説明

弾性境界波装置

【課題】端子に静電気を帯びた部分が接触したとしても、IDT電極の破壊が生じ難い、弾性境界波装置を提供する。
【解決手段】圧電基板2と、第1の媒質層3と、第2の媒質層4とが積層されており、圧電基板2と第1の媒質層3との境界に電極構造5が形成されている三媒質構造の弾性境界波装置であって、第2の媒質層4上にIDT電極に電気的に接続されている複数の端子6〜11が形成されており、複数の端子6〜11が、第2の媒質層4に電気的に接続されており、第2の媒質層4が静電気を流し得る抵抗性材料からなる、弾性境界波装置1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共振子や帯域フィルタとして用いられる弾性境界波装置に関し、より詳細には、少なくとも圧電基板上に第1,第2の媒質層が形成されている三媒質構造の弾性境界波装置に関する。
【背景技術】
【0002】
弾性境界波装置では、圧電基板と誘電体との境界に弾性境界波のエネルギーが閉じ込められる。そのため、パッケージ内に空洞を設ける必要がないため、弾性表面波装置に比べて、弾性境界波装置では小型化を進めることができる。
【0003】
下記の特許文献1には、圧電基板上に第1の媒質層及び第2の媒質層が積層されている三媒質構造の弾性境界波装置が開示されている。
【0004】
図5は、特許文献1に記載の弾性境界波装置の電極構造を示す模式的平面図である。弾性境界波装置1001では、圧電基板1002上に、図示の電極構造が媒質層1003上に形成されている。図6に模式的正面断面図で示すように、弾性境界波装置1001は、圧電基板1002上に、第1の媒質層1003が積層されている構造を有する。第1の媒質層1003は、SiOなどの誘電体からなる。図6では、圧電基板1002と第1の媒質層1003の界面に形成された電極構造1004が略図的に示されている。
【0005】
上記電極構造1004は、具体的には、図5に示す電極構造である。すなわち、不平衡端子1011と、平衡端子1012,1013との間に、図示の電極構造が形成されており、それによって、弾性境界波フィルタ装置が構成されている。不平衡端子1011に、弾性境界波共振子1017を介して平衡−不平衡変換機能を有する縦結合振子型の弾性境界波フィルタ1018が接続されている。弾性境界波フィルタ1018の一方の平衡出力端が第1の平衡端子1012に、他方の平衡出力端が第2の平衡端子1013に接続されている。平衡端子1012,1013間には、弾性境界波共振子1019が接続されている。
【0006】
なお、上記弾性境界波フィルタ1018の複数のIDT電極は、一端が弾性境界波共振子1017を介して不平衡端子1011、第1の平衡端子1012または第2の平衡端子1013に接続されており、複数のIDT電極の各他端はグラウンド電位に接続されている。
【0007】
他方、下記の特許文献2には、図7(a),(b)に示す弾性境界波素子が開示されている。この弾性境界波素子では、圧電体1110と、圧電体1110上に設けられた媒質層1114との間に、電極1112が形成されている。そして、媒質層1114よりも熱伝導率が高い第3の媒質層1116が最上部に設けられている。第3の媒質層1116は媒質層1114の側面の少なくとも一部に接し、かつ媒質層1114上を被覆している。
【0008】
ここでは、第3媒質層1016の熱伝導性が高いため、放熱効果が高められるとされている。この第3媒質層1016を構成する材料として、シリコン、窒化シリコン、窒化アルミニウム及び酸化アルミニウムなどが好ましい旨が示されている。
【特許文献1】WO2008/038498
【特許文献2】特開2007−329584号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載の弾性境界波装置1001では、弾性境界波共振子1017や弾性境界波フィルタ1018のIDT電極の両端に、静電気などによって耐圧を越える電圧が加わるとIDT電極が破壊し、故障するおそれがある。弾性境界波装置の製造工程や、携帯電話機の回路基板などに弾性境界波装置を実装する工程において、製造設備や弾性境界波装置に静電気が発生することがある。例えば、パーツフィーダーなどの製造設備に静電気が発生することがある。静電気が帯電した弾性境界波装置の周囲の金属部分に接触したり、あるいは帯電した製造設備に弾性境界波装置の端子が接触したりすると、弾性境界波装置のIDT電極の両端間に大きな電流が流れることがある。そのため、IDT電極が破壊し、弾性境界波装置が不良品となり、歩留りが低下するおそれがあった。
