説明

建築用資材の積み付け方法および建築用資材のラック体

【課題】 ホームセンター向けなど小口の建築用資材の発送に際し、種類の異なる建築用資材を要領よく、かつ効率的に積み付けすることのできる建築用資材の積み付け方法と、この積み付け方法によって得られる建築用資材のラック体を提供する。
【解決手段】 床面2上に所要の間隔を存して配置した左右一対の台木3,3上に、一端部から他端部に向かって、少なくとも同一高さを有する木材からなる建築用資材4〜8を配置して上面が平坦面な土台部Aを形成する工程と、この土台部Aの両側端部に沿って複数の建築用資材9〜11を配置して所要高さでかつ同一高さの一対の側壁部B,Bを構築して、前記土台部Aと一対の側壁部B,B間に他の建築用資材を収容するための空間部Cを形成してラック体1とする工程からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、各種の建築用資材、特にホームセンター向けの日曜大工用の、木材からなる建築用資材の積み付け方法と、この積み付け方法によって得られる建築用資材のラック体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
戸建て住宅など木造建築に使用される柱類や板材などの木製の建築用資材は、製材工場などで一定の大きさに加工されたのち、ハウジングメーカや卸売業者などの流通業者に一旦納入され、しかるのち、流通業者などによって建築現場において必要とされる建築用資材を仕分けされて現場に搬送される。
【0003】
かかる建築用資材の中でも、ホームセンター向けの日曜大工用の木製の建築用資材は、用途や大きさなどが様々な種類が存在している。
したがって、その発送に際しては、受注伝票などによる受注を受けた場合、その都度、流通業者の倉庫などで作業員が、あらかじめ分別された建築用資材のなかから必要な柱や板材などを選別し、同じような大きさの建築用資材を一つのグループに纏めてパレット上に積み付けしてラック体としたのち、得たラック体を、フォークリフトなどを使用して配送車の荷台に搭載しているのが現状である。
【0004】
なお、木材の積み付けに関しては、特許第2509748号公報(特許文献1)において、木材積付け装置が提案されている。
この木材積付け装置は、木材の測長をはじめ、所定の積付け長に対して適正な木材組合せを算出するとともに、保管された木材のうち組合せに使用するのに適正な木材を払出し、さらに複数列、複数段に木材を積付けることを制御手段により制御させながら行うことを目的としたものである。
【0005】
特許文献1に記載の木材積付け装置は、原木より切り出された板材や棒材のような木材を、所定の湿潤状態を保持するために乾燥工程や保管工程に回すためのもので、具体的に述べると、
1)連続的に移送される木材をセンサで検知し、その長さを測定する検出手段と、木材の分別指令信号に応じて上記木材を分別保管する仕分け手段と、
2)上記保管された木材を払出し指令信号に応じて1列に割り付けるように払出す払出し手段と、この払出し手段により割り付けられた1列の木材列を所定積付け長に整列させるとともに、この木材列を複数列揃えて並べ、さらにスペーサを介して上記木材列を棚状に積付ける積付け手段と、
3)上記検出手段からの寸法信号をもとに分別指令信号を上記仕分け手段に出力するとともに、この分別指令信号をもとに積付け長設定値に応じた木材組合せを算出し、上記払出し手段に払出し指令を出力する制御手段
を備えたものである。
【0006】
なお、特開昭52−44971号公報(特許文献2)においては、積み付けた細巾の板材をきわめて乾燥のよい積重ね体にするために、間隔桟を挿入できるようにした細巾板自動積重ね装置が提案されている。
また、特開平10−17151号公報(特許文献3)においては、実際に積付けるのと同一の積付け態様を得ることのできるコンテナへの貨物の積付け方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第2509748号公報(特許請求の範囲,発明が解決しようとする課題)
【特許文献2】特開昭52−44971号公報(明細書第4頁右下蘭第14〜19行目)
【特許文献3】特開平10−17151号公報(明細書段落0001)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
