説明

廃液処理装置

【課題】クーラント液を効率よく濃縮できる廃液処理装置を提供する。
【解決手段】処理前の廃液を貯留した貯留タンク10と、貯留タンク10から送給された廃液を加熱して濃縮する濃縮器20と、加熱にともなって生じた蒸気を凝縮させる凝縮器とを有する廃液処理装置において、濃縮器20が、互いに平行に配置してそれぞれ廃液を下から上に送流させながら加熱する筒状の第1と第2の加熱部21,22と、第1の加熱部21と第2の加熱部22との間に互いに平行に配置するとともに上端及び下端を互いに連結さて廃液を上から下に送流させる筒状の環流部23とを有する廃液処理装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工場から所定の処理施設に搬送される廃液を濃縮する廃液処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金属製の加工品やセラミックス製の加工品などを所用の工具で切削加工あるいは研磨加工する場合には、切削あるいは研磨にともなって加工品や工具が加熱して変性したり、あるいは静電気が発生したりすることを防止するために、クーラント液などの潤滑液をかけ流しながら行われている。
【0003】
加工品や工具にかけ流したクーラント液は、切削屑あるいは研磨屑などを含んでいるので、回収した後に濾過などを行って切削屑あるいは研磨屑を除去し、再利用しているが、再利用を繰り返すことによってクーラント液に一定量以上の不純物が混ざったり、あるいは腐敗が生じたりすることにより劣化が生じる。このように劣化したクーラント液は、産業廃棄物として焼却処分としている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
焼却処分する場合には、通常、焼却施設がクーラント液を使用している工場とは別施設となっているため、工場から焼却施設までクーラント液を搬送しなければならなかった。
【0005】
そのため、焼却処分されるクーラント液の量をできるだけ少なくすることにより搬送コスト及び焼却処理コストを低減させるために、劣化したクーラント液を濃縮することが検討されていた。
【特許文献1】特開平10−328675号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、劣化したクーラント液を濃縮する場合には、クーラント液を加熱する必要があるが、クーラント液を適当な容器に収容してただ単に加熱した場合には、クーラント液の濃縮にともなって綿状沈澱物であるフロックが容器の内周面に付着しやすく、フロックの除去などのメンテナンス作業が極めて繁雑となるおそれがあるだけでなく、加熱効率が低下しやすくなって、効果的に濃縮できないという問題があった。
【0007】
そこで、本発明者らは、クーラント液を効率よく濃縮できる廃液処理装置を開発する過程において本発明を成すに至ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の廃液処理装置は、処理前の廃液を貯留した貯留タンクと、貯留タンクから送給された廃液を加熱して濃縮する濃縮器と、加熱にともなって生じた蒸気を凝縮させる凝縮器とを有する廃液処理装置において、濃縮器が、互いに平行に配置してそれぞれ廃液を下から上に送流させながら加熱する筒状の第1と第2の加熱部と、第1の加熱部と第2の加熱部との間に互いに平行に配置するとともに上端及び下端を互いに連結さて廃液を上から下に送流させる筒状の環流部とを有することとした。
【0009】
さらに、本発明の廃液処理装置では、以下の点にも特徴を有するものである。
(1)環流部には、内側に筒状の内管を同軸状に設けるとともに、内管の上端に上方に向けて拡開状とした漏斗を設けたこと。
(2)一方端を第1の加熱部に設けた加熱手段の下方位置に連通連結するとともに、他方端を環流部の漏斗の下方位置に連通連結させて、環流部における内管の外側に溜まった廃液を第1の加熱部に送給する第1補助管と、一方端を第2の加熱部に設けた加熱手段の下方位置に連通連結するとともに、他方端を環流部の漏斗の下方位置に連通連結させて、環流部における内管の外側に溜まった廃液を第2の加熱部に送給する第2補助管とを有すること。
(3)第1の加熱部及び第2の加熱部には、下端において環流部に連通連結した下部第1連結管及び下部第2連結管の上方位置に、上方に向けて縮径状としたガイド片をそれぞれ設けたこと。
