説明

建設車両

【課題】一端が取り付けられた車体フレームが取り外された場合でも、車体カバーの開閉を補助するガススプリングを機能させることが可能な建設車両を提供する。
【解決手段】油圧ショベル1では、エンジンフード14の開閉を補助するガススプリング20の一端(第1端20a)が、車体部6から着脱可能な第1車体フレーム31に対して取り付けられている構成において、ガススプリング20の第1端20aを仮固定する場所(第1端仮固定部32a)を別途設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉可能な車体カバーを備えた建設車両に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自走可能な走行体に旋回可能な状態で取り付けられた旋回台に、オペレータが乗降する運転室を含むキャブ、キャブの前方あるいは側方に取り付けられたブーム、アーム、バケット等の作業機、旋回台のバランスを取るためのカウンタウェイト等を搭載した油圧ショベルが用いられている。
【0003】
このような油圧ショベルでは、カウンタウェイトが取り付けられた車体部の後方側に開閉可能なエンジンカバーが設けられている。
例えば、特許文献1には、エンジンカバーを開閉可能な開閉カバー部と開閉不能な固定カバー部とに分割し、開閉カバー部の下方にメンテナンスの対象となる動力源等を配置した建設機械について開示されている。これにより、エンジンカバーを開閉する際の負担を軽減し、メンテナンス時の作業性を向上させることができる等の効果を奏する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の建設機械では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に開示された建設機械では、メンテナンス作業時等にエンジンカバーを開けた状態で作業性を向上させる等のために、ガススプリングの一端が取り付けられたフレームが取り外される場合がある。この場合には、一端を支持するフレームがなくなってしまうため、ガススプリングも一緒に取り外す必要がある。このため、エンジンカバーを開けた状態で支持するものがなくなってしまうという問題がある。
【0005】
本発明の課題は、一端が取り付けられた車体フレームが取り外された場合でも、車体カバーの開閉を補助するガススプリングを機能させることが可能な建設車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明に係る建設車両は、車体部と、第1車体フレームと、第2車体フレームと、車体カバーと、伸縮部材と、第1仮置き部と、を備えている。第1車体フレームは、車体部から着脱可能である。第2車体フレームは、第1車体フレームの近傍に配置されており、車体部から着脱不能である。車体カバーは、車体部に対して開閉可能な状態で取り付けられている。伸縮部材は、着脱可能な第1車体フレームに対して一端が、車体カバーに対して他端がそれぞれ取り付けられており、車体カバーの開閉時に車体カバーを支持する。第1仮置き部は、第2車体フレーム側に設けられており、第1車体フレームを取り外す際に伸縮部材の一端が仮固定される。
【0007】
ここでは、油圧ショベル等の建設車両において、エンジンフード等の車体カバーを開閉する際に補助するガススプリング等の伸縮部材の一端が着脱可能なフレーム(第1車体フレーム)に取り付けられている。そして、車体カバーを開けて車体部内のメンテナンス等を行う際に、作業スペースを拡大する等のために第1車体フレームを取り外す場合に、伸縮部材の一端を、車体部に固定されたフレーム(第2車体フレーム)側に設けられた第1仮置き部に仮固定する。
【0008】
ここで、第1仮置き部としては、伸縮部材の一端を仮固定できるように、例えば、開口部が形成された板金部材等を用いることができる。
これにより、着脱可能な第1車体フレームに対して伸縮部材の一端が固定されている場合でも、第1車体フレームを取り外す際にはその一端を固定された第2車体フレーム側に設けられた第1仮置き部に仮固定することで、車体カバーの開閉を伸縮部材によって支持することができる。よって、第1車体フレームを取り外して十分な作業スペースを確保することができるとともに、伸縮部材によって車体カバーを支持しながら開閉を行うことができる。
【0009】
第2の発明に係る建設車両は、第1の発明に係る建設車両であって、伸縮部材は、一端が第1仮置き部に仮固定されている状態において、車体カバーが閉じられて全縮状態に移行すると、車体部から所定の隙間を設けた状態で車体カバーを支持する。
【0010】
ここでは、伸縮部材の一端を第1仮置き部に仮固定した状態において、車体カバーを閉じていって伸縮部材が全縮状態に移行すると、車体カバーが所定の隙間が開いた状態で伸縮部材によって支持される。
【0011】
