強制空冷式ヒートシンク
【課題】圧力損失が減少し且つ気流のよどみを無くして、効率良く風下側半導体モジュールを冷却することができる強制空冷式ヒートシンクを提供する。
【解決手段】外部から吸気口12を経て取込まれた空気(風上側気流7a)は、風上側風洞8aを経由して、フィン3の間を抜けて風下側風洞8bに至り、冷却ファン5を通過して外部に放出(風下側気流7b)される。その一方、風上側風洞8aを経由し、風上側風洞開口部8cからベース2上を通過する空気は、風上側半導体モジュール4aと風下側半導体モジュール4bとの間に形成された端面を偏移させた開口部9を経由して、フィン3に供給される。その結果、外部から風上側風洞8aおよび風上側風洞開口部8cを経由してベース2上を通過する空気(風上側気流7a)を風上側のフィン3による放熱を受けずに風下側のフィン3に供給することができるので、風下側の冷却性能を向上させることができる。
【解決手段】外部から吸気口12を経て取込まれた空気(風上側気流7a)は、風上側風洞8aを経由して、フィン3の間を抜けて風下側風洞8bに至り、冷却ファン5を通過して外部に放出(風下側気流7b)される。その一方、風上側風洞8aを経由し、風上側風洞開口部8cからベース2上を通過する空気は、風上側半導体モジュール4aと風下側半導体モジュール4bとの間に形成された端面を偏移させた開口部9を経由して、フィン3に供給される。その結果、外部から風上側風洞8aおよび風上側風洞開口部8cを経由してベース2上を通過する空気(風上側気流7a)を風上側のフィン3による放熱を受けずに風下側のフィン3に供給することができるので、風下側の冷却性能を向上させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ等の負荷を駆動するインバータ装置、無停電電源装置、アクティブフィルター等の電力変換装置において、内蔵する複数の半導体モジュールを冷却するのに適した強制空冷式ヒートシンクの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
上述した電力変換装置は、家電製品から運輸、産業製品に至る様々な用途で使用されており、容量範囲も数W(ワット)から数MW(メガワット)にまで及んでいる。この電力変換装置のスイッチング時および定常時に発生する損失は、熱に変換されるため、熱に変換された発生熱を速やかに放熱し、半導体素子のジャンクション温度を上限値(最大150℃)以下に抑える必要がある。発生損失が、数W(ワット)レベルまでは、半導体素子表面からの自然空冷でも良いが、数十W(ワット)を越えるレベルでは、ファン等を用いてヒートシンクのフィン部分に強制的に送風してヒートシンクの冷却を促進する強制空冷式ヒートシンクが採用されることが多い。
【0003】
図10ないし図12を用いて従来の強制空冷式ヒートシンクの構成を説明する。図10は、従来の強制空冷式ヒートシンクの構造を示した斜視図である。風上側及び風下側にそれぞれ複数の半導体モジュール24a,24bが配置されたヒートシンク21は、筐体26の内部に設置されている。この筐体26の一方の端面には、冷却ファン25が設置され、他方の端面には、吸気口32が設けられている。
【0004】
図11は、図10に示した強制空冷式ヒートシンクの筐体26からヒートシンク21を取出して示した斜視図である。このヒートシンク21は、熱良導体であるベース22と熱良導体である複数のフィン23により形成されており、ベース22の一方の面に垂直に且つ互いに平行に並べて熱良導体からなるフィン23が設けられ、ベース22の他方の面に、風上側半導体モジュール24aおよび風下側半導体モジュール24bを対にして複数設置して使用する。
【0005】
図12は、図10に示した従来の強制空冷式ヒートシンクの空気の流れ(気流)を示した断面図であり、吸気口32、風上側風洞28a、フィン23、風下側風洞28bで風路を形成し、冷却ファン25により外部に排気する。
【0006】
吸気口32より取込まれた空気は、風上側風洞28aを経由してヒートシンク21のフィン23の間を抜けて風下側風洞28bに至り、冷却ファン25により外部に排気される。一方、半導体モジュール24a,24bで発生した熱は、ベース22を経由してフィン23に伝わり、フィン23の間を通過する空気に吸熱されて外部に排気される。これにより、半導体モジュール24a,24bで発生した熱が除去されて、半導体モジュール24a,24bを冷却する。強制空冷式ヒートシンクは、半導体モジュール24a,24bから発生した熱をベース22を介してフィン23から空気中に放熱するため、フィン23間の空気温度は、風上側よりも風下側が高くなる。
【0007】
このため、風上側半導体モジュール24aと風下側半導体モジュール24bの発熱量が同じであった場合、風上側半導体モジュール24aに比べて風下側半導体モジュール24bの温度が高くなる。一方、半導体モジュール24a,24bには、使用温度に限界があり、局部的な温度上昇が装置稼動のボトルネックになる。このため、通常、風上側に、発熱温度の高い半導体モジュール24aを配置し、風下側に発熱温度の低い半導体モジュール24bを配置する等の工夫をして半導体モジュール24a,24bの温度が使用限界を超えないようにしている。ところが半導体モジュールのレイアウトによっては、このような方法が採れないこともあり、風下側半導体モジュール24bの温度が高くなって強制空冷式ヒートシンクの冷却能力を充分に活用することができないという不具合が発生する。
【0008】
この強制空冷式ヒートシンクの不具合を解決する従来の方法として、風下側に配置した半導体モジュールTR2と、その風上側に配置した半導体モジュールTR1との間のベース部分に開口(空気取り入れ口)を設けてバイパス風路を形成し風下側に配置された半導体モジュールTR2を開口から取り入れた空気で冷却する構造が、下記特許文献1に示されている。
【0009】
図13は、上述した特許文献1に示された強制空冷式ヒートシンクの構造を示す図である。この図では、発熱体として、パワートランジスタを想定したもので、風上側パワートランジスタTR1と風下側パワートランジスタTR2との間の風洞に開口(空気取り入れ口)を設けている。このように、開口から風上側の風洞を通過しない空気を風下側風洞に供給して風下側に配置した半導体モジュールを冷却して、風上側よりも風下側が高温となる不具合の解消を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平10-200282号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
強制空冷式ヒートシンクは、半導体モジュールから発生した熱をベースを介してフィンから空気中に放熱するため、フィン間の空気温度は、風上側から風下側に向けて高くなり、風下側半導体モジュールの冷却性能が低下する。この課題を解決する方法の一例が上記特許文献1に記載されているが、半導体モジュールの周囲に空気を流すため、半導体モジュールの端子に塵や埃が付着して絶縁性能が低下するという問題が生じる。このため、通常、エアーフィルターを使用して塵や埃を除去している。
【0012】
しかし、エアーフィルターの目を細かくして捕集能力を上げると、圧力損失が大きくなり、強力なファンが必要になったり、エアーフィルターのメンテナンス周期が短くなったりする新たな不具合を生じる。また、冷却ファンにより空気を送り込む構造を採用してヒートシンクのベースに開口部を設けた場合、フィン間の圧力が高まった状態で開口部から外部へ空気を放出することになり、冷却用の空気を開口部から吸入することができないという問題が生じる。
【0013】
