説明

建築物の制振構造

【課題】建築物の土台と筋交の下端部との間に粘弾性ダンパーを多くの時間と手間を要することなく組み込むことのできる建築物の制振構造を提供する。
【解決手段】粘弾性材をプレート状に成形してなる複数の振動吸収体18と板状剛性部材19とを交互に積層し且つ互いに密着させて形成された粘弾性ダンパー16の他方の端部を筋交15の下端部に第1の連結金具17aにより連結するとともに、アルミニウムまたはアルミニウム合金を中空状に押出成形して形成された土台11に粘弾性ダンパー16の他方の端部を第2の連結金具17bにより連結して構成される建築物の制振構造において、土台11の上面に押出成形により形成された連結溝32a,32bと土台の長手方向から嵌合する複数の連結用突起部33a,33bを第2の連結金具17bに設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木造住宅等の建築物の揺れを抑える建築物の制振構造に関する。
【背景技術】
【0002】
地震や台風などによる建築物の揺れを抑制する技術として、地震時等の振動エネルギーを吸収する粘弾性ダンパーを木造建築物の筋交に組み込んで建築物の揺れを抑える技術が特許文献1に開示されているが、特許文献1に開示された粘弾性ダンパーは粘弾性材をプレート状に成形してなる振動吸収体と、この振動吸収体の両面に相対向する表面同士が接着された一対の板状剛性部材とで構成されている。このため、粘弾性ダンパーの振動吸収能力を大きくするためには、幅の広い板状剛性部材を用いて板状剛性部材に接着する振動吸収体の表面積を大きくする必要があり、幅の広い板状剛性部材を用いると粘弾性ダンパーが大型化し、筋交に組み込むことが困難となる。
【0003】
そこで、建築物の揺れを抑える制振構造として、図11に示すように、建築物の土台11と柱12a,12bおよび梁、桁等の横架材13とで形成された矩形の空間部14にその対角方向に沿って架設された筋交15の下端部に粘弾性ダンパー16の一方の端部を第1の連結金具17aにより連結し、粘弾性ダンパー16の他方の端部を第2の連結金具17bにより土台11に連結したものが提案されている(特願2008−123996号明細書参照)。
【0004】
図12に示した制振構造によると、粘弾性ダンパー16が、図12に示すように、粘弾性材をプレート状に成形してなる複数の振動吸収体18と板状剛性部材19とを交互に積層し且つ互いに密着させて形成されているため、振動吸収体18の数を増やすだけで粘弾性ダンパー16の振動吸収能力を大きくすることができる。また、土台11がアルミニウムまたはアルミニウム合金を中空状に押出成形して形成されているため、土台11の軽量化、耐食性、耐白蟻性等の向上を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−110399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した制振構造では、第2の連結金具17bに形成された連結板20a,20bを土台11の内部に差し込むためのほぞ穴21を土台11の上面に形成したり、連結板20a,20bと土台11とを接合ピン22により接合するためのピン通し孔を土台11や第2の連結金具17bに形成したりする必要があるため、粘弾性ダンパー16の取付けに多くの時間と手間を要するなどの難点があった。
【0007】
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたもので、建築物の土台と筋交の下端部との間に粘弾性ダンパーを多くの時間と手間を要することなく組み込むことのできる建築物の制振構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、建築物の土台と柱および横架材とで形成される矩形の空間部に筋交を前記空間部の対角方向に沿って架設し、粘弾性材をプレート状に成形してなる複数の振動吸収体と板状剛性部材とを交互に積層し且つ互いに密着させて形成された粘弾性ダンパーの一方の端部を前記筋交の下端部に第1の連結金具により連結するとともに、前記土台に前記粘弾性ダンパーの他方の端部を第2の連結金具により連結して構成され、前記土台がアルミニウムまたはアルミニウム合金を中空状に押出成形して形成される建築物の制振構造であって、前記土台の上面に複数の連結溝が一体に形成され、かつ前記第2の連結金具に前記連結溝と嵌合する凸条部が一体に形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
