30”側とが一致するように、長尺受台20の長辺20”に沿った長尺受台20の長辺側縁部に、下地パネル30の長辺30”に沿った長辺側縁部を載置する。同様に、隣接する列間(例えば、ロ列とハ列)を構成する長尺受台20を跨ぐように、且つ、長尺受台20の長辺20”側と下地パネル30の長辺30”側とが一致するように、長尺受台20の長辺20”に沿った長尺受台20の長辺側縁部に、下地パネル30の長辺30”に沿った長辺側縁部を載置する。この際、隣接する列(例えば、イ列とロ列)を構成する下地パネル長尺載置部材Hの長尺受台20を跨ぐように、長尺受台20に載置された下地パネル30の長辺30”と、隣接する列(例えば、ロ列とハ列)を構成する下地パネル長尺載置部材Hの長尺受台20を跨ぐように、長尺受台20に載置された下地パネル30の長辺30”との間には、工具挿入用間隙Dが形成されるように構成されており、且つ、この工具挿入用間隙Dに、長尺受台20に穿設された縦孔20aが位置するように構成されている。
【0025】
また、上述したように、隣接する列(例えば、イ列とロ列、ロ列とハ列)を構成する下地パネル長尺載置部材Hの長尺受台20を跨ぐように、長尺受台20に載置される複数の下地パネル30の短辺30’同士は、互いに、当接するように構成されている。
【0026】
その後、公知のように、所定の下地パネル30の上面に、水準器を載置するとともに、工具挿入用間隙D及び長尺受台20に穿設されている縦孔20aに、工具を挿入し、且つ、脚部材1を構成するボルト1aの上端に形成された工具挿入用溝1a1に、工具の先端を嵌合させて、工具を、適宜、回動させて、脚部材1を構成するナット1cを上下動させることにより、下地パネル30の水平出しを行う。このような下地パネル30の水平出し作業を、各下地パネル30について行うことにより、全ての下地パネル30について、水平出しを行う。
【0027】
上述したように、下地パネル長尺載置部材Hを構成する、下地パネル30が載置される受台を、長尺受台20としたので、従来の下地パネル載置部材H’のように、下地パネル3の角部3aを、略平方形状の受台2に載置する必要がないので、下地パネル30の角部30aが、長尺受台20のどの位置にあってもよく、しかも、下地パネル30の短辺30’同士が、互いに、当接するように、下地パネル30を、下地パネル長尺載置部材Hを構成する長尺受台20に載置すればよく、従って、従来の下地パネル載置部材H’のように、下地パネル3の短辺間に、受台2の中心部に穿設された縦孔2aが塞がれないような間隙を形成する必要がない。このように構成されているので、下地パネル長尺載置部材Hへの下地パネル3の布設作業の作業性が向上する。
【0028】
また、上述したように構成することにより、下地パネル長尺載置部材Hを構成する長尺受台20が、根太として機能するので、従来の略平方形状の受台2に比べて、床構造の強度や剛性が増加するとともに、隣り合う脚部材1間に位置する長尺受台20の弾性変形により、床構造の床衝撃音遮断性能が向上することになる。
【0029】
なお、上述した実施例には、下地パネル長尺載置部材Hに、下地パネル3を載置した後、下地パネル3の水平出しを行うようにした構成が示されているが、下地パネル長尺載置部材Hに、下地パネル3を載置する前に、下地パネル長尺載置部材Hを構成する長尺受台20の上面に、水準器を載置するとともに、長尺受台20に穿設されている縦孔20aに、工具を挿入し、且つ、脚部材1を構成するボルト1aの上端に形成された工具挿入用溝1a1に、工具の先端を嵌合させて、工具を、適宜、回動させて、脚部材1を構成するナット1cを上下動させることにより、長尺受台20の水平出しを行うように構成することもできる。その後、水平出しされた長尺受台20に、下地パネル30を載置することにより、床構造が施工することができる。
【0030】
上述したように、下地パネル長尺載置部材Hに載置された下地パネル30の水平出し作業が終了した後、図6及び図7に示されているように、下地パネル30の上面に、下地パネル30と同様のパネル40を敷き詰める。このように、下地パネル30の上面に敷き詰められたパネル40を、以下、騒音低減用下地パネルと称する。
【0031】
上述したように、下地パネル30の上面に、騒音低減用下地パネル40を敷き詰めることにより、床構造の床衝撃音遮断性能を、格段に向上することができるとともに、床構造の強度や剛性を高めることができる。
