説明

建設機械のキャビン支持構造

【課題】部品コストを低減して低価格化を可能にするとともに、構造の小形化を図ることができる建設機械のキャビン支持構造を提供する。
【解決手段】上部旋回体4のベースフレーム14と該ベースフレーム14上に設けられたキャビン6との間の少なくとも四隅に、キャビン6がベースフレーム14から離れる方向に所定量移動したとき該キャビン6がさらに移動するのを規制するようにして、キャビン6をベースフレーム14に支持する防振マウント16をそれぞれ設けて成る建設機械のキャビン支持構造において、キャビン6の後隅に位置する防振マウント16の近傍に、キャビン6のさらなる移動を防振マウント16と共に規制するアンカーボルト17を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は油圧ショベル等からなる建設機械のキャビン支持構造に関するものであり、特に、建設機械に設けられるキャビンを車体側のベースフレームに支持する建設機械のキャビン支持構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図6は、従来から一般に知られる建設機械としての油圧ショベルの基本構成例を示す。同図において、油圧ショベル1は、自走可能な下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回機構3を介して旋回自在に設置された上部旋回体4とを備え、該上部旋回体4上にフロント作業機5とキャビン(運転席)6を設けている。
【0003】
前記フロント作業機5は、土砂の掘削等の作業を行うためのものであり、上部旋回体4に俯仰動可能に連結されたブーム7と、該ブーム7の先端部に上下方向に回動可能に連結して設けられたアーム8と、該アーム8の先端部にリンク機構9を介して上下方向に回動可能に連結されて成るバケット10等のフロントアタッチメントと、前記ブーム7を回動させるブームシリンダ11と、前記アーム8を回動させるアームシリンダ12と、前記バケット10を回動させるバケットシリンダ13とより構成されている。そして、フロント作業機5は、オペレータがキャビン6内で操作レバー等の操作手段を介して各シリンダ11,12,13等を操作することによって、機械の作動が制御される。
【0004】
ここで、油圧ショベル1を作動させて土砂の掘削等の作業を行う際には、車両全体が大きく振動する。そこで、キャビン6内でオペレータが機械の操作を行うに当たって、該キャビン6内の居住性を高め、各々の操作を円滑、かつ、安全に、しかも確実に行うために、キャビン6は上部旋回体4に対して剛体的に連結するのではなく、防振機構を介して連結し、もって車両の振動がキャビン6に伝達するのを制御している。このために用いられるのが防振マウントであり、キャビン6と上部旋回体4とは、基本的には該防振マウントを介して連結されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
その防振マウントは、特許文献1に示されるように、一般に、上部旋回体のベースフレームとキャビンとの間の四隅にそれぞれ設けられており、また、キャビンがベースフレームから大きく離れる方向に移動しようとするのを抑える規制は、基本的には該防振マウントだけで行う構造になっている。
【特許文献1】特許第3671790号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、特許文献1に記載の発明のように、従来の建設機械におけるキャビン支持構造では、キャビンがベースフレームから大きく離れる方向に移動しようとするのを抑えるための規制は、基本的に防振マウントだけで行う構造になっているので、防振マウントの構成、及び、該防振マウントを構成している各部品は、それに耐え得るように大きな強度を有した構造、及び、材料にしなければならない。このため、各部品等のコストが大となり、また、構造も大型化するという問題点があった。
【0007】
そこで、部品コストを低減して低価格化を可能にするとともに、構造の小形化を図るために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、車体側のベースフレームと該ベースフレーム上に設けられたキャビンとの間の少なくとも四隅に、前記キャビンが前記ベースフレームから離れる方向に所定量移動したとき該キャビンがさらに移動するのを規制するようにして、前記キャビンを前記ベースフレームに支持する防振マウントをそれぞれ設けて成る建設機械のキャビン支持構造において、前記キャビンの後隅に位置する前記防振マウントの近傍に、該キャビンの前記所定量を越える移動を、前記防振マウントと共に規制するアンカーボルトを設け、前記防振マウント内部の抜け止め規制と前記アンカーボルトの抜け止め規制とが同時に作用できるようにした建設機械のキャビン支持構造を提供する。
