説明

弦楽器型の電子楽器

【課題】 発光機能を有する弦楽器型の電子楽器において視覚的に面白みのある発光制御を行えるようにする。
【解決手段】 電子弦楽器は、ネック2において列状に配列された音高指定スイッチ10には発光部10aが(
LED)が内蔵され、各音高指定スイッチ10自体が個別に発光しうる。電子弦楽器の発光制御は、発光デモンストレーションを行う発光モードに設定されうる。速度設定手段は該発光モードにおける発光制御の進行速度を可変設定でき、発光制御手段は、前記発光モードに対応する所定の発光パターンに従う発光の進行が前記速度設定手段で設定された速度に応じて切り替わるよう制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばギターやウクレレ等のような構造のアコースティック弦楽器を模擬して構成された弦楽器型の電子楽器に関し、特に、発光機能を有するものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自然楽器のギターを模擬して構成された弦楽器型の電子楽器(電子弦楽器)が知られている。一例として、ギター型の電子楽器は、ネック上のフレットに対応する位置には、音高指定するための複数の音高指定スイッチを有し、自然楽器のギターにおける撥弦位置に対応する位置には、弦を模擬した構成の複数(ギター型であれば6つ)の発音指示操作子を有する。音高指定スイッチの操作によって音高が指定され、発音指示操作子の操作(=弾弦操作)に応じたタイミングで、該指定された音高の楽音が発生される(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
前記特許文献1に示されたギター型電子楽器は、前記複数の音高指定スイッチの各々に発光部を具備しており、演奏ガイド機能として、演奏の手本となる自動演奏データに基づき前記発光部を選択的に点灯制御することで、実行すべき演奏操作をユーザに提示することができた。
【0004】
しかし、上記特許文献1に示されたギター型の電子楽器において、各音高指定スイッチに設けられた発光部は演奏ガイドとしてしか使用されていなかったので、演奏中にのみ発光制御されるものであった。よって、例えば、楽曲のデモ演奏(自動再生)中に発光部を発光させる機能などはなかった。また、演奏中の発光制御にしても、演奏ガイド機能が前提となっていたため、演奏曲の進行に従属した発光が行われるのみであった。このため、その発光制御は単調であって、視覚的な面白みが少なかった。
【特許文献1】特開2002−258866号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は上述の点に鑑みてなされたもので、発光機能を有する弦楽器型の電子楽器において、視覚的に面白みのある発光制御を行えるようにした弦楽器型電子楽器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、発光部を具えた複数の演奏操作子を所定の配列で配置してなる指板構造を有する弦楽器型の電子楽器において、前記電子楽器の動作モードを所定の発光モードに設定するモード設定手段と、前記発光モードにおける発光制御の進行速度を可変設定しうる速度設定手段と、前記モード設定手段において設定された発光モードに対応する所定の発光パターンに従って、発光すべき前記発光部の位置が、前記速度設定手段で設定された速度に応じて切り替わるよう制御する発光制御手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、モード設定手段において当該電子楽器の動作モードを所定の発光モードに設定し、速度設定手段において前記発光モードにおける発光制御の進行速度を可変設定する。発光制御手段が、前記モード設定手段において設定された発光モードに対応する所定の発光パターンに従って、発光すべき前記発光部の位置が、前記速度設定手段で設定された速度に応じて切り替わるよう制御することで、例えば、自動演奏曲の再生実行時に、速度設定手段において該自動演奏曲の演奏テンポに応じた速度が設定される場合であっても、該自動演奏の進行とは関係のない発光パターンで前記発光部の発光が進行するので、視覚的に面白みのある発光制御を行うことができるようになる。また、速度設定手段において該自動演奏曲の演奏テンポに依存しない独立した速度設定がなされる場合には、演奏テンポにも依存しない発光制御を行うことができるので、より一層、視覚的な面白みの効果を高めた発光制御を行うことができるという優れた効果を奏する。これにより、当該弦楽器型の電子楽器に、発光デモンストレーション的な機能を加えることができ、例えば、演奏していないときに前記発光モードに従う発光制御を行うことで、クリスマスツリーのようなイルミネーション効果を出すことができ、当該弦楽器型の電子楽器を電光装飾物として使用することができる。また、この発明に係る発光制御と演奏(自動演奏データに従う自動演奏或いは演奏者によるマニュアル演奏)とを組み合わせるようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、添付図面を参照してこの発明の一実施例について説明する。当該実施例において、この発明に係る電子楽器の一例として、自然楽器のウクレレを模擬したウクレレ型電子楽器を示す。
