説明

座標測定機

【課題】より単純およびよりコンパクトであり、さらにデバイスのレギュレーション工程のより良い動的管理を与える測定機を提供する。
【解決手段】座標位置決め装置または座標測定機(CMM)は、TCP/IPインタフェース270上の外部デバイス600の接続を許容する個別の軸ドライバおよびプロキシモジュール275を駆動するように配置されたマイクロプロセッサ制御ユニット210を有する。外部デバイス600は、マイクロプロセッサ制御ユニット210に埋め込まれたhttpサーバ278によってユーザ相互作用に、または動的パラメータの調整および較正を含む高度なタスクに用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定プローブを設けた自動座標測定機(CMM)またはコンピュータ数値制御(CNC)機に関し、特に、専用測定制御装置を備え、ならびに測定システムの変化を考慮に入れた軸の移動およびプローブの管理、プログラミング、および適応により大きい柔軟性を与えるモータ付き座標測定機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
可動軸と、ならびに、プローブが機械加工部品または任意の物体の表面の座標を測定すること、および点、直線、表面、および単純な幾何学形状を決定するために、点の測定からの情報をそこから抽出することを可能にする端部に、配向可能なヘッドとを備えた座標測定機(CMMとも呼ばれる)の使用法は、周知である。特に、3つの直線的直交軸を有する移動式ブリッジを有する座標測定機、または回転軸のみを有する多関節アームを備え、その測定プローブが多関節アームの末端に固定される同座標測定機、または直線軸と回転軸とを結合する同座標測定機が知られている。CMMは、一般的に、所与の瞬間に、個別の各軸に沿って、および各測定点に対する座標を正確に得るための適切な較正による、測定位置を決定するためのエンコーダを有する。
【0003】
配向可能なヘッドは、いかなる衝突も引き起こすことなく測定片を近づけて移動するために、1つの方向へ測定プローブを方向付けるのに役立つ。測定プローブは、測定する部品に接触するように設計されたルビー球体、または非接触プローブ、たとえば光学プローブを備えたスタイラスを有するトリガフィーラであることができる。
【0004】
オペレータによって手動でプローブを移動する手動測定機と、たとえば適切な遠隔方向制御でオペレータによって決定される、あるいはエッジ検出システムで寸法を決定するために、連続的接近移動を実施するためのモデルまたはプログラミングに基づく所定のプログラムによる自律移動が可能なモータ付き測定機とを識別することもできる。
【0005】
モータ付き測定機は、有利には、同様または名目上同一の複数の部品の寸法制御に用いられる。それらは、オペレータによらない繰り返し可能な測定を達成することを可能にするが、他方では、それらは、自動測定条件でプログラムを開発するために多くの時間を要する。この場合、測定プログラムが事前に定められ、それから部品ごとに常に同一の方法で実行される。一般的に、CMMは、コンピュータ、たとえば専用の工業用PCによって制御され、その中に、パスを含む一連の動作の形態で、測定プローブが所与の順序および定められた速度で移動しなければならない測定プログラムが保存される。数値制御装置は同座標測定機に適応し、公知の方法で軸のモータおよび位置エンコーダに、軸の移動管理を制御するように接続する。
【0006】
公知の測定機は、ファクトリーセットである、複数の相互接続した要素を結合するシステムによって制御される。さらにまた、動的影響を制限するために、システムは、同座標測定機が実施できるものよりはるかに低い動作パラメータ(たとえば:速度、加速度等)に制限される。さらにまた、これらのシステムはかなりの空間要件を有することが多く、同座標測定機を設置、保守、および移動することはより困難であり、ならびにそれらはシステムの寸法を増大させる。これらの欠点は、特に小型および中型システムで深刻であり、これらのタイプの機械のダイナミクスに適応しない。
【発明の概要】
【0007】
本発明の1つの目的は、公知のデバイスよりも、より単純およびよりコンパクトな測定機を提案することである。本発明はまた、CMMの必要性を、周知のCNCと比較して公知のデバイスのレギュレーション工程のより良い動的管理を与えることによって、役立たせることも可能にする。
