強化されたサービス品質を有する無線通信用のダイナミック適合
サービス品質(QoS)を強化するために無線構内網(WLAN)中で無線装置とアクセス点との間の通信をダイナミックに制御するように設計された技術およびシステムである。記載された技術及びシステムはIEEE 802.11eによりWLANのQoSをさらに強化するように構成されることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は2004年10月28日出願の米国暫定特許出願第60/623,725号明細書(発明の名称“DYNAMIC ADAPTATION POLICIES TO IMPROVE QUALITY OF SERVICE IN IEEE 802.11 NETWORKS”)の特典を主張している。
【0003】
無線通信システムは移動体電話および無線通信ポートが取付けられているポータブルコンピュータのような無線ノード又はアクセス端末とも呼ばれることができる無線通信装置へ無線通信サービスを提供するために電磁無線波を使用する。種々のタイプの無線通信システムは種々の無線通信応用を提供するために開発されている。無線構内網(WLAN)は1以上のパケットデータ及びその他のネットワークへのポータルとしてアクセス点(AP)と呼ばれる1以上の通信装置を使用し、小さい地理的領域で移動体及びその他の無線通信装置(即ち無線ノード)に対する無線サービスを行うように設計されることができる。各アクセス点は内部で無線装置が無線サービスをアクセスできるホットスポット又はゾーンと呼ばれる限定された領域をカバーする無線トランシーバを有している。多数の無線装置又はノードが単一のアクセス点をアクセスするとき、異なる装置又はノードに対するサービスの品質が問題になる。IEEE 802.11標準方式はWLANの通信プロトコルの1つとして広く採択されており、IEEE 802.11eはWLANのサービス品質を特別に解決する特徴を有する。
【0004】
WLANはIPその他のサービスにわたって、ストリームビデオ、電話会議、音声を含むことのできるマルチメディア応用のような無線のブロードバンドサービスを提供するために使用されることができる。WLANでさらに高いデータレートをサポートするための入手性及び改良には、WLAN技術を広く普及して採択することになる。これは家庭、会社、空港およびレストランなどの商業的な環境におけるWLANネットワークの増加で見られることができる。しかしながら、無線アクセスの時間変化特性とマルチメディア応用の多様な要求によって、WLANで無線マルチメディアサービスをサポートする作業が試みられている。ブロードバンドサービスの需要の増加につれて、WLANの無線媒体にわたって多様なマルチメディアサービスをサポートすることが必要とされる。WLANの媒体アクセスのためのサービス品質(QoS)機構を提供するために標準化の努力が追求されている。
【0005】
IEEE 802.11eはこのような努力の1例である。WLANネットワークでマルチメディアアプリケーション要求を満たすことに関する1ステップとして、IEEE 802.11ワーキンググループが媒体アクセス制御(MAC)層のIEEE 802.11e弁別機構に含まれている。例えばIEEE 802.11WGの“Draft supplement to standard for telecommunications and information exchange between systems −LAN/WAN specific requirements − part 11 : MAC enhancements for quality of service (QoS)”IEEE 802.11e標準草稿/D8.0(2004年2月)を参照。IEEE 802.11e標準方式はIEEE 802.11eで与えられる媒体アクセスの2つのモード間で多重化を行うハイブリッド調整機能(HCF)と呼ばれるフレームワークと、強化された分配チャンネルアクセス(EDCA)の名称による分配されたアクセスモードとハイブリッド調整機能制御されたチャンネルアクセス(HCCA)の名称による中央化されたアクセスモードを提供する。分配されたチャンネルアクセス方式により、各フローはコンテンションベースのアルゴリズムを通してチャンネルに対するアクセスを得る。この方法は、未知のトラフィック要求によるバーストのあるトラフィックフローをターゲットとしている。中央化されたアクセスにより、ポーリングベースの方式が各フローにより与えられた予約リクエストに基づいてトラフィックフローへのアクセスを許可するために使用される。この方式は実時間のマルチメディア応用のような保証されたチャンネルアクセスを必要とするフローにはよく適している。しかしながら、この方式では、中央化された制御装置はスケジュール化を作成する前に、フローについての正確な情報を必要とし、予測可能なトラフィックにさらに適切にされる。標準はさらに初期化において予約リクエストで特定されたフロー要求に基づいて、ポーリングスケジュールを構成するようにスケジュール装置の基準設計を与える。この基準設計の詳細はJ. Pradoの“Mandatory TSPEC parameters an
d reference design of a simple scheduler”、IEEE 802.11−02/705ar0、2002年11月で見られる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本出願は、特にサービス品質(QoS)を強化するために、無線構内網(WLAN)中で無線装置とアクセス点との間のダイナミックな制御通信を行うように設計された技術及びシステムを記載している。記載された技術及びシステムは、ポーリングベースの中央化された媒体アクセスモードと分配されたコンテンションベースの媒体アクセスモードを介して、媒体アクセスのダイナミックおよび適合性制御を行うことによって、IEEE 802.11eによりWLANでさらにQoSを強化するように構成されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この出願で記載されている1例は、通信ポータルとしてのアクセス点と、それぞれ無線でアクセス点と通信する複数の無線通信ノードとを有する無線構内網(WLAN)における通信を制御する方法である。この方法では、アクセス点はノードからの通信フローについての情報を受信するように動作される。選択されたノードは、その選択されたノードとの通信フローの特性に基づいて、対応するコンテンションのない時間期間に他のノードとのコンテンションなく、各選択されたノードがアクセス点と通信することを可能にするコンテンションのない時間期間を割当てられる。残りのノードはコンテンションのない時間期間外の時間期間で相互に競合し、アクセス点と通信するように割当てられる。割当て後、各ノードで成長した通信遅延は、付加的な時間が必要とされるか否かを決定するために割当てられた時間期間中の通信中監視される。付加的なコンテンションのない時間は、このような付加的なコンテンションのない時間が利用可能なときには付加的な時間を必要とするノードに割当てられる。付加的なコンテンションのない時間が利用可能ではないとき、選択されたノードはアクセス点と通信するために他のノードと競合するように命令される。
【0008】
別の例では、本出願は、ハイブリッド調整機能制御チャンネルアクセス(HCCA)と優先されたコンテンションベースの強化された分配チャンネルアクセス(EDCA)とにしたがってWLANのアクセス点とのポーリングベースのコンテンションのない通信をサポートするためにIEEE 802.11eにしたがって無線構内網(WLAN)における通信を制御するための方法を記載する。アクセス点と通信するための各サービスインターバルは(1)アクセス期間と通信するように割当てられた無線通信ノードが他のノードとのコンテンションなしにアクセス点と通信するためにコンテンションのない時間期間を割当てられているHCCA期間と、(2)無線通信ノードが、割当てられたアクセスカテゴリに基づいてアクセス点と通信するために他のノードと競争する別々のEDCA期間とに分割される。アクセス点と通信する各ノードの通信遅延は監視され、EDCA期間にノードと通信するためのアクセス点のトラフィックロードもまた監視される。アクセス点に対するノードのアクセスはノードの監視される通信遅延と、監視されるトラフィックロードにしたがってダイナミックに制御される。このダイナミックな制御は次のうちの少なくとも1つ、即ち(1)HCCA期間中にアクセス点と通信するように前もって割当てられている選択されたノードへ付加的な時間の割当て、(2)HCCA期間中にアクセス点と通信し、HCCAのアクセス点との割当てられた通信を完了し、HCCA期間の終了後、他のノードと競争するためにEDCA期間中にアクセス点と通信を続けるように前もって割当てられた選択されたノードの割当て、(3)HCCA期間中のコンテンションのない時間期間の選択されたノードへの割当てを含んでおり、このノードはEDCA期間にアクセス点と通信し、HCCA期間に前もって割当てられたノードがサービスされた後に、未使用の時間がHCCA期間に残されているときアクセス点と通信するように前もって割当てられている。
【0009】
本出願はまた、ハイブリッド調整機能制御チャンネルアクセス(HCCA)と優先されたコンテンションベースの強化された分配チャンネルアクセス(EDCA)にしたがってノードとアクセス点との間のポーリングベースのコンテンションのない通信をサポートするためにIEEE 802.11eにより無線構内網(WLAN)における無線通信ノードとアクセス点との間の通信を制御するための例示的なシステムを記載している。このシステムはHCCA測定を行うためにHCCA通信フローを監視するHCCAモニタと、ECCA測定を行うためEDCA通信フローを監視するEDCAモニタとを有する監視モジュールと、HCCA測定およびEDCA測定に応答して、個々のノードの遅延により生じる集合された通信遅延を減少するためにHCCAおよびEDCAの両者のアクセス点とのノードの通信をダイナミックに制御するように動作するアダプタモジュールとを含んでいる。
【0010】
システムの1構成では、アダプタモジュールは、HCCAのアクセス点と通信するように前もって割当てられている選択されたノードへHCCAの付加的な時間を割当てるように動作する。別の構成では、アダプタモジュールは選択されたノードを割当てるように動作し、このノードはHCCAのアクセス点と通信し、HCCA中のアクセス点との割当てられた通信を完了し、他のノードと競争するようにEDCA中のアクセス点と通信し続けるように前もって割当てられている。さらに別の構成では、アダプタモジュールはHCCA中のコンテンションのない時間期間を選択されたノードに割当てるように動作し、このノードはEDCA中のアクセス点と通信し、HCCAに前もって割当てられたノードがサービスされた後に、未使用の時間がHCCAに残されているときアクセス点と通信するように割当てられている。これらの構成は組合せられることができる。
【0011】
これら及びその他の構成及び変化と、その他の特徴を添付図面、詳細な説明、請求項で詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
現在のIEEE 802.11e規定は、強化されたQoSを可能にするために、HCCAとEDCAにより2つの媒体アクセスモード間のサービス弁別をサポートする。しかしながら、このようなサービス弁別の異なる構成はQoSの強化について異なるレベルを有していてもよい。1例として、Pradoにより提案されたスケジュール化アルゴリズムは幾つかの技術的な限定を有する。中央化されたスケジュール化アルゴリズムは、実時間フローが、中央化された方式期間中にそれらの要求に基づいてチャンネルアクセスのための時間を保留することを想定している。応用に応じて、実時間フローの要求についての正確な情報がフロー送信の開始時に利用可能ではない可能性がある。例えばアプリケーション層適合技術の使用では、ビデオ流のビットレート要求はエンド・ツー・エンドネットワークの混雑に基づいて変化し、したがって開始時に正確な情報を得ることは実現可能ではない。
【0013】
さらに、HCFは、平均パケットサイズ及び必要とされるスループットのような保留リクエストで特定された平均された値を使用して一定のビットレート(CBR)トラフィックに適切な固定されたポーリングスケジュールを割当てるだけある。しかしながら、品質制御されるMPEG4またはビデオ会議のように、CBRプロフィールをもたず、代わりに可変ビットレート(VBR)符合化を使用するマルチメディアトラフィックフローが存在する。VBR符号化の幾つかの利点は、同じ平均ビットレートに対してより良好なビデオ品質と、より短い遅延を含むことである。さらに、サービス提供業者は異なるVBRフロー間で多重化することによりネットワークの容量を増加するためにマルチメディア内容のVBR符号化を共通して使用する。例えばLakshman等のProceedings of IEEE中の“VBR video : Tradeoffs and potentials”、86巻、952−973頁(1998年5月)と、Ming-Ting SunとAmy ReibmanのCompressed Video over Networks、第9章、Marcel Dekker(2001年)を参照のこと。受信された予約及びトラフィック変化における可能な不正確性によって、PradoのHCFスケジュール化ポリシーは効率的でなく、また適切でもなく、許容できない遅延を発生し、したがってマルチメディア品質に悪影響を与える。
【0014】
変化可能な要求を有する実時間フローの品質を維持する方法の1つは、予約時間におけるフロー要求についての過剰な供給である。この方法はマルチメディア品質を改良するが、システム容量は非常に打撃を受ける。別の方法はフローについての情報を集め、さらに適切にリソース割当てを行うためにその将来の要求を予想することである。監視の頻度は時間にわたるトラフィックフロー要求の固有の相関に依存することに注意すべきである。この方法による予想が不正確であるために、リソースの割当ては非効率的になりかねない。
【0015】
システム容量(チャンネルの利用)に打撃を与えずに品質を改良するために、可変の要求をダイナミックに識別し、評価し、付加的なチャンネルアクセスを選択的に可能にするための機構を与えるダイナミック適合方法を提案する。マルチメディアフローに適切に付加的な時間を与えることによって、サービスの品質は幾つかの静的スケジューラによるサービス品質よりも改良されることができる。以下説明する1構成では、ポーリングベースのスケジュール化ポリシーを構成し、トラフィックフローを適切な媒体アクセスモードにダイナミックに関連付けるための適合ポリシーが与えられる。このポリシーは予約情報中で発生する可能性のある不正確性と、フロー発生及びスループット要求の変化と、現在のシステム利用を考慮する。さらにポリシーはネットワーク中の他のフローへの影響を最小にしてこれらの適合を行う。この方法の有効性を評価するために、この適合ポリシーと、Pradoによる802.11eに対するスケジューラの基準設計との比較が行われる。本発明の方法は遅延及びスループットの計量に関してQoSにおける大きな改良を実現する方法で行われることができることを明らかにする。さらに、マルチメディア応用の品質とシステム容量における本発明の適合の影響について示す。
【0016】
幾つかの構成では、本発明のダイナミック適合は、部分的にIEEE 802.11eの中央化された(HCCA)と分配された(EDCA)方式を調整するためのアクセス点(AP)ベースのQoS供給機構を提供する。特に、HCCAとEDCA相へのフローのマッピングがどのようにして実現されたQoSに影響するかを調査した。本発明者は最初に、HCCAとEDCA期間に対して背景及び実時間トラフィックを限定する伝統的な方法をそれぞれ評価した。この方法を使用する限定を識別して、ネットワークロードとアプリケーション要求とに基づいて2つの期間の間のフローをダイナミックに動かす潜在的な利点を評価した。本発明のダイナミック適合は、フローがHCCA、EDCA又はその両者でサービスされるべきであるか否かを動作時間で決定するために使用されることができる。提案されたポリシーは予約情報における可能な不正確さ、フロー発生及びスループット要求における変化、現在のシステム使用を考慮している。さらに、ポリシーはネットワーク中の他のフローにおける影響を最小にしてこれらの適合を行う。本発明の適合により、遅延とスループット計量に関して、マルチメディアアプリケーションのQoSは著しく改良されることができることを示した。
【0017】
ダイナミック適合は、実時間のマルチメディアフローにより受ける遅延を最小にするために例えばポーリング期間中に利用可能な時間を使用して、WLANネットワークのシステム利用を改良することによりWLANネットワークにわたるエンドユーザが受けるサービス品質(QoS)を改良するために使用されることができる。さらに、ダイナミック適合はフローのスループットを改良し、それは利用可能な時間が存在するならば中央化されたポーリング期間中の時間を割当てることによって、恐らくソフト実時間フローである可能性がある。ダイナミック適合の全体的な方法はトラフィックフローを2つのチャンネルアクセスモードにダイナミックに関連付け、監視されたトラフィック情報に基づいてアクセスの特権を変更する。特に、ハイブリッド調整機能チャンネル制御アクセス(HCCA)と呼ばれる802.11eの中央化されたポーリング期間でスケジュールされたフローでは、トラフィックの予約からの変化が列の成長につながるときを認識するために列情報の追跡を考慮する。これが生じたとき、フローの列サイズを減少し遭遇する高いパケット遅延を防止するために付加的な時間をトラフィックフローに割当てる。HCCA中に利用可能な時間が存在するならば、全ての前もってスケジュールされたフローがポールされた後、フローを再度ポールすることによって付加的な時間を割当てる。しかしながら、HCCA期間中に時間が残されていないならば、強化された分配チャンネルアクセス(EDCA)期間と呼ばれる802.11eの分配されたコンテンション期間を良好に利用することによって、列の成長を減少させようとする。そのアルゴリズムはEDCA中の現在のロードを評価し、そのロードにしたがって、HCCAトラフィックフローをEDCA期間中に送信させる信号を送信する。さらにHCCAのスケジュールされたフローの遅延を最小にするために、本発明のアルゴリズムはまた、利用可能な時間が存在するならば、HCCA期間の時間を割当てることによってEDCAフローに対するQoS計量を改良しようとする。この適合に対しては、混雑またはチャンネル変化によるスループットの劣化を被っている高い優先順位のフローをターゲットとする。
【0018】
本発明のダイナミック適合の種々の実行の潜在的な構成は、特に保証されたサービス品質をエンドユーザに提供し、WLANネットワークのシステム利用を改良する能力を含んでいる。この技術は空港、会社(電子会議のため)、家庭のような高いボリュームのマルチメディアアプリケーションを経験するWLANの設置に対して商業的に有用であろう。
【0019】
次のセクションでは、サービスの弁別をサポートするためのIEEE 802.11eの強化におけるある特徴を簡単に説明する。次に、IEEE 802.11eのサービス弁別を実行するためのPradoのスケジュール化アルゴリズムの特徴及び限定についても説明する。最後に、本発明のダイナミック適合方法の特別な実行とシミュレート結果を説明する。
【0020】
IEEE 802.11eはハイブリッド調整置機能(HCF)と呼ばれる新しい動作モードを規定している。図1は、各サービスインターバルがHCCA期間とEDCA期間を含んでいる場合の2つの隣接するサービスインターバル(Sis)を示すことによってHCFチャンネルアクセスを示している。HCFは媒体アクセスの2つのモード間、即ち強化された分配チャンネルアクセス(EDCA)により誘導される分配されたコンテンションベースの方法と、HCF制御されたチャンネルアクセス(HCCA)と呼ばれる中央化されたポーリングベースの方法との間で多重化している。両アクセス機能は802.11a/b/gで特定された元来のアクセス方法、即ち分配された調整機能‘DCF)と点調整機能(PCF)の機能性を強化する。802.11eで提案された2つのアクセス方式に共通の基本的な概念は、送信機会(TXOP)の概念である。TXOPはノードが送信を許可される限定された時間インターバルである。EDCA中のTXOPはトラフィックフローに基づいて決定され、一方、HCCAでは、TXOPはノード毎のベースで選択される。
【0021】
[IEEE 802.11eにおける強化された分配チャンネルアクセス]