【0009】
図1は、この実施例に係るウクレレ型電子楽器の電気的ハードウェア構成を機能的に示すブロック図である。また、図2(a)は、この実施例に係るウクレレ型電子楽器の外観を上面から見た平面図であり、(b)は、(a)のウクレレを裏面から見た図である。
【0010】
図1に示すように、この実施例に係るウクレレ型電子楽器の電気的なハードウェア構成は、CPU20(発光制御手段の一部)、ROM21、RAM22、音源23(楽音発生手段)、インターフェース24、25、機能設定操作子26、表示機27、記憶装置28、外部インターフェース29等を含み、各装置間がバス30を介して互いに接続される。インターフェース24には、後述する音高指定スイッチ10及び発音指示操作子11が接続される。また、インターフェース25には、後述する発光部10a及び発光体7aが接続される。CPU20には、各種時間を計時するタイマ20aが接続され、該タイマ20aにより自動演奏のための演奏テンポ等を設定するためのテンポクロックを発生する。このテンポクロックパルスの周波数は、機能設定操作子26に含まれるテンポ設定用のスイッチによって調整しうる。
【0011】
CPU20、ROM21及びRAM22を含む信号処理システムにより、各種制御プログラムを実行して、各種操作子の操作検出処理や、パラメータ設定処理、楽音発音制御、発光制御等、当該電子楽器の全体的な動作の制御を行う。各種制御プログラムは、ROM21、RAM22或いは記憶装置28等、適宜の記憶媒体に記憶されていてよい。前記制御プログラムには、この実施例に係る発光制御を実行するためのプログラムが含まれる。
【0012】
図2(a)に示す様に、この実施例に係るウクレレ型電子楽器の全体的な外観形状は、通常のアコースティックのウクレレを模擬したもので、大別して、ボディ(本体部)1と、該ボディ1の一端から突き出したネック2とから成り、ネック2の一端部にはヘッド3が形成されている。ボディ1、ネック2及びヘッド3の各部材の形状及び寸法はアコースティックのウクレレと概ね同様である。
【0013】
ボディ1の略中央には、アコースティックのウクレレの4つの弦に対応して、4個の発音指示操作子11が設けられている。各発音指示操作子11は、ウクレレの弦を模擬した金属ワイヤ製の部材によって構成されており、演奏者による該部材に対する弾弦操作に応じた振動(タッチデータ)を検出するセンサ機構を備える。センサ機構は、各発音指示操作子11毎にもうけられたピエゾセンサ等適宜の振動検出センサによって構成しうるもので、弾弦操作の方向(ダウンストローク又はアップストローク)を区別可能に構成するとよい。CPU20(図1参照)は、該検出信号に基づき楽音の発音タイミング及び発音音量を制御する。
【0014】
各発音指示操作子11は、演奏者が当該楽器を演奏すべく構えた時に下側に位置するものから上に向かって高音用の操作子から順に低音用の操作子となる。一般に、弦楽器の弦は、音域の高いものから低いものに向かって順に1弦、2弦、3弦…という弦番号が与えられており、この実施例においても、その弦番号の呼称を採用する。すなわち、各発音指示操作子11の弦番号は、図において下側に位置するものから順に、第1弦、第2弦、第3弦及び第4弦となる。
【0015】
また、図2(a)においてネック2の表面(すなわち、アコースティックのウクレレでいう指盤部)には12個のフレット4が配列されている。各フレット4の部材は振動する弦の長さを規定するという自然楽器におけるウクレレのフレットとしての機能を果たすものではなく、次に述べる音高指定スイッチの操作位置の目安となるものである。なお、フレットは、一般に、ヘッド3側に配置されたものからボディ側に向かって順に、第1フレット、第2フレット…第12フレットと呼称されるもので、本明細書中でもその呼称を踏襲する。
【0016】
ネック2には、複数(この例では48個)の音高指定スイッチ(音高指示手段)10が配置される。各音高指定スイッチ10は、ユーザによる押下操作に応じてスイッチオン状態となり、押下が解かれるとオフ状態となる。音高指定スイッチ10の押下操作に応じて、操作された音高指定スイッチ10に対応するキーコードが発生し、該発生したキーコードに基づき発音すべき楽音の音高が指定される。図2(a)に示すように、複数の音高指定スイッチ10は、第1〜第12フレットの並び方向(図において横方向)に沿って12段の「列」と、4つの発音指示操作子11の並び方向(図において縦方向)に沿って4段の「行」とからなるマトリックス状に配設される。すなわち、或る一つの発音指示操作子11に、12個を一組とする音高指定スイッチ10の一列が対応付けられており、発生される楽音は、発音指示操作子11の弾弦操作と、該発音指示操作子11に対応する列の音高指定スイッチ10の押下操作状態との組み合わせに応じて決定される。演奏者は、自然楽器のウクレレにおける演奏と同様に、一方の手で、任意のフレット(音高指定スイッチ10)を押えて音高を指定し、もう一方の手で発音指示操作子11を弾弦操作したタイミングで、該押えた音高指定スイッチ10に割り当てられた音高の楽音を発生させることができる。各音高指定スイッチ10に対する音高の割り当ての設定については後述する。
