強化されたセルアイデンティティの適応的な測位における適応的なポリゴンの計算
セルラー通信ネットワークにおいて位置決定支援データを提供するための方法は、ユーザ機器についてのセルリレーション構成を確立するステップ(204)を含む。上記セルリレーション構成は、信号が受信時に特定の無線条件基準を満たすセルのセルアイデンティティを含む。上記方法は、上記ユーザ機器について高精度位置決定を実行するステップ(206)をさらに含む。上記確立するステップ及び上記実行するステップ(204、206)は、複数回繰り返される。同じ上記セルリレーション構成に属する測位点は、クラスタ化され(208)、ポリゴンが各結果クラスタと関連付けられる(212)。上記関連付けるステップ(212)は、結果クラスタをポリゴンによって包囲するステップ、予決定された基準を改善するために上記ポリゴンの角を定義されたパスに沿って変更するステップ、及びポリゴンの角が外周の小規模部分に集まることを是正するステップを含む。上記方法は最後に、上記セルリレーション構成と上記ポリゴンとの間のリレーションを含む位置決定支援データを作成するステップ(212)を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してセルラー通信ネットワークにおける移動端末の位置決定のための方法及びシステムに関し、特にセルエリアを含む位置決定に関する。
【背景技術】
【0002】
全てのセルラー通信システムはセルに分割されており、ここでユーザ機器(UE)は、1つ又はソフト(ソフター)ハンドオーバの場合は複数の基地局によってサービス提供される。各基地局は、1つより多くのセルにおいて、UEにサービス提供してもよい。測位(positioning)及びナビゲーションの観点からの重要な1つのポイントは、セルラーシステムにおいて所定のUEが位置しているセルが知られていることである。故に、所定のセルによりカバーされる地理的エリアの決定の後、UEが接続されている限り、及び報告されるサービス提供セルのセルアイデンティティが特定の地理的エリアに対応するセルアイデンティティと等しい限り、そのUEは当該地理的エリア内のどこかに位置していると言うことができる。
【0003】
WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)セルラーシステム内における一例としての測位は、その測位がRANAP(Radio Access Network Application Part)インターフェイス上で動作していることを前提として、簡単には次のように動作する。一方でその手続は、例えばGSM(Global System for Mobile communications)及びCDMA2000(Code Division Multiple Access 2000)に似ている。
【0004】
位置の評価を要求するメッセージは、SRNC(Serving Radio Network Controller)においてRANAPインターフェイス上で受信される。メッセージのサービスパラメータの品質は、RNC(Radio Network Controller)がセルアイデンティティの測位方法を選択できるようにすることを前提としている。SRNCは、測位すべきUEのサービス提供セルのアイデンティティを決定し、サービス提供セルの外延(extension)を表す事前格納された(pre-stored)ポリゴンを読み出す。SRNCはその結果として生じるセルのポリゴンを、位置報告メッセージにおけるセルのポリゴンフォーマットを使用して、RANAPインターフェイス上でコアネットワークに返送する。
【0005】
一方、無線伝搬の複雑性のため、セルのポリゴンフォーマットは実際のセルの外延の近似でしかないことに留意すべきである。ポリゴンフォーマットの選択は、例えば計算の複雑性及び報告する帯域幅を考慮して、適度に柔軟な地理的表現のフォーマットを有すべき必要性があることに影響される。
【0006】
ポリゴンフォーマットがセルの外延を近似するため、ポリゴンは通常一定の確かさをもってセルの外延を表すようセルプランニング(cell-planning)ツールにおいて予決定されている。その確かさは、セルポリゴンによって表わされるセルにUEが接続されているという事実を条件として、そのポリゴン内にそのUEが位置している確率を表すことを意図している。セルポリゴンの基本的なオフライン計算は、例えば様々なレベルの高度なカバレッジシミュレーションを基礎とすることが可能である。一方で、計算されたセルの外延の確かさを考慮すると、最終結果は通常あまり信頼できないものである。
【0007】
セルアイデンティティの測位方法の精度は、主にセルのサイズによって制限され、それにより、より高度なナビゲーションアプリケーションにおいてはその使用が妨げられ得る。その主な利点は、非常に少ない応答時間と共に、その方法が広く普及しており、セルラーカバレッジの存在する場所では常に利用可能であるという事実を含む。そのセルアイデンティティの方法はまた実装が直接的であり、UEの影響を受けない。その利点は、その方法の利点が保持されるのと同時に基本的なセルアイデンティティの方法の精度を強化することを目的とする、強化されたセルアイデンティティ(EセルID)の測位方法の開発についての興味につながった。
【0008】
EセルIDの測位についての1つの原理は、セル外延モデルを距離の指標と組み合わせることを目的としている。この目的に向かう2つの可能性は、RTT(Round Trip Time)測定及びパスロス測定である。この2つの選択肢のうちより正確なのはRTT測定である。パスロス測定は、シャドーフェージング効果(shadow fading effects)の影響を受け、それによって精度がUEまでの距離の半分のオーダーになってしまう。RTT測定の原理においては、無線基地局(RBS)からUEへ、及びその逆の無線波の伝搬時間が測定される。RTTの方法は単独でRBSの周囲の円を定義する。この情報をセルポリゴンと組み合わせることにより、その円の左右の角度を計算することが可能となる。
【0009】
強化されたセルアイデンティティの測位についての別のアイディアは、1以上のセルと共にUEがソフト(ソフター)ハンドオーバにある領域の事前計算されたマップを使用することであった。そのようなエリアは、決定された位置をより正確にするために拡大するセル全体よりも非常に小さい。通常これらのマップは、ちょうど普通のセルポリゴンのようにプランニングツールにおいて事前計算されている。
【0010】
状況によっては、高精度の測位が要求されることがある。本開示において“高精度測位方法”とは、ノースアメリカンE−911非常時測位要件(North-American E-911 emergency positioning requirements)を満たす潜在的可能性を有する測位方法を意味するものと定義される。これら要件を満たす方法は、次のいずれかの測位の精度を獲得することが可能である:
(端末ベース)50メートル(67%)及び150m(95%)、又は
(ネットワークベース)100メートル(67%)及び300m(95%)。
【0011】
A−GPS(Assisted Global Positioning System)の測位は、GPS(Global Positioning System)を強化したものである。例えばセルラー通信システムに取り付けられたGPSのリファレンス受信機は、セルラー通信システムに接続された端末内のGPS受信機へ伝送が行われる際、GPSの端末受信機の性能を向上させる補助(assistance)データを収集する。典型的には、A−GPSの精度は10メートル程度まで良好となり得る。追加の補助データは、典型的には、端末位置の粗い初期評価を相応の不確かさと共に取得することを目的として、直接セルラー通信システムから収集される。この位置は、セルアイデンティティを測位するステップによりしばしば与えられる。
【0012】
UTDOA(Uplink Time Difference Of Arrival)測位方法は、いくつかのRBSにおいて実行されるUEからの送信信号の到着時間の測定を基礎としている。その信号の強度はA−GPSよりも高く、屋内での測位を実行する能力を強化し得る。しかし、主に、高い仰角にある衛星からGPSの無線信号が受信される場合より地球の表面に沿った場合の方が無線伝搬の条件が悪いことにより、UTDOAの精度はA−GPSよりも多少悪いことが予期される。
【0013】
セルIDに基づく既存の測位方法に関する一般的な問題は、決定される位置の精度が低いことである。さらに、計算されたセルエリアに関して、信頼値(confidence value)は通常最良の精度をもって決定されない。加えて、移動端末の存在確率(probabilities for occurrence)の分布が不均一かつ方向依存的なセルは、適切に処理することが難しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
故に本発明の一般的な目的は、位置決定の精度を改善する可能性を与える方法、装置、及びシステムを提供することである。さらなる目的は、より精度の高い位置決定を可能とする測位支援(assisting)データを提供する方法及び装置を提供することである。また、本発明のさらなる目的は、より小さい区別可能なエリア及び複雑な形状又は方向依存的な大きさを有するエリアと共に動作する、方法、装置、及びシステムを提供することである。また、良好に確立された信頼値を有する定義されたエリアを提供する方法、装置、及びシステムを提供することも、本発明のさらなる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上の目的は、添付の特許請求の範囲に係る方法、装置、及びシステムによって達成される。一般的に、第1の観点において、セルラー通信ネットワークにおいて位置決定支援データを提供するための方法は、ユーザ機器についてのセルリレーション構成を確立するステップを含む。上記セルリレーション構成は、上記ユーザ機器への/からの信号が受信時に少なくとも特定の無線条件基準を満たすセルのセルアイデンティティを少なくとも含む。上記方法は、上記ユーザ機器について高精度位置決定を実行するステップをさらに含む。上記確立するステップ及び上記実行するステップは、複数回繰り返される。同じ上記セルリレーション構成に属する上記高精度位置決定の結果である点は、別々の結果クラスタにクラスタ化され、ポリゴンが上記結果クラスタのうち少なくとも1つと関連付けられる。上記関連付けるステップは、上記結果クラスタのうちの第1の結果クラスタをポリゴンによって包囲するステップ、上記第1の結果クラスタの上記高精度位置決定の結果を上記ポリゴン内において少なくとも予決定された割合となるよう維持しつつ、予決定された基準を改善するために上記ポリゴンの角(corner)の上記位置を定義されたパスに沿って変更するステップ、及び上記ポリゴンの角が上記ポリゴンの外周の小規模部分に集まることを是正するステップを含む。上記方法は最後に、上記セルリレーション構成と上記ポリゴンとの間のリレーションを含む位置決定支援データを作成するステップを含む。
【0016】
本発明の第2の観点において、無線ネットワークプランニングのための方法は、上記第1の観点に従って提供される位置決定支援データを取得するステップを含む。上記高精度位置決定を実行するステップは、要求に応じて実行される。上記方法は、実際の無線伝搬に関して上記位置決定支援データを評価するステップをさらに含む。
【0017】
本発明の第3の観点において、セルラー通信ネットワークにおけるユーザ機器の位置を決定するための方法は、上記第1の観点に従って提供される位置決定支援データを取得するステップと、上記ユーザ機器についてのセルリレーション構成を確立するステップと、を含む。上記セルリレーション構成は、上記ユーザ機器への/からの信号が受信時に少なくとも特定の無線条件基準を満たすセルのセルアイデンティティを少なくとも含む。上記方法は、上記ユーザ機器が測位されるエリアの定義として、上記位置決定支援データによって、上記セルリレーション構成に関連するポリゴンを決定するステップをさらに含む。
【0018】
本発明の第4の観点において、セルラー通信ネットワークにおいて位置決定支援データを提供するための構成は、ユーザ機器についてのセルリレーション構成を確立するための手段を含む。上記セルリレーション構成は、上記ユーザ機器への/からの信号が受信時に少なくとも特定の無線条件基準を満たすセルのセルアイデンティティを少なくとも含む。上記構成は、上記ユーザ機器について高精度位置決定を実行するための手段と、同じ上記セルリレーション構成に属する複数の上記高精度位置決定の結果である点を別々の結果クラスタにクラスタ化するための手段と、ポリゴンを上記結果クラスタのうち少なくとも1つと関連付けるための手段と、をさらに含む。上記関連付けるための手段は、上記結果クラスタのうちの第1の結果クラスタをポリゴンによって包囲し、上記第1の結果クラスタの上記高精度位置決定の結果を上記ポリゴン内において少なくとも予決定された割合となるよう維持しつつ、予決定された基準を改善するために上記ポリゴンの角の上記位置を定義されたパスに沿って変更し、及び上記ポリゴンの角が上記ポリゴンの外周の小規模部分に集まることを是正するように構成されている。上記構成はまた、上記セルリレーション構成と関連付けられる上記ポリゴンとの間のリレーションを含む位置決定支援データを作成するための手段を含む。
【0019】
本発明の第5の観点において、セルラー通信ネットワークにおけるユーザ機器の位置を決定するための構成は、上記第4の観点に係る位置決定支援データを提供するための構成と、上記ユーザ機器についてのセルリレーション構成を確立するための手段とを含む。上記セルリレーション構成は、上記ユーザ機器への/からの信号が受信時に少なくとも特定の無線条件基準を満たすセルのセルアイデンティティを少なくとも含む。上記構成はまた、上記ユーザ機器が測位されるエリアの定義として、上記位置決定支援データによって、上記セルリレーション構成に関連するポリゴンを決定するための手段を含む。
【0020】
本発明の第6の観点において、セルラー通信ネットワークのノードは、上記第4の観点又は上記第5の観点に係る構成を含む。
【0021】
本発明の第7の観点において、セルラー通信ネットワークは、上記第4の観点又は上記第5の観点に係る構成を含む。
【0022】
本発明の第8の観点において、コンピュータにより読取可能な媒体は、上記第1の観点に従って提供される位置決定支援データを含む。
【発明の効果】
【0023】
本発明の1つの利点は、セルリレーション構成についてのエリア定義のデータベースが適応的かつ自動的に構築されることである。セルアイデンティティの測位方法の精度は、複雑なエリア又は非常に方向依存的な大きさを有するエリア、すなわち高いアスペクト比を有するエリアについても、一定の信頼レベル内で最大化される。エリア定義情報は自動的に精緻化され、事実、例えば無線ネットワーク(RAN)の各部が再計画される場合に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明は、それに関するさらなる目的及び利点と共に、添付の図面と共に取り上げられる次の説明を参照することにより、非常によく理解され得る:
【0025】
【図1】セルラー通信システムの説明図である。
【図2A】隣接するセルの信号からのカバレッジに従ってセルをより小さいエリアに分割する例の説明図である。
【図2B】隣接するセルの信号からのカバレッジに従ってセルをより小さいエリアに分割する例の説明図である。
【図2C】隣接するセルの信号からのカバレッジに従ってセルをより小さいエリアに分割する例の説明図である。
【図2D】隣接するセルの信号からのカバレッジに従ってセルをより小さいエリアに分割する例の説明図である。
【図2E】隣接するセルの信号からのカバレッジに従ってセルをより小さいエリアに分割する例の説明図である。
【図3A】セルリレーション構成の例の説明図である。
【図3B】セルリレーション構成の例の説明図である。
【図3C】セルリレーション構成の例の説明図である。
【図4A】本発明に係る方法の一実施形態の主要なステップのフロー図である。
【図4B】本発明に係る方法の別の実施形態の主要なステップのフロー図である。
【図4C】図4A〜Bのステップ212の実施形態のステップのフロー図である。
【図4D】図4A〜Bのステップ212の実施形態のステップのフロー図である。
【図4E】本発明に係る別の方法の一実施形態のステップのフロー図である。
【図5】ポリゴンの限定的な部分に集まる頂点の説明図である。
【図6】セルポリゴンの一例である。
【図7】3GPPポリゴンのメッセージの情報要素の説明図である。
【図8】一実施形態に係るポリゴンの頂点の再画定(reinitiation)の結果の説明図である。
【図9】頂点の再画定の別の実施形態の説明図である。
【図10】縮小ポリゴン法のための初期の形状の説明図である。
【図11】最大のポリゴンの角の移動を決定するために使用される形状の説明図である。
【図12】エリア縮小の計算についての形状の説明図である。
【図13】他の実施形態に係るポリゴンの頂点の再画定の結果の説明図である。
【図14】2つの楕円扇形上におけるポリゴンの画定の説明図である。
【図15】1点より多くの点に向かって縮小するポリゴンの説明図である。
【図16】隣接する角の間が同じ距離になるように縮小するポリゴンの説明図である。
【図17】接近して配置された角の削除によって縮小するポリゴンの説明図である。
【図18】接近して配置された角の移動によって縮小するポリゴンの説明図である。
【図19】本発明に係るノードの一実施形態の主要部分のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示において“位置決定支援データ”は、無線ネットワークプランニング又はセルIDに基づく測位のような、セルラー通信システムにおけるセルに関連するアクティビティにおいて使用されるデータを定義するために使用される。特にそれは、本開示において使用されるセルリレーション構成及び関連するエリア定義についてのものであってよい。これは、本開示においてもっぱらA−GPSの議論において使用される“補助データ”と間違えられることがあってはならない。
【0027】
本開示において、WCDMAシステムはモデルシステムとして使用される。一方、当業者は誰でも、本発明の基本的な原理はいかなるセルラー通信システムにも適用可能であることを理解する。故に本発明は、そのようなものとして例示する実施形態に限定されない。
【0028】
図1は、一般的なWCDMAシステム100を示している。無線基地局30(RBS)はシステムのカバレッジエリアにわたって散在しており、この実施形態においてセクタ化された(sectorized)アンテナであるアンテナ20にサービス提供する。セル15はアンテナ20の各セクタに関連付けられており、そのエリアにおいて通信システムへの接続はその特定のセクタのいたるところで好適に実行される。RBS30は、典型的な場合において測位ノード45を含むRNC(Radio Network Controller)ノード40に接続されている。UE10及びRNC40は、RBS30について透過的ないわゆるRRC(Radio Resource Control)インターフェイス37上で通信する。RBS30及びRNC40はUTRAN(Universal Mobile Telecommunication System Radio Access Network)35に含まれるノードである。RNC40は、RANAP(Radio Access Network Application Part)インターフェイス47を介して、通信システム100のコアネットワーク(CN)50にさらに接続されている。
【0029】
ユーザ機器(UE)10は、セルラー通信システム100によってカバーされるエリアに位置している。ユーザ機器は、信号25を通じて自身の無線基地局30と通信する。一方、隣接するRBS30からの及びRBS30への信号26もまた検出される可能性がある。隣接する信号26が実際の通信をサポートし得る程度に十分強い場合、対応するセルはソフト(ソフター)ハンドオーバに参加するいわゆるアクティブセットのセルに含まれ得る。(ソフトハンドオーバは同じ場所に配置されていない2つの異なるRBSが使用される場合を意味し、一方ソフターハンドオーバはいくつかのセクタを伴う1つのRBSについてのものである。)特別な場合は、UEが同じRBSの2つのセクタに接続されている、すなわちソフターハンドオーバのときである。一方本発明の目的については、ソフトハンドオーバとソフターハンドオーバとの間に実質的な相違はなく、両方の場合を似たように処理することができる。信号26は、場合によってはアクティブセットに含まれるためにはあまりに弱いが、伝送を行っているRBSの識別を可能とし得る程度に十分強い可能性がある。そのような信号は、例えば測位の目的のために使用され得る。このほか、隣接する信号26は弱過ぎて全く使用できない可能性もある。
【0030】
UE10がある無線リンクを介してあるRBSに接続されている場合、UE10は、関連する地理的セル記述(geographical cell description)内に位置している可能性が高い。WCDMAにおいてセルの外延を記述するポリゴンによって定義されるセルエリアは、セルの実際の外延に関して通常最良の精度をもって決定されない。近似のセルエリアは、典型的にはセルプランニングに関連して決定され、完全には実際の状況に対応していない可能性がある。通常セルエリアの外延の実際の信頼レベルは特定されない。さらに、無線条件はセルプランニングが実行された後にも変化し得る。故に、確かさ及び各セルについて事前計算されたセルポリゴンを、フィールドデータを使用してチューニングすることは有益であろう。しかし、特に無線条件が時間と共に変化し得るため、これは通常利用できない。本発明の開示は、自動的にそのようなチューニングを獲得するための手法を明らかにする。
【0031】
図2Aは、UE10が接続されているセル15を示している。次の説明を単純にするため、この場合RBSはセルの中心に配置されている、いわゆるオムニセルの構成であると仮定する。UE10がRBSに接続されている場合、それは一定の確率をもってセル15内に存在すると決定され得る。
【0032】
一方、上で簡単に言及したように、UEはさらに他のRBSからの無線の範囲内にも存在してもよい。図2Bにおいて、その内部においては隣接するRBSへの/からの信号がソフト(ソフター)ハンドオーバを可能とし得る程度に十分強いエリアの境界線12が示されている。この極めて単純化されたモデルにおいて、境界線12は、隣接するRBSにその中心を有する円として描かれている。境界線12がセル15をさらに小さいエリア11、11A、11B、11Zに分割することは、容易に理解される。エリア11Zにおいては、自身のRBS30からの信号のみが有効である。一方、例えばエリア11Aにおいては、1つの隣接するRBSへの/からの信号もソフト(ソフター)ハンドオーバの目的のために有効であり、故にいわゆるアクティブセットのセルに含まれる。エリア11Bにおいては、2つの隣接するセルへの/からの信号が十分強く、その結果アクティブセットは2つの隣接するセルを含む。ここで、アクティブセットの内容が測位の目的のために使用され得ることは、容易に理解できる。アクティブセットのリストを調べることにより、部分エリア11、11A、11B、11ZのいずれにUE10が位置している可能性が高いかを決定することができる。
【0033】
