説明

強誘電性液晶装置

【課題】強誘電性液晶パネルを汎用の液晶ドライバ内蔵型マイクロコンピュータで駆動することによって構成が簡単で制御も容易な強誘電性液晶装置を提供する。
【解決手段】複数のコモン出力端子COM1〜COM4と複数のセグメント出力端子SEG1〜SEGnを有するマイコン10と、強誘電性液晶パネル30とを備え、マイコン10の一つのコモン出力端子COM1を強誘電性液晶パネル30のコモン電極C1に接続し、セグメント出力端子を強誘電性液晶パネル30の複数のセグメント電極S1〜S6に接続し、マイコン10の液晶駆動モードを1/2デューティーモードに設定して、強誘電性液晶パネルを駆動する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汎用の液晶ドライバ内蔵型マイクロコンピュータを用いて強誘電性液晶パネルを駆動する強誘電性液晶装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、メモリ性効果を有する強誘電性液晶が盛んに研究開発され、低消費電力の特徴を生かして表示装置や液晶シャッター等に用いられている。しかし、強誘電性液晶の動作は、TN型液晶とは異なっており、特殊な駆動電圧を印加して駆動する必要がある。ここで、公知ではあるが本発明を理解する助けとなるので、強誘電性液晶パネルの構成と動作について概略を以下説明する。
【0003】
まず、強誘電性液晶パネルの構成の概略を図7に基づいて説明する。図7(a)は強誘電性液晶パネルの偏光板配置の構成を模式的に示した平面図である。図7(a)において、強誘電性液晶パネル120は、クロスニコルに合わせた偏光板121a、121bの間に、偏光板121aの偏光軸Cと偏光板121bの偏光軸Dのどちらか一方と、液晶分子の第1の安定状態(矢印E)もしくは、第2の安定状態(矢印F)のときの分子長軸方向のどちらかとが、ほぼ平行になるように液晶層122を配置する。ここで、図7(a)においては、偏光板121aの偏光軸Cと第1の安定状態(矢印E)のときの分子長軸方向が、ほぼ平行になるように配置されている。
【0004】
次に図7(b)は、強誘電性液晶パネル120の構造を模式的に示した断面図である。図7(b)において、強誘電性液晶パネル120は、少なくとも二つの安定状態を持つメモリ性液晶である液晶層122を挟持する一対のガラス基板123a、123bから構成される。また、このガラス基板123aと123bはシール材126によって固着されている。そして、ガラス基板123a、123bの対向面には駆動電極としてのコモン電極124と、複数のセグメント電極125が設けられており、その上に配向膜127a、127bが蒸着されている。
【0005】
さらに一方のガラス基板123aの外側には、前述したように、液晶層122の液晶分子の第1もしくは第2の安定状態の時の分子長軸方向が平行になるように第1の偏光板121aが設けられており、他方のガラス基板123bの外側には、第1の偏光板121aの偏光軸と90度異なるようにして第2の偏光板121bが設けられている。
【0006】
次に、強誘電性液晶パネル120の動作の概略を図8によって説明する。図8は強誘電性液晶パネル120のコモン電極124とセグメント電極125に印加する駆動電圧に対する光透過率Lの変化を示している。ここで、強誘電性液晶のスイッチング、つまり一方の安定状態から他方の安定状態への転移は、駆動電圧のパルス幅値とパルス高値との積の値が閾値以上の値となる電圧を強誘電性液晶に印加した場合にのみ起こる。そして、強誘電性液晶パネル120は駆動電圧の極性の違いによって、第1の安定状態(非透過(黒)表示)か、第2の安定状態(透過(白)表示)かのいずれかが選択される。
【0007】
ここで、駆動電圧をプラス方向に増加させたとき、光透過率Lが変化し始める電圧値を+Va、光透過率Lの変化が飽和する電圧値を+Vtとする。次に駆動電圧を減少させ、さらに逆極性のマイナス方向に電圧を増加させて光透過率Lが減少し始める電圧値を−Va、光透過率Lの変化が飽和する電圧値を−Vtとする。このように強誘電性液晶パネル120は、強誘電性液晶分子の閾値以上の駆動電圧(すなわち+Vt以上のプラス印加電圧)が印加された場合に第2の安定状態が選択され、また、強誘電性液晶分子の逆極性の
閾値以上の駆動電圧(すなわち−Vt以上のマイナス印加電圧)が印加された場合は、第1の安定状態が選択される。そして、その後、駆動電圧が0Vになってもメモリ性効果によって、それぞれの安定状態は維持される。
【0008】
この結果、図7(a)に示すように偏光板121a、121bを配置すると、第2の安定状態で白表示(透過状態)、第1の安定状態で黒表示(非透過状態)となる。尚、偏光板121a、121bの配置を変えることにより、第2の安定状態で黒表示(非透過状態)、第1の安定状態で白表示(透過状態)とすることも出来る。
【0009】
