説明

引き違い戸およびその製法

【課題】比較的容易に製造することができ、かつ経年変化が生じにくく、住宅の雰囲気に調和した、引き違い戸を提供する。
【解決手段】この発明にかかる引き違い戸は、閉じた位置においてフラット配置(平面)される複数の戸10が、開閉時に、平行に往復移動するように形成された引き違い戸において、戸10は、芯材50と芯材50の外表面を覆う表面材52とを有し、芯材50は、戸先側先端に段差部及び/又は傾き部が形成され、表面材52は、可撓性を有する表面シート60と、前記表面シート60の裏面側に設けられた表面板材62とを有し、前記表面材52は、表面板材62の斜め対向面を接近させるように表面シート60が折り曲げられ、表面板材62が戸先側芯材54の外表面に貼着され、閉じた位置において隣り合う戸先に、前記閉止位置と引き違い位置との間において前方に移動するための段差部36が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、たとえば、家の部分の仕切りをするための戸としてとりつけられて用いられ、または、クローゼットドアーなどのような作り付け家具のドアーとして用いられる、引き違い戸およびその製法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、閉じた位置においてフラット配置(平面配置)された引き違い戸がいくつか提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開2005−23539号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の閉じた位置においてフラット配置(平面配置)された引き違い戸は、金属製であり、たとえば木造住宅や木調の家などにおいては、機能的には金属製でもよいが、やはり、その他の部分と調和した木質感のある引き違い戸が求められている。
しかも、室内の戸としては、開閉間仕切り、クローゼットドアー等に用いる場合、表面がきれいで反りなどの経年変化を生じることがなく、しかも、製造段階において加工がしやすく製造に手間がかからないようにしなければならないといった要望がある。
それゆえに、この発明の主たる目的は、比較的容易に製造することができ、かつ経年変化が生じにくく、住宅の雰囲気に調和した、引き違い戸を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の請求項1にかかる引き違い戸は、閉じた位置においてフラット配置(平面)される複数の戸が、開閉時に、閉止位置と引き違い位置との間において前方及び/又は後方に移動し、且つ一方が他方の前面において平行に往復移動するように形成された引き違い戸において、戸は、芯材と芯材の外表面を覆う表面材とを有し、芯材は、戸先側先端に段差部及び/又は傾き部が形成され、該戸先に続く表側面及び裏側面が略平面に形成された戸先側芯材と、戸の後端側を形成する後端側芯材とを有し、表面材は、可撓性を有する表面シートと、前記表面シートの裏面側に設けられた表面板材とを有し、前記表面材は、表面板材の斜め対向面を接近させるように表面シートが折り曲げられ、表面板材が戸先側芯材の外表面に貼着され、閉じた位置において隣り合う戸先に、前記閉止位置と引き違い位置との間において前方及び/又は後方に移動するための段差部及び/又は傾き部が形成された、引き違い戸である。
この発明の請求項2にかかる引き違い戸は、前記戸先側芯材は、略平面状表側面に適宜な角度をもって連設された戸先稜角面部と、該戸先稜角面部に続いて、裏側面に到る段差部及び/又は傾き部とを有し、前記表面板材は、少なくとも、戸先側芯材における、表側面と戸先稜角面部との境界の角部、該戸先稜角面部とそれに続く段差部並びに/又は傾き部との境界の角部及び該段差部並びに/又は傾き部と裏側面との境界の角部の間の長さ、及び戸先側芯材における貼着面に対応した貼着面が形成され、且つ前記境界の角部に対応した角度を有する斜め対向面が形成された、請求項1に記載の引き違い戸である。
この発明の請求項3にかかる引き違い戸は、表面材は、戸先側芯材と後端側芯材との間に跨って、平面状に架設された、請求項1または請求項2に記載の引き違い戸である。
この発明の請求項4にかかる引き違い戸は、前記表面板材は、少なくとも、芯材の戸先側先端の段差部並びに/又は傾き部と該戸先側先端に続く表側面との境界の角部及び戸先側先端の段差部並びに/又は傾き部と該戸先側先端に続く裏側面との境界の角部の間の長さ、及び貼着面に対応した貼着面が形成され、且つ前記境界の角部に対応した角度を有する斜め対向面が形成された、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の引き違い戸である。
この発明の請求項5にかかる引き違い戸は、表面板材は、芯材側の貼着面と表面シート側の面とが平行な平面状に形成され、芯材の前記境界の角部に対応した位置において、芯材の貼着面に対応した貼着面より表面シート側の面に向けて切削されてなる断面V字型の斜め対向面が形成された、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の引き違い戸である。
この発明の請求項6にかかる引き違い戸は、引き違い戸は、左右一対で形成され、閉止位置から引き違い位置に移動させるときに前方に移動する一方の引き違い戸は、戸先側先端と他方の引き違い戸の戸先側先端とが接触しないように形成されるとともに、他方の引き違い戸は、戸先側先端と他方の引き違い戸の戸先側先端とが接触しないように形成された、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の引き違い戸である。
この発明の請求項7にかかる引き違い戸の製法は、閉じた位置においてフラット配置(平面)される複数の戸が、開閉時に、閉止位置と引き違い位置との間において前方及び/又は後方に移動前方及び/又は後方に移動し且つ一方が他方の前面において平行に往復移動するように形成された引き違い戸の製法において、戸先側先端に段差部及び/又は傾き部が形成され、該戸先に続く表側面及び裏側面が略平面に形成された戸先側芯材と、戸の後端側を形成する後端側芯材とを有する芯材を形成する、芯材を形成するステップと、可撓性を有する表面シートの裏面側に、少なくとも、芯材の戸先側先端の段差部並びに/又は傾き部と該戸先側先端に続く表側面との境界の角部、戸先側先端の段差部並びに/又は傾き部と該戸先側先端に続く裏側面との境界の角部の間の長さ、及び貼着面に対応した貼着面が形成され、且つ前記境界の角部に対応した角度を有する斜め対向面が形成された表面板材を形成する、表面材を形成するステップと、前記表面材は、表面板材の斜め対向面を接近させるように表面シートが折り曲げられ、表面板材を戸先側芯材の外表面に貼着して、前記隣り合う戸先に、前記前方又は後方に移動するための段差部及び/又は傾き部を形成する、戸を形成するステップとを含む、引き違い戸の製法である。
この発明の請求項8にかかる引き違い戸の製法は、前記戸先側芯材は、略平面状表側面に適宜な角度をもって連設された戸先稜角面部と、該戸先稜角面部に続いて、裏側面に到る段差部及び/又は傾き部とを有し、前記表面板材は、少なくとも、戸先側芯材における、表側面と戸先稜角面部との境界の角部、該戸先稜角面部とそれに続く段差部並びに/又は傾き部との境界の角部、該段差部並びに/又は傾き部と裏側面との境界の角部の間の長さ、及び戸先側芯材における貼着面に対応した貼着面が形成され、且つ前記境界の角部に対応した角度を有する斜め対向面が形成された、請求項7に記載の引き違い戸の製法である。
この発明の請求項9にかかる引き違い戸の製法は、芯材の前記境界の角部に対応した位置において、芯材の貼着面に対応した貼着面より表面シート側の面に向けて切削して断面V字型の斜め対向面を形成して、表面板材を形成する、請求項7または請求項8に記載の引き違い戸の製法である。
【発明の効果】
【0006】
この発明によれば、閉じた位置においてフラット配置(平面)される複数の戸が、開閉時に、閉止位置と引き違い位置との間において前方及び/又は後方に移動し、且つ一方が他方の前面において平行に往復移動するように形成された引き違い戸において、戸は、芯材と芯材の外表面を覆う表面材とを有し、芯材は、戸先側先端に段差部及び/又は傾き部が形成され、該戸先に続く表側面及び裏側面が略平面に形成された戸先側芯材と、戸の後端側を形成する後端側芯材とを有し、表面材は、可撓性を有する表面シートと、前記表面シートの裏面側に設けられた表面板材とを有し、前記表面材は、表面板材の斜め対向面を接近させるように表面シートが折り曲げられ、表面板材が戸先側芯材の外表面に貼着され、閉じた位置において隣り合う戸先に、前記閉止位置と引き違い位置との間において前方及び/又は後方に移動するための段差部及び/又は傾き部が形成されているので、閉じた位置においてフラット配置(平面)された複数の戸が、開閉時に、前方及び/又は後方に移動し、且つ、一方が他方の前面において平行に移動するように形成された引き違い戸を比較的容易に製造することができ、かつ経年変化が生じにくく、住宅の雰囲気に調和した、引き違い戸を得ることができる。
請求項2の発明によれば、前記戸先側芯材は、略平面状表側面に適宜な角度をもって連設された戸先稜角面部と、該戸先稜角面部に続いて、裏側面に到る段差部及び/又は傾き部とを有し、前記表面板材は、少なくとも、戸先側芯材における、表側面と戸先稜角面部との境界の角部、該戸先稜角面部とそれに続く段差部並びに/又は傾き部との境界の角部及び該段差部並びに/又は傾き部と裏側面との境界の角部の間の長さ、及び戸先側芯材における貼着面に対応した貼着面が形成され、且つ前記境界の角部に対応した角度を有する斜め対向面が形成されているので、芯材の角部に沿わせて、表面板材を芯材の外表面に、密着させて貼着することができる。
請求項3の発明によれば、表面材は、戸先側芯材と後端側芯材との間に跨って、平面状に架設されているので、表面がフラットな戸を得ることができる。
請求項4の発明によれば、前記表面板材は、少なくとも、芯材の戸先側先端の段差部並びに/又は傾き部と該戸先側先端に続く表側面との境界の角部及び戸先側先端の段差部並びに/又は傾き部と該戸先側先端に続く裏側面との境界の角部の間の長さ、及び貼着面に対応した貼着面が形成され、且つ前記境界の角部に対応した角度を有する斜め対向面が形成されているので、芯材の角部に沿わせて、表面板材を芯材の外表面に、密着させて貼着することができる。
請求項5の発明によれば、表面板材は、芯材側の貼着面と表面シート側の面とが平行な平面状に形成され、芯材の前記境界の角部に対応した位置において、芯材の貼着面に対応した貼着面より表面シート側の面に向けて切削されてなる断面V字型の斜め対向面が形成されているので、芯材の角部に沿わせて、表面板材を芯材の外表面に、密着させて貼着することができる。
請求項6の発明によれば、引き違い戸は、左右一対で形成され、閉止位置から引き違い位置に移動させるときに前方に移動する一方の引き違い戸は、戸先側先端と他方の引き違い戸の戸先側先端とが接触しないように形成されるとともに、他方の引き違い戸は、戸先側先端と他方の引き違い戸の戸先側先端とが接触しないように形成されているので、その角度に対応して、左右の引き違い戸を開閉できる。
請求項7の発明によれば、閉じた位置においてフラット配置(平面)される複数の戸が、開閉時に、閉止位置と引き違い位置との間において前方及び/又は後方に移動前方及び/又は後方に移動し且つ一方が他方の前面において平行に往復移動するように形成された引き違い戸の製法において、戸先側先端に段差部及び/又は傾き部が形成され、該戸先に続く表側面及び裏側面が略平面に形成された戸先側芯材と、戸の後端側を形成する後端側芯材とを有する芯材を形成する、芯材を形成するステップと、可撓性を有する表面シートの裏面側に、少なくとも、芯材の戸先側先端の段差部並びに/又は傾き部と該戸先側先端に続く表側面との境界の角部、戸先側先端の段差部並びに/又は傾き部と該戸先側先端に続く裏側面との境界の角部の間の長さ、及び貼着面に対応した貼着面が形成され、且つ前記境界の角部に対応した角度を有する斜め対向面が形成された表面板材を形成する、表面材を形成するステップと、前記表面材は、表面板材の斜め対向面を接近させるように表面シートが折り曲げられ、表面板材を戸先側芯材の外表面に貼着して、前記隣り合う戸先に、前記前方又は後方に移動するための段差部及び/又は傾き部を形成する、戸を形成するステップとを含むので、閉じた位置においてフラット配置(平面)された複数の戸が、開閉時に、前方及び/又は後方に移動し且つ一方が他方の前面において平行に移動するように形成された引き違い戸を比較的容易に製造することができる。
請求項8の発明によれば、前記戸先側芯材は、略平面状表側面に適宜な角度をもって連設された戸先稜角面部と、該戸先稜角面部に続いて、裏側面に到る段差部及び/又は傾き部とを有し、前記表面板材は、少なくとも、戸先側芯材における、表側面と戸先稜角面部との境界の角部、該戸先稜角面部とそれに続く段差部並びに/又は傾き部との境界の角部、該段差部並びに/又は傾き部と裏側面との境界の角部の間の長さ、及び戸先側芯材における貼着面に対応した貼着面が形成され、且つ前記境界の角部に対応した角度を有する斜め対向面が形成されているので、芯材の角部に沿わせて、表面板材を芯材の外表面に、密着させて貼着することができる。
請求項9の発明によれば、芯材の前記境界の角部に対応した位置において、芯材の貼着面に対応した貼着面より表面シート側の面に向けて切削して断面V字型の斜め対向面を形成して、表面板材を形成するので、芯材の角部に沿わせて、表面板材を芯材の外表面に、密着させて貼着することができる。
【0007】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための最良の形態の説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は、この発明の一実施の形態である引き違い戸装置の正面図解図であり、図2は、この発明の一実施の形態である引き違い戸装置の平面図解図であり、図3ないし図5は、この発明の一実施の形態である引き違い戸の断面図解図である。
図6ないし図9は、この発明の一実施の形態である戸を構成する芯材及び表面材の製造工程を示す図解図である。
【0009】
この引き違い戸装置は、引き違い戸10を備え、引き違い戸10は、室内ドア、開閉間仕切りあるいはクローゼットドアーのドアーとして用いることができる。特にクローゼットドアーのドアーとして用いるに好適なものであり、閉じた位置において、並置された戸をフラット配置(平面配置)された複数の戸が、開閉時に、閉止位置と引き違い位置との間において斜め前方及び/又は斜め後方に移動し且つ一方が他方の前面において平行に往復移動するように形成されている。