一方、ほとんどの場合、恐らく十分な精度をもって計算することは難しい可能性が高いため、ソフト(ソフター)ハンドオーバの情報は測位の目的のためには使用されない。本発明によれば、任意のソフト(ソフター)ハンドオーバの領域を記述するエリア定義は有用である。WCDMAにおいて、そのようなエリア定義は、都合よくポリゴンの定義となり得る。一方、先行技術のセルプランニングの原理を使用しても、任意のソフト(ソフター)ハンドオーバの領域の実際の外延に関して、最良の精度をもって決定されるエリア定義は通常提供されないであろう。さらに、先行技術の方法を使用すると、任意のソフト(ソフター)ハンドオーバの領域の信頼値は、任意の計算されたソフト(ソフター)ハンドオーバエリアに関して、通常最良の精度をもって決定されないであろう。故に、確かさ及び各セルについて事前計算されたセルポリゴンを、フィールドデータを使用してチューニングすることは有益であろう。しかし、特に無線条件が、基本のセルについてもさることながら、時間に伴って変化し得るため、これは通常利用できない。一方で、本発明は、そのようなチューニングを自動的に獲得するための手法を明らかにする。
【0034】
さらに隣接するRBSからの信号を利用することができる。上述したように、たとえ隣接するRBSへの及び隣接するRBSからの信号がソフト(ソフター)ハンドオーバを可能とし得る程度に十分強くない場合でも、伝送を行っているRBS/UEのアイデンティティの決定を可能とする程度にはなお十分強い可能性がある。対応するセルのセットは、典型的には検出されたセルのセットとして参照される。またこの情報は測位の目的のためにも使用され得る。図2Cにおいて、セル15が再度示されている。ここで、ソフト(ソフター)ハンドオーバ(いずれか一方のみ参照番号で示されている)についての境界線12のみでなく、その内部において伝送を行っているRBS又はUEのアイデンティティがダウンリンク又はアップリンクにおいてそれぞれ取得され得る、例えば検出されたセルのセットに相当するエリアの、境界線13も示されている。それによってさらにセル15は、さらに小さい部分エリア11、11C〜G、11Zに分割される。例えばエリア11Eにおいて、自身のRBSからの信号に加えて1つの隣接するRBSからの信号は、ソフト(ソフター)ハンドオーバのために使用される一方、別の隣接するRBSからの信号は、それのみで伝送を行っているRBSを識別するために使用される。
【0035】
一定の強度の信号の存在のみでなく、他の信号と比較した場合の相対強度も考慮する場合、元のセルをさらに細かく分割することが可能となる。図2Dにおいて、1つより多くの隣接するRBSからの信号を含む部分エリアは、いずれの信号が最も強いかに従って分割される。それによってエリア11H〜Kを定義することができる。
【0036】
一方上述したように、実際の状況は、図2A〜Dの例が示し得るほど理想的ではない。それどころか、境界線12、13は容易には決定されず、典型的に円ではない。図2Eは、実際の状況に対応し得る状況を示している。そこで当業者は誰でも、エリア11、11A〜K、11Zを理論的に予め決定することは実際には不可能であることを理解する。
【0037】
位置決定支援データを達成するために、本発明において、2種類の情報が相互に関連付けられる;セルリレーション構成、及び高精度測位データである。
【0038】
第1の種類の情報は、セルリレーション構成である。このセルリレーション構成は、図2A〜Eでの従前の例における分割に対応する。セルリレーション構成は、基本的な一実施形態において、“自身の”セルと、一定の基準を満たす検出可能な信号を対応RBSが問題のユーザ機器へ/から送信/受信する任意の隣接セルとを表すデータを含む。典型的な見方において、セルリレーション構成は、あるUEに関して特定の無線条件基準を満たす信号に対応する、セルアイデンティティのリストと考えることができる。図3Aは、そのようなリストの一実施形態を示す。第1の行は、自身のセルに対応する。セルIDは“ID1”である。この例において、UEは、セル“ID2”、“ID3”、“ID4”、“ID5”とも通信することができる。セルの各組み合わせは、この実施形態において特定のセルリレーション構成を定義するであろう。
【0039】
図3Bは、セルリレーション構成の別の実施形態を示している。ここで、相対的な信号強度が考慮され、それによってセルは強度の順にソートされる。それによるとセル“ID3”への/からの信号は、例えばセル“ID5”への/からの信号よりも強い。これは、この実施形態におけるセルリレーション構成が、いずれのセルがリストに含まれるかということだけでなく、どういう順序であるかということにも依存することを意味する。さらにアップリンクとダウンリンクとの間で強度の順に相違がある可能性もあり、それもエリアを定義する際に利用することができる。
【0040】
また他の信号−強度に関連した量、例えばパスロス及び信号対干渉比をも、セルリレーション構成を定義するために利用することができる。
【0041】
図3Cは、セルリレーション構成の別の実施形態を示している。ここで、信号強度は、さらに分類される。セル“ID1”は“自身のセル”として分類され、セル“ID3”及び“ID5”はアクティブセットのセルに含まれるように分類される、すなわち、これらはソフト(ソフター)ハンドオーバの目的のために利用されることが分かる。これは、この実施形態におけるセルリレーション構成が、いずれのセルがリストに含まれ、どういう順序であるかということだけでなく、セルの分類にも依存することを意味する。
【0042】
上の例を見れば、当業者は誰でも、セルラー通信ネットワークのカバレッジエリア内に位置している任意のUEについてセルリレーション構成が容易に取得可能であることを理解する。
【0043】
第2の種類の必須の情報は、さらに上で言及したように、高精度測位データである。これは任意の可能な手法で導くことができる。UTDOA及びA−GPSは背景技術において前述されているが、他の方法も同様に有用であり得る。1つの発明的なアイディアは、高精度測位データとセルリレーション構成との間のリレーションを、対応するUEについて測位の時点で収集することである。これは、機を捉えた測定、すなわち、何らかの他の理由のためにいずれにせよ実行されるであろう高精度の測定を使用することによって好適に実行される。あるいは、その測定は意図的に準備され得る。例えば、改善された無線ネットワークプランニングの目的のために、高精度の位置測定装置が計画的に所定のエリアにわたって分散配置され得る。位置は、セルリレーション構成と共に決定される。別の選択肢として、高精度測位が可能なユーザ機器に、そのような測定を提供するよう定期的に命令することがあり得る。その後、それぞれの候補となるセルリレーション構成(すなわち、単純な見方をすると順序付けされたセルアイデンティティのセット)について、測定リストが設定される。そして、特定のセルリレーション構成に関連する全ての高精度の測定結果は、1つの特定の高精度の測定結果のリストに集約される。換言すれば、高精度測位データは現行のセルリレーション構成に応じてクラスタ化される。故に1つのそのようなリストの測定結果は、特定の地理的エリアに位置していると期待され得る測定結果のクラスタを形成する。故に高精度位置決定の結果をクラスタ化することによって、複数の別々にクラスタ化された結果が生じる。適切な数の高精度測位データの点が別々にクラスタ化された結果のうちの1つにクラスタ化される場合、予決定された割合(fraction)の高精度測位データの点を含むエリアを定義することが可能となる。その結果、あるセルリレーション構成を有するUEが、予決定された割合に相当する信頼レベルをもって、定義されたエリア内に位置している、と結論付けることができる。
【0044】
換言すれば、高精度測位の能力を自ら有さないUEは、位置決定における精度を改善するために、他のUEの以前の高精度測位を利用してもよい。
【0045】
得られたエリア定義は、実際の無線カバレッジとは大幅に異なり得ることに気付くことができる。その理由は、良好な無線条件を有しているがユーザ機器を1つもホスティングしていないエリアは、決定されたエリアから除外される傾向となるであろうためである。関連付けられるエリアは、代わりに無線カバレッジの特性とユーザ機器の存在確率の組み合わせに基づくエリアとなるであろう。
【0046】
図4Aに示されている、位置決定支援データを提供するための方法の一実施形態の主要なステップのフロー図によっても、本発明の基礎となる基本的なアイディアは示され得る。手続はステップ200において開始する。当該手続は、位置決定支援データを提供するため、まずセクション202に取り掛かる。このセクションはステップ204から開始し、そこでは特定のUEについてのセルリレーション構成が決定される。信号は、典型的に標準のセルラー通信システムの手続に従って登録及び報告され、セルリレーション構成にまとめられる。ステップ206において、任意の適切な高精度測位方法を使用して、UEの高精度測位が実行される。ステップ208において、高精度測位データは決定されたセルリレーション構成に応じてクラスタ化される。ステップ204から208は、矢印210で示されているように、複数回繰り返される。点のクラスタ化の数学的説明は、アペンディクスAにおいて提示されている。
【0047】
あるセルリレーション構成について適切な数の測定点が利用可能である場合、手続はステップ212に進んでもよく、そこで高精度測位データの空間的分布に近い形態を有するエリアが決定される。好適には、なお予決定された割合の高精度測位データ含む、可能な限り小さいエリアが計算される。他の実施形態において、たとえエリアが数学的に絶対的な最小ではない場合でも、相当に小さいエリアをもって十分であるとしてもよい。あるセルリレーション構成とエリア定義との間のリレーションは、それによって得られる。ステップ212の発明的な実施形態について、さらに後で説明する。ステップ204〜208によってさらにデータが追加される場合、矢印214で示されるようにステップ212も繰り返される必要があり得る。特に、無線条件が変化している場合、永久的に又は長期間、エリア定義は再計算され、新しい状況に適応されなければならない。その際それぞれの高精度の位置測定は、あまりに古い高精度の位置測定結果を破棄できるようにするために好適にタイムスタンプも付され、引き続き新しいエリアの最適化が実行される。
【0048】
タイムスタンプは、時間が変わればユーザ機器の分布が大幅に異なる可能性の高いシステムにおいても利用され得る。例えば、オフィスビル及び住居エリアが相互に近くに含まれている場合、例えば夜間に住居エリアにおいてユーザ機器が発見される可能性がより高い。その時点と大幅に異なる日、週、又は年を記録している時間を有する高精度測位データを破棄することによって、そういった変化は処理され得る。換言すれば、クラスタ化は、ある追加的基準を満たす測定結果を選択することのみによって実行され得る。それによってエリア定義を時間依存的にすることができる。
【0049】
他のパラメータについてクラスタ化のための選択基準が設定されてもよい。例えばRAB(Radio Access Bearer)は、1つの選択パラメータとなり得る。異なるRABについてのカバレッジは大幅に異なり得るものであり、それにより異なる部分エリア間の境界線の位置は大幅に変化し得る。例えば、64kbpsのリンクによって伝送されるトラフィックは、384kbpsのリンクによって伝送されるトラフィックとは完全に異なるカバレッジエリアを有し得る。決定されるべきエリアは使用される実際のRABについて固有であるため、例えば使用されるRABに関して測定結果をクラスタ化することによっても、改善された測位を可能とするであろう。
【0050】
RABに関する情報は、選択基準をよりエリア選択的にする、シグナリングの環境に関するある種の補助的な情報である。一般的なアプローチにおいて、他の補助的な情報をも類似の手法で利用することができる。同様に、実行され、選択基準の一部として使用され得るシグナリング特性の補助的な測定も存在する。一例として例えば補助的なRTT測定があり、これについてはさらに後で議論する。選択基準はセルリレーション構成を増強するものとして考えることができる。
【0051】
ステップ212は、1つの特定のセルリレーション構成、一群のセルリレーション構成、又は全てのセルリレーション構成について、及び様々なクラスタ化の選択基準について、実行され得る。
【0052】
より低い(より詳細な)レベルにおける測定結果の数が信頼性のあるセルポリゴンの計算のためには不十分である場合、より高いレベルにおけるリストがより低いレベルから構成され得るように、測定結果のリストは好適に階層的に体系化される。
【0053】
UEを測位しようとする際、手続は位置決定についてのセクション216へ入る。このセクションはステップ218から開始し、そこで測位すべきUEについてのセルリレーション構成が決定される。これは、典型的にステップ204と類似の手法で実行される。ステップ220において、あるセルリレーション構成とエリア定義との間のリレーションは、測位すべきUEが一定の確かさをもって位置しているエリアを提供するために使用される。この信頼レベルは、エリア最適化の間に使用される予決定された割合に相当する。手続はステップ299において終了する。測位の精度は、最良の場合、例えばノースアメリカンE−911非常時測位要件のために十分であり得る。一方この手法で得られる位置は、セクション202に係るエリア定義を改善するために使用されるべきでない。
【0054】
種々のステップのタイミングは、ある程度異なるようになされてもよい。図4Bにおいて、本発明に係る方法の別の実施形態のフロー図が示されている。ここで、2つのセクション202及び216は、相互に互い違いにされている。ここでエリアを最適化するステップ212は、セルリレーション構成を決定するステップ218によってトリガされる。その後最適化のステップ212は、時間を節約するため、ステップ218において決定されたセルリレーション構成についてのみ好適に実行される。図4Aにあるように、その関係が事前に、すなわち実際の測位要求が行われる前に決定されている場合、測位はより短い遅れをもって実行され得る。図4Bの実施形態はその代わりに、最新の利用可能なデータが常に利用されることを保証する。
【0055】
エリアを最適化するステップ212は、本発明の重要な部分であると考えられる。図4Cにおいて、このステップがより詳細に説明されている。ステップ230において、結果クラスタ(result clusters)のうちの第1の結果クラスタが、ポリゴンによって包囲される。それによって、問題のセルリレーション構成についての全ての高精度測定点nTOTは、エリア境界線によって取り囲まれる。nTOTはその後、高精度測定点の入力数として使用される。ステップ240において、第1の結果クラスタの高精度位置決定の結果の入力数をポリゴン内において少なくとも予決定された割合(percentage)となるよう維持しつつ、予決定された基準を改善するため、ポリゴンの角の位置(corner position)は定義されたパスに沿って変更される。
【0056】
縮小手続(shrinking procedure)はその後、予決定されたルーチン又はルールに従って、第1の定義されたパスに沿って1回につき1つのポリゴンの角の位置を変更することを基礎とする。典型的には、これらのルールは予決定された数の高精度位置決定(high-precision position determinations)を、縮小するポリゴンの内部から排除することを許容する。好適には、予決定された基準に係る最良の改善をもたらすことが可能な角が選択され、各ステップにおいて移動される。予決定された基準は、例えば可能な限り大幅なエリア縮小であってもよい。その代わりに、予決定された基準は、可能な限り大きい変更距離であってもよい。特に角の選択は、各角を暫定的に変更し、その変更によって予決定された基準がどれほど改善されるかをチェックすることにより、決定され得る。その後この角を変更するステップは、そのクラスタの予決定された割合の高精度位置決定しかポリゴン内に残らないようになるまで繰り返される。
【0057】
本発明のある特定の実施形態のポリゴンの角の変更において、高精度位置決定のうちの1つがポリゴンの外側に配置されることは許容され、但し2つは許容されない。典型的にはこれにより、変更される角と隣接する角とを結ぶ線上又はその付近に、クラスタ化された高精度位置決定の1つが配置される。
【0058】
セルのほとんどの形状及び状況において動作可能である簡易な手続において、定義されたパスは、現行の角の位置と高精度位置決定群(すなわちポリゴン内の結果クラスタ)の重心との間の直線であり得る。一方、そのようなアプローチがポリゴンの周囲に不均一な角の分布をもたらす状況が存在する。
【0059】
クラスタ化された結果の点があらゆる方向に比較的均一に広がっている場合、クラスタ化された点を包囲する円に角を有する初期ポリゴンは、満足に動作する。その後最適化されたエリアは、その外周上に極めて均一に広がっている角を有するポリゴンによって定義されるであろう。
【0060】
一方、複雑な形状又は非常に方向依存的な大きさを有するエリア、すなわち高いアスペクト比を有するエリア、を有する結果クラスタの場合、状況はあまり良くないことがあり得る。図5は、細長い結果クラスタ88を包囲するよう計算されたポリゴン89Bを示している。初期ポリゴン89Aは、角が円に配置されていた。結果として生じるポリゴン89Bのほとんどの頂点は、結果クラスタ88の重心へ向かって移動される。その領域は高いアスペクト比を有しているため、その結果多くの点が結果クラスタ88の重心に近い中央の小さな領域へ素早く収束することになる。結果クラスタ88のさらに離れた部分をモデリングするために、ごく僅かのポリゴンの頂点しか残らない。
【0061】
そのために、図4Cのステップ250において、当該ポリゴンの外周の小規模部分(a minor portion)に集まるポリゴンの角を是正するためのアクションが実行される。本実施形態において、矢印252で示されるように、ステップ250は繰り返し、又は変更するステップ240と互い違いに実行される。
【0062】
図4Dにおいて、エリアを最適化するステップ212の別の実施形態が示されている。ここで是正するステップ250は、変更するステップ240に統合された部分を構成する。すなわち、変更するステップは、角が集まり得ないような形で構成される。
【0063】
位置決定支援データを提供するための上の方法は、様々な状況において利用され得る。例えば、無線ネットワークプランニングを実行するための方法は、そういった提供方法を基礎とすることができる。図4Eにおいて、これが概略的に示されている。その手続は、ステップ200において開始する。ステップ260において、位置決定支援データは、上で議論された原理に従って取得される。そして、高精度位置決定を実行するステップは、典型的には要求に応じて実行される。これによって、セルエリア内において注目されるポイント(points of interest)から複数の高精度位置決定を確実に得る機会が与えられる。その後ステップ262において、位置決定支援データは実際の無線伝搬に関して評価される。手続はステップ299において終了する。
【0064】
図4Eの手続は、例えば図4Aにおいて説明されたユーザ機器の測位と同様に、位置決定支援データを基礎としている。このデータは、原理上、後に続くステップと比べて異なる時間及び/又は異なる場所において決定されてもよい。故に、原理上、これら手続はコンピュータにより読取可能な媒体に含まれる位置決定支援データを基礎とすることが可能であろう。一方、実際のデータの提供、例えば任意のコンピュータの処理は、別の時間及び/又は別の位置において発生し得る。
【0065】
これらのWCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)システムのうちのいくつかのシステムにおいて、セルの地理的外延を好適に表すものは、セルポリゴンフォーマットによって都合良く与えられる。セルの外延は、自身と交差しない閉じたポリゴンの3〜15個の角によって記述される。フォーマットは2次元であり、角はWGS84地理的リファレンスシステム(WGS84 geographical reference system)における経度及び緯度の組として決定される。図6に一例が示されている。そこには、角90を伴うセルポリゴン89の一例が示されている。RBS(Radio Base Station)は、典型的に当該RBSがサービス提供するセルポリゴン89の角90のうちの1つの近くに位置している。3GPPシステムは、セルポリゴンについてのメッセージングフォーマットを提供する。図7は、使用される3GPPのポリゴンのメッセージIE(Information Element)を示している。このIEは、セルアイデンティティの測位が成功した後、RANAPインターフェイス上でコアネットワークへ返信される位置報告(LOCATION REPORT)メッセージに存在する。
【0066】
本発明がセルIDの測位方法として使用される場合、セルの特定のアイデンティティに対応する、事前計算されたポリゴンよりむしろ再計算されたポリゴンが、RANAP又はIupc(UTRAN内におけるRNCとSASとの間の論理インターフェイス)上で報告される。留意すべきは、再計算されたポリゴンは報告用フォーマットと一致しているため、本発明が既存の測位インターフェイスに直接適合することである。
【0067】
本発明が、ソフト(ソフター)ハンドオーバのアクティブセット又は検出可能なセルのセットを利用して、強化されたセルアイデンティティの測位として使用される場合、同様の報告が行われ得る。決定されたセルリレーション構成のために再計算されたポリゴンが記憶されている場合、当該再計算されたポリゴンが選択され、RANAPまたはIupc上で報告される。この場合もやはり、本発明は既存の測位インターフェイスに直接適合する。
【0068】
エリア定義のデータは、セルリレーション構成の情報を使用して効率的に解決され得るように、体系化されるべきである。この手法において、ある領域についてのエリアが計算されていない場合はいつでも、代替領域をカバーするフォールバックエリアを見つけることができる。留意すべきは、例えば測定の統計量の不足のためにそうした状況が起こり得るということである。
【0069】
例えば、特定のセルリレーション構成についてポリゴンが計算されない場合、格納されたセルリレーション及びエリア定義の階層的構造が何らかの手法で活用される。1つの選択肢は、そのセルリレーション構成の最後のセルアイデンティティを無視し、そのようにして縮小されたセルリレーション構成について再計算されたポリゴンを探すことである。この縮小されたセルリレーション構成について再計算されたポリゴンが存在する場合、このポリゴンがRANAP又はIupc上で報告される。それでもやはりポリゴンが計算されない場合、そのセルリレーション構成の最後から2番目のセルアイデンティティが除外され、手続が繰り返される。この手続は、そのセルリレーション構成がサービス提供セルに対応する最上位のレベルまで続けられ得る。それでもやはり再計算されたポリゴンが存在しない場合、事前計算されたポリゴンを使用することができる。ここで可能な多くの別の方策が存在することに留意すべきである。
【0070】
ステップ240及び250の候補となる実施形態は複数存在する。それらのうちいくつかは、以下で議論されるであろう。第1群の実施形態において、定義されたパスは元の角の位置及びある単一の点(a single point)を通る曲線である。
【0071】
第1の実施形態において、その単一の点は、ポリゴン内における第1の結果クラスタの高精度位置決定の結果についての重心である。是正するステップは、この実施形態において、当該第1の結果クラスタの高精度位置決定の結果を包囲するポリゴンの少なくとも1回の再画定を含む。再画定されたポリゴンは、第1の実施形態においては、前回の繰り返し時点のポリゴンの外周に沿って均一に分布する角を有するポリゴンである。図8に一例が示されている。再画定されたポリゴン89Cは、第1の結果クラスタの高精度位置決定の残っている結果、すなわち元のポリゴン89Aを変更した結果として生じるポリゴン89Bの内側の点のみ包囲する。それによって、既に排除されている結果が再度含まれることはない。再画定されたポリゴンの形状の単純な一例は、角が楕円上に位置しているポリゴンである。適切な楕円形状は、変更されたポリゴン89Bの角の分布から推定し得る。このアプローチは、最終的には前段階において排除されている少数の点も包囲する最終的なポリゴンに落ち着く可能性がある。一方、大抵の場合において、“不当に”包含される点の数は小さいと考えられている。
