建物状況監視システムおよび監視装置
【課題】建物の共用スペースにいる人を特定することなく共用スペースの混雑状況を各部屋の利用者に知らせる。
【解決手段】建物状況監視システムは、複数の報知装置1,1,1と、複数のセンサ部2,2・・・と、複数の監視カメラ3,3,3と、中央サーバ4とを備えている。複数のセンサ部2は、建物の共用スペースに存在する人の多寡を検知する。各監視カメラ3および中央サーバ4の画像認識部41は、監視カメラ3が設置されている共用スペースに存在する人の多寡を検知する。中央サーバ4において、状況集計部42は、各センサ部2および画像認識部41の検知結果を用いて、共用スペースの現在の混雑状況を判断する。情報出力部44は、状況集計部42で判断された混雑状況の情報を共用スペースの名称の情報とともに、それぞれ異なる部屋に設置されている各報知装置1に送信する。各報知装置1は、情報出力部44からの情報を報知する。
【解決手段】建物状況監視システムは、複数の報知装置1,1,1と、複数のセンサ部2,2・・・と、複数の監視カメラ3,3,3と、中央サーバ4とを備えている。複数のセンサ部2は、建物の共用スペースに存在する人の多寡を検知する。各監視カメラ3および中央サーバ4の画像認識部41は、監視カメラ3が設置されている共用スペースに存在する人の多寡を検知する。中央サーバ4において、状況集計部42は、各センサ部2および画像認識部41の検知結果を用いて、共用スペースの現在の混雑状況を判断する。情報出力部44は、状況集計部42で判断された混雑状況の情報を共用スペースの名称の情報とともに、それぞれ異なる部屋に設置されている各報知装置1に送信する。各報知装置1は、情報出力部44からの情報を報知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の部屋と共用スペースとを有する建物で用いられる建物状況監視システムおよびこの建物状況監視システムに用いられる監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の部屋と共用スペースとを有する建物(例えば集合住宅やホテルなど)では、共用スペース(通路やエレベータホールなど)の混雑状況を利用者が部屋内から確認することができないことがほとんどであった。共用スペースが混雑していることを知らずに外出すると、利用者は建物の外に出るまでに余分な時間を要し、利用者の快適性を損なうことになる。
【0003】
ところで、従来から、建物において複数の共有スペースのそれぞれに撮像装置が設置されたシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。従来のシステムにおいて、各撮像装置は、各共有スペースを撮像し、撮像画像を住戸端末機に送信する。各住戸端末機は、各撮像装置から送信された撮像画像を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−157480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような従来のシステムを共用スペースの混雑状況を知らせるための手段として用いた場合、従来のシステムは、各撮像装置の撮像画像をそのまま各住戸端末機に送信するため、撮像画像内の人つまり共用スペースにいる人が誰であるのかを各住戸者に知らせることになり、共用スペースにいる人のプライバシーを保護することができないという問題があった。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みて為され、本発明の目的は、建物の共用スペースにいる人を特定することなく共用スペースの混雑状況を各部屋の利用者に知らせることができる建物状況監視システムおよびこの建物状況監視システムに用いられる監視装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る建物状況監視システムの発明は、複数の専用スペースとしての部屋と共用スペースとを有する建物で用いられる建物状況監視システムであって、情報を報知する報知機能を有しそれぞれ異なる部屋に設置された複数の報知手段と、前記共用スペースに存在する人の多寡を検知する人検知手段と、前記人検知手段の検知結果を用いて前記共用スペースの混雑状況を判断する判断手段と、前記判断手段で判断された前記混雑状況の情報を前記共用スペースの名称の情報とともに前記報知手段に送信して前記報知手段に報知させる報知制御手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る建物状況監視システムの発明は、請求項1の発明において、前記混雑状況の情報を蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段に蓄積されている前記混雑状況の履歴情報に基づいて将来の混雑状況を予測する予測手段とを備え、前記報知制御手段は、前記予測手段で予測された前記将来の混雑状況の情報を前記共用スペースの名称の情報とともに前記報知手段に送信して前記報知手段に報知させることを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る建物状況監視システムの発明は、請求項1または2の発明において、前記判断手段で判断された前記混雑状況の発生時からの継続時間を計測する計測手段を備え、前記報知制御手段は、前記混雑状況の情報とともに前記混雑状況の継続時間を前記報知手段に送信して前記報知手段に報知させることを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る建物状況監視システムの発明は、請求項1〜3のいずれか1項の発明において、人が前記共用スペースに存在することが予想されるイベントがある場合に前記イベントに関連する共用スペースの名称と前記イベントの日時との情報を入力するための入力手段を備え、前記報知制御手段は、前記入力手段に入力された入力情報を前記報知手段に送信して前記報知手段に報知させることを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る建物状況監視システムの発明は、請求項1〜4のいずれか1項の発明において、前記人検知手段は、前記共用スペースを撮像するカメラを有し、前記判断手段は、前記カメラで撮像された撮像画像を用いて前記共用スペースに集まっている人の行動内容を判断し、前記報知制御手段は、前記判断手段で判断された前記行動内容の情報を前記報知手段に送信して前記報知手段に報知させることを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る建物状況監視システムの発明は、請求項1〜5のいずれか1項の発明において、前記建物に併設された駐車場の駐車台数を検知する車検知手段を備え、前記判断手段は、前記車検知手段の検知結果を用いて前記駐車場の車の混雑状況を判断し、前記報知制御手段は、前記判断手段で判断された前記車の混雑状況の情報を前記報知手段に送信して前記報知手段に報知させることを特徴とする。
【0013】
請求項7に係る監視装置の発明は、請求項1〜6のいずれか1項の建物状況監視システムに用いられ、前記判断手段と、前記報知制御手段とを備える。
【発明の効果】
【0014】
請求項1,7の発明によれば、利用者は、外出する前に部屋で共用スペース(例えば通路やエレベータホールなど)の混雑状況を確認することができるので、共用スペースの混雑を避けることができる。このとき、各報知手段が撮像画像ではなく、混雑状況の情報を報知するので、共用スペースにいる人を特定することなく、共用スペースの混雑状況を各部屋の利用者に知らせることができる。例えばエレベータホールが混雑している場合、利用者はエレベータホールの前で長時間待つということを回避することができる。
【0015】
請求項2の発明によれば、利用者は、共用スペースの将来の混雑状況を確認してから外出することができるので、共用スペースの混雑を避けるように行動することができる。このとき、これまでの混雑状況を用いて将来の混雑状況を予測することによって、各報知手段から報知される情報の精度を高めることができるので、利用者は共用スペースの混雑をより正確に避けることができる。
【0016】
請求項3の発明によれば、利用者は、混雑状況の継続時間を確認することができるので、上記混雑状況の継続時間に応じて、共用スペースの混雑を避けることができる。
【0017】
請求項4の発明によれば、共用スペースが混雑になるようなイベントの予定を予め入力することを可能にすることによって、利用者は、イベントが行われているときに上記イベントに関連する共用スペースに行くことを回避することができる。これにより、利用者は共用スペースの混雑を避けることができる。
【0018】
請求項5の発明によれば、共用スペースに集まっている人の行動内容を各報知手段が報知することによって、利用者は、上記行動内容を知ることができるので、より強く集合から回避したり、逆に集合に参加したりすることができる。