【0009】
この構成によれば、キャビンがベースフレームから大きく離れる方向に所定量を超えてさらに移動をしようとするとき、該移動を防振マウントとアンカーボルトが協働して規制し、阻止する。したがって、防振マウントとアンカーボルトにそれぞれ加わる負荷は2つに分散されて小さくなる。なお、建設機械の場合、キャビンに作用する振動は、上下、前後、左右、回転が組み合わさったものになるが、掘削時におけるキャビンの振動は主にピッチ方向(前後方向)で、特に、キャビンの後端側に発生するが、本発明の構造ではアンカーボルトをキャビンの後隅に位置している防振マウントの近傍に設けているので、後隅側の強度が主として増す。
【0010】
請求項2記載の発明は、上記防振マウントは、上記キャビンが上記所定量を超えて上記ベースフレームから離れるのを規制するストローク端位置規制手段と前記キャビンの振動を減衰する弾性部材とを備え、かつ、該ストローク端位置規制手段による前記キャビンの移動規制は、少なくとも上記アンカーボルトが前記キャビンの移動を規制するまでの間は前記弾性部材を弾性変形させ、その後、該キャビンの移動を規制するようにして成る建設機械のキャビン支持構造を提供する。
【0011】
この構成によれば、アンカーボルトがキャビンの移動規制を開始するまでの間は、該キャビンの移動に伴って防振マウントの弾性部材が弾性変形され、該弾性変形が該キャビンの移動を緩やかにしてアンカーボルトによる規制の衝撃を緩衝するとともに、その後、ストローク端位置規制手段がアンカーボルトと共にキャビンの移動を規制する際、該ストローク端位置規制手段による規制の衝撃も緩衝する。
【0012】
請求項3記載の発明は、上記アンカーボルトは、上記キャビンが上記ベースフレームから離れて大きく変形し、抜け止め規制が開始する時期を上記防振マウント内部の抜け止め規制が開始する時期とほぼ同時になるように上記ベースフレームとの位置を合わせてある建設機械のキャビン支持構造を提供する。
【0013】
この構成によれば、キャビンがベースフレームから離れて大きく変形すると、アンカーによる抜け止め規制と同時に防振マウント内部の抜け止め規制がほぼ同時に行われる。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の発明は、キャビンがベースフレームから大きく離れる方向に所定量を超えてさらに移動しようとするとき、防振マウントとアンカーボルトにそれぞれ加わる負荷は、該防振マウントとアンカーボルトの2つに分散されて小さくなるので、防振マウントとアンカーボルトの強度はさほど大きなものでなくても済み、また、小形の防振マウント及びアンカーボルトを使用することが可能になる。これにより、部品コストを低減して低価格で提供することができるとともに、小形化も可能になる。
【0015】
請求項2記載の発明は、アンカーボルトがキャビンの移動規制を開始するまでの間は、防振マウントにおける弾性部材の弾性変形により該キャビンの移動を緩やかにしてアンカーボルトによるキャビンに対する規制の衝撃を緩衝し、その後、ストローク端位置規制手段がアンカーボルトと共にキャビンの抜け止めを規制する際、該ストローク端位置規制手段による規制の衝撃も緩衝するので、請求項1記載の発明の効果に加えて、アンカーボルト及びストローク端位置規制手段による規制時のキャビンへの衝撃を少なくして、乗り心地、及び、操作性・耐久性の向上が期待できる。
【0016】
