説明

延長された循環半減期を有するポリペプチド結合体

【課題】 インビボでポリペプチドの半減期を増加するために使用され得る化合物を使用して、血清アルブミンに結合することにより治療用ポリペプチド(例えば、インスリン)の半減期を延長することにより、治療用ポリペプチドの薬物動態および薬力学を調節すること。
【解決手段】 一般式Iを有する結合体化ポリペプチドであって、R2a、R2b、およびRは、0原子〜12原子の直鎖を独立して含み;Xは、1原子であるかまたは5個以上の原子であり、この5個以上の原子は、環状環構造または複素環式環構造を形成し;Wは、リンカーであり;そしてZは、独立してNH、O、S、S(O)、CH、NH−CO、SO、CH−R、C(R)、CC、CH=CH、CH=Nであり、Rは、アルキルまたはアリールであり、その結合体化ポリペプチドは、アルブミンに特異的に結合する、結合体化ポリペプチド。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリペプチドに結合体化されて、そのポリペプチドの血中での循環半減期を延長し得る化合物を提供する。より詳細には、本発明は、ヒト血清アルブミンに対して高親和性を示す化合物、およびこのような化合物に結合体化されるポリペプチドを提供する。
【背景技術】
【0002】
組換えDNA技術は、医療的に有用な量の治療用ポリペプチドの商業的製造を可能にしてきた。しかし、多くの治療用ポリペプチドの短い半減期は、歴史的に、これらの化合物の有効的な投与に対する挑戦をもたらしてきた。いくつかの商業的に重要なポリペプチドベースの薬物が現在使用されており、これは、増加した半減期から恩恵を受ける:エリトロポイエチン(t1/2=180分)、インスリン(t1/2=5分)、インターフェロンα−2b(t1/2=120分)、インターフェロンβ(t1/2=60分)、インターフェロンγ(t1/2=30分)、顆粒球コロニー刺激因子(tl/2=120分)、ヒト成長ホルモン(t1/2=30分)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(t1/2=120分)、レラキシン(t1/2=30分)、ウロキナーゼ(t1/2=50分)、ストレプトキナーゼ(t1/2=80分)、組織プラスミノゲン賦活剤(t1/2=55分)、および腫瘍壊死因子(t1/2=18分)。治療用ポリペプチドの半減期を延長することは、投薬量および投薬の頻度を減少させることを可能にすることにより、現在の治療法を改善し得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
(要旨)
本発明は、インビボでポリペプチドの半減期を増加するために使用され得る化合物に基づく。このような化合物を使用して、血清アルブミンに結合することにより治療用ポリペプチド(例えば、インスリン)の半減期を延長することにより、治療用ポリペプチドの薬物動態および薬力学を調節し得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(項目1)

【0005】
【化1】

【0006】
を有する化合物であって、
、R2a、およびR2b、ならびにRは、0原子〜12原子の直鎖を独立して含み;
は、H、アルキル、または負電荷、およびそれらの塩であり;
Xは、1原子であるかまたは5個以上の原子であり、この5個以上の原子は、環状環構造または複素環式環構造を形成し;
W’は、少なくとも1つの反応性部分Rを含むリンカーである、
化合物。
(項目2)
項目1に記載の化合物であって、Rは、(CHであり、nは、0〜12の整数である、化合物。
(項目3)
項目1または2に記載の化合物であって、R2aおよびR2bは、独立して(CH、C(O)NH−(CH、CH−NH−(CH、(CH−C(O)であるか、または存在せず、m、x、およびzは、0〜12の整数であり、そしてyは、1〜12の整数である、化合物。
(項目4)
項目1〜3のうちのいずれか1項に記載の化合物であって、Rは、独立してC(O)−(CH、C(O)CH(CH)、C(O)C(CHであるか、または存在せず、pは、0〜12の整数である、化合物。
(項目5)
項目1〜4のうちのいずれか1項に記載の化合物であって、Rは、ハロゲン、一級アミン、二級アミン、三級アミン、ヒドロキシル、チオール、カルボン酸、スルホン酸、または活性化エステルである、化合物。
(項目6)
項目1〜5のうちのいずれか1項に記載の化合物であって、Xは、N、CH、P、またはトリアジンである、化合物。
(項目7)

【0007】
【化2】

【0008】
を有する化合物であって、
、R2a、およびR2b、ならびにRは、0原子〜12原子の直鎖を独立して含み;
は、H、アルキル、または負電荷、およびそれらの塩であり;
Xは、1原子であるかまたは5個以上の原子であり、この5個以上の原子は、環状環構造または複素環式環構造を形成し;
W’は、少なくとも1つの反応性部分Rを含むリンカーであり;そして
Gは、0原子〜9原子の鎖である、
化合物。
(項目8)
項目7に記載の化合物であって、Rは、(CHであり、nは、0〜12の整数である、化合物。
(項目9)
項目7または8に記載の化合物であって、R2aおよびR2bは、独立して(CH、C(O)NH−(CH、CH−NH−(CH、(CH−C(O)であるか、または存在せず、m、x、およびzは、0〜12の整数であり、そしてyは、1〜12の整数である、化合物。
(項目10)
項目7〜9のうちのいずれか1項に記載の化合物であって、Rは、独立してC(O)−(CH、C(O)CH(CH)、C(O)C(CHであるか、または存在せず、pは、0〜12の整数である、化合物。
(項目11)
項目7〜10のうちのいずれか1項に記載の化合物であって、Rは、ハロゲン、一級アミン、二級アミン、三級アミン、ヒドロキシル、チオール、カルボン酸、スルホン酸、または活性化エステルである、化合物。
(項目12)
項目7〜11のうちのいずれか1項に記載の化合物であって、Xは、N、CH、P、またはトリアジンである、化合物。
(項目13)
項目7〜12のうちのいずれか1項に記載の化合物であって、Gは、(CH、C(O)、SO、またはS(O)を含み、qは、0〜9の整数である、化合物。
(項目14)
項目1または7に記載の化合物であって、W’は、1個以上の炭素原子を有する、直鎖アルキルまたは分枝鎖アルキルを含む、化合物。
(項目15)
項目14に記載の化合物であって、前記炭素原子のうちの1つ以上は、シクロアルカン、ヘテロ原子、置換ヘテロ原子、CO−O、CO−NH、CO−S、CO、SO、SO−NH、またはSO−Oで独立して置換されている、化合物。
(項目16)
項目15に記載の化合物であって、前記置換されたヘテロ原子は、N−(アルキル)、N−(アリール)、N−(アルキル−アリール)、ホスフィン、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホジエステル、およびアミノホスフェートからなる群より選択される、化合物。
(項目17)
項目1または7に記載の化合物であって、前記アリール部分は、独立して
【0009】
【化3】

【0010】
であり、
Rは、H、OCH、ハロゲン、CN、NO、CF、OCF、OH、O(C〜C)アルキル、SH、S(C〜C)アルキル、SO(C〜C)アルキル、SO(C〜C)アルキル、SOH、SONH、SONH(C〜C)アルキル、NH、NH(C〜C)アルキル、N((C〜C)アルキル)、COH、(C〜C)アルキル、および(C〜C)シクロアルキルからなる群より選択される、化合物。
(項目18)
項目17に記載の化合物であって、前記アリール部分は、
【0011】
【化4】

【0012】
からなる群より選択される、化合物。
(項目19)
一般式I
【0013】
【化5A】

【0014】
を有する結合体化ポリペプチドであって、
2a、R2b、およびRは、0原子〜12原子の直鎖を独立して含み;
Xは、1原子であるかまたは5個以上の原子であり、この5個以上の原子は、環状環構造または複素環式環構造を形成し;
Wは、リンカーであり;そして
Zは、独立してNH、O、S、S(O)、CH、NH−CO、SO、CH−R、C(R)、CC、CH=CH、CH=Nであり、Rは、アルキルまたはアリールであり、
その結合体化ポリペプチドは、アルブミンに特異的に結合する、結合体化ポリペプチド。
(項目20)
項目19に記載の結合体化ポリペプチドであって、R2aおよびR2bは、独立して(CH、C(O)NH−(CH、CH−NH−(CH、(CH−C(O)であるか、または存在せず、m、x、およびzは、0〜12の整数であり、そしてyは、1〜12の整数である、結合体化ポリペプチド。
(項目21)
項目19または20に記載の結合体化ポリペプチドであって、Rは、独立してC(O)−(CH、C(O)CH(CH)、C(O)C(CHであるか、または存在せず、pは、0〜12の整数である、結合体化ポリペプチド。
(項目22)
項目19〜21のうちのいずれか1項に記載の結合体化ポリペプチドであって、Xは、N、CH、P、またはトリアジンである、結合体化ポリペプチド。
(項目23)
一般式II
【0015】
【化6】

【0016】
を有する結合体化ポリペプチドであって、
2a、R2b、およびRは、0原子〜12原子の直鎖を独立して含み;
Xは、1原子であるかまたは5個以上の原子であり、この5個以上の原子は、環状環構造または複素環式環構造を形成し;
Wは、リンカーであり;そして
Gは、0原子〜9原子の鎖であり、
その結合体化ポリペプチドは、アルブミンに特異的に結合する、結合体化ポリペプチド。
(項目24)
項目23に記載の結合体化ポリペプチドであって、R2aおよびR2bは、独立して(CH、C(O)NH−(CH、CH−NH−(CH、(CH−C(O)であるか、または存在せず、m、x、およびzは、0〜12の整数であり、そしてyは、1〜12の整数である、結合体化ポリペプチド。
(項目25)
項目23または24に記載の結合体化ポリペプチドであって、Rは、独立してC(O)−(CH、C(O)CH(CH)、C(O)C(CHであるか、または存在せず、pは、0〜12の整数である、結合体化ポリペプチド。
(項目26)
項目23〜25のうちのいずれか1項に記載の結合体化ポリペプチドであって、Xは、N、CH、P、またはトリアジンである、結合体化ポリペプチド。
(項目27)
項目23〜26のうちのいずれか1項に記載の結合体化ポリペプチドであって、Gは(CH、C(O)、SO、またはS(O)を含み、qは、0〜9の整数である、結合体化ポリペプチド。
(項目28)
項目19または23に記載の結合体化ポリペプチドであって、その結合体は、エリスロポイエチン、インスリン、インターフェロンα−2b、インターフェロンβ、インターフェロンγ、顆粒球コロニー刺激因子、ヒト成長ホルモン、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、レラキシン、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、組織プラスミノゲンアクチベーター、および腫瘍壊死因子からなる群より選択される治療用ポリペプチドを含む、結合体化ポリペプチド。
(項目29)
項目19または23に記載の結合体化ポリペプチドであって、その結合体は、アルブミンの部位IIに特異的に結合する、結合体化ポリペプチド。
(項目30)
項目19または23に記載の結合体化ポリペプチドであって、上記結合体は、対応する非結合体化ポリペプチドの血清半減期よりも大きな血清半減期を示す、結合体化ポリペプチド。
(項目31)
項目19または23に記載の結合体化ポリペプチドであって、Wは、式
【0017】
【化7】

【0018】
を有する構造要素を含み、
は(CHであり、nは、0〜12の整数であり;そして
は、H、アルキル、または負電荷、およびそれらの塩である、
結合体化ポリペプチド。
(項目32)
項目19または23に記載の結合体化ポリペプチドであって、Wは、式
【0019】
【化8】

