説明

弾性波装置およびその製造方法

【課題】 カバーの上面に配置される部材に起因する問題が起きにくい小型化に対応したWLP型の弾性波装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 弾性波装置1は、弾性波を伝搬させる基板3と、基板3の主面上に配置された、弾性波を発生させる励振電極2と、基板3の主面上に配置された、励振電極2を保護するカバー5とを備える。カバー5は、基板3の主面側の面である第1主面5aと第1主面5aとは反対側の面である第2主面5bとを有する。第1主面5aは、外周縁12が基板3の主面3aの外周縁13よりも内側に位置し、第2主面5bは、外周縁が第1主面5aの外周縁12よりも外側に位置する拡張領域10を有する。これによって、全体構造は小型化に対応しつつ、励振電極を外部回路に電気的に接続するための端子や、励振電極の振動空間の変形を防止するための補強部材としてカバーに形成する補強層などを配置するスペースをカバーの第2主面に確保することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)装置や圧電薄膜共振器(F
BAR:Film Bulk Acoustic Resonator)などの弾性波装置に関する。
【背景技術】
【0002】
小型化などを目的とした、いわゆるウェハレベルパッケージ(WLP:Wafer.Level Package)型の弾性波装置が知られている。このWLP型の弾性波装置は、圧電基板と、圧
電基板に設けられた励振電極と、励振電極を封止するカバーとを有する。
【0003】
また、このカバーの上面は、例えば、端子を配置するためのスペース、あるいは励振電極の振動空間の変形を防止するための、金属材料からなる補強部材を設けるためのスペースとして利用される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−142770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の弾性波装置よりも小型化されたWLP型の弾性波装置においては、カバーの上面の面積が小さく、カバーの上面に端子などを配置すると、スペースの余裕がほとんどない状態となる。そのため、弾性波装置のさらなる小型化の要求を満足するためには、端子を小さくするといった措置や端子と補強部材との間のマージンを小さくするなどの措置が必要となる。
【0006】
しかしながら、そのような措置に伴い種々の問題が発生する。例えば、端子を小さくした場合には、弾性波装置の実装強度の低下を招くこととなるし、端子と補強部材との間のマージンを小さくした場合には、端子と補強部材との間で短絡が起きやすくなる。
【0007】
そこで上述のような問題が起きにくい小型化に対応したWLP型の弾性波装置が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様としての弾性波装置は、弾性波を伝搬させる基板と、該基板の主面上に配置された、前記弾性波を発生させる励振電極と、前記基板の主面上に配置された、前記励振電極を保護するカバーとを備え、該カバーは、前記基板の主面側の面である第1主面と該第1主面とは反対側の面である第2主面とを有し、前記第1主面は、外周縁が前記基板の主面の外周縁よりも内側に位置し、前記第2主面は、外周縁が前記第1主面の外周縁よりも外側に位置する拡張領域を有するものである。
【0009】
また本発明の一態様としての弾性波装置の製造方法は、第1素子領域および該第1素子領域に隣接する第2素子領域を有する大型基板の主面に、弾性波を発生させる励振電極を前記第1素子領域および前記第2素子領域ごとに形成する工程と、前記大型基板の主面上に前記第1素子領域と前記第2素子領域との境界を跨ぐ感光性の樹脂からなるカバー構成層を形成する工程と、ネガ型のフォトリソグラフィーによって前記カバー構成層の前記第1素子領域と前記第2素子領域との境界部分を除去することにより、前記カバー構成層の前記境界部分に溝部を形成する工程と、前記溝部に沿って大型基板を切断する工程とを含
むものである。
【発明の効果】
【0010】
上記の構成からなる弾性波装置は、カバーの第2主面に拡張領域を設けたことによって、全体構造は小型化に対応しつつ、励振電極を外部回路に電気的に接続するための端子や、励振電極の振動空間の変形を防止するための補強部材としてカバーに形成する補強層などを配置するスペースをカバーの第2主面に確保することができる。これによって、例えば、端子の面積を必要以上に小さくすることなく、弾性波装置の実装強度の低下を抑制することかできる。あるいは、端子と補強層との間のマージンを必要以上に小さくすることなく、端子と補強層との間の短絡を防止することができる。
【0011】