このように、強誘電性液晶パネルはメモリ性効果を有するため、表示内容を変化させるときだけプラス又はマイナスの電圧を印加し、安定状態では駆動電圧を0Vに出来るので、消費電力が極めて少ない液晶装置を実現することが出来る。しかし、強誘電性液晶パネルの駆動波形は特殊であるために、強誘電性液晶パネル専用の液晶ドライバICを開発する必要があり、製品のコスト高や、開発期間が長期化して迅速な製品化が出来ないなどの問題があった。
【0010】
このため、汎用の液晶パネル駆動LSIを使用して強誘電性液晶パネルを駆動する駆動方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に開示されている従来の強誘電性液晶パネルの駆動方法の概略を図9に基づいて説明する。図9において、従来の強誘電性液晶装置100は、コントローラ101、汎用の液晶パネル駆動LSIであるコモン駆動IC102、汎用の液晶パネル駆動LSIであるセグメント駆動IC103、液晶電源回路110、強誘電性液晶パネル120などによって構成されている。
【0011】
ここで、コントローラ101は、コモン表示データDcomとコモン交流化信号Mcomをコモン駆動IC102に出力し、セグメント表示データDsegとセグメント交流化信号Msegをセグメント駆動IC103に出力する。また、液晶電源回路110からは5つの電圧が出力して、コモン駆動IC102には電圧V1c、V0、V2cが入力し、セグメント駆動IC103には電圧V1s、V0、V2sが入力される。これにより、強誘電性液晶パネル120は、コモン駆動IC102とセグメント駆動IC103によって駆動され、表示動作を行う。これにより、強誘電性液晶パネルを汎用の液晶パネル駆動LSIで駆動できるので、強誘電性液晶用として新規に駆動LSIを開発する必要がないことが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平02−236519号公報(第14頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、特許文献1の従来の強誘電性液晶パネルの駆動方法は、汎用の液晶パネル駆動LSIが2個、コントローラ(マイクロコンピュータ)、5値の電圧を出力する液晶電源回路が個別に必要であり、部品点数が多く、構成が複雑で小型化できない。また、二つの液晶パネル駆動LSIをそれぞれ制御するために、多くの制御信号をコントローラで生成する必要があり、プログラムが複雑で表示制御が難しいという問題がある。
【0014】
本発明の目的は上記課題を解決し、強誘電性液晶パネルを汎用の液晶ドライバ内蔵型マイクロコンピュータで駆動することによって構成が簡単で制御も容易な強誘電性液晶装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の強誘電性液晶装置は、下記記載の構成を採用する。
【0016】
本発明の強誘電性液晶装置は、複数のコモン出力端子と複数のセグメント出力端子を有する液晶ドライバ内蔵型マイクロコンピュータと、強誘電性液晶パネルと、を備え、液晶ドライバ内蔵型マイクロコンピュータの一つのコモン出力端子を強誘電性液晶パネルのコモン電極に接続し、複数のセグメント出力端子を強誘電性液晶パネルの複数のセグメント電極に接続し、且つ、液晶ドライバ内蔵型マイクロコンピュータは液晶駆動モードを1/2デューティーモードに設定し、表示データDと交流化信号Mの二つの制御信号に基づいて強誘電性液晶パネルを駆動することを特徴とする。
【0017】
また、液晶ドライバ内蔵型マイクロコンピュータは、V1、V2、VSS(V1>V2>VSS)の3値の電圧をコモン駆動電圧又はセグメント駆動電圧として出力する電源回路を有し、強誘電性液晶パネルのコモン電極に接続されるコモン出力端子が選択期間であるとき、コモン出力端子は交流化信号Mが論理“1”のとき電圧VSS、交流化信号Mが論理“0”のとき電圧V1、となるコモン駆動電圧が出力され、コモン出力端子が非選択期間であるとき、コモン出力端子は電圧V2、となるコモン駆動電圧が出力され、セグメント出力端子は表示データDと交流化信号Mの組み合わせ(D,M)が、(0,0)または(1,1)のとき電圧V1、(0,1)または(1,0)のとき電圧VSS、となるセグメント駆動電圧が出力されることを特徴とする。
【0018】
また、コモン出力端子が選択される選択期間は強誘電性液晶パネルのリセット期間であって表示データDは論理“1”であり、コモン出力端子が選択されない非選択期間は、強誘電性液晶パネルの書き込み期間であって表示データDは、表示内容に基づいて論理“1”または“0”であることを特徴とする。
【0019】
また、書き込み期間終了後のコモン出力端子とセグメント出力端子は、同電位のコモン駆動電圧とセグメント駆動電圧が出力されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
上記の如く本発明によれば、特殊な駆動波形が必要な強誘電性液晶パネルを1チップで構成される汎用の液晶ドライバ内蔵型マイクロコンピュータを用いて駆動できるので、構成が極めて簡単であり、部品点数が少なく小型化しやすく、特に小規模な強誘電性液晶装置に好適である。また、表示データDと交流化信号Mの二つの制御信号だけで表示制御が可能であり、表示制御プログラムが簡単で扱いやすい強誘電性液晶装置を実現することが出来る。