このような構成によると、第2の連結金具を土台上に固定するためのほぞ穴を土台の上面に形成したり、第2の連結金具と土台とを接合ピンにより接合するためのピン通し孔を土台や第2の連結金具に形成したりする必要がないので、建築物の土台と筋交の下端部との間に粘弾性ダンパーを多くの時間と手間を要することなく組み込むことができる。
本発明に係る建築物の制振構造において、前記連結溝は前記土台の幅方向に沿う断面が逆T字状またはL字状に形成されていることが好ましい。また、前記土台は該土台の側面と平行な複数の補強リブを前記土台の上面と下面との間に有し、前記連結溝は前記補強リブの真上に形成されていることが好ましく、このような構成によると連結用突起部を介して連結溝に加わる荷重を補強リブで受けることができるため、土台の圧縮変形等を防止することができる。
【0010】
また、前記板状剛性部材に、前記第1の連結金具と前記第2の連結金具に形成された複数の連結溝と嵌合する連結部を設けることが好ましく、このような構成によるとボルト等を使用せずに粘弾性ダンパーと連結金具とを連結することができ、これにより、部品点数等の削減を図ることができる。
また、前記板状剛性部材、前記第1の連結金具および前記第2の連結金具はアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されていることが好ましく、このような構成によると粘弾性ダンパーと前記第1の連結金具および前記第2の連結金具とで構成される制振装置の軽量化を図ることができ、これにより、筋交と土台との間に制振装置を容易に組み付けることができる。
【0011】
また、前記筋交はアルミニウムまたはアルミニウム合金の中空押出材からなり、前記筋交の中空部に前記第1の連結金具が挿入されることが好ましく、このような構成によると建築物の土台と柱および横架材とで形成された矩形の空間部に粘弾性ダンパーを壁材や窓枠との干渉を招くことなく組み込むことができる。また、筋交が木材から形成されているものと比較して、圧縮力に対する筋交の座屈強度を高めることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る建築物の制振構造によれば、建築物の土台と筋交の下端部との間に粘弾性ダンパーを多くの時間と手間を要することなく組み込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の建築物の制振構造に係る第1の実施形態を示す正面図である。
【図2】図1のA−A断面を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態を図1に示す矢印Bに沿う方向から視た図である。
【図4】図1のC−C断面を示す図である。
【図5】図1のD−D断面を示す図である。
【図6】本発明の建築物の制振構造に係る第2の実施形態を示す正面図である。
【図7】図6のE−E断面を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態を図1に示す矢印Fに沿う方向から視た図である。
【図9】図6のG−G断面を示す図である。
【図10】図6のH−H断面を示す図である。
【図11】従来の建築物の制振構造を示す正面図である。
【図12】図11のI−I断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
本発明の建築物の制振構造に係る第1の実施形態を図1〜図5に示す。本発明の第1の実施形態は、図1に示すように、建築物の土台11と柱12a,12bおよび梁、桁等の横架材13とで形成される矩形の空間部14に筋交15を空間部14の対角方向に沿って架設し、粘弾性ダンパー16の一方の端部を第1の連結金具17aにより筋交15の下端部に連結するとともに、粘弾性ダンパー16の他方の端部を第2の連結金具17bにより土台11に連結して構成されるものであり、粘弾性ダンパー16は、図2に示すように、粘弾性材をプレート状に成形してなる複数の振動吸収体18と板状剛性部材19とを交互に積層し且つ互いに密着させて形成されている。
【0015】
第1の連結金具17aは、アルミニウムまたはアルミニウム合金を押出成形して形成されている。また、第1の連結金具17aは左右一対のプレート部23a,23b(図2参照)をそれぞれ有し、これらのプレート部23a,23bは片面同士を対向させて第1の連結金具17aに形成されている。
粘弾性ダンパー16の板状剛性部材19は、アルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されている。また、板状剛性部材19は第1の連結金具17aと第2の連結金具17bにそれぞれ形成された複数の連結溝24と嵌合する連結部25を有している。この連結部25は板状剛性部材19の表面から厚さ方向に突出しており、連結溝24と板状剛性部材19の幅方向から嵌合するようになっている。