【0019】
請求項6の発明によれば、利用者は、各報知手段の報知によって、駐車場の車の混雑状況を知ることができるので、車での外出に対しても対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態1に係る建物状況監視システムの構成を示すブロック図である。
【図2】同上に係る建物状況監視システムが設置される建物の概略図である。
【図3】同上に係る建物状況監視システムの履歴情報の内容を示す図である。
【図4】同上に係る建物状況監視システムの動作を示すフローチャートである。
【図5】実施形態2に係る建物状況監視システムの構成を示すブロック図である。
【図6】同上に係る建物状況監視システムの動作を示すフローチャートである。
【図7】実施形態3に係る建物状況監視システムの構成を示すブロック図である。
【図8】同上に係る建物状況監視システムの予定情報のテーブルを示す図である。
【図9】同上に係る建物状況監視システムの動作を示すフローチャートである。
【図10】実施形態5に係る建物状況監視システムが設置される建物の概略図である。
【図11】実施形態6に係る建物状況監視システムが設置される建物の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施形態1)
実施形態1に係る建物状況監視システムは、図2に示すように、複数(図示例では2つ)の部屋Bと複数の共用スペースCとを有する建物Aに用いられるシステムである。共用スペースCは、建物A内において多くの利用者が自由に行き来したり、利用したりすることができる空間である。共用スペースCとしては、エレベータホール(エレベータ前)C1やロビーC2、エントランスC3がある。また、図示していないが、共用スペースCとしては、上記のほかにも、例えば通路や共同風呂、駐車場の出入口などがある。各部屋Bは、各利用者ごとに専有する専用スペースであり、他の部屋Bとは区切られて設けられている。
【0022】
本実施形態の建物状況監視システムは、図1に示すように、複数の報知装置1,1,1と、複数のセンサ部2,2・・・と、複数の監視カメラ3,3,3と、中央サーバ4とを備えている。
【0023】
複数の報知装置1は、それぞれが情報を報知する報知機能を有し、それぞれ異なる部屋Bに設置されている(図2参照)。報知装置1としては、例えばインターホンシステムの親機などがある。報知装置1の報知機能としては、情報を表示画面に表示する表示機能と、情報を音声または音によって出力する音出力機能とがある。各報知装置1は、本発明の報知手段に相当する。
【0024】
複数のセンサ部2は、グループGごとに異なる共用スペースC(図2参照)に設置されている。つまり、共用スペースCごとに、2以上のセンサ部2が設置されている。各グループGでは、1つの共用スペースCが複数の小領域に分けられ、上記複数の小領域ごとにセンサ部2が割り当てられている。各グループGごとに、センサ部2は、共用スペースCに存在する人の多寡を検知する。センサ部2としては、例えば人感センサや圧力センサ、マイクロホン、エレベータの運転装置21などがある。圧力センサは、共用スペースCの床面に設置され、人の重みを検出することができる。マイクロホンは、音情報の中に複数の音声が含まれているか否かで人数を検知する。複数のセンサ部2は、本発明の人検知手段に相当する。
【0025】
複数の監視カメラ3は、それぞれ異なる共用スペースCに設置されている。各監視カメラ3は、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラなどであり、設置された共用スペースCを撮像する。
【0026】
中央サーバ4は、画像認識部41と、状況集計部42と、記憶部43と、情報出力部44とを備えている。中央サーバ4は、例えば建物Aの管理センタなどに設置されている。中央サーバ4は、本発明の監視装置に相当する。
【0027】
画像認識部41は、各監視カメラ3の撮像画像を取得し、撮像画像に撮像されている人を認識することによって、人の多寡を検知する。検知結果(認識結果)は、状況集計部42に出力される。各監視カメラ3と画像認識部41との組み合わせは、本発明の人検知手段に相当する。
【0028】
状況集計部42は、各センサ部2および画像認識部41からそれぞれ検知結果を取得する。上記状況集計部42は、取得した検知結果を用いて、各共用スペースC内に人がいるか否か、人がいるとしたら何人いるかを集計する。また、状況集計部42は、エレベータの運転装置21からエレベータの運転状況(検知結果)を取得する。これにより、状況集計部42は、エレベータホールC1にいる人の人数を集計することができる。集計を行った状況集計部42は、集計情報を用いて、各共用スペースCごとに現在の混雑状況を判断する。状況集計部42は、本発明の判断手段に相当する。各共用スペースCの混雑状況の情報は、逐次、記憶部43に記憶される。したがって、記憶部43には、図3に示すような履歴情報が格納されている。状況集計部42は、各共用スペースCの現在の混雑状況として、各共用スペースCの正確な人数を表わす必要はなく、混雑の度合いに応じて予め設定されたレベル(例えばレベル1〜レベル5)を表わしている(図3参照)。なお、状況集計部42は、各共用スペースCの現在の混雑状況として、上記レベルを表わすことに限定されない。状況集計部42は、各共用スペースCの正確な人数をそのまま表わしてもよいし、人が存在するか否かの情報を表わしてもよい。
【0029】
情報出力部44は、各共用スペースCごとに、現在の混雑状況の情報と共用スペースCの名称の情報とを各報知装置1に送信して各報知装置1に報知させる。情報出力部44は、本発明の報知制御手段に相当する。各報知装置1は、情報出力部44からの情報を報知する。情報出力部44からの上記情報には、撮像画像などが含まれていないので、共用スペースCにいる人のプライバシーを保護することができる。なお、情報出力部44から各報知装置1に情報を送信する手法としては、情報出力部44から各報知装置1への定期配信(プッシュ)であってもよいし、利用者による報知装置1への操作があったときに取得する(プル)という手法であってもよい。
【0030】
次に、本実施形態に係る建物状況監視システムの動作について図4を用いて説明する。まず、各センサ部2が共用スペースCの人の存在を検知する(図4のS1)。同様に、各監視カメラ3および画像認識部41が共用スペースCの人の多寡を検知する。中央サーバ4の状況集計部42は、各センサ部2の検知結果および画像認識部41の検知結果を用いて、各共用スペースCごとに人数を集計し、各共用スペースCの混雑状況を判断する(S2)。情報出力部44は、各共用スペースCの混雑状況の情報を各報知装置1に送信する(S3)。各報知装置1は、各共用スペースCの混雑状況を報知する(S4)。
【0031】
以上、本実施形態によれば、利用者は、外出する前に部屋Bで共用スペースCの混雑状況を確認することができるので、共用スペースCの混雑を避けることができる。このとき、各報知装置1が撮像画像ではなく、混雑状況の情報を報知するので、共用スペースCにいる人を特定することなく、共用スペースCの混雑状況を各部屋Bの利用者に知らせることができる。
【0032】
例えばエレベータホールC1が混雑している場合、利用者はエレベータではなく、階段を使用することによって、エレベータホールC1の前で長時間待つということを回避することができる。また、利用者は、報知装置1によって報知される情報を確認して、共用スペースCに行くか否か、共用スペースCを通って外出するタイミングをずらすか否かを判断することができる。
【0033】
(実施形態2)
実施形態2に係る建物状況監視システムは、実施形態1に係る建物状況監視システムの機能に加えて、各共用スペースCの将来の混雑状況を予測する機能をさらに有している。なお、実施形態1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0034】
本実施形態の中央サーバ4は、図5に示すように、画像認識部41と、状況集計部42と、記憶部43と、情報出力部44とを実施形態1の中央サーバ4(図1参照)と同様に備え、さらに予測演算部45を備えている。
【0035】
本実施形態の記憶部43には、これまで(現在および過去)の混雑状況の情報が蓄積されている。本実施形態の記憶部43は、本発明の蓄積手段に相当する。なお、本実施形態の記憶部43は上記以外の点において実施形態1の記憶部43(図1参照)と同様である。
【0036】