【0017】
なお、この明細書中では、4つの発音指示操作子11のそれぞれに対応する音高指定スイッチ10の各列を指して、便宜上「弦」と呼ぶことがある。また、音高指定スイッチ10の「行」という用語は、或るフレットに属する4つの音高指定スイッチ10を指す。
【0018】
各音高指定スイッチ10の表面は透過性を有した部材によって構成されており、各スイッチ10内部には、例えばLEDからなる発光部10aが組み込まれている。この発光部10aを点灯させることで音高指定スイッチ10自体を発光させることができる。CPU20(図1参照)は、後述するモード設定に応じた所定の発光パターンに従って、発光させる音高指定スイッチ10の位置を切り替え制御することで、この発明に係る発光制御を実現する。この発明に係る発光制御は、LEDの発光制御を、ユーザによる楽器演奏や自動演奏データに従う自動演奏に従属せず、主にLEDの点灯による視覚的な興趣性、装飾的効果をその目的の1つとして、ある種のデモンストレーション的に行うことに特徴がある。この明細書中では、この発光制御のモードを「イルミネーションモード」という。なお、この実施例においては、詳しくは後述するように、「イルミネーションモード」の設定は、複数の音高指定スイッチ10を、或る特定の組み合わせで、同時押しすることによって指示される。
【0019】
この実施例に係る「イルミネーションモード」の概要について、図3を参照して説明する。図3(a)及び(b)は、図2(a)のネック2におけるフレット4及び音高指定スイッチ10の概略を示す図である。図において、発光状態にある音高指定スイッチ10(発光部10a)を網掛け表示によって表す。図3(a)は、第1の発光パターンとして、所定の発光切り替えタイミングに従って、発光させる音高指定スイッチ10の位置をランダムに切り替えるパターンを例示している。この第1の発光パターンに従えば、音高指定スイッチ10(発光部10a)が時間経過に従ってランダムに点灯制御される。
発光させる音高指定スイッチ10の位置を切り換えるための前記所定の発光切り替えタイミングは、発光切り換え速度を規定する所定のテンポクロックに応じて時間的長さを可変できる。このテンポクロックの周期(テンポ値tempo)は、機能設定操作子26(図1参照)に含まれるテンポ設定用のスイッチによって調整しうる。当該電子楽器の電源投入時には前記テンポ値として所定の初期値、例えば「テンポ値tempo=100」すなわち1分間につき100拍のテンポ値が設定されているものとする。このテンポ値はユーザによって任意に設定変更が可能であってよい。
【0020】
図3(a)に示す第1の発光パターンにおける発光切り替えタイミングの一例として、4分音符の2拍に1回毎の割合で発光切り替えタイミング到来するように設定することができる。この発光切り替えタイミングの一例に従えば、発光させる音高指定スイッチ10の位置が2拍ごとにランダムに切り替わることになる。図3(a)は、上側に描かれたネック2において、第3弦の第3フレットに位置する音高指定スイッチ10(発光部10a)が発光し、次回の発光切り替えタイミングで、下側に描かれたネック2のように、発光する音高指定スイッチ10の位置が第2弦の第9フレットのものに切り替わった例を示している。なお、(a)に示す例では、1回の発光切り替えタイミングで1つの音高指定スイッチ10が発光するように描かれているが、これに限らず、1回の発光切り替えタイミングで複数の音高指定スイッチ10がランダムな組み合わせで発光されるようにしてもよい。
【0021】
図3(b)は、第2の発光パターンの一例として、音高指定スイッチ10(発光部10a)を「行」毎に発光させ、音高指定スイッチ10の「行」の発光位置を、フレット配列方向に沿って順次シフトさせてゆくパターンを示す。この第2の発光パターンに従えば、音高指定スイッチ10(発光部10a)が、時間経過に従って、フレットの配列方向(ネック長手方向)に沿って順次点灯制御されるようになる。
【0022】
第2の発光パターンにおける発光切り替えタイミングの一例として、4分音符の1拍毎に発光切り替えタイミング到来するように設定することができる。この発光切り替えタイミングの一例に従えば、発光される音高指定スイッチ10の「行」の位置は1拍ごとに順次隣接するフレットに移動することになる。図3(b)に例示する発光パターンでは、1回の発光切り替えタイミングで、複数箇所(図では3カ所)の音高指定スイッチ10の行を同時に発光させると共に、発光する音高指定スイッチ10の行の位置が時間経過に従って1フレットと12フレットの間を往復移動する例を示している。図3(b)は、上側に描かれたネック2において、第3、第6及び第9フレットの音高指定スイッチ10(発光部10a)の行が発光し、次回の発光切り替えタイミングで、下側に描かれたネック2のように、発光する各音高指定スイッチ10の行が一つ左隣にシフトして(切り替わって)、第4、第7及び第10フレットの音高指定スイッチ10の行が発光された例を示している。往復移動させる場合には、例えば、発光状態にある音高指定スイッチ10の行が12フレットに達したら次のタイミングでは、そのまま12フレットの行を発光させ、その次のタイミングで、図3(b)において右隣の11フレットに移動するよう制御し、以後、1フレットに向かって移動させる。そして、1フレットに達したら、上記と同様に移動方向を反転させるように制御すれば往復移動を実現できる。
