説明

弁機構、圧力流体機器の動作維持機構、および、ベローズ弁

【課題】流体の流通を好適に制御できる弁機構、この弁機構を備えて圧力流体機器の動作を所定の場合に好適に維持できる圧力流体機器の動作維持機構、および、この動作維持機構を備えた圧力流体機器としてのベローズ弁を提供する。
【解決手段】弁機構80,90は、弁本体81,91と、弁体82,92と、圧縮ばね83,93と、ピストンロッド84,94と、ピストン85,95とを備えている。第一ポート816,916は圧力流体供給手段に接続され、第二ポート817,917はベローズ弁のピストンシリンダ内部における第一シリンダ室および第二シリンダ室にそれぞれ接続され、第三ポート818は第四ポート919に接続され、第四ポート819は第三ポート918に接続されている。加圧エアの供給が緊急停止された場合、弁体82,92にて弁座813,913が閉塞され、ベローズ弁の動作を当該緊急停止時の状態で維持できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の流通を制御する弁機構、この弁機構を備えて圧力流体機器の動作を所定の場合に維持可能な圧力流体機器の動作維持機構、および、この動作維持機構を備えた圧力流体機器としてのベローズ弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、流体を利用した設備には各種弁機構が適用されている。このような弁機構として、流路を直接開閉するものや、この流路を開閉する弁機構を制御するものもある。例えば、前者の弁機構としては、有毒性や揮発性、可燃性などの特性を有した流体の流出を防止するベローズ弁が知られている。
このようなベローズ弁の具体例を図1に示す。図1において、ベローズ弁100は、弁本体110を備え、この弁本体110の突出部111にはボンネット部120を介して作動ピストンロッド130が摺動可能に支持されている。この作動ピストンロッド130の先端部には弁体としてのディスク部140が取り付けられ、このディスク部140は弁本体110内部に設けられた弁座112に接離可能とされ、弁本体110内の流路を開閉できるようになっている。そして、弁本体110内部におけるディスク部140とボンネット部120の間には、作動ピストンロッド130を覆う状態にベローズ150が設けられている。このベローズ150にて、弁本体110内を流動する流体から作動ピストンロッド130を保護すると共に、作動ピストンロッド130側からの不純物質や潤滑油などの弁本体110内への流入を防止可能にしている。
【0003】
また、ボンネット部120には、ピストンロッド130を軸方向に進退させる駆動部160が固定されている。この駆動部160は、メインシリンダ161と、このメインシリンダ161内に摺動自在に設けられたピストン162とを備えており、このピストン162にはピストンロッド130の基端部が連結されている。そして、メインシリンダ161内には、ピストン162を間に挟んで第一シリンダ室163および第二シリンダ室164が隣接して設けられている。第一シリンダ室163には、ピストン162およびピストンロッド130を介して弁座112を閉塞させる方向にディスク部140を付勢する圧縮ばね165が設けられている。また、第二シリンダ室164には、メインシリンダ161に設けられた圧力流体導入路166を介して、図示しない圧力流体供給源からの圧力流体が供給されるようになっている。
【0004】
このようなベローズ弁100では、圧力流体供給源からの圧力流体が第二シリンダ室164に供給されない場合、ディスク部140は、ピストン162および作動ピストンロッド130を介して圧縮ばね165により付勢されて弁座112を閉塞し、これにて、弁本体110内の流路が閉塞された状態となる。
一方、圧力流体供給源からの圧力流体が圧力流体導入路166を介して第二シリンダ室164に供給されると、ピストン162が第一シリンダ室163側へと摺動し、ディスク部140は作動ピストンロッド130と共に後退して弁座112を開放する。これにて、弁本体110内の流路が開放された状態となり、弁本体110の内部を流体が流通するようになる。
そして、圧力流体供給源からの圧力流体の供給が何らかの状況で緊急停止された場合は、ディスク部140はピストン162および作動ピストンロッド130を介して圧縮ばね165により付勢されて、弁座112を閉塞するようになっている。
【0005】
ここで、上記したベローズ弁100は、圧力流体供給源からの圧力流体を第二シリンダ室164のみに供給して作動ピストンロッド130を進退させる、いわゆる単動式のベローズ弁である。しかし、このような単動式のベローズ弁では、ディスク部140にて弁本体110内部における高圧力の流体の流路を確実に閉塞するために、圧縮ばね165の付勢力を強化しなければならない。このため、圧縮ばね165が大型化されると共に、この圧縮ばね165を内部に収容するメインシリンダ161も大型化されてしまい、結果として、ベローズ弁全体の重量が大きくなり、製造コストも高くなってしまう問題がある。
【0006】
この点、第一シリンダ室163および第二シリンダ室164の双方に圧力流体供給源が接続されて、いずれか一方のシリンダ室へと圧力流体を切り替えて供給する、いわゆる複動式のベローズ弁は、駆動部160がコンパクトであり、上記問題の解決が図られる。すなわち、この複動式のベローズ弁は、メインシリンダ161に、第二シリンダ室164内へ圧力流体を供給する圧力流体導入路166に加えて、第一シリンダ室163内へ圧力流体を供給する圧力流体導入路が設けられた構造となっている。このため、複動式のベローズ弁は、上記した圧縮ばね165を設ける必要が無く、メインシリンダ161がよりコンパクト化され、装置全体として軽量化・低コスト化を図ることができる。
【0007】
しかしながら、この複動式のベローズ弁は、圧力流体供給源からの圧力流体の供給が緊急停止された場合、ピストン162の摺動を規制する手段が何ら存在しないために、作動ピストンロッド130が容易に移動してしまう。このため、弁本体110内部を高圧力(例えば1.0MPa)の流体が流通している場合であって、かつ、上記緊急時には弁座112を閉塞して有害な流体の流出を防ぐ必要があるような場合であっても、当該流体圧により作動ピストンロッド130は容易に摺動してしまい、弁座112が開放されてしまうおそれがある。このような問題を防ぐためにも、複動式のベローズ弁における作動ピストンロッド130の摺動を当該緊急時にロックする技術が要求されている。
【0008】
ここで、このような作動ピストンロッド130をロックする技術として、例えば作動ピストンロッド130の摺動を機構的にロックするブレーキ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載のブレーキ装置は、空気圧シリンダのロッドエンド部に配設されるものであり、ピストンロッドの外周に嵌め込まれる略円筒状のブレーキメタルと、このブレーキメタルの外周面に摺動可能に嵌合されブレーキメタルの軸方向と異なる方向に移動可能に設けられたスライドブッシュとを備えている。そして、ブレーキ装置に設けられた給排気口から加圧されると、スライドブッシュは所定方向に移動し、これにて、ブレーキメタルがピストンロッドに押し付けられなくなり、ブレーキが開放された状態となる。一方、当該給排気口から排気されると、スライドブッシュはブレーキ装置に設けられたスプリングの付勢により逆方向に移動し、これにて、ブレーキメタルがピストンロッドに押し付けられて、ピストンロッドがロックされた状態となる。このようにして、作動ピストンロッド130の摺動を機構的にロック可能とされている。
【0009】
