説明

廃棄物処理システム

【課題】糞尿、生ごみ、排水の汚泥等の廃棄物を連続して微生物分解して焼却することができる廃棄物処理システムを提供する。
【解決手段】糞尿、生ごみ、下水の汚泥等の廃棄物をおが屑とともに攪拌手段21で攪拌して、前記廃棄物に含まれる有機性化合物を微生物分解する微生物分解装置20と、前記おが屑および前記廃棄物に含まれる無機物を前記微生物分解装置20から取り出す搬送装置30と、搬送装置30で搬送された前記おが屑および前記廃棄物に含まれる無機物を燃焼する燃焼炉と、前記燃焼炉で燃焼した際に発生する燃焼ガスにより水を加熱して蒸気を発生させるボイラと、前記ボイラで発生した蒸気によりタービンを回転させて発電する発電機と、を備えることを特徴とする廃棄物処理システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糞尿、生ゴミ、下水の汚泥等の廃棄物を連続して微生物分解して焼却する廃棄物処理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、人の糞尿を無臭にして処理する装置として、人の糞尿をおが屑と一緒に攪拌して分解する仮設トイレがある(例えば特許文献1参照)。この場合、図4に示すように、仮設トイレ70のトイレ設備71では、便座72から人の糞尿を分解処理槽73内に落下させる。分解処理層73内にはおが屑が入れてあるので、分解処理槽73内にてブレード74がモータ75に駆動されて回転することにより、分解処理槽73内のおが屑と人の糞尿を攪拌して、人の糞尿を微生物分解している。
【特許文献1】特開2004−19119号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述の従来例では、人の糞尿を分解処理槽73内にてバッチ処理しているので、人の糞尿を連続して処理することができないという問題があった。
また、人の糞尿以外の家畜の糞尿、生ごみ、下水の汚泥等を分解処理槽73内で微生物分解する場合も同様にバッチ処理であり、連続して処理することができないという問題があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、上述の従来例の問題点を解決し、人および家畜の糞尿、生ごみおよび下水の汚泥等の廃棄物を連続して微生物分解して焼却することができる廃棄物処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、糞尿、生ごみ、下水の汚泥等の廃棄物をおが屑とともに攪拌手段で攪拌して、前記廃棄物に含まれる有機性化合物を微生物分解する微生物分解装置と、前記おが屑および前記廃棄物に含まれる無機物を前記微生物分解装置から取り出す搬送装置と、前記搬送装置で搬送された前記おが屑および前記廃棄物に含まれる無機物を燃焼する燃焼装置と、前記燃焼装置で燃焼した際に発生する燃焼ガスにより水を加熱して蒸気を発生させるボイラと、前記ボイラで発生した蒸気によりタービンを回転させて発電する発電機と、備えることを特徴とする廃棄物処理システムである。
【0005】
請求項1記載の発明に関わる廃棄物処理システムでは、微生物分解装置が糞尿、生ごみ、下水の汚泥等の廃棄物をおが屑とともに攪拌手段で攪拌して、前記廃棄物に含まれる有機性化合物を微生物分解し、搬送装置が前記おが屑および前記廃棄物に含まれる無機物を前記微生物分解装置から取り出し、燃焼装置が前記搬送装置で搬送された前記おが屑および前記廃棄物に含まれる無機物を燃焼し、ボイラが前記燃焼装置で燃焼した際に発生する燃焼ガスにより水を加熱して蒸気を発生させ、発電機が前記ボイラで発生した蒸気によりタービンを回転させて発電する。
【0006】
さらに、請求項2記載の発明は、請求項1記載の廃棄物処理システムであって、前記発電機にて発電した電力により前記微生物分解装置内の攪拌手段を駆動することを特徴とする廃棄物処理システムである。
【0007】
請求項2記載の発明により、前記発電機にて発電した電力により前記微生物分解装置内の攪拌手段を容易に駆動することができる。
【0008】
さらに、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の廃棄物処理システムであって、前記発電機のタービンにて使用した蒸気をさらに前記微生物分解装置に導入して微生物分解装置の内部を加熱することを特徴とする廃棄物処理システムである。
【0009】