日曜大工用の建築用資材を取り扱うホームセンター向けなど小口の納材は、先に述べたように、ホームセンターなどから受注を受けると、その都度作業員があらかじめ仕分けされた場所から、必要な建築用資材を選別し、パレットに建築用資材の長さや大きさなどに合わせて積み付けし発送しているので、作業員に多大の労力の負担を強いるとともに、作業効率がきわめて悪く、配送までに時間を要するなど多くの問題がある。
【0009】
一方、特許文献1に記載の積み付けは、建築用資材とするための工程に使用されるものであって、所定の積付け長さにほぼ等しくなるようなアルゴリズムに従い、数枚引き出し、所定の長さの一列分を作り、払出しステージにより組み合わせを行い、プリ整列ステージへ払出す。
このプリ整列ステージは、木材列の並びを整列させ、1段を構成する所定の列数まで積付けステージへ送り出すようになっている。
この積付けステージは、1段を構成する所定の列数に並び終わった1段を、順次スペーサ等を介して積み上げ、自然乾燥や人工乾燥および保管のための所定の寸法の棚状の山積みを形成する、というものである。
【0010】
すなわち、所要の大きさのパレット上に、幅方向および奥行方向に幅や長さの異なる板材の複数を、ほぼ等しくして上下方向に棚状に積み付けるもので、そのために高価な装置を必要としているので、建設現場などからの小口の受注に対応して大きさや形状に違いのある建築用資材の積み付けには利用することができない。
【0011】
また、特許文献2に記載の細巾板自動積重ね装置は、大量の細巾材を積み付けするには適しているが、規格の異なる多種多様な建築用資材を必要量だけ積み付けるには、費用対効果の観点からは適当なものではない。
【0012】
さらに、特許文献3に記載のコンテナへの貨物の積付け方法は、底面の長辺、短辺あるいは重量が異なる貨物を対象とするもので、コンテナに実際に貨物を積み付けすることなく積み付け形態を得ることができるもので、木材などの建築用資材には適用できない。
【0013】
この発明はかかる現状に鑑み、ホームセンター向けなど小口の建築用資材の配送に際して、種類の異なる建築用資材を効率的に積み付けすることのできる建築用資材の積み付け方法と、この積み付け方法によって得られる建築用資材のラック体を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するため、この発明の請求項1に記載の発明は、
床面上に所要の間隔を存して配置した左右一対の台木上に、一端部から他端部に向かって、少なくとも同一高さを有する木材からなる建築用資材を配置して上面が平坦面な土台部を形成する工程と、
得た土台部の両側端部に沿って、所要の高さと幅および長さを有する複数の建築用資材を配置して、所要高さでかつ同一高さの一対の側壁部を構築し、前記土台部と前記一対の側壁部間に他の建築用資材を収容するための空間部を形成してラック体とする工程を含むこと
を特徴とする建築用資材の積み付け方法である。
【0015】
また、この発明の請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の建築用資材の積み付け方法において、
前記土台部は、
前記台木上に配される土台部の上部に、少なくとも1段以上の土台部を配して複数段としたものであること
を特徴とするものである。
【0016】
また、この発明の請求項3に記載の発明は、
請求項1又は2に記載の建築用資材の積み付け方法において、
前記一対の側壁部は、
前記土台部の長手方向に沿って形成されるものであること
を特徴とするものである。
【0017】
また、この発明の請求項4に記載の発明は、
請求項1又は2に記載の建築用資材の積み付け方法において、
前記一対の側壁部は、
前記土台部の長手方向に対して直交する状態で形成されるものであること
を特徴とするものである。
【0018】
また、この発明の請求項5に記載の発明は、
請求項1に記載の建築用資材の積み付け方法において、
前記ラック体は、
前記一対の側壁部の上部に、当該側壁部と直交する状態で板状の建築用資材を配して第2の土台部を形成し、得た第2の土台部上にさらに一対の側壁部を両側端部に沿って形成して第2の空間部を形成すること