また、作動ピストンロッド130をロックする他の技術として、例えば図2に示すものが知られている。この図2に示すものは、空気圧シリンダのロッドエンド部に配設されるブレーキ装置200であって、上記特許文献1に記載の構成と同様に、ピストンロッドの摺動を機構的にロックするものである。
すなわち、ブレーキ装置200は、作動ピストンロッド130が挿通される円孔211が設けられたハウジング210と、円孔211の内周面と作動ピストンロッド130の外周面との間に介装された一対のブレーキメタル220,230とを備えている。この際、作動ピストンロッド130の中心軸を、円孔211の中心軸とは偏心して設けている。したがって、一対のブレーキメタル220,230は、それぞれ、全体として略半円筒状に形成され、かつ、軸直交方向の断面形状が湾曲した楔形とされている。そして、一対のブレーキメタル220,230のそれぞれの両側端部には、径方向外側に向けて突出したレバー221,222,231,232がそれぞれ設けられており、ブレーキメタル220の一方のレバー221と、このレバー221に対向するブレーキメタル230のレバー231との間には、レバー221,231を互いに離間する方向に付勢する圧縮ばね240が介装されている。また、ブレーキメタル220の他方のレバー222と、このレバー222に対向するブレーキメタル230のレバー232との間にはブレーキ開放ピストン250が介装されている。
【0010】
このような構成において、図2(A)に示すように、ブレーキ開放ピストン250に設けられたブレーキ開放ポート260から加圧気体が供給されると、ブレーキ開放ピストン250によりレバー222,232は互いに離間する方向に移動されて圧縮ばね240が収縮した状態となる。この状態では、一対のブレーキメタル220,230は、作動ピストンロッド130と円孔211とにより構成される偏心した円筒状の空間の幅の広い方に向かって、矢印A方向に移動される。これにより、両ブレーキメタル220,230の内周面と作動ピストンロッド130の外周面との間に僅かに隙間が形成され、作動ピストンロッド130は軸方向に移動可能となる。
一方、図2(B)に示すように、ブレーキ開放ポート260から加圧気体が供給されていない状態では、レバー221,231は圧縮ばね240にて互いに離間する方向に移動され、一対のブレーキメタル220,230は上記楔形の先端方向、すなわち矢印B方向に移動する。これにより、一対のブレーキメタル220,230の内周面と作動ピストンロッド130の外周面とが接触して、作動ピストンロッド130の軸方向への移動が規制されることになる。
【0011】
さらに、作動ピストンロッド130をロックする他の技術として、例えば図3に示すものが知られている。この図3に示すものは、空気圧シリンダのロッドエンド部に配設されるブレーキ装置300であって、上記特許文献1に記載の構成と同様に、ピストンロッドの摺動を機構的にロックするものである。
すなわち、ブレーキ装置300は、内部に作動ピストンロッド130が挿通されるハウジング310と、このハウジング310内に設けられ作動ピストンロッド130の外周に嵌め込まれるリング状のブレーキメタル320とを備えている。このブレーキメタル320の外周縁部の一端側は、ハウジング310内に傾斜可能に支持されている。また、このブレーキメタル320の外周縁部の他端側と、ハウジング310内に設けられたプレート330との間には圧縮ばね340が介装されており、この圧縮ばね340によりブレーキメタル320は常に傾斜する方向に付勢されている。
【0012】
このような構成において、図3(A)に示すように、ハウジング310に設けられたブレーキ開放ポート350から加圧気体が供給された場合、ブレーキメタル320は加圧気体によりプレート330側へと押されて、ブレーキメタル320の内周面の円筒軸が作動ピストンロッド130の軸と略一致する状態となる。この状態では、ブレーキメタル320の内周面と作動ピストンロッド130の外周面との間に隙間が形成されて、作動ピストンロッド130は軸方向に移動可能となる。
一方、図3(B)に示すように、ブレーキ開放ポート350から加圧気体が供給されていない場合、ブレーキメタル320は、圧縮ばね340の付勢により傾斜して、作動ピストンロッド130の軸方向と直交しない状態となる。この状態において、ブレーキメタル320の内周面と作動ピストンロッド130の外周面とは接触し、作動ピストンロッド130の軸方向への移動が規制されることになる。
【0013】
以上のように、上記特許文献1や図2、図3に記載のいずれのブレーキ装置においても、複動式のベローズ弁における圧力流体供給源からの圧力流体をそれぞれの給排気口やブレーキ開放ポート260,350に供給する構成とすれば、上記緊急時に作動ピストンロッド130をロックできる。
【0014】
【特許文献1】特開昭59−223551号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、上記した各ブレーキ装置では、圧力流体の作用および圧縮ばねの付勢により、ブレーキメタルの摩擦がピストンロッドに対して確実に作用することが前提となっているので、ピストンロッドの形状に対するブレーキメタルの加工品質や、長期の使用によるブレーキメタルの損耗によって、ロック動作に不具合が生じるおそれがある。
また、上記した各ブレーキ装置では、径サイズの異なるピストンロッドに対して適用する場合、これらピストンロッドの径サイズに適合したそれぞれのサイズのブレーキメタルが必要であるため、汎用性が乏しいものとなってしまうおそれがある。
さらに、上記した各ブレーキ装置を複動式のベローズ弁に対して設けた場合、各ブレーキ装置自体が大きいものであるため、コンパクトであることを特徴とする複動式のベローズ弁が全体として大型化されてしまうおそれがある、という問題が挙げられる。
【0016】
ところで、現在、圧力流体供給源と圧力流体機器とを接続する流路上に設けられて、当該流路における圧力流体の流通を制御する弁機構が知られている。このような弁機構として、一方向への圧力流体の流通は許容して、その逆方向への逆流は防止し、かつ、必要に応じて当該逆方向への逆流を許容できる弁機構が求められている。また、複数の圧力流体機器を所定の状態に接続して圧力流体回路を構成し、各圧力流体機器の動作を所定の状態に制御できる弁機構が望まれている。このような現状において、単体でも圧力流体の流通を好適に制御でき、さらには複数組み合わせることにより複数の圧力流体機器を所定の制御目的で接続できる弁機構が望まれている。
【0017】
本発明は、流体の流通を好適に制御できる弁機構、この弁機構を備えて圧力流体機器の動作を所定の場合に好適に維持できる圧力流体機器の動作維持機構、および、この動作維持機構を備えた圧力流体機器としてのベローズ弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
請求項1に記載の発明は、内部に、圧力流体導入室、圧力流体排出室、および、これらの圧力流体導入室と圧力流体排出室とを連通する位置に設けられた弁座を有する弁本体と、この弁本体の前記弁座に対向配置されるとともに、当該弁座を開閉可能に設けられた弁体と、前記弁本体に支持されるとともに、前記弁体を弁座閉塞方向に付勢する付勢手段と、前記弁本体の前記圧力流体導入室に連通され外部から圧力流体を導入する第一ポートと、前記弁本体の前記圧力流体排出室に連通され圧力流体を外部に排出する第二ポートと、前記弁本体内において、前記圧力流体導入室を挟んで前記弁座とは反対位置に設けられ、当該圧力流体導入室とはシール状態にされたシリンダ室と、前記弁体に一端側を固定されるとともに、他端側を前記圧力流体導入室を貫通してシール状態で前記シリンダ室まで延長され、かつ、前記弁本体に軸方向摺動可能に支持されたピストンロッドと、このピストンロッドの前記他端側に連結されるとともに、前記シリンダ室に摺動自在に設けられたピストンと、前記シリンダ室の前記ピストンにより分割され、前記ピストンロッドが挿入された側とは反対側の室に、圧力流体を導入する第三ポートとを備え、前記弁体は、前記第一ポートから導入された圧力流体が当該弁体に作用した場合、前記付勢手段に抗して前記弁座を開放するように構成され、さらに、前記ピストンは、当該ピストンに前記第三ポートから導入された圧力流体が作用した場合、前記ロッドを介して前記弁体を前記付勢手段に抗して開放するように構成されていることを特徴とする弁機構である。