そこで本発明は、圧力損失が減少し且つ気流のよどみを無くして、効率良く風下側半導体モジュールを冷却することができる強制空冷式ヒートシンクを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために本発明の一態様は、複数の半導体モジュールを風上側半導体モジュールと風下側半導体モジュールを対にして高熱伝導材料からなるベースの一方の面に設けると共に該ベースの他方の面に互いに平行に形成した高熱伝導性材料からなる複数のフィンを設けたヒートシンクと、該ヒートシンクの風上側と風下側においてそれぞれ繋げて設置される風洞と、前記風下側に設置された風洞に繋げて設置される冷却ファンとを有し、前記ヒートシンク、前記風上側風洞、前記風下側風洞及び前記冷却ファンを筐体内に収納した強制空冷式ヒートシンクにおいて、
前記風上側半導体モジュールと前記風下側半導体モジュールの間にあって前記ベースに開口部を形成すると共に、前記開口部の形状を、前記半導体モジュールの取付け側は、前記ベースの垂直面から風上側に偏倚させるとともに前記フィンの取り付け側は、前記ベースの垂直面から風下側に偏倚させて前記ベースを斜めに貫通する形状としたことを特徴とする。
【0015】
上記において外部から吸入した空気を前記ベース上の前記半導体モジュールに通過させる開口部を前記風上側風洞に設けていることを特徴とする。
また上記において前記ベースに形成される開口部は、前記対となった前記風上側半導体モジュールと前記風下側半導体モジュール対応に複数設けたことを特徴とする。
【0016】
さらに上記において前記ベースに複数設けられた開口部を繋げて1つにしたことを特徴とする。
また上記課題を解決するために本発明の別の態様は、複数の半導体モジュールを風上側半導体モジュールと風下側半導体モジュールを対にして高熱伝導材料からなるベースの一方の面に設けると共に該ベースの他方の面に互いに平行に形成した高熱伝導性材料からなる複数のフィンを設けたヒートシンクと、該ヒートシンクの風上側と風下側においてそれぞれ繋げて設置される風洞と、前記風下側に設置された風洞に繋げて設置される冷却ファンとを有し、前記ヒートシンク、前記風上側風洞、前記風下側風洞及び前記冷却ファンを筐体内に収納した強制空冷式ヒートシンクにおいて、
前記風上側半導体モジュールと前記風下側半導体モジュールの間にあって前記ベースに開口部を形成すると共に、前記風上側半導体モジュールのそれぞれをコの字形に囲むと共に前記開口部を覆うように筐体の吸気口に連通するダクトを前記ベースの前記半導体モジュール設置面に備えていることを特徴とする。
【0017】
上記における開口部の形状として、前記開口部の端面が前記ベースの水平面に対して垂直に形成されていることを特徴とする。
また上記において、前記開口部の形状を、前記半導体モジュールの取付け側は、前記ベースの垂直面から風上側に偏倚させるとともに前記フィンの取り付け側は、前記ベースの垂直面から風下側に偏倚させて前記ベースを斜めに貫通する形状としたことを特徴とする。
【0018】
さらに上記において前記開口部は、前記対となった前記風上側半導体モジュールと前記風下側半導体モジュール対応に複数設けたことを特徴とする。
また上記において前記複数設けた開口部を繋げて1つにしたことを特徴とする。
【0019】
上記において前記風上側風洞を設けずに外部から吸入した空気を前記ダクトに直に通過させる構成としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、半導体モジュール側からフィン側に向けてベースに形成する開口部を風上側から風下側へ斜めに貫通させる構成としたことで、ベースの開口部を通過する空気とフィンの風上側から流れる空気との合流がスムーズになり、気流のよどみが無くなるため、圧力損失が減少し効率良く半導体モジュールを冷却することができる。また、風上側フィンからの熱を受けない空気を風下側フィンのベースの根元に供給できるため、風下側フィンの熱交換を促進して半導体モジュールをより効率良く冷却することができる。
【0021】
また本発明は、風上側フィンからの熱を受けない空気を、ダクトを通して風下側のフィンの根元に直接送ることができるため、風上側半導体モジュールが発生する熱の煽りを受け易い風下側半導体モジュールの温度を下げることができる。また、風上側のフィンを通過しない空気を風下側フィンのベースにより多く供給できるため、ヒートシンク全体の圧力損失を低減することが可能になると共に半導体モジュールを効率良く冷却することができる。
【0022】
またダクト形状をコの字形にして風上側半導体モジュールを囲むように構成することで、風上側半導体モジュールの周囲に空気を流さず、ベースに設けた開口部に空気を供給することができるため、冷却ファンの出力を上げても半導体モジュールの端子に塵や埃を付着させることがない。また冷却ファンによりフィンの空気を吸い込む構造にしているため、風上側フィンの放熱を受けない空気をベースに設けた開口部から風下側フィンの根元に供給することができるため、風下側のフィンの温度が下がり、風下側に配置した半導体モジュールの温度を効率良く下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクの主要部であるヒートシンクの構造を説明するための斜視図である。
【図2】図1に示した本発明の第1の実施形態におけるヒートシンクの変形例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクの空気の流れの様子を示した断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクの主要部であるヒートシンクの構造を説明するための斜視図である。
【図5】図4の強制空冷式ヒートシンクにおけるダクトを取外した状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施形態における強制空冷式ヒートシンクの空気の流れの様子を示した断面図である。
【図7】図6に示した本発明の第2の実施形態における強制空冷式ヒートシンクの変形例を示す断面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態における強制空冷式ヒートシンクの空気の流れの様子を示した断面図である。
【図9】図8に示した本発明の第3の実施形態における強制空冷式ヒートシンクの変形例を示す断面図である。
【図10】従来の強制空冷式ヒートシンクの構造を示した斜視図である。
【図11】図10に示した従来の強制空冷式ヒートシンクの筐体からヒートシンクを取出して示した斜視図である。
【図12】図10に示した従来の強制空冷式ヒートシンクの空気の流れ(気流)を示した断面図である。
【図13】特許文献1に示された強制空冷式ヒートシンクの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1ないし図3を用いて本発明の第1の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクの構成について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクの主要部であるヒートシンクの構造を説明するための斜視図である。図1においてヒートシンク1のベース2の一方の面には、風上側から風下側に風上側半導体モジュール4aと風下側の半導体モジュール4bが対になって設置されている。なお、ベース2は銅などの高熱伝導材料で構成されている。そして対になって設置された風上側半導体モジュール4aと風下側半導体モジュール4bとの間に複数の開口部9がベース2に形成されている。図示例では3つの開口部が風上側半導体モジュール4aと風下側の半導体モジュール4bの間に形成されている。そしてベース2の他方の面に垂直に且つ互いに平行に並べて銅などの高熱伝導材料からなる複数のフィン3が形成されている。その結果、上流から下流に向かう空気の流れ(気流)は、平行した簾状のフィン3の間を通過することになる。