また上記の構成からなる弾性波装置の製造方法によれば、大型基板の主面上に第1素子領域と第2素子領域との境界を跨ぐ感光性の樹脂からなるカバー構成層を形成する工程と、ネガ型のフォトリソグラフィーによってカバー構成層の第1素子領域と第2素子領域との境界部分を除去することにより、カバー構成層の境界部分に溝部を形成する工程とを含むことから、カバーの第2主面に拡張領域を有する弾性波装置を簡便に作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係るSAW装置の外観斜視図である。
【図2】(a)は図1のSAW装置の平面図であり、(b)は図1のSAW装置の蓋部を外した状態の平面図である。
【図3】図2(a)のIII−III線における断面図である。
【図4】図3のMで示した部分の拡大断面図である。
【図5】(a)から(d)は、図1のSAW装置の製造方法を説明する断面図である。
【図6】(a)から(d)は、図1のSAW装置の製造方法を説明する断面図である。
【図7】(a)から(c)は、図1のSAW装置の製造方法を説明する断面図である。
【図8】図1に示すSAW装置の変形例を示す図4に対応する部分の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<SAW装置の構造>
図1は、本発明の実施形態に係るSAW装置1の外観斜視図であり、図2(a)(b)は、SAW装置1の平面図である。なお図2(b)は、カバー5の蓋部17を外した状態の平面図である。また、図3は図2(a)のIII−III線における断面図である。
【0014】
SAW装置1は、いわゆるWLP型のSAW装置により構成されている。SAW装置1は、基板3と、基板3の主面3aに配置された励振電極2と、励振電極2を保護するカバー5と、カバー5から露出する複数の端子7と、カバー5の上面に配置された補強層4を有している。
【0015】
SAW装置1は、複数の端子7のいずれかを介して信号の入力がなされる。入力された信号は、SAW装置1によりフィルタリングされる。そして、SAW装置1は、フィルタリングした信号を複数の端子7のいずれかを介して出力する。SAW装置1は、例えば、カバー5側の面を不図示の回路基板などの実装面に対向させて当該実装面に載置された状態で樹脂封止されることにより、複数の端子7を実装面上のパッドに接続した状態で実装される。
【0016】
基板3は、圧電基板により形成されている。例えば、基板3は、タンタル酸リチウム単結晶,ニオブ酸リチウム単結晶などの圧電性を有する直方体状の単結晶基板である。基板3の平面形状は適宜に設定されてよいが、例えば、所定方向(Y方向)を長手方向とする矩形である。基板3の大きさは適宜に設定されてよいが、例えば、厚さは0.2mm〜0.5mm、1辺の長さは0.5mm〜2mmである。
【0017】
基板3の主面3aには、励振電極2、接続配線11といった各種の電極および配線が設けられている。
【0018】
基板3の主面3aとは反対側の面である裏面3bには導体層13が取り付けられている。裏面3bに導体層13が取り付けられていることによって、基板3に蓄積された余分な電荷が放電され、SAW装置のフィルタとしての特性を安定化させることができる。なお、導体層13を設けずに基板3の裏面が露出した状態とされていてもよい。
【0019】
励振電極2は、SAWを発生させるためのものである。図2(b)に示すように励振電極2は、複数の電極指を有する櫛歯状の複数のIDT電極と複数のIDT電極の両端に配置された反射器電極とを含む。このような励振電極2が圧電性の基板3の主面に配置されることによって、例えば、2重モードSAW共振器フィルタなどが構成されている。なお図2(b)は模式図であり、実際にはこれよりも多数の電極指を有する櫛歯状電極が複数対設けられている。また、複数の励振電極2が直列接続や並列接続などの方式で接続され、ラダー型SAWフィルタなどが構成されてもよい。励振電極2は、例えばAl−Cu合金などのAl合金によって形成されている。
【0020】
励振電極2は、接続配線11および貫通導体9を介して端子7と接続されている。接続配線11は、例えば、励振電極2と同じ材料により形成され、Al−Cu合金などのAl合金によって形成されている。また接続配線11の配線抵抗を小さくするために、配線接続11の厚みを励振電極2の厚みよりも大きくしてもよい。
【0021】
基板3の主面3aに形成された励振電極2などの各種の電極および配線は、図3の断面図に示すように保護層14で覆われている。この保護層14は、励振電極2など基板3の主面3aに設けられた各種の電極および配線の酸化防止などに寄与する。保護層14は、例えば、絶縁性を有するとともに、SAWの伝搬に影響を与えない程度に質量の軽い材料により形成される。例えば、保護層14は、酸化珪素、窒化珪素、シリコンなどからなる。
【0022】
基板3の主面3aに配置された各種の電極および配線を保護するとともに、励振電極2の振動空間6を確保するためのカバー5が基板3の主面3aに配置されている。カバー5の平面形状は、例えば、基板3の平面形状と同様であり、矩形状である。カバー5は、平面視したときに基板3の主面3aの外周部が露出するように基板3の主面3aよりもやや小さく形成されている。
【0023】