【0023】
図3(b)に示す第2の発光パターンでは、1回の発光切り替えタイミングで、複数箇所(図では3カ所)の音高指定スイッチ10の行を同時に発光させる例を示したが、1回の発光切り替えタイミングで、1行の音高指定スイッチ10を発光させるようにしてもよい。また、1回の発光切り替えタイミングで1つ隣のフレットに移動する例を示したが、1回の発光切り替えタイミングあたりの移動量は、前記に限らず、例えば2つ隣のフレットに飛び飛びに移動するなど適宜に設定されてよい。また、1行の音高指定スイッチ(各弦の4つのスイッチ)を纏めて発光させるパターンに限らず、1回に発光させる音高指定スイッチの数は適宜に変更可能であるし、各発光切り替えタイミング毎に発光させる音高指定スイッチの数が異なっていてもよい。また、発光する音高指定スイッチ10の行の位置が時間経過に従って1フレットと12フレットの間を往復移動させる例に限らず、その移動方向は一方向的であってもよい。また、発光位置の移動は、列に沿う向きの移動(横移動)に限定されない。例えば音高指定スイッチを列毎に発光、或いは、1つずつ発光させるのであれば、行に沿う向きの移動(縦移動)も可能であるし、斜めの移動もまた可能である。斜め移動の1例としては、1つの音高指定スイッチを発光させる場合について考えるに、1回の発光切り替えタイミングで、隣接弦、隣接フレットに移動させる(例えば、4弦の1フレットから3弦の2フレットへ移動させる)等であってよい。また、発光位置の直線的移動に限らず、例えば何らかの造形的模様や文字列等の象を表現すべく、特定の1又は複数の音高指定スイッチを選択的に発光制御するようにしてもよい。
すなわち、前記第1の発光パターンは、発光させる音高指定スイッチの位置がランダムに切り替わるパターンであるのに対して、第2の発光パターンは、発光させる音高指定スイッチの位置が何らかの規則に従って切り替わるパターンである、といってもよい。第1及び第2の発光パターンの何れにおいても、その具体的な制御については種々のバリエーションをとりうる。また、第2のパターンにあっては、切り替わり規則をユーザが任意に設定できてもよい。
【0024】
なお、前記発光切り替えタイミングを規定するテンポ値は、当該電子楽器において自動演奏を実行する際の演奏テンポとは別途に設定されるもであってよいが、これに限らず、テンポ値が自動演奏テンポの設定に連動していてもよい。例えば、楽曲データの自動再生(自動演奏)が実行される場合、或いは、楽曲データの自動再生が行われた後、イルミネーション用のテンポ(発光切り替えのテンポ)が、自動演奏用のテンポに追従するようにしてもよい。
【0025】
図1及び図2に戻ると、表示機27は、この実施例では、図2(a)に示すようにヘッド3の表面に配置されている。表示機27は、例えば、3桁分の7セグメント表示機によって構成されてよく、CPU20の制御に従い、テンポ値などの各種パラメータの設定状態や演奏状態等を表示することができる。
【0026】
また、図1における機能設定操作子26は、図2(b)に示す4つのダイヤル式スイッチ5a〜5dに相当するものである。図2(b)に示すように、4つのダイヤル式スイッチ5a,5b,5c及び5dは、ウクレレの糸巻き(ペグ)を模擬したもので、ヘッド3の裏面に配設される。ダイヤル式スイッチ5a,5b,5c及び5dは、ロータリーエンコーダを含んで構成され、ユーザによって回転操作されるものであり、その回転操作状態に応じた設定信号がCPU20に与えられる。これらダイヤル式スイッチ5a〜5dは、各種動作モードの切り替えや、音色設定(楽器種類選択)、音量設定等のモード設定や、テンポ値の設定等を行う操作子として機能する。すなわち、ユーザは、テンポ値設定用に割り当てられたダイヤル式スイッチ(5a乃至5dの何れか)を操作することで、テンポ値を任意設定することができる。
また、音色設定(楽器種類選択)によれば、任意に選択した楽器種類に対応する音色を設定すると共に、該選択された楽器の種類に応じて、音色指定スイッチ10の各列(各弦)の開放弦のピッチを一括してセットすることができる。なお、ここで「各弦の開放弦のピッチ」とは、音色指定スイッチ10を押さえずに各弦を弾奏した際の音高である。標準的なウクレレの設定では、1弦から4弦の順に、音名「A」,音名「E」,音名「C」,音名「G」と設定される。
【0027】