【0019】
この発明によれば、単体でも圧力流体の流通を好適に制御でき、さらには複数用いることにより1つあるいは複数の圧力流体機器を所定の状態に制御できる。
すなわち、本発明の弁機構を圧力流体供給源と圧力流体機器とを接続する流路上に単体で設ける場合、第一ポートと圧力流体供給源側とを接続し、第二ポートと圧力流体機器側とを接続する。そして、圧力流体供給源より圧力流体を第一ポートに供給した場合は、弁体が付勢手段に抗して弁座を開放するため、当該圧力流体は圧力流体機器に供給されて圧力流体機器の駆動部を駆動できる。そして、圧力流体機器側から第二ポートへと圧力流体が逆流した場合は、弁体は付勢手段にて付勢されて弁座を閉塞するため、当該圧力流体の逆流を防止できる。また、第三ポートにも圧力流体を供給すれば、ピストンが移動してロッドを介して弁体が弁座を開放するので、圧力流体機器側から第二ポートへの圧力流体の逆流を必要に応じて許容する制御ができる。したがって、本発明の弁機構は、単体でも圧力流体の流通を所定の目的に応じて制御でき、圧力流体機器の動作を所定の状態に制御できる。
また、複数の本発明の弁機構を、1つあるいは複数の圧力流体機器が設けられた圧力流体回路に適用する場合、複数の本発明の弁機構のそれぞれの第一ないし第三ポートを所定の流路に接続することにより、1つあるいは複数の圧力流体機器の動作を所定の状態に制御することができる。
なお、第三ポートを閉塞栓で閉塞して使用すれば、圧力流体機器側から圧力流体供給源への圧力流体の逆流を完全に防止したい場合などに有効に利用できる。
【0020】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の弁機構において、前記圧力流体導入室には、外部に接続可能な第四ポートが設けられたことを特徴とする弁機構である。
【0021】
この発明によれば、第一ポートに導入した圧力流体を第二ポートおよび第四ポートの双方に供給できるので、第二ポートから流出した圧力流体にて1つ目の圧力流体機器を駆動し、かつ、第四ポートから流出した圧力流体にて2つ目の圧力流体機器を駆動する、あるいは、他の弁機構における第一ないし第四ポートに供給することができる。このような弁機構を複数用いてそれぞれの4つのポートを所定の状態に接続すれば、3つのポートを備えた弁機構よりも組み合わせのパターンが増え、より多彩な制御が実現できる。
また、第四ポートを閉塞栓にて閉塞して使用すれば第一ないし第三ポートのみが機能する弁機構となり、さらに第三および第四ポートのそれぞれを閉塞栓にて閉塞して使用すれば第一および第二ポートのみが機能する弁機構が得られる。つまり、本発明の弁機構は、様々な状態に圧力流体の流通を制御できるので、圧力流体回路上の様々な位置に設置することができる。
【0022】
請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の弁機構が2個用意されるとともに、これらの2個の弁機構は、それぞれの前記第一ポートが圧力流体供給手段に接続され、それぞれの前記第二ポートが前記圧力流体供給手段からの圧力流体にて駆動する圧力流体機器に接続され、さらに、それぞれ一方の弁機構の前記第四ポートが他方の弁機構の前記第三ポートに接続されて構成されたことを特徴とする圧力流体機器の動作維持機構である。
【0023】
この発明によれば、一方の弁機構の第一ポートに圧力流体供給手段から圧力流体を供給すれば、その第二ポートから流出した圧力流体にて圧力流体機器を駆動し、かつ、その第四ポートから流出した圧力流体にて他の弁機構における弁体に弁座を開放させることができる。逆に、他方の弁機構の第一ポートに圧力流体供給手段から圧力流体を供給すれば、その第二ポートから流出した圧力流体にて圧力流体機器を駆動し、かつ、その第四ポートから流出した圧力流体にて一方の弁機構における弁体に弁座を開放させることができる。したがって、圧力流体供給手段から一方の弁機構に圧力流体を供給した場合は、他方の弁機構を弁開放状態として、圧力流体機器からの圧力流体を他方の弁機構を介して圧力流体供給手段側に流通させることができる。そして、圧力流体供給手段から一方の弁機構への圧力流体の供給を停止した場合は、他方の弁機構を弁閉塞状態として、圧力流体機器から圧力流体供給手段側への圧力流体の流通を停止させることができる。これにより、圧力流体供給源からの圧力流体の供給が何らかの条件で緊急停止された場合に、圧力流体機器の動作を停止時の状態に維持する制御が実現できる。
【0024】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の圧力流体機器の動作維持機構において、前記圧力流体機器は、メインシリンダと、このメインシリンダ内に摺動自在に設けられた作動ピストンと、このピストンに連結されるとともに被駆動部を駆動する作動ピストンロッドとを備え、前記メインシリンダの前記作動ピストンにより仕切られた各シリンダ室には、前記2個の弁機構のうちの異なる弁機構の前記第二ポートがそれぞれ接続されていることを特徴とする圧力流体機器の動作維持機構である。
【0025】
この発明によれば、圧力流体供給源からの圧力流体を2つの弁機構のいずれかに選択的に供給すれば、圧力流体機器の一方のシリンダ室に圧力流体が導入され、かつ、他方のシリンダ室における圧力流体は圧力流体供給源側に排出される。したがって、作動ピストンおよび作動ピストンロッドを二方向に移動させて、駆動部を駆動させることができる。
そして、圧力流体供給源からの圧力流体の供給が何らかの条件で緊急停止された場合、2つの弁機構のいずれも弁閉塞状態となって、圧力流体機器のメインシリンダにおける両方のシリンダ室にて圧力流体の出入りがなくなるので、作動ピストンの摺動を防止できる。したがって、圧力流体機器における作動ピストンの位置を当該停止時の状態で維持でき、被駆動部の駆動も停止できるので、当該停止時に利用者が意図しないような圧力流体機器の突発的な動作を防止できる。
また、上記の弁機構は、弁本体の内部に各部が納められたものであるのでコンパクトであり、圧力流体機器が大型化することを防止できる。さらに、従来のようなブレーキメタルを使用せずに圧力流体機器における作動ピストンロッドの動作を停止できるため、作動ピストンロッドの形状に対する弁機構の各部の加工品質が問題となることや、長期の使用により弁機構の各部が損耗することもない。また、径サイズが異なるいずれの作動ピストンロッドに対しても適用できる。
【0026】
請求項5に記載の発明は、流体の流通を制御するベローズ弁であって、三方に開口端を有した管状に形成され、内部に一の開口端から二の開口端へ向けて流体が流通する流路が形成され、この流路上に三の開口端と対向して設けられたベローズ弁座を有したベローズ弁本体と、このベローズ弁本体の前記三の開口端を閉塞するボンネット部と、前記ベローズ弁本体の内部にて前記ベローズ弁座を開閉可能に設けられたディスク部と、前記ベローズ弁本体の内部における前記ディスク部および前記ボンネット部間に亘って設けられたベローズと、前記ボンネット部の外側に固定されたメインシリンダと、このメインシリンダ内に摺動自在に設けられた作動ピストンと、この作動ピストンに基端部が連結され、かつ、先端側は前記ベローズおよび前記ボンネット部を貫通して前記ディスク部に連結されて、前記ディスク部を駆動する作動ピストンロッドと、前記メインシリンダに取り付けられた前記請求項3に記載の圧力流体機器の動作維持機構とを備え、前記メインシリンダの前記作動ピストンにより仕切られた各シリンダ室には、前記2個の弁機構のうちの異なる弁機構の前記第二ポートがそれぞれ接続されていることを特徴としたベローズ弁である。