【0032】
上述した、下地パネル30の上面に、騒音低減用下地パネル40を敷き詰めた後に、周知のように、フローリング材等の床仕上げ部材が施工されることになる。
【0033】
上述した長尺受台20、下地パネル30及び騒音低減用下地パネル40は、木毛や木片や木材チップ等の木質材料とセメントとからなる木質系セメント板(木毛セメント板や木片セメント板)を使用することが好ましい。特に、幅が、1mm〜10mmで、厚さが、0.1mm〜2mmの木毛を使用した木毛セメント板で、且つ、嵩比重が、0.8〜1.5を有する木毛セメント板を使用することが好ましい。このような木毛セメント板を使用することにより、長尺受台20の強度や剛性が向上し、隣り合う脚部材1間に位置する長尺受台20の弾性変形による床構造の床衝撃音遮断性能が、更に向上するとともに、下地パネル30や騒音低減用下地パネル40に打ち込まれる固定具の保釘力が高まることになる。
【0034】
上述したように、下地パネル30の上面に、木質系セメント板からなる騒音低減用下地パネル40を敷き詰めたことにより、従来の床構造のように、床構造の強度や剛性を向上させるために、防振ゴム1bのゴムとして、硬度65°程度以上の硬度を有するゴムを使用する必要がなく、防振ゴム部1bのゴムとして、硬度40〜50°程度の硬度の小さなゴムを使用することができる。従って、床構造の床衝撃音遮断性能が、更に向上する。
【0035】
上述したように、下地パネル30の上面に、騒音低減用下地パネル40を敷き詰めたことにより、従来のスラブSの厚さ150mm〜200mmより厚くすることなく、床構造の床衝撃音遮断性能を、維持、或いは、向上することができるので、従って、マンション等の全体階数を減少することない。よって、マンション等の建設コストが低減化されることになる。
【0036】
次に、本発明の床構造が示されている図8と従来の床構造が示されている図9を用いて、上述した従来の床構造と本発明の床構造との具体的な作用効果上の差異について説明する。なお、図8と図9において、50は、本発明の床構造に配設される周知の床仕上げ部材と、従来の床構造に配設される周知の床仕上げ部材と同じで床仕上げ部材であり、その厚さは、共に、12mmである。また、従来の床構造の下地パネル載置部材H’と本発明の床構造の下地パネル載置部材Hとは、同一である。更に、本発明の床構造における長尺受台20及び下地パネル30の厚さは、共に、23mmであり、騒音低減用下地パネル40の厚さは、18mmであり。従来の床構造における受台2及び下地パネル3の厚さは、共に、20mmである。本発明の床構造において使用されている長尺受台20、下地パネル30及び騒音低減用下地パネル40は、共に、幅が、1mm〜10mmで、厚さが、0.1mm〜2mmの木毛を使用した木毛セメント板で、且つ、嵩比重が、0.8〜1.5を有する木毛セメント板が使用されている。
【0037】
上述した条件のもとにおいて、スラブSの厚さが、200mmと300mmの場合のスラブSのみのインピーダンス法によるスラブ素面理論値の重量床衝撃レベルの各周波数(Hz)における予測値が、図14に記載されており、また、スラブSが、200mmと300mmの場合のスラブSのみのインピーダンス法によるスラブ素面理論値の軽量床衝撃レベルの各周波数(Hz)における予測値が、図15に記載されている。なお、なお、図14において、Aは、スラブSの厚さが、200mmの場合における、スラブ素面理論値の重量床衝撃レベルの予測値を表し、Bは、スラブSの厚さが、300mmの場合における、スラブ素面理論値の重量床衝撃レベルの予測値を表わす。また、図15において、Cは、スラブSの厚さが、200mmの場合における、スラブ素面理論値の軽量床衝撃レベルの予測値を表し、Dは、スラブSの厚さが、300mmの場合における、スラブ素面理論値の軽量床衝撃レベルの予測値を表わす。
【0038】
また、図16には、本発明の床構造における重量床衝撃レベルと軽量床衝撃レベルの各周波数(Hz)における床衝撃音レベル低減量実測値が記載されている。なお、図16のEは、重量床衝撃音の床衝撃音レベル低減量を表し、Fは、図16のFは、軽量床衝撃音の床衝撃音レベル低減量を表わす。
【0039】
この床衝撃音レベル低減量の算出について、以下に説明する。
【0040】