【0020】
を有する構造要素を含み、
は(CHであり、nは、0〜12の整数である、
結合体化ポリペプチド。
(項目33)
項目19または23に記載の結合体化ポリペプチドであって、Wは、1個以上の炭素原子を有する、直鎖アルキルまたは分枝鎖アルキルを含む、結合体化ポリペプチド。
(項目34)
項目33に記載の結合体化ポリペプチドであって、上記炭素原子のうちの1つ以上は、シクロアルカン、ヘテロ原子、置換ヘテロ原子、CO−O、CO−NH、CO−S、CO、SO、SO−NH、またはSO−Oで独立して置換されている、結合体化ポリペプチド。
(項目35)
項目34に記載の結合体化ポリペプチドであって、上記置換されたヘテロ原子は、N−(アルキル)、N−(アリール)、N−(アルキル−アリール)、ホスフィン、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホジエステル、およびアミノホスフェートからなる群より選択される、結合体化ポリペプチド。
(項目36)
項目19または23に記載の結合体化ポリペプチドであって、上記アリール部分は、独立して
【0021】
【化9】

【0022】
であり、
Rは、H、OCH、ハロゲン、CN、NO、CF、OCF、OH、O(C〜C)アルキル、SH、S(C〜C)アルキル、SO(C〜C)アルキル、SO(C〜C)アルキル、SOH、SONH、SONH(C〜C)アルキル、NH、NH(C〜C)アルキル、N((C〜C))、COH、(C〜C)アルキル、および(C〜C)シクロアルキルからなる群より選択される、結合体化ポリペプチド。
(項目37)
項目36に記載の結合体化ポリペプチドであって、上記アリールは、
【0023】
【化10】

【0024】
からなる群より選択される、結合体化ポリペプチド。
(項目38)
項目5または11に記載の化合物であって、上記活性化エステルは、酸塩化物、酸無水物、マレイミド、アルデヒド、およびN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステルからなる群より選択される、化合物。
(項目39)
一般式III
【0025】
【化11】

【0026】
を有する結合体化ポリペプチドであって、
は、H、アルキル、または負電荷、およびそれらの塩であり;
は、1個以上の炭素原子を含み;そして
Wは、リンカーであり;
その結合体化ポリペプチドは、アルブミンに結合する、結合体化ポリペプチド。
(項目40)
項目39に記載の結合体化ポリペプチドであって、その結合体は、エリスロポイエチン、インスリン、インターフェロンα−2b、インターフェロンβ、インターフェロンγ、顆粒球コロニー刺激因子、ヒト成長ホルモン、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、レラキシン、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、組織プラスミノゲンアクチベーター、および腫瘍壊死因子からなる群より選択される治療用ポリペプチドを含む、結合体化ポリペプチド。
(項目41)
項目39に記載の結合体化ポリペプチドであって、Wは、1個以上の炭素原子を有する、直鎖アルキルまたは分枝鎖アルキルを含む、結合体化ポリペプチド。
(項目42)
項目41に記載の結合体化ポリペプチドであって、上記炭素原子のうちの1つ以上は、シクロアルカン、ヘテロ原子、置換ヘテロ原子、CO−O、CO−NH、CO−S、CO、SO、SO−NH、またはSO−Oで独立して置換されている、結合体化ポリペプチド。
(項目43)
項目42に記載の結合体化ポリペプチドであって、上記置換されたヘテロ原子は、N−(アルキル)、N−(アリール)、およびN−(アルキル−アリール)、ホスフィン、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホジエステル、ならびにアミノホスフェートからなる群より選択される、結合体化ポリペプチド。
(項目44)
項目43に記載の結合体化ポリペプチドであって、Rは、ハロゲン、一級アミン、二級アミン、三級アミン、ヒドロキシル、チオール、カルボン酸、スルホン酸、および活性化エステルからなる群より選択される少なくとも1つの反応性部分をさらに含む、結合体化ポリペプチド。
(項目45)
項目44に記載の結合体化ポリペプチドであって、上記活性化エステルは、酸塩化物、酸無水物、マレイミド、アルデヒド、およびN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステルからなる群より選択される、結合体化ポリペプチド。
(項目46)

【0027】
【化12】

【0028】
を有する化合物であって、
は、(CHであり、nは、0〜12の整数であり;
2aおよびR2bは、独立して(CH、C(O)NH−(CH、CH−NH−(CH、(CH−C(O)であるか、または存在せず、m、x、およびzは、0〜12の整数であり、そしてyは、1〜12の整数であり;
は、独立してC(O)−(CH、C(O)CH(CH)、C(O)C(CHであるかまたは存在せず、pは0〜12の整数であり、
は、H、アルキル、または負電荷、およびそれらの塩であり;
Xは、N、CH、P、またはトリアジンであり;そして
W’は、少なくとも1つの反応性部分Rを有するリンカーであり、Rは、ハロゲン、一級アミン、二級アミン、三級アミン、ヒドロキシ、チオール、カルボン酸、スルホン酸、および活性化エステルからなる群より選択される、化合物。
(項目47)
項目46に記載の化合物であって、nは1であり、R2aはCH−NH=(CHであり、R2bは存在せず、RはHであり、そしてXはCHである、化合物。
(項目48)
項目47に記載の化合物であって、アリールは
【0029】
【化13】

【0030】
である、化合物。
(項目49)
項目46に記載の化合物であって、nは1であり、R2aはC(O)−NH−(CHであり、R2bは存在せず、RはHであり、そしてXはCHである、化合物。
(項目50)
項目49に記載の化合物であって、Rは、独立してC(O)−(CH、C(O)CH(CH)、C(O)C(CHであるか、または存在せず、pは、0〜12の整数である、化合物。
(項目51)
項目50に記載の化合物であって、アリールは、
【0031】
【化14】

【0032】
からなる群より選択される、化合物。
(項目52)
項目46に記載の化合物であって、nは1であり、R2aはCHであり、R2bは存在せず、RはHであり、そしてXはCHである、化合物。
(項目53)
項目52に記載の化合物であって、Rは、独立してC(O)−(CH、C(O)CH(CH)、C(O)C(CHであるか、または存在せず、pは、0〜12の整数である、化合物。
(項目54)
項目53に記載の化合物であって、アリールは、
【0033】
【化15】

【0034】
からなる群より選択される、化合物。
(項目55)

【0035】
【化16】

【0036】
を有する化合物であって、
は、(CHであり、nは、0〜12の整数であり;
2aおよびR2bは、独立して(CH、C(O)NH−(CH、CH−NH−(CH、(CH−C(O)であるか、または存在せず、m、x、およびzは、0〜12の整数であり、そしてyは、1〜12の整数であり;
は、独立してC(O)−(CH、C(O)CH(CH)、C(O)C(CHであるか、または存在せず、pは、0〜12の整数であり;
は、H、アルキル、または負電荷、およびそれらの塩であり;
Xは、N、CH、P、またはトリアジンであり;
W’は、少なくとも1つの反応性部分Rを有するリンカーであり、Rは、ハロゲン、一級アミン、二級アミン、三級アミン、ヒドロキシ、チオール、カルボン酸、スルホン酸、および活性化エステルからなる群より選択され;そして
Gは、(CH、C(O)、SO、またはS(O)であり、qは、0〜9の整数である;
化合物。
(項目56)
項目1、7、または14に記載の化合物であって、一方または両方のアリール基が、1個〜10個の炭素原子を有する非芳香族部分で置換されている、化合物。
(項目57)
項目56に記載の化合物であって、上記非芳香族部分は、直鎖アルキル部分、分枝鎖アルキル部分、もしくは環状アルキル部分、直鎖アルケニル部分、分枝鎖アルケニル部分、もしくは環状アルケニル部分、または直鎖アルキニル部分、分枝鎖アルキニル部分、もしくは環状アルキニル部分を含む、化合物。
(項目58)
項目57に記載の化合物であって、上記環状部分は、1個以上のヘテロ原子を含む、化合物。
(項目59)
項目58に記載の化合物であって、上記ヘテロ原子は、N、O、およびSからなる群より選択される、化合物。
(項目60)
ポリペプチドの半減期を増加させる方法であって、その方法は、項目1〜7に記載の化合物に、治療用ポリペプチドを結合体化させる工程を包含する、方法。
【0037】
1つの局面において、本発明は、下式:
【0038】
【化17】

【0039】
を有する化合物を特徴とし、
式中、R、R2aおよびR2b、ならびにRは、独立して、0〜12個の原子の直鎖を含み;Rは、H、アルキルまたは負電荷およびその塩であり;Xは、1つの原子または5個以上の原子であり、ここでこの5個以上の原子は、環状構造または複素環式環構造を形成し;そしてW’は、少なくとも1つの反応性部分Rを含むリンカーである。Rは、(CHであり得、ここでnは、0〜12の整数である。R2aおよびR2bは、独立して、(CH、C(O)NH−(CH、CH−NH−(CH、(CH−C(O)であり得るかまたは存在せず、ここでm、x、およびzは、0〜12の整数であり、そしてyは、1〜12の整数である。Rは、独立してC(O)−(CH(ここでpは、0〜12の整数である)、C(O)CH(CH)、C(O)C(CHであり得るか、または存在しない。Rは、ハロゲン、1級アミン、2級アミン、3級アミン、ヒドロキシル、チオール、カルボン酸、スルホン酸、または活性化エステルであり得る。Xは、N、CH、P、またはトリアジンであり得る。
【0040】
本発明はまた、下式:
【0041】
【化18】

【0042】
を有する化合物を特徴とし、
式中、R、R2aおよびR2b、ならびにRは、独立して、0〜12個の原子の直鎖を含み;Rは、H、アルキル、または負電荷およびその塩であり;Xは、1個の原子または5個以上の原子であり、ここでこの5個以上の原子は、環状構造または複素環式環構造を形成し;W’は、少なくとも1つの反応性部分Rを含むリンカーであり;そしてGは、0〜9個の原子鎖である。Rは、(CHであり得、ここでnは、0〜12の整数である。R2aおよびR2bは、独立して、(CH、C(O)NH−(CH、CH−NH−(CH、(CH−C(O)であるか、または存在せず、ここでm、x、およびzは、0〜12の整数であり、そしてyは、1〜12の整数である。Rは、独立して、C(O)−(CH(ここでpは、0〜12の整数である)、C(O)CH(CH)、C(O)C(CHであり得るか、または存在しない。Rは、ハロゲン、1級アミン、2級アミン、3級アミン、ヒドロキシル、チオール、カルボン酸、スルホン酸、または活性化エステルであり得る。Xは、N、CH、P、またはトリアジンであり得る。Gは、(CH(ここでqは、0〜9の整数である)、C(O)、SO、またはS(O)であり得る。W’は、1個以上の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル鎖であり得る。これらの炭素原子の1個以上は、独立して、シクロアルカン、ヘテロ原子、置換ヘテロ原子、CO、CO−NH、CO−S、CO、SO、SO−NH、またはSO−Oで置換され得る。この置換へテロ原子は、N−(アルキル)、N−(アリール)、N−(アルキル−アリール)、ホスフィン、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホジエステル、およびアミノホスフェートからなる群から選択され得る。これらのアリール部分は、独立して
【0043】
【化19】