請求項3記載の発明は、キャビンがベースフレームから離れて大きく変形すると、アンカーによる抜け止め規制と防振マウント内部の抜け止め規制がほぼ同時に働いて衝撃を緩衝するので、請求項1記載の発明の効果に加えて、アンカーボルト及びストローク端位置規制手段による規制時のキャビンへの衝撃を少なくして、乗り心地、及び、操作性・耐久性の向上が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、部品コストを低減して低価格化を可能にするとともに、構造の小形化を図るという目的を達成するために、車体側のベースフレームと該ベースフレーム上に設けられたキャビンとの間の少なくとも四隅に、前記キャビンが前記ベースフレームから離れる方向に所定量移動したとき該キャビンがさらに移動するのを規制するようにして、前記キャビンを前記ベースフレームに支持する防振マウントをそれぞれ設けて成る建設機械のキャビン支持構造において、前記キャビンの後隅に位置する前記防振マウントの近傍に、該キャビンの前記所定量を越える移動を、前記防振マウントと共に規制するアンカーボルトを設け、前記防振マウント内部の抜け止め規制と前記アンカーボルトの抜け止め規制とが同時に作用できるようにして実現した。
【実施例】
【0018】
以下、本発明の建設機械のキャビン支持構造について、図1〜図4に示す好適な実施例を参照しながら説明する。なお、図1〜図4中で図5に示された従来の油圧ショベルと対応している部材には、同一符号を付して説明する。
【0019】
図1〜図4において、キャビン6は、上部旋回体4のベースフレーム14上に設けられ、該キャビン6の床板15と上部旋回体4のベースフレーム14との間は、図2に示すように前部左右両側と後部左右両側の計4箇所の隅が防振マウント16,16,16,16を介して連結され、該防振マウント16,16,16,16によりベースフレーム14側の振動がキャビン6に伝達するのを制御している。また、該四隅のうち、特に掘削時に大きな振動を受ける後部左右両隅に設けられている防振マウント16,16の後側近傍位置には、それぞれアンカーボルト17,17が設けられている。したがって、該後部左右両隅は、防振マウント16,16,16,16以外に、該アンカーボルト17,17によっても該キャビン6の床板15と上部旋回体4のベースフレーム14の間の連結が図られている。
【0020】
これら防振マウント16,16,16,16の構成及び取付構造とアンカーボルト17,17の構成及び取付構造を図3によってさらに説明する。なお、図3には、後部片側の防振マウント16、及び、該防振マウント16の後側近傍位置に設けられているアンカーボルト17を代表例として示しているが、他の防振マウント16,16,16、及び、アンカーボルト17も基本的にはこれと同じ構成、及び、取付構造を有している。
【0021】
前記防振マウント16は、上面が開口した有底円筒形の外側ケーシング18を備えている。該外側ケーシング18の上端開口周縁部にはフランジ19を有し、該フランジ19が車体としての上部旋回体4のベースフレーム14に固定したブラケット20にボルト(図示せず)等で取り付けられている。該外側ケーシング18には、ストローク端位置規制手段21と弾性部材22が配設されている。
【0022】
前記ストローク端位置規制手段21は、外側ケーシング18の内側に配設され、かつ、上下面が開口した円筒形の内側ケーシング23と、該内側ケーシング23の中心部に配設された芯軸24と、該芯軸24の下端側に例えば溶接により固定されている規制板25等で構成されている。また、内側ケーシング23の上端開口周縁部にはフランジ26を有し、該フランジ26が外側ケーシング18のフランジ19と共に前記ベースフレーム14に取り付けられている。
【0023】
前記弾性部材22は、ゴム製の弾性材であり、内側ケーシング23に芯軸24及び規制板25が組み込まれる前に、内側ケーシング23の下端側から該内側ケーシング23の下端面と外周面を覆い、かつ、該内側ケーシング23の内側に嵌め込まれて取り付けられている。また、弾性部材22の上面中央部には緩衝部27が上方に向かって突設され、中心部には芯軸24を貫通させる貫通孔28が設けられている。
【0024】
そして、下端側に規制板25を取り付けた芯軸24は、弾性部材22が内側ケーシング23に装着された状態で、下端側から貫通孔28に挿入され、この状態で内側ケーシング23と共に外側ケーシング18内に取り付けられる。また、これらストローク端位置規制手段21と弾性部材22を外側ケーシング18内に導入するのに先立ち、該外側ケーシング18内にはシリコンオイル等の高粘性液29が入れられ、該高粘性液29内に規制板25を配置させるダンパ室30が形成される。
【0025】
また、芯軸24の上端には、ねじ部24aを設けている。そして、該ねじ部24aをキャビン6の床板15に貫通させ、かつ、キャビン6の内側から該ねじ部24aにナット31を締め付けることにより、防振マウント16が床板15に固定される。すなわち、芯軸24の上部とキャビン6の床板15の固定と、内側ケーシング23と外側ケーシング18とブラケット20を介したベースフレーム14との固定により、キャビン6の床板15と上部旋回体4のベースフレーム14の間が互いに連結された状態になっている。