【0072】
第2の実施形態も、ある単一の点への例えば重心に向かう動作、及び再画定に基づく。一方、排除されている点を意図せず包含することを回避するため、再画定されたポリゴンは、以前のポリゴンの外周又は境界線に沿って均一に分布する角を有するポリゴンである。図9にこれが示されており、ここで以前のポリゴン89Bは、○で示されている、極めて隣接して位置する角を有する。その図において四角で示されているそれぞれの“新しい”角の間の以前のポリゴン89Bに沿ったパスの長さが同じとなるように、以前のポリゴン89Bに沿って角の間を広げることによって、再画定されたポリゴン89Cが作られる。その後是正するステップも再計算を含み、元のクラスタにおける再計算の対象の点は当該再画定されたポリゴン89C内に位置する。故にこの再分布(redistribution)は、ポリゴンの各角について新しい角の座標を計算し、それによって再分布は、評価されたポリゴンの境界線の周囲に均一な距離で好適に分布する。この手法において、以前の繰り返しのステップのポリゴンの近似形状は保護される一方、前段階において排除された単一の点(single points)が再度含まれ得る。
【0073】
アペンディクスBに、第2の実施形態のより詳細な説明を見ることができる。図13は、ポリゴンの縮小、ポリゴンの再画定、及びさらなるポリゴンの縮小の後の最終結果を示している。
【0074】
第1及び第2の実施形態の両方が、ポリゴンの再画定に基づいている。そのような再画定は、異なる基準に従って実行されてもよい。1つの候補は、例えばポリゴンの角の変更を予決定された回数繰り返した後、断続的に再画定を行うことである。初回または直近の再画定以降、ポリゴンの縮小のアルゴリズムの繰り返し数がその後追跡記録される。再繰り返しはいつでも実行されてよいが、好適には、初期のポリゴンの全ての角が少なくとも1回移動する前に、再画定が行われるべきではない。
【0075】
別のアプローチは、不均一な角の分布の指標(measure)を定義し、そのような指標が予決定された閾値を超える場合に再画定を実行することである。不均一な角の分布の指標は、多くの異なる手法で定義され得る。1つの非排他的な例は:
【0076】
【数1】
【0077】
ここで、dipは、隣接する角の間の距離である。σが大きいとき、再画定が有益な状況である可能性が高い。
【0078】
いつポリゴンの再画定を実行すべきかについての決定も、上述のアプローチの任意の組み合わせに基づくことができる。
【0079】
細長いエリアが生じ得る典型的な一例は、RTT測定がAECID測位において利用される場合である。これは、適度に広いセルとの組み合わせにおける大きい値のRTTについて特に当てはまる。図14に示されている第3の例となる一実施形態において、是正するステップは、結果クラスタ88を包囲するポリゴン89の外側の点として、単一の点92を選択することを含む。換言すれば、結果クラスタ88の外側において適切な点を選択することによって、2つのポリゴンの角90の間の最小距離が一定レベルを超えるよう保たれることを保証することができる。例えばRTT測定量が十分大きい値である場合、角90が移動される方向にある点92は、セルにサービス提供するRBSのアンテナの位置に好適に配置される。その結果、結果クラスタ88よりもRBSに近いポリゴンの頂点は局所的にRBSから離れて移動し、結果クラスタ88よりもRBSから離れたポリゴンの頂点は局所的にRBSに向かって移動するよう、移動の原理は構成される。
【0080】
そのような一実施形態において、元のポリゴン89も多くの手法で選択され得る。1つの候補は、選択された単一の点92に中心が置かれた2つの円又は楕円の弧の区画93に位置する点を有するポリゴン89を選択することである。画定の原理は、2πを法とする最小及び最大の角度に等しい径の角度(side angle)94、95を伴う2つの楕円の弧93上に、ポリゴン89を画定することであってもよい。(厚さゼロの)1つの楕円の弧は、サービス提供RBSに対して結果クラスタの外側に位置しており、(厚さゼロの)1つの楕円の弧は、結果クラスタとその楕円の弧との間に位置している。
【0081】
アペンディクスCにおいて、第3の実施形態はいくらかより詳細に説明されている。
【0082】
図15に示されている第4の実施形態において、定義されたパス97は多少異なって選択される。ここで、第1の結果クラスタのエリア88内における複数の点98は、定義されたパス97についての暫定目標として与えられる。そのとき定義されたパス97は、ポリゴン89の元の角の位置90及び第1の結果クラスタ88内における第1の点を通る曲線である。是正するアクションはここで、複数の暫定目標点のうち最も近い点を選択することを含む。
【0083】
図16に示されている第5の実施形態において、手続は、隣接する角99までの距離を等しく保つことを目的とする。各角90は、2つの隣接する角99を有する。両方の点までの距離が同じである点群を定義する、これら2つの隣接する角99の間の直線60、すなわち2つの最も近くに隣接する角99までが等距離であるパスが存在する。この実施形態において、そのような直線60は、頂点の間を広げる問題に関して変更される頂点を配置するための最適な選択肢である。一方、エリアの最小化も考慮されなければならない。故に、2つの最も近い隣接する角99までが等距離である線60に漸近的に近付く曲線である定義されたパス61が選択される。
【0084】
図17に示されている第6の実施形態において、ポリゴンの縮小のアルゴリズムが実行される際、頂点90の余剰分が初期ポリゴン89のために使用される。近くに位置している頂点90の是正は、ポリゴン89の外周の小規模部分に集まるポリゴンの角のうち少なくとも1つのポリゴンの角を削除することによって簡単に実行される。換言すれば、角が極めて近くに来る場合、×として示されているそれらのいくつかは削除される。図17において、重心の近くに位置している最終点のほとんどが、○で示されている少数の角のみを残して削除されることがわかる。最終的なポリゴンが、実際に使用されるためにはまだあまりに多くの角を有している場合、例えば3〜15個の頂点を伴うポリゴンフォーマットを使用するRANAP上での報告に適合するために、最終的な縮小が実行され得る。
【0085】
図18に示されているように、第7の実施形態において、角90が極めて近くに来る場合、再度角の削除が実施される。一方この実施形態において、それぞれの削除された角62について、新しい角63がポリゴンに沿った別の場所に導入される。好適には、新しい角63はポリゴンの最長の辺64の中央に導入され得る。それによって角の数は常に一定となる一方、角90は、角90の局所的な密度が高い1つの位置から、角90の局所的な密度が低い別の位置へ、ときどき移動されてもよい。
【0086】
図19は、セルラー通信ネットワークにおいて位置決定支援データを提供するための構成の一実施形態のブロック図である。本実施形態の構成は、測位ノード45及び関連する機能を含む。WCDMAシステムに含まれていることが前提とされる本実施形態において、そのような機能は、RNC40に好適に含まれている。別の候補は、Iupcインターフェイス47の反対側におけるSASノード(例えば、エリクソンSMLC)において本発明を実装することである。さらに別の候補は、測定のログを取り、OSS−RC又はもっと言えば完全に外部のノードにおいて、アルゴリズムを実行することである。その結果、検出されたセルのセット及び測定された高精度位置決定の結果の交換を可能とする既存のインターフェイスにおいて、新しいインターフェイス及び/又は情報要素が必要となり得る。
【0087】
位置決定支援データ、すなわちセルリレーション構成と関連付けられるエリアとの間のリレーションが、外部のノードにおいて生成される場合、その情報は、位置決定手続を支援するために測位ノードに提供されなければならない。その際、位置決定支援データはコンピュータにより読取可能な媒体に好適に格納され、適切な手法で、例えば通信リンク上で内容をダウンロードすることによって、又は単にデータを格納しているデータ記憶装置を提供することによって、測位ノードに提供され得る。
【0088】
本実施形態において、RNC40は、RRCインターフェイス37を使用し、RBSについて透過的に、UEとの間で通信する。現行のコンテキストにおいて、少なくとも2つの種類の情報が関係する;測位の結果(positioning measurements)38、特に高精度測位の結果、及び隣接するセルの信号の測定結果39、例えばハンドオーバの際の測定結果、である。隣接するセルの信号の測定結果39は、特定のユーザ機器についてセルリレーション構成を確立するセルリレーション構成決定セクション41に提供される。ある特定の実施形態において、セルリレーション構成決定セクション41は、先行技術のアクティブセットの機能に基づくことができる。さらに上で説明されているように、セルリレーション構成は少なくとも、ユーザ機器への又はユーザ機器からの信号が受信される際に少なくともある特定の無線条件基準を満たすセルのセルアイデンティティを含む。特定のユーザ機器の決定されたセルリレーション構成は、クラスタ化セクション42に提供される。
【0089】
その他の重要な情報である測位の結果38は、測位ノード45に提供される。高精度測位の結果は、高精度測位セクション46、すなわち問題のユーザ機器について高精度位置決定を実行するための手段に提供され、当該高精度測位セクション46は、例えばUTDOA又はA−GPSを基礎とする測位を含み得る。他の測位の結果、例えばセルID又はRTTによる測位の結果は、本実施形態において中精度(medium-precision)測位セクション48に提供される。高精度測位の結果、すなわち高精度の位置、の分析結果は、クラスタ化セクション42に提供される。
【0090】
クラスタ化セクション42は、同じセルリレーション構成に属する複数の高精度位置決定の結果である点を、別々の結果クラスタにクラスタ化するための手段である。それによって高精度の位置は、対応するセルリレーション構成に関連付けられる。セルリレーション構成、並びに特定の実施形態においては補助的な情報及び/又は補助的な測定結果、特に記録時間、利用されるRAB、及び/又はRTT測定結果といった他の選択基準にも応じて、測定結果はクラスタ化される。破線矢印53で示されているように、RTT測定結果はその後、例えば中精度測位セクション48によって提供され得る。時間又は利用されるRABのような補助的な情報、及び他の補助的な測定結果は、補助的情報セクション54によって提供され得る。この補助的情報セクション54は、ノード内部において情報を提供するように構成され、及び/又は外側から情報を取得するように構成され得る。
【0091】
あるセルリレーション構成についての、及びいくつかの実施形態においては特定の時間間隔で又は特定のRABを使用して選択される位置のクラスタは、アルゴリズムブロック43に提供される。アルゴリズムブロック43において、エリア定義が計算される。測定結果の各クラスタを指定された信頼レベルで記述するエリアを計算するための、本発明の1つの重要な目的は、アルゴリズムブロック43において実行される。WCDMAの場合において、好適なエリア定義は、3から15の角の座標によって定義されるポリゴンである。故に、アルゴリズムブロック43は、結果クラスタのうちの少なくとも1つにポリゴンを関連付けるための手段である。ある特定の実施形態において、アルゴリズムブロック43は、クラスタの高精度測定結果が所与の割合でポリゴンの内部に位置するであろうポリゴンを提供する。アルゴリズムブロック43は上述の原理に従って、第1の結果クラスタの高精度位置決定の結果をポリゴン内において少なくとも予決定された割合となるよう維持しつつ、予決定された基準を改善するためにポリゴンの角の位置を定義されたパスに沿って変更して、結果クラスタのうちの第1の結果クラスタをポリゴンによって包囲するよう、構成されている。アルゴリズムブロック43は、当該ポリゴンの外周の小規模部分に集まるポリゴンの角を是正するよう、さらに構成されている。このアルゴリズムブロック43は、十分な数の直近の十分高精度な測定結果を伴う全ての測定クラスタについて、ポリゴンの繰り返しの再計算を好適に実行する。エリア定義はエリアストレージ(area storage)44に提供され、ここにセルリレーション構成の階層的に体系化されたセットを表すポリゴンが格納される。その後、格納されたポリゴンは、システムの測位アルゴリズムによって使用される。故にストレージ44は、セルリレーション構成と関連付けられるポリゴンとの間のリレーションを含む位置決定支援データを生成するための手段である。格納されたポリゴンのデータ構造は、それぞれの関連するセルリレーション構成をカバーするポインタのリストを好適に含む。それぞれのそういったポインタは、上述のように繰り返し計算された、対応する3から15の角のポリゴンを指す。データ構造は、ポリゴンが計算された際の時間を定義する、各ポリゴンについての時間タグも好適に含む。
【0092】
図18の構成も、セルラー通信ネットワークにおけるユーザ機器の位置を決定するための構成である。これは、上述した位置決定支援データを提供するための構成を含む。本発明の原理に係る位置決定が要求される際、セルリレーション構成は、平常通りセルリレーション構成決定セクション41において決定される。故に、セルリレーション構成決定セクション41は、ユーザ機器についてセルリレーション構成を確立するための手段である。
【0093】
その結果は、測位ノード45における制御セクション49へ転送される。制御セクション49は、ユーザ機器が測位されるエリアの定義として、セルリレーション構成に関連するポリゴンを決定するための手段を構成する。その決定は、位置決定支援データに基づく。測位要求51、例えばいわゆる位置報告制御メッセージ(Location Reporting Control message)がRANAPインターフェイス47上で受信される際、制御セクション49は、サービスパラメータの品質及びUEの能力に基づいて、UEの現行のセルリレーション構成に対応するエリアストレージ44からエリア定義を読み出すことによって、位置決定を要求し得る。取得されたエリア定義、好適にはポリゴン定義は、測位報告メッセージ52に含まれ、それは典型的に、例えばいわゆる位置報告メッセージを使用してRANAPインターフェイス47上で返信される。位置決定支援データを生成するフェーズにおけるように、時間又は利用されるRABのような補助的な情報、及び他の補助的な測定結果も、エリア定義の選択を精緻化するために使用することができる。そのようなデータは、補助的情報セクション54によって取得される。
【0094】
エリア定義が任意の追加的な測位方法と共に使用されるべき場合、エリアストレージ44から読み出されたエリアは、使用される方法に応じて、高精度測位セクション46又は中精度測位セクション48に提供される。その後、最終決定された位置はさらなる報告のために制御セクション49に提供される。
【0095】
図18に関連して説明された構成は、典型的にセルラー通信ネットワーク(100)のノードに含まれる。そのようなノードは、例えば基地局、基地局コントローラ、無線ネットワークコントローラ、サービスモバイルロケーションセンタ、又はスタンドアローンサービスモバイルロケーションセンタであり得る。
【0096】
上述された実施形態は、本発明の実例となる少数の例として理解されるべきである。様々な修正、組合せ、及び変更が、本発明の範囲から逸脱することなくその実施形態になされ得ることが、当業者に理解されるであろう。特に、技術的に可能な他の構成において、異なる実施形態における異なる部分的解法を組み合わせることが可能である。一方、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0097】
<アペンディクスA>
[クラスタ化]
セルリレーション構成は、セルのアクティブリスト、すなわちソフトハンドオーバにおいてアクティブであるセル群に基づくことを前提とする。他のクラスタの選択ルールについても対応するモデリングが可能である。
【0098】
高精度の位置測定結果は、典型的にはWGS84地理的リファレンスシステムにおいて取得され表現される。時間tにおいて利用可能な測定結果は、次のように表わされる
【0099】
【数2】
【0100】
ここで、latj(tj)及びlongj(tj)は、それぞれ時間tiにおける測定された緯度及び経度を表す。N(t)は、時間tにおける利用可能な測定結果の総数を表す。()Tは、行列/ベクトルの転置を表す。
【0101】
同じ時間tj(いくらか適度に正確な時間の範囲内まで)において、セルリレーション構成はセルアイデンティティについてサンプリングされる。その結果は行ベクトル(又はポインタ)となる
【0102】
【数3】
【0103】
ここで、cIDl(tj)は、時間tjにおいて高精度測位が実行されたUEについて、例えばソフターハンドオーバにおいてl番目に強いセルのセルアイデンティティである。N(tj)は、時間tjにおけるセルリレーション構成におけるセルの数である。
【0104】
(2)に従って定義される、測定結果のクラスタ化のために使用される任意の候補のポインタは、ここで次のように表わされる
【0105】
【数4】
【0106】
ここで、Indexl(k)は(固定)ポインタkのl番目の成分であり、N(k)はポインタkの次元であり、Kはカウンタの数である。高精度の位置測定結果の対応するリストは、Listkによって表わされる。時間tにおいて:
【0107】
【数5】
【0108】
ここで、M(k,t)は時間tにおけるリストkの高精度の測定結果の数を表す。上述したように、事前に指定された閾値よりも古い測定結果は、各リストから破棄される。リストの最大サイズも事前に指定され得るものであり、その場合、新しい測定結果が届くと、最も古い測定結果がその古さに関係なく破棄される。
【0109】
時間tN(t)+1において新しい高精度の測定結果及び対応するセルリレーション構成が取得されると、クラスタ化アルゴリズムは次のように動作する:
【0110】
【数6】
【0111】
<アペンディクスB>
[ポリゴンの計算]
{表記法}
【0112】
効果的なアルゴリズムの説明を促進するために、次の表記法が必要となる:
【0113】
【数7】
【0114】
−特定のセルリレーション構成に対応する、1つの特定のポインタ。
【0115】
【数8】
【0116】
−WGS84緯度経度表記法における、セルリレーション構成pに対応するポリゴンの角。
【0117】
【数9】
【0118】
−基点をセルラーシステムのカバレッジエリアにおけるどこかに有する局所地球正接デカルト座標系(local earth tangential Cartesian coordinate system)における、セルリレーション構成pに対応するポリゴンの角。座標軸は通常東及び北とし、高度は無視される。
【0119】
【数10】
【0120】
−セルリレーション構成pに対応するポリゴンの角を決定するために使用される、高精度の測定結果。これは、pに対応するListkに登録されているうちの1つに対応する測定結果であるということに留意する。
【0121】
【数11】
【0122】
−セルリレーション構成pに対応するポリゴンの角を決定するために使用される、高精度の測定結果。高精度の測定結果は、上で使用される、基点をセルラーシステムのカバレッジエリアにおけるどこかに有する同じ局所地球正接デカルト座標系に変換される。
【0123】
【数12】
【0124】
−pに対応するポリゴンの、指定された確かさ。この値は、セルリレーション構成がpに対応する場合、そのポリゴン内にUEが位置する確率に相当する。
【0125】
【数13】
【0126】
−pに対応するポリゴンのエリア。
【0127】
【数14】
【0128】
−ポリゴンによって定義される領域。
【0129】
{座標変換}
手続は、pに対応する全ての高精度の測定結果を、全ての計算が実行される局所地球正接デカルト座標系に変換することから開始する。まだ変換されていない新しい測定結果のみ、処理される必要がある。
【0130】
{制約されたセルエリアの最小化問題}
ポリゴンの計算の背後にある原理は、次の3つのアイディアの影響を受ける。
【0131】
ポリゴンのエリアは可能な限り小さくすべきであり、それによって精度を最大化する。
【0132】
高精度の測定結果を利用可能とするために、信頼値の制約は維持されるべきである。
【0133】
ポリゴン上の基本的な幾何学的制約、特にポリゴンが自身と交差してはならず、最後に数えられる頂点が最初のもの(近さ)と接続される、という要件は維持されるべきである。
【0134】
その結果、次の最小化問題がポリゴンの角の計算について生じ得る:
【0135】
【数15】
【0136】
これは、非線形最適化問題である。次に、(5a−c)を厳密に解くのではなく、段階的な手法で近似的に解く直接的アプローチに基づくアルゴリズムを開示する
【0137】
{ポリゴンの縮小のアルゴリズム}
このアルゴリズムの主要なアイディアは、初期ポリゴンから開始し、当該初期ポリゴン内において特定のセルリレーション構成について集められた全ての高精度の測定結果を含むことである。その初期ポリゴンは、例えば高精度の測定結果の重心から計算されることができ、続いて全ての高精度の測定結果について、この重心からの最大距離が計算される。これは、全ての高精度の測定点を含む円を定義する。その後初期ポリゴンは、この円を含むように選択される。
【0138】
この最初のステップに続き、各ステップについてポリゴンの内部から1つの高精度の測定点が排除されるように、1つの選択されたポリゴンの頂点をその時点の重心へ向かって内側に移動することによって、ポリゴンのエリアは次第に縮小される。各ステップにおいて制約が維持されるのと同時にエリア縮小が全ての頂点にわたって最大化されるように、エリア縮小は実行される。
【0139】
{重心}
高精度の測定結果は(確率変数でない)点として処理されるため、重心は算術平均となる、すなわち、
【0140】
【数16】
【0141】
ここで、上付文字remは、ポリゴンの縮小のアルゴリズムによって縮小するポリゴンの内部からまだ除外されていない高精度の測定結果を示す。
【0142】
{初期化(initiation)}
アルゴリズムの初期化は、通常そのアルゴリズムのNp回の最初のステップにしか影響を及ぼさないため、ここでは保守的なアプローチがとられる。最初のステップは、重心からの最大距離を計算することである、すなわち、
【0143】
【数17】
【0144】
故に、ここで全ての高精度の測定結果は、重心からの距離rpの範囲内にある。有限数のポリゴンの頂点がこの円の周囲に広がっている場合、そのポリゴンが全ての高精度の測定点を含むという保証はないことに留意する。
【0145】
図10にあるように、円の周囲に対称的に広がった初期の点は引力がある(attractive)ため、半径rpの円を含む3つの角を有する最も単純なポリゴンを含むように、追加的な外側の円が決定される。その結果、初期ポリゴンの頂点は、半径Rpのこの外側の円の周囲に広がり得る。3という最小数の角によって定義されるポリゴンについて最大となる外側の円が取得されることは、幾何学的に明らかである。
【0146】
ここで図10を考慮すると、外側の半径は計算された内側の半径に関連し得る。幾何学的対称により、次のことが示される
【0147】
【数18】
【0148】
他の方策も当然可能である。
【0149】
{最大限の角の移動}
このサブセクションにおいて説明される計算は、それぞれの繰り返しのステップにおいて、縮小するポリゴンの内部に残っている高精度の測定点を考慮することに留意する。以下にあるように、これは(12)〜(21)及び(24)〜(26)について当てはまる。
【0150】
{高精度の測定点に関する移動}
所与の繰り返しのステップにおいて、内側への移動が最も有益であるポリゴンの角がいずれであるかを評価するため、まず最大の移動がどれほどであるかを決定することが必要である。これには、2つの制約を考慮する必要がある。
