説明

建設機械の前窓開閉装置

【課題】前窓を開ける際の補助力として渦巻バネの復元力を利用する建設機械の前窓開閉装置であって、その復元力の蓄積のための渦巻バネの変形に要するスペースを縮小することができる建設機械の前窓開閉装置を提供すること。
【解決手段】前窓4bの側部上端に設けられるガイドローラ10がピニオンからなる。ガイドローラ10が挿入されるガイド溝12にはガイドローラ10(ピニオン)と噛み合うラック12aが敷設されている。前窓4bの側部上端には、渦巻バネ15がその復元力により巻き付く巻付き軸18と、前窓4bが閉じる方向に移動しているときのガイド溝12上でのガイドローラ10の転動に伴って渦巻バネ15を巻付き軸18側から巻き取る巻取り軸19とが設けられている。前窓4bが閉じた状態から全開するまで間、ガイドローラ10がラック12a上を転動するようにラック12aの敷設範囲が設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベル等の建設機械に設けられ、建設機械のキャブの前窓を開閉可能にする建設機械の前窓開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建設機械、例えば油圧ショベルのキャブに設けられる前窓は、夏季等にキャブ内が暑くなり過ぎたときなどの換気のため、また、作業時に油圧ショベルの外部の音が明確に聞こえるようにするために開放される。前窓の開閉を実現する従来の前窓開閉装置では、前窓の側部に設けられたガイドローラと、キャブの本体に設けられてガイドローラの軌道を規定するガイド溝とを有する。これらのガイドローラとガイド溝とにより、前窓はキャブの前部に位置する状態、すなわち閉じた状態から、キャブの上部に向って移動させ開けることができるように支持されている。
【0003】
この種の建設機械の前窓開閉装置の従来技術としては、次に説明する第1,第2従来技術がある。これら第1,第2従来技術は、前述したガイドローラおよびガイド溝に加えて、前窓を開けるのに要する人力(以下「開閉力」という)を軽減する補助手段を備えている。
【0004】
第1従来技術における補助手段は、その補助力の発生源として渦巻バネを有する。キャブの内側壁下部の後側の部分には、渦巻バネがその復元力により巻き付く巻付き軸が設けられている。この巻付き軸と反対側の渦巻バネの端部は、ワイヤーロープを介して、閉じた状態における前窓の上端部に結合している。キャブの内側壁上部の後側の部分にはアイドルプーリが設けられている。ワイヤーロープはアイドルプーリに引掛けられていることで、前窓の上端部からキャブ内側壁の上部に沿って延びて位置している。渦巻バネ、巻付き軸、ワイヤーロープおよびアイドルプーリの組合せは、キャブの左右側に設けられて対をなしている。前窓が閉じた状態では、渦巻バネはワイヤーロープを介して前窓に引き伸ばされた状態になっている。(特許文献1)
このように構成された第1従来技術では、前窓が閉じた状態において渦巻バネはワイヤーロープを介して前窓に引き伸ばされた状態になっている。これにより、閉じた状態の前窓は、巻付き軸に巻き付こうとする渦巻バネの復元力を、ワイヤーロープを介して常時付与されている。そして、オペレータが前窓を開ける際、渦巻バネはワイヤーロープを介して復元力の一部を、すなわち補助力を前窓に与えながら、この前窓の開く方向の移動に伴って巻付き軸に巻き付く。第1従来技術は、このように渦巻バネの復元力の一部を補助力として前窓に付与することによって、開閉力を軽減している。
【0005】
第2従来技術における補助手段も、その補助力の発生源として渦巻バネを有する。この渦巻バネがその復元により巻き付く巻付き軸は、キャブの内側壁上部の後側の部分に設けられている。巻付き軸と反対側の渦巻バネの端部は、前窓の側部に結合している。つまり、第2従来技術は、第1従来技術のようにワイヤーロープを介して間接的に前窓に渦巻バネの復元力の一部を付与するものではなく、渦巻バネの復元力の一部を直接付与するものである。(特許文献2)
【特許文献1】実開平3−65759号公報
【特許文献2】実開平6−73284号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、建設機械の前窓開閉装置に対しては、キャブ内の空間をできるだけ広く確保するために、また、キャブ内の見栄えを向上させるために、小型化が要望されている。
【0007】