【0044】
であり得、
式中、Rは、H、OCH、ハロゲン、CN、NO、CF、OCF、OH,O(C〜C)アルキル、SH、S(C〜C)アルキル、SO(C〜C)アルキル、SO(C〜C)アルキル、SOH、SONH、SONH(C〜C)アルキル、NH、NH(C〜C)アルキル、N((C〜C)アルキル)、COH、(C〜C)アルキル、および(C〜C)シクロアルキルからなる群から選択される。このような化合物は、治療用ポリペプチドに結合体化されて、この治療用ポリペプチドの半減期を増加し得る。
【0045】
別の局面において、本発明は、一般式I:
【0046】
【化20】

【0047】
を有する結合体化ポリペプチドを特徴とし、
式中、R2a、R2b、およびRは、独立して、0〜12個の原子の直鎖を含み;Xは、1個の原子または5個以上の原子であり、ここでこの5個以上の原子は、環状構造または複素環式環構造を形成し;Wは、リンカーであり;そしてZは、独立して、NH、O、S、S(O)、CH、NH−CO、SO、CH−R、C(R)、CC、CH=CH、CH=Nであり、ここでRは、アルキルまたはアリールであり、ここでこの結合体化したポリペプチドは、アルブミンに特異的に結合する。R2aおよびR2bは、独立して、(CH、C(O)NH−(CH、CH−NH−(CH、(CH−C(O)であり得るか、または存在せず、ここでm、x、およびzは、0〜12の整数であり、そしてyは、1〜12の整数である。Rは、独立して、C(O)−(CH(ここでpは、0〜12の整数である)、C(O)CH(CH)、C(O)C(CHであり得るか、または存在しない。Xは、N、CH、P、またはトリアジンであり得る。
【0048】
なお別の局面において、本発明は、一般式II:
【0049】
【化21】

【0050】
を有する結合体化ポリペプチドを特徴とし、
式中、R2a、R2b、およびRは、独立して、0〜12個の原子の直鎖を含み;Xは、1個の原子または5個以上の原子であり、ここでこの5個以上の原子は、環状構造または複素環式環構造を形成し;Wは、リンカーであり;そしてGは、0〜9個の原子鎖であり、ここでこの結合体化したポリペプチドは、アルブミンに特異的に結合する。R2a、R2b、RおよびXは、上で考察したとおりである。Gは、(CH(ここでqは、0〜9の整数である)、C(O)、SO、またはS(O)であり得る。
【0051】
ポリペプチドは、エリトロポイエチン、インスリン、インターフェロンα−2b、インターフェロンβ、インターフェロンγ、顆粒球コロニー刺激因子、ヒト成長因子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、レラキシン、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、組織プラスミノゲン賦活剤、および腫瘍壊死因子からなる群から選択され得る。この結合体化ポリペプチドは、アルブミンのサイトIIに特異的に結合し得る。この結合体はまた、対応する非結合体化ポリペプチドの血清半減期と比較して、長い血清半減期を示し得る。
【0052】
Wは、下式:
【0053】
【化22】

【0054】
を有する構造要素であり得、
ここで、Rは、(CHであり、ここでnは、0〜12の整数であり;そしてRは、H、アルキル、または負電荷およびその塩である。
【0055】
Wは、下式:
【0056】
【化23】

【0057】
の構造要素を含み得、
ここで、Rは、(CHであり、ここでnは、0〜12の整数である。
【0058】
Wはまた、1個以上の炭素原子を有する直鎖または分枝のアルキル鎖であり得る。これらの炭素原子の1個以上は、シクロアルカン、ヘテロ原子、置換へテロ原子、CO−O、CO−NH、CO−S、CO、SO、SO−NH、またはSO−Oで、独立して置換され得る。この置換へテロ原子は、N(アルキル)、N(アリール)、およびN(アルキル−アリール)、ホスフィン、ホスフェート、チオホスフェート、ホスホジエステル、ならびにアミノホスフェートからなる群から選択される。アリール部分は、上で考察したとおりである。
【0059】
別の局面において、本発明は、一般式III:
【0060】
【化24】

【0061】
を有する結合体化ポリペプチドを特徴とし、
式中、Rは、H、アルキル、または負電荷およびその塩であり;Rは、1個以上の炭素原子を含み;そしてWは、リンカーであり、ここで、この結合体化ポリペプチドは、アルブミンに結合する。
【0062】
別の局面において、本発明は、下式:
【0063】
【化25】

【0064】
を有する化合物を特徴とし、
式中、Rは、(CHであり、ここでnは、0〜12の整数であり;R2aおよびR2bは、独立して、(CH、C(O)NH−(CH、CH−NH−(CH、(CH−C(O)であるか、または存在せず;ここでm、x、およびzは、0〜12の整数であり、そしてyは、1〜12の整数であり;Rは、独立して、C(O)−(CH(pは、0〜12の整数である)、C(O)CH(CH)、C(O)C(CHであるか、または存在せず;Rは、H、アルキル、または負電荷およびその塩であり;Xは、N、CH、P、またはトリアジンであり;W’は、少なくとも1つの反応性部分Rを有するリンカーであり、ここでRは、ハロゲン、1級アミン、2級アミン、3級アミン、ヒドロキシル、チオール、カルボン酸、スルホン酸、および活性化エステルからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、nは、1であり;R2aは、CH−NH=(CHであり、R2bは存在せず、Rは、Hであり;そしてXは、CHである。他の実施形態において、nは、1であり;R2aは、C(O)−NH−(CHであり、R2bは存在せず、Rは、Hであり;そしてXは、CHであるか、またはnは、1であり;R2aは、CHであり、R2bは存在せず、Rは、Hであり;そしてXはCHである。
【0065】
なお別の局面において、本発明は、下式:
【0066】
【化26】