【0025】
図2は、図1に示した本発明の第1の実施形態におけるヒートシンクの変形例を示す図である。図2に示す変形例においては、図1に示した複数の開口部を繋いで1つの開口部9を形成されている点が異なるのみで、他の構成は図1に示した本発明の第1の実施形態におけるヒートシンクと同様である。
【0026】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクの空気の流れの様子を示した断面図であり、図10に示すのと同様の筐体内に収納され、さらに図1及び図2に示した本発明の第1の実施形態におけるヒートシンク1の対になって設置された風上側半導体モジュール4aと風下側半導体モジュール4bを通る面で破断したもので、ベースの肉厚部分の斜線表示およびその余の破断部の肉厚並びにその破断箇所について図示省略している。
【0027】
図3において本発明の第1の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクは、図1及び図2に示した本発明の第1の実施形態におけるヒートシンク1が筐体6内に納められ、吸気口12側及び冷却ファン5側にそれぞれに風洞8a,8bおよび風洞8bに繋げて冷却ファン5が設けられているのが看て取れる。また風上側風洞8aには、風上側風洞開口部8cが形成されている。そしてベース2に形成された開口部9の形状は、図1及び図2では必ずしも明瞭に看て取れなかったが、図3に示される断面図から明らかなように、ベース2上の半導体モジュール4a,4bの取付け側は、ベース垂直面から風上側に偏倚させるとともにベース2のフィン3の取り付け側は、ベース垂直面から風下側に偏倚させてベース2を斜めに貫通するように構成する。
【0028】
本発明の第1の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクでは、開口部9をこのような形状とすることにより、ベース2の開口部9を通過する空気とフィン3の風上側から風下側に流れる空気をスムーズに合流させることができる。これにより、圧力損失を低減させると共に空気のよどみを無くすことができるため、冷却性能を向上させることができる。
【0029】
また本発明の第1の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクにおける全体の空気の流れは、外部から吸気口12を経て取込まれた空気(風上側気流7a)は、風上側風洞8aを経由して、フィン3の間を抜けて風下側風洞8bに至り、冷却ファン5を通過して外部に放出(風下側気流7b)される。その一方、風上側風洞8aを経由し、風上側風洞開口部8cからベース2上を通過する空気は、風上側半導体モジュール4aと風下側半導体モジュール4bとの間に形成された上記形状の開口部9を経由して、フィン3に供給される。その結果、外部から風上側風洞8aおよび風上側風洞開口部8cを経由してベース2上を通過する空気(風上側気流7a)を風上側のフィン3による放熱を受けずに風下側のフィン3に供給することができるので、風下側の冷却性能を向上させることができる。
【0030】
[第2の実施形態]
図4ないし図7を用いて本発明の第2の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクの構成について説明する。図4は、本発明の第2の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクの主要部であるヒートシンクの構造を説明するための斜視図である。図4においてヒートシンク1のベース2の一方の面には、風上側から風下側に風上側半導体モジュール4aと風下側の半導体モジュール4bが対になって設置されている。なお、ベース2は銅などの高熱伝導材料で構成されている。そして対になって設置された風上側半導体モジュール4aと風下側半導体モジュール4bとの間に複数(図示例では2つ)の開口部9(図5参照)がベース2に形成され、当該開口部9が覆われるように且つ風上側半導体モジュール4aのそれぞれをコの字形で仕切るようにダクト10を設けている。そしてベース2の他方の面に垂直に且つ互いに平行に並べて銅などの高熱伝導材料からなる複数のフィン3が形成されている。その結果、上流から下流に向かう空気の流れ(気流)は、平行した簾状のフィン3の間を通過することになる。また風上側半導体モジュール4aおよび風下側半導体モジュール4bには主端子11aおよび制御端子11bがそれぞれ設けられている。
【0031】
図5は、図4に示したヒートシンクにおけるダクトを取外した状態を示す斜視図である。図4に示したヒートシンク1におけるダクト10を取外すと図5から分かるように、風上側半導体モジュール4aと風下側半導体モジュール4bとの間に、複数(図示例では2つ)の開口部9が設けられているのが看て取れる。また開口部9は、角形の孔に限らず、丸形の孔や楕円形状等その他の形状の孔でも良い。なお図5に示されている複数の開口部を繋いで1つの開口部9にしても良い。
【0032】
図6は、本発明の第2の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクの空気の流れの様子を示した断面図であり、図10に示すのと同様の筐体内に収納され、さらに図4に示した本発明の第2の実施形態におけるヒートシンク1の風上側に延び外気を吸入するダクト10を通る面で破断したもので、ベースの肉厚部分の斜線表示およびその余の破断部の肉厚並びにその破断箇所について図示省略している。
【0033】
図6において本発明の第2の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクは、図4に示した本発明の第2の実施形態におけるヒートシンク1が筐体6内に納められ、吸気口12側及び冷却ファン5側にそれぞれに風洞8a,8bおよび風洞8bに繋げて冷却ファン5が設けられているのが看て取れる。
【0034】
図6において吸気口12から取込んだ空気(風上側気流7a)は、風上側風洞8aを経由して、フィン3の間を抜けて風下側風洞8bに至り、冷却ファン5により外部へ放出(風下側気流7b)される。その一方、風上側風洞8aからダクト10を通過する空気は、風上側半導体モジュール4aと風下側半導体モジュール4bとの間のベース2に形成された開口部9aを経由して、風下側のフィン3に供給される。ここで開口部9aの端面は、ベース2の水平面に対して垂直に形成されている。このように本発明の第2の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクの構成であれば、ダクト10を経由して開口部9aに外気を導くことで風上側のフィン3による放熱を受けない空気を風下側のフィン3に供給することができるので、風下側の冷却性能を一層向上させることができる。
【0035】
図7は、図6に示した本発明の第2の実施形態における強制空冷式ヒートシンクの変形例を示す断面図であり、図6と同じく強制空冷式ヒートシンクの空気の流れの様子を示したものである。図7においては、図6における風上側風洞8aを削除したうえでダクト10を経由して開口部9aに外気を導く構成としたことにより、部品点数が減り、製作コストを軽減することができる。
【0036】
[第3の実施形態]
