説明

弾性波素子の製造方法

【課題】焦電破壊を防止しながら、環状電極を有する弾性波素子を製造することができ、工程を減らすことができる弾性波素子の製造方法を提供する。
【解決手段】圧電基板のウェハを用いて、複数個の弾性波素子を製造する。まず、ウェハのうち弾性波素子になる個基板領域11にIDT14xを形成するとともに、ウェハの個基板領域11と個基板領域11に隣接する周辺領域13とに、IDT14xの電極同士を互いに接続して短絡させる短絡電極14q,14rを形成する。次いで、短絡電極14q,14rのうち、環状電極30が形成されるべき部分と当該部分に取り囲まれたIDT14xの電極とを接続している接続部分14zを切断した後に、環状電極30を形成する。次いで、ウェハを分割して弾性波素子の個片を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は弾性波素子の製造方法に関し、詳しくは、環状電極を有する弾性波素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圧電基板の主面に、互いに間挿される複数の電極指を有する一対の櫛型電極(IDT;Interdigital Transducer)が形成されている弾性波素子を気密封止した弾性波デバイスが提案されている。
【0003】
例えば図7の斜視図に示す弾性表面波デバイス101は、圧電基板111の下面にIDT電極、パッド電極及び環状電極が形成された弾性表面波素子を、上面に基体側パッド電極と基体側環状電極とが形成された実装用基体151に搭載し、パッド電極を基体側パッド電極に、環状電極を基体側環状電極にそれぞれ半田170を用いて接合することにより製造される。金属の枠状電極で封止することにより、樹脂の環状パターンで封止する場合よりも気密性を確保できる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
一方、タンタル酸リチウム(LiTaO)やニオブ酸リチウム(LiNbO)の圧電基板は焦電性を有するため、温度変化により発生した焦電荷がIDTの電極間に蓄積すると、電極間で放電を起こしてIDTを破壊する。このような焦電破壊を防ぐため、製造工程において、各電極を導体にて電気的に接続して同電位とし、放電を防止する方法が採用されている。この導体は後に除去される。
【0005】
例えば、図8は、ウェハから切断された弾性表面波素子211の斜視図である。ウェハ段階で、IDT電極221〜224に接続された短絡電極260〜266を形成して短絡させておき、ウェハをダイシング加工により分割するときに、短絡電極260〜266を同時に切断して、IDT電極221〜224の短絡を解除する(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−6110号公報
【特許文献2】特開昭59−8420公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
環状電極による封止と短絡電極による焦電破壊防止の両方を実現するため、図6(a)の平面図に模式的に示すように、個基板領域11に環状電極30が形成され、かつ個基板領域11と周辺領域13に、IDT14xの電極同士を接続して短絡させる短絡電極14q,14rが形成されたウェハを分割すると、図7(b)の平面図に示すように、個基板領域11において環状電極30と短絡電極14qとが接続されているため、分割後も、IDT14xの電極間が短絡された状態のままとなる。環状電極による封止と短絡電極による焦電破壊防止の両方を実現するためは、ウェハを分割する前に、短絡電極と環状電極との接続を切断し、IDTの電極同士の短絡を解除する必要がある。
【0008】
しかし、短絡電極を切断するためにフォトリソ/エッチングプロセス等を追加すると、工数増となる。
【0009】
本発明は、かかる実情に鑑み、焦電破壊を防止しながら、環状電極を有する弾性波素子を製造することができ、工程を減らすことができる弾性波素子の製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した弾性波素子の製造方法を提供する。
【0011】