前述の第1従来技術の補助手段では、復元力の蓄積のための渦巻バネの変形に要するスペースが、キャブ内側壁上部の後部からキャブ内の下部に渡って確保されている。前述した第2従来技術の補助手段では、同スペースが、キャブ内側壁上部における前部から後部に渡って確保されている。第1,第2従来技術は、それらのスペースを確保する必要があるため、小型化が困難であった。
【0008】
本発明の目的は、前窓を開ける際の補助力として渦巻バネの復元力を利用する建設機械の前窓開閉装置であって、その復元力の蓄積のための渦巻バネの変形に要するスペースを縮小することができる建設機械の前窓開閉装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の目的を達成するために、本発明の建設機械の前窓開閉装置は次のように構成されている。
【0010】
〔1〕 本発明の建設機械の前窓開閉装置は、前記キャブの前窓の側部上端に設けられた第1ガイドローラと、前記キャブの前窓の側部下端に設けられた第2ガイドローラと、前記キャブの本体の上部に設けられ前記第1ガイドローラが挿入された第1ガイド溝と、前記キャブの本体の前部に設けられ前記第2ガイドローラが挿入された第2ガイド溝とを備えていて、これら第1,第2ガイドローラと第1,第2ガイド溝とによって、前記前窓が前記キャブの前部から前記キャブの上部に向って開くのを案内するとともに、渦巻バネの復元力により前記前窓を開けるのに要する開閉力を軽減する補助手段を備えている建設機械の前窓開閉装置において、前記補助手段は、前記第1,第2ガイドローラのうちの少なくとも一方を構成するピニオンと、前記第1,第2ガイド溝の少なくとも一方に敷設されていて前記ピニオンと噛み合うラックと、前記ピニオンと前記ラックとの噛み合いにより、前記前窓の閉じる方向への移動に伴って前記ピニオンが正転しながら前記ラック上を転動するときに、前記ピニオンの逆転方向の回転力を蓄える渦巻バネとを有し、前記前窓が閉じた状態から所定量開いた状態となるまで間、前記ピニオンが前記ラック上を転動するように、前記ラックの敷設範囲が設定されていることを特徴とする。
【0011】
この本発明において、渦巻バネは、ピニオンとラックとの噛み合いにより、前窓の閉じる方向への移動に伴ってピニオンが正転しながらラック上を転動するときに、ピニオンの逆転方向の回転力を蓄えるようになっている。そして、前窓が閉じた状態から所定量開いた状態となるまで間、ピニオンがラック上を転動するように、ラックの敷設範囲が設定されている。これらにより、復元力の蓄積のための渦巻バネの変形に要するスペースを、前述の第1,第2従来技術よりも縮小することができる。
【0012】
〔2〕 「〔1〕」に記載の前記補助手段は、前記前窓に設けられていて前記渦巻バネがその復元力により巻き付く巻付き軸と、前記前窓が閉じる方向に移動しているときの前記ピニオンの転動に伴って前記渦巻バネを前記巻付き軸側から巻き取る巻取り軸とを有することを特徴とするものであってもよい。
【0013】
このように構成された本発明において、前窓が閉じた状態のとき、渦巻バネは巻取り軸に巻き取られて巻付き軸に戻る方向の復元力が蓄えられた状態、すなわち、ピニオンの逆転方向の回転力を蓄えた状態となっている。前窓を開ける際、前窓が閉じた状態から所定量開くまでの範囲で、ピニオンがラック上を逆転しながら転動する。この間、渦巻バネが徐々に復元して巻付き軸に巻き付きついていくとともに、ピニオンに逆転方向の回転力が付与される。この回転力は補助力となり、この結果、開閉力が軽減される。前窓を閉める際、所定量開いた状態から完全に閉じるまでの前窓の移動の間で、ピニオンはラック上を正転しながら転動し、これに伴って巻取り軸が回転して渦巻バネを巻き取り、この結果、ピニオンの逆転方向の回転力が再び蓄えられる。
【0014】
このように本発明においては、ピニオンの回転力を蓄える渦巻バネの変形が、前窓に設けられた巻付き軸と巻取り軸との間で行われる。これによって、復元力の蓄積のための渦巻バネの変形に要するスペースを、前述の第1,第2従来技術よりも縮小することができる。
【0015】
〔3〕 「〔1〕」または「〔2〕」に記載の前記ラックは、前記第1,第2ガイド溝の一方にのみ設けられていてもよい。これにより、第1,第2ガイド溝の両方にラックが設けられたものよりも、製作コストが少なく済む。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、前述したように、復元力の蓄積のための渦巻バネの変形に要するスペースを、前述の第1,第2従来技術よりも縮小することができる。したがって、建設機械の前窓開閉装置の小型化に貢献できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