予測演算部45は、記憶部43に蓄積されているこれまでの混雑状況の履歴情報を統計的に処理し、後述の要素を用いて、現在から将来の混雑状況の情報データを演算する。予測演算部45の予測演算で用いられる要素としては、日付・時刻・曜日・祝日・天気・近隣での行事などがある。予測演算部45は、本発明の予測手段に相当する。なお、予測演算部45による統計処置に用いられる混雑状況の履歴情報は、過去の混雑状況の情報と現在の混雑状況の情報との両方であってもよいし、過去の混雑状況の情報のみであってもよい。また、予測演算部45は、統計処理を行う際に、過去の混雑状況の情報のすべてを用いるのではなく、直近いくつかの情報のみを用いてもよい。
【0037】
予測演算部45による統計処理の一例を以下に示す。予測演算部45は、これまでの混雑状況の情報を時刻ごとに分類し、各時刻ごとに、混雑となる日数が予め設定された閾値以上であるか否かを判定する。ある時刻において混雑となる日数が閾値以上である場合、上記時刻では将来においても混雑となる可能性が高いので、予測演算部45は、上記時刻に混雑が発生する旨の将来の混雑状況の情報を作成する。また、予測演算部45は、これまでの混雑状況の情報を時刻だけではなく、曜日と時間との組み合わせごとに分類して、統計処理を行ってもよい。なお、予測演算部45は、上記とは異なる統計処理を行う際にも、上記のように閾値を予め設定し、設定した閾値とこれまでの混雑状況の情報とを比較することによって、将来の混雑状況の情報を作成することができる。
【0038】
本実施形態の情報出力部44は、予測演算部45で予測された将来の混雑状況の情報を共用スペースCの名称の情報とともに各報知装置1に送信して各報知装置1に報知させる。なお、本実施形態の情報出力部44は上記以外の点において実施形態1の情報出力部44(図1参照)と同様である。
【0039】
次に、本実施形態に係る建物状況監視システムの動作について図6を用いて説明する。まず、各センサ部2が共用スペースCの人の存在を検知する(図6のS11)。同様に、各監視カメラ3および画像認識部41が共用スペースCの人の多寡を検知する。中央サーバ4の状況集計部42は、各センサ部2の検知結果および画像認識部41の検知結果を用いて、各共用スペースCごとに人数を集計し、各共用スペースCの混雑状況を判断する(S12)。予測演算部45は、記憶部43に蓄積されているこれまでの混雑状況の情報(蓄積データ)を用いて、将来の混雑状況を予測する(S13)。情報出力部44は、各共用スペースCの将来の混雑状況の情報(予測データ)を各報知装置1に送信する(S14)。各報知装置1は、各共用スペースCの将来の混雑状況を報知する(S15)。
【0040】
以上、本実施形態によれば、利用者は、共用スペースCの将来の混雑状況を確認してから外出することができるので、共用スペースCの混雑を避けるように行動することができる。このとき、これまでの混雑状況を用いて将来の混雑状況を予測することによって、各報知装置1から報知される情報の精度を高めることができるので、利用者は共用スペースCの混雑をより正確に避けることができる。
【0041】
(実施形態3)
実施形態3に係る建物状況監視システムは、実施形態2に係る建物状況監視システムの機能に加えて、イベント情報を入力することができる機能をさらに有している。なお、実施形態2と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0042】
本実施形態の各報知装置1は、図7に示すように、情報を入力するための入力部11を備えている。入力部11は、タッチパネル式であり、表示画面に表示されている。入力部11は、本発明の入力手段に相当する。入力部11に入力される情報とは、人が共用スペースCに存在することが予想されるイベントがある場合に上記イベントに関連する共用スペースCの名称と日時との情報である。人が共用スペースCに存在することが予想されるイベントには、例えば大型荷物の搬入など、複数の人が集まって共用スペースCを一時的に占有するようなイベントがある。ただし、人が共用スペースCに存在することが予想されるイベントは、上記のように複数の人が集まるイベントに限定されず、例えば共用スペースCの照明灯の点検や建物Aのガスの点検など、共用スペースCにおいて1人で行われるイベントであってもよい。なお、本実施形態の報知装置1は上記以外の点において実施形態2の報知装置1(図5参照)と同様である。
【0043】
入力部11に入力された入力情報は、中央サーバ4の記憶部43の予定情報データベースに格納される。記憶部43に格納されている予定情報データは、図8に示すように、開始日時と終了日時と共用スペースCの名称とで構成されている。
【0044】
本実施形態の情報出力部44は、記憶部43に記憶されている入力情報のイベントが行われる時刻になると、上記入力情報を各報知装置1に送信する。各報知装置1には、例えば他の利用者による共用スペースCの利用情報などの入力情報が報知される。なお、本実施形態の情報出力部44は上記以外の点において実施形態2の情報出力部44(図5参照)と同様である。
【0045】
次に、本実施形態に係る建物状況監視システムの動作について図9を用いて説明する。まず、各センサ部2が共用スペースCの人の存在を検知する(図9のS21)。同様に、各監視カメラ3および画像認識部41が共用スペースCの人の多寡を検知する。中央サーバ4の状況集計部42は、各センサ部2の検知結果および画像認識部41の検知結果を用いて、各共用スペースCごとに人数を集計し、各共用スペースCの混雑状況を判断する(S22)。情報出力部44は、記憶部43に格納されている入力情報(予定データ)を参照し(S23)、現在時刻が入力情報のイベントの予定時刻になったか否かを判断する(S24)。現在時刻が上記予定時刻になった場合、情報出力部44は、記憶部43から入力情報を取得する(S25)。情報出力部44は、各共用スペースCの将来の混雑状況の情報(予測データ)を各報知装置1に送信する(S26)。このとき、情報出力部44は、予定時刻になった入力情報も各報知装置1に送信する。各報知装置1は、各共用スペースCの将来の混雑状況および入力情報を報知する(S27)。
【0046】
以上、本実施形態によれば、共用スペースCが混雑になるようなイベントの予定を予め入力することを可能にすることによって、利用者は、イベントが行われているときに上記イベントに関連する共用スペースCに行くことを回避することができる。これにより、利用者は共用スペースCの混雑を避けることができる。
【0047】
なお、本実施形態の変形例として、建物状況監視システムは、各報知装置1だけではなく中央サーバ4にも入力部を備えてもよい。変形例の建物状況監視システムによれば、利用者が各部屋Bの報知装置1の入力部11を用いて自己の予定を入力するだけではなく、管理者が中央サーバ4の入力部を用いて清掃業者や引越業者の作業予定を事前に入力することができる。
【0048】
また、本実施形態の建物状況監視システムが有する技術は、実施形態1の建物状況監視システムにも適用することができる。
【0049】
(実施形態4)
実施形態4に係る建物状況監視システムは、実施形態3に係る建物状況監視システムの機能に加えて、共用スペースCが撮像されている撮像画像を用いて上記共用スペースCに集まっている人の行動内容を判断する機能をさらに有している。なお、実施形態3と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0050】
本実施形態の画像認識部41は、各監視カメラ3の撮像画像を取得し、撮像画像に撮像されている人を認識することによって、人の多寡を検知する。このとき、画像認識部41は、撮像画像内の各人のポーズや動きから、共用スペースCに集まっている人たちが何をしているのかを検知する。つまり、画像認識部41は、撮像画像内に存在する各人の特定部位を色や形によって検出し、特定部位の位置がどのように変わっていくのかを追跡する。画像認識部41は、上記追跡結果によって、各人の動作を認識することができる。また、各監視カメラ3の設置場所(位置や向き)は予め決まっているので、立っている人の特定部位の位置は、撮像画像の所定範囲内に存在することが決まっている。その結果、画像認識部41は、撮像画像内に存在する人の人数を検知することも可能である。上記より、画像認識部41は、撮像画像内に存在する人の人数と、各人が歩いているか止まっているかなどの動きとを検知することができる。検知結果(認識結果)は、状況集計部42に出力される。なお、上記のように人の特定部位の位置関係を用いて人の動作を認識する技術は、従来周知であるから説明を省略する。
【0051】
本実施形態の状況集計部42は、画像認識部41の検知結果を用いて、共用スペースCに集まっている人の行動内容を判断する。判断される行動内容としては、例えば複数人による会議(井戸端会議など)や子供の遊び、エレベータ待ちなどがある。例えば、エレベータホールC1に人が長時間存在する場合、状況集計部42は、画像認識部41の検知結果とともに、エレベータの運転装置21からのエレベータの運転状況を用いて、エレベータホールC1にいる人がエレベータを待っているのか、倒れているのかを判断することができる。なお、状況集計部42はタイマを備えてもよい。この場合、状況集計部42は、タイマを用いて、画像認識部41で検知された人の動作(行動)の継続時間を測定し、その時間情報を行動内容の判断(推定)に用いてもよい。