また、ダイヤル式スイッチ5a〜5dは、「フリーチューニングモード」においては、音高指定スイッチ10の各列(各弦)毎の音高調整(チューニング)を個別に行うための操作子として機能する。前記「フリーチューニングモード」とは、本明細書中において、各弦毎のチューニングを個別に行うモードの呼称として用いる用語である。「フリーチューニングモード」においては、各ダイヤル式スイッチ5a〜5dが音高指定スイッチ10の各列(開放弦1〜4)に割り当てられ、各ダイヤル式スイッチ5a〜5dを個別に操作することで、その操作量に応じて、該当する列の開放弦のピッチを個別に変更することができる。各弦毎のピッチ設定は、例えば、各ダイヤル式スイッチ5a〜5d毎の操作状態に応じたパラメータ値と、各弦に設定されるべき音高データとを対応付けたテーブルを用いて行うことができる。このように、各列(各弦)毎の音高調整(チューニング)が、回転式操作子を用いて自由に可変できることで、アコースティック楽器のような操作感覚、調整感覚でチューニングを行うことができるようになる。なお、この実施例では、「フリーチューニングモード」の設定は、複数の音高指定スイッチ10を、或る特定の組み合わせで、同時押しすることによって指示されるものとする。
【0028】
また、図1及び図2において、記憶装置28は、電子楽器を動作させるための各種制御プログラムや、自動演奏用の曲データ等を記憶すること、或いは、各種パラメータのユーザ設定を記憶させておくこと等に利用してよく、記憶装置28に記憶させた各種パラメータのユーザ設定は、任意に読み出して書き換えすることができてよい。記憶装置28は、例えば、ハードディスク、フレキシブルディスク又はフロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク(CD‐ROM)、光磁気ディスク(MO)、ZIPディスク、DVD(Digital Versatile Disk)、半導体メモリ等、適宜の記憶媒体で構成されてよい。
【0029】
また、音源23は、記憶装置28から読み出した演奏データや、ユーザによる音高指定スイッチ10と発音指示操作子11の操作に対応する楽音を表すディジタルオーディオ信号を発生する。音源23の音源方式は、波形メモリ等の従来から知られるいかなる方式を用いてもよい。なお、音源23は4つの発音指示操作子11に夫々対応する4つの発音チャンネルにおいて各発音チャンネル毎に楽音を発生させることが可能である。サウンドシステム23aは、音源23から供給されたディジタルオーディオ信号をアナログオーディオ信号に変換し、該アナログオーディオ信号を増幅してスピーカから発音させる。
この実施例では、図2(a)に示すように、スピーカは放音口7(サウンドホール)に相当する位置に内蔵される。この放音口7(サウンドホール)の周囲には、例えばLEDからなる発光体7aが設けられている。この発光体7aは、ユーザが設定した発光速度または自動演奏データのテンポ速度に応じて点滅制御されるもので、その発光により演奏タイミングを示したり、演奏者の手元に光をあてたり、或いは、イルミネーション的に(つまり視覚的な興味で)発光させたりする。
【0030】
また、ボディ1裏面の端部に形成された凹部1aには、図示しない電源スイッチ、音量つまみ、ヘッドフォン/外部出力端子、外部入力端子、USB規格等、各種信号入出力用のインターフェースなどが設けられている。これは図1の外部インターフェース29に相当する。外部インターフェース29を介して、適宜の外部機器と接続し、自動演奏データ等の各種データや制御プログラムの送受信等を行うことができ、また、インターネット等の通信ネットワークを経由して自動演奏データ等の各種データや制御プログラムをダウンロードすること等を行うことができる。なお、外部から受信した自動演奏データを記憶装置28に記憶させることや、音源23において該受信した自動演奏データに基づく発音を行うこと等が可能である。また、図2(b)において、ボディ1の裏面に示す符号6は、電池ボックスの蓋部であり、該電池ボックス内に電池を収納しうる。
【0031】
図4は当該ウクレレ型電子楽器のメインルーチンの処理手順を示すフローチャートである。ウクレレ型電子楽器に電源が投入されると、所定の初期化処理(ステップS1)が行われたのち、機能設定処理(ステップS2)、この実施例に係る「イルミネーション」処理(ステップS3)、及び、演奏処理(ステップS4)の処理が繰り返し実行される。ステップS4の演奏処理は、自動演奏データに従う自動演奏や、ユーザ演奏に従う楽器演奏等を実行する処理である。なお、演奏ガイド機能としてのスイッチ発光制御はステップS4の演奏処理に含まれるものとする。
【0032】
図5は、図4のステップS2に示す機能設定処理の手順の一例を示すフローチャートである。先ず、ステップS10、S11において、特定の組み合わせの音高指定スイッチ10の操作によるモード設定指示を受け付ける。すなわち、音高指定スイッチ10の操作の有無を判定(ステップS10)し、特定の組み合わせ音高指定スイッチ10の同時押え操作であるかどうかを判定(ステップS11)し、yesであれば、同時操作された音高指定スイッチ10の組み合わせに応じたモード切り換えを行う。
【0033】
この実施例では、特定の組み合わせの音高指定スイッチ10の同時押え操作によって、大別して次の2種類のモードの設定を指示しうるものとする:すなわち、「イルミネーションモード」と「フリーチューニングモード」である。なお、図5において、説明の便宜上「イルミネーションモード」を指示するための音高指定スイッチ10の組み合わせを「組み合わせA」、「フリーチューニングモード」を指示するための音高指定スイッチ10の組み合わせを「組み合わせB」と表現している。
【0034】