【0027】
本発明のベローズ弁は、いわゆる複動式のベローズ弁であるので小型であり、圧力流体供給手段からの圧力流体を第一シリンダ室あるいは第二シリンダ室に選択的に導入されると、作動ピストンおよび作動ピストンロッドを介してディスク部にてベローズ弁座を開閉させることができる。そして、このベローズ弁は、上記の動作維持機構を備えているので、圧力流体供給源からの圧力流体の供給が何らかの条件で緊急停止された場合は、2つの弁機構のいずれも弁閉塞状態となり、メインシリンダの両シリンダ室における圧力流体の流通を停止できる。これにより、作動ピストンおよび作動ピストンロッドの移動が停止されるので、ディスク部によるベローズ弁座の開閉動作を当該停止時の状態で維持できる。したがって、当該停止時に利用者が意図しないようなベローズ弁の突発的な動作を防止できる。
また、動作維持機構における2つの弁機構は、それぞれ弁本体の内部に各部が納められたものであるのでコンパクトであり、ベローズ弁が大型化することを防止できる。
さらに、動作維持機構は、従来のようなブレーキメタルを使用せずにベローズ弁の動作を停止できるため、作動ピストンロッドの形状に対する弁機構の各部の加工品質が問題となることや、長期の使用により弁機構の各部が損耗することもない。また、径サイズが異なるいずれの作動ピストンロッドに対しても適用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図4は、本発明の一実施形態に係るベローズ弁および動作維持機構を示した側断面図である。
【0029】
〔ベローズ弁1の構成〕
図4において、1はベローズ弁であり、このベローズ弁1は、石油工業や化学工業などの分野における流体を利用した設備に適用され、有毒性や揮発性、可燃性などの特性を有した流体(以下、被制御流体と称す)の流路を直接開閉する弁機構である。
なお、本実施形態のベローズ弁1は、第一シリンダ室514および第二シリンダ室516のいずれか一方に選択的に加圧エア(圧力流体)が供給されることによりディスク部30にベローズ弁座14を開閉させる、いわゆる空気作動型の複動式ベローズ弁となっている。
このようなベローズ弁1は、図中下方に示すベローズ弁本体10と、このベローズ弁本体10の図中上端に設けられたボンネット部20と、ベローズ弁本体10の内部に設けられたディスク部30(被駆動部)およびベローズ40と、ボンネット部20の図中右上方に設けられた駆動部50と、ベローズ弁本体10の内部から駆動部50の内部までの間に亘って設けられた作動ピストンロッド60と、駆動部50に設けられた動作維持機構70とを具備して構成されている。
【0030】
ベローズ弁本体10は、三方に開口端を有した略Y字形の管状に形成され、一の開口端としての流路形成口11(図中左端)と、二の開口端としての流路形成口12(図中右端)と、三の開口端としての駆動部取付口13(図中上端)とを備えている。このようなベローズ弁本体10の内部には、流路形成口11および流路形成口12間にて被制御流体が流通する流路が形成されるようになっており、当該流路上には駆動部取付口13と対向する位置にベローズ弁座14が設けられている。
【0031】
ボンネット部20は、駆動部取付口13に固定された略円環状の固定板部21と、この固定板部21の内周面に一端側(図中左端側)が固定された略円筒状のロッドガイド22と、このロッドガイド22の他端側(図中右端側)の内周面に固定された略円筒状の支持部材23とを備えている。ロッドガイド22は、内部に作動ピストンロッド60が挿通され、作動ピストンロッド60を軸方向へ摺動可能に支持する。支持部材23は、作動ピストンロッド60の外周面とロッドガイド22の内周面との間をシールすると共に、作動ピストンロッド60を軸方向へ摺動可能に支持する。
【0032】
ディスク部30は、作動ピストンロッド60の先端部(図中左端部)に固定された略円筒状のディスクステムリング31と、このディスクステムリング31の先端部(図中左端)に固定された略円盤状のディスク部本体32と、例えば4フッ化エチレン樹脂などにて略円盤状に形成されてディスク部本体32の一端面(図中左端面)に設けられた樹脂部材33とを備えている。このようなディスク部30は、作動ピストンロッド60と共に進退してベローズ弁本体10内部のベローズ弁座14に接離可能とされ、ベローズ弁本体10内の流路を開閉するようになっている。
【0033】
ベローズ40は、例えばステンレスの円筒材を蛇腹状に成形したものであり、ベローズ弁本体10の内部におけるディスク部30およびボンネット部20間に亘って、軸方向に伸縮自在に設けられている。そして、ベローズ40の先端部(図中左端)はディスクステムリング31に固定され、基端部(図中右端)は略円環状のベローズフランジ41に固定されている。このベローズフランジ41は、中心孔にロッドガイド22の一端側(図中左端側)が挿通されて、駆動部取付口13と固定板部21とにより挟持されている。このようなベローズ40にて、ベローズ弁本体10内部と作動ピストンロッド60側とが完全に遮断された状態となり、ベローズ弁本体10内部から作動ピストンロッド60側への被制御流体の流出を防止可能にすると共に、作動ピストンロッド60側からベローズ弁本体10内部への不純物質や潤滑油などの流入を防止可能にしている。
【0034】
駆動部50は、ボンネット部20の外側に固定されたメインシリンダ51と、このメインシリンダ51内に摺動自在に設けられた作動ピストン52とを備えている。メインシリンダ51は、中心孔にロッドガイド22の他端(図中右端)外周面が固定された略円環状のシリンダフランジ511と、このシリンダフランジ511に軸方向一端部(図中左端)が固定された円筒部512と、この円筒部512の軸方向他端部(図中右端)に固定された略円盤状のシリンダカバー513とを備えている。作動ピストン52は、円筒部512の内径寸法と略等しい径寸法を有した円盤状に形成されて、円筒部512の軸方向に沿って摺動可能に設けられている。
そして、メインシリンダ51の内部は、作動ピストン52によって2つのシリンダ室に仕切られている。第一シリンダ室514は、作動ピストン52とシリンダカバー513との間の空間であり、この第一シリンダ室514には、シリンダカバー513に設けられた圧力流体導入路515を介して、加圧エアが供給されるようになっている。第二シリンダ室516は、作動ピストン52およびシリンダフランジ511間の空間であり、この第二シリンダ室516には、シリンダフランジ511に設けられた圧力流体導入路517を介して、加圧エアが供給されるようになっている。
【0035】
作動ピストンロッド60は、中実丸棒状に形成されており、上述のように先端部(図中左端)にはディスク部30が固定されている。この作動ピストンロッド60の中間部は、ベローズ40およびロッドガイド22の内周側に配置され、ロッドガイド22および支持部材23にて軸方向に摺動可能に支持されている。また、作動ピストンロッド60の基端側(図中右端側)は、シリンダフランジ511の中心孔を貫通して、作動ピストン52に固定されている。これにて、作動ピストンロッド60は、作動ピストン52と共に軸方向に進退して、ディスク部30によりベローズ弁座14が開閉されるようになっている。
【0036】
〔動作維持機構70の構成〕
次に、動作維持機構70について説明する。