(4)貯留タンクから濃縮器に廃液を送給する送給用配管の中途部を凝縮器に連通連結して、凝縮器で廃液を加熱していること。
(5)凝縮器は、地下水を利用して蒸気を凝縮させていること。
(6)第1の加熱部及び第2の加熱部では、太陽熱または廃熱の熱エネルギーによって廃液を加熱していること。
【発明の効果】
【0010】
本発明の廃液処理装置では、処理前の廃液を貯留した貯留タンクと、貯留タンクから送給された廃液を加熱して濃縮する濃縮器と、加熱にともなって生じた蒸気を凝縮させる凝縮器とを有する廃液処理装置において、濃縮器が、互いに平行に配置してそれぞれ廃液を下から上に送流させながら加熱する筒状の第1と第2の加熱部と、第1の加熱部と第2の加熱部との間に互いに平行に配置するとともに上端及び下端を互いに連結さて廃液を上から下に送流させる筒状の環流部とを有することによって、加熱部と環流部との間で廃液を自然循環させながら濃縮させることができるので、フロックの付着の発生を防止しながら効率よく廃液を濃縮できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の廃液処理装置は、図1に示すように、処理前の廃液を貯留した貯留タンク10と、貯留タンク10から送給された廃液を加熱して濃縮する濃縮器20と、加熱にともなって生じた蒸気を凝縮させる第1凝縮器31と、第2凝縮器32と、第3凝縮器33を備えた多段凝縮器30とで構成している。
【0012】
貯留タンク10内の廃液は、一端を貯留タンク10に連通連結させるとともに他端を濃縮器20に連通連結させた送給配管11を介して濃縮器20に送給しており、送給配管11の中途部に設けた送給ポンプ12によって圧送している。
【0013】
本実施形態では、送給ポンプ12によって貯留タンク10内の廃液を濃縮器20に圧送しているが、貯留タンク10の配設高さを調整することにより、高度差を利用して廃液を供給可能としてもよい。
【0014】
さらに、送給配管11の中途部には多段凝縮器30の第1凝縮器31を介設しており、送給配管11内の廃液を冷却液として用いることにより、後述するように蒸気を冷却する一方で廃液を予備加熱している。
【0015】
濃縮器20には、互いに平行に配置してそれぞれ廃液を下から上に送流させながら加熱する筒状の第1加熱部21及び第2加熱部22と、上端を第1加熱部21の上端及び第2加熱部22の上端にそれぞれ連結させるとともに下端を第1加熱部21の下端及び第2加熱部22の下端にそれぞれ連結させて廃液を上から下に送流させる筒状の環流部23とを設けている。
【0016】
特に、環流部23は、第1加熱部21と第2加熱部22の間に互いに平行に配置している。また、第1加熱部21と、第2加熱部22と、環流部23は、それぞれ鉛直方向に沿って設けて、廃液を円滑に送流可能として、後述するように廃液に自然対流を生じさせやすくしている。
【0017】
本実施形態の濃縮器20では、第1加熱部21と第2加熱部22の2つの加熱部を設けているが、必要に応じて2つ以上の加熱部を設けてもよい。なお、たとえば第3加熱部を設けて加熱部を3つとした場合には、各加熱部は、平面視において正三角形の頂点部となる位置にそれぞれ配置させるとともに、その正三角形の重心の位置に環流部23を配置させることが望ましく、このような場合でも、本発明では、環流部23は加熱部の間に配置されているものと見なす。すなわち、各加熱部は、平面視で環流部23からそれぞれ等距離に設けていればよく、複数の加熱部が環流部23からそれぞれ等距離に設けられていれば、環流部23は加熱部の間に設けられているものと見なす。ここで、等距離とは、環流部23から最も遠く離れた加熱部までの距離が、環流部23に最も近接した加熱部までの距離の2倍以内までを含むものである。なお、各加熱部は、できるだけ環流部23に近接させて設けた方が望ましい。
【0018】
筒状とした第1加熱部21は、中途部に加熱手段としての第1熱交換機21aを設けており、この第1熱交換機21aで第1加熱部21に送給された廃液を加熱している。
【0019】
第1熱交換機21aは、熱湯が貯留された第1熱浴21a-1と、この第1熱浴21a-1を縦断する複数の第1細管21a-2とで構成しており、第1細管21a-2内を送給される廃液を加熱可能としている。
【0020】