【0021】
また、汎用のマイクロコンピュータによって強誘電性液晶パネルを駆動できるので、強誘電性液晶用として新規に駆動LSIを開発する必要がなく、迅速な製品化が可能であると共に、仕様変更等にも即対応できる強誘電性液晶装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態の強誘電性液晶装置の全体構成の概略を示す回路ブロック図である。
【図2】本発明の実施形態の強誘電性液晶装置の液晶ドライバ内蔵型マイクロコンピュータの液晶ドライバの内部構成を示す回路ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態の強誘電性液晶装置の1/2デューティーモードと1/3デューティーモードの動作を説明する説明図である。
【図4】本発明の実施形態の強誘電性液晶装置のセグメントドライバとコモンドライバの動作を説明する動作表である。
【図5】本発明の実施形態の強誘電性液晶装置の表示動作順序を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態の強誘電性液晶装置の駆動波形の一例を示すタイミングチャートである。
【図7】従来の強誘電性液晶パネルの構造を示す説明図である。
【図8】従来の強誘電性液晶パネルの光透過率特性を示す説明図である。
【図9】従来の強誘電性液晶装置の概略を示す回路ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下図面により本発明の実施の形態を詳述する。
【0024】
[本発明の強誘電性液晶装置の全体構成の説明]
まず、本発明の強誘電性液晶装置に係わる全体構成の概略を図1の回路ブロック図によって説明する。図1において、1は本発明の強誘電性液晶装置であり、汎用の液晶ドライバ内蔵型マイクロコンピュータ10(以下、マイコン10と略す)と、強誘電性液晶パネル30によって構成される。
【0025】
ここで、強誘電性液晶パネル30は、従来例で示した強誘電性液晶パネル120と同様な構成であるので詳細な説明は省略するが、この強誘電性液晶パネル30は一つのコモン電極C1と、このコモン電極C1に対向する複数のセグメント電極S1〜S6を有している。尚、このセグメント電極数は一例であり、強誘電性液晶パネルの仕様に応じて任意に決定して良い。
【0026】
また、マイコン10は内部に、マイコン10の全体の制御と演算を行うCPU11、プログラム等を記憶するROM12、データ等を一時的に記憶するRAM13、汎用のTN型液晶パネルを駆動する液晶ドライバ20などを備えている。また、15は内部バスであり、CPU11、ROM12、RAM13、液晶ドライバ20等を接続して、マイコン10の内部情報の伝達を行う。
【0027】
また、液晶ドライバ20は、複数のコモン出力端子COM1〜COM4と、複数のセグメント出力端子SEG1〜SEGnとを有し、図示しない出力ポートを介して外部に出力している。そして、複数のコモン出力端子の中から、一つの端子であるコモン出力端子COM1を強誘電性液晶パネル30のコモン電極C1に接続する。また、複数のセグメント出力端子SEG1〜SEG6を強誘電性液晶パネル30のセグメント電極S1〜S6にそれぞれ接続する。
【0028】
[液晶ドライバの内部構成の説明]
次に液晶ドライバ20の内部構成を図2に基づいて説明する。図2において、21は表示制御回路であり、図示しないが複数のレジスタや表示タイミングジェネレータ等によって構成され、内部バス15から表示制御コードを入力して、交流化信号M、電源制御信号P1、シフトクロックP2、メモリ制御信号P3、ラッチクロックP4、選択制御信号P5等を出力する。
【0029】
22は表示メモリであり、RAM等によって構成され、メモリ制御信号P3と内部バス15からの表示データDを入力してセグメント出力端子SEG1〜SEGnに出力する表示情報を一時的に記憶し、記憶表示データD´を出力する。
【0030】
23はシリアル入力/パラレル出力のシフトレジスタであり、シフトクロックP2のタイミングで記憶表示データD´を入力して記憶し、記憶した記憶表示データD´と交流化信号Mに基づいたパラレル出力であるセグメント表示データDsを出力する。尚、シフトレジスタ23のビット数は、セグメント出力端子SEG1〜SEGnの本数に等しい数を備えている。
【0031】
24はセグメントドライバであり、シフトレジスタ23からのセグメント表示データDsを入力して内部でレベルシフトを行い、セグメント駆動電圧SEG1〜SEGnを出力する。尚、セグメント駆動電圧SEG1〜SEGnは、マイコン10のセグメント出力端子SEG1〜SEGnからそれぞれ出力される駆動電圧であるので、同一符号で示している。
【0032】
