説明

底面反射防止膜用コーティング組成物

第一の層、第二の層、場合により及び第三の層を少なくとも系内に含む多層系であって、前記第一の層は光酸発生剤を含み、この光酸発生剤は第二の層及び第三の層の溶剤中に実質的に不溶性である。現像可能なポジ型及びネガ型底面反射防止膜用コーティング組成物、並びに基材、前記反射防止膜用コーティング組成物の層、及びポジ型もしくはネガ型フォトレジストを含む被覆された基材。画像を形成する方法。次式の化合物。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層系にコート層として有用な水性の現像可能なコーティング組成物、及びそれに使用される新しい化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
幾つかの産業(例えば、ワニス、印刷インキ、ペイント及びリソグラフィーの市場)では、様々な基材に関連して多層系が使用される。場合により、これらの系は酸硬化性樹脂を含む。酸硬化性樹脂組成物は、酸によって触媒された重縮合が可能な少なくとも一つの成分を含む。これらの材料は当業者にはよく知られており、これらは、多くの用途に適宜それらの材料特性を変えて工業的に多量に製造されている。酸硬化性樹脂組成物は、例えば、アルキド樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリビニル樹脂、ビニルエーテル、ビニルエステル、スチレン/置換スチレン樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシド樹脂、ウレタン樹脂、及びこれらの混合物を含むことができる。混合物の例には、限定はされないが、メラミン/(メタ)アクリル樹脂、メラミン/ポリエステル樹脂、メラミン/アルキド樹脂、ビニルエーテル/(メタ)アクリル樹脂、ビニルエーテル/置換スチレン樹脂、及びこれらの類似物などが挙げられる。多層系が使用される一つの例は、マイクロリソグラフィまたはフォトリソグラフィ工業である。
【0003】
フォトレジスト組成物は、コンピュータチップ及び集積回路の製造などの微細化された電子部品の製造のためのマイクロリソグラフィプロセスに使用される。これらのプロセスでは、一般的に、先ずフォトレジスト組成物のフィルムの薄い被膜が、集積回路の製造に使用されるケイ素ウェハなどの基材上に供される。次いで、この被覆された基材をベークしてフォトレジスト組成物中の溶剤を蒸発させ、そして被膜を基材上に定着させる。この基材の被覆及びベークされた表面を次に放射線での像様露光に付す。この放射線露光は、被覆された表面の露光された領域において化学的な変化を引き起こす。可視光線、紫外線(UV)、電子ビーム及びX線放射エネルギーが、マイクロリソグラフィプロセスに現在常用されている放射線種である。この像様露光の後、被覆された基材を現像剤溶液で処理して、フォトレジストの放射線露光された領域または未露光の領域のいずれかを溶解、除去する。
【0004】
フォトレジスト組成物には、ネガ型とポジ型の二つのタイプのものがある。ポジ型フォトレジスト組成物を放射線に像様露光すると、放射線に曝された領域のフォトレジスト組成物が現像剤溶液中に可溶性になり、他方で未露光の領域のフォトレジスト被膜はこのような溶液に対し比較的不溶性のまま残る。それ故、露光されたポジ型フォトレジストを現像剤で処理すると、フォトレジスト被膜の露光された領域が除去され、被膜にポジ像が形成され、それによってフォトレジスト組成物が付着していたその下にある基材の希望の部分が裸出される。ネガ型フォトレジストでは、現像剤は、未露光の部分を除去する。
【0005】
半導体デバイスは微細化される傾向にあり、このような微細化に伴う問題を解消するために、一層短い波長の放射線に感度を示す新しいフォトレジスト及び精巧なマルチレベル系の両方が使用されている。
【0006】
これらのマルチレベルまたは多層系では、例えば、フォトリソグラフィにおける高吸光性の反射防止膜の使用が、高反射性基材からの光の後方反射から生ずる問題を軽減するためのより簡単な方策である。現像可能な底面反射防止膜が基材に供され、次いでフォトレジストの層が反射防止膜の表面に供される。フォトレジストは像様露光されそして現像される。この現像可能な底面反射防止膜は、フォトレジストの現像に典型的に使用されるものと同じ水性アルカリ性現像溶液で現像することもできる。追加的に、バリヤ被膜もしくは上面反射防止被膜または浸漬保護被膜(immersion protection coatings)も多層系において使用される。
【0007】
多くの場合、コーティング工業で使用される調合物は室温以上の温度でベークされる。ベーク温度は、供される被膜のタイプ及びそれに望む用途に依存して変わり得る。場合により、低い分解温度を有する熱酸発生剤を含む被膜(すなわちこれは低いベーク温度を意味する)とすることが有益である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,114,085号明細書
【特許文献2】米国特許第5,652,297号明細書
【特許文献3】米国特許第5,763,135号明細書
【特許文献4】米国特許第5,981,145号明細書
【特許文献5】米国特許第6,187,506号明細書
【特許文献6】米国特許第5,939,236号明細書
【特許文献7】米国特許第5,935,760号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第20030129531号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第20050214674号明細書
【特許文献10】英国特許出願公開第2,354,763A号明細書
【特許文献11】米国特許第6,322,948B1号明細書
【特許文献12】米国特許第5,886,102号明細書
【特許文献13】米国特許第5,919,599号明細書
【特許文献14】米国特許出願公開第20070015084号明細書
【特許文献15】米国特許出願第11/355,400号明細書
【特許文献16】米国特許出願公開第2004−0229155号明細書
【特許文献17】米国特許出願公開第2005−0271974号明細書
【特許文献18】米国特許第5,837,420号明細書
【特許文献19】米国特許第6,111,143号明細書
【特許文献20】米国特許第6,358,665号明細書
【特許文献21】米国特許第5,928,837号明細書
【特許文献22】米国特許第4,491,628号明細書
【特許文献23】米国特許第5,350,660号明細書
【特許文献24】米国特許第5,069,997号明細書
【特許文献25】欧州特許出願公開第794458号明細書
【特許文献26】英国特許出願公開第2320718号明細書
【特許文献27】国際公開第97/33198号パンフレット
【特許文献28】米国特許第5,585,219号明細書
【特許文献29】米国特許出願第10/322,329号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】T. Yamaoka、et al.、Trends in Photochem. Photobio.、7:45(2001)
【非特許文献2】S. Moon、et al.、Chem. Mater.、6:1854(1994)
【非特許文献3】H. Schacht、et al.、ACS Symp. Ser. 706:78(1998)
【非特許文献4】S.C. Fu et al. Proc. SPIE、Vol 4345、(2001)p. b751
【非特許文献5】Naito et al. Proc. SPIE、vol. 3333(1998)、p. 503
【非特許文献6】Yokoyama et al. Proc. SPIE、Vol. 4345、(2001)、p. 58−66
【非特許文献7】Yokoyama et al. J. of Photopolymer Sci. and Techn. Volume 14、No. 3、p. 393
【非特許文献8】S. Cho et al.、Proc SPIE、Vol. 3999、(2000)pps. 62−73
【非特許文献9】CRC Handbook of Chemistry and Physics、CRC Press Inc
【非特許文献10】Merck Index Tenth Edition、Martha Windholz Editor 1983
【非特許文献11】Proc. SPIE、vols. 3333(1998)
【非特許文献12】Proc. SPIE、vols. 3678(1999)
【非特許文献13】Proc. SPIE、vols. 3999(2000)
【非特許文献14】Proc. SPIE、vols. 4345(2001)
【非特許文献15】Proc. SPIE、vols. 3999(2000)
【非特許文献16】Proc. SPIE、vols. 4345(2001)
【発明の概要】
【0010】
第一の層及び第二の層を少なくとも有する多層系であって、この際、前記の第一の層は、第二の層の溶剤中に実質的に不溶性の光酸発生剤を含む、前記多層系が開示される。この多層系は、任意に、第一の層の下に存在する第三の層を有することができ、ここで第一の層の光酸発生剤は、第三の層の溶剤中に実質的に不溶性である。
【0011】
また、水性アルカリ現像剤で現像可能でありかつポジ型フォトレジストの下にコーティングされるポジ型底面光結像性(photoimageable)反射防止膜用コーティング組成物であって、ここで前記反射防止膜用コーティング組成物は、ポリマー及び光酸発生剤を含み、前記光酸発生剤は、約450立方オングストローム未満もしくはそれに等しい体積を有するカチオンと、アニオンとを含み、また前記光酸発生剤は、フォトレジストの溶剤中に実質的に不溶性である、ポジ型底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物が開示される。
【0012】
また、水性アルカリ現像剤で現像可能でありかつネガ型フォトレジストの下にコーティングされるネガ型底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物であって、前記反射防止膜用コーティング組成物は、光酸発生剤、架橋剤、及びポリマーを含み、前記光酸発生剤は、約450立方オングストローム未満のもしくはこれに等しい体積を有するカチオンと、アニオンとを含む前記ネガ型底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物も開示される。前記ネガ型底面光結像性反射防止膜は、約450立方オングストローム未満かまたはこれに等しい体積を有するカチオンと、アニオンとを含む光酸発生剤、架橋剤、及び吸収性発色団を含む少なくとも一つの単位を含むアルカリ可溶性ポリマーを含むことができるか; または該ネガ型底面光結像性反射防止膜は、約450立方オングストローム未満かもしくはこれに等しい体積を有するカチオンと、アニオンとを含む光酸発生剤、架橋剤、染料、及びアルカリ可溶性ポリマーを含むことができ、この際、吸収性発色団はポリマー内に存在するかまたは組成物中に添加剤として存在するか; または該ネガ型底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物は、約450立方オングストローム未満かもしくはそれに等しい体積を有するカチオンと、アニオンとを含む光酸発生剤、及び光分解された光活性化合物の存在下に極性または官能性を変化させて水性塩基中へのそれの溶解性が露光後に可溶性から不溶性に変化するポリマーからなり、この際、吸収性はポリマーに固有のものであるかまたは添加された添加剤によるものである。
【0013】
本明細書に記載の多層系に有用な熱活性化酸硬化性樹脂組成物中に使用するのに非常に良好な熱酸発生剤を作る或る種のジカルボン酸、すなわち次式(I)の化合物のモノ官能化アンモニウム塩も開示される。前記熱活性化酸硬化性樹脂組成物は、不可逆的に架橋された系を形成するもの、例えばペイント及び現像不能な反射防止膜(炭素に基づくもの及びケイ素に基づくものの両方)、例えばペイント及びコーティング材、並びに可逆的に架橋された系を形成するもの、例えば現像可能な反射防止膜用コーティング材及びフォトレジスト膜用コーティング材であることができる。
【0014】
【化1】

【0015】
式中、Yは、直接結合または接続基から選択され; そしてAは、置換されていないかもしくは置換されたアミン化合物である。また、酸で触媒された重縮合をすることができる少なくとも一つの樹脂と、式(I)の化合物とを含む、熱活性化酸硬化性樹脂組成物も開示される。接続基Yは、一つもしくはそれ以上のヘテロ原子(例えばO、S、SO、SO、−C(=O)−、−C(=O)O−、−O−C(=O)−O−、−OC(=O)−)を場合により含む置換されていないかもしくは置換されたC−Cアルキレン鎖、置換されていないかもしくは置換されたC−Cシクロアルキレン、置換されていないかもしくは置換されたC−Cアルケニレン、及び置換されていないかもしくは置換されたC−C12アリーレンから選択することができる。更にこれは、一つもしくはそれ以上のヘテロ原子を場合により含む置換されていないかもしくは置換されたC−Cアルキレン鎖、また更には、一つもしくはそれ以上のO原子を場合により含む置換されていないかもしくは置換されたC−Cアルキレン鎖、更に別には置換されていないかもしくは置換されたC−Cアルキレン鎖、置換されていないかもしくは置換されたC−Cアルキレン鎖、加えて更にはヒドロキシ及び/またはアルキルで置換されたC−Cアルキレン鎖であることができる。
【0016】
前記アミン化合物は、これが、式(I)の化合物を含む組成物が熱的に硬化される温度において揮発するように選択することができる。アミン化合物の例には、次のものからなる群から選択される化合物などが挙げられる。
【0017】
【化2】

【0018】
式中、R20、R22、R24、及びR26は、それぞれ独立して、水素、置換されていないかもしくは置換されたアルキル、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキル、置換されていないかもしくは置換された単環式もしくは多環式アリール、及び置換されていないかもしくは置換されたアラルキルから選択され; そしてR28は、置換されていないかもしくは置換されたC−Cアルキレンから選択されるか、またはR28は、それが結合する原子と一緒になって置換されていないかもしくは置換されたC−C12単環式もしくは多環式アリールを形成する。更なる例には、アンモニア、置換されていないかもしくは置換されたトリアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたジアルキルアミン類、及び置換されていないかもしくは置換されたモノアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたトリシクロアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたジシクロアルキルアミン類、及び置換されていないかもしくは置換されたモノシクロアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたモノシクロアルキルジアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたジシクロアルキルモノアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたモノアリールジアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたジアリールモノアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたトリアリールアミン類、置換されていないかもしくは置換されたジアリールアミン類、及び置換されていないかもしくは置換されたモノアリールアミン類、置換されていないかもしくは置換されたトリアラルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたジアラルキルアミン類、及び置換されていないかもしくは置換されたモノアラルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたモノアラルキルジアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたジアラルキルモノアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたモノアリールモノアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたモノアラルキルモノアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたモノシクロアルキルモノアルキルアミン類、及び置換されていないかもしくは置換されたモノアリールモノシクロアルキルアミン類及びこれらの類似物などが挙げられる。更に別の例には、トリメチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、ジメチルブチルアミン、メチルジエチルアミン、メチルジプロピルアミン、メチルジブチルアミン、メチルエチルプロピルアミン、メチルエチルブチルアミン、メチルプロピルブチルアミン、トリエチルアミン、エチルジプロピルアミン、エチルジブチルアミン、ジエチルプロピルアミン、ジエチルブチルアミン、エチルプロピルブチルアミン、トリプロピルアミン、ジプロピルブチルアミン、プロピルジブチルアミン、トリブチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、シクロヘキシルアミン、及びこれらの類似物などが挙げられる。
【0019】
本発明の反射防止膜用コーティング組成物の層とこの反射防止膜用コーティング組成物の上のフォトレジスト組成物の層とを表面上に有する基材を含む、被覆された基材も開示される。a)本発明の底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物の被膜を基材上に形成すること; b)反射防止膜をベークすること; c)反射防止膜の上に上面フォトレジスト層の被膜を供すること; d)フォトレジスト及び反射防止膜層を同じ波長の化学線で像様露光すること; e)基材上のフォトレジスト及び反射防止膜層を露光後ベークすること; 及びf)フォトレジスト及び反射防止膜層を水性アルカリ性溶液で現像することを含む像の形成方法も開示される。
【0020】
本発明のコーティング組成物は、使用される樹脂系が、該組成物が使用される波長において透明(非吸収性)の場合にはバリヤ層としても使用することができる。バリア層として使用される場合には、これは、コンタミネーション及び欠陥(例えばスカム、フッティングなど)が起こるのを防ぐためにフォトレジストと基材との間に設けられる。
[発明の詳細な説明]
【0021】
少なくとも第一の層と第二の層とを有する多層系であって、ここで前記第一の層は、第二の層の溶剤中に実質的に不溶性の光酸発生剤を含む、前記多層系が開示される。該多層系は、場合により、第一の層の下にある第三の層を有することができ、この際、第一の層の光酸発生剤は、第三の層の溶剤中に実質的に不溶性である。
【0022】
また、水性アルカリ現像剤で現像可能でありかつポジ型フォトレジストの下にコーティングされるポジ型底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物であって、ポリマー、及び約450立方オングストローム未満かもしくはそれに等しい体積を有するカチオンと、アニオンとを含む光酸発生剤を含み、この際前記光酸発生剤は、フォトレジストの溶剤中に実質的に不溶性である前記ポジ型底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物が開示される。
【0023】
また、水性アルカリ現像剤で現像することが可能でかつネガ型フォトレジストの下にコーティングされるネガ型底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物であって、約450立方オングストローム未満かもしくはそれに等しい体積を有するカチオンと、アニオンとを含む光酸発生剤、架橋剤、及びポリマーを含み、ここで前記光酸発生剤が、フォトレジストの溶剤中に実質的に不溶性である、前記ネガ型底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物も開示される。該ネガ型底面光結像性反射防止膜は、約450立方オングストローム未満かもしくはそれに等しい体積を有するカチオンと、アニオンとを含む光酸発生剤、架橋剤、及び吸収性発色団を有する少なくとも一つの単位を含むアルカリ可溶性ポリマーを含むことができ、この際、この光酸発生剤は、フォトレジストの溶剤中に実質的に不溶性であるか; または該ネガ型底面光結像性反射防止膜は、約450立方オングストローム未満かもしくはそれに等しい体積を有するカチオンと、アニオンとを含む光酸発生剤、架橋剤、染料、及びアルカリ可溶性ポリマーを含むことができ、この際、染料はポリマー内に存在するかもしくは組成物中に添加剤として存在し、前記光酸発生剤はフォトレジストの溶剤中に実質的に不溶性であるか; または該ネガ型底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物は、約450立方オングストローム未満かもしくはそれに等しい体積を有するカチオンと、アニオンとを含む光酸発生剤、光分解された光活性化合物の存在下に極性または官能性を変化させて、水性塩基中へのそれの溶解性が露光後に可溶性から不溶性に変化するポリマーを含み、この際、吸収性はポリマー固有のものであるかまたは添加された染料によるものであり、前記光酸発生剤は、フォトレジストの溶剤中に実質的に不溶である。
【0024】
本明細書に記載の多層系に有用な熱活性化酸硬化性樹脂組成物に使用するための非常に良好な熱酸発生剤を作る或る種のジカルボン酸、すなわち式(I)の化合物のモノ官能化アンモニウム塩も開示される。前記の熱活性化酸硬化性樹脂組成物は、不可逆的に架橋された系を形成するもの、例えばペイント及び現像不能な反射防止膜コーティング材(炭素に基づくものとケイ素に基づくものの両方)、例えばペイント及びコーティング材、並びに可逆的に架橋された系を形成するもの、例えば現像可能な反射防止膜コーティング材及びフォトレジストコーティング材であることができる。
【0025】
【化3】