【0052】
本実施形態の情報出力部44は、状況集計部42で判断された行動内容の情報を混雑状況の情報とともに各報知装置1に送信して各報知装置1に報知させる。
【0053】
以上、本実施形態によれば、共用スペースCに集まっている人たちの行動内容を各報知装置1が報知することによって、利用者は、上記行動内容を知ることができるので、より強く集合から回避したり、逆に集合に参加したりすることができる。
【0054】
なお、本実施形態の建物状況監視システムが有する技術は、実施形態1,2の建物状況監視システムにも適用することができる。
【0055】
(実施形態5)
実施形態5に係る建物状況監視システムは、実施形態4に係る建物監視状況システムの機能に加えて、図10に示す駐車場Dの車Eの混雑状況(以下「車混雑状況」という)を判断する機能を有している。上記駐車場Dは、建物Aに併設されている。なお、実施形態4と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0056】
本実施形態の駐車場Dには、監視カメラ3が設置されている。この監視カメラ3は、駐車場Dを撮像する。
【0057】
本実施形態の画像認識部41は、上記監視カメラ3の撮像画像を取得し、撮像画像に撮像されている車Eを認識することによって、車Eの多寡を検知する。検知結果(認識結果)は、状況集計部42に出力される。本実施形態の駐車場Dに設置された監視カメラ3および画像認識部41は、本発明の車検知手段に相当する。なお、本実施形態の画像認識部41は上記以外の点において実施形態4の画像認識部41と同様である。
【0058】
本実施形態の状況集計部42は、画像認識部41の検知結果を用いて、駐車場Dの車混雑状況を判断する。なお、本実施形態の状況集計部42は上記以外の点において実施形態4の状況集計部42と同様である。
【0059】
本実施形態の情報出力部44は、状況集計部42で判断された車混雑状況の情報を各報知装置1に送信して各報知装置1に報知させる。なお、本実施形態の情報出力部44は上記以外の点において実施形態4の情報出力部44と同様である。
【0060】
以上、本実施形態によれば、利用者は、各報知装置1の報知によって、駐車場Dの車混雑状況を知ることができるので、車Eでの外出に対しても対応することができる。
【0061】
なお、本実施形態の変形例として、車検知手段は、監視カメラ3および画像認識部41ではなく、例えばレーザ受光器や立体駐車場装置などであってもよい。
【0062】
また、本実施形態の建物状況監視システムが有する技術は、実施形態1〜3の建物状況監視システムにも適用することができる。
【0063】
(実施形態6)
実施形態6に係る建物状況監視システムは、実施形態1に係る建物状況監視システムの機能に加えて、情報出力部44からの情報を携帯端末F(図11参照)に送信する機能を有している。なお、実施形態1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0064】
本実施形態の情報出力部44は、現在の混雑状況の情報を共用スペースCの名称の情報とともに携帯端末Fに送信して携帯端末Fに報知させる。なお、本実施形態の情報出力部44は上記以外の点において実施形態1の情報出力部44(図1参照)と同様である。
【0065】
以上、本実施形態によれば、情報出力部44が各共用スペースCの混雑状況の情報を携帯端末Fに報知することによって、利用者は外出先から上記混雑状況を確認することができる。
【0066】
なお、本実施形態の建物状況監視システムが有する技術は、実施形態2〜5の建物状況監視システムにも適用することができる。
【0067】
(実施形態7)
実施形態7に係る建物状況監視システムは、実施形態1に係る建物状況監視システムの機能に加えて、各共用スペースCの混雑状況の継続時間を報知する機能を有している。
【0068】
本実施形態の状況集計部42は、各共用スペースCごとに判断した現在の混雑状況の発生時からの継続時間を計測する。本実施形態の状況集計部42は、本発明の判断手段および計測手段に相当する。各共用スペースCごとの混雑状況の継続時間に関する情報は、記憶部43に記憶される。
【0069】
本実施形態の情報出力部44は、各共用スペースCごとに、現在の混雑状況の情報とともに上記混雑状況の継続時間を各報知装置1に送信して各報知装置1に報知させる。
【0070】
以上、本実施形態によれば、利用者は、各共用スペースCごとに現在の混雑状況の継続時間を確認することができるので、上記混雑状況の継続時間に応じて、共用スペースCの混雑を避けることができる。例えば、上記混雑状況の継続時間が長ければ、人が集まって井戸端会議などで話し込んでいるか、1または複数の人が何か作業をしている可能性が高く、利用者は、この後も上記混雑状況が継続することを推測することができる。
【0071】
なお、本実施形態の建物状況監視システムが有する技術は、実施形態2〜6の建物状況監視システムにも適用することができる。
【0072】
また、実施形態1〜7の変形例として、情報出力部44は、報知内容(現在の混雑状況など)をすべての報知装置1に送信してすべての報知装置1に報知させるのではなく、複数の報知装置1のうち少なくとも1以上の報知装置1に報知内容を送信してもよい。上記変形例の場合、報知内容を受信した報知装置1のみが上記報知内容を報知する。上記変形例の一例としては、報知内容を要求する報知装置1から情報出力部44に、報知内容を要求するための要求信号が送信される。情報出力部44は、上記要求信号を受信すると、要求信号を送信した報知装置1のみに報知内容を送信する。上記変形例によれば、報知内容を必要とする報知装置1のみに情報出力部44が報知内容を送信することができるので、情報出力部44と各報知装置1との間の通信のトラフィック量を低減することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 報知装置(報知手段)
11 入力部(入力手段)
2 センサ部(人検知手段)
3 監視カメラ(人検知手段、車検知手段)
4 中央サーバ(監視装置)
41 画像認識部(人検知手段、車検知手段)
42 状況集計部(判断手段、計測手段)
43 記憶部(蓄積手段)
44 情報出力部(表示制御手段)
45 予測演算部(予測手段)
A 建物
B 部屋
C 共用スペース
D 駐車場
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の部屋と共用スペースとを有する建物で用いられる建物状況監視システムおよびこの建物状況監視システムに用いられる監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の部屋と共用スペースとを有する建物(例えば集合住宅やホテルなど)では、共用スペース(通路やエレベータホールなど)の混雑状況を利用者が部屋内から確認することができないことがほとんどであった。共用スペースが混雑していることを知らずに外出すると、利用者は建物の外に出るまでに余分な時間を要し、利用者の快適性を損なうことになる。
【0003】
ところで、従来から、建物において複数の共有スペースのそれぞれに撮像装置が設置されたシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。従来のシステムにおいて、各撮像装置は、各共有スペースを撮像し、撮像画像を住戸端末機に送信する。各住戸端末機は、各撮像装置から送信された撮像画像を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−157480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような従来のシステムを共用スペースの混雑状況を知らせるための手段として用いた場合、従来のシステムは、各撮像装置の撮像画像をそのまま各住戸端末機に送信するため、撮像画像内の人つまり共用スペースにいる人が誰であるのかを各住戸者に知らせることになり、共用スペースにいる人のプライバシーを保護することができないという問題があった。