説明

引き剥がし遊具

【課題】 主に高齢者が身体機能の低下を防止するための遊び(訓練を含む)が、簡単な構成と簡単な操作でスリリングで楽しく且つ集中力を高めて行うことができる引き剥がし遊具を提供することを目的としている。
【解決手段】 丸棒からなる遊具本体2と、この遊具本体2に設けられた該2を延長した形態である一方の手で握る握り部3と、遊具本体2に設けられた固定面ファスナー4と、この固定面ファスナー4に剥がし自在に係着される剥がし面ファスナー5と、遊具本体2内に設けられた中空部(図示せず)に収納された鈴からなる音出し手段6と、この音出し手段6の発する音を外に出すための音出し穴7とからなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一方の手で剥がす部材を有する遊具本体を握り、その剥がす部材を他方の手で引き剥がし操作を行い、その引き剥がし操作において遊具本体の振れをできる限り小さいものになるように遊ぶあるいは訓練する引き剥がし遊具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高齢者や身体に不自由を負った人の、機能訓練や機能低下抑制訓練など用の訓練機能を有する遊具が多数開発されているが、本発明は、このような訓練機能を有する遊具において新しい形態である剥がし遊具を提供するものである。
【0003】
本発明と同様な遊具を本出願人は見たことがない。
【特許文献】 特に無し
【非特許文献】 特に無し
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、主に高齢者が身体機能の低下を防止するための遊び(訓練を含む)が、簡単な構成と簡単な操作でスリリングで楽しく且つ集中力を高めて行うことができる引き剥がし遊具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明は次のような構成となっている。
<請求項1記載の発明>
遊具本体と、
この遊具本体に設けられた一方の手で握る握り部と、
前記遊具本体に設けられた固定面ファスナーと、
この固定面ファスナーに剥がし自在に係着される剥がし面ファスナーと、
前記遊具本体あるいは前記握り部に設けられた鈴、スピーカー、玉、振り子、鐘などの該遊具本体が所定以上に振れた場合に音を出す音出し手段とからなり、
前記固定面ファスナーに前記剥がし面ファスナーを係着させた状態にして、前記握り部を一方の手で握り持ち、他方の手で該剥がし面ファスナーの一方側を掴んであるいは摘み持って、遊具が振れて前記音出し手段から音が出ることがないように、該剥がし面ファスナーを剥がして行くようにして遊ぶものであることを特徴とする引き剥がし遊具である。
「音出し手段」は、
遊具本体に中空部を設け、この中空部に鈴を収納してなるもの、
遊具本体の先端外や握り部の先端外にスプリングなどで支持された鈴を設けてなるもの、
遊具本体に鉄玉などがぶつかるとぶつかり音を発する金属製中空部を設け、この中空部に鉄玉を転がるようにもうけてなるもの、
遊具本体の内部や外部に鐘を設けてなるもの、
遊具本体や握り部の内部や外部に振れ感知センサ(加速度センサが良い)、制御部、電池、スピーカーを設け、振れ感知センサが所定以上の振れ(加速度)を感知した場合には、スピーカーから音を発するようにしてなるもの、などいろいろな形態がある。
「遊具本体」は、丸棒、三角棒、四角棒、それ以上の多角棒、平板形態、扇形態など多様な形態がある。
「握り部」は、遊具本体と区別されて設けられてなるもの、遊具本体をそのまま延長した形態のものなどがある。
<請求項2記載の発明>
請求項1記載の発明の構成において、固定面ファスナーおよび剥がし面ファスナーあるいはいずれか一方が複数設けられ、係着力が異なる、係着形態が異なることによって複数の引き剥がし形態を体感できるようにしてなることを特徴とする引き剥がし遊具である。
係着力が異なる形態しては、幅の大小によって係着力が異なるようにしてなるもの、面ファスナーのフックの強さ(一般的には太さによって決まる)によって係着力が異なるようにしてなるものがある。
係着形態が異なる形態とは、固定面ファスナーおよび剥がし面ファスナーあるいはいずれか一方の形状(三角形、楕円などの形状)、とび石配置などの配置形態によって、異なる剥がし感が得られるようにしたものなどがある。
<請求項3記載の発明>
請求項2記載の発明の構成において、音出し手段を鈴とし、この鈴を交換できるようにしてなることを特徴とする引き剥がし遊具である。
鈴を交換する形態としては、
遊具本体あるいは握り部に開口部を有する中空部を設け、開口部を塞ぐネジキャップを設けて中空部に収納する鈴を交換できるようにした形態、
適宜な部位にネジ穴あるいはネジ棒からなる鈴取付け部を設け、この鈴取付け部にネジやネジ穴を設けた鈴を螺合させる形態などがある。
鳴り難くさは、例えば鈴の玉を球体、多面球体など転がり易さを変えることにより可能である。
【発明の効果】
【0006】
本発明は以上述べたような構成となっているので次に述べるような効果を奏する。