動作維持機構70は、ディスク部30のベローズ弁座14の開閉動作を制御する弁機構であって、図4に示すように、第一弁機構80(図中右)および第二弁機構90(図中左)の2つの弁機構を組み合わせて構成したものである。そして、第一弁機構80および第二弁機構90は、それぞれの第一ポート816,916が連結管80A,90Aを介して圧力流体供給手段に接続されている。また、第一弁機構80の第二ポート817は連結管80Bを介して第一シリンダ室514に接続され、かつ、第二弁機構90の第二ポート917は連結管90Bを介して第二シリンダ室516に接続されている。さらに、第一弁機構80の第四ポート819は連結管80Cを介して第二弁機構90の第三ポート918に接続され、第二弁機構90の第四ポート919は連結管90Cを介して第一弁機構80の第三ポート818に接続されている。
【0037】
なお、圧力流体供給手段は、図示しないが、加圧エア供給部と、大気開放部と、これら加圧エア供給部、大気開放部、連結管80Aおよび連結管90Aに接続された電磁弁などの流路切替手段とを備えて、加圧エアの流路を所定の状態に切替可能に設けられている。すなわち、流路切替手段にて加圧エアの流路を一の状態に切り替えられた場合は、加圧エア供給部からの加圧エアは連結管80A等を介して第一シリンダ室514に供給され、かつ、第二シリンダ室516内部の加圧エアは連結管90A等を介して大気開放部に流通し、大気開放されるようになっている。そして、流路切替手段にて二の状態に切り替えられた場合は、加圧エア供給部からの加圧エアは連結管90A等を介して第二シリンダ室516に供給され、かつ、第一シリンダ室514内部の加圧エアは連結管80A等を介して大気開放部に流通し、大気開放されるようになっている。
【0038】
第一弁機構80および第二弁機構90は同一の構造である。以下、それぞれ対応する構成要素には、第一弁機構80では80番台および800番台の符号を使用し、第二弁機構90では90番台および900番台の符号を使用して説明する。
まず、第一弁機構80の具体的な構成について、主として図5,6に基づいて説明する。図5は動作維持機構を示した側断面図であり、図6はその平面図である。
第一弁機構80は、略直方体状に形成された弁本体81と、この弁本体81の内部に設けられた弁体82、圧縮ばね83、ピストンロッド84およびピストン85とを備えている。
【0039】
弁本体81は、長手方向の両端面部にそれぞれ円孔が形成された略直方体状の本体部86と、この本体部86の図5中上端面部に固定された略正方形状の第一蓋部87と、本体部86の図5中下端面部に固定された略正方形状の第二蓋部88とを備えて構成されている。なお、本体部86と第一蓋部87との間にはガスケット871が設けられ、本体部86と第二蓋部88との間にはガスケット881が設けられて、弁本体81の内部がシールされている。
【0040】
このような弁本体81の内部には、本体部86の略中心に位置する圧力流体導入室811と、この圧力流体導入室811に隣接する圧力流体排出室812と、これら圧力流体導入室811および圧力流体排出室812の間に位置する弁座813とが設けられている。
【0041】
圧力流体導入室811は、軸方向が本体部86の長手方向に沿う略円筒状の空間であり、第一ポート816および第四ポート819に連通して設けられている。この圧力流体導入室811の内径寸法はピストンロッド84の径寸法よりも大きく設定され、内部にピストンロッド84が挿入されるようになっている。このピストンロッド84が挿入された状態では、圧力流体導入室811とピストンロッド84との間に隙間が形成され、これにより、圧力流体導入室811を介して第一ポート816と第四ポート819との連通が確保されている。
【0042】
弁座813は、圧力流体導入室811から圧力流体排出室812へ向けて拡径するテーパ状に形成されている。この弁座813に対向する位置には、弁体82が接離可能に設けられている。そして、弁体82のテーパ面部821が弁座813に当接することで、圧力流体導入室811および圧力流体排出室812間における加圧エアの流路が閉塞されるようになっている。なお、弁体82のテーパ面部821上にはOリング822が設けられており、当該流路がより確実に閉塞されるようになっている。
【0043】
圧力流体排出室812は、圧力流体導入室811と同軸の略円筒状の空間であり、本体部86の図5中下端側と第二蓋部88との間に、圧力流体導入室811および第二ポート817に連通して設けられている。この圧力流体排出室812の内径寸法は弁体82の径寸法よりも大きく設定されており、内部に弁体82が移動するスペースが確保されている。
また、この圧力流体排出室812の内部には圧縮ばね83が収容されており、この圧縮ばね83は第二蓋部88の内面上に一体形成された略円筒状のばね支持部882に支持されている。これにより、圧縮ばね83は弁体82を弁座閉塞方向に付勢するようになっている。なお、ばね支持部882の内周面は、ピストンロッド84の基端部が挿入されて、ピストンロッド84を軸方向に摺動自在に支持する支持孔883とされている。
【0044】
以上のような構成の弁体82および圧縮ばね83により、第一ポート816を介して圧力流体導入室811に導入された加圧エアが弁体82に作用した場合は、弁体82は圧縮ばね83の付勢に抗して弁開放方向(図5中下方向)へ向けて移動して弁座813を開放するようになっている。また、圧力流体排出室812から圧力流体導入室811へと加圧エアが逆流する場合は、弁体82は圧縮ばね83の付勢により弁閉塞方向(図5中上方向)へ向けて移動して弁座813を閉塞するようになっている。
【0045】
本体部86の内部における圧力流体導入室811を挟んで弁座813とは反対の位置、すなわち、本体部86の図5中上端側と第一蓋部87との間には、シリンダ室814が設けられている。また、本体部86の内部におけるシリンダ室814と圧力流体導入室811との間には連結孔815が設けられている。
【0046】
シリンダ室814は、圧力流体導入室811と同軸の略円筒状の空間であり、第三ポート818に連通して設けられている。
このシリンダ室814の内部にはピストン85が摺動自在に収納されると共に、ピストン85の外周面に設けられたスライドリング851にて良好な摺動性が確保されている。また、ピストン85の外周面にはOリング852が設けられ、このようなピストン85によりシリンダ室814が2つの空間に仕切られると共に、当該空間同士のシール状態が確保されている。
【0047】
このシリンダ室814における一方の空間814A、すなわち、第一蓋部87とピストン85との間の空間には、第三ポート818を介して加圧エアが供給されるようになっている。そして、ピストン85の図5中上端面に、第三ポート818から導入された圧力流体が作用するように構成されている。
一方、シリンダ室814の他方の空間814Bでは、ピストンロッド84の先端部(図5中上端)が圧力流体導入室811および連結孔815を貫通して延長されており、当該先端部はピストン85の図5中下端面に同軸で連結されている。
これにより、ピストン85に第三ポート818から導入された加圧エアが作用した場合、ピストン85は空間814B側へと移動し、ピストンロッド84を介して弁体82にて弁座813を開放させるようになっている。
【0048】
なお、シリンダ室814の他方の空間814Bは、本体部86の側面部に設けられた空気孔814Cを介して外部と連通され、この他方の空間814B内の空気が出入り可能とされている。これにて、ピストン85が摺動した場合でも、他方の空間814B内の圧力が大気圧と等しくされるようになっている。
また、ピストン85の径寸法はピストンロッド84の径寸法に比べて大きく形成されている。このため、第三ポート818より導入された加圧エアの圧力が低い場合であっても、ピストン85は確実に摺動して弁体82にて弁座813を開放させるようになっている。つまり、ピストン85の高い応答性が確保されている。