引き違い戸10には、走行ユニットが取り付けられ、走行ユニットのレールに沿って走行させることによって、開閉時に、斜め前方及び/又は斜め後方に移動し且つ一方が他方の前面において平行に移動するように形成されている。
【0010】
引き違い戸10は、左右一対で形成され、閉じた位置(閉止位置)においてフラット配置(平面配置)されたとき隣り合う引き違い戸10の部分的に重なり合う戸先が、引き違い時において障害となることなく前記斜め前方又は斜め後方に移動するための段差部が形成されている。
【0011】
すなわち、閉止位置から引き違い位置に移動させるときに斜め前方に移動する一方の引き違い戸12(すなわち引きスライド扉202)は、戸先部14の戸先側先端の段差部16と該戸先側先端の段差部16に続く表側面18との境界の角度が直角に形成され、戸先側先端の段差部16と該戸先側先端の段差部16に続く裏側面20との境界の角度が直角に形成されるとともに、他方の引き違い戸32(すなわちスライド扉204)は、戸先部34の戸先側先端の段差部36と該戸先側先端の段差部36に続く表側面38との境界の角度が直角に形成され、戸先側先端の段差部36と該戸先側先端の段差部36に続く裏側面40との境界の角度が直角に形成されている。
【0012】
段差部16は、表側面18との間において直交する第1面22aを形成するように形成された第1凸部22と、第1凸部22より後端側に寄った位置において、裏側面20との間において直交する第2面24aを形成するように形成された第2凸部24と、引き違い戸12を引き違い戸32の前面において往復移動させる方向に沿い且つ第1面22aと第2面24aと直交する第3面28aを形成するように、該第1凸部22と直交するように形成された第3凸部26と、第1凸部22より後端側に寄った位置において形成された第1凹部28とを備える。
段差部36は、裏側面40との間において直交する第1面42aを形成するように形成された第1凸部42と、第1凸部42より後端側に寄った位置において、表側面38との間において直交する第2面44aを形成するように形成された第2凸部44と、引き違い戸32を引き違い戸12の後面において往復移動させる方向に沿い且つ第1面42aと第2面44aと直交する第3面48aを形成するように、該第1凸部42と直交するように形成された第3凸部46と、第1凸部42より後端側に寄った位置において形成された第1凹部48とを備える。
【0013】
段差部16は、引き違い戸12を閉止位置から、引き違い位置に移動したときに接近する引き違い戸32の戸先部34における表面側の凸部、すなわち、引き違い戸32の段差部36と表面側との境界部とが接触しないように形成されている。
すなわち、閉止位置にある引き違い戸12の段差部16の引き違い戸32側の凸部、すなわち、段差部16の第1凸部22と、閉止位置にある引き違い戸32の戸先部34における表面側の凸部、すなわち、引き違い戸32の第2凸部44とは、それを結ぶ斜線が、引き違い戸12の閉止位置から引き違い位置に移動させる斜め方向とが略々近く、且つ、引き違い戸12を閉止位置から引き違い位置に移動したときに接触しないようにするための間隔をおいて、閉止位置に固定されるように形成されている。
【0014】
引き違い戸12は、図3ないし図5で示すように、芯材50と芯材50の外表面を覆う表面材52とを有し、表面材52は、芯材50の表面すなわち戸先側芯材54と後端側芯材56との間に跨って、平面状に架設されている。
【0015】
芯材50は、戸先側先端を形成する断面略L字型の角柱状戸先側芯材54と、引き違い戸10の後端側を形成する角柱状後端側芯材56とを有する。
戸先側芯材54は、戸先側先端に段差部54cが形成され、該戸先側先端の段差部54cに続く表側面54a及び裏側面54bが略平面に形成されている。
前記戸先側芯材54は、略平面状表側面54aに略90度の角度をもって連設された第1角部54dと、略平面状裏側面54bに略90°の角度をもって連設された第2角部54eと、表側面54aから第1角部54dを経て且つ第2角部54eを経て裏側面54bに到る段差部54cとを有する。
後端側芯材56は、戸先側芯材54の表側面54aと裏側面54bとの間の長さと同一の長さの厚さを有し、略平面状の表側面56bと略平面状の裏側面56cを備え、表側面56bと裏側面56cの後端縁には、表側面56b及び裏側面56cと略90゜の角度をもって連設された稜角面部56dが形成され、全体として断面略方形の角柱状に形成されている。
【0016】
芯材50の戸先側芯材54は、表側面54aと裏側面54bとの間において形成された段差部54cを備え、段差部54cは表側面54aとの間において直交する第1貼着面54d1を形成するように形成された第1角部54dと、第1角部54dより後端側に寄った位置において裏側面54bとの間において直交する第2貼着面54e1を形成するように形成された第2角部54eと、第1角部54dとの間において直交する第1貼着面54d1を形成するように形成された第3角部54fと、第1角部54dより後端側に寄った位置において、第1貼着面54d1及び第2貼着面54e1と直交する第3貼着面54g1を形成するように形成された第1凹部54gとを備える。
芯材50の後端側芯材56は、表側面56bと稜角面部56dとの境界の角部56eと、裏側面56cと稜角面部56dとの境界の角部56fとを備える。
【0017】
芯材50は、図10で示すように、単板積層材(LVL;ラミネーテッドベニヤランバー)、ミディアム・デンシティ・ファイバーボード(MDF)、パーティクルボード等が略角柱状に成形され、この芯材50は、左右一対の戸先側芯材54と後端側芯材56との間に架設体58が架け渡されてなり、戸先側芯材54がそり等の防止目的により単板積層材(LVL;ラミネーテッドベニヤランバー)で形成されており、後端側芯材56と架設体58とがミディアム・デンシティ・ファイバーボード(MDF)等で形成されている。
【0018】
表面材52は、図6ないし図9で示すように、可撓性を有し、その表面に天然木の木目調の印刷模様等の天然系素材に近い模様を有する表面シート60と、前記表面シート60の裏面側に設けられた第1表面板材62、第2表面板材64、第3表面板材66、第4表面板材68及び第5表面板材70とを有する。
前記第1表面板材62、第2表面板材64、第3表面板材66、第4表面板材68及び第5表面板材70は、少なくとも、芯材50の戸先側先端の表側面54a、裏側面54b、第1貼着面54d1、第2貼着面54e1、及び第3貼着面54g1の表面に対応した貼着面62a、貼着面70a、貼着面64a、貼着面68a及び貼着面66aが形成されている。
【0019】
第1表面板材62は、芯材50側の貼着面と表面シート60側の面とが平行な平面状に形成され、第1角部54dと角部56eとの間の長さ及び戸先側芯材54における表側面54aに対応した貼着面62aが形成され、芯材50の前記第1角部54d及び角部56eに対応した位置において、芯材50の貼着面に対応した貼着面62aより表面シート60側の面に向けて断面V字型に切削されてなる斜め対向面62b、斜め対向面62cが形成されている。
第2表面板材64は、芯材50側の貼着面64aと表面シート60側の面とが平行な平面状に形成され、第1角部54dと第3角部54fとの間の長さ及び戸先側芯材54における第1貼着面54d1に対応した貼着面64aが形成され、芯材50の前記第1角部54d及び第3角部54fに対応した位置において、芯材50の貼着面に対応した貼着面64aより表面シート60側の面に向けて断面V字型に切削されてなる斜め対向面64b、斜め対向面64cが形成されている。
第3表面板材66は、芯材50側の貼着面と表面シート60側の面とが平行な平面状に形成され、第3角部54fと第1凹部54gとの間の長さ及び戸先側芯材54における第3貼着面54g1に対応した貼着面66aが形成され、芯材50の前記第3角部54f及び第1凹部54gに対応した位置において、芯材50の貼着面に対応した貼着面66aより表面シート60側の面に向けて断面V字型に切削されてなる斜め対向面66b、斜め対向面66cが形成されている。
第4表面板材68は、第1凹部54gと第2角部54eとの間の長さ及び戸先側芯材54における第2貼着面54e1に対応した貼着面68aが形成され、第1凹部54g及び第2角部54eに対応した位置において、芯材50の貼着面に対応した貼着面68aより表面シート60側に向けて断面V字型に切削されてなる対向面斜め対向面68b、斜め対向面68cが形成されている。
【0020】
第5表面板材70は、第2角部54eより後端側の戸先側芯材54の裏側面54bに対応した貼着面70aが形成され、第2角部54eに対応した位置において、芯材50の裏側面54bに対応した貼着面70aより表面シート60側に向けて断面V字型に切削されてなる斜め対向面70cが形成されるとともに、第8表面板材76との対向面70bが形成されている。
【0021】
第6表面板材72は、芯材50の後端側芯材56の稜角面部56d側の貼着面と表面シート60側の面とが平行な平面状に形成され、角部56eと角部56fとの間の長さ及び後端側芯材56における稜角面部56dに対応した貼着面72aが形成され、芯材50の前記境界の角部56e及び角部56fに対応した位置において、芯材50の貼着面に対応した貼着面72aより表面シート60側の面に向けて断面V字型に切削されてなる斜め対向面72b、斜め対向面72cが形成されている。
第7表面板材74は、芯材50側の貼着面と表面シート60側の面とが平行な平面状に形成され、角部56fより前端側の後端側芯材56の裏側面56cに対応した貼着面72aが形成され、芯材50の前記境界の角部56fに対応した位置において、芯材50の貼着面に対応した貼着面74aより表面シート60側の面に向けて断面V字型に切削されてなる斜め対向面74bが形成されるとともに、第8表面板材76との対向面74cが形成されている。
第8表面板材76は、芯材50側の貼着面と表面シート60側の面とが平行な平面状に形成され、芯材50の戸先側芯材54及び後端側芯材56の前記裏面に対応した位置において、芯材50の戸先側芯材54及び後端側芯材56の貼着面に対応した貼着面76aより表面シート60側の面に向けて切削されてなる対向面76b、対向面76cが形成されている。
【0022】
更に、第1表面板材62及び第2表面板材64は、図6及び図7において示すように、前記戸先側芯材54の境界の第1角部54dに対応した角度を有するその両端の斜め対向面62bと斜め対向面64cとを接近させるように表面シート60が折り曲げられ、第1表面板材62及び第2表面板材64は、戸先側芯材54の外表面の貼着面たる第1貼着面54d1に貼着されて、前記隣り合う戸先に、前記第1面22aが形成されている。
更に、第2表面板材64及び第3表面板材66は、図6及び図7において示すように、前記戸先側芯材54の第3角部54fに対応した角度を有するその両端の斜め対向面64bと斜め対向面66cとを接近させるように表面シート60が折り曲げられ、第2表面板材64及び第3表面板材66は、戸先側芯材54の外表面の貼着面たる第3貼着面54g1に貼着されて、前記隣り合う戸先に、前記第3面28aが形成されている。
更に、第3表面板材66及び第4表面板材68は、図6及び図7において示すように、前記戸先側芯材54の第1凹部54gに対応した角度を有するその両端の斜め対向面66bと斜め対向面68cとを拡開させるように表面シート60が折り曲げられ、第3表面板材66及び第4表面板材68は、戸先側芯材54の外表面の貼着面たる第2貼着面54e1に貼着されて、前記隣り合う戸先に、前記第2面24aが形成されている。
更に、第4表面板材68及び第5表面板材70は、図6及び図7において示すように、前記戸先側芯材54の第2角部54eに対応した角度を有するその両端の斜め対向面68bと斜め対向面70cとを接近させるように表面シート60が折り曲げられ、第4表面板材68及び第5表面板材70は戸先側芯材54の外表面の貼着面に貼着されて、引き違い戸12の平面状裏面が形成されている。
【0023】
更に、第1表面板材62及び第6表面板材72は、図6及び図7において示すように、前記後端側芯材56の境界の角部56eに対応した角度を有するその両端の斜め対向面62cと斜め対向面72bとを接近させるように表面シート60が折り曲げられ、第1表面板材62及び第6表面板材72は、後端側芯材56の外表面の貼着面に貼着されて、後端側稜角面部を形成している。
【0024】
第6表面板材72及び第7表面板材74は、斜め対向面72c及び斜め対向面74bを接近させるようにして、後端側芯材56の裏面側の外表面に貼着されて、引き違い戸12の平面状裏面が形成されている。
更に、第8表面板材76と第5表面板材70及び第7表面板材74とは、対向面76bと対向面70b及び対向面76cと対向面74cとが対向するようにして、戸先側芯材54及び後端側芯材56の裏面側の外表面の貼着面に貼着されて、引き違い戸12の平面状裏面が形成されている。
【0025】
もう一方の引き違い戸32は、図5、8及び9で示すように、芯材150と芯材150の外表面を覆う表面材152とを有し、表面材152は、芯材150の表面すなわち戸先側芯材154と後端側芯材156との間に跨って、平面状に架設されている。
【0026】
芯材150は、戸先側先端を形成する断面略L字型の角柱状戸先側芯材154と、引き違い戸10の後端側を形成する角柱状後端側芯材156とを有する。
戸先側芯材154は、戸先側先端に段差部154cが形成され、該戸先側先端の段差部154cに続く表側面154b及び裏側面154aが略平面に形成されている。
前記戸先側芯材154は、略平面状裏側面154aに略90度の角度をもって連設された第1角部154dと、略平面状表側面154bに略90°の角度をもって連設された第2角部154eと、裏側面154aから第1角部154dを経て且つ第2角部154eを経て表側面154bに到る段差部154cとを有する。
後端側芯材156は、戸先側芯材154の表側面154bと裏側面154aとの間の長さと同一の長さの厚さを有し、略平面状の表側面156cと略平面状の裏側面156bを備え、表側面156cと裏側面156bの後端縁には、表側面156c及び裏側面156bと略90゜の角度をもって連設された稜角面部156dが形成され、全体として断面略方形の角柱状に形成されている。
【0027】