【0008】
本発明によれば、これらの目的は主要請求項の目的によって顕著に達成されるが、従属請求項は本発明の有利な変形例の実施形態を説明する。
【0009】
本発明の実施形態の例が、添付の図面によって説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】移動式ブリッジを有する測定機を模式的に説明する。
【図2】図1の測定機の構造を模式的に説明する。
【図3】本発明の1つの実施形態による、制御ユニットの構造を模式的に説明する。
【図4】本発明による測定機の使用例を説明する。
【図5】本発明の1つの実施形態による、制御ユニットの構造を概略的に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次の説明および図面は、座標測定機(CMM)における本発明の実施形態について、簡潔に言及する。しかしながら、本発明はそれほど制限されないこと、ならびに、他の種類の位置決め装置およびシステム、たとえば測定ヘッドまたはツールが移動可能な制御されたプラットフォームに接続する工作機械またはロボットのようなものに等しく適用可能であることが理解されなければならない。同様に、次の説明は、3つの直線軸および自由度を有する機械および相対運動制御装置に関するが、これは本発明の制限ではなく、後者には任意の数の直線または回転軸を有する位置決めシステムを含む。
【0012】
図1は、移動式ブリッジを有する従来のタイプの座標測定機を表す。測定する部品は、テーブル20上に位置している。ブリッジ40は、水平軸Yに沿ってテーブル20に対して移動し、キャリッジ50は、水平軸Xに沿ってブリッジの横送り台上を摺動することができるが、測定ヘッド60は、CMMの3次元測定空間内の任意の位置でプローブによって部品を測定するように、測定ヘッドおよびプローブを位置決めするために、垂直軸Zに沿って移動することができる。測定ヘッドは、測定に適応する方向へフィーラを配向することを可能にするように、配向およびインデックス化することができる。
【0013】
キャリッジ50の、および軸XYZに沿った測定ヘッド60の位置決めの、ブリッジ40の移動は、位置エンコーダ(同図では見えない)のおかげで達成され、部品の表面が検出される瞬間に測定システムのXYZ座標をキャプチャすることができる制御ユニットへ伝送される。そして、測定システムの配向、プローブパラメータ、および接近方向は、測定表面の配向を含む特性を決定すること、およびフィーラ150の先端154によって測定された部品200で得られた接点の場所を計算することを可能にする。測定ヘッドは、手動で配向する、またはモータ付きのタイプであることができ、個別制御ユニットが、配向可能なヘッドのエンコーダによって供給された角度情報から、またはプローブの所与の配向について前もって測定された固定補正によって、接点の位置を算出する。
【0014】
モータ付き機の場合、軸XYZに沿った移動は、制御ユニットに記録された移動プログラムにしたがって、あるいはオペレータによる、たとえばキーボード123または軸を独立して制御する別の入力デバイスによるリアルタイム制御を受けて、モータ、たとえば直流電気モータによって実施される。
【0015】
図1のCMMは、ブリッジ構造による3つの直線的直交軸を含み、次の説明において用いられる。しかしながら、この構造は、提示された実施形態に具体的な根拠を提供するためだけに用いられるが、本発明の制限的または必須の特性を構成しないことが強調されなければならず、それは、他の軸構成を有する、特により多いまたは少ない数の直線軸を有する機械と同様に、1つまたは複数の回転軸または組み合わせ、または直線および回転軸、を有する位置決めシステムに、あるいは、位置決めが互いに対して直交でない直線軸によって確保される機械に適用することもできる。
【0016】
本発明は、他のタイプのプローブ、たとえば例として走査、光学、またはレーザプローブ、あるいは誘導または容量センサ、距離センサ、形状検出センサ、エッジ検出センサを有するプローブ、接触プローブ、トリガプローブ、および測定する部品の位置または寸法に関連する情報を推定するための任意の種類の各種物理値を備えた測定機に適用することもできる。これは、たとえば例として可動または回転テーブルを有するCMM内の、測定する部品の移動と測定センサの移動とを結合する機械に適用することもできる。