また、25はコモンデータラッチであり、交流化信号M、ラッチクロックP4、選択制御信号P5を入力して、コモンデータDcを出力する。また、26はコモンドライバであり、コモンデータDcを入力してコモン駆動電圧COM1〜COM4を出力する。尚、コモン駆動電圧の出力数は限定されず、本発明においては二つ、すなわち、1/2デューティーモードが選択できれば良い。また、コモン駆動電圧COM1〜COM4は、マイコン10のコモン出力端子COM1〜COM4からそれぞれ出力される駆動電圧であるので、同一符号で示している。
【0033】
次に27は電源回路であり、電源制御信号P1を入力して電圧V1、V2、VSSを出力する。尚、各電圧の値は、V1>V2>VSSの関係にあり、また、電圧VSSは0Vであり、電圧V2は電圧V1の約1/2の電圧値であると良い。これらの電圧V1、V2、VSSは、図示しないがセグメントドライバ24とコモンドライバ26に接続されて、セグメント駆動電圧SEG1〜SEGnとコモン駆動電圧COM1〜COM4の電源となる。
【0034】
[本発明の強誘電性液晶装置の基本動作の説明]
次に、本発明の強誘電性液晶装置の基本的な動作の概略を図1〜図4に基づいて説明する。図1において、マイコン10のCPU11は、ROM12に格納されているプログラムを内部バス15を介して読み込み、プログラムに従って動作を実行する。ここで、読み込まれたプログラムが、液晶ドライバ20を制御して強誘電性液晶パネル30に表示情報を表示する表示制御プログラムであったとすると、CPU11は、RAM13から強誘電性液晶パネル30に表示する表示情報を読み出し、この表示情報を表示するために内部バス15を介して、表示制御コードと表示情報を液晶ドライバ20に転送する。
【0035】
次に液晶ドライバ20の動作を図2に基づいて説明する。液晶ドライバ20の表示制御回路21は、CPU11からの表示制御コードを内部バス15を介して入力すると、まず、液晶駆動モードを1/2デューティーモードに設定する。また、表示制御回路21は、設定された1/2デューティーモードに基づいて交流化信号M、電源制御信号P1、シフトクロックP2、メモリ制御信号P3、ラッチクロックP4、選択制御信号P5等を出力する。
【0036】
次に表示メモリ22は、メモリ制御信号P3によって内部バス15を介して表示情報である表示データDを入力し、内部に一時記憶する。そして、表示メモリ22は、記憶した表示データDをメモリ制御信号P3のタイミングで記憶表示データD´としてシフトレジ
スタ23に順次出力する。
【0037】
また、電源回路27は、電源制御信号P1によって動作を開始し、強誘電性液晶パネル30を駆動するために電圧V1、V2、VSSをセグメントドライバ24とコモンドライバ26に出力する。
【0038】
シフトレジスタ23は、シフトクロックP2のタイミングに同期して記憶表示データD´をシリアル入力して記憶し、記憶された記憶表示データD´と交流化信号Mを論理合成してセグメント表示データDsとしてパラレル出力する。
【0039】
また、セグメントドライバ24は、シフトレジスタ23からのセグメント表示データDsを入力し、その論理に基づいて電圧V1とVSSを切り替えてセグメント駆動電圧SEG1〜SEGnを出力する。尚、セグメントドライバ24の動作の詳細は後述する。
【0040】
次にコモンデータラッチ25は、交流化信号Mと選択制御信号P5を入力し、ラッチクロックP4のタイミングで記憶して、コモンデータDcとして出力する。ここで、前述したように液晶駆動モードが1/2デューティーモードに設定されているので、選択制御信号P5はコモンデータラッチ25を制御して、コモン駆動電圧COM1とCOM2が時分割に交互に選択されるようにコモンデータDcを出力する。
【0041】
また、コモンドライバ26は、コモンデータラッチ25からのコモンデータDcを入力し、その論理に基づいて電圧V1、V2、VSSを切り替えてコモン駆動電圧COM1〜COM4を出力する。尚、コモンドライバ26の動作の詳細は後述する。
【0042】
次に、液晶駆動モードの1/2デューティーモードを図3によって説明する。図3(a)は、本発明の強誘電性液晶装置の液晶駆動モードである1/2デューティーモードの動作を示している。この1/2デューティーモードは、図示するように、コモン駆動電圧COM1とCOM2は、1フレーム内で選択期間と非選択期間が交互に入れ替わって動作する。すなわち、コモン駆動電圧COM1が選択期間であればコモン駆動電圧COM2は非選択期間であり、コモン駆動電圧COM1が非選択期間であればコモン駆動電圧COM2は選択期間となる。また、コモン駆動電圧COM3とCOM4は、使用されないので常に非選択状態が継続する。
【0043】
また、図3(b)は、参考として1/3デューティーモードの動作を示している。この1/3デューティーモードは、図示するように、コモン駆動電圧COM1〜COM3は1フレーム内で選択期間が順次シフトし、コモン駆動電圧COM4は、常に非選択状態が継続する。この1/3デューティーモードは本発明に適応されず、本発明は液晶駆動モードを1/2デューティーモードで動作させることが特徴である。
【0044】