芯材150の戸先側芯材154は、表側面154bと裏側面154aとの間において形成された段差部154cを備え、段差部154cは裏側面154aとの間において直交する第1貼着面154d1を形成するように形成された第1角部154dと、第1角部154dより後端側に寄った位置において表側面154bとの間において直交する第2貼着面154e1を形成するように形成された第2角部154eと、第1角部154dとの間において直交する第1貼着面154d1を形成するように形成された第3角部154fと、第1角部154dより後端側に寄った位置において、第1貼着面154d1及び第2貼着面154e1と直交する第3貼着面154g1を形成するように形成された第1凹部154gとを備える。
芯材150の後端側芯材156は、裏側面156bと稜角面部156dとの境界の角部156eと、表側面156cと稜角面部156dとの境界の角部156fとを備える。
【0028】
芯材150は、図10で示すように、単板積層材(LVL;ラミネーテッドベニヤランバー)、ミディアム・デンシティ・ファイバーボード(MDF)、パーティクルボード等が略角柱状に成形され、この芯材150は、左右一対の戸先側芯材154と後端側芯材156との間に架設体158が架け渡されてなり、戸先側芯材154がそり等の防止目的により単板積層材(LVL;ラミネーテッドベニヤランバー)で形成されており、後端側芯材156と架設体158とがミディアム・デンシティ・ファイバーボード(MDF)等で形成されている。
【0029】
表面材152は、図8及び図9で示すように、可撓性を有し、その表面に天然木の木目調の印刷模様等の天然系素材に近い模様を有する表面シート160と、前記表面シート160の裏面側に設けられた第1表面板材162、第2表面板材164、第3表面板材166、第4表面板材168及び第5表面板材170とを有する。
前記第1表面板材162、第2表面板材164、第3表面板材166、第4表面板材168及び第5表面板材170は、少なくとも、芯材150の戸先側先端の表側面154b、裏側面154a、第1貼着面154d1、第2貼着面154e1、及び第3貼着面154g1の表面に対応した貼着面162a、貼着面170a、貼着面164a、貼着面168a及び貼着面166aが形成されている。
【0030】
第1表面板材162は、芯材150側の貼着面と表面シート160側の面とが平行な平面状に形成され、第2角部154eと角部156fとの間の長さ及び戸先側芯材154における表側面154bに対応した貼着面162aが形成され、芯材150の前記第2角部154e及び角部156fに対応した位置において、芯材150の貼着面に対応した貼着面162aより表面シート160側の面に向けて断面V字型に切削されてなる斜め対向面162b、斜め対向面162cが形成されている。
第2表面板材164は、芯材150側の貼着面164aと表面シート160側の面とが平行な平面状に形成され、第1角部154dと第3角部154fとの間の長さ及び戸先側芯材154における第1貼着面154d1に対応した貼着面164aが形成され、芯材150の前記第1角部154d及び第3角部154fに対応した位置において、芯材150の貼着面に対応した貼着面164aより表面シート160側の面に向けて断面V字型に切削されてなる斜め対向面164b、斜め対向面164cが形成されている。
第3表面板材166は、芯材150側の貼着面と表面シート160側の面とが平行な平面状に形成され、第3角部154fと第1凹部154gとの間の長さ及び戸先側芯材154における第3貼着面154g1に対応した貼着面166aが形成され、芯材150の前記第3角部154f及び第1凹部154gに対応した位置において、芯材150の貼着面に対応した貼着面166aより表面シート160側の面に向けて断面V字型に切削されてなる斜め対向面166b、斜め対向面166cが形成されている。
第4表面板材168は、第1凹部154gと第2角部154eとの間の長さ及び戸先側芯材154における第2貼着面154e1に対応した貼着面168aが形成され、第1凹部154g及び第2角部154eに対応した位置において、芯材150の貼着面に対応した貼着面168aより表面シート160側に向けて断面V字型に切削されてなる対向面斜め対向面168b、斜め対向面168cが形成されている。
【0031】
第5表面板材170は、第1角部154dより後端側の戸先側芯材154の裏側面154aに対応した貼着面170aが形成され、第1角部154dに対応した位置において、芯材150の裏側面154aに対応した貼着面170aより表面シート160側に向けて断面V字型に切削されてなる斜め対向面170bが形成されるとともに、第8表面板材176との対向面170cが形成されている。
【0032】
第6表面板材172は、芯材150の後端側芯材156の稜角面部156d側の貼着面と表面シート160側の面とが平行な平面状に形成され、角部156eと角部156fとの間の長さ及び後端側芯材156における稜角面部156dに対応した貼着面172aが形成され、芯材150の前記境界の角部156e及び角部156fに対応した位置において、芯材150の貼着面に対応した貼着面172aより表面シート160側の面に向けて断面V字型に切削されてなる斜め対向面172b、斜め対向面172cが形成されている。
第7表面板材174は、芯材150側の貼着面と表面シート160側の面とが平行な平面状に形成され、角部156fより前端側の後端側芯材156の裏側面156bに対応した貼着面172aが形成され、芯材150の前記境界の角部156fに対応した位置において、芯材150の貼着面に対応した貼着面174aより表面シート60側の面に向けて断面V字型に切削されてなる斜め対向面174bが形成されるとともに、第8表面板材176との対向面174cが形成されている。
第8表面板材176は、芯材150側の貼着面と表面シート160側の面とが平行な平面状に形成され、芯材150の戸先側芯材154及び後端側芯材156の前記裏面に対応した位置において、芯材150の戸先側芯材154及び後端側芯材156の貼着面に対応した貼着面176aより表面シート160側の面に向けて切削されてなる対向面176b、対向面176cが形成されている。
【0033】
更に、第5表面板材170及び第2表面板材164は、図8及び図9において示すように、前記戸先側芯材154の境界の第1角部154dに対応した角度を有するその両端の斜め対向面170bと斜め対向面164cとを接近させるように表面シート160が折り曲げられ、第5表面板材170及び第2表面板材164は、戸先側芯材154の外表面の貼着面たる第1貼着面154d1に貼着されて、前記隣り合う戸先に、前記第1面42aが形成されている。
更に、第2表面板材164及び第3表面板材166は、図8及び図9において示すように、前記戸先側芯材154の段差部154cに対応した角度を有するその両端の斜め対向面164bと斜め対向面166cとを接近させるように表面シート160が折り曲げられ、第2表面板材164及び第3表面板材166は、戸先側芯材154の外表面の貼着面たる第3貼着面154g1に貼着されて、前記隣り合う戸先に、前記第3面48aが形成されている。
更に、第3表面板材166及び第4表面板材168は、図8及び図9において示すように、前記戸先側芯材154の第1凹部154gに対応した角度を有するその両端の斜め対向面166bと斜め対向面168cとを拡開させるように表面シート160が折り曲げられ、第3表面板材166及び第4表面板材168は、戸先側芯材154の外表面の貼着面たる第2貼着面154e1に貼着されて、前記隣り合う戸先に、前記第2面44aが形成されている。
更に、第4表面板材168及び第1表面板材162は、図8及び図9において示すように、前記戸先側芯材154の第2角部154eに対応した角度を有するその両端の斜め対向面168bと斜め対向面162cとを接近させるように表面シート160が折り曲げられ、第4表面板材168及び第1表面板材162は戸先側芯材154の外表面の貼着面に貼着されて、引き違い戸32の平面状表面が形成されている。
【0034】
更に、第1表面板材162及び第6表面板材172は、図8及び図9において示すように、前記後端側芯材156の境界の角部156fに対応した角度を有するその両端の斜め対向面162bと斜め対向面172bとを接近させるように表面シート160が折り曲げられ、第1表面板材162及び第6表面板材172は、後端側芯材156の外表面の貼着面に貼着されて、後端側稜角面部を形成している。
【0035】
第6表面板材172及び第7表面板材174は、斜め対向面172c及び斜め対向面174bを接近させるようにして、後端側芯材156の裏面側の外表面に貼着されて、引き違い戸32の平面状裏面が形成されている。
更に、第8表面板材176と第5表面板材170及び第7表面板材174とは、対向面176cと対向面170c及び対向面176bと対向面174cとが対向するようにして、戸先側芯材154及び後端側芯材156の裏面側の外表面の貼着面に貼着されて、引き違い戸32の平面状裏面が形成されている。
【0036】
図11ないし図13は、この発明の一実施の形態である引き違い戸の断面図解図である。
図14ないし図17は、この発明の一実施の形態である戸を構成する芯材及び表面材の製造工程を示す図解図である。
【0037】
この引き違い戸装置は、引き違い戸310を備え、引き違い戸310は、室内ドア、開閉間仕切りあるいはクローゼットドアーのドアーとして用いることができる。特にクローゼットドアーのドアーとして用いるに好適なものであり、閉じた位置において、並置された戸をフラット配置(平面配置)された複数の戸が、開閉時に、閉止位置と引き違い位置との間において斜め前方及び/又は斜め後方に移動し且つ一方が他方の前面において平行に往復移動するように形成されている。
引き違い戸310には、走行ユニットが取り付けられ、走行ユニットのレールに沿って走行させることによって、開閉時に、斜め前方及び/又は斜め後方に移動し且つ一方が他方の前面において平行に移動するように形成されている。
【0038】
引き違い戸310は、左右一対で形成され、閉じた位置(閉止位置)においてフラット配置(平面配置)されたとき隣り合う引き違い戸310の部分的に重なり合う戸先が、引き違い時において障害となることなく前記斜め前方又は斜め後方に移動するための段差部が形成されている。
【0039】
すなわち、閉止位置から引き違い位置に移動させるときに斜め前方に移動する一方の引き違い戸312(すなわち引きスライド扉502)は、戸先部314の戸先側先端の段差部316と該戸先側先端の段差部316に続く表側面318との境界の角度が直角に形成され、戸先側先端の段差部316と該戸先側先端の段差部316に続く裏側面320との境界の角度が鈍角に形成されるとともに、他方の引き違い戸332(すなわちスライド扉504)は、戸先部334の戸先側先端の段差部336と該戸先側先端の段差部336に続く表側面338との境界の角度が鈍角に形成され、戸先側先端の段差部336と該戸先側先端の段差部336に続く裏側面340との境界の角度が直角に形成されている。
【0040】
段差部316は、表側面318との間において直交する第1面322aを形成するように形成された第1凸部322と、第1凸部322より後端側に寄った位置において、裏側面320との間において、引き違い戸312を引き違い戸332の前面において往復移動させる方向に沿って斜交する第2面324aを形成するように形成された第2凸部324と、第1面322aと第2面324aと直交する第3面328aを形成するように、該第1凸部322と直交するように形成された第3凸部326と、第1凸部322より後端側に寄った位置において形成された第1凹部328とを備える。
段差部336は、裏側面340との間において直交する第1面342aを形成するように形成された第1凸部342と、第1凸部342より後端側に寄った位置において、表側面338との間において、引き違い戸332を引き違い戸312の後面において往復移動させる方向に沿って斜交する第2面344aを形成するように形成された第2凸部344と、第1面342aと第2面344aと直交する第3面348aを形成するように、該第1凸部342と直交するように形成された第3凸部346と、第1凸部342より後端側に寄った位置において形成された第1凹部348とを備える。
【0041】
段差部316は、引き違い戸312を閉止位置から、引き違い位置に移動したときに接近する引き違い戸332の戸先部334における表面側の凸部、すなわち、引き違い戸332の段差部336と表面側との境界部とが接触しないように形成されている。
すなわち、閉止位置にある引き違い戸312の段差部316の引き違い戸332側の凸部、すなわち、段差部316の第1凸部322と、閉止位置にある引き違い戸332の戸先部334における表面側の凸部、すなわち、引き違い戸332の第2凸部344とは、それを結ぶ斜線が、引き違い戸312の閉止位置から引き違い位置に移動させる斜め方向とが略々近く、且つ、引き違い戸312を閉止位置から引き違い位置に移動したときに接触しないようにするための間隔をおいて、閉止位置に固定されるように形成されている。
【0042】
引き違い戸312は、図11ないし図13で示すように、芯材350と芯材350の外表面を覆う表面材352とを有し、表面材352は、芯材350の表面すなわち戸先側芯材354と後端側芯材356との間に跨って、平面状に架設されている。
【0043】
芯材350は、戸先側先端を形成する断面略L字型の角柱状戸先側芯材354と、引き違い戸310の後端側を形成する角柱状後端側芯材356とを有する。
戸先側芯材354は、戸先側先端に段差部354cが形成され、該戸先側先端の段差部354cに続く表側面354a及び裏側面354bが略平面に形成されている。
前記戸先側芯材354は、略平面状表側面354aに略90度の角度をもって連設された第1角部354dと、略平面状裏側面354bに鈍角をもって連設された第2角部354eと、表側面354aから第1角部354dを経て且つ第2角部354eを経て裏側面354bに到る段差部354cとを有する。
後端側芯材356は、戸先側芯材354の表側面354aと裏側面354bとの間の長さと同一の長さの厚さを有し、略平面状の表側面356bと略平面状の裏側面356cを備え、表側面356bと裏側面356cの後端縁には、表側面356b及び裏側面356cと略90゜の角度をもって連設された稜角面部356dが形成され、全体として断面略方形の角柱状に形成されている。
【0044】