【0026】
式中、Yは、直接結合または接続基から選択され、そしてAは、置換されていないかもしくは置換されたアミン化合物である。また、酸で触媒された重縮合をすることができる少なくとも一つの樹脂と式(I)の化合物とを含む、熱活性化酸硬化性樹脂組成物も開示される。接続基Yは、一つもしくはそれ以上のヘテロ原子(例えばO、S、SO、SO、−C(=O)−、−C(=O)O−、−O−C(=O)−O−、−OC(=O)−)を場合により含む置換されていないかもしくは置換されたC−Cアルキレン鎖、置換されていないかもしくは置換されたC−Cシクロアルキレン、置換されていないかもしくは置換されたC−Cアルケニレン、及び置換されていないかもしくは置換されたC−C12アリーレンから選択することができる。更にこれは、一つまたはそれ以上のヘテロ原子を場合により含む置換されていないかもしくは置換されたC−Cアルキレン鎖、また更には一つまたはそれ以上のO原子を場合により含む置換されていないかもしくは置換されたC−Cアルキレン鎖、また更に別には置換されていないかもしくは置換されたC−Cアルキレン鎖、置換されていないかもしくは置換されたC−Cアルキレン鎖、更に他にはヒドロキシル及び/またはアルキルで置換されたC−Cアルキレン鎖であることができる。
【0027】
前記アミン化合物は、式(I)の化合物を含む組成物が熱的に硬化される温度でこれが揮発するように選択することができる。アミン化合物の例には、次のものからなる群から選択される化合物が挙げられる。
【0028】
【化4】

【0029】
式中、R20、R22、R24、及びR26は、それぞれ独立して、水素、置換されていないかもしくは置換されたアルキル、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキル、置換されていないかもしくは置換された単環式もしくは多環式アリール、及び置換されていないかもしくは置換されたアラルキルから選択され; そしてR28は、置換されていないかもしくは置換されたC−Cアルキレンから選択されるか、またはR28は、それが結合する原子と一緒になって、置換されていないかもしくは置換されたC−C12単環式もしくは多環式アリールを形成する。更なる例には、アンモニア、置換されていないかもしくは置換されたトリアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたジアルキルアミン類、及び置換されていないかもしくは置換されたモノアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたトリシクロアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたジシクロアルキルアミン類、及び置換されていないかもしくは置換されたモノシクロアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたモノシクロアルキルジアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたジシクロアルキルモノアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたモノアリールジアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたジアリールモノアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたトリアリールアミン類、置換されていないかもしくは置換されたジアリールアミン類、及び置換されていないかもしくは置換されたモノアリールアミン類、置換されていないかもしくは置換されたトリアラルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたジアラルキルアミン類、及び置換されていないかもしくは置換されたモノアラルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたモノアラルキルジアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたジアラルキルモノアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたモノアリールモノアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたモノアラルキルモノアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたモノシクロアルキルモノアルキルアミン類、及び置換されていないかもしくは置換されたモノアリールモノシクロアルキルアミン類及びこれらの類似物などが挙げられる。更なる例には、トリメチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、ジメチルブチルアミン、メチルジエチルアミン、メチルジプロピルアミン、メチルジブチルアミン、メチルエチルプロピルアミン、メチルエチルブチルアミン、メチルプロピルブチルアミン、トリエチルアミン、エチルジプロピルアミン、エチルジブチルアミン、ジエチルプロピルアミン、ジエチルブチルアミン、エチルプロピルブチルアミン、トリプロピルアミン、ジプロピルブチルアミン、プロピルジブチルアミン、トリブチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、シクロヘキシルアミン、及びこれらの類似物などが挙げられる。
【0030】
また、本発明の反射防止膜用コーティング組成物の層、及びこの反射防止膜用コーティング組成物の上にフォトレジスト組成物の層とを表面上に有する基材を含む被覆された基材も開示される。更にまた、a) 基材上に本発明の底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物の被膜を形成すること; b)この反射防止膜をベークすること; c)該反射防止膜の上に上面フォトレジスト層の被膜を供すること; d)該フォトレジスト及び反射防止膜層を同じ波長の化学線で像様露光すること; e)基材上の該フォトレジスト及び反射防止膜層を露光後ベークすること; 及びf)該フォトレジスト及び反射防止膜層を水性アルカリ性溶液で現像することを含む像の形成方法も開示される。
【0031】
本発明のコーティング組成物は、使用する樹脂系が、該組成物が使用されるであろう波長において透明(非吸収性)である場合にはバリヤ層としても使用できる。バリヤ層として使用される場合には、これは、コンタミネーション及び欠陥(例えばスカム、フッティングなど)が起こるのを防ぐためにフォトレジストと基材との間に置かれる。
【0032】
上述のように、フォトレジストにはポジ型とネガ型の二つのタイプのものがあり、そして同様に、相補的な底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物にも、ポジ型の底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物とネガ型の底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物の二つのタイプのものがある。
【0033】
ポジ型底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物に関して、ポジ型底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物に有用なポリマーには、(i)酸不安定性基を有する少なくとも一つの繰り返し単位を含むポリマー、(ii)酸不安定性基を有する少なくとも一つの繰り返し単位及び吸収性発色団を有する少なくとも一つの繰り返し単位を含むポリマー、または(iii)ヒドロキシル及び/またはカルボキシル基を有する少なくとも一つの繰り返し単位及び吸収性発色団を有する少なくとも一つの繰り返し単位を含むポリマーの群から選択されるポリマーなどが挙げられる。
【0034】
ポジ型底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物に有用な一つのポリマーは、(i)酸不安定性基を有する少なくとも一つの単位を含むポリマーである。該ポリマーの一つの機能は良好な被膜品質を与えることであり、他の機能は、露光から現像にかけて反射防止膜の溶解性を変化させることである。このポリマー中の酸不安定性基は、必要な溶解性の変化を与える。酸不安定性基の無いポリマーは、水性アルカリ性溶液中に可溶性であるが、酸不安定性基で保護されると不溶性になる。アルカリ可溶性を与えるモノマーの例は、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルアルコール、ヒドロキシスチレン類、または1,1’,2,2’,3,3’−ヘキサフルオロ−2−プロパノールを含むビニルモノマー及びスルホンアミド類(例えば2−トリフルオロメタンスルホニルアミノエチルメタクリレート及び2−スルホニルアミノ−2,2−ジフルオロエチルメタクリレート)であるが、ポリマーをアルカリ可溶性にするものであれば任意の基を使用できる。親水性官能基は、酸不安定性基、例えばアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、オキソシクロヘキシル、環状ラクトン、ベンジル、シリル、アルキルシリル、置換されたベンジル、アルコキシアルキル、例えばエトキシエチルもしくはメトキシエトキシエチル、アセトキシアルコキシアルキル、例えばアセトキシエトキシエチル、テトラヒドロフラニル、メンチル、テトラヒドロピラニル及びメバロノラクトンで保護することができる。酸不安定性基の例には、限定はされないが、t−ブトキシカルボニル、トリシクロ(5.3.2.0)デカニル、2−メチル−2−アダマンチル、イソボルニル、ノルボルニル、アダマンチルオキシエトキシエチル、メンチル、第三ブチル、テトラヒドロピラニル、3−オキソシクロヘキシル、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル、ベータ−(ガンマ−ブチロラクトニル)、及びメバロノラクトンなどが挙げられる。一部のモノマーは、上記の不安定性基を有するビニル化合物である。酸で解裂できる酸不安定性基はポリマーに結合させることができ、これは、酸の存在下にアルカリ可溶性ポリマーを与える。保護されたモノマーは重合してホモポリマーとするか、または必要に応じて他の未保護のモノマーと重合させることができる。またその代わりに、アルカリ可溶性ホモポリマーまたはコポリマーを、酸不安定性基を供する化合物または複数種の化合物と反応させることができる。反射防止膜用コーティング組成物を形成するためにこのポリマーを使用する場合には、典型的には染料並びに光酸発生剤が組成物中に存在する。この染料は、モノマー性、ポリマー性またはこれらの混合物であることができる。添加剤としての吸収性化合物中に含まれ得る吸収性基の例は、置換されているかもしくは置換されていないフェニル、置換されているかもしくは置換されていないアントラシル、置換されているかもしくは置換されていないフェナントリル、置換されているかもしくは置換されていないナフチル、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄もしくはこれらの組み合わせを含む置換されているかもしくは置換されていないヘテロ環式環、例えばピロリジニル、ピラニル、ピペリジニル、アクリジニル、キノリニルである。使用し得る吸収性ポリマー性染料は、上記の吸収性要素のポリマーであり、ここでポリマー主鎖はポリエステル、ポリイミド、ポリスルホン及びポリカーボネートであることができる。一部の染料は、ヒドロキシスチレンとメチルメタクリレートとのコポリマー、及びアゾポリマー性もしくはモノマー性染料である。染料の例は、以下に記載の発色団のリストのモノマーまたはポリマーである。
【0035】
ポジ型底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物に有用な他のポリマーは、(ii)酸不安定性基を有する少なくとも一つの単位と吸収性発色団を有する少なくとも一つの単位とを含むポリマーである。当業者には、関心のある露光波長においてどの発色団が有用かは自明である。吸収性発色団の例は、一個から四個の別個のもしくは縮合した環を有する炭化水素芳香族要素及び複素環式芳香族要素であり、ここで各々の環には3〜10個の原子がある。酸不安定性基を含むモノマーと重合できる吸収性発色団を有するモノマーの例は、次の発色団を有するビニル化合物、すなわち置換されているかもしくは置換されていないフェニル、置換されているかもしくは置換されていないアントラシル、置換されているかもしくは置換されていないフェナントリル、置換されているかもしくは置換されていないナフチル、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄もしくはこれらの組み合わせを含む置換されているかもしくは置換されていない複素環式環、例えばピロリジニル、ピラニル、ピペリジニル、アクリジニル、キノリニルを含むビニル化合物である。他の発色団は、米国特許第6,114,085号明細書(特許文献1)、米国特許第5,652,297号明細書(特許文献2)、米国特許第5,763,135号明細書(特許文献3)、米国特許第5,981,145号明細書(特許文献4)、米国特許第6,187,506号明細書(特許文献5)、米国特許第5,939,236号明細書(特許文献6)、及び米国特許第5,935,760号明細書(特許文献7)に記載されている。これらもまた使用することができ、これらの特許文献の内容は本明細書に掲載されたものとする。モノマーの例には、例えば、スチレン、ヒドロキシスチレン、アセトキシスチレン、ビニルベンゾエート、ビニル4−tert−ブチルベンゾエート、エチレングリコールフェニルエーテルアクリレート、フェノキシプロピルアクリレート、2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、9−アントラセニルメチルメタクリレート、9−ビニルアントラセン、2−ビニルナフタレン、N−ビニルフタルイミド、N−(3−ヒドロキシ)フェニルメタクリルアミド、N−(3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシカルボニルフェニルアゾ)フェニルメタクリルアミド、N−(3−ヒドロキシ−4−エトキシカルボニルフェニルアゾ)フェニルメタクリルアミド、N−(2,4−ジニトロフェニルアミノフェニル)マレイミド、3−(4−アセトアミノフェニル)アゾ−4−ヒドロキシスチレン、3−(4−エトキシカルボニルフェニル)アゾ− −アセトアセトキシエチルメタクリレート、3−(4−ヒドロキシフェニル)アゾ−アセトアセトキシエチルメタクリレート、3−(4−スルホフェニル)アゾアセトアセトキシエチルメタクリレートのテトラヒドロアンモニウムスルフェート塩、及び等価の構造体などが挙げられる。適当な露光波長で吸収を示す任意の発色団を単独でまたは他の発色団と組み合わせて使用し得る。それで、酸不安定性基を含むモノマーを、吸収性発色団を含むモノマーと重合することによってポリマーを合成し得る。その代わりに、アルカリ可溶性ポリマーは、酸不安定性基を供する化合物、及び吸収性発色団を供する化合物と反応させることができる。最終のポリマー中の酸不安定性単位のモル%は、5〜95の範囲であることができ、そして最終のポリマー中の吸収性発色団のモル%は5〜95の範囲であることができる。酸不安定性基が吸収性発色団に、または発色団が酸不安定性基に結合しており、例えばモノマーは、CH=CHX−Ar−(CO)O−R(n=0−1)、CH=CHX−Ar−OC(O)O−R、(CH)=CHX−Ar−C(CFO−R、CH=CHX−Ar−C(CFO(CO)O−R、CH=CHX−Ar−C(CF(COOR)、CH=CHX−C(O)O−Ar−OC(O)−R、CH=CHX−CON(X)−Ar−O−Rであることができるか、または−(CO)O−R−Ar、−OC(O)O−R−Ar、−C(CFO−R−Ar、−C(CFO(CO)O−R−Ar、C(CF(COOR−Ar)を含むビニル化合物であることができ、ここでXはHまたはアルキルであり、Arは、置換されているかもしくは置換されていないフェニル、例えばフェニルまたはベンジル、置換されているかもしくは置換されていないアントラシル、例えばアントラシルメチル、置換されているかもしくは置換されていないフェナントリル、置換されているかもしくは置換されていないナフチル、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄もしくはこれらの組み合わせを含む置換されているかもしくは置換されていないヘテロ環式芳香族環、例えばピロリジニル、ピラニル、ピペリジニル、アクリジニル、キノリニルであり、そしてRは、アルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、オキソシクロヘキシル、環状ラクトン、ベンジル、置換されたベンジル、アルコキシアルキル、例えばエトキシエチルもしくはメトキシエトキシエチル、アセトキシエトキシエチル、テトラヒドロフラニル、メンチル、テトラヒドロピラニル、メバロノラクトンである。Rの例には、例えば、t−ブトキシカルボニルトリシクロ(5.3.2.0)デカニル、2−メチル−2−アダマントール、イソボルニル、ノルボルニル、アダマンチルオキシエトキシエチル、メンチル、第三ブチル、テトラヒドロピラニル、3−オキソシクロヘキシルなどが挙げられる。
【0036】
酸不安定性基及び吸収性発色団を含む単位の他に、該ポリマーは他の非吸収性モノマー性単位を含むことができ、このような単位は他の望ましい性質を供し得る。当業者には、関心のある露光波長においてどの非吸収性モノマー性単位が有用であり得るかは自明である。第三のモノマーの例には、−CR−CR−が挙げられ、ここでR〜Rは、独立して、H、(C−C10)アルキル、(C−C10)アルコキシ、ニトロ、ハライド、シアノ、アルキルアリール、アルケニル、ジシアノビニル、SOCF、COOZ、SOZ、COZ、OZ、NZ、SZ、SOZ、NHCOZ、SONZ(ZはHまたは(C−C10)アルキルである)、ヒドロキシ(C−C10)アルキル、(C−C10)アルキルOCOCHCOCHであるか、またはRとRとは、組み合わさって、環状基、例えば無水物、ピリジンまたはピロリドンを形成するか、またはR〜Rは、独立して、H、(C−C10)アルキル、(C−C10)アルコキシであり、そしてRは親水性基である。親水性基の例としては、限定はされないが、O(CHOH、O(CH20(CH)OH、(CHOH(n=0−4)、COO(C−C)アルキル、COOX及びSOX(式中、XはH、アンモニウム、アルキルアンモニウムである)が挙げられる。該ポリマーを形成するために使用できる他の親水性ビニルモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルアルコール、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド及びN−ビニルピロリジノンである。他のモノマーは、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート及びヒドロキシプロピルメタクリレートであることができる。酸不安定性基を含むモノマー性単位も使用でき、例えば酸不安定性基でキャップされた、ヒドロキシスチレン、ビニルアルコール、(メタ)アクリル酸などがある。酸不安定性基の例は、限定はされないが、少なくとも一つのβ水素を有する第二及び第三アルキル(炭素原子数20まで)、アセタール類及びケタール類、トリメチルシリル、及びβ−トリメチルシリルで置換されたアルキルである。酸不安定性基の代表的な例は、tert−ブチル、tert−ペンチル、イソボルニル、1−アルキルシクロヘキシル、1−アルキルシクロペンチル、シクロヘキシル、2−アルキル−2−アダマンチル、2−アルキル−2−ノルボルニルである。酸不安定性基の他の例は、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、置換されているかもしくは置換されていないメトキシカルボニル、β−トリアルキルシリルアルキル基(例えば、CH−CHSi(CH、CH(−CHSi(CH、CH−CH(Si(CH)、及びこれらの類似物である。
【0037】
該ポリマーに使用できる酸不安定性基を含むモノマーの例には、メチルアダマンタンのメタクリレートエステル、メバロノラクトンのメタクリレートエステル、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート、ベータ−ヒドロキシ−ガンマ−ブチロラクトンのメタクリレートエステル、t−ブチルノルボルニルカルボキシレート、t−ブチルメチルアダマンチルメタクリレート、メチルアダマンチルアクリレート、t−ブチルアクリレート及びt−ブチルメタクリレート; t−ブトキシカルボニルオキシビニルベンゼン、ベンジルオキシカルボニルオキシビニルベンゼン; エトキシエチルオキシビニルベンゼン; ビニルフェノールのトリメチルシリルエーテル、及びメチルメタクリレートの2−トリス(トリメチルシリル)シリルエチルエステルなどが挙げられる。
【0038】
吸収性発色団を含むモノマーには、トリフェニルフェノール、2−ヒドロキシフルオレン、9−アントラセンメタノール、2−メチルフェナントレン、2−ナフタレンエタノール、2−ナフチル−ベータ−d−ガラクトピラノシドヒドリド、ヒドロキシスチレン、スチレン、アセトキシスチレン、ベンジルメタクリレート、N−メチルマレイミド、ビニルベンゾエート、ビニル4−tert−ブチルベンゾエート、エチレングリコールフェニルエーテルアクリレート、フェノキシプロピルアクリレート、マレイン酸のベンジルメバロノラクトン、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、9−アントラセニルメチルメタクリレート、9−ビニルアントラセン、2−ビニルナフタレン、N−ビニルフタルイミド、N−(3−ヒドロキシ)フェニルメタクリルアミド、N−(3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシカルボニルフェニルアゾ)フェニルメタクリルアミド、N−(3−ヒドロキシ−4−エトキシカルボニルフェニルアゾ)フェニルメタクリルアミド、N−(2,4−ジニトロフェニルアミノフェニル)マレイミド、3−(4−アセトアミノフェニル)アゾ−4−ヒドロキシスチレン、3−(4−エトキシカルボニルフェニル)アゾ−アセトアセトキシエチルメタクリレート、3−(4−ヒドロキシフェニル)アゾ−アセトアセトキシエチルメタクリレート、3−(4−スルホフェニル)アゾアセトアセトキシエチルメタクリレートのテトラヒドロアンモニウムスルフェート塩などが挙げられる。関心の露光波長においてどの発色団が有用かは当業者には自明である。
【0039】
酸不安定性単位を含むポリマーは、上に記載したような他の非吸収性モノマー性単位を含むこともできる。酸官能性基を含むポリマーの例には、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート、メバロノラクトンメタクリレート、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート、ベータ−ヒドロキシ−ガンマ−ブチロラクトンのメタクリレートエステル、t−ブチルノルボルニルカルボキシレート、t−ブチルメチルアダマンチルメタクリレート、メチルアダマンチルアクリレート、t−ブチルアクリレート及びt−ブチルメタクリレート; t−ブトキシカルボニルオキシビニルベンゼン、ベンジルオキシカルボニルオキシビニルベンゼン; エトキシエチルオキシビニルベンゼン; ビニルフェノールのトリメチルシリルエーテル、及びメチルメタクリレートの2−トリス(トリメチルシリル)シリルエチルエステルと、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルアルコール、無水マレイン酸、N−ビニルピロリジノン、マレイミド、N−メチルマレイミド、及びこれの類似物とのコポリマーなどが挙げられる。
【0040】
該ポジ型底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物に有用な他のポリマーは、(iii)ヒドロキシル及び/またはカルボキシル基を有する少なくとも一つの単位と、吸収性発色団を有する少なくとも一つの単位とを含むポリマーである。吸収性発色団の例は上に記載のものである。
【0041】
アルカリ可溶性及び架橋部位を供するためにヒドロキシル及び/またはカルボキシル基を有する少なくとも一つの単位を含むポリマーでは、このポリマーの一つの機能は良好な被膜品質を与えることであり、他の機能は、反射防止膜が像形成プロセスの間に溶解性を変化できるようにすることである。該ポリマー中のヒドロキシルまたはカルボキシル基は、溶解性の変化に必要な成分の一つを供する。重合に際してこのような単位を与えるモノマーの例は、限定はされないが、ヒドロキシル及び/またはカルボキシル基を含む置換されているかもしくは置換されていないビニルモノマー、例えばアクリル酸、メタクリル酸、ビニルアルコール、ヒドロキシスチレン類、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、4−ヒドロキシフェニルオキシメタクリレート、4−ヒドロキシフェニルオキシアクリレート、5−ヒドロキシナフチルオキシメタクリレート、5−ヒドロキシナフチルオキシアクリレート、または1,1’,2,2’,3,3’−ヘキサフルオロ−2−プロパノールを含むビニルモノマーであるが、ポリマーをアルカリ可溶性に及び好ましくは水不溶性にするものであれば任意のモノマーを使用できる。該ポリマーは、ヒドロキシ及び/またはカルボキシル基を含む複数種のモノマー単位の混合物を含んでもよい。1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール基を含むビニルモノマーは、構造(1)〜(6)によって表されるもの及びこれらの置換された等価物である。
【0042】
【化5】