【0010】
他方、特許文献2に記載の弾性境界波装置は、上記のように、三媒質構造を有し、特に第3の媒質層1116の熱伝導性を高めることにより放熱効果が高められている。しかしながら、特許文献2では、静電気によるIDT電極の破壊等については何ら言及されていない。
【0011】
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、製造工程や実使用中に静電気を帯びた部分が弾性境界波装置の端子に接触したとしても、該静電気による大きな電圧がIDT電極に印加され難く、従って、IDT電極の破壊が生じ難い、信頼性に優れた弾性境界波装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る弾性境界波装置は、圧電基板と、前記圧電基板上に積層されており、誘電体からなる第1の媒質層と、前記圧電基板と前記第1の媒質層との境界に配置されたIDT電極と、前記第1の媒質層に積層されており、静電気が流れ得る抵抗性材料からなる第2の媒質層と、前記第2の媒質層上に設けられており、かつ該第2の媒質層に電気的に接続されている複数の端子とを備え、前記複数の端子が、前記IDT電極に接続されている信号端子及びグラウンド電位に接続されるグラウンド端子を有する。
【0013】
本発明に係る弾性境界波装置のある特定の局面では、前記複数の端子が、前記IDT電極に電気的に接続されていない静電気除去用端子を含む。静電気除去用端子と、IDT電極の端子との間に第2の媒質層が存在し、該第2の媒質層が静電気が流れ得る抵抗性材料からなるため、静電気除去用端子を周囲のグラウンド電位に接続されている部分に接続するだけで、静電気を確実に除去することができる。
【0014】
本発明に係る弾性境界波装置の他の特定の局面では、前記第1,第2の媒質層を貫通するビアホール導体をさらに備え、前記ビアホール導体により、前記IDT電極が前記信号端子またはグラウンド端子に電気的に接続されている。この場合には、IDT電極がビアホール導体により第2の媒質層に電気的に接続されている信号端子に電気的に接続されているため、該信号端子と、他の信号端子との間に静電気による電圧が印加されたとしても、静電気は第2の媒質層を流れ、IDT電極の破壊は生じ難い。
【0015】
本発明に係る弾性境界波装置のさらに別の特定の局面では、前記信号端子が、第1の信号端子と第1の信号端子とは異なる信号が入出力される第2の信号端子とを有し、前記第2の媒質層において、前記第1の信号端子と前記第2の信号端子とを電気的に分離するための溝が形成されており、それによって、前記第1の信号端子が設けられている第2の媒質層部分と、前記第2の信号端子が設けられている第2の媒質層部分とが分離されている。この場合には、第1の信号端子である入力端子が設けられている第2の媒質層部分と、第2の信号端子である出力端子が設けられている第2の媒質層部分とが分離されているので、入力端子間と出力端子間とが電気的に分離され、それによって入力端子から出力端子へ直接に信号が伝搬されない。それにより、入力端子と出力端子の間のアイソレーションを確実に確保できる。
【0016】
上記第2の媒質層の抵抗率は、静電気が流れ得る程度の抵抗率であり、より具体的には、100000Ωcm以下が好ましく、また上記抵抗率が低すぎると、IDT電極に流れるべき信号が第2の媒質層に漏洩するため、上記抵抗率は10Ωcm以上であることが好ましい。
【0017】
本発明に係る弾性境界波装置において、上記第2の媒質層は、好ましくは、Siからなり、その場合には、静電気を確実に逃がし得る第2の媒質層を容易に形成することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る弾性境界波装置では、第2の媒質上に設けられている複数の端子が第2の媒質層に電気的に接続されており、第2の媒質層は静電気が流れ得る抵抗性材料からなるため、静電気の帯びた部分に端子が接触したとしても、第2の媒質層を静電気が流れ、IDT電極が静電気により破壊され難い。従って、信頼性に優れた弾性境界波装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0020】
図1〜図3を参照して、本発明の第1の実施形態に係る弾性境界波装置を説明する。
【0021】
図1(a)は、本実施形態の弾性境界波装置の電極構造を示す模式的平面図であり、(b)は、積層構造を説明するための模式的正面断面図である。
【0022】