これにより、メンテナンス等のために第1車体フレームを取り外した作業者は、車体カバーが完全に閉まらないことから、伸縮部材の一端が第1仮置き部に仮固定されていることを認識することができる。よって、伸縮部材を正常な取付位置へ移設し忘れることを防止することができる。
【0012】
第3の発明に係る建設車両は、第1または第2の発明に係る建設車両であって、車体カバーは、伸縮部材の他端が仮固定される第2仮置き部を有している。
ここでは、伸縮部材の他端を仮固定するための仮置き場を、車体カバー側にも設けている。
【0013】
これにより、伸縮部材の両端を取り外す必要がある場合でも、両端をそれぞれ第1・第2仮置き部に仮固定することで、伸縮部材によって車体カバーを支持しながら開閉を行うことができる。
【0014】
第4の発明に係る建設車両は、第1から第3の発明のいずれか1つに係る建設車両であって、車体カバーは、エンジンフードである。
ここでは、上述した開閉可能な車体カバーとして、エンジンフードを用いている。
【0015】
これにより、通常、上下方向に開閉するエンジンフードを伸縮部材によって支持しながら、第1車体フレームを取り外してエンジン周辺に設置された機器等の点検・修理等の作業を行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る建設車両によれば、伸縮部材の一端が固定された第1車体フレームを取り外して十分な作業スペースを確保することができるとともに、伸縮部材によって車体カバーを支持しながら開閉を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る油圧ショベルの構成を示す全体図。
【図2】図1の油圧ショベルに搭載されたエンジンフードについて、ガススプリングが正規の位置にある状態で開閉したときの状態を示す側面図。
【図3】図1の油圧ショベルに搭載されたエンジンフードについて、ガススプリングが仮固定された位置にある状態で開閉したときの状態を示す側面図。
【図4】(a),(b)は、ガススプリングの一端が正規の位置にある場合の取付部付近の構成を示す斜視図、側面図。
【図5】(a)は、ガススプリングの一端が正規の位置にある状態を示す斜視図。(b)は、車体部から着脱可能な第1車体フレームの取付部周辺の構成を示す斜視図。
【図6】(a),(b)は、ガススプリングの他端が取り付けられるエンジンフード内の取付部周辺の構成を示す正面図、側面図。
【図7】(a),(b)は、ガススプリングの一端が仮固定の位置にある場合の取付部周辺の構成を示す正面図、斜視図。
【図8】エンジンルーム周辺の構成を示す斜視図。
【図9】図8のエンジンルームにエンジンフードを設置した状態を示す斜視図。
【図10】エンジンフードの内側の構成を示す斜視図。
【図11】エンジンフードの内側の構成を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態に係る油圧ショベル(建設車両)1について、図1〜図11を用いて説明すれば以下の通りである。
【0019】
[油圧ショベル1全体の構成]
本実施形態に係る油圧ショベル1は、図1に示すように、下部走行体2と、旋回台3と、作業機4と、カウンタウェイト5と、車体部6と、機器室9と、キャブ10と、を備えている。
【0020】
下部走行体2は、進行方向における左右両端部分に巻き掛けられた履帯Pを回転させることで、油圧ショベル1を前進、後進させるとともに、上面側に旋回台3を旋回可能な状態で搭載している。
【0021】
旋回台3は、下部走行体2上において任意の方向に旋回可能であって、上面に作業機4と、カウンタウェイト5と、車体部6と、キャブ10とを搭載している。
作業機4は、ブーム11と、ブーム11の先端に取り付けられたアーム12と、アーム12の先端に取り付けられたバケット13とを含むように構成されている。そして、作業機4は、図示しない油圧回路に含まれる各油圧シリンダ11a,12a,13a等によって、ブーム11やアーム12、バケット13等を上下に移動させながら、土木工事の現場において土砂や砂礫等の掘削作業を行う。
【0022】
カウンタウェイト5は、例えば、鋼板を組み立てて形成した箱の中に屑鉄やコンクリート等を入れて固めたものであって、採掘時等において車体のバランスをとるために旋回台3上における車体部6の後方に設けられている。
【0023】
車体部6は、図1に示すように、カウンタウェイト5に隣接する位置に配置されており、開閉可能なエンジンフード14によって覆われた点検用の上部開口を有している。そして、車体部6の内部には、下部走行体2や作業機4を駆動するための動力源である図示しないエンジンやクーリングコア等が収容されている。なお、車体部6に設けられたエンジンフード14の開閉構造については、後段において詳述する。
【0024】
機器室9は、作業機4の後方に配置されており、図示しない燃料タンク、作動油タンクおよび操作弁等を収容する。