【0043】
ポリマーは、ヒドロキシルもしくはカルボキシル基を含むモノマーを、吸収性発色団を含むモノマーと重合することによって合成することができる。当業者には、関心の露光波長においてどの発色団が有用かは自明である。またその代わりに、アルカリ可溶性ポリマーを、ヒドロキシもしくはカルボキシル基を供する化合物、及び吸収性発色団を供する化合物と反応させてもよい。最終のポリマーにおいて、ヒドロキシルもしくはカルボキシル基を含む一つもしくはそれ以上の単位のモル%は5〜95、好ましくは10〜90、より好ましくは20〜80の範囲であることができ、そして最終のポリマー中での吸収性発色団単位のモル%は5〜95、好ましくは10〜90、より好ましくは20〜80の範囲であることができる。ヒドロキシルもしくはカルボキシル基が吸収性発色団に結合していること、または発色団がヒドロキシルもしくはカルボキシル基に結合していること、すなわち両方の基が同じ単位中に存在することも本発明の範囲内である。一例として、上記の発色団基は、ヒドロキシル及び/またはカルボキシル側基を有することができるか、または発色団基並びにヒドロキシル基及び/またはカルボキシル基が同じ基に結合している。
【0044】
ヒドロキシル及び/またはカルボキシル基を含む単位及び吸収性発色団を含む単位の他に、該ポリマーは他のモノマー性単位を含んでいてもよく、このような単位は他の望ましい性質を提供することができ、これらの例は上述したものである。
【0045】
上述のポリマーの例には例えば次のものが挙げられる。
【0046】
【化6】