請求項3記載の発明により、前記発電機のタービンにて使用した蒸気をさらに前記微生物分解装置に導入して微生物分解装置の内部のおが屑および廃棄物を加熱することができる。
【0010】
さらに、請求項4記載の発明は、請求項1から3までのいずれかに記載の廃棄物処理システムであって、エアヒーターを備え、前記エアヒーターが前記ボイラで使用済みの燃焼ガスにより空気流を加熱し、前記加熱された空気流が前記燃焼装置内に送り込まれることを特徴とする廃棄物処理システムである。
【0011】
請求項4記載の発明により、前記エアヒーターが前記ボイラで使用済みの燃焼ガスにより空気流を加熱し、前記加熱された空気流が前記燃焼装置内に送り込まれるので、燃焼装置内の温度を高め、水分を含むおが屑を効率よく焼却することができる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、糞尿、生ごみ、下水の汚泥等の廃棄物を連続して微生物分解し、焼却することができ、さらに、蒸気の発生および発電をもすることができる。
さらに、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果とともに、微生物分解装置内の攪拌手段を駆動する電力を外部から供給する必要がなくなる。
さらに、請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載の発明の効果とともに、微生物分解装置の内部を加熱するための蒸気を外部から供給する必要がなくなる。
さらに、請求項4記載の発明によれば、請求項1から3までの発明の効果とともに、燃焼装置内にておが屑等の燃焼を効率よく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明における実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る廃棄物処理システムの前段部分を示し、図2は本発明の実施の形態に係る廃棄物処理システムの後段部分を示し、図3は図2の燃焼装置の下部を拡大して示す。
【0014】
廃棄物処理システム10は、図1に示すように微生物分解装置20、搬送装置30を備え、さらに、図2に示すように燃焼装置40、ボイラ47、エアヒーター48および発電機60を備えている。
【0015】
図1に示すように、微生物分解装置20が糞尿、生ごみ、下水の汚泥等の廃棄物11aをおが屑12aとともに攪拌手段22で攪拌して、廃棄物11aに含まれる有機性化合物を微生物分解する。
具体的には、廃棄物サイロ11およびおが屑サイロ12が地面63上に設置されている。廃棄物サイロ11が廃棄物11aを貯蔵し、コンベア11bが廃棄物サイロ11内の廃棄物11aを搬送してホッパ11cに投入し、フライトコンベア11dがホッパ11cに投入された廃棄物11aを搬送して微生物分解装置20の第1投入口24から微生物分解装置20内に投入する。
さらに、おが屑サイロ12がおが屑12aを貯蔵し、コンベア12bがおが屑サイロ12内のおが屑12aを搬送してホッパ12cに投入し、フライトコンベア12dがホッパ12cに投入されたおが屑12aを搬送して微生物分解装置20の第2投入口25から微生物分解装置20内に投入する。おが屑12aには空気が十分に含まれているので、おが屑12aと一緒に空気が微生物分解装置20内に導入される。
なお、各コンベア11b、12bは、三角形の板を備え、この三角形の板を押し引きして、搬送対象物を搬送するものである。
【0016】
微生物分解装置20は筒状の好気発酵槽であり、その壁21は横長の筒状部21a、筒状部21aの一方の端部を塞ぐ第1板状部21bおよび筒状部21aの他方の端部を塞ぐ第2板状部21cからなる。攪拌手段22の回転軸23は、横軸であり、第1板状部21bの中央部に設けられた図示しない軸受および第2板状部21cの中央部に設けられた図示しない軸受により回転自在に支えられている。そして、回転軸23の第1板状部21bから外部に突出した部分は第1モータ27により回転駆動され、回転軸23の第2板状部21cから外部に突出した部分は第2モータ28により回転駆動される。なお、第1モータ27と第2モータ28は同期して回転軸23を回転させる。また、第1支持部27aおよび第2支持部28aが地面63上に設置され、第1支持部27aが第1モータ27および筒状部21aの一方の端部を支え、第2支持部28aが第2モータ28および筒状部21aの他方の端部を支えている。さらに、第2板状部21cの下部に排出口29が形成されている。