先ず最初に、厚さが、200mmのスラブSのみに対して、各周波数(Hz)における重量床衝撃音試験を行い、素面状態規準化床衝撃音レベルを測定した。各周波数について、5回(s1〜s5)行い、その試験結果が、図17のイに記載されており、その平均値が、図17のハに記載されている。また、200mmのスラブSに、上述した本発明の床構造を設置し、各周波数(Hz)について、5回(s1〜s5)の重量床衝撃音試験を行い、その結果が、試料施工状態規準化床衝撃音レベルとして、図17のロに記載されており、その平均値が、図17のニに記載されている。そして、図17のホには、素面状態規準化床衝撃音レベルの平均値と試料施工状態規準化床衝撃音レベルの平均値との差が、床衝撃音レベル低減量として記載されている。
【0041】
同様に、厚さが、200mmのスラブSのみに対して、各周波数(Hz)における軽量床衝撃音試験を行い、素面状態規準化床衝撃音レベルを測定した。各周波数(Hz)、5回(s1〜s5)行い、その試験結果が、図18のイに記載されており、その平均値が、図18のハに記載されている。また、200mmのスラブSに、上述した本発明の床構造を設置し、各周波数(Hz)について、5回(s1〜s5)の軽量床衝撃音試験を行い、その結果が、試料施工状態規準化床衝撃音レベルとして、図18のロに記載されており、その平均値が、図18のニに記載されている。そして、図18のホには、素面状態規準化床衝撃音レベルの平均値と試料施工状態規準化床衝撃音レベルの平均値との差が、床衝撃音レベル低減量として記載されている。
【0042】
図19のイには、重量床衝撃音低減性能の等級であるΔLHー3の場合の各周波数における重量床衝撃音レベル低減量の下限値が示されており、また、図19のロには、軽量床衝撃音低減性能の等級であるΔLLー4の場合の各周波数における軽量床衝撃音レベル低減量の下限値が示されている。このような下限値は、財団法人日本建築総合試験所の「床材の床衝撃音低減性能の表現方法に関する検討委員会の報告書」(平成20年3月)に記載されている。なお、Gは、ΔLHー3の場合における重量床衝撃音の下限値を表し、Hは、ΔLLー4の場合における軽量床衝撃音の下限値を表わす。
【0043】
図20には、重量床衝撃音レベルにおける予測床遮音性能が記載されている。図20のイは、厚さ300mmのスラブSに、ΔLHー3を満たす上述した従来の床構造を設置した場合の各周波数(Hz)における予測床遮音性能値が記載されており、また、図20のロは、厚さ200mmのスラブSに、上述した本発明の床構造を設置した場合の各周波数(Hz)における予測床遮音性能値が記載されている。図20のイの予測床遮音性能値(I)は、上述した図14のBから、図19のGを引いたものであり、図20のロの予測床遮音性能値(J)は、上述した図14のAから、図16のEを引いたものである。更に、図20のハには、図20のイの予測床遮音性能値(I)と図20のロの予測床遮音性能値(J)との差(I−J)が記載されている。(I−J)の値が、マイナスの場合には、従来の床構造に比べて、本発明の床構造の床衝撃音レベルが大きいこと、換言すれば、従来の床構造の場合の方が、騒音性能が良いことを表し、また、(I−J)の値が、プラスの場合には、従来の床構造に比べて、本発明の床構造の床衝撃音レベルが小さく、換言すれば、本発明の床構造の方が、騒音性能が良いことを表わしている。
【0044】
上述したように、図20から、周波数が、63Hz以外は、厚さ200mmのスラブSに、上述した本発明の床構造を設置した場合の方が、厚さ300mmのスラブSに、ΔLHー3を満たす上述した従来の床構造を設置した場合より優れていることが分かる。従って、スラブSの厚さを300mmとすることなく、本発明の床構造を使用すれば、スラブSの厚さを、200mmのままで、騒音性能を向上させることができ、従って、マンション等の重量の増加を抑制することができ、よって、マンション等の強度を高める必要がなく、マンション等の建設費の増加を抑えることができる。また、スラブSの厚さ200mmのままで、騒音性能を向上させることができるので、スラブSの厚さを300mmとする必要がなく、従って、マンション等の階数を増加することができる。
【0045】