サービスの弁別をサポートするために、802.11eはEDCAと呼ばれる弁別されたチャンネルアクセス機構を提供することによってレガシー802.11分配調整関数(DCF)よりも改良する。EDCAは802.11の従来の分配されたチャンネルアクセス機構のパラメータ化されたバージョンであり、異なるチャンネルアクセスパラメータを異なるトラフィックフローに関連付け、アクセスカテゴリ(AC)と呼ばれる異なるクラスへカテゴリ化され、異なるフロー間の媒体アクセスの優先順位を決定する。EDCAを通るチャンネルアクセスの優先順位の決定は図2に示されている。変更されたチャンネルアクセスパラメータは、バックオフを開始する前に待機するための最小の時間インターバルである仲裁フレーム間間隔(AIFS)と、ノードが送信することのできる最大の期間である送信機会(TXOP)と、送信の開始前に待機するためのランダム数のスロットを決定するコンテンションウィンドウパラメータ(CWminとCWmax)である。
【0022】
各アクセスカテゴリ(AC)では、アクセスパラメータはアクセス点(AP)により決定され、ネットワーク中のノードへの標識となる。
【0023】
[IEEE 802.11eにおけるHCF制御されたチャンネルアクセス]
優先順位を決定されたチャンネルアクセスに加えて、802.11eプロトコルは保証されたQoSを与えるため、HCF制御されたチャンネルアクセス(HCCA)と呼ばれる中央化されたチャンネルアクセス方式を記載している。図1は802.11e HCCAにより使用されるチャンネルアクセス方式を示している。レガシー点調整機能(PCF)に類似して、HCCAはポーリングベースの機構を使用し、ここでは媒体アクセスはAPにより制御される。レガシーPCFとHCCAとの間の主な違いは、コンテンションのない期間が生じることができるフレキシブル性である。媒体がPCFフレーム間のスペース期間にアイドル状態のままであるならば、APはコンテンションのないHCCA期間を開始し、それは最小のAIFSよりも短い。
【0024】
HCCAのコンテンションのない期間中、APはTXOPと呼ばれる固定した時間期間にノードをポールし、これは各フローによってAPへ周期的に送信される予約情報に基づいて計算される。各ノードに対するTXOPはAPからのポールリクエストにより開始され、この期間中に、送信はアップリンクとダウンリンクの両方向で行われることができる。サービスインターバルSIと呼ばれる周期性はネットワーク中に存在する全てのノードに対する最小の遅延要求に基づいて決定される。この期間は多数のコンテンションのない送信を可能にし、次の状態のうちの1つ、即ちAPもノードも送信のためのパケットをもたない状態、またはチャンネルアイドル時間がタイムアウト期間を超えた状態、または時間期間が満了した状態が生じたならば終了する。HCCA中で使用されるTXOPはEDCAで使用されるTXOPとは異なり、APにより決定され、フロー要求に基づいて計算されることに注意すべきである。固定した期間の使用によって、APは各ノードに割当てられた時間を限定でき、デフォルト変数dot11DefaultCPTXOPlimitにより限定される。
【0025】
[IEEE 802.11eにおけるハイブリッド調整関数スケジュール化]
IEEE 802.11eについてのPradoの基準スケジューラを説明する。厳密なQoS要求を有するノードは、平均アプリケーションデータレート(ρ)、平均パケットサイズ(L)、最大のMSDUサイズ(M)、遅延限度(D)、最小の物理的なデータレート(R)のようなフロー情報を含んでいる送信予約リクエストを送信する。この予約リクエストを使用して、スケジュール化ポリシーはポールの周期性と継続期間を決定する。APは全てのノードに使用される最小のサービスインターバル(SI)を決定し、ここでSIはノードの連続的なポール間の時間期間である。選択されたSIは各フローの遅延要求を満足させる802.11eビーコンインターバル期間の最高の約数であり、即ち選択されたSIは全てのフローの必要とされるサービスインターバルの最小値よりも小さくなければならない。フローについてSIで決定された後、APはまた以下のように平均アプリケーションデータレートにしたがって各フローへ固定されたTXOPを割当てる。
【数1】
【0026】
ここで、OはPHYとMACヘッダ、IFS、承認フレーム、ポールフレームによるオーバーヘッドである。
【0027】
各SIについてのHCCA中で費やされる最大の時間はdot11CAPMax変数により限定され、ビーコンインターバルの全ての制御されたアクセス時間はdot11CAPRateにより限定される。3以上の変数は制御されたアクセス期間の期間の長さを限定し、コンテンションアクセスモードでトラフィックフローにおける制御されたアクセスモードの影響を限定する。新しいフローの導入が3以上の要求のいずれかを侵害するならば、APは付加的な要求を認めることができない。
【0028】
前述のHCFスケジュール化ポリシーは多くの技術的な限定を有する。このような限定はVBRフローを使用してマルチメディア通信に対するQoSを非常に劣化させる可能性がある。それ故、実時間のフロー要求をサポートするための新しい技術が必要とされる。次のセクションは可変の予想できないフロー要求を有するマルチメディア流をサポートする必要性について説明する。
【0029】
[実時間フローの可変要求]
WLANの多様な実時間マルチメディア応用に対してサポートを与えるために、サービスの要求とこれらの応用の必要性を理解することが重要である。以下の解析はビデオベースのアプリケーションに焦点が置かれているが、その解析による発見は他の応用にも同等に適用されることができる。
【0030】
ビデオアプリケーションでは、ストリームは異なるビットレート要求を生じる異なる目的で符号化されることができる。一定のビットレート(CBR)と呼ばれる1つのタイプの符号化は圧縮パラメータの適切な調節により、符号化されたストリームの帯域幅要求を維持しようとする。しかしながら、CBR符号化は一定のビットレートを維持するために時間にわたって変化可能な品質を生じる。別のタイプのコード化は一定の圧縮パラメータの使用によって、符号化されたマルチメディアの品質を維持しようとし、それによってビットレートの要求は時間にわたって変化可能にされる。共通のVBR符号化アプリケーションの例には、品質制御されたMPEG4、ビデオ会議、ビデオマルチキャスティング等が含まれている。サービス提供業者はマルチメディア品質に悪影響せずに、異なるVBRフロー[4]間の多重化によってネットワークの容量を増加するために、マルチメディア内容のVBR符号化を共通に使用する。
【0031】
CBRとVBRフローとの違いを示すために例示的なビデオトレースを使用する。図3の(a)および(b)は映画(25フレーム/秒のジェラシックパーク)のCBRとVBRの符号化の時間にわたるビットレート要求を示している。VBR符号化ビデオでは、ビットレート要求は時間にわたって広く変化できる。
【0032】
VBR符号化に加えて、アプリケーション層適合は時間にわたってビットレート要求に変化を導入することができる。例えば現在のストリーミングサーバは、エンド・ツー・エンドネットワークにおける帯域幅の変動に対処するために、異なるターゲットビットレートで静的に符号化された異なるストリーム間でダイナミックに切り替わる。このアプリケーション層適合はビデオ流中でダイナミックに変化するフロー要求を生じる。フロー要求が時間にわたって変化する可能性があることを示したので、次に、可変のトラフィックフローを有するHCF基準スケジューラを使用する効果を解析する。
【0033】
[HCF基準スケジュール化ポリシーの解析]
前述したように、Pradoによる基準スケジューラは、平均データレートに基づいて各フローに固定したTXOPを割当て、各フローは固定されたサービスインターバルでサービスされる。このスケジュール動作はCBRトラフィックに対して良好に適しているが、VBRトラフィックを有するHCCAフローの列が成長される可能性があり、結果的に大きな遅延またはパケットのドロップにつながる。
【0034】
VBRトラフィックに対する802.11eスケジュールの限定を理解するために、基準スケジューラを使用して、その残りの待ち行列の長さによるトラフィックフローの遅延を評価する。それぞれμとσの平均及び標準偏差を有するガウス曲線確率密度関数としてVBRトラフィックデータレートをモデル化する。VBRを表すためにガウス曲線の使用は従来の研究[6]と[7]から動機付けられる。前述の例では、ビットレート要求は平均338Kb/秒で、標準偏差134Kb/秒のガウス分布としてモデル化されることができる。
【0035】
xをパケットの数に関する待ち行列の長さ値とし、iを現在のサービスインターバルとする。サービスインターバルiにおけるパケット到着と残りの待ち行列の長さの確率分布関数をINi(x)とRESi(x)によりそれぞれ規定する。
【数2】
【0036】
サービスインターバルi後の残りの待ち行列の長さは、以下表されているように、最後のサービスインターバルの残りの待ち行列の長さ、入来するパケット、現在のサービスインターバル中のスケジュールされたパケットの関数である。
RESi(x)=f(RESi−1(x)+INi(x),SCHi(x)) (3)
ここで、SCHi(x)はサービスインターバルiでHCCAスケジューラによりスケジュールされたパケット数を表している。
【0037】
HCCAスケジューラを使用して、SI毎にサービスされるパケット数は固定され、APにより与えられるTXOPに基づいている。ρはSI毎にサービスされるパケット数であると仮定する。即ち、
∀i SCHi(x)=インパルス(ρ) (4)
したがって、残りの待ち行列の長さは次式により与えられる。
【数3】
【0038】
残りの待ち行列の長さの確率分布密度関数はゼロで不連続な関数であることに注意すべきである。また、サービスインターバルの最後にパケットをもたない確率は、入来するパケットおよび前のサービスインターバルの残りの待ち行列の長さによって与えられる、サービスされることを必要とするパケットがサービスインターバル当りにサービスされるパケット数ρよりも少数である確率に等しい。
【0039】
固定された数のサービスインターバル後に前述の式の確率曲線を決定する閉じた形態は残りの待ち行列の長さに対する不連続な関数RESi(x)のために困難であるため、不連続な確率解析を使用してこれらの式を評価する。ノードの残りの待ち行列の長さが固定された数のサービスインターバル後に変化できる態様を理解するために、ガウスの確率分布密度関数にHCCAスケジューラのサービスレートを入力するためにMatlabを使用し、固定した数のサービスインターバル後の残りの待ち行列の長さの確率分布密度関数をプログラムに出力させる。
【0040】
フローの残りの待ち行列の長さの確率分布密度関数を発見するために、2つのガウス入力(μ,σ):[(20,5),(20,1)]を考慮してこれらの式を数値で評価した。平均値に対する802.11eの基準スケジューラ規定以降、この評価では、平均値ρ=μに等しいサービスレートを考慮する。図4の(a)と(b)はそれぞれ2つのガウス入力曲線の(1,25,50,100)SI後の残りの待ち行列の長さの確率分布密度関数を示している。曲線は100SI後の待ち行列の長さの予想される値がゼロではないことを示していることに注意すべきである。実際に、2つのガウス入力に対する待ち行列の長さの予想される値はそれぞれ41パケットと17パケットである。
【0041】
残りの待ち行列の長さが増加すると、各パケットの遅延は増加し、許容可能な遅延限度よりも潜在的に大きい可能性がある。この高い遅延は使用される転送プロトコルにしたがって、機能停止とぼけのような劣化したビデオ再生を招く。例えば、TCPが使用されるとき、パケットの遅延はその確実なパケット転送機構のために機能停止を生じる。しかしながら、UDPが使用されるとき、デフォルトパケットの損失隠蔽技術はパケットが時間内に到着しないならば、前のフレームを使用する。隠蔽方法はビデオ再生のボケを招く。次に、VBR符号化とそれらの限定による可変性を解決する別の技術について説明する。
【0042】
[現在の方法の限定]
PradoのHCCAスケジュール化の限定の1つは、他のフローがEDCAで競争する状態に置かれていながら、ハードな期限を有する実時間フローがHCCA期間中の固定された期間でサービスされるように限定されることである。このスケジュール化ポリシーは簡単であるが、先に示したようにVBRトラフィックを有する実時間フローのような多様なアプリケーションの要求を満たすため幾つかの限定を有する。残りの待ち行列の長さの成長を減少するための可能な解決策は各フローで過剰供給し、サービスインターバル毎に付加的な時間を割当てることである。1例はサービスインターバル毎にサービスされるパケット数を決定するのに平均及び標準偏差パラメータの両者を使用することである。
【0043】
図5の(a)と(b)は、μ+σにより与えられる変更されたρを有する同じガウス入力の残りの待ち行列の長さのPDFを示している。残りの待ち行列の長さの予想される値は非常に減少する。前述の例は、各フローに対してより多くの時間を割当てることが可能ならば、列の成長は避けられることができることを示している。しかしながら、APをサービスされることのできるフロー数と、各フローに割当てられる時間量との間には妥協がある。したがって、VBR要求を満たすため、付加的な時間をVBRフローへダイナミックに割当てる必要がある。
【0044】
さらに、基準スケジュール化ポリシーでは、APは中央化されたHCCAと分配されたEDCA期間との間に明白な分離を維持する。別々のリソース割当て方式にしたがって、実時間フローは、EDCA期間のロードが低いときでさえも、コンテンションベースの機構を使用して送信されることを許容されない。これにより、dot11CAPRateと、dot11CAPMaxにより課された限定のために、コンテンション期間中のチャンネルリソースの使用は低下し、HCCAフロー中の容量及びマルチメディア品質が減少する。
【0045】
他の研究者はVBRトラフィックの現在のスケジューラの類似の限定を観察し、前述の限定の幾つかを解決するためにフレキシブルなHCF(FHCF)フレームワークを提案している。例えばPierre Ansel、Qiang Ni、Thierry TurlettiのWiOpt, Modeling and Optimization in Mobile, Ad Hoc and Wireless Networksの記録の“An efficient scheduling scheme for IEEE 802.11e”(2004年3月)を参照する。簡単に述べると、FHCFアルゴリズムは待ち行列の長さを監視し、この情報に基づいて各フローのTXOPを拡張又は収縮させる。付加的な時間が限定されるケースでは、アルゴリズムはフェアーな方法でフロー間の時間を分離する。この方法には幾つかの制限があり、即ち(1)各フローへの割当てられた時間の公正な分割は残された列の成長を軽減するには不十分であり、(2)TXOPを調節するための集合的な適合はトラフィックの可変性が高いケースでは更に遅延を増加させかねず、(3)TXOPの頻繁な調節はHCCA期間でスケジュールされた他のノードに干渉しかねない(高いジッタ)。
【0046】
[適合ポリシー]
このアプリケーションはサービス品質(QoS)全体を改善するために使用されることのできるダイナミックな適合フレームワークの構成を説明している。幾つかの応用では、このようなダイナミックな適合は少なくとも部分的に、Pradoによる802.11eスケジュール化アルゴリズムの限定と、関連される負の影響を克服するために使用されることができる。
【0047】
マルチメディアフローのQoSを改良するために、ダイナミックな適合が構成され、遭遇するパケット遅延の集合した利用値を最小にするように構成される。この目的を次式によって表すことができる。
【数4】
【0048】
ここでjはノードインデックスを表し、djはノードjが受けた平均パケット遅延であり、Nはノードの総数である。フローにおける遭遇したパケット遅延は残りのパケット待ち行列の長さの関数であるので、各サービスインターバル中の集合した残りの待ち行列の長さの利用を最小にすることに特に注目する。
【数5】
【0049】
ここでresjはノードjの平均的な残りのパケットの待ち行列の長さを表している。
【0050】
本発明のアルゴリズムの全体的な方法は、HCCA期間中にポーリングスケジュールをダイナミックに構成することによって残りの待ち行列の長さを最小にし、これはHCCA割当てと呼ばれ、必要とされるならばEDCA期間中に実時間フローを送信することを選択的に可能にし、これはEDCAマッピングと呼ばれる。
【0051】
[HCCA割当て]
HCCA割当ては式6により表される目的を満たすためにポーリングスケジュールを決定するのに使用されることができる。ポーリングスケジュールは[(PU1,PTXOP1),…,(PU1,PTXOP1),…(PUT,PTXOPT)]として表され、ポールされるノードのインデックスとl番目のポールに割当てられたTXOPをそれぞれ表し、Tはポールの最大数である。各フローjに対してリクエストされる平均時間はTXREQjとして示され、TXOPjと呼ばれるサービスインターバルj中の各フローに対して割当てられた時間は次式のように表されることができる。
【数6】
【0052】
ポーリングスケジュールの解は、HCCAスケジューラに固有の制約、即ち(1)割当てられた総時間は各サービスインターバルで利用可能な総時間よりも少なくなければならず、(2)各ノードはHCCA時間中に少なくとも一度ポールされなければならず、ポーリング時間はオーバーラップしておらず、(3)各ノードに割当てられた時間はフローのリクエストされた平均要求以上でなければならないという制約を満足させる必要があることを仮定する。前述の制約は以下の式により表されることができる。
【数7】
【0053】
上記の式では、MAX_POLL_PERIODは、dot11CAPMaxRateとdot11CAPRateの設定により決定される各サービスインターバルにおいて利用可能な最大のポーリング期間を示している。
【0054】
[EDCAマッピング]
HCCA期間中で利用可能な時間を割当てることに加えて、HCCA期間中に再度割当てるのに利用可能な時間がない場合を検討する。現在のHCFフレームワークは実時間フローがそれらの割当てられた時間中にパケットを送信するだけであると仮定する。しかしながら、EDCA期間への幾つかのフローを選択的に可能にすることによって、TXOPjの増加がHCCA期間中には可能ではないとき、待ち行列の成長を減少させようとする。
【0055】
EDCAマッピングの目的は、Sにより表されるフローを選択することであり、これは付加的な実時間フローに起因するEDCAフローにおける影響が最小であるという制約によって、EDCA中の付加的な時間から利点を得ることができる。HCCA遅延の減少の利点と、EDCAフローにおける悪影響との妥協を理解する必要がある。この目標は次式により表されることのできるセットを選択することである。
【数8】
【0056】
ここで、Bmはノードmにおける遅延の減少に関する全体的な利点を表し、EDCAのノードmのマッピングのコストを表している。主に、Cmはスループット、混雑、増加された衝突に関して与えられることのできるEDCAフローにおける影響である。
【0057】
[適合ポリシーの実行]
本発明のダイナミック適合の実行は以下の仮定に基づいている。第1に、APは最初のポーリングスケジュールを決定するために基準スケジューラを使用することを仮定する。この方式により、APは保留リクエストを受信し、ネットワーク中の各ノードへ適切な送信機会をスケジュールし、固定されたサービスインターバルを使用して全てのノードをポールする。したがって、各フローjで、次のパラメータ、即ち保留リクエストに基づいたオリジナルサービス時間TXREQjと、ノードjに対するポーリングスロットPU1が決定される。オリジナルスケジューラを使用すると、TXOPj=TXREQj=PTXOP1であり、ノードjに割当てられた送信機会全体は平均サービス時間TXREQjに等しく、PU1=jであることに注意すべきである。第2に、各フローは1サービスインターバル期間中に1ポールに限定されると仮定される。換言すると、
【数9】
【0058】
これらの仮定によって、各SI後にHCCAでスケジュールされるフローに対する理想的な待ち行列の長さはゼロである。
【0059】
さらに、HCCA中でスケジュールされているフローはポーリングベースの期間中にパケットを送信するだけであり、予約なしの残りのフローはEDCA期間での送信に限定されていることを仮定する。さらに、全てのフローは802.11eパケットヘッダの制御フィールドを使用してAPへ待ち行列の長さの情報を提供する。最後に、実時間フローはEDCA期間中の送信の可能性について通知されることができる。
【0060】