芯材350の戸先側芯材354は、表側面354aと裏側面354bとの間において形成された段差部354cを備え、段差部354cは表側面354aとの間において直交する第1貼着面354d1を形成するように形成された第1角部354dと、第1角部354dより後端側に寄った位置において裏側面354bとの間において斜交する第2貼着面354e1を形成するように形成された第2角部354eと、第1角部354dとの間において直交する第1貼着面354d1を形成するように形成された第3角部354fと、第1角部354dより後端側に寄った位置において、第1貼着面354d1と直交し且つ第2貼着面354e1と斜交する第3貼着面354g1を形成するように形成された第1凹部354gとを備える。
芯材350の後端側芯材356は、表側面356bと稜角面部356dとの境界の角部356eと、裏側面356cと稜角面部356dとの境界の角部356fとを備える。
【0045】
芯材350は、図18で示すように、単板積層材(LVL;ラミネーテッドベニヤランバー)、ミディアム・デンシティ・ファイバーボード(MDF)、パーティクルボード等が略角柱状に成形され、この芯材350は、左右一対の戸先側芯材354と後端側芯材356との間に架設体358が架け渡されてなり、戸先側芯材354がそり等の防止目的により単板積層材(LVL;ラミネーテッドベニヤランバー)で形成されており、後端側芯材356と架設体358とがミディアム・デンシティ・ファイバーボード(MDF)等で形成されている。
【0046】
表面材352は、図14ないし図17で示すように、可撓性を有し、その表面に天然木の木目調の印刷模様等の天然系素材に近い模様を有する表面シート360と、前記表面シート360の裏面側に設けられた第1表面板材362、第2表面板材364、第3表面板材366、第4表面板材368及び第5表面板材370とを有する。
前記第1表面板材362、第2表面板材364、第3表面板材366、第4表面板材368及び第5表面板材370は、少なくとも、芯材350の戸先側先端の表側面354a、裏側面354b、第1貼着面354d1、第2貼着面354e1、及び第3貼着面354g1の表面に対応した貼着面362a、貼着面370a、貼着面364a、貼着面368a及び貼着面366aが形成されている。
【0047】
第1表面板材362は、芯材350側の貼着面と表面シート360側の面とが平行な平面状に形成され、第1角部354dと角部356eとの間の長さ及び戸先側芯材354における表側面354aに対応した貼着面362aが形成され、芯材350の前記第1角部354d及び角部356eに対応した位置において、芯材350の貼着面に対応した貼着面362aより表面シート360側の面に向けて断面V字型に切削されてなる斜め対向面362b、斜め対向面362cが形成されている。
第2表面板材364は、芯材350側の貼着面364aと表面シート360側の面とが平行な平面状に形成され、第1角部354dと第3角部354fとの間の長さ及び戸先側芯材354における第1貼着面354d1に対応した貼着面364aが形成され、芯材350の前記第1角部354d及び第3角部354fに対応した位置において、芯材350の貼着面に対応した貼着面364aより表面シート360側の面に向けて断面V字型に切削されてなる斜め対向面364b、斜め対向面364cが形成されている。
第3表面板材366は、芯材350側の貼着面と表面シート360側の面とが平行な平面状に形成され、第3角部354fと第1凹部354gとの間の長さ及び戸先側芯材354における第3貼着面354g1に対応した貼着面366aが形成され、芯材350の前記第3角部354f及び第1凹部354gに対応した位置において、芯材350の貼着面に対応した貼着面366aより表面シート360側の面に向けて断面V字型に切削されてなる斜め対向面366b、斜め対向面366cが形成されている。
第4表面板材368は、第1凹部354gと第2角部354eとの間の長さ及び戸先側芯材354における第2貼着面354e1に対応した貼着面368aが形成され、第1凹部354g及び第2角部354eに対応した位置において、芯材350の貼着面に対応した貼着面368aより表面シート360側に向けて断面V字型に切削されてなる対向面斜め対向面368b、斜め対向面368cが形成されている。
【0048】
第5表面板材370は、第2角部354eより後端側の戸先側芯材354の裏側面354bに対応した貼着面370aが形成され、第2角部354eに対応した位置において、芯材350の裏側面354bに対応した貼着面370aより表面シート360側に向けて断面V字型に切削されてなる斜め対向面370cが形成されるとともに、第8表面板材376との対向面370bが形成されている。
【0049】
第6表面板材372は、芯材350の後端側芯材356の稜角面部356d側の貼着面と表面シート360側の面とが平行な平面状に形成され、角部356eと角部356fとの間の長さ及び後端側芯材356における稜角面部356dに対応した貼着面372aが形成され、芯材350の前記境界の角部356e及び角部356fに対応した位置において、芯材350の貼着面に対応した貼着面372aより表面シート360側の面に向けて断面V字型に切削されてなる斜め対向面372b、斜め対向面372cが形成されている。
第7表面板材374は、芯材350側の貼着面と表面シート360側の面とが平行な平面状に形成され、角部356fより前端側の後端側芯材356の裏側面356cに対応した貼着面372aが形成され、芯材350の前記境界の角部356fに対応した位置において、芯材350の貼着面に対応した貼着面374aより表面シート360側の面に向けて断面V字型に切削されてなる斜め対向面374bが形成されるとともに、第8表面板材376との対向面374cが形成されている。
第8表面板材376は、芯材350側の貼着面と表面シート360側の面とが平行な平面状に形成され、芯材350の戸先側芯材354及び後端側芯材356の前記裏面に対応した位置において、芯材350の戸先側芯材354及び後端側芯材356の貼着面に対応した貼着面376aより表面シート360側の面に向けて切削されてなる対向面376b、対向面376cが形成されている。
【0050】
更に、第1表面板材362及び第2表面板材364は、図14及び図15において示すように、前記戸先側芯材354の境界の第1角部354dに対応した角度を有するその両端の斜め対向面362bと斜め対向面364cとを接近させるように表面シート360が折り曲げられ、第1表面板材362及び第2表面板材364は、戸先側芯材354の外表面の貼着面に貼着されて、前記隣り合う戸先に、前記第1面322aが形成されている。
更に、第2表面板材364及び第3表面板材366は、図14及び図15において示すように、前記戸先側芯材354の第3角部354fに対応した角度を有するその両端の斜め対向面364bと斜め対向面366cとを接近させるように表面シート360が折り曲げられ、第2表面板材364及び第3表面板材366は、戸先側芯材354の外表面の貼着面に貼着されて、前記隣り合う戸先に、前記第3面328aが形成されている。
更に、第3表面板材366及び第4表面板材368は、図14及び図15において示すように、前記戸先側芯材354の第1凹部354gに対応した角度を有するその両端の斜め対向面366bと斜め対向面368cとを拡開させるように表面シート360が折り曲げられ、第3表面板材366及び第4表面板材368は、戸先側芯材354の外表面の貼着面に貼着されて、前記隣り合う戸先に、前記第2面324aが形成されている。
更に、第4表面板材368及び第5表面板材370は、図14及び図15において示すように、前記戸先側芯材354の第2角部354eに対応した角度を有するその両端の斜め対向面368bと斜め対向面370cとを接近させるように表面シート360が折り曲げられ、第4表面板材368及び第5表面板材370は戸先側芯材354の外表面の貼着面に貼着されて、引き違い戸312の平面状裏面が形成されている。
【0051】
更に、第1表面板材362及び第6表面板材372は、図14及び図15において示すように、前記後端側芯材356の境界の角部356eに対応した角度を有するその両端の斜め対向面362cと斜め対向面372bとを接近させるように表面シート360が折り曲げられ、第1表面板材362及び第6表面板材372は、後端側芯材356の外表面の貼着面に貼着されて、後端側稜角面部を形成している。
【0052】
第6表面板材372及び第7表面板材374は、斜め対向面372c及び斜め対向面374bを接近させるようにして、後端側芯材356の裏面側の外表面に貼着されて、引き違い戸312の平面状裏面が形成されている。
更に、第8表面板材376と第5表面板材370及び第7表面板材374とは、対向面376bと対向面370b及び対向面376cと対向面374cとが対向するようにして、戸先側芯材354及び後端側芯材356の裏面側の外表面の貼着面に貼着されて、引き違い戸312の平面状裏面が形成されている。
【0053】
もう一方の引き違い戸332は、図13、16及び17で示すように、芯材450と芯材450の外表面を覆う表面材452とを有し、表面材452は、芯材450の表面すなわち戸先側芯材454と後端側芯材456との間に跨って、平面状に架設されている。
【0054】
芯材450は、戸先側先端を形成する断面略L字型の角柱状戸先側芯材454と、引き違い戸310の後端側を形成する角柱状後端側芯材456とを有する。
戸先側芯材454は、戸先側先端に段差部454cが形成され、該戸先側先端の段差部454cに続く表側面454b及び裏側面454aが略平面に形成されている。
前記戸先側芯材454は、略平面状裏側面454aに略90度の角度をもって連設された第1角部454dと、略平面状表側面454bに鈍角をもって連設された第2角部454eと、裏側面454aから第1角部454dを経て且つ第2角部454eを経て表側面454bに到る段差部454cとを有する。
後端側芯材456は、戸先側芯材454の表側面454bと裏側面454aとの間の長さと同一の長さの厚さを有し、略平面状の表側面456cと略平面状の裏側面456bを備え、表側面456cと裏側面456bの後端縁には、表側面456c及び裏側面456bと略90゜の角度をもって連設された稜角面部456dが形成され、全体として断面略方形の角柱状に形成されている。
【0055】
芯材450の戸先側芯材454は、表側面454bと裏側面454aとの間において形成された段差部454cを備え、段差部454cは表側面454aとの間において直交する第1貼着面454d1を形成するように形成された第1角部454dと、第1角部454dより後端側に寄った位置において表側面454bとの間において斜交する第2貼着面454e1を形成するように形成された第2角部454eと、第1角部454dとの間において直交する第1貼着面454d1を形成するように形成された第3角部454fと、第1角部454dより後端側に寄った位置において、第1貼着面454d1と直交し且つ第2貼着面454e1と斜交する第3貼着面454g1を形成するように形成された第1凹部454gとを備える。
芯材450の後端側芯材456は、裏側面456bと稜角面部456dとの境界の角部456eと、表側面456cと稜角面部456dとの境界の角部456fとを備える。
【0056】
芯材450は、図18で示すように、単板積層材(LVL;ラミネーテッドベニヤランバー)、ミディアム・デンシティ・ファイバーボード(MDF)、パーティクルボード等が略角柱状に成形され、この芯材450は、左右一対の戸先側芯材454と後端側芯材456との間に架設体458が架け渡されてなり、戸先側芯材454がそり等の防止目的により単板積層材(LVL;ラミネーテッドベニヤランバー)で形成されており、後端側芯材456と架設体458とがミディアム・デンシティ・ファイバーボード(MDF)等で形成されている。
【0057】
表面材452は、図16及び図17で示すように、可撓性を有し、その表面に天然木の木目調の印刷模様等の天然系素材に近い模様を有する表面シート460と、前記表面シート460の裏面側に設けられた第1表面板材462、第2表面板材464、第3表面板材466、第4表面板材468及び第5表面板材470とを有する。
前記第1表面板材462、第2表面板材464、第3表面板材466、第4表面板材468及び第5表面板材470は、少なくとも、芯材450の戸先側先端の表側面454b、裏側面454a、第1貼着面454d1、第2貼着面454e1、及び第3貼着面454g1の表面に対応した貼着面462a、貼着面470a、貼着面464a、貼着面468a及び貼着面466aが形成されている。
【0058】
第1表面板材462は、芯材450側の貼着面と表面シート460側の面とが平行な平面状に形成され、第2角部454eと角部456fとの間の長さ及び戸先側芯材454における表側面454bに対応した貼着面462aが形成され、芯材450の前記第2角部454e及び456fに対応した位置において、芯材450の貼着面に対応した貼着面462aより表面シート460側の面に向けて断面V字型に切削されてなる斜め対向面462b、斜め対向面462cが形成されている。
第2表面板材464は、芯材450側の貼着面464aと表面シート460側の面とが平行な平面状に形成され、第1角部454dと第3角部454fとの間の長さ及び戸先側芯材454における第1貼着面454d1に対応した貼着面464aが形成され、芯材450の前記第1角部454d及び第3角部454fに対応した位置において、芯材450の貼着面に対応した貼着面464aより表面シート460側の面に向けて断面V字型に切削されてなる斜め対向面464b、斜め対向面464cが形成されている。
第3表面板材466は、芯材450側の貼着面と表面シート460側の面とが平行な平面状に形成され、第3角部454fと第1凹部454gとの間の長さ及び戸先側芯材454における第3貼着面454g1に対応した貼着面466aが形成され、芯材450の前記第3角部454f及び第1凹部454gに対応した位置において、芯材450の貼着面に対応した貼着面466aより表面シート460側の面に向けて断面V字型に切削されてなる斜め対向面466b、斜め対向面466cが形成されている。
第4表面板材468は、第1凹部454gと第2角部454eとの間の長さ及び戸先側芯材454における第2貼着面454e1に対応した貼着面468aが形成され、第1凹部454g及び第2角部454eに対応した位置において、芯材450の貼着面に対応した貼着面468aより表面シート460側に向けて断面V字型に切削されてなる対向面斜め対向面468b、斜め対向面468cが形成されている。
【0059】