図1(b)に示すように、弾性境界波装置1は、圧電基板2と、圧電基板2上に積層された第1の媒質層3と、第1の媒質層3上に積層された第2の媒質層4とを有する、三媒質構造の弾性境界波装置である。圧電基板2と第1の媒質層3との間の界面に電極構造5が形成されている。第2の媒質層4上には配線パターンXが形成されている。
【0023】
本実施形態では、圧電基板2は、LiNbO、LiTaOまたは水晶などの圧電単結晶からなる。圧電基板2は、圧電セラミックスからなるものであってもよい。
【0024】
上記第1の媒質層3は、SiOなどの誘電体材料からなる。このような誘電体材料としては、SiOに限らず、SiN、AlN、SiONなどの他の無機誘電体を挙げることができる。
【0025】
第2の媒質層4は、本実施形態では、ポリシリコンからなり、その抵抗率は、10Ωcm〜100000Ωcmである。第2の媒質層4は、静電気が流れ得る抵抗率を有する限り、様々な材料で形成され得る。このような材料としては、ポリシリコンの他、単結晶シリコン、アモルファスシリコン、GaAs、TiO、SiC、TiOなどを挙げることができる。静電気が流れ得る抵抗率としては、具体的には、1×10Ωcm以下であることが好ましく、また抵抗率が低すぎると後述するように、弾性境界波装置1の信号端子間を流れる電気信号が第2の媒質層4を流れることとなる。従って、抵抗率は、10Ωcm以上であることが好ましい。
【0026】
上記実施形態では、図1(b)における圧電基板2と第1,第2の媒質層3,4とで弾性境界波を閉じ込める働きをしている。従来例では、図6における圧電基板1002と第1の媒質層1003とで弾性境界波を閉じ込める働きをしている。
【0027】
図1(a)には、圧電基板2上に形成されている電極構造5が実線で示されている。なお、図1(a)の一点鎖線は第2の媒質層4上に形成されている配線パターンXを示す。
【0028】
図2は、本実施形態の弾性境界波装置1の平面図を示す。図2から明らかなように、弾性境界波装置1では、第2の媒質層4上に、複数の端子6〜11が露出している。図3は、この内、不平衡端子としての信号端子7が設けられている部分を拡大して示す部分切欠断面図である。信号端子7は、図3に示す金属バンプ7aにより形成されている。より具体的には、圧電基板2上に、信号端子7に接続される電極パッド12が形成されている。電極パッド12を露出させるように、第1の媒質層3及び第2の媒質層4には、貫通孔が形成されている。この貫通孔内に、ビアホール導体としてアンダーバンプメタル層13が形成されている。このアンダーバンプメタル層13上に、金属バンプ7aが形成され、それによって信号端子7が形成されている。
【0029】
他の信号端子6,8,9〜11も、同様に、第1,第2の媒質層3,4を貫通するように設けられたビアホール導体としてのアンダーバンプメタル層13により圧電基板2上のIDT電極などに電気的に接続されている。
【0030】
図1(a)に戻り、不平衡端子としての信号端子7に接続される電極パッド12が、圧電基板2上に形成されている。電極パッド12は、1端子対弾性境界波共振子21のIDT電極21aの一端に電気的に接続されている。IDT電極21aの境界波伝搬方向両側には、それぞれ反射器が設けられている。IDT電極21aの他端は、配線パターン22に接続されている。配線パターン22は、一対の櫛歯電極からなるキャパシタ23の一端に接続されており、キャパシタ23の他端が、電極パッド24に電気的に接続されている。電極パッド24はグラウンド電位に接続される電極パッドであり、前述した端子6に電気的に接続されている。従って、端子6は、グラウンド電位に接続される端子である。
【0031】
他方、配線パターン22の端部は、キャパシタ23の一端だけでなく、縦結合共振子型の弾性境界波フィルタ26の一端にも電気的に接続されている。弾性境界波フィルタ26は、平衡−不平衡変換機能を有する5IDT型の縦結合共振子型弾性境界波フィルタである。
【0032】