【0151】
重心へ向かう指定された方向に沿って特定の頂点が内側に移動される際ポリゴンから離れる2番目の高精度の点は、内側への移動を制約する。これにより、アルゴリズムの特定の繰り返しのステップにおいてポリゴンの内側に残っている全ての高精度の測定点にわたりサーチが必要となる。
【0152】
重心へ向かう指定された方向に沿って特定の頂点が内側に移動される際、交差される1番目のポリゴンの線分は、内側への移動を制約する。これにより、ポリゴンの(ポリゴンの頂点の間の)全ての線分にわたりサーチが必要となる。
【0153】
これら制約の両方をチェックする必要がある。これらが共に、内側への最大の移動を決定する。
【0154】
図11を参照すると、特定の高精度の測定点に関する最大のポリゴンの角の移動は次のように決定され得る。同図は、3つの隣接するポリゴンの角、rkp、rip、rlpを有する状況を示している。任意のナンバリングは、ポリゴンの頂点の最後と最初が接続されるという事実を覆う必要があることに起因する。
【0155】
次に、中央の点ripは重心に向かって内側へ、すなわちポリゴンの内部93へ、移動される。結果として、rkp及びrip並びにrip及びrlpを結ぶ線分92も移動する。移動のある時点において、考慮される高精度の測定点は、これらの2つの線分のいずれかによって交差される可能性があり−両方チェックする必要がある。
【0156】
暫定的な交差の点を決定するために、ripの移動は次のように計算される
【0157】
【数19】
【0158】
ここでαpは、rip(α)がripとrCGとの間を移動する際、0又は1の間で変化するスカラ変数である。これは数学的に線分を記述するための標準的な手法であることに留意する。またこの場合において、移動は重心を超えて広がり得ることにも留意する。
【0159】
考慮される高精度の測定点を伴って移動するポリゴン境界線の交差についての必要な(けれども十分でない)要件は、rip(αp)−rkp及びrjm,p−rkpが平行となる、又はrip(αp)−rlp及びrjm,p−rlpが平行となることである。平行なベクトル間の外積がゼロとなる事実を利用することで、αpの計算が可能となる。単純な代数によりその結果が得られる:
【0160】
【数20】
【0161】
下付文字は、評価の下に線分が定義されるポリゴンの頂点を示す。上付文字は、高精度の測定点のインデックスを表す。(13)及び(14)の両方が、アクティブな制約となる対象である。一方、これについての要件は次のとおりであることであることに留意する
【0162】
【数21】
【0163】
(15)及び(16)が成り立たない場合、対応する交差の方策は破棄される必要がある。
【0164】
(15)及び(16)が成り立つと仮定すると、ポリゴンの線分を限定する点の間に、その交差点が収まるかのチェックが残る。これは、次の方程式が満たされる必要があることを意味する、
【0165】
【数22】
【0166】
(13)及び(14)を導くベクトルは平行であるため、βpについて解く際、(17)及び(18)の座標のうち1つを考慮すれば十分である。その結果は:
【0167】
【数23】
【0168】
ripの移動に関し、点rjm,pの評価において必要とされる最終ロジックは、次のように簡単にまとめることができる。次を条件とする:
【0169】
【数24】
【0170】
ripとrkpとの間の線分について実現可能な最大の移動を表す。
【0171】
【数25】
【0172】
内側に向かう点を表すが、交差がripとrkpとの間の線分の外側にあるため、実現可能な最大の移動とは無関係である。この場合、内側への移動が、最小限の内側への移動を制限すべきでない。これは、αikj,p=αmaxと設定することにより遂行され、ここでαmaxは、10という大きい内側への移動である。
【0173】
【数26】
【0174】
ripとrkpとの間の線分について実現可能な最大の移動を表す。一方、それは外側への移動であるため、アルゴリズムは内側への移動について設計されているためそれはゼロに設定されるべきである。
【0175】
【数27】
【0176】
ripとrlpとの間の線分について実現可能な最大の移動を表す。
【0177】
【数28】
【0178】
内側に向かう点を表すが、交差がripとrkpとの間の線分の外側にあるため、実現可能な最大の移動とは無関係である。この場合、内側への移動が、最小限の内側への移動を制限すべきでない。これは、αilj,p=αmaxと設定することにより遂行され、ここでαmaxは、10という大きい内側への移動である。
【0179】
【数29】
【0180】
ripとrkpとの間の線分について実現可能な最大の移動を表す。一方、それは外側への移動であるため、アルゴリズムは内側への移動について設計されているためそれはゼロに設定されるべきである。
【0181】
αikj,p及びαilj,pの両方が実現可能な最大の移動である場合、最も小さい方が選択される。考慮される事例を次のようにまとめることができる:
【0182】
【数30】
【0183】
記載された事例のうちいくつかは起こり得ないものであることに留意する。これは、計算がこの文書の提示の順序に従って一貫した手法で実装される場合、あまり重要ではない。
【0184】
{ポリゴンの線分に関する移動}
(12)によって与えられる移動の線と、rmpとrnpとの間の線分との間の交差は、変数αi,mnp及びγmnpに関して解かれる次の連立方程式に対する解によって与えられ、ここで下付文字はその計算に関与する点を示す
【0185】
【数31】
【0186】
解は、ripに隣接する点について計算されない。さらに
【0187】
【数32】
【0188】
の場合、2つの線の間の交差は、rmpとrnpとの間の関連する線分の外側に収まる。この場合には、当該交差は角ripの評価において無視されるべきである。αi,mnp>0の要件も残っている。それぞれの頂点及びアルゴリズムの繰り返しのステップについて、(22)を一度だけしか解く必要がないことにも留意する。
【0189】
全体像を得るために、(22)はまずripに隣接する線分を除くすべての線分について解かれる。
【0190】
【数33】
【0191】
であるような、αi,mnpを最小値とする解は、次のように表わされる(その移動は内側へ向かうため、そのような解は常に存在することに留意する)
【0192】
【数34】
【0193】
{組み合わせ}
全ての高精度の測定点は、制約に関する限り同じ方向に沿って評価されるため、これらは直接組み合わせることができる。それぞれの繰り返しのステップについて、1点はポリゴンの内部から除外されるべきであるため、限定的な高精度の測定点がアクティブになる第2の点として選択されるべきであることにも留意する。故に、アクティブな制約となる高精度の測定点は(24)で与えられ、ここで(24)は次のように計算され得る
【0194】
【数35】
【0195】
対応する移動は、次のようになる
【0196】
【数36】
【0197】
最終的に結果(25)が、自身と交差する可能性により課される制約と組み合わされる。
【0198】
【数37】
【0199】
ここでεは、次の繰り返しのステップにおいて制約する点の外側でサーチが開始されるよう、制約がちょうどアクティブになることを防ぐ小さい数である。
【0200】
{取得されるポリゴンエリアの縮小}
図12に示されるポリゴンの各部の下におけるエリアの積分又は同等の計算によって、取得されるエリアの縮小が生じる。
【0201】
曲線の下におけるエリアは、長方形及び三角形のエリアの合計として計算され得るという事実を考慮すると、それは移動点及びその移動により影響を受ける隣接する点に関連するエリアでしかなく、従って移動の前後におけるエリアは次のように表わされ得る
【0202】
【数38】
【0203】
故に取得されるエリアの縮小は次によって与えられる
【0204】
【数39】
【0205】
このエリア縮小の指標の最大値は、Np個の角のうちいずれが特定の繰り返しにおいて移動すべきかを決定し、一方(12)及び(26)がその移動を決定する。
【0206】
{アルゴリズム}
下のアルゴリズムにおいて、Npm,remは、それぞれの角の移動の繰り返しのステップにおいて、ポリゴンの内部に残っている高精度の測定点の数を表す。そのとき1つの特定のセルリレーション構成pについて、ポリゴンの計算についてのアルゴリズムは次のようになる:
【0207】
初期化(initialization):
・クラスタの全ての高精度の測定結果の重心を計算(6)。
・重心からの最大距離rを計算(7)、(8)。
・円Rの周囲に分布する初期ポリゴンを計算(9)、(10)、(11)。
【0208】
エリア最小化:
【0209】
【数40】
【0210】
{頂点の位置の再画定}
ステップ1−ポリゴンの頂点の間の距離を計算
評価されるポリゴンの角は、次によって表される:
【0211】
【数41】
【0212】
ここで、角はデカルト座標系で表わされていることを前提とする。()Tは、ベクトル及び行列の転置を表す。そのとき、評価されるポリゴンの隣接する角の間の距離は、次のようになる:
【0213】
【数42】
【0214】
故に、ポリゴンの境界線の周囲における総距離は:
【0215】
【数43】
【0216】
同様に、隣接する点の間のベクトルは次のようになる
【0217】
【数44】
【0218】
ステップ2−通過すべき整数及びわずかな角の計算
再サンプリングは、角1において開始しその後次の角へベクトルを加算する手続によって実行されるため、各繰り返しにおいて、元のポリゴン上を通過する角の数、及び最後の角を通過後に進むべき次の角までの距離の割合を知っておくことが、必要な前提条件である。これらの量は次のスキームによって計算することができ、ここでnip,intは通過する角の数を表し、nip,fracはnip,intを通過後に加算するベクトルの割合を表す。インデックスiは、再サンプリングされるi番目の点を示す。量dp,targetは、i番目の新しい角を配置するためにポリゴン境界線の周囲を移動する距離であり、dp,accumulated及びdp,accumulated,newは、その角を配置する間に積算される、古い距離及び新しい距離である。アルゴリズムは:
【0219】
【数45】
【0220】
ステップ3−新しいポリゴンの角の計算
ポリゴンの再サンプリングされる角は、評価される元のポリゴンの最初の角において、最初に再サンプリングされる:
【0221】
【数46】
【0222】
次に、再サンプリングされる角は、次のようになる:
【0223】
【数47】
【0224】
ステップ4−再サンプリングされるポリゴンの内部の点及び確かさの計算
ポリゴンの角が変化しているため、ポリゴンも変化している。その結果、経験的な確かさの現行の値(評価されるポリゴンの内部の点であるクラスタの点の割合)もまた変化している。
【0225】
ポリゴンの縮小のアルゴリズムが実行し続ける、又は終了するために、クラスタの全ての点は、再サンプリングされるポリゴンの内部の点であるか否かについて、チェックされる必要がある。この後、ポリゴンの縮小のアルゴリズムの残りの内部の点は、これら新しい内部の点と共に再画定される。さらに、ポリゴンの縮小のアルゴリズムは、経験的な確かさの新しい値に関する情報を与えられる必要がある。
【0226】
それぞれのクラスタの点のチェックは、先行技術から知られている、所与の点が任意のポリゴンの内部の点であるかを決定するアルゴリズムによって行われる。このアルゴリズムは、その点を起点とし、チェックされるべき無限に伸びる検査線(直線)を形成することにより動作する。その後、当該検査線とポリゴンを形成する線分との間の交差の数が数えられる。交差の数が奇数である場合、線はいつか(有界の)ポリゴンから離れなければならず、故にその点はポリゴンの内部において開始していた必要がある、すなわち、当該検査される点は内部の点であるはずである。
【0227】
<アペンディクスC>
[弧上におけるポリゴンの画定]
ここで説明される実施形態は、アンテナの点の位置の代わりに、クラスタの重心へ向かう移動を代替することを基礎とする。RTT測定を伴う場合に関して後述する。一方、強く凸でないクラスタは、他の状況において生じ得る。その際、違いは別の“中心点”が選択される必要があり、そこへ/そこから角の移動が実行されることである。
【0228】
図14を参照して、厚さゼロの楕円の弧の形を説明する。見て分かるように、楕円の弧96は、中心点92、内側半径r1、内側半径と弧の幅r2との合計として定義される外側半径、並びに北方向に対する左側角度θ、及び左側角度と角度領域βとの合計として定義される右側角度、によって定義される。
【0229】
修正された画定を説明するため、次の表記法が導入される(簡明さのため、効果の周囲において角度に関するラップは起こらないと仮定する):
【0230】
【数48】
【0231】
クラスタpの高精度の測定結果を表す。さらに、そのクラスタの特定のRTT測定を伴うセルpにサービス提供するRBSのアンテナ位置は、次によって表わされる
【0232】
【数49】
【0233】
その結果、次が簡単に計算される
【0234】
【数50】
【0235】
これにより、量rmaxpは任意の高精度の測定結果のアンテナ位置までの最大距離である。量rminpは同様に任意の高精度の測定結果のアンテナ位置までの最小距離であり、θmaxpはアンテナ位置と任意の高精度の測定結果との間を結ぶ線の最大角度であり、及びθminpはアンテナ位置と任意の高精度の測定結果との間を結ぶ線の最小角度である。点が移動される際常にクラスタに当たることを確実にするため、角度はその後わずかに内側へ調節される。これは次のように表わされる
【0236】
【数51】
【0237】
ここでΔθは小さい角度である。2πを伴う角度の多義性を処理するための指標が追加される必要があることに留意する。
【0238】
正のスケール係数kmax>1及びkmin<1を定義すると、ポリゴンの初期の頂点は次のように計算できる
【0239】
【数52】
【0240】
NDivisionpは、外側の楕円の弧に元々位置しているポリゴンの点の数である。θip,0は、アンテナ位置及び個々のポリゴンの点を通って結ぶ線の角度群であり、xip,0及びyip,0はそのポリゴンの点の座標群である。角の移動についての原理をここで簡単に説明する。頂点rip,i=1,・・・,NDivisionpは、常にrCenterpに向かって内側に移動され、一方頂点rip,i=NDivisionp+1,・・・,Npは、常にrCenterpから外側に移動される。両方の場合において、移動はrCenterp及びその頂点を通過する線に制約される。この修正と共に、ポリゴンの縮小のアルゴリズムはまさに上述されたように動作する。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してセルラー通信ネットワークにおける移動端末の位置決定のための方法及びシステムに関し、特にセルエリアを含む位置決定に関する。
【背景技術】
【0002】
全てのセルラー通信システムはセルに分割されており、ここでユーザ機器(UE)は、1つ又はソフト(ソフター)ハンドオーバの場合は複数の基地局によってサービス提供される。各基地局は、1つより多くのセルにおいて、UEにサービス提供してもよい。測位(positioning)及びナビゲーションの観点からの重要な1つのポイントは、セルラーシステムにおいて所定のUEが位置しているセルが知られていることである。故に、所定のセルによりカバーされる地理的エリアの決定の後、UEが接続されている限り、及び報告されるサービス提供セルのセルアイデンティティが特定の地理的エリアに対応するセルアイデンティティと等しい限り、そのUEは当該地理的エリア内のどこかに位置していると言うことができる。
【0003】
WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)セルラーシステム内における一例としての測位は、その測位がRANAP(Radio Access Network Application Part)インターフェイス上で動作していることを前提として、簡単には次のように動作する。一方でその手続は、例えばGSM(Global System for Mobile communications)及びCDMA2000(Code Division Multiple Access 2000)に似ている。
【0004】
位置の評価を要求するメッセージは、SRNC(Serving Radio Network Controller)においてRANAPインターフェイス上で受信される。メッセージのサービスパラメータの品質は、RNC(Radio Network Controller)がセルアイデンティティの測位方法を選択できるようにすることを前提としている。SRNCは、測位すべきUEのサービス提供セルのアイデンティティを決定し、サービス提供セルの外延(extension)を表す事前格納された(pre-stored)ポリゴンを読み出す。SRNCはその結果として生じるセルのポリゴンを、位置報告メッセージにおけるセルのポリゴンフォーマットを使用して、RANAPインターフェイス上でコアネットワークに返送する。
【0005】
一方、無線伝搬の複雑性のため、セルのポリゴンフォーマットは実際のセルの外延の近似でしかないことに留意すべきである。ポリゴンフォーマットの選択は、例えば計算の複雑性及び報告する帯域幅を考慮して、適度に柔軟な地理的表現のフォーマットを有すべき必要性があることに影響される。
【0006】
ポリゴンフォーマットがセルの外延を近似するため、ポリゴンは通常一定の確かさをもってセルの外延を表すようセルプランニング(cell-planning)ツールにおいて予決定されている。その確かさは、セルポリゴンによって表わされるセルにUEが接続されているという事実を条件として、そのポリゴン内にそのUEが位置している確率を表すことを意図している。セルポリゴンの基本的なオフライン計算は、例えば様々なレベルの高度なカバレッジシミュレーションを基礎とすることが可能である。一方で、計算されたセルの外延の確かさを考慮すると、最終結果は通常あまり信頼できないものである。
【0007】
セルアイデンティティの測位方法の精度は、主にセルのサイズによって制限され、それにより、より高度なナビゲーションアプリケーションにおいてはその使用が妨げられ得る。その主な利点は、非常に少ない応答時間と共に、その方法が広く普及しており、セルラーカバレッジの存在する場所では常に利用可能であるという事実を含む。そのセルアイデンティティの方法はまた実装が直接的であり、UEの影響を受けない。その利点は、その方法の利点が保持されるのと同時に基本的なセルアイデンティティの方法の精度を強化することを目的とする、強化されたセルアイデンティティ(EセルID)の測位方法の開発についての興味につながった。
【0008】
EセルIDの測位についての1つの原理は、セル外延モデルを距離の指標と組み合わせることを目的としている。この目的に向かう2つの可能性は、RTT(Round Trip Time)測定及びパスロス測定である。この2つの選択肢のうちより正確なのはRTT測定である。パスロス測定は、シャドーフェージング効果(shadow fading effects)の影響を受け、それによって精度がUEまでの距離の半分のオーダーになってしまう。RTT測定の原理においては、無線基地局(RBS)からUEへ、及びその逆の無線波の伝搬時間が測定される。RTTの方法は単独でRBSの周囲の円を定義する。この情報をセルポリゴンと組み合わせることにより、その円の左右の角度を計算することが可能となる。
【0009】
強化されたセルアイデンティティの測位についての別のアイディアは、1以上のセルと共にUEがソフト(ソフター)ハンドオーバにある領域の事前計算されたマップを使用することであった。そのようなエリアは、決定された位置をより正確にするために拡大するセル全体よりも非常に小さい。通常これらのマップは、ちょうど普通のセルポリゴンのようにプランニングツールにおいて事前計算されている。
【0010】
状況によっては、高精度の測位が要求されることがある。本開示において“高精度測位方法”とは、ノースアメリカンE−911非常時測位要件(North-American E-911 emergency positioning requirements)を満たす潜在的可能性を有する測位方法を意味するものと定義される。これら要件を満たす方法は、次のいずれかの測位の精度を獲得することが可能である:
(端末ベース)50メートル(67%)及び150m(95%)、又は
(ネットワークベース)100メートル(67%)及び300m(95%)。
【0011】
A−GPS(Assisted Global Positioning System)の測位は、GPS(Global Positioning System)を強化したものである。例えばセルラー通信システムに取り付けられたGPSのリファレンス受信機は、セルラー通信システムに接続された端末内のGPS受信機へ伝送が行われる際、GPSの端末受信機の性能を向上させる補助(assistance)データを収集する。典型的には、A−GPSの精度は10メートル程度まで良好となり得る。追加の補助データは、典型的には、端末位置の粗い初期評価を相応の不確かさと共に取得することを目的として、直接セルラー通信システムから収集される。この位置は、セルアイデンティティを測位するステップによりしばしば与えられる。
【0012】
UTDOA(Uplink Time Difference Of Arrival)測位方法は、いくつかのRBSにおいて実行されるUEからの送信信号の到着時間の測定を基礎としている。その信号の強度はA−GPSよりも高く、屋内での測位を実行する能力を強化し得る。しかし、主に、高い仰角にある衛星からGPSの無線信号が受信される場合より地球の表面に沿った場合の方が無線伝搬の条件が悪いことにより、UTDOAの精度はA−GPSよりも多少悪いことが予期される。
【0013】
セルIDに基づく既存の測位方法に関する一般的な問題は、決定される位置の精度が低いことである。さらに、計算されたセルエリアに関して、信頼値(confidence value)は通常最良の精度をもって決定されない。加えて、移動端末の存在確率(probabilities for occurrence)の分布が不均一かつ方向依存的なセルは、適切に処理することが難しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
故に本発明の一般的な目的は、位置決定の精度を改善する可能性を与える方法、装置、及びシステムを提供することである。さらなる目的は、より精度の高い位置決定を可能とする測位支援(assisting)データを提供する方法及び装置を提供することである。また、本発明のさらなる目的は、より小さい区別可能なエリア及び複雑な形状又は方向依存的な大きさを有するエリアと共に動作する、方法、装置、及びシステムを提供することである。また、良好に確立された信頼値を有する定義されたエリアを提供する方法、装置、及びシステムを提供することも、本発明のさらなる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上の目的は、添付の特許請求の範囲に係る方法、装置、及びシステムによって達成される。一般的に、第1の観点において、セルラー通信ネットワークにおいて位置決定支援データを提供するための方法は、ユーザ機器についてのセルリレーション構成を確立するステップを含む。上記セルリレーション構成は、上記ユーザ機器への/からの信号が受信時に少なくとも特定の無線条件基準を満たすセルのセルアイデンティティを少なくとも含む。上記方法は、上記ユーザ機器について高精度位置決定を実行するステップをさらに含む。上記確立するステップ及び上記実行するステップは、複数回繰り返される。同じ上記セルリレーション構成に属する上記高精度位置決定の結果である点は、別々の結果クラスタにクラスタ化され、ポリゴンが上記結果クラスタのうち少なくとも1つと関連付けられる。上記関連付けるステップは、上記結果クラスタのうちの第1の結果クラスタをポリゴンによって包囲するステップ、上記第1の結果クラスタの上記高精度位置決定の結果を上記ポリゴン内において少なくとも予決定された割合となるよう維持しつつ、予決定された基準を改善するために上記ポリゴンの角(corner)の上記位置を定義されたパスに沿って変更するステップ、及び上記ポリゴンの角が上記ポリゴンの外周の小規模部分に集まることを是正するステップを含む。上記方法は最後に、上記セルリレーション構成と上記ポリゴンとの間のリレーションを含む位置決定支援データを作成するステップを含む。