【0017】
なお、筒状部21aはU字状の本体の上側開口部を開閉可能な図示しない蓋で閉じたものであり、前記U字状の本体は二重構造のジャケットになっていて、このジャケットの入口26からこのジャケットの中に後述する発電機60のタービン61で使用済みの蒸気がパイプ61a、61bを経由して送りこまれる。この蒸気の熱により微生物分解装置20の内部が50℃以上、湿度50%以上に保たれて廃棄物11aが好気発酵する条件が保たれる。さらに、パイプ61a、61cを経て、蒸気が廃棄物サイロ11内に送り込まれる。これにより廃棄物サイロ11内の廃棄物11aが加熱される。
【0018】
具体的には、微生物分解装置20内にて、廃棄物11aとおが屑12aとが攪拌されて、廃棄物11aの水分がおが屑12aに保水される。そして、水分を除いた廃棄物11aの固形物を微生物分解する。この場合の微生物は自然界に生息している微生物および例えば廃棄物11aが糞尿の場合には腸内細菌である。このため、特別な菌は不要であり、廃棄物11aは微生物分解により脱臭され、水分は加温されて臭いを発することなく蒸発する。この微生物により廃棄物11aの固形物は「水と二酸化炭素」に分解処理される。
廃棄物11aが糞尿の場合は、蒸発も分解もされない無機成分(窒素、リン酸、カリウム等)が残渣として残り、粉状態でおが屑12aに吸着される。そして、見た目には、「おが屑12aの色」が変わるのみで、糞尿が消えたように見える。
【0019】
図2に示すように、燃焼装置40が、搬送装置30で搬送された廃棄物11aに含まれる水分を含んだおが屑12aおよび廃棄物11aに含まれる無機物を燃焼する。
具体的には、搬送装置30はフライトコンベア31、破砕機32、ホッパ33およびフライトコンベア34を備えている。フライトコンベア31の入口は排出口29に接続され、フライトコンベア31の途中に破砕機32が配設されている。フライトコンベア31の出口はホッパ33の上に配置され、フライトコンベア34の入口はホッパ33の下に設置され、フライトコンベア34の出口は燃焼装置40の投入プッシャー42の上に配置されている。このため、微生物分解装置20の排出口29から「廃棄物11aに含まれる水分を含んだおが屑12aおよび廃棄物11aに含まれる無機物」(以下「搬送対象物」とする。)をフライトコンベア31が搬送してホッパ33内に落下させる。なお、フライトコンベア31が搬送する途中にて破砕機32が前記「搬送対象物」を破砕する。そして、ホッパ33内の前記破砕された「搬送対象物」をフライトコンベア34が搬送して投入プッシャー42上に落下させる。
【0020】
搬送装置30が微生物分解装置20内のおが屑12aおよび「廃棄物11aに含まれる無機物」を微生物分解装置20から取り出す。なお、微生物分解装置20から取り出されたおが屑12aは廃棄物11aの水分を含んでいる。
具体的には、搬送装置30はフライトコンベア31、破砕機32、ホッパ33およびフライトコンベア34を備えている。フライトコンベア31は微生物分解装置20の排出口29から排出されるおが屑12aおよび「廃棄物11aに含まれる無機物」を搬送して、ホッパ33に落下させる。なお、フライトコンベア31の搬送途中にて破砕機32が排出されるおが屑12aおよび「廃棄物11aに含まれる無機物」を破砕して細かくする。
さらに、ホッパ33内のおが屑12aおよび「廃棄物11aに含まれる無機物」をフライトコンベア34が搬送して燃焼装置40の投入プッシャー42上に落下させる。なお、ホッパ33を使用することにより、フライトコンベア34がおが屑12aおよび「廃棄物11aに含まれる無機物」を搬送する量を調節することができる。
【0021】
図2に示す燃焼装置40は、投入プッシャー42上に落下したおが屑12a(水分約50%、図1参照)および「廃棄物11a(図1参照)に含まれる無機物」を燃焼する。
具体的には、燃焼装置40は、燃焼装置40の側面を囲う側壁41を備えている。側壁41のうち前部41aには投入プッシャー42が取り付けられている。投入プッシャー42から燃焼装置40内に投入された「おが屑12a(図1参照)および「廃棄物11a(図1参照)に含まれる無機物」」はレシプロストーカー43により燃焼装置40の奥の方(前部41aから離れる方向)へ運ばれつつ燃焼する。
【0022】