縦結合共振子型弾性境界波フィルタ26は、境界波伝搬方向に配置された第1〜第5のIDT電極26a〜26eを有する。配線パターン22は、上記IDT電極26a,26c,26eの一端に接続されており、IDT電極26a,26c,26eの他端はグラウンド電位に接続される。また、IDT電極26bの一端がグラウンド電位に、他端が電極パッド27を介して、第1の平衡端子を構成している信号端子9に電気的に接続されている。IDT電極26dの一端がグラウンド電位に、他端が電極パッド30を介して、第2の平衡端子としての信号端子11に電気的に接続されている。また、第1,第2の平衡端子間に電気的に接続されるように、1端子対弾性境界波共振子31が形成されている。弾性境界波フィルタ26のIDT電極26b,26dのグラウンド電位に接続される端部は、一点鎖線で示す配線パターンX1,X2により端子6の下方に位置しているビアホール導体に電気的に接続されている。この配線パターンX1,X2は、図1(b)に示した配線パターンXと同様に、第1の媒質層3と第2の媒質層4との間の高さ位置に形成されている。また、上記配線パターンX1,X2と、IDT電極26b,26dのグラウンド電位に接続される側の端部とは、第1の媒質層3を貫通しているビアホール導体(図示せず)により電気的に接続されている。
【0033】
同様に、IDT電極26a,26c,26eのグラウンド電位に接続される側の端部は、配線パターンX3により端子8に電気的に接続されている。配線パターンX3もまた、第1の媒質層3と第2の媒質層4との間の高さ位置に形成されている。配線パターンX3は、IDT電極26a,26c,26eの端部と図示しないビアホール導体により電気的に接続されている。配線パターンX3の反対側の端部は、端子8の下方に位置しているビアホール導体に電気的に接続されている。
【0034】
従って、端子6,8は、グラウンド電位に接続される端子である。
【0035】
他方、端子10は、静電気除去用端子であり、IDT電極に電気的に接続されていない。
【0036】
また、端子6〜11は、隣り合う端子間が抵抗の記号で示すように、第2の媒質層4を介して電気的に接続されている。第2の媒質層4は、上述した抵抗性材料からなるため、抵抗の記号により、隣り合う端子同士が電気的に接続されている状態を模式的に示すこととする。
【0037】
本実施形態においても、弾性境界波装置1001と同様に、平衡−不平衡変換機能を有する弾性境界波フィルタ装置が構成されている。ここでは、第2の媒質層4が、上記ポリシリコンからなり、静電気を流し得る抵抗率を有する。従って、第2の媒質層4に電気的に接続されるように構成された端子6〜11は、図1(a)において略図的に示すように、静電気を流し得る程度の導電性を有する抵抗を介して電気的に接続されていることになる。上記静電気除去用端子10を、弾性境界波装置1が搭載される携帯電話機などのグラウンド電位に接続させることにより、第2の媒質層4を流れる静電気が速やかに逃がされることになる。
【0038】
従って、弾性境界波装置1の製造に際し、パーツフィーダーなどの製造設備が静電気を帯び、静電気を帯びている部分が端子6〜11に接触したとしても静電気はIDT電極21a,26a〜26eには流れず、第2の媒質層4を流れることとなる。従って、弾性境界波共振子や弾性境界波フィルタ26のIDT電極の破壊を確実に防止することができる。
【0039】
なお、端子6〜11は、第2の媒質層4を介して電気的に接続されているが、第2の媒質層4の抵抗率が上記の値であるため、処理されるべき電気信号は確実に弾性境界波共振子21及び弾性境界波フィルタ26を流れ、良好なフィルタ特性を得ることができる。
【0040】
なお、静電気除去用端子10は、弾性境界波装置1のグラウンド電位に接続される電極部分に電気的に接続されていてもよい。その場合においても、上記実施形態と同様に、端子6,7,8,9または11から侵入した静電気は第2の媒質層4を流れ、静電気除去用端子10から逃がされることになる。
【0041】
図4(a),(b)は、本発明の第2の実施形態の弾性境界波装置を説明するための模式的平面図であり、(a)は、図1(a)と同様の圧電基板上の電極構造を説明するための模式的平面図であり、(b)は、弾性境界波装置の模式的平面図である。
【0042】
本実施形態の弾性境界波装置41は、第2の媒質層4において、溝4a,4bが形成されていることを除いては、第1の実施形態の弾性境界波装置1と同様とされている。従って、同一部分については同一の参照番号を付することにより、その詳細な説明を省略する。
【0043】
ここでは、第2の媒質層4を貫通するように、溝4a,4bが形成されている。溝4a,4bはそれぞれ、第1,第2の平衡端子としての端子9,11が形成されている第2の媒質層部分同士を互いに電気的に分離するために設けられている。
【0044】
従って、本実施形態では、入力端子である平衡端子と出力端子である第1,第2の平衡端子間に直接に信号が伝搬しないため、入力端子と出力端子のアイソレーションを確実に確保することができる。
【0045】