キャブ10は、油圧ショベル1のオペレータが乗降する室内空間を有しており、作業機4の先端部を見通せるように、旋回台3上における作業機4の側方となる左側前部に配置されている。
【0025】
(エンジンフード14の開閉構造)
本実施形態では、車体部6の後方に配置された開閉可能なエンジンフード14を、ガススプリング(伸縮部材)20を用いて開閉補助しながら開閉を行う。そして、エンジンフード14によって覆われた上部開口の下方に配置されたエンジン周辺の各種機器のメンテナンス等を行う際には、ガススプリング20の取付位置を、車体部6の骨格部分を構成する第1車体フレーム31から移設して、エンジンフード14の開閉を行う。
【0026】
エンジンフード14は、図1〜3および図8、図9に示すように、カウンタウェイト5に隣接する位置に配置された第1車体フレーム31付近に後方端部が配置されるように取り付けられている。また、エンジンフード14は、図10および図11に示すように、内側の面に、ガススプリング20の第2端20bが取り付けられる第2端取付部14aと第2端仮固定部(第2仮置き部)14bとを有している。第2端取付部14aは、エンジンフード14の内壁面における端部付近に設けられている。第2端仮固定部14bは、エンジンフード14の内壁面における中央部寄りに設けられている。
【0027】
第1車体フレーム31は、図2、図3および図8、図9に示すように、車体部6の幅方向に沿って、エンジンルームの幅方向中央部付近であって、カウンタウェイト5に対して隣接する位置に設置されている。
【0028】
第2車体フレーム32は、図2、図3および図8、図9に示すように、車体側方のエンジンルーム端部であってカウンタウェイト5に対して隣接する位置に配置されており、上端部において第1車体フレーム31を支持している。
【0029】
まず、通常時においては、図2に示すように、ガススプリング20は、一方の端部(第1端20a)が第1車体フレーム31の第1端取付部31aに取り付けられている。そして、他方の端部(第2端20b)は、エンジンフード14の内側に固定された第2端取付部14aに取り付けられている。つまり、ガススプリング20は、第1端20aが第1車体フレーム31に、第2端20bがエンジンフード14に、それぞれ取り付けられた状態で、伸縮しながらエンジンフード14の開閉を補助する。第1端取付部31aは、着脱可能な第1車体フレーム31における中央部やや第2車体フレーム32寄りに設けられている。
【0030】
一方、エンジンフード14を開けてメンテナンス等の作業を行う際には、メンテナンス空間を広げて作業性を向上させるために、図3に示すように、通常時にガススプリング20の第1端20aが取り付けられた第1車体フレーム31が取り外される。つまり、第1車体フレーム31は、着脱可能となっている。よって、第1車体フレーム31が車体部6から取り外された場合には、そこに固定されていたガススプリング20の第1端20aは取付先を失ってしまう。
【0031】
本実施形態では、このような着脱可能な第1車体フレーム31に対して第1端20aが固定されたガススプリング20を用いてエンジンフード14の開閉を行う構成において、この第1端20aを仮固定するための仮置き場を別の位置に設けている。
【0032】
具体的には、第1車体フレーム31に取り付けられていたガススプリング20の第1端20aは、車体部6に固定されている第2車体フレーム32の第1端仮固定部(第1仮置き部)32aに移設される。ここで、第2車体フレーム32は、車体部6に対して着脱不能である。そして、第1端仮固定部32aは、第2車体フレーム32における第1車体フレーム31との接合部付近に設けられている。
【0033】
これにより、メンテナンス作業時等において着脱可能な第1車体フレーム31が取り外された場合でも、ガススプリング20の第1端20aを車体部6に固定されている第2車体フレーム32に設けられた第1端仮固定部32aに移設することで、引き続き、ガススプリング20を機能させた状態でエンジンフード14を開閉することができる。
【0034】
また、本実施形態では、この第1端20aの移設に伴って、エンジンフード14側の第2端20bについても、エンジンフード14内面における第2端取付部14aとは別の位置に設けられた第2端仮固定部14bに移設される。
【0035】
ここで、第1端20aが第1端仮固定部32aに、第2端20bが第2端仮固定部14bにそれぞれ移設された状態で、ガススプリング20を伸縮させながらエンジンフード14を閉めていくと、図3に示すように、ガススプリング20が全縮状態となってもエンジンフード14は所定の隙間dだけ開いた状態となる。
【0036】