【0016】
本発明の第2の観点において、無線ネットワークプランニングのための方法は、上記第1の観点に従って提供される位置決定支援データを取得するステップを含む。上記高精度位置決定を実行するステップは、要求に応じて実行される。上記方法は、実際の無線伝搬に関して上記位置決定支援データを評価するステップをさらに含む。
【0017】
本発明の第3の観点において、セルラー通信ネットワークにおけるユーザ機器の位置を決定するための方法は、上記第1の観点に従って提供される位置決定支援データを取得するステップと、上記ユーザ機器についてのセルリレーション構成を確立するステップと、を含む。上記セルリレーション構成は、上記ユーザ機器への/からの信号が受信時に少なくとも特定の無線条件基準を満たすセルのセルアイデンティティを少なくとも含む。上記方法は、上記ユーザ機器が測位されるエリアの定義として、上記位置決定支援データによって、上記セルリレーション構成に関連するポリゴンを決定するステップをさらに含む。
【0018】
本発明の第4の観点において、セルラー通信ネットワークにおいて位置決定支援データを提供するための構成は、ユーザ機器についてのセルリレーション構成を確立するための手段を含む。上記セルリレーション構成は、上記ユーザ機器への/からの信号が受信時に少なくとも特定の無線条件基準を満たすセルのセルアイデンティティを少なくとも含む。上記構成は、上記ユーザ機器について高精度位置決定を実行するための手段と、同じ上記セルリレーション構成に属する複数の上記高精度位置決定の結果である点を別々の結果クラスタにクラスタ化するための手段と、ポリゴンを上記結果クラスタのうち少なくとも1つと関連付けるための手段と、をさらに含む。上記関連付けるための手段は、上記結果クラスタのうちの第1の結果クラスタをポリゴンによって包囲し、上記第1の結果クラスタの上記高精度位置決定の結果を上記ポリゴン内において少なくとも予決定された割合となるよう維持しつつ、予決定された基準を改善するために上記ポリゴンの角の上記位置を定義されたパスに沿って変更し、及び上記ポリゴンの角が上記ポリゴンの外周の小規模部分に集まることを是正するように構成されている。上記構成はまた、上記セルリレーション構成と関連付けられる上記ポリゴンとの間のリレーションを含む位置決定支援データを作成するための手段を含む。
【0019】
本発明の第5の観点において、セルラー通信ネットワークにおけるユーザ機器の位置を決定するための構成は、上記第4の観点に係る位置決定支援データを提供するための構成と、上記ユーザ機器についてのセルリレーション構成を確立するための手段とを含む。上記セルリレーション構成は、上記ユーザ機器への/からの信号が受信時に少なくとも特定の無線条件基準を満たすセルのセルアイデンティティを少なくとも含む。上記構成はまた、上記ユーザ機器が測位されるエリアの定義として、上記位置決定支援データによって、上記セルリレーション構成に関連するポリゴンを決定するための手段を含む。
【0020】
本発明の第6の観点において、セルラー通信ネットワークのノードは、上記第4の観点又は上記第5の観点に係る構成を含む。
【0021】
本発明の第7の観点において、セルラー通信ネットワークは、上記第4の観点又は上記第5の観点に係る構成を含む。
【0022】
本発明の第8の観点において、コンピュータにより読取可能な媒体は、上記第1の観点に従って提供される位置決定支援データを含む。
【発明の効果】
【0023】
本発明の1つの利点は、セルリレーション構成についてのエリア定義のデータベースが適応的かつ自動的に構築されることである。セルアイデンティティの測位方法の精度は、複雑なエリア又は非常に方向依存的な大きさを有するエリア、すなわち高いアスペクト比を有するエリアについても、一定の信頼レベル内で最大化される。エリア定義情報は自動的に精緻化され、事実、例えば無線ネットワーク(RAN)の各部が再計画される場合に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明は、それに関するさらなる目的及び利点と共に、添付の図面と共に取り上げられる次の説明を参照することにより、非常によく理解され得る:
【0025】
【図1】セルラー通信システムの説明図である。
【図2A】隣接するセルの信号からのカバレッジに従ってセルをより小さいエリアに分割する例の説明図である。
【図2B】隣接するセルの信号からのカバレッジに従ってセルをより小さいエリアに分割する例の説明図である。
【図2C】隣接するセルの信号からのカバレッジに従ってセルをより小さいエリアに分割する例の説明図である。
【図2D】隣接するセルの信号からのカバレッジに従ってセルをより小さいエリアに分割する例の説明図である。
【図2E】隣接するセルの信号からのカバレッジに従ってセルをより小さいエリアに分割する例の説明図である。
【図3A】セルリレーション構成の例の説明図である。
【図3B】セルリレーション構成の例の説明図である。
【図3C】セルリレーション構成の例の説明図である。
【図4A】本発明に係る方法の一実施形態の主要なステップのフロー図である。
【図4B】本発明に係る方法の別の実施形態の主要なステップのフロー図である。
【図4C】図4A〜Bのステップ212の実施形態のステップのフロー図である。
【図4D】図4A〜Bのステップ212の実施形態のステップのフロー図である。
【図4E】本発明に係る別の方法の一実施形態のステップのフロー図である。
【図5】ポリゴンの限定的な部分に集まる頂点の説明図である。
【図6】セルポリゴンの一例である。
【図7】3GPPポリゴンのメッセージの情報要素の説明図である。
【図8】一実施形態に係るポリゴンの頂点の再画定(reinitiation)の結果の説明図である。
【図9】頂点の再画定の別の実施形態の説明図である。
【図10】縮小ポリゴン法のための初期の形状の説明図である。
【図11】最大のポリゴンの角の移動を決定するために使用される形状の説明図である。
【図12】エリア縮小の計算についての形状の説明図である。
【図13】他の実施形態に係るポリゴンの頂点の再画定の結果の説明図である。
【図14】2つの楕円扇形上におけるポリゴンの画定の説明図である。
【図15】1点より多くの点に向かって縮小するポリゴンの説明図である。
【図16】隣接する角の間が同じ距離になるように縮小するポリゴンの説明図である。
【図17】接近して配置された角の削除によって縮小するポリゴンの説明図である。
【図18】接近して配置された角の移動によって縮小するポリゴンの説明図である。
【図19】本発明に係るノードの一実施形態の主要部分のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示において“位置決定支援データ”は、無線ネットワークプランニング又はセルIDに基づく測位のような、セルラー通信システムにおけるセルに関連するアクティビティにおいて使用されるデータを定義するために使用される。特にそれは、本開示において使用されるセルリレーション構成及び関連するエリア定義についてのものであってよい。これは、本開示においてもっぱらA−GPSの議論において使用される“補助データ”と間違えられることがあってはならない。
【0027】
本開示において、WCDMAシステムはモデルシステムとして使用される。一方、当業者は誰でも、本発明の基本的な原理はいかなるセルラー通信システムにも適用可能であることを理解する。故に本発明は、そのようなものとして例示する実施形態に限定されない。
【0028】
図1は、一般的なWCDMAシステム100を示している。無線基地局30(RBS)はシステムのカバレッジエリアにわたって散在しており、この実施形態においてセクタ化された(sectorized)アンテナであるアンテナ20にサービス提供する。セル15はアンテナ20の各セクタに関連付けられており、そのエリアにおいて通信システムへの接続はその特定のセクタのいたるところで好適に実行される。RBS30は、典型的な場合において測位ノード45を含むRNC(Radio Network Controller)ノード40に接続されている。UE10及びRNC40は、RBS30について透過的ないわゆるRRC(Radio Resource Control)インターフェイス37上で通信する。RBS30及びRNC40はUTRAN(Universal Mobile Telecommunication System Radio Access Network)35に含まれるノードである。RNC40は、RANAP(Radio Access Network Application Part)インターフェイス47を介して、通信システム100のコアネットワーク(CN)50にさらに接続されている。
【0029】
ユーザ機器(UE)10は、セルラー通信システム100によってカバーされるエリアに位置している。ユーザ機器は、信号25を通じて自身の無線基地局30と通信する。一方、隣接するRBS30からの及びRBS30への信号26もまた検出される可能性がある。隣接する信号26が実際の通信をサポートし得る程度に十分強い場合、対応するセルはソフト(ソフター)ハンドオーバに参加するいわゆるアクティブセットのセルに含まれ得る。(ソフトハンドオーバは同じ場所に配置されていない2つの異なるRBSが使用される場合を意味し、一方ソフターハンドオーバはいくつかのセクタを伴う1つのRBSについてのものである。)特別な場合は、UEが同じRBSの2つのセクタに接続されている、すなわちソフターハンドオーバのときである。一方本発明の目的については、ソフトハンドオーバとソフターハンドオーバとの間に実質的な相違はなく、両方の場合を似たように処理することができる。信号26は、場合によってはアクティブセットに含まれるためにはあまりに弱いが、伝送を行っているRBSの識別を可能とし得る程度に十分強い可能性がある。そのような信号は、例えば測位の目的のために使用され得る。このほか、隣接する信号26は弱過ぎて全く使用できない可能性もある。
【0030】
UE10がある無線リンクを介してあるRBSに接続されている場合、UE10は、関連する地理的セル記述(geographical cell description)内に位置している可能性が高い。WCDMAにおいてセルの外延を記述するポリゴンによって定義されるセルエリアは、セルの実際の外延に関して通常最良の精度をもって決定されない。近似のセルエリアは、典型的にはセルプランニングに関連して決定され、完全には実際の状況に対応していない可能性がある。通常セルエリアの外延の実際の信頼レベルは特定されない。さらに、無線条件はセルプランニングが実行された後にも変化し得る。故に、確かさ及び各セルについて事前計算されたセルポリゴンを、フィールドデータを使用してチューニングすることは有益であろう。しかし、特に無線条件が時間と共に変化し得るため、これは通常利用できない。本発明の開示は、自動的にそのようなチューニングを獲得するための手法を明らかにする。
【0031】
図2Aは、UE10が接続されているセル15を示している。次の説明を単純にするため、この場合RBSはセルの中心に配置されている、いわゆるオムニセルの構成であると仮定する。UE10がRBSに接続されている場合、それは一定の確率をもってセル15内に存在すると決定され得る。
【0032】
一方、上で簡単に言及したように、UEはさらに他のRBSからの無線の範囲内にも存在してもよい。図2Bにおいて、その内部においては隣接するRBSへの/からの信号がソフト(ソフター)ハンドオーバを可能とし得る程度に十分強いエリアの境界線12が示されている。この極めて単純化されたモデルにおいて、境界線12は、隣接するRBSにその中心を有する円として描かれている。境界線12がセル15をさらに小さいエリア11、11A、11B、11Zに分割することは、容易に理解される。エリア11Zにおいては、自身のRBS30からの信号のみが有効である。一方、例えばエリア11Aにおいては、1つの隣接するRBSへの/からの信号もソフト(ソフター)ハンドオーバの目的のために有効であり、故にいわゆるアクティブセットのセルに含まれる。エリア11Bにおいては、2つの隣接するセルへの/からの信号が十分強く、その結果アクティブセットは2つの隣接するセルを含む。ここで、アクティブセットの内容が測位の目的のために使用され得ることは、容易に理解できる。アクティブセットのリストを調べることにより、部分エリア11、11A、11B、11ZのいずれにUE10が位置している可能性が高いかを決定することができる。
【0033】
一方、ほとんどの場合、恐らく十分な精度をもって計算することは難しい可能性が高いため、ソフト(ソフター)ハンドオーバの情報は測位の目的のためには使用されない。本発明によれば、任意のソフト(ソフター)ハンドオーバの領域を記述するエリア定義は有用である。WCDMAにおいて、そのようなエリア定義は、都合よくポリゴンの定義となり得る。一方、先行技術のセルプランニングの原理を使用しても、任意のソフト(ソフター)ハンドオーバの領域の実際の外延に関して、最良の精度をもって決定されるエリア定義は通常提供されないであろう。さらに、先行技術の方法を使用すると、任意のソフト(ソフター)ハンドオーバの領域の信頼値は、任意の計算されたソフト(ソフター)ハンドオーバエリアに関して、通常最良の精度をもって決定されないであろう。故に、確かさ及び各セルについて事前計算されたセルポリゴンを、フィールドデータを使用してチューニングすることは有益であろう。しかし、特に無線条件が、基本のセルについてもさることながら、時間に伴って変化し得るため、これは通常利用できない。一方で、本発明は、そのようなチューニングを自動的に獲得するための手法を明らかにする。
【0034】
さらに隣接するRBSからの信号を利用することができる。上述したように、たとえ隣接するRBSへの及び隣接するRBSからの信号がソフト(ソフター)ハンドオーバを可能とし得る程度に十分強くない場合でも、伝送を行っているRBS/UEのアイデンティティの決定を可能とする程度にはなお十分強い可能性がある。対応するセルのセットは、典型的には検出されたセルのセットとして参照される。またこの情報は測位の目的のためにも使用され得る。図2Cにおいて、セル15が再度示されている。ここで、ソフト(ソフター)ハンドオーバ(いずれか一方のみ参照番号で示されている)についての境界線12のみでなく、その内部において伝送を行っているRBS又はUEのアイデンティティがダウンリンク又はアップリンクにおいてそれぞれ取得され得る、例えば検出されたセルのセットに相当するエリアの、境界線13も示されている。それによってさらにセル15は、さらに小さい部分エリア11、11C〜G、11Zに分割される。例えばエリア11Eにおいて、自身のRBSからの信号に加えて1つの隣接するRBSからの信号は、ソフト(ソフター)ハンドオーバのために使用される一方、別の隣接するRBSからの信号は、それのみで伝送を行っているRBSを識別するために使用される。
【0035】
一定の強度の信号の存在のみでなく、他の信号と比較した場合の相対強度も考慮する場合、元のセルをさらに細かく分割することが可能となる。図2Dにおいて、1つより多くの隣接するRBSからの信号を含む部分エリアは、いずれの信号が最も強いかに従って分割される。それによってエリア11H〜Kを定義することができる。
【0036】
一方上述したように、実際の状況は、図2A〜Dの例が示し得るほど理想的ではない。それどころか、境界線12、13は容易には決定されず、典型的に円ではない。図2Eは、実際の状況に対応し得る状況を示している。そこで当業者は誰でも、エリア11、11A〜K、11Zを理論的に予め決定することは実際には不可能であることを理解する。
【0037】
位置決定支援データを達成するために、本発明において、2種類の情報が相互に関連付けられる;セルリレーション構成、及び高精度測位データである。
【0038】
第1の種類の情報は、セルリレーション構成である。このセルリレーション構成は、図2A〜Eでの従前の例における分割に対応する。セルリレーション構成は、基本的な一実施形態において、“自身の”セルと、一定の基準を満たす検出可能な信号を対応RBSが問題のユーザ機器へ/から送信/受信する任意の隣接セルとを表すデータを含む。典型的な見方において、セルリレーション構成は、あるUEに関して特定の無線条件基準を満たす信号に対応する、セルアイデンティティのリストと考えることができる。図3Aは、そのようなリストの一実施形態を示す。第1の行は、自身のセルに対応する。セルIDは“ID1”である。この例において、UEは、セル“ID2”、“ID3”、“ID4”、“ID5”とも通信することができる。セルの各組み合わせは、この実施形態において特定のセルリレーション構成を定義するであろう。
【0039】
図3Bは、セルリレーション構成の別の実施形態を示している。ここで、相対的な信号強度が考慮され、それによってセルは強度の順にソートされる。それによるとセル“ID3”への/からの信号は、例えばセル“ID5”への/からの信号よりも強い。これは、この実施形態におけるセルリレーション構成が、いずれのセルがリストに含まれるかということだけでなく、どういう順序であるかということにも依存することを意味する。さらにアップリンクとダウンリンクとの間で強度の順に相違がある可能性もあり、それもエリアを定義する際に利用することができる。
【0040】
また他の信号−強度に関連した量、例えばパスロス及び信号対干渉比をも、セルリレーション構成を定義するために利用することができる。
【0041】
図3Cは、セルリレーション構成の別の実施形態を示している。ここで、信号強度は、さらに分類される。セル“ID1”は“自身のセル”として分類され、セル“ID3”及び“ID5”はアクティブセットのセルに含まれるように分類される、すなわち、これらはソフト(ソフター)ハンドオーバの目的のために利用されることが分かる。これは、この実施形態におけるセルリレーション構成が、いずれのセルがリストに含まれ、どういう順序であるかということだけでなく、セルの分類にも依存することを意味する。
【0042】
上の例を見れば、当業者は誰でも、セルラー通信ネットワークのカバレッジエリア内に位置している任意のUEについてセルリレーション構成が容易に取得可能であることを理解する。
【0043】
第2の種類の必須の情報は、さらに上で言及したように、高精度測位データである。これは任意の可能な手法で導くことができる。UTDOA及びA−GPSは背景技術において前述されているが、他の方法も同様に有用であり得る。1つの発明的なアイディアは、高精度測位データとセルリレーション構成との間のリレーションを、対応するUEについて測位の時点で収集することである。これは、機を捉えた測定、すなわち、何らかの他の理由のためにいずれにせよ実行されるであろう高精度の測定を使用することによって好適に実行される。あるいは、その測定は意図的に準備され得る。例えば、改善された無線ネットワークプランニングの目的のために、高精度の位置測定装置が計画的に所定のエリアにわたって分散配置され得る。位置は、セルリレーション構成と共に決定される。別の選択肢として、高精度測位が可能なユーザ機器に、そのような測定を提供するよう定期的に命令することがあり得る。その後、それぞれの候補となるセルリレーション構成(すなわち、単純な見方をすると順序付けされたセルアイデンティティのセット)について、測定リストが設定される。そして、特定のセルリレーション構成に関連する全ての高精度の測定結果は、1つの特定の高精度の測定結果のリストに集約される。換言すれば、高精度測位データは現行のセルリレーション構成に応じてクラスタ化される。故に1つのそのようなリストの測定結果は、特定の地理的エリアに位置していると期待され得る測定結果のクラスタを形成する。故に高精度位置決定の結果をクラスタ化することによって、複数の別々にクラスタ化された結果が生じる。適切な数の高精度測位データの点が別々にクラスタ化された結果のうちの1つにクラスタ化される場合、予決定された割合(fraction)の高精度測位データの点を含むエリアを定義することが可能となる。その結果、あるセルリレーション構成を有するUEが、予決定された割合に相当する信頼レベルをもって、定義されたエリア内に位置している、と結論付けることができる。
【0044】
換言すれば、高精度測位の能力を自ら有さないUEは、位置決定における精度を改善するために、他のUEの以前の高精度測位を利用してもよい。
【0045】
得られたエリア定義は、実際の無線カバレッジとは大幅に異なり得ることに気付くことができる。その理由は、良好な無線条件を有しているがユーザ機器を1つもホスティングしていないエリアは、決定されたエリアから除外される傾向となるであろうためである。関連付けられるエリアは、代わりに無線カバレッジの特性とユーザ機器の存在確率の組み合わせに基づくエリアとなるであろう。
【0046】
図4Aに示されている、位置決定支援データを提供するための方法の一実施形態の主要なステップのフロー図によっても、本発明の基礎となる基本的なアイディアは示され得る。手続はステップ200において開始する。当該手続は、位置決定支援データを提供するため、まずセクション202に取り掛かる。このセクションはステップ204から開始し、そこでは特定のUEについてのセルリレーション構成が決定される。信号は、典型的に標準のセルラー通信システムの手続に従って登録及び報告され、セルリレーション構成にまとめられる。ステップ206において、任意の適切な高精度測位方法を使用して、UEの高精度測位が実行される。ステップ208において、高精度測位データは決定されたセルリレーション構成に応じてクラスタ化される。ステップ204から208は、矢印210で示されているように、複数回繰り返される。点のクラスタ化の数学的説明は、アペンディクスAにおいて提示されている。
【0047】
あるセルリレーション構成について適切な数の測定点が利用可能である場合、手続はステップ212に進んでもよく、そこで高精度測位データの空間的分布に近い形態を有するエリアが決定される。好適には、なお予決定された割合の高精度測位データ含む、可能な限り小さいエリアが計算される。他の実施形態において、たとえエリアが数学的に絶対的な最小ではない場合でも、相当に小さいエリアをもって十分であるとしてもよい。あるセルリレーション構成とエリア定義との間のリレーションは、それによって得られる。ステップ212の発明的な実施形態について、さらに後で説明する。ステップ204〜208によってさらにデータが追加される場合、矢印214で示されるようにステップ212も繰り返される必要があり得る。特に、無線条件が変化している場合、永久的に又は長期間、エリア定義は再計算され、新しい状況に適応されなければならない。その際それぞれの高精度の位置測定は、あまりに古い高精度の位置測定結果を破棄できるようにするために好適にタイムスタンプも付され、引き続き新しいエリアの最適化が実行される。
【0048】
タイムスタンプは、時間が変わればユーザ機器の分布が大幅に異なる可能性の高いシステムにおいても利用され得る。例えば、オフィスビル及び住居エリアが相互に近くに含まれている場合、例えば夜間に住居エリアにおいてユーザ機器が発見される可能性がより高い。その時点と大幅に異なる日、週、又は年を記録している時間を有する高精度測位データを破棄することによって、そういった変化は処理され得る。換言すれば、クラスタ化は、ある追加的基準を満たす測定結果を選択することのみによって実行され得る。それによってエリア定義を時間依存的にすることができる。
【0049】