【0017】
図2は、本発明の1つの実施形態による測定機の、駆動および制御システムを模式的に表す。測定プローブ150は、適した数の軸、この例では3つの軸XYZに沿って移動し、制御ユニットによって制御される3つの駆動要素170x、170y、170およびそれら個別のモータ(本書の文脈ではアクチュエータとも呼ばれる)132x、132y、132zによって駆動される。エンコーダ136x、136y、136zは、要素170x、170y、170zの位置を制御ユニットに供給する。他の要素は、制御ユニットにイベント情報を補うことができ、たとえば例として特定の状態について通知する保護スイッチ、押しボタン、あるいはアナログまたはトリガセンサである。
【0018】
本発明の枠組み内では、駆動要素170x、170y、170zの移動動作を確保することが、回転移動の直線移動への変換か、あるいは直線システムおよびそれらが与えられるすべての可能性のある直接または間接駆動変形例かのいずれかによって、可能な任意の適切なシステムを用いることが可能である。たとえば、柔軟な半剛性伝送要素、たとえばケーブルまたはベルト、あるいはまた、ねじ釘タイプのらせん状接続、あるいはボールねじまたは高精度ラックを用いることが可能である。また、移動動作を直接生成するリニアモータ、たとえばリニア電気モータ、あるいは圧電または超音波モータを用いることもできる。
【0019】
任意の実施形態によれば、図2のシステムは、非動作状態において、アクチュエータを要素170x、170y、170zから分離することを可能にするクラッチ134x、134y、134zを含み、それにより位置決めおよび測定システムの手動移動を許容する。
【0020】
クラッチは、制御ユニットによって制御される;それらは、制御装置が同座標測定機に対する独占的制御を有していないとき、スイッチによって手動で接続することもできる。制御装置が動作中であって、オペレータからの操作を要しないとき、それはクラッチを制御して、自動測定プログラムの実行の間ユーザが取って代わることを許容しない。伝送されたトルクまたは力が所定の閾値を超えるとき、アクチュエータ132x、132y、132zを駆動することなく、要素170x、170y、170zからアクチュエータ132x、132y、132zを自発的に離脱させるような、力または移動検出システムも想起し得るだろう。オペレータはまた、1つまたは複数の軸を操作の間移動しないままにするように、クラッチを作動させる可能性を有する。オペレータはまた、移動または力の検出を用いて、移動を実施するようにモータ付きの補助を要する大型機械を操作することもできる。クラッチは、異なる方法、電気的、または機械的、または空気圧のいずれかで動作することができる。
【0021】
任意で、本発明のCMMは、制御ユニットがクラッチ134x、134y、134zを作動させて、部分的または全体的にアクチュエータ132x、132y、132zを分離させ、測定システムが手動で移動することを許容する、手動プログラミングモードを有する。測定する部品の先端154の接触の間にエンコーダ136x、136y、136zによって与えられる瞬時位置は、測定点および測定動作の特性に関連する情報を算出およびプログラムに保存することを可能にする。
【0022】
制御ユニット120は、オペレータによって把持され、CMMの参照テーブル20に固定され、または適切な支持体上に置かれるように、小型化した筐体に含まれることが好ましい。好ましくは、それは、オペレータと、測定機と、電子制御との間の熱交換を最小化するために、CMMから取り外されるだろう。それは、入力/出力周辺機器、たとえば例としてLCD画面320、キーボードを含み、ならびに、タッチパネル、ジョイスティック、または別の配向および位置決めデバイス、イーサネット、Wi−Fi、USB、RS422規格にしたがう通信インタフェース、または任意の他の適したインタフェースを含むことができ、たとえば後段の使用のための結果を提供、または測定報告を印刷する。
【0023】