第1熱浴21a-1の上側部分には給湯管24を連通連結させるとともに、第1熱浴21a-1の下側部分には排水管25を連通連結させて、給湯管24を介して給湯器26から所定の温度の熱湯を第1熱浴21a-1に送給する一方、第1熱浴21a-1内で温度の低下したお湯を排水管25を介して給湯器26に返戻させている。
【0021】
給湯器26には、適宜の加熱手段を用いることもできるが、本実施形態では、廃液の元であるクーラント液を使用している工場の廃熱の熱エネルギーを利用して熱湯を生成している。あるいは太陽熱を利用してもよい。このように太陽熱や廃熱などの熱エネルギーを用いて熱湯を生成することにより、省エネルギー化することができ、稼働コストを低減させることができる。
【0022】
第1加熱部21は、下端に筒状の下部第1連結管21bを連通連結し、この下部第1連結管21bを介して環流部23の下端部に連通連結している。
【0023】
さらに、第1加熱部21には、下部第1連結管21bの上方位置に上方に向けて縮径状とした第1ガイド片21cを設けている。特に、この第1ガイド片21cは、第1加熱部21における送給配管11との接続部である第1流入口21dよりも下方に設けて、後述するように濃縮された廃液が第1加熱部21内に流入することを抑制する一方、廃液の逆流を防止している。なお、第1流入口21dは、第1熱交換機21aの下方位置に設けている。
【0024】
また、第1加熱部21は、上端に筒状の上部第1連結管21eを連通連結し、この上部第1連結管21eを介して環流部23の上端部に連通連結して、第1熱交換機21aで加熱された廃液を環流部23に送給可能としている。特に、上部第1連結管21eは、4分の1円弧状としている。
【0025】
筒状とした第2加熱部22は、第1加熱部21と同一構成としており、中途部に加熱手段としての第2熱交換機22aを設けて、第2加熱部22に送給された廃液を加熱している。
【0026】
第2熱交換機22aも、熱湯が貯留された第2熱浴22a-1と、この第2熱浴22a-1を縦断する複数の第2細管22a-2とで構成しており、第2細管22a-2内を送給される廃液を加熱可能としている。
【0027】
第2熱浴22a-1の上側部分にも給湯管24を連通連結させるとともに、第2熱浴22a-1の下側部分にも排水管25を連通連結させて、給湯管24を介して給湯器26から所定の温度の熱湯を第1熱浴21a-1に送給する一方、第1熱浴21a-1内で温度の低下したお湯を排水管25を介して給湯器26に返戻させている。
【0028】
第2加熱部22も、下端に筒状の下部第2連結管22bを連通連結し、この下部第2連結管22bを介して環流部23の下端部に連通連結している。
【0029】
さらに、第2加熱部22にも、下部第2連結管22bの上方位置に上方に向けて縮径状とした第2ガイド片22cを設けている。特に、この第2ガイド片22cも、第2加熱部22における送給配管11との接続部である第2流入口22dよりも下方に設けて、濃縮された廃液が第2加熱部22内に流入することを抑制する一方、廃液の逆流を防止している。なお、第2流入口22dも、第2熱交換機22aの下方位置に設けている。
【0030】
また、第2加熱部22も、上端に筒状の上部第2連結管22eを連通連結して、この上部第2連結管22eを介して環流部23の上端部に連通連結して、第2熱交換機22aで加熱された廃液を環流部23に送給可能としている。特に、上部第2連結管22eも、4分の1円弧状としている。
【0031】
筒状とした環流部23には、中途部において内側に筒状の内管23aを同軸状に設けている。なお、環流部23では、内管23aが設けられている二重管部分を、その二重管部分よりも上側に位置した単管部分よりも太径とするとともに、単管部分の内径寸法を内管23aの内径寸法よりも大きくしている。
【0032】
さらに、内管23aの上端には、上方に向けて拡開状とした上部漏斗23bを設けている。このように、環流部23には、単管部分の内径寸法よりも小さい内径寸法の内管23aを設けるとともに、内管23aの上端に上部漏斗23bを設けることにより、第1加熱部21あるいは第2加熱部22で加熱されることによって濃縮されて比重が増大して沈降する廃液をスムーズに内管23aの内側に導くことができる。したがって、内管23aの内側には、廃液の下降流を生じさせやすくすることができ、廃液の循環を促す駆動力として利用することができる。
【0033】
内管23a内を沈降した廃液は、環流部23の下側に停留する。環流部23の直下方位置には、開閉弁27を介して濃縮廃液タンク28を設けており、開閉弁27を開弁することにより環流部23の下側に停留した廃液を濃縮廃液タンク28に排出可能としている。