他のパラメータについてクラスタ化のための選択基準が設定されてもよい。例えばRAB(Radio Access Bearer)は、1つの選択パラメータとなり得る。異なるRABについてのカバレッジは大幅に異なり得るものであり、それにより異なる部分エリア間の境界線の位置は大幅に変化し得る。例えば、64kbpsのリンクによって伝送されるトラフィックは、384kbpsのリンクによって伝送されるトラフィックとは完全に異なるカバレッジエリアを有し得る。決定されるべきエリアは使用される実際のRABについて固有であるため、例えば使用されるRABに関して測定結果をクラスタ化することによっても、改善された測位を可能とするであろう。
【0050】
RABに関する情報は、選択基準をよりエリア選択的にする、シグナリングの環境に関するある種の補助的な情報である。一般的なアプローチにおいて、他の補助的な情報をも類似の手法で利用することができる。同様に、実行され、選択基準の一部として使用され得るシグナリング特性の補助的な測定も存在する。一例として例えば補助的なRTT測定があり、これについてはさらに後で議論する。選択基準はセルリレーション構成を増強するものとして考えることができる。
【0051】
ステップ212は、1つの特定のセルリレーション構成、一群のセルリレーション構成、又は全てのセルリレーション構成について、及び様々なクラスタ化の選択基準について、実行され得る。
【0052】
より低い(より詳細な)レベルにおける測定結果の数が信頼性のあるセルポリゴンの計算のためには不十分である場合、より高いレベルにおけるリストがより低いレベルから構成され得るように、測定結果のリストは好適に階層的に体系化される。
【0053】
UEを測位しようとする際、手続は位置決定についてのセクション216へ入る。このセクションはステップ218から開始し、そこで測位すべきUEについてのセルリレーション構成が決定される。これは、典型的にステップ204と類似の手法で実行される。ステップ220において、あるセルリレーション構成とエリア定義との間のリレーションは、測位すべきUEが一定の確かさをもって位置しているエリアを提供するために使用される。この信頼レベルは、エリア最適化の間に使用される予決定された割合に相当する。手続はステップ299において終了する。測位の精度は、最良の場合、例えばノースアメリカンE−911非常時測位要件のために十分であり得る。一方この手法で得られる位置は、セクション202に係るエリア定義を改善するために使用されるべきでない。
【0054】
種々のステップのタイミングは、ある程度異なるようになされてもよい。図4Bにおいて、本発明に係る方法の別の実施形態のフロー図が示されている。ここで、2つのセクション202及び216は、相互に互い違いにされている。ここでエリアを最適化するステップ212は、セルリレーション構成を決定するステップ218によってトリガされる。その後最適化のステップ212は、時間を節約するため、ステップ218において決定されたセルリレーション構成についてのみ好適に実行される。図4Aにあるように、その関係が事前に、すなわち実際の測位要求が行われる前に決定されている場合、測位はより短い遅れをもって実行され得る。図4Bの実施形態はその代わりに、最新の利用可能なデータが常に利用されることを保証する。
【0055】
エリアを最適化するステップ212は、本発明の重要な部分であると考えられる。図4Cにおいて、このステップがより詳細に説明されている。ステップ230において、結果クラスタ(result clusters)のうちの第1の結果クラスタが、ポリゴンによって包囲される。それによって、問題のセルリレーション構成についての全ての高精度測定点nTOTは、エリア境界線によって取り囲まれる。nTOTはその後、高精度測定点の入力数として使用される。ステップ240において、第1の結果クラスタの高精度位置決定の結果の入力数をポリゴン内において少なくとも予決定された割合(percentage)となるよう維持しつつ、予決定された基準を改善するため、ポリゴンの角の位置(corner position)は定義されたパスに沿って変更される。
【0056】
縮小手続(shrinking procedure)はその後、予決定されたルーチン又はルールに従って、第1の定義されたパスに沿って1回につき1つのポリゴンの角の位置を変更することを基礎とする。典型的には、これらのルールは予決定された数の高精度位置決定(high-precision position determinations)を、縮小するポリゴンの内部から排除することを許容する。好適には、予決定された基準に係る最良の改善をもたらすことが可能な角が選択され、各ステップにおいて移動される。予決定された基準は、例えば可能な限り大幅なエリア縮小であってもよい。その代わりに、予決定された基準は、可能な限り大きい変更距離であってもよい。特に角の選択は、各角を暫定的に変更し、その変更によって予決定された基準がどれほど改善されるかをチェックすることにより、決定され得る。その後この角を変更するステップは、そのクラスタの予決定された割合の高精度位置決定しかポリゴン内に残らないようになるまで繰り返される。
【0057】
本発明のある特定の実施形態のポリゴンの角の変更において、高精度位置決定のうちの1つがポリゴンの外側に配置されることは許容され、但し2つは許容されない。典型的にはこれにより、変更される角と隣接する角とを結ぶ線上又はその付近に、クラスタ化された高精度位置決定の1つが配置される。
【0058】
セルのほとんどの形状及び状況において動作可能である簡易な手続において、定義されたパスは、現行の角の位置と高精度位置決定群(すなわちポリゴン内の結果クラスタ)の重心との間の直線であり得る。一方、そのようなアプローチがポリゴンの周囲に不均一な角の分布をもたらす状況が存在する。
【0059】
クラスタ化された結果の点があらゆる方向に比較的均一に広がっている場合、クラスタ化された点を包囲する円に角を有する初期ポリゴンは、満足に動作する。その後最適化されたエリアは、その外周上に極めて均一に広がっている角を有するポリゴンによって定義されるであろう。
【0060】
一方、複雑な形状又は非常に方向依存的な大きさを有するエリア、すなわち高いアスペクト比を有するエリア、を有する結果クラスタの場合、状況はあまり良くないことがあり得る。図5は、細長い結果クラスタ88を包囲するよう計算されたポリゴン89Bを示している。初期ポリゴン89Aは、角が円に配置されていた。結果として生じるポリゴン89Bのほとんどの頂点は、結果クラスタ88の重心へ向かって移動される。その領域は高いアスペクト比を有しているため、その結果多くの点が結果クラスタ88の重心に近い中央の小さな領域へ素早く収束することになる。結果クラスタ88のさらに離れた部分をモデリングするために、ごく僅かのポリゴンの頂点しか残らない。
【0061】
そのために、図4Cのステップ250において、当該ポリゴンの外周の小規模部分(a minor portion)に集まるポリゴンの角を是正するためのアクションが実行される。本実施形態において、矢印252で示されるように、ステップ250は繰り返し、又は変更するステップ240と互い違いに実行される。
【0062】
図4Dにおいて、エリアを最適化するステップ212の別の実施形態が示されている。ここで是正するステップ250は、変更するステップ240に統合された部分を構成する。すなわち、変更するステップは、角が集まり得ないような形で構成される。
【0063】
位置決定支援データを提供するための上の方法は、様々な状況において利用され得る。例えば、無線ネットワークプランニングを実行するための方法は、そういった提供方法を基礎とすることができる。図4Eにおいて、これが概略的に示されている。その手続は、ステップ200において開始する。ステップ260において、位置決定支援データは、上で議論された原理に従って取得される。そして、高精度位置決定を実行するステップは、典型的には要求に応じて実行される。これによって、セルエリア内において注目されるポイント(points of interest)から複数の高精度位置決定を確実に得る機会が与えられる。その後ステップ262において、位置決定支援データは実際の無線伝搬に関して評価される。手続はステップ299において終了する。
【0064】
図4Eの手続は、例えば図4Aにおいて説明されたユーザ機器の測位と同様に、位置決定支援データを基礎としている。このデータは、原理上、後に続くステップと比べて異なる時間及び/又は異なる場所において決定されてもよい。故に、原理上、これら手続はコンピュータにより読取可能な媒体に含まれる位置決定支援データを基礎とすることが可能であろう。一方、実際のデータの提供、例えば任意のコンピュータの処理は、別の時間及び/又は別の位置において発生し得る。
【0065】
これらのWCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)システムのうちのいくつかのシステムにおいて、セルの地理的外延を好適に表すものは、セルポリゴンフォーマットによって都合良く与えられる。セルの外延は、自身と交差しない閉じたポリゴンの3〜15個の角によって記述される。フォーマットは2次元であり、角はWGS84地理的リファレンスシステム(WGS84 geographical reference system)における経度及び緯度の組として決定される。図6に一例が示されている。そこには、角90を伴うセルポリゴン89の一例が示されている。RBS(Radio Base Station)は、典型的に当該RBSがサービス提供するセルポリゴン89の角90のうちの1つの近くに位置している。3GPPシステムは、セルポリゴンについてのメッセージングフォーマットを提供する。図7は、使用される3GPPのポリゴンのメッセージIE(Information Element)を示している。このIEは、セルアイデンティティの測位が成功した後、RANAPインターフェイス上でコアネットワークへ返信される位置報告(LOCATION REPORT)メッセージに存在する。
【0066】
本発明がセルIDの測位方法として使用される場合、セルの特定のアイデンティティに対応する、事前計算されたポリゴンよりむしろ再計算されたポリゴンが、RANAP又はIupc(UTRAN内におけるRNCとSASとの間の論理インターフェイス)上で報告される。留意すべきは、再計算されたポリゴンは報告用フォーマットと一致しているため、本発明が既存の測位インターフェイスに直接適合することである。
【0067】
本発明が、ソフト(ソフター)ハンドオーバのアクティブセット又は検出可能なセルのセットを利用して、強化されたセルアイデンティティの測位として使用される場合、同様の報告が行われ得る。決定されたセルリレーション構成のために再計算されたポリゴンが記憶されている場合、当該再計算されたポリゴンが選択され、RANAPまたはIupc上で報告される。この場合もやはり、本発明は既存の測位インターフェイスに直接適合する。
【0068】
エリア定義のデータは、セルリレーション構成の情報を使用して効率的に解決され得るように、体系化されるべきである。この手法において、ある領域についてのエリアが計算されていない場合はいつでも、代替領域をカバーするフォールバックエリアを見つけることができる。留意すべきは、例えば測定の統計量の不足のためにそうした状況が起こり得るということである。
【0069】
例えば、特定のセルリレーション構成についてポリゴンが計算されない場合、格納されたセルリレーション及びエリア定義の階層的構造が何らかの手法で活用される。1つの選択肢は、そのセルリレーション構成の最後のセルアイデンティティを無視し、そのようにして縮小されたセルリレーション構成について再計算されたポリゴンを探すことである。この縮小されたセルリレーション構成について再計算されたポリゴンが存在する場合、このポリゴンがRANAP又はIupc上で報告される。それでもやはりポリゴンが計算されない場合、そのセルリレーション構成の最後から2番目のセルアイデンティティが除外され、手続が繰り返される。この手続は、そのセルリレーション構成がサービス提供セルに対応する最上位のレベルまで続けられ得る。それでもやはり再計算されたポリゴンが存在しない場合、事前計算されたポリゴンを使用することができる。ここで可能な多くの別の方策が存在することに留意すべきである。
【0070】
ステップ240及び250の候補となる実施形態は複数存在する。それらのうちいくつかは、以下で議論されるであろう。第1群の実施形態において、定義されたパスは元の角の位置及びある単一の点(a single point)を通る曲線である。
【0071】
第1の実施形態において、その単一の点は、ポリゴン内における第1の結果クラスタの高精度位置決定の結果についての重心である。是正するステップは、この実施形態において、当該第1の結果クラスタの高精度位置決定の結果を包囲するポリゴンの少なくとも1回の再画定を含む。再画定されたポリゴンは、第1の実施形態においては、前回の繰り返し時点のポリゴンの外周に沿って均一に分布する角を有するポリゴンである。図8に一例が示されている。再画定されたポリゴン89Cは、第1の結果クラスタの高精度位置決定の残っている結果、すなわち元のポリゴン89Aを変更した結果として生じるポリゴン89Bの内側の点のみ包囲する。それによって、既に排除されている結果が再度含まれることはない。再画定されたポリゴンの形状の単純な一例は、角が楕円上に位置しているポリゴンである。適切な楕円形状は、変更されたポリゴン89Bの角の分布から推定し得る。このアプローチは、最終的には前段階において排除されている少数の点も包囲する最終的なポリゴンに落ち着く可能性がある。一方、大抵の場合において、“不当に”包含される点の数は小さいと考えられている。
【0072】
第2の実施形態も、ある単一の点への例えば重心に向かう動作、及び再画定に基づく。一方、排除されている点を意図せず包含することを回避するため、再画定されたポリゴンは、以前のポリゴンの外周又は境界線に沿って均一に分布する角を有するポリゴンである。図9にこれが示されており、ここで以前のポリゴン89Bは、○で示されている、極めて隣接して位置する角を有する。その図において四角で示されているそれぞれの“新しい”角の間の以前のポリゴン89Bに沿ったパスの長さが同じとなるように、以前のポリゴン89Bに沿って角の間を広げることによって、再画定されたポリゴン89Cが作られる。その後是正するステップも再計算を含み、元のクラスタにおける再計算の対象の点は当該再画定されたポリゴン89C内に位置する。故にこの再分布(redistribution)は、ポリゴンの各角について新しい角の座標を計算し、それによって再分布は、評価されたポリゴンの境界線の周囲に均一な距離で好適に分布する。この手法において、以前の繰り返しのステップのポリゴンの近似形状は保護される一方、前段階において排除された単一の点(single points)が再度含まれ得る。
【0073】
アペンディクスBに、第2の実施形態のより詳細な説明を見ることができる。図13は、ポリゴンの縮小、ポリゴンの再画定、及びさらなるポリゴンの縮小の後の最終結果を示している。
【0074】
第1及び第2の実施形態の両方が、ポリゴンの再画定に基づいている。そのような再画定は、異なる基準に従って実行されてもよい。1つの候補は、例えばポリゴンの角の変更を予決定された回数繰り返した後、断続的に再画定を行うことである。初回または直近の再画定以降、ポリゴンの縮小のアルゴリズムの繰り返し数がその後追跡記録される。再繰り返しはいつでも実行されてよいが、好適には、初期のポリゴンの全ての角が少なくとも1回移動する前に、再画定が行われるべきではない。
【0075】
別のアプローチは、不均一な角の分布の指標(measure)を定義し、そのような指標が予決定された閾値を超える場合に再画定を実行することである。不均一な角の分布の指標は、多くの異なる手法で定義され得る。1つの非排他的な例は:
【0076】
【数1】
【0077】
ここで、dipは、隣接する角の間の距離である。σが大きいとき、再画定が有益な状況である可能性が高い。
【0078】
いつポリゴンの再画定を実行すべきかについての決定も、上述のアプローチの任意の組み合わせに基づくことができる。
【0079】
細長いエリアが生じ得る典型的な一例は、RTT測定がAECID測位において利用される場合である。これは、適度に広いセルとの組み合わせにおける大きい値のRTTについて特に当てはまる。図14に示されている第3の例となる一実施形態において、是正するステップは、結果クラスタ88を包囲するポリゴン89の外側の点として、単一の点92を選択することを含む。換言すれば、結果クラスタ88の外側において適切な点を選択することによって、2つのポリゴンの角90の間の最小距離が一定レベルを超えるよう保たれることを保証することができる。例えばRTT測定量が十分大きい値である場合、角90が移動される方向にある点92は、セルにサービス提供するRBSのアンテナの位置に好適に配置される。その結果、結果クラスタ88よりもRBSに近いポリゴンの頂点は局所的にRBSから離れて移動し、結果クラスタ88よりもRBSから離れたポリゴンの頂点は局所的にRBSに向かって移動するよう、移動の原理は構成される。
【0080】
そのような一実施形態において、元のポリゴン89も多くの手法で選択され得る。1つの候補は、選択された単一の点92に中心が置かれた2つの円又は楕円の弧の区画93に位置する点を有するポリゴン89を選択することである。画定の原理は、2πを法とする最小及び最大の角度に等しい径の角度(side angle)94、95を伴う2つの楕円の弧93上に、ポリゴン89を画定することであってもよい。(厚さゼロの)1つの楕円の弧は、サービス提供RBSに対して結果クラスタの外側に位置しており、(厚さゼロの)1つの楕円の弧は、結果クラスタとその楕円の弧との間に位置している。
【0081】
アペンディクスCにおいて、第3の実施形態はいくらかより詳細に説明されている。
【0082】
図15に示されている第4の実施形態において、定義されたパス97は多少異なって選択される。ここで、第1の結果クラスタのエリア88内における複数の点98は、定義されたパス97についての暫定目標として与えられる。そのとき定義されたパス97は、ポリゴン89の元の角の位置90及び第1の結果クラスタ88内における第1の点を通る曲線である。是正するアクションはここで、複数の暫定目標点のうち最も近い点を選択することを含む。
【0083】
図16に示されている第5の実施形態において、手続は、隣接する角99までの距離を等しく保つことを目的とする。各角90は、2つの隣接する角99を有する。両方の点までの距離が同じである点群を定義する、これら2つの隣接する角99の間の直線60、すなわち2つの最も近くに隣接する角99までが等距離であるパスが存在する。この実施形態において、そのような直線60は、頂点の間を広げる問題に関して変更される頂点を配置するための最適な選択肢である。一方、エリアの最小化も考慮されなければならない。故に、2つの最も近い隣接する角99までが等距離である線60に漸近的に近付く曲線である定義されたパス61が選択される。
【0084】
図17に示されている第6の実施形態において、ポリゴンの縮小のアルゴリズムが実行される際、頂点90の余剰分が初期ポリゴン89のために使用される。近くに位置している頂点90の是正は、ポリゴン89の外周の小規模部分に集まるポリゴンの角のうち少なくとも1つのポリゴンの角を削除することによって簡単に実行される。換言すれば、角が極めて近くに来る場合、×として示されているそれらのいくつかは削除される。図17において、重心の近くに位置している最終点のほとんどが、○で示されている少数の角のみを残して削除されることがわかる。最終的なポリゴンが、実際に使用されるためにはまだあまりに多くの角を有している場合、例えば3〜15個の頂点を伴うポリゴンフォーマットを使用するRANAP上での報告に適合するために、最終的な縮小が実行され得る。
【0085】
図18に示されているように、第7の実施形態において、角90が極めて近くに来る場合、再度角の削除が実施される。一方この実施形態において、それぞれの削除された角62について、新しい角63がポリゴンに沿った別の場所に導入される。好適には、新しい角63はポリゴンの最長の辺64の中央に導入され得る。それによって角の数は常に一定となる一方、角90は、角90の局所的な密度が高い1つの位置から、角90の局所的な密度が低い別の位置へ、ときどき移動されてもよい。
【0086】
図19は、セルラー通信ネットワークにおいて位置決定支援データを提供するための構成の一実施形態のブロック図である。本実施形態の構成は、測位ノード45及び関連する機能を含む。WCDMAシステムに含まれていることが前提とされる本実施形態において、そのような機能は、RNC40に好適に含まれている。別の候補は、Iupcインターフェイス47の反対側におけるSASノード(例えば、エリクソンSMLC)において本発明を実装することである。さらに別の候補は、測定のログを取り、OSS−RC又はもっと言えば完全に外部のノードにおいて、アルゴリズムを実行することである。その結果、検出されたセルのセット及び測定された高精度位置決定の結果の交換を可能とする既存のインターフェイスにおいて、新しいインターフェイス及び/又は情報要素が必要となり得る。
【0087】
位置決定支援データ、すなわちセルリレーション構成と関連付けられるエリアとの間のリレーションが、外部のノードにおいて生成される場合、その情報は、位置決定手続を支援するために測位ノードに提供されなければならない。その際、位置決定支援データはコンピュータにより読取可能な媒体に好適に格納され、適切な手法で、例えば通信リンク上で内容をダウンロードすることによって、又は単にデータを格納しているデータ記憶装置を提供することによって、測位ノードに提供され得る。
【0088】
本実施形態において、RNC40は、RRCインターフェイス37を使用し、RBSについて透過的に、UEとの間で通信する。現行のコンテキストにおいて、少なくとも2つの種類の情報が関係する;測位の結果(positioning measurements)38、特に高精度測位の結果、及び隣接するセルの信号の測定結果39、例えばハンドオーバの際の測定結果、である。隣接するセルの信号の測定結果39は、特定のユーザ機器についてセルリレーション構成を確立するセルリレーション構成決定セクション41に提供される。ある特定の実施形態において、セルリレーション構成決定セクション41は、先行技術のアクティブセットの機能に基づくことができる。さらに上で説明されているように、セルリレーション構成は少なくとも、ユーザ機器への又はユーザ機器からの信号が受信される際に少なくともある特定の無線条件基準を満たすセルのセルアイデンティティを含む。特定のユーザ機器の決定されたセルリレーション構成は、クラスタ化セクション42に提供される。
【0089】
その他の重要な情報である測位の結果38は、測位ノード45に提供される。高精度測位の結果は、高精度測位セクション46、すなわち問題のユーザ機器について高精度位置決定を実行するための手段に提供され、当該高精度測位セクション46は、例えばUTDOA又はA−GPSを基礎とする測位を含み得る。他の測位の結果、例えばセルID又はRTTによる測位の結果は、本実施形態において中精度(medium-precision)測位セクション48に提供される。高精度測位の結果、すなわち高精度の位置、の分析結果は、クラスタ化セクション42に提供される。
【0090】
クラスタ化セクション42は、同じセルリレーション構成に属する複数の高精度位置決定の結果である点を、別々の結果クラスタにクラスタ化するための手段である。それによって高精度の位置は、対応するセルリレーション構成に関連付けられる。セルリレーション構成、並びに特定の実施形態においては補助的な情報及び/又は補助的な測定結果、特に記録時間、利用されるRAB、及び/又はRTT測定結果といった他の選択基準にも応じて、測定結果はクラスタ化される。破線矢印53で示されているように、RTT測定結果はその後、例えば中精度測位セクション48によって提供され得る。時間又は利用されるRABのような補助的な情報、及び他の補助的な測定結果は、補助的情報セクション54によって提供され得る。この補助的情報セクション54は、ノード内部において情報を提供するように構成され、及び/又は外側から情報を取得するように構成され得る。