【0067】
を有する化合物を特徴とし、
式中、Rは(CHであり、ここでnは、0〜12の整数であり;R2aおよびR2bは、独立して、(CH、C(O)NH−(CH、CH−NH−(CH、(CH−C(O)であるか、または存在せず;ここで、m、x、およびzは、0〜12の整数であり、そしてyは、1〜12の整数であり;Rは、独立して、C(O)−(CH(ここでpは、0〜12の整数である)、C(O)CH(CH)、C(O)C(CHであるか、または存在せず;Rは、H、アルキル、または負電荷およびその塩であり;Xは、N、CH、P、またはトリアジンであり;W’は、少なくとも1つの反応性部分Rを有するリンカーであり、ここでRは、ハロゲン、1級アミン、2級アミン、3級アミン、ヒドロキシル、チオール、カルボン酸、スルホン酸、および活性化エステルからなる群から選択され;そしてGは、(CH(ここでqは、0〜9の整数である)、C(O)、SO、またはS(O)である。
【0068】
いくつかの実施形態において、一方または両方のアリール基は、1〜10個の炭素原子を有する非芳香族部分で置き換えられる。この非芳香族部分は、直鎖、分枝、もしくは環状の、アルキル、アルケニル、もしくはアルキニル部分を含み得る。この環状部分は、1つ以上のヘテロ原子であり得る(例えば、N、O、およびS)。
【0069】
他に規定されない限り、本明細書中で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般的に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書中に記載される方法および材料に類似するかまたは等価な方法および材料が、本発明の実施または試験において使用され得るが、適切な方法および材料は、以下に記載される。本明細書中で記述される全ての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、その全体が参考として援用される。抵触の場合には、定義を含めて本明細書に従う。さらに、材料、方法、および実施例は、例示のみであり、限定を意図しない。
【0070】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明、および特許請求の範囲から明らかとなる。
【0071】
(詳細な説明)
(定義)
本開示において明確に規定されていない一般に使用される化学略語は、The American Chemical Society Style Guide、第2版;American Chemical Society、Washington、DC(1997)、「2001 Guidelines for Authors」J.Org.Chem.66(1)、24A(2001)「A Short Guide to Abbreviations and Their Use in Polypeptide
Science」J.Polypeptide.Sci.5、465−471(1999)に見出され得る。
【0072】
用語「ポリペプチド」とは、翻訳後修飾に関わらず、少なくとも2つのアミノ酸の鎖をいう。ポリペプチドは、天然に存在するか、化学的に合成されるか、または組換え産生される、アミノ酸のポリマーであり得る。2〜50のアミノ酸を有するポリペプチドは、代表的にペプチドとして分類される。
【0073】
用語「酵素」は、触媒活性を有するポリペプチドを意味する。
【0074】
用語「インスリン」とは、本明細書中で使用される場合、哺乳動物(ヒト、ラット、モルモットおよびウサギが挙げられる)において見出される天然に存在する低血糖性ポリペプチド、および米国特許第4,652,525号、同第4,431,740号、同第5,268,453号、同第5,506,202号、同第5,514,646号、および同第5,700,662号に開示される類似の低血糖性ポリペプチドをいう。
【0075】
用語「置換(された)」は、その部分上に配置され得、そしてその分子が意図された機能を果たすことを可能にする置換を含む。
【0076】
用語「アルキル」は、飽和脂肪族基を含み、これらとしては、直鎖アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなど)、分枝鎖アルキル基(イソプロピル、tert−ブチル、イソブチルなど)、シクロアルキル(脂環式)基(シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル)、アルキル置換シクロアルキル基、およびシクロアルキル置換アルキル基が挙げられる。特定の実施形態において、直鎖または分枝鎖のアルキルは、6個以下の炭素原子をその骨格に有し(例えば、直鎖についてC〜C、分枝鎖についてC〜C)、そしてより好ましくは、4個以下である。同様に、好ましいシクロアルキルは、3〜8個の炭素原子をそれらの環構造に有し、そしてより好ましくは、5または6個の炭素を環構造に有する。用語C〜Cは、1〜6個の炭素原子を含むアルキル基を含む。
【0077】
用語「アルケニル」としては、上記のアルキルに長さで類似しそして上記のアルキルへと置換可能である、不飽和脂肪族基が挙げられるが、これらは、少なくとも1つの二重結合を含み、かつ少なくとも2つの炭素原子を含まなければならない。例えば、用語「アルケニル」は、直鎖アルケニル基(例えば、エチレニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニルなど)、分枝鎖アルケニル基、シクロアルケニル(脂環式)基(シクロプロペニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル)、アルキル置換シクロアルケニル基またはアルケニル置換シクロアルケニル基、およびシクロアルキル置換アルケニル基またはシクロアルケニル置換アルケニル基が挙げられる。特定の実施形態では、直鎖または分枝鎖のアルケニル基は、骨格中に6個以下の炭素原子を有する(例えば、直鎖についてC〜C、分枝鎖についてC〜C)。同様に、シクロアルケニル基は、それらの環構造中に3〜8個の炭素原子を有し得、そして、好ましくは、環構造中に5または6個の炭素原子を有し得る。用語C〜Cとしては、2から6個の炭素原子を含むアルキル基を含む。
【0078】
さらに、用語アルキルは、「非置換アルキル」および「置換アルキル」の両方を含み、後者は、炭化水素骨格の1つ以上の炭素上の水素を置換する置換基を有するアルキル部分をいう。このような置換基としては、例えば、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族部分もしくは複素環式芳香族部分が挙げられ得る。シクロアルキルは、例えば、上記の置換基とさらに置換され得る。「アリールアルキル」部分は、アリールと置換されたアルキル(例えば、フェニルメチル(ベンジル))である。用語「n−アルキル」は、直鎖(すなわち、非分枝)非置換アルキル基を意味する。
【0079】
一般的に、用語「アリール」としては、0〜4個のへテロ原子を含み得る、5員環の単環芳香族基および6員環の単環芳香族基(例えば、ベンゼン、フェニル、ピロール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、およびピリミジンなど)を含む基が挙げられる。さらに、用語「アリール」としては、多環式アリール基(例えば、三環式、二環式(例えば、ナフタレン、ベンゾオキサゾール、ベンゾジオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチオフェン、メチレンジオキシフェニル、キノリン、イソキノリン、ナフチリジン(naphthridine)、インドール、ベンゾフラン、プリン、ベンゾフラン、デアザプリン、またはインドリジン))が挙げられる。環構造中にヘテロ原子を有するこれらのアリール基はまた、「アリール複素環」、「複素環」、「ヘテロアリール」、または「複素環式芳香族」と呼ばれ得る。アリール基は、1つ以上の環の位置にて置換基で置換され得る。
【0080】
(ポリペプチド結合体)
一般的に、本発明は、インビボで延長された半減期を有するポリペプチド結合体を提供する。ポリペプチドは、代表的には、血清アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン(HSA))に対する親和性を有する結合部分に結合体化される。HSAは、内因性リガンドおよび外因性リガンドのキャリアとして機能する、585個のアミノ酸のポリペプチドである。HSAは、新油性部分、および生理学的pHでの負電荷か、または部分的に負に荷電した酸素、イオウ、もしくはフッ素のいずれかを有する分子を結合し得る。一般的に、HSAに対する結合親和性は、結合部分の疎水性と共に増加する。広範な疎水性結合部分または両親媒性結合部分が用いられ得、これらは、例えば、任意の数の窒素置換基、酸素置換基、イオウ置換基、ハロゲン置換基、アルキル置換基、アミド置換基、エステル置換基、およびスルホンアミド置換基を含む1〜60個の炭素を有する、脂肪族基またはアリール基を含む。混合された脂肪族−アリール基、またはアリール基は、特に有用である。あるいは、結合基は、疎水性末端基または親水性末端基を有するか、または有さない、疎水性アミノ酸残基および/または疎水性置換基を含むペプチドであり得る。アルブミンからサイロキシンを置換しない結合基は、特に有用である。なぜならば、サイロキシンの置換は、都合の悪い影響を導き得るからである。さらに、アルブミンからワーファリンまたはジゴキシンを置換しない結合基もまた、好適であり得る。
【0081】
生理学的条件下で50%よりも多く(例えば、60、70、80、90、または95%よりも多く)結合される、血清アルブミンに対する親和性を有する結合基は、適切である。一般的に、より高い程度までアルブミンを結合する化合物は、血中でより長い半減期を有する。しかし、アルブミン結合特性の範囲を用いて、結合体化ポリペプチドの半減期を適切なレベルに合わせ得る。例えば、結合は、半減期を延ばすのに十分な強度であるべきであるが、有益な生理学的効果を発揮するために利用可能な結合体の遊離画分がなくなるほど強くはない。ある程度の血管外遊出が望まし場合、中程度の親和性のアルブミン結合基が選択され得る。
【0082】
アルブミン上の特定の部位に対する強い親和性を有する結合基は、特に有用である。なぜならば、このような情報は、インビボで生じ得る薬物置換反応を予想するために用いられ得るからである。HSAは、3つの相同ドメインを含み、各ドメインは、構造モチーフを共有する2つのサブドメインから構成される。HSAが、内因性分子および外因性分子についての多くの結合部位を含む一方で、部位Iおよび部位IIは、リガンド結合の重要な領域である。例えば、Sudlow,G.ら、Molecular Pharmacology 1975,11,824−832;およびSudlow,G.ら、Molecular Pharmacology 1976,12,1052−1061を参照のこと。部位Iは、サブドメインIIA上に存在する大きな部位であり、ワーファリンおよびサリチレートを含む広範な分子を結合し得る。部位Iに対する結合親和性は、ワーファリンおよびサリチレートを含む異なる範囲の分子に結合し得る。部位Iの対する結合親和性は、ワーファリン、ダンシル−L−アスパラギン(DNSA)、およびn−ブチルp−アミノベンゾエート蛍光プローブを用いて評価され得る。例えば、Yamasaki,Kら、Biochimica et Biophysica Acta 1996,1295,147−157を参照のこと。部位IIは、サブドメインIIIA上に位置付けられ、そしてジアゼパム、イブプロフェン、およびナプロキセンなどの分子を結合する。例えば、Peters,T.J.All about Albumin:Biochemistry,Genetics,and Medical Applications;Academic Press:San Diego,1996を参照のこと。本発明の結合体化ポリペプチドは、アルブミンの部位IIに特異的に結合し得る。
【0083】
候補結合基のアルブミン親和性およびポリペプチド結合体のアルブミン親和性を決定するための方法は、当該分野で公知であり、そしてアフィニティークロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、平衡透析、および蛍光プローブ置換が挙げられる。結合基単独の可溶性が制限される場合、可溶化フラグメント(例えば、Gd−DTPA)を用いて結合基を誘導体化することにより、相対的親和性を評価することが好適であり得る。例えば、HSA結合は、緩衝液(pH7.4)中の4.5%重量/容量のHSAを用いる平衡透析または限外ろ過により評価され得る。蛍光プローブ置換において、HSAに結合した時に蛍光を発する蛍光プローブが用いられる。親和性は、蛍光プローブが、アルブミン結合部分によりHSA上の結合部位から置換されるか否かを決定することにより評価される。蛍光の低下は、アルブミン結合部分がプローブで置換されたことを示し、そして得られたデータを適合させて、阻害平衡定数K(これは、所定のプローブの結合部位に対する結合基の親和性を反映する)を獲得し得る。
【0084】
アルブミン結合部分は、任意の治療用ポリペプチドに結合体化され得る。例えば、ポリペプチドは、生理活性ペプチド(例えば、5〜50のアミノ酸長)であり得るか、または触媒活性を有しても有さなくてもよいより長いポリペプチドであり得る。生理活性ペプチドの非制限的例としては、以下が挙げられる:コナントキンG(conantokin G)、ダイノルフィン、エンドルフィン、エンケファリン、またはニューロテンシンのような、神経伝達物質;ボンベシン、モチリン、またはガストリンのような、胃活性化因子(gastric activator);カルシトニンのような、カルシウム調節因子;血管作用性腸ポリペプチド、コルチコトロピン、またはセクレチンのような、ホルモン;ソマトスタチンのような、ホルモンインヒビター;メラニン細胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン放出因子、セルモレリン(sermorelin)のような、ホルモン刺激因子;グルカゴンまたはインスリン(「Humulin」Eli Lilly)のような抗糖尿病剤;アンジオスタチンIIのような、血管収縮薬;ブラジキニン、サブスタンスP、またはカリジンのような、血管拡張薬;心房性ナトリウム利尿ポリペプチドのようなナトリウム排泄増加剤;ならびにオキシトシンのような子宮収縮剤。用いられ得るポリペプチドのさらなる例としては、ヒト成長ホルモン(「Humantrope」,Genentech);G−CFS(「Neupogen」,Amgen);エリスロポイエチン(「Epogen」,Amgen);インターフェロンα、インターフェロンβ、またはインターフェロンγ;プロテインCまたはVIIa因子のような、VIII因子または他の血液凝固因子;卵胞刺激ホルモン;インターロイキン(IL)(例えば、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、またはIL−12)のような、サイトカイン;ヘモグロビン;スーパーオキシドジスムターゼ;可溶性CD4またはCD4レセプター;可溶性TNFレセプター(「Enbrel」,Immunex);血小板gpIIb/IIIaアナログおよびそれらのレセプター(「ReoPro」,Johnson & Johnson);グルコセレブロシダーゼ(「Ceredase」または「Cerezyme」,Genzyme);ACTH;ソマトトロピン;副甲状腺ホルモン、抗利尿ホルモン;プロラクチン;あるいはストレプトキナーゼ、スタフィロキナーゼ、ウロキナーゼ、または組織プラスミノーゲン活性化因子(「Activase」,Genentech)のような血栓溶解薬が挙げられる。
【0085】
アルブミンに特異的に結合するポリペプチド結合体は、以下の一般式Iを有し得る:
【0086】
【化27】

【0087】
2a、R2b、およびRは、独立して、0〜12個の原子の直鎖を含み得る。例えば、R2aおよびR2bは、存在しても、存在しなくてもよい。存在する場合、R2aおよびR2bは、同じであっても、異なっていてもよく、そして、例えば、(CH、NH、C(O)NH−(CH、CH−NH−(CH、(CH−C(O)を含み得、ここで、m、x、およびzは、0〜12の整数であり、そしてyは、1〜12の整数である。
【0088】
は、例えば、C(O)−(CH(ここで、pは、0〜12の整数である)、C(O)CH(CH)、C(O)C(CHであり得る。いくつかの実施形態では、Rは存在しない。
【0089】
Xは、1個の原子または5個以上の原子であり得、ここで、5以上の原子は、環構造または複素環式環構造を形成する。例えば、Xとしては、任意の原子、または二官能点を提供する原子の基(例えば、N、CH、P、もしくは以下のトリアジン)が挙げられる。
【0090】
【化28】

【0091】
Zは、独立して、NH、O、S、S(O)、CH、NH−CO、SO、CH−R、C(R)、CH=CH、CH=N、CCであり得、ここで、Rは、アルキルまたはアリールである。
【0092】
任意のアリール部分は、本発明の結合体化ポリペプチドに含まれ得る。アリール部分は、以下の構造式を有するものを含む;
【0093】
【化29】

【0094】
ここで、アリール部分は、1〜5個のR基で置換され得る。Rは、独立して、以下から選択され得る:H、OCH、ハロゲン、CN、NO、CF、OCF、OH、O(C〜C)アルキル、SH、S(C〜C)アルキル、SO(C〜C)アルキル、SO(C〜C)アルキル、SOH、SONH、SONH(C〜C)アルキル、NH、NH(C〜C)アルキル、N((C〜C)アルキル)、COH、(C〜C)アルキル、および(C〜C)シクロアルキル。
【0095】
例示的アリール基としては、以下の構造式を有するものが挙げられる:
【0096】
【化30】

【0097】
Wは、1つ以上の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル鎖であり得るリンカーである。1つ以上の炭素原子は、独立して、以下の基の1つ以上で置換され得る:シクロアルカン、ヘテロ原子、置換へテロ原子、CO−O、CO−NH、CO−S、CO、SO,SO−NH、またはSO−O。例示的置換へテロ原子としては、例えば、N−(アルキル)、N−(アリール)、N−(アルキル−アリール)、ホスフィン、ホスフェート、チオホスフェート、アミノホスフェート、およびホスホジエステルが挙げられる。
【0098】
ホスホジエステル部分と置換された例示的クラスのリンカー(W)としては、以下の構造式を有するものが挙げらる:
【0099】
【化31】

【0100】
ここで、Rは、(CHであり、ここで、nは、0〜12の整数であり;そしてRは、H、アルキル、または負電荷、およびその塩である。ホスホジエステル部分を有する例示的化合物としては、実施例の表1に示されるものが挙げられる。
【0101】
このようなリンカーを含む結合体化ポリペプチドを作製するために、以下の構造式を有する化合物を用い得る:
【0102】
【化32】