【0034】
内管23a内を沈降した廃液のうち、沈降中に廃液中に含まれる微粒子から分離された廃液は、微粒子から分離されたことにより比重が軽くなっており、下部第1連結管21bあるいは下部第2連結管22bを介して第1加熱部21あるいは第2加熱部22に環流することとなる。
【0035】
あるいは、微粒子から分離されたことにより比重が軽くなった廃液は、環流部23内を上昇して、内管23aの外側を通ってさらに上昇することとなる。
【0036】
内管23aの下端には、下方に向けて拡開状とした下部漏斗23cを設けており、この下部漏斗23cによって、内管23aの外側に濃縮された廃液が流入することを防止している。
【0037】
内管23aの外側を通って上昇して溜まった廃液は、一方端を第1加熱部21に設けた第1熱交換機21aの下方位置に連通連結するとともに、他方端を環流部23の上部漏斗23bの下方位置に連通連結させた第1補助管23dを介して第1加熱部21に送給することにより環流させている。また、一方端を第2加熱部22に設けた第2熱交換機22aの下方位置に連通連結するとともに、他方端を環流部23の上部漏斗23bの下方位置に連通連結させた第2補助管23eを介して第2加熱部22に送給することにより環流させている。
【0038】
このように、第1補助管23d及び第2補助管23eを設けて十分に濃縮されていない廃液を第1加熱部21及び第2加熱部22に環流させることによって、廃液の濃縮効率を向上させることができる。ここで、内管23aは、大きくなった比重によって沈降する廃液のガイドとして機能するだけでなく、一旦沈降した廃液中の十分に濃縮されていない廃液を濃縮された廃液から分離させて環流させるための分離手段としても機能するものである。
【0039】
環流部23の上方位置には、上方に向けて延伸した筒状の蒸気室29を設けている。
【0040】
濃縮器20では、図1に示すように、廃液の液面Lの高さが、4分の1円弧状とした上部第1連結管21e及び上部第2連結管22eの中途部となる高さとして、上部第1連結管21e及び上部第2連結管22eの内周面と廃液の液面Lとの間の角度を90°より小さくしている。
【0041】
このようにすることによって液面Lの面積を大きくすることができるので、廃液の蒸発を促しやすくすることができ、蒸発効率を向上させることができるとともに、上部第1連結管21e及び上部第2連結管22eの内周面へのフロックの付着を抑制できるので、メンテナンスを容易とすることができる。特に、蒸発する廃液は沸騰しているので、仮に上部第1連結管21eあるいは上部第2連結管22eの内周面にフロックが付着したとしても、沸騰にともなう廃液の液面変動によってフロックが洗い流されることとなり、フロックの付着を抑制できる。
【0042】
蒸気室29には、蒸気配管40の一端を連通連結するとともに、蒸気配管40の他端を第1凝縮器31に連通連結して、蒸気配管40を介して蒸気室29内の蒸気を第1凝縮器31に送給している。
【0043】
上述したように、第1凝縮器31では、廃液を冷却媒体して蒸気を冷却しており、単に蒸気を冷却するだけでなく、蒸気の潜熱を廃液に回収させて、熱効率を向上させている。
【0044】
なお、第1凝縮器31では、潜熱の吸収にともなって冷却媒体の廃液から蒸気が生じる場合があり、第1凝縮器31で発生した蒸気は、一端を蒸気配管40に連通連結した予備配管41を介して蒸気配管40に排気させている。
【0045】
第1凝縮器31を通過した蒸気は第2凝縮器32に送気して、第2凝縮器32において蒸気を凝縮させており、第2凝縮器32を通過した蒸気は第3凝縮器33に送気して、第3凝縮器33において蒸気を凝縮させている。
【0046】
第2凝縮器32及び第3凝縮器33では、蒸気を凝縮させる冷却媒体として地下水を用いており、給水器34によって地下水を送給している。地下水を用いることにより、安価に冷却媒体を入手できるので、廃液処理装置の稼働コストを低減させることができる。
【0047】
また、本実施形態では、第2凝縮器32または第3凝縮器33に送給されて蒸気を凝縮させた際に加温された地下水を、工場における給湯用の水あるいは熱源として利用している。
【0048】
第2凝縮器32及び第3凝縮器33において蒸気から凝縮されて生成された凝縮液体は、凝縮液タンク35に収容している。凝縮液タンク35に収容された凝縮液体は、組成調整することによりクーラント液として再利用することも可能である。