図6は本発明の適合の全体的なポリシーを示している。チャンネルアクセスの特権を変更し、フローに対して付加的な時間を割当てるため、以下の疑問に回答する。
(1)如何にして、いずれのフローが適合される必要があり、公正な方法でフローの間で選択することを知るか、
(2)如何にして、ネットワーク中の他のフローに対する影響を最小にするためにHCCA割当てを行うべきか、
(3)EDCAマッピングの適合を行うための受け入れ可能な条件は何であり、何時それを行うべきか。
【0061】
[適合されるフローの決定]
残りの待ち行列の長さのユーティリティ機能を見ることによって、適合される必要のあるフローを決定する。残りの待ち行列の長さのユーティリティ機能を最小にするために、ノードの実際の待ち行列の長さを減少する必要があることに注意すべきである。残りの待ち行列の長さのユーティリティ機能を最小にするために最急降下法を使用する。U(resj)=resj/TXREQjを仮定すると、潜在的に最高の遅延をもつ待ち行列の長さを有するノードjで開始し、そのTXREQj、換言すると、max(resj/TXREQj)を考慮に入れる。
【0062】
さらに貪欲な方法はそれらの予約リクエストが与えられている最大の待ち行列の長さを有するノードを発見するが、HCCA期間中の全ての残された時間を1つのノードに割当てることは不公正になりかねない。他のフローが利用可能な付加的な時間の幾らかを受けることができることを確実にするために、待ち行列情報を最後の適合時間と組合せ、それによってフロー当りの加重を決定し、これらの加重に基づいてラウンドロビン選択を行う。
【0063】
[HCCA割当て]
適合される必要のあるフローを決定するとき、アルゴリズムは付加的な時間を割当て、チャンネルアクセスの特権を変更することが可能で有効であるか否かを決定する必要がある。HCCA割当てが可能な場合、ポールされるフローのHCCAに時間が十分に残されている必要があり、即ちTXOPjの調節された後、Σ(1,j=S)TXOPj<MAX_POLL_PERIOD制約が依然として保たれるべきである。
【0064】
本発明の方式では、図6に示されているように、全ての前にスケジュールされたフローがポールされた後に、フローiを再度ポールすることによって付加的な時間を割当てる。オリジナルポーリングリストを維持し、したがってポール1乃至Nの間で、即ちPU1からPUNの間でノードはスケジュールされ、割当てられた時間は固定された状態にされる。しかしながら、N+1からTの残されたポールでは、可能なVBRフローとして識別されているフローを選択し、これらのフローに対して適切なTXOPjを割当てる。
【0065】
種々の応用において、これはHCCAでスケジュールされる他のフローに対する不必要な遅延を避けることができるので、この方法はフローの継続期間の時間の簡単な延長よりも適している可能性がある。前述したFHCF方式が、ポール1で開始するフローjのPTXOPjを調節することによってポール中のノードの固定されたTXOPjを構成することを想起し、PU1=jである。この方法では、他のフローはそれよりも前にスケジュールされたフローへの付加的な時間割当てにより遅延される可能性があり、他のフローへの影響を防止する。付加的なポールの過剰なオーバーヘッドが存在するが、このオーバーヘッドは最小であり、ポールフレームとSIFS期間だけからなる。さらに、FHCFアルゴリズムはノードのTXOPjを減少することによりフローの“遅れ”を利用しようとする。これはより多くの割当て時間を与える可能性があるが、この減少は幾つかのインターバルで、割当てられた時間が保留された時間よりも小さく、TXOPj≧TXREQjであることを意味する。これは、フローが少なくとも各サービスインターバルで保留される平均要求を有するという仮定を侵害する可能性がある。FHCFアルゴリズムは結果として必要とされるときに付加的な時間を調節するが、変更は割当てられた時間における一定の振動を生じる可能性がある。
【0066】
[EDCAマッピング]
HCCA割当てが可能ではない場合、残りの待ち行列の長さを最小にするために使用される別の方法は図6に示されているように、EDCA期間中にフローを送信させることであり、ここではノードjはEDCA中で送信することを可能にされる。この適合の1考察は、ノードjのマッピングに起因するEDCA中のフローにおける負の影響Cjである。ネットワークが混雑しているときに、HCCAフローがEDCA中に送信するように促されるならば、トラフィックフローは衝突のために再送信を被り、他のトラフィックフローに悪影響を生じる可能性がある。したがって、このような問題を避けるために、ネットワークロードはAPによって評価されなければならない。
【0067】
本発明の方法では、ネットワークロードは2つの統計、即ち利用比と衝突カウントを使用して評価される。APはEDCAで使用される時間を監視し、利用可能な総時間にわたって適切に受信されたパケットの送信時間を合計することによって利用を計算する。利用比は低いロード状態下のネットワークロードの良好なインジケータであるが、ロードが衝突のために増加すると、値は飽和する。このような状態では、EDCA期間にわたって生じる衝突数を平均することによって決定される衝突計量を付加的に使用する。利用比および衝突カウントの詳細についての実験は実験セクションに示されている。
【0068】
本発明で提案されている適合アルゴリズムでは、固定された数のSIの後、現在の利用及び衝突計量を予め設定されたしきい値と比較し、EDCA期間に付加的なVBRフローをマップすることが適切であるか否かについて決定する。これはEDCAフローにおける影響を最小にし、導入されたVBRフローにより受ける付加的な衝突を防止する。EDCA期間中にマップされたフローは前述の優先順位により決定され、現在の残りの待ち行列サイズと最後の適合時間に基づかされる。誤った適合の悪影響を減少するために、適合後の変更された利用及び衝突計量を監視する。平均利用が減少し衝突が顕著に増加する場合、VBRフローの最後のEDCAマッピング適合を反対にする。この適合のコスト及び利点は、ロード計量の変化と、残りの待ち行列のサイズの減少によってそれぞれ与えられる。
【0069】
[適合アルゴリズムとフレームワーク]
図7の(a)と(b)で与えられている擬似コードは前述のアルゴリズムの更に詳細を与える。アルゴリズムの第1のステップは現在のネットワーク状態を監視することである。APはその後、オリジナルポーリングスケジュールに進み、したがって待ち行列の統計を更新する。オリジナルスケジュールのポーリングを終了すると、アルゴリズムは、その後HCCAスケジュール化期間中に付加的な時間を割当てる。HCCAで利用可能な時間(hcca_slack)を計算することによって、アルゴリズムはHCCAにおいてスケジュールするために利用可能な時間が存在するかを反復的に決定する。フローの選択プロセスはこのセクションで前述した加重に基づいている。HCCA期間が付加的なポーリングをサポートすることができず、付加的なスケジュール化を必要としている残されたHCCAフローが存在する場合、APはEDCA期間中に送信するように実時間フローに対して明確に通報する。
【0070】
図8は適合アルゴリズムの1構成を示すフローチャートをさらに示している。
【0071】
説明したダイナミック適合を行うために、2つの主要な機能コンポーネント、即ちモニタモジュールとアダプタモジュールとを含むように、適合フレームワークは構成されることができる。図9はモニタモジュールとアダプタモジュールを有するシステムを示している。モニタはHCCAモニタとEDCAモニタを含んでいる。モニタはHCCAおよびEDCA期間の両者の現在の状態を追跡し、多数の追跡された統計を通してアダプタにHCCAおよびEDCA期間のフロー加重及びロード情報を与える。モニタにより与えられたこれらの値と情報を使用して、アダプタは、いずれのノードが切換えによる利点を得ることができるか、ノードが何時切り換えられるか、これらが如何にして切り換えられるべきかを決定する。
【0072】
[シミュレーション解析]
シミュレーションはマルチメディアトラフィックプロフィールとネットワークロードの多様なセットにわたって適合フレームワークを使用して、IEEE 802.11eにより行われている。実験的セットアップとシステム構成の説明から簡単に開始する。HCCAおよびEDCA期間の両者におけるHCCAフローの再割当てによる性能の改良を評価する。その後、前述のAnsel等による文献で提案されたフレキシブルHCF(FHCF)機構とフレームワークの比較について提示する。最後に、ビデオ品質と全体的なシステム容量における適合の効果について説明する。
【0073】
[シミュレーションセットアップおよびシステム構造]
本発明者の実験では、Opnetにより与えられたOpnetシミュレーション環境を使用した。“Opnet simulation framework”、http:www.opnet.com/を参照されたい。IEEE 802.11e標準方式をシミュレートするために、HCCAとEDCAサービス弁別を組み込むためにIEEE 802.11e MAC層モデルを変更した。他の既知のモデルによる802.11eの本発明者の構成を確認した。シミュレートされた無線ネットワークのデフォルト特性は表1に記載されている。
【表1】
【0074】
本発明のネットワーク構造では、各ノードはただ1つのフローに関連されており、300m×300mの区域、即ちアクセス点の範囲に均等に分布されている固定した位置に維持されていることを仮定する。異なるタイプのアプリケーショントラフィックを生成するために、Opnetアプリケーションとプロフィール構造を使用して、ビデオトレースからの情報によって誘導されるパケットサイズおよびパケット間ギャップを設定する。VBRビデオソースモデルに対しては、http://trace.eas.asu.edu/の“Video traces for network performance evaluation”から集められたH.263ビデオ流の種々のパケットトレースを組み込む。表2は本発明の評価に使用された種々のアプリケーションプロフィールを要約している。
【0075】
[HCCA割当ての評価]
本発明で提案された適合を評価する前に、VBRトラフィックについての現在のHFCスケジュール化ポリシーの限定を示すことから開始する。アルゴリズムの性能を比較するために、遅延とサービス品質(QoS)の計量を使用する。最初に、HCCA基準スケジューラを使用して、CBRとVBR実時間フローにより受ける遅延の差を評価する。
【0076】
図10の(a)と(d)はCBR(Video_CBR)フローが受けた残りの待ち行列の成長と遅延を示している。CBRフローでは、受ける遅延が低く、所望の遅延限度(120ms)内に入ることに注意すべきである。しかしながら、VBRフローでは、図10の(b)と10の(e)に示されているようにフローは高い待ち行列の成長と遅延を受ける。
【0077】
基準スケジューラの限定を示すと、前述のシナリオのHCCAフローにおけるアルゴリズムの性能を評価する。図10の(c)と10の(f)はHCCAのアルゴリズムの時間割当てを使用して、それぞれ経験した遅延および待ち行列サイズを示している。グラフから認められるように、提案されたアルゴリズムはHCCAフローにより受ける遅延を顕著に減少することができる。このシナリオの遅延について観察された減少は、HCCA期間の残りの時間をVBRトラフィック流に再度割当てたことによるものである。VBRフローの遅延及び待ち行列の成長を減少することによって、アルゴリズムは最大の遅延を超えることを避け、フローにより受けるパケット損失を減少させる。
【0078】
次に、異なる可変性を有するVBRフローにおける適合アルゴリズムを評価する。この評価では、Video1_VBRフローの異なるシーケンスを観察し、適合フレームワークを有するまたはそれを有しないフローにより受けた平均遅延を観察する。表3はその評価の結果を示している。各ビデオシーケンスに対して、データレートの平均及び標準偏差と、適合のある又は適合がないことにより受ける遅延について報告する。
【表2】
【0079】
この表から、提案された適合は全てのケースで遅延を大幅に減少できることが認められる。1つ注目すべきことは、ビデオの可変性がその標準偏差によって単に与えられることのできないことである。残りの待ち行列の長さの成長に関しては、ビデオの重要な特性は時間的可変性である。標準偏差が他のビデオよりも小さいVideo1_1では、適合のない経験された遅延は依然として大きい。これらのフローのパケットプロフィールをさらによく観察すると、これらのビデオ流の時間的可変性(バースト性)は遅延に大きく影響できることが認められる。パケットプロフィールはVide1_2のような幾つかのビデオが僅かに高い標準偏差を有することを示しているが。可変性はシミュレートされた時間にわたって良好に拡散され、大きな待ち行列の成長と高い遅延を防止する。さらに、この評価では、多くて1つの付加的なポールが所定のサービスインターバルの各フローで許容されることを仮定している。適合の影響はサービスインターバル当り2以上のポールを可能にすることにより改善されることができ、このパラメータは広く変化するデータ要求でトラフィックフローをサポートするために適切に構成されることができるものと考えられる。
【表3】
【0080】
多くのVBRフローが存在するときの適合の影響について観察する。1つのCBRフロー(Video2_CBR)を検討し、VBRトラフィック(Video1_VBR)を有するHCCAフローの数を1から8のフローまで変化する。表4は実現されたスループットと、考慮される全てのHCCAフローにわたって平均された与えられた遅延に関する評価の結果を提示している。適合のないVBRフローにより実現されたスループットの変化はOpnetシミュレーション中のランダム事象が関連された変化によるものである。これは恐らくさらに長いシミュレーション期間により回避されることができる。しかしながら、適合では、平均スループットの改良は主としてVBRフローの数に依存し、同時的なVBRフローの数の増加により減少されることが認められる。例えばノード数が1から8へ増加すると、適合の効果は64×から29×へ減少する。これは主として、HCCA期間における再割り当てに対して利用可能な時間がノード数の増加と共に減少する事実によるものであり、したがって適合アルゴリズムは効率的ではなくなる。
【0081】
[EDCAにおけるフローの再割当て]
HCCA期間が利用可能な時間を限定される場合には、HCCAにおけるフロー再割り当ての効率は適合のないケースまで減少される。このサブセクションでは、HCCAの再割当てが可能ではなくEDCAのロードが付加的なフローをサポートできるときの、本発明で提案された適合の第2の方法であるEDCAマッピングの効率を観察する。これらの実験では、3つのケース、即ち(1)適合が使用されないとき(Adapt_None)、(2)全てのVBRフローがEDCA期間中に送信することを可能にされるとき(Adapt_All)、(3)選択されたノードがEDCA中に送信されることを可能にされるとき(Adapt_Select)を検討する。それぞれのケースで、適合されているVBRノードの利用比、衝突カウント、遅延およびスループットを観察する。表5は種々のシナリオにおけるこれらのパラメータの値をそれぞれ示している。
【0082】
適合のない場合、アクチブノードの数がEDCAで増加し、適切な送信に使用される時間とEDCAで利用可能な時間との比により測定される利用は増加し、ノード数が増加すると平坦になることが分かる。利用比の平坦化に対応して、衝突カウントはコンテンションベースのチャンネルアクセスによりアクチブノード数が増加するときに顕著に増加する。さらに、適合なしでは、VBRフローは許容できない遅延と低いスループットを全てのシナリオで経験する。
【表4】
【0083】
適合が使用されない場合を観察した後、付加的な時間を必要としている全てのVBRフローがEDCAで送信することを可能にされるケースを検討する。EDCA期間中に1乃至8のノードが存在するシナリオでVBRフローが適合されるときに、利用計量及び衝突カウントが僅かに増加することが表より分かる。しかしながら、12および16のノードを有するシナリオでは、EDCAのロードを考慮せずにこの適合を使用することによって、VBRフローはEDCA利用に悪影響を及ぼす可能性がある。例えば16のノードの場合、EDCAマッピングの使用は0.400から0.357への利用比の減少と、13.75から13.9への衝突カウントの増加を招き、したがって、EDCAマッピングを使用するときを選択的に決定する必要がある。
【0084】
本発明の選択された適合では、EDCA期間を使用するときを決定するために2つのしきい値、即ち衝突カウントと利用比を使用する。先のシミュレーションにより誘導されたように、現在の実行は衝突しきい値4を使用し、利用比しきい値は0.3に固定される。12及び16のノードの場合、しきい値はネットワークのロードが高く、適合ポリシーがEDCAマッピング技術を使用しないことを示している。EDCA中に数個のノードが存在するとき、適合はサービスインターバル毎に行われ、一方、4及び8のノードの場合では、適合は選択的に行われ、したがって遅延はEDCA中のフローに対する大きな影響を避けるためにADAPT_ALLのケースよりも高い。
【0085】
前述の実験から、適合フレームワークは2つの技術、即ちHCCAにおける時間の再割り当てとEDCA期間における誘導された送信とを使用して、VBRフローにより受ける遅延を大幅に減少することができることを示した。
【0086】
[フレキシブルHCFとの比較]
本発明の作業を802.11e基準スケジューラと比較することに加えて、提案されたアルゴリズムをAnsel等による前述の文献で提案されたフレキシブルHCF(FHCF)と比較する。FHCFとのこの比較を行うために、Opnetフレームワーク中でアルゴリズムを実行し、多数のシナリオを検討する。表3で使用されたシナリオへ戻り、FHCFアルゴリズムの性能を評価する。表6で見られる実験結果は、FHCFを有するVBRフローにより受ける遅延が本発明の適合よりも高いことを示している。これはトラフィックフローのバースト性によるものと考えられ、それはFHCFアルゴリズムにTXOPを早期に収縮させ、高い遅延を生じさせることができる。特にVideo_4の場合、FHCFは許容可能なしきい値より下に遅延を減少させることができない。
【表5】
【0087】
1つのVBRフローがFHCFで進行する態様を観察した後、次のシナリオで、4と16の間でVBRフローの数を変化し、類似のトラフィックプロフィール(Video1_2)を使用する。全てのフローの需要間に高い相関が存在するときのケースをシミュレートするために全てのフローに対して同じトラフィックプロフィールを使用する。その結果は表7に要約されている。FHCFと本発明の適合とを比較するために、2つの方法間の違いと潜在的な利点を強調するようにこれらのケースを検討する。4つのノードの場合、HCCAで利用可能な時間は、両方法により可変の要求を組み込むのに十分であり、したがって本発明の提案された適合とFHCFは類似の性能を有すると期待されている。しかしながら、本発明の適合はFHCFよりも良好に進行することが認められ、これは先の結果で観察されたような潜在的にトラフィックフローのバースト性によるものである。8つのノードの場合、利用可能な時間は限定され、APは付加的な送信機会を公正に割当てる必要がある。公正さを実現するために、FHCFはフロー間に均等に残りの時間を分割する。しかしながら、細分化された送信機会はフローがトラフィックの可変性を克服するには十分ではない可能性があり、表で観察されるような高い遅延を招く。その代わりに本発明で提案された適合はラウンドロビン法を使用して多数のSIにわたって公正さを達成しようとする。各SIで、アルゴリズムはそれらの予約パラメータに基づいて付加的な時間をポールして割当てるための1組のフローを選択する。この方法は本発明のアルゴリズムにより改良された遅延性能につながることが考えられる。最後に、16のノードの場合、HCCA期間中に利用可能な時間がなく、したがってFHCFフローはフローの可変性に対処するために任意のその機構を使用することができない。本発明の提案された適合はEDCA中で送信するための付加的な機会のためにより良好に進行する。
【0088】
評価する次の観点はFHCF方法によりHCCA期間中にスケジュールされた他のフローにおける遅延の影響である。この評価に対しては、1つのVBRフロー(Video1_VBR)と多数のCBRフロー(Video2_CBR)によるケースを観察する。VBRフローの性能は先のシミュレーションに類似して改良する。しかしながら、VBRノード後にスケジュールされたCBRフローに対しては、適合により平均遅延において10%の増加が観察される。
【0089】