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みて為され、本発明の目的は、建物の共用スペースにいる人を特定することなく共用スペースの混雑状況を各部屋の利用者に知らせることができる建物状況監視システムおよびこの建物状況監視システムに用いられる監視装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る建物状況監視システムの発明は、複数の専用スペースとしての部屋と共用スペースとを有する建物で用いられる建物状況監視システムであって、情報を報知する報知機能を有しそれぞれ異なる部屋に設置された複数の報知手段と、前記共用スペースに存在する人の多寡を検知する人検知手段と、前記人検知手段の検知結果を用いて前記共用スペースの混雑状況を判断する判断手段と、前記判断手段で判断された前記混雑状況の情報を前記共用スペースの名称の情報とともに前記報知手段に送信して前記報知手段に報知させる報知制御手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る建物状況監視システムの発明は、請求項1の発明において、前記混雑状況の情報を蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段に蓄積されている前記混雑状況の履歴情報に基づいて将来の混雑状況を予測する予測手段とを備え、前記報知制御手段は、前記予測手段で予測された前記将来の混雑状況の情報を前記共用スペースの名称の情報とともに前記報知手段に送信して前記報知手段に報知させることを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る建物状況監視システムの発明は、請求項1または2の発明において、前記判断手段で判断された前記混雑状況の発生時からの継続時間を計測する計測手段を備え、前記報知制御手段は、前記混雑状況の情報とともに前記混雑状況の継続時間を前記報知手段に送信して前記報知手段に報知させることを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る建物状況監視システムの発明は、請求項1〜3のいずれか1項の発明において、人が前記共用スペースに存在することが予想されるイベントがある場合に前記イベントに関連する共用スペースの名称と前記イベントの日時との情報を入力するための入力手段を備え、前記報知制御手段は、前記入力手段に入力された入力情報を前記報知手段に送信して前記報知手段に報知させることを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る建物状況監視システムの発明は、請求項1〜4のいずれか1項の発明において、前記人検知手段は、前記共用スペースを撮像するカメラを有し、前記判断手段は、前記カメラで撮像された撮像画像を用いて前記共用スペースに集まっている人の行動内容を判断し、前記報知制御手段は、前記判断手段で判断された前記行動内容の情報を前記報知手段に送信して前記報知手段に報知させることを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る建物状況監視システムの発明は、請求項1〜5のいずれか1項の発明において、前記建物に併設された駐車場の駐車台数を検知する車検知手段を備え、前記判断手段は、前記車検知手段の検知結果を用いて前記駐車場の車の混雑状況を判断し、前記報知制御手段は、前記判断手段で判断された前記車の混雑状況の情報を前記報知手段に送信して前記報知手段に報知させることを特徴とする。
【0013】
請求項7に係る監視装置の発明は、請求項1〜6のいずれか1項の建物状況監視システムに用いられ、前記判断手段と、前記報知制御手段とを備える。
【発明の効果】
【0014】
請求項1,7の発明によれば、利用者は、外出する前に部屋で共用スペース(例えば通路やエレベータホールなど)の混雑状況を確認することができるので、共用スペースの混雑を避けることができる。このとき、各報知手段が撮像画像ではなく、混雑状況の情報を報知するので、共用スペースにいる人を特定することなく、共用スペースの混雑状況を各部屋の利用者に知らせることができる。例えばエレベータホールが混雑している場合、利用者はエレベータホールの前で長時間待つということを回避することができる。
【0015】
請求項2の発明によれば、利用者は、共用スペースの将来の混雑状況を確認してから外出することができるので、共用スペースの混雑を避けるように行動することができる。このとき、これまでの混雑状況を用いて将来の混雑状況を予測することによって、各報知手段から報知される情報の精度を高めることができるので、利用者は共用スペースの混雑をより正確に避けることができる。
【0016】
請求項3の発明によれば、利用者は、混雑状況の継続時間を確認することができるので、上記混雑状況の継続時間に応じて、共用スペースの混雑を避けることができる。
【0017】
請求項4の発明によれば、共用スペースが混雑になるようなイベントの予定を予め入力することを可能にすることによって、利用者は、イベントが行われているときに上記イベントに関連する共用スペースに行くことを回避することができる。これにより、利用者は共用スペースの混雑を避けることができる。
【0018】
請求項5の発明によれば、共用スペースに集まっている人の行動内容を各報知手段が報知することによって、利用者は、上記行動内容を知ることができるので、より強く集合から回避したり、逆に集合に参加したりすることができる。
【0019】
請求項6の発明によれば、利用者は、各報知手段の報知によって、駐車場の車の混雑状況を知ることができるので、車での外出に対しても対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態1に係る建物状況監視システムの構成を示すブロック図である。
【図2】同上に係る建物状況監視システムが設置される建物の概略図である。
【図3】同上に係る建物状況監視システムの履歴情報の内容を示す図である。
【図4】同上に係る建物状況監視システムの動作を示すフローチャートである。
【図5】実施形態2に係る建物状況監視システムの構成を示すブロック図である。
【図6】同上に係る建物状況監視システムの動作を示すフローチャートである。
【図7】実施形態3に係る建物状況監視システムの構成を示すブロック図である。
【図8】同上に係る建物状況監視システムの予定情報のテーブルを示す図である。
【図9】同上に係る建物状況監視システムの動作を示すフローチャートである。
【図10】実施形態5に係る建物状況監視システムが設置される建物の概略図である。
【図11】実施形態6に係る建物状況監視システムが設置される建物の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施形態1)
実施形態1に係る建物状況監視システムは、図2に示すように、複数(図示例では2つ)の部屋Bと複数の共用スペースCとを有する建物Aに用いられるシステムである。共用スペースCは、建物A内において多くの利用者が自由に行き来したり、利用したりすることができる空間である。共用スペースCとしては、エレベータホール(エレベータ前)C1やロビーC2、エントランスC3がある。また、図示していないが、共用スペースCとしては、上記のほかにも、例えば通路や共同風呂、駐車場の出入口などがある。各部屋Bは、各利用者ごとに専有する専用スペースであり、他の部屋Bとは区切られて設けられている。
【0022】
本実施形態の建物状況監視システムは、図1に示すように、複数の報知装置1,1,1と、複数のセンサ部2,2・・・と、複数の監視カメラ3,3,3と、中央サーバ4とを備えている。
【0023】
複数の報知装置1は、それぞれが情報を報知する報知機能を有し、それぞれ異なる部屋Bに設置されている(図2参照)。報知装置1としては、例えばインターホンシステムの親機などがある。報知装置1の報知機能としては、情報を表示画面に表示する表示機能と、情報を音声または音によって出力する音出力機能とがある。各報知装置1は、本発明の報知手段に相当する。
【0024】
複数のセンサ部2は、グループGごとに異なる共用スペースC(図2参照)に設置されている。つまり、共用スペースCごとに、2以上のセンサ部2が設置されている。各グループGでは、1つの共用スペースCが複数の小領域に分けられ、上記複数の小領域ごとにセンサ部2が割り当てられている。各グループGごとに、センサ部2は、共用スペースCに存在する人の多寡を検知する。センサ部2としては、例えば人感センサや圧力センサ、マイクロホン、エレベータの運転装置21などがある。圧力センサは、共用スペースCの床面に設置され、人の重みを検出することができる。マイクロホンは、音情報の中に複数の音声が含まれているか否かで人数を検知する。複数のセンサ部2は、本発明の人検知手段に相当する。
【0025】
複数の監視カメラ3は、それぞれ異なる共用スペースCに設置されている。各監視カメラ3は、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラなどであり、設置された共用スペースCを撮像する。
【0026】
中央サーバ4は、画像認識部41と、状況集計部42と、記憶部43と、情報出力部44とを備えている。中央サーバ4は、例えば建物Aの管理センタなどに設置されている。中央サーバ4は、本発明の監視装置に相当する。
【0027】