カバー5は、基板3の主面3aに積層される枠部15と、枠部15に積層される蓋部17とで構成されている。枠部15には、開口部16が形成されている。開口部16は、枠部15を平面視したときに励振電極2と重なる部分に設けられている。換言すれば、枠部15の内壁は励振電極2を取り囲んでいる。この開口部16が蓋部17によって塞がれることで、基板3の主面3aとカバー5との間に振動空間6が形成されることとなる。
【0024】
枠部15は、概ね一定の厚さの層により構成されている。枠部15の厚さは、例えば、10μm〜30μmである。蓋部17は、概ね一定の厚さの層により構成されている。蓋
部17の厚さは、例えば、10μm〜30μmである。
【0025】
枠部15および蓋部17は、例えば、感光性の樹脂により形成されている。感光性の樹脂は、例えば、アクリル基やメタクリル基などのラジカル重合により硬化する、ウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系の樹脂である。
【0026】
枠部15および蓋部17は、同一の材料により形成されていてもよいし、互いに異なる材料により形成されていてもよい。図では説明の便宜上、枠部15と蓋部17との境界線を明示しているが、実際の製品においては、枠部15と蓋部17とが同一材料により形成され、一体的に形成されていてもよい。
【0027】
振動空間6はカバー5の中に設けられた空洞部であり、励振電極2の上面に設けられている。励振電極2の上面に振動空間6が設けられていることにより、励振電極2により発生するSAWが基板3を伝搬しやすくなる。振動空間6は図2(b)に示すように、平面形状が概ね矩形状に形成されている。また、図3の断面図に示すように、振動空間6の蓋部17側の角部、すなわち枠部15の内壁面の蓋部17側の部分は、曲面状とされている。これにより、樹脂モールド時にSAW装置1に外部から大きな圧力が印加された場合などでも、蓋部17が撓むのを抑制することができる。また振動空間6の大きさおよび数は適宜に設定されてよい。図2(b)では振動空間6を1つだけ設けた例を示しているが、例えば、複数の励振電極2を設けた場合には、複数の励振電極2ごとに複数の振動空間6を設けてもよい。
【0028】
図3に示すようにカバー5を高さ方向に貫通するようにして貫通導体9が設けられている。貫通導体9は、接続配線11の末端付近に配置されている。貫通導体9は枠部15を高さ方向に貫く柱状の第1柱部9aと、蓋部17を高さ方向に貫く柱状の第2柱部9bとを有している。
【0029】
第1柱部9aの基板3の主面3aと平行な方向に切断したときの断面形状は、例えば、円形状である。また第1柱部9aは、その側面がカバー5の第1主面5aから第2主面5bに向かうにつれて内側に傾斜している。第2柱部9bも第1柱部9aと同様に、基板3の主面3aと平行な方向に切断したときの断面形状は、例えば、円形状であり、その側面がカバー5の第1主面5aから第2主面5bに向かうにつれて内側に傾斜している。
【0030】
SAW装置1を外部の回路基板などに実装すると貫通導体9が引き抜かれる力が作用することがあるが、上述のように貫通導体9の側面を傾斜させることによって、貫通導体9の側面が傾斜していないものに比べて、貫通導体9が基板3から引き抜かれるのを抑制することができる。また、外部の水分などが貫通導体9の側面とカバー5との間の隙間から浸入することがあり、それが振動空間6まで到達するとフィルタ特性の劣化を招くこととなるが、貫通導体9の側面を傾斜させることによって、貫通導体9の側面が傾斜していないものに比べて、水分の浸入経路長を長くすることができるため、フィルタ特性の劣化を抑制することができるという利点もある。なお、図3では第1柱部9aの側面の基板3の主面3aに対する傾斜角が、第2柱部9bの側面の基板3の主面3aに対する傾斜角よりも大きくされている例を示しているが、傾斜角は適宜変更されてよく、例えば、第1柱部9aと第2柱部9bとで同じ傾斜角としてもよい。
【0031】
また、第1柱部9aと第2柱部9bとの接続部分において、第2柱部9bの第1柱部9a側の断面積は、第1柱部9aの第2柱部9b側の断面積よりも大きくされている。これにより、貫通導体9の第1柱部9aと第2柱部9bとの接続部分における側面に段差が形成される。このように貫通導体9の側面に段差部を設けることによっても貫通導体9の側面とカバー5との間から浸入し得る水分の浸入経路を長くすることができ、振動空間6へ
の水分の浸入によるフィルタ特性の劣化を抑制することができる。
【0032】
貫通導体9は、例えば、銅めっきにより形成されており、貫通導体9とカバー5との間には、めっき下地層(図示せず)が設けられている。めっき下地層は、例えば、チタンや銅などからなる。
【0033】
貫通導体9と接続配線11との間には接続強化層8が設けられている。接続強化層8は、比較的薄く形成される接続配線11を補強して、接続配線11と貫通導体9との接続を強化するためのものである。接続強化層8は、例えば、主面3a側から順にクロム、ニッケル、金を積層した3層構造からなる。
【0034】
一方、貫通導体9のカバー5からの露出部には端子7が接続されている。端子7は、例えば、銅めっきなどにより形成される。端子7と貫通導体9とを銅めっきにより形成する場合は、両者を一体的に形成することができる。