を特徴とするものである。
【0019】
また、この発明の請求項6に記載の発明は、
請求項1〜5のいずれかに記載の建築用資材の積み付け方法において、
得られたラック体は、
前記土台部と前記側壁部とを一体化させるため、前記台木の外側において、扁平な結束バンドによって結束させること
を特徴とするものである。
【0020】
また、この発明の請求項7に記載の発明は、
請求項1に記載の建築用資材の積み付け方法において、
前記空間部は、
その内部に収容した建築用資材が両端の開口部から離脱することがないよう、両端の開口部が前記側壁部を囲繞させて巻付けたシュリンクフィルムで閉止されていること
を特徴とするものである。
【0021】
さらに、この発明の請求項8に記載の発明は、
請求項1〜7のいずれかの建築用資材の積み付け方法によって得られたラック体であること
を特徴とする建築用資材のラック体である。
【発明の効果】
【0022】
この発明にかかる建築用資材の積み付け方法は、所要の間隔を存して配される一対の台木上に、木材などからなる同一高さの複数の建築用資材を配して表面が平坦な土台部を形成させたのち、得た土台部の両端部に複数の建築用資材を配して高さが同一の一対の側壁部を構築して、少なくとも前記土台部と一対の側壁部間に空間部を形成し、この空間部を複数の建築用資材の収容部としたので、大きさや用途の異なる建築用資材を同時に混載することのできるラック体を得ることができる。
【0023】
特に、この建築用資材の積み付け方法は、大きさや用途の異なる建築用資材を同時に混載するラック体をきわめて容易に、しかも効率的に得ることができ、得られたラック体は台木上にあるので、台木と土台部の間にフォークリフトのフォークを挿入して持上げるだけで、目的の車両に搭載させることもできるので、配送作業も効率的に実施することができる。
【0024】
また、前記土台部上に構築される側壁部は、側壁部と土台部とを扁平な結束バンドで一体的に結束させることによって、形成された枠組みが崩れることがないので、作業における安全性を大幅に向上させることが可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】この発明にかかる建築用資材の積み付け方法の一例を示すもので、台木の前端側からの概略説明図である。
【図2】この発明にかかる建築用資材の積み付け方法の他の一例を示すもので、台木の側面側からの概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、この発明にかかる建築用資材の積み付け方法を、添付の図面に基づいて具体的に説明するが、この発明はその要旨を変更しない範囲内において種々改良を加えることができるもので、実施例にのみ限定されるものではない。
【0027】
この発明は、ホームセンターなどに日曜大工用の小口の建築用資材を、倉庫など建築用資材を保管する場所で効率的に積み付け、梱包して、もって配送に供せんとするもので、積み付けしようとする建築用資材は、基本的に木材(合板を含む)が中心である。
【0028】
かかる木材としては、例えば、2×2(断面38×38mm)、2×4(断面38×89mm)、2×6(断面38×140mm)、2×8(断面38×184mm)、2×10(断面38×235mm)などのツーバイ材や、高さが19mmの1バイ材、高さが38mmの2バイ材などの板状体で、いずれも幅が約89〜235mmのものである。
また、板状体以外に70角(70×70mm)、さらには90角(90×90mm)などの角材も積み付けの対象となるもので、積み付けが可能な建築用資材であれば、その種類には特段の制限はない。
【0029】
また、前記の各建築用資材は、積み付けをより効率的に行うため、その長さは3フィート(約900mm)を目安に積み付け幅としているが、要はフォークリフトを使用して移動可能なものであれば、積み付け幅にも特段の制限はない。
【0030】
この発明の建築用資材の積み付け方法は、積み付けられた概ね立方体形状の建築用資材群(以下、この発明においては「ラック体」と定義する。)を、基本的には、土台部Aを構成する建築用資材と、この土台部A上に配置する一対の側壁部B,Bを構築する建築用資材と、これら土台部Aと一対の側壁部B,B間に形成される空間部C内に積み付けて収容される複数の建築用資材BMとで構築するものである。