【0103】
ここで、R2a、R2b、R、R、およびRは、上記の通りである。
【0104】
リンカーW’は、少なくとも1つの反応部分Rを含む。「反応部分」は、ポリペプチドと反応して、共有結合を形成し得る化学物質である。ポリペプチド誘導体を合成するための試薬は当該分野で周知であり、そして、Roger L.Lubladによる「Techniques in Protein Modification」(1994)に例示されるアプローチが挙げられるが、これに制限されない。多くの型の反応が、結合体に用いられ得、これらとしては、以下が挙げられる:活性エステルを用いるアシル化(米国特許第4,897,255号)、還元アミノ化、求核置換反応(例えば、ブロモアセトアミド(米国特許第4,678,667号))、尿素形成、チオ尿素形成、および化学選択的連結。タンパク質上のチオール残基の修飾のための好ましい試薬としては、タンパク質との混合ジスルフィド付加物を形成する、マレイミド、ハロアセトアミド、ハロアセテート、およびジチオールが挙げられる。リジンのεアミノ基のような、アミノ残基の修飾のための好ましい試薬としては、以下が挙げられる:活性エステル(例えば、無水物、ペンタフルオロフェノール、N−ヒドロキシスクシンイミドなど)、イソチオシアネート、アルデヒド(例えば、還元アミノ化スキームにおける、ピリドキサール−5’−ホスフェート)、ハロアセトアミド、およびハロアセテート。アルギニン残基は、2,3−ブタジオンおよびボレートを用いて修飾され得る。
【0105】
例示的反応部分としては、H、ハロゲン、1°アミン、2°アミン、ヒドロキシル、チオール、カルボン酸、スルホン酸、および活性エステルが挙げられる。活性エステルは、M.Bodanszky,「Principles of Polypeptides Synthesis」第2版;Springer−Verlag,1993,276頁により詳細に記載される。特定の好ましい活性エステルの例としては、NHSエステル、カルボキシレート、酸塩化物、酸無水物、マレイミド、およびアルデヒドが挙げられる。
【0106】
アミド部分で置換された別のクラスのリンカー(W)は、以下の構造式を有し得る:
【0107】
【化33】

【0108】
結合体化ポリペプチドは、以下の結合体を生じるようなリンカーを用いて作製され得る:
【0109】
【化34】

【0110】
アルブミンに特異的に結合する第2のクラスのポリヌクレオチド結合体は、以下の一般構造式IIを有する:
【0111】
【化35】

【0112】
ここで、R2a、R2b、R、W、およびアリールは、上で定義した通りである。Gは、0〜9個の原子の鎖であり、そして5個と12個の間の原子のサイズの環を提供する、任意の構造エレメントであり得る。例えば、Gは、(CH(ここで、qは0〜9の整数である)、C(O)、SO、またはS(O)であり得る。
【0113】
このような結合体化ポリペプチドを作製するために、以下の構造式を有する化合物を用い得る:
【0114】
【化36】

【0115】
ここで、R基は、上で定義した通りである。
【0116】
結合体の安定性は、R2aまたはR2bのいずれかが存在しない場合に、Rを(CH)n(ここでnは1〜12の整数である)に限定することにより、改善され得る。
【0117】
第3のクラスの結合体化ポリペプチドは、以下の一般式IIIを有する:
【0118】
【化37】

【0119】
ここで、WおよびRは、上記の通りである。Rは、1つ以上の炭素原子を含む結合部分である。アルブミン結合部分は、特に有用である。例えば、上記および表Iの結合部分を参照のこと。上記の化合物および結合体におけるWおよびW’の両方が、アルブミン結合に寄与し得ることが注目される。
【0120】
1つの実施形態では、本発明のアルブミン結合部分は、一般的に、反応性カルボン酸部分を有するホスホルアミダイト保護化合物を、遊離のヒドロキシル部分、分枝点、およびアリール基を有する化合物と反応させて、ホスホジエステル部分、末端基、および末端カルボン酸基を含む化合物を形成することにより調製され得る。ホスホルアミダイト、および分枝点を含む化合物は、標準的な合成方法を用いて合成され得、そして当業者に周知である。第2のアリール部分は、標準的な合成手順を用いて導入され、従って、分枝点、ホスホジエステル、2つのアリール部分、および遊離のカルボン酸末端を有する、アルブミン結合部分を生成する。遊離のカルボン酸末端は、活性エステル、またはポリペプチドのアミノ末端への結合体化のために適切な他の部分へと転換され得る。以下は、このような化合物の調製のための一般的な手順を示す:
【0121】
【化38】

【0122】
(薬学的組成物)
アルブミン結合部分およびポリペプチド結合体を含む、本発明の組成物は、慣用的な手順に従って薬学的組成物として処方され得る。本明細書中で用いられる場合、本発明の化合物は、その薬学的に受容可能な誘導体を含み得る。「薬学的に受容可能な」とは、化合物または組成物が、受け入れられない有害な影響なしに、動物に投与され得ることを意味する。「薬学的に受容可能な誘導体」とは、任意の薬学的に受容可能な塩、エステル、エステルの塩、あるいは、レシピエントに投与される際に、本発明の化合物または活性代謝物もしくはその残基を(直接的または間接的に)提供し得る本発明の化合物の他の誘導体を意味する。他の誘導体は、(例えば、経口投与された化合物を、血中により容易に吸収させることにより)本発明の化合物が哺乳動物に投与される場合に、このような化合物のバイオアベイラビリティーを増大する誘導体か、あるいは親化合物の生物学的区画(例えば、脳またはリンパ系)への送達を増強して、親種に対する曝露を増大させる誘導体である。本発明の化合物の薬学的に受容可能な塩は、当該分野で周知である薬学的に受容可能な無機酸および有機酸ならびに無機塩基および有機塩基から誘導される対イオンを含む。
【0123】
本発明の薬学的組成物は、経口投与および非経口投与の両方を含む、任意の経路により投与され得る。非経口投与としては、皮下投与、静脈内投与、動脈内投与、間質投与、鞘内投与、および腔内投与が挙げられるが、これらに限定されない。静脈内に投与される場合、薬学的組成物は、ボーラス、時間を空けた2回以上の投薬、または一定もしくは非直線流動注入として与えられ得る。従って、本発明の組成物は、任意の経路の投与のために処方され得る。
【0124】
代表的には、静脈内投与のための組成物は、滅菌等張水性緩衝液中の溶液である。必要な場合、組成物はまた、可溶化剤、安定化剤、および注入部位の痛みを緩和するリドカインのような局部麻酔剤を含み得る。一般的に、成分は、別々に(例えば、キット中)か、または単位投薬形態(例えば、凍結乾燥粉末または無水濃縮物として)で一緒に混合されてのいずれかで供給される。組成物は、活性単位の活性薬剤の量を示すアンプルまたは小さい包み(sachette)のような密閉容器中で保存され得る。組成物が、注入により投与される場合、滅菌薬学グレードの「注射用の水」、生理食塩水、または他の適切な静脈内流体を含む注入ビンに分配され得る。組成物が、注入により投与される場合、注入のための滅菌水または生理食塩水のアンプルは、成分が、投与の前に混合され得るように提供され得る。本発明の薬学的組成物は、薬学的に受容可能な成分、賦形剤、キャリア、アジュバントまたはビヒクルと共に、本発明の化合物およびその薬学的に受容可能な塩を含む。
【0125】
本発明の薬学的組成物は、他の診断剤または治療剤に類似した様式で、ヒトを含む哺乳動物に投与され得る。投与されるべき投薬量、および投与の様式は、患者の年齢、体重、性別、状態、および遺伝的因子を含む、種々の因子に依存し、そして、最終的に、医療関係者により決定され、引き続いて、本明細書中に記載されるように、様々な投薬量の実験的決定、次いで、イメージングが行われる。一般的に、診断的感受性または治療効果のために必要とされる投薬量は、ホストの体重の約0.001μg/kg〜50,000μg/kg、好ましくは、0.01μg/kgと25.0μg/kgの間の範囲である。最適な用量は、本明細書中の開示に従って実験的に決定される。
【実施例】
【0126】
以下の実施例は、本明細書中を例示するために提供され、本発明の限定として解釈されるべきではない。
【0127】
(実施例1:アルブミン結合試薬の合成および特徴付け)
(工程1:(R)−2−ヒドロキシメチル−N−トリチル−(S)−4−イソブチル−N’−メチルフェニルアセチルエチレンジアミンモノアミド)
【0128】
【化39】

【0129】
100mL丸底フラスコ中で、(R)−ヒドロキシメチルN−トリチルエチレンジアミン(1.33g)、(S)−イブプロフェン[(S)−(+)−4−イソブチル−α−メチルフェニル酢酸](0.83g)およびHOBt・1HO(0.68g)を、10mLの無水塩化メチレン中に溶解した。EDC(0.96g、5mmol、1.25当量)を、5°で添加した。この混合物を、5℃と室温との間で24時間撹拌した。塩化メチレンを、ロータリーエバポレーションによってによってエバポレートし、そして残渣を酢酸エチル中に溶解した。酢酸エチル層をHOで2回洗浄し、MgSOで乾燥した。溶媒のエバポレーションによって、2.16gの粗製の所望のアミドを白色発泡固体として得た。このアミドを、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)によってによって精製した。収量1.62g(78%)。MS:543.55(M+Na)。
【0130】
(工程2:(R)−2−ヒドロキシメチル−N−(S)−4−イソブチル−α−メチルフェニルアセチル−エチレンジアミンアミド)
【0131】
【化40】

【0132】
10mLの丸底フラスコ中で、トリチル化アミンを、2.5mL無水塩化メチレン中に溶解した。TFA(2.5mL)を滴下した。5分後、溶媒をロータリーエバポレーションによってエバポレートし、そして残渣をバキュームライン上に静置して凝固させた。残渣を1N HClで粉砕し、そして酢酸エチルで抽出した。有機層をNaSOで乾燥した。溶媒のエバポレーションによって、0.937gの粗製の所望のアミドをトリフルオロ酢酸塩として得た。遊離アミンを、8N NaOH(pH=9)で遊離させた。水層を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせ、そしてMgSOで乾燥させた。溶媒のエバポレーションによって、所望のアミドを白色固体として得た。収量0.211g(62%)。MS:301.35(M+Na)。
【0133】
(工程3:(R)−2−ヒドロキシメチル−N−(S)−4−イソブチル−α−メチルフェニルアセチル−N’−(S)−ベンジルオキシカルボニルt−ブチルアスパルチルエチレンジアミンジアミド)
【0134】
【化41】

【0135】
(S)−ベンジルオキシカルボニル−t−ブチル−アスパルテートを、対応するジクロロヘキシルアミン塩の、0.5N KHSOでの処理および酢酸エチルでの抽出によって得た。遊離酸、アミンおよびHOBt一水和物を、0℃の20mL塩化メチレンに溶解した。EDC(0.395g)を添加した。反応物を、RTで16時間撹拌した。塩化メチレンを、ロータリーエバポレーションによってエバポレートし、そして残渣を酢酸エチル中に溶解した。酢酸エチル層をHO(2×100mL)でおよびブライン(100mL)で洗浄し、そしてMgSOで乾燥した。溶媒のエバポレーションによって、粗製の所望生成物を得て、この精製物を、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(CHCl/MeOH)によって精製した。。収量0.613g(63%)。MS:584.65(M+1)。
【0136】
(工程4:モノ−ベンジルグルタール酸)
【0137】
【化42】