図3は、簡略化した方法で、可能性のある制御ユニットの構造を説明する。エンコーダ136は、測定機の軸の位置を読み取る。直線軸に対して、エンコーダ136は、線形光学ルールであってよく、または正確な位置情報を提供することが可能な異なる性質のエンコーダであることもできる。それはまた、回転軸の場合、角度エンコーダを用いることも可能である。エンコーダの位置は、位置決め回路260によって読み取られ、データバス290、たとえばSPI(Serial Peripheral Interface)、またはI2C(Inter-Integrated Circuit)バス、または任意の他のシリアルまたはパラレル、専用または共有バスを経由してアクセス可能なカウンタに保存される。
【0024】
位置決め回路260は、各主要ピッチ間の信号間の位相ずれを測定するために少なくとも1つの補間ユニットも含むことが好ましく、それにより所望の分解能に適応して同座標測定機の軸の位置を正確に決定することを可能にする。典型的な場合、各エンコーダ136の位置は、補間によって得られたピッチのごく一部が追加されるnビットカウンタに記録され、各軸に沿ってシステムの位置を画定するための追加のmビットの分解能を提供する。nおよびmの値は、同座標測定機の大きさ、ルーラの技術、および要求される正確さによって変化することができる。
【0025】
本発明の枠組み内では、ルール長に関わらず各瞬間の絶対位置を決定することを許容するアブソリュートエンコーダのタイプを用いることも想起可能である。
【0026】
マイクロプロセッサ210は、CMMの軸の位置を読み取るように、アクチュエータ132を制御するように、補間を実施するように、各軸の軌跡を補正するために定められた位置を保存するように、プログラミングすることができる。図示の例では、CMMは、モータ132x、132y、132zによって作動される3つの直線軸、および1つまたは複数の回転軸、たとえばモータによって作動される配向可能なヘッドを有する。既に言及したように、本発明は、反復的および正確な方法で定められた空間内の位置を測定するための、いくらかの自由度を有する任意の機械に適用される。
【0027】
本発明の枠組み内のマイクロプロセッサ210は単チップであるが、より複雑な機械の場合、複数のチップを有するアーキテクチャとして想起することもでき、パラレル処理能力、位置決めの分解能を増大させることが可能であり、あるいは専用タスクを有するアーキテクチャとして各計算器またはエラーチェックのための冗長性の機能に特化している。可能性のある変形例によれば、マイクロプロセッサ210は、アナログからデジタルへの変換器を一体化し得、位置決め回路またはその部品は、マイクロプロセッサのプログラム内のソフトウェアリソースによって実装し得る。
【0028】
本書の上記で説明した手動プログラミングモードにおいて、プロセッサ210は、接続デバイス134を、たとえば空気圧クラッチによって外すために必要な指示を生成し、あるいは移動においてオペレータを支援して、同一の方法で再度それらを再生することができるように移動およびエンコーダ136によって与えられた位置、通過点および測定点を記録する。本発明の制御装置はまた、好ましくは、たとえばイーサネットインタフェース経由で、またはUSBで外部プログラムを受信することもできる。プログラムは、定められた速度および加速度で移動するための一連の位置および軌跡の形態で、RAM211に記録される。プログラムは、較正または位置合わせコマンド、自動シーケンスおよび手動シーケンス、プローブ変更、プローブ配向の変化、接続結果、手動プログラミングの間に追加され、測定報告を作成するための比較結果を含むこともできる。
【0029】
自動測定モードにおいて、マイクロプロセッサ210は、前もって記録された軌跡および位置に再度戻り、各アクチュエータへの移動コマンドによって移動ユニットを制御するので、それらはリアルタイムでこの軌跡のセグメントを実施する。そして、各セグメントで、結果が、実施される軌跡と比較され、次のセグメントは測定された位置エラーおよび所望の軌跡に沿って適応されるので、測定時の最終的な接近の間、システムは直線状の軌跡に沿って表面の垂直軸と関連して測定される表面に接近する。
【0030】
好ましくは、本発明のシステムは、プローブが測定点に接近するとき、システムが、測定精度に悪影響を与え得る動的効果を最小化するために、線形直線状移動を加速度なしの一定の速度で実施するように配置される。
【0031】