図8及び図9を用いて本発明の第3の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクの構成について説明する。図8は、本発明の第3の実施形態における強制空冷式ヒートシンクの空気の流れの様子を示した断面図で、図10に示すのと同様の筐体内に収納され、さらに図4に示した本発明の第2の実施形態と同様に、ヒートシンク1の風上側に延び外気を吸入するダクト10を通る面で破断したもので、その破断箇所及び破断面について図示省略している。図8に示した本発明の第3の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクの基本構造は、図6に示した本発明の第2の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクの構成と同じだが、開口部9bの構造を図6に示した本発明の第2の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクの開口部9aの構造に代えて、図3に示した本発明の第1の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクの開口部9と同じ構造にしたものである。
【0037】
図8に示す断面図から明らかなように、本発明の第3の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクにおける開口部9bの形状は、ベース2上の半導体モジュール4a,4bの取付け側は、ベース垂直面から風上側に偏倚させるとともにベース2のフィン3の取り付け側は、ベース垂直面から風下側に偏倚させてベース2を斜めに貫通するように構成する。
【0038】
また図8では、上記図6と同様に、吸気口12側及び冷却ファン5側にそれぞれに風洞8a,8bおよび風洞8bに繋げて冷却ファン5が設けられているのが看て取れる。また図8では、上記図4及び図6と同様に、開口部9bが覆われるように且つ風上側半導体モジュール4aのそれぞれをコの字形で仕切るようにダクト10が設けられる。
【0039】
本発明の第3の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクでは、ダクト10を設けたことと開口部9bを上記のような形状とすることにより、ベース2の開口部9bを通過する空気とフィン3の風上側から風下側に流れる空気をより一層スムーズに合流させることができる。これにより、圧力損失を低減させると共に空気のよどみを無くすことができるため、冷却性能を一層向上させることができる。
【0040】
また本発明の第3の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクにおける全体の空気の流れは、外部から吸気口12を経て取込まれた空気(風上側気流7a)は、風上側風洞8aを経由して、フィン3の間を抜けて風下側風洞8bに至り、冷却ファン5を通過して外部に放出(風下側気流7b)される。その一方、外部から吸気口12を経て取込まれた空気(風上側気流7a)は、外部から風上側風洞8aおよびダクト10を経由して風上側半導体モジュール4aと風下側半導体モジュール4bとの間に形成された上記形状の開口部9bを経由して、フィン3に供給される。その結果、外部から風上側風洞8aおよびダクト10を経て取込まれた空気(風上側気流7a)を風上側のフィン3による放熱を受けずに風下側のフィン3に供給することができるので、風下側の冷却性能を一層向上させることができる。
【0041】
図9は、図8に示した本発明の第3の実施形態における強制空冷式ヒートシンクの変形例を示す断面図であり、図8と同じく強制空冷式ヒートシンクの空気の流れの様子を示したものである。図9においては、図8における風上側風洞8aを削除したうえでダクト10を経由して開口部9bに外気を導く構成としたことにより、部品点数が減り、製作コストを軽減することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 ヒートシンク
2 ベース
3 フィン
4a 風上側半導体モジュール
4b 風下側半導体モジュール
5 冷却ファン
6 筐体
7a 風上側気流
7b 風下側気流
8a 風上側風洞
8b 風下側風洞
9,9a,9b 開口部
10 ダクト
11a 主端子
11b 制御端子
12 吸気口
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ等の負荷を駆動するインバータ装置、無停電電源装置、アクティブフィルター等の電力変換装置において、内蔵する複数の半導体モジュールを冷却するのに適した強制空冷式ヒートシンクの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
上述した電力変換装置は、家電製品から運輸、産業製品に至る様々な用途で使用されており、容量範囲も数W(ワット)から数MW(メガワット)にまで及んでいる。この電力変換装置のスイッチング時および定常時に発生する損失は、熱に変換されるため、熱に変換された発生熱を速やかに放熱し、半導体素子のジャンクション温度を上限値(最大150℃)以下に抑える必要がある。発生損失が、数W(ワット)レベルまでは、半導体素子表面からの自然空冷でも良いが、数十W(ワット)を越えるレベルでは、ファン等を用いてヒートシンクのフィン部分に強制的に送風してヒートシンクの冷却を促進する強制空冷式ヒートシンクが採用されることが多い。
【0003】
図10ないし図12を用いて従来の強制空冷式ヒートシンクの構成を説明する。図10は、従来の強制空冷式ヒートシンクの構造を示した斜視図である。風上側及び風下側にそれぞれ複数の半導体モジュール24a,24bが配置されたヒートシンク21は、筐体26の内部に設置されている。この筐体26の一方の端面には、冷却ファン25が設置され、他方の端面には、吸気口32が設けられている。
【0004】
図11は、図10に示した強制空冷式ヒートシンクの筐体26からヒートシンク21を取出して示した斜視図である。このヒートシンク21は、熱良導体であるベース22と熱良導体である複数のフィン23により形成されており、ベース22の一方の面に垂直に且つ互いに平行に並べて熱良導体からなるフィン23が設けられ、ベース22の他方の面に、風上側半導体モジュール24aおよび風下側半導体モジュール24bを対にして複数設置して使用する。
【0005】
図12は、図10に示した従来の強制空冷式ヒートシンクの空気の流れ(気流)を示した断面図であり、吸気口32、風上側風洞28a、フィン23、風下側風洞28bで風路を形成し、冷却ファン25により外部に排気する。
【0006】
吸気口32より取込まれた空気は、風上側風洞28aを経由してヒートシンク21のフィン23の間を抜けて風下側風洞28bに至り、冷却ファン25により外部に排気される。一方、半導体モジュール24a,24bで発生した熱は、ベース22を経由してフィン23に伝わり、フィン23の間を通過する空気に吸熱されて外部に排気される。これにより、半導体モジュール24a,24bで発生した熱が除去されて、半導体モジュール24a,24bを冷却する。強制空冷式ヒートシンクは、半導体モジュール24a,24bから発生した熱をベース22を介してフィン23から空気中に放熱するため、フィン23間の空気温度は、風上側よりも風下側が高くなる。
【0007】