これにより、例えば、メンテナンスを行う作業者がエンジンフード14を開けて第1車体フレーム31を取り外し、ガススプリング20の第1端20a,第2端20bを仮固定位置に移設して作業を行い、そのままエンジンフード14を閉めた場合には、エンジンフード14が完全に閉まりきらないことによって、作業者はガススプリング20を仮固定位置に移設したままであることを認識することができる。よって、作業が終了後において、作業者が、ガススプリング20を通常位置に戻されないままとなったり、取り外していた第1車体フレーム31を元の位置に取り付けられないままとなったりすることを回避することができる。
【0037】
<ガススプリング20の移設>
本実施形態では、上述したように、メンテナンス作業時等における第1車体フレーム31が車体部6から除去されるのに伴って、ガススプリング20の第1端20a、第2端20bを通常の取付位置から仮固定位置へと移設する。
【0038】
まず、通常時においては、ガススプリング20の第2端20bは、図4(a)および図4(b)、図5(a)に示すように、エンジンフード14内面に設けられた第2端取付部14aに対して取り付けられている。第2端取付部14aは、一方がエンジンフード14の内面に溶接固定された板金部材であって、その先端部分を屈曲させて形成された支持部14aaと、支持部14aaの中央部付近に形成された開口部14abとを有している。そして、第2端取付部14aには、ワッシャ43の中央開口部にピン42が挿入された状態で、スナップピン41がピン42の先端部分に取り付けられる。これにより、第2端20bに形成された開口部内にピン42を挿入し、スナップピン41によって固定することで、第2端20b側の着脱性を向上させて、上述したガススプリング20の移設を容易に行うことができる。
【0039】
次に、通常時におけるガススプリング20の第1端20aは、図5(b)に示すように、第1車体フレーム31に設けられた第1端取付部31aに取り付けられる。この第1端取付部31aは、板金部材の先端を屈曲させた支持部31aaと、支持部31aaの中央部付近に形成された開口部31abを有している。この第1端取付部31aに対してガススプリング20の第1端20aを固定する際には、図示しないピンを開口部31abおよび第1端20aの開口部に挿入し、上述したピンクリップ等を用いて固定する。
【0040】
以上のように、ガススプリング20は通常状態においては、第1端20aが第1車体フレーム31の第1端取付部31aに、第2端20bがエンジンフード14側の第2端取付部14aに、それぞれ取り付けられる。
【0041】
一方、上述したメンテナンス作業時等において、第1車体フレーム31が取り除かれる場合には、まず、エンジンフード14を開状態とし、ガススプリング20の第1端20aが第1車体フレーム31から取り外される。そして、第2端20bが、エンジンフード14から取り外される。
【0042】
次に、ガススプリング20の第1端20aを、第2車体フレーム32の第1端仮固定部32aに、第2端20bをエンジンフード14の第2端仮固定部14bに、それぞれ移設する。
【0043】
第2端仮固定部14bは、図6(a)および図6(b)に示すように、エンジンフード14の内面における第2端取付部14aの近傍に設けられている(図2、図3、図5(a)参照)。第2端仮固定部14bは、第2端取付部14aと同様に、一方がエンジンフード14の内面に溶接固定された板金部材であって、その先端部分を屈曲させて形成された支持部14baと、支持部14baの中央部付近に形成された開口部14bbとを有している。ガススプリング20の第2端20bを取り付ける際には、第2端20bの開口部、第2端仮固定部14bの開口部14bb内にボルト51を挿入し、ボルト51をナット14bcに螺合させて締結する。
【0044】
第1端仮固定部32aは、図7(a)および図7(b)に示すように、第1車体フレーム31の近傍に配置された第2車体フレーム32の上部に設けられており、ガススプリング20の第1端20aの開口部にボルト52を挿入し、第1端仮固定部32a側の雌ネジと螺合させることで、第1端20aを固定する。
【0045】
以上のように、本実施形態の油圧ショベル1では、エンジンフード14の開閉を補助するガススプリング20の一端(第1端20a)が、車体部6から着脱可能な第1車体フレーム31に対して取り付けられている構成において、ガススプリング20の第1端20aを仮固定する場所(第1端仮固定部32a)を別途設けている。
【0046】
これにより、ガススプリング20の第1端20aが取り付けられていた第1端取付部31aが、第1車体フレーム31を取り外すことに伴って除去された場合でも、第1端仮固定部32aに仮固定することで、ガススプリング20を再び機能させることができる。よって、メンテナンス作業時等において、第1車体フレーム31を取り外すことによって作業スペースを拡張するとともに、ガススプリング20の機能もそのまま維持してエンジンフード14を開閉することができる。
【0047】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0048】
(A)