【0031】
その際、前記一対の側壁部B,B上にさらに第2の土台部Dを配置して、あるいは前記第2の土台部D上に前記と同様に第2の一対の側壁部をさらに構築して、得られるラック体1全体を上方に延ばすことは当然できるもので、ラック体1の高さは、フォークリフトを使用して移動可能なものであれば特段の制限はない。
【0032】
なお、この実施例においては、日曜大工用の建築用資材で説明するが、土台、柱、軒桁、梁、根太、天井板、壁材などの枠組材や面材などの構造材を積み付けることも当然行うことができるもので、必要な場合には、これら構造材を積み付ける際に生じさせる空間部に構造金物や施工材料も同時に搭載することが可能なものである。
【実施例1】
【0033】
前記ラック体1は、フォークリフトで移動可能なように床面2上に、左右一対の台木3,3と呼ばれる角75や角90で、長さが900〜1,000mmの角材(実施例では950mm)を所要の間隔(500〜600mm前後)を存して配置された上に、その土台部Aが形成される。
【0034】
この台木3,3は、積み付けられた建築用資材からなるラック体1をフォークリフトによって持上げるため、床面2と積み付けされた建築用資材で形成されたラック体1との間にフォークが挿入できる空間を形成するためのものであるので、使用する角材は、床面2と積み付けされた土台部Aとの間にフォークが挿入できるものであればよい。
したがって、台木は必ずしも角材である必要はなく、所要の厚みと長さを有する木材で代用することが可能である。
【0035】
ついで、図1に示すように、前記台木3,3上に、所要の大きさを有する複数のツーバイ材4,4・・・、例えば、2×6のツーバイ材6枚と2×4のツーバイ材1枚(幅合計は約929mm)を、台木2の前端部から後端部に向かって、横方向にかつ各両端部が所要長さで台木3の側面から突出する状態で順次配列して土台部Aを形成する。
【0036】
使用するツーバイ材4の枚数は、台木3の長さによって決定されるもので、好ましくは台木3の長さとほぼ同一であることが好ましいので、使用するツーバイ材4の幅が異なるもので調整することができる。
その際、この土台部Aは、その上部に前記側壁部Bを形成するため、少なくともツーバイ材の高さ(厚み)は、同一のものを使用するものであるが、多少の誤差は認められる。
【0037】
この実施例においては、前記ツーバイ材4,4・・・の上面に、厚みと幅は同じであるが、長さの異なるツーバイ材5,5・・・を同様に台木3の前端部から後端部に向けて配列していく。
【0038】
さらに、この実施例においては、前記各ツーバイ材5の上面に複数の桟木6,6を所要間隔で配置したのち、前記ツーバイ材4と同じツーバイ材7,8を順次積み付けて、上下4段からなる土台部Aを構築している。
【0039】
この実施例では、積み付けるツーバイ材4,5,7,8を上下方向に1段毎に積み付けて説明しているが、多くの場合、倉庫などでは同じ規格のツーバイ材は複数枚毎に結束されているので、この結束されたツーバイ材を使用することもできる。
【0040】
また、この土台部Aの形成に際しては、構築された土台部A上にさらに他の建築用資材が積み付けされるため、積み付け嵩に応じた強度が求められるので、この点を考慮して行うことが大切である。
なお、ツーバイ材に代えて角材を使用してもよいことは当然である。
【0041】
かくして形成された土台部Aの上部のツーバイ材8の左右の端部上には、前記土台部Aを形成するツーバイ材8の配列に対して、直交する状態で、かつ高さを等しくして一対の側壁部B,Bを構築する。
【0042】
この実施例においては、前記一対の側壁部B,Bは、同一規格のツーバイ材9,10,11を上下3段に積み付け手同一の高さとしているが、左右の側壁部B,Bの高さが同一であれば、その組合せには特段の限定はない。
【0043】
かくして土台部A上の左右に側壁部B,Bを形成したのち、図1に示すように台木3,3の外側の位置で、前記土台部Aと各側壁部B,Bとを扁平なプラスチック製の結束バンド12,12で一体的に結束する。
【0044】
この結束に際しては、結束部Xを建築用資材の表面部に位置させると、ラック体1の移動や輸送に際して、結束部Xで建築用資材を損傷させるおそれがある。