このため、風上側半導体モジュール24aと風下側半導体モジュール24bの発熱量が同じであった場合、風上側半導体モジュール24aに比べて風下側半導体モジュール24bの温度が高くなる。一方、半導体モジュール24a,24bには、使用温度に限界があり、局部的な温度上昇が装置稼動のボトルネックになる。このため、通常、風上側に、発熱温度の高い半導体モジュール24aを配置し、風下側に発熱温度の低い半導体モジュール24bを配置する等の工夫をして半導体モジュール24a,24bの温度が使用限界を超えないようにしている。ところが半導体モジュールのレイアウトによっては、このような方法が採れないこともあり、風下側半導体モジュール24bの温度が高くなって強制空冷式ヒートシンクの冷却能力を充分に活用することができないという不具合が発生する。
【0008】
この強制空冷式ヒートシンクの不具合を解決する従来の方法として、風下側に配置した半導体モジュールTR2と、その風上側に配置した半導体モジュールTR1との間のベース部分に開口(空気取り入れ口)を設けてバイパス風路を形成し風下側に配置された半導体モジュールTR2を開口から取り入れた空気で冷却する構造が、下記特許文献1に示されている。
【0009】
図13は、上述した特許文献1に示された強制空冷式ヒートシンクの構造を示す図である。この図では、発熱体として、パワートランジスタを想定したもので、風上側パワートランジスタTR1と風下側パワートランジスタTR2との間の風洞に開口(空気取り入れ口)を設けている。このように、開口から風上側の風洞を通過しない空気を風下側風洞に供給して風下側に配置した半導体モジュールを冷却して、風上側よりも風下側が高温となる不具合の解消を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平10-200282号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
強制空冷式ヒートシンクは、半導体モジュールから発生した熱をベースを介してフィンから空気中に放熱するため、フィン間の空気温度は、風上側から風下側に向けて高くなり、風下側半導体モジュールの冷却性能が低下する。この課題を解決する方法の一例が上記特許文献1に記載されているが、半導体モジュールの周囲に空気を流すため、半導体モジュールの端子に塵や埃が付着して絶縁性能が低下するという問題が生じる。このため、通常、エアーフィルターを使用して塵や埃を除去している。
【0012】
しかし、エアーフィルターの目を細かくして捕集能力を上げると、圧力損失が大きくなり、強力なファンが必要になったり、エアーフィルターのメンテナンス周期が短くなったりする新たな不具合を生じる。また、冷却ファンにより空気を送り込む構造を採用してヒートシンクのベースに開口部を設けた場合、フィン間の圧力が高まった状態で開口部から外部へ空気を放出することになり、冷却用の空気を開口部から吸入することができないという問題が生じる。
【0013】
そこで本発明は、圧力損失が減少し且つ気流のよどみを無くして、効率良く風下側半導体モジュールを冷却することができる強制空冷式ヒートシンクを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために本発明の一態様は、複数の半導体モジュールを風上側半導体モジュールと風下側半導体モジュールを対にして高熱伝導材料からなるベースの一方の面に設けると共に該ベースの他方の面に互いに平行に形成した高熱伝導性材料からなる複数のフィンを設けたヒートシンクと、該ヒートシンクの風上側と風下側においてそれぞれ繋げて設置される風洞と、前記風下側に設置された風洞に繋げて設置される冷却ファンとを有し、前記ヒートシンク、前記風上側風洞、前記風下側風洞及び前記冷却ファンを筐体内に収納した強制空冷式ヒートシンクにおいて、
前記風上側半導体モジュールと前記風下側半導体モジュールの間にあって前記ベースに開口部を形成すると共に、前記開口部の形状を、前記半導体モジュールの取付け側は、前記ベースの垂直面から風上側に偏倚させるとともに前記フィンの取り付け側は、前記ベースの垂直面から風下側に偏倚させて前記ベースを斜めに貫通する形状としたことを特徴とする。
【0015】
上記において外部から吸入した空気を前記ベース上の前記半導体モジュールに通過させる開口部を前記風上側風洞に設けていることを特徴とする。
また上記において前記ベースに形成される開口部は、前記対となった前記風上側半導体モジュールと前記風下側半導体モジュール対応に複数設けたことを特徴とする。
【0016】
さらに上記において前記ベースに複数設けられた開口部を繋げて1つにしたことを特徴とする。
また上記課題を解決するために本発明の別の態様は、複数の半導体モジュールを風上側半導体モジュールと風下側半導体モジュールを対にして高熱伝導材料からなるベースの一方の面に設けると共に該ベースの他方の面に互いに平行に形成した高熱伝導性材料からなる複数のフィンを設けたヒートシンクと、該ヒートシンクの風上側と風下側においてそれぞれ繋げて設置される風洞と、前記風下側に設置された風洞に繋げて設置される冷却ファンとを有し、前記ヒートシンク、前記風上側風洞、前記風下側風洞及び前記冷却ファンを筐体内に収納した強制空冷式ヒートシンクにおいて、
前記風上側半導体モジュールと前記風下側半導体モジュールの間にあって前記ベースに開口部を形成すると共に、前記風上側半導体モジュールのそれぞれをコの字形に囲むと共に前記開口部を覆うように筐体の吸気口に連通するダクトを前記ベースの前記半導体モジュール設置面に備えていることを特徴とする。
【0017】
上記における開口部の形状として、前記開口部の端面が前記ベースの水平面に対して垂直に形成されていることを特徴とする。
また上記において、前記開口部の形状を、前記半導体モジュールの取付け側は、前記ベースの垂直面から風上側に偏倚させるとともに前記フィンの取り付け側は、前記ベースの垂直面から風下側に偏倚させて前記ベースを斜めに貫通する形状としたことを特徴とする。
【0018】
さらに上記において前記開口部は、前記対となった前記風上側半導体モジュールと前記風下側半導体モジュール対応に複数設けたことを特徴とする。
また上記において前記複数設けた開口部を繋げて1つにしたことを特徴とする。
【0019】
上記において前記風上側風洞を設けずに外部から吸入した空気を前記ダクトに直に通過させる構成としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、半導体モジュール側からフィン側に向けてベースに形成する開口部を風上側から風下側へ斜めに貫通させる構成としたことで、ベースの開口部を通過する空気とフィンの風上側から流れる空気との合流がスムーズになり、気流のよどみが無くなるため、圧力損失が減少し効率良く半導体モジュールを冷却することができる。また、風上側フィンからの熱を受けない空気を風下側フィンのベースの根元に供給できるため、風下側フィンの熱交換を促進して半導体モジュールをより効率良く冷却することができる。
【0021】
また本発明は、風上側フィンからの熱を受けない空気を、ダクトを通して風下側のフィンの根元に直接送ることができるため、風上側半導体モジュールが発生する熱の煽りを受け易い風下側半導体モジュールの温度を下げることができる。また、風上側のフィンを通過しない空気を風下側フィンのベースにより多く供給できるため、ヒートシンク全体の圧力損失を低減することが可能になると共に半導体モジュールを効率良く冷却することができる。
【0022】