【0016】
筋交15は、第1の連結金具17aに片面同士を対向させて形成されたプレート部23a,23bの外側面と嵌合するようにアルミニウムまたはアルミニウム合金を角筒状に押出成形して形成されている。また、筋交15は互いに対向する左右一対の内側面26a,26b(図2参照)を有し、第1の連結金具17aのプレート部23a,23bは筋交15の外側面側から打ち込まれた複数のビス27により筋交15の内側面26a,26bに固定されている。
【0017】
第1の連結金具17aにより粘弾性ダンパー16と連結される筋交15の上端部は、アルミニウムまたはアルミニウム合金をL字状に押出成形して形成された左右一対の筋交連結用金具28a,28b(図3参照)により横架材13の下面と柱12aの側面上部に連結されている。これらの筋交連結用金具28a,28bのうち筋交連結用金具28aは複数の固定用ネジ29により筋交15の右側面と横架材13の下面に固定され、筋交連結用金具28bは複数の固定用ネジ30により筋交15の左側面と柱12aの側面上部に固定されている。
【0018】
土台11はアルミニウムまたはアルミニウム合金を中空状に押出成形して形成されている。また、土台11は補強リブ31a,31b(図2参照)を有し、これらの補強リブ31a,31bは土台11の上面と下面との間に土台11の側面と平行に形成されている。
第2の連結金具17bは第1の連結金具17aと同様にアルミニウムまたはアルミニウム合金を押出成形して形成され、土台11の上面に土台11と一体に押出成形により形成された連結溝32a,32b(図2参照)と土台11の長手方向から嵌合する連結用の凸条部33a,33bを有している。
【0019】
連結溝32a,32bは、土台11の幅方向に断面が逆T字状に形成されている。また、連結溝32a,32bは補強リブ31a,31bの真上に位置するように土台11の上面に形成されている。
柱12a,12bは、図4及び図5に示すように、柱固定用ブラケット34a.34bにより土台11の上面に固定されている。これらの柱固定用ブラケット34a.34bはアルミニウムまたはアルミニウム合金を逆T字状に押出成形して形成され、土台11の上面に形成された連結溝32a,32bと土台11の長手方向から嵌合する突起部35a,35bをそれぞれ有している。
【0020】
また、柱固定用ブラケット34a.34bは柱12a,12bの下端部に形成されたほぞ溝36と嵌合する垂直プレート部37をそれぞれ有し、柱12a,12bの下端部は垂直プレート部37を貫通する複数のドリフトピン38により柱固定用ブラケット34a.34bの垂直プレート部37に固定されている。
上述した第1の実施形態では、土台11の上面に押出成形によって形成された連結溝32a,32bと土台11の長手方向から嵌合する連結用の凸条部33a,33bを第2の連結金具17bに設けたことで、前述した従来例のように、第2の連結金具を土台上に固定するためのほぞ穴を土台の上面に形成したり、第2の連結金具と土台とを接合ピンにより接合するためのピン通し孔を土台や第2の連結金具に形成したりする必要がないので、建築物の土台11と筋交15の下端部との間に粘弾性ダンパー16を多くの時間と手間を要することなく組み込むことができる。
【0021】
また、連結溝32a,32bを補強リブ31a,31bの真上に形成したことで、凸条部33a,33bを介して連結溝32a,32bに加わる荷重を補強リブ31a,31bで受けることができるため、土台11の圧縮変形等を防止することができる。
また、筋交15がアルミニウムまたはアルミニウム合金を角筒状に押出成形して形成されているため、筋交15が木材から形成されているものと比較して、圧縮力に対する筋交15の座屈強度を高めることができる。
【0022】
また、第1の連結金具17aと第2の連結金具17bに形成された複数の連結溝24と板状剛性部材19の幅方向から嵌合する連結部25を板状剛性部材19に設けたことにより、ボルト等を使用せずに粘弾性ダンパー16と連結金具17a,17bとを連結することができ、これにより、部品点数等の削減を図ることができる。
また、粘弾性ダンパー16の板状剛性部材19と連結金具17a,17bをアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成したことにより、粘弾性ダンパー16と連結金具17a,17bとで構成される制振装置の軽量化を図ることができ、これにより、筋交15と土台11との間に制振装置を容易に組み付けることができる。
【0023】