第5表面板材470は、第1角部454dより後端側の戸先側芯材454の裏側面454aに対応した貼着面470aが形成され、第1角部454dに対応した位置において、芯材450の裏側面454aに対応した貼着面470aより表面シート460側に向けて断面V字型に切削されてなる斜め対向面470bが形成されるとともに、第8表面板材476との対向面470cが形成されている。
【0060】
第6表面板材472は、芯材450の後端側芯材456の稜角面部456d側の貼着面と表面シート460側の面とが平行な平面状に形成され、角部456eと角部456fとの間の長さ及び後端側芯材456における稜角面部456dに対応した貼着面472aが形成され、芯材450の前記境界の角部456e及び角部456fに対応した位置において、芯材450の貼着面に対応した貼着面472aより表面シート460側の面に向けて断面V字型に切削されてなる斜め対向面472b、斜め対向面472cが形成されている。
第7表面板材474は、芯材450側の貼着面と表面シート460側の面とが平行な平面状に形成され、角部456fより前端側の後端側芯材456の表側面456cに対応した貼着面472aが形成され、芯材450の前記境界の角部456fに対応した位置において、芯材450の貼着面に対応した貼着面474aより表面シート460側の面に向けて断面V字型に切削されてなる斜め対向面474bが形成されるとともに、第8表面板材476との対向面474cが形成されている。
第8表面板材476は、芯材450側の貼着面と表面シート460側の面とが平行な平面状に形成され、芯材450の戸先側芯材454及び後端側芯材456の前記裏面に対応した位置において、芯材450の戸先側芯材454及び後端側芯材456の貼着面に対応した貼着面476aより表面シート460側の面に向けて切削されてなる対向面476b、対向面476cが形成されている。
【0061】
更に、第5表面板材470及び第2表面板材464は、図16及び図17において示すように、前記戸先側芯材454の境界の第1角部454dに対応した角度を有するその両端の斜め対向面470bと斜め対向面464cとを接近させるように表面シート460が折り曲げられ、第5表面板材470及び第2表面板材464は、戸先側芯材454の外表面の貼着面に貼着されて、前記隣り合う戸先に、前記第1面342aが形成されている。
更に、第2表面板材464及び第3表面板材466は、図16及び図17において示すように、前記戸先側芯材454の段差454cに対応した角度を有するその両端の斜め対向面464bと斜め対向面466cとを接近させるように表面シート460が折り曲げられ、第2表面板材464及び第3表面板材466は、戸先側芯材454の外表面の貼着面に貼着されて、前記隣り合う戸先に、前記第3面328aが形成されている。
更に、第3表面板材466及び第4表面板材468は、図16及び図17において示すように、前記戸先側芯材454の第1凹部454gに対応した角度を有するその両端の斜め対向面466bと斜め対向面468cとを拡開させるように表面シート460が折り曲げられ、第3表面板材466及び第4表面板材468は、戸先側芯材454の外表面の貼着面に貼着されて、前記隣り合う戸先に、前記第2面348aが形成されている。
更に、第4表面板材468及び第1表面板材462は、図16及び図17において示すように、前記戸先側芯材454の第2角部454eに対応した角度を有するその両端の斜め対向面468bと斜め対向面462cとを接近させるように表面シート460が折り曲げられ、第4表面板材468及び第1表面板材462は戸先側芯材454の外表面の貼着面に貼着されて、引き違い戸332の平面状裏面が形成されている。
【0062】
更に、第1表面板材462及び第6表面板材472は、図16及び図17において示すように、前記後端側芯材456の境界の角部456fに対応した角度を有するその両端の斜め対向面462bと斜め対向面472bとを接近させるように表面シート460が折り曲げられ、第1表面板材462及び第6表面板材472は、後端側芯材456の外表面の貼着面に貼着されて、後端側稜角面部を形成している。
【0063】
第6表面板材472及び第7表面板材474は、斜め対向面472c及び斜め対向面474bを接近させるようにして、後端側芯材456の裏面側の外表面に貼着されて、引き違い戸332の平面状裏面が形成されている。
更に、第8表面板材476と第5表面板材470及び第7表面板材474とは、対向面476cと対向面470c及び対向面476bと対向面474cとが対向するようにして、戸先側芯材454及び後端側芯材456の裏面側の外表面の貼着面に貼着されて、引き違い戸332の平面状裏面が形成されている。
【0064】
図19ないし図21は、この発明の一実施の形態である引き違い戸の断面図解図である。
図22ないし図25は、この発明の一実施の形態である戸を構成する芯材及び表面材の製造工程を示す図解図である。
【0065】
この引き違い戸装置は、引き違い戸610を備え、引き違い戸610は、室内ドア、開閉間仕切りあるいはクローゼットドアーのドアーとして用いることができる。特にクローゼットドアーのドアーとして用いるに好適なものであり、閉じた位置において、並置された戸をフラット配置(平面配置)された複数の戸が、開閉時に、閉止位置と引き違い位置との間において斜め前方及び/又は斜め後方に移動し且つ一方が他方の前面において平行に往復移動するように形成されている。
引き違い戸610には、走行ユニットが取り付けられ、走行ユニットのレールに沿って走行させることによって、開閉時に、斜め前方及び/又は斜め後方に移動し且つ一方が他方の前面において平行に移動するように形成されている。
【0066】
引き違い戸610は、左右一対で形成され、閉じた位置(閉止位置)においてフラット配置(平面配置)されたとき隣り合う引き違い戸610の部分的に重なり合う戸先が、引き違い時において障害となることなく前記斜め前方又は斜め後方に移動するための傾き部が形成されている。
【0067】
すなわち、閉止位置から引き違い位置に移動させるときに斜め前方に移動する一方の引き違い戸612(すなわち引きスライド扉802)は、戸先部614の戸先側先端の傾き部を構成する段差部616と該戸先側先端の段差部616に続く表側面618との境界が円弧状に形成され、戸先側先端の段差部616と該戸先側先端の段差部616に続く裏側面620との境界の角度が鈍角に形成されるとともに、他方の引き違い戸632(すなわちスライド扉804)は、戸先部634の戸先側先端の傾き部を構成する段差部636と該戸先側先端の段差部636に続く表側面638との境界の角度が鈍角に形成され、戸先側先端の段差部636と該戸先側先端の段差部636に続く裏側面640との境界が円弧状に形成されている。
【0068】
段差部616は、表側面618との間において交差する第1面622aを形成するように形成された第1凸部622と、第1凸部622より後端側に寄った位置において、裏側面620との間において直交する第2面624aを形成するように形成された第2凸部624と、引き違い戸612を引き違い戸632の前面において往復移動させる方向に沿い且つ第1面622aと第2面624aと交差する第3凸部626とを備える。
段差部636は、裏側面640との間において交差する第1面642aを形成するように形成された第1凸部642と、第1凸部642より後端側に寄った位置において、表側面638との間において交差する第2面644aを形成するように形成された第2凸部644と、引き違い戸632を引き違い戸612の後面において往復移動させる方向に沿い且つ第1面642aと第2面644aと交差する第3凸部646とを備える。
【0069】
段差部616は、引き違い戸612を閉止位置から、引き違い位置に移動したときに接近する引き違い戸632の戸先部634における表面側の凸部、すなわち、引き違い戸632の段差部636と表面側との境界部とが接触しないように形成されている。
すなわち、閉止位置にある引き違い戸612の段差部616の引き違い戸632側の凸部、すなわち、段差部616の第1凸部622と、閉止位置にある引き違い戸632の戸先部634における表面側の凸部、すなわち、引き違い戸632の第2凸部644とは、それを結ぶ斜線が、引き違い戸612の閉止位置から引き違い位置に移動させる斜め方向とが略々近く、且つ、引き違い戸612を閉止位置から引き違い位置に移動したときに接触しないようにするための間隔をおいて、閉止位置に固定されるように形成されている。
【0070】
引き違い戸612は、図19ないし図21で示すように、芯材650と芯材650の外表面を覆う表面材652とを有し、表面材652は、芯材650の表面すなわち戸先側芯材654と後端側芯材656との間に跨って、平面状に架設されている。
【0071】
芯材650は、戸先側先端を形成する断面略L字型の角柱状戸先側芯材654と、引き違い戸610の後端側を形成する角柱状後端側芯材656とを有する。
戸先側芯材654は、戸先側先端に段差部654cが形成され、該戸先側先端の段差部654cに続く表側面654a及び裏側面654bが略平面に形成されている。
前記戸先側芯材654は、略平面状表側面654aに円弧状に連設された第1角部654dと、略平面状裏側面654bに鈍角をもって連設された第2角部654eと、裏側面654aから第1角部654dを経て且つ第2角部654eを経て裏側面654bに到る段差部654cとを有する。
後端側芯材656は、戸先側芯材654の表側面654aと裏側面654bとの間の長さと同一の長さの厚さを有し、略平面状の表側面656bと略平面状の裏側面656cを備え、表側面656bと裏側面656cの後端縁には、表側面656b及び裏側面656cと略90゜の角度をもって連設された稜角面部656dが形成され、全体として断面略方形の角柱状に形成されている。
【0072】
芯材650の戸先側芯材654は、表側面654aと裏側面654bとの間において形成された段差部654cを備え、段差部654cは表側面654aとの間において交差する第1貼着面654d1を形成するように形成された第1角部654dと、第1角部654dより後端側に寄った位置において裏側面654bとの間において鈍角で交差する第2貼着面654e1を形成するように形成された第2角部654eと、第1角部654dとの間において円弧状の第1貼着面654d1を形成するように形成された第3角部654fとを備える。
芯材650の後端側芯材656は、表側面656bと稜角面部656dとの境界の角部656eと、裏側面656cと稜角面部656dとの境界の角部656fとを備える。
【0073】
芯材650は、図26で示すように、単板積層材(LVL;ラミネーテッドベニヤランバー)、ミディアム・デンシティ・ファイバーボード(MDF)、パーティクルボード等が略角柱状に成形され、この芯材650は、左右一対の戸先側芯材654と後端側芯材656との間に架設体658が架け渡されてなり、戸先側芯材654がそり等の防止目的により単板積層材(LVL;ラミネーテッドベニヤランバー)で形成されており、後端側芯材656と架設体658とがミディアム・デンシティ・ファイバーボード(MDF)等で形成されている。
【0074】
表面材652は、図19ないし図25で示すように、可撓性を有し、その表面に天然木の木目調の印刷模様等の天然系素材に近い模様を有する表面シート660と、前記表面シート660の裏面側に設けられた第1表面板材662、第2表面板材664、第3表面板材666及び第5表面板材670とを有する。
前記第1表面板材662、第2表面板材664、第3表面板材666及び第5表面板材670は、少なくとも、芯材650の戸先側先端の裏側面654a、表側面654b、第1貼着面654d1及び第2貼着面654e1の表面に対応した貼着面662a、貼着面670a、貼着面664a及び貼着面666aが形成されている。
【0075】
第1表面板材662は、芯材650側の貼着面と表面シート660側の面とが平行な平面状に形成され、第1角部654dと角部656eとの間の長さ及び戸先側芯材654における表側面654aに対応した貼着面662aが形成され、芯材650の前記第1角部654d及び角部656eに対応した位置において、芯材650の貼着面に対応した貼着面662aより表面シート660側の面に向けて断面U字型に切削されてなる対向面662b、斜め対向面662cが形成されている。
【0076】
第2表面板材664は、芯材650側の貼着面664aと表面シート660側の面とが平行な平面状に形成され、第1角部654dと第3角部654fとの間の長さ及び戸先側芯材654における第1貼着面654d1に対応した貼着面664aが形成され、芯材650の前記第1角部654d及び第3角部654fに対応した位置において、芯材650の円弧状貼着面に対応した貼着面664aより表面シート660側の面に向けて断面U字型に切削されてなる対向面664b、対向面664cが形成されている。
第3表面板材666は、芯材650側の貼着面と表面シート660側の面とが平行な平面状に形成され、第3角部654fと第2角部654eとの間の長さ及び戸先側芯材654における第2貼着面654e1に対応した貼着面666aが形成され、芯材650の前記第3角部654f及び第2角部654eに対応した位置において、芯材650の貼着面に対応した貼着面666aより表面シート660側の面に向けて断面V字型に切削されてなる斜め対向面666b及び断面U字型に切削されてなる対向面666cが形成されている。
【0077】
第5表面板材670は、第2角部654eより後端側の戸先側芯材654の裏側面654bに対応した貼着面670aが形成され、第2角部654eに対応した位置において、芯材650の裏側面654bに対応した貼着面670aより表面シート660側に向けて断面V字型に切削されてなる斜め対向面670cが形成されるとともに、第8表面板材676との対向面670bが形成されている。
【0078】
第6表面板材672は、芯材650の後端側芯材656の稜角面部656d側の貼着面と表面シート660側の面とが平行な平面状に形成され、角部656eと角部656fとの間の長さ及び後端側芯材656における稜角面部656dに対応した貼着面672aが形成され、芯材650の前記境界の角部656e及び角部656fに対応した位置において、芯材650の貼着面に対応した貼着面672aより表面シート660側の面に向けて断面V字型に切削されてなる斜め対向面672b、斜め対向面672cが形成されている。
第7表面板材674は、芯材650側の貼着面と表面シート660側の面とが平行な平面状に形成され、角部656fより前端側の後端側芯材656の裏側面656cに対応した貼着面674aが形成され、芯材650の前記境界の角部656fに対応した位置において、芯材650の貼着面に対応した貼着面674aより表面シート660側の面に向けて断面V字型に切削されてなる斜め対向面674bが形成されるとともに、第8表面板材676との対向面674cが形成されている。