またダクト形状をコの字形にして風上側半導体モジュールを囲むように構成することで、風上側半導体モジュールの周囲に空気を流さず、ベースに設けた開口部に空気を供給することができるため、冷却ファンの出力を上げても半導体モジュールの端子に塵や埃を付着させることがない。また冷却ファンによりフィンの空気を吸い込む構造にしているため、風上側フィンの放熱を受けない空気をベースに設けた開口部から風下側フィンの根元に供給することができるため、風下側のフィンの温度が下がり、風下側に配置した半導体モジュールの温度を効率良く下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクの主要部であるヒートシンクの構造を説明するための斜視図である。
【図2】図1に示した本発明の第1の実施形態におけるヒートシンクの変形例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクの空気の流れの様子を示した断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクの主要部であるヒートシンクの構造を説明するための斜視図である。
【図5】図4の強制空冷式ヒートシンクにおけるダクトを取外した状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施形態における強制空冷式ヒートシンクの空気の流れの様子を示した断面図である。
【図7】図6に示した本発明の第2の実施形態における強制空冷式ヒートシンクの変形例を示す断面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態における強制空冷式ヒートシンクの空気の流れの様子を示した断面図である。
【図9】図8に示した本発明の第3の実施形態における強制空冷式ヒートシンクの変形例を示す断面図である。
【図10】従来の強制空冷式ヒートシンクの構造を示した斜視図である。
【図11】図10に示した従来の強制空冷式ヒートシンクの筐体からヒートシンクを取出して示した斜視図である。
【図12】図10に示した従来の強制空冷式ヒートシンクの空気の流れ(気流)を示した断面図である。
【図13】特許文献1に示された強制空冷式ヒートシンクの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1ないし図3を用いて本発明の第1の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクの構成について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクの主要部であるヒートシンクの構造を説明するための斜視図である。図1においてヒートシンク1のベース2の一方の面には、風上側から風下側に風上側半導体モジュール4aと風下側の半導体モジュール4bが対になって設置されている。なお、ベース2は銅などの高熱伝導材料で構成されている。そして対になって設置された風上側半導体モジュール4aと風下側半導体モジュール4bとの間に複数の開口部9がベース2に形成されている。図示例では3つの開口部が風上側半導体モジュール4aと風下側の半導体モジュール4bの間に形成されている。そしてベース2の他方の面に垂直に且つ互いに平行に並べて銅などの高熱伝導材料からなる複数のフィン3が形成されている。その結果、上流から下流に向かう空気の流れ(気流)は、平行した簾状のフィン3の間を通過することになる。
【0025】
図2は、図1に示した本発明の第1の実施形態におけるヒートシンクの変形例を示す図である。図2に示す変形例においては、図1に示した複数の開口部を繋いで1つの開口部9を形成されている点が異なるのみで、他の構成は図1に示した本発明の第1の実施形態におけるヒートシンクと同様である。
【0026】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクの空気の流れの様子を示した断面図であり、図10に示すのと同様の筐体内に収納され、さらに図1及び図2に示した本発明の第1の実施形態におけるヒートシンク1の対になって設置された風上側半導体モジュール4aと風下側半導体モジュール4bを通る面で破断したもので、ベースの肉厚部分の斜線表示およびその余の破断部の肉厚並びにその破断箇所について図示省略している。
【0027】
図3において本発明の第1の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクは、図1及び図2に示した本発明の第1の実施形態におけるヒートシンク1が筐体6内に納められ、吸気口12側及び冷却ファン5側にそれぞれに風洞8a,8bおよび風洞8bに繋げて冷却ファン5が設けられているのが看て取れる。また風上側風洞8aには、風上側風洞開口部8cが形成されている。そしてベース2に形成された開口部9の形状は、図1及び図2では必ずしも明瞭に看て取れなかったが、図3に示される断面図から明らかなように、ベース2上の半導体モジュール4a,4bの取付け側は、ベース垂直面から風上側に偏倚させるとともにベース2のフィン3の取り付け側は、ベース垂直面から風下側に偏倚させてベース2を斜めに貫通するように構成する。
【0028】
本発明の第1の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクでは、開口部9をこのような形状とすることにより、ベース2の開口部9を通過する空気とフィン3の風上側から風下側に流れる空気をスムーズに合流させることができる。これにより、圧力損失を低減させると共に空気のよどみを無くすことができるため、冷却性能を向上させることができる。
【0029】
また本発明の第1の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクにおける全体の空気の流れは、外部から吸気口12を経て取込まれた空気(風上側気流7a)は、風上側風洞8aを経由して、フィン3の間を抜けて風下側風洞8bに至り、冷却ファン5を通過して外部に放出(風下側気流7b)される。その一方、風上側風洞8aを経由し、風上側風洞開口部8cからベース2上を通過する空気は、風上側半導体モジュール4aと風下側半導体モジュール4bとの間に形成された上記形状の開口部9を経由して、フィン3に供給される。その結果、外部から風上側風洞8aおよび風上側風洞開口部8cを経由してベース2上を通過する空気(風上側気流7a)を風上側のフィン3による放熱を受けずに風下側のフィン3に供給することができるので、風下側の冷却性能を向上させることができる。
【0030】
[第2の実施形態]
図4ないし図7を用いて本発明の第2の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクの構成について説明する。図4は、本発明の第2の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクの主要部であるヒートシンクの構造を説明するための斜視図である。図4においてヒートシンク1のベース2の一方の面には、風上側から風下側に風上側半導体モジュール4aと風下側の半導体モジュール4bが対になって設置されている。なお、ベース2は銅などの高熱伝導材料で構成されている。そして対になって設置された風上側半導体モジュール4aと風下側半導体モジュール4bとの間に複数(図示例では2つ)の開口部9(図5参照)がベース2に形成され、当該開口部9が覆われるように且つ風上側半導体モジュール4aのそれぞれをコの字形で仕切るようにダクト10を設けている。そしてベース2の他方の面に垂直に且つ互いに平行に並べて銅などの高熱伝導材料からなる複数のフィン3が形成されている。その結果、上流から下流に向かう空気の流れ(気流)は、平行した簾状のフィン3の間を通過することになる。また風上側半導体モジュール4aおよび風下側半導体モジュール4bには主端子11aおよび制御端子11bがそれぞれ設けられている。
【0031】