【0049】
連結孔815は、圧力流体導入室811と同軸の略円筒状の空間であり、その内径寸法がピストンロッド84の径寸法と略等しく設定されている。この連結孔815は、内部に挿通されたピストンロッド84を軸方向に摺動自在に支持する。また、連結孔815の内周面にはワッシャ815Aおよびスナップリング815Bにて固定されたOリング815Cが設けられており、シリンダ室814と圧力流体導入室811とがシール状態にされている。
【0050】
そして、図5において、本体部86の図中右側面部の中央には、圧力流体導入室811に連通するように第一ポート816が穿設され、この第一ポート816に形成された雄ねじには連結管80A(図4参照)が接続されている。
また、本体部86の図中左側面部の下側には、圧力流体排出室812に連通するように第二ポート817が穿設され、この第二ポート817に形成された雌ねじには連結管80B(図4参照)が接続されている。
これにより、圧力流体供給手段から連結管80Aを介して第一ポート816に供給された加圧エアは、圧力流体導入室811と、圧力流体排出室812と、第二ポート817と、連結管80Bと、圧力流体導入路515とを経由して、第一シリンダ室514へと供給されるようになっている。
【0051】
また、図5に示すように、第一蓋部87の中心には、シリンダ室814に連通するように第三ポート818が穿設され、この第三ポート818に形成された雌ねじには連結管90Cが接続されている。また、連結管90Cは第二弁機構90における第四ポート919にも接続されている。このため、第二弁機構90から連結管90Cおよび第三ポート818を介して供給された加圧エアは、シリンダ室814の一方の空間814Aに導入されるようになっている。
【0052】
また、図6に示すように、本体部86の図中下側面部の中央には、圧力流体導入室811に連通するように第四ポート819が穿設されている。この第四ポート819に形成された雌ねじには連結管80Cが接続されており、この連結管80Cは第二弁機構90における第三ポート918にも接続されている。これにより、圧力流体供給手段から連結管80Aを介して第一ポート816に供給された加圧エアは、圧力流体導入室811と、第四ポート819と、連結管80Cと、第二弁機構90の第三ポート918とを経由して、第二弁機構90のシリンダ室914にも導入されるようになっている。
【0053】
次に、第二弁機構90の具体的な構成について主に図5,6に基づいて説明する。上述のように、この第二弁機構90は第一弁機構80と同一の構成であるため、各構成要素についての具体的な説明は適宜省略する。
第二弁機構90は、本体部96、第一蓋部97および第二蓋部98にて構成された弁本体91と、弁体92と、圧縮ばね93と、ピストンロッド94と、ピストン95とを備えて構成されている。
弁本体91は、圧力流体導入室911と、圧力流体排出室912と、弁座913と、シリンダ室914と、連結孔915と、第一ポート916と、第二ポート917と、第三ポート918と、第四ポート919とを備えている。シリンダ室914は、ピストン95にて2つの空間914A,914Bに仕切られており、空間914Bは本体部96に設けられた空気孔914Cに連通している。連結孔915はワッシャ915A、スナップリング915Bおよびリング915Cを備えている。弁体92は、テーパ面部921およびOリング922を有している。ピストン95は、スライドリング951およびOリング952を備えている。第一蓋部97はガスケット971を備え、第二蓋部98はガスケット981、ばね支持部982および支持孔983を備えている。
【0054】
〔ベローズ弁の動作〕
上記のような構成のベローズ弁1の動作について、図面に基づいて説明する。
まず、通常運転時におけるベローズ弁1のベローズ弁座を閉塞する動作について、主に図7に沿って説明する。
【0055】
初期状態として、ディスク部30によりベローズ弁座14が開放されて、図中矢印Aで示すように、被制御流体が流路形成口11から流路形成口12へ向けて流通している状態を例示する。なお、被制御流体は、流路形成口12から流路形成口11へ向けて流通する場合であってもよい。
この初期状態からディスク部30にてベローズ弁座14を閉塞するために、作動ピストン52および作動ピストンロッド60を図中左側へ移動させる。
【0056】
具体的には、図中右上方の矢印Bに示すように、圧力流体供給手段の加圧エア供給部より、連結管80Aを介して第一弁機構80における第一ポート816に加圧エアを供給する。これにより、第一ポート816に導入された加圧エアの作用により、弁体82が圧縮ばね83の付勢に抗して図中右側に移動し、弁体82により弁座813が開放される。したがって、当該加圧エアは、図中矢印Cに示すように、第二ポート817へと流通する。これと同時に、当該加圧エアは、図中矢印Dに示すように第四ポート819へも流通し、さらに連結管80Cを経由して図中矢印Eに示すように第二弁機構90における第三ポート918に導入される。
そして、第二ポート817に供給された加圧エアは、図中矢印Fに示すように、連結管80Bおよび圧力流体導入路515を介して第一シリンダ室514へと流通する。このため、ディスク部30は、作動ピストン52および作動ピストンロッド60を介して図中左側へと移動して、図中二点鎖線で示すように、ベローズ弁座14を閉塞した状態となる。
【0057】
このようなディスク部30の移動の際は、第二シリンダ室516は縮小し、図中矢印G,Hに示すように、第二シリンダ室516内部の加圧エアが、圧力流体導入路517および連結管90Bを介して第二弁機構90の第二ポート917へと導入される。ここにおいて、第二弁機構90の第三ポート918には第一弁機構80の第四ポート819から加圧エアが導入されているので、ピストン95の作用にて弁体92が弁座913を開放した状態となっている。したがって、当該加圧エアは、図中矢印Iに示すように第一ポート916へと流通し、図中矢印Jに示すように連結管90Aを介して圧力流体供給手段の大気開放部にて大気に放出される。
【0058】
次に、通常運転時におけるベローズ弁1のベローズ弁座を開放する動作について、主に図8に沿って説明する。
初期状態として、図7中二点鎖線で示すように、ディスク部30によりベローズ弁座14が閉塞されて、被制御流体の流通が規制されている状態を例示する。
この初期状態からディスク部30にてベローズ弁座14を開放させるために、作動ピストン52および作動ピストンロッド60を図中右側へ移動させる。
【0059】
具体的には、図中矢印Kに示すように、圧力流体供給手段の加圧エア供給部より、連結管90Aを介して第二弁機構90における第一ポート916に加圧エアを供給する。これにより、第一ポート916に導入された加圧エアの作用により、弁体92が圧縮ばね93の付勢に抗して図中左側に移動し、弁体92により弁座913が開放される。したがって、当該加圧エアは、図中矢印Lに示すように、第二ポート917へと流通する。これと同時に、当該加圧エアは、図中矢印Mに示すように第四ポート919へも流通し、さらに連結管90Cを経由して図中矢印Nに示すように第一弁機構80における第三ポート818に導入される。
そして、第二ポート917に供給された加圧エアは、図中矢印Oに示すように、連結管90Bおよび圧力流体導入路517を介して第二シリンダ室516へと流通する。このため、ディスク部30は、作動ピストン52および作動ピストンロッド60を介して図中右側へと移動して、図中二点鎖線で示す位置にて停止して、ベローズ弁座14を開放した状態となる。
【0060】