画像認識部41は、各監視カメラ3の撮像画像を取得し、撮像画像に撮像されている人を認識することによって、人の多寡を検知する。検知結果(認識結果)は、状況集計部42に出力される。各監視カメラ3と画像認識部41との組み合わせは、本発明の人検知手段に相当する。
【0028】
状況集計部42は、各センサ部2および画像認識部41からそれぞれ検知結果を取得する。上記状況集計部42は、取得した検知結果を用いて、各共用スペースC内に人がいるか否か、人がいるとしたら何人いるかを集計する。また、状況集計部42は、エレベータの運転装置21からエレベータの運転状況(検知結果)を取得する。これにより、状況集計部42は、エレベータホールC1にいる人の人数を集計することができる。集計を行った状況集計部42は、集計情報を用いて、各共用スペースCごとに現在の混雑状況を判断する。状況集計部42は、本発明の判断手段に相当する。各共用スペースCの混雑状況の情報は、逐次、記憶部43に記憶される。したがって、記憶部43には、図3に示すような履歴情報が格納されている。状況集計部42は、各共用スペースCの現在の混雑状況として、各共用スペースCの正確な人数を表わす必要はなく、混雑の度合いに応じて予め設定されたレベル(例えばレベル1〜レベル5)を表わしている(図3参照)。なお、状況集計部42は、各共用スペースCの現在の混雑状況として、上記レベルを表わすことに限定されない。状況集計部42は、各共用スペースCの正確な人数をそのまま表わしてもよいし、人が存在するか否かの情報を表わしてもよい。
【0029】
情報出力部44は、各共用スペースCごとに、現在の混雑状況の情報と共用スペースCの名称の情報とを各報知装置1に送信して各報知装置1に報知させる。情報出力部44は、本発明の報知制御手段に相当する。各報知装置1は、情報出力部44からの情報を報知する。情報出力部44からの上記情報には、撮像画像などが含まれていないので、共用スペースCにいる人のプライバシーを保護することができる。なお、情報出力部44から各報知装置1に情報を送信する手法としては、情報出力部44から各報知装置1への定期配信(プッシュ)であってもよいし、利用者による報知装置1への操作があったときに取得する(プル)という手法であってもよい。
【0030】
次に、本実施形態に係る建物状況監視システムの動作について図4を用いて説明する。まず、各センサ部2が共用スペースCの人の存在を検知する(図4のS1)。同様に、各監視カメラ3および画像認識部41が共用スペースCの人の多寡を検知する。中央サーバ4の状況集計部42は、各センサ部2の検知結果および画像認識部41の検知結果を用いて、各共用スペースCごとに人数を集計し、各共用スペースCの混雑状況を判断する(S2)。情報出力部44は、各共用スペースCの混雑状況の情報を各報知装置1に送信する(S3)。各報知装置1は、各共用スペースCの混雑状況を報知する(S4)。
【0031】
以上、本実施形態によれば、利用者は、外出する前に部屋Bで共用スペースCの混雑状況を確認することができるので、共用スペースCの混雑を避けることができる。このとき、各報知装置1が撮像画像ではなく、混雑状況の情報を報知するので、共用スペースCにいる人を特定することなく、共用スペースCの混雑状況を各部屋Bの利用者に知らせることができる。
【0032】
例えばエレベータホールC1が混雑している場合、利用者はエレベータではなく、階段を使用することによって、エレベータホールC1の前で長時間待つということを回避することができる。また、利用者は、報知装置1によって報知される情報を確認して、共用スペースCに行くか否か、共用スペースCを通って外出するタイミングをずらすか否かを判断することができる。
【0033】
(実施形態2)
実施形態2に係る建物状況監視システムは、実施形態1に係る建物状況監視システムの機能に加えて、各共用スペースCの将来の混雑状況を予測する機能をさらに有している。なお、実施形態1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0034】
本実施形態の中央サーバ4は、図5に示すように、画像認識部41と、状況集計部42と、記憶部43と、情報出力部44とを実施形態1の中央サーバ4(図1参照)と同様に備え、さらに予測演算部45を備えている。
【0035】
本実施形態の記憶部43には、これまで(現在および過去)の混雑状況の情報が蓄積されている。本実施形態の記憶部43は、本発明の蓄積手段に相当する。なお、本実施形態の記憶部43は上記以外の点において実施形態1の記憶部43(図1参照)と同様である。
【0036】
予測演算部45は、記憶部43に蓄積されているこれまでの混雑状況の履歴情報を統計的に処理し、後述の要素を用いて、現在から将来の混雑状況の情報データを演算する。予測演算部45の予測演算で用いられる要素としては、日付・時刻・曜日・祝日・天気・近隣での行事などがある。予測演算部45は、本発明の予測手段に相当する。なお、予測演算部45による統計処置に用いられる混雑状況の履歴情報は、過去の混雑状況の情報と現在の混雑状況の情報との両方であってもよいし、過去の混雑状況の情報のみであってもよい。また、予測演算部45は、統計処理を行う際に、過去の混雑状況の情報のすべてを用いるのではなく、直近いくつかの情報のみを用いてもよい。
【0037】
予測演算部45による統計処理の一例を以下に示す。予測演算部45は、これまでの混雑状況の情報を時刻ごとに分類し、各時刻ごとに、混雑となる日数が予め設定された閾値以上であるか否かを判定する。ある時刻において混雑となる日数が閾値以上である場合、上記時刻では将来においても混雑となる可能性が高いので、予測演算部45は、上記時刻に混雑が発生する旨の将来の混雑状況の情報を作成する。また、予測演算部45は、これまでの混雑状況の情報を時刻だけではなく、曜日と時間との組み合わせごとに分類して、統計処理を行ってもよい。なお、予測演算部45は、上記とは異なる統計処理を行う際にも、上記のように閾値を予め設定し、設定した閾値とこれまでの混雑状況の情報とを比較することによって、将来の混雑状況の情報を作成することができる。
【0038】
本実施形態の情報出力部44は、予測演算部45で予測された将来の混雑状況の情報を共用スペースCの名称の情報とともに各報知装置1に送信して各報知装置1に報知させる。なお、本実施形態の情報出力部44は上記以外の点において実施形態1の情報出力部44(図1参照)と同様である。
【0039】
次に、本実施形態に係る建物状況監視システムの動作について図6を用いて説明する。まず、各センサ部2が共用スペースCの人の存在を検知する(図6のS11)。同様に、各監視カメラ3および画像認識部41が共用スペースCの人の多寡を検知する。中央サーバ4の状況集計部42は、各センサ部2の検知結果および画像認識部41の検知結果を用いて、各共用スペースCごとに人数を集計し、各共用スペースCの混雑状況を判断する(S12)。予測演算部45は、記憶部43に蓄積されているこれまでの混雑状況の情報(蓄積データ)を用いて、将来の混雑状況を予測する(S13)。情報出力部44は、各共用スペースCの将来の混雑状況の情報(予測データ)を各報知装置1に送信する(S14)。各報知装置1は、各共用スペースCの将来の混雑状況を報知する(S15)。
【0040】
以上、本実施形態によれば、利用者は、共用スペースCの将来の混雑状況を確認してから外出することができるので、共用スペースCの混雑を避けるように行動することができる。このとき、これまでの混雑状況を用いて将来の混雑状況を予測することによって、各報知装置1から報知される情報の精度を高めることができるので、利用者は共用スペースCの混雑をより正確に避けることができる。
【0041】
(実施形態3)
実施形態3に係る建物状況監視システムは、実施形態2に係る建物状況監視システムの機能に加えて、イベント情報を入力することができる機能をさらに有している。なお、実施形態2と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0042】
本実施形態の各報知装置1は、図7に示すように、情報を入力するための入力部11を備えている。入力部11は、タッチパネル式であり、表示画面に表示されている。入力部11は、本発明の入力手段に相当する。入力部11に入力される情報とは、人が共用スペースCに存在することが予想されるイベントがある場合に上記イベントに関連する共用スペースCの名称と日時との情報である。人が共用スペースCに存在することが予想されるイベントには、例えば大型荷物の搬入など、複数の人が集まって共用スペースCを一時的に占有するようなイベントがある。ただし、人が共用スペースCに存在することが予想されるイベントは、上記のように複数の人が集まるイベントに限定されず、例えば共用スペースCの照明灯の点検や建物Aのガスの点検など、共用スペースCにおいて1人で行われるイベントであってもよい。なお、本実施形態の報知装置1は上記以外の点において実施形態2の報知装置1(図5参照)と同様である。
【0043】