なお、上述した第1の実施形態では建築物の土台11と柱12a,12bおよび梁、桁等の横架材13とで形成される矩形の空間部14にその対角方向に沿って架設される筋交15として、アルミニウムまたはアルミニウム合金を角筒状に押出成形して形成されたものを例示したが、筋交15は木材から形成されていてもよい。
また、土台11の上面に形成される連結溝32a,32bとして、土台11の幅方向に断面が逆T字状のものを例示したが、連結溝32a,32bは土台11の幅方向に断面がL字状に形成されていてもよい。
【0024】
次に、本発明の建築物の制振構造に係る第2の実施形態を図6〜図10に示す。本発明の第2の実施形態は、図6に示すように、建築物の土台11と柱12a,12bおよび梁、桁等の横架材13とで形成された矩形の空間部14に筋交15a,15bを空間部14の対角方向に沿って架設するとともに、粘弾性ダンパー16を筋交15aと筋交15bとの間に空間部14の対角方向に沿って配置し、かつ筋交15a,15bと粘弾性ダンパー16とを第1の連結金具17aと第2の連結金具17bとにより連結して構成されるものであり、粘弾性ダンパー16は、図7に示すように、粘弾性材をプレート状に成形してなる複数の振動吸収体18と板状剛性部材19とを交互に積層し且つ互いに密着させて形成されている。
【0025】
連結金具17a,17bは、アルミニウムまたはアルミニウム合金を押出成形して形成されている。また、連結金具17a,17bは左右一対のプレート部23a,23bをそれぞれ有し、これらのプレート部23a,23bは片面同士を対向させて連結金具17a,17bに形成されている。
粘弾性ダンパー16の板状剛性部材19は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を押出成形して形成されている。また、板状剛性部材19は筋交15a,15bの長手方向に沿って矩形状に形成され、連結金具17a,17bに形成された複数の連結溝24と嵌合する連結部25を長手方向の一端部に有している。この連結部25は板状剛性部材19の表面から厚さ方向に突出しており、連結溝24と板状剛性部材19の幅方向から嵌合するようになっている。
【0026】
筋交15a,15bは、連結金具17a,17bに片面同士を対向させて形成されたプレート部23a,23bの外側面と嵌合するようにアルミニウムまたはアルミニウム合金を角筒状に押出成形して形成されている。また、筋交15a,15bは互いに対向する左右一対の内側面26a,26b(図7参照)をそれぞれ有し、連結金具17a,17bのプレート部23a,23bは筋交15a,15bの外側面側から打ち込まれた複数のビス27により筋交15a,15bの内側面26a,26bに固定されている。
【0027】
第1の連結金具17aにより粘弾性ダンパー16と連結される筋交15aの上端部は、アルミニウムまたはアルミニウム合金をL字状に押出成形して形成された左右一対の筋交連結用金具28a,28b(図8参照)により横架材13の下面と柱12aの側面上面に連結されている。これらの筋交連結用金具28a,28bのうち筋交連結用金具28aは複数の固定用ネジ29により筋交15の右側面と横架材13の下面に固定され、筋交連結用金具28bは複数の固定用ネジ30により筋交15の左側面と柱12aの側面上部に固定されている。
【0028】
土台11は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を中空状に押出成形して形成されている。また、土台11は補強リブ31a,31b(図9及び図10参照)を有し、これらの補強リブ31a,31bは土台11の上面と下面との間に土台11の側面と平行に形成されている。
【0029】
第2の連結金具17bにより粘弾性ダンパー16と連結される筋交15bの下端部は、筋交連結用金具40(図6参照)により土台11の上面に連結されている。この筋交連結用金具40はアルミニウムまたはアルミニウム合金を逆T字状に押出成形して形成され、土台11の上面に押出成形により形成された連結溝32a,32bと土台11の長手方向から嵌合する連結用突起部41a,41b(図9及び図10参照)を有している。
【0030】
連結溝32a,32bは、土台11の幅方向に断面が逆T字状に形成されている。また、連結溝32a,32bは補強リブ31a,31bの真上に位置するように土台11の上面に形成されている。
また、筋交連結用金具40は柱12bの下端部に形成されたほぞ溝42(図10参照)と嵌合する垂直プレート部43を有し、この垂直プレート部43に筋交15bの下端部が垂直プレート部43を貫通するボルト44a,44b(図9参照)とボルト44a,44bに螺合するナット45a,45bにより固定されているとともに、垂直プレート部43を貫通する複数のドリフトピン46(図10参照)により柱12bの下端部が垂直プレート部43に固定されている。