【0047】
【化7】

【0048】
米国特許出願公開第20030129531号明細書(特許文献8)及び米国特許出願公開第20050214674号明細書(特許文献9)を参照されたい。これらの文献の内容は本明細書に掲載されたものとする。
【0049】
ヒドロキシル及び/またはカルボキシル基を有するポリマーを使用する場合には、それと共に使用される有用な架橋剤は、次の一般構造式(7)で表すことができる、ビニルエーテルで停止された架橋剤である。
−(OCH=CH (7)
式中、Rは、(C−C30)線状、分枝状もしくは環状アルキル、置換されているかもしくは置換されていない(C−C40)アリール、または置換されているかもしくは置換されていない(C−C40)脂肪環式炭化水素から選択され; そしてn≧2である。末端ビニルエーテル基がポリマーのヒドロキシルもしくはカルボキシル基と反応して酸不安定性アセタール結合を与えるものと考えられる。このようなビニルエーテル停止型架橋剤の例には、ビス(4−ビニルオキシブチル)アジペート; ビス(4−ビニルオキシブチル)スクシネート; ビス(4−ビニルオキシブチル)イソフタレート; ビス(4−ビニルオキシメチルシクロヘキシルメチル)グルタレート; トリス(4−ビニルオキシブチル)トリメリテート; ビス(4−ビニルオキシメチルシクロヘキシルメチル)テレフタレート; ビス(4−ビニルオキシメチルシクロヘキシルメチル)イソフタレート; ビス(4−ビニルオキシブチル)(4−メチル−1,3−フェニレン)ビスカルバメート; ビス(4−ビニルオキシブチル)(メチレンジ−4,1−フェニレン)ビスカルバメート; 及びトリエチレングリコールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメンタノールジビニルエーテル、Vectomerの商号で入手できる様々なビニルエーテルモノマー、例えば4−(ビニルオキシ)ブチルベンゾエート、ビス[4−(ビニルオキシ)ブチル]アジペート、ビス[4−(ビニルオキシ)ブチル]スクシネート、4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメチルベンゾエート、ビス[4−(ビニルオキシ)ブチル]イソフタレート、ビス[4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメチル]グルタレート、トリス[4−(ビニルオキシ)ブチル]トリメリテート、4−(ビニルオキシ)ブチルステアレート、ビス[4−(ビニルオキシ)ブチル]ヘキサンジイルビスカルバメート、ビス[[4−[(ビニルオキシ)メチル]シクロヘキシル]メチル]テレフタレート、ビス[[4−[(ビニルオキシ)メチル]シクロヘキシル]メチル]イソフタレート、ビス[4−(ビニルオキシ)ブチル](メチレンジ−4,1−フェニレン)ビスカルバメート、ビス[4−(ビニルオキシ)ブチル](4−メチル−1,3−フェニレン)ビスカルバメート、及びビニルオキシ側基を有するポリマーなどが挙げられる。他のビニルエーテル停止型架橋剤は、T. Yamaoka、et al.、Trends in Photochem. Photobio.、7:45(2001)(非特許文献1); S. Moon、et al.、Chem. Mater.、6:1854(1994)(非特許文献2)またはH. Schacht、et al.、ACS Symp. Ser. 706:78(1998)(非特許文献3)に記載されており、これらもまた使用できる。なおこれらの非特許文献の内容は本明細書に掲載されたものとする。
【0050】
ビニルエーテル停止型架橋剤は、好ましくは、ポリマー上の反応性基あたり0.20〜2.00モル当量のビニルエーテル架橋性官能基を与える割合で反射防止膜に加えられ、好ましくは、反応性基当たり0.50〜1.50反応性当量である。
【0051】
上記ポリマーは、典型的には、ポジ型底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物に使用される。ネガ型底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物には、以下のポリマーが典型的に使用される。
【0052】
ネガ型底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物の場合には、ポリマーは、ポリマーを水性アルカリ性現像溶液中に可溶性にする少なくとも一つの単位を含むことができる。該ポリマーの一つの機能は良好な被膜品質を供することであり、他の機能は、露光から現像にかけて反射防止膜が溶解性を変化できるようにすることである。アルカリ可溶性を与えるモノマーの例は、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルアルコール、マレイミド、チオフェノン、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリジノンである。他の例は、次のもののビニル化合物、すなわち置換されているかもしくは置換されていないスルホフェニル及びそれのテトラ低級アルキルアンモニウム塩、置換されているかもしくは置換されていないヒドロキシカルボニルフェニル及びそれのテトラ低級アルキルアンモニウム塩、例えば3−(4−スルホフェニル)アゾアセトアセトキシエチルメタクリレート及びそれのテトラ低級アルキルアンモニウム塩、3−(4−ヒドロキシカルボニルフェニル)アゾアセトアセトキシエチルメタクリレート及びそれのテトラ低級アルキルアンモニウム塩、N−(3−ヒドロキシ−4−スルホフェニルアゾ)フェニルメタクリルアミド及びそれのテトラ低級アルキルアンモニウム塩、N−(3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシカルボニルフェニルアゾ)フェニルメタクリルアミド及びそれのテトラ低級アルキルアンモニウム塩のビニル化合物であり、ここで低級アルキルはH及びC−C基である。
【0053】
架橋させることができるモノマーの例は、ヒドロキシ官能基を有するモノマー、例えばヒドロキシエチルメタクリレートまたはS.C. Fu et al. Proc. SPIE、Vol 4345、(2001)p. b751(非特許文献4)に記載のもの、アセタール官能基を有するモノマー、例えば英国特許出願公開第2,354,763A号明細書(特許文献10)及び米国特許第6,322,948B1号明細書(特許文献11)に記載のもの、イミド官能基を有するモノマー、及びカルボン酸もしくは無水物官能基を有するモノマー、例えばNaito et al. Proc. SPIE、vol. 3333(1998)、p. 503(非特許文献5)に記載のものである。
【0054】
モノマーの例には、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルアルコール、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリジノン、3−(4−スルホフェニル)アゾアセトアセトキシエチルメタクリレート及びそれのテトラヒドロアンモニウム塩、3−(4−ヒドロキシカルボニルフェニル)アゾアセトアセトキシエチルメタクリレート及びそれのテトラヒドロアンモニウム塩、N−(3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシカルボニルフェニルアゾ)フェニルメタクリルアミド及びそれのテトラヒドロアンモニウム塩などが挙げられる。より好ましい基は、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルアルコール、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリジノン、または3−(4−スルホフェニル)アゾアセトアセトキシエチルメタクリレートのテトラヒドロアンモニウム塩である。これらのアルカリ可溶性モノマーは重合してホモポリマーとするか、または必要に応じて他のモノマーと重合することができる。他のモノマーは、アルカリ不溶性の染料などであることができる。
【0055】
ネガ型底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物に有用な一つのポリマーは、アルカリ可溶性の少なくとも一つの単位と、吸収性発色団を有する少なくとも一つの単位を含む。吸収性発色団の例は、一つから四つの孤立のまたは縮合した環を有する炭化水素芳香族要素及びヘテロ環式芳香族要素であり、この際、各々の環中には3〜10個の原子が存在する。酸不安定性基を含むモノマーと重合させることができる吸収性発色団を有するモノマーの例は、次のものを含むビニル化合物、すなわち置換されているかもしくは置換されていないフェニル、置換されているかもしくは置換されていないアントラシル、置換されているかもしくは置換されていないフェナントリル、置換されているかもしくは置換されていないナフチル、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄もしくはこれらの組み合わせを含む置換されているかもしくは置換されていないヘテロ環式環、例えばピロリジニル、ピラニル、ピペリジニル、アクリジニル、キノリニルを含むビニル化合物である。他の発色団は、米国特許第6,114,085号明細書(特許文献1)、米国特許第5,652,297号明細書(特許文献2)、米国特許第5,981,145号明細書(特許文献4)、米国特許第5,939,236号明細書(特許文献6)、米国特許第5,935,760号明細書(特許文献7)及び米国特許第6,187,506号明細書(特許文献5)に記載されている。これらもまた使用することができる。なおこれらの特許文献の内容は本明細書に掲載されたものとする。このような発色団の例には、次のもののビニル化合物、すなわち置換されているかもしくは置換されていないフェニル、置換されているかもしくは置換されていないアントラシル、及び置換されているかもしくは置換されていないナフチルのビニル化合物が挙げられ; このようなモノマーの例には、スチレン、ヒドロキシスチレン、アセトキシスチレン、ビニルベンゾエート、ビニル4−tert−ブチルベンゾエート、エチレングリコールフェニルエーテルアクリレート、フェノキシプロピルアクリレート、2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、9−アントラセニルメチルメタクリレート、9−ビニルアントラセン、2−ビニルナフタレン、N−ビニルフタルイミド、N−(3−ヒドロキシ)フェニルメタクリルアミド、N−(3−ヒドロキシ−4−ニトロフェニルアゾ)フェニルメタクリルアミド、N−(3−ヒドロキシ−4−エトキシカルボニルフェニルアゾ)フェニルメタクリルアミド、N−(2,4−ジニトロフェニルアミノフェニル)マレイミド、3−(4−アセトアミノフェニル)アゾ−4−ヒドロキシスチレン、3−(4−エトキシカルボニルフェニル)アゾ−アセトアセトキシエチルメタクリレート、3−(4−ヒドロキシフェニル)アゾ−アセトアセトキシエチルメタクリレート、3−(4−ニトロフェニル)アゾアセトアセトキシエチルメタクリレート、3−(4−メトキシカルボニルフェニル)アゾアセトアセトキシエチルメタクリレートなどが挙げられる。
【0056】
アルカリ可溶性基及び吸収性発色団を含む単位の他、該ポリマーは他の非吸収性アルカリ不溶性モノマー性単位を含んでもよく、このような単位は他の望ましい性質を与え得る。第三のモノマーの例は−CR−CR−であり、ここでR〜Rは、独立して、H、(C−C10)アルキル、(C−C10)アルコキシ、ニトロ、ハライド、シアノ、アルキルアリール、アルケニル、ジシアノビニル、SOCF、COOZ、SOZ、COZ、OZ、NZ、SZ、SOZ、NHCOZ、SONZであり、ここでZは(C−C10)アルキル、ヒドロキシ(C−C10)アルキル、(C−C10)アルキルOCOCHCOCHであるか、またはRとRとは組み合わさって環状の基、例えば無水物、ピリジンまたはピロリドンを形成する。
【0057】
ポリマーは、アルカリ可溶性基を含むモノマーを、吸収性発色団を含むモノマーと重合させることによって合成できる。またその代わりに、アルカリ可溶性ポリマーを、吸収性発色団を供する化合物と反応させてもよい。最終のポリマー中のアルカリ可溶性単位のモル%は5〜95、好ましくは30〜70、より好ましくは40〜60の範囲であることができ、そして最終のポリマー中の吸収性発色団単位のモル%は5〜95、好ましくは30〜70、より好ましくは40〜60の範囲であることができる。アルカリ可溶性基が吸収性発色団に結合しても、その逆も可能であり、例えば、次のもののビニル化合物、すなわち置換されているかもしくは置換されていないスルホフェニル及びそれのテトラ低級アルキルアンモニウム塩、置換されているかもしくは置換されていないヒドロキシカルボニルフェニル及びそれのテトラ低級アルキルアンモニウム塩、例えば3−(4−スルホフェニル)アゾアセトアセトキシエチルメタクリレート及びそれのテトラ低級アルキルアンモニウム塩、3−(4−ヒドロキシカルボニルフェニル)アゾアセトアセトキシエチルメタクリレート及びそれのテトラ低級アルキルアンモニウム塩、N−(3−ヒドロキシ−4−スルホフェニルアゾ)フェニルメタクリルアミド及びそれのテトラ低級アルキルアンモニウム塩、N−(3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシカルボニルフェニルアゾ)フェニルメタクリルアミド及びそれのテトラ低級アルキルアンモニウム塩のビニル化合物であり、ここで低級アルキルはH及びC−C基である。
【0058】
アルカリ可溶性基と吸収性発色団の両方を含むポリマーの例には、N−メチルマレイミド、N−アルキノールマレイミド、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルアルコール、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリジノン、3−(4−スルホフェニル)アゾアセトアセトキシエチルメタクリレート及びそれのテトラヒドロアンモニウム塩、3−(4−ヒドロキシカルボニルフェニル)アゾアセトアセトキシエチルメタクリレート及びそれのテトラヒドロアンモニウム塩、N−(3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシカルボニルフェニルアゾ)フェニルメタクリルアミド及びそれのテトラヒドロアンモニウム塩のうちの少なくとも一つと、スチレン、ヒドロキシスチレン、アセトキシスチレン、ビニルベンゾエート、ビニル4−tert−ブチルベンゾエート、エチレングリコールフェニルエーテルアクリレート、フェノキシプロピルアクリレート、2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、9−アントセニルメチルメタクリレート、9−ビニルアントラセン、2−ビニルナフタレン、N−ビニルフタルイミド、N−(3−ヒドロキシ)フェニルメタクリルアミド、N−(3−ヒドロキシ−4−ニトロフェニルアゾ)フェニルメタクリルアミド、N−(3−ヒドロキシ−4−エトキシカルボニルフェニルアゾ)フェニルメタクリルアミド、N−(2,4−ジニトロフェニルアミノフェニル)マレイミド、3−(4−アセトアミノフェニル)アゾ−4−ヒドロキシスチレン、3−(4−エトキシカルボニルフェニル)アゾ−アセトアセトキシエチルメタクリレート、3−(4−ヒドロキシフェニル)アゾ−アセトアセトキシエチルメタクリレート、3−(4−ニトロフェニル)アゾアセトアセトキシエチルメタクリレート、3−(4−メトキシカルボニルフェニル)アゾアセトアセトキシエチルメタクリレートのうちの少なくとも一つのとのコポリマーが挙げられる。
【0059】
該ネガ型底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物に有用な他のポリマーは、ポリマーを水性アルカリ性現像溶液中に可溶性にする少なくとも一つの単位を有するポリマー、染料、架橋剤及び光酸発生剤である。該反射防止膜に必要な吸収性は、ポリマー中の単位によってではなく、露光波長において吸収を示す添加剤の配合によって与えられる。染料はポリマー中に組み入れるかまたは組成物中に添加剤として入れることができる。この染料は、モノマー性、ポリマー性またはこれらの混合物であることができる。このような染料の例は、置換されているかもしくは置換されていないフェニル、置換されているかもしくは置換されていないアントラシル、置換されているかもしくは置換されていないフェナントリル、置換されているかもしくは置換されていないナフチル、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素、硫黄もしくはこれらの組み合わせを含む置換されているかもしくは置換されていないヘテロ環式環、例えばピロリジニル、ピラニル、ピペリジニル、アクリジニル、キノリニルである。使用し得る吸収性ポリマー性染料は、上記の吸収性要素のポリマーであり、ここでそのポリマー主鎖は、ポリエステル、ポリイミド、ポリスルホン及びポリカーボネートであることができる。これらの染料のうちの一部は、ヒドロキシスチレン及びメチルメタクリレートのコポリマー、例えば米国特許第6,114,085号明細書(特許文献1)に記載のもの、及びアゾポリマー性染料、例えば米国特許第5,652,297号明細書(特許文献2)、米国特許第5,763,135号明細書(特許文献3)、米国特許第5,981,145号明細書(特許文献4)、米国特許第5,939,236号明細書(特許文献6)、米国特許第5,935,760号明細書(特許文献7)、及び米国特許第6,187,506号明細書(特許文献5)に記載のものである。これらの特許文献の内容は本明細書に掲載されたものとする。
【0060】
ホモポリマーもしくはコポリマーのモノマーの例は、トリフェニルフェノール、2−ヒドロキシフルオレン、9−アントラセンメタノール、2−メチルフェナントレン、2−ナフタレンエタノール、2−ナフチル−ベータ−d−ガラクトピラノシドヒドリド、マレイン酸のベンジルメバロノラクトンエステル、3−(4−スルホフェニル)アゾアセトアセトキシエチルメタクリレート及びそれのテトラヒドロアンモニウム塩、3−(4−ヒドロキシカルボニルフェニル)アゾアセトアセトキシエチルメタクリレート及びそれのテトラヒドロアンモニウム塩、N−(3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシカルボニルフェニルアゾ)フェニルメタクリルアミド及びそれのテトラヒドロアンモニウム塩、スチレン、ヒドロキシスチレン、アセトキシスチレン、ビニルベンゾエート、ビニル4−tert−ブチルベンゾエート、エチレングリコールフェニルエーテルアクリレート、フェノキシプロピルアクリレート、2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、9−アントラセニルメチルメタクリレート、9−ビニルアントラセン、2−ビニルナフタレン、N−ビニルフタルイミド、N−(3−ヒドロキシ)フェニルメタクリルアミド、N−(3−ヒドロキシ−4−ニトロフェニルアゾ)フェニルメタクリルアミド、N−(3−ヒドロキシ−4−エトキシカルボニルフェニルアゾ)フェニルメタクリルアミド、N−(2,4−ジニトロフェニルアミノフェニル)マレイミド、3−(4−アセトアミノフェニル)アゾ−4−ヒドロキシスチレン、3−(4−エトキシカルボニルフェニル)アゾ−アセトアセトキシエチルメタクリレート、3−(4−ヒドロキシフェニル)アゾ−アセトアセトキシエチルメタクリレート、3−(4−ニトロフェニル)アゾアセトアセトキシエチルメタクリレート、3−(4−メトキシカルボニルフェニル)アゾアセトアセトキシエチルメタクリレートである。
【0061】
このようなポリマーの例には、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルアルコール、無水マレイン酸、チオフェノン類、マレイン酸、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−ビニルピロリジノンまたはこれらの混合物と、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、スチレン、ヒドロキシスチレンまたはこれらの混合物とのコポリマーなどが挙げられる。
【0062】
該ネガ型底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物に有用な他のポリマーは、光によって分解された光活性化合物の存在下に極性または官能性が変化し、水性塩基中へのそれの可溶性が露光後に可溶性から不溶性へと変化するポリマーである。吸収性はポリマーに固有のものであるかまたは添加された染料によるものであることができる。ポリマーは、例えば、酸の存在下に官能性または極性を変化するモノマー、例えば酸の存在下にラクトン化するガンマヒドロキシカルボン酸を含むモノマー、例えばYokoyama et al. Proc. SPIE、Vol. 4345、(2001)、p. 58−66(非特許文献6)及びYokoyama et al. J. of Photopolymer Sci. and Techn. Volume 14、No. 3、p. 393(非特許文献7)に記載のものから合成される。このようなモノマーの他の例は、ピナコール官能基を含むモノマー、例えばS. Cho et al.、Proc SPIE、Vol. 3999、(2000)pps. 62−73(非特許文献8)に記載のものである。溶解性の変化は架橋機構によるものではない。
【0063】
ネガ型底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物に有用な上記のポリマーの例には次のものが挙げられる。
【0064】
アセトキシスチレン、ヒドロキシスチレン、スチレン、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、9−アントラセニルメチルメタクリレート、9−ビニルアントラセン、3−(4−メトキシカルボニルフェニル)アゾアセトアセトキシエチルメタクリレート、3−(4−ヒドロキシカルボニルフェニル)アゾアセトアセトキシエチルメタクリレートまたはこれらの混合物のうちの少なくとも一つと、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−メチロールマレイミド、ビニルアルコール、アリルアルコール、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、チオフェン、ベータ−ヒドロキシ−ガンマ−ブチロラクトンのメタクリレートエステル、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート、メバロノラクトンのメタクリレートエステルまたはこれらの混合物のうちの少なくとも一つとのコポリマー; これは、更に、ヒドロキシスチレン、スチレン及びN−メチルマレイミドのポリマーによって例示され、ここで好ましくはマレイミドは30〜70モル%の範囲、スチレンは5〜50モル%の範囲、ヒドロキシスチレンは5〜50モル%の範囲であり、より好ましくはマレイミドは40〜60モル%の範囲、スチレンは10〜40モル%の範囲、そしてヒドロキシスチレンは10〜40モル%の範囲であり、更により好ましくはスチレン及びヒドロキシスチレンはそれぞれ20〜30モル%の範囲である;
マレイミド、N−メチルマレイミド、ビニルアルコール、アリルアルコール、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、チオフェン、ベータ−ヒドロキシ−ガンマ−ブチロラクトンのメタクリレートエステル、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートのうちの少なくとも一つと、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート、スチレン、ヒドロキシスチレン、及びメバロノラクトンのメタクリレートエステルのうちの少なくとも一つとのコポリマー;
アセトキシスチレン、ヒドロキシスチレン、スチレン、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、9−アントラセニルメチルメタクリレート、9−ビニルアントラセン、3−(4−メトキシカルボニルフェニル)アゾアセトアセトキシエチルメタクリレート、及び3−(4−ヒドロキシカルボニルフェニル)アゾアセトアセトキシエチルメタクリレートのうちの少なくとも一つのモノマーと、無水マレイン酸またはマレイミド及び5(2,3−ジヒドロキシ−2,3−ジメチル)ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−エンのうちの少なくとも一つのモノマーとのコポリマー;
アセトキシスチレン、ヒドロキシスチレン、スチレン、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、9−アントラセニルメチルメタクリレート、9−ビニルアントラセン、3−(4−メトキシカルボニルフェニル)アゾアセトアセトキシエチルメタクリレート、及び3−(4−ヒドロキシカルボニルフェニル)アゾアセトアセトキシエチルメタクリレートのうちの少なくとも一つのモノマーと、無水マレイン酸の少なくとも一つのモノマーとのコポリマーであって、水素化ほう素ナトリウムで処理してポリマー結合無水物をガンマヒドロキシ酸に還元したもの;
無水マレイン酸ノルボルネンの少なくとも一つのモノマーのコポリマーであって、水素化ほう素ナトリウムで処理してポリマー結合無水物をガンマヒドロキシラクトンに還元したもの;
マレイミドまたは無水マレイン酸、及び5(2,3−ジヒドロキシ−2,3−ジメチル)ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−エンの少なくとも一つのモノマーのコポリマー。
【0065】
上記ポリマーは、任意の既知の重合方法、例えば開環メタセシス法、遊離基重合法、縮合重合法を用いて、金属有機触媒を用いて、またはアニオン性もしくはカチオン性共重合技術を用いて合成することができる。該ポリマーは、溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法、懸濁重合法、または類似法を用いて合成することができる。本発明のポリマーは重合されて、約1,000〜約1,000,000、好ましくは約2,000〜約80,000、より好ましくは約4,000〜約50,000の重量平均分子量を有するポリマーを与える。重量平均分子量が1,000未満の場合には、良好な成膜性が反射防止膜に得られず、重量平均分子量があまりにも高いと、溶解性、貯蔵安定性などの性質が悪化する恐れがある。遊離基ポリマーの多分散性(Mw/Mn)(Mwは重量平均分子量であり、Mnは数平均分子量である)は1.5〜10.0の範囲であることができ、この際、ポリマーの分子量はゲル透過クロマトグラフィによって測定することができる。
【0066】
該ネガ型光結像性反射防止膜用コーティング組成物は架橋剤を含むこともできる。様々な架橋剤を本発明の組成物中に使用することができる。酸の存在下にポリマーを架橋し得る任意の適当な架橋剤を使用することができる。当技術分野で既知の架橋剤の任意のもの、例えば米国特許第5,886,102号明細書(特許文献12)及び米国特許第5,919,599号明細書(特許文献13)に記載のものなどを使用し得る。これらの特許文献の内容は本明細書に掲載されたものとする。このような架橋剤の例は、メラミン類、メチロール類、グリコールウリル類、ヒドロキシアルキルアミド類、エポキシ及びエポキシアミン樹脂、ブロックドイソシアネート類、及びジビニルモノマーである。メラミン類、例えばヘキサメトキシメチルメラミン及びヘキサブトキシメチルメラミン; グリコールウリル類、例えばテトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル及びテトラブトキシグリコールウリル; 及び芳香族メチロール類、例えば2,6ビスヒドロキシメチルp−クレゾールが好ましい。他の架橋剤は、第三ジオール、例えば2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、ピナコール、1−メチルシクロヘキサノール、テトラメチル−1,3−ベンゼンジメタノール、及びテトラメチル−1,4−ベンゼンジメタノール、及びポリフェノール類、例えばテトラメチル−1,3−ベンゼンジメタノールである。
【0067】
ネガ型底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物の例には次のものなどが挙げられる:
【0068】
[A] 1) アセトキシスチレン、ヒドロキシスチレン、スチレン、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、9−アントラセニルメチルメタクリレート、9−ビニルアントラセン、3−(4−メトキシカルボニルフェニル)アゾアセトアセトキシエチルメタクリレート、3−(4−ヒドロキシカルボニルフェニル)アゾアセトアセトキシエチルメタクリレートまたはこれらの混合物のうちの少なくとも一つと、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−メチロールマレイミド、ビニルアルコール、アリルアルコール、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、チオフェン、ベータ−ヒドロキシ−ガンマ−ブチロラクトンのメタクリレートエステル、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート、メバロノラクトンのメタクリレートエステル、またはこれらの混合物のうちの少なくとも一つとのコポリマー、2) 架橋剤、例えばテトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル及びヘキサアルコキシメチルメラミン、3) 本明細書に記載のような光酸発生剤、4) 場合により、アミン及び界面活性剤などの幾つかの添加剤、及び5)溶剤または複数種の溶剤の混合物、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、及び乳酸エチル;
【0069】
[B] 1) マレイミド、N−メチルマレイミド、ビニルアルコール、アリルアルコール、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、チオフェン、ベータ−ヒドロキシ−ガンマ−ブチロラクトンのメタクリレートエステル、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートのうちの少なくとも一つと、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート、スチレン、ヒドロキシスチレン、及びメバロノラクトンのメタクリレートエステルのうちの少なくとも一つとのコポリマー、2) 染料、例えばトリフェニルフェノール、9−アントラセンメタノール、マレイン酸のベンジルメバロノラクトン; またはベンジルメタクリレート、ヒドロキシスチレン、9−アントラセニルメチルメタクリレート及び3−アセトアミノフェニルアゾ−4−ヒドロキシスチレンとメチルメタクリレート及びヒドロキシエチルメタクリレートとのポリマー、3) 架橋剤、例えばテトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル及びヘキサアルコキシメチルメラミン、4) 本明細書に記載のような光酸発生剤、場合により4) アミン及び界面活性剤などの幾つかの添加剤、及び5) 溶剤または複数種の溶剤の混合物、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、及び乳酸エチル;
【0070】
[C] 1) アセトキシスチレン、ヒドロキシスチレン、スチレン、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、9−アントラセニルメチルメタクリレート、9−ビニルアントラセン、3−(4−メトキシカルボニルフェニル)アゾアセトアセトキシエチルメタクリレート、及び3−(4−ヒドロキシカルボニルフェニル)アゾアセトアセトキシエチルメタクリレートのうちの少なくとも一つのモノマーと、無水マレイン酸もしくはマレイミド及び5(2,3−ジヒドロキシ−2,3−ジメチル)ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−エンのうちの少なくとも一つのモノマーとのコポリマー、2) 本明細書に記載のような光酸発生剤、場合により4) アミン及び界面活性剤などの幾つかの添加剤、及び5) 溶剤または複数種の溶剤の混合物、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、及び乳酸エチル;
【0071】
[D] 1) アセトキシスチレン、ヒドロキシスチレン、スチレン、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、9−アントラセニルメチルメタクリレート、9−ビニルアントラセン、3−(4−メトキシカルボニルフェニル)アゾアセトアセトキシエチルメタクリレート、及び3−(4−ヒドロキシカルボニルフェニル)アゾアセトアセトキシエチルメタクリレートのうちの少なくとも一つと、無水マレイン酸の少なくとも一つのモノマーとのコポリマーであって、水素化ほう素ナトリウムで処理してポリマー結合無水物をガンマヒドロキシ酸に還元したもの、2) 本明細書に記載のような光酸発生剤、及び場合により、3 アミン及び界面活性剤などの幾つかの添加剤、及び4) 溶剤または複数種の溶剤の混合物、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、及び乳酸エチル:
【0072】
[E] 1) 無水マレイン酸ノルボルネンの少なくとも一つのモノマーのコポリマーであって、水素化ほう素ナトリウムで処理してポリマー結合無水物をガンマヒドロキシラクトンに還元したもの、2) 染料、例えばトリフェニルフェノール、9−アントラセンメタノール、マレイン酸のベンジルメバロノラクトンエステル、またはベンジルメタクリレート、ヒドロキシスチレン、9−アントラセニルメチルメタクリレート及び3−アセトアミノフェニルアゾ−4−ヒドロキシスチレンとメチルメタクリレート及びヒドロキシエチルメタクリレートとのポリマー、 3) 本明細書に記載のような光酸発生剤、場合により、4) アミンなどの幾つかの添加剤、及び5) 溶剤または複数種の溶剤の混合物、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、及び乳酸エチル;
【0073】
[F] 1) マレイミドもしくは無水マレイン酸及び5(2,3−ジヒドロキシ−2,3−ジメチル)ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−エンのうちの少なくとも一つのモノマーのコポリマー、2) 染料、例えばトリフェニルフェノール、9−アントラセンメタノール、マレイン酸のベンジルメバロノラクトンエステル、またはベンジルメタクリレート、ヒドロキシスチレン、9−アントラセニルメチルメタクリレート及び3−アセトアミノフェニルアゾ−4−ヒドロキシスチレンとメチルメタクリレート及びヒドロキシエチルメタクリレートとのポリマー、3) 本明細書に記載のような光酸発生剤、及び2,1,4−ジアゾナフトキノン類、場合により、4) アミンなどの幾つかの添加剤、及び5) 溶剤または複数種の溶剤の混合物、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、及び乳酸エチル。
【0074】
本発明の組成物は、更に、酸または熱酸発生剤を含んでいてもよい。架橋は、熱の存在下に、ヒドロキシ及び/またはカルボキシル基を含むポリマーと架橋剤との間で行うことができるが、通常は反応時間は長くなり得る。熱酸発生剤または酸は架橋反応を加速するために使用され、例えば短い反応時間が好ましい場合に望ましい。熱酸発生剤は加熱時に酸を放出する。任意の既知の酸または熱酸発生剤を使用でき、限定はされないが、2,4,4,6−テトラブロモシクロヘキサジエノン、ベンゾイントシレート、スクアリン酸、2−ニトロベンジルトシレート、クロロ酢酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ノナフレート酸、トリフルオロメタンスルホン酸、有機スルホン酸の他のアルキルエステル、これらの酸の塩などによって例示される。しかし、或る種の成分の場合には、高い酸性度を有する一部の酸及び熱酸発生剤によって生成された酸はアンダーカットを招き、望ましいフォトイメージングプロセスが起こることを妨げる恐れがあることが判明した。
【0075】
それで、中程度の酸性度、すなわち1.0を超えるpKa(酸解離定数の−Log10)を有する酸が、特にビニル停止型架橋剤との組み合わせにおいて、好ましいことが図らずしも判明した。5.0未満で1.0を超えるpKaを有する酸も好ましい。生ずるアセタール結合は、光で発生した酸の存在下に簡単に解裂可能である。中程度の酸性度を有する酸または熱酸発生剤から誘導された酸の非限定的な例は、マレイン酸(1.83のpKa)、クロロ酢酸(1.4のpKa)、ジクロロ酢酸(1.48のpKa)、シュウ酸(1.3のpKa)、ケイ皮酸(4.45のpKa)、酒石酸(4.3のpKa)、グリコール酸(3.8のpKa)、フマル酸(4.45のpKa)、マロン酸(2.8のpKa)、シアノ酢酸(2.7のpKa)などである。
【0076】
塩基でブロックされて熱酸発生剤を生成する酸が好ましい。上述したものなどの酸をアミンなどの塩基でブロックすることができる。典型的な塩基は、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリドデシルアミンなどである。追加的に、弱酸、例えばカルボン酸もしくはアリールカルボン酸のアニオンとのジアリールもしくはトリアルキルスルホニウム塩を使用し得る。塩基によってブロックされる酸は酸を塩基と組み合わせることによって生成することができ、この際、酸:塩基比は約1:1〜約1:3の範囲である。所望のpKaを有する酸及びそれらの塩の更に別の例は、当業者ならば入手できる文献を調べることによって、例えばCRC Handbook of Chemistry and Physics、CRC Press Inc(非特許文献9)に見出すことができる。この非特許文献の内容は本明細書に掲載されたものとする。一部の態様では、熱酸(thermal acid)は、酸を生成した後に被膜中に永続的に残らず、それ故、逆の反応を促進せずに、フィルムから除去されるようなものであることも望ましくあり得る。架橋が起こった後は、熱によって酸が分解もしくは揮発され、そして分解生成物がフィルムから焼き出されるか、または酸が被膜から昇華し得ると考えられる。それで、硬化後は遊離の酸はフィルム中には残らないかまたは非常に僅かな遊離の酸だけが残り、そしてアセタール結合の分解を起こす逆反応は起こらない。酸を生成することができ、次いでフォトレジストのコーティングの前に除去される熱酸発生剤が、幾つかの場合に好ましい。フィルム中に残る弱酸も機能的であり得、これらはアセタール結合の分解を大きく阻害しないだろう。使用されるアミン類は典型的には揮発性のものであり、それの使用は大きな利点を供する。というのも、このアミンは、反射防止組成物被膜層の熱硬化の間にその層から除去(揮発)することができるからである。
【0077】
熱酸発生剤の興味深い一つの部類は、ジカルボン酸の単官能化アンモニウム塩に基づく。これらのジカルボン酸の単官能性アンモニウム塩は、より低い温度で分解することが判明した。それらの低い分解温度の故に(それらの一部は約115℃(TGA開始温度に基づく)ほども低い)、これらの酸は、例えば、現像可能な底面反射防止膜、例えばヒドロキシ要素及びビニルオキシ化合物を含む現像可能な底面反射防止膜中に可逆的に架橋されたネットワークを形成するのに有用である。これらの酸は、冷却時に架橋反応の逆転がより少なく、浸食に強いより強く架橋された現像可能な底面反射防止膜フィルムを与えるという点で有益である。また、低い分解温度により、これは残留熱酸発生剤をより低い温度で反射防止膜から除去することを可能とし、これは、反射防止膜用コーティング組成物のベーク温度を下げ得ることを意味する。
【0078】
酸、または熱酸発生剤から誘導される酸は、好ましくは、約115℃〜約220℃の範囲、更には120℃〜約200℃の範囲の温度で反射防止膜から除去される(分解する)。
【0079】
ジカルボン酸の単官能化アンモニウム塩は次の一般的式を有する。
【0080】
【化8】