弾性波素子の製造方法は、圧電基板のウェハを用いて、前記圧電基板の主面に、IDTと、前記IDTの周囲を連続して取り囲む環状電極とが形成された複数個の弾性波素子を製造する方法である。弾性波素子の製造方法は、(i)前記ウェハのうち前記弾性波素子になる個基板領域に前記IDTを形成するとともに、前記ウェハの前記個基板領域と前記個基板領域に隣接する周辺領域とに、前記IDTの電極同士を互いに接続して短絡させる短絡電極を形成する第1の工程と、(ii)前記短絡電極のうち、前記環状電極が形成されるべき部分と当該部分に取り囲まれた前記IDTの前記電極とを接続している接続部分を切断した後に、前記環状電極を形成する第2の工程と、(iii)前記ウェハを分割して前記弾性波素子の個片を形成する第3の工程とを備える。
【0012】
上記方法によれば、気密封止とウェハ工程中の焦電破壊抑制を両立できる。環状電極は、例えば、パッド電極上のバンプと同時に形成できるため、工数を減らすことができる。
【0013】
好ましくは、前記第2の工程において、(a)前記ウェハに、前記IDTと前記短絡電極の大部分とを覆うように、前記環状電極が形成されるべき部分を露出させる開口を有するレジストマスクを形成し、(b)次いで、前記短絡電極のうち、前記レジストマスクの前記開口から露出している部分を除去し、(c)次いで、前記レジストマスクを用いてリフトオフ工法により前記環状電極を形成する。
【0014】
この場合、短絡電極の切断と、環状電極の形成とに、レジストマスクを共用することにより、工数を減らすことができる。
【0015】
なお、レジストマスクの開口から、環状電極が形成されるべき部分とその近傍部分とが露出してもよい。
【0016】
好ましくは、前記第2の工程において、(a)前記ウェハに、前記IDTと前記短絡電極の大部分とを覆うように、前記環状電極が形成されるべき部分を露出させる開口を有するレジストマスクを形成し、(b)次いで、前記レジストマスクを介してウェットエッチングを行うことにより、前記短絡電極のうち、前記レジストマスクの前記開口から露出している部分とその近傍部分を除去し、(c)次いで、前記レジストマスクを用いてリフトオフ工法により前記環状電極を形成する。
【0017】
この場合、ウェットエッチングにより、短絡電極は、レジストマスクから露出している部分よりも外側まで除去することができるので、環状電極と短絡電極との間の間隔を大きくして、環状電極と短絡電極の絶縁を確保できる。
【0018】
なお、レジストマスクの開口から、環状電極が形成されるべき部分とその近傍部分とが露出してもよい。レジストマスクの開口から、環状電極が形成されるべき部分だけが露出する場合でも、ウェットエッチングにより、環状電極と短絡電極の絶縁を確保できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、焦電破壊を防止しながら、環状電極を有する弾性波素子を製造することができ、工程を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】弾性波素子の製造工程を示す断面図である。(実施例1)
【図2】弾性波素子の製造工程を示す要部平面図である。(実施例1)
【図3】弾性波素子の製造工程を示す要部平面図である。(実施例1)
【図4】弾性波素子の製造工程を示す要部断面図である。(実施例1)
【図5】弾性波素子の製造工程を示す断面図である。(実施例2)
【図6】弾性波素子の製造工程を示す要部平面図である。(説明例)
【図7】弾性波素子の斜視図である。(従来例1)
【図8】弾性波素子の斜視図である。(従来例2)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0022】
<実施例1> 実施例1の弾性波素子10の製造方法について、図1〜図4を参照しながら説明する。
【0023】
図1は、弾性波素子10の製造工程を示す断面図である。図2及び図3は、弾性波素子10の製造工程を模式的に示す要部平面図である。図4は、弾性波素子10の製造工程を示す要部断面図である。
【0024】
図1(f)に示すように、弾性波素子10は、圧電基板12の主面12aに、IDT14xと、IDT14xの周囲を連続して取り囲む環状電極30とが形成されている。
【0025】
弾性波素子10は、圧電基板12のウェハを用いて、以下の工程により、複数個分を同時に製造する。
【0026】