(1)固定面ファスナーに剥がし面ファスナーを係着させ、握り部を一方の手で握り持って、他方の手で剥がし面ファスナーを掴みあるいは摘み持って、固定面ファスナーから剥がし面ファスナーを剥がして行くのであるが、遊具が振れて音出し手段から音が発せられないよう、遊具が振れないようにしながら剥がし操作を行うものであるので、短時間の間ではあるが緊張感のある高い集中力の元でスリル感を楽しめるという効果を奏する。
(2)面ファスナーを係着し、握り持ち、剥がすというという、極めて簡単で、軽量で、容易な操作によって、スリル感と緊張感を簡単に楽しめる遊具を実現するという効果を奏する。
その軽さ、簡単さから高齢者の機能訓練に最適な遊具である。
(3)固定面ファスナーおよび剥がし面ファスナーあるいはいずれか一方が複数設けられ、係着力が異なる、係着形態が異なることによって複数の引き剥がし形態を体感できるようにしてなるものは、複数の異なる剥がし感、剥がし難易を楽しむことができるものであり、難易度を上げてゆくという楽しみを与えるという効果を奏する。
(4)音出し手段を鈴とし、この鈴を交換できるようにしてなることを特徴とする引き剥がし遊具としたものは、安価な鈴の交換で簡単に難易度を変えることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面に示す発明を実施するための最良の形態を説明する。但し、本発明をそれらに限定する趣旨のものではない。また、前述してある同一の構成には同一の符号を付与しその説明を省略する。
【0008】
以下に述べる本発明の実施の形態の説明において、前記した本発明の実施の形態の構成を同じ構成には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0009】
<第1の実施の形態>
図1に示す本発明を実施するための最良の第1の実施の形態において1は剥がし遊具であって、この剥がし遊具1は丸棒からなる遊具本体2と、この遊具本体2に設けられた該2を延長した形態である一方の手で握る握り部3と、遊具本体2に設けられた固定面ファスナー4と、この固定面ファスナー4に剥がし自在に係着される剥がし面ファスナー5と、遊具本体2内に設けられた中空部(図示せず)に収納された鈴からなる音出し手段6と、この音出し手段6の発する音を外に出すための音出し穴7とからなっている。
固定面ファスナー4に剥がし面ファスナー5を係着させた状態にして、握り部3を一方の手で握り持ち、他方の手でがし面ファスナー5の一方側を掴んであるいは摘み持って、遊具が振れて音出し手段6が転がって音が出ることがないように、剥がし面ファスナー5を剥がして行くようにして遊ぶものである。
遊具本体2には図示していないが幅の異なる固定面ファスナーが複数本設けられていて、異なる係着力の剥がし操作を楽しむことができるようになっている。
遊具本体2の先端にはネジキャップ8が設けられ、音出し手段6である鈴を交換できるようにしている。音の出やすい鈴、音の出難い鈴など異なる鳴り難さの鈴に交換することにより、難易度を簡単に変えることができる。
【0010】
<第2の実施の形態>
図2に示す本発明を実施するための最良の第2の実施の形態において10は剥がし遊具であって、この剥がし遊具10は四角棒体からなる遊具本体11と、握り部12と、遊具本体11の内部に設けられた金属製中空体13、該13の内部に設けられた鉄玉14、音出し穴7とからなる音出し手段15と、遊具本体11の第1面18に設けられた幅広帯形態の固定面ファスナー16aと該16aに続く細幅帯形態の固定面ファスナー16bと、遊具本体11の第2面19に設けられた楕円形態の固定面ファスナー17aと該17aに三角形態の固定面ファスナー17bと、遊具本体11の第3面20に飛び石形態で設けられた楕円形態の固定面ファスナー21a〜21gと、遊具本体11の第4面22に飛び石形態で設けられた長方形細帯形態の固定面ファスナー23a〜23dと、剥がし面ファスナー5(図示せず)とからなっている。
【0011】
<第3の実施の形態>
図3に示す本発明を実施するための最良の第3の実施の形態において25は剥がし遊具であって、この剥がし遊具25は平板形態の遊具本体26と、この遊具本体26に設けられたストレートな丸棒からなる握り部3と、遊具本体26の表面(A)に設けられた幅の異なる帯形態の固定面ファスナー27a〜27dと、ストレートな帯形態の剥がし面ファスナー5と、剥がし面ファスナー片28a〜28eを帯体29に飛び石形態で配列してなる剥がし面ファスナー30と、握り部3の内部に設けられた振れを感知する加速度センサ、発信部を有する制御部、電池、スピーカーとからなる音出し手段35とからなっている。
加速度センサが所定以上の加速度を検知するとスピーカーから音が発せられる。
スピーカーからの音を音声にして、「大きく(強く)振れました」「中程度の振れです」「小さな(弱い)振れです」というように、振れの大きさや強さを識別し報知するようにするのもよい。
また、赤点滅灯、青点滅灯、黄色点滅灯を設け、音の報知とともにその振れの大きさや強さを光により報知するようにするのもよい。