【0138】
グルタール酸無水物(3.423g)およびベンジルアルコール(3.10mL)を、塩化メチレンに溶解した。DMAP(0.183g)を添加し、そして反応混合物をRTで22時間撹拌した。溶媒をエバポレートし、そして残渣を酢酸エチルに溶解した。有機層を40mLの1N NaOHおよび40mLのHOで抽出した。水層を合わせ、そして酢酸エチルで抽出した。水層を6NのHCl溶液でpH3になるまで酸性化し、そして酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。有機層を合わせ、そしてMgSOで乾燥した。溶媒を、ロータリーエバポレーションによって除去して、6:5の比の所望のモノエステルとグルタール酸との混合物を2.79g得た。粗製のモノエステルを、さらなる精製を行わずに次の工程において用いた。
【0139】
(工程5:シアノエチル−N,N−ジイソプロピル(ベンジル−5−ヒドロキシペンタノエート)ホスホルアミダイト)
【0140】
【化43】

【0141】
モノ−ベンジルグルタレートとグルタール酸との6:5混合物(2.79g、1.88gのモノエステル)を、20mLの無水THF中に溶解させた。トリエチルアミン(1.53mL)を0℃で添加した。イソ−ブチルクロロホルメート(1.25mL)を滴下し、そして得られる懸濁物を、0℃で15分間撹拌した。トリエチルアミン塩酸塩を濾過し、そして濾液を、0℃で15分間、HO中のNaBH(0.963g)溶液に滴下した。反応混合物を20分間撹拌し、そしてTHFをロータリーエバポレーションによって除去した。残渣を酢酸エチルと1NのHClとの間で分配した。水層を3×30mL酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、そしてMgSOで乾燥した。溶媒のエバポレーションによって、出発モノ−ベンジルグルタレートと所望の生成物との混合物を2.89g得て、これらを、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)によって分離した。第1画分:モノベンジルグルタレート(0.745g、40%)、第2画分:ベンジル5−ヒドロキシ−ペンタノエート(0.839g、48%)。
【0142】
ベンジル5−ヒドロキシ−ペンタノエート(0.657g)を、20mLの無水塩化メチレン中に溶解し、そしてこの溶液を0℃になるまで冷却した。ジイソプロピルエチルアミン(0.82mL)、続いて2−シアノエチルジイソプロピルクロロホスホルアミダイト(0.74mL)を0℃で添加した。反応混合物を、0℃とRTとの間で2時間撹拌した。反応混合物を、冷飽和NaHCO溶液で洗浄し、そして有機層をNaSOで乾燥した。
【0143】
溶媒のエバポレーションによって、1.481gの粗製の所望ホスホルアミダイトを得て、これを、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル/トリエチルアミン)によって精製した。収量0.839g(65%)。
【0144】
(工程6:メチル3−メトキシ−2,4,6−トリヨードベンゾエート)
【0145】
【化44】

【0146】
温度計および凝縮器を取り付けた3首の250mL丸底フラスコ中で、3−メトキシ−2,4,6−トリヨード安息香酸(10.38g)を、0℃の、EtOとメタノールとの2:1混合物中に溶解した。TMSCHNの2.0Mヘキサン溶液を、黄色が維持されるようになるまで滴下し、そしてNバブリングを中止した。反応混合物を30分間撹拌し、そして氷酢酸でクエンチした。溶媒および過剰のAcOHを減圧下で18時間除去して、所望のエステルを白色固体として得て、このエステルを、さらなる精製を行わずに次の工程で用いた。収量11.07g(約100%の粗製物)。
【0147】
(工程7:3−メトキシ−2,4,6−トリヨード安息香酸)
【0148】
【化45】

【0149】
凝縮器を備えた250mL丸底フラスコ中で、メチル3−メトキシ2,4,6−トリヨードベンゾエート(11.07g)を、ジオキサン/MeOHの3:1混合物(88mL)中に溶解した。22mLのHO中に溶解した水酸化リチウム(1.71g)を添加し、そして反応混合物を60℃で72時間撹拌した。ジオキサンおよびメタノールをエバポレートし、そして残渣を100mLのHO中で希釈した。水溶液を濾過し、そして濾液をEtO(2×100mL)で抽出した。エーテル層を合わせ、そしてMgSOで乾燥した。溶媒のエバポレーションによって、7.64gの未反応の出発物質(69%)を得た。水層を2NのHClでpH2になるまで酸性化し、そして酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥した。溶媒のエバポレーションによって、所望の酸を得た。収量3.14g(29%)。
【0150】
(工程8:3−メトキシ−2,4,6−トリヨードベンゾイルクロリド)
【0151】
【化46】

【0152】
凝縮器を備えた25mL丸底フラスコ中で、メチル3−メトキシ2,4,6−トリヨード安息香酸(0.250g)を、3mLの無水塩化メチレン中に懸濁した。塩化オキサリル(0.58mL)および1滴のDMFを添加した。反応混合物をRTで4時間撹拌した。溶媒および過剰の塩化オキサリルを、ロータリーエバポレーションによって除去した。所望のアシルクロリドを減圧下で乾燥して、淡黄色固体を得て、これを、さらなる精製を行わずに次の工程において用いた。収量0.272g(粗製物約100%)。
【0153】
(工程9:ベンジル5−オキシ−ペンタノエート−ホスホノ−(R)−2−オキシメチル−N−(S)−4−イソブチル−α−メチルフェニルアセチル−N’−(S)−N−ベンジルオキシカルボニルt−ブチルアスパルチルエチレンジアミンジアミド)
【0154】
【化47】

【0155】
(R)−2−ヒドロキシメチル−N−(S)−(+)−4−イソブチル−α−メチルフェニルアセチル−N’−(S)−ベンジルオキシカルボニルt−ブチルアスパルチルエチレンジアミンジアミドを懸濁し、そしてシアノエチル−N,N−ジイソプロピル(ベンジル5−ヒドロキシペンタノエート)ホスホルアミダイトを5mL無水アセトニトリル中に溶解し、そして2gのモレキュラーシーブ4Å(2g)を添加した。テトラゾール(0.088g)を0℃で添加した。1時間後、90%のtBuOOH(0.175mL、1.58mmol、1.5当量)を添加し、そして反応物を45分間撹拌した。シーブを濾過し、そして濾液をエバポレートして乾固させた。粗製ホスホトリエステルを含む残渣を酢酸エチル中に溶解し、そしてこれをHO、Naおよびブラインで洗浄した。有機層をMgSOで乾燥した。溶媒のエバポレーションによって、0.940gの粗製ホスホジエステルを得て、これを、MeOH中の2MのNH(10mL)で処理した。混合物を0℃で1時間およびRTで5時間撹拌した。反応物を、LC−MSによってモニタリングした。溶媒のエバポレーションによって0.796gの所望の粗製ホスホジエステルアンモニウム塩を得て、これを、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(CHCl/i−PrOH/EtN)によって精製した。収量0.613g(EtNH塩、61%)。MS:853.95(M+1)。
【0156】
(工程10:オキシ−ペンタン酸−ホスホノ−(R)−2−オキシメチル−N−(S)−4−イソブチル−α−メチルフェニルアセチル−N’−(S)−t−ブチルアスパルチルエチレンジアミンジアミド)
【0157】
【化48】

【0158】
500mLのParrビン中で、ベンジル5−オキシ−ペンタノエート−ホスホノ−(R)−2−オキシメチル−N−(S)−4−イソブチル−α−メチルフェニルアセチル−N’−(S)−N−ベンジルオキシカルボニルt−ブチルアスパルチルエチレンジアミンジアミド(0.289g、0.303mmol)を15mLの無水THF中に溶解し、そしてこの溶液を脱気した。10%炭素担持パラジウム(0.200g)をアルゴン下で添加した。混合物を45psiのH下で14時間振盪した。触媒を濾別し、そしてTHFで数回リンスした。溶媒のエバポレーションによって、所望のアミノ酸を白色固体として得た。収量0.193g(87%)。MS:630.55(M+1)および1260.15(2M+1)。
【0159】
(工程11:5−オキシ−ペンタン酸−ホスホノ−(R)−2−オキシメチル−N−(S)−4−イソブチル−α−メチルフェニルアセチル−N’−(S)−t−ブチルN−(3−メトキシ−2,4,6−トリヨードベンズアミド)アスパルテートエチレンジアミンジアミド)
【0160】
【化49】

【0161】
25mL梨型フラスコ中で、アミン(0.075g)およびメチル3−メトキシ−2,4,6−トリヨードベンゾイルクロリド(0.062g)を、1mLの無水塩化メチレン中に懸濁した。トリエチルアミン(43μL)をRTで添加し、そして反応混合物を均質にした。反応混合物をRTで6時間撹拌した。有機溶媒および水層をエバポレートして乾固して、粗製の所望のアミドを得て、これを、さらなる精製を行わずに次の工程において用いた。収量0.157g(約100%粗製物)。MS:1142.55(M+1)。
【0162】
(工程12:(5−オキシ−ペンタン酸のN−ヒドロキシスクシンイミドエステル)−ホスホノ−(R)−2−オキシメチル−N−(S)−4−イソブチル−α−メチルフェニルアセチル−N’−(S)−t−ブチルN−(3−メトキシ−2,4,6−トリヨードベンズアミド)アスパルテートエチレンジアミンジアミド)
【0163】
【化50】

【0164】
酸(0.157g)およびN−ヒドロキシスクシンイミド(17.8mg)を、1mLの無水塩化メチレンに溶解した。EDC(24.7mg)を、RTで一度に添加した。さらなるEDC(24.7mg)およびN−ヒドロキシスクシンイミド(17.8mg)を添加した。16時間後、塩化メチレンをロータリーエバポレーションによってエバポレートし、そして残渣を酢酸エチル中に溶解した。酢酸エチル層をHOで洗浄し、そしてMgSOで乾燥した。溶媒のエバポレーションによって、粗製の所望の活性化エステルを得て、これを、無水エーテルによって不純物を抽出することによって精製した。収量0.096g(73%)。MS:1239.75(M+1)。
【0165】
(工程13:(5−オキシ−ペンタン酸のN−ヒドロキシスクシンイミドエステル)−ホスホノ−(R)−2−オキシメチル−N(S)−4−イソブチル−α−メチルフェニルアセチル−N’−(S)−N−(3−メトキシ−2,4,6−トリヨードベンズアミド)アスパルテートエチレンジアミンジアミド)
【0166】
【化51】

【0167】
t−ブチルエステル(0.050g)を、0.5mLの無水塩化メチレン中に溶解した。トリフルオロ酢酸(0.2mL)を0℃で添加し、そして反応物を0℃で6時間撹拌した。溶媒をエバポレートし、そして残渣をエーテルで洗浄して、所望の酸を白色固体として得た。収量0.033g(72%)。MS:1183.55(M+1)。
【0168】
(実施例2:アルブミン結合試薬の合成および特徴付け)
(5−オキシ−ペンタン酸−ホスホノ−(R)−2−オキシメチル−N−(S)−4−イソブチル−α−メチルフェニルアセチル−N’−(S)−N−(3−メトキシ−2,4,6−トリヨードベンズアミド)アスパルテートエチレンジアミンジアミド)
5−オキシ−ペンタン酸−ホスホノ−(R)−2−オキシメチル−N−(S)−4−イソブチル−α−メチルフェニルアセチル−N’−(S)−N−(3−メトキシ−2,4,6−トリヨードベンズアミド)アスパルテートエチレンジアミンジアミドの活性化エステル(5mg)を1mLの飽和NaHCO中に溶解した。反応混合物を1.5時間撹拌し、次いで二酸を6NのHClの添加によって沈澱させた。固体を濾過し、そして逆相分取HPLC(C18、アセトニトリル/1% TFA)によって精製した。収量1mg(20%、HPLCによって94.3%の純度)。
【0169】
(工程1:ベンジル7−アミノヘプタノエートp−トルエンスルホン酸塩)
【0170】
【化52】