まず、図1(a)及び図2(a)に示すように、圧電基板12のウェハの主面12aに、1層目電極14を形成する。例えば、LiTaOのウェハ上に、Alを主成分とし、1wt%のCuを含む金属膜を、リフトオフ工法を用いて形成する。
【0027】
図2(a)に示すように、1層目電極14により、弾性波素子10になる個基板領域11に、IDT14xと、IDT14xに接続されたパッド電極14pとを形成する。また、1層目電極14により、短絡電極として、個基板領域11に隣接する周辺領域13にダイシングライン14rを形成し、個基板領域11及び周辺領域13に接続ライン14qを形成する。接続ライン14qは、パッド電極14pとダイシングライン14rとを接続する。
【0028】
なお、図1は、一つの個基板領域のみを図示している。また、図2及び図3は、一つの個基板領域11の周囲の個基板領域については、図示を省略している。
【0029】
次いで、図1(b)に示すように、配線部分の電気抵抗を下げるための2層配線15を形成する。2層配線15は、例えば、リフトオフ工法を用いて、Ti、Alの順に成膜することにより形成する。
【0030】
次いで、図1(c)に示すように、2層配線15上のバンプ搭載位置に、アンダーバンプメタル16を形成する。アンダーバンプメタル16は、例えば、リフトオフ工法を用いてTi、Ni、Auの順に成膜することにより形成する。
【0031】
次いで、図1(d)及び図2(b)に示すように、環状電極30を形成するための開口20pを有するレジストマスク20を形成する。例えば、ウェハ上にフォトレジストを塗布、露光、現像することにより、レジストマスク20を形成する。IDT14x及びパッド電極14pは、レジストマスク20で覆われている。短絡電極の大部分、すなわち、レジストマスク20の開口20pから露出する露出部分14y以外は、レジストマスク20で覆われている。なお、図2(b)において斜線を付した部分がレジストマスク20である。
【0032】
次いで、図1(e)及び図3(c)に示すように、レジストマスク20を用いてエッチングを行い、短絡電極のうち、レジストマスク20の開口20pから露出している露出部分14yとその近傍部分14zとを除去する。エッチングにより、IDT14xの電極同士の短絡は解除される。例えば、Alのエッチング液(リン酸、酢酸、硝酸の混合液)に浸漬し、エッチングした後、純水で洗浄する。
【0033】
エッチングは、図4(a)に示すように、短絡電極のうち、レジストマスク20の開口20pから露出している露出部分14yが、図4(b)に示すように丁度除去される時間(ジャストエッチ時間)よりも長くする。例えば、ジャストエッチ時間に対し、200%のエッチング時間とする。これにより、図4(c)において鎖線で囲んで示しているように、短絡電極、すなわち接続ライン14qは、レジストマスク20の開口20pから露出している露出部分14yのみならず、露出部分14yの近傍部分14zも除去される。近傍部分14zの除去によって、短絡電極のうち、環状電極30が形成されるべき部分と当該部分に取り囲まれたIDT14xの電極とを接続している接続部分を切断することができる。
【0034】
次いで、図1(f)及び図3(d)に示すように、環状電極30をリフトオフ工法により形成する。例えば、レジストマスク20を用いて、Ti、Cuの順に蒸着することにより環状電極30を形成した後、レジスト剥離液を用いて、レジストマスク20とレジストマスク20の上面20aに蒸着された金属膜とを除去する。レジストマスク20の開口20pに連続する溝面20qを逆テーパー形状にすると、溝面20qに金属膜が蒸着しにくいため、レジスト剥離が容易になる。
【0035】
短絡電極は、レジストマスク20の開口20pから露出している露出部分14yの近傍部分14zが除去されているため、図4(d)において破線で囲んで示すように、環状電極30と短絡電極との間に間隔を設け、環状電極30と短絡電極の絶縁を確保できる。
【0036】
次いで、ウェハから弾性波素子10の個片を分割する。例えば、ウェハの周辺領域13をダイシング加工することにより個片化する。
【0037】
個片化された弾性波素子10は、例えば、弾性波素子10の環状電極30に対応した環状電極及び半田バンプが形成されたパッケージに接合する。この場合、パッケージ側の環状電極は、例えば、リフトオフ工法でTi、Cu、Sn、Ti、Auの順に成膜することにより形成する。
【0038】
なお、弾性波素子とパッケージは、ウェハの状態で接合した後、個片化してもよい。