はじめに、本発明の実施形態に係る建設機械である油圧ショベルについて、図1を用いて簡単に説明する。図1は本発明の一実施形態に係る建設機械である油圧ショベルの左側面図である。
【0018】
図1に示すように、油圧ショベル1は、履帯2aを駆動して走行する走行体2を有する。この走行体2上には、キャブ4を含む旋回体3が設けられている。キャブ4は旋回体3の左前部に設けられている。このキャブ4の右隣、すなわち、旋回体3の前部中央には、ブーム5a、アーム5b、バケット5cが回動可能に連結されてなるフロント作業機5が設けられている。オペレータはキャブ4内で操作レバー装置や操作ペダル装置を操作することによって、走行体2、旋回体3およびフロント作業機5に所望の動作を行わせる。
【0019】
次に、本発明の一実施形態に係る前窓開閉装置について、図2−1〜図6を用いて説明する。図2−1は本発明の一実施形態に係る前窓開閉装置の、前窓が閉じているときの状態を示す図である。図2−2は図2−1の要部拡大図である。図3−1は本発明の一実施形態に係る前窓開閉装置の、前窓が半開しているときの状態を示す図である。図3−2は図3−1の要部拡大図である。図4−1は本発明の一実施形態に係る前窓開閉装置の、前窓が全開しているときの状態を示す図である。図4−2は図4−1の要部拡大図である。図5は本発明の一実施形態に係る前窓開閉装置に備えられた補助手段の、第1ガイドローラ(ピニオン)と、第1ガイド溝の一部とを拡大して示す図である。図6は本発明の一実施形態に係る前窓開閉装置に備えられた補助手段の、ピニオン、渦巻バネ、巻付き軸および巻取り軸を示す斜視図である。なお、図2−1〜図4−2において右側がキャブの前側、すなわち、図1とは前後方向が逆向きである。
【0020】
図2−1,図2−2に示すように、油圧ショベル1のキャブ4は、本体4aと、この本体4aの前面に設けられた前窓4bとを有する。この前窓4bは運転席(図示しない)からキャブ4の前方の視認を可能にする窓ガラス4b1と、この窓ガラス4b1の縁全体を囲んで設けられた窓枠4b2とを有する。
【0021】
本実施形態に係る前窓開閉装置は、窓枠4b2の左右両側部のそれぞれの上端に設けられた1対の第1ガイドローラ10(一方のみ図示)と、窓枠4b2左右両側部のそれぞれの下端に設けられた1対の第2ガイドローラ13(一方のみ図示)と、キャブ4の本体4a上部の左右両側部に設けられ第1ガイドローラ10が挿入された1対の第1ガイド溝12(一方のみ図示)と、キャブ4の本体4a前部の左右両側部に設けられ第2ガイドローラ13が挿入された1対の第2ガイド溝14B(一方のみ図示)とを有する。窓枠4b2の下部には取っ手4b3が設けられている。前窓4bの下部近傍において、キャブ4の本体4aには、閉じた状態の前窓4bをロックするロック装置(図示しない)が設けられている。
【0022】
特に、本実施形態に係る前窓開閉装置では、図5に示すように、第1ガイドローラ10がピニオンからなっている。そして、第1ガイド溝12には、第1ガイドローラ10が噛み合うラック12aが敷設されている。ラック12aの敷設範囲は、前窓4bが閉じた状態から所定量開いた状態となるまでの間、例えば、全開した状態となるまでの間、第1ガイドローラ10がラック12a上を転動するように設定されている。
【0023】
また特に、本実施形態に係る前窓開閉装置では、窓枠4b2の左右両側部に渦巻バネ15を備えている。窓枠4b2の側部には、渦巻バネ15がその復元力により巻き付く巻付き軸18と、前窓4bが閉じる方向へ移動しているときの第1ガイドローラ10(ピニオン)の転動に伴って巻付き軸18側から渦巻バネ15を巻き取る巻取り軸19とが設けられている。つまり、渦巻バネ15は、第1ガイドローラ10(ピニオン)とラック12aとの噛み合いにより、前窓4bの閉じる方向への移動に伴って第1ガイドローラ10(ピニオン)がラック12a上を正転しながら転動するときに、第1ガイドローラ10(ピニオン)の逆転方向の回転力を蓄えるよう設けられている。なお、渦巻バネ15の長さ寸法は、前窓4bが開く方向へ移動中に、渦巻バネ15が巻付き軸18から巻取り軸19に巻き取られることのない寸法に設定されている。
【0024】
第1ガイドローラ10(ピニオン)は円筒10aの外周に複数の歯10bが形成されたものである。窓枠4b2の側部に固着された基板16には、第1ガイドローラ10を回転可能に支持する支軸17が窓枠4b2から離れる方向に突出して設けられている。巻取り軸19は、第1ガイドローラ10の円筒10aと同軸で一体に形成された円筒からなっていて、第1ガイドローラ10と基板16との間に位置している。巻付き軸18も、基板16に、窓枠4b2から離れる方向に突出して設けられている。