まず、ステップS12におけるイルミネーションモードの設定について説明する。この実施例では、イルミネーションモードには、次の3通りのモードがある。すなわち:1)放音口7(サウンドホール)の周囲に設けられた発光体7aの点滅制御モード、2)前記第1の発光パターンに従うイルミネーションモードA、3)前記第2の発光パターンに従うイルミネーションモードBである。前記イルミネーションモードAは、前記図3(a)に例示した第1の発光パターンで発光制御を行うモードであり、イルミネーションモードBは、前記図3(b)に例示した第2の発光パターンで発光制御を行うモードである。
【0035】
これら3つのイルミネーションモードは、同じ組み合わせの音高指定スイッチ10の同時押え操作によって、切り換え・設定されるもので、当該組み合わせの音高指定スイッチ10の同時押え操作を行う毎に、イルミネーションモードの設定状態がタップ式で順次切り換わるようになっている。例えば、1回目で発光体7aの点滅制御モード、2回目でイルミネーションモードA、3回目でイルミネーションモードB、4回目でイルミネーションモードの設定オフに戻るようにする。イルミネーションモードの変更を行うためも同時押え操作される音高指定スイッチ10の組み合わせは、通常の演奏操作では行われないようなスイッチの組み合わせであるとよく、例えば、第1、2、3及び4弦に対応する各列の、第1フレットの音高指定スイッチ10と、第1及び4弦の第12フレットの音高指定スイッチ10とを同時に押える組み合わせ等であってよい。このように、この実施例によれば、音高指定スイッチ10(演奏操作子)を利用してイルミネーションモードの設定を行うことができるので、格別のモード設定用のスイッチ類の配設が不要となり、スイッチ設置スペースの効率化を図ることができると共に、余剰的スイッチ類を設けないことで、弦楽器型電子楽器の全体的外観を、より自然楽器のそれに近似させることができるという点でも好ましい。
イルミネーションモードの設定状態は、表示機27(図2(a)参照)に表示されてよく、ユーザは表示機27にて現在設定されているイルミネーションモードの種類を確認できる。ここで設定されたイルミネーションモードに従って、後述する「イルミネーション」処理(図4のステップS3)による発光制御が実行される。
【0036】
ステップS13における「フリーチューニングモード」の設定は、前記「イルミネーションの変更」を指示する音高指定スイッチ10の組み合わせとは異なる組み合わせの音高指定スイッチ10の同時押え操作によって指示されるものとする。例えば、第1弦に対応する列の、第1、2、3及び4フレットのスイッチと、第12フレットのスイッチを同時に押える組み合わせ等である。「フリーチューニングモード」の設定は、例えば前記の組み合わせの音高指定スイッチ10の同時押え操作に応じてタップ式に設定オン・オフが切り替わる。
【0037】
ステップS14では、ダイヤル式スイッチ5a〜5dのいずれかが回転操作されたかどうかを判定し、操作があれば(yesの場合)、処理をステップS15に進める。前記ステップS13において「フリーチューニングモード」が設定されている場合は(ステップS15のyes)、ステップS16において、操作されたダイヤル式スイッチ5a乃至5dに対応する弦(音高指定スイッチ10の列)において、現時点で各弦に設定されているチューニング(音高値)を読み出し、ステップS17では、操作されたダイヤル式スイッチ5a乃至5dの回転操作の方向及び量に基づいて、当該弦の音高値を変更することで、当該弦の開放弦のチューニングを変更する。ステップS18では、ステップS17において新規に設定された音名を表示機27に表示する。これにより各弦毎に個別にチューニングを行うことができる。
【0038】
一方、「フリーチューニングモード」に設定されていない場合は(ステップS15のno)、ステップS19において、操作されたダイヤル式スイッチに割り当てられた機能に応じた処理を実行する。操作されたダイヤル式スイッチに割り当てられた機能は、例えば、「ソング選択」、「音色選択(楽器種類選択)」、「テンポ変更」或いは「音量バランス設定」等である。このステップS19において、「テンポ変更」用に割り当てられたダイヤル式スイッチの操作に応じて、イルミネーションモードにおける発光切り替えタイミングを規定するテンポ値を任意に変更できる。また、その他の操作子の入力があれば、ステップS20、S21において、実行された操作入力に従った処理を行う。
【0039】
次に、「イルミネーション」処理(図4ステップS3)によって実行される前記イルミネーションモードA及びイルミネーションモードBにおける発光制御の手順について図6及び図7のフローチャートを参照して説明する。図6は、イルミネーションモードAにおける発光切り替えタイミングの「カウント値Y」及びイルミネーションモードBにおける発光切り替えタイミングの「カウント値X」を計測する処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、前記テンポ値に基づくテンポクロックの周期毎に実行されるタイマインタラプト処理である。すなわち、図1に示すタイマ20aが発生するテンポクロック毎にCPU20に対してタイマインタラプト命令が与えられ、該タイマインタラプト命令に応じて実行される。このタイマインタラプト命令に基づく割り込み時間間隔は、例えばダイヤル式操作子(5a〜5dの何れか)によって変更可能である。