図5は、図4に示したヒートシンクにおけるダクトを取外した状態を示す斜視図である。図4に示したヒートシンク1におけるダクト10を取外すと図5から分かるように、風上側半導体モジュール4aと風下側半導体モジュール4bとの間に、複数(図示例では2つ)の開口部9が設けられているのが看て取れる。また開口部9は、角形の孔に限らず、丸形の孔や楕円形状等その他の形状の孔でも良い。なお図5に示されている複数の開口部を繋いで1つの開口部9にしても良い。
【0032】
図6は、本発明の第2の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクの空気の流れの様子を示した断面図であり、図10に示すのと同様の筐体内に収納され、さらに図4に示した本発明の第2の実施形態におけるヒートシンク1の風上側に延び外気を吸入するダクト10を通る面で破断したもので、ベースの肉厚部分の斜線表示およびその余の破断部の肉厚並びにその破断箇所について図示省略している。
【0033】
図6において本発明の第2の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクは、図4に示した本発明の第2の実施形態におけるヒートシンク1が筐体6内に納められ、吸気口12側及び冷却ファン5側にそれぞれに風洞8a,8bおよび風洞8bに繋げて冷却ファン5が設けられているのが看て取れる。
【0034】
図6において吸気口12から取込んだ空気(風上側気流7a)は、風上側風洞8aを経由して、フィン3の間を抜けて風下側風洞8bに至り、冷却ファン5により外部へ放出(風下側気流7b)される。その一方、風上側風洞8aからダクト10を通過する空気は、風上側半導体モジュール4aと風下側半導体モジュール4bとの間のベース2に形成された開口部9aを経由して、風下側のフィン3に供給される。ここで開口部9aの端面は、ベース2の水平面に対して垂直に形成されている。このように本発明の第2の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクの構成であれば、ダクト10を経由して開口部9aに外気を導くことで風上側のフィン3による放熱を受けない空気を風下側のフィン3に供給することができるので、風下側の冷却性能を一層向上させることができる。
【0035】
図7は、図6に示した本発明の第2の実施形態における強制空冷式ヒートシンクの変形例を示す断面図であり、図6と同じく強制空冷式ヒートシンクの空気の流れの様子を示したものである。図7においては、図6における風上側風洞8aを削除したうえでダクト10を経由して開口部9aに外気を導く構成としたことにより、部品点数が減り、製作コストを軽減することができる。
【0036】
[第3の実施形態]
図8及び図9を用いて本発明の第3の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクの構成について説明する。図8は、本発明の第3の実施形態における強制空冷式ヒートシンクの空気の流れの様子を示した断面図で、図10に示すのと同様の筐体内に収納され、さらに図4に示した本発明の第2の実施形態と同様に、ヒートシンク1の風上側に延び外気を吸入するダクト10を通る面で破断したもので、その破断箇所及び破断面について図示省略している。図8に示した本発明の第3の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクの基本構造は、図6に示した本発明の第2の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクの構成と同じだが、開口部9bの構造を図6に示した本発明の第2の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクの開口部9aの構造に代えて、図3に示した本発明の第1の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクの開口部9と同じ構造にしたものである。
【0037】
図8に示す断面図から明らかなように、本発明の第3の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクにおける開口部9bの形状は、ベース2上の半導体モジュール4a,4bの取付け側は、ベース垂直面から風上側に偏倚させるとともにベース2のフィン3の取り付け側は、ベース垂直面から風下側に偏倚させてベース2を斜めに貫通するように構成する。
【0038】
また図8では、上記図6と同様に、吸気口12側及び冷却ファン5側にそれぞれに風洞8a,8bおよび風洞8bに繋げて冷却ファン5が設けられているのが看て取れる。また図8では、上記図4及び図6と同様に、開口部9bが覆われるように且つ風上側半導体モジュール4aのそれぞれをコの字形で仕切るようにダクト10が設けられる。
【0039】
本発明の第3の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクでは、ダクト10を設けたことと開口部9bを上記のような形状とすることにより、ベース2の開口部9bを通過する空気とフィン3の風上側から風下側に流れる空気をより一層スムーズに合流させることができる。これにより、圧力損失を低減させると共に空気のよどみを無くすことができるため、冷却性能を一層向上させることができる。
【0040】
また本発明の第3の実施形態に係る強制空冷式ヒートシンクにおける全体の空気の流れは、外部から吸気口12を経て取込まれた空気(風上側気流7a)は、風上側風洞8aを経由して、フィン3の間を抜けて風下側風洞8bに至り、冷却ファン5を通過して外部に放出(風下側気流7b)される。その一方、外部から吸気口12を経て取込まれた空気(風上側気流7a)は、外部から風上側風洞8aおよびダクト10を経由して風上側半導体モジュール4aと風下側半導体モジュール4bとの間に形成された上記形状の開口部9bを経由して、フィン3に供給される。その結果、外部から風上側風洞8aおよびダクト10を経て取込まれた空気(風上側気流7a)を風上側のフィン3による放熱を受けずに風下側のフィン3に供給することができるので、風下側の冷却性能を一層向上させることができる。
【0041】
図9は、図8に示した本発明の第3の実施形態における強制空冷式ヒートシンクの変形例を示す断面図であり、図8と同じく強制空冷式ヒートシンクの空気の流れの様子を示したものである。図9においては、図8における風上側風洞8aを削除したうえでダクト10を経由して開口部9bに外気を導く構成としたことにより、部品点数が減り、製作コストを軽減することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 ヒートシンク
2 ベース
3 フィン
4a 風上側半導体モジュール
4b 風下側半導体モジュール
5 冷却ファン
6 筐体
7a 風上側気流
7b 風下側気流
8a 風上側風洞
8b 風下側風洞
9,9a,9b 開口部
10 ダクト
11a 主端子
11b 制御端子
12 吸気口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の半導体モジュールを風上側半導体モジュールと風下側半導体モジュールを対にして高熱伝導材料からなるベースの一方の面に設けると共に該ベースの他方の面に互いに平行に形成した高熱伝導性材料からなる複数のフィンを設けたヒートシンクと、該ヒートシンクの風上側と風下側においてそれぞれ繋げて設置される風洞と、前記風下側に設置された風洞に繋げて設置される冷却ファンとを有し、前記ヒートシンク、前記風上側風洞、前記風下側風洞及び前記冷却ファンを筐体内に収納した強制空冷式ヒートシンクにおいて、