【0081】
式中、Yは、直接結合または接続基から選択され、そしてAは、置換されていないかもしくは置換されたアミン化合物である。
【0082】
接続基Yは、一つもしくはそれ以上のヘテロ原子(例えばO、S、SO、SO、−C(=O)−、−C(=O)O−、−O−C(=O)−O−、−OC(=O)−)を場合により含む置換されていないかもしくは置換されたC−Cアルキレン鎖、置換されていないかもしくは置換されたC−Cシクロアルキレン、置換されていないかもしくは置換されたC−Cアルケニレン、及び置換されていないかもしくは置換されたC−C12アリーレンから選択することができる。更に、これは、一つもしくはそれ以上のヘテロ原子を場合により含む置換されていないかもしくは置換されたC−Cアルキレン鎖、また更には、一つもしくはそれ以上のO原子を場合により含む置換されていないかもしくは置換されたC−Cアルキレン鎖、また更には、置換されていないかもしくは置換されたC−Cアルキレン鎖(例えば、置換されていないかもしくは置換されたメチレン; 置換されていないかもしくは置換されたエチレン; または置換されていないかもしくは置換されたプロピレン)、置換されていないかもしくは置換されたC−Cアルキレン鎖、更には、ヒドロキシ及び/またはアルキルで置換されたC−Cアルキレン鎖であることができる。
【0083】
上記アミン化合物は、式(I)の化合物を含む組成物がベークされる温度においてそれが揮発するように選択することができる。アミン化合物の例には、次のものからなる群から選択される化合物などが挙げられる。
【0084】
【化9】

【0085】
式中、R20、R22、R24、及びR26は、それぞれ独立して、水素、置換されていないかもしくは置換されたアルキル、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキル、置換されていないかもしくは置換された単環式もしくは多環式アリール、及び置換されていないかもしくは置換されたアラルキルから選択され; そしてR28は、置換されていないかもしくは置換されたC−Cアルキレンから選択されるか、R28は、それが結合している原子と一緒に、置換されていないかもしくは置換されたC−C12単環式もしくは多環式アリールを形成する。更なる例には、アンモニア、置換されていないかもしくは置換されたトリアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたジアルキルアミン類、及び置換されていないかもしくは置換されたモノアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたトリシクロアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたジシクロアルキルアミン類、及び置換されていないかもしくは置換されたモノシクロアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたモノシクロアルキルジアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたジシクロアルキルモノアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたモノアリールジアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたジアリールモノアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたトリアリールアミン類、置換されていないかもしくは置換されたジアリールアミン類、及び置換されていないかもしくは置換されたモノアリールアミン類、置換されていないかもしくは置換されたトリアラルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたジアラルキルアミン類、及び置換されていないかもしくは置換されたモノアラルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたモノアラルキルジアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたジアラルキルモノアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたモノアリールモノアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたモノアラルキルモノアルキルアミン類、置換されていないかもしくは置換されたモノシクロアルキルモノアルキルアミン類、及び置換されていないかもしくは置換されたモノアリールモノシクロアルキルアミン類、及びこれらの類似物などが挙げられる。更なる例には、トリメチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、ジメチルブチルアミン、メチルジエチルアミン、メチルジプロピルアミン、メチルジブチルアミン、メチルエチルプロピルアミン、メチルエチルブチルアミン、メチルプロピルブチルアミン、トリエチルアミン、エチルジプロピルアミン、エチルジブチルアミン、ジエチルプロピルアミン、ジエチルブチルアミン、エチルプロピルブチルアミン、トリプロピルアミン、ジプロピルブチルアミン、プロピルジブチルアミン、トリブチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、シクロヘキシルアミン、及びこれらの類似物などが挙げられる。
【0086】
本明細書において、アルキルとは、メチル、エチル、プロピル(n−プロピル、i−プロピル)、ブチル(n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル)、ペンチル(及びそれの異性体)、ヘキシル(及びそれの異性体)、ヘプチル(及びそれの異性体)、オクチル(及びそれの異性体)、及びこれらの類似物などを意味する。シクロアルキルには、シクロヘキシル、メンチル及びこれの類似物などが挙げられる。アルケニルには、アリル、ビニル及びこれらの類似物などが挙げられる。アリール基には、単環式もしくは多環式の環、例えばフェニル、ナフチル及びこれらの類似物などが挙げられる。アラルキル基には、フェニルメチル(すなわちベンジル)、フェニルエチル(すなわち、フェネチル)及びこれらの類似物などが挙げられる。アルキレン、シクロアルキレン、及びアリーレンは、アルキル、シクロアルキルまたはアリールから更にもう一つの水素原子が取り除かれたことを除き、アルキル、シクロアルキル、及びアリールについて上述したものと同じ意味を有する(例えば、エチレン、プロピレン、シクロヘキシレン、フェニレンなど)。
【0087】
本発明者らは、ジカルボン酸を過剰のアミン、例えばトリエチルアミンと反応させると、単官能性塩のみを単離できることを見出した。これは、赤外分光分析、プロトンNMR及び元素分析によって確認された。IR分析は、全ての二官能性酸が、酸の形態(−COH)及びカルボキシレートの形態(−CO)の両方のカルボン酸要素に相当する二つのカルボニルピークを有したことを示す。これは、約1600〜1620cm−1に一つのピークだけを与える単官能性カルボン酸のアンモニウム塩のスペクトルに確認されるとものとは対照的である。同様に、元素分析は、二官能性酸1モル当たり2モルのトリエチルアミンを使用したにも拘わらず、酸当たりアンモニウム部分がただ一つということに一致する結果を与えた。
【0088】
熱分解に関して、これらの化合物は、TGA開始(onset)温度またはDSCに見られる不可逆的転移のいずれかによって判定さるように(表1)、約115〜約140℃の温度で分解し始める。グルタレート及びスクシネート塩は比較的高い開始温度を与えるが、他の塩と比べると、より低い温度で匹敵する重量を失う。これらの材料は同じような分解温度を経て遊離の酸を生成するが、これが起きた後は、生成した酸は異なる温度で分解するものと考えられる。例えば、マロン酸誘導体(約135℃で分解)及びリンゴ酸(約140℃で分解)は低い分解温度を有することが知られており、他方、シュウ酸(約190mp/分解)、グルタル酸(304℃bp/分解)、コハク酸(235℃bp/分解)は、かなりより高い分解温度を有する(Merck Index Tenth Edition、Martha Windholz Editor 1983(非特許文献10)からの酸分解温度)。
【0089】
【表1】

【0090】
酸、または熱酸発生剤から誘導される酸は、好ましくは、約115℃〜約220℃の範囲の温度、更には120℃〜約200℃の範囲の温度において被膜から除去される(分解する)。
【0091】
式(I)の化合物の例には次のものなどが挙げられる。
【0092】
【化10】

【0093】
該ポジ型またはネガ型底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物に使用される光酸発生剤は、フォトレジストに使用される溶剤中に実質上不溶性であるべきである(例えば、PGMEA中に3重量%以下の溶解性)。フォトレジストの溶剤中への光酸発生剤の不溶性は、光酸発生剤のカチオン及びアニオン部分の体積に関連し、そして更に、光酸発生剤の融点と関連づけて考察することができる。
【0094】
例えば、一価のカチオンが約243Å未満かもしくはそれに等しい体積を有する場合には、対応する一価アニオンの最大体積約196Å未満もしくはそれに等しい。幾つかの場合には、一価カチオンが約243Å未満かもしくはそれに等しい体積を有しそして対応する一価アニオンの最大体積が約196Å未満もしくはそれに等しい場合の光酸発生剤の融点は、約130℃を超える。
【0095】
加えて、一価のカチオンが、約440Å未満もしくはそれに等しい体積を有する場合には、対応する一価アニオンの最大体積は約83Å未満かもしくはそれに等しい。一価のカチオンが約440Å未満かもしくはそれに等しい体積を有しそして対応する一価アニオンの最大体積が約83Å未満かもしくはそれに等しい或る場合には、光酸発生剤の融点は約200℃を超える。
【0096】
他の場合には、一価のカチオンを二価のアニオンと対にすることができる。この場合に、二価のアニオンの大きさが約196Å未満かもしくはそれに等しい場合には、一価のカチオンは約440Å未満もしくはそれに等しい体積を有する。この場合、光酸発生剤の融点は約80℃を超える。
【0097】
更に別の例では、一価のカチオンを三価のアニオンと対にすることができる。この場合には、三価のアニオンの大きさが約220Å未満もしくはそれに等しい場合には、一価のカチオンは約440Å未満もしくはそれに等しい体積を有する。この場合、光酸発生剤の融点は約80℃を超える。
【0098】
他の場合には、二価のカチオンを一価のアニオンと対にすることができる。この場合、二価のカチオンの大きさが約450Å未満かもしくはそれに等しい場合には、一価のアニオンは約161Å未満もしくはそれに等しい体積を有することが見出された。この場合、光酸発生剤の融点は約130℃を超える。
【0099】
それ故、カチオン及びアニオンを有する光酸発生剤は以下から選択することができる:
カチオンが、約450立方オングストローム未満かもしくはそれに等しい体積を有する一価カチオンであり、アニオンが約84立方オングストローム未満かもしくはそれに等しい体積を有する一価アニオンであり、そして光酸発生剤が少なくとも200℃の融点を有する一例は、トリス(4−tert−ブチルフェニル)スルホニウムトリフレートである。
【0100】
カチオンが約245立方オングストローム未満かもしくはそれに等しい体積を有する一価カチオンであり、アニオンが約200立方オングストローム未満かもしくはそれに等しい体積を有する一価アニオンであり、そして光酸発生剤が少なくとも130℃の融点を有する例には、トリフェニルスルホニウムトリフレート、トリフェニルスルホニウムサイクラメート、及びトリフェニルスルホニウムカンフルスルホネートなどが挙げられる。
【0101】
カチオンが約450立方オングストローム未満もしくはそれに等しい体積を有する一価カチオンであり、アニオンが約205立方オングストローム未満かもしくはそれに等しい体積を有する二価アニオンであり、そして光酸発生剤が少なくとも80℃の融点を有する例には、ビス(トリフェニルスルホニウム)メタンジスルホネート、ビス−(トリフェニル)スルホニウム−1,3−プロパンジスルホネート、ビス(トリフェニルスルホニウム)パーフルオロブタンジスルホネート、ビス−トリス(4−tertブチルフェニル)スルホニウムメタンジスルホネート、ビス−トリス(4−tertブチルフェニル)スルホニウム−1,2−エタンジスルホネート、及びビス−トリス(4−tertブチルフェニル)スルホニウム1,3−プロパンジスルホネートなどが挙げられる。
【0102】
カチオンが約450立方オングストローム未満もしくはそれに等しい体積を有する一価カチオンであり、アニオンが約220立方オングストローム未満もしくはそれに等しい体積を有する三価アニオンであり、そして光酸発生剤が少なくとも80℃の融点を有する例には、トリスビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム−1,3,5−ベンゼントリスルホネート、及びトリストリス(4−tertブチルフェニル)スルホニウム−1,3,5−ベンゼントリスルホネートなどが挙げられる。
【0103】
カチオンが約450立方オングストローム未満かもしくはそれに等しい体積を有する二価のカチオンであり、アニオンが約165立方オングストローム未満かもしくはそれに等しい体積を有する一価アニオンであり、そして光酸発生剤が少なくとも130℃の融点を有する一例は、(チオジ−4,1−フェニレン)ビスジフェニルスルホニウムノナフレートである。
【0104】
上記の光酸発生剤の混合物も想定される。
【0105】
アニオン及びカチオンの体積は、Norgwyn Montgomery Software社の分子モデリングプロプラスバージョン6.1.6を用いて測定した。
【0106】
上述の通り、場合により、アニオンは多官能性であることができる。それで、光酸発生剤は以下の一般式を有することができる。
(X)−R−(SO(n+m)+
式中、Xは、SO、SO、CO、及びPO−2から選択されるアニオン性基であり、m及びnは、それぞれ1〜3の整数であり; Rは、線状もしくは分枝状アルキル、シクロアルキル、アリール、またはこれらの組み合わせから選択されるスペーサー基であり、これらは、場合により、カテナリー(catenary)O、SもしくはNを含み、前記アルキル、シクロアルキル及びアリール基は、置換されていないか、または水素、置換されていないかもしくは置換されたアルキル、置換されていないかもしくは置換されたC1−8パーフルオロアルキル、ヒドロキシル、シアノ、スルフェート、及びニトロからなる群から選択される一つもしくはそれ以上の基によって置換されており; そしてZはカチオンである。これらのタイプの光酸発生剤の更に別の例は、米国特許出願公開第20070015084号明細書(特許文献14)に記載されている。この特許文献の内容は本明細書に掲載されたものとする。他の例は、2006年2月16日に出願された米国特許出願第11/355,400号明細書(特許文献15)、及び米国特許出願公開第2004−0229155号明細書(特許文献16)、及び米国特許出願公開第2005−0271974号明細書(特許文献17)、米国特許第5,837,420号明細書(特許文献18)、米国特許第6,111,143号明細書(特許文献19)、及び米国特許第6,358,665号明細書(特許文献20)に記載されている。これらの特許文献の内容は本明細書に掲載されたものとする。
【0107】
このようなアニオンの例には、S−CH−SOS−CHCH−COS−(CF−SOS−CHCH−SOS−CHCHCH−SO、CH(SO
【0108】
【化11】