【0031】
上述した本発明の第2の実施形態では、土台11の上面に押出成形により形成された連結溝32a,32bと土台11の長手方向から嵌合する連結用突起部41a,41bを筋交連結用金具40に設けたことにより、土台11がアルミニウムまたはアルミニウム合金を中空状に押出成形して形成されていても筋交15bの下端部を筋交連結用金具40により土台11の上面に連結することができる。
【0032】
また、柱12bの下端部に形成されたほぞ溝42と嵌合する垂直プレート部43を筋交連結用金具40に設けたことにより、垂直プレート部43を貫通する複数のドリフトピン46により柱12bの下端部を筋交連結用金具40に固定することができる。
また、筋交連結用金具40の垂直プレート部43が図5に示した柱固定用ブラケット34bに相当し、この垂直プレート部43を利用して柱12bの下端部を土台11の上面に固定できるため、作業能率が向上するだけでなく、筋交連結用金具40と柱固定用ブラケット34bが別体のものと比較して、筋交連結用金具40の取付強度を向上させることができる。
【符号の説明】
【0033】
11…土台11、12a,12b…柱、13…横架材、14…空間部、15,15a,15b…筋交、16…粘弾性ダンパー、17a…第1の連結金具、17b…第2の連結金具、18…振動吸収体、19…板状剛性部材、23a,23b…プレート部、24…連結溝、25…連結部、26a,26b…筋交の内側面、27…ビス、29,30…固定用ネジ、28a,28b,40…筋交連結用金具、31a,31b…補強リブ、32a,32b…連結溝、33a,33b…凸条部、34a,34b…柱固定用ブラケット、35a,35b…突起部、36…ほぞ溝、37,43…垂直プレート部、38…ドリフトピン、41a,41b…連結用突起部、42…ほぞ溝、44a,44b…ボルト、45a,45b…ナット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の土台と柱および横架材とで形成される矩形の空間部に筋交を前記空間部の対角方向に沿って架設し、粘弾性材をプレート状に成形してなる複数の振動吸収体と板状剛性部材とを交互に積層し且つ互いに密着させて形成された粘弾性ダンパーの一方の端部を前記筋交の下端部に第1の連結金具により連結するとともに、前記土台に前記粘弾性ダンパーの他方の端部を第2の連結金具により連結して構成され、前記土台がアルミニウムまたはアルミニウム合金を中空状に押出成形して形成される建築物の制振構造であって、
前記土台の上面に複数の連結溝が一体に形成され、かつ前記第2の連結金具に前記連結溝と嵌合する凸条部が一体に形成されていることを特徴とする建築物の制振構造。
【請求項2】
前記連結溝は前記土台の幅方向に沿う断面が逆T字状またはL字状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の建築物の制振構造。
【請求項3】
前記土台は該土台の側面と平行な複数の補強リブを前記土台の上面と下面との間に有し、前記連結溝は前記補強リブの真上に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の建築物の制振構造。
【請求項4】
前記板状剛性部材に、前記第1の連結金具と前記第2の連結金具に形成された複数の連結溝と嵌合する連結部を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の建築物の制振構造。
【請求項5】
前記板状剛性部材と前記連結金具をアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の建築物の制振構造。
【請求項6】
前記筋交はアルミニウムまたはアルミニウム合金の中空押出材からなり、前記筋交の中空部に前記第1の連結金具が挿入されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の建築物の制振構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−17195(P2011−17195A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−162750(P2009−162750)
【出願日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【出願人】(000004743)日本軽金属株式会社 (627)
【出願人】(502444733)日軽金アクト株式会社 (107)
【Fターム(参考)】