遊具本体26の裏面(B)には、別形態(例えば、三角形の幅のことなる固定面ファスナーが4本、飛び石の大きさの異なる固定面ファスナー片列が4本など)の固定面ファスナー(図示せず)が設けられている。
【0012】
40は遊具操作結果表示装置であって、遊具操作結果表示装置40は音出し手段35の加速度センサーの検知情報が発信部から発信され、それを受信する(通信線でもよい)受信部41と、受信した検知情報を比較データと比較して、点数を決定して表示部42に表示したり、振れ状態をグラフでプリント部43でプリント出力させたり、ICカードなどの記録カードに個人の操作結果情報を記録部44に記録する制御部(図示なし)とからなっている。
A、B、C、Dの各ボタンは使用する剥がし遊具を選択する遊具選択ボタン群48であり、1、2、3、4の各ボタンは剥がし操作を行う固定面ファスナーを選択する面ファスナー選択ボタン群49である。
スピーカー45からは、操作の案内・指示をボイスで行うようになっている。
記録カードを挿入し、スタートボタン46を押す、遊具を選択する、固定面ファスナーを選択する、この操作が完了すると測定モードになる。振れ感知から5秒以上剥がし振動を感知しないと測定終了となって、点数表示、プリント、記録がなされる。最初の振れを感知すると開始の文字が表示部42に表示され、5秒以上剥がし振動を感知しないと終了の文字が表示される。
【0013】
振れ大きさや振れ強さの所定値を複数設け、この設定を変える難易度選択ボタンやダイヤルを設け、難易度を変えることができるようにするのがよい。
平板形態の表面、裏面にフックの太さの異なる(係着力の異なる)フック側である固定面ファスナーを略全面にあるいは広く設けた形態とし、ループ側である剥がし面ファスナーを、細帯形態、帯形態、三角帯形態、蛇行帯形態、多数くびれ形態、飛び石形態など異なる複数の形態にとしたものもよい。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明は機能訓練や子供の集中力アップをさせる訓練具や遊具を製造する産業で利用される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態の使用状態を示す斜視図。
【図2】本発明の第2の実施の形態の正面図、右側面図、背面図および左側面図。
【図3】本発明の第3施の形態の正面図および遊具操作結果表示装置の正面図。
【符号の説明】
【0016】
1:剥がし遊具、 2:遊具本体、
3:握る握り部、 4:固定面ファスナー、
5:剥がし面ファスナー、 6:音出し手段、
7:音出し穴、 8:ネジキャップ、
10:剥がし遊具、
11:遊具本体、 12:握り部、
13:金属製中空体、 14:鉄玉、
15:音出し手段、 16a、16b:固定面ファスナー、
17a、17b:固定面ファスナー、 18:第1面、
19:第2面、 20:第3面、
21a〜21g:固定面ファスナー、 22:第4面、
23a〜23d:固定面ファスナー、 25:剥がし遊具、
26:遊具本体、 27a〜27d:固定面ファスナー、
28a〜28e:剥がし面ファスナー片、
29:帯体、 30:剥がし面ファスナー、
35:音出し手段、 40:遊具操作結果表示装置、
41:受信部、 42:表示部、
43:プリント部、 44:記録部、
45:スピーカー、 46:スタートボタン、
48:遊具選択ボタン群、 49:面ファスナー選択ボタン群。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊具本体と、
この遊具本体に設けられた一方の手で握る握り部と、
前記遊具本体に設けられた固定面ファスナーと、
この固定面ファスナーに剥がし自在に係着される剥がし面ファスナーと、
前記遊具本体あるいは前記握り部に設けられた鈴、スピーカー、玉、振り子などの該遊具本体が所定以上に振れた場合に音を出す音出し手段とからなり、
前記固定面ファスナーに前記剥がし面ファスナーを係着させた状態にして、前記握り部を一方の手で握り持ち、他方の手で該剥がし面ファスナーの一方側を掴んであるいは摘み持って、遊具が振れて前記音出し手段から音が出ることがないように、該剥がし面ファスナーを剥がして行くようにして遊ぶものであることを特徴とする遊ぶ引き剥がし遊具。
【請求項2】
固定面ファスナーおよび剥がし面ファスナーあるいはいずれか一方が複数設けられ、係着力が異なる、係着形態が異なるなどによって複数の引き剥がし形態を体感できるようにしてなることを特徴とする請求項1記載の引き剥がし遊具。
【請求項3】
音出し手段を鈴とし、この鈴を交換できるようにしてなることを特徴とする請求項1、2いずれか記載の引き剥がし遊具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−272410(P2008−272410A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−144147(P2007−144147)
【出願日】平成19年5月1日(2007.5.1)
【出願人】(000165583)
【Fターム(参考)】