なお、第1,第2の実施形態では、上記弾性境界波共振子及び弾性境界波フィルタを有する平衡−不平衡変換機能を有する弾性境界波フィルタ装置につき説明したが、本発明において、電極構造は特に限定されず、IDT電極を少なくとも1つ含む弾性境界波装置に、本発明を広く用いることができる。
【0046】
また、不平衡入力端子と不平衡出力端子を有するフィルタにも用いることができる。
【0047】
また、上記端子6〜11は、金属バンプを用いて形成されているものに限らず、第2の媒質層を介して電気的に接続されている適宜の電極により形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】(a)は本発明の第1の実施形態に係る弾性境界波装置の電極構造を示す模式的平面図であり、(b)は第1の実施形態における三媒質構造の積層構造を説明するための模式的正面断面図である。
【図2】第1の実施形態に係る弾性境界波装置の平面図である。
【図3】第1の実施形態の弾性境界波装置において、1つの信号端子が形成されている部分の信号端子と圧電基板上の電極との電気的接続構造を説明するための部分切欠正面断面図である。
【図4】(a)は本発明の第2の実施形態に係る弾性境界波装置の電極構造を示す模式的平面図であり、(b)は該弾性境界波装置の平面図である。
【図5】従来の弾性境界波装置の電極構造を示す模式的平面図である。
【図6】従来の弾性境界波装置の積層構造を説明するための模式的正面断面図である。
【図7】(a),(b)は、従来の弾性境界波装置の他の例を説明するための模式的平面図及び模式的正面断面図である。
【符号の説明】
【0049】
1…弾性境界波装置
2…圧電基板
3…第1の媒質層
4…第2の媒質層
4a〜4c…溝
5…電極構造
6〜11…端子
7a…金属バンプ
12…電極パッド
13…アンダーバンプメタル層
21…1端子対弾性境界波共振子
21a…IDT電極
22…配線パターン
23…キャパシタ
24…電極パッド
26…縦結合共振子型弾性境界波フィルタ
26a〜26c…IDT電極
27…電極パッド
30…電極パッド
32…1端子対弾性境界波共振子
35…電極パッド
41…弾性境界波装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電基板と、
前記圧電基板上に積層されており、誘電体からなる第1の媒質層と、
前記圧電基板と前記第1の媒質層との境界に配置されたIDT電極と、
前記第1の媒質層に積層されており、静電気が流れ得る抵抗性材料からなる第2の媒質層と、
前記第2の媒質層上に設けられており、かつ該第2の媒質層に電気的に接続されている複数の端子とを備え、
前記複数の端子が、前記IDT電極に接続されている信号端子及びグラウンド電位に接続されるグラウンド端子を有する、弾性境界波装置。
【請求項2】
前記複数の端子が、前記IDT電極に電気的に接続されていない静電気除去用端子を含む、請求項1に記載の弾性境界波装置。
【請求項3】
前記第1,第2の媒質層を貫通するビアホール導体をさらに備え、前記ビアホール導体により、前記IDT電極が前記信号端子またはグラウンド端子に電気的に接続されている、請求項1または2に記載の弾性境界波装置。
【請求項4】
前記信号端子が、第1の信号端子と第1の信号端子とは異なる信号が入出力される第2の信号端子とを有し、
前記第2の媒質層において、前記第1の信号端子と前記第2の信号端子とを電気的に分離するための溝が形成されており、それによって、前記第1の信号端子が設けられている第2の媒質層部分と、前記第2の信号端子が設けられている第2の媒質層部分とが分離されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の弾性境界波装置。
【請求項5】
前記第2の媒質層の抵抗率が10Ωcm〜100000Ωcmの範囲にある、請求項1〜4のいずれか1項に記載の弾性境界波装置
【請求項6】
前記第2の媒質層がSiからなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の弾性境界波装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−35084(P2010−35084A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−197351(P2008−197351)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】