図4を参照すると、システムは、測定される表面の配向に特有の、および特に、測定点に用いられる方法に関連した曲がり角を任意に記憶するだろう。それにより、始点と曲がり角との間の道のりは、同座標測定機の各軸上の加速度を考慮に入れるのに最適な必要なカーブを有する方法にすることができる。
【0032】
軸へ伝送されたコマンドは、たとえば、軸−ステアリングユニットによって回転および速度情報に変形される、あるいは所望の道のりのための荷重および移動軸の数にしたがってプログラミングすることができる正の加速度または負の加速度を有する、移動指示であることができる。これらの動的パラメータ化の変化を通して、低偏差の測定の場合、たとえば軸Zが高い位置にあるとき、迅速な移動を最適化することが可能である。しかし、これはまた、配向可能なヘッドがかなりの質量を有するとき、激し過ぎる加速の間、軸Zが、慣性効果または追加の角度トルクをこうむることを防止するためにも適用される。
【0033】
アクチュエータ132x〜132zは、たとえばどんなトルクでもモータの速度をレギュレーションするためのタコメータ135と組み合わせられた電気DCモータである。アクチュエータは、個々に、速度レギュレーションループによるステアリング回路によってサーボ制御される。ステアリングユニット141x〜141zは、マイクロプロセッサ210によって要求される、タコメータの測定の助けで所望の軌跡にできるだけ近い移動を実施するために調整された制御回路または制御ソフトウェアプログラムを含み、それから、実行の確認をマイクロプロセッサに供給し戻して、引き続くセグメントのためのコマンドを待つ。これは、たとえば、PID(proportional-integral-derivative controller)制御ループによって、または任意の適した制御アルゴリズムによって達成することができる。ステアリングユニット141、141x、141y、141zは、デジタルの制御アルゴリズムの動作パラメータ、たとえばPID係数または任意の他の動的状態情報を保存するために、図5に図示した各メモリレジスタ145を含み、メモリレジスタは、下記で分かるように、変更および調整のためにマイクロプロセッサにアクセス可能である。
【0034】
実施形態の1つの変形例では、システムは、システムの動的プロパティにより、ならびに位置決めシステムおよび添付のプローブまたはツールの質量および慣性を考慮に入れて、軌跡精度を最適化するために、レジスタ145に保存されたパラメータを調整することができる。この動的調整は、レジスタ145についての最適な動的パラメータが公知の方法によって計算することができるとすぐ、動的モデルを計算するために、たとえばシステムの、リアルタイムの移動指示への動的応答を分析することによって達成される。
【0035】
好ましくは、動的調整は、適したデータインタフェース270、たとえばTCP/IPインタフェースによって制御ユニット120に接続された外部デバイス600上で実行され、および制御ユニット120内のプロキシモジュール275によって作用中のステアリングユニット141上で作用する、または好ましくはマイクロプロセッサユニット210内のソフトウェア要素として実装される外部監視プログラムによって行われる。外部デバイス600は、たとえば動的調整がラップトップの計算リソースおよびユーザインタフェースを用いることができるような、ラップトップまたはパーソナルコンピュータであり得る。
【0036】
本発明のこの実施形態によれば、ステアリング回路をレギュレーションするための動的パラメータは、適切な数値係数に従って変更することができる。有利には、制御パラメータは、ツールごとに最適のガイドの精度を達成するために、異なる状況、たとえば質量および大きさの異なる測定ヘッド150に適応することができる。パラメータは、事前に定義されたテーブルにしたがって、または公知のアルゴリズムによって、マイクロプロセッサユニットによって適応することもできる。
【0037】