【0109】
などが挙げられる。
【0110】
カチオンZの例には、
【0111】
【化12】

【0112】
などが挙げられ、式中、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル、アリール、アルコキシ、アルコキシカルボニル、及びハロゲンから選択され、ここで前記のアルキル、アリール、アルコキシ及びアルコキシカルボニルは置換されていないかまたは置換されており、そしてR10及びR11は、それぞれ独立して、水素、アルキル、及びシクロアルキルから選択され、この際、前記のアルキル及びシクロアルキルは置換されていないかまたは置換されている。
【0113】
他の場合には、アニオンが小さなサイズであることができ、そしてカチオンも小さなサイズであるか及び/または形状が対称的である。このような光酸発生剤のための一般式の一つは次の通りである。
【0114】
−SO
式中、Rは、例えば、置換されていないかもしくは置換されたアルキル、置換されていないかもしくは置換されたモノシクロ−もしくはポリシクロアルキル、部分的にフッ素化されたアルキル、またはパーフルオロアルキルである。アニオンの例には、CH−SO、CHCH−SO、CF−SO、CFCH−SO
【0115】
【化13】

【0116】
が挙げられる。
【0117】
カチオンZの一般式は上に示した通りである。カチオンZの例には次のものなどが挙げられる。
【0118】
【化14】

【0119】
(X)−R−(SO(n+m)+及びR−SO光酸発生剤の両方の混合物もここでは考慮される。
【0120】
該反射防止膜用の溶剤は、これが反射防止膜の固形成分の全てを溶解でき、かつベーク段階の間に除去できて、生じる被膜がフォトレジストのコーティング溶剤中に溶けなくなるように、選択される。更に、反射防止膜の完全性(integrity)を維持するために、該反射防止膜のポリマー、並びに光酸発生剤は、フォトレジストの溶剤中に実質的に不溶性である。このような要求は、反射防止膜層とフォトレジスト層との相互混合を防止するかまたは最小に抑える。典型的には、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及び乳酸エチルが上面フォトレジストに好ましい溶剤である。底面反射防止膜用コーティング組成物に好適な溶剤の例は、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、2−ヘプタノン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ブチル、ガンマブチロアセテート、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、メチル3−メトキシプロピオネート、ピルビン酸エチル、2−メトキシブチルアセテート、2−メトキシエチルエーテルであるが、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングルコールモノメチルエーテルまたはこれらの混合物が好ましい。より低い毒性と良好なコーティング及び溶解性を有する溶剤が一般的に好まれる。
【0121】
典型的な反射防止膜用コーティング組成物は、該コーティング組成物の全重量を基準にして約15重量%までの量で固形分、好ましくは8重量%未満の量で固形分を含むことができる。固形分は、該反射防止膜用コーティング組成物の全固形物含有量を基準にして、0.01〜25重量%の光酸発生剤、50〜99重量%のポリマー、1〜50重量%の架橋剤、場合により及び0〜25重量%の酸または熱酸発生剤を含むことができる。好ましくは、光酸発生剤の濃度は約0.1〜約20重量%の範囲である。好ましくは、架橋剤は約5〜約40重量%、より好ましくは10〜35重量%の範囲である。固形成分は溶剤または複数種の溶剤の混合物中に溶解し、そして濾過して不純物を除去する。該反射防止膜用コーティング組成物は、場合により、界面活性剤、塩基クエンチャー(base quencher)、及び他の類似の材料を含むことができる。反射防止膜の成分は、製品の品質を向上させるために、イオン交換カラムに通したり、濾過、及び抽出プロセスなどの技術で処理することもできる。
【0122】
本発明の反射防止膜用コーティング組成物には被膜の性能を高めるために他の成分を加えてもよく、このような成分には、低級アルコール、染料、表面レベリング剤、粘着性促進剤、消泡剤などがある。これらの添加剤は30重量%までの濃度で存在することができる。性能が悪影響を受けないことを条件に、他のポリマー、例えばノボラック、ポリヒドロキシスチレン、ポリメチルメタクリレート、及びポリアクリレートを該組成物に加えてもよい。好ましくは、このポリマーの量は、組成物の全固形物の50重量%未満に、より好ましくは35重量%未満に、更により好ましくは20重量%未満に維持される。拡散を制限するために、非揮発性塩基を該組成物に加えてもよい。非揮発性塩基及び非揮発性光分解性塩基の両方とも既知の添加剤である。非揮発性塩基の例には、水酸化アンモニウム、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリオクチルアミン、n−オクチルアミン、及びトリメチルスルホニウムヒドロキシドなどが挙げられる。非揮発性光分解性塩基の例には、トリフェニルスルホニウムヒドロキシド、ビス(t−ブチルフェニル)ヨードニウムサイクラメート及びトリス(tert−ブチルフェニル)スルホニウムサイクラメートなどが挙げられる。該反射防止膜用コーティング組成物の他の成分は、貯蔵及び使用の際の組成物の安定性を高めるのに有益な揮発性アミンである。適当な揮発性アミン類は、反射防止膜用コーティング組成物に使用される溶剤と等しいかまたはそれ未満の沸点を有するものである。揮発性アミン類の例には、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジブチルアミン、ジエチルアミン、モノブチルアミン、モノエチルアミン、アニリン、置換されたアニリン類、及びこれらの類似物などが挙げられる。
【0123】
該新規組成物の吸収パラメータ(k)は、エリプソメトリーを用いて測定して、約0.1〜約1.0、好ましくは約0.15〜約0.7の範囲である。反射防止膜の屈折率(n)も最適化される。n及びk置は、エリプソメータ、例えばJ. A. Woollam WVASE VU−302 TMエリプソメータを用いて計算することができる。k及びnの最適な範囲の正確な値は、使用する露光波長及び用途の種類に依存する。193nmの場合には、典型的には、kの好ましい範囲は0.1〜0.75であり、248nmの場合は、kの好ましい範囲は0.15〜0.8であり、365nmの場合は、好ましい範囲は0.1〜0.8である。該反射防止膜の厚さは、上面フォトレジストの厚さよりも薄い。好ましくは、反射防止膜の膜厚は、(露光波長/屈折率)の値未満であり、より好ましくはこれは、(露光波長/2×屈折率)の値よりも小さく、ここで屈折率は反射防止膜の屈折率であり、そしてエリプソメータを用いて測定できる。反射防止膜の最適な膜厚は、露光波長、反射防止膜及びフォトレジストの屈折率、上面及び底面被膜の吸収特性、及び基材の光学特性によって決定される。底面反射防止膜は、露光及び現像段階によって除去しなければならないので、最適な膜厚は、光の吸収が反射防止膜に存在しないところである光学ノードを避けることによって決定される。193nmの場合には、55nm未満の膜厚が好ましく、248nmの場合には80nm未満の膜厚が好ましく、365nmの場合には110nm未満の膜厚が好ましい。
【0124】
該反射防止膜用コーティング組成物は、当業者には周知の技術、例えばディップコート法、スピンコート法またはスプレーコート法を用いて基材にコーティングされる。当技術分野において既知の様々な基材を使用でき、例えば平坦な基材、起伏(トポグラフィ)を有する基材または穴を有する基材などがある。半導体基材の例は、結晶性及び多結晶性ケイ素、二酸化ケイ素、ケイ素(オキシ)窒化物、アルミニウム、アルミニウム/ケイ素合金、及びタングステンである。或る場合には、エッジビーズと称される基材の縁のところでのフォトレジストフィルムの盛り上がりが生じ得る。このエッジビーズは、当技術分野の通常の知識を有するものにとって周知の技術を用いて溶剤または複数種の溶剤の混合物で除去することができる。この被覆は次いで硬化される。好ましい温度範囲は、ホットプレートもしくは等価の加熱装置を用いて約30〜120秒間の間、約40℃〜約240℃、より好ましくは45〜90秒間の間、約100℃〜約200℃である。該反射防止膜の膜厚は約20nm〜約300nmの範囲である。最適な膜厚は、当技術分野で周知なように、良好なリソグラフィ性が得られるところ、特にフォトレジストに定在波が観察されないところに決定される。硬化された反射防止膜も、この段階において、アルカリ現像性溶液中に不溶性である。次いで、フォトレジストを反射防止膜の上にコーティングすることができる。
【0125】
フォトレジスト及び反射防止膜中の光活性化合物がフォトレジストの像形成プロセスに使用される同じ露光波長に吸収を示すことを条件に、水性アルカリ性溶液を用いて現像されるポジ型フォトレジストが本発明に有用である。ポジ型フォトレジスト組成物は放射線で像様露光され、放射線に曝された領域のフォトレジスト組成物が現像剤溶液に溶けやすくなり(例えば、転移反応が起こる)、他方、未露光の領域は現像剤溶液に対し比較的不溶性のまま残る。それ故、露光されたポジ型フォトレジストを現像剤で処理すると被膜の露光された領域が除去され、フォトレジスト膜にポジ像が形成される。フォトレジスト解像度とは、レジスト組成物が、露光及び現像の後に、高いレベルの鋭い像縁をもってフォトマスクから基材へと転写できる最小の図形と定義される。現在の多くの製造用途では、1ミクロン未満のオーダーのレジスト解像度が必要である。加えて、現像されたフォトレジスト壁の側面が基材に対してほぼ垂直であることも大概の場合に望まれる。レジスト被膜の現像された領域と現像されていない領域との間のこのような明確な境界画定が、基材へのマスク像の正確なパターン転写につながるのである。微細化に向かう動向がデバイス上での微小寸法(critical dimensions)を小さくしているので、このことはより一層重要な事柄となっている。
【0126】
ノボラック樹脂と、光活性化合物としてのキノンジアジド化合物とを含むポジ型フォトレジストは、当技術分野において周知である。ノボラック樹脂は、典型的には、酸触媒の存在下に、例えばシュウ酸の存在下に、ホルムアルデヒド及び一種もしくはそれ以上のポリ置換フェノール類を縮合することによって製造される。光活性化合物は、一般的に、ポリヒドロキシフェノール化合物をナフトキノンジアジド酸またはそれらの誘導体とを反応させることによって得られる。これらの種のレジストの感度は典型的には約300nm〜440nmの範囲である。
【0127】
フォトレジスト及び反射防止膜中の光活性化合物がフォトレジストの像形成プロセスに使用される同じ露光波長において吸収を示すことを条件に、水性アルカリ性溶液で現像されるネガ型フォトレジストが本発明にとって有用である。ネガ型フォトレジスト組成物は放射線で像様露光され、放射線に曝された領域のフォトレジスト組成物が現像剤溶液中に溶けにくくなり(例えば架橋反応が起こる)、他方、未露光の領域は現像剤溶液中に可溶性のまま残る。それ故、露光されたネガ型フォトレジストを現像剤で処理すると、被膜の未露光の領域が除去され、そしてフォトレジスト被膜にネガ像が形成される。フォトレジスト解像度とは、フォトレジスト組成物が、露光及び現像の後に、高いレベルの鋭い像縁をもってフォトマスクから基材へと転写できる最小の図形と定義される。現在の多くの製造用途では、1ミクロン未満のオーダーのフォトレジスト解像度が必要である。加えて、現像されたフォトレジスト壁の側面が基材に対してほぼ垂直であることが大概の場合に望まれる。レジスト被膜の現像された領域と現像されていない領域との間のこのような明確が境界画定が、基材へのマスク像の正確なパターン転写に繋がるのである。このことは、微細化に向かう動向がデバイス上での微小寸法を小さくしているのでより一層重要な事柄となっている。
【0128】
ノボラック樹脂またはポリヒドロキシスチレン、架橋剤、及び光活性化合物としてのキノン−ジアジド化合物を含むネガ型フォトレジストは当技術分野で周知である。ノボラック樹脂は、典型的には、酸触媒、例えばシュウ酸の存在下に、ホルムアルデヒド、及び一種またはそれ以上のポリ置換フェノール類を縮合させることによって製造される。光活性化合物は、一般的に、ポリヒドロキシフェノール化合物とナフトキノンジアジド酸またはそれらの誘導体とを反応させることによって得られる。米国特許第5,928,837号明細書(特許文献21)に記載のように、オキシムスルホネートも、ネガ型フォトレジスト用の光酸発生剤として開示されている。なお、この特許文献の内容は本明細書に掲載されたものとする。これらの種のレジストの感度は、典型的には、約300nm〜440nmの範囲である。
【0129】
約180nm〜約300nmの範囲の短波長に感度を示すフォトレジストも使用できる。このようなフォトレジストの例は、次の特許文献、すなわち米国特許第4,491,628号明細書(特許文献22)、米国特許第5,350,660号明細書(特許文献23)、米国特許第5,069,997号明細書(特許文献24)、欧州特許出願公開第794458号明細書(特許文献25)、及び英国特許出願公開第2320718号明細書(特許文献26)に記載されている。これらの特許文献の内容は本明細書に掲載されたものとする。248nm用のフォトレジストは、通常、ポリヒドロキシスチレンまたは置換されたポリヒドロキシスチレン誘導体、光活性化合物、場合により及び溶解防止剤を含む。193nm及び157nm露光用に特に好ましいものは、非芳香族系ポリマー、光酸発生剤、場合により溶解防止剤、及び溶剤を含むフォトレジストである。当技術分野で既知の193nmに感度を示すフォトレジストは、次の文献、すなわち国際公開第97/33198号パンフレット(特許文献27)、米国特許第5,585,219号明細書(特許文献28)、Proc. SPIE、vols. 3333(1998)(非特許文献11)、3678(1999)(非特許文献12)、3999(2000)(非特許文献13)、4345(2001)(非特許文献14)に記載されている。これらの文献の内容は本明細書に掲載されたものとする。193nm及び157nm露光用に特に好ましいものは、非芳香族系ポリマー、光酸発生剤、場合により溶解防止剤、及び溶剤を含むフォトレジストである。当技術分野で既知の193nmで感度を示すフォトレジストは、次の文献、すなわちProc. SPIE、vols. 3999(2000)(非特許文献15)、 4345(2001)(非特許文献16)に記載されている。これらの文献の内容は本明細書に掲載されたものとする。しかし、193nmに感度を示す任意のフォトレジストを、当該反射防止膜組成物の上に使用することができる。
【0130】
ネガ型フォトレジストの一例は、アルカリ可溶性フッ素化ポリマー、光活性化合物、及び架橋剤を含む。前記ポリマーは、以下の構造1の少なくとも一つの単位を有する。
【0131】
【化15】