また、さらに上方に建築用資材を積み付ける場合、段差が生じて全体のバランスを損なうおそれがあるので、図1に示すように、常に台木3の前端部又は後端部、すなわち小口位置において結束することが好ましい。
【0045】
この左右の側壁部B,Bを、前記土台部A上に形成することによって、前記土台部Aと左右の側壁部B,B間には一定の大きさの空間部Cが構成される。
この空間部C内には、図示のように、さらに長さや幅、高さなどが異なる複数のツーバイ材や角材などの建築用資材BMを適宜積み付けて、目的とするラック体1を構成している。
【0046】
この空間部C内への他の建築用資材BMの積み付けは、幅方向および奥行方向に、整然と積み付けされることが安定性の確保のために好ましいが、図1に示すように、幅方向に並列する建築用資材BM間に隙間が生じてもよい。
その場合には、構成されたラック体1の移動や輸送に際して、この空間部C内に積み付けられた建築用資材BMが落下することがないように固定することが肝要である。
【0047】
この実施例においては、前記空間部Cの開口端部が台木3,3の前端側と後端側に開口しているので、この前後の開口端部を覆うように所要幅のシュリンクフィルムFで2〜5重程度周りを巻いて開口部を閉止し、空間部C内に積み付けされた建築用資材BMが前後の開口端部から離脱しないようにしているが、空間部C内に配置された建築用資材BMの前後又は左右の開口部から落下するのを防止する方法は、適宜選択して使用することができる。
【0048】
図1に示すラック体1は、便宜上、4枚のツーバイ材で土台部Aを構築し、この土台部Aの左右の端部に、3枚のツーバイ材を、各ツーバイ材が前記土台部Aのツーバイ材と直交する状態、すなわち井桁状に配して一対の側壁部B,Bを構成して空間部Cを形成している。
その際、図示しないが、この一対の側壁部B,Bの上部にさらに他の建築用資材を、台木3,3の前端部から後端部に向かって順次前記側壁部B,Bと直交する状態で、前面に亘って複数段積み付けて第2の土台部を構築することも可能なものである。
【0049】
あるいは、前記各側壁部B,Bの前後の端部に、各前記側壁部B,Bと直交する状態でさらに建築用資材を積み付けて第2の側壁部(図示せず)を構築し、その間に形成される空間部に他の建築用資材を収納することもできる。
【0050】
この場合は、新たに形成した側壁部を含めて結束バンドで一体的に結束するもので、新たな空間部に収容された建築用資材の左右の開口部からの離脱防止もシュリンクフィルムの巻き付けで対応するものである。
【実施例2】
【0051】
図2に示す実施例は、所要の間隔で配置された一対の台木3間に、ツーバイ材からなる同一高さの建築用資材の複数を配置して上下2段からなる土台部Aを構築したのち、台木3の前後の端部に沿って、一方の側壁部を、高さの異なる3枚のツーバイ材からなる建築用資材を組み合わせて、他方の側壁部を、高さの異なる4枚のツーバイ材からなる建築用資材を組み合わせて、両側壁部の高さが同一となるように形成した一対の側壁部B,Bを構築するとともに、この一対の側壁部B,Bと直交する状態でツーバイ材からなる複数の建築用資材を上下方向に積み付けて第2の土台部Dを構築してラック体21としたものである。
【0052】
したがって、このラック体21には、図2で明らかなように、前記土台部Aと各側壁部Bおよび第2の土台部D間に一定の広さの空間部Cが形成されているので、この空間部Cに前記実施例1と同様にツーバイ材などからなる複数の建築用資材BMを収容し、収容した建築用資材BMがラック体21から離脱ないし落下しないように、シュリンクフィルムFを使用して左右の空間部の開口部を閉止している。
【0053】
この実施例2においても、土台部Aと側壁部B,Bは、結束バンドによって結束させて一体化させるものである。
また、前記第2の土台部D上の前後の端部に複数の建築用資材を井桁状に積み付け、所要高さの側壁部を形成して、新たな空間部を構築して他の建築用資材の収容部とすることもできるものである。
【0054】