【0026】
そして、この防振マウント16の構成において、作業時及び走行時に上部旋回体4に発生した振動は、外側ケーシング18と内側ケーシング23と弾性部材22を介して芯軸24に伝えられ、この芯軸24の振動が規制板25と高粘性液29と弾性部材22によって減衰される。
【0027】
また、キャビン6の床板15が上部旋回体4のベースフレーム14から離れる方向(図3中に矢印Mで示す方向)に所定量移動すると、規制板25が弾性部材22を介して内側ケーシング23の下端に当接し、かつ、弾性部材22の圧縮限界に達すると内側ケーシング23と規制板25とでさらなる移動を規制する。
【0028】
次に、前記アンカーボルト17は、キャビン6の床板15下面に上端が溶接により固定された固定軸32と、該固定軸32に取り付けられたワッシャ33及びナット34とで成る。該固定軸32の下端にはねじ部32aが設けられている。そして、該固定軸32の下端部をベースフレーム14側のブラケット35に貫通させ、かつ、該ブラケット35の下側からねじ部32aにワッシャ33及びナット34を順に取り付け、該ナット34をねじ部32aに締め付けると該固定軸32の下端がブラケット35を介してベースフレーム14に取り付けられる。
【0029】
ここで、アンカーボルト17に取り付けたワッシャ33とブラケット35の下面35aとの間には遊びが設けられている。該遊びは、キャビン6がベースフレーム14から離れる方向に移動するのを規制するまでの所定量にほぼ等しい。すなわち、キャビン6の床板15が上部旋回体4のベースフレーム14から離間する方向に所定量移動すると、ワッシャ33がブラケット35の下面35aに当接し、さらなる移動を規制する。
【0030】
また、ベースフレーム14からキャビン6が離れる方向に移動するのを前記防振マウント16が規制するタイミングとベースフレーム14からキャビン6が離れる方向に移動するのをアンカーボルト17が規制するタイミングとの間には次のような関係を有する。アンカーボルト17がキャビン6の抜け止めを規制するまでの間、すなわち、ワッシャ33がブラケット35の下面35aに当接してさらなる移動を規制するまでの間は、防振マウント16は規制板25が弾性部材22に徐々に圧接されて、該弾性部材22を徐々に弾性変形させて主として緩衝として働き、ワッシャ33がブラケット35の下面35aと当接するタイミングにほぼ合わせて、キャビン6がベースフレーム14から離れる方向に移動するのをアンカーボルト17と共に規制するように設定してある。
【0031】
図4は、このアンカーボルト17が規制するタイミングと防振マウント16が規制するタイミングとの関係を示したもので、横軸にはキャビン6がベースフレーム14から離れる方向に移動する量(ストローク)Lを、縦軸には防振マウント16、及び、アンカーボルト17がそれぞれ吸収するエネルギーの大きさを示している。また、同図において、符号aで示す線はワッシャ33がブラケット35の下面に当接するまでの移動量を示し、符号bで示す線はアンカーボルト17による吸収エネルギーの大きさ、符号cで示す線は防振マウント16による吸収エネルギーの大きさをそれぞれ示している。
【0032】
図4からは、キャビン6がアンカーボルト17により移動規制が行われるまでの間は、キャビン6の移動と共に防振マウント16の弾性部材22が弾性変形され、該弾性変形がキャビン6の移動を緩やかにして緩衝し、その後、ストローク端位置規制手段21がアンカーボルト17と共にキャビン6のさらなる移動を規制してエネルギーを吸収することがわかる。
【0033】
したがって、本実施例における建設機械のキャビン支持構造では、アンカーボルト17がキャビン6の移動規制を開始するまでの間は、弾性部材22の弾性変形によりキャビン6の移動を緩やかにして緩衝し、その後、ストローク端位置規制手段21がアンカーボルト17と共にキャビン6の移動を規制するので、規制時における衝撃を少なくすることができ、キャビンの乗り心地、及び、操作性・耐久性が向上することになる。
【0034】
また、規制時には、ストローク端位置規制手段21とアンカーボルト17が協働してキャビンの移動を規制し阻止するので、ストローク端位置規制手段21とアンカーボルト17にそれぞれ加わる負荷は2つに分散されて小さくなる。このため、強度が大きい高価な部品を使わなくても済むことになり、部品コストを低減して低価格化が可能になる。