次にセグメントドライバ24とコモンドライバ26の動作を図4の動作表によって説明する。ここで、セグメントドライバ24は、セグメント表示データDsの論理によって電圧を切り替えるが、セグメント表示データDsは、前述したように交流化信号Mと記憶表示データD´に基づいた情報であり、また、記憶表示データD´は、表示データDが表示メモリ22で記憶された情報である。これにより、セグメントドライバ24の動作は表示データDと交流化信号Mの論理によって決定され、図4(a)は、セグメントドライバ24が表示データDと交流化信号Mの論理によってどのように電圧V1、VSSを切り替えるかを示している。
【0045】
図4(a)において、表示データDと交流化信号Mの組み合わせ(D,M)が(0,0)のときセグメント駆動電圧は電圧V1となり、(0,1)のときセグメント駆動電圧は
電圧VSSとなり、(1,0)のときセグメント駆動電圧は電圧VSSとなり、(1,1)のときセグメント駆動電圧は電圧V1となる。
【0046】
また、コモンドライバ26は、コモンデータDcの論理に基づいて電圧V1、V2、VSSを切り替えるが、液晶駆動モードが1/2デューティーモードに設定されているので、前述したように、二つのコモン駆動電圧COM1とCOM2が選択期間と非選択期間を交互に切り替えられて動作する。そして、それぞれの期間の中で交流化信号Mの論理が反転を繰り返す。
【0047】
ここで、図4(b)は、コモンドライバ26が選択期間と非選択期間、及び、交流化信号Mによって、電源V1、V2、VSSをどのように切り替えてコモン駆動電圧COM1を出力するかを示している。
【0048】
図4(b)において、コモン駆動電圧COM1が選択期間であり、交流化信号Mが論理“0”のときコモン駆動電圧COM1は電圧V1となり、交流化信号Mが論理“1”のときコモン駆動電圧COM1は電源VSSとなる。また、コモン駆動電圧COM1が非選択期間である場合は、交流化信号Mの論理に関わりなくコモン駆動電圧COM1は電圧V2となる。ここで本発明は、1/2デューティーモードにおいて、非選択期間でコモン駆動電圧COM1が電圧V2になることを利用して強誘電性液晶パネルを駆動する。
【0049】
尚、本発明において選択期間は、強誘電性液晶パネル30の表示状態を白又は黒にリセットするリセット期間として動作し、非選択期間は、強誘電性液晶パネル30に表示情報を書き込むための書き込み期間として動作するが、選択期間、及び非選択期間の動作の詳細は後述する。
【0050】
[本発明の強誘電性液晶装置の表示動作順序の説明]
次に本発明の強誘電性液晶装置の表示動作順序を図5のフローチャートによって説明する。尚、強誘電性液晶装置1の構成として図1と図2の回路ブロック図を参照する。まず、マイコン10のCPU11から液晶ドライバ20に表示制御コードと表示情報が送られると、液晶ドライバ20は初期化を実行する(ステップST1)。ここで、液晶ドライバ20の表示制御回路21は内蔵する各レジスタを初期化し、液晶駆動モードを1/2デューティーモードに設定すると共に、電源回路27をONさせて電圧V1、V2、VSSを出力する。
【0051】
次にCPU11は、強誘電性液晶パネル30に表示する表示データDを送出し、液晶ドライバ20の表示メモリ22はその表示データDを読み込み、強誘電性液晶パネル30が表示する表示情報を記憶する(ステップST2)。
【0052】
次に液晶ドライバ20の表示制御回路21は、交流化信号M、選択制御信号P5等を出力してコモン駆動電圧COM1の選択期間を実行する(ステップST3)。このコモン駆動電圧COM1の選択期間は、強誘電性液晶パネル30のリセット期間として用いられ、交流化信号Mに基づいてコモン駆動電圧COM1とセグメント駆動電圧SEG1〜SEGnが出力される。これにより、強誘電性液晶パネル30はリセットされる。
【0053】
次に液晶ドライバ20の表示制御回路21は、交流化信号M、選択制御信号P5等を出力してコモン駆動電圧COM1の非選択期間を実行する(ステップST4)。このコモン駆動電圧COM1の非選択期間は、強誘電性液晶パネル30に表示情報を書き込むための書き込み期間として用いられ、交流化信号Mと表示データDに基づいてセグメント駆動電圧SEG1〜SEGnが出力される。これにより、強誘電性液晶パネル30は、表示の書き込みが行われる。
【0054】
次に液晶ドライバ20の表示制御回路21は、非選択期間が終了すると動作を停止して保持期間に移行する(ステップST5)。この保持期間では交流化信号Mが停止し、電源回路27もOFFするので、液晶ドライバ20の消費電力は極めて少ない状態が維持される。
【0055】
次にCPU11は、強誘電性液晶パネル30の表示の書き換えが新にあるかどうかを判定する(ステップST6)。ここで、否定判定(書き換え無し)であれば、ステップST5へ戻って保持期間を継続する。また、肯定判定(書き換え有り)であれば、ステップST2へ戻り、新たな表示データDを液晶ドライバ20に送出し、コモン駆動電圧COM1の選択期間と非選択期間を再び実行する。
【0056】