【0035】
端子7は、例えば、第2柱部9bの蓋部17から露出する第2柱部9bの端面を覆うようにして、第2柱部9bの端面よりも一回り大きく形成されており、その外周部はカバー5に積層されている。端子7の平面視における形状は、例えば、円形である。
【0036】
端子7が配置されたカバー5の第2主面5bには、図1乃至図3に示すように補強層4が配置されている。補強層4は、カバー5の強度を補強するためのものである。例えば、SAW装置1を外部の回路基板などに実装した後、SAW装置1全体を樹脂モールドすることがあるが、樹脂モールドする際に大きな圧力がSAW装置1に印加される。この場合であっても、補強層4を設けておくことによって、カバー5が変形するのを抑制することができる。これによって振動空間6の形状が大きく歪むのを防ぐことができるため、SAW装置1の信頼性向上に供することができる。
【0037】
補強層4は、カバー5を構成する材料よりもヤング率が高い材料により形成されている。例えば、カバー5のヤング率が0.5〜1.0GPaであるのに対し、補強層4のヤング率は100〜250GPaである。具体的な材料としては、例えば、カバー5として樹脂材料を使用した場合には、補強層4として金属材料を使用することができる。補強層4の厚さは、例えば、1〜50μmである。補強層4は、カバー5の比較的広い範囲に亘って形成されており、振動空間6の変形を防止する観点からすると、カバー5を平面透視したときに少なくとも振動空間6全体を覆うように振動空間6よりも大きく形成されていることが好ましい。なお、補強層4は端子7と接続されておらず、電気的に浮遊状態となっている。
【0038】
図4は、図3において丸で囲った領域Mを拡大した図である。
図4に示すようにカバー5の基板3の主面3a側の面である第1主面5aは、その外周縁12が基板3の主面3aの外周縁13よりも内側に位置している。SAW装置1の製造過程において、基板3となる圧電ウエハをダイシングした際などに基板3の主面3aに側面から内方に向かってクラックなどが発生することがあるが、そのクラックがカバー5まで到達するとカバー5の剥がれが起きやすくなることが確認されている。そこで、図3に示すようにカバー5の第1主面5aの外周縁12を基板3の主面3aの外周縁13よりも内側に位置させておくことによって、基板3の側面とカバー5の側面とが面一となっているものと比べて、基板3の主面3aに発生したクラックがカバー5に到達しにくくなるためカバー5の基板3からの剥がれを抑制することができる。また、カバー5の下側(基板3の主面3a側)の側面を構成する枠部15の側面15cは、第1主面5aから第2主面5bに向かうにつれて外方に傾斜している。これにより、枠部15の上面(第2主面5b側の面)の面積を必要以上に小さくすることなく、カバー5の第1主面5aの外周縁12を
基板3の主面3aよりも内側に位置させることができる。したがって、カバー5の第1主面5aの外周縁12を基板3の主面3aの外周縁13よりも内側に位置させた場合であっても枠部15の上面が極端に小さくなることはなく、枠部15に積層される蓋部17の配置スペースが十分に確保される。
【0039】
基板3の主面3aの外周縁13からカバー5の第1主面5aの外周縁12までの距離d1は、例えば、5μm〜30μmに設定されている。
【0040】
またカバー5の第2主面5bは、第1主面5aの外周縁12よりも外側に位置する拡張領域10を有している。第2主面5bにこのような拡張領域10を設けることによって、第2主面5bの面積が大きくなるため、SAW装置1の全体構造を小型化しつつ、第2主面5bに各種の部材を配置するためのスペースを確保できる。これにより、例えば、第2主面5bに配置される端子7の面積を大きくすることができ、SAW装置1の実装強度を高めることができる。あるいは、端子7と補強層4との間のマージンを大きくして端子7と補強層4との間で短絡が発生するのを抑制することができる。
【0041】
拡張領域10は、蓋部17の側面17cを第1主面5aから第2主面5bに向かうにつれて外方に傾斜させることにより形成されている。換言すれば、拡張領域10は図4の断面図において、蓋部17の傾斜した側面17cを斜辺とする直角三角形の隣辺のうち、第1主面5aの外周縁12から外方に位置する部分である。拡張領域10の幅d2は、例えば、1μm〜20μmに設定される。
【0042】
また蓋部17の傾斜した側面17cと基板3の主面3aに平行な線L1とのなす外角の角度αは、第2柱部9bと基板3の主面3aに平行な線L1とのなす内角の角度βよりも大きくされている。このように角度αと角度βの大きさを異ならせることにより、角度αと角度βとが同じ大きさのものに比べて、カバー5の側面と貫通導体9との間の領域において大きな内部応力が発生するのを抑制することができる。また角度αと角度βとを比較すると角度αは角度βよりも大きくされている。これにより、貫通導体9が基板3から引き抜かれるのを抑制する効果を高めつつ拡張領域10を設けることができる。角度αは、例えば、45°〜88°に設定される。なお、角度αは、断面SEM写真によって蓋部17の側面17cおよび第2柱部9bを含む領域を観察したときに、その側面17cの一方端と他方端とを結ぶ直線と基板3の主面3aに沿った直線とがなす角から測定される角度である。角度βも同様に、断面SEM写真によって蓋部17の側面17cおよび第2柱部9bを含む領域を観察したときに、その第2柱部9bの側面の一方端と他方端とを結ぶ直線と基板3の主面3aに沿った直線とがなす角を測定して求めた角度である。