【0132】
[式中、Rf及びRfは、独立して、完全にフッ素化されたもしくは部分的にフッ素化されたアルキル基であり、そしてnは1〜8である。該ネガ型フォトレジスト組成物は、ポリ[5−(2−トリフルオロメチル−1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピル)−2−ノルボルネン]、テトラメトキシグリコールウリル、トリフェニルスルホニウムトリフレート、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含む。
【0133】
ポジ型の系では、次いで、フォトレジストのフィルムを、硬化した反射防止膜の上にコートし、そしてベークしてフォトレジスト溶剤を実質的に除去する。このフォトレジスト及び反射防止膜のバイレベル層は、次いで、化学線を用いて像様露光する。次の加熱段階において、前記露光段階で発生した酸が反応して、反射防止膜用コーティング組成物のポリマーを解架橋し、そうして反射防止膜の露光された領域を現像溶液中にアルカリ可溶性にする。露光後ベーク段階のための温度は、ホットプレートまたは等価な加熱システムにおいて30〜200秒間の間、40℃〜200℃の範囲、好ましくは40〜90秒間の間、80℃〜160℃の範囲であることができる。場合により、或る種のケミストリー、例えば一部のアセタール酸不安定性結合の場合には、解保護は室温で進行するので、露光後ベークを避けることができる。反射防止膜の露光された領域中のポリマーは今や水性アルカリ性溶液中に可溶性である。このバイレベル系は次いで水性アルカリ性現像剤で現像して、フォトレジスト及び反射防止膜を除去する。現像剤は、好ましくは水性アルカリ性溶液、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを含む水性アルカリ性溶液である。現像剤は、更に添加剤、例えば界面活性剤、ポリマー、イソプロパノール、エタノールなどを含んでいてもよい。フォトレジスト膜及び反射防止膜をコート及び像形成する方法は当業者には周知であり、使用したフォトレジストと反射防止膜との特定の組み合わせのタイプに合わせて最適化される。像が形成されたバイレベル系は、次いで、集積回路の製造方法によって要求される通りに加工でき、例えば金属堆積及びエッチングをすることができる。
【0134】
ネガ型の系では、次いでフォトレジストのフィルムを反射防止膜の上にコートしそしてベークしてフォトレジスト溶剤を実質的に除去する。フォトレジストと反射防止膜のこのバイレベル系を次いで像様露光する。次の加熱段階において、露光中に発生した酸が反応してポリマーを架橋し、そうしてこれを現像溶液中にアルカリ不溶性にする。未露光の領域では、フォトレジスト及び反射防止膜は現像溶液中に可溶性である。加熱段階は、110℃〜170℃、好ましくは120℃〜150℃の範囲の温度であることができる。次いでこのバイレベル系を水性現像剤中で現像して未露光のフォトレジスト及び反射防止膜を除去する。現像剤は、好ましくは、水性アルカリ性溶液、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを含む水性アルカリ性溶液である。現像剤は、更に、添加剤、例えば界面活性剤、ポリマー、イソプロパノール、エタノールなどを含んでもよい。フォトレジスト膜及び反射防止膜をコート及び像形成する方法は当業者には周知であり、使用したフォトレジストと反射防止膜との特定の組み合わせのタイプに合わせて最適化される。像が形成されたこのバイレベル系は、次いで、集積回路の製造方法によって要求される通りに加工することができ、例えば金属堆積及びエッチングをすることができる。
【0135】
多層系、例えば三層系、またはプロセスでは、三層プロセスは、例えば、有機フィルムを基材上に形成し、この有機フィルムの上に反射防止フィルムを形成し、そしてこの反射防止フィルムの上にフォトレジストフィルムを形成する。有機フィルムは、スピンコート法などの方法によって下層レジストフィルムとして基材上に形成される。有機フィルムは、スピンコート法などの方法で供した後に、熱または酸で架橋してもよいし、または架橋しなくてもよい。有機フィルムの上には、反射防止フィルム、例えば本発明書に開示される反射防止フィルムが中間レジストフィルムとして形成される。スピンコート法などの方法で反射防止フィルム組成物を有機フィルム上に供した後、有機溶剤を蒸発させ、そして反射防止フィルムが上層のフォトレジストフィルムと相互混合を起こすのを防ぐ架橋反応を促進するためにベークを行う。反射防止フィルムの形成後、その上にフォトレジストフィルムを上層レジストフィルムとして形成する。反射防止フィルムと同様にフォトレジストフィルムの形成のためにスピンコート法を使用することができる。フォトレジストフィルム組成物をスピンコート法などの方法で供した後、プレベークを行う。その後、パターン回路領域を露光し、露光後ベーク(PEB)及び現像剤での現像を行ってレジストパターンを得る。
【0136】
以下の具体例は、本発明の組成物を製造及び使用する方法の詳細な例示を与えるものである。しかし、これらの例は、本発明の範囲を如何様にも限定もしくは減縮することを意図したものではなく、本発明を実施するために排他的に使用しなければならない条件、パラメータまたは値を教示するものとは解釈すべきものではない。
【実施例】
【0137】
例1: ビス(トリフェニルスルホニウム)パーフルオロブタン−1,4−ジスルホネートの合成
【0138】
【化16】

【0139】
パーフルオロブタン−1,4−ジスルホン酸カリウム塩(2.5g)を、水150ml中のトリフェニルスルホニウムブロマイド(3.5g)の溶液に加えた。クロロホルム(150ml)を加えそして5時間攪拌した。クロロホルム層を水で数回洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして濾液を油段階(oil stage)まで蒸発させた。エーテルをこの油状物に加え、そしてこの混合物を激しく攪拌した。白色の析出物が生じた。この混合物を濾過し、そして回収した析出物を真空下に乾燥して、白色の粉末を得た。mp155℃。
【0140】
例2:ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムクロライドの合成
2Lの三首フラスコ(機械的スターラー、温度計、添加漏斗、及び凝縮器/窒素入口を備える)に、4−tert−ブチルベンゼン(220g、1.64モル)、ヨウ素酸カリウム(100g、0.467モル)、塩化メチレン(200mL)及び酸性無水物(155g 1.52モル)を窒素雰囲気下に加え、そして5℃に冷却した。温度を5〜10℃に維持しながら添加漏斗を介して硫酸をゆっくりと滴下した。次いで反応を5℃で5時間攪拌しそして室温で一晩放置した。この反応混合物を再び5℃に冷却し、そして200mLの水をゆっくりと滴下しながら10℃未満に維持した。生じた二つの相を分離し、そして塩化メチレン相をそれぞれ100mLの蒸留水を用いて三回洗浄した。次いで、洗浄した有機相から溶剤を揮散(strip)させ、そして高真空下に減圧して残留tert−ブチルベンゼンをできるだけ除去した。次いで、残留物を200mLの塩化メチレン中に再溶解し、そしてこの溶液に、攪拌しながら、水200mL中のNaCl(27.3g)の溶液を加えた。この二相混合物を1000rpmで一晩攪拌し、分離し、そして有機相を100mLの蒸留水で4回洗浄した。洗浄した有機相から溶剤を揮散させ、そして残留物をヘキサン200mLで三回粉砕して残留tert−ブチルベンゼンを除去した。最終の残渣をエーテル中で砕き、次いで濾過して86gのビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムクロライドを得た。
【0141】
例3:メタンジスルホネートの銀塩の合成
炭酸銀(20g、0.0725モル)をメタンジスルホン酸(水中50%溶液25.55g)に加え、そして攪拌しながら25mLの蒸留水中に希釈した。炭酸銀は、二酸化炭素を発泡しながら溶解した。反応の完了後、残留する不溶性材料を濾過して除去し、そして濾液から真空下に水を揮散させて、25.3gの純粋なメタンジスルホン酸銀を得た。
【0142】
化学量論に関して量を調節して上記の手順を用いて、他の銀塩を、酸として次の材料、すなわち1,2−エタンジスルホン酸、1,3−プロパンジスルホン酸、サイクラミン酸、1S−10−カンフルスルホン酸及び1,3,5−ベンゼントリスルホン酸(1,3,5−ベンゼントリスルホニルクロライドの加水分解から製造)を使用して製造した。
【0143】
例4: ビス(トリフェニルスルホニウム)メタンジスルホネートの合成
例3からのメタンジスルホン酸銀(22g、0.0564モル)を、アセトニトリル400mL中に溶解した。この溶液に、蒸留水40mL中に溶解したトリフェニルスルホニウムブロマイド(38.74g、0.0113モル)からなる溶液を攪拌しながらゆっくりと添加した。この反応を一晩攪拌しそして濾過して臭化銀を除去した。濾液から溶剤を揮散させた。生じた残渣を、最初はこれをクロロホルムとアセトニトリルとの最小量の高温の混合物(約3/1)中に溶解し、次いでジエチルエーテル(約200mL)を加えて結晶化を開始することによって、三回結晶化した。このようにして、38gの純粋なビス(トリフェニルスルホニウム)メタンジスルホネートが回収された。
【0144】
例5: ビス(トリス(4−tert−ブチルフェニル)スルホニウム)メタンジスルホネートの合成
例3からのメタンジスルホン酸銀(1.74g、0.00447モル)を3.5mLの水中に溶解した。この溶液に、50mLのアセトニトリル中に溶解したトリス(4−tert−ブチルフェニルスルホニウム)アイオダイド(5.00g、0.008951モル)からなる溶液を攪拌しながらゆっくりと加えた。この反応を2日間攪拌し、そして濾過してヨウ化銀の殆どを除去した。次いで、濾液から溶剤を揮散させ、最小量のクロロホルム中に再溶解し、そして0.2ミクロンPTFEフィルターに通して濾過して残留の固形物を除去した。次いでこの濾液をエーテルで結晶化した。この再結晶化を更に二度繰り返して2.30gの純粋な生成物を得た。
【0145】
例6: ビス(ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム)メタンジスルホネートの合成
例5の手順に従うが、トリス(4−tert−ブチルフェニルスルホニウム)アイオダイドの代わりにビス(4−tert−ブチルフェニルヨードニウム)クロライドを用いて、ビス(ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム)メタンジスルホネートを製造した。
【0146】
例7: ビス(トリス(4−tert−ブチルフェニル)スルホニウム)−1,2−エタンジスルホネートの合成
例5の手順に従い、但しメタンジスルホン酸銀の代わりに1,2−エタンジスルホン酸銀を用いて、ビス(トリス(4−tert−ブチルフェニル)スルホニウム)−1,2−エタンジスルホネートを製造した。
【0147】
例8: ビス(トリス(4−tert−ブチルフェニル)スルホニウム)−1,3−プロパンジスルホネートの合成
例5の手順に従い、但し、メタンジスルホン酸銀の代わりに1,3−プロパンジスルホン酸銀を用いて、ビス(トリス(4−tert−ブチルフェニル)スルホニウム)−1,3−プロパンジスルホネートを製造した。
【0148】
例9: トリス(4−tert−ブチルフェニル)スルホニウムサイクラメートの合成
例5の手順に従い、但し、メタンジスルホン酸銀の代わりにサイクラミン酸銀を用いて、トリス(4−tert−ブチルフェニル)スルホニウムサイクラメートを製造した。
【0149】
例10: トリス(4−tert−ブチルフェニル)スルホニウムカンフルスルホネートの合成
例5の手順に従い、但し、メタンジスルホン酸銀の代わりにカンフルスルホン酸銀を用いて、ビス(トリス(4−tert−ブチルフェニル)スルホニウム)カンフルスルホネートを製造した。
【0150】
例11: トリス(トリス(4−tert−ブチルフェニル)スルホニウム)−1,3,5−ベンゼントリスルホネートの合成
例5の手順に従い、但し、メタンジスルホン酸銀の代わりに1,3,5−ベンゼントリスルホン酸銀を用いて、ビス(トリス(4−tert−ブチルフェニル)スルホニウム)−1,3,5−ベンゼントリスルホネートを製造した。
【0151】
例12: トリス(ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム)−1,3,5−ベンゼントリスルホネートの合成
例5の手順に従い、但し、トリス(4−tert−ブチルフェニルスルホニウム)アイオダイドの代わりにビス(4−tert−ブチルフェニルヨードニウム)クロライドを用い、メタンジスルホン酸銀の代わりに1,3,5−ベンゼントリスルホン酸銀を用いて、トリス(ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム)−1,3,5−ベンゼントリスルホネートを製造した。
【0152】
例13: ビス(トリフェニルスルホニウム)−1,3−プロパンジスルホネートの合成
例4の手順に従い、メタンジスルホン酸銀の代わりに1,3−プロパンジスルホン酸銀を用いて、ビス(トリフェニルスルホニウム)−1,3−プロパンジスルホネートを製造した。
【0153】
例14: トリフェニルスルホニウムサイクラメートの合成
例4の手順に従い、但し、メタンジスルホン酸銀の代わりにサイクラミン酸銀を用いて、トリフェニルスルホニウムサイクラメートを製造した。
【0154】
例15: トリフェニルスルホニウムカンフルスルホネートの合成
例4の手順に従い、但し、メタンジスルホン酸銀の代わりにカンフルスルホン酸銀を用いて、トリフェニルスルホニウムカンフルスルホネートを製造した。
【0155】
例16: モノトリエチルアンモニウムマロネートの合成
マロン酸(10.4g、0.1モル)を、3つ首500ml丸底フラスコ(スターラーの付いたフラスコ)中で無水窒素雰囲気下に室温で300mlのエーテル中に溶解した。トリエチルアミン(20.2g、0.2モル)を、無水窒素雰囲気下にフラスコ中で室温で50mlのエーテル中に溶解した。前記のトリエチルアミン溶液を、窒素雰囲気下に50mL添加漏斗に加え、次いでこの添加漏斗を前記の500ml丸底フラスコに接続した。前記のアミン溶液を、(ドライアイス/アセトン冷却浴を用いて)0〜−20℃の反応温度で攪拌しながら5分間かけて前記酸溶液にゆっくりと加えた。反応の終わりに(少なくとも8時間攪拌)、溶剤を、ロータリーエバポレーターを用いて、揮発性物質が除去されなくなるまで少なくとも16時間かけて除去し(この際、揮散される材料を含むフラスコを30℃未満の温度の水浴中に入れる)、白色の固形材料を得た(17.80g)。構造を元素分析及びHNMRによって確認した: 元素分析(理論値/実測値)− C(52.67/51.72); H(9.33/9.32); N(6.82/6.59); O(31.18/32.37) : HNMR−1.2ppm(CH エチル、9H)、3ppm(CHエチル及びCHマロネート8H)。
【0156】
例16の手順を用いて、この例のマロン酸の代わりに当モル量の所望の酸を用いて、モノトリエチルアンモニウムマレート、1−ブチルマロネート、オキサレート、グルタレート、及びスクシネートの合成を行った。
【0157】
構造を元素分析及びHNMRで確認した: 元素分析(理論値/実測値): モノトリエチルアンモニウム1−ブチルマロネート−C(59.74/58.88); H(10.41/10.4); N(5.36/5.45); O(24.49/25.2): H NMR−0.8ppm(CH ブチル)、3H)、1.2ppm(CHエチル及びCH−CHブチル、13H)、1.8ppm(ブチル CH−マロネート、2H)、3.1ppm(CHエチル及びCHマロネート、6H); モノトリエチルアンモニウムオキサレート−C(50.25/50.3); H(8.96/9.1); N(7.32/7.29); O(33.47/33.31):HNMR−1.38ppm(CHエチル、9H)、3.2ppm(CHエチル、6H); モノトリエチルアンモニウムグルタレート−C(52.57/53.68); H(10.03/9.25); N(5.57/4.67); O(31.83/32.4) : HNMR−1.3ppm(CHエチル、9H)、1.9ppm(CH、2H)、 2.4ppm(CHCO、4H)、 3.05ppm(CHエチル、6H); モノトリエチルアンモニウムスクシネート−C(54.78/53.01); H(10.03/9.25); N(5.57/4.67); O(31.83/32.4) : H NMR−1.15ppm(CHエチル、9H)、2.45ppm((CHスクシネート、4H)、3.05ppm(CH エチル、6H); モノトリエチルアンモニウムマレート−C(51.05/50.61); H(9/8.98); N(5.95/5.38); O(34/35.03) : HNMR−1.3ppm(CHエチル、9H)、2.7ppm(CHマレート、2H)、3.2ppm(CHエチル、6H)、4.2ppm(CHマレート、1H)。
【0158】
例17: ポリ(AdOMMA/EAdMA/α−GBLMA/AdMA/HAdA)の合成
2−エチルアダマンチルメタクリレート(EAdMA)(19.4g)、2−ヒドロキシアダマンチルアクリレート(HAdA)(22.78g)、α−ガンマ−ブチロラクトニルメタクリレート(α−GBLMA)(34.80g)、2−アダマンタニルオキシメチルメタクリレート(AdOMMA)(26.91g)、1−アダマンタニルメタクリレート(AdMA)(11.28g)及びPerkadox−16(5.44g)を、還流冷却器及び機械的スターラーを備えたフラスコ中で窒素雰囲気下にTHF(280g)と一緒にした。攪拌しながら窒素でパージした後、これらの反応体を油浴を用いて70℃に加熱した。この反応混合物を5時間攪拌した。その後、ポリマーを2800mLのメタノール中に析出させた。その析出物を空気乾燥し、そして400mLのTHF中に溶解し、そして2800mLのメタノール中で再び析出させた。析出物を回収、乾燥した後、これを上述のように溶解しそして2800mLのヘキサン中に二度析出させた。減圧炉中で40℃で一晩乾燥させた後、最終のポリマーとして95.6g(83%)の白色の粉末が回収された。
【0159】
例18: 現像可能な底面反射防止膜用コーティング組成物
1.842gのポリ(スチレン−co−4−ヒドロキシスチレン−co−tert−ブチルアクリレート)(20/60/20)、197.2gのPGME、0.549gのVectomer 5015、0.181gのトリエチルアミン、0.014gのビス(トリフェニルスルホニウム)−1,4−パーフルオロブタンジスルホネート、0.213gのモノトリエチルアンモニウムマロネート(例16)及び0.002gのR08界面活性剤(Dainippon Ink & Chemicals)の溶液を調製した。この溶液を一晩混合し、そして0.2ミクロンPTFEフィルターに通して濾過した。
【0160】
例18A:浸食評価
例18の組成を、モノトリエチルアンモニウムマレート(例18A1)、モノトリエチルアンモニウム1−ブチルマロネート(例18A2)、モノトリエチルアンモニウムオキサレート(例18A3)、モノトリエチルアンモニウムグルタレート(例18A4)、及びモノトリエチルアンモニウムスクシネート(例18A5)を、モノトリエチルアンモニウムマロネート(当モル量)の代わりに使用して繰り返した。
【0161】
各ケイ素ウェハを、例18の組成物並びに本例18Aの組成物でコーティングした。これらのウェハは、各組成物を約2300rpmの回転速度でケイ素ウェハ上にスピンコートし、そして120℃で60秒間ベークして、約40nmの膜厚とすることによって用意した。各々のウェハについて、膜厚を、AZ(登録商標)EBR70/30または2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシドのいずれかに8秒間浸漬する前及びその後に測定した。データ及び結果を表2に示す。
【0162】
【表2】