【0025】
本実施形態に係る前窓開閉装置においては、第1ガイドローラ10(ピニオン)、ラック12a、渦巻バネ15、巻付き軸18、巻取り軸19が、渦巻バネ15の復元力により前窓4bの開閉力を軽減する補助手段を構成している。
【0026】
このように構成された本実施形態に係る前窓開閉装置は次のように動作する。
【0027】
図2−1,図2−2に示すように前窓4bが閉じた状態のとき、渦巻バネ15は巻取り軸19に巻き取られた状態、すなわち、第1ガイドローラ10(ピニオン)の逆転方向の回転力が蓄積された状態となっている。
【0028】
前窓4bの取っ手4b3に上方向の力を付与すると、前窓4bの上端部が第1ガイドローラ10(ピニオン)と第1ガイド溝12により案内されることと、前窓4bの下端部が第2ガイドローラ13と第2ガイド溝14により案内されることとによって、キャブ4の前部からキャブ4の上部に向って前窓4bが開いていく。これにより、前窓4bは図2−1に示すように閉じた状態から、図3−1に示すように半開した状態を経て、図4−1に示すように全開する。
【0029】
前窓4bが閉じた状態から全開するまでの間、第1ガイドローラ10(ピニオン)が第1ガイド溝12のラック12a上を逆転しながら転動する。この間、巻取り軸19も逆転し、これに伴って渦巻バネ15が徐々に復元して巻付き軸18に巻き付きついていくとともに、渦巻バネ15から巻取り軸19を介して第1ガイドローラ10(ピニオン)に逆転方向の回転力が付与される。この回転力は補助力となり、この結果、前窓4bの開閉力が軽減される。
【0030】
前窓4bを閉める際、開いた状態から完全に閉じるまでの前窓4bの移動の間で、第1ガイドローラ10(ピニオン)は第1ガイド溝12のラック12a上を正転しながら転動し、これに伴って巻取り軸19も正転して渦巻バネ15を巻き取り、この結果、第1ガイドローラ10(ピニオン)の逆転方向の回転力が蓄えられる。この回転力は、再び前窓4bを開ける際の補助力となる。
【0031】
本実施形態に係る前窓開閉装置よれば、次の効果を得られる。
【0032】
本実施形態に係る前窓開閉装置の補助手段では、第1ガイドローラ10(ピニオン)の逆転方向の回転力を蓄えるための、すなわち復元力を蓄えるための渦巻バネ15の変形が、前窓4bに設けられた巻付き軸18と巻取り軸19との間で行われる。これにより、復元力の蓄積のための渦巻バネの変形に要するスペースを、前述の第1,第2従来技術よりも縮小することができ、したがって油圧ショベル1の前窓開閉装置の小型化に貢献できる。
【0033】
本実施形態に係る前窓開閉装置は、第1,第2ガイド溝12,14の両方にラック12aを設けたものよりも、製作コストが少なく済む。
【0034】
なお、前述の実施形態に係る前窓開閉装置では、前窓の上端部を案内するための第1ガイド溝12にのみラック12aが設けられていて、これに対応して第1ガイドローラ10がピニオンからなっている。そして、第1ガイドローラ10の転動に伴って変形したり復元したりするように渦巻バネ15が設けられている。本発明は、ピニオンからなる第1ガイドローラ、ラックおよび渦巻バネを、それに限定しない。ラック12aが第2ガイド溝14Bにのみ設けられていて、第2ガイドローラ13がピニオンからなっていて、第2ガイドローラ13の転動に伴って変形したり復元したりするように渦巻バネが設けられていてもよい。このようにピニオンからなるガイドローラ、ラックおよび渦巻バネが設けられているものであっても、前述の実施形態に係る前窓開閉装置と同様の効果を得られる。
【0035】
また、第1,第2ガイド溝12,14の両方にラック12aが設けられていて、第1,第2ガイドローラ10,13の両方がピニオンからなっていて、第1,第2ガイドローラ10,13のそれぞれについて渦巻バネが設けられていてもよい。このようにピニオンからなるガイドローラ、ラックおよび渦巻バネが設けられたものによれば、前述の実施形態よりも多くの渦巻バネを有するので、前窓に付与する補助力を大きく設定しやすい。
【0036】