このようなディスク部30の移動の際は、第一シリンダ室514は縮小し、図中矢印P,Qに示すように、第一シリンダ室514内部の加圧エアが、圧力流体導入路515および連結管80Bを介して第一弁機構80の第二ポート817へと導入される。ここにおいて、第一弁機構80の第三ポート818には第二弁機構90の第四ポート919から加圧エアが導入されているので、ピストン85の作用にて弁体82が弁座813を開放した状態となっている。したがって、当該加圧エアは、図中矢印Rに示すように第一ポート816へと流通し、図中矢印Sに示すように連結管80Aを介して圧力流体供給手段の大気開放部にて大気に放出される。
【0061】
次に、圧力流体供給手段からの加圧エアの供給が何らかの条件で緊急停止された場合におけるベローズ弁1の動作について、主に図9に基づいて説明する。
初期状態として、図7中二点鎖線で示すように、ディスク部30によりベローズ弁座14が閉塞されて、被制御流体の流通が規制されている状態を例示する。なお、初期状態としては、図8中二点鎖線で示すように、ディスク部30によりベローズ弁座14が開放されて、被制御流体が流通している状態でもよい。
この初期状態から、圧力流体供給手段からの加圧エアの供給が何らかの条件で緊急停止された場合、図9に示すように、作動ピストン52および作動ピストンロッド60は当該緊急停止時の位置で保持され、ディスク部30によるベローズ弁座14の閉塞状態が維持されることになる。
【0062】
すなわち、図9において、第一ポート816への加圧エアの供給が停止されると、第一弁機構80の弁体82は、圧縮ばね83により図中左方向へと付勢されて弁座813を閉塞する。これと同時に、第二弁機構90の弁体92も、圧縮ばね93により図中右方向へと付勢されて弁座913を閉塞する。これにより、第一弁機構80および第二弁機構90の双方において弁閉塞状態となるため、第一シリンダ室514および第二シリンダ室516の双方において加圧エアの流通が停止する状態となる。このため、作動ピストン52は、第二弁機構90により図中左方向への移動が規制され、かつ、第一弁機構80により図中右方向への移動が規制された状態となる。したがって、ディスク部30は流路形成口11からの被制御流体により図中右方向へ押出力を受けている場合であっても、図9に示す状態から変位することはなく、ベローズ弁座14の閉塞状態が維持される。
【0063】
また、当該緊急停止時には、第二弁機構90の第四ポート919から第一弁機構80の第三ポート818への加圧エアの導入が停止されると同時に、第一弁機構80の第四ポート819から第二弁機構90の第三ポート918への加圧エアの導入も停止される。このため、ピストン85,95には加圧エアが作用しないため、弁体82,92は抵抗なく弁閉塞方向へと移動する。
【0064】
〔実施形態の効果〕
上記した本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
【0065】
動作維持機構70では、圧力流体供給手段より第一ポート816,916に加圧エアが供給された場合、弁体82,92は加圧エアの作用を受けて弁座813,913を開放すると同時に、ピストン85,95が加圧エアの作用を受けて弁体82,92に弁座813,913を開放させる。このため、作動ピストン52および作動ピストンロッド60を介してディスク部30を進退させることができる。
そして、圧力流体供給手段から第一ポート816,916への加圧エアの供給が何らかの状況で緊急停止された場合は、弁体82,92は圧縮ばね83,93の付勢により移動して弁座813,913を閉塞する。このため、圧力流体排出室812から圧力流体導入室811への加圧エアの逆流が防止されると共に、第一シリンダ室514および第二シリンダ室516における加圧エアの流通が停止するので、ディスク部30が緊急停止時の位置で停止して、ベローズ弁1の動作を緊急停止時の状態に維持できる。また、この際、ピストン85,95が加圧エアの作用を受けない状態となるので、弁体82,92は抵抗なく弁閉塞方向へと移動できる。したがって、当該緊急停止時に利用者が意図しないようなベローズ弁1の突発的な動作を防止できる。
【0066】
第一弁機構80と第二弁機構90とを同一の構造としたため、量産化を図ることができ、動作維持機構70およびベローズ弁1を安価に製造できる。また、例えば第一弁機構80および第二弁機構90のいずれかが破損した場合でも、破損した側のみを交換すれば動作維持機構70を修理できるので、修理コストも低く抑えることができる。
【0067】
弁本体81,91の内部に、ピストンロッド84,94と、弁体82,92と、ピストン85,95とを設ける構造であるので、第一弁機構80および第二弁機構90をコンパクト化できる。したがって、これら第一弁機構80および第二弁機構90をベローズ弁1に設けることで、ベローズ弁1が大型化することを防ぐことができる。
また、略直方体状の本体部86,96に圧力流体導入室811,911、圧力流体排出室812,912、弁座813,913、シリンダ室814,914、連結孔815,915、第一ポート816,916、第二ポート817,917、第三ポート818,918、第四ポート819,919および空気孔814C,914Cを穿設するだけの簡易な構成であるので、本体部86,96を容易に製造できる。したがって、第一弁機構80および第二弁機構90を低コストで製造できる。
本体部86,96には、シリンダ室814,914の他方の空間814B,914Bに連通する空気孔814C,914Cを設けているので、ピストン85,95をスムーズに摺動させることができる。
【0068】
連結孔815,915には、Oリング815C,915Cが設けられているので、シリンダ室814,914と圧力流体導入室811,911とをシールできる。このため、圧力流体導入室811,911からシリンダ室814,914への加圧エアの侵入を防止でき、加圧エアが空気孔814C,914Cから漏出するなどの不具合が発生することを防止できる。また、Oリング815C,915Cの取り付けも、ワッシャ815A,915Aおよびスナップリング815B,915Bに固定するという簡易な構成で実現できるので、第一弁機構80および第二弁機構90を低コストで容易に製造できる。
【0069】
弁体82,92におけるテーパ面部821,921には、Oリング822,922を設けているので、テーパ面部821,921を弁座813,913に当接させた状態で、圧力流体導入室811,911と圧力流体排出室812,912とをより確実に遮断することができる。したがって、ベローズ弁1の動作をより確実に維持できる。
【0070】
ピストン85,95の外周面にOリング852,952を設けているので、シリンダ室814における一方の空間814A,914Aと他方の空間814B,914Bとをシールすることができる。このため、第三ポート818,918に導入された加圧エアが空気孔814C,914Cから外部に漏出するなどの不具合が発生することを防止できる。
【0071】
第二蓋部88,98にはばね支持部882,982が設けられているので、圧縮ばね83,93を確実に設置することができ、かつ、何らかの状況で弁本体81,91内部にて圧縮ばね83,93が転倒することを防ぐことができる。また、第二蓋部88,98におけるばね支持部882,982の内周面は、ピストンロッド84,94の基端部摺動可能に支持する支持孔883,983とされているので、ピストンロッド84,94の良好な摺動動作を得ることができる。
【0072】
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0073】
前記実施形態では、圧力流体機器として、ベローズ弁本体が略Y字形管状で空気作動式のベローズ弁1を例示したが、これに限らない。すなわち、例えば、油圧作動式のベローズ弁や、弁本体が略T字形管状のベローズ弁なども挙げられ、さらにはベローズ弁に限らず、例えば工業機器や建設機器における空気作動式あるいは油圧作動式のシリンダなど、いずれの圧力流体機器をも対象とすることができる。