【0043】
拡張領域10は、第2主面5bの外周全体にわたって形成されている。図2(a)において第1主面5aの外周縁12を破線で示す。すなわち、第2主面5bのうち、破線で示した外周縁12よりも外側に位置する部分が拡張領域10である。図2(a)に示すように拡張領域10は、第2主面5bの外周全体にわたって設けるようにしてもよいし、例えば、端子7の周囲にのみ設けるなど部分的に設けるようにしてもよい。
【0044】
以上述べたSAW装置1によれば、カバー5の第1主面5aの外周縁12が基板3の主面3aの外周縁13よりも内側に位置し、かつ、第2主面5bに第1主面5aの外周縁12よりも外側に位置する拡張領域10を設けたことによって、SAW装置1の全体構造を小型化しつつカバー5の上面の面積を広げて、カバー5の上面に端子7や補強層4を配置するための十分なスペースを確保することができる。
【0045】
<SAW装置の製造方法>
次に、図5乃至図7を参照してSAW装置1の製造方法について説明する。図5乃至図7
は、SAW装置1の製造方法を説明するための模式的な断面図である。
【0046】
図5(a)に示すように、まず、第1領域A1および第1領域A1に隣接する第2領域A2を有する大型基板33を用意する。大型基板33は、例えば、タンタル酸リチウム単結晶,ニオブ酸リチウム単結晶などの圧電性を有するウエハである。なお、図において第1領域A1と第2領域A2の境界を境界線L2で示す。
【0047】
大型基板33の主面33a上には、励振電極2、接続配線11といった各種の電極および配線が、第1素子領域A1および第2素子領域A2のそれぞれに形成される。具体的には、まず、スパッタリング法、蒸着法またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法な
どの薄膜形成法により、大型基板33の主面33a上に金属層が形成される。次に、金属層に対して、縮小投影露光機(ステッパー)とRIE(Reactive Ion Etching)装置とを用いたフォトリソグラフィー法などによりパターニングが行われる。これにより、励振電極2および接続配線11が形成される。
【0048】
励振電極2、接続用導体11などの各種電極および配線が形成されると、図5(b)に示すように、保護層14および接続強化層8が形成される。保護層14および接続強化層8は、いずれが先に形成されてもよい。例えば、まず、保護層14となる薄膜が、励振電極2および接続配線11の上を覆うように、CVD法または蒸着法などの薄膜形成法により形成される。次に、接続配線11のうち、貫通導体9の配置位置における部分が露出するように、フォトリソグラフィー法によって薄膜の一部が除去される。これにより、保護層14が形成される。次に、蒸着法などにより接続配線11の保護層14からの露出部分および保護層14上に金属層が形成されるとともに、リフトオフ法あるいはフォトリソグラフィー法などにより保護層14上の金属層が除去される。これにより、接続強化層8が形成される。
【0049】
保護層14および接続強化層8が形成されると、図5(c)〜図6(a)に示すように、枠部15が形成される。
【0050】
具体的には、まず、図5(c)に示すように、大型基板3の主面3a上に、枠部15を構成する枠部構成層35が第1素子領域A1と第2素子領域A2との境界部を跨ぐようにして形成される。枠部構成層35は、例えば、ネガ型のフォトレジストにより形成されたフィルムが貼り付けられることにより形成される。その後、枠部構成層35が形成された大型基板33を加熱処理する。これにより、枠部構成層35と大型基板33との密着強度を高めることができる。
【0051】
次に、図5(d)に示すように、フォトマスク40を介して紫外線などの光Lが枠部構成層35に照射される。すなわち、露光処理が行われる。フォトマスク40は、例えば、透明基板38上に遮光層39が形成されることにより構成されている。遮光層39は、枠部構成層35を除去すべき位置に対応する位置に配置されている。すなわち、振動空間6、貫通導体9およびダイシングラインに対応する位置にそれぞれ配置されている。各遮光層は幅が異なっており、振動空間6に対応する遮光層が最も大きく、貫通導体に対応する遮光層の幅が最も小さい。ダイシングラインに対応する遮光層の幅は、振動空間6に対応する遮光層の幅よりも小さく、貫通導体に対応する遮光層の幅よりも大きい。露光は、投影露光であってもよいし、プロキシミティ露光であってもよいし、密着露光であってもよい。
【0052】