以上述べたように、この発明の建築用資材の積み付け方法は、構成されるラック体の速やかな移動を可能とするため、床面に配置される一対の台木上に複数の建築用資材を使用して上面が平坦な土台部を形成し、この土台部の短手方向もしくは長手方向のいずれかの側縁部に沿って、前記土台部と平行にもしくは直交する状態で一対の側壁部を形成することによって、土台部上面と前記一対の側壁部間に所要の大きさの空間部を形成してラック体を構築するので、積載効率の向上と、積み付けのためのアッセンブルヤードの省スペース化をも達成することができる。
【0055】
また、前記ラック体に空間部を構成し、当該空間部内に他の建築用資材を積み付けることによって梱包数を少なくすることができ、積み下ろしの精度向上も図ることが可能となる。同時に、納入先の入荷作業の省スペース化も実現させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
この発明の検知資材の積み付け方法は、所要の間隔で配置される一対の台木上に土台部を形成するとともに、当該土台部の前後又は左右の端部に所要高さの側壁部を構築することによって所要のスペースを有する空間部を形成し、この空間部に他の建築用資材を収容させることによって、一つのラックで多くの建築用資材を効率的に搬送させることができるので、他の資材輸送にも利用可能なものである。
【符号の説明】
【0057】
1,21 ラック体
2 床面
3,3 台木
4〜5 ツーバイ材
6 桟木
7〜11 ツーバイ材
12 結束バンド
A,D 土台部
B,B 側壁部
C 空間部
X 結束部
BM 空間部C内に積み付ける建築用資材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面上に所要の間隔を存して配置した左右一対の台木上に、一端部から他端部に向かって、少なくとも同一高さを有する木材からなる建築用資材を配置して上面が平坦面な土台部を形成する工程と、
得た土台部の両側端部に沿って、所要の高さと幅および長さを有する複数の建築用資材を配置して所要高さでかつ同一高さの一対の側壁部を構築して、前記土台部と前記一対の側壁部間に他の建築用資材を収容するための空間部を形成してラック体とする工程を含むこと
を特徴とする建築用資材の積み付け方法。
【請求項2】
前記土台部は、
前記台木上に配される土台部の上部に、少なくとも1段以上の土台部を配して複数段としたものであること
を特徴とする請求項1に記載の建築用資材の積み付け方法。
【請求項3】
前記一対の側壁部は、
前記土台部の長手方向に沿って形成されるものであること
を特徴とする請求項1又は2に記載の建築用資材の積み付け方法。
【請求項4】
前記一対の側壁部は、
前記土台部の長手方向に対して直交する状態で形成されるものであること
を特徴とする請求項1又は2に記載の建築用資材の積み付け方法。
【請求項5】
前記ラック体は、
前記一対の側壁部の上部に、当該側壁部と直交する状態で板状の建築用資材を配して第2の土台部を形成し、得た第2の土台部上にさらに一対の側壁部を両側端部に沿って形成して第2の空間部を形成すること
を特徴とする請求項1に記載の建築用資材の積み付け方法。
【請求項6】
得られたラック体は、
前記土台部と前記側壁部とを一体化させるため、前記台木の外側において、扁平な結束バンドによって結束させること
を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の建築用資材の積み付け方法。
【請求項7】
前記空間部は、
その内部に収容した建築用資材が両端の開口部から離脱することがないよう、両端の開口部が前記側壁部を囲繞させて巻付けたシュリンクフィルムで閉止されていること
を特徴とする請求項1に記載の建築用資材の積み付け方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかの建築用資材の積み付け方法によって得られたラック体であること
を特徴とする建築用資材のラック体。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−111601(P2012−111601A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−262251(P2010−262251)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(395021066)すてきナイスグループ 株式会社 (23)
【Fターム(参考)】