【0091】
あるセルリレーション構成についての、及びいくつかの実施形態においては特定の時間間隔で又は特定のRABを使用して選択される位置のクラスタは、アルゴリズムブロック43に提供される。アルゴリズムブロック43において、エリア定義が計算される。測定結果の各クラスタを指定された信頼レベルで記述するエリアを計算するための、本発明の1つの重要な目的は、アルゴリズムブロック43において実行される。WCDMAの場合において、好適なエリア定義は、3から15の角の座標によって定義されるポリゴンである。故に、アルゴリズムブロック43は、結果クラスタのうちの少なくとも1つにポリゴンを関連付けるための手段である。ある特定の実施形態において、アルゴリズムブロック43は、クラスタの高精度測定結果が所与の割合でポリゴンの内部に位置するであろうポリゴンを提供する。アルゴリズムブロック43は上述の原理に従って、第1の結果クラスタの高精度位置決定の結果をポリゴン内において少なくとも予決定された割合となるよう維持しつつ、予決定された基準を改善するためにポリゴンの角の位置を定義されたパスに沿って変更して、結果クラスタのうちの第1の結果クラスタをポリゴンによって包囲するよう、構成されている。アルゴリズムブロック43は、当該ポリゴンの外周の小規模部分に集まるポリゴンの角を是正するよう、さらに構成されている。このアルゴリズムブロック43は、十分な数の直近の十分高精度な測定結果を伴う全ての測定クラスタについて、ポリゴンの繰り返しの再計算を好適に実行する。エリア定義はエリアストレージ(area storage)44に提供され、ここにセルリレーション構成の階層的に体系化されたセットを表すポリゴンが格納される。その後、格納されたポリゴンは、システムの測位アルゴリズムによって使用される。故にストレージ44は、セルリレーション構成と関連付けられるポリゴンとの間のリレーションを含む位置決定支援データを生成するための手段である。格納されたポリゴンのデータ構造は、それぞれの関連するセルリレーション構成をカバーするポインタのリストを好適に含む。それぞれのそういったポインタは、上述のように繰り返し計算された、対応する3から15の角のポリゴンを指す。データ構造は、ポリゴンが計算された際の時間を定義する、各ポリゴンについての時間タグも好適に含む。
【0092】
図18の構成も、セルラー通信ネットワークにおけるユーザ機器の位置を決定するための構成である。これは、上述した位置決定支援データを提供するための構成を含む。本発明の原理に係る位置決定が要求される際、セルリレーション構成は、平常通りセルリレーション構成決定セクション41において決定される。故に、セルリレーション構成決定セクション41は、ユーザ機器についてセルリレーション構成を確立するための手段である。
【0093】
その結果は、測位ノード45における制御セクション49へ転送される。制御セクション49は、ユーザ機器が測位されるエリアの定義として、セルリレーション構成に関連するポリゴンを決定するための手段を構成する。その決定は、位置決定支援データに基づく。測位要求51、例えばいわゆる位置報告制御メッセージ(Location Reporting Control message)がRANAPインターフェイス47上で受信される際、制御セクション49は、サービスパラメータの品質及びUEの能力に基づいて、UEの現行のセルリレーション構成に対応するエリアストレージ44からエリア定義を読み出すことによって、位置決定を要求し得る。取得されたエリア定義、好適にはポリゴン定義は、測位報告メッセージ52に含まれ、それは典型的に、例えばいわゆる位置報告メッセージを使用してRANAPインターフェイス47上で返信される。位置決定支援データを生成するフェーズにおけるように、時間又は利用されるRABのような補助的な情報、及び他の補助的な測定結果も、エリア定義の選択を精緻化するために使用することができる。そのようなデータは、補助的情報セクション54によって取得される。
【0094】
エリア定義が任意の追加的な測位方法と共に使用されるべき場合、エリアストレージ44から読み出されたエリアは、使用される方法に応じて、高精度測位セクション46又は中精度測位セクション48に提供される。その後、最終決定された位置はさらなる報告のために制御セクション49に提供される。
【0095】
図18に関連して説明された構成は、典型的にセルラー通信ネットワーク(100)のノードに含まれる。そのようなノードは、例えば基地局、基地局コントローラ、無線ネットワークコントローラ、サービスモバイルロケーションセンタ、又はスタンドアローンサービスモバイルロケーションセンタであり得る。
【0096】
上述された実施形態は、本発明の実例となる少数の例として理解されるべきである。様々な修正、組合せ、及び変更が、本発明の範囲から逸脱することなくその実施形態になされ得ることが、当業者に理解されるであろう。特に、技術的に可能な他の構成において、異なる実施形態における異なる部分的解法を組み合わせることが可能である。一方、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0097】
<アペンディクスA>
[クラスタ化]
セルリレーション構成は、セルのアクティブリスト、すなわちソフトハンドオーバにおいてアクティブであるセル群に基づくことを前提とする。他のクラスタの選択ルールについても対応するモデリングが可能である。
【0098】
高精度の位置測定結果は、典型的にはWGS84地理的リファレンスシステムにおいて取得され表現される。時間tにおいて利用可能な測定結果は、次のように表わされる
【0099】
【数2】
【0100】
ここで、latj(tj)及びlongj(tj)は、それぞれ時間tiにおける測定された緯度及び経度を表す。N(t)は、時間tにおける利用可能な測定結果の総数を表す。()Tは、行列/ベクトルの転置を表す。
【0101】
同じ時間tj(いくらか適度に正確な時間の範囲内まで)において、セルリレーション構成はセルアイデンティティについてサンプリングされる。その結果は行ベクトル(又はポインタ)となる
【0102】
【数3】
【0103】
ここで、cIDl(tj)は、時間tjにおいて高精度測位が実行されたUEについて、例えばソフターハンドオーバにおいてl番目に強いセルのセルアイデンティティである。N(tj)は、時間tjにおけるセルリレーション構成におけるセルの数である。
【0104】
(2)に従って定義される、測定結果のクラスタ化のために使用される任意の候補のポインタは、ここで次のように表わされる
【0105】
【数4】
【0106】
ここで、Indexl(k)は(固定)ポインタkのl番目の成分であり、N(k)はポインタkの次元であり、Kはカウンタの数である。高精度の位置測定結果の対応するリストは、Listkによって表わされる。時間tにおいて:
【0107】
【数5】
【0108】
ここで、M(k,t)は時間tにおけるリストkの高精度の測定結果の数を表す。上述したように、事前に指定された閾値よりも古い測定結果は、各リストから破棄される。リストの最大サイズも事前に指定され得るものであり、その場合、新しい測定結果が届くと、最も古い測定結果がその古さに関係なく破棄される。
【0109】
時間tN(t)+1において新しい高精度の測定結果及び対応するセルリレーション構成が取得されると、クラスタ化アルゴリズムは次のように動作する:
【0110】
【数6】
【0111】
<アペンディクスB>
[ポリゴンの計算]
{表記法}
【0112】
効果的なアルゴリズムの説明を促進するために、次の表記法が必要となる:
【0113】
【数7】
【0114】
−特定のセルリレーション構成に対応する、1つの特定のポインタ。
【0115】
【数8】
【0116】
−WGS84緯度経度表記法における、セルリレーション構成pに対応するポリゴンの角。
【0117】
【数9】
【0118】
−基点をセルラーシステムのカバレッジエリアにおけるどこかに有する局所地球正接デカルト座標系(local earth tangential Cartesian coordinate system)における、セルリレーション構成pに対応するポリゴンの角。座標軸は通常東及び北とし、高度は無視される。
【0119】
【数10】
【0120】
−セルリレーション構成pに対応するポリゴンの角を決定するために使用される、高精度の測定結果。これは、pに対応するListkに登録されているうちの1つに対応する測定結果であるということに留意する。
【0121】
【数11】
【0122】
−セルリレーション構成pに対応するポリゴンの角を決定するために使用される、高精度の測定結果。高精度の測定結果は、上で使用される、基点をセルラーシステムのカバレッジエリアにおけるどこかに有する同じ局所地球正接デカルト座標系に変換される。
【0123】
【数12】
【0124】
−pに対応するポリゴンの、指定された確かさ。この値は、セルリレーション構成がpに対応する場合、そのポリゴン内にUEが位置する確率に相当する。
【0125】
【数13】
【0126】
−pに対応するポリゴンのエリア。
【0127】
【数14】
【0128】
−ポリゴンによって定義される領域。
【0129】
{座標変換}
手続は、pに対応する全ての高精度の測定結果を、全ての計算が実行される局所地球正接デカルト座標系に変換することから開始する。まだ変換されていない新しい測定結果のみ、処理される必要がある。
【0130】
{制約されたセルエリアの最小化問題}
ポリゴンの計算の背後にある原理は、次の3つのアイディアの影響を受ける。
【0131】
ポリゴンのエリアは可能な限り小さくすべきであり、それによって精度を最大化する。
【0132】
高精度の測定結果を利用可能とするために、信頼値の制約は維持されるべきである。
【0133】
ポリゴン上の基本的な幾何学的制約、特にポリゴンが自身と交差してはならず、最後に数えられる頂点が最初のもの(近さ)と接続される、という要件は維持されるべきである。
【0134】
その結果、次の最小化問題がポリゴンの角の計算について生じ得る:
【0135】
【数15】
【0136】
これは、非線形最適化問題である。次に、(5a−c)を厳密に解くのではなく、段階的な手法で近似的に解く直接的アプローチに基づくアルゴリズムを開示する
【0137】
{ポリゴンの縮小のアルゴリズム}
このアルゴリズムの主要なアイディアは、初期ポリゴンから開始し、当該初期ポリゴン内において特定のセルリレーション構成について集められた全ての高精度の測定結果を含むことである。その初期ポリゴンは、例えば高精度の測定結果の重心から計算されることができ、続いて全ての高精度の測定結果について、この重心からの最大距離が計算される。これは、全ての高精度の測定点を含む円を定義する。その後初期ポリゴンは、この円を含むように選択される。
【0138】
この最初のステップに続き、各ステップについてポリゴンの内部から1つの高精度の測定点が排除されるように、1つの選択されたポリゴンの頂点をその時点の重心へ向かって内側に移動することによって、ポリゴンのエリアは次第に縮小される。各ステップにおいて制約が維持されるのと同時にエリア縮小が全ての頂点にわたって最大化されるように、エリア縮小は実行される。
【0139】
{重心}
高精度の測定結果は(確率変数でない)点として処理されるため、重心は算術平均となる、すなわち、
【0140】
【数16】
【0141】
ここで、上付文字remは、ポリゴンの縮小のアルゴリズムによって縮小するポリゴンの内部からまだ除外されていない高精度の測定結果を示す。
【0142】
{初期化(initiation)}
アルゴリズムの初期化は、通常そのアルゴリズムのNp回の最初のステップにしか影響を及ぼさないため、ここでは保守的なアプローチがとられる。最初のステップは、重心からの最大距離を計算することである、すなわち、
【0143】
【数17】
【0144】
故に、ここで全ての高精度の測定結果は、重心からの距離rpの範囲内にある。有限数のポリゴンの頂点がこの円の周囲に広がっている場合、そのポリゴンが全ての高精度の測定点を含むという保証はないことに留意する。
【0145】
図10にあるように、円の周囲に対称的に広がった初期の点は引力がある(attractive)ため、半径rpの円を含む3つの角を有する最も単純なポリゴンを含むように、追加的な外側の円が決定される。その結果、初期ポリゴンの頂点は、半径Rpのこの外側の円の周囲に広がり得る。3という最小数の角によって定義されるポリゴンについて最大となる外側の円が取得されることは、幾何学的に明らかである。
【0146】
ここで図10を考慮すると、外側の半径は計算された内側の半径に関連し得る。幾何学的対称により、次のことが示される
【0147】
【数18】
【0148】
他の方策も当然可能である。
【0149】
{最大限の角の移動}
このサブセクションにおいて説明される計算は、それぞれの繰り返しのステップにおいて、縮小するポリゴンの内部に残っている高精度の測定点を考慮することに留意する。以下にあるように、これは(12)〜(21)及び(24)〜(26)について当てはまる。
【0150】
{高精度の測定点に関する移動}
所与の繰り返しのステップにおいて、内側への移動が最も有益であるポリゴンの角がいずれであるかを評価するため、まず最大の移動がどれほどであるかを決定することが必要である。これには、2つの制約を考慮する必要がある。
【0151】
重心へ向かう指定された方向に沿って特定の頂点が内側に移動される際ポリゴンから離れる2番目の高精度の点は、内側への移動を制約する。これにより、アルゴリズムの特定の繰り返しのステップにおいてポリゴンの内側に残っている全ての高精度の測定点にわたりサーチが必要となる。
【0152】
重心へ向かう指定された方向に沿って特定の頂点が内側に移動される際、交差される1番目のポリゴンの線分は、内側への移動を制約する。これにより、ポリゴンの(ポリゴンの頂点の間の)全ての線分にわたりサーチが必要となる。
【0153】
これら制約の両方をチェックする必要がある。これらが共に、内側への最大の移動を決定する。
【0154】
図11を参照すると、特定の高精度の測定点に関する最大のポリゴンの角の移動は次のように決定され得る。同図は、3つの隣接するポリゴンの角、rkp、rip、rlpを有する状況を示している。任意のナンバリングは、ポリゴンの頂点の最後と最初が接続されるという事実を覆う必要があることに起因する。
【0155】
次に、中央の点ripは重心に向かって内側へ、すなわちポリゴンの内部93へ、移動される。結果として、rkp及びrip並びにrip及びrlpを結ぶ線分92も移動する。移動のある時点において、考慮される高精度の測定点は、これらの2つの線分のいずれかによって交差される可能性があり−両方チェックする必要がある。
【0156】
暫定的な交差の点を決定するために、ripの移動は次のように計算される
【0157】
【数19】
【0158】
ここでαpは、rip(α)がripとrCGとの間を移動する際、0又は1の間で変化するスカラ変数である。これは数学的に線分を記述するための標準的な手法であることに留意する。またこの場合において、移動は重心を超えて広がり得ることにも留意する。
【0159】
考慮される高精度の測定点を伴って移動するポリゴン境界線の交差についての必要な(けれども十分でない)要件は、rip(αp)−rkp及びrjm,p−rkpが平行となる、又はrip(αp)−rlp及びrjm,p−rlpが平行となることである。平行なベクトル間の外積がゼロとなる事実を利用することで、αpの計算が可能となる。単純な代数によりその結果が得られる:
【0160】
【数20】
【0161】
下付文字は、評価の下に線分が定義されるポリゴンの頂点を示す。上付文字は、高精度の測定点のインデックスを表す。(13)及び(14)の両方が、アクティブな制約となる対象である。一方、これについての要件は次のとおりであることであることに留意する
【0162】
【数21】
【0163】
(15)及び(16)が成り立たない場合、対応する交差の方策は破棄される必要がある。
【0164】
(15)及び(16)が成り立つと仮定すると、ポリゴンの線分を限定する点の間に、その交差点が収まるかのチェックが残る。これは、次の方程式が満たされる必要があることを意味する、
【0165】
【数22】
【0166】
(13)及び(14)を導くベクトルは平行であるため、βpについて解く際、(17)及び(18)の座標のうち1つを考慮すれば十分である。その結果は:
【0167】
【数23】
【0168】
ripの移動に関し、点rjm,pの評価において必要とされる最終ロジックは、次のように簡単にまとめることができる。次を条件とする:
【0169】
【数24】
【0170】
ripとrkpとの間の線分について実現可能な最大の移動を表す。
【0171】
【数25】
【0172】
内側に向かう点を表すが、交差がripとrkpとの間の線分の外側にあるため、実現可能な最大の移動とは無関係である。この場合、内側への移動が、最小限の内側への移動を制限すべきでない。これは、αikj,p=αmaxと設定することにより遂行され、ここでαmaxは、10という大きい内側への移動である。
【0173】
【数26】
【0174】
ripとrkpとの間の線分について実現可能な最大の移動を表す。一方、それは外側への移動であるため、アルゴリズムは内側への移動について設計されているためそれはゼロに設定されるべきである。
【0175】
【数27】
【0176】
ripとrlpとの間の線分について実現可能な最大の移動を表す。
【0177】
【数28】
【0178】
内側に向かう点を表すが、交差がripとrkpとの間の線分の外側にあるため、実現可能な最大の移動とは無関係である。この場合、内側への移動が、最小限の内側への移動を制限すべきでない。これは、αilj,p=αmaxと設定することにより遂行され、ここでαmaxは、10という大きい内側への移動である。
【0179】
【数29】
【0180】
ripとrkpとの間の線分について実現可能な最大の移動を表す。一方、それは外側への移動であるため、アルゴリズムは内側への移動について設計されているためそれはゼロに設定されるべきである。
【0181】
αikj,p及びαilj,pの両方が実現可能な最大の移動である場合、最も小さい方が選択される。考慮される事例を次のようにまとめることができる:
【0182】
【数30】
【0183】
記載された事例のうちいくつかは起こり得ないものであることに留意する。これは、計算がこの文書の提示の順序に従って一貫した手法で実装される場合、あまり重要ではない。
【0184】
{ポリゴンの線分に関する移動}
(12)によって与えられる移動の線と、rmpとrnpとの間の線分との間の交差は、変数αi,mnp及びγmnpに関して解かれる次の連立方程式に対する解によって与えられ、ここで下付文字はその計算に関与する点を示す
【0185】
【数31】
【0186】
解は、ripに隣接する点について計算されない。さらに
【0187】
【数32】
【0188】
の場合、2つの線の間の交差は、rmpとrnpとの間の関連する線分の外側に収まる。この場合には、当該交差は角ripの評価において無視されるべきである。αi,mnp>0の要件も残っている。それぞれの頂点及びアルゴリズムの繰り返しのステップについて、(22)を一度だけしか解く必要がないことにも留意する。
【0189】
全体像を得るために、(22)はまずripに隣接する線分を除くすべての線分について解かれる。
【0190】
【数33】
【0191】
であるような、αi,mnpを最小値とする解は、次のように表わされる(その移動は内側へ向かうため、そのような解は常に存在することに留意する)
【0192】
【数34】
【0193】
{組み合わせ}
全ての高精度の測定点は、制約に関する限り同じ方向に沿って評価されるため、これらは直接組み合わせることができる。それぞれの繰り返しのステップについて、1点はポリゴンの内部から除外されるべきであるため、限定的な高精度の測定点がアクティブになる第2の点として選択されるべきであることにも留意する。故に、アクティブな制約となる高精度の測定点は(24)で与えられ、ここで(24)は次のように計算され得る
【0194】
【数35】
【0195】
対応する移動は、次のようになる
【0196】
【数36】
【0197】
最終的に結果(25)が、自身と交差する可能性により課される制約と組み合わされる。
【0198】
【数37】
【0199】
ここでεは、次の繰り返しのステップにおいて制約する点の外側でサーチが開始されるよう、制約がちょうどアクティブになることを防ぐ小さい数である。
【0200】
{取得されるポリゴンエリアの縮小}
図12に示されるポリゴンの各部の下におけるエリアの積分又は同等の計算によって、取得されるエリアの縮小が生じる。
【0201】
曲線の下におけるエリアは、長方形及び三角形のエリアの合計として計算され得るという事実を考慮すると、それは移動点及びその移動により影響を受ける隣接する点に関連するエリアでしかなく、従って移動の前後におけるエリアは次のように表わされ得る
【0202】
【数38】
【0203】
故に取得されるエリアの縮小は次によって与えられる
【0204】
【数39】
【0205】
このエリア縮小の指標の最大値は、Np個の角のうちいずれが特定の繰り返しにおいて移動すべきかを決定し、一方(12)及び(26)がその移動を決定する。
【0206】
{アルゴリズム}
下のアルゴリズムにおいて、Npm,remは、それぞれの角の移動の繰り返しのステップにおいて、ポリゴンの内部に残っている高精度の測定点の数を表す。そのとき1つの特定のセルリレーション構成pについて、ポリゴンの計算についてのアルゴリズムは次のようになる:
【0207】
初期化(initialization):
・クラスタの全ての高精度の測定結果の重心を計算(6)。
・重心からの最大距離rを計算(7)、(8)。
・円Rの周囲に分布する初期ポリゴンを計算(9)、(10)、(11)。
【0208】
エリア最小化:
【0209】
【数40】
【0210】
{頂点の位置の再画定}
ステップ1−ポリゴンの頂点の間の距離を計算
評価されるポリゴンの角は、次によって表される:
【0211】
【数41】
【0212】
ここで、角はデカルト座標系で表わされていることを前提とする。()Tは、ベクトル及び行列の転置を表す。そのとき、評価されるポリゴンの隣接する角の間の距離は、次のようになる:
【0213】
【数42】
【0214】
故に、ポリゴンの境界線の周囲における総距離は:
【0215】
【数43】
【0216】
同様に、隣接する点の間のベクトルは次のようになる
【0217】
【数44】
【0218】
ステップ2−通過すべき整数及びわずかな角の計算
再サンプリングは、角1において開始しその後次の角へベクトルを加算する手続によって実行されるため、各繰り返しにおいて、元のポリゴン上を通過する角の数、及び最後の角を通過後に進むべき次の角までの距離の割合を知っておくことが、必要な前提条件である。これらの量は次のスキームによって計算することができ、ここでnip,intは通過する角の数を表し、nip,fracはnip,intを通過後に加算するベクトルの割合を表す。インデックスiは、再サンプリングされるi番目の点を示す。量dp,targetは、i番目の新しい角を配置するためにポリゴン境界線の周囲を移動する距離であり、dp,accumulated及びdp,accumulated,newは、その角を配置する間に積算される、古い距離及び新しい距離である。アルゴリズムは:
【0219】
【数45】
【0220】
ステップ3−新しいポリゴンの角の計算
ポリゴンの再サンプリングされる角は、評価される元のポリゴンの最初の角において、最初に再サンプリングされる:
【0221】
【数46】
【0222】