図3に示すように、レシプロストーカー43は、第1部分44および第2部分45を備えている。第1部分44は第1支持部43aと第2支持部43bとで支えられ、第2部分45は第2支持部43bと第3支持部43cとで支えられている。なお、第1支持部43aは前部41aに取り付けられ、第2支持部43bは側壁41のうち側部41c(前部41aと後部41b(図2参照)とを連結する部分)に取り付けられ、第3支持部43cは仕切壁41dの上端部に取り付けられている。なお、仕切壁41dは燃焼装置40の床から立ち上がるように形成されている。また、側部41cには吸気孔41e、41fが形成されている。
【0023】
そして、第1部分44は、流体圧式の第1シリンダ44a、第1ロッド44b、第1台部44c、複数の固定桟44dおよび複数の可動桟44eを備えている。複数の固定桟44dは側部41cに固定され、固定桟44dと可動桟44eが交互に配置されている。第1シリンダ44aが第1ロッド44bを介して第1台部44cを押し引きすると、複数の可動桟44eが燃焼装置40の前後方向に押し引きされる。
【0024】
同様に、第2部分45は、流体圧式の第2シリンダ45a、第2ロッド45b、第2台部45c、複数の固定桟45dおよび複数の可動桟45eを備えている。複数の固定桟45dは側部41cに固定され、固定桟45dと可動桟45eが交互に配置されている。第2シリンダ45aが第2ロッド45bを介して第2台部44cを押し引きすると、複数の可動桟45eが前後方向に押し引きされる。
【0025】
図2に示すように、レシプロストーカー43の上方には輻射熱防止壁46が配置され、輻射熱防止壁46の基部は側壁41の後部41bに取り付けられている。このため、レシプロストーカー43と輻射熱防止壁46との間にておが屑12a(図1参照)等が燃焼する。その際輻射熱防止壁46は燃焼による輻射熱が上方に伝わることを防ぐ役割をしている。
また、「おが屑12aおよび「廃棄物11aに含まれる無機物」」を燃焼させた残渣は仕切壁41dと側壁41の後部41bとの間の床上に溜まる。この残渣は、窒素、燐酸、カリ等を含有しているので、肥料となる。
【0026】
図2に示すように、ボイラ47が、燃焼装置40の上部にて輻射熱防止壁46の上側に配設されている。ボイラ47が燃焼装置40で燃焼した際に発生する燃焼ガスにより水を加熱して蒸気を発生させる。
具体的には、ボイラ47内には複数のパイプ47aが横向きに配設されていて、燃焼装置40で燃焼した際に発生する約900〜1000℃の燃焼ガスが燃焼装置40内にて輻射熱防止壁46とボイラ47との間を矢印40aに示す方向に流れて、パイプ47aを通過すると、この燃焼ガスの熱によりボイラ47内の水が加熱されて蒸気が発生する。
【0027】
さらに、図2に示すように、エアヒーター48がボイラ47で水を加熱するために使用された燃焼ガスにより空気を加熱する。
具体的には、押し込みファン51がパイプ51aを通って約20℃の空気流をエアヒーター48に供給する。ボイラ47のパイプ47aを通過した約450℃の燃焼ガスは導管47bを通ってエアヒーター48に供給される。エアヒーター48では燃焼ガスの熱により前記供給された空気流を加熱する。
そして、エアヒーター48で加熱された約200℃の空気流はパイプ48aを通って側壁41の前部41aに形成された図示しない孔から燃焼装置40内に供給されて、燃焼装置40内の「おが屑12a(水分を含んでいる。)(図1参照)および「廃棄物11a(図1参照)に含まれる無機物」」を加熱して燃焼し易くする。
【0028】
さらに、図2に示すように、エアヒーター48で使用された約250℃の燃焼ガスはパイプ48bを通って集塵機52に送られ、集塵機52にて除塵されてパイプ52aを通って吸引ファン53に吸引され、さらに、吸引ファン53からパイプ53aを通って煙突54に送られ、煙突54の上端部から大気中に放出される。
【0029】
さらに、図2に示すように、発電機60が、ボイラ47で発生した蒸気をパイプ47cによりタービン61に導き、前記蒸気でタービン61を回転させ、この回転エネルギーにより発電機60で発電する。
そして、発電機60で発電した電力が図1の攪拌手段22の各モータ27、28の動力源となる。
なお、図2における燃焼装置40、押し込みファン51、集塵機52、吸引ファン53および煙突54は地面63上に設置されている。
【0030】
以上の構成の廃棄物処理システム10が、以下の動作をする。