図4に図示した本発明の1つの実施形態によれば、マイクロプロセッサ210は、ステアリング回路141にコマンドを送信するために、それらへ移動する軌跡を送信し、必要なら測定条件によってそれらの応答を変更するように、設計される。同座標測定機は、プログラミングされた軌跡380を受けて、接触プローブ150を有する部品200の3つの点mp1、mp2、mp4の座標を測定するようにプログラミングされる。軌跡380は曲がり角wp1、wp2、wp3、wp4を含み、プローブ150と測定される部品200との間の予期しない衝突なしで、所望の点を測定することを可能にする。図示された例は簡略化のために直線状セグメントのみを含むが、本発明の制御装置は、たとえば円の弧、螺旋、多項式関数、または測定点と移動点との間の任意の他の最適化された曲線を含む、曲線のあるパスをたどるようにプローブ150をガイドすることもできることが理解されなければならない。
【0038】
プログラムの開始時に、プロセッサ210は、迅速な移動を達成しようとする第1のレギュレーションパラメータ化で軸−ステアリングユニット141x〜141zをプログラミングする。そして、移動の間、プロセッサ210は、位置決め回路260に保存された座標を周期的(たとえば、ミリ秒ごと)に読み取り、所望のパスをたどるために軸−ステアリングユニットのための指示位置を算出し、それらを軸−ステアリングユニットへ、そして速度指示に変換される位置指示を伝送して、定められた距離でモータをステアリングする。プローブが第1の曲がり角wp1に到達するとき、制御装置は、適切な方法でレギュレーションパラメータを変更して、インデックス応答をその測定軸のみに導入する。それにより、測定には複数の軸−ステアリングユニットを包含することができ、それにより、測定軸の側方の位置決めエラーが、測定フェーズの間、測定方向および接近移動に影響を与えることを防止する。
【0039】
転移点tp1は、測定点mp1への最終接近フェーズの開始を示す。プロセッサは、点tp1を、たとえば測定点mp1までの距離およびプログラムが保存されたときに用いられた接近方向に基づいて決定する。プローブが転移点を通過するとき、プロセッサは適切な指示を送信して、移動を一定および公知の速度に遅らせて、加速および減速をなくそうとする第2のレギュレーションパラメータセットで軸−ステアリングユニット141x〜141zをプログラミングし、それにより測定点への接近ベクトルの側方の移動を防止する。転移点tp2(図4)では、プログラムが接近モードから正常モードへ切り替わる。プロセッサは、レギュレーションパラメータを再プログラミングし、適切な移動コマンドを送信して曲がり角wp2、wp3経由で軌跡380を実施する。いったん転移点tp3に到達すると、プロセッサは、再度接近モードへ切り替わり、レギュレーションパラメータを再プログラミングし、点mp2の測定を実施する。工程は、点mp3などについて測定プログラムが終わるまで繰り返される。
【0040】
本発明の別の任意の実施形態によれば、制御装置120はまた、測定プログラムを制御し、測定されたデータのより高レベルの処理を実施し、ユーザインタフェースを管理し、入力−出力周辺機器、たとえば例として画面320、キーボード、ジョイスティック(図示せず)、USB、シリアル、またはイーサネットタイプの入力−出力インタフェース、たとえばプリンタ出力400を制御するモジュールのマイクロコンピュータ300も含む。実施形態の変形例によれば、マイクロコンピュータモジュール300は、マイクロプロセッサ210、あるいは、たとえばI++またはI++DME規格によるTCPプロトコルを用いたイーサネットバス経由で外部コンピュータと通信する。
【0041】
マイクロコンピュータは、たとえばpico-ITXモジュール、または超コンパクトマザーボードに基づく別のマイクロコンピュータであることができる。有利には、これらのシステムは、高度埋め込み型オペレーションシステム、たとえばWindows CE、Linux、またはアンドロイドを収容することができ、それにより、大きい柔軟性、ならびに標準的な周辺機器を管理すること、および従来のマイクロコンピュータと比較して簡略化した機能性を提供するシステムを作成することが可能な、入力−出力などの選択肢がスタートから完全に画定されるので埋め込み型アプリケーションの可能性に制限された、完全な開発環境を与える。
【0042】