その後、図6(a)に示すように、現像処理を行い、枠部構成層35のうち、光が照射された部分を残し、光が照射されなかった部分を除去する。これにより、枠部構成層35には、振動空間6となる開口部36と、第1柱部9aが配置される第1孔部41とが形成
される。またこれと同時に、第1素子領域A1と第2素子領域A2との境界部にはダイシングラインとなる第1溝部42が形成される。すなわち、枠部15が形成される。
【0053】
枠部構成層35の光Lが照射される領域の縁部においては、照射された光Lが、枠部構成層35の光Lが照射されない領域へ発散されることから、大型基板33の主面33a側まで十分に光が到達しない。したがって、枠部構成層35の光が照射される領域の縁部は、大型基板33の主面33a側が十分に硬化されずに、除去される。その結果、第1孔部41、第1溝部42、および開口部36は、主面33a側ほど径が広がるテーパ状(順テーパ状)に形成される。
【0054】
また、開口部36、第1孔部41および第1溝部42のテーパ面の主面33aに対する角度はそれぞれ異なっている。このテーパ面の主面33aに対する角度の違いは、フォトリソグラフィー法により枠部構成層35のパターニングを行う際の種々の条件の違いによって生じるものである。なかでも開口部36、第1孔部41および第1溝部42のそれぞれに対応するフォトマスクの遮光層の幅および形状がテーパ面の角度の違いに大きく影響することが本願発明者によって確かめられている。具体的には、フォトマスク40の遮光層39の幅が小さいほどテーパ面の主面33aに対する角度は小さくなる傾向にある。また、フォトマスク40の遮光層39の平面形状における外周が直線状の場合よりも曲線状の場合の方がテーパ面の主面33aに対する角度は小さくなる傾向にある。
【0055】
よって開口部36、第1孔部41および第1溝部42のそれぞれのテーパ面を比較すると、対応する遮光層39の幅が最も小さく、かつ、その平面形状の外周が円形状となっている第1孔部41のテーパ面の主面33aに対する角度が最も小さくなっている。
【0056】
第1孔部41、開口部36、および第1溝部42が形成されると、図6(b)〜図6(d)に示すように、蓋部17が形成される。
【0057】
具体的には、まず、図6(b)に示すように、枠部15上に、蓋部17を構成する蓋部構成層37が第1素子領域A1と第2素子領域A2との境界部を跨ぐようにして形成される。蓋部構成層37は、例えば、ネガ型のフォトレジストにより形成されたフィルムが貼り付けられることにより形成される。蓋部構成層37が形成されることにより、枠部15の開口部36が塞がれて、振動空間6が構成される。なお、枠部構成層35と蓋部構成層37とは加熱されることによって接合されることが好ましい。
【0058】
次に、図6(c)に示すように、フォトマスク50を介して紫外線などの光Lが蓋部構成層37に照射される。すなわち、露光処理が行われる。フォトマスク50は、フォトマスク40と同様に、透明基板51上に遮光層52が形成されることにより構成されている。遮光層52は、蓋部構成層37を除去すべき位置に対応する位置に配置されている。すなわち、貫通導体9に対応する位置およびダイシングラインに対応する位置に配置されている。フォトマスク50は、例えば、フォトマスク40において、遮光層39のうち振動空間6に対応する部分を除去した構成となっている。なお、露光は、投影露光であってもよいし、プロキシミティ露光であってもよいし、密着露光であってもよい。
【0059】
その後、図6(d)に示すように、現像処理を行い、蓋部構成層37のうち、光が照射された部分を残し、光が照射されなかった部分を除去する。これにより、蓋部構成層37には、第2柱部9bが配置される第2孔部43および第2溝部44が形成される。すなわち、蓋部17が形成される。蓋部17が形成されることにより、枠部15と蓋部17とからなるカバー5が完成する。なお、第1孔部41と第2孔部43とが連結されて貫通導体用孔部となり、第1溝部42と第2溝部44とが連結されてダイシングラインとなる。
【0060】
蓋部構成層37に形成された第2溝部44と第2孔部43とを比較すると、第2溝部44のテーパ面の主面33aに対する角度と第2孔部43のテーパ面の主面33aに対する角度とが異なっている。具体的には、第2孔部43のテーパ面の主面33aに対する角度は、第2溝部44のテーパ面の主面33aに対する角度よりも小さい。これは、主に第2孔部43に対応する遮光層52の幅が第2溝部44に対応するフォトマスク50の遮光層52の幅よりも小さいこと、および平面視において第2溝部44に対応する遮光層52の縁部が直線状であるのに対し、第2孔部43に対応する遮光層52の縁部が円形状であることによるものである。
【0061】