入力部11に入力された入力情報は、中央サーバ4の記憶部43の予定情報データベースに格納される。記憶部43に格納されている予定情報データは、図8に示すように、開始日時と終了日時と共用スペースCの名称とで構成されている。
【0044】
本実施形態の情報出力部44は、記憶部43に記憶されている入力情報のイベントが行われる時刻になると、上記入力情報を各報知装置1に送信する。各報知装置1には、例えば他の利用者による共用スペースCの利用情報などの入力情報が報知される。なお、本実施形態の情報出力部44は上記以外の点において実施形態2の情報出力部44(図5参照)と同様である。
【0045】
次に、本実施形態に係る建物状況監視システムの動作について図9を用いて説明する。まず、各センサ部2が共用スペースCの人の存在を検知する(図9のS21)。同様に、各監視カメラ3および画像認識部41が共用スペースCの人の多寡を検知する。中央サーバ4の状況集計部42は、各センサ部2の検知結果および画像認識部41の検知結果を用いて、各共用スペースCごとに人数を集計し、各共用スペースCの混雑状況を判断する(S22)。情報出力部44は、記憶部43に格納されている入力情報(予定データ)を参照し(S23)、現在時刻が入力情報のイベントの予定時刻になったか否かを判断する(S24)。現在時刻が上記予定時刻になった場合、情報出力部44は、記憶部43から入力情報を取得する(S25)。情報出力部44は、各共用スペースCの将来の混雑状況の情報(予測データ)を各報知装置1に送信する(S26)。このとき、情報出力部44は、予定時刻になった入力情報も各報知装置1に送信する。各報知装置1は、各共用スペースCの将来の混雑状況および入力情報を報知する(S27)。
【0046】
以上、本実施形態によれば、共用スペースCが混雑になるようなイベントの予定を予め入力することを可能にすることによって、利用者は、イベントが行われているときに上記イベントに関連する共用スペースCに行くことを回避することができる。これにより、利用者は共用スペースCの混雑を避けることができる。
【0047】
なお、本実施形態の変形例として、建物状況監視システムは、各報知装置1だけではなく中央サーバ4にも入力部を備えてもよい。変形例の建物状況監視システムによれば、利用者が各部屋Bの報知装置1の入力部11を用いて自己の予定を入力するだけではなく、管理者が中央サーバ4の入力部を用いて清掃業者や引越業者の作業予定を事前に入力することができる。
【0048】
また、本実施形態の建物状況監視システムが有する技術は、実施形態1の建物状況監視システムにも適用することができる。
【0049】
(実施形態4)
実施形態4に係る建物状況監視システムは、実施形態3に係る建物状況監視システムの機能に加えて、共用スペースCが撮像されている撮像画像を用いて上記共用スペースCに集まっている人の行動内容を判断する機能をさらに有している。なお、実施形態3と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0050】
本実施形態の画像認識部41は、各監視カメラ3の撮像画像を取得し、撮像画像に撮像されている人を認識することによって、人の多寡を検知する。このとき、画像認識部41は、撮像画像内の各人のポーズや動きから、共用スペースCに集まっている人たちが何をしているのかを検知する。つまり、画像認識部41は、撮像画像内に存在する各人の特定部位を色や形によって検出し、特定部位の位置がどのように変わっていくのかを追跡する。画像認識部41は、上記追跡結果によって、各人の動作を認識することができる。また、各監視カメラ3の設置場所(位置や向き)は予め決まっているので、立っている人の特定部位の位置は、撮像画像の所定範囲内に存在することが決まっている。その結果、画像認識部41は、撮像画像内に存在する人の人数を検知することも可能である。上記より、画像認識部41は、撮像画像内に存在する人の人数と、各人が歩いているか止まっているかなどの動きとを検知することができる。検知結果(認識結果)は、状況集計部42に出力される。なお、上記のように人の特定部位の位置関係を用いて人の動作を認識する技術は、従来周知であるから説明を省略する。
【0051】
本実施形態の状況集計部42は、画像認識部41の検知結果を用いて、共用スペースCに集まっている人の行動内容を判断する。判断される行動内容としては、例えば複数人による会議(井戸端会議など)や子供の遊び、エレベータ待ちなどがある。例えば、エレベータホールC1に人が長時間存在する場合、状況集計部42は、画像認識部41の検知結果とともに、エレベータの運転装置21からのエレベータの運転状況を用いて、エレベータホールC1にいる人がエレベータを待っているのか、倒れているのかを判断することができる。なお、状況集計部42はタイマを備えてもよい。この場合、状況集計部42は、タイマを用いて、画像認識部41で検知された人の動作(行動)の継続時間を測定し、その時間情報を行動内容の判断(推定)に用いてもよい。
【0052】
本実施形態の情報出力部44は、状況集計部42で判断された行動内容の情報を混雑状況の情報とともに各報知装置1に送信して各報知装置1に報知させる。
【0053】
以上、本実施形態によれば、共用スペースCに集まっている人たちの行動内容を各報知装置1が報知することによって、利用者は、上記行動内容を知ることができるので、より強く集合から回避したり、逆に集合に参加したりすることができる。
【0054】
なお、本実施形態の建物状況監視システムが有する技術は、実施形態1,2の建物状況監視システムにも適用することができる。
【0055】
(実施形態5)
実施形態5に係る建物状況監視システムは、実施形態4に係る建物監視状況システムの機能に加えて、図10に示す駐車場Dの車Eの混雑状況(以下「車混雑状況」という)を判断する機能を有している。上記駐車場Dは、建物Aに併設されている。なお、実施形態4と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0056】
本実施形態の駐車場Dには、監視カメラ3が設置されている。この監視カメラ3は、駐車場Dを撮像する。
【0057】
本実施形態の画像認識部41は、上記監視カメラ3の撮像画像を取得し、撮像画像に撮像されている車Eを認識することによって、車Eの多寡を検知する。検知結果(認識結果)は、状況集計部42に出力される。本実施形態の駐車場Dに設置された監視カメラ3および画像認識部41は、本発明の車検知手段に相当する。なお、本実施形態の画像認識部41は上記以外の点において実施形態4の画像認識部41と同様である。
【0058】
本実施形態の状況集計部42は、画像認識部41の検知結果を用いて、駐車場Dの車混雑状況を判断する。なお、本実施形態の状況集計部42は上記以外の点において実施形態4の状況集計部42と同様である。
【0059】
本実施形態の情報出力部44は、状況集計部42で判断された車混雑状況の情報を各報知装置1に送信して各報知装置1に報知させる。なお、本実施形態の情報出力部44は上記以外の点において実施形態4の情報出力部44と同様である。
【0060】
以上、本実施形態によれば、利用者は、各報知装置1の報知によって、駐車場Dの車混雑状況を知ることができるので、車Eでの外出に対しても対応することができる。
【0061】
なお、本実施形態の変形例として、車検知手段は、監視カメラ3および画像認識部41ではなく、例えばレーザ受光器や立体駐車場装置などであってもよい。
【0062】
また、本実施形態の建物状況監視システムが有する技術は、実施形態1〜3の建物状況監視システムにも適用することができる。
【0063】
(実施形態6)
実施形態6に係る建物状況監視システムは、実施形態1に係る建物状況監視システムの機能に加えて、情報出力部44からの情報を携帯端末F(図11参照)に送信する機能を有している。なお、実施形態1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0064】
本実施形態の情報出力部44は、現在の混雑状況の情報を共用スペースCの名称の情報とともに携帯端末Fに送信して携帯端末Fに報知させる。なお、本実施形態の情報出力部44は上記以外の点において実施形態1の情報出力部44(図1参照)と同様である。
【0065】
以上、本実施形態によれば、情報出力部44が各共用スペースCの混雑状況の情報を携帯端末Fに報知することによって、利用者は外出先から上記混雑状況を確認することができる。
【0066】
なお、本実施形態の建物状況監視システムが有する技術は、実施形態2〜5の建物状況監視システムにも適用することができる。
【0067】
(実施形態7)
実施形態7に係る建物状況監視システムは、実施形態1に係る建物状況監視システムの機能に加えて、各共用スペースCの混雑状況の継続時間を報知する機能を有している。
【0068】