【0039】
以上の工程により製造すると、ウェハ工程のほぼ最終段階まで、短絡電極でIDTの電極同士を短絡させているので、焦電破壊を防止することができる。また、弾性波素子は、環状電極により気密封止が可能である。したがって、環状電極による気密封止と、短絡電極によるウェハ工程での焦電破壊の防止の両立が可能である。
【0040】
また、環状電極30をリフトオフ工法で形成するためのレジストマスク20を、短絡電極をエッチングするためのレジストマスクとして共用することにより、工数を削減できる。
【0041】
また、短絡電極をウェットエッチングでエッチングすることにより、サイドエッチング効果により、短絡電極は、レジストの開口から露出している部分よりも外側までエッチングすることができる。そのため、そのまま引き続いて環状電極を成膜・リフトオフしても、環状電極と短絡電極の間に十分な間隔を設け、環状電極と短絡電極の絶縁を確保できる。
【0042】
<実施例2> 実施例2の弾性波素子10aの製造方法について、図5を参照しながら説明する。図5は、弾性波素子10aの製造工程を示す断面図である。図5は、一つの個基板領域のみを図示している。
【0043】
実施例2の弾性波素子10aは、実施例1の弾性波素子10と略同様の構成である。以下では、実施例1と同じ構成部分には同じ符号を用い、実施例1との相違点を中心に説明する。
【0044】
図5(e)に示すように、実施例2の弾性波素子10aは、実施例1の弾性波素子10とは異なり、バンプ32が形成されている。
【0045】
実施例2の弾性波素子10aは、以下のように、実施例1の弾性波素子10と略同様の工程で製造できる。
【0046】
すなわち、実施例1と同じく、図5(a)に示すように、圧電基板12のウェハを用意し、主面12aに1層目電極14を形成する。1層目電極14により、実施例1と同じく、IDT14x、パッド電極及び短絡電極を形成する。例えば、LiTaOのウェハ上に、リフトオフ工法を用いて、Alを主成分とし、1wt%のCuを含む金属膜によって、1層目電極14を形成する。
【0047】
次いで、図5(b)に示すように、配線部分の電気抵抗を下げるための2層配線17を形成する。2層配線17の最上層は、後の工程で短絡電極をエッチングするときに用いるエッチング液に対して不溶な材料で形成する。例えば、リフトオフ工法を用いて、Ti、Al、Ti、Auを順に成膜し、最上層をAuにする。
【0048】
次いで、図5(c)に示すように、レジストマスク20kを形成する。レジストマスク20kには、実施例1と異なり、環状電極30を形成するための開口20pに加え、バンプ32を形成するため開口20sを形成する。
【0049】
次いで、図5(d)に示すように、レジストマスク20kを用いてエッチングを行い、短絡電極のうち、レジストマスク20の開口20pから露出している露出部分14yとその近傍部分14zを除去する。このとき、レジストマスク20の開口20sから露出している2層配線17は、最上層がエッチング液に対して不溶な材料で形成されているため、エッチングされない。
【0050】
例えば、Alのエッチング液(リン酸、酢酸、硝酸の混合液)に浸漬し、短絡電極をエッチングし、純水で洗浄する。エッチングは、レジストマスク20から露出している部分が除去される時間(ジャストエッチ時間)よりも長くするように、ジャストエッチ時間に対し、200%のエッチング時間とする。
【0051】
次いで、図5(e)に示すように、レジストマスク20kを用いてリフトオフ工法により、環状電極30とバンプ32とを形成する。これによって、封止のための環状電極30と、素子とパッケージ間の電気的な接続のためのバンプ32とを同一材料とすることができる。
【0052】
例えば、レジストマスク20を用いて、Ti、Cuの順に蒸着することにより、環状電極30とバンプ32を形成した後、レジスト剥離液を用いて、レジストマスク20とレジストマスク20の上面20aに蒸着された金属膜とを除去する。
【0053】
次いで、ウェハから、弾性波素子10aの個片を分割する。
【0054】
個片化された弾性波素子10aは、例えば、弾性波素子の環状電極に対応した環状電極及びバンプが形成されたパッケージに接合する。この場合、パッケージ側の環状電極とバンプは、例えば、Ti、Cu、Sn、Ti、Auを順に成膜することにより形成する。
【0055】