また、連結された第1孔部41と第2孔部43とを比較すると、第1孔部41のテーパ面の主面33aに対する角度は、第2孔部42のテーパ面の主面33aに対する角度よりも大きい。同様に、連結された第1溝部42と第2溝部44についても、第1溝部42のテーパ面の主面33aに対する角度は、第2溝部44のテーパ面の主面33aに対する角度よりも大きい。この角度の違いは、第1孔部41に対応する遮光層39と第2孔部43に対応する遮光層52とで幅が異なっていることに加え、枠部構成層35と蓋部構成層37との硬さの違いによるものである。具体的には、フォトリソグラフィーを行う際の枠部構成層35は、蓋部構成層37よりも硬い状態となっている。この硬さの違いは、例えば、フォトリソグラフィーを行う前に加熱処理を行うか否かによって生じるものである。なお、ここでいう硬さとはヤング率として測定したものをいう。
【0062】
上述の方法によって、主面33aに対して所定の角度で傾斜しているテーパ面を有する第1溝部42および第2溝部44を形成することによって、カバー5の第2主面5bに拡張領域10を形成することができる。
【0063】
カバー5が形成されると、図7(a)および図7(b)に示すように、貫通導体9および端子7が形成される。具体的には、まず、カバー5の露出部分を覆うようにしてめっき用下地層(図示せず)が形成される。また、めっき用下地層は、カバー5の露出部分以外にも第1孔部41の底面および第1溝部42の底面にも形成される。めっき用下地層は、例えば、スパッタリング法、フラッシュめっき法などにより、Ti−Cuなどで形成するのが好適な一例である。
【0064】
めっき用レジスト層55は、めっき用下地層上に形成される。めっき用レジスト層55は、例えば、スピンコートなどの手法で基板に形成される。めっき用レジスト層55には、第2孔部43上に端子用孔部57が形成されるとともに、補強層4が形成される領域に補強層用孔部54が形成されている。端子用孔部57は、径が第2孔部43の径よりも大きく、また、深さ(めっき用レジスト層57の厚さ)が端子7の厚さ以上である。補強層用孔部54は、平面透視したときに振動空間6全体が含まれるように振動空間6よりも大きく形成され、その深さは、端子用孔部57と同じ大きさに設定されている。端子用孔部57および補強層用孔部54は、例えば、フォトリソグラフィーにより形成される。
【0065】
一方、第1溝部42および第2溝部44は、めっき用レジスト層55によって埋められている。ここでカバー5の第2主面5bに拡張領域10が設けられていることによって、第1溝部42および第2溝部44に埋められためっき用レジスト層55の上面の平坦性が向上する。例えば、第1孔部42および第2孔部44の内周面が大型基板33の主面33aに対し垂直な状態となっている場合など拡張領域10が設けられていない場合には、めっき用レジスト層55の上面中央付近に窪みが形成されやすいことが確認されている。そのようにめっき用レジスト55層の上面の中央付近に窪みが生じると、そのめっき用レジスト層55の外周部が歪んでしまい、結果として、そのめっき用レジスト層55をガイドとして形成される端子7の形状が歪んでしまう。これに対し、カバー5の第2主面5bに拡張領域10が設けられていると、拡張領域10がめっき用レジスト層55の支えとなり
、めっき用レジスト層55の上面の中央付近に窪みが生じにくくなる。そのため、めっき用レジスト層55の上面の平坦性が向上し、そのめっき用レジスト層55の外周部が歪むのを抑制することができる。結果として、歪みの少ない端子7を形成することができ、SAW装置1の実装安定性に供する。
【0066】
次に、図7(b)に示すように、めっき用レジスト層55から露出するめっき用下地層に対してめっき法を施す。これにより、第1孔部42、第2孔部44、端子用孔部57、ならびに補強層用孔部54に金属が充填される。充填される金属は、例えば、銅である。そして、第1孔部41に充填された金属により第1柱部9aが形成され、第2孔部43に充填された金属により第2柱部9bが形成され、端子用孔部57に充填された金属により端子7が形成される。なお、端子用孔部57においては、めっき用レジスト層55の表面まで金属が充填される必要はなく、端子用孔部57の適宜な深さまで金属が充填されればよい。または、めっき用レジスト層55の表面よりも高く金属を充填した後、端子7が所定の厚みになるまで化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)などで平坦
化処理を行ってもよい。
めっき法は、適宜に選択されてよいが、電気めっき法が好適である。電気めっき法は、柱状の端子7の高さの自由度が高く、また、めっき用下地層との密着性が良好なためである。
【0067】
その後、めっき用レジスト層57を除去する。その後、図7(c)に示すように、第1素子領域A1と第2素子領域A2の境界L2に沿って、大型基板33をダイシングブレード60で切断することにより、SAW装置1が形成される。
【0068】
以上の実施形態において、SAW装置1は本発明の弾性波装置の一例である。また枠部構成層35および蓋部構成層37は、本発明のカバー構成層の一例である。
【0069】
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
【0070】