前述の実施形態に係る前窓開閉装置において、ラック12aの敷設範囲は、前窓4bが閉じた状態から全開するまでの間、第1ガイドローラ10(ピニオン)がラック12a上を転動するように設定されていので、前窓4bには、前窓4bが閉じた状態から全開するまでの間、常に補助力が付与されることになる。本発明はラックの敷設範囲をそれに限定しない。前窓を開けるのに要する力は、前窓がキャブの上部側に移動するほど小さくなるので、全開する前に前窓に補助力が付与されなくなっても問題はない。したがって、ラックの敷設範囲は、前窓が閉じた状態から所定量半開するまでの間だけ、第1ガイドローラ(ピニオン)がラック上を転動するように設定されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態に係る建設機械である油圧ショベルの左側面図である。
【図2−1】本発明の一実施形態に係る前窓開閉装置の、前窓が閉じているときの状態を示す図である。
【図2−2】図2−1の要部拡大図である。
【図3−1】本発明の一実施形態に係る前窓開閉装置の、前窓が半開しているときの状態を示す図である。
【図3−2】図3−1の要部拡大図である。
【図4−1】本発明の一実施形態に係る前窓開閉装置の、前窓が全開しているときの状態を示す図である。
【図4−2】図4−1の要部拡大図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る前窓開閉装置に備えられた補助手段の、第1ガイドローラ(ピニオン)と、第1ガイド溝の一部とを拡大して示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る前窓開閉装置に備えられた補助手段の、ピニオン、渦巻バネ、巻付き軸および巻取り軸を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0038】
1 油圧ショベル
2 走行体
2a 履帯
3 旋回体
4 キャブ
4a 本体
4b 前窓
4b1 窓ガラス
4b2 窓枠
4b3 取っ手
5 フロント作業機
5a ブーム
5b アーム
5c バケット
10 第1ガイドローラ(ピニオン)
10a 円筒
10b 歯
12 第1ガイド溝
12a ラック
13 第2ガイドローラ
14 第2ガイド溝
15 渦巻バネ
16 基板
17 支軸
18 巻付き軸
19 巻取り軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前記キャブの前窓の側部上端に設けられた第1ガイドローラと、前記キャブの前窓の側部下端に設けられた第2ガイドローラと、前記キャブの本体の上部に設けられ前記第1ガイドローラが挿入された第1ガイド溝と、前記キャブの本体の前部に設けられ前記第2ガイドローラが挿入された第2ガイド溝とを備えていて、これら第1,第2ガイドローラと第1,第2ガイド溝とによって、前記前窓が前記キャブの前部から前記キャブの上部に向って開くのを案内するとともに、
渦巻バネの復元力により前記前窓を開けるのに要する開閉力を軽減する補助手段を備えている建設機械の前窓開閉装置において、
前記補助手段は、前記第1,第2ガイドローラのうちの少なくとも一方を構成するピニオンと、前記第1,第2ガイド溝の少なくとも一方に敷設されていて前記ピニオンと噛み合うラックと、前記ピニオンと前記ラックとの噛み合いにより、前記前窓の閉じる方向への移動に伴って前記ピニオンが正転しながら前記ラック上を転動するときに、前記ピニオンの逆転方向の回転力を蓄える渦巻バネとを有し、
前記前窓が閉じた状態から所定量開いた状態となるまで間、前記ピニオンが前記ラック上を転動するように、前記ラックの敷設範囲が設定されている
ことを特徴とする建設機械の前窓開閉装置。
【請求項2】
請求項1に記載の建設機械の前窓開閉装置において、
前記補助手段は、前記前窓に設けられていて前記渦巻バネがその復元力により巻き付く巻付き軸と、前記前窓が閉じる方向に移動しているときの前記ピニオンの転動に伴って前記渦巻バネを前記巻付き軸側から巻き取る巻取り軸とを有する
ことを特徴とする建設機械の前窓開閉装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の発明において、
前記ラックは前記第1,第2ガイド溝の一方にのみ設けられている
ことを特徴とする建設機械の前窓開閉装置。

【図1】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−249811(P2009−249811A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−94887(P2008−94887)
【出願日】平成20年4月1日(2008.4.1)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】