【0171】
凝縮器を取り付けて4Åモレキュラーシーブを充填したDean Starkトラップを備えた100mLの3首丸底フラスコ中で、7−アミノヘプタン酸(1.45g)およびp−TsOH、1HO(2.00g)を、40mLのベンゼン中に懸濁した。ベンジルアルコール(5.2mL)を添加し、そして反応混合物を20時間還流した。溶媒をロータリーエバポレーションによって除去し、そして残渣をエーテルで粉砕して、過剰のベンジルアルコールを除去した。所望の生成物を、濾過によって白色固体として得た。収量4.05g(97%)。
【0172】
(工程2:(R)−2−N−tert−ブトキシカルボニル−3−N−(S)−4−イソブチル−α−メチルフェニルアセトアミド−2,3−ジアミノプロピオン酸)
【0173】
【化53】

【0174】
(S)−イブプロフェン(1.06g)およびトリエチルアミン(0.7mL)をTHFに溶解し、そしてこの溶液を−15℃まで冷却した。イソブチルクロロホルメート(0.67mL)を滴下し、そして白色懸濁物を20分間撹拌した。2回目の1当量のトリエチルアミンおよびN−α−Bocジアミノプロピオン酸(1.05g)を添加し、そして反応物を一晩、0℃とRTとの間で撹拌した。THFを減圧下でエバポレートし、そして残渣を飽和NaHCOと酢酸エチルとの間で分配した。水層を酢酸エチルで3回抽出した。水層を0.5N KHSO(pH=3)で酸性化し、そして酢酸エチルで3回、再度抽出した。有機層を合わせ、そしてNaSOで乾燥した。溶媒のエバポレーションによって、粗製の所望のアミドを得て、これを、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(CHCl/MeOH)によって精製した。収量1.311g(65%)。MS:293.45(M+1−BOC)、415.45(M+Na)。
【0175】
(工程3:ベンジル7−アミノヘプタノエート(R)−2−N−tert−ブトキシカルボニル−3−N(S)−4−イソブチル−α−メチルフェニルアセトアミド−2,3−ジアミノプロピオンアミド)
【0176】
【化54】

【0177】
酸(0.66g)およびHOAt(0.25g)を5mLの無水塩化メチレンに溶解し、そしてジイソプロピルエチルアミン(2.3mL)およびベンジル7−アミノヘプタノエートp−トルエンスルホン酸塩(0.75g)を0℃に添加した。HATU(0.70g)を添加し、そして反応混合物を0℃とRTとの間で20時間撹拌した。過剰のアミンおよび未反応酸を、超純粋シリカゲル樹脂、イソシアネート1.54mmol/g(1.0g)、およびジアミン1.44mmol/g(0.38g)で、RTで撹拌しながら30分間スカベンジした。この樹脂を濾過し、そして溶媒をエバポレートした。残渣を酢酸エチルと0.5N KHSOとの間で分配した。有機層を、KHSO、飽和NaHCOおよびブラインで洗浄した。有機層をNaSOで乾燥した。溶媒のエバポレーションによって、粗製の所望のビス−アミドを得て、これを、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)によって精製した。収量:0.030gの(S)鏡像異性体(3%)および0.729gの(R)鏡像異性体(71%)。MS:510.55(M+1−BOC)、610(M+1)、632.75(M+Na)。
【0178】
(工程4:ベンジル7−アミノヘプタノエート(R)−2−N−(tert−ブチルN−ベンジルオキシカルボニルアスパルトイル)−3−N−(S)−4−イソブチル−α−メチルフェニルアセトアミド−2,3−ジアミノプロピオンアミド)
【0179】
【化55】

【0180】
Boc保護アミン(0.689g)を、0℃の3mLの無水塩化メチレン中に溶解した。TFA(3mL)を添加し、そして反応物をHPLCによってモニタリングした。反応は、0℃で6時間の撹拌後に完了した。溶媒をロータリーエバポレーションによって除去し、そして残渣をジオキサン中の4MのHCl(3mL)で3回粉砕し、そしてジオキサンをエバポレートした。白色固体をエーテルで粉砕し、濾過し、そして減圧下で乾燥した。この塩酸塩を、さらなる精製を行わずに次の工程において用いた。収量0.504g(82%)。MS:510.55(M+1)。
【0181】
アミン塩酸塩(0.504g)を、5mLの無水塩化メチレンおよびジイソプロピルエチルアミン(1.29mL)中に溶解した。tert−ブチルN−ベンジルオキシカルボニルアスパルテートジクロロヘキシルアンモニウム塩(0.514g)、HATU(0.388g)およびHOAt、1HO(0.139g)を0℃で添加し、そして0℃とRTとの間で13.5時間撹拌した。RTで20分間撹拌した後、超純粋シリカゲル樹脂、イソシアネート1.54mmol/g(1.0g)およびジアミン1.44mmol/g(0.38g)。樹脂を濾過し、そして溶媒をエバポレートした。残渣を酢酸エチルとHOとの間で分配した。有機層をHOおよびブラインで3回洗浄した。有機層をMgSOで乾燥した。溶媒のエバポレーションによって、粗製の所望の生成物を得て、これを、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(CHCl〜CHCl/MeOH)によって精製した。収量0.663g(88%)。MS:815.95(M+1)、837.75(M+Na)。
【0182】
(工程5:7−アミノヘプタン酸(R)−2−N−(tert−ブチルアミノアスパルチル)−3−N(S)−4−イソブチル−α−メチルフェニルアセトアミド−2,3−ジアミノプロピオンアミド)
【0183】
【化56】

【0184】
500mLのParrビン中で、保護アミノ酸(0.653g)をTHF中に溶解し、そしてこの溶液を脱気した。10%炭素担持パラジウム(0.500g)をアルゴン下で添加した。混合物を、45psiのH下で18時間振盪した。さらなるパラジウム触媒(0.3g)を添加し、そして混合物を、45psiのH下で18時間振盪した。触媒を濾別し、そしてMeOHで数回リンスした。溶媒のエバポレーションによって、所望のアミノ酸を白色固体として得た。収量0.490g(約100%の粗製物(HPLCによれば95%の純度))。MS:591.55(M+1)および613.55(M+Na)。
【0185】
(工程6:7−アミノヘプタン酸(R)−2−N−(N−(3−メトキシ−2,4,6−トリヨードベンズアミド)アスパルトイン酸−オイル)−3−N−(S)−4−イソブチル−α−メチルフェニルアセトアミド−2,3−ジアミノプロピオンアミドのN−ヒドロキシスクシンイミドエステル)
【0186】
【化57】

【0187】
アミン−酸(0.300g)を、2mLの無水塩化メチレン中に懸濁した。トリエチルアミン(0.14mL)を添加し、そして大部分が溶解するまで混合物を撹拌した。溶液を0℃になるまで冷却した。0.5mL無水塩化メチレン中に溶解した3−メトキシ−2,4,6−トリヨードベンゾイルクロリド(0.274g)を滴下した。反応物を22時間にわたって撹拌した。溶媒をエバポレートし、そして得られる黄色発泡固体をエーテルで4回粉砕し、そして乾燥して0.60gの淡白色固体を得て、これを、シリカゲルでの2回のフラッシュクロマトグラフィー(CHCl/MeOH)によって精製した。収量0.221g(50%)。MS:1103(M+1)。
【0188】
酸(0.117g)を、4mLの無水塩化メチレン中に懸濁した。N−ヒドロキシスクシンイミド(0.018g)およびEDC(0.025g)を添加し、そして反応物をRTで26時間撹拌した。反応混合物をより多くの塩化メチレンで希釈し、HOで洗浄し、そしてMgSOで乾燥した。溶媒をエバポレートして、所望の活性化エステルを黄色がかった固体として得た。収量0.101g(79%)。MS:1200.15(M+1)。
【0189】
t−ブチルエステル(0.050g)を、0℃の1mLの無水塩化メチレンと0.4mLのトリフルオロ酢酸との混合物中に溶解した。反応混合物を0℃とRTとの間で23時間にわたって撹拌した。溶媒をエバポレートした。残渣を減圧下で24時間乾燥した。収量46.2mg(97%、HPLCによれば70%の純度)。MS1144.15(M+1)および1166.15(M+Na)。
【0190】
(工程7:7−アミノヘプタン酸(R)−2−N−(N−(3−メトキシ−2,4,6−トリヨードベンズアミド)アスパルトイル))−3−N−(S)−4−イソブチル−α−メチルフェニルアセトアミド−2,3−ジアミノプロピオンアミド)
【0191】
【化58】

【0192】
7−アミノヘプタン酸(R)−2−N−(t−ブチルN−(3−メトキシ−2,4,6−トリヨードベンズアミド)アスパルトイル))−3−N−(S)−4−イソブチル−α−メチルフェニルアセトアミド−2,3−ジアミノプロピオンアミド[上記の7−アミノヘプタン酸(R)−2−N−(N−(3−メトキシ−2,4,6−トリヨードベンズアミド)アスパルトイル酸−オイル)−3−N−(S)−4−イソブチル−α−メチルフェニルアセトアミド−2,3−ジアミノプロピオンアミドのN−ヒドロキシスクシンイミドエステルの合成における中間体](13mg)を、2mLのトリフルオロ酢酸中に溶解した。反応物を0℃で3時間撹拌した。TFAをエバポレートし、そして粗製の二酸を逆相分取HPLC(C18、アセトニトリル/1% TFA)によって精製した。収量3mg(25%、HPLCによれば99%の純度)。
【0193】
(実施例3)
一連の結合基の親和性を、ダンシルサルコシン蛍光プローブを用いて得た。ダンシルサルコシン蛍光プローブは、HSAに結合した場合、強力に蛍光を発する。以下の表1に示すデータを、結合基親和性の相対的なランクの順番が得られ得るように、高度に水溶性のガドリニウムキレートGd−DTPAの誘導体として決定した。可溶化フラグメントに連結した結合基を添加した際に、蛍光の減少は、アルブミン結合基による置換を示した。これらのデータを当てはめて、阻害平衡定数Kを得た。Kは、所定のプローブの結合部位に対する結合基の親和性を反映する。
【0194】
【表1−1】