【0163】
例19: フォトレジスト組成物
EAdMA/AdOMMA/HAdA/α−GBLMA/AdMA(例17)(7.36g)、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムビス−パーフルオロエタンスルホンイミド(0.22g)、ビス(トリフェニルスルホニウム)パーフルオロブタン−1,4−ジスルホネート(0.2g)、(ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム)−1,4−パーフルオロブタンジスルホネート(0.16g)、2,6−ジイソプロピルアニリン(0.04 g)、FC4430(0.02g)、メチル−2−ヒドロキシイソブチレート(153.58g)、PGME(36.36g)、ガンマ−バレロラクトン(0.78g)の溶液を調製した。この溶液を一晩ロール掛けし、次いで0.2ミクロンPTFEフィルターに通して濾過した。
【0164】
例20: リソグラフィ評価
例18の底面反射防止膜用コーティング組成物(DBARC)でコートしたケイ素基材を、底面反射防止膜溶液を2350rpmの回転速度でケイ素基材上にスピンコートし、そして120℃で60秒間ソフトベークすることによって用意した。このDBARC膜厚は40nmであった。次いで、例19からのフォトレジスト組成物を、このDBARC被覆ケイ素基材上にコートした。回転速度は1500rpmであり、そしてフォトレジスト膜厚は150nmであり、PABは100℃/60秒であった。次いで、被覆されたウェハを、バイナリレチクルを用いたシグマ0.6sのNA0.75標準照明を用いてNikon S306D193nm露光ツールで露光した。露光後、被覆されたウェハを115℃/60秒のPEBでベークし、そして2.38%TMAH中で21℃で30秒間現像した。140nmL/S図形(同じ線量で1:1及び1:5)までの解像度が約15〜20mJ/cmの線量で得られた。
【0165】
例21:現像可能な底面反射防止膜用コーティング組成物
次の三種の現像可能な底面反射防止膜用コーティング組成物を用意した:
DBARC−A: AZ Electronic Materials(Japan)K.K.(日本国東京)から入手可能なAZ KrF−E01Aをそのまま使用した。
DBARC−B: トリフェニルスルホニウムノナフレート5重量%を加えたAZ KrF−E01A。
DBARC−C: 例1のビス(トリフェニルスルホニウム)パーフルオロブタン−1,4−ジスルホネート5重量%を加えたAZ KrF−E01A。
【0166】
例22:リソグラフィ評価
例21の底面反射防止膜用コーティング組成物(DBARC)でコートされたケイ素基材の用意のために、先ず、ケイ素基材を、HMDSで処理した(120℃/35秒)。その後、例21のDBARC−A、DBARC−B、及びDBARC−Cを、これらのHMDS処理ケイ素ウェハ上に2500rpmの回転速度で供し、そして180℃で60秒間ソフトベークした。DBARC−A、DBARC−B、及びDBARC−Cの膜厚はそれぞれ90nmであった。次いで、フォトレジスト組成物(AZ Electronic Materials(Japan)K.K.(日本国東京))から入手可能なAZ LExp. TCD−14)を、前記のDBARC−A、DBARC−B及びDBARC−C被覆基材上にスピンコートした。回転速度は2500rpmであり、そしてフォトレジスト膜厚は105nmであり、120℃/90秒のPABを使用した。次いで、被覆されたウェハを、バイナリレチクルを用いたNA0.63及び1/2輪帯照明を使用してCanon FPA−3000 EX5 248nm露光ツールにより露光した。露光後、被覆されたウェハを130℃/90秒間のPEBでベークし、そして23℃で60秒間2.38%TMAH中で現像した。これらの条件を用いて、200nmL/S図形、孤立ライン(220nm)及びトレンチ(220nm)が得られた。SEMから、DBARC−A及びDBARC−Bを用いた被覆ウェハが、それぞれDBARC−A及びDBARC−Bの残渣を示し、他方、DBARC−Cを用いた被覆ウェハはDBARC−Cの残渣を示さないことが判明した。
【0167】
ネガ型底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物の例は、2002年12月18日に出願された米国特許出願第10/322,329号明細書(特許文献29)に見出すことができる。なお、この特許文献の内容は本明細書に掲載されたものとする。
【0168】
他の系では、低い溶剤放出量という環境的な要求を満たし得るように、現代の高固形物及び水系コーティング材の多くが低分子量樹脂及びアミノ−ホルムアルデヒド架橋剤に基づいている。妥当な硬化温度においてこれらの組成物を強靱で化学的に耐性の高い高性能フィルムに転化することは触媒の使用を必要とする。これらの調合物の通例のベース樹脂には、アクリル類、アルキド類、エポキシド類、及びポリエステル類などが挙げられ、典型的なアミノ架橋剤には、メラミン類、尿素類、グリコールウリル類及びベンゾグアナミン類などが挙げられる。ベース樹脂とアミノ架橋剤との反応は、本発明の熱酸化合物の添加によって大きく増強し得る。酸触媒は最高速の硬化と比較的低い硬化温度を供するが、典型的には、ブロック化された触媒が、より高いパッケージ安定性を必要とする組成物のために選択される。加えて、やっかいな触媒−顔料相互作用が低減するかまたは無くなる。
【0169】
本発明の以上の記載は、本発明を例示及び説明するものである。加えて、上記の開示は、本発明の好ましい態様のみを示すものであるが、上述の通り、本発明が、様々な他の組み合わせ、変更及び環境においても使用できること、及び本明細書に記載の発明的思想の範囲内において、上記の教示及び/または関連分野の技術または知識に応じて変更または改変できることは明らかである。更に、上記の態様は、本発明の実施に関して把握しているベストモードを説明すること、及び当業者が、本発明をそのままで、あるいは他の態様で及び本発明の特定の用途によって必要される様々な改変をした上で使用できるにすることを意図したものである。それゆえ、上記の記載は、本発明を上記の形態に限定することを意図したものではない。また、添付の特許請求の範囲は、別の態様も含むものと解釈されるべきものを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の層及び第二の層を少なくとも含む多層系であって、前記第一の層は光酸発生剤を含み、前記第一の層は、更に、第二の層の溶剤中に実質的に不溶性の酸または熱酸発生剤を含むことができ、場合により第一層の下に第三の層が存在し、第一の層の光酸発生剤は、第三の層の溶剤中に実質的に不溶性である、前記多層系。
【請求項2】
水性アルカリ現像剤で現像することができかつポジ型フォトレジストの下にコーティングされるポジ型底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物であって、該反射防止膜用コーティング組成物が、ポリマー、及び約450立方オングストローム未満もしくはそれに等しい体積を有するカチオンと、アニオンとを含む光酸発生剤を含み、前記光酸発生剤がフォトレジストの溶剤中に実質的に不溶性であり、該反射防止膜用コーティング組成物が、更に、少なくとも一種の揮発性アミンを含むことができる、前記ポジ型底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物。
【請求項3】
カチオン及びアニオンを含む光酸発生剤が、(i)カチオンが約450立方オングストローム未満かもしくはそれに等しい体積を有する一価のカチオンであり、アニオンが約84立方オングストローム未満かもしくはそれに等しい体積を有する一価のアニオンであり、かつ少なくとも200℃の融点を有する光酸発生剤;(ii)カチオンが約245立方オングストローム未満もしくはそれに等しい体積を有する一価のカチオンであり、アニオンが約200立方オングストローム未満かもしくはそれに等しい体積を有する一価のアニオンであり、かつ少なくとも130℃の融点を有する光酸発生剤;(iii) カチオンが約450立方オングストローム未満かもしくはそれに等しい体積を有する一価のカチオンであり、アニオンが約205立方オングストローム未満かもしくはそれに等しい体積を有する二価のアニオンであり、かつ少なくとも80℃の融点を有する光酸発生剤、(iv) カチオンが約450立方オングストローム未満かもしくはそれに等しい体積を有する一価のカチオンであり、アニオンが約220立方オングストローム未満かもしくはそれに等しい体積を有する三価のアニオンであり、かつ少なくとも80℃の融点を有する光酸発生剤;(v) カチオンが約450立方オングストローム未満かもしくはそれに等しい体積を有する二価のカチオンであり、アニオンが約165立方オングストローム未満かもしくはそれに等しい体積を有する一価のアニオンであり、かつ少なくとも130℃の融点を有する光酸発生剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項2の組成物。
【請求項4】
光酸発生剤が、トリフェニルスルホニウムトリフレート、ビス(トリフェニルスルホニウム)メタンジスルホネート、ビス−(トリフェニル)スルホニウム1,3−プロパンジスルホネート、ビス(トリフェニルスルホニウム)パーフルオロブタンジスルホネート、トリスビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム1,3,5−ベンゼントリスルホネート、トリストリス(4−tertブチルフェニル)スルホニウム−1,3,5−ベンゼントリスルホネート、ビス−トリス(4−tertブチルフェニル)スルホニウムメタンジスルホネート、ビス−トリス(4−tertブチルフェニル)スルホニウム1,2−エタンジスルホネート、ビス−トリス(4−tertブチルフェニル)スルホニウム1,3−プロパンジスルホネート、トリス(4−tert−ブチルフェニル)スルホニウムトリフレート、トリフェニルスルホニウムサイクラメート、トリフェニルスルホニウムカンフルスルホネート、(チオジ−4,1−フェニレン)ビスジフェニルスルホニウムノナフレート及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項2または3の組成物。
【請求項5】
ポリマーが、(i)酸不安定性基を有する少なくとも一つの繰り返し単位を含むポリマー;(ii) 酸不安定性基を有する少なくとも一つの繰り返し単位、及び同じ単位中に存在することができる吸収性発色団を有する少なくとも一つの繰り返し単位を含むポリマー; または(iii)ヒドロキシル及び/またはカルボキシル基を有する少なくとも一つの繰り返し単位、及び同じ単位中に存在することができる吸収性発色団を有する少なくとも一つの繰り返し単位を含むポリマーの群から選択され、(ii)及び(iii)におけるポリマーの吸収性発色団は、置換されているかもしくは置換されていない芳香族炭化水素環、置換されているかもしくは置換されていないフェニル、置換されているかもしくは置換されていないアントラシル、置換されているかもしくは置換されていないフェナントリル、置換されているかもしくは置換されていないナフチル、または酸素、窒素、硫黄もしくはそれらの組み合わせから選択されるヘテロ原子を含む置換されているかもしくは置換されていないヘテロ環式芳香族環を含む化合物から選択することができる、請求項2〜4のいずれか一つの組成物。
【請求項6】
ポリマーが(i)または(iii)の場合に、組成物が更に染料を含み、この染料は、モノマー性染料、ポリマー性染料、及びモノマー性染料とポリマー性染料との混合物からなる群から選択することができる、請求項5の組成物。
【請求項7】
(i)及び(ii)におけるポリマーの酸不安定性基が、−(CO)O−R、−O−R、−O(CO)O−R、−C(CFO−R、−C(CFO(CO)O−R及び−C(CF(COOR)から選択され、Rが、アルキル、置換されたアルキル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、オキソシクロヘキシル、環状ラクトン、ベンジル、置換されたベンジル、アルコキシアルキル、アセトキシアルコキシオキシアルキル、テトラヒドロフラニル、メチルアダマンチル、メンチル、テトラヒドロピラニル、及びメバロノラクトンである、請求項5または6の組成物。
【請求項8】
ビニルエーテル停止型架橋剤を更に含み、これはR−(OCH=CHであることができ、この際、Rは、(C−C30)線状、分枝状もしくは環状アルキル、置換されているかもしくは置換されていない(C−C40)アリール、及び置換されているかもしくは置換されていない(C−C40)脂肪環式炭化水素から選択され、そしてn≧2である、請求項5〜7のいずれか一つの組成物。
【請求項9】
水性アルカリ現像剤で現像することができかつネガ型フォトレジストの下にコートされるネガ型底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物であって、(i)約450立方オングストローム未満もしくは等しい体積を有するカチオンと、アニオンとを含む光酸発生剤、架橋剤、及び吸収性発色団を有する少なくとも一つの単位を含むアルカリ可溶性ポリマーを含む組成物;(ii) 約450立方オングストローム未満のもしくはそれに等しい体積を有するカチオンと、アニオンとを含む光酸発生剤、架橋剤、染料及びアルカリ可溶性ポリマーを含み、この際、染料は、ポリマー内に存在するか、または組成物中に添加剤として存在する組成物; 及び(iii) 約450立方オングストローム未満もしくはそれに等しい体積を有するカチオンと、アニオンとを含む光酸発生剤、露光時に変化、転位して水性アルカリ性現像剤中に不溶性になるポリマーを含み、更に熱酸発生剤を含むことができる組成物から選択される、前記ネガ型底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物。
【請求項10】
請求項2〜8のいずれか一つの反射防止膜用コーティング組成物の層; 及び該反射防止膜用コーティング組成物の上のポジ型フォトレジスト組成物の層を表面上に有する基材を含む被覆された基材。
【請求項11】
請求項9の反射防止膜用コーティング組成物の層; 及び該反射防止膜用コーティング組成物の上のネガ型フォトレジスト組成物の層を表面上に有する基材を含む被覆された基材。
【請求項12】
次式(I)の化合物。
【化1】

[式中、Yは直接結合及び接続基から選択され、好ましくは、一つもしくはそれ以上のヘテロ原子を場合により含む置換されていないかもしくは置換されたC−Cアルキレン鎖、置換されていないかもしくは置換されたC−Cシクロアルキレン、置換されていないかもしくは置換されたC−Cアルケニレン、及び置換されていないかもしくは置換されたC−C12アリーレンから選択される接続基であり、そしてAは、置換されていないかもしくは置換されたアミン化合物であり、好ましくは次のものからなる群から選択され、
【化2】

20、R22、R24、及びR26は、それぞれ独立して、水素、置換されていないかもしくは置換されたアルキル、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキル、置換されていないかもしくは置換された単環式もしくは多環式アリール、及び置換されていないかもしくは置換されたアラルキルから選択され; そしてR28は、置換されていないかもしくは置換されたC−Cアルキレンから選択されるか、またはR28は、それが結合する原子と一緒に、置換されていないかもしくは置換されたC−C12単環式もしくは多環式アリールを形成する]
【請求項13】
a)請求項2〜8のいずれか一つの底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物の被膜を基材上に形成し; b) 反射防止被膜をベークし、c)反射防止被膜の上に上面フォトレジスト層の被膜を供し; d) フォトレジスト及び反射防止被膜層を同じ波長の化学線で像様露光し; e)基材上のフォトレジスト及び反射防止被膜層を露光後ベークし、そしてf)フォトレジスト及び反射防止被膜層を水性アルカリ性溶液で現像することを含む、像の形成方法。
【請求項14】
請求項9の底面光結像性反射防止膜用コーティング組成物の被膜を基材上に形成し、b)反射防止被膜をベークし、c)上記反射防止被膜の上に上面フォトレジスト層の被膜を供し; d)フォトレジスト及び反射防止被膜層を同じ波長の化学線で像様露光し; e)基材上のフォトレジスト及び反射防止被膜層を露光後ベークし、及びf)フォトレジスト及び反射防止被膜層を水性アルカリ性溶液で現像することを含む、像の形成方法。

【公表番号】特表2011−502276(P2011−502276A)
【公表日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−530582(P2010−530582)
【出願日】平成20年10月21日(2008.10.21)
【国際出願番号】PCT/IB2008/002847
【国際公開番号】WO2009/053832
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(305010827)エイゼット・エレクトロニック・マテリアルズ・ユーエスエイ・コーポレイション (81)
【Fターム(参考)】