ステップS30において、カウント値X及びカウント値Yにそれぞれ数値「1」が加算されることで、両カウント値X及びYをインクリメントする。これにより、当該タイマインタラプト処理の起動機会毎に、カウント値X及びカウント値Yの値が「1」ずつ加算される。
【0040】
ステップS31では、カウント値Xがテンポ値(tempo)に達したかどうか判定する。テンポ値に、初期設定値として例えば値100が設定されているとすると、100回目のタイマインタラプト処理でyesに分岐する。カウント値Xがテンポ値(tempo)に達したら、ステップS32においてカウント値Xの値を0にリセットする。カウント値Xがテンポ値(tempo)に達したことは、イルミネーションモードBにおける発光切り替えタイミングの到来を意味するので、この時点でカウント値Xの値を0にリセットする。
【0041】
また、ステップS33では、カウント値Yがテンポ値(tempo)のA倍に達したかどうか判定する。ここで、カウント値Yをテンポ値(tempo)のA倍と比較しているのは、イルミネーションモードBの発光切り替えタイミングは、A拍(1拍のA倍)に1回の機会で到来するものと想定しているためである。図3(a)を参照して説明した第1の発光パターン(イルミネーションモードA)に従えば、発光切り替えタイミングを2拍毎として説明したので、A=2となる。この場合、テンポ値に、初期設定値として例えば値100が設定されているとすると、200回目のタイマインタラプト処理でyesに分岐する。カウント値Yがテンポ値のA倍に達したら、ステップS34においてカウント値Yの値を0にリセットする。カウント値Yがテンポ値のA倍に達したことは、イルミネーションモードAにおける発光切り替えタイミングの到来を意味するので、この時点でカウント値Yの値を0にリセットする。なお、この実施例において、前記値Aは初期設定を「2」とするが、これに限らずその他適宜の値に設定されてよく、また、ユーザによって設定変更可能であってよい。
【0042】
図7は、イルミネーションモードA及びイルミネーションモードBにおける発光制御の手順の一例を示すフローチャートである。
先ず、イルミネーションモードAの制御について説明する。前記図5に示す機能設定処理のステップS12において、イルミネーションモードAが設定されると、図7のステップS40をyesに分岐し、ステップS41において、現時点でのカウント値Yの計測データを取得する。前述の通り、カウント値Yはテンポクロックの起動機会毎に図6のタイマインタラプト処理によって加算計測されている。そして、取得したカウント値Yが「0」になっていれば(ステップS42のyes)、ステップS43に進む。この実施例では、カウント値Yの値が0にリセットされる機会は、2拍単位に設定されており、この時点がイルミネーションモードAにおける発光切り替えタイミングの到来である。なお、ステップS42がnoであれば、処理をリターンして、発光切り替えタイミングの到来を待つ。
【0043】
ステップS43では、新規に発光すべき音高指定スイッチ10の位置をランダムに決定する処理を行う。これは、例えば、48個の音高指定スイッチ10のそれぞれに対応する48個の数値をランダムに発生する処理等によって実現されてよい。そして、ステップS44において、現在発光中の音高指定スイッチ10(発光部10a)を消光制御すると共に、前記ステップS43においてランダムに決定された音高指定スイッチ10(発光部10a)を新たに発光制御する。
これにより、2拍に1回のタイミングで発光される音高指定スイッチの位置がランダムに切り替わる発光制御(イルミネーションモードA)が実現される。
【0044】
次にイルミネーションモードBの制御について説明する。前記図5に示す機能設定処理のステップS12において、イルミネーションモードBが設定されると、図7のステップS45をyesに分岐し、ステップS46において、現時点でのカウント値Xの計測データを取得する。前述の通り、カウント値Xはテンポクロックの起動機会毎に図6のタイマインタラプト処理によって加算計測されている。そして、取得したカウント値Xが「0」になっていれば(ステップS47のyes)、ステップS48に進む。この実施例では、カウント値Yの値が0にリセットされる機会は、1拍単位に設定されており、この時点がイルミネーションモードBにおける発光切り替えタイミングの到来である。なお、ステップS47がnoであれば、処理をリターンして、発光切り替えタイミングの到来を待つ。
【0045】
ステップS48では、現在発光中の音高指定スイッチの行(フレット位置)に基づき新規に発光されるべき行を決定する処理を行う。これは、1フレット分だけシフトする例であれば、例えば、1フレットから12フレットに向かう発光移動であれば、現在のフレット位置よりも1つ大きいフレット番号を設定し、移動方向が逆であれば、反対に現在のフレット位置よりも1つ小さい番号を設定すればよい。なお、前述の通り1回の移動量は1フレット分に限定されない。そして、ステップS49において、現在発光中の行(フレット)の各音高指定スイッチ10(発光部10a)を消光制御すると共に、前記ステップS48において決定されたフレットの各音高指定スイッチ10(発光部10a)を新規に発光制御する。
