説明

建設機械のハウスフレーム

【課題】 従来の建設機械には、燃料タンクの近くには手摺りが設けられていなかったので、燃料タンクは点検作業や給油作業の安全確保が不十分であるという課題があった。
【構成】 建設機械の上部旋回体のフロア上に燃料タンクやサンプタンクを収納するハウスを設けた建設機械において、前記燃料タンクやサンプタンク、並びにそれ等の付属品のメンテナンス時にアクセスが容易な箇所のハウスフレームの一部を手摺りとして兼用可能な構成とし、前記ハウスフレームの一部を手摺り用として、丸パイプ又は丸棒材で構成したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は建設機械のハウスフレーム及び手摺り構造の技術分野に属する。更に詳細には、燃料タンクの点検等を容易にしたハウスフレーム兼用の手摺り構造の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベル等の建設機械では、下部走行体の上に上部旋回体を旋回自在に載置すると共に、上部旋回体の床上にエンジン、油圧ポンプ等の油圧機器や燃料タンクなどを収納するためにハウスを設け、ハウスの内側にこれらの機器や燃料タンクを保管することが行われている。このために、上部旋回体の床上又は基台の上にハウスフレームを立設して、このハウスフレームにハウスカバーを取り付けてハウスを構成する事が行われている。一方、エンジンや油圧ポンプ等の油圧機器や燃料タンク等は点検やメンテナンスをする必要がある。従って、メンテナンス作業に便利な適宜の位置にステップ(踏み台)を設けると共に、ステップの近くに手摺りを設けて上部旋回体の床上への昇降を容易にし、安全を図っていた。
【0003】
ステップの近くに手摺りを設けた従来例としては、例えば、特許文献1に開示されているものがある。この文献に記載されている手摺りはステップの近くのハウス内部に把持する部分が突起した状態で取り付けられている。更にハウスの天井部にも第2の手摺りを設けている。又、特許文献2には、運転室の前方に作業用のステップを設けると共に該ステップの前側縁部に沿って把持する部分が突起した手摺りを設けている。
【特許文献1】公開特許公報、特開2004−190276「建設機械における手摺り」
【特許文献2】公開特許公報、特開2001−248185「建設機械の手摺り構造」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の建設機械には、燃料タンクの近くには手摺りが設けられていなかった。燃料タンクは点検作業や給油作業のために頻繁にアクセスする必要があるが、燃料タンクの周囲には油圧ポンプ等の油圧機器類が多数配置されており、突起部分を有する手摺りを設けると逆に手摺りの突起部分が作業の邪魔になる可能性がある。本発明は、上記問題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記の課題を解決するための手段として以下の構成を採用している。即ち、
請求項1に記載の発明は、建設機械の上部旋回体のフロア上に燃料タンクやサンプタンクを収納するハウスを設けた建設機械において、前記燃料タンクやサンプタンク、並びにそれ等の付属品のメンテナンス時にアクセスが容易な箇所のハウスフレームの一部を手摺りとして兼用可能な構成としたことを特徴としている。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ハウスフレームの一部は、手摺り用として、丸パイプ又は丸棒材で構成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明はハウスフレームの一部を手摺りとして兼用可能に構成したことにより、燃料タンクやサンプタンク、並びにそれ等の付属品のメンテナンス作業や給油作業が安全、かつ容易に行えるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下本発明の実施形態を図に基づいて説明する。図1は、本発明を実施した建設機械のハウスフレーム構造で、ハウスカバーを取り外した例を示す。図2は、ハウスカバーを取り付けた例を示す。図1,図2において、上部旋回体11の上側面にハウスフレーム12が立設され、ハウスカバー13はネジ類によりハウスフレーム12に取り付けられている。ハウスカバー13は、ハウス側面カバー13a、ハウス前面カバー13b及びハウス前方上部カバー13c及びハウス後方上部カバー13dから構成されている。ハウス側面カバー13a、前面カバー13bはネジ等により固定され、取り外し可能に構成されている。また、ハウス前方上部カバー13cは開閉自在に構成されている。ハウス後方上部カバー13dはネジ等により固定されている。また、燃料タンク15やサンプタンク17はハウスフレーム12に固定され、ハウスカバー13の内部に収納されている。また、燃料タンク15やサンプタンク17の付属品、例えば、フィルタ類(図示省略)もそれ等の近くに配置されている。ハウスフレーム12の一部16は丸パイプで構成され、手摺りとして利用できる程度の太さの直径のパイプで構成されている。燃料タンク15のキャップ15bは丸パイプ16に近接した位置に設けられている。
【0009】
本実施形態は燃料タンク15のキャップ15bが丸パイプ(手摺り)16に近接した位置に設けられているので、燃料タンク15等のメンテナンス作業や給油作業が丸パイプに捕まりながら安全、かつ容易に実行できるという効果が得られる。又、ハウス側面カバー13a、前面カバー13bを取り付けた状態で、燃料タンク15等のメンテナンス作業や給油作業並びにそれ等の付属品であるフィルタ類のメンテナンス作業が容易に行え、また、見栄えの向上効果もある。
【0010】
以上本発明の実施形態を図面に基づいて詳述してきたが、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明を実施したハウスフレームを示す。
【図2】本発明の実施例でハウスカバーを取り付けた状態を示す。
【符号の説明】
【0012】
11 上部旋回体
12 ハウスフレーム
13 ハウスカバー
13a ハウス側面カバー
13b ハウス前面カバー
13c ハウス前方上部カバー
13d ハウス後方上部カバー
15 燃料タンク
15b 燃料タンクキャップ
16 手摺り兼用ハウスフレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械の上部旋回体のフロア上に燃料タンクやサンプタンクを収納するハウスを設けた建設機械において、前記燃料タンクやサンプタンク、並びにそれ等の付属品のメンテナンス時にアクセスが容易な箇所のハウスフレームの一部を手摺りとして兼用可能な構成としたことを特徴とする建設機械のハウスフレーム。
【請求項2】
前記ハウスフレームの一部は、手摺り用として、丸パイプ又は丸棒材で構成したことを特徴とする請求項1に記載の建設機械のハウスフレーム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2010−180538(P2010−180538A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−22400(P2009−22400)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(502246528)住友建機株式会社 (346)
【Fターム(参考)】