第8表面板材676は、芯材650側の貼着面と表面シート660側の面とが平行な平面状に形成され、芯材650の戸先側芯材654及び後端側芯材656の前記裏面に対応した位置において、芯材650の戸先側芯材654及び後端側芯材656の貼着面に対応した貼着面676aより表面シート660側の面に向けて切削されてなる対向面676b、対向面676cが形成されている。
【0079】
更に、第1表面板材662及び第2表面板材664は、図22及び図23において示すように、前記戸先側芯材654の境界の第1角部654d及び第1貼着面654d1に対応した角度を有するその両端の対向面662bと対向面664cとを接近させるように表面シート660が折り曲げられ、第1表面板材662及び第2表面板材664は、戸先側芯材654の外表面の貼着面たる第1貼着面654d1に貼着されて、前記隣り合う戸先に、前記第1面622aが形成されている。
更に、第2表面板材664及び第3表面板材666は、図22及び図23において示すように、前記戸先側芯材654の第3角部654fに対応した角度を有するその両端の斜め対向面664bと斜め対向面666cとを接近させるように表面シート660が折り曲げられ、第2表面板材664及び第3表面板材666は、戸先側芯材654の外表面の貼着面たる第2貼着面654e1に貼着されて、前記隣り合う戸先に、前記第3面628aが形成されている。
更に、第3表面板材666及び第5表面板材670は、図22及び図23において示すように、前記戸先側芯材654の第2角部654eに対応した角度を有するその両端の斜め対向面666bと斜め対向面670cとを接近させるように表面シート660が折り曲げられ、第3表面板材666及び第5表面板材670は戸先側芯材654の外表面の貼着面たる表側面654bに貼着されて、引き違い戸612の平面状裏面が形成されている。
【0080】
更に、第1表面板材662及び第6表面板材672は、図22及び図23において示すように、前記後端側芯材656の境界の角部656eに対応した角度を有するその両端の斜め対向面662cと斜め対向面672bとを接近させるように表面シート660が折り曲げられ、第1表面板材662及び第6表面板材672は、後端側芯材656の外表面の貼着面に貼着されて、後端側稜角面部を形成している。
【0081】
第6表面板材672及び第7表面板材674は、斜め対向面672c及び斜め対向面674bを接近させるようにして、後端側芯材656の裏面側の外表面に貼着されて、引き違い戸612の平面状裏面が形成されている。
更に、第8表面板材676と第5表面板材670及び第7表面板材674とは、対向面676bと対向面670b及び対向面676cと対向面674cとが対向するようにして、戸先側芯材654及び後端側芯材656の裏面側の外表面の貼着面に貼着されて、引き違い戸612の平面状裏面が形成されている。
【0082】
もう一方の引き違い戸632は、図20、21及び22で示すように、芯材750と芯材750の外表面を覆う表面材752とを有し、表面材752は、芯材750の表面すなわち戸先側芯材754と後端側芯材756との間に跨って、平面状に架設されている。
【0083】
芯材750は、戸先側先端を形成する断面略L字型の角柱状戸先側芯材754と、引き違い戸610の後端側を形成する角柱状後端側芯材756とを有する。
戸先側芯材754は、戸先側先端に段差部754cが形成され、該戸先側先端の段差部754cに続く表側面754b及び裏側面754aが略平面に形成されている。
前記戸先側芯材754は、略平面状裏側面754aに円弧状に連設された第1角部754dと、略平面状表側面754bに鈍角をもって連設された第2角部754eと、裏側面754aから第1角部754dを経て且つ第2角部754eを経て表側面754bに到る段差部754cとを有する。
後端側芯材756は、戸先側芯材754の表側面754bと裏側面754aとの間の長さと同一の長さの厚さを有し、略平面状の表側面756cと略平面状の裏側面756bを備え、表側面756cと裏側面756bの後端縁には、表側面756c及び裏側面756bと略90゜の角度をもって連設された稜角面部756dが形成され、全体として断面略方形の角柱状に形成されている。
【0084】
芯材750の戸先側芯材754は、表側面754bと裏側面754aとの間において形成された段差部754cを備え、段差部754cは表側面754bとの間において交差する第1貼着面754d1を形成するように形成された第1角部754dと、第1角部754dより後端側に寄った位置において表側面754bとの間において鈍角で交差する第2貼着面754e1を形成するように形成された第2角部754eと、第1角部754dとの間において円弧状の第1貼着面754d1を形成するように形成された第3角部754fとを備える。
芯材750の後端側芯材756は、裏側面756bと稜角面部756dとの境界の角部756eと、表側面756cと稜角面部756dとの境界の角部756fとを備える。
【0085】
芯材750は、図26で示すように、単板積層材(LVL;ラミネーテッドベニヤランバー)、ミディアム・デンシティ・ファイバーボード(MDF)、パーティクルボード等が略角柱状に成形され、この芯材750は、左右一対の戸先側芯材754と後端側芯材756との間に架設体758が架け渡されてなり、戸先側芯材754がそり等の防止目的により単板積層材(LVL;ラミネーテッドベニヤランバー)で形成されており、後端側芯材756と架設体758とがミディアム・デンシティ・ファイバーボード(MDF)等で形成されている。
【0086】
表面材752は、図24及び図25で示すように、可撓性を有し、その表面に天然木の木目調の印刷模様等の天然系素材に近い模様を有する表面シート760と、前記表面シート760の裏面側に設けられた第1表面板材762、第2表面板材764、第3表面板材766及び第5表面板材770とを有する。
前記第1表面板材762、第2表面板材764、第3表面板材766及び第5表面板材770は、少なくとも、芯材750の戸先側先端の表側面754b、裏側面754a、第1貼着面754d1及び第2貼着面754e1の表面に対応した貼着面762a、貼着面770a、貼着面764a及び貼着面766aが形成されている。
【0087】
第1表面板材762は、芯材750側の貼着面と表面シート760側の面とが平行な平面状に形成され、第2角部754eと角部756fとの間の長さ及び戸先側芯材754における表側面754bに対応した貼着面762aが形成され、芯材750の前記第2角部754e及び角部756fに対応した位置において、芯材750の貼着面に対応した貼着面762aより表面シート760側の面に向けて断面V字型に切削されてなる対向面762b、斜め対向面762cが形成されている。
【0088】
第2表面板材764は、芯材750側の貼着面764aと表面シート760側の面とが平行な平面状に形成され、第1角部754dと第3角部754fとの間の長さ及び戸先側芯材754における第1貼着面754d1に対応した貼着面764aが形成され、芯材750の前記第1角部754d及び第3角部754fに対応した位置において、芯材750の円弧状貼着面に対応した貼着面764aより表面シート760側の面に向けて断面V字型に切削されてなる対向面764b、対向面764cが形成されている。
第3表面板材766は、芯材750側の貼着面と表面シート760側の面とが平行な平面状に形成され、第3角部754fと第2角部754eとの間の長さ及び戸先側芯材754における第2貼着面754e1に対応した貼着面766aが形成され、芯材750の前記第3角部754f及び第2角部754eに対応した位置において、芯材750の貼着面に対応した貼着面766aより表面シート760側の面に向けて断面V字型に切削されてなる斜め対向面766b及び断面V字型に切削されてなる対向面766cが形成されている。
【0089】
第5表面板材770は、第1角部754dより後端側の戸先側芯材754の裏側面754aに対応した貼着面770aが形成され、第1角部754dに対応した位置において、芯材750の裏側面754aに対応した貼着面770aより表面シート760側に向けて断面V字型に切削されてなる斜め対向面770bが形成されるとともに、第8表面板材776との対向面770cが形成されている。
【0090】
第6表面板材772は、芯材750の後端側芯材756の稜角面部756d側の貼着面と表面シート760側の面とが平行な平面状に形成され、角部756eと角部756fとの間の長さ及び後端側芯材756における稜角面部756dに対応した貼着面772aが形成され、芯材750の前記境界の角部756e及び角部756fに対応した位置において、芯材750の貼着面に対応した貼着面772aより表面シート760側の面に向けて断面V字型に切削されてなる斜め対向面772b、斜め対向面772cが形成されている。
第7表面板材774は、芯材750側の貼着面と表面シート760側の面とが平行な平面状に形成され、角部756eより前端側の後端側芯材756の裏側面756bに対応した貼着面774aが形成され、芯材750の前記境界の角部756eに対応した位置において、芯材750の貼着面に対応した貼着面774aより表面シート760側の面に向けて断面V字型に切削されてなる斜め対向面774bが形成されるとともに、第8表面板材776との対向面774cが形成されている。
第8表面板材776は、芯材750側の貼着面と表面シート760側の面とが平行な平面状に形成され、芯材750の戸先側芯材754及び後端側芯材756の前記裏面に対応した位置において、芯材750の戸先側芯材754及び後端側芯材756の貼着面に対応した貼着面776aより表面シート760側の面に向けて切削されてなる対向面776b、対向面776cが形成されている。
【0091】
更に、第5表面板材770及び第2表面板材764は、図24及び図25において示すように、前記戸先側芯材754の境界の第1角部754d及び第1貼着面754d1に対応した角度を有するその両端の対向面770bと対向面764cとを接近させるように表面シート760が折り曲げられ、第1表面板材770及び第2表面板材764は、戸先側芯材754の外表面の貼着面たる第1貼着面754d1に貼着されて、前記隣り合う戸先に、前記第1面642aが形成されている。
更に、第2表面板材764及び第3表面板材766は、図24及び図25において示すように、前記戸先側芯材754の第3角部754fに対応した角度を有するその両端の斜め対向面764bと斜め対向面766cとを接近させるように表面シート760が折り曲げられ、第2表面板材764及び第3表面板材766は、戸先側芯材754の外表面の貼着面たる第2貼着面754e1に貼着されて、前記隣り合う戸先に、前記第3面648aが形成されている。
更に、第3表面板材766及び第1表面板材762は、図24及び図25において示すように、前記戸先側芯材754の第2角部754eに対応した角度を有するその両端の斜め対向面766bと斜め対向面762cとを接近させるように表面シート760が折り曲げられ、第4表面板材766及び第1表面板材762は戸先側芯材754の外表面の貼着面たる表側面754bに貼着されて、引き違い戸612の平面状表面が形成されている。
【0092】
更に、第1表面板材762及び第6表面板材772は、図24及び図25において示すように、前記後端側芯材756の境界の角部756fに対応した角度を有するその両端の斜め対向面762bと斜め対向面772bとを接近させるように表面シート760が折り曲げられ、第1表面板材762及び第6表面板材772は、後端側芯材756の外表面の貼着面に貼着されて、後端側稜角面部を形成している。
【0093】
第6表面板材772及び第7表面板材774は、斜め対向面772c及び斜め対向面774bを接近させるようにして、後端側芯材756の裏面側の外表面に貼着されて、引き違い戸612の平面状裏面が形成されている。
更に、第8表面板材776と第5表面板材770及び第7表面板材774とは、対向面776bと対向面770b及び対向面776cと対向面774cとが対向するようにして、戸先側芯材754及び後端側芯材756の裏面側の外表面の貼着面に貼着されて、引き違い戸612の平面状裏面が形成されている。
【0094】
なお、引き違い戸612及び引き違い戸632は、図27ないし図29に示すように変更してもよい。
図27ないし図29図示引き違い戸612は、戸先側芯材654の第1貼着面654d1が、鋭角状に形成され、戸先側芯材654の表側面654aと段差部654cとの間に第1角部654dのみが形成され、引き違い戸632も同様に形成されている。
そして、それに伴い、第2表面板材664はなく、第1表面板材662の斜め対向面662bと、第3表面板材666の斜め対向面666cとの間に、戸先側芯材654の表側面654aと段差部654cとの間に形成された第1角部654dの角度(約50°)に対応した鈍角(約130°)の断面略V字溝が形成された表面材650を、戸先側芯材654の表面に貼着されてなる。
また、図19図示引き違い戸612及び引き違い戸632は、傾き部を構成する段差部616と表側面618とのなす角度を変更してもよく、例えば、図27図示引き違い戸612のように、戸先部614及び戸先部634を、段差部616と表側面618とのなす角度を約50°とし、第1貼着面654d1もそれに対応した円弧状にしてもよい。
また、図27ないし図29に示すように、引き違い戸612と引き違い戸632とが閉鎖時に重なり合うときにおいて戸先部614の前面を上端から下端に亘って覆う、いわゆる召合せ棒(かまち)690を取り付けてもよい。
【0095】
次に、前記した引き違い戸の製造方法について、主として図4ないし図10に基づいて説明する。
まず、単板積層材(LVL;ラミネーテッドベニヤランバー)からなる戸先側芯材54、ミディアム・デンシティ・ファイバーボード(MDF)と単板積層材(LVL;ラミネーテッドベニヤランバー)からなる後端側芯材56との間に、ミディアム・デンシティ・ファイバーボード(MDF)、パーティクルボードからなる架設体58を固定して、芯材50を準備する。
いずれにしても、この芯材50は、芯材全体の反りを防止することができるようにしなければならないので、単板積層材が適しているが、その他この単板積層材とファイバーボード,パーティクルボードを混ぜて用いるようにしてもよい。
【0096】