前述の解析に基づいて、実時間のマルチメディアフローをサポートするPradoによる802.11e HCFスケジューラは幾つかの限定を示している。特に基準スケジューラは可変の要求又はフローを有するマルチメディアフローを適切にサポートすることはできない。可変のフロー要求下では、HCFスケジューラは高い遅延につながる可能性があり、実時間のマルチメディア品質に過酷な影響を与える。さらに、HCFフレームワークは異なるフローを、ポーリングベースの機構に限定されている実時間フローを有する媒体アクセスの異なるノードへマップすることを観察した。前述の分割は重いHCCAロード下で貧弱なチャンネル利用になる可能性がある。
【0090】
本発明のダイナミック適合はフロー要求の変化について各フローの状態を監視し、ダイナミックにトラフィックフローを適切に関連付け、遅れフローへの付加的なポールを許容するためにポーリングスケジュールを構成し、EDCAにおける低いロード下で、実時間のマルチメディアフローをアクセスのEDCAモードへ選択的にマッピングする。ここでの比較評価は、適合が実時間フローで観察された遅延を減少し、遅延、マルチメディア品質、ネットワークの容量に関して他の既知の技術よりも良好に進行することを示している。
【0091】
この適合フレームワークの開発において、トラフィックフロー中の変化は遅延を非常に増加でき、予約の最小の可変性が高い遅延につながる可能性があることが観察された。APは単に予約リクエストに基づいて時間を割当てるので、これらのリクエストの正確性は所望のQoSの維持には重要である。したがって、幾つかの応用では、予約はガイドラインとして使用されるべきであり、付加的なリソースはフローの監視される要求に基づいてダイナミックに割当てられなければならない。
【0092】
ダイナミック適合の前述の実行は、(1)HCCAで前もって割当てられている選択されたフローへ付加的な時間を割当て、(2)HCCA期間中にアクセス点と通信し、HCCAでアクセス点との割当てられた通信を完了し、HCCA期間が終了した後、他のノードと競合するためにEDCA期間のアクセス点との通信を継続するように前もって割当てられた選択されたノードを割当てる。さらに、ダイナミック適合はまたEDCAロードが非常に高いときに全ての遅延にわたって減少するように、ある状態下のHCCA中の時間期間にEDCAの通信フローを割当てるように実行されることもできる。
【0093】
図11の(a)はEDCAに最初に割当てられた通信フローがHCCA中の利用可能な時間期間に再度割当てられるこの特性の1例を示している。したがってHCCA期間中のコンテンションのない時間期間は選択されたノードに割当てられ、このノードはEDCA期間中にアクセス点と通信し、先にHCCA期間に割当てられたノードがサービスされた後、未使用の時間がHCCA期間に残されているときにアクセス点と通信するように割当てられる。
【0094】
この特徴により、ダイナミック適合はQoSを強化するためにHCCAとEDCAとの両者の通信容量のフル活用を可能にする。例えば実時間ではないトラフィックがEDCA期間に通常割当てられることができるが、このようなトラフィックはEDCAに限定される必要はなく、必要なときに、HCCAに再度割当てられることができる。限定されたフローがHCCA中にサービスされているシナリオでは、それらの優先順位と待ち行列の成長に基づいてネットワーク中の他のフローをスケジュールすることが有効である。HCCA中に効率的に割当てられた時間を使用することによって、EDCAのノードの経験する遅延とスループットを改良することができる。この限定を示すために、多数のフロー、HCCAにおいて予めスケジュールされた4つのフローとEDCAの10のフローを考える。図11の(b)は400kb/sのトラフィック特性を有する優先順位を付けられたEDCAフローにより実現されたスループットを示している。HCCA中のそのトラフィッククラスの優先順位と利用可能なスラックにかかわらず、EDCAフローはEDCA中の高いロードのために低いスループットを経験することに注意する。しかしながら、EDCAフローがHCCA期間中に送信することを可能にすることをダイナミックに決定することによって、待ち行列の成長とEDCAフローの優先順位に基づいて、ネットワーク中の他のフローに影響せずにEDCAフロースループットを増加できることを例証する。
【0095】
EDCAフローのアルゴリズム性能を評価するために、シナリオ、SCENARIO4を検討し、ここではHCCAでスケジュールされるCBRトラフィックフローの数は4に固定され、EDCAトラフィックフローの数は10に固定されている。このシナリオでは、EDCAトラフィックフローに割当てられる時間はHCCAフロー内に残されている。高いネットワークロードのために、EDCAトラフィックフローはスループットの大きな減少と遅延の増加を招く待ち行列の成長を生じる可能性がある。したがって、HCCA期間のEDCAフローの割当ては高いEDCAロード下で効率的であることができる。図11の(c)は適合のある場合及び適合のない場合の高い優先順位のEDCAフローの達成されたスループットを示している。本発明の提案されたEDCA適合はオリジナルHCF割当てで実現されるスループットをしのぐことができることに注目すべきである。
【0096】
本発明のダイナミック適合に対する他の強化及び変更も可能であろう。例えば、EDCAロード評価は一般化され、特定のフローをEDCA期間へマップする影響を考慮するために強化されることができる。各フローがEDCA期間において類似の影響を有することを想定するのではなく、そのトラフィックプロフィールに基づいたフローの影響を理解するように計画する。さらに、付加的なポールのために割当てられた送信時間を拡張する選択肢を含めるためにHCCA再割当て方式を強化することが好ましい。さらに可能な拡張には、種々のビデオ及びその他の実時間フローにおけるフレームワークの例証と、モデルベースのスケジュール作成強化の開発と、本発明の適合方式の将来のバージョンにおける移動性及びチャンネル状態を組み込むことが含まれる。
【0097】
提示したフレームワークを超えて、将来の作業として、WLANネットワーク中の不正なノードに含まれた意味を理解し、このようなノードに対処するためのリソース管理ポリシーを開発することが好ましい。問題とする別の領域は、QoSの保証を行いながら、ネットワークの容量を改良する妥協を理解するための許可制御ポリシーを提供することである。QoS計量としての遅延に加えて、エネルギ消費におけるQoS供給技術の影響は解決される必要があると考えられる。最後に、前述のフレームワークを実行し、実際のWLAN試験台における適合を例証することを計画している。
【0098】
実行において、前述の技術及びそれらの変形はコンピュータソフトウェア命令又はファームウェア命令として実行されることができる。このような命令は1以上のマシンの読取可能な記憶媒体を有するアーティクルに記憶されるか、またはデジタル信号プロセッサ及びマイクロプロセッサのような1以上のコンピュータ又はデジタルプロセッサに接続されている1以上のマシンの読取可能な記憶装置中に記憶されることができる。動作において、命令はマシンに前述の機能及び動作を行わせるように、1以上のプロセッサによって実行されることができる。
【0099】
幾つかの構成についてのみ説明した。しかしながらその他の変更及び強化がここで記載された技術に基づいて可能である。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】IEEE 802.11eによる無線構内網(WLAN)中のハイブリッド調整機能(HCF)チャンネルアクセスを示す図。
【図2】IEEE 802.11eによる無線構内網中の強化された分配チャンネルアクセス(EDCA)を示す図。
【図3】IEEE 802.11eによるWLAN中の一定のビットレート(CBR)と可変ビットレート(VBR)のフローのスループットの比較を示す図。
【図4】それぞれ2つのガウス入力曲線における(1、25、50、100)サービスインターバル後の残りの待ち行列の長さの確率分布密度関数(PDF)を示す図。
【図5】μ+σにより与えられた変更されたρを有する同じガウス入力の残りの待ち行列の長さのPDFを示す図。
【図6】本発明のダイナミック適合の1実行におけるHCCA割当てとEDCA割当てを示す図。
【図7】本発明のダイナミック適合を実行する例示的なアルゴリズムに対する擬似コードを示す図。
【図8】ダイナミック適合アルゴリズムの1実行に対する1つの例示的なフローチャート。
【図9】ダイナミック適合を実行するためのモニタモジュールとアダプタモジュールを含むシステムを示す図。
【図10】シミュレーションにおけるCBRとVBRのフローの残りの列サイズと遅延を示す図。
【図11】EDCA中で初期的に割当てられたフローがHCCA中で利用可能な期間に再度割当てられるダイナミック適合の1実行を示す図と、その実行におけるシミュレーション結果を示す図。
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は2004年10月28日出願の米国暫定特許出願第60/623,725号明細書(発明の名称“DYNAMIC ADAPTATION POLICIES TO IMPROVE QUALITY OF SERVICE IN IEEE 802.11 NETWORKS”)の特典を主張している。
【0003】
無線通信システムは移動体電話および無線通信ポートが取付けられているポータブルコンピュータのような無線ノード又はアクセス端末とも呼ばれることができる無線通信装置へ無線通信サービスを提供するために電磁無線波を使用する。種々のタイプの無線通信システムは種々の無線通信応用を提供するために開発されている。無線構内網(WLAN)は1以上のパケットデータ及びその他のネットワークへのポータルとしてアクセス点(AP)と呼ばれる1以上の通信装置を使用し、小さい地理的領域で移動体及びその他の無線通信装置(即ち無線ノード)に対する無線サービスを行うように設計されることができる。各アクセス点は内部で無線装置が無線サービスをアクセスできるホットスポット又はゾーンと呼ばれる限定された領域をカバーする無線トランシーバを有している。多数の無線装置又はノードが単一のアクセス点をアクセスするとき、異なる装置又はノードに対するサービスの品質が問題になる。IEEE 802.11標準方式はWLANの通信プロトコルの1つとして広く採択されており、IEEE 802.11eはWLANのサービス品質を特別に解決する特徴を有する。
【0004】
WLANはIPその他のサービスにわたって、ストリームビデオ、電話会議、音声を含むことのできるマルチメディア応用のような無線のブロードバンドサービスを提供するために使用されることができる。WLANでさらに高いデータレートをサポートするための入手性及び改良には、WLAN技術を広く普及して採択することになる。これは家庭、会社、空港およびレストランなどの商業的な環境におけるWLANネットワークの増加で見られることができる。しかしながら、無線アクセスの時間変化特性とマルチメディア応用の多様な要求によって、WLANで無線マルチメディアサービスをサポートする作業が試みられている。ブロードバンドサービスの需要の増加につれて、WLANの無線媒体にわたって多様なマルチメディアサービスをサポートすることが必要とされる。WLANの媒体アクセスのためのサービス品質(QoS)機構を提供するために標準化の努力が追求されている。
【0005】
IEEE 802.11eはこのような努力の1例である。WLANネットワークでマルチメディアアプリケーション要求を満たすことに関する1ステップとして、IEEE 802.11ワーキンググループが媒体アクセス制御(MAC)層のIEEE 802.11e弁別機構に含まれている。例えばIEEE 802.11WGの“Draft supplement to standard for telecommunications and information exchange between systems −LAN/WAN specific requirements − part 11 : MAC enhancements for quality of service (QoS)”IEEE 802.11e標準草稿/D8.0(2004年2月)を参照。IEEE 802.11e標準方式はIEEE 802.11eで与えられる媒体アクセスの2つのモード間で多重化を行うハイブリッド調整機能(HCF)と呼ばれるフレームワークと、強化された分配チャンネルアクセス(EDCA)の名称による分配されたアクセスモードとハイブリッド調整機能制御されたチャンネルアクセス(HCCA)の名称による中央化されたアクセスモードを提供する。分配されたチャンネルアクセス方式により、各フローはコンテンションベースのアルゴリズムを通してチャンネルに対するアクセスを得る。この方法は、未知のトラフィック要求によるバーストのあるトラフィックフローをターゲットとしている。中央化されたアクセスにより、ポーリングベースの方式が各フローにより与えられた予約リクエストに基づいてトラフィックフローへのアクセスを許可するために使用される。この方式は実時間のマルチメディア応用のような保証されたチャンネルアクセスを必要とするフローにはよく適している。しかしながら、この方式では、中央化された制御装置はスケジュール化を作成する前に、フローについての正確な情報を必要とし、予測可能なトラフィックにさらに適切にされる。標準はさらに初期化において予約リクエストで特定されたフロー要求に基づいて、ポーリングスケジュールを構成するようにスケジュール装置の基準設計を与える。この基準設計の詳細はJ. Pradoの“Mandatory TSPEC parameters an
d reference design of a simple scheduler”、IEEE 802.11−02/705ar0、2002年11月で見られる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本出願は、特にサービス品質(QoS)を強化するために、無線構内網(WLAN)中で無線装置とアクセス点との間のダイナミックな制御通信を行うように設計された技術及びシステムを記載している。記載された技術及びシステムは、ポーリングベースの中央化された媒体アクセスモードと分配されたコンテンションベースの媒体アクセスモードを介して、媒体アクセスのダイナミックおよび適合性制御を行うことによって、IEEE 802.11eによりWLANでさらにQoSを強化するように構成されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この出願で記載されている1例は、通信ポータルとしてのアクセス点と、それぞれ無線でアクセス点と通信する複数の無線通信ノードとを有する無線構内網(WLAN)における通信を制御する方法である。この方法では、アクセス点はノードからの通信フローについての情報を受信するように動作される。選択されたノードは、その選択されたノードとの通信フローの特性に基づいて、対応するコンテンションのない時間期間に他のノードとのコンテンションなく、各選択されたノードがアクセス点と通信することを可能にするコンテンションのない時間期間を割当てられる。残りのノードはコンテンションのない時間期間外の時間期間で相互に競合し、アクセス点と通信するように割当てられる。割当て後、各ノードで成長した通信遅延は、付加的な時間が必要とされるか否かを決定するために割当てられた時間期間中の通信中監視される。付加的なコンテンションのない時間は、このような付加的なコンテンションのない時間が利用可能なときには付加的な時間を必要とするノードに割当てられる。付加的なコンテンションのない時間が利用可能ではないとき、選択されたノードはアクセス点と通信するために他のノードと競合するように命令される。
【0008】
別の例では、本出願は、ハイブリッド調整機能制御チャンネルアクセス(HCCA)と優先されたコンテンションベースの強化された分配チャンネルアクセス(EDCA)とにしたがってWLANのアクセス点とのポーリングベースのコンテンションのない通信をサポートするためにIEEE 802.11eにしたがって無線構内網(WLAN)における通信を制御するための方法を記載する。アクセス点と通信するための各サービスインターバルは(1)アクセス期間と通信するように割当てられた無線通信ノードが他のノードとのコンテンションなしにアクセス点と通信するためにコンテンションのない時間期間を割当てられているHCCA期間と、(2)無線通信ノードが、割当てられたアクセスカテゴリに基づいてアクセス点と通信するために他のノードと競争する別々のEDCA期間とに分割される。アクセス点と通信する各ノードの通信遅延は監視され、EDCA期間にノードと通信するためのアクセス点のトラフィックロードもまた監視される。アクセス点に対するノードのアクセスはノードの監視される通信遅延と、監視されるトラフィックロードにしたがってダイナミックに制御される。このダイナミックな制御は次のうちの少なくとも1つ、即ち(1)HCCA期間中にアクセス点と通信するように前もって割当てられている選択されたノードへ付加的な時間の割当て、(2)HCCA期間中にアクセス点と通信し、HCCAのアクセス点との割当てられた通信を完了し、HCCA期間の終了後、他のノードと競争するためにEDCA期間中にアクセス点と通信を続けるように前もって割当てられた選択されたノードの割当て、(3)HCCA期間中のコンテンションのない時間期間の選択されたノードへの割当てを含んでおり、このノードはEDCA期間にアクセス点と通信し、HCCA期間に前もって割当てられたノードがサービスされた後に、未使用の時間がHCCA期間に残されているときアクセス点と通信するように前もって割当てられている。
【0009】
本出願はまた、ハイブリッド調整機能制御チャンネルアクセス(HCCA)と優先されたコンテンションベースの強化された分配チャンネルアクセス(EDCA)にしたがってノードとアクセス点との間のポーリングベースのコンテンションのない通信をサポートするためにIEEE 802.11eにより無線構内網(WLAN)における無線通信ノードとアクセス点との間の通信を制御するための例示的なシステムを記載している。このシステムはHCCA測定を行うためにHCCA通信フローを監視するHCCAモニタと、ECCA測定を行うためEDCA通信フローを監視するEDCAモニタとを有する監視モジュールと、HCCA測定およびEDCA測定に応答して、個々のノードの遅延により生じる集合された通信遅延を減少するためにHCCAおよびEDCAの両者のアクセス点とのノードの通信をダイナミックに制御するように動作するアダプタモジュールとを含んでいる。
【0010】
システムの1構成では、アダプタモジュールは、HCCAのアクセス点と通信するように前もって割当てられている選択されたノードへHCCAの付加的な時間を割当てるように動作する。別の構成では、アダプタモジュールは選択されたノードを割当てるように動作し、このノードはHCCAのアクセス点と通信し、HCCA中のアクセス点との割当てられた通信を完了し、他のノードと競争するようにEDCA中のアクセス点と通信し続けるように前もって割当てられている。さらに別の構成では、アダプタモジュールはHCCA中のコンテンションのない時間期間を選択されたノードに割当てるように動作し、このノードはEDCA中のアクセス点と通信し、HCCAに前もって割当てられたノードがサービスされた後に、未使用の時間がHCCAに残されているときアクセス点と通信するように割当てられている。これらの構成は組合せられることができる。
【0011】
これら及びその他の構成及び変化と、その他の特徴を添付図面、詳細な説明、請求項で詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
現在のIEEE 802.11e規定は、強化されたQoSを可能にするために、HCCAとEDCAにより2つの媒体アクセスモード間のサービス弁別をサポートする。しかしながら、このようなサービス弁別の異なる構成はQoSの強化について異なるレベルを有していてもよい。1例として、Pradoにより提案されたスケジュール化アルゴリズムは幾つかの技術的な限定を有する。中央化されたスケジュール化アルゴリズムは、実時間フローが、中央化された方式期間中にそれらの要求に基づいてチャンネルアクセスのための時間を保留することを想定している。応用に応じて、実時間フローの要求についての正確な情報がフロー送信の開始時に利用可能ではない可能性がある。例えばアプリケーション層適合技術の使用では、ビデオ流のビットレート要求はエンド・ツー・エンドネットワークの混雑に基づいて変化し、したがって開始時に正確な情報を得ることは実現可能ではない。
【0013】