本実施形態の状況集計部42は、各共用スペースCごとに判断した現在の混雑状況の発生時からの継続時間を計測する。本実施形態の状況集計部42は、本発明の判断手段および計測手段に相当する。各共用スペースCごとの混雑状況の継続時間に関する情報は、記憶部43に記憶される。
【0069】
本実施形態の情報出力部44は、各共用スペースCごとに、現在の混雑状況の情報とともに上記混雑状況の継続時間を各報知装置1に送信して各報知装置1に報知させる。
【0070】
以上、本実施形態によれば、利用者は、各共用スペースCごとに現在の混雑状況の継続時間を確認することができるので、上記混雑状況の継続時間に応じて、共用スペースCの混雑を避けることができる。例えば、上記混雑状況の継続時間が長ければ、人が集まって井戸端会議などで話し込んでいるか、1または複数の人が何か作業をしている可能性が高く、利用者は、この後も上記混雑状況が継続することを推測することができる。
【0071】
なお、本実施形態の建物状況監視システムが有する技術は、実施形態2〜6の建物状況監視システムにも適用することができる。
【0072】
また、実施形態1〜7の変形例として、情報出力部44は、報知内容(現在の混雑状況など)をすべての報知装置1に送信してすべての報知装置1に報知させるのではなく、複数の報知装置1のうち少なくとも1以上の報知装置1に報知内容を送信してもよい。上記変形例の場合、報知内容を受信した報知装置1のみが上記報知内容を報知する。上記変形例の一例としては、報知内容を要求する報知装置1から情報出力部44に、報知内容を要求するための要求信号が送信される。情報出力部44は、上記要求信号を受信すると、要求信号を送信した報知装置1のみに報知内容を送信する。上記変形例によれば、報知内容を必要とする報知装置1のみに情報出力部44が報知内容を送信することができるので、情報出力部44と各報知装置1との間の通信のトラフィック量を低減することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 報知装置(報知手段)
11 入力部(入力手段)
2 センサ部(人検知手段)
3 監視カメラ(人検知手段、車検知手段)
4 中央サーバ(監視装置)
41 画像認識部(人検知手段、車検知手段)
42 状況集計部(判断手段、計測手段)
43 記憶部(蓄積手段)
44 情報出力部(表示制御手段)
45 予測演算部(予測手段)
A 建物
B 部屋
C 共用スペース
D 駐車場
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の専用スペースとしての部屋と共用スペースとを有する建物で用いられる建物状況監視システムであって、
情報を報知する報知機能を有しそれぞれ異なる部屋に設置された複数の報知手段と、
前記共用スペースに存在する人の多寡を検知する人検知手段と、
前記人検知手段の検知結果を用いて前記共用スペースの混雑状況を判断する判断手段と、
前記判断手段で判断された前記混雑状況の情報を前記共用スペースの名称の情報とともに前記報知手段に送信して前記報知手段に報知させる報知制御手段と
を備えることを特徴とする建物状況監視システム。
【請求項2】
前記混雑状況の情報を蓄積する蓄積手段と、
前記蓄積手段に蓄積されている前記混雑状況の履歴情報に基づいて将来の混雑状況を予測する予測手段とを備え、
前記報知制御手段は、前記予測手段で予測された前記将来の混雑状況の情報を前記共用スペースの名称の情報とともに前記報知手段に送信して前記報知手段に報知させる
ことを特徴とする請求項1記載の建物状況監視システム。
【請求項3】
前記判断手段で判断された前記混雑状況の発生時からの継続時間を計測する計測手段を備え、
前記報知制御手段は、前記混雑状況の情報とともに前記混雑状況の継続時間を前記報知手段に送信して前記報知手段に報知させる
ことを特徴とする請求項1または2記載の建物状況監視システム。
【請求項4】
人が前記共用スペースに存在することが予想されるイベントがある場合に前記イベントに関連する共用スペースの名称と前記イベントの日時との情報を入力するための入力手段を備え、
前記報知制御手段は、前記入力手段に入力された入力情報を前記報知手段に送信して前記報知手段に報知させる
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の建物状況監視システム。
【請求項5】
前記人検知手段は、前記共用スペースを撮像するカメラを有し、
前記判断手段は、前記カメラで撮像された撮像画像を用いて前記共用スペースに集まっている人の行動内容を判断し、
前記報知制御手段は、前記判断手段で判断された前記行動内容の情報を前記報知手段に送信して前記報知手段に報知させる
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の建物状況監視システム。
【請求項6】
前記建物に併設された駐車場の駐車台数を検知する車検知手段を備え、
前記判断手段は、前記車検知手段の検知結果を用いて前記駐車場の車の混雑状況を判断し、
前記報知制御手段は、前記判断手段で判断された前記車の混雑状況の情報を前記報知手段に送信して前記報知手段に報知させる
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の建物状況監視システム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の建物状況監視システムに用いられ、前記判断手段と、前記報知制御手段とを備える監視装置。
【請求項1】
複数の専用スペースとしての部屋と共用スペースとを有する建物で用いられる建物状況監視システムであって、
情報を報知する報知機能を有しそれぞれ異なる部屋に設置された複数の報知手段と、
前記共用スペースに存在する人の多寡を検知する人検知手段と、
前記人検知手段の検知結果を用いて前記共用スペースの混雑状況を判断する判断手段と、
前記判断手段で判断された前記混雑状況の情報を前記共用スペースの名称の情報とともに前記報知手段に送信して前記報知手段に報知させる報知制御手段と
を備えることを特徴とする建物状況監視システム。
【請求項2】
前記混雑状況の情報を蓄積する蓄積手段と、
前記蓄積手段に蓄積されている前記混雑状況の履歴情報に基づいて将来の混雑状況を予測する予測手段とを備え、
前記報知制御手段は、前記予測手段で予測された前記将来の混雑状況の情報を前記共用スペースの名称の情報とともに前記報知手段に送信して前記報知手段に報知させる
ことを特徴とする請求項1記載の建物状況監視システム。
【請求項3】
前記判断手段で判断された前記混雑状況の発生時からの継続時間を計測する計測手段を備え、
前記報知制御手段は、前記混雑状況の情報とともに前記混雑状況の継続時間を前記報知手段に送信して前記報知手段に報知させる
ことを特徴とする請求項1または2記載の建物状況監視システム。
【請求項4】
人が前記共用スペースに存在することが予想されるイベントがある場合に前記イベントに関連する共用スペースの名称と前記イベントの日時との情報を入力するための入力手段を備え、
前記報知制御手段は、前記入力手段に入力された入力情報を前記報知手段に送信して前記報知手段に報知させる
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の建物状況監視システム。
【請求項5】
前記人検知手段は、前記共用スペースを撮像するカメラを有し、
前記判断手段は、前記カメラで撮像された撮像画像を用いて前記共用スペースに集まっている人の行動内容を判断し、
前記報知制御手段は、前記判断手段で判断された前記行動内容の情報を前記報知手段に送信して前記報知手段に報知させる
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の建物状況監視システム。
【請求項6】
前記建物に併設された駐車場の駐車台数を検知する車検知手段を備え、
前記判断手段は、前記車検知手段の検知結果を用いて前記駐車場の車の混雑状況を判断し、
前記報知制御手段は、前記判断手段で判断された前記車の混雑状況の情報を前記報知手段に送信して前記報知手段に報知させる
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の建物状況監視システム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の建物状況監視システムに用いられ、前記判断手段と、前記報知制御手段とを備える監視装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−134004(P2011−134004A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−291310(P2009−291310)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]