次に、断面略台形状の第1表面板材62、第2表面板材64、第3表面板材66、第4表面板材68、第5表面板材70及び第6表面板材72の材料となるたとえばミディアム・デンシティ・ファイバーボード(MDF)の板材からなる表面板材素材80を準備し、その一方表面に塩化ビニル,オレフィンなどの可撓性を有する表面シート60を貼着する。
そして、表面シート60に向けて表面シート60の裏面に達する深さで、表面板材素材80に、前記芯材50の境界の角部54e、角部54f、角部54d、角部56e及び角部56fに対応した傾斜角のVカット加工を施して、その両端に斜め対向面70c、斜め対向面68b、斜め対向面66c、斜め対向面64b、斜め対向面64c、斜め対向面62b、斜め対向面62c、斜め対向面72b、斜め対向面72c、斜め対向面74bを形成する。
Vカット加工とは、表面板材素材80の裏面から断面V字型の溝を表面シート60の寸前まで切削し、断面V字型の溝を作る方法をいう。
Vカット加工を施す位置は、芯材50の各角部54e、角部54f、角部54d、角部56e及び角部56f間の長さに対応した位置とし、Vカット加工を施して形成されるV字溝によって形成される斜め対向面70cと斜め対向面68b、斜め対向面66cと斜め対向面64b、斜め対向面64cと斜め対向面62b、斜め対向面62cと斜め対向面72b、斜め対向面72cと斜め対向面74bのなす角度は、芯材50の角部54e、角部54f、角部54d、角部56e及び角部56fに対応した傾斜角を構成するようにVカット加工を施す。
たとえば、芯材50の角部54eに対応する斜め対向面70cと斜め対向面68bとのなすV字溝は、90°の二等辺三角形で、芯材50の角部54fに対応する斜め対向面66cと斜め対向面64bとのなすV字溝は、90°の二等辺三角形で、芯材50の角部54dに対応する斜め対向面64cと斜め対向面62bとのなすV字溝は、90°の二等辺三角形である。
【0097】
而して、一枚の表面シート60の裏面に、第1表面板材62,第2表面板材64,第5表面板材70,第6表面板材72及び第7表面板材74が貼着された、表面材52が形成される。
そして、前記断面略台形状の第1表面板材62は、角柱状芯材50の表側面54a及び表側面56bの長さおよび外周面に一致した貼着面62aが形成され、該貼着面62aより斜めに拡開する斜め対向面62b,斜め対向面62cが形成される。
【0098】
第1表面板材62を、芯材50の戸先側芯材54及び後端側芯材56の表面側表面に結合させ、斜め対向面62bを戸先側芯材54の角部54dに合致させ且つ斜め対向面62cを後端側芯材56の角部56eに合致させて、接着剤で貼着する。
次に、図6に示すように、第2表面板材64を、戸先側芯材54の第1貼着面54d1の表面に接合させ、斜め対向面64cを、角部54dに合致させ且つ斜め対向面64bを角部54fに合致させて、接着剤で貼着する。
次に、図4ないし図6に示すように、芯材50の外周面を被覆するために、芯材50の第3貼着面54g1に断面略台形状の第3表面板材66の貼着面66aを接合させ、斜め対向面66bを戸先側芯材54の第1凹部54gに合致させて貼着する。
すなわち、断面略台形状の第3表面板材66の貼着面66a(表面シート60が貼着された面とは反対側の面)を芯材50の第3貼着面54g1に対応させて適宜接着剤で接着する。
次に、図6に示すように、第4表面板材68を芯材50の第2貼着面54e1に対応させ斜め対向面66bと斜め対向面68cとを拡開して、第4表面板材68を適宜接着剤で第2貼着面54e1に接着する。
また、第6表面板材72を、後端側芯材56の稜角面部56dの表面に接合させ、斜め対向面72bを角部56eに合致させ且つ斜め対向面72cを角部56fに合致させて、接着剤で貼着する。更に、第7表面板材74を、後端側芯材56の裏側面56cの表面に接合させ、斜め対向面72bを角部56fに合致させて接着剤で貼着する。
更に第8表面板材76を戸先側芯材54及び後端側芯材56の裏面側表面に接合させ、対向面76bを第5表面板材70の対向面70bに対向させ且つ対向面76cを第7表面板材74の対向面74cに対向させて、接着剤で貼着する。
【0099】
次に、引き違い戸32を製造するために、断面略台形状の第1表面板材162、第2表面板材164、第3表面板材166、第4表面板材168、第5表面板材170及び第6表面板材172の材料となるたとえばミディアム・デンシティ・ファイバーボード(MDF)の板材からなる表面板材素材180を準備し、その一方表面に塩化ビニル,オレフィンなどの可撓性を有する表面シート160を貼着する。
そして、表面シート160に向けて表面シート160の裏面に達する深さで、表面板材素材180に、前記芯材150の境界の角部154e、角部154f、角部154d、角部156e及び角部156fに対応した傾斜角のVカット加工を施して、その両端に斜め対向面162c、斜め対向面168b、斜め対向面166c、斜め対向面164b、斜め対向面164c、斜め対向面170b、斜め対向面162b、斜め対向面172b、斜め対向面172c、斜め対向面174bを形成する。
Vカット加工とは、表面板材素材180の裏面から断面V字型の溝を表面シート160の寸前まで切削し、断面V字型の溝を作る方法をいう。
Vカット加工を施す位置は、芯材150の各角部154e、角部154f、角部154d、角部156e及び角部156f間の長さに対応した位置とし、Vカット加工を施して形成されるV字溝によって形成される斜め対向面162cと斜め対向面168b、斜め対向面166cと斜め対向面164b、斜め対向面164cと斜め対向面170b、斜め対向面162bと斜め対向面172b、斜め対向面172cと斜め対向面174bのなす角度は、芯材150の角部154e、角部154f、角部154d、角部156f及び角部156eに対応した傾斜角を構成するようにVカット加工を施す。
たとえば、芯材150の角部154eに対応する斜め対向面162cと斜め対向面168bとのなすV字溝は、90°の二等辺三角形で、芯材150の角部154fに対応する斜め対向面166cと斜め対向面164bとのなすV字溝は、90°の二等辺三角形で、芯材150の角部154dに対応する斜め対向面164cと斜め対向面170bとのなすV字溝は、90°の二等辺三角形である。
【0100】
而して、一枚の表面シート160の裏面に、第1表面板材162,第2表面板材164,第5表面板材170,第6表面板材172及び第7表面板材174が貼着された、表面材152が形成される。
そして、前記断面略台形状の第1表面板材162は、角柱状芯材150の表側面154b及び表側面156cの長さおよび外周面に一致した貼着面162aが形成され、該貼着面162aより斜めに拡開する斜め対向面162b,斜め対向面162cが形成される。
【0101】
第1表面板材162を、図9に示すように、芯材150の戸先側芯材154及び後端側芯材156の表面側表面に結合させ、斜め対向面162cを戸先側芯材154の角部154eに合致させ且つ斜め対向面162bを後端側芯材156の角部156fに合致させて、接着剤で貼着する。
次に、図10に示すように、第4表面板材168を、戸先側芯材154の第2貼着面154e1の表面に接合させ、斜め対向面168bを、角部154eに合致させ且つ斜め対向面168cを第1凹部154gに合致させ斜め対向面168cと斜め対向面166bとを拡開して、接着剤で貼着する。
次に、図8ないし図10に示すように、芯材150の外周面を被覆するために、芯材150の第3貼着面154g1に断面略台形状の第3表面板材166の貼着面166aを接合させ、斜め対向面168cと斜め対向面166bとを拡開して戸先側芯材154の第3貼着面154g1に合致させて貼着する。
すなわち、断面略台形状の第3表面板材166の貼着面166a(表面シート160が貼着された面とは反対側の面)を芯材150の第3貼着面154g1に対応させて適宜接着剤で接着する。
次に、図10に示すように、第2表面板材164を芯材150の裏面に接合させ、斜め対向面164bを角部154fに合致させて、第2表面板材164を適宜接着剤で接着する。
また、第6表面板材172を、後端側芯材156の稜角面部156dの表面に接合させ、斜め対向面172bを角部156fに合致させ且つ斜め対向面172cを角部156eに合致させて、接着剤で貼着する。更に、第7表面板材174を後端側芯材156の裏側面156bの表面に接合させ、斜め対向面174bを角部156eに合致させて接着剤で接着する。
更に第8表面板材176を戸先側芯材154及び後端側芯材156の裏面側表面に接合させ、対向面176cを第5表面板材170の対向面170cに対向させ且つ対向面176bを第7表面板材174の対向面174cに対向させて、接着剤で貼着する。
【0102】
この引き違い戸10の引き違い装置について、主として図31ないし図41に基づいて説明する。
この引き違い戸10は、引きスライド扉202とスライド扉204とによって一組の引き違い戸が構成され、引きスライド扉202とスライド扉204とは、閉める状態においてはフラット面を構成し、両引き違い戸の各表面が面一に並ぶ状態となるように構成されている。
引き違い状態のときは、引きスライド扉202は、引きスライド扉202の前面に平行移動するように構成され、後ろ側のスライド扉204は、引きスライド扉202の後ろ側に平行移動するように構成されている。
【0103】
引きスライド扉202は、その上部において左右二箇所に分かれて設けられた上扉支持体212と下扉支持体214とを備えている。
【0104】
また、スライド扉204は、その上部において左右に分かれて設けられた上扉支持体216とその下部において左右に分かれて設けられた下扉支持体218とを備える。
【0105】
引きスライド扉202の上扉支持体212及びスライド扉204の上扉支持体216は、上レール装置220に移動自在に固定され、引きスライド扉202の下扉支持体214及びスライド扉204の下扉支持体218は、下レール装置240に移動自在に固定される。
上レール装置220は、住宅の開口部又はクローゼット等の家具の開口部の上横材に敷設され、下レール装置240は、住宅の開口部又はクローゼット等の家具の開口部の下横材に敷設される。
【0106】
上レール装置220は、上横材の下面に固定されたレールブラケット222を備え、レールブラケット222の前側には、上・前ガイドレール224を備え、上・前ガイドレール224は、横方向に掛け渡された上ガイドレール支持体226に前後方向に回動自在に固定される。
【0107】
上扉支持体212は、引きスライド扉202の上部に固定された支持腕212aの上部に回転自在に固定されたローラ212bと、支持腕212aの上部に固定された案内体212cと備える。
上扉支持体212のローラ212bは、上・前ガイドレール224の上部に移動自在に支持されている。
また、上扉支持体212の案内体212cは、上横材の終端、この実施の形態においては右端に設けられたレールロック機構228を構成する案内ブロック232のガイド溝232aに嵌合される。案内ブロック232は、レールブラケット222に枢軸232bによって上下方向に回動自在に固定されており、上扉支持体212の案内体212cは、案内ブロック232のガイド溝232aによって右端に至るに従って奥側に向けて移動されるとともに、ガイド溝232aに沿って奥に向かうに従って案内体212cが上方に案内ブロック232を持ち上げるように、移動する。
【0108】
上・前ガイドレール224は、上扉支持体212の案内体212cが案内ブロック232のガイド溝232aに沿って奥側に向けて案内されるにしたがって、案内ブロック232が上ガイドレール支持体226において奥側に向けて回動する。
上ガイドレール224は、レールロック機構228によって適宜な位置に固定される。
【0109】
上レール装置220の上・奥ガイドレール230は、レールブラケット222の奥側に付設されている。
上・奥ガイドレール230は、スライド扉204の上扉支持体216を構成する支持腕216aの上部に回転自在に固定されたローラ216bを移動自在に支持するように固定されている。
【0110】
下レール装置240は、前記上横材と平行に設けられた下横材の上面に敷設されている。
下レール装置240は、引きスライド扉202を案内する下・前ガイドレール242とスライド扉204を案内する下・奥ガイドレール244とを備える。
下・前ガイトレール242は、下・奥ガイドレール244とほぼ平行に主路248a及び主路248bが設けられ、下・前ガイドレール242は、下・奥ガイドレール244の中央付近と、下・奥ガイドレール244の左端近傍とにおいて、下・奥ガイドレール244に向けて傾斜し接近する転換路246aおよび転換路246bが設けられている。
転換路246a及び転換路246bは、主路248a及び主路248bと約60度の角度をなして斜め方向において奥側または前側に向けて引きスライド扉202を案内するように、引きスライド扉202の幅よりやや狭い間隔をおいて、左右に分離して形成されている。
【0111】
下レール装置240の下・前ガイドレール242及び下・奥ガイドレール244は、引きスライド扉202の下扉支持体214及びスライド扉204の下扉支持体218を軌道に沿って案内するように、下扉支持体214の下面に突設された振止具214a及び下扉支持体218の下面に突設された振止具218aを挟んで脱輪を防ぐために、レール溝242a及びレール溝244aの開口縁に突縁242b及び突縁244bが形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】この発明の一実施の形態である引き違い戸装置の正面図解図である。
【図2】この発明の一実施の形態である引き違い戸装置の平面図解図である。
【図3】この発明の一実施の形態である引き違い戸の閉止状態における断面図解図である。
【図4】この発明の一実施の形態である引き違い戸(引きスライド扉)の閉止状態における断面図解図である。
【図5】この発明の一実施の形態である引き違い戸(スライド扉)の閉止状態における断面図解図である。
【図6】この発明の一実施の形態である戸を構成する芯材及び表面材の製造工程を示す断面図解図である。
【図7】この発明の一実施の形態である戸を構成する芯材及び表面材の製造工程を示す断面図解図である。
【図8】この発明の一実施の形態である戸を構成する芯材及び表面材の製造工程を示す断面図解図である。
【図9】この発明の一実施の形態である戸を構成する芯材及び表面材の製造工程を示す断面図解図である。
【図10】この発明の一実施の形態である戸を構成する芯材を示す図解図である。
【図11】この発明の一実施の形態である引き違い戸の断面図解図である。