弾性波装置は、SAW装置に限定されない。例えば、弾性波装置は、圧電薄膜共振器であってもよい。弾性波装置において、保護層14、接続強化層8および導体層13は省略されてもよいし、逆に、他の適宜な層が形成されてもよい。例えば、実施形態において、導体層13を覆う樹脂層を設けてもよい。導体層13を覆う樹脂層を設けることによって、マーキングがしやすくなるといった利点がある。
【0071】
図8は、拡張領域10の変形例を示す図4に対応する部分の断面図である。変形例における拡張領域10は、蓋部17の上に予備層19を配置し、予備層19の端部を枠部15の側面よりも外側に位置させることにより形成されている。この変形例に示すように、拡張領域10は、カバー5の側面を傾斜させて形成されるものに限られない。
【符号の説明】
【0072】
1・・・弾性表面波装置(弾性波装置)
2・・・励振電極
3・・・基板
4・・・補強層
5・・・カバー
5a・・・第1主面
5b・・・第2主面
6・・・振動空間
7・・・端子
8・・・接続強化層
9・・・貫通導体
10・・・拡張領域
11・・・接続配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性波を伝搬させる基板と、該基板の主面上に配置された、前記弾性波を発生させる励振電極と、前記基板の主面上に配置された、前記励振電極を保護するカバーとを備え、
該カバーは、前記基板の主面側の面である第1主面と該第1主面とは反対側の面である第2主面とを有し、
前記第1主面は、外周縁が前記基板の主面の外周縁よりも内側に位置し、
前記第2主面は、外周縁が前記第1主面の外周縁よりも外側に位置する拡張領域を有する弾性波装置。
【請求項2】
前記カバーは、前記基板の主面を平面視したときに前記励振電極を囲む開口部を有し、前記基板の主面上に配置された枠部と、前記開口部を塞ぐ蓋部とを含み、
該蓋部の側面が、前記第1主面から前記第2主面に向かうにつれて外方に傾斜しており、前記拡張領域は、前記蓋部の側面を傾斜させたことにより前記第2主面が拡張された領域である請求項1に記載の弾性波装置。
【請求項3】
前記励振電極に電気的に接続された、前記カバーを高さ方向に貫く柱状の貫通導体をさらに備え、
該貫通導体は、前記枠部を高さ方向に貫く第1柱部と前記蓋部を高さ方向に貫く第2柱部とを有し、
該第2柱部の側面は、前記第1主面から前記第2主面に向かうにつれて内方に傾斜しており、
前記蓋部の傾斜した側面と前記基板の主面とのなす外角の角度αが、前記第2柱部の傾斜した側面と前記基板の主面とのなす内角の角度βとは異なっている請求項2に記載の弾性波装置。
【請求項4】
前記蓋部の傾斜した側面と前記基板の主面とのなす外角の角度αが、前記第2柱部の傾斜した側面と前記基板の主面とのなす内角の角度βよりも大きい請求項3に記載の弾性波装置。
【請求項5】
前記枠部の側面が、前記第1主面から前記第2主面に向かうにつれて外方に傾斜している請求項2乃至4のいずれか1項に記載の弾性波装置。
【請求項6】
前記第2主面は、外周縁が前記基板の主面の外周縁よりも内側に位置している請求項1乃至5のいずれか1項に記載の弾性波装置。
【請求項7】
第1素子領域および該第1素子領域に隣接する第2素子領域を有する大型基板の主面に、弾性波を発生させる励振電極を前記第1素子領域および前記第2素子領域ごとに形成する工程と、
前記大型基板の主面上に前記第1素子領域と前記第2素子領域との境界を跨ぐ感光性の樹脂からなるカバー構成層を形成する工程と、
ネガ型のフォトリソグラフィーによって前記カバー構成層の前記第1素子領域と前記第2素子領域との境界部分を除去することにより、前記カバー構成層の前記境界部分に溝部を形成する工程と、
前記溝部に沿って大型基板を切断する工程と
を含む弾性波装置の製造方法。
【請求項8】
前記カバー構成層にネガ型のフォトリソグラフィーによって貫通導体用孔部を形成する工程をさらに含み、
前記溝部を形成する工程において使用するフォトマスクの前記溝部に対応する遮光層の幅
と、前記貫通導体用孔部を形成する工程において使用するフォトマスクの前記貫通導体用孔部に対応する遮光層の幅とを異ならせる請求項7に記載の弾性波装置の製造方法。
【請求項9】
前記溝部を形成する工程において使用するフォトマスクの前記溝部に対応する遮光層の幅を、前記貫通導体用孔部を形成する工程において使用するフォトマスクの前記貫通導体用孔部に対応する遮光層の幅よりも大きくする請求項8に記載の弾性波装置の製造方法。
【請求項10】
前記溝部を形成する工程において使用するフォトマスクの前記溝部に対応する遮光層の平面視における形状を矩形状とし、前記貫通導体用孔部を形成する工程において使用するフォトマスクの前記貫通導体用孔部に対応する遮光層の平面視における形状を円形状とする請求項8または9に記載の弾性波装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−80188(P2012−80188A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221103(P2010−221103)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】