次に、再サンプリングされる角は、次のようになる:
【0223】
【数47】
【0224】
ステップ4−再サンプリングされるポリゴンの内部の点及び確かさの計算
ポリゴンの角が変化しているため、ポリゴンも変化している。その結果、経験的な確かさの現行の値(評価されるポリゴンの内部の点であるクラスタの点の割合)もまた変化している。
【0225】
ポリゴンの縮小のアルゴリズムが実行し続ける、又は終了するために、クラスタの全ての点は、再サンプリングされるポリゴンの内部の点であるか否かについて、チェックされる必要がある。この後、ポリゴンの縮小のアルゴリズムの残りの内部の点は、これら新しい内部の点と共に再画定される。さらに、ポリゴンの縮小のアルゴリズムは、経験的な確かさの新しい値に関する情報を与えられる必要がある。
【0226】
それぞれのクラスタの点のチェックは、先行技術から知られている、所与の点が任意のポリゴンの内部の点であるかを決定するアルゴリズムによって行われる。このアルゴリズムは、その点を起点とし、チェックされるべき無限に伸びる検査線(直線)を形成することにより動作する。その後、当該検査線とポリゴンを形成する線分との間の交差の数が数えられる。交差の数が奇数である場合、線はいつか(有界の)ポリゴンから離れなければならず、故にその点はポリゴンの内部において開始していた必要がある、すなわち、当該検査される点は内部の点であるはずである。
【0227】
<アペンディクスC>
[弧上におけるポリゴンの画定]
ここで説明される実施形態は、アンテナの点の位置の代わりに、クラスタの重心へ向かう移動を代替することを基礎とする。RTT測定を伴う場合に関して後述する。一方、強く凸でないクラスタは、他の状況において生じ得る。その際、違いは別の“中心点”が選択される必要があり、そこへ/そこから角の移動が実行されることである。
【0228】
図14を参照して、厚さゼロの楕円の弧の形を説明する。見て分かるように、楕円の弧96は、中心点92、内側半径r1、内側半径と弧の幅r2との合計として定義される外側半径、並びに北方向に対する左側角度θ、及び左側角度と角度領域βとの合計として定義される右側角度、によって定義される。
【0229】
修正された画定を説明するため、次の表記法が導入される(簡明さのため、効果の周囲において角度に関するラップは起こらないと仮定する):
【0230】
【数48】
【0231】
クラスタpの高精度の測定結果を表す。さらに、そのクラスタの特定のRTT測定を伴うセルpにサービス提供するRBSのアンテナ位置は、次によって表わされる
【0232】
【数49】
【0233】
その結果、次が簡単に計算される
【0234】
【数50】
【0235】
これにより、量rmaxpは任意の高精度の測定結果のアンテナ位置までの最大距離である。量rminpは同様に任意の高精度の測定結果のアンテナ位置までの最小距離であり、θmaxpはアンテナ位置と任意の高精度の測定結果との間を結ぶ線の最大角度であり、及びθminpはアンテナ位置と任意の高精度の測定結果との間を結ぶ線の最小角度である。点が移動される際常にクラスタに当たることを確実にするため、角度はその後わずかに内側へ調節される。これは次のように表わされる
【0236】
【数51】
【0237】
ここでΔθは小さい角度である。2πを伴う角度の多義性を処理するための指標が追加される必要があることに留意する。
【0238】
正のスケール係数kmax>1及びkmin<1を定義すると、ポリゴンの初期の頂点は次のように計算できる
【0239】
【数52】
【0240】
NDivisionpは、外側の楕円の弧に元々位置しているポリゴンの点の数である。θip,0は、アンテナ位置及び個々のポリゴンの点を通って結ぶ線の角度群であり、xip,0及びyip,0はそのポリゴンの点の座標群である。角の移動についての原理をここで簡単に説明する。頂点rip,i=1,・・・,NDivisionpは、常にrCenterpに向かって内側に移動され、一方頂点rip,i=NDivisionp+1,・・・,Npは、常にrCenterpから外側に移動される。両方の場合において、移動はrCenterp及びその頂点を通過する線に制約される。この修正と共に、ポリゴンの縮小のアルゴリズムはまさに上述されたように動作する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルラー通信ネットワークにおいて位置決定支援データを提供するための方法であって:
ユーザ機器についてのセルリレーション構成を確立するステップと;
前記セルリレーション構成は、前記ユーザ機器への/からの信号が受信時に少なくとも特定の無線条件基準を満たすセルのセルアイデンティティを少なくとも含むことと;
前記ユーザ機器について高精度位置決定を実行するステップと;
前記確立するステップ及び前記実行するステップを複数回繰り返すステップと;
同じ前記セルリレーション構成に属する前記高精度位置決定の結果である点を別々の結果クラスタにクラスタ化するステップと;
ポリゴンを前記結果クラスタのうち少なくとも1つと関連付けるステップと;
前記関連付けるステップは:
前記結果クラスタのうちの第1の結果クラスタをポリゴンによって包囲するステップ;
前記第1の結果クラスタの前記高精度位置決定の結果を前記ポリゴン内において少なくとも予決定された割合となるよう維持しつつ、予決定された基準を改善するために前記ポリゴンの角の前記位置を定義されたパスに沿って変更するステップ;及び
前記ポリゴンの外周の小規模部分に集まる前記ポリゴンの角を是正するステップ;
を含むことと;
前記セルリレーション構成と前記ポリゴンとの間のリレーションを含む位置決定支援データを作成するステップと;
を含む方法。
【請求項2】
前記定義されたパスは、元の角の前記位置及び単一の点を通る曲線である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記単一の点は、前記ポリゴンの内部における前記第1の結果クラスタの前記高精度位置決定の結果についての重心であり、前記是正するステップ(250)は、前記第1の結果クラスタの高精度位置決定の結果を包囲するポリゴンの少なくとも1度の再画定を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
再画定される前記ポリゴンは、以前の前記ポリゴンの外周に沿って均一に分布する角を有するポリゴンであり、前記是正するステップは、さらに再計算を含み、元の前記クラスタにおける当該再計算の対象の点は、再画定される前記ポリゴンの内部に位置する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
再画定される前記ポリゴンは、再画定される前記ポリゴンの外周に沿って均一に分布する角を有し、及び前記第1の結果クラスタの残っている高精度位置決定の結果を包囲するポリゴンである、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
再画定される前記ポリゴンの前記角は楕円上に位置する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記再画定は断続的に実行される、請求項3〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記再画定は、前記変更するステップを予決定された回数繰り返した後に実行される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記再画定は、不均一な角の分布の指標が予決定された閾値を超える場合に実行される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記是正するステップは、前記第1の結果クラスタを包囲する前記ポリゴンの外側の点として前記単一の点を選択することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の結果クラスタを包囲する前記ポリゴンは、前記単一の点に中心が置かれた2つの楕円の弧の区画に位置する点を有するポリゴンである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記定義されたパスは、元の角の前記位置及び前記第1の結果クラスタの内部における第1の点を通る曲線であり、前記是正するステップは、各ポリゴンの角についての前記第1の点として前記第1の結果クラスタの内部における複数の点のうち最も近い点を選択することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記是正するステップは、2つの最も近い隣接する前記角までが等距離であるパスに漸近的に近付く曲線として前記定義されたパスを選択することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記是正するステップは、前記ポリゴンの外周の小規模部分に集まるポリゴンの角のうち少なくとも1つのポリゴンの角の削除を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記削除は、不均一な角の分布の指標が予決定された閾値を超える場合に実行される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記不均一な角の分布の指標は:
【数53】
であり、ここでdipは隣接する角の間の距離である、請求項9又は請求項15に記載の方法。
【請求項17】
関連付けられる前記ポリゴンのエリア指標は、前記変更するステップの間に最小化される、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記変更するステップは、1回で1つの角の位置を変更し、前記結果クラスタの前記高精度位置決定のうち2つではなく1つが前記ポリゴンの外側に配置されることを許容することを含む、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記クラスタ化するステップ、前記関連付けるステップ、及び前記作成するステップは、連続的又は断続的に実行される、請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
無線ネットワークプランニングのための方法であって:
請求項1〜19のいずれかに従って提供される位置決定支援データを取得するステップと;
前記高精度位置決定を実行するステップは、要求に応じて実行されることと;
実際の無線伝搬に関して前記位置決定支援データを評価するステップと;
を含む方法。
【請求項21】
セルラー通信ネットワークにおけるユーザ機器の位置を決定するための方法であって:
請求項1〜19のいずれかに従って提供される位置決定支援データを取得するステップと;
前記ユーザ機器についてのセルリレーション構成を確立するステップと;
前記セルリレーション構成は、前記ユーザ機器への/からの信号が受信時に少なくとも特定の無線条件基準を満たすセルのセルアイデンティティを少なくとも含むことと;
前記ユーザ機器が測位されるエリアの定義として、前記位置決定支援データによって、前記セルリレーション構成に関連するポリゴンを決定するステップと;
を含む方法。
【請求項22】
セルラー通信ネットワークにおいて位置決定支援データを提供するための構成であって:
ユーザ機器についてのセルリレーション構成を確立するための手段と;
前記セルリレーション構成は、前記ユーザ機器への/からの信号が受信時に少なくとも特定の無線条件基準を満たすセルのセルアイデンティティを少なくとも含むことと;
前記ユーザ機器について高精度位置決定を実行するための手段と;
同じ前記セルリレーション構成に属する複数の前記高精度位置決定の結果である点を別々の結果クラスタにクラスタ化するための手段と;
ポリゴンを前記結果クラスタのうち少なくとも1つと関連付けるための手段と;
前記関連付けるための手段は:
前記結果クラスタのうちの第1の結果クラスタをポリゴンによって包囲し;
前記第1の結果クラスタの前記高精度位置決定の結果を前記ポリゴン内において少なくとも予決定された割合となるよう維持しつつ、予決定された基準を改善するために前記ポリゴンの角の前記位置を定義されたパスに沿って変更し;及び
前記ポリゴンの外周の小規模部分に集まる前記ポリゴンの角を是正する;
ように構成されていることと;
前記セルリレーション構成と関連付けられる前記ポリゴンとの間のリレーションを含む位置決定支援データを作成するための手段と;
を含む構成。
【請求項23】
セルラー通信ネットワークにおけるユーザ機器の位置を決定するための構成であって:
請求項22に係る位置決定支援データを提供するための構成と;
前記ユーザ機器についてのセルリレーション構成を確立するための手段と;
前記セルリレーション構成は、前記ユーザ機器への/からの信号が受信時に少なくとも特定の無線条件基準を満たすセルのセルアイデンティティを少なくとも含むことと;
前記ユーザ機器が測位されるエリアの定義として、前記位置決定支援データによって、前記セルリレーション構成に関連するポリゴンを決定するための手段と;
を含む構成。
【請求項24】
請求項22又は請求項23に係る構成を含む、セルラー通信ネットワークのノード。
【請求項25】
基地局;
基地局コントローラ;
無線ネットワークコントローラ;
サービスモバイルロケーションセンタ;及び
スタンドアローンサービスモバイルロケーションセンタ;
のリストから選択されるノードである、請求項24に記載のノード。
【請求項26】
請求項22又は請求項23に係る構成を含む、セルラー通信ネットワーク。
【請求項27】
請求項1〜21のいずれかに従って提供される位置決定支援データを含む、コンピュータにより読取可能な媒体。
【請求項1】
セルラー通信ネットワークにおいて位置決定支援データを提供するための方法であって:
ユーザ機器についてのセルリレーション構成を確立するステップと;
前記セルリレーション構成は、前記ユーザ機器への/からの信号が受信時に少なくとも特定の無線条件基準を満たすセルのセルアイデンティティを少なくとも含むことと;
前記ユーザ機器について高精度位置決定を実行するステップと;
前記確立するステップ及び前記実行するステップを複数回繰り返すステップと;
同じ前記セルリレーション構成に属する前記高精度位置決定の結果である点を別々の結果クラスタにクラスタ化するステップと;
ポリゴンを前記結果クラスタのうち少なくとも1つと関連付けるステップと;
前記関連付けるステップは:
前記結果クラスタのうちの第1の結果クラスタをポリゴンによって包囲するステップ;
前記第1の結果クラスタの前記高精度位置決定の結果を前記ポリゴン内において少なくとも予決定された割合となるよう維持しつつ、予決定された基準を改善するために前記ポリゴンの角の前記位置を定義されたパスに沿って変更するステップ;及び
前記ポリゴンの外周の小規模部分に集まる前記ポリゴンの角を是正するステップ;
を含むことと;
前記セルリレーション構成と前記ポリゴンとの間のリレーションを含む位置決定支援データを作成するステップと;
を含む方法。
【請求項2】
前記定義されたパスは、元の角の前記位置及び単一の点を通る曲線である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記単一の点は、前記ポリゴンの内部における前記第1の結果クラスタの前記高精度位置決定の結果についての重心であり、前記是正するステップ(250)は、前記第1の結果クラスタの高精度位置決定の結果を包囲するポリゴンの少なくとも1度の再画定を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
再画定される前記ポリゴンは、以前の前記ポリゴンの外周に沿って均一に分布する角を有するポリゴンであり、前記是正するステップは、さらに再計算を含み、元の前記クラスタにおける当該再計算の対象の点は、再画定される前記ポリゴンの内部に位置する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
再画定される前記ポリゴンは、再画定される前記ポリゴンの外周に沿って均一に分布する角を有し、及び前記第1の結果クラスタの残っている高精度位置決定の結果を包囲するポリゴンである、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
再画定される前記ポリゴンの前記角は楕円上に位置する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記再画定は断続的に実行される、請求項3〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記再画定は、前記変更するステップを予決定された回数繰り返した後に実行される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記再画定は、不均一な角の分布の指標が予決定された閾値を超える場合に実行される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記是正するステップは、前記第1の結果クラスタを包囲する前記ポリゴンの外側の点として前記単一の点を選択することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の結果クラスタを包囲する前記ポリゴンは、前記単一の点に中心が置かれた2つの楕円の弧の区画に位置する点を有するポリゴンである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記定義されたパスは、元の角の前記位置及び前記第1の結果クラスタの内部における第1の点を通る曲線であり、前記是正するステップは、各ポリゴンの角についての前記第1の点として前記第1の結果クラスタの内部における複数の点のうち最も近い点を選択することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記是正するステップは、2つの最も近い隣接する前記角までが等距離であるパスに漸近的に近付く曲線として前記定義されたパスを選択することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記是正するステップは、前記ポリゴンの外周の小規模部分に集まるポリゴンの角のうち少なくとも1つのポリゴンの角の削除を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記削除は、不均一な角の分布の指標が予決定された閾値を超える場合に実行される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記不均一な角の分布の指標は:
【数53】
であり、ここでdipは隣接する角の間の距離である、請求項9又は請求項15に記載の方法。
【請求項17】
関連付けられる前記ポリゴンのエリア指標は、前記変更するステップの間に最小化される、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記変更するステップは、1回で1つの角の位置を変更し、前記結果クラスタの前記高精度位置決定のうち2つではなく1つが前記ポリゴンの外側に配置されることを許容することを含む、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記クラスタ化するステップ、前記関連付けるステップ、及び前記作成するステップは、連続的又は断続的に実行される、請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
無線ネットワークプランニングのための方法であって:
請求項1〜19のいずれかに従って提供される位置決定支援データを取得するステップと;
前記高精度位置決定を実行するステップは、要求に応じて実行されることと;
実際の無線伝搬に関して前記位置決定支援データを評価するステップと;
を含む方法。
【請求項21】
セルラー通信ネットワークにおけるユーザ機器の位置を決定するための方法であって:
請求項1〜19のいずれかに従って提供される位置決定支援データを取得するステップと;
前記ユーザ機器についてのセルリレーション構成を確立するステップと;
前記セルリレーション構成は、前記ユーザ機器への/からの信号が受信時に少なくとも特定の無線条件基準を満たすセルのセルアイデンティティを少なくとも含むことと;
前記ユーザ機器が測位されるエリアの定義として、前記位置決定支援データによって、前記セルリレーション構成に関連するポリゴンを決定するステップと;
を含む方法。
【請求項22】
セルラー通信ネットワークにおいて位置決定支援データを提供するための構成であって:
ユーザ機器についてのセルリレーション構成を確立するための手段と;
前記セルリレーション構成は、前記ユーザ機器への/からの信号が受信時に少なくとも特定の無線条件基準を満たすセルのセルアイデンティティを少なくとも含むことと;
前記ユーザ機器について高精度位置決定を実行するための手段と;
同じ前記セルリレーション構成に属する複数の前記高精度位置決定の結果である点を別々の結果クラスタにクラスタ化するための手段と;
ポリゴンを前記結果クラスタのうち少なくとも1つと関連付けるための手段と;
前記関連付けるための手段は:
前記結果クラスタのうちの第1の結果クラスタをポリゴンによって包囲し;
前記第1の結果クラスタの前記高精度位置決定の結果を前記ポリゴン内において少なくとも予決定された割合となるよう維持しつつ、予決定された基準を改善するために前記ポリゴンの角の前記位置を定義されたパスに沿って変更し;及び
前記ポリゴンの外周の小規模部分に集まる前記ポリゴンの角を是正する;
ように構成されていることと;
前記セルリレーション構成と関連付けられる前記ポリゴンとの間のリレーションを含む位置決定支援データを作成するための手段と;
を含む構成。
【請求項23】
セルラー通信ネットワークにおけるユーザ機器の位置を決定するための構成であって:
請求項22に係る位置決定支援データを提供するための構成と;
前記ユーザ機器についてのセルリレーション構成を確立するための手段と;
前記セルリレーション構成は、前記ユーザ機器への/からの信号が受信時に少なくとも特定の無線条件基準を満たすセルのセルアイデンティティを少なくとも含むことと;
前記ユーザ機器が測位されるエリアの定義として、前記位置決定支援データによって、前記セルリレーション構成に関連するポリゴンを決定するための手段と;
を含む構成。
【請求項24】
請求項22又は請求項23に係る構成を含む、セルラー通信ネットワークのノード。
【請求項25】
基地局;
基地局コントローラ;
無線ネットワークコントローラ;
サービスモバイルロケーションセンタ;及び
スタンドアローンサービスモバイルロケーションセンタ;
のリストから選択されるノードである、請求項24に記載のノード。
【請求項26】
請求項22又は請求項23に係る構成を含む、セルラー通信ネットワーク。
【請求項27】
請求項1〜21のいずれかに従って提供される位置決定支援データを含む、コンピュータにより読取可能な媒体。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2010−524292(P2010−524292A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−500868(P2010−500868)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【国際出願番号】PCT/SE2007/050189
【国際公開番号】WO2008/118052
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【国際出願番号】PCT/SE2007/050189
【国際公開番号】WO2008/118052
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]