前記風上側半導体モジュールと前記風下側半導体モジュールの間にあって前記ベースに開口部を形成すると共に、前記開口部の形状を、前記半導体モジュールの取付け側は、前記ベースの垂直面から風上側に偏倚させるとともに前記フィンの取り付け側は、前記ベースの垂直面から風下側に偏倚させて前記ベースを斜めに貫通する形状としたことを特徴とする強制空冷式ヒートシンク。
【請求項2】
外部から吸入した空気を前記ベース上の前記半導体モジュールに通過させる開口部を前記風上側風洞に設けていることを特徴とする請求項1に記載の強制空冷式ヒートシンク。
【請求項3】
前記ベースに形成される開口部は、前記対となった前記風上側半導体モジュールと前記風下側半導体モジュール対応に複数設けたことを特徴とする請求項1に記載の強制空冷式ヒートシンク。
【請求項4】
前記ベースに複数設けられた開口部を繋げて1つにしたことを特徴とする請求項3に記載の強制空冷式ヒートシンク。
【請求項5】
複数の半導体モジュールを風上側半導体モジュールと風下側半導体モジュールを対にして高熱伝導材料からなるベースの一方の面に設けると共に該ベースの他方の面に互いに平行に形成した高熱伝導性材料からなる複数のフィンを設けたヒートシンクと、該ヒートシンクの風上側と風下側においてそれぞれ繋げて設置される風洞と、前記風下側に設置された風洞に繋げて設置される冷却ファンとを有し、前記ヒートシンク、前記風上側風洞、前記風下側風洞及び前記冷却ファンを筐体内に収納した強制空冷式ヒートシンクにおいて、
前記風上側半導体モジュールと前記風下側半導体モジュールの間にあって前記ベースに開口部を形成すると共に、前記風上側半導体モジュールのそれぞれをコの字形に囲むと共に前記開口部を覆うように筐体の吸気口に連通するダクトを前記ベースの前記半導体モジュール設置面に備えていることを特徴とする強制空冷式ヒートシンク。
【請求項6】
前記開口部の形状として、前記開口部の端面が前記ベースの水平面に対して垂直に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の強制空冷式ヒートシンク。
【請求項7】
前記開口部の形状を、前記半導体モジュールの取付け側は、前記ベースの垂直面から風上側に偏倚させるとともに前記フィンの取り付け側は、前記ベースの垂直面から風下側に偏倚させて前記ベースを斜めに貫通する形状としたことを特徴とする請求項5に記載の強制空冷式ヒートシンク。
【請求項8】
前記開口部は、前記対となった前記風上側半導体モジュールと前記風下側半導体モジュール対応に複数設けたことを特徴とする請求項5ないし7のいずれか一項に記載の強制空冷式ヒートシンク。
【請求項9】
前記複数設けた開口部を繋げて1つにしたことを特徴とする請求項8に記載の強制空冷式ヒートシンク。
【請求項10】
前記風上側風洞を設けずに外部から吸入した空気を前記ダクトに直に通過させる構成としたことを特徴とする請求項5ないし9のいずれか一項に記載の強制空冷式ヒートシンク。
【請求項1】
複数の半導体モジュールを風上側半導体モジュールと風下側半導体モジュールを対にして高熱伝導材料からなるベースの一方の面に設けると共に該ベースの他方の面に互いに平行に形成した高熱伝導性材料からなる複数のフィンを設けたヒートシンクと、該ヒートシンクの風上側と風下側においてそれぞれ繋げて設置される風洞と、前記風下側に設置された風洞に繋げて設置される冷却ファンとを有し、前記ヒートシンク、前記風上側風洞、前記風下側風洞及び前記冷却ファンを筐体内に収納した強制空冷式ヒートシンクにおいて、
前記風上側半導体モジュールと前記風下側半導体モジュールの間にあって前記ベースに開口部を形成すると共に、前記開口部の形状を、前記半導体モジュールの取付け側は、前記ベースの垂直面から風上側に偏倚させるとともに前記フィンの取り付け側は、前記ベースの垂直面から風下側に偏倚させて前記ベースを斜めに貫通する形状としたことを特徴とする強制空冷式ヒートシンク。
【請求項2】
外部から吸入した空気を前記ベース上の前記半導体モジュールに通過させる開口部を前記風上側風洞に設けていることを特徴とする請求項1に記載の強制空冷式ヒートシンク。
【請求項3】
前記ベースに形成される開口部は、前記対となった前記風上側半導体モジュールと前記風下側半導体モジュール対応に複数設けたことを特徴とする請求項1に記載の強制空冷式ヒートシンク。
【請求項4】
前記ベースに複数設けられた開口部を繋げて1つにしたことを特徴とする請求項3に記載の強制空冷式ヒートシンク。
【請求項5】
複数の半導体モジュールを風上側半導体モジュールと風下側半導体モジュールを対にして高熱伝導材料からなるベースの一方の面に設けると共に該ベースの他方の面に互いに平行に形成した高熱伝導性材料からなる複数のフィンを設けたヒートシンクと、該ヒートシンクの風上側と風下側においてそれぞれ繋げて設置される風洞と、前記風下側に設置された風洞に繋げて設置される冷却ファンとを有し、前記ヒートシンク、前記風上側風洞、前記風下側風洞及び前記冷却ファンを筐体内に収納した強制空冷式ヒートシンクにおいて、
前記風上側半導体モジュールと前記風下側半導体モジュールの間にあって前記ベースに開口部を形成すると共に、前記風上側半導体モジュールのそれぞれをコの字形に囲むと共に前記開口部を覆うように筐体の吸気口に連通するダクトを前記ベースの前記半導体モジュール設置面に備えていることを特徴とする強制空冷式ヒートシンク。
【請求項6】
前記開口部の形状として、前記開口部の端面が前記ベースの水平面に対して垂直に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の強制空冷式ヒートシンク。
【請求項7】
前記開口部の形状を、前記半導体モジュールの取付け側は、前記ベースの垂直面から風上側に偏倚させるとともに前記フィンの取り付け側は、前記ベースの垂直面から風下側に偏倚させて前記ベースを斜めに貫通する形状としたことを特徴とする請求項5に記載の強制空冷式ヒートシンク。
【請求項8】
前記開口部は、前記対となった前記風上側半導体モジュールと前記風下側半導体モジュール対応に複数設けたことを特徴とする請求項5ないし7のいずれか一項に記載の強制空冷式ヒートシンク。
【請求項9】
前記複数設けた開口部を繋げて1つにしたことを特徴とする請求項8に記載の強制空冷式ヒートシンク。
【請求項10】
前記風上側風洞を設けずに外部から吸入した空気を前記ダクトに直に通過させる構成としたことを特徴とする請求項5ないし9のいずれか一項に記載の強制空冷式ヒートシンク。
【図3】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図12】
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図10】
【図11】
【図13】
【図6】
【図7】
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【図9】
【図12】
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図10】
【図11】
【図13】
【公開番号】特開2013−93364(P2013−93364A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232901(P2011−232901)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】
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