なお、弾性波素子10aとパッケージは、ウェハの状態で接合した後に個片化してもよい。
【0056】
以上の工程により弾性波素子10aを製造すると、2層配線17の最上層は短絡電極のエッチング液に対して不溶な材料にしているので、環状電極30とバンプ32を同一材料・同一プロセスで形成することができる。
【0057】
また、実施例1と同じく、環状電極による気密封止と、短絡電極によるウェハ工程での焦電破壊抑制の両立が可能である。
【0058】
また、環状電極形成をリフトオフで形成するためのレジストマスクを、短絡電極をエッチングするためのレジストマスクとして共用することにより、工数を削減できる。
【0059】
また、短絡電極をウェットエッチングでエッチングすることで、環状電極と短絡電極の絶縁を容易に確保できる。
【0060】
<まとめ> 以上に説明した製造方法により、焦電破壊を防止しながら、環状電極を有する弾性波素子を製造することができ、工程を減らすことができる。
【0061】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変更を加えて実施することが可能である。
【0062】
例えば、短絡電極は、圧電基板の焦電破壊防止に限らず、素子上に電解めっきを施したい場合の給電ラインや、IDTを陽極酸化するための給電ラインとして、用いてもよい。
【0063】
また、本発明は、弾性表面波を利用する弾性波素子に限らず、弾性境界波を利用する弾性波素子についても適用することができる。
【符号の説明】
【0064】
10,10a 弾性波素子
11 個基板領域
12 圧電基板
12a 主面
13 周辺領域
14 1層目電極
14p パッド電極
14q 接続ライン(短絡電極)
14r ダイシングライン(短絡電極)
14x IDT
14y 露出部分
14z 近傍部分
15 2層配線
16 アンダーバンプメタル
17 2層配線
20 レジストマスク
20a 上面
20p,20s 開口
30 環状電極
32 バンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電基板のウェハを用いて、前記圧電基板の主面に、IDTと、前記IDTの周囲を連続して取り囲む環状電極とが形成された複数個の弾性波素子を製造する、弾性波素子の製造方法において、
前記ウェハのうち前記弾性波素子になる個基板領域に前記IDTを形成するとともに、前記ウェハの前記個基板領域と前記個基板領域に隣接する周辺領域とに、前記IDTの電極同士を互いに接続して短絡させる短絡電極を形成する第1の工程と、
前記短絡電極のうち、前記環状電極が形成されるべき部分と当該部分に取り囲まれた前記IDTの前記電極とを接続している接続部分を切断した後に、前記環状電極を形成する第2の工程と、
前記ウェハを分割して前記弾性波素子の個片を形成する第3の工程と、
を備えたことを特徴とする、弾性波素子の製造方法。
【請求項2】
前記第2の工程において、
前記ウェハに、前記IDTと前記短絡電極の大部分とを覆うように、前記環状電極が形成されるべき部分を露出させる開口を有するレジストマスクを形成し、
次いで、前記短絡電極のうち、前記レジストマスクの前記開口から露出している部分を除去し、
次いで、前記レジストマスクを用いてリフトオフ工法により前記環状電極を形成することを特徴とする、請求項1に記載の弾性波素子の製造方法。
【請求項3】
前記第2の工程において、
前記ウェハに、前記IDTと前記短絡電極の大部分とを覆うように、前記環状電極が形成されるべき部分を露出させる開口を有するレジストマスクを形成し、
次いで、前記レジストマスクを介してウェットエッチングを行うことにより、前記短絡電極のうち、前記レジストマスクの前記開口から露出している部分とその近傍部分を除去し、
次いで、前記レジストマスクを用いてリフトオフ工法により前記環状電極を形成することを特徴とする、請求項1又は2に記載の弾性波素子の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−9991(P2012−9991A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−142403(P2010−142403)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】