上記実施形態では、エンジンフード14内のメンテナンス等を行う際には、図3に示すように、第1車体フレーム31を取り外した際に、ガススプリング20の両端(第1端20a,第2端20b)をそれぞれ仮固定位置(第1端仮固定部32a、第2端仮固定部14b)に移動させて、エンジンフード14の開閉を行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0049】
例えば、ガススプリング20の両端のうち、着脱可能な第1車体フレーム31側の第1端20aだけを仮固定位置に移動させて、エンジンフード14の開閉を行うような構成であってもよい。
【0050】
(B)
上記実施形態では、車体部6に対して開閉可能な車体カバーとして、上下方向に開閉可能なエンジンフード14を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0051】
例えば、水平方向において開閉可能な開閉扉を開閉するガススプリング等が装着された建設車両に対して、本発明を適用してもよい。
【0052】
(C)
上記実施形態では、エンジンフード14の開閉を補助する伸縮機構としてガススプリング20を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、伸縮機構としては、オイルダンパ等を用いてもよい。
【0053】
(D)
上記実施形態では、本発明に係る建設車両として油圧ショベル1を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0054】
例えば、車体に開閉扉が取り付けられたホイールローダやブルドーザ等の他の建設車両に対しても同様に適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明の建設車両は、ガススプリングの一端が固定された第1車体フレームを取り外して十分な作業スペースを確保することができるとともに、ガススプリングによって車体カバーを支持しながら開閉を行うことができるという効果を奏することから、ガススプリングによって支持される開閉扉等を備えた各種建設車両等に対して広く適用可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 油圧ショベル(建設車両)
2 下部走行体
3 旋回台
4 作業機
5 カウンタウェイト
6 車体部
9 機器室
10 キャブ
11 ブーム
11a 油圧シリンダ
12 アーム
12a 油圧シリンダ
13 バケット
13a 油圧シリンダ
14 エンジンフード
14a 第2端取付部
14aa 支持部
14ab 開口部
14b 第2端仮固定部(第2仮置き部)
14ba 支持部
14bb 開口部
14bc ナット
20 ガススプリング(伸縮部材)
20a 第1端
20b 第2端
31 第1車体フレーム
31a 第1端取付部
31aa 支持部
31ab 開口部
32 第2車体フレーム
32a 第1端仮固定部(第1仮置き部)
41 スナップピン
42 ピン
43 ワッシャ
51,52 ボルト
d 隙間
【先行技術文献】
【特許文献】
【0057】
【特許文献1】特開2006−56326号公報(平成18年3月2日公開)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体部と、
前記車体部から着脱可能な第1車体フレームと、
前記第1車体フレームの近傍に配置されており、前記車体部から着脱不能な第2車体フレームと、
前記車体部に対して開閉可能な状態で取り付けられている車体カバーと、
着脱可能な前記第1車体フレームに対して一端が、前記車体カバーに対して他端がそれぞれ取り付けられており、前記車体カバーの開閉時に前記車体カバーを支持する伸縮部材と、
前記第2車体フレーム側に設けられており、前記第1車体フレームを取り外す際に前記伸縮部材の前記一端が仮固定される第1仮置き部と、
を備えている建設車両。
【請求項2】
前記伸縮部材は、前記一端が前記仮置き部に仮固定されている状態において、前記車体カバーが閉じられて全縮状態に移行すると、前記車体部から所定の隙間を設けた状態で前記車体カバーを支持する、
請求項1に記載の建設車両。
【請求項3】
前記車体カバーは、前記伸縮部材の他端が仮固定される第2仮置き部を有している、
請求項1または2に記載の建設車両。
【請求項4】
前記車体カバーは、エンジンフードである、
請求項1から3のいずれか1項に記載の建設車両。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−254021(P2010−254021A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−103988(P2009−103988)
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】