【0074】
前記実施形態では、第一弁機構80および第二弁機構90を組み合わせて動作維持機構70を構成し、これを1つのベローズ弁1に対して設ける構成を例示したが、これに限らない。すなわち、本発明の弁機構は、圧力流体供給源と圧力流体機器とを接続する流路に単体で設置してもよく、さらには複数の圧力流体機器が設けられた圧力流体回路に所定の配置で3個以上設置する構成としてもよい。
【0075】
前記実施形態では、本発明の弁機構における第一ないし第四ポートの全てを使用する構成を例示したが、本発明の弁機構の使用法はこれに限らない。すなわち、第四ポートを閉塞栓にて閉塞して使用すれば第一ないし第三ポートのみが機能する弁機構が得られ、さらに第三および第四ポートのそれぞれを閉塞栓にて閉塞して使用すれば第一および第二ポートのみが機能する弁機構が得られる。したがって、本発明の弁機構を圧力流体回路上の様々な位置に設置することができ、様々な状態に加圧エアの流通を制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】従来の単動式Y型ベローズ弁を示した側断面図である。
【図2】従来の空気圧シリンダのブレーキ装置における作動ピストンロッドの軸直交方向における断面を模式的に示した図であり、(A)はブレーキ開放状態を示し、(B)はブレーキ状態を示す。
【図3】従来の空気圧シリンダとこれに設けられたブレーキ装置の側断面を模式的に示した図であり、(A)はブレーキ開放状態を示し、(B)はブレーキ状態を示す。
【図4】本発明の一実施形態に係るベローズ弁および動作維持機構を示した側断面図である。
【図5】前記実施形態における動作維持機構を示した側断面図である。
【図6】前記実施形態における動作維持機構を示した平面図である。
【図7】前記実施形態におけるベローズ弁のベローズ弁座を閉塞する動作を模式的に示した側断面図である。
【図8】前記実施形態におけるベローズ弁のベローズ弁座を開放する動作を模式的に示した側断面図である。
【図9】前記実施形態における加圧エアの供給が停止した際のベローズ弁の状態を模式的に示した側断面図である。
【符号の説明】
【0077】
1…ベローズ弁(圧力流体機器)
10…ベローズ弁本体
11…流路形成口(一の開口端)
12…流路形成口(二の開口端)
13…駆動部取付口(三の開口端)
14…ベローズ弁座
20…ボンネット部
30…ディスク部(被駆動部)
40…ベローズ
51…メインシリンダ
514…第一シリンダ室
516…第二シリンダ室
52…作動ピストン
60…作動ピストンロッド
70…動作維持機構
80…第一弁機構
90…第二弁機構
81,91…弁本体
811,911…圧力流体導入室
812,912…圧力流体排出室
813,913…弁座
814,914…シリンダ室
816,916…第一ポート
817,917…第二ポート
818,918…第三ポート
819,919…第四ポート
82,92…弁体
83,93…圧縮ばね(付勢手段)
84,94…ピストンロッド
85,95…ピストン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に、圧力流体導入室、圧力流体排出室、および、これらの圧力流体導入室と圧力流体排出室とを連通する位置に設けられた弁座を有する弁本体と、
この弁本体の前記弁座に対向配置されるとともに、当該弁座を開閉可能に設けられた弁体と、
前記弁本体に支持されるとともに、前記弁体を弁座閉塞方向に付勢する付勢手段と、
前記弁本体の前記圧力流体導入室に連通され外部から圧力流体を導入する第一ポートと、
前記弁本体の前記圧力流体排出室に連通され圧力流体を外部に排出する第二ポートと、
前記弁本体内において、前記圧力流体導入室を挟んで前記弁座とは反対位置に設けられ、当該圧力流体導入室とはシール状態にされたシリンダ室と、
前記弁体に一端側を固定されるとともに、他端側を前記圧力流体導入室を貫通してシール状態で前記シリンダ室まで延長され、かつ、前記弁本体に軸方向摺動可能に支持されたピストンロッドと、
このピストンロッドの前記他端側に連結されるとともに、前記シリンダ室に摺動自在に設けられたピストンと、
前記シリンダ室の前記ピストンにより分割され、前記ピストンロッドが挿入された側とは反対側の室に、圧力流体を導入する第三ポートとを備え、
前記弁体は、前記第一ポートから導入された圧力流体が当該弁体に作用した場合、前記付勢手段に抗して前記弁座を開放するように構成され、
さらに、前記ピストンは、当該ピストンに前記第三ポートから導入された圧力流体が作用した場合、前記ロッドを介して前記弁体を前記付勢手段に抗して開放するように構成されている
ことを特徴とする弁機構。
【請求項2】
請求項1に記載の弁機構において、
前記圧力流体導入室には、外部に接続可能な第四ポートが設けられた
ことを特徴とする弁機構。
【請求項3】
前記請求項2に記載の弁機構が2個用意されるとともに、これらの2個の弁機構は、それぞれの前記第一ポートが圧力流体供給手段に接続され、それぞれの前記第二ポートが前記圧力流体供給手段からの圧力流体にて駆動する圧力流体機器に接続され、さらに、それぞれ一方の弁機構の前記第四ポートが他方の弁機構の前記第三ポートに接続されて構成された
ことを特徴とする圧力流体機器の動作維持機構。
【請求項4】
請求項3に記載の圧力流体機器の動作維持機構において、
前記圧力流体機器は、メインシリンダと、このメインシリンダ内に摺動自在に設けられた作動ピストンと、このピストンに連結されるとともに被駆動部を駆動する作動ピストンロッドとを備え、
前記メインシリンダの前記作動ピストンにより仕切られた各シリンダ室には、前記2個の弁機構のうちの異なる弁機構の前記第二ポートがそれぞれ接続されている
ことを特徴とする圧力流体機器の動作維持機構。
【請求項5】
流体の流通を制御するベローズ弁であって、
三方に開口端を有した管状に形成され、内部に一の開口端から二の開口端へ向けて流体が流通する流路が形成され、この流路上に三の開口端と対向して設けられたベローズ弁座を有したベローズ弁本体と、
このベローズ弁本体の前記三の開口端を閉塞するボンネット部と、
前記ベローズ弁本体の内部にて前記ベローズ弁座を開閉可能に設けられたディスク部と、
前記ベローズ弁本体の内部における前記ディスク部および前記ボンネット部間に亘って設けられたベローズと、
前記ボンネット部の外側に固定されたメインシリンダと、
このメインシリンダ内に摺動自在に設けられた作動ピストンと、
この作動ピストンに基端部が連結され、かつ、先端側は前記ベローズおよび前記ボンネット部を貫通して前記ディスク部に連結されて、前記ディスク部を駆動する作動ピストンロッドと、
前記メインシリンダに取り付けられた前記請求項3に記載の圧力流体機器の動作維持機構とを備え、
前記メインシリンダの前記作動ピストンにより仕切られた各シリンダ室には、前記2個の弁機構のうちの異なる弁機構の前記第二ポートがそれぞれ接続されている
ことを特徴としたベローズ弁。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2007−232018(P2007−232018A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−52594(P2006−52594)
【出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【出願人】(594165734)イハラサイエンス株式会社 (40)
【出願人】(503248466)大成工業株式会社 (2)
【Fターム(参考)】