本発明の別の実施形態によれば、制御ユニット120は、データインタフェース270に接続された1つ以上の外部ユニット600によってアクセス可能なhttpサーバを含む。この方法では、制御ユニットへのユーザインタフェースは、従来のウェブブラウザを実行する外部ユニット600上で得ることができる。本発明のこの実施形態は、たとえば診断テストの実行、測定プログラムのプログラミング、較正、またはデータ収集を許容する。任意で、レジスタ145におけるパラメータの動的調整も、httpサーバ278経由で制御ユニット210と通信することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数の移動軸に沿って移動することができる可動プラットフォームに接続された、測定ヘッドまたはツールと、
前記各移動軸に沿って測定プローブを移動させるために配置された、1つまたは複数のアクチュエータと、
前記各移動軸の各位置を符号化する、1つまたは複数のエンコーダと、
前記各アクチュエータのうちの1つの速度および/または位置をレギュレーションするために適応した、個別のデジタルの軸−ステアリングユニットを含み、前記デジタルの軸−ステアリングユニットまたは各ユニットが、各々、デジタルの軸−ステアリングユニットの動作パラメータを保存するためのメモリレジスタを含む、制御ユニットと、
を備え、
前記制御ユニットが、
・前記エンコーダから前記移動軸の位置を読み取る、
・移動プログラムに基づいて、移動指示を算出し、前記数値的な軸−ステアリングユニットまたは各ユニットへ伝送する、
・前記個別のメモリレジスタまたは各レジスタにアクセスすることによって、前記デジタルの軸−ステアリングユニットまたは各ユニットの動作パラメータを設定する
ようにプログラミングされたマイクロプロセッサユニットを含む、
座標位置決め装置。
【請求項2】
前記制御ユニットが、通信インタフェースによって受信されたデータに応じて、前記デジタルの軸−ステアリングユニットまたは各ユニットの前記各動作パラメータを設定するように配置された、通信インタフェースおよびプロキシモジュールをさらに含む
請求項1に記載の座標位置決め装置。
【請求項3】
前記プロキシモジュールが、前記通信インタフェースによって受信されたデータに応じて、前記数値的な軸−ステアリングユニットまたは各ユニットへ移動指示を伝送する、および/または、前記各移動軸の位置を前記通信インタフェースへ伝送するように配置される、
請求項1又は2に記載の座標位置決め装置。
【請求項4】
前記制御ユニットが、httpサーバを含む、
請求項1に記載の座標位置決め装置。
【請求項5】
前記プロキシモジュールが、前記マイクロプロセッサユニット内にプログラミングされる、
請求項1に記載の座標位置決め装置。
【請求項6】
レギュレーションユニットと組み合わせられて、前記通信インタフェース上の前記デジタルの軸−ステアリングユニットまたは各ユニットの各レジスタに保存された各動作パラメータを調整するようにプログラミングされる、
請求項2に記載の座標位置決め装置。
【請求項7】
前記組み合わせられるレギュレーションユニットが、前記デジタルの軸−ステアリングユニットまたは各ユニットに移動指示を発行し、前記各移動軸の動きにより前記デジタルの軸−ステアリングユニットまたは各ユニットの各レジスタに保存される動作パラメータを計算するように配置される、
請求項6に記載の座標位置決め装置。
【請求項8】
各アクチュエータが、速度信号を前記数値的な軸−ステアリングユニットに供給するタコメータに接続され、前記ユニットが前記速度信号により前記アクチュエータの速度をレギュレーションするように適応される、
請求項1に記載の座標位置決め測定機。
【請求項9】
前記ツールが、被加工物の表面上の点の各座標を測定することが可能な測定ヘッドを含む、
請求項1の座標位置決め装置。
【請求項10】
前記各軸が、複数の移動軸および複数の回転軸を含む、
請求項1に記載の座標位置決め装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−252006(P2012−252006A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−125836(P2012−125836)
【出願日】平成24年6月1日(2012.6.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
2.Linux
3.アンドロイド
4.WINDOWS
【出願人】(511100914)
【氏名又は名称原語表記】TESA SA
【Fターム(参考)】