これにより、1拍毎に発光される音高指定スイッチの行が1フレットずつシフトする発光制御(イルミネーションモードB)が実現される。
【0046】
また、その他のイルミネーションモード(サウンドホール周囲の発光体7aの点滅制御モード)が設定されている場合(ステップS50のyes)、ステップS51において、設定されているその他のイルミネーションモードに従う処理を実行する。発光体7aの点滅制御モードでは、例えば発光切り替えタイミングの到来毎に、発光体7aの点灯・消灯を切り換える制御を行ったり、或いは、発光体7aの点灯明度の強弱(明暗)を切り換える制御を行ったりすることができる。
【0047】
以上説明したように、この実施例に従えば、演奏に依存せず、視覚的な面白みのある発光制御を行うことができるようになり、演奏していないときにも発光できるようにしておけば、当該ウクレレ型電子楽器によって、クリスマスツリーのような電光装飾物としてのイルミネーション効果を出すこともできるようになる。更に、イルミネーションモードによる発光制御と演奏(自動演奏データに従う自動演奏或いは演奏者によるマニュアル演奏)とを組み合わせることで、その効果はより一層高くなる。
【0048】
なお、上述の例では、4本の弦状操作子を有し、各操作子(弦)に対応する音高指定スイッチ列を有するすウクレレ型の電子楽器を例示して説明したが、これに限らず、その他の弦楽器型の電子楽器(例えば弦6本のギター型など)にも適用可能である。本体の筐体部の構成も上述の例に限定されず、少なくとも、発光機能を兼ね備えた多数のスイッチを所定の配置で具備した電子楽器であれば、この発明を適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】この発明の一実施例に係るウクレレ型電子楽器における電気的ハードウェア構成を示すブロック図。
【図2】同実施例に係るウクレレ型電子弦楽器の外観構成を示し、(a)は、上面からみた平面図、(b)は裏面から見た平面図。
【図3】この実施例に係る発光制御のよる発光パターンの一例を概念的に示す図であり、(a)は第1の発光パターン、(b)は第2の発光パターン。
【図4】同実施例に係るウクレレ型電子楽器におけるメインルーチンの処理手順を示すフローチャート。
【図5】同実施例に係るウクレレ型電子楽器の機能設定処理の一例を示すフローチャート。
【図6】同実施例に係るイルミネーションモードにおいて、発光切り替えタイミングのカウント値を計測するためのタイマインタラプト処理の一例を示すフローチャート。
【図7】同実施例に係るイルミネーションモードによる発光制御の手順の一例を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0050】
1 ボディ、2 ネック、3 ヘッド、4 フレット、5a〜5d ダイヤル式スイッチ、6 電池ボックス蓋部、7 放音口、7a 発光体、10 音高指定スイッチ、10a 発光部、11 発音指示操作子、20 CPU、21 ROM、22 RAM、23 音源、24,25 インターフェース、26 機能設定操作子、27 表示機、28 記憶装置、29 外部インターフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光部を具えた複数の演奏操作子を所定の配列で配置してなる指板構造を有する弦楽器型の電子楽器において、
前記電子楽器の動作モードを所定の発光モードに設定するモード設定手段と、
前記発光モードにおける発光制御の進行速度を可変設定しうる速度設定手段と、
前記モード設定手段において設定された発光モードに対応する所定の発光パターンに従って、発光すべき前記発光部の位置が、前記速度設定手段で設定された速度に応じて切り替わるよう制御する発光制御手段と
を具備することを特徴とする弦楽器型の電子楽器。
【請求項2】
前記発光制御手段は、前記所定の発光パターンに従って、発光すべき前記発光部の位置を、前記複数の演奏操作子の所定の配列に沿って切り替える手段を含む請求項1に記載の弦楽器型の電子楽器。
【請求項3】
或る演奏テンポに従って再生されるべき自動演奏曲データを供給する手段と、前記自動演奏曲データに基づく自動演奏曲の再生を行う再生手段とを更に具え、
前記速度設定手段は、前記再生手段による自動演奏曲の再生実行が指示された時、再生すべき前記自動演奏データの演奏テンポに応じた速度を設定する手段を含む請求項1又は2に記載の弦楽器型の電子楽器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−58443(P2006−58443A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−238301(P2004−238301)
【出願日】平成16年8月18日(2004.8.18)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】