【0195】
【表1−2】

【0196】
【表1−3】

【0197】
(実施例4:インスリン結合体1〜4の調製)
【0198】
【化59】

【0199】
組換えヒトインスリン(E.Coli中で発現された(Sigma)(56mg、9.6μmol.,2当量))、活性化エステル(1当量)およびNaCO(10当量)を、0℃で0.8mLのDMF中に懸濁した。水(0.4mL)を添加し、そして混合物をほぼ均一にさせた。反応混合物を0℃とRTとの間で18時間撹拌した。粗製反応混合物は、未反応のインスリンと、結合体2/結合体1の1:1混合物との混合物を大部分含んでいた。混合物を分取HPLC(C−18、勾配:アセトニトリル/NHOAc 50mM 35%〜80%)によって分離した。収量:28.3mgのインスリン(50%)、11mgの結合体1および結合体2(33%)。約2mgの結合体1および結合体2のバッチを、複数の分取HPLCの後に得た。
【0200】
結合体1 MS:(z=3:2293.8、z=4:1720.6、z=5:1376.6)。結合体1の溶液を過剰のDTTで処理し、そして混合物をRTで1時間インキュベートした。アリコートをLC−MSによって分析し、そして以下のフラグメントが観察された:フラグメント1:還元されたB鎖(z=2:1715.75、z=3:1144.15、z=4:858.35)、フラグメント2:Gly1でアシル化された還元されたA鎖(z=2:1726.3、z=3:1151.15)。
【0201】
結合体2 MS:(z=3:2293.8、z=4:1720.8、z=5:1375.9)。結合体2の溶液を、過剰のDTTおよびトリプシン溶液で処理した。混合物をRTで1時間インキュベートした。アリコートをLC−MSによって分析し、そして以下のフラグメントが観察された:フラグメント1:還元されたA鎖(z=2:1193.0、z=3:796.0)、フラグメント2:還元されたB鎖のPhe1−Arg22フラグメント(z=2:1245.2、z=3:830.5)、フラグメント3:還元されたB鎖のGly23−Lys29−εNHCOR−Thr−30フラグメント(z=2:2028.3、z=3:1015.0)、フラグメント4:アシル化された還元された鎖Phe1−Lys29−εNHCOR−Thr−30(z=2:2250.1、z=3:1500.6)、ここでRはアルブミン結合基である。
【0202】
部位−2(イブプロフェン部位)結合(対、プローブとしてのダンシルサルコシン)について特異的な競合アッセイを実施して、結合対の親和性を評価した。結合体−1および結合体−2を試験し、そしてそれぞれ、41μMおよび15μMのKi値を有した。生理学的条件下で、これらの結合体は、98%を超えて結合していた。
【0203】
(インスリン結合体3およびインスリン結合体4の調製)
【0204】
【化60】

【0205】
組換えヒトインスリン(E.Coliにおいて発現された(Sigma)(152.4mg、26.2μmol.、3当量))を、DMFとHOとの1:1混合物0.8mLに溶解し、そしてNaCO(3当量)を一度に添加した。活性化エステル(1当量)を、5分間かけて少しずつ添加した。反応を6時間かけて完了させた。粗製の反応混合物は、未反応のインスリンと、結合体4/結合体3の2.6:1混合物との混合物をほとんど含んでいた。この混合物を、分取HPLC(C−18、勾配:アセトニトリル/NHOAc 50mM 35%〜80%)によって分離した。収量:87mgのインスリン(86%)、6.5mgの結合体3(11%)および18.2mgの結合体4(30%)。
【0206】
結合体3 MS:(z=2:1709.8)。結合体3の溶液を、過剰のDTTおよびトリプシン溶液で処理した。混合物をRTで1時間インキュベートした。アリコートをLC−MSによって分析し、そして以下のフラグメントが観察された:フラグメント1:還元されたB鎖(z=4:859.6)、フラグメント2:B鎖のフラグメント(z=2:1244.8、z=3:830.2)、フラグメント3:A鎖Gly1−COR(z=2:1707.0)、ここでRはアルブミン結合基である。
【0207】
結合体4 MS(z=3:2278.7、z=4:1709.6)。結合体4の溶液を、過剰のDTTおよびトリプシン溶液で処理した。混合物をRTで1時間インキュベートした。アリコートをLC−MSによって分析し、そして以下のフラグメントが観察された:フラグメント1:還元されたB鎖のPhe1−Arg22フラグメント(z=2:1245.0、z=3:830.4)、フラグメント2:還元されたA鎖(z=2:1192.3)、フラグメント3:還元されたB鎖のGly23−Lys29−εNHCOR−Thr−30フラグメント(z=1:1990.6、z=2:995.0)、フラグメント4:アシル化された還元された鎖Phe1−Lys29−εNHCOR−Thr−30(z=2:2229.8、z=3:1487.0)、ここでRはアルブミン結合基である。
【0208】
(実施例5:薬物動態学的研究)
インスリンは、薬物動態学的プロファイルおよび薬理学的プロファイルに対するアルブミン結合の効果を実証するための便利なモデルである。なぜなら、インスリン活性についてのアッセイは、充分に開発されており、このポリペプチドは比較的安価であり、そして個々のアミノ酸を選択的の化学的に改変するための方法が周知であるからである。
【0209】
結合体−1および結合体−2、ならびにネイティブのヒトインスリンを、New England Nuclearで、ラクトペルオキシダーゼおよびNa125Iを用いた反応によってヨウ素化して、ウサギにおける薬物動態学的研究を実施するために適切な、放射標識された誘導体(ほぼ0.01moleヨウ素/moleインスリン)を得た。125I標識サンプルをC18カラムでのHPLCによって分析し、そして以下の3つの放射能ピークが、各サンプルにおいて観察された:t=8〜10分でのインスリン(または結合体)に対応する1つのピーク(総125Iのうちの75〜90%)、そしてt=3分およびt=16分の未知の起源のピーク。インスリンの比活性(μCi/μg)を計算する際に、各サンプル中でのインスリンの量を、ヨウ素化の前にアミノ酸分析によって測定し、そしてヨウ素化手順に起因した損失を補償するために90%の収量係数を適用した。注射した溶液中のインスリンの比活性を、125I含有不純物の存在についてさらに補正した。この最終値を用いて、測定したcpm値から、血漿(μg/L)中のインスリン(または結合体)の濃度を計算した。
【0210】
麻酔したホワイトNew Zealandウサギ(1化合物あたりn=1)に、約0.8U/kgに等価な用量である、100μgの[125I]−インスリンまたは[125I]−結合体−1もしくは[125I]結合体−2のいずれかを注射した。血液サンプル(1mL)を、t=1分、3分、5分、7分、10分、15分、20分、25分、30分、45分、60分、75分、90分、120分、150分、180分、210分、240分および270分で得た。サンプルを遠心分離して(1500g、10分)、血漿画分を血液収集の15分間以内に単離し、そして凍結した。血漿のアリコートを、血液中の総化合物の最初の見積もりとしてカウントした。
【0211】
HPLC分析:インスリンまたはその結合対および他の精製物から生じた放射能の百分率を決定するために、血漿サンプルを50% MeOHで処理して、アルブミンおよび他のタンパク質を沈澱させた。上清をC18カラムでのクロマトグラフィー(20分間の勾配、5〜95%のACN)にかけ、そして画分(1分)を収集し、そしてカウント(Packard μ−カウンター)して、各ピーク中の放射能を決定した。インスリンに起因する血漿中のカウントを決定するために、総125Iのインスリンピーク中の百分率に、血漿中の総カウントを掛けた。
【0212】
血漿中の総cpmに、サンプル中で、HPLC分析によって決定したインスリンピーク(または結合体)中の活性の百分率を掛け、そしてμg/Lへと変換した。総125I血漿活性(HPLC種分化なし)のプロットを、HPLC分析から決定した因子を用いて計算したインスリン(または結合体)種の血漿レベルと比較した。インスリンデータに関して、インスリンに対して割り当てられた実際の125I活性のベースラインは、ゼロに向かって次第に減少し、一方、総血漿125Iデータは、最初の血漿濃度の約20%に等しい値で同レベルになる(図1を参照のこと)。AUCおよび半減期PKパラメーターの実質的過大評価は、125I標識インスリンを125I標識代謝産物と区別するHPLC種分化(speciation)の非存在下で生じる。一方、結合体についての総血漿cpmデータおよびHPLC種分化データは、互いに密接に類似する。なぜなら、総125Iの分数としてのこれらの化合物のレベルは、時間経過に伴って完全に一定のままであるからである。結合体−1および結合体−2は、インスリンよりもかなり長く、血漿中に存在した。これらは、約4〜5時間後に最初のレベルのほんの半分まで減少するが、一方、インスリンは、血漿中から迅速に除去され、そして1時間後にはほとんど検出不可能である。皮下注射後のウサギ中での可溶性単成分(monocomponent)インスリンの生物学的半減期は、5.50±0.49分であると報告されている[T.Kasamaら,J.Pharm.Dyn.3,206−212(1980)]。
【0213】
データ([インスリン]対時間)を、2区画ボーラス注射薬物動態学的モデルに割り当てた。全てのデータセットは、このモデルによく適合する。パラメーターを、コンピュータプログラム「PharSite」を用いて計算し、2区画/ボーラス注射モデル(C=Ae−αt+Be−βt、Ct=時間tでの目的の種の濃度;A、B、αおよびβは、適合パラメーターである)に割り当てた。データを、用量に対して正規化した。パラメーターにおける不確定性は、10〜20%の範囲にわたる。この適合からの残りのプロットによって、ほぼランダムな分布が得られた。これは、選択されたモデルが適切であることをさらに示す。この適合から得られたパラメーターの値を表2に表す。
【0214】
【表2】

【0215】
インスリンおよび結合体についての血漿のPKのプロットは、二相性であり、最初は、薬物濃度が鋭く減少し、続いて長期の持続時間の浅いスロープとなる。インスリンについて、この最初の減少は、結合体についてよりもかなり急である。このことは、AUCにおける大きな差を説明する。結合体の濃度は、時間経過を通じて高いままである。このことは、結合体−1および結合体−2について、インスリンについて測定されたよりも44倍高いAUC値および97倍高いAUC値をもたらす。インスリンについての分布容量(Vss)値は、0.6L/kgである。このことは、かなりの器官取り込みを示唆する。一方、結合体についてのこの値は、0.03〜0.04L/kgに近く、血漿画分への局在と一貫している。結合体についての、インスリンについてよりも低いクリアランス率(CL)およびより高いCmax(最大血漿濃度)はまた、アルブミン結合基との結合体化によってインスリンに対して付与された、改善された血漿安定性を反映する。
【0216】
(他の実施形態)
本発明の多数の実施形態が記載された。それにもかかわらず、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、種々の改変がなされ得ることが理解される。従って、他の実施形態は、本発明の特許請求の範囲の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0217】
【図1】図1は、インスリン(菱形)、結合体−1(四角)および結合体−2(三角)についてのウサギ血漿薬物動態データを示すプロットである。インスリンまたはインスリン結合体の濃度を、総125IのHPLC形態分析(speciation)に従って決定した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I
【化5】

を有する結合体化ポリペプチドであって、
2a、R2b、およびRは、0原子〜12原子の直鎖を独立して含み;
Xは、1原子であるかまたは5個以上の原子であり、この5個以上の原子は、環状環構造または複素環式環構造を形成し;
Wは、リンカーであり;そして
Zは、独立してNH、O、S、S(O)、CH、NH−CO、SO、CH−R、C(R)、CC、CH=CH、CH=Nであり、Rは、アルキルまたはアリールであり、
該結合体化ポリペプチドは、アルブミンに特異的に結合する、結合体化ポリペプチド。

【図1】
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【公開番号】特開2006−63071(P2006−63071A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−218098(P2005−218098)
【出願日】平成17年7月27日(2005.7.27)
【分割の表示】特願2003−518579(P2003−518579)の分割
【原出願日】平成14年8月9日(2002.8.9)
【出願人】(397050785)エピックス ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド (12)
【Fターム(参考)】