このように、本発明の強誘電性液晶装置の表示動作は、1フレームのコモン駆動電圧COM1の選択期間と非選択期間だけによって、強誘電性液晶パネル30のリセットと、表示の書き換えを実行するので、短時間で表示内容を書き換えることが出来ると共に、表示制御を極めて簡単に実施することが出来る。
【0057】
[本発明の強誘電性液晶装置の駆動波形の説明]
次に、セグメント駆動電圧とコモン駆動電圧の駆動波形の一例を図6によって説明する。尚、説明の前提としてコモン駆動電圧COM1が強誘電性液晶パネル30のコモン電極C1に接続されているとする(図1参照)。
【0058】
図6において、コモン駆動電圧COM1は、前述したように、選択期間と非選択期間を有しており、選択期間は強誘電性液晶パネル30をリセットするリセット期間であり、非選択期間は強誘電性液晶パネル30に表示情報を書き込む書き込み期間である。また、書き込み期間終了後は、書き込んだ表示を保持する保持期間が継続する。
【0059】
まず、リセット期間(選択期間)における駆動波形を説明する。ここで、交流化信号Mは、強誘電性液晶パネル30を交流化駆動するための信号であり、リセット期間の前半は論理“1”、後半は論理“0”が出力される。
【0060】
また、表示セグメントを黒表示とする表示データD(黒)は、リセット期間では論理“1”であり、また、表示セグメントを白表示とする表示データD(白)は、リセット期間では同じく論理“1”である。すなわち、リセット期間では、表示セグメントが黒表示でも白表示でも、表示データDは常に論理“1”が出力される。
【0061】
次に、リセット期間におけるコモン駆動電圧COM1は、図4(b)の動作表で示すように、リセット期間の前半は、交流化信号Mが論理“1”であるので電圧VSSが出力され、リセット期間の後半は、交流化信号Mが論理“0“であるので電圧V1が出力される。
【0062】
また、セグメント駆動電圧SEG(黒)は、表示データD(黒)によって表示セグメントを黒表示にする駆動電圧である。ここで、リセット期間におけるセグメント駆動電圧SEG(黒)は、表示データD(黒)と交流化信号Mによって決定されるので、図4(a)の動作表で示すように、リセット期間の前半は(D,M)が(1,1)であるので電圧V1が出力され、リセット期間の後半は、(1,0)であるので電圧VSSが出力される。
【0063】
また、セグメント駆動電圧SEG(白)は、表示データD(白)によって表示セグメントを白表示にする駆動電圧である。ここで、リセット期間におけるセグメント駆動電圧SEG(白)は、表示データD(白)と交流化信号Mによって決定されるので、図4(a)
の動作表で示すように、リセット期間の前半は(D,M)が(1,1)であるので電圧V1が出力され、リセット期間の後半は、(1,0)であるので電圧VSSが出力される。すなわち、リセット期間においては、表示データDが黒表示でも白表示でも論理“1”が出力されるので、セグメント駆動電圧SEG(黒)とセグメント駆動電圧SEG(白)は、同一の駆動波形となる。
【0064】
次に、コモン駆動電圧COM1とセグメント駆動電圧SEG(黒)とを合成した強誘電性液晶パネル30に実際に印加される合成駆動波形COM1−SEG(黒)について説明する。この合成駆動波形COM1−SEG(黒)は、強誘電性液晶パネル30のコモン電極C1とセグメント電極S1〜S6のいずれかに印加される駆動波形であり、リセット期間の前半は、コモン駆動電圧COM1が電圧VSSであり、セグメント駆動電圧SEG(黒)が電圧V1であるので電圧−V1が印加され、リセット期間の後半は、コモン駆動電圧COM1が電圧V1であり、セグメント駆動電圧SEG(黒)が電圧VSSであるので電圧+V1が印加される。
【0065】
また、合成駆動波形COM1−SEG(白)は、リセット期間において合成駆動波形COM1−SEG(黒)と同一であり、リセット期間の前半は電圧−V1が印加され、リセット期間の後半は電圧+V1が印加される。
【0066】
次に、書き込み期間(非選択期間)における駆動波形を説明する。まず、交流化信号Mは、リセット期間と同一であり、書き込み期間の前半は論理“1”、後半は論理“0”が出力される。
【0067】
また、表示セグメントを黒表示とする表示データD(黒)は、書き込み期間では表示を黒とするために論理“0”が出力され、また、表示セグメントを白表示とする表示データD(白)は、書き込み期間では表示を白とするために論理“1”が出力される。
【0068】
次に、書き込み期間におけるコモン駆動電圧COM1は、図4(b)の動作表で示すように、交流化信号Mの論理に関わりなく常に電圧V2が出力される。
【0069】
また、書き込み期間におけるセグメント駆動電圧SEG(黒)は、表示データD(黒)と交流化信号Mによって決定されるので、図4(a)の動作表で示すように、書き込み期間の前半は(D,M)が(0,1)であるので電圧VSSが出力され、書き込み期間の後半は(0,0)であるので電圧V1が出力される。
【0070】