【0049】
本実施形態では、第1凝縮器31と、第2凝縮器32と、第3凝縮器33を備えた多段凝縮器30で、濃縮器20で生成した蒸気を凝縮させているが、1台の凝縮器で構成してもよく、必ずしも多段となっている必要はない。
【0050】
以上のように構成した廃液処理装置では、濃縮器20で廃液を自然循環させながら濃縮させることができるので、フロックの付着の発生を防止しながら効率よく廃液を濃縮できる。
【0051】
しかも、加熱のための熱エネルギーには太陽熱や工場の廃熱を用い、冷却のための熱エネルギーには地下水を用いることにより、廃液処理装置の稼働コストを低減させやすく、しかも二酸化炭素の発生量が極めて少ない廃液処理装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施形態に係る廃液処理装置の概略説明図である。
【符号の説明】
【0053】
10 貯留タンク
11 送給配管
12 送給ポンプ
20 濃縮器
21 第1加熱部
21a 第1熱交換機
21b 下部第1連結管
21c 第1ガイド片
21d 第1流入口
21e 上部第1連結管
22 第2加熱部
22a 第2熱交換機
22b 下部第2連結管
22c 第2ガイド片
22d 第2流入口
22e 上部第2連結管
23 環流部
23a 内管
23b 上部漏斗
23c 下部漏斗
24 給湯管
25 排水管
26 給湯器
27 開閉弁
28 濃縮廃液タンク
29 蒸気室
30 多段凝縮器
31 第1凝縮器
32 第2凝縮器
33 第3凝縮器
34 給水器
35 凝縮液タンク
40 蒸気配管
41 予備配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理前の廃液を貯留した貯留タンクと、
前記貯留タンクから送給された前記廃液を加熱して濃縮する濃縮器と、
加熱にともなって生じた蒸気を凝縮させる凝縮器と
を有する廃液処理装置において、
前記濃縮器が、
互いに平行に配置してそれぞれ前記廃液を下から上に送流させながら加熱する筒状の第1と第2の加熱部と、
前記第1の加熱部と前記第2の加熱部との間に互いに平行に配置するとともに上端及び下端を互いに連結さて前記廃液を上から下に送流させる筒状の環流部と
を有する廃液処理装置。
【請求項2】
前記環流部には、内側に筒状の内管を同軸状に設けるとともに、前記内管の上端に上方に向けて拡開状とした漏斗を設けた請求項1記載の廃液処理装置。
【請求項3】
一方端を前記第1の加熱部に設けた加熱手段の下方位置に連通連結するとともに、他方端を前記環流部の前記漏斗の下方位置に連通連結させて、前記環流部における前記内管の外側に溜まった前記廃液を前記第1の加熱部に送給する第1補助管と、
一方端を前記第2の加熱部に設けた加熱手段の下方位置に連通連結するとともに、他方端を前記環流部の前記漏斗の下方位置に連通連結させて、前記環流部における前記内管の外側に溜まった前記廃液を前記第2の加熱部に送給する第2補助管と
を有する請求項2記載の廃液処理装置。
【請求項4】
前記第1の加熱部及び前記第2の加熱部には、下端において前記環流部に連通連結した下部第1連結管及び下部第2連結管の上方位置に、上方に向けて縮径状としたガイド片をそれぞれ設けた請求項3記載の廃液処理装置。
【請求項5】
前記貯留タンクから前記濃縮器に前記廃液を送給する送給用配管の中途部を前記凝縮器に連通連結して、前記凝縮器で前記廃液を加熱している請求項1〜4のいずれか1項に記載の廃液処理装置。
【請求項6】
前記凝縮器は、地下水を利用して蒸気を凝縮させている請求項5記載の廃液処理装置。
【請求項7】
前記第1の加熱部及び前記第2の加熱部では、太陽熱または廃熱の熱エネルギーによって前記廃液を加熱している請求項1〜6のいずれか1項に記載の廃液処理装置。

【図1】
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【公開番号】特開2010−125429(P2010−125429A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−305508(P2008−305508)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(504007006)公協産業株式会社 (8)
【Fターム(参考)】