図21には、軽量床衝撃音レベルにおける予測床遮音性能が記載されており、図21のイは、厚さ300mmのスラブSに、ΔLLー4を満たす上述した従来の床構造を設置した場合の予測床遮音性能値が記載されており、また、図21のロは、厚さ200mmのスラブSに、上述した本発明の床構造を設置した場合の予測床遮音性能値が記載されている。図21のイの予測床遮音性能値(K)は、上述した図15のCから、図19のHを引いたものであり、図21のロの予測床遮音性能値(L)は、上述した図15のDから、図16のFを引いたものであり、図21のハは、図21のイの予測床遮音性能値(K)と図21のロの予測床遮音性能値(L)との差(K−L)が記載されている。(K−L)の値が、マイナスの場合には、従来の床構造に比べて、本発明の床構造の床衝撃音レベルが大きいこと、換言すれば、従来の床構造の場合の方が、騒音性能が良いことを表し、また、(K−L)の値が、プラスの場合には、従来の床構造に比べて、本発明の床構造の床衝撃音レベルが小さく、換言すれば、本発明の床構造の方が、騒音性能が良いことを表わしている。
【0046】
上述したように、図21から、周波数が、250Hz以外は、厚さ200mmのスラブSに、上述した本発明の床構造を設置した場合の方が、厚さ300mmのスラブSに、ΔLLー4を満たす上述した従来の床構造より優れていることが分かり、従って、スラブSの厚さを300mmとすることなく、本発明の床構造を使用すれば、スラブSの厚さを、200mmのままで、騒音性能を向上させることができ、従って、マンション等の重量の増加を抑制することができ、よって、マンション等の強度を高める必要がなく、マンション等の建設費の増加を抑えることができる。また、スラブSの厚さ200mmのままで、騒音性能を向上させることができるので、スラブSの厚さを300mmとする必要がなく、従って、マンション等の階数を増加することができる。
【0047】
上述したように、下地パネル30の上面に、騒音低減用下地パネル40を敷き詰めたことにより、従来のスラブSの厚さを厚くすることなく、床構造の床衝撃音遮断性能を、維持、或いは、向上することができ、従って、従って、スラブSの厚を厚くした場合に比べて、マンション等の全体階数を増加することができる。
【符号の説明】
【0048】
H・・・・・・・・・・・・・・・下地パネル長尺載置部材
H’・・・・・・・・・・・・・・下地パネル載置部材
S・・・・・・・・・・・・・・・スラブ
1・・・・・・・・・・・・・・・脚部材
2・・・・・・・・・・・・・・・受台
20・・・・・・・・・・・・・・長尺受台
3、30・・・・・・・・・・・・下地パネル
40・・・・・・・・・・・・・・騒音低減用下地パネル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スラブ上に設置される、受台と脚部材とからなる下地パネル載置部材及び該下地パネル載置部材の受台に載置される下地パネルとからなる床構造において、前記下地パネル載置部材を構成する受台を、長尺受台とするとともに、前記長尺受台に載置される下地パネルに、木質系セメント板からなる騒音低減用下地パネルが載置されていることを特徴とする床構造。
【請求項1】
スラブ上に設置される、受台と脚部材とからなる下地パネル載置部材及び該下地パネル載置部材の受台に載置される下地パネルとからなる床構造において、前記下地パネル載置部材を構成する受台を、長尺受台とするとともに、前記長尺受台に載置される下地パネルに、木質系セメント板からなる騒音低減用下地パネルが載置されていることを特徴とする床構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2011−94437(P2011−94437A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−251652(P2009−251652)
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【出願人】(594209072)竹村工業株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【出願人】(594209072)竹村工業株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
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