すなわち、微生物分解装置20が糞尿、生ごみ、下水の汚泥等の廃棄物11aをおが屑12aとともに攪拌手段22で攪拌して、廃棄物11aに含まれる有機性化合物を微生物分解し、搬送装置30が「おが屑12aおよび「廃棄物11aに含まれる無機物」」を微生物分解装置20から取り出し、燃焼装置40が搬送装置30で搬送された「おが屑12aおよび「廃棄物11aに含まれる無機物」」を燃焼し、ボイラ47が燃焼装置40で燃焼した際に発生する燃焼ガスにより水を加熱して蒸気を発生させ、発電機60がボイラ47で発生した蒸気によりタービン61を回転させて発電する。
【0031】
さらに、発電機60にて発電した電力により微生物分解装置20内の攪拌手段22を容易に駆動することができる。
さらに、発電機60のタービン61にて使用した蒸気をさらに微生物分解装置20に導入して微生物分解装置20の内部の「おが屑12aおよび廃棄物11a」を加熱することができる。
さらに、エアヒーター48がボイラ47で使用済みの燃焼ガスにより空気流を加熱し、前記加熱された空気流が燃焼装置40内に送り込まれるので、燃焼装置40内の温度を高め、水分を含むおが屑12a等を効率よく焼却することができる。
【0032】
なお、上記実施の形態において、微生物分解装置20内で好気発酵したおが屑12aは水分約50%を含んでいるが、低位発熱量が1500キロカロリー/kgあるので、バイオマス燃料として利用できる。
また、畜糞は利用しにくいので、畜糞を乾燥して燃やしてほしいという要求が多く、例えば鶏糞を燃焼してボイラで蒸気を発生しているが、鶏糞のたんぱく質がボイラの伝熱面に付着して24時間もたないが、鶏糞におが屑を混入したものは完全に燃焼する。
また、糞尿を嫌気メタン発酵すると、二酸化炭素の排出量が膨大になるが、本発明ではこれを防ぐことができ、地球温暖化の防止に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態に係る廃棄物処理システムの前段部分を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る廃棄物処理システムの後段部分を示す説明図である。
【図3】図2の燃焼装置の下部を拡大して示す部分図である。
【図4】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0034】
10 廃棄物処理システム
11a 廃棄物
12a おが屑
20 微生物分解装置
22 攪拌手段
30 搬送装置
40 燃焼装置
47 ボイラ
48 エアヒーター
60 発電機


【特許請求の範囲】
【請求項1】
糞尿、生ごみ、下水の汚泥等の廃棄物をおが屑とともに攪拌手段で攪拌して、前記廃棄物に含まれる有機性化合物を微生物分解する微生物分解装置と、
前記おが屑および前記廃棄物に含まれる無機物を前記微生物分解装置から取り出す搬送装置と、
前記搬送装置で搬送された前記おが屑および前記廃棄物に含まれる無機物を燃焼する燃焼装置と、
前記燃焼装置で燃焼した際に発生する燃焼ガスにより水を加熱して蒸気を発生させるボイラと、
前記ボイラで発生した蒸気によりタービンを回転させて発電する発電機と、
を備えることを特徴とする廃棄物処理システム。
【請求項2】
請求項1記載の廃棄物処理システムであって、
前記発電機にて発電した電力により前記微生物分解装置内の攪拌手段を駆動することを特徴とする廃棄物処理システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の廃棄物処理システムであって、
前記発電機のタービンにて使用した蒸気をさらに前記微生物分解装置に導入して微生物分解装置の内部を加熱することを特徴とする廃棄物処理システム。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれかに記載の廃棄物処理システムであって、
エアヒーターを備え、前記エアヒーターが前記ボイラで使用済みの燃焼ガスにより空気流を加熱し、前記加熱された空気流が前記燃焼装置内に送り込まれることを特徴とする廃棄物処理システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−183830(P2009−183830A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−24994(P2008−24994)
【出願日】平成20年2月5日(2008.2.5)
【出願人】(390021278)株式会社タカハシキカン (10)
【出願人】(500029866)名古屋港木材倉庫株式会社 (5)
【出願人】(507012939)株式会社 オガワ農材 (2)
【Fターム(参考)】