また、書き込み期間におけるセグメント駆動電圧SEG(白)は、表示データD(白)と交流化信号Mによって決定されるので、図4(a)の動作表で示すように、書き込み期間の前半は(D,M)が(1,1)であるので電圧V1が出力され、書き込み期間の後半は(1,0)であるので電圧VSSが出力される。
【0071】
次に、書き込み期間での合成駆動波形COM1−SEG(黒)について説明する。ここで、書き込み期間の前半は、コモン駆動電圧COM1が電圧V2であり、セグメント駆動電圧SEG(黒)が電圧VSS(0V)であるので電圧+V2が印加され、書き込み期間の後半は、コモン駆動電圧COM1が電圧V2であり、セグメント駆動電圧SEG(黒)が電圧V1であるので電圧−V2が印加される。
【0072】
次に、書き込み期間での合成駆動波形COM1−SEG(白)について説明する。ここで、書き込み期間の前半は、コモン駆動電圧COM1が電圧V2であり、セグメント駆動電圧SEG(白)が電圧V1であるので電圧−V2が印加され、書き込み期間の後半は、コモン駆動電圧COM1が電圧V2であり、セグメント駆動電圧SEG(白)が電圧VS
Sであるので電圧+V2が印加される。
【0073】
このように、書き込み期間(非選択期間)において、コモン駆動電圧COM1が交流化信号Mに関わりなく電圧V2となるので、電圧V2が電圧V1の約1/2の電圧値であれば、合成駆動波形COM1−SEG(黒)と合成駆動波形COM1−SEG(白)は、電圧VSSを中心に双極性の電圧+V2と電圧−V2がバランス良く印加されることになる。
【0074】
次に、表示内容を保持する保持期間では、液晶ドライバ20の動作が停止するので、交流化信号Mは常に論理“0”が出力され、また、コモン駆動電圧COM1、及び、セグメント駆動電圧SEGはすべて同電位の電圧VSSが出力される。これにより、合成駆動波形COM1−SEG(黒)と合成駆動波形COM1−SEG(白)は共に電圧VSSとなって、強誘電性液晶パネル30のコモン電極C1とセグメント電極S1〜S6は同電位が印加される。すなわち、保持期間では、液晶ドライバ20が停止して強誘電性液晶パネル30の駆動が行われないので、極めて少ない消費電力で強誘電性液晶パネル30の表示を保持することが出来る。
【0075】
[強誘電性液晶パネルの動作の説明]
次に、合成駆動波形COM1−SEG(黒)と合成駆動波形COM1−SEG(白)が印加される強誘電性液晶パネル30の動作を図6及び図8によって説明する。尚、説明の前提として、合成駆動波形COM1−SEG(黒)と合成駆動波形COM1−SEG(白)の電圧+V2は、図8で示す閾値+Vtより大きく、また、電圧−V2は、図8で示す閾値−Vtより絶対値で大きいとする。
【0076】
まず、強誘電性液晶パネル30のリセット期間での動作を説明する。ここで、リセット期間での合成駆動波形COM1−SEG(黒)と合成駆動波形COM1−SEG(白)は同一の駆動波形であり、リセット期間の前半は電圧−V1が印加されるので、強誘電性液晶パネル30は図8で示す第1の安定状態(黒)となる。また、リセット期間の後半では、電圧+V1が印加されるので、強誘電性液晶パネル30は第2の安定状態(白)となる。リセット期間では、すべてのセグメントに同一の駆動波形が印加されるので、強誘電性液晶パネル30のすべてのセグメントは、リセット動作によって一瞬だけ黒表示になった後、白表示にリセットされることになる。
【0077】
次に、強誘電性液晶パネル30の書き込み期間での動作を説明する。まず、書き込み期間において、強誘電性液晶パネル30に合成駆動波形COM1−SEG(黒)が印加されると、その書き込み期間の前半では、電圧+V2が印加されてセグメントは白表示が継続する。また、書き込み期間の後半では電圧−V2が印加され、この電圧−2Vは、図8で示す閾値−Vtより絶対値が大きいので強誘電性液晶パネル30のセグメントは、第2の安定状態から第1の安定状態に転移して黒表示となる。
【0078】
すなわち、強誘電性液晶パネル30に、合成駆動波形COM1−SEG(黒)が印加されると、リセット期間で一旦、白表示にリセットされるが、その後の書き込み期間で黒表示に転移させることが出来る。また、書き込み期間終了後の保持期間では、前述したように、同電位のVSSが継続して印加されるので、強誘電性液晶のメモリ効果によって、表示状態は第1の安定状態が保持されて黒表示が継続する。
【0079】
次に書き込み期間において、強誘電性液晶パネル30に合成駆動波形COM1−SEG(白)が印加されると、その書き込み期間の前半では、電圧−V2が印加されてセグメントは一旦、第1の安定状態になって黒表示となる。また、書き込み期間の後半では電圧+V2が印加されるので、強誘電性液晶パネル30のセグメントは、第1の安定状態から第
2の安定状態に転移して白表示となる。また、書き込み期間終了後の保持期間では、同電位の電圧VSSが継続して印加されるので、強誘電性液晶のメモリ効果によって、表示状態は第2の安定状態が保持されて白表示が継続する。
【0080】
尚、リセット期間及び書き込み期間において、双極性パルスの駆動波形を印加する理由は、強誘電性液晶を交流化駆動して強誘電性液晶の劣化を防ぐためである。