【図12】この発明の一実施の形態である引き違い戸(引きスライド扉)の断面図解図である。
【図13】この発明の一実施の形態である引き違い戸(スライド扉)の断面図解図である。
【図14】この発明の一実施の形態である戸を構成する芯材及び表面材の製造工程を示す図解図である。
【図15】この発明の一実施の形態である戸を構成する芯材及び表面材の製造工程を示す図解図である。
【図16】この発明の一実施の形態である戸を構成する芯材及び表面材の製造工程を示す図解図である。
【図17】この発明の一実施の形態である戸を構成する芯材及び表面材の製造工程を示す図解図である。
【図18】この発明の一実施の形態である戸を構成する芯材を示す図解図である。
【図19】この発明の一実施の形態である引き違い戸の断面図解図である。
【図20】この発明の一実施の形態である引き違い戸(引きスライド扉)の断面図解図である。
【図21】この発明の一実施の形態である引き違い戸(スライド扉)の断面図解図である。
【図22】この発明の一実施の形態である戸を構成する芯材及び表面材の製造工程を示す図解図である。
【図23】この発明の一実施の形態である戸を構成する芯材及び表面材の製造工程を示す図解図である。
【図24】この発明の一実施の形態である戸を構成する芯材及び表面材の製造工程を示す図解図である。
【図25】この発明の一実施の形態である戸を構成する芯材及び表面材の製造工程を示す図解図である。
【図26】この発明の一実施の形態である戸を構成する芯材を示す図解図である。
【図27】図19図示実施の形態である引き違い戸の変形側の断面図解図である。
【図28】図27図示引き違い戸(引きスライド扉)の断面図解図である。
【図29】図27図示引き違い戸の断面図解図である。
【図30】図1図示戸の閉めた状態の平面図解図である。
【図31】図1図示引き違い戸の引き状態の平面図解図である。
【図32】図1図示引き違い戸の下レールの平面図解図である。
【図33】引きスライド扉の上扉支持体の図解図である。
【図34】スライド扉の上扉支持体の図解図である。
【図35】閉める状態の断面図解図である。
【図36】引き状態の断面図解図である。
【図37】閉める状態の上扉支持体の断面図解図である。
【図38】引き状態の上扉支持体の断面図解図である。
【図39】上レール装置の平断面図解図である。
【図40】閉める状態の下扉支持体の断面図解図である。
【図41】引き状態の下扉支持体の断面図解図である。
【符号の説明】
【0113】
10,310,610 引き違い戸
12,312,612 引き違い戸(引きスライド扉202,502,802)
14,314,614 戸先部
16,316,616 段差部
18,318,618 表側面
20,320,620 裏側面
22,322,622 第1凸部
22a,322a,622a 第1面
24,324,624 第2凸部
24a,324a,624a 第2面
26,326,626 第3凸部
28,328,628 第1凹部
28a,328a,628a 第3面
32,332,632 引き違い戸(スライド扉204,504,804)
34,334,634 戸先部
36,336,636 段差部
38,338,638 表側面
40,340,640 裏側面
42,342,642 第1凸部
42a,342a,642a 第1面
44,344,644 第2凸部
44a,344a,644a 第2面
46,346,646 第3凸部
48,348,648 第1凹部
48a,348a,648a 第3面
50,350,650 芯材
52,352,652 表面材
54,354,654 戸先側芯材
54a,354a,654a 表側面
54b,354b,654b 裏側面
54c,354c,654c 段差部
54d,354d,654d 第1角部
54d1,354d1,654d1 第1貼着面
54e,354e,654e 第2角部
54e1,354e1,654e1 第2貼着面
54f,354f,654f 第3角部
54g,354g,654g 第1凹部
54g1,354g1,654g1 第3貼着面
56,356,656 後端側芯材
56b,356b,656b 表側面
56c,356c,656c 裏側面
56d,356d,656d 稜角面部
56e,56f,356e,356f,656e,656f 角部
58,358,658 架設体
60,360,660 表面シート
62,362,662 第1表面板材
62a,362a,662a 貼着面
62b,362b,662b 斜め対向面
62c,362c,662c 斜め対向面
64,364,664 第2表面板材
64a,364a,664a 貼着面
64b,364b,664b 斜め対向面
64c,364c,664c 斜め対向面
66,366,666 第3表面板材
66a,366a,666a 貼着面
66b,366b,666b 斜め対向面
66c,366c,666c 斜め対向面
68,368,668 第4表面板材
68a,368a,668a 貼着面
68b,368b,668b 斜め対向面
68c,368c,668c 斜め対向面
70,370,670 第5表面板材
70a,370a,670a 貼着面
70b,370b,670b 対向面
70c,370c,670c 斜め対向面
72,372,672 第6表面板材
72a,372a,672a 貼着面
72b,372b,672b 斜め対向面
72c,372c,672c 斜め対向面
74,374,674 第7表面板材
74a,374a,674a 貼着面
74b,374b,674b 斜め対向面
74c,374c,674c 対向面
76,376,676 第8表面板材
76a,376a,676a 貼着面
76b,376b,676b 対向面
76c,376c,676c 対向面
80,380,680 表面板材素材
150,450,750 芯材
152,452,752 表面材
154,454,754 戸先側芯材
154a,454a,754a 裏側面
154b,454b,754b 表側面
154c,454c,754c 段差部
154d,454d,754d 第1角部
154d1,454d1,754d1 第1貼着面
154e,454e,754e 第2角部
154e1,454e1,754e1 第2貼着面
154f,454f,754f 第3角部
154g,454g,754g 第1凹部
154g1,454g1 第3貼着面
156,456,756 後端側芯材
156b,456b,756b 裏側面
156c,456c,756c 表側面
156d,456d,756d 稜角面部
156e,156f,456e,456f,756e,756f 角部
158,458,758 架設体
160,460,760 表面シート
162,462,762 第1表面板材
162a,462a,762a 貼着面
162b,462b,762b 斜め対向面
162c,462c,762c 斜め対向面
164,464,764 第2表面板材
164a,464a,764a 貼着面
164b,464b,764b 斜め対向面
164c,464c,764c 斜め対向面
166,466,766 第3表面板材
166a,466a,766a 貼着面
166b,466b,766b 斜め対向面
166c,466c,766c 斜め対向面
168,468,768 第4表面板材
168a,468a,768a 貼着面
168b,468b,768b 斜め対向面
168c,468c,768c 斜め対向面
170,470,770 第5表面板材
170a,470a,770a 貼着面
170b,470b,770b 斜め対向面
170c,470c,770c 斜め対向面
172,472,772 第6表面板材
172a,472a,772a 貼着面
172b,472b,772b 斜め対向面
172c,472c,772c 対向面
174,474,774 第7表面板材
174a,474a,774a 貼着面
174b,474b,774b 対向面
174c,474c,774c 対向面
202,502,802 引きスライド扉
176,476 第8表面板材
176b,476b 対向面
176c,476c 対向面
212 上扉支持体
212a 支持腕
212b ローラ
212c 案内体
214 下扉支持体
214a 振止具
204,504,804 スライド扉
216 上扉支持体
216a 支持腕
216b ローラ
218 下扉支持体
218a 振止具
220 上レール装置
222 レールブラケット
224 上・前ガイドレール
226 上ガイドレール支持体
228 レールロック機構
230 上・奥ガイドレール
232 案内ブロック
232a ガイド溝
232b 枢軸
240 下レール装置
242 下・前ガイドレール
242a レール溝
244a レール溝
242b 突縁
244b 突縁
244 下・奥ガイドレール
246a,246b 転換路
248a,248b 主路
690 召合せ棒(かまち)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉じた位置においてフラット配置(平面)される複数の戸が、開閉時に、閉止位置と引き違い位置との間において前方及び/又は後方に移動し、且つ一方が他方の前面において平行に往復移動するように形成された引き違い戸において、
戸は、芯材と芯材の外表面を覆う表面材とを有し、
芯材は、戸先側先端に段差部及び/又は傾き部が形成され、該戸先に続く表側面及び裏側面が略平面に形成された戸先側芯材と、戸の後端側を形成する後端側芯材とを有し、
表面材は、可撓性を有する表面シートと、前記表面シートの裏面側に設けられた表面板材とを有し、
前記表面材は、表面板材の斜め対向面を接近させるように表面シートが折り曲げられ、表面板材が戸先側芯材の外表面に貼着され、
閉じた位置において隣り合う戸先に、前記閉止位置と引き違い位置との間において前方及び/又は後方に移動するための段差部及び/又は傾き部が形成された、引き違い戸。
【請求項2】
前記戸先側芯材は、略平面状表側面に適宜な角度をもって連設された戸先稜角面部と、該戸先稜角面部に続いて、裏側面に到る段差部及び/又は傾き部とを有し、
前記表面板材は、少なくとも、戸先側芯材における、表側面と戸先稜角面部との境界の角部、該戸先稜角面部とそれに続く段差部並びに/又は傾き部との境界の角部及び該段差部並びに/又は傾き部と裏側面との境界の角部の間の長さ、及び戸先側芯材における貼着面に対応した貼着面が形成され、且つ前記境界の角部に対応した角度を有する斜め対向面が形成された、請求項1に記載の引き違い戸。
【請求項3】
表面材は、戸先側芯材と後端側芯材との間に跨って、平面状に架設された、請求項1または請求項2に記載の引き違い戸。
【請求項4】
前記表面板材は、少なくとも、芯材の戸先側先端の段差部並びに/又は傾き部と該戸先側先端に続く表側面との境界の角部及び戸先側先端の段差部並びに/又は傾き部と該戸先側先端に続く裏側面との境界の角部の間の長さ、及び貼着面に対応した貼着面が形成され、且つ前記境界の角部に対応した角度を有する斜め対向面が形成された、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の引き違い戸。
【請求項5】
表面板材は、芯材側の貼着面と表面シート側の面とが平行な平面状に形成され、芯材の前記境界の角部に対応した位置において、芯材の貼着面に対応した貼着面より表面シート側の面に向けて切削されてなる断面V字型の斜め対向面が形成された、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の引き違い戸。
【請求項6】
引き違い戸は、左右一対で形成され、
閉止位置から引き違い位置に移動させるときに前方に移動する一方の引き違い戸は、戸先側先端と他方の引き違い戸の戸先側先端とが接触しないように形成されるとともに、他方の引き違い戸は、戸先側先端と他方の引き違い戸の戸先側先端とが接触しないように形成された、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の引き違い戸。
【請求項7】
閉じた位置においてフラット配置(平面)される複数の戸が、開閉時に、閉止位置と引き違い位置との間において前方及び/又は後方に移動前方及び/又は後方に移動し且つ一方が他方の前面において平行に往復移動するように形成された引き違い戸の製法において、
戸先側先端に段差部及び/又は傾き部が形成され、該戸先に続く表側面及び裏側面が略平面に形成された戸先側芯材と、戸の後端側を形成する後端側芯材とを有する芯材を形成する、芯材を形成するステップと、
可撓性を有する表面シートの裏面側に、少なくとも、芯材の戸先側先端の段差部並びに/又は傾き部と該戸先側先端に続く表側面との境界の角部、戸先側先端の段差部並びに/又は傾き部と該戸先側先端に続く裏側面との境界の角部の間の長さ、及び貼着面に対応した貼着面が形成され、且つ前記境界の角部に対応した角度を有する斜め対向面が形成された表面板材を形成する、表面材を形成するステップと、
前記表面材は、表面板材の斜め対向面を接近させるように表面シートが折り曲げられ、表面板材を戸先側芯材の外表面に貼着して、前記隣り合う戸先に、前記前方又は後方に移動するための段差部及び/又は傾き部を形成する、戸を形成するステップとを含む、引き違い戸の製法。
【請求項8】
前記戸先側芯材は、略平面状表側面に適宜な角度をもって連設された戸先稜角面部と、該戸先稜角面部に続いて、裏側面に到る段差部及び/又は傾き部とを有し、
前記表面板材は、少なくとも、戸先側芯材における、表側面と戸先稜角面部との境界の角部、該戸先稜角面部とそれに続く段差部並びに/又は傾き部との境界の角部、該段差部並びに/又は傾き部と裏側面との境界の角部の間の長さ、及び戸先側芯材における貼着面に対応した貼着面が形成され、且つ前記境界の角部に対応した角度を有する斜め対向面が形成された、請求項7に記載の引き違い戸の製法。
【請求項9】
芯材の前記境界の角部に対応した位置において、芯材の貼着面に対応した貼着面より表面シート側の面に向けて切削して断面V字型の斜め対向面を形成して、表面板材を形成する、請求項7または請求項8に記載の引き違い戸の製法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【公開番号】特開2008−31660(P2008−31660A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−203752(P2006−203752)
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【出願人】(000223344)株式会社トーマ (5)
【Fターム(参考)】