さらに、HCFは、平均パケットサイズ及び必要とされるスループットのような保留リクエストで特定された平均された値を使用して一定のビットレート(CBR)トラフィックに適切な固定されたポーリングスケジュールを割当てるだけある。しかしながら、品質制御されるMPEG4またはビデオ会議のように、CBRプロフィールをもたず、代わりに可変ビットレート(VBR)符合化を使用するマルチメディアトラフィックフローが存在する。VBR符号化の幾つかの利点は、同じ平均ビットレートに対してより良好なビデオ品質と、より短い遅延を含むことである。さらに、サービス提供業者は異なるVBRフロー間で多重化することによりネットワークの容量を増加するためにマルチメディア内容のVBR符号化を共通して使用する。例えばLakshman等のProceedings of IEEE中の“VBR video : Tradeoffs and potentials”、86巻、952−973頁(1998年5月)と、Ming-Ting SunとAmy ReibmanのCompressed Video over Networks、第9章、Marcel Dekker(2001年)を参照のこと。受信された予約及びトラフィック変化における可能な不正確性によって、PradoのHCFスケジュール化ポリシーは効率的でなく、また適切でもなく、許容できない遅延を発生し、したがってマルチメディア品質に悪影響を与える。
【0014】
変化可能な要求を有する実時間フローの品質を維持する方法の1つは、予約時間におけるフロー要求についての過剰な供給である。この方法はマルチメディア品質を改良するが、システム容量は非常に打撃を受ける。別の方法はフローについての情報を集め、さらに適切にリソース割当てを行うためにその将来の要求を予想することである。監視の頻度は時間にわたるトラフィックフロー要求の固有の相関に依存することに注意すべきである。この方法による予想が不正確であるために、リソースの割当ては非効率的になりかねない。
【0015】
システム容量(チャンネルの利用)に打撃を与えずに品質を改良するために、可変の要求をダイナミックに識別し、評価し、付加的なチャンネルアクセスを選択的に可能にするための機構を与えるダイナミック適合方法を提案する。マルチメディアフローに適切に付加的な時間を与えることによって、サービスの品質は幾つかの静的スケジューラによるサービス品質よりも改良されることができる。以下説明する1構成では、ポーリングベースのスケジュール化ポリシーを構成し、トラフィックフローを適切な媒体アクセスモードにダイナミックに関連付けるための適合ポリシーが与えられる。このポリシーは予約情報中で発生する可能性のある不正確性と、フロー発生及びスループット要求の変化と、現在のシステム利用を考慮する。さらにポリシーはネットワーク中の他のフローへの影響を最小にしてこれらの適合を行う。この方法の有効性を評価するために、この適合ポリシーと、Pradoによる802.11eに対するスケジューラの基準設計との比較が行われる。本発明の方法は遅延及びスループットの計量に関してQoSにおける大きな改良を実現する方法で行われることができることを明らかにする。さらに、マルチメディア応用の品質とシステム容量における本発明の適合の影響について示す。
【0016】
幾つかの構成では、本発明のダイナミック適合は、部分的にIEEE 802.11eの中央化された(HCCA)と分配された(EDCA)方式を調整するためのアクセス点(AP)ベースのQoS供給機構を提供する。特に、HCCAとEDCA相へのフローのマッピングがどのようにして実現されたQoSに影響するかを調査した。本発明者は最初に、HCCAとEDCA期間に対して背景及び実時間トラフィックを限定する伝統的な方法をそれぞれ評価した。この方法を使用する限定を識別して、ネットワークロードとアプリケーション要求とに基づいて2つの期間の間のフローをダイナミックに動かす潜在的な利点を評価した。本発明のダイナミック適合は、フローがHCCA、EDCA又はその両者でサービスされるべきであるか否かを動作時間で決定するために使用されることができる。提案されたポリシーは予約情報における可能な不正確さ、フロー発生及びスループット要求における変化、現在のシステム使用を考慮している。さらに、ポリシーはネットワーク中の他のフローにおける影響を最小にしてこれらの適合を行う。本発明の適合により、遅延とスループット計量に関して、マルチメディアアプリケーションのQoSは著しく改良されることができることを示した。
【0017】
ダイナミック適合は、実時間のマルチメディアフローにより受ける遅延を最小にするために例えばポーリング期間中に利用可能な時間を使用して、WLANネットワークのシステム利用を改良することによりWLANネットワークにわたるエンドユーザが受けるサービス品質(QoS)を改良するために使用されることができる。さらに、ダイナミック適合はフローのスループットを改良し、それは利用可能な時間が存在するならば中央化されたポーリング期間中の時間を割当てることによって、恐らくソフト実時間フローである可能性がある。ダイナミック適合の全体的な方法はトラフィックフローを2つのチャンネルアクセスモードにダイナミックに関連付け、監視されたトラフィック情報に基づいてアクセスの特権を変更する。特に、ハイブリッド調整機能チャンネル制御アクセス(HCCA)と呼ばれる802.11eの中央化されたポーリング期間でスケジュールされたフローでは、トラフィックの予約からの変化が列の成長につながるときを認識するために列情報の追跡を考慮する。これが生じたとき、フローの列サイズを減少し遭遇する高いパケット遅延を防止するために付加的な時間をトラフィックフローに割当てる。HCCA中に利用可能な時間が存在するならば、全ての前もってスケジュールされたフローがポールされた後、フローを再度ポールすることによって付加的な時間を割当てる。しかしながら、HCCA期間中に時間が残されていないならば、強化された分配チャンネルアクセス(EDCA)期間と呼ばれる802.11eの分配されたコンテンション期間を良好に利用することによって、列の成長を減少させようとする。そのアルゴリズムはEDCA中の現在のロードを評価し、そのロードにしたがって、HCCAトラフィックフローをEDCA期間中に送信させる信号を送信する。さらにHCCAのスケジュールされたフローの遅延を最小にするために、本発明のアルゴリズムはまた、利用可能な時間が存在するならば、HCCA期間の時間を割当てることによってEDCAフローに対するQoS計量を改良しようとする。この適合に対しては、混雑またはチャンネル変化によるスループットの劣化を被っている高い優先順位のフローをターゲットとする。
【0018】
本発明のダイナミック適合の種々の実行の潜在的な構成は、特に保証されたサービス品質をエンドユーザに提供し、WLANネットワークのシステム利用を改良する能力を含んでいる。この技術は空港、会社(電子会議のため)、家庭のような高いボリュームのマルチメディアアプリケーションを経験するWLANの設置に対して商業的に有用であろう。
【0019】
次のセクションでは、サービスの弁別をサポートするためのIEEE 802.11eの強化におけるある特徴を簡単に説明する。次に、IEEE 802.11eのサービス弁別を実行するためのPradoのスケジュール化アルゴリズムの特徴及び限定についても説明する。最後に、本発明のダイナミック適合方法の特別な実行とシミュレート結果を説明する。
【0020】
IEEE 802.11eはハイブリッド調整置機能(HCF)と呼ばれる新しい動作モードを規定している。図1は、各サービスインターバルがHCCA期間とEDCA期間を含んでいる場合の2つの隣接するサービスインターバル(Sis)を示すことによってHCFチャンネルアクセスを示している。HCFは媒体アクセスの2つのモード間、即ち強化された分配チャンネルアクセス(EDCA)により誘導される分配されたコンテンションベースの方法と、HCF制御されたチャンネルアクセス(HCCA)と呼ばれる中央化されたポーリングベースの方法との間で多重化している。両アクセス機能は802.11a/b/gで特定された元来のアクセス方法、即ち分配された調整機能‘DCF)と点調整機能(PCF)の機能性を強化する。802.11eで提案された2つのアクセス方式に共通の基本的な概念は、送信機会(TXOP)の概念である。TXOPはノードが送信を許可される限定された時間インターバルである。EDCA中のTXOPはトラフィックフローに基づいて決定され、一方、HCCAでは、TXOPはノード毎のベースで選択される。
【0021】
[IEEE 802.11eにおける強化された分配チャンネルアクセス]
サービスの弁別をサポートするために、802.11eはEDCAと呼ばれる弁別されたチャンネルアクセス機構を提供することによってレガシー802.11分配調整関数(DCF)よりも改良する。EDCAは802.11の従来の分配されたチャンネルアクセス機構のパラメータ化されたバージョンであり、異なるチャンネルアクセスパラメータを異なるトラフィックフローに関連付け、アクセスカテゴリ(AC)と呼ばれる異なるクラスへカテゴリ化され、異なるフロー間の媒体アクセスの優先順位を決定する。EDCAを通るチャンネルアクセスの優先順位の決定は図2に示されている。変更されたチャンネルアクセスパラメータは、バックオフを開始する前に待機するための最小の時間インターバルである仲裁フレーム間間隔(AIFS)と、ノードが送信することのできる最大の期間である送信機会(TXOP)と、送信の開始前に待機するためのランダム数のスロットを決定するコンテンションウィンドウパラメータ(CWminとCWmax)である。
【0022】
各アクセスカテゴリ(AC)では、アクセスパラメータはアクセス点(AP)により決定され、ネットワーク中のノードへの標識となる。
【0023】
[IEEE 802.11eにおけるHCF制御されたチャンネルアクセス]
優先順位を決定されたチャンネルアクセスに加えて、802.11eプロトコルは保証されたQoSを与えるため、HCF制御されたチャンネルアクセス(HCCA)と呼ばれる中央化されたチャンネルアクセス方式を記載している。図1は802.11e HCCAにより使用されるチャンネルアクセス方式を示している。レガシー点調整機能(PCF)に類似して、HCCAはポーリングベースの機構を使用し、ここでは媒体アクセスはAPにより制御される。レガシーPCFとHCCAとの間の主な違いは、コンテンションのない期間が生じることができるフレキシブル性である。媒体がPCFフレーム間のスペース期間にアイドル状態のままであるならば、APはコンテンションのないHCCA期間を開始し、それは最小のAIFSよりも短い。
【0024】
HCCAのコンテンションのない期間中、APはTXOPと呼ばれる固定した時間期間にノードをポールし、これは各フローによってAPへ周期的に送信される予約情報に基づいて計算される。各ノードに対するTXOPはAPからのポールリクエストにより開始され、この期間中に、送信はアップリンクとダウンリンクの両方向で行われることができる。サービスインターバルSIと呼ばれる周期性はネットワーク中に存在する全てのノードに対する最小の遅延要求に基づいて決定される。この期間は多数のコンテンションのない送信を可能にし、次の状態のうちの1つ、即ちAPもノードも送信のためのパケットをもたない状態、またはチャンネルアイドル時間がタイムアウト期間を超えた状態、または時間期間が満了した状態が生じたならば終了する。HCCA中で使用されるTXOPはEDCAで使用されるTXOPとは異なり、APにより決定され、フロー要求に基づいて計算されることに注意すべきである。固定した期間の使用によって、APは各ノードに割当てられた時間を限定でき、デフォルト変数dot11DefaultCPTXOPlimitにより限定される。
【0025】
[IEEE 802.11eにおけるハイブリッド調整関数スケジュール化]
IEEE 802.11eについてのPradoの基準スケジューラを説明する。厳密なQoS要求を有するノードは、平均アプリケーションデータレート(ρ)、平均パケットサイズ(L)、最大のMSDUサイズ(M)、遅延限度(D)、最小の物理的なデータレート(R)のようなフロー情報を含んでいる送信予約リクエストを送信する。この予約リクエストを使用して、スケジュール化ポリシーはポールの周期性と継続期間を決定する。APは全てのノードに使用される最小のサービスインターバル(SI)を決定し、ここでSIはノードの連続的なポール間の時間期間である。選択されたSIは各フローの遅延要求を満足させる802.11eビーコンインターバル期間の最高の約数であり、即ち選択されたSIは全てのフローの必要とされるサービスインターバルの最小値よりも小さくなければならない。フローについてSIで決定された後、APはまた以下のように平均アプリケーションデータレートにしたがって各フローへ固定されたTXOPを割当てる。
【数1】
【0026】
ここで、OはPHYとMACヘッダ、IFS、承認フレーム、ポールフレームによるオーバーヘッドである。
【0027】
各SIについてのHCCA中で費やされる最大の時間はdot11CAPMax変数により限定され、ビーコンインターバルの全ての制御されたアクセス時間はdot11CAPRateにより限定される。3以上の変数は制御されたアクセス期間の期間の長さを限定し、コンテンションアクセスモードでトラフィックフローにおける制御されたアクセスモードの影響を限定する。新しいフローの導入が3以上の要求のいずれかを侵害するならば、APは付加的な要求を認めることができない。
【0028】
前述のHCFスケジュール化ポリシーは多くの技術的な限定を有する。このような限定はVBRフローを使用してマルチメディア通信に対するQoSを非常に劣化させる可能性がある。それ故、実時間のフロー要求をサポートするための新しい技術が必要とされる。次のセクションは可変の予想できないフロー要求を有するマルチメディア流をサポートする必要性について説明する。
【0029】
[実時間フローの可変要求]
WLANの多様な実時間マルチメディア応用に対してサポートを与えるために、サービスの要求とこれらの応用の必要性を理解することが重要である。以下の解析はビデオベースのアプリケーションに焦点が置かれているが、その解析による発見は他の応用にも同等に適用されることができる。
【0030】
ビデオアプリケーションでは、ストリームは異なるビットレート要求を生じる異なる目的で符号化されることができる。一定のビットレート(CBR)と呼ばれる1つのタイプの符号化は圧縮パラメータの適切な調節により、符号化されたストリームの帯域幅要求を維持しようとする。しかしながら、CBR符号化は一定のビットレートを維持するために時間にわたって変化可能な品質を生じる。別のタイプのコード化は一定の圧縮パラメータの使用によって、符号化されたマルチメディアの品質を維持しようとし、それによってビットレートの要求は時間にわたって変化可能にされる。共通のVBR符号化アプリケーションの例には、品質制御されたMPEG4、ビデオ会議、ビデオマルチキャスティング等が含まれている。サービス提供業者はマルチメディア品質に悪影響せずに、異なるVBRフロー[4]間の多重化によってネットワークの容量を増加するために、マルチメディア内容のVBR符号化を共通に使用する。
【0031】
CBRとVBRフローとの違いを示すために例示的なビデオトレースを使用する。図3の(a)および(b)は映画(25フレーム/秒のジェラシックパーク)のCBRとVBRの符号化の時間にわたるビットレート要求を示している。VBR符号化ビデオでは、ビットレート要求は時間にわたって広く変化できる。
【0032】
VBR符号化に加えて、アプリケーション層適合は時間にわたってビットレート要求に変化を導入することができる。例えば現在のストリーミングサーバは、エンド・ツー・エンドネットワークにおける帯域幅の変動に対処するために、異なるターゲットビットレートで静的に符号化された異なるストリーム間でダイナミックに切り替わる。このアプリケーション層適合はビデオ流中でダイナミックに変化するフロー要求を生じる。フロー要求が時間にわたって変化する可能性があることを示したので、次に、可変のトラフィックフローを有するHCF基準スケジューラを使用する効果を解析する。
【0033】
[HCF基準スケジュール化ポリシーの解析]
前述したように、Pradoによる基準スケジューラは、平均データレートに基づいて各フローに固定したTXOPを割当て、各フローは固定されたサービスインターバルでサービスされる。このスケジュール動作はCBRトラフィックに対して良好に適しているが、VBRトラフィックを有するHCCAフローの列が成長される可能性があり、結果的に大きな遅延またはパケットのドロップにつながる。
【0034】
VBRトラフィックに対する802.11eスケジュールの限定を理解するために、基準スケジューラを使用して、その残りの待ち行列の長さによるトラフィックフローの遅延を評価する。それぞれμとσの平均及び標準偏差を有するガウス曲線確率密度関数としてVBRトラフィックデータレートをモデル化する。VBRを表すためにガウス曲線の使用は従来の研究[6]と[7]から動機付けられる。前述の例では、ビットレート要求は平均338Kb/秒で、標準偏差134Kb/秒のガウス分布としてモデル化されることができる。
【0035】
xをパケットの数に関する待ち行列の長さ値とし、iを現在のサービスインターバルとする。サービスインターバルiにおけるパケット到着と残りの待ち行列の長さの確率分布関数をINi(x)とRESi(x)によりそれぞれ規定する。
【数2】
【0036】
サービスインターバルi後の残りの待ち行列の長さは、以下表されているように、最後のサービスインターバルの残りの待ち行列の長さ、入来するパケット、現在のサービスインターバル中のスケジュールされたパケットの関数である。
RESi(x)=f(RESi−1(x)+INi(x),SCHi(x)) (3)
ここで、SCHi(x)はサービスインターバルiでHCCAスケジューラによりスケジュールされたパケット数を表している。
【0037】
HCCAスケジューラを使用して、SI毎にサービスされるパケット数は固定され、APにより与えられるTXOPに基づいている。ρはSI毎にサービスされるパケット数であると仮定する。即ち、
∀i SCHi(x)=インパルス(ρ) (4)
したがって、残りの待ち行列の長さは次式により与えられる。
【数3】
【0038】
残りの待ち行列の長さの確率分布密度関数はゼロで不連続な関数であることに注意すべきである。また、サービスインターバルの最後にパケットをもたない確率は、入来するパケットおよび前のサービスインターバルの残りの待ち行列の長さによって与えられる、サービスされることを必要とするパケットがサービスインターバル当りにサービスされるパケット数ρよりも少数である確率に等しい。
【0039】
固定された数のサービスインターバル後に前述の式の確率曲線を決定する閉じた形態は残りの待ち行列の長さに対する不連続な関数RESi(x)のために困難であるため、不連続な確率解析を使用してこれらの式を評価する。ノードの残りの待ち行列の長さが固定された数のサービスインターバル後に変化できる態様を理解するために、ガウスの確率分布密度関数にHCCAスケジューラのサービスレートを入力するためにMatlabを使用し、固定した数のサービスインターバル後の残りの待ち行列の長さの確率分布密度関数をプログラムに出力させる。
【0040】
フローの残りの待ち行列の長さの確率分布密度関数を発見するために、2つのガウス入力(μ,σ):[(20,5),(20,1)]を考慮してこれらの式を数値で評価した。平均値に対する802.11eの基準スケジューラ規定以降、この評価では、平均値ρ=μに等しいサービスレートを考慮する。図4の(a)と(b)はそれぞれ2つのガウス入力曲線の(1,25,50,100)SI後の残りの待ち行列の長さの確率分布密度関数を示している。曲線は100SI後の待ち行列の長さの予想される値がゼロではないことを示していることに注意すべきである。実際に、2つのガウス入力に対する待ち行列の長さの予想される値はそれぞれ41パケットと17パケットである。
【0041】
残りの待ち行列の長さが増加すると、各パケットの遅延は増加し、許容可能な遅延限度よりも潜在的に大きい可能性がある。この高い遅延は使用される転送プロトコルにしたがって、機能停止とぼけのような劣化したビデオ再生を招く。例えば、TCPが使用されるとき、パケットの遅延はその確実なパケット転送機構のために機能停止を生じる。しかしながら、UDPが使用されるとき、デフォルトパケットの損失隠蔽技術はパケットが時間内に到着しないならば、前のフレームを使用する。隠蔽方法はビデオ再生のボケを招く。次に、VBR符号化とそれらの限定による可変性を解決する別の技術について説明する。
【0042】
[現在の方法の限定]
PradoのHCCAスケジュール化の限定の1つは、他のフローがEDCAで競争する状態に置かれていながら、ハードな期限を有する実時間フローがHCCA期間中の固定された期間でサービスされるように限定されることである。このスケジュール化ポリシーは簡単であるが、先に示したようにVBRトラフィックを有する実時間フローのような多様なアプリケーションの要求を満たすため幾つかの限定を有する。残りの待ち行列の長さの成長を減少するための可能な解決策は各フローで過剰供給し、サービスインターバル毎に付加的な時間を割当てることである。1例はサービスインターバル毎にサービスされるパケット数を決定するのに平均及び標準偏差パラメータの両者を使用することである。