【0081】
以上のように本発明の強誘電性液晶装置によれば、強誘電性液晶パネルのコモン電極を汎用の液晶ドライバ内蔵型マイクロコンピュータの一つのコモン出力端子に接続し、また、強誘電性液晶パネルのそれぞれのセグメント電極をセグメント出力端子に接続し、更に液晶駆動モードを1/2デューティーモードに設定して、選択期間をリセット期間、非選択期間を書き込み期間として強誘電性液晶パネルを駆動することにより、汎用のTN型液晶のための液晶ドライバ内蔵型マイクロコンピュータでありながら、特殊な駆動波形が必要である強誘電性液晶パネルを確実に駆動することが出来る。
【0082】
また、液晶ドライバ内蔵型マイクロコンピュータは1チップで構成されるので、部品点数が少なく、構成がきわめて簡単な強誘電性液晶装置を実現でき、小型で低消費電力の強誘電性液晶装置を提供することが出来る。また、汎用のマイクロコンピュータによって強誘電性液晶パネルを駆動できるので、強誘電性液晶用として新規に駆動LSIを開発する必要がなく、迅速な製品化や仕様変更等にも即対応できる強誘電性液晶装置を提供することが出来る。
【0083】
尚、本発明の実施形態で示したブロック図や駆動波形等は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を満たすものであれば、任意に変更してよい。
【符号の説明】
【0084】
1 強誘電性液晶装置
10 液晶ドライバ内蔵型マイクロコンピュータ(マイコン)
11 CPU
12 ROM
13 RAM
15 内部バス
20 液晶ドライバ
21 表示制御回路
22 表示メモリ
23 シフトレジスタ
24 セグメントドライバ
25 コモンデータラッチ
26 コモンドライバ
27 電源回路
30 強誘電性液晶パネル
COM1〜COM4 コモン駆動電圧/コモン出力端子
C1 コモン電極
SEG1〜SEGn セグメント駆動電圧/セグメント出力端子
S1〜S6 セグメント電極
D 表示データ
D´ 記憶表示データ
Dc コモンデータ
Ds セグメント表示データ
M 交流化信号
P1 電源制御信号
P2 シフトクロック
P3 メモリ制御信号
P4 ラッチクロック
P5 選択制御信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコモン出力端子と複数のセグメント出力端子とを有する液晶ドライバ内蔵型マイクロコンピュータと、強誘電性液晶パネルと、を備え、
前記液晶ドライバ内蔵型マイクロコンピュータの一つの前記コモン出力端子を前記強誘電性液晶パネルのコモン電極に接続し、複数の前記セグメント出力端子を前記強誘電性液晶パネルの複数のセグメント電極に接続し、
且つ、前記液晶ドライバ内蔵型マイクロコンピュータは液晶駆動モードを1/2デューティーモードに設定し、表示データDと交流化信号Mの二つの制御信号に基づいて前記強誘電性液晶パネルを駆動することを特徴とする強誘電性液晶装置。
【請求項2】
前記液晶ドライバ内蔵型マイクロコンピュータは、V1、V2、VSS(V1>V2>VSS)の3値の電圧をコモン駆動電圧又はセグメント駆動電圧として出力する電源回路を有し、
前記強誘電性液晶パネルのコモン電極に接続される前記コモン出力端子が選択期間であるとき、
前記コモン出力端子は前記交流化信号Mが論理“1”のとき電圧VSS、
前記交流化信号Mが論理“0”のとき電圧V1、
となる前記コモン駆動電圧が出力され、
前記コモン出力端子が非選択期間であるとき、
前記コモン出力端子は電圧V2、
となる前記コモン駆動電圧が出力され、
前記セグメント出力端子は前記表示データDと前記交流化信号Mの組み合わせ(D,M)が、
(0,0)または(1,1)のとき電圧V1、
(0,1)または(1,0)のとき電圧VSS、
となる前記セグメント駆動電圧が出力されることを特徴とする請求項1に記載の強誘電性液晶装置。
【請求項3】
前記コモン出力端子が選択される前記選択期間は前記強誘電性液晶パネルのリセット期間であって前記表示データDは論理“1”であり、
前記コモン出力端子が選択されない前記非選択期間は、前記強誘電性液晶パネルの書き込み期間であって前記表示データDは表示内容に基づいて論理“1”または“0”であることを特徴とする請求項2に記載の強誘電性液晶装置。
【請求項4】
前記書き込み期間終了後の前記コモン出力端子と前記セグメント出力端子は、同電位のコモン駆動電圧とセグメント駆動電圧が出力されることを特徴とする請求項3に記載の強誘電性液晶装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−164760(P2010−164760A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−6654(P2009−6654)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(000001960)シチズンホールディングス株式会社 (1,939)
【Fターム(参考)】