【0035】
なお、上記実施例では、ストローク端位置規制手段21がキャビン6の移動を規制する図3中に示す緩衝作用期間m1とアンカーボルト17がキャビン6の移動を規制する図3中に示す緩衝作用期間m2との間に時間差を持たせ、該緩衝作用期間m1の後に該緩衝作用期間m2がほぼ同時に作用するようにしてもよい。この場合でもストローク端位置規制手段21とアンカーボルト17にそれぞれ加わる負荷は2つに分散されて小さくなるので、強度が大きい高価な部品を使わなくても済むことになり、部品コストを低減して低価格化が可能になる。
【0036】
また、上記実施例では、作業時及び走行時に発生する振動を減衰する場合について説明したが、作業時に油圧ショベルが横転したような場合にも効果を発揮するものである。すなわち、図5に示すように油圧ショベルが横転した時、キャビン6には外力Fが加わる。そして、キャビン6にはベースフレーム14から離れようとする矢印M方向の力が働くが、該力はストローク端位置規制手段21とアンカーボルト17とで緩衝され、キャビン6とベースフレーム14間の強度が確保される。
【0037】
さらに、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明を適用した油圧ショベルにおけるキャビンと上部旋回体の連結構造を示す断面図。
【図2】キャビンに対する防振マウント及びアンカーボルトの概略配置図。
【図3】同上防振マウント及びアンカーボルトの拡大断面図。
【図4】アンカーボルトと防振マウントの吸収エネルギーと移動量の関係を示す図。
【図5】油圧ショベル転倒時の緩衝作用を説明する図
【図6】一般的な油圧ショベルの側面図。
【符号の説明】
【0039】
4 上部旋回体(車体)
6 キャビン
14 ベースフレーム
15 床板
16 防振マウント
17 アンカーボルト
18 外側ケーシング
21 ストローク端位置規制手段
22 弾性部材
23 内側ケーシング
24 芯軸
24a ボルト
25 規制板
27 緩衝部
28 貫通孔
29 高粘性液
30 ダンパ室
31 ナット
32 固定軸
32a ねじ部
33 ワッシャ
34 ナット
35 ブラケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体側のベースフレームと該ベースフレーム上に設けられたキャビンとの間の少なくとも四隅に、前記キャビンが前記ベースフレームから離れる方向に所定量移動したとき該キャビンがさらに移動するのを規制するようにして、前記キャビンを前記ベースフレームに支持する防振マウントをそれぞれ設けて成る建設機械のキャビン支持構造において、
前記キャビンの後隅に位置する前記防振マウントの近傍に、該キャビンの前記所定量を越える移動を、前記防振マウントと共に規制するアンカーボルトを設け、前記防振マウント内部の抜け止め規制と前記アンカーボルトの抜け止め規制とが同時に作用できるようにしたことを特徴とする建設機械のキャビン支持構造。
【請求項2】
上記防振マウントは、上記キャビンが上記所定量を超えて上記ベースフレームから離れるのを規制するストローク端位置規制手段と前記キャビンの振動を減衰する弾性部材とを備え、かつ、該ストローク端位置規制手段による前記キャビンの移動規制は、少なくとも上記アンカーボルトが前記キャビンの移動を規制するまでの間は前記弾性部材を弾性変形させ、その後、該キャビンの移動を規制するようにして成ることを特徴とする請求項1記載の建設機械のキャビン支持構造。
【請求項3】
上記アンカーボルトは、上記キャビンが上記ベースフレームから離れて大きく変形し、抜け止め規制が開始する時期を上記防振マウント内部の抜け止め規制が開始する時期とほぼ同時になるように上記ベースフレームとの位置を合わせてあることを特徴とする請求項1記載の建設機械のキャビン支持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−48026(P2010−48026A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−214561(P2008−214561)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【出願人】(502246528)住友建機株式会社 (346)
【Fターム(参考)】