【0043】
図5の(a)と(b)は、μ+σにより与えられる変更されたρを有する同じガウス入力の残りの待ち行列の長さのPDFを示している。残りの待ち行列の長さの予想される値は非常に減少する。前述の例は、各フローに対してより多くの時間を割当てることが可能ならば、列の成長は避けられることができることを示している。しかしながら、APをサービスされることのできるフロー数と、各フローに割当てられる時間量との間には妥協がある。したがって、VBR要求を満たすため、付加的な時間をVBRフローへダイナミックに割当てる必要がある。
【0044】
さらに、基準スケジュール化ポリシーでは、APは中央化されたHCCAと分配されたEDCA期間との間に明白な分離を維持する。別々のリソース割当て方式にしたがって、実時間フローは、EDCA期間のロードが低いときでさえも、コンテンションベースの機構を使用して送信されることを許容されない。これにより、dot11CAPRateと、dot11CAPMaxにより課された限定のために、コンテンション期間中のチャンネルリソースの使用は低下し、HCCAフロー中の容量及びマルチメディア品質が減少する。
【0045】
他の研究者はVBRトラフィックの現在のスケジューラの類似の限定を観察し、前述の限定の幾つかを解決するためにフレキシブルなHCF(FHCF)フレームワークを提案している。例えばPierre Ansel、Qiang Ni、Thierry TurlettiのWiOpt, Modeling and Optimization in Mobile, Ad Hoc and Wireless Networksの記録の“An efficient scheduling scheme for IEEE 802.11e”(2004年3月)を参照する。簡単に述べると、FHCFアルゴリズムは待ち行列の長さを監視し、この情報に基づいて各フローのTXOPを拡張又は収縮させる。付加的な時間が限定されるケースでは、アルゴリズムはフェアーな方法でフロー間の時間を分離する。この方法には幾つかの制限があり、即ち(1)各フローへの割当てられた時間の公正な分割は残された列の成長を軽減するには不十分であり、(2)TXOPを調節するための集合的な適合はトラフィックの可変性が高いケースでは更に遅延を増加させかねず、(3)TXOPの頻繁な調節はHCCA期間でスケジュールされた他のノードに干渉しかねない(高いジッタ)。
【0046】
[適合ポリシー]
このアプリケーションはサービス品質(QoS)全体を改善するために使用されることのできるダイナミックな適合フレームワークの構成を説明している。幾つかの応用では、このようなダイナミックな適合は少なくとも部分的に、Pradoによる802.11eスケジュール化アルゴリズムの限定と、関連される負の影響を克服するために使用されることができる。
【0047】
マルチメディアフローのQoSを改良するために、ダイナミックな適合が構成され、遭遇するパケット遅延の集合した利用値を最小にするように構成される。この目的を次式によって表すことができる。
【数4】
【0048】
ここでjはノードインデックスを表し、djはノードjが受けた平均パケット遅延であり、Nはノードの総数である。フローにおける遭遇したパケット遅延は残りのパケット待ち行列の長さの関数であるので、各サービスインターバル中の集合した残りの待ち行列の長さの利用を最小にすることに特に注目する。
【数5】
【0049】
ここでresjはノードjの平均的な残りのパケットの待ち行列の長さを表している。
【0050】
本発明のアルゴリズムの全体的な方法は、HCCA期間中にポーリングスケジュールをダイナミックに構成することによって残りの待ち行列の長さを最小にし、これはHCCA割当てと呼ばれ、必要とされるならばEDCA期間中に実時間フローを送信することを選択的に可能にし、これはEDCAマッピングと呼ばれる。
【0051】
[HCCA割当て]
HCCA割当ては式6により表される目的を満たすためにポーリングスケジュールを決定するのに使用されることができる。ポーリングスケジュールは[(PU1,PTXOP1),…,(PU1,PTXOP1),…(PUT,PTXOPT)]として表され、ポールされるノードのインデックスとl番目のポールに割当てられたTXOPをそれぞれ表し、Tはポールの最大数である。各フローjに対してリクエストされる平均時間はTXREQjとして示され、TXOPjと呼ばれるサービスインターバルj中の各フローに対して割当てられた時間は次式のように表されることができる。
【数6】
【0052】
ポーリングスケジュールの解は、HCCAスケジューラに固有の制約、即ち(1)割当てられた総時間は各サービスインターバルで利用可能な総時間よりも少なくなければならず、(2)各ノードはHCCA時間中に少なくとも一度ポールされなければならず、ポーリング時間はオーバーラップしておらず、(3)各ノードに割当てられた時間はフローのリクエストされた平均要求以上でなければならないという制約を満足させる必要があることを仮定する。前述の制約は以下の式により表されることができる。
【数7】
【0053】
上記の式では、MAX_POLL_PERIODは、dot11CAPMaxRateとdot11CAPRateの設定により決定される各サービスインターバルにおいて利用可能な最大のポーリング期間を示している。
【0054】
[EDCAマッピング]
HCCA期間中で利用可能な時間を割当てることに加えて、HCCA期間中に再度割当てるのに利用可能な時間がない場合を検討する。現在のHCFフレームワークは実時間フローがそれらの割当てられた時間中にパケットを送信するだけであると仮定する。しかしながら、EDCA期間への幾つかのフローを選択的に可能にすることによって、TXOPjの増加がHCCA期間中には可能ではないとき、待ち行列の成長を減少させようとする。
【0055】
EDCAマッピングの目的は、Sにより表されるフローを選択することであり、これは付加的な実時間フローに起因するEDCAフローにおける影響が最小であるという制約によって、EDCA中の付加的な時間から利点を得ることができる。HCCA遅延の減少の利点と、EDCAフローにおける悪影響との妥協を理解する必要がある。この目標は次式により表されることのできるセットを選択することである。
【数8】
【0056】
ここで、Bmはノードmにおける遅延の減少に関する全体的な利点を表し、EDCAのノードmのマッピングのコストを表している。主に、Cmはスループット、混雑、増加された衝突に関して与えられることのできるEDCAフローにおける影響である。
【0057】
[適合ポリシーの実行]
本発明のダイナミック適合の実行は以下の仮定に基づいている。第1に、APは最初のポーリングスケジュールを決定するために基準スケジューラを使用することを仮定する。この方式により、APは保留リクエストを受信し、ネットワーク中の各ノードへ適切な送信機会をスケジュールし、固定されたサービスインターバルを使用して全てのノードをポールする。したがって、各フローjで、次のパラメータ、即ち保留リクエストに基づいたオリジナルサービス時間TXREQjと、ノードjに対するポーリングスロットPU1が決定される。オリジナルスケジューラを使用すると、TXOPj=TXREQj=PTXOP1であり、ノードjに割当てられた送信機会全体は平均サービス時間TXREQjに等しく、PU1=jであることに注意すべきである。第2に、各フローは1サービスインターバル期間中に1ポールに限定されると仮定される。換言すると、
【数9】
【0058】
これらの仮定によって、各SI後にHCCAでスケジュールされるフローに対する理想的な待ち行列の長さはゼロである。
【0059】
さらに、HCCA中でスケジュールされているフローはポーリングベースの期間中にパケットを送信するだけであり、予約なしの残りのフローはEDCA期間での送信に限定されていることを仮定する。さらに、全てのフローは802.11eパケットヘッダの制御フィールドを使用してAPへ待ち行列の長さの情報を提供する。最後に、実時間フローはEDCA期間中の送信の可能性について通知されることができる。
【0060】
図6は本発明の適合の全体的なポリシーを示している。チャンネルアクセスの特権を変更し、フローに対して付加的な時間を割当てるため、以下の疑問に回答する。
(1)如何にして、いずれのフローが適合される必要があり、公正な方法でフローの間で選択することを知るか、
(2)如何にして、ネットワーク中の他のフローに対する影響を最小にするためにHCCA割当てを行うべきか、
(3)EDCAマッピングの適合を行うための受け入れ可能な条件は何であり、何時それを行うべきか。
【0061】
[適合されるフローの決定]
残りの待ち行列の長さのユーティリティ機能を見ることによって、適合される必要のあるフローを決定する。残りの待ち行列の長さのユーティリティ機能を最小にするために、ノードの実際の待ち行列の長さを減少する必要があることに注意すべきである。残りの待ち行列の長さのユーティリティ機能を最小にするために最急降下法を使用する。U(resj)=resj/TXREQjを仮定すると、潜在的に最高の遅延をもつ待ち行列の長さを有するノードjで開始し、そのTXREQj、換言すると、max(resj/TXREQj)を考慮に入れる。
【0062】
さらに貪欲な方法はそれらの予約リクエストが与えられている最大の待ち行列の長さを有するノードを発見するが、HCCA期間中の全ての残された時間を1つのノードに割当てることは不公正になりかねない。他のフローが利用可能な付加的な時間の幾らかを受けることができることを確実にするために、待ち行列情報を最後の適合時間と組合せ、それによってフロー当りの加重を決定し、これらの加重に基づいてラウンドロビン選択を行う。
【0063】
[HCCA割当て]
適合される必要のあるフローを決定するとき、アルゴリズムは付加的な時間を割当て、チャンネルアクセスの特権を変更することが可能で有効であるか否かを決定する必要がある。HCCA割当てが可能な場合、ポールされるフローのHCCAに時間が十分に残されている必要があり、即ちTXOPjの調節された後、Σ(1,j=S)TXOPj<MAX_POLL_PERIOD制約が依然として保たれるべきである。
【0064】
本発明の方式では、図6に示されているように、全ての前にスケジュールされたフローがポールされた後に、フローiを再度ポールすることによって付加的な時間を割当てる。オリジナルポーリングリストを維持し、したがってポール1乃至Nの間で、即ちPU1からPUNの間でノードはスケジュールされ、割当てられた時間は固定された状態にされる。しかしながら、N+1からTの残されたポールでは、可能なVBRフローとして識別されているフローを選択し、これらのフローに対して適切なTXOPjを割当てる。
【0065】
種々の応用において、これはHCCAでスケジュールされる他のフローに対する不必要な遅延を避けることができるので、この方法はフローの継続期間の時間の簡単な延長よりも適している可能性がある。前述したFHCF方式が、ポール1で開始するフローjのPTXOPjを調節することによってポール中のノードの固定されたTXOPjを構成することを想起し、PU1=jである。この方法では、他のフローはそれよりも前にスケジュールされたフローへの付加的な時間割当てにより遅延される可能性があり、他のフローへの影響を防止する。付加的なポールの過剰なオーバーヘッドが存在するが、このオーバーヘッドは最小であり、ポールフレームとSIFS期間だけからなる。さらに、FHCFアルゴリズムはノードのTXOPjを減少することによりフローの“遅れ”を利用しようとする。これはより多くの割当て時間を与える可能性があるが、この減少は幾つかのインターバルで、割当てられた時間が保留された時間よりも小さく、TXOPj≧TXREQjであることを意味する。これは、フローが少なくとも各サービスインターバルで保留される平均要求を有するという仮定を侵害する可能性がある。FHCFアルゴリズムは結果として必要とされるときに付加的な時間を調節するが、変更は割当てられた時間における一定の振動を生じる可能性がある。
【0066】
[EDCAマッピング]
HCCA割当てが可能ではない場合、残りの待ち行列の長さを最小にするために使用される別の方法は図6に示されているように、EDCA期間中にフローを送信させることであり、ここではノードjはEDCA中で送信することを可能にされる。この適合の1考察は、ノードjのマッピングに起因するEDCA中のフローにおける負の影響Cjである。ネットワークが混雑しているときに、HCCAフローがEDCA中に送信するように促されるならば、トラフィックフローは衝突のために再送信を被り、他のトラフィックフローに悪影響を生じる可能性がある。したがって、このような問題を避けるために、ネットワークロードはAPによって評価されなければならない。
【0067】
本発明の方法では、ネットワークロードは2つの統計、即ち利用比と衝突カウントを使用して評価される。APはEDCAで使用される時間を監視し、利用可能な総時間にわたって適切に受信されたパケットの送信時間を合計することによって利用を計算する。利用比は低いロード状態下のネットワークロードの良好なインジケータであるが、ロードが衝突のために増加すると、値は飽和する。このような状態では、EDCA期間にわたって生じる衝突数を平均することによって決定される衝突計量を付加的に使用する。利用比および衝突カウントの詳細についての実験は実験セクションに示されている。
【0068】
本発明で提案されている適合アルゴリズムでは、固定された数のSIの後、現在の利用及び衝突計量を予め設定されたしきい値と比較し、EDCA期間に付加的なVBRフローをマップすることが適切であるか否かについて決定する。これはEDCAフローにおける影響を最小にし、導入されたVBRフローにより受ける付加的な衝突を防止する。EDCA期間中にマップされたフローは前述の優先順位により決定され、現在の残りの待ち行列サイズと最後の適合時間に基づかされる。誤った適合の悪影響を減少するために、適合後の変更された利用及び衝突計量を監視する。平均利用が減少し衝突が顕著に増加する場合、VBRフローの最後のEDCAマッピング適合を反対にする。この適合のコスト及び利点は、ロード計量の変化と、残りの待ち行列のサイズの減少によってそれぞれ与えられる。
【0069】
[適合アルゴリズムとフレームワーク]
図7の(a)と(b)で与えられている擬似コードは前述のアルゴリズムの更に詳細を与える。アルゴリズムの第1のステップは現在のネットワーク状態を監視することである。APはその後、オリジナルポーリングスケジュールに進み、したがって待ち行列の統計を更新する。オリジナルスケジュールのポーリングを終了すると、アルゴリズムは、その後HCCAスケジュール化期間中に付加的な時間を割当てる。HCCAで利用可能な時間(hcca_slack)を計算することによって、アルゴリズムはHCCAにおいてスケジュールするために利用可能な時間が存在するかを反復的に決定する。フローの選択プロセスはこのセクションで前述した加重に基づいている。HCCA期間が付加的なポーリングをサポートすることができず、付加的なスケジュール化を必要としている残されたHCCAフローが存在する場合、APはEDCA期間中に送信するように実時間フローに対して明確に通報する。
【0070】
図8は適合アルゴリズムの1構成を示すフローチャートをさらに示している。
【0071】
説明したダイナミック適合を行うために、2つの主要な機能コンポーネント、即ちモニタモジュールとアダプタモジュールとを含むように、適合フレームワークは構成されることができる。図9はモニタモジュールとアダプタモジュールを有するシステムを示している。モニタはHCCAモニタとEDCAモニタを含んでいる。モニタはHCCAおよびEDCA期間の両者の現在の状態を追跡し、多数の追跡された統計を通してアダプタにHCCAおよびEDCA期間のフロー加重及びロード情報を与える。モニタにより与えられたこれらの値と情報を使用して、アダプタは、いずれのノードが切換えによる利点を得ることができるか、ノードが何時切り換えられるか、これらが如何にして切り換えられるべきかを決定する。
【0072】
[シミュレーション解析]
シミュレーションはマルチメディアトラフィックプロフィールとネットワークロードの多様なセットにわたって適合フレームワークを使用して、IEEE 802.11eにより行われている。実験的セットアップとシステム構成の説明から簡単に開始する。HCCAおよびEDCA期間の両者におけるHCCAフローの再割当てによる性能の改良を評価する。その後、前述のAnsel等による文献で提案されたフレキシブルHCF(FHCF)機構とフレームワークの比較について提示する。最後に、ビデオ品質と全体的なシステム容量における適合の効果について説明する。
【0073】
[シミュレーションセットアップおよびシステム構造]
本発明者の実験では、Opnetにより与えられたOpnetシミュレーション環境を使用した。“Opnet simulation framework”、http:www.opnet.com/を参照されたい。IEEE 802.11e標準方式をシミュレートするために、HCCAとEDCAサービス弁別を組み込むためにIEEE 802.11e MAC層モデルを変更した。他の既知のモデルによる802.11eの本発明者の構成を確認した。シミュレートされた無線ネットワークのデフォルト特性は表1に記載されている。
【表1】
【0074】
本発明のネットワーク構造では、各ノードはただ1つのフローに関連されており、300m×300mの区域、即ちアクセス点の範囲に均等に分布されている固定した位置に維持されていることを仮定する。異なるタイプのアプリケーショントラフィックを生成するために、Opnetアプリケーションとプロフィール構造を使用して、ビデオトレースからの情報によって誘導されるパケットサイズおよびパケット間ギャップを設定する。VBRビデオソースモデルに対しては、http://trace.eas.asu.edu/の“Video traces for network performance evaluation”から集められたH.263ビデオ流の種々のパケットトレースを組み込む。表2は本発明の評価に使用された種々のアプリケーションプロフィールを要約している。
【0075】
[HCCA割当ての評価]
本発明で提案された適合を評価する前に、VBRトラフィックについての現在のHFCスケジュール化ポリシーの限定を示すことから開始する。アルゴリズムの性能を比較するために、遅延とサービス品質(QoS)の計量を使用する。最初に、HCCA基準スケジューラを使用して、CBRとVBR実時間フローにより受ける遅延の差を評価する。
【0076】
図10の(a)と(d)はCBR(Video_CBR)フローが受けた残りの待ち行列の成長と遅延を示している。CBRフローでは、受ける遅延が低く、所望の遅延限度(120ms)内に入ることに注意すべきである。しかしながら、VBRフローでは、図10の(b)と10の(e)に示されているようにフローは高い待ち行列の成長と遅延を受ける。
【0077】
基準スケジューラの限定を示すと、前述のシナリオのHCCAフローにおけるアルゴリズムの性能を評価する。図10の(c)と10の(f)はHCCAのアルゴリズムの時間割当てを使用して、それぞれ経験した遅延および待ち行列サイズを示している。グラフから認められるように、提案されたアルゴリズムはHCCAフローにより受ける遅延を顕著に減少することができる。このシナリオの遅延について観察された減少は、HCCA期間の残りの時間をVBRトラフィック流に再度割当てたことによるものである。VBRフローの遅延及び待ち行列の成長を減少することによって、アルゴリズムは最大の遅延を超えることを避け、フローにより受けるパケット損失を減少させる。
【0078】
次に、異なる可変性を有するVBRフローにおける適合アルゴリズムを評価する。この評価では、Video1_VBRフローの異なるシーケンスを観察し、適合フレームワークを有するまたはそれを有しないフローにより受けた平均遅延を観察する。表3はその評価の結果を示している。各ビデオシーケンスに対して、データレートの平均及び標準偏差と、適合のある又は適合がないことにより受ける遅延について報告する。
【表2】
【0079】
この表から、提案された適合は全てのケースで遅延を大幅に減少できることが認められる。1つ注目すべきことは、ビデオの可変性がその標準偏差によって単に与えられることのできないことである。残りの待ち行列の長さの成長に関しては、ビデオの重要な特性は時間的可変性である。標準偏差が他のビデオよりも小さいVideo1_1では、適合のない経験された遅延は依然として大きい。これらのフローのパケットプロフィールをさらによく観察すると、これらのビデオ流の時間的可変性(バースト性)は遅延に大きく影響できることが認められる。パケットプロフィールはVide1_2のような幾つかのビデオが僅かに高い標準偏差を有することを示しているが。可変性はシミュレートされた時間にわたって良好に拡散され、大きな待ち行列の成長と高い遅延を防止する。さらに、この評価では、多くて1つの付加的なポールが所定のサービスインターバルの各フローで許容されることを仮定している。適合の影響はサービスインターバル当り2以上のポールを可能にすることにより改善されることができ、このパラメータは広く変化するデータ要求でトラフィックフローをサポートするために適切に構成されることができるものと考えられる。
【表3】
【0080】
多くのVBRフローが存在するときの適合の影響について観察する。1つのCBRフロー(Video2_CBR)を検討し、VBRトラフィック(Video1_VBR)を有するHCCAフローの数を1から8のフローまで変化する。表4は実現されたスループットと、考慮される全てのHCCAフローにわたって平均された与えられた遅延に関する評価の結果を提示している。適合のないVBRフローにより実現されたスループットの変化はOpnetシミュレーション中のランダム事象が関連された変化によるものである。これは恐らくさらに長いシミュレーション期間により回避されることができる。しかしながら、適合では、平均スループットの改良は主としてVBRフローの数に依存し、同時的なVBRフローの数の増加により減少されることが認められる。例えばノード数が1から8へ増加すると、適合の効果は64×から29×へ減少する。これは主として、HCCA期間における再割り当てに対して利用可能な時間がノード数の増加と共に減少する事実によるものであり、したがって適合アルゴリズムは効率的ではなくなる。
【0081】
[EDCAにおけるフローの再割当て]
HCCA期間が利用可能な時間を限定される場合には、HCCAにおけるフロー再割り当ての効率は適合のないケースまで減少される。このサブセクションでは、HCCAの再割当てが可能ではなくEDCAのロードが付加的なフローをサポートできるときの、本発明で提案された適合の第2の方法であるEDCAマッピングの効率を観察する。これらの実験では、3つのケース、即ち(1)適合が使用されないとき(Adapt_None)、(2)全てのVBRフローがEDCA期間中に送信することを可能にされるとき(Adapt_All)、(3)選択されたノードがEDCA中に送信されることを可能にされるとき(Adapt_Select)を検討する。それぞれのケースで、適合されているVBRノードの利用比、衝突カウント、遅延およびスループットを観察する。表5は種々のシナリオにおけるこれらのパラメータの値をそれぞれ示している。
【0082】
適合のない場合、アクチブノードの数がEDCAで増加し、適切な送信に使用される時間とEDCAで利用可能な時間との比により測定される利用は増加し、ノード数が増加すると平坦になることが分かる。利用比の平坦化に対応して、衝突カウントはコンテンションベースのチャンネルアクセスによりアクチブノード数が増加するときに顕著に増加する。さらに、適合なしでは、VBRフローは許容できない遅延と低いスループットを全てのシナリオで経験する。
【表4】
【0083】
適合が使用されない場合を観察した後、付加的な時間を必要としている全てのVBRフローがEDCAで送信することを可能にされるケースを検討する。EDCA期間中に1乃至8のノードが存在するシナリオでVBRフローが適合されるときに、利用計量及び衝突カウントが僅かに増加することが表より分かる。しかしながら、12および16のノードを有するシナリオでは、EDCAのロードを考慮せずにこの適合を使用することによって、VBRフローはEDCA利用に悪影響を及ぼす可能性がある。例えば16のノードの場合、EDCAマッピングの使用は0.400から0.357への利用比の減少と、13.75から13.9への衝突カウントの増加を招き、したがって、EDCAマッピングを使用するときを選択的に決定する必要がある。
【0084】
本発明の選択された適合では、EDCA期間を使用するときを決定するために2つのしきい値、即ち衝突カウントと利用比を使用する。先のシミュレーションにより誘導されたように、現在の実行は衝突しきい値4を使用し、利用比しきい値は0.3に固定される。12及び16のノードの場合、しきい値はネットワークのロードが高く、適合ポリシーがEDCAマッピング技術を使用しないことを示している。EDCA中に数個のノードが存在するとき、適合はサービスインターバル毎に行われ、一方、4及び8のノードの場合では、適合は選択的に行われ、したがって遅延はEDCA中のフローに対する大きな影響を避けるためにADAPT_ALLのケースよりも高い。
【0085】
前述の実験から、適合フレームワークは2つの技術、即ちHCCAにおける時間の再割り当てとEDCA期間における誘導された送信とを使用して、VBRフローにより受ける遅延を大幅に減少することができることを示した。
【0086】
[フレキシブルHCFとの比較]
本発明の作業を802.11e基準スケジューラと比較することに加えて、提案されたアルゴリズムをAnsel等による前述の文献で提案されたフレキシブルHCF(FHCF)と比較する。FHCFとのこの比較を行うために、Opnetフレームワーク中でアルゴリズムを実行し、多数のシナリオを検討する。表3で使用されたシナリオへ戻り、FHCFアルゴリズムの性能を評価する。表6で見られる実験結果は、FHCFを有するVBRフローにより受ける遅延が本発明の適合よりも高いことを示している。これはトラフィックフローのバースト性によるものと考えられ、それはFHCFアルゴリズムにTXOPを早期に収縮させ、高い遅延を生じさせることができる。特にVideo_4の場合、FHCFは許容可能なしきい値より下に遅延を減少させることができない。
【表5】
【0087】
1つのVBRフローがFHCFで進行する態様を観察した後、次のシナリオで、4と16の間でVBRフローの数を変化し、類似のトラフィックプロフィール(Video1_2)を使用する。全てのフローの需要間に高い相関が存在するときのケースをシミュレートするために全てのフローに対して同じトラフィックプロフィールを使用する。その結果は表7に要約されている。FHCFと本発明の適合とを比較するために、2つの方法間の違いと潜在的な利点を強調するようにこれらのケースを検討する。4つのノードの場合、HCCAで利用可能な時間は、両方法により可変の要求を組み込むのに十分であり、したがって本発明の提案された適合とFHCFは類似の性能を有すると期待されている。しかしながら、本発明の適合はFHCFよりも良好に進行することが認められ、これは先の結果で観察されたような潜在的にトラフィックフローのバースト性によるものである。8つのノードの場合、利用可能な時間は限定され、APは付加的な送信機会を公正に割当てる必要がある。公正さを実現するために、FHCFはフロー間に均等に残りの時間を分割する。しかしながら、細分化された送信機会はフローがトラフィックの可変性を克服するには十分ではない可能性があり、表で観察されるような高い遅延を招く。その代わりに本発明で提案された適合はラウンドロビン法を使用して多数のSIにわたって公正さを達成しようとする。各SIで、アルゴリズムはそれらの予約パラメータに基づいて付加的な時間をポールして割当てるための1組のフローを選択する。この方法は本発明のアルゴリズムにより改良された遅延性能につながることが考えられる。最後に、16のノードの場合、HCCA期間中に利用可能な時間がなく、したがってFHCFフローはフローの可変性に対処するために任意のその機構を使用することができない。本発明の提案された適合はEDCA中で送信するための付加的な機会のためにより良好に進行する。
【0088】
評価する次の観点はFHCF方法によりHCCA期間中にスケジュールされた他のフローにおける遅延の影響である。この評価に対しては、1つのVBRフロー(Video1_VBR)と多数のCBRフロー(Video2_CBR)によるケースを観察する。VBRフローの性能は先のシミュレーションに類似して改良する。しかしながら、VBRノード後にスケジュールされたCBRフローに対しては、適合により平均遅延において10%の増加が観察される。
【0089】
前述の解析に基づいて、実時間のマルチメディアフローをサポートするPradoによる802.11e HCFスケジューラは幾つかの限定を示している。特に基準スケジューラは可変の要求又はフローを有するマルチメディアフローを適切にサポートすることはできない。可変のフロー要求下では、HCFスケジューラは高い遅延につながる可能性があり、実時間のマルチメディア品質に過酷な影響を与える。さらに、HCFフレームワークは異なるフローを、ポーリングベースの機構に限定されている実時間フローを有する媒体アクセスの異なるノードへマップすることを観察した。前述の分割は重いHCCAロード下で貧弱なチャンネル利用になる可能性がある。
【0090】
本発明のダイナミック適合はフロー要求の変化について各フローの状態を監視し、ダイナミックにトラフィックフローを適切に関連付け、遅れフローへの付加的なポールを許容するためにポーリングスケジュールを構成し、EDCAにおける低いロード下で、実時間のマルチメディアフローをアクセスのEDCAモードへ選択的にマッピングする。ここでの比較評価は、適合が実時間フローで観察された遅延を減少し、遅延、マルチメディア品質、ネットワークの容量に関して他の既知の技術よりも良好に進行することを示している。
【0091】
この適合フレームワークの開発において、トラフィックフロー中の変化は遅延を非常に増加でき、予約の最小の可変性が高い遅延につながる可能性があることが観察された。APは単に予約リクエストに基づいて時間を割当てるので、これらのリクエストの正確性は所望のQoSの維持には重要である。したがって、幾つかの応用では、予約はガイドラインとして使用されるべきであり、付加的なリソースはフローの監視される要求に基づいてダイナミックに割当てられなければならない。
【0092】
ダイナミック適合の前述の実行は、(1)HCCAで前もって割当てられている選択されたフローへ付加的な時間を割当て、(2)HCCA期間中にアクセス点と通信し、HCCAでアクセス点との割当てられた通信を完了し、HCCA期間が終了した後、他のノードと競合するためにEDCA期間のアクセス点との通信を継続するように前もって割当てられた選択されたノードを割当てる。さらに、ダイナミック適合はまたEDCAロードが非常に高いときに全ての遅延にわたって減少するように、ある状態下のHCCA中の時間期間にEDCAの通信フローを割当てるように実行されることもできる。
【0093】
図11の(a)はEDCAに最初に割当てられた通信フローがHCCA中の利用可能な時間期間に再度割当てられるこの特性の1例を示している。したがってHCCA期間中のコンテンションのない時間期間は選択されたノードに割当てられ、このノードはEDCA期間中にアクセス点と通信し、先にHCCA期間に割当てられたノードがサービスされた後、未使用の時間がHCCA期間に残されているときにアクセス点と通信するように割当てられる。
【0094】
この特徴により、ダイナミック適合はQoSを強化するためにHCCAとEDCAとの両者の通信容量のフル活用を可能にする。例えば実時間ではないトラフィックがEDCA期間に通常割当てられることができるが、このようなトラフィックはEDCAに限定される必要はなく、必要なときに、HCCAに再度割当てられることができる。限定されたフローがHCCA中にサービスされているシナリオでは、それらの優先順位と待ち行列の成長に基づいてネットワーク中の他のフローをスケジュールすることが有効である。HCCA中に効率的に割当てられた時間を使用することによって、EDCAのノードの経験する遅延とスループットを改良することができる。この限定を示すために、多数のフロー、HCCAにおいて予めスケジュールされた4つのフローとEDCAの10のフローを考える。図11の(b)は400kb/sのトラフィック特性を有する優先順位を付けられたEDCAフローにより実現されたスループットを示している。HCCA中のそのトラフィッククラスの優先順位と利用可能なスラックにかかわらず、EDCAフローはEDCA中の高いロードのために低いスループットを経験することに注意する。しかしながら、EDCAフローがHCCA期間中に送信することを可能にすることをダイナミックに決定することによって、待ち行列の成長とEDCAフローの優先順位に基づいて、ネットワーク中の他のフローに影響せずにEDCAフロースループットを増加できることを例証する。
【0095】
EDCAフローのアルゴリズム性能を評価するために、シナリオ、SCENARIO4を検討し、ここではHCCAでスケジュールされるCBRトラフィックフローの数は4に固定され、EDCAトラフィックフローの数は10に固定されている。このシナリオでは、EDCAトラフィックフローに割当てられる時間はHCCAフロー内に残されている。高いネットワークロードのために、EDCAトラフィックフローはスループットの大きな減少と遅延の増加を招く待ち行列の成長を生じる可能性がある。したがって、HCCA期間のEDCAフローの割当ては高いEDCAロード下で効率的であることができる。図11の(c)は適合のある場合及び適合のない場合の高い優先順位のEDCAフローの達成されたスループットを示している。本発明の提案されたEDCA適合はオリジナルHCF割当てで実現されるスループットをしのぐことができることに注目すべきである。
【0096】
本発明のダイナミック適合に対する他の強化及び変更も可能であろう。例えば、EDCAロード評価は一般化され、特定のフローをEDCA期間へマップする影響を考慮するために強化されることができる。各フローがEDCA期間において類似の影響を有することを想定するのではなく、そのトラフィックプロフィールに基づいたフローの影響を理解するように計画する。さらに、付加的なポールのために割当てられた送信時間を拡張する選択肢を含めるためにHCCA再割当て方式を強化することが好ましい。さらに可能な拡張には、種々のビデオ及びその他の実時間フローにおけるフレームワークの例証と、モデルベースのスケジュール作成強化の開発と、本発明の適合方式の将来のバージョンにおける移動性及びチャンネル状態を組み込むことが含まれる。
【0097】
提示したフレームワークを超えて、将来の作業として、WLANネットワーク中の不正なノードに含まれた意味を理解し、このようなノードに対処するためのリソース管理ポリシーを開発することが好ましい。問題とする別の領域は、QoSの保証を行いながら、ネットワークの容量を改良する妥協を理解するための許可制御ポリシーを提供することである。QoS計量としての遅延に加えて、エネルギ消費におけるQoS供給技術の影響は解決される必要があると考えられる。最後に、前述のフレームワークを実行し、実際のWLAN試験台における適合を例証することを計画している。
【0098】
実行において、前述の技術及びそれらの変形はコンピュータソフトウェア命令又はファームウェア命令として実行されることができる。このような命令は1以上のマシンの読取可能な記憶媒体を有するアーティクルに記憶されるか、またはデジタル信号プロセッサ及びマイクロプロセッサのような1以上のコンピュータ又はデジタルプロセッサに接続されている1以上のマシンの読取可能な記憶装置中に記憶されることができる。動作において、命令はマシンに前述の機能及び動作を行わせるように、1以上のプロセッサによって実行されることができる。
【0099】
幾つかの構成についてのみ説明した。しかしながらその他の変更及び強化がここで記載された技術に基づいて可能である。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】IEEE 802.11eによる無線構内網(WLAN)中のハイブリッド調整機能(HCF)チャンネルアクセスを示す図。
【図2】IEEE 802.11eによる無線構内網中の強化された分配チャンネルアクセス(EDCA)を示す図。
【図3】IEEE 802.11eによるWLAN中の一定のビットレート(CBR)と可変ビットレート(VBR)のフローのスループットの比較を示す図。
【図4】それぞれ2つのガウス入力曲線における(1、25、50、100)サービスインターバル後の残りの待ち行列の長さの確率分布密度関数(PDF)を示す図。
【図5】μ+σにより与えられた変更されたρを有する同じガウス入力の残りの待ち行列の長さのPDFを示す図。
【図6】本発明のダイナミック適合の1実行におけるHCCA割当てとEDCA割当てを示す図。
【図7】本発明のダイナミック適合を実行する例示的なアルゴリズムに対する擬似コードを示す図。
【図8】ダイナミック適合アルゴリズムの1実行に対する1つの例示的なフローチャート。
【図9】ダイナミック適合を実行するためのモニタモジュールとアダプタモジュールを含むシステムを示す図。
【図10】シミュレーションにおけるCBRとVBRのフローの残りの列サイズと遅延を示す図。
【図11】EDCA中で初期的に割当てられたフローがHCCA中で利用可能な期間に再度割当てられるダイナミック適合の1実行を示す図と、その実行におけるシミュレーション結果を示す図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ポータルとしてのアクセス点と、その無線でアクセス点とそれぞれ通信する複数の無線通信ノードとを有する無線構内網(WLAN)における通信の制御方法において、
アクセス点はノードからの通信フローについての情報を受信するように動作し、
(1)選択されたノードに、その選択されたノードとの通信フロー特性に基づいて、対応するコンテンションのない時間期間に他のノードとのコンテンションなく、各選択されたノードがアクセス点と通信することを可能にするようにコンテンションのない時間期間を割当て、(2)残りのノードを、コンテンションのない時間期間外の時間期間中に相互に競争して、アクセス点と通信するように割当て、
割当て後、付加的な時間が必要とされるか否かを決定するために割当てられた時間期間における通信中に各ノードで成長した通信遅延を監視し、
付加的なコンテンションのない時間を、このような付加的なコンテンションのない時間が利用可能であるときに付加的な時間を必要とするノードに割当て、
付加的なコンテンションのない時間が利用可能ではないとき、選択されたノードをアクセス点と通信するために他のノードと競争するように命令するステップを含んでいる制御方法。
【請求項2】
さらに、付加的なコンテンションのない時間期間が必要とされるか否かを決定するために対応するコンテンションのない期間中に各選択されたノードにおける成長した通信遅延を監視し、
選択されたノードがアクセス点と通信した後、割当てられたコンテンションのないアクセス点との通信に付加的な時間が存在するとき、付加的な時間を必要とするコンテンションのないアクセスに元来割当てられたノードへ付加的なコンテンションのない時間期間を割当て、
付加的なコンテンションのない時間が利用可能ではないときには、選択されたノードがアクセス点との通信を他のノードと競争することを可能にするステップを含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項3】
さらに、他のノードとのコンテンションなしに、アクセス点と実時間通信フローを通信するために選択されたノードの1つとしてアクセス点と実時間通信フローを通信するノードを選択し、
そのノードに対して割当てられたコンテンションのない時間期間の最後に、アクセス点との実時間通信フローの通信を継続するためにノードが他のノードと競争することを可能にするステップを含んでいる請求項2記載の方法。
【請求項4】
さらに、アクセス点と通信するようにコンテンションのない時間期間を割当てるように選択されておらず、アクセス点と通信するために他のノードと競争するように割当てられている各ノードにおける通信遅延の成長を監視し、
選択されたノードがアクセス点と通信した後、アクセス点との割当てられたコンテンションのない通信に付加的な時間が残されているとき、アクセス点と通信中の他のノードと競争するように割当てられているノードに、他のノードとのコンテンションなくアクセス点と通信するためにコンテンションのない時間期間を再度割当てることを含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項5】
アクセス点と通信中の他のノードと競争するように割当てられているが、他のノードとのコンテンションなくアクセス点と通信するためにコンテンションのない時間期間を再度割当てられているノードは、アクセス点と実時間ではない通信フローを通信する請求項4記載の方法。
【請求項6】
WLANは、ハイブリッド調整機能制御チャンネルアクセス(HCCA)と優先されたコンテンションベースの強化された分配チャンネルアクセス(EDCA)とにより、アクセス点とのポーリングベースのコンテンションのない通信をサポートするためにIEEE 802.11eにしたがい、
各サービスインターバルは(1)選択されたノードがアクセス点によりポールされ、アクセス点と通信するためにコンテンションのない時間期間が割当てられているHCCA期間と、(2)HCCA期間中にアクセス点と通信するように選択されていない他のノードが、割当てられたアクセスカテゴリに基づいてアクセス点と通信するために相互に競争する別々のEDCA期間とに分割されている請求項1記載の方法。
【請求項7】
さらに、アクセス点と通信するために競争する各ノードに対してアクセス点のトラフィックロードのレベルを監視し、
そのトラフィックロードが許容するとき、アクセス点と通信するために他のノードと競争するように選択されたノードに命令するステップを含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項8】
さらに、ノードにおける集合した通信遅延の成長を監視し、
ノードをアクセス点とのコンテンションのない通信用の選択されたノードと、集合した通信遅延の成長を減少するためにアクセス点とのコンテンションベースの通信のための残りのノードとに分割するステップを含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項9】
さらに、コンテンションの内時間期間外の時間期間に相互に競争するように優先順位ベースのアクセスカテゴリの1つを各ノードに割当て、各ノードが割当てられた優先順位ベースのアクセスカテゴリの優先順位に基づいてアクセス点と通信することを可能にするステップを含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項10】
ハイブリッド調整機能制御チャンネルアクセス(HCCA)と優先されたコンテンションベースの強化された分配チャンネルアクセス(EDCA)とにしたがって、WLANのアクセス点とのポーリングベースのコンテンションのない通信をサポートするためにIEEE 802.11eにしたがう無線構内網(WLAN)における通信の制御方法において、
アクセス点と通信するための各サービスインターバルは(1)アクセス期間により通信するように割当てられている無線通信ノードが他のノードとのコンテンションなくアクセス点と通信するためのコンテンションのない時間期間を割当てられているHCCA期間と、(2)無線通信ノードが割当てられたアクセスカテゴリに基づいて、アクセス点と通信するために他のノードと競争する別々のEDCA期間とに分割され、
アクセス点との通信において各ノードの通信遅延を監視し、
EDCA期間中のノードとの通信についてのアクセス点のトラフィックロードを監視し、
ノードの監視された通信遅延と、監視されたトラフィックロードにしたがってアクセス点に対するノードのアクセスをダイナミックに制御し、このダイナミックな制御は、
(1)HCCA期間にアクセス点と通信するように前もって割当てられている選択されたノードへ付加的な時間を割当て、
(2)HCCA期間にアクセス点と通信し、HCCAにおけるアクセス点との割当てられた通信を完了し、HCCA期間の終了後、他のノードと競争するためEDCA期間中にアクセス点と通信し続けるように前もって割当てられている選択されたノードを割当て、
(3)HCCA期間中のコンテンションのない時間期間を選択されたノードに割当て、このノードはEDCA期間にアクセス点と通信し、HCCA期間に前もって割当てられたノードがサービスされた後に、未使用の時間がHCCA期間に残されているときアクセス点と通信するように前もって割当てられているステップのうちの少なくとも1つを含んでいる方法。
【請求項11】
ダイナミック制御は、アクセス点へのアクセスにおけるWLANのノード中のパケット遅延の集合した利用値を減少する方法で行われる請求項10記載の方法。
【請求項12】
各ノードにおける通信遅延の監視は、各ノードの残りの待ち行列の長さを監視するステップを含んでいる請求項10記載の方法。
【請求項13】
EDCA期間中にノードと通信するためのアクセス点におけるトラフィックロードの監視は、EDCA期間中のアクセス点との通信における異なるノードの衝突カウントの監視を含んでいる請求項10記載の方法。
【請求項14】
EDCA期間中にノードと通信するためのアクセス点におけるトラフィックロードの監視は、EDCA期間中の利用比の監視を含んでいる請求項10記載の方法。
【請求項15】
HCCA期間にアクセス点と通信し、HCCA期間の終了後、他のノードと競争するようにEDCA期間中にアクセス点と通信し続けるように前もって割当てられた選択されたノードの割当ては、EDCA期間中のトラフィックロードがしきい値よりも低いときに行われる請求項10記載の方法。
【請求項16】
HCCA期間中にアクセス点と通信し、HCCA期間の終了後、他のノードと競争するようにEDCA期間にアクセス点と通信し続けるように前もって割当てられた選択されたノードの割当ては、アクセス点と通信するための付加的な時間を選択されたノードに与える時間がHCCA期間に残されていないときに行われる請求項10記載の方法。
【請求項17】
HCCA期間中にアクセス点と通信するように前もって割当てられた選択されたノードへ付加的な時間を割当てるステップにおいて、HCCA期間中にアクセス点と通信するように前もって割当てられている他のノードがサービスされた後、付加的な時間がHCCA期間中に割当てられる請求項10記載の方法。
【請求項18】
ハイブリッド調整機能制御チャンネルアクセス(HCCA)と優先されたコンテンションベースの強化された分配チャンネルアクセス(EDCA)にしたがってノードとアクセス点との間のポーリングベースのコンテンションのない通信をサポートするためにIEEE 802.11eにより無線構内網における無線通信ノードとアクセス点との間の通信を制御するためのシステムにおいて、
HCCA測定を行うためにHCCA通信フローを監視するHCCAモニタと、ECCA測定を行うためEDCA通信フローを監視するEDCAモニタとを有する監視モジュールと、
HCCA測定およびEDCA測定に応答して、個々のノードの遅延により生じる集合された通信遅延を減少するためにHCCAとEDCAの両者のアクセス点とのノードの通信をダイナミックに制御するように動作するアダプタモジュールを具備しているシステム。
【請求項19】
アダプタモジュールは、HCCAのアクセス点と通信するように前もって割当てられている選択されたノードへHCCA中の付加的な時間を割当てるように動作する請求項18記載のシステム。
【請求項20】
アダプタモジュールは選択されたノードを割当てるように動作し、そのノードはHCCA中にアクセス点と通信し、HCCA中のアクセス点との割当て通信が完了し、他のノードと競争するようにEDCA中のアクセス点と通信し続けるように前もって割当てられている請求項18記載のシステム。
【請求項21】
アダプタモジュールはHCCA中のコンテンションのない時間期間を選択されたノードに割当てるように動作し、そのノードはEDCA中のアクセス点と通信し、HCCAに前もって割当てられたノードがサービスされた後に、未使用の時間がHCCA中に残されているときアクセス点と通信するように前もって割当てられている請求項18記載のシステム。
【請求項22】
HCCA測定は、通信フローの平均残留待ち行列サイズおよび残留待ち行列変化と、ハイブリッド調整機能(HCF)に基づいたHCCAフロー統計加重を含んでいる請求項18記載のシステム。
【請求項23】
EDCA測定は、通信フローの平均残留待ち行列サイズおよびデータレートと、EDCAの利用ファクタ及び衝突ファクタに基づいたEDCAフロー統計加重を含んでいる請求項18記載のシステム。
【請求項1】
通信ポータルとしてのアクセス点と、その無線でアクセス点とそれぞれ通信する複数の無線通信ノードとを有する無線構内網(WLAN)における通信の制御方法において、
アクセス点はノードからの通信フローについての情報を受信するように動作し、
(1)選択されたノードに、その選択されたノードとの通信フロー特性に基づいて、対応するコンテンションのない時間期間に他のノードとのコンテンションなく、各選択されたノードがアクセス点と通信することを可能にするようにコンテンションのない時間期間を割当て、(2)残りのノードを、コンテンションのない時間期間外の時間期間中に相互に競争して、アクセス点と通信するように割当て、
割当て後、付加的な時間が必要とされるか否かを決定するために割当てられた時間期間における通信中に各ノードで成長した通信遅延を監視し、
付加的なコンテンションのない時間を、このような付加的なコンテンションのない時間が利用可能であるときに付加的な時間を必要とするノードに割当て、
付加的なコンテンションのない時間が利用可能ではないとき、選択されたノードをアクセス点と通信するために他のノードと競争するように命令するステップを含んでいる制御方法。
【請求項2】
さらに、付加的なコンテンションのない時間期間が必要とされるか否かを決定するために対応するコンテンションのない期間中に各選択されたノードにおける成長した通信遅延を監視し、
選択されたノードがアクセス点と通信した後、割当てられたコンテンションのないアクセス点との通信に付加的な時間が存在するとき、付加的な時間を必要とするコンテンションのないアクセスに元来割当てられたノードへ付加的なコンテンションのない時間期間を割当て、
付加的なコンテンションのない時間が利用可能ではないときには、選択されたノードがアクセス点との通信を他のノードと競争することを可能にするステップを含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項3】
さらに、他のノードとのコンテンションなしに、アクセス点と実時間通信フローを通信するために選択されたノードの1つとしてアクセス点と実時間通信フローを通信するノードを選択し、
そのノードに対して割当てられたコンテンションのない時間期間の最後に、アクセス点との実時間通信フローの通信を継続するためにノードが他のノードと競争することを可能にするステップを含んでいる請求項2記載の方法。
【請求項4】
さらに、アクセス点と通信するようにコンテンションのない時間期間を割当てるように選択されておらず、アクセス点と通信するために他のノードと競争するように割当てられている各ノードにおける通信遅延の成長を監視し、
選択されたノードがアクセス点と通信した後、アクセス点との割当てられたコンテンションのない通信に付加的な時間が残されているとき、アクセス点と通信中の他のノードと競争するように割当てられているノードに、他のノードとのコンテンションなくアクセス点と通信するためにコンテンションのない時間期間を再度割当てることを含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項5】
アクセス点と通信中の他のノードと競争するように割当てられているが、他のノードとのコンテンションなくアクセス点と通信するためにコンテンションのない時間期間を再度割当てられているノードは、アクセス点と実時間ではない通信フローを通信する請求項4記載の方法。
【請求項6】
WLANは、ハイブリッド調整機能制御チャンネルアクセス(HCCA)と優先されたコンテンションベースの強化された分配チャンネルアクセス(EDCA)とにより、アクセス点とのポーリングベースのコンテンションのない通信をサポートするためにIEEE 802.11eにしたがい、
各サービスインターバルは(1)選択されたノードがアクセス点によりポールされ、アクセス点と通信するためにコンテンションのない時間期間が割当てられているHCCA期間と、(2)HCCA期間中にアクセス点と通信するように選択されていない他のノードが、割当てられたアクセスカテゴリに基づいてアクセス点と通信するために相互に競争する別々のEDCA期間とに分割されている請求項1記載の方法。
【請求項7】
さらに、アクセス点と通信するために競争する各ノードに対してアクセス点のトラフィックロードのレベルを監視し、
そのトラフィックロードが許容するとき、アクセス点と通信するために他のノードと競争するように選択されたノードに命令するステップを含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項8】
さらに、ノードにおける集合した通信遅延の成長を監視し、
ノードをアクセス点とのコンテンションのない通信用の選択されたノードと、集合した通信遅延の成長を減少するためにアクセス点とのコンテンションベースの通信のための残りのノードとに分割するステップを含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項9】
さらに、コンテンションの内時間期間外の時間期間に相互に競争するように優先順位ベースのアクセスカテゴリの1つを各ノードに割当て、各ノードが割当てられた優先順位ベースのアクセスカテゴリの優先順位に基づいてアクセス点と通信することを可能にするステップを含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項10】
ハイブリッド調整機能制御チャンネルアクセス(HCCA)と優先されたコンテンションベースの強化された分配チャンネルアクセス(EDCA)とにしたがって、WLANのアクセス点とのポーリングベースのコンテンションのない通信をサポートするためにIEEE 802.11eにしたがう無線構内網(WLAN)における通信の制御方法において、
アクセス点と通信するための各サービスインターバルは(1)アクセス期間により通信するように割当てられている無線通信ノードが他のノードとのコンテンションなくアクセス点と通信するためのコンテンションのない時間期間を割当てられているHCCA期間と、(2)無線通信ノードが割当てられたアクセスカテゴリに基づいて、アクセス点と通信するために他のノードと競争する別々のEDCA期間とに分割され、
アクセス点との通信において各ノードの通信遅延を監視し、
EDCA期間中のノードとの通信についてのアクセス点のトラフィックロードを監視し、
ノードの監視された通信遅延と、監視されたトラフィックロードにしたがってアクセス点に対するノードのアクセスをダイナミックに制御し、このダイナミックな制御は、
(1)HCCA期間にアクセス点と通信するように前もって割当てられている選択されたノードへ付加的な時間を割当て、
(2)HCCA期間にアクセス点と通信し、HCCAにおけるアクセス点との割当てられた通信を完了し、HCCA期間の終了後、他のノードと競争するためEDCA期間中にアクセス点と通信し続けるように前もって割当てられている選択されたノードを割当て、
(3)HCCA期間中のコンテンションのない時間期間を選択されたノードに割当て、このノードはEDCA期間にアクセス点と通信し、HCCA期間に前もって割当てられたノードがサービスされた後に、未使用の時間がHCCA期間に残されているときアクセス点と通信するように前もって割当てられているステップのうちの少なくとも1つを含んでいる方法。
【請求項11】
ダイナミック制御は、アクセス点へのアクセスにおけるWLANのノード中のパケット遅延の集合した利用値を減少する方法で行われる請求項10記載の方法。
【請求項12】
各ノードにおける通信遅延の監視は、各ノードの残りの待ち行列の長さを監視するステップを含んでいる請求項10記載の方法。
【請求項13】
EDCA期間中にノードと通信するためのアクセス点におけるトラフィックロードの監視は、EDCA期間中のアクセス点との通信における異なるノードの衝突カウントの監視を含んでいる請求項10記載の方法。
【請求項14】
EDCA期間中にノードと通信するためのアクセス点におけるトラフィックロードの監視は、EDCA期間中の利用比の監視を含んでいる請求項10記載の方法。
【請求項15】
HCCA期間にアクセス点と通信し、HCCA期間の終了後、他のノードと競争するようにEDCA期間中にアクセス点と通信し続けるように前もって割当てられた選択されたノードの割当ては、EDCA期間中のトラフィックロードがしきい値よりも低いときに行われる請求項10記載の方法。
【請求項16】
HCCA期間中にアクセス点と通信し、HCCA期間の終了後、他のノードと競争するようにEDCA期間にアクセス点と通信し続けるように前もって割当てられた選択されたノードの割当ては、アクセス点と通信するための付加的な時間を選択されたノードに与える時間がHCCA期間に残されていないときに行われる請求項10記載の方法。
【請求項17】
HCCA期間中にアクセス点と通信するように前もって割当てられた選択されたノードへ付加的な時間を割当てるステップにおいて、HCCA期間中にアクセス点と通信するように前もって割当てられている他のノードがサービスされた後、付加的な時間がHCCA期間中に割当てられる請求項10記載の方法。
【請求項18】
ハイブリッド調整機能制御チャンネルアクセス(HCCA)と優先されたコンテンションベースの強化された分配チャンネルアクセス(EDCA)にしたがってノードとアクセス点との間のポーリングベースのコンテンションのない通信をサポートするためにIEEE 802.11eにより無線構内網における無線通信ノードとアクセス点との間の通信を制御するためのシステムにおいて、
HCCA測定を行うためにHCCA通信フローを監視するHCCAモニタと、ECCA測定を行うためEDCA通信フローを監視するEDCAモニタとを有する監視モジュールと、
HCCA測定およびEDCA測定に応答して、個々のノードの遅延により生じる集合された通信遅延を減少するためにHCCAとEDCAの両者のアクセス点とのノードの通信をダイナミックに制御するように動作するアダプタモジュールを具備しているシステム。
【請求項19】
アダプタモジュールは、HCCAのアクセス点と通信するように前もって割当てられている選択されたノードへHCCA中の付加的な時間を割当てるように動作する請求項18記載のシステム。
【請求項20】
アダプタモジュールは選択されたノードを割当てるように動作し、そのノードはHCCA中にアクセス点と通信し、HCCA中のアクセス点との割当て通信が完了し、他のノードと競争するようにEDCA中のアクセス点と通信し続けるように前もって割当てられている請求項18記載のシステム。
【請求項21】
アダプタモジュールはHCCA中のコンテンションのない時間期間を選択されたノードに割当てるように動作し、そのノードはEDCA中のアクセス点と通信し、HCCAに前もって割当てられたノードがサービスされた後に、未使用の時間がHCCA中に残されているときアクセス点と通信するように前もって割当てられている請求項18記載のシステム。
【請求項22】
HCCA測定は、通信フローの平均残留待ち行列サイズおよび残留待ち行列変化と、ハイブリッド調整機能(HCF)に基づいたHCCAフロー統計加重を含んでいる請求項18記載のシステム。
【請求項23】
EDCA測定は、通信フローの平均残留待ち行列サイズおよびデータレートと、EDCAの利用ファクタ及び衝突ファクタに基づいたEDCAフロー統計加重を含んでいる請求項18記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2008−514145(P2008−514145A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−532701(P2007−532701)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【国際出願番号】PCT/US2005/039033
【国際公開番号】WO2006/050140
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(592034548)ザ・リージェンツ・オブ・ザ・ユニバーシティー・オブ・カリフォルニア (8)
【氏名又は名称原語表記】THE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF CALIFORNIA
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【国際出願番号】PCT/US2005/039033
【国際公開番号】WO2006/050140
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(592034548)ザ・リージェンツ・オブ・ザ・ユニバーシティー・オブ・カリフォルニア (8)
【氏名又は名称原語表記】THE